骨に補強材を配送する装置および方法
【課題】弱化した、あるいは折れた骨に補強材を配送する装置および方法を提供する。
【解決手段】近位端102、遠位端104、およびその間の長手方向軸を有するチューブ100を含む、骨に補強混合物を配送する装置であって、チューブ100は、物がバルーン106に入るとバルーン106が略収縮状態から略膨張状態に拡張する、チューブ100に係合するバルーン106と、バルーン106に光を誘導するためにチューブ100を通ってバルーン106まで延在する少なくとも1つの光導体112とを有する。
【解決手段】近位端102、遠位端104、およびその間の長手方向軸を有するチューブ100を含む、骨に補強混合物を配送する装置であって、チューブ100は、物がバルーン106に入るとバルーン106が略収縮状態から略膨張状態に拡張する、チューブ100に係合するバルーン106と、バルーン106に光を誘導するためにチューブ100を通ってバルーン106まで延在する少なくとも1つの光導体112とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施形態は骨の強化および補強、特に、弱化した、あるいは骨折した骨に補強材を配送(deliver)する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨は生きている組織で、身体内で構造的な役割を果たす。骨は、反復するハーベシアン(Harvesian)系(血管と神経を含む中心管の周囲に配置される同心円状の層)から成る。中心管は髄腔としても知られ、骨髄で満たされている。長骨の軸内には、これらのHarvesian系の多くが平行にともに束ねられ、圧縮力および曲げ力を扱うために最適化された緻密骨と呼ばれる種類の骨を形成している。中手骨などの一部の骨では、骨自体が中空で、もしあっても骨髄を少ししか含まない。応力が非常に複雑になる骨の端部近傍では、Harvesian系は外に広がり分岐して、海綿状またはスポンジ状の骨の網目構造を形成する。緻密骨と海綿骨は密度が異なる、あるいは、組織が非常に密に密集している。
【0003】
コラーゲンロッドは骨を支えており、コラーゲンロッドを結晶化し包囲する血液からのミネラル(カルシウムとリンを含む)によって囲まれている。これらのミネラルが骨に強度を与え、コラーゲンロッドは弾力性を与える。
【0004】
遺伝的または発生的な異常、外傷、慢性的ストレス、腫瘍、および疾病は、骨の病変を引き起こす可能性がある。骨を弱化させる骨の病気には、限定はされないが、骨粗鬆症、胎児性軟骨異栄養症、骨癌、進行性骨化性線維形成異常症、線維性骨異形成症、レッグ−カルヴェ−ペルテス病、骨髄腫、骨形成不全症、骨髄炎、骨減少症、骨粗鬆症、パジェット病、および脊柱側湾症などがある。弱化した骨は折れやすく、骨折を防止する治療が重要である。開放された複数の、あるいは腰または背中の重篤な骨折は病院で治療される。深刻な開放骨折である、あるいは周囲組織に重大な損傷をもたらしている場合、手術が必要とされるかもしれない。深刻な骨折は、治癒過程において骨を適切な位置に保持する、あるいは失われた骨を交換するために、ネジ、ロッド、または板材などの内部装置を必要とすることがある。
【0005】
骨が折れた多くの場合、骨セメント混合物または骨間隙充填材が、骨を修復および強化するために骨に添加される。従来技術の骨セメント混合物は通常、2つの部分(粉末および液体)であり、触媒を必要とし、発熱性である。骨セメントを骨に注入するのに注入装置が使用される。通常の骨セメント注入装置はピストル形状で、骨セメントを含有するカートリッジを支持し、注入装置は、普通は高圧配送源である。より具体的には、トリガがバネ仕掛けまたはスクリューラムを駆動させ、強制的に粘性状態のある量の骨セメントを、適切なノズルを通過させて治療対象の骨の内部へと送る。注入される骨セメント混合物の量は、骨構造内の空間の量と骨内の開放領域に達する能力との関数である。場合によっては、骨髄の存在が、使用可能な骨セメント混合物の量を制限する。
【0006】
アクリル骨セメントのASTM標準仕様により実行されるポリメタクリル酸メチル(PMMA)骨セメントの熱特性化試験では、骨セメントの時間および温度プロファイルは、セメントパティと型材の厚さに反応しやすいことが観察された。セメントから周囲の型材への熱伝達により、上記の試験は骨セメントの発熱温度を過小評価している可能性がある。すなわち、型材と幾何的形状が測定されるパラメータの値に影響を及ぼす場合がある。
【0007】
骨セメントは扱うのが難しく、合併症を招くことがある。骨セメントが漏れると、軟組織の損傷と神経根の痛みおよび圧迫とを引き起こす可能性がある。椎体形成術と亀背形成術のための骨セメントの使用に関連するその他の合併症には、肺塞栓、呼吸不全と心不全、腹部侵入、腸閉塞、死亡などがある。
【0008】
骨セメント混合物を骨の修復または強化のために追加する従来技術の手法は、米国特許第4、969、888号の「膨張式装置を用いる骨粗鬆症の骨の固定のための外科的プロトコル」、米国特許第5、108、404号の「膨張式装置を用いる骨粗鬆症の骨の固定のための外科的プロトコル」、米国特許第5、824、087号の「骨再生」、米国特許第6、241、734号の「骨に材料を配置するシステムおよび方法」、米国特許第6、395、007号の「骨粗鬆症の骨を固定する装置および方法」、米国特許第6、425、923号の「輪郭形成可能なポリマー充填移植材」、米国特許第6、887、246号の「骨粗鬆症の骨を固定する装置および方法」、米国特許第6、875、212号の「移植可能医療装置のための治癒可能媒体」、米国特許第6、964、667号の「熱促進の現場形成固定システム」、米国公開第2004/0225296号の「海綿骨圧迫のための内部拘束を有する膨張体を用いる装置および方法」、米国公開第2005/0142315号の「液体ペルフルオロポリマーおよびそれを組み込む医療用途」に記載されている。
【0009】
従来技術の注入装置は通常、侵襲性で、バネ駆動の荷重サイクルが完了する前に空隙が充填された場合にセメントの流れを迅速に終わらせることが困難である。従来のセメント注入装置は、骨内の海綿骨の量および密度の状態に反応してリアルタイムで注入量または注入速度を調節または制御することも困難である。
【0010】
よって、最小限の侵襲性の手法を用い、使いやすく、速度および量の制御性が高く、反応速度が速い、骨に補強材を配送する装置および方法が当該技術において必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第4、969、888号
【特許文献2】米国特許第5、108、404号
【特許文献3】米国特許第5、824、087号
【特許文献4】米国特許第6、241、734号
【特許文献5】米国特許第6、395、007号
【特許文献6】米国特許第6、425、923号
【特許文献7】米国特許第6、887、246号
【特許文献8】米国特許第6、875、212号
【特許文献9】米国特許第6、964、667号
【特許文献10】米国公開第2004/0225296号
【特許文献11】米国公開第2005/0142315号
【発明の概要】
【0012】
弱化した、あるいは折れた骨を補強するシステムおよび方法が本明細書に開示されている。本明細書に示される局面によると、近位端、遠位端、およびその間の長手方向軸を有するチューブを含む、骨に補強混合物を配送する装置であって、チューブが、骨補強混合物を通過させることのできる少なくとも1つの内腔と、骨補強混合物がバルーンに入ると略収縮状態から略膨張状態に拡張し始める、チューブを係合するバルーンと、バルーンに光を誘導するためにチューブを通ってバルーンまで延びる少なくとも1つの光導体とを有する装置が提供される。
【0013】
本明細書に示される局面によると、近位端、遠位端、およびその間の長手方向軸を有するカテーテルを含む、骨に補強混合物を配送する装置であって、カテーテルが、骨補強混合物を通過させることのできる少なくとも1つの内腔と、カテーテルから延在し、骨補強混合物がバルーンに入ると略収縮状態から略膨張状態に拡張し始めるバルーンと、カテーテルとバルーンを接続し、接合部でカテーテルに印加される応力を集中させる接合部とを有する装置が提供される。
【0014】
本明細書に示される局面によると、骨の空洞へのアクセスを得るために骨を貫通するステップと、バルーンカテーテルを骨の空洞に挿入するステップと、カテーテルの少なくとも1つの内腔を通ってバルーンカテーテルのバルーンに骨補強混合物を注入するステップと、バルーン内の骨補強混合物を硬化するために光源を活動させるステップとを含む、骨の補強方法が提供される。
【0015】
本明細書に示される局面によると、骨の空洞へのアクセスを得るために骨を貫通するステップと、バルーンカテーテルを骨の空洞に挿入するステップと、バルーンに接続されるカテーテルの少なくとも1つの内腔を通ってバルーンに骨補強混合物を注入するステップと、所定の位置でカテーテルをバルーンから分離するステップとを含む、骨の補強方法が提供される。
【0016】
各種実施形態は特定の利点を提供する。本発明のすべての実施形態が同じ利点を共有するとは限らず、すべての状況下で利点を共有しない場合がある。実施形態の別の特徴および利点、ならびに各種実施形態の構造は、添付の図面を参照して以下詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】膨張状態のバルーンを伴うカテーテルの図で示した実施形態の透視図である。
【図2】骨内のバルーンの図で示した実施形態の断面図である。
【図3】カテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図4】図3の線4−4に沿ったカテーテルの断面図である。
【図5】カテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図6】光学テーパを有するカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図7】光学テーパを有するカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図8】カテーテルの照明バンド領域の図で示した実施形態の断面図である。
【図9】カテーテルの照明バンド領域用のスイッチの図で示した実施形態の断面図である。
【図10】カテーテルの照明バンド領域用のスイッチの図で示した実施形態の断面図である。
【図11】バルーンカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図12】収縮状態のバルーンカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図13】膨張状態のバルーンカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図14】ガイドワイヤを内部に有する折れた骨の図で示した実施形態の断面図である。
【図15】ガイドワイヤ上に挿入されたバルーンカテーテルを伴う骨およびガイドワイヤの図で示した実施形態の断面図である。
【図16】骨、ガイドワイヤ、および膨張状態のバルーンカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図17】折れた骨の図で示した実施形態の断面図である。
【図18】折れた骨に挿入されたバルーンカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図19】膨張状態のバルーンカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図20】折れた骨内の収縮状態のバルーンの図で示した実施形態の断面図である。
【図21】折れた骨内の膨張状態のバルーンの図で示した実施形態の断面図である。
【図22】バルーンの図で示した実施形態の断面図である。
【図23】骨内のバルーンの図で示した実施形態の断面図である。
【図24】バルーンの内部支持構造の図で示した実施形態の断面図である。
【図25】収縮状態のステントの図で示した実施形態の断面図である。
【図26】膨張状態のステントの図で示した実施形態の断面図である。
【図27】接続ワイヤおよびニチノール板材の図で示した実施形態の断面図である。
【図28】ニチノールおよびヒンジワイヤの図で示した実施形態の透視図である。
【図29】板材の図で示した実施形態の透視図である。
【図30】フレームの図で示した実施形態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
現在開示されている実施形態を添付の図面を参照してさらに説明する。図全体で、同様の構造は同じ符号で示す。図面は必ずしも等縮尺されておらず、その代わりに通常、現在開示されている実施形態の原則を示すことに重点が置かれている。
【0019】
上記図面は現在開示されている実施形態を示すが、上述したように他の実施形態も考えられる。この開示は、限定ではなく説明のために図で示した実施形態を提示している。多数の他の変形および実施形態が、現在開示されている実施形態の原則の範囲と精神内で当業者によって考案可能である。
【0020】
弱化した、あるいは折れた骨に補強材を制御して配送する装置および方法が本明細書に開示される。骨折を低減するため、骨の内腔内でバルーンを膨張させる装置および方法が本明細書に開示される。本明細書に開示される装置および方法は、無菌環境で実行することができる。
【0021】
補強材は、骨補強混合物(骨セメント混合物、骨間隙充填材、エポキシ樹脂、接着剤、および類似の粘着剤など)、整形外科ワイヤ、ステンレス鋼ロッド、金属ピン、および他の類似の装置を含むがそれらに限定されない。装置は、骨粗鬆症、胎児性軟骨異栄養症、骨癌、進行性骨化性線維形成異常症、線維性骨異形成症、レッグ−カルヴェ−ペルテス病、骨髄腫、骨形成不全症、骨髄炎、骨減少症、骨粗鬆症、パジェット病、脊柱側湾症、およびその他の類似の疾病を含むがそれらに限定されない骨の病気のいずれかにより、弱化した、あるいは折れた骨の修復のために使用することができる。
【0022】
装置の実施形態は、たとえば、開示される手法を用いて、骨内に準備された骨の空洞に補強材を配送するために使用することができる。図面のいくつかは大腿骨である弱化した、あるいは折れた骨を示しているが、開示される装置および方法は脛骨、腓骨、上腕骨、尺骨、とう骨、中足骨、中手骨、趾骨、指骨、肋骨、脊椎、椎骨、鎖骨、およびその他の骨などの別の骨に補強材を配送するために使用することができ、開示される実施形態の範囲および精神に含まれることを当業者であれば認識するであろう。
【0023】
図1および図3に示されるように、可撓チューブは、近位端102、遠位端104、およびその間の長手方向軸を有する細長シャフト付きのカテーテル100である。カテーテル100の遠位端104は、膨張および収縮するバルーン部106を有する。一実施形態では、バルーン106は円形、平坦、円柱状、楕円形、矩形、またはその他の形状にすることができる。一実施形態では、紫外線活性化接着剤などの接着剤108が、バルーン106を膨張および収縮させるために使用される。分離領域109が、バルーン106とカテーテル100との間の接合部に配置される。分離領域109は照明バンド110であってもよい。活動すると、照明バンド110は後述されるように、 照明バンド110内のカテーテルに配置される接着剤108を光で硬化させる。照明バンド110は、照明バンド110に適切な周波数の光を伝える光導体112を含むことができる。
【0024】
図4の実施形態に示されるように、カテーテル100は、カテーテル壁114、照明ファイバ116、照明ファイバ116をまとめて保持する照明リング118、および接着剤108を導入する内腔120を含む。一実施形態では、バルーンがカテーテルから分離されて、バルーンが骨内にとどまり、カテーテルが容易に取り外せるようにすることが望ましいであろう。たとえば、図5の実施形態に示されるように、カテーテル100は後述されるように、2つの融合ジョイント122と、バルーン106のカテーテル100からの分離を容易にする、予め応力が与えられた切欠き124とを含む。
【0025】
カテーテルのバルーン部は、カテーテルの長さに沿った任意の場所に配置し膨張させることができる。カテーテルは、開放された伝達路を可能とするように管状バルーンと係合することができる。バルーンを膨張および収縮させる能力によって、接着剤の硬化前に、適切な治癒のために複数の骨の断片を確実に位置合わせさせることができる。一実施形態では、骨の内腔内のバルーンの膨張は、内側の骨表面の形状に沿い接触面積を増大させ、ぴったりと両者を適合させる。当業者であれば、バルーンは、ウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンエラストマー、およびその他の類似ポリマーを含むがそれらに限定されない、柔軟で、可撓で、形状に適合し、強靭な材料で形成できると認識するであろう。
【0026】
一実施形態では、カテーテルは、より長いベースから延在する2つのアームを有する「Y」字状に構成することができる。Y字状カテーテルの長ベースは骨に挿入される。Y字形状の第1の上側アームはシリンジと係合する。Y字形状の第2の上側アームは光源と係合する。光学テーパを使用し、光源とカテーテルの間に配置することができる。一実施形態では、カテーテルの外周は約3フレンチ(french)〜約8フレンチである。約3フレンチ〜約8フレンチのカテーテルを用いると、結果的にバルーンの膨張直径は約2mm〜約30mmとなり、骨の内腔に適する。すべての実施形態がこれに限定されるように意図されておらず、3フレンチ未満または8フレンチ超の外周のカテーテルを含む実施形態もある。
【0027】
一実施形態では、カテーテルは照明材料で構成することができる結果、光伝達可能ファイバカテーテルとなり、照明ファイバまたは光導体を必要としない。
【0028】
一実施形態では、少なくとも1つの内腔を有し、両端から液体を受け取ることのできる細長可撓チューブが、柔軟な骨嵌合部を通って延在する。可撓チューブは、ネジ部を介して骨にねじ込むことができる。一実施形態では、細長可撓チューブは薄いカテーテルである。一実施形態では、細長可撓チューブはバルーンカテーテルである。
【0029】
注入カテーテルは光導体を光源に接続し、光源の不注意なまたは早い活動(たとえば、UV硬化接着剤の正しい位置決めと所望量の注入前)を不可能にする。光源を活動させると、接着剤が硬化して膨張形状のバルーンに付着される。硬化は、カテーテルを通過して配送させることのできる形状(たとえば、流動性形状)から生体内での最終使用のための永久的(たとえば、硬化)形状に進行する組成を可能とする任意の化学的、物理的、および/または機械的変質を指すことができる。たとえば、「硬化性」は、(触媒によって、あるいは適当なエネルギー源の印加によって)生体内で硬化される可能性のある未効硬化組成、ならびに硬化の過程での組成(たとえば、複数の組成物成分の同時混合により配送時に形成される組成)を指すことができる。バルーン内で光導体に接続される光源を起動すると、組成物が最終的に意図される用途に合わせて成形される地点まで補強材が完全に硬化する。接着剤の活性化は、活性化後の形状の変化を必要としない。硬化後、接着剤は縮小も膨張もしない。
【0030】
一旦バルーンカテーテルが位置決めされたら、骨が適切に配向されるまでバルーンを膨張または収縮させることができる。バルーンはUV硬化エポキシ樹脂を用いて収縮状態から膨張状態へ拡大され、そこでUV硬化エポキシ樹脂のシリンジがカテーテルのルアー端に装着される。バルーンが収縮状態にあるときよりも体積が大きいとき、バルーンは膨張状態にあるとみなされる。バルーンは、膨張状態にあるとみなされるために最大限まで膨張させられる必要はない。バルーンは膨張中および膨張後の高圧に耐える。膨張式非適合バルーンは通常、UV硬化材料を充填されて約400PSI〜約1000PSIに耐えることができる。UV硬化材料は、骨を保持してほぼ治癒をもたらすことのできる剛体の整形外科固定器となる。バルンは内圧を受けると、円形、楕円形、ディスク状、または類似の形状とすることのできる断面形状になるまで膨張する。バルーン材料は柔軟だが、比較的非弾性であり、所定の形状を超える膨張後、放射方向に最低限にしか拡大しない。
【0031】
一実施形態では、バルーンは、骨内の空洞の壁に均一に接触するように設計される。たとえば、図2の実施形態に示されるように、バルーン220の所定の形状は細長シリンダであってもよい。バルーン220は2つの端部222、224とその間の表面226を備える。バルーン220の表面226は略平坦および/または滑らかであり、骨の空洞230の壁228とほぼ結合する。バルーンの表面226は完全に滑らかでなくてもよく、長さに沿っていくつかの小さな隆起または凸部/凹部を有することができる。いくつかの実施形態では、バルーン220の表面226から突出する大きな隆起はない。バルーンは、骨の空洞内にとどまり、骨の穴や割れ目から突出しないように設計することができる。一実施形態では、バルーンの外表面は空洞の壁と同一平面上にあり、バルーンが膨張すると、バルーンの外表面はバルーンの表面積の少なくとも1部に沿って空洞に壁と接触させることができる。一実施形態では、バルーンが膨張すると、バルーンの外表面の大半または全部が空洞の壁と接触せず、かつ、骨の穴や割れ目から延在しない。
【0032】
一実施形態では、バルーンは、特別な形状の骨の空洞内に適合するような輪郭にすることができる。バルーンは、特別な形状の骨の空洞内に適合するように成形することができる。一実施形態では、バルーンは、骨の空洞内に完全に適合し、骨の空洞の壁の穴や割れ目から突出しないように成形することができる。
【0033】
高い内圧まで膨張させた後、バルーンは常態の断面を呈する。バルーンの形状は、ポリエチレンテレフタレート(PET)および容易に熱設定可能(heat settable)でない類似の材料で形成されているバルーンに適する。一実施形態では、骨の内腔内でのバルーンの膨張によって、放射状の力が均等に分散される。バルーンの中には約1000PSI超または約400PSI未満に耐えることのできるものもあるが、すべての実施形態がこの値に限定されることは意図されていない。
【0034】
一実施形態では、バルーンは直径が約5mm、長さが約55mm±4mmである。バルーンの長さは、約44mm±3.5mm、30mm±3mm、あるいは約55mm、約40mm、または約30mmより大きい、等しい、または小さい長さのいずれでもよく、他の誤差範囲であってもよく、バルーンの直径は任意のサイズであってよく、現実施形態のすべてがこれらの値限定されることは意図されていない。
【0035】
バルーンカテーテルは、バルーン部の側壁を通って外方に延び、骨補強混合物の配送用の配送面としての役割を果たす複数の通路で終了する複数の配送内腔を含む。複数の通路は、バルーンカテーテルのバルーン部の長さに沿って、たとえば、バルーン部の全長に沿って任意の場所に配置することができる。バルーンカテーテルの遠位端は、 カテーテル操作中のX線透視による容易な視覚化を確保する放射線不透過性マーカ、バンド、または先端を含むことができる。可撓チューブの近位端は、骨補強混合物が配置される当該技術において既知な接着システムに装着させることができる。接着システムの例は、限定はされないが、チューブ締め具またはその他の絞り機構弁を用いて骨補強材の配送が制御される骨補強材を含む、コーキングガンシステム、シリンジシステム、バグシステムなどである。
【0036】
バルーンカテーテルは、内腔の内側またはカテーテルの外側でカテーテルの長を下って走るファイバなどの光源路を含み、一旦複数の通路から解放されたらp骨補強混合物を硬化させることができる。バルーンカテーテル内の補強材が光源を用いて硬化されると、光が送られて接着剤が硬化される。光源を用いるバルーンカテーテルの硬化は、光によって活性化されるまで安定状態を保つ化合物の硬化を利用する。それらの化合物は、適用前の計量も混合も必要としない。動作中、UV光源からの放射エネルギーは吸収されて、硬化がほぼ瞬時に起こるように化学エネルギーに転換させることができる。硬化は硬化化合物の光収縮直後に発生するため、基板は温度変化を受けない、あるいは、ごく短時間の表面的な温度変化及び反応は発熱反応とはみなされない。
【0037】
一実施形態では、シリンジは、接着剤の流れを調節する制御機構を有する。シリンジの制御機構は、接着剤をカテーテルに流れ込ませ、所望するように流れを停止することができる。シリンジは接着剤の方向性流れを制御するように直接接触し、接着剤の方向性流れはシリンジの方向変化に応答してカテーテル内で瞬時に変化する。
【0038】
一実施形態では、配送シリンジは、光をシリンジの外表面に透過させない。不透明シリンジを有することで、シリンジ内に含まれる補強材は確実に光に露出されず、シリンジ内で硬化しない。配送シリンジは、カテーテルを介してエポキシ樹脂または接着剤をバルーンに配送する。エポキシ樹脂は動的粘度単位であるセンチポイズ(cP)で測定される液体粘性を有するため、シリンジからカテーテルおよびバルーンに注入することができる。エポキシ樹脂は液体粘性を有し粘着性であるので、低圧配送を利用して配送させることができ、高圧配送は必要でないが、利用することもできる。
【0039】
光源の活動後、光はバルーン内のエポキシ樹脂全体に届けられる。光源を活動することによって、バルーン内の光硬化性材料がバルーン内で硬化する。
【0040】
骨補強混合物は、骨または骨組織の強化、交換、または補強のための天然または合成材料のいずれであってもよい。骨補強混合物は、接着剤、、粘着剤、セメント、硬組織置換ポリマー、天然サンゴ、ハイドロキシアパタイト、β型リン酸三カルシウム、およびその他の、骨の強化、交換、または補強のための当該技術において既知な生体材料を含む。不活性材料として、骨補強混合物は、周辺組織に組み込む、あるいは元の組織と次第に置換させていくことができる。当業者であれば、当該技術において既知な多数の骨補強混合物が現在開示されている実施形態の精神および範囲に含まれることを認識するであろう。
【0041】
電磁スペクトルは、すべての可能な電磁放射の範囲である。物体の電磁スペクトルは、物体が発する、反射する、あるいは伝達する電磁放射の周波数範囲である。電磁スペクトルは、(長波長端で)現代のラジオに使用される周波数のすぐ下の周波数から(短波長端で)ガンマ放射線まで延び、何千キロメートルから原子サイズの何分の1までの波長を対象とする。紫外線(UV)光の波長は約1nm〜約380nmの範囲で、以下のカテゴリー、UV近傍(380〜200nm波長、NUVと略す)、遠または真空UV(200〜10nm、FUVまたはVUVと略す)、極UV(1〜31nm、EUVまたはXUVと略す)に分類することができる。同様に、可視光は約380〜約780nmの波長スペクトルを有する。
【0042】
光硬化材(LCM)は、紫外線(UV)または可視光によって提供されるエネルギーを利用する。非常にエネルギーが大きいので、UV光は化学結合を壊し、分子を著しく反応させてイオン化し、一般的には相互挙動を変化させる。一実施形態では、光源によって発せられる光はUV光または可視光に敏感な光開始剤と反応する。光開始剤は、追加の重合のために重要な硬化機構を提供する。
【0043】
UV光を用いて、補強材は、発熱がない、または最小限になり、長く継続しないように確保する。具体的には、材料の化学結合または混合がない。光を導入すると光開始剤と接着剤が硬化する。一旦光が導入されれば、バルーン内の材料が硬化し、内部の材料はその場に付着する。光が導入されるまで接着剤は硬化しないので、骨の配置は邪魔される、あるいは促進されることはなく、バルーンは接着剤の粘度により膨張または収縮させることができる。接着剤は、材料の低粘度により注入される、あるいはバルーンから取り除くことができる。一実施形態では、補強材の粘度は約1000cP未満である。すべての実施形態がこの値に限定されることを意図されておらず、いくつかの実施形態は1000cPと全く等しい、あるいはそれより高い粘度を有する補強材を含むことができる。
【0044】
異なる光硬化材は、異なる範囲のUV光および可視光に感応する光開始剤を使用する。たとえば、可視青色光は、UV光を遮断するが可視光を透過させる基板(たとえば、プラスチック)間で材料を硬化させることができるため、硬化プロセスで有益であるかもしれない。電磁スペクトルの大部分は有効エネルギーとして利用可能であるため、可視光は光硬化材の硬化速度を速める。さらに、可視光は光硬化材を通り深度の増大する硬化深さまで貫通する。光硬化材は、骨を正しい配向に保持するのに十分なように硬化する。より具体的には、骨を膨張、設定、調節、配向する能力と、その結果生じる骨の結合は、接着剤の硬化前に得られる。光硬化材は例えば、コネチカット州ロッキーヒルのヘンケルコーポレーションのロックタイトで市販されている光硬化材を含む。
【0045】
一実施形態では、カチオン性光開始剤を有するカチオン性エポキシ樹脂などの液体接着剤が使用される。活性化前のエポキシ樹脂は非常に低い収縮速度を呈する。活性化させるために、約245nm〜約365nmの範囲のUV光がエポキシ樹脂に印加され、硬化反応を開始させる。一旦硬化反応が始まれば、その反応は完了まで継続する(たとえば、暗闇でも)。
【0046】
一実施形態では、補強材は生体吸収性エポキシ樹脂であるので、硬化エポキシ樹脂は時間の経過とともに生体に吸収される。一実施形態では、補強材は化学活性化または熱活性化によって硬化される。化学活性化は水または他の液体を含むがそれに限定されない。一実施形態では、補強材は、溶剤が蒸発する際に粘着剤が硬化するように溶剤内に溶解されたポリマーを有する乾燥接着剤である。一実施形態では、補強材は、粘着剤が冷却すると粘着剤が硬化するような熱溶解型または熱可塑性粘着剤である。補強材は本明細書に記載される実施形態に限定されず、骨を補強する任意の材料であってよい。材料の中には、UVまたは可視光、熱などの任意の手段を介する硬化を必要とする、あるいはそうした硬化により強化されるものもある、および/または化学薬品または物質の添加または除去が、材料を硬化する内外プロセスを利用することができる、あるいは硬化を必要としない場合がある。
【0047】
一実施形態では、骨補強混合物は光硬化粘着剤(またはUV粘着剤)である。紫外線(UV)硬化の利点は、要求に応じた硬化プロセスであることと、粘着剤が溶剤を含まず、長波UV光または可視光の照射後数秒で硬化する環境に優しい樹脂を含むことができる点にある。一実施形態では、UV粘着剤は、UV光が接着剤と結合するまで硬化せず、結合が生じると、粘着剤が数秒で硬化して剪断強度を有する完全な結合を形成する、単成分の溶剤を含まない粘着剤である。可視光はより深くエポキシ樹脂を貫通する。可視光がエポキシ樹脂を貫通するため、電磁スペクトルの大部分が有効エネルギーとして利用可能であるため材料の硬化が強まる。このようにして、光硬化材は紫外線光または可視光により提供されるエネルギーを利用して、硬化プロセスを開始する。光源から発せられる光は、UV光または可視光に感応する光開始剤と反応する。可視光によって、材料は、UV光を遮断するが可視光を透過させる基板間で硬化させられる。UV光を用いた補強材の硬化は、折れた骨の適所での保持、バルーンの充填、およびCアーム撮像システム下での視聴を支援する。
【0048】
当業者であれば、いくつかの光硬化材がUV光、可視光、X線、γ線、マイクロ波、無線波、長波、または約1nm未満、約1nm〜約380nm、約380nm〜約780nm、または780nm超の波長を有する光によって活性化させることができると認識している。ただし、すべての実施形態がこれらの値に限定されるように意図されていない。
【0049】
当該技術において既知ないくつかのエポキシ樹脂は、骨補強材としての使用に適し、粘度、硬化時間、完全に硬化したときの硬度(デュロメータまたはショア)が様々に異なる。材料のデュロメータは、材料の永久的圧入に対する抵抗として定義される材料の硬度を示す。所与の骨折に必要な、結果として生じる支持の量に応じて、特有のデュロメータのUV粘着剤を選択することができる。もしくは、デュロメータの異なる複数のUV粘着剤が骨折の修復に選択することができ、現在開示されている実施形態の範囲および精神に含まれる。材料のデュロメータは、より高い剛性またはより可鍛性の結果を達成するように変更させることができる。図24に示されるように、エポキシ樹脂のショアまたはデュロメータは、より軟度と可鍛性の高い外層あるいは剛体の内部構造を達成するように層間アプローチで変更させることもできる。さらに、ショアまたはデュロメータは、接着剤と骨間の接合面が確実に自然の衝撃吸収と同様に柔軟になるように変更させることもできる。
【0050】
エポキシ樹脂の機械的特性は、引張強度および引張係数、引張強度試験、最大係数(ultimate modulus)、ポアソン比、および降伏強度と靭性を測定するビッカース−シャルピー衝撃などの硬度測定値を含むが、それらに限定されない高強度および高衝撃材料にとって典型的な方法/手段を用いて示すことができる。
【0051】
一実施形態では、エポキシ樹脂は、約0.1〜約50GPa、好ましくは約1〜約10GPaの弾性係数を有する。頭部−顔面骨は約20GPaの弾性係数を有し、プレキシガラス(PMMA、すなわち骨セメント)は約1〜約2GPaの弾性係数を有する。通常のエポキシ樹脂は、約1〜約3GPaの弾性係数を有するが、ナノ変更されたエポキシ樹脂は元のエポキシ樹脂より約3〜5倍以上増大し、カーボンナノチューブ、粘土、雲母、およびその他の構造のほんの数パーセントの荷重である。
【0052】
一実施形態では、カーボンナノチューブ(CNT)は、接着剤の強度を高めるために補強材に追加される。カーボンナノチューブは円柱状の炭素分子の形状を取る炭素の同素体で、新規な強度特性を有する。カーボンナノチューブは並外れた強度を有する。ナノチューブは、バッキーボールも含むフラーレン構造族のメンバーである。バッキーボールは球状だが、ナノチューブは半球状のバッキーボール構造を通常被せられた少なくとも1つの端部を有する円柱状である。ナノチューブはグラファイトと同様、全体がsp2結合から成る。ダイヤモンドに見られるsp3結合よりも強力なこの結合構造は、分子に独自の強度を提供する。ナノチューブは自然と、ファンデルワールス力によってともに保持される「ロープ」状に自ら並ぶ。単壁ナノチューブまたは多壁ナノチューブが、補強材を強化するために使用することができる。
【0053】
一実施形態では、接着剤がカテーテルの内腔に注入されて、骨を治癒配向に位置決めするようにバルーンを拡張させる。治癒配向を画定するため、骨が一列に並ぶまでバルーンが膨張する。骨の配向は、プロセスの視覚化なしで、あるいはX線またはX線透視装置を用いて行うことができる。Cアーム撮像システムは、視聴中に組織の周りを回転するように移動または操作することのできるX線透視装置である。バルーンの配送または使用を監視または点検するために、磁気共鳴断層撮影(MRI)、超音波撮像、X線透視、フーリエ変換赤外分光、紫外線または可視分光分析などのその他の手法を利用することができる。バルーンは非磁性材料から成るため、MRIと互換性がある。
【0054】
一旦接着剤が硬化すると、接着剤は、骨と骨の修復の適切な接合を確保し、少なくとも約6週間骨の治癒のための強度を保持するのに適した引張強度、降伏強度、伸び、およびその他の特性を有する。適切な治癒配向に骨を保持するように髄内ピンまたはロッドが作製される。移植可能な髄内ロッドまたはピンは、駆動力または挿入力なしで骨に挿入することができる。一実施形態では、接着剤混合物は約cP1000以下の粘度を有する。造影材料は、粘度を大幅に増大させずに接着剤混合物に添加することができる。造影材料は硫酸バリウム、タンタル、または当該技術において既知なその他の造影材料を含むが、それらに限定されない。このように、接着剤混合物は、配送中により小さな内腔で使用することができる。
【0055】
多くの接着剤は、接着剤が可塑性領域に入った後の時間および温度に応じて、特定の硬化時間を有する。開示される接着剤は光源の活動後瞬時に硬化して、一旦入射光にぶつかったら所望量の接着剤が正確な位置で硬化させられる。
【0056】
一実施形態では、複数の光導体は光源と係合する。一実施形態では、光導体は柔軟な光管である。光導体は光源からの光をバルーンカテーテルに向ける。光源はカテーテルの径よりも大きいため、光学テーパは光を向けるのに使用される。図6および図7の実施形態に示されるように、光学テーパ146は、光源からの光をより小さなカテーテル135に集束させるために使用することができる。一実施形態では、光学テーパ146は、近位端148で集結される光源を有する光ファイバ116の成形束である。図7の実施形態に示されるように、カテーテルは、テーパホルダ137、遮光体139、ファイバボス141、ハンドル143、たとえば、約0.5mm、約0.75mm、約1.0mm、約1.25mmおよび/または約1.5mmの径の照明束145、およびポリイミド外装(sheathing)147も含む。
【0057】
一実施形態では、光学テーパは光ファイバの単独または「多要素」ロッドである。単独または多要素ロッドが先細りであると、結果として生じるロッドの光学特性は、先細り端での元の開口数を保持しつつ、正常端の開口数(NA)を減らすように変動する。光学システムの開口数は、システムが光を受け入れる、あるいは発する角度の範囲を特徴づける無次元数である。変更量は径の比である。光が最大限の受光角で小さな先細りの端部に入射すると、他方の端部で発生する光線は入射角の元の範囲に比べて平行にされる場合がある。一実施形態では、カテーテルは光学テーパとの接合面を有する。一実施形態では、光学テーパはカテーテルに係合し、1回のみの使用で使い捨てとされる。一実施形態では、光学テーパは光源と係合し、複数の手順で使用することができる。
【0058】
一実施形態では、光学テーパの使用によって、カテーテルの近位端で光線が収束する。カテーテルファイバの使い捨て部分は、質を向上させるためにテーパと並べる(align)ことができる。光学テーパは、使い捨て片に適切な接触点も提供する。光学テーパを使用する利点は、小さな光ファイバが大きな光学テーパの下に並べられるためカテーテルの設計がより単純である点にある。小さな光ファイバが大きな光学テーパの下に並べられるため、位置合わせはさほど重要ではない。
【0059】
複数の照明ファイバは、金属リング、接着剤を用いるポリマーリング、または類似の構造を含む機械的コネクタによって集めることができる。ともに束ねられた後、ファイバは均等に切断することができる。光ファイバは光の照射を指し示す手助けとして滑らかに磨いてもよい。一実施形態では、光学テーパは、ファイバの磨いた端部と接触する先細り端部を有する光ファイバの束と隣接して搭載される。
【0060】
1つまたはそれ以上の放射線不透過性マーカは、カテーテルおよび/またはバルーン上に配置することができる。一実施形態では、放射線不透過性マーカは、バルーンの近位端とカテーテルの遠位端間の移行点に配置される。硫酸バリウム、タンタル、または放射線不透過性を増大することが既知なその他の材料などの放射線不透過性材料を用いる放射線不透過性マーカにより、医療専門家はX線透視技術を用いてカテーテルの遠位端を見ることができる。放射線不透過性材料は、配置および膨張中のバルーンおよび/またはカテーテルの正確な位置決めを決定するために、膨張間の視認性を提供する。放射線不透過性材料は、バルーンに捕まった空気によって生成される空洞の視覚化を可能にする。放射線不透過性材料は、均一なバルーン/骨接合面を維持するため、不適切な膨張による骨の誤係合または不一致をバルーンから除外する視覚化を可能とする。バルーンおよび/またはカテーテルの正しい位置が決定されたら、カテーテルの近位端は、骨補強混合物を含むコーキングガン型接着剤システムに装着することができる。
【0061】
バルーンおよび/またはカテーテルの近位端および遠位端上の1つまたはそれ以上の放射線不透過性マーカは、X線またはX線透視装置の使用を通じてバルーンの正しい位置を確保するため、骨内のバルーンおよび/またはカテーテルの位置を決定するのに使用することができる。バルーンが膨張するにつれ、骨の複数のセクションが治癒配向の安定的な構造に置かれる。骨が治癒配向にある場合、照射がバルーンおよび/またはカテーテル内の照明ファイバを介して提供される。一実施形態では、複数の照明ファイバが、骨内の補強材を硬化させるのに十分な光を提供するのに使用される。
【0062】
たとえば照明ファイバを用いてバルーン内の補強材が硬化された後、たとえば、バルーン/カテーテル接合部に配置される照明バンドを活動して、照明バンド内のカテーテルに位置するエポキシ樹脂を光で硬化させることができる。照明バンドは、カテーテルとバルーン間の接合部でバルーンの近位端に隣接して配置される。照明バンドはカテーテル周囲を延在し、応力集中器(stress concentrator)を有する。応力集中器は切欠き、溝、チャンネル、または照明バンドに応力を集中させる類似の構造であってもよい。照明バンドの応力集中器は、特定のねじり荷重下で、バルーンをカテーテから直接分離するため、切り込みを入れる、刻み目を入れる、凹ませる、あらかじめ弱化させる、あるいはあらかじめ応力をかけることができる。配送カテーテルは、照明バンドに適切な周波数の光を伝達するシリカ、シリコン、またはポリマー材料から成る光導体を使用することができる。
【0063】
一実施形態では、バルーンの近位端は、分離領域を形成するために硬化される接着剤を含むことができる。分離領域は、接着剤がカテーテルおよび/またはバルーンから漏れ出さないように確保する。分離領域はカテーテルおよび/またはバルーンを封止し、既知のまたは所定の位置(たとえば、分離領域)で破断を作ることによって配送カテーテルを取り外す。バルーン内の接着剤は照明バンドの活動後に硬化するため、分離領域はカテーテルの遠位端がバルーンの近位端と出会う場所に配置される。分離領域はほぼ1インチの長まで様々な長さにすることができる。トルクがカテーテルに印加されると、カテーテルがバルーンから離れる。カテーテルをねじると、カテーテルをバルーンから切り離すのに十分なトルクが分離領域に生成される。ねじりは、残りの接着剤を切り離し、カテーテル/バルーンの接合面の綺麗な分離を生成するのに十分な剪断を引き起こす。分離領域内の補強混合物が照明バンドによって硬化および固化されるため、補強混合物はカテーテルおよび/またはバルーンから身体内に漏れ出さない。
【0064】
たとえば、図6の実施形態に示されるように、照明バンド110は光導体136に接続される。光導体136は、光導体伝達領域140を囲む被覆138を含むことができる。光導体136は、ソケット144と咬み合うボール142を使用してカテーテル100に脱着可能に装着することができる。一実施形態では、安全手段が偶発的なまたは不注意な照射を防止する。照明バンドは、ユーザが送られる光を接続するのに使用する活性化プロセスである別個のスイッチによって活動される。照明バンドを活動する別個のスイッチを持つことは、補強材を硬化するための光源からの光の不注意な配送を防止するのに役立つ。図8に示される実施形態などの一実施形態では、照明バンド110は、横方向、垂直方向、または水平方向の運動によって相殺することのできるカテーテルのセクション126であるスイッチを有することができる。図8に示されるように、セクション126が相殺位置に移動されるとき、照明ファイバ116はセクション126の両側で互いとの電気的接続から脱するように移動し、照明バンド110は停止される。
【0065】
図9に示される実施形態などの一実施形態では、スイッチが、照明バンドを活動するように回転させ、カテーテル内の補強材への照射により照明バンドに隣接する領域を硬化させる回転バンドまたは回転ヒューズなどの結合装置(mating device)128である。結合装置128は異なるコネクタ130、132を有し、結合装置が第1の位置に回転させられると、電気コネクタ132が照明ファイバに接触して照明バンドを照射し、結合装置が第2の位置までたとえば90度回転させられると、絶縁コネクタ130が照明ファイバに接触して照明バンドの照射を防止する。図10に示される実施形態などの一実施形態では、スイッチは、照明バンドを照射するように回転される回転ヒューズ134である。
【0066】
一旦照明バンドが活動されると、注入カテーテルの吸入は照明バンドの近位および遠位のUV硬化エポキシ樹脂で封止される。照明バンドの活動は、バルーンの最近位端を封止し、カテーテルの遠位端を封止し、接着剤をバルーンまたはカテーテルから漏れ出せなくする照明バンドでの接着剤の「ハードシール」を確保する。
【0067】
一実施形態では、カテーテルはバルーンとカテーテルを分離するために切断される。装置はカテーテル上を摺動し、ハサミを直角にカテーテルを降下させて切断する。切断位置は、X線透視装置またはX線を用いて決定することができる。一実施形態では、切断位置は、カテーテルがバルーンに出会う導入個所の末端である。
【0068】
一実施形態では、骨折修復プロセスは、従来の外科的切開(たとえば、約10mm超)を介して骨を露出させずに弱化した、あるいは骨折した骨を補強する。現在開示されている実施形態は、アクセスを得るのに小さく切開することによって最小限の侵襲性アプローチを利用する。最小限の侵襲とは、たとえば組織の損傷個所のオープンアクセスなしで、あるいは最小限の切開での、超微細手術、内視鏡または関節鏡手術などの、関連筋肉組織を最小限に破砕して達成することのできる外科手段を指す。最小限の侵襲性の手順は、光ファイバや顕微鏡の視覚化などの視覚化を利用して達成される場合が多く、手術後の回復期間が、対応する開放外科的アプローチに伴う回復時間よりも短い。
【0069】
現在開示されている実施形態のいくつかは最小限の侵襲性を有し、髄腔間に骨固定装置を移植しつつ、周囲組織の切開を最小限にとどめる。骨構造を復元し保存することによって、現在開示されている実施形態のいくつかは追加のさらなる治療オプションを可能にする。最小限の侵襲性の手順の利点は、最小限の血液損失、外科手術および麻酔時間の短縮、入院期間の短縮、より容易で迅速な回復により、外傷が少なくて済むことである。
【0070】
実質上、折れた骨の近位端または遠位端を切開して骨表面を露出させることができる。医療専門家は骨にアクセスする。医療専門家は皮膚を通して切開し骨を露出させる。一旦骨が露出されれば、骨の視界内にある筋肉や組織を退避させる必要があるかもしれない。緻密層(皮質骨)、海綿層(海綿骨)、および骨の髄腔部分を貫く貫通は当該技術において既知な任意の方法で達成することができ、現在開示されている実施形態の精神と範囲に含まれる。
【0071】
アクセス孔は、約3mm〜約10mmの径の小さなドリル孔であってもよい。緻密層、海綿層、および髄腔部分を通るアクセスを得るために、骨用ドリル、きり、またはその他の医療器具が使用される。骨貫通個所の位置は、弱化した、あるいは骨折した骨の位置の近位でも遠位でもよい。ドリルビットを使用する際、ドリルビットを骨に対して90度以外の角度、たとえば、約20度〜約45度で作用させることが望ましい。ドリルビットは、骨の弱化領域の亀裂線に向かって狙うことができる。
【0072】
図11および図14〜16の実施形態に示されるように、ガイドワイヤ150は切開部(図示せず)を介して骨に挿入され、骨断裂186を横断する骨の2つのセクション182、184間に置かれる。ガイドワイヤ150は骨の内腔188に配送され、骨折個所を横断し、これにより骨の複数のセクション182、184にまたがる。ガイドワイヤ150の挿入後、ガイドワイヤ150を収容するように構成および配置されたバルーン部162は、ガイドワイヤ150上を骨折個所186まで配送され、骨の少なくとも2つのセクション182、184にまたがる。一旦バルーン部162が適所に置かれれば、ガイドワイヤ150を除去することができる。一実施形態では、バルーン部162は、可撓チューブ(図示せず)の境界内に配置した後、可撓チューブを骨折個所に配送することによって、骨折個所に挿入することができる。バルーンカテーテルを前進させ、可撓チューブ上で引き戻すことによって、バルーンカテーテルは骨折個所で露出させることができる。バルーン部は、最小限の侵襲性で断裂を横断する。
【0073】
図11の実施形態に示されるように、バルーンカテーテル152は偏心チューブバルーンであってもよい。バルーンカテーテル152はガイドワイヤ内腔154を含むことができ、そこを通ってガイドワイヤ150は、少なくとも部分的にバルーン光導体158に囲まれ、少なくとも部分的に照明バンド光導体160に囲まれる注入用内腔156に延在する。照明バンド光導体は、照明バンド164へと導かれる。バルーンカテーテル152のバルーン部164は、バルーンカテーテル152の遠位端に配置される。バルーン部164は内腔166を含むことができ、そこを通ってガイドワイヤ150または別の器具が外科医またはユーザがバルーンカテーテル152の先端を知ることができるように最遠位端で放射線不透過性バンド168を通過する。また、バルーン部164は、そこに封入される管状バルーン170およびステント172を含むことができる。
【0074】
図17〜19の実施形態に示されるように、バルーン部162は切開部(図示せず)を介して骨に挿入され、骨断裂186を横断する骨の2つのセクション182、184間に配置される。バルーン部162は骨の内腔188に配送され、バルーン部162が骨の複数のセクション182、184にまたがるように骨折個所を横断する。バルーン部の位置は、骨の外部または内部から検知可能なマーカを用いて決定することができる。たとえば、図18の実施形態に示されるように、X線またはその他の検出手段を用いて体外から見える放射線不透過性マーカ190が、バルーン部162の遠位端および近位端に配置されて、バルーン部162の位置合わせと位置決めを手伝う。骨への挿入後、バルーン部162は骨の少なくとも2つのセクション182、184にまたがるように操作される。一旦適所に置かれると、バルーン部162は、たとえばUV硬化接着剤をバルーンに満たすことによって膨張させられる。バルーンが膨張するにつれ、断裂186が低減する。一旦骨のセクション182、184の配向が所望の位置にあると確認されれば、接着剤はたとえばUV発光源からの照射によって固定させることができる。
【0075】
硬化した補強混合物を含むバルーンは、骨内の内部支持マンドレルとして使用することができる。他の素子(たとえば、骨用ネジ、板材、ピン、および類似の素子)はマンドレルにねじ込んで、他の素子の圧縮およびねじりのための支持を提供することができる。一実施形態では、マンドレルによってネジが硬化形状まで貫かれるため、内部構造は骨折修復のための小片のマンドレル支持体として使用される。
【0076】
一実施形態では、骨のアクセス孔は、カテーテル、放射構造部材、ステント、ステント状素子、カニューレ、整形外科ワイヤ、ステンレス鋼ロッド、金属ピン、およびその他の素子を含むがそれらに限定されない様々な外科用器具を受け入れることができる。たとえば、ニチノールワイヤなどの材料から作製される自己拡張型素子は、バルーンに配送される骨補強混合物のための構造および支持を提供するのに使用することができる。可撓チューブは中央孔を通って配置され、自己拡張型素子は折り畳まれて可撓チューブを通り、バルーン内に配置される。
【0077】
図12および図13は、柔軟な管状または通常バルーン174が放射(radial)構造部材176を有する実施形態を示す。放射構造部材176は、バルーンの境界内で拡張させ、UV硬化接着剤内に保持し付着させることができる。放射構造部材176は、UV接着剤構造により大きな支持と強度を提供する。また、カテーテルはガイドワイヤ178が挿入される内腔180を有することができる。
【0078】
図27〜30は、てこで動かす(levered)放射構造部材と板材を含むバルーンカテーテルの実施形態の各種図である。図27の実施形態に示されるように、ニチノール板232は接続ワイヤ234を間に挟む。図28の実施形態に示されるように、ヒンジワイヤ236は放射構造部材を内外に移動し、そこで上側のニチノールワイヤ238が押し、下側のニチノールワイヤ240が引く。図29の実施形態に示されるように、板材242は、ニチノールワイヤアタッチメント244とアタッチメントの間のヒンジ246とを有する。図30の実施形態に示されるように、活動フレーム248が、シリンダから接続ワイヤ250を有する「I」ビーム構造まで「揺動する」。
【0079】
図25および図26の実施形態に示されるように、放射ステントの実施形態は、一旦拡張されたら外径254に垂直に開放する複数の羽根車252を含む。収縮(圧縮)状態では、図25の実施形態に示されるように、放射状ステントの実施形態は、バルーンの壁に沿って平坦に延びる羽根車252を有する。
【0080】
放射構造の実施形態は、バルーンの膨張前にバルーンの外周および外表面に沿って配向される複数の縦板を含む。縦板は薄い金属製で、メモリ型の金属から成ってもよい。一実施形態では、縦板はニチノールから成る。
【0081】
収縮(圧縮)構造では、複数の縦板が、バルーン内のカテーテルの遠位端に配置され、内部カテーテルの径に沿って覆われることができる。圧縮構造では、複数の縦板は互いに隣接し、互いに接触してもよい。一実施形態では、複数の縦板が重複することができる。
【0082】
バルーンが膨張するにつれ、ステントも同様に拡張し、複数の縦板は外方に移動して互いに離れる。バルーンが膨張し続けると、径も増大し、複数の縦板の配向はカテーテルに平行からカテーテルに垂直へと移動する。
【0083】
構造部材の縦板は一連のワイヤにより隣接する板と係合する。ワイヤは金属性で、メモリ型の金属から成っていてもよい。一実施形態では、ワイヤはニチノールから成る。カテーテル壁に最も近く位置する板材の下側部分は収縮するように設計されるワイヤと係合し、板材の上側部分は拡張するように設計されるワイヤと係合する。放射方向の拡張に沿ったワイヤの対向する力と板の重複層とは、放射構造部材が開放しバルーン内で剛体構造となるウィンドウブラインド効果を生む。
【0084】
図20の実施形態に示されるように、収縮したバルーンは断裂189を有する骨の髄腔192内に配置される。バルーンカテーテルは、孔195内のトロカール(trocar)器具193を通って骨に挿入される。トロカール器具は、アクセス路に設置される高圧トロカール器具である。トロカール器具はチャンバを封止し、活性化前に接着剤を適所に保持し、空気の細孔が空洞から除去されるように確保することができる。髄腔192は、バルーン196の誘導と位置決めに使用されるガイドワイヤ194も含むことができる。図21の実施形態に示されるように、バルーン196は、バルーン196に骨セメントを充填することによって膨張させられる。シリンジはバルーンを密に圧縮するのに使用されるため、光源の活動後のバルーンは硬い。バルーンを膨張させる、あるいは接着剤を接着剤配送システムからバルーンに移動させるのに、高圧配送は必要とされないことを指摘するのは有用である。接着剤を配送するシリンジを使用すると、高圧は使用されず、別の方法でバルーンを収縮させ、接着剤を退化(retrograde)させることができる。接着剤が退化する場合、塗布された接着剤をバルーンから引っ張るのに十分な吸引力はない。
【0085】
バルーンカテーテルは、ファイバタイプ、ファイバ配向、および複合物構造の樹脂マトリックスを含むがそれらに限定されない様々な幅広い特性を有することができる。図22に示されるように、バルーンカテーテル152は内部反射であってもよく、 バルーンカテーテルの内表面200の光反射性材料198は光チューブの反射特性を向上させる。
【0086】
図23に示される実施形態は、高弾性ファイバ構造を有する管腔の充填物の断面図を示す。骨202はバルーン部162の外表面204を取り囲む。バルーン部162の内腔206はポリマー208で充填される。バルーン部162は、高弾性ファイバ210の相互連結された同心リングを含むことができる。図24に示される実施形態は、バルーンの内部支持構造の実施形態の断面図を示す。バルーンカテーテルは、樹脂マトリックスがファイバ全体に荷重を分布する間、複合物に課せられる荷重を保持するのに使用される強靭で硬いファイバを含むことができる。バルーン内の内部支持体は、剛性をバルーンに追加する合成物充填剤を生成するのを助け、固定のためにより大きな強度が所望される長骨用の用途で有効である。特に、バルーンの外表面204には、外周横断支柱コネクタ212、高湿潤弾性外周支持体214、混和性と外方向圧縮を可能にする低「湿潤」媒体216、高「湿潤」多孔高弾性媒体218が含まれる。
【0087】
一実施形態では、カテーテルは透明であってもよい。不透明カテーテルは、接着剤が光源の所望の活動前に周囲光によって活性化しないように確保する。同様に、シリンジも、周囲光および作業室の光が所望の活動時間前に接着剤を活性化することがないように不透明にすることができる。一実施形態では、接着剤が不透明シリンジに予め搭載され、光の印加が接着剤効果のために所望されるまで、接着剤の流出入が調節される。
【0088】
バルーンカテーテルが骨補強混合物を含む配送システムに装着された後、骨補強混合物はバルーンカテーテルの内腔のうち1つを通じて注入される。一実施形態では、骨補強混合物は、粘着剤を硬化するのにUV光源を必要とするUV粘着剤である。その後、バルーン部が膨張され、UV粘着剤はバルーン部の側壁に沿って走る複数の通路を通って放出される。UV粘着剤は、カテーテルの内腔を通って放出することもできる。UV粘着剤は水圧でバルーンの壁に対して押圧または圧迫される。光源に接続される光導体が照射されてUV粘着剤を硬化する。その後、カテーテルのバルーン部がわずかに収縮された後、バルーンカテーテルの異なる内腔を通り同じまたは異なるUV粘着剤配送システムが注入される。次に、バルーン部は再び膨張されて、UV粘着剤は通路を通り放出される。UV粘着剤は、既に硬化されているUV粘着剤に対して水圧で押圧または圧迫される。光源に接続される光導体が照射されてUV粘着剤を硬化する。カテーテルのバルーン部がわずかに収縮された後、バルーンカテーテルの異なる内腔を通り同じまたは異なるUV粘着剤配送システムが注入される。バルーンは、強固で柔軟な結合を生成するシェルまたは層修復を内側に形成する壁から補強されている。プロセスは、バルーン内の空間の大半がUV粘着剤で充填されるまで繰り返される。骨に強度と指示を与えるために充填することのできる中央空間は、いまだにバルーン内にある。光学ロッドまたは類似の素子は中央空間に配置し、オンにする、あるいは照射することができる。光学ロッドまたは類似の素子はファイバ、シリカ、水晶、サファイア、または類似の材料からなるものとすることができる。その後、UV光はバルーン内の残りのUV粘着剤を硬化させる。光学ロッドの端部は接続されてバルーン内にとどまり、剛性を高めることができる。
【0089】
UV硬化粘着剤は、加熱なしでの結合を可能にする硬化を開始させるために紫外線光を利用することができる。添加物は、薬物(たとえば、抗生物質)、タンパク質(たとえば、成長要素)、またはその他の天然または合成添加物を含むがそれらに限定されないUV粘着剤配送システムと一緒に使用することができる。
【0090】
バルーンの外表面は、薬剤、骨用接着剤、タンパク質、成長要素、またはその他の被覆剤などの材料で被覆することができる。たとえば、最小限の侵襲的外科手順後、患者に感染が発現する場合があり、患者は抗生剤の治療を受ける必要がある。抗生剤は、起こりうる感染を防止する、あるいは感染に対処するためにバルーンの外表面に添加することができる。たとえば、骨形態形成タンパク質などのタンパク質やその他の成長要素は、軟骨および骨の形成を促すことが証明されている。成長要素は、新たな骨の形成の促進を助けるためにバルーンの外表面に添加することができる。バルーンにおけるこれらの接着剤は、被覆の有効性と安定性を維持させる。
【0091】
一実施形態では、バルーンの外表面は、バルーンが空洞の形状に一致するのを助けるようにリブ、隆起、段差、またはその他の形状を有していてもよい。バルーンは骨の管腔空洞内の移動を達成し、拡張し、操作し、障害物を除去するように構成することができる。このようにして、バルーンは周囲組織と接触せずに、管腔体内をより容易に摺動することができる。また、バルーンは、小隆起またはリブなどの様々な形状の凹凸のある表面を用いて、骨内に配置され、ズレることなく折れた骨をつかむように設計することができる。
【0092】
一実施形態では、水溶性接着剤がバルーンの外表面に塗布される。バルーンが拡張し、湿った骨と係合すると、バルーンの外表面上の水溶性接着剤が粘着性を持つようになり、バルーンと骨の一致結合を向上させる把持部材としての役割を果たす。一旦バルーンが膨張すると、バルーンの外表面が骨をしっかりとつかんで機械的結合ならびに化学的結合を形成する。これらの結合は、骨がズレる可能性を防ぐ。水溶性接着剤が光によって硬化され得る(たとえば、UVは必要ない)と指摘することは有用である。
【0093】
一実施形態では、凹凸のある表面は、骨のセグメントの両方の部分をつかむことのできる1つまたはそれ以上の隆起を提供できる。一実施形態では、隆起はバルーンの外周にあり、骨と接触する膨張バルーンに把持力を追加するように設計されている。隆起は圧縮性なので、バルーンが完全に膨張したときに骨の上で折り曲がる。一実施形態では、バルーン外表面のサンドブラストされた下地面(surfacing)は、バルーンの外表面と内側の骨との接続および付着を向上させる。下地面は骨と接触する表面積の量を大幅に増やす結果、把持を強化する。
【0094】
2つの壁バルーンは、チューブを構成する内壁および外壁を有する。放射構造部材はチューブ内に配置することができる。放射構造部材はバルーン内にあり、エポキシ樹脂はバルーンを拡張する。次に、拡張と同時に、放射構造部材が拡張される。
【0095】
一実施形態では、長い放射構造部材は、髄内のバルーンの遠位端および近位端を超えて延在する。バルーンが拡張すると、放射構造部材はバルーンの実際の領域を超えてさらに遠く支持し、放射構造部材は骨により高い強度を与える結果、小さなバルーンを使用するより強靭な装置となる。通常、放射構造部材は、誘導カテーテルおよび蛇行した血管の通過を可能にするように(非拡張状態で) 十分な柔軟性を有する非血栓形成材料から構成される。上記放射構造部材は通常、X線透視視覚化を可能にするため放射線不透過性である。放射構造部材は、たとえば、拡張可能なメッシュ、ワイヤコイル、スロット付きチューブ、またはジグザグ設計などの形状のステンレス鋼またはチタンから構成することができる。
【0096】
一実施形態では、注入可能固定ピンが、骨の髄内周囲を完全に囲む骨の空洞に係合する。内部固定ピンは骨を保持および固定することができ、外部鋳造の必要性を省く。内部固定ピンの利点は、骨と骨の擦れまたは骨折箇所でのガタツキを低減して、内部固定ピンの長さ全体に骨の圧力を均等に分布する約360度の放射状接触を有することによって治癒を早めることである。内部固定ピンは骨断片をしっかりと固定し、骨を適所に保持するため屈曲を最小限にとどめる。内部固定ピンは、膨張前に駆動力なしで骨の髄内に配置される。
【0097】
一実施形態では、小さなアクセスが骨内に形成されている。骨髄を伴う骨では、骨髄部分を除去して、皮質骨へのアクセスを提供すべきである。骨髄を除去する結果、適切な近置と骨断片への力が提供される。次に、バルーンが挿入される。一実施形態では、カテーテルの力を利用してバルーンが配送され、骨折部分にまたがるバルーンが挿入される。一実施形態では、ガイドワイヤが骨折箇所に配送され、バルーンがガイドワイヤを超えて骨折箇所に配送される。一実施形態では、バルーンが柔軟な配送チューブ内に配置され、バルーンおよび配送チューブが骨折箇所に送られた後、配送チューブが引き抜かれてバルーンを露出させる。一実施形態では、配送バルーンは、モリーボルト(Molly bolt)のように拡張するためバルーンが使用する拡張可能な枠組みであってもよい。モリーボルトを柔軟なロッド上に配置することができ、バルーンがモリーボルトを拡張するために使用されて、結果的に追加の構造支持体となる。
【0098】
UV硬化性光活性化エポキシ樹脂がカテーテルを通ってバルーンに注入されると、バルーンが膨張する。一実施形態では、バルーンは、ポリエチレンテレフタレート(PET)ナイロンアラメットまたはその他の非消耗材料から構成される。PETは、合成繊維で使用されるポリエステル族の熱可塑性ポリマー樹脂である。その処理と熱履歴に応じて、PETは非晶質材料としても半結晶材料としても存在することができる。半結晶PETは強度、延性、剛性、および硬度に優れる。非晶質PETは延性に優れるが、剛性と硬度は低い。PETは、厚さに応じて半剛体から剛体で、非常に軽量である。PETは強靭で衝撃に強く、天然では無色透明で、ミネラルオイル、溶剤、酸への耐性は強いが塩基への耐性はない。
【0099】
バルーンは通常、バルブを備えていない。バルブがないことの1つの利点は、骨折の低減と配置を手助けするのに必要な限りバルーンを膨張または収縮させることができる点にある。バルブのないバルーンのもう1つの利点は、装置の効率性と安全性にある。硬化前にエポキシ樹脂が分離される場合、微粒子が出現する可能性がある。接着剤の体内への連絡通路がないため、接着剤はすべてバルーン内に含まれるためエポキシ樹脂は漏れ出さない。一実施形態では、配送カテーテルの除去前に硬化および付着される移植物間に永久的封止が生成される。バルーンはバルブを有することができるが、実施形態のすべてがこのように限定されることを意図されていない。
【0100】
一実施形態では、二重壁バルーンが使用される。二重壁バルーンは、内側バルーンを破裂から守り、固化した接着剤混合物を血流から離れて保持するバルーン内バルーンである。外側のバルーンが骨の粗い表面に接触する際、内側バルーンはポリエチレンテレフタレート(PET)内部材料の滑らかな表面に接触したままである。各バルーンは次に、所望の構造が得られるまで膨張させることができる。未使用バルーンは、他の膨張バルーンの空洞で収縮させたままにすることができる。さらに、可変デュロメータ(variable durometer)があるため、バルーン内バルーンは、正確な接着剤の位置を可能にすることができる。
【0101】
一実施形態では、複数のバルーンが、複数の内腔および各バルーンの少なくとも1つの膨張内腔と一緒に挿入される。最も内側のバルーンがまず注入されて、最高のショア(shore)またはデュロメータの最も強力な接着剤で注入することができる。内側バルーンが硬化された後、次のバルーンが、可変ショアまたはデュロメータまたは同一ショアまたはデュロメータを有することのできる接着剤で注入されて、その後硬化される。プロセスは、内腔が完全に充填されるまで継続する。余分のバルーンがある場合、それらは内側バルーンと係合し、バルーンの外側の空洞を押圧する。バルーンはまだ骨の空洞の形状に一致している。一実施形態では、外層はより低いショアまたはデュロメータを有し(すなわち軟らかい)、長骨の接合面の衝撃を吸収する衝撃吸収アプローチを提供する。
【0102】
一実施形態では、膨張式バルーンは拡張可能な金属チューブに収容される。金属チューブは、骨折領域を越え健康な骨にまで延在するように設計することができる。金属チューブは、チューブを構成する4つまたはそれ以上の予め形成された長さを有することができる。チューブは分割することができ、バルーン長よりも大きな長さ方向の強度を提供することができる。考えられるチューブは、ずれを防止するために骨に対して圧迫される際、骨と把持面に係合する外表面にいくつかの隆起または刻みを有することができる。
【0103】
現在開示されている実施形態は、とう骨、尺骨、またはその他の手首および手の骨の骨折と、その結果としての手首の収縮を治療するために使用することができる。手首は、手の使用を可能にする多くの関節と骨の集合である。手首は握るための強度を提供しつつ可動性を有していなければならない。手首は、少なくともとう骨および尺骨と呼ばれる前腕の2つの骨を手および指の骨に接続する手根骨という8つの別々の小さな骨を備える。中手骨は掌のほぼ下にある長骨で、指および親指の骨である指骨に結合される。すべての小さな骨が隣の骨との接合を形成するため、手首は複雑である。靭帯がすべての小さな骨を互いに、そしてとう骨、尺骨、および中手骨に接続する。手の過伸展などの手首のけがは、これらの靭帯に損傷を及ぼし、手首の骨の作用を変える可能性がある。手首はいろいろな方法で痛めることがある。一部のけがは、起こったときには単なる手首の捻挫のように思えるが、後で何年も問題が進展する可能性がある。関節は関節にかかる衝撃を和らげる軟骨で覆われている。手首の1つまたはそれ以上の骨の骨折などのより重大なけが、関節の軟骨表面を損傷し、変性性関節炎につながることがある。
【0104】
遠位とう骨の骨折は、手首の関節がある手首の遠位端で発生する一般的なけがである。手首骨折の最も一般的な形では、とう骨が掌から離れて曲がる。その形状にちなんで、「フォーク背状」変形と呼ばれる手首の形状変化が起きる場合がある。
【0105】
手首骨折の最も一般的な原因は、手の過伸展である。若年成人では、骨折は中程度から激しい力が加わった結果である。骨粗鬆症およびその他の代謝性の骨の疾患を持つ患者では、けがの危険性が高まる。加えて、手首の骨折が生じると、骨折によりとう骨が尺骨に比べて短くなることがある。その後、手首が移動するときに尺骨が捕まって、痛みと運動の制限を引き起こす場合がある。
【0106】
現在開示されている実施形態および方法は、最小限の侵襲性で手首の骨折を治療し、手首および手の骨、特にとう骨と尺骨の手首の縮小のために使用することができる。
【0107】
現在開示されている実施形態は、鎖骨骨折を治療するのに使用され、結果として鎖骨の縮小に使用することができる。鎖骨は、肩帯(胸帯)の1部を構成する長骨として分類される。折れた鎖骨を付着させる現在の方法は限定されている。鎖骨は皮膚表面の真下に位置するため、板およびネジを含む外部固定の可能性が限定される。加えて、肺と鎖骨下動脈が鎖骨の下にあるため、ネジの使用は魅力的なオプションではない。鎖骨骨折の従来の治療は、骨を適所に置くことによって骨を位置合わせし、腕と肩用の三角巾を痛みの軽減のために提供し、毎週または数週間ごとにX線で進捗状況を監視しながら骨を自然治癒させるものである。固定はされず、骨のセグメントは仮骨形成として再結合し、骨の成長が折れた骨のセグメントを合わせる。治癒の間、頑丈な結合はなく、仮骨形成はしばしば骨折個所での断絶を形成するため、骨折部分で大きな運動がある。鎖骨形状の不連続性は、鎖骨の骨折から生じることが多い。
【0108】
現在開示されている実施形態および方法は、最小限の侵襲性で鎖骨骨折を治療し、鎖骨の低減のために使用される。鎖骨の修復にバルーンカテーテルを使用する利点は、鎖骨の修復後の後配置を最小限にとどめることである。鎖骨の修復にバルーンカテーテルを使用する利点は、治癒過程における患者の痛みを解決することである。
【0109】
当業者であれば、開示される装置および方法がとう骨、尺骨、鎖骨、中手骨、趾骨、中足骨、指骨、脛骨、腓骨、上腕骨、脊椎、肋骨、椎骨、およびその他の骨などの他の骨に補強材を配送するのに使用することができ、それが開示される実施形態の範囲および精神に含まれることを認識するであろう。
【0110】
一実施形態では、大きなサイズの端部を有するバルーンカテーテルは、骨を内側の圧迫荷重内に配置させる。バルーンは、近位端と遠位端がバルーンの中央部の径より大きい膨張径を有するように成形される。バルーンの大径は、骨折箇所を超えて骨と係合する遠位端および近位端に向かう。近位端および遠位端に向かう大径を有して成形されるバルーンは、骨折の両側の骨の部分を一緒にさせる。近位端および遠位端に向かう大径を有して成形されるバルーンは、互いに向かって骨部分を押し合うようにして骨折の治癒を促進する。
【0111】
一実施形態では、バルーン壁は複数の層から成る。一実施形態では、バルーン壁は3つの層を有するため、バルーンは3層である。バルーンの外側層は、少なくとも水分を吸収し拡大する部分を有し、より厚い外皮を形成する。この搭載(loading)モードでは、バルーン壁の上側外皮は圧縮状態にあり、バルーン壁の下側外皮は引張状態にあり、バルーン壁のコア層は剪断応力を受けている。よって、剪断強度と剛性はバルーン壁のコア層の重要な特性である。3層バルーンを屈曲させるため、バルーン壁の1層が圧縮され、バルーン壁の別の層が引張状態に置かれ、バルーン壁のコア層が剪断応力を受ける。
【0112】
一実施形態では、音が、バルーンと空洞間の一致適合を確保するため骨の空洞から異物を除去し、針骨を払い落すのに使用される。一実施形態では、ステントを音に装着して空洞に挿入することができる。ステントは空洞内にとどまって空洞を支持する。その後、ステントが既に配置された後に、バルーンが空洞内に配置される。一実施形態では、放射構造部材はバルーン内に配置することができる。
【0113】
骨髄を伴う骨の場合、骨髄材料は、バルーンカテーテルの挿入前に髄腔から除去すべきである。骨髄は主に、腰骨、胸骨、頭蓋骨、肋骨、椎骨、および肩甲骨などの平坦な骨と、大腿骨および上腕骨などの長骨の近位端での海綿状材料とに見つかる。一旦髄腔に達すれば、空気、血液、液体、脂肪、骨髄、組織、骨の破片を含む骨髄材料は除去して空洞を形成する必要がある。空洞はくり抜かれた空間として定義され、そこでは第1の位置が骨上の貫通点に対して空洞の最遠位端を画定し、第2の位置骨上の貫通点に対して空洞の最近位端を画定する。骨は、除去される皮質骨に至るまで髄腔の骨髄材料を除去させるのに十分なほどくり抜くことができる。除去される骨髄材料の長さは、弱化した部分の面積に従って変動するが、通常は骨の弱化部分の約3cm上と約3cm下を含む。当該技術において既知で、現在開示されている実施形態の精神と範囲に含まれる、骨髄材料を除去する方法は多数ある。それらの方法は、米国特許第4、294、251号の「吸引洗浄方法」、米国特許第5、554、111号の「骨洗浄および乾燥システム」、米国特許第5、707、374号の「髄腔を準備する装置」、米国特許第6、478、751の「骨髄吸引針」、および米国特許第6、358、252号の「骨髄の抽出装置」に記載される方法を含む。
【0114】
骨髄材料が除去された後、装置は貫通個所に配置することができる。骨嵌合部は貫通個所にねじ込まれ、可撓チューブは骨嵌合部の挿入孔に挿入される。一実施形態では、使用される内腔は、バルーンの拡張径よりも小さくすることができる。アクセス孔は、周囲に収縮したバルーンを伴うカテーテルの径を挿入することができるくらいの大きさであればよい。たとえば、骨への挿入孔は約1ミリメートル〜約3ミリメートルの径を有し、その後のバルーン拡張は、骨の内径によって制限されて約20ミリメートル〜約300ミリメートルとすることができる。この結果、骨断裂を低減する最小限の侵襲性の手順となる。所望すれば、柔軟な整形外科ワイヤ、ステンレス鋼ロッド、および金属ピンを含むがそれらに限定されない補強材を、可撓チューブが骨嵌合部に配置される前にバルーンに追加することができる。バルーンへの補強材の挿入は、密な結合を形成する骨補強混合物を助け、強靭で柔軟な構造を生成する。
【0115】
膨張状態では、内部固定装置は骨内に作製されるアクセス孔より大きい。髄腔内で収縮状態から膨張状態に拡張させることによって、内部固定装置は最小限の侵襲性の骨減少を提供する。径を縮めた髄管にバルーンカテーテルを挿入すると、バルーンカテーテルは髄管の輪郭に自ら適合することができる。固定はバルーンの全長に沿って達成されて、骨折箇所に正しく位置決めされる。他の利点は、最小限の侵襲性手順、相互連結ワイヤ/ネジが必要ないこと、最小限のX線被爆、手順時間の短縮、感染のリスクを低減する単独の最小限の侵襲侵入点などであり、バルーンが髄内管の形状と径に適合すると、骨折の均一な固定が達成され、骨折箇所で横方向の運動が発生せず、断片を押し込む内部の枠組みがあるためにバルーンの膨張が骨折の断片を減らし、骨折断片間の即時の軸方向荷重移動が迅速な仮骨形成に寄与するため、感染のリスクを低減する。現在開示されている実施形態を使用すると、骨の縮小には皮膚に接触する連通装置を必要としないので、炎症や感染の可能性が低い。
【0116】
一実施形態では、補強材はカスタマイズされた形状に予め形成される。所定の形状および金型に補強材を充填し、成形された材料を身体に挿入することができる。一実施形態では、成形された材料は、UV光硬化などの上述のプロセスのうちの1つを用いてさらに硬化される。一実施形態では、材料は金型内で部分的にまたは完全に硬化され、そのまま身体内に挿入される。
【0117】
本明細書に記載される装置および方法は、様々な用途で使用することができ、たとえば、外部添え木(splint)を一時的に支持する、あるいは板材を形成するために使用することができる。
【0118】
一実施形態では、光は第1のカテーテルを通ってバルーンの第1の端部に送られ、接着剤は第2のカテーテルを通ってバルーンの他方の端部(たとえば、第2の端部)に送られる。一実施形態では、光と接着剤の両方が、別々のカテーテルを通ってバルーンの同じ端部に送られる。一実施形態では、光と接着剤が単独のカテーテルを通ってバルーンの中間に送られる。光と接着剤は単独のカテーテルまたは別個のカテーテルを通ってバルーンに送られ、バルーンの任意の位置(たとえば、端部、中間、その間のどこか)に送られ、互いに同じまたは異なる位置に配送されることができる。ただし、現実施形態のすべてがこれらの点で限定されるように意図されていない。
【0119】
骨粗鬆症の骨および病的骨折を治療する利点は、軟組織の損傷とその後の癒着および瘢痕形成を低減する最小限な侵入点、接合の利点、適用の需要および課題を満たすエポキシ樹脂の特性を変更させることのできる内腔内の可変デュロメータ材料を適用できること、骨との接合および外層での「衝撃吸収」のための内腔外部の高粘着軟材料、内部での高強度および高剛性などである。
【0120】
現在開示されている実施形態のうちいくつかを使用するもう1つの利点は、軟組織の損傷が最小限しか発生しないことである。軟組織損傷は、自然な骨治癒過程の1部とみなされる皮膚硬結を引き起こす。軟組織損傷を最小限にとどめることによって、腱内および腱上の皮膚硬結形成によるその後の剛直化が回避される。小さく切開され、そこからピンが骨の空洞に押し込められる結果、従来のkワイヤ(k-wire)アプローチで要求されるギブスを必要とせずに適切な近置および固定が実行される。上述の利点は現在開示されている実施形態の1部からもたらされ、すべての実施形態が必ずしもこれらの利点を有しているわけでない。
【0121】
2007年4月26日に提出された米国特許出願第XX/XXX、XXX(弁理士整理番号第101667−010501号)の「骨を強化する装置および方法」は、言及により全文をここに組み込む。
【0122】
本明細書で引用されるすべての特許、特許出願、および公開された引例は、言及によりその全文をここに組み込む。上に開示されたものおよびその他の特徴と機能またはその代替物のいくつかは、望ましくは他の多くの異なるシステムやアプリケーションと組み合わせることができると了解される。様々な現在予測不可能または予期せざる代替、変更、変形、または改良は、その後当業者によって実行されることができ、以下の請求項に包含されると意図される。
【技術分野】
【0001】
開示される実施形態は骨の強化および補強、特に、弱化した、あるいは骨折した骨に補強材を配送(deliver)する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨は生きている組織で、身体内で構造的な役割を果たす。骨は、反復するハーベシアン(Harvesian)系(血管と神経を含む中心管の周囲に配置される同心円状の層)から成る。中心管は髄腔としても知られ、骨髄で満たされている。長骨の軸内には、これらのHarvesian系の多くが平行にともに束ねられ、圧縮力および曲げ力を扱うために最適化された緻密骨と呼ばれる種類の骨を形成している。中手骨などの一部の骨では、骨自体が中空で、もしあっても骨髄を少ししか含まない。応力が非常に複雑になる骨の端部近傍では、Harvesian系は外に広がり分岐して、海綿状またはスポンジ状の骨の網目構造を形成する。緻密骨と海綿骨は密度が異なる、あるいは、組織が非常に密に密集している。
【0003】
コラーゲンロッドは骨を支えており、コラーゲンロッドを結晶化し包囲する血液からのミネラル(カルシウムとリンを含む)によって囲まれている。これらのミネラルが骨に強度を与え、コラーゲンロッドは弾力性を与える。
【0004】
遺伝的または発生的な異常、外傷、慢性的ストレス、腫瘍、および疾病は、骨の病変を引き起こす可能性がある。骨を弱化させる骨の病気には、限定はされないが、骨粗鬆症、胎児性軟骨異栄養症、骨癌、進行性骨化性線維形成異常症、線維性骨異形成症、レッグ−カルヴェ−ペルテス病、骨髄腫、骨形成不全症、骨髄炎、骨減少症、骨粗鬆症、パジェット病、および脊柱側湾症などがある。弱化した骨は折れやすく、骨折を防止する治療が重要である。開放された複数の、あるいは腰または背中の重篤な骨折は病院で治療される。深刻な開放骨折である、あるいは周囲組織に重大な損傷をもたらしている場合、手術が必要とされるかもしれない。深刻な骨折は、治癒過程において骨を適切な位置に保持する、あるいは失われた骨を交換するために、ネジ、ロッド、または板材などの内部装置を必要とすることがある。
【0005】
骨が折れた多くの場合、骨セメント混合物または骨間隙充填材が、骨を修復および強化するために骨に添加される。従来技術の骨セメント混合物は通常、2つの部分(粉末および液体)であり、触媒を必要とし、発熱性である。骨セメントを骨に注入するのに注入装置が使用される。通常の骨セメント注入装置はピストル形状で、骨セメントを含有するカートリッジを支持し、注入装置は、普通は高圧配送源である。より具体的には、トリガがバネ仕掛けまたはスクリューラムを駆動させ、強制的に粘性状態のある量の骨セメントを、適切なノズルを通過させて治療対象の骨の内部へと送る。注入される骨セメント混合物の量は、骨構造内の空間の量と骨内の開放領域に達する能力との関数である。場合によっては、骨髄の存在が、使用可能な骨セメント混合物の量を制限する。
【0006】
アクリル骨セメントのASTM標準仕様により実行されるポリメタクリル酸メチル(PMMA)骨セメントの熱特性化試験では、骨セメントの時間および温度プロファイルは、セメントパティと型材の厚さに反応しやすいことが観察された。セメントから周囲の型材への熱伝達により、上記の試験は骨セメントの発熱温度を過小評価している可能性がある。すなわち、型材と幾何的形状が測定されるパラメータの値に影響を及ぼす場合がある。
【0007】
骨セメントは扱うのが難しく、合併症を招くことがある。骨セメントが漏れると、軟組織の損傷と神経根の痛みおよび圧迫とを引き起こす可能性がある。椎体形成術と亀背形成術のための骨セメントの使用に関連するその他の合併症には、肺塞栓、呼吸不全と心不全、腹部侵入、腸閉塞、死亡などがある。
【0008】
骨セメント混合物を骨の修復または強化のために追加する従来技術の手法は、米国特許第4、969、888号の「膨張式装置を用いる骨粗鬆症の骨の固定のための外科的プロトコル」、米国特許第5、108、404号の「膨張式装置を用いる骨粗鬆症の骨の固定のための外科的プロトコル」、米国特許第5、824、087号の「骨再生」、米国特許第6、241、734号の「骨に材料を配置するシステムおよび方法」、米国特許第6、395、007号の「骨粗鬆症の骨を固定する装置および方法」、米国特許第6、425、923号の「輪郭形成可能なポリマー充填移植材」、米国特許第6、887、246号の「骨粗鬆症の骨を固定する装置および方法」、米国特許第6、875、212号の「移植可能医療装置のための治癒可能媒体」、米国特許第6、964、667号の「熱促進の現場形成固定システム」、米国公開第2004/0225296号の「海綿骨圧迫のための内部拘束を有する膨張体を用いる装置および方法」、米国公開第2005/0142315号の「液体ペルフルオロポリマーおよびそれを組み込む医療用途」に記載されている。
【0009】
従来技術の注入装置は通常、侵襲性で、バネ駆動の荷重サイクルが完了する前に空隙が充填された場合にセメントの流れを迅速に終わらせることが困難である。従来のセメント注入装置は、骨内の海綿骨の量および密度の状態に反応してリアルタイムで注入量または注入速度を調節または制御することも困難である。
【0010】
よって、最小限の侵襲性の手法を用い、使いやすく、速度および量の制御性が高く、反応速度が速い、骨に補強材を配送する装置および方法が当該技術において必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第4、969、888号
【特許文献2】米国特許第5、108、404号
【特許文献3】米国特許第5、824、087号
【特許文献4】米国特許第6、241、734号
【特許文献5】米国特許第6、395、007号
【特許文献6】米国特許第6、425、923号
【特許文献7】米国特許第6、887、246号
【特許文献8】米国特許第6、875、212号
【特許文献9】米国特許第6、964、667号
【特許文献10】米国公開第2004/0225296号
【特許文献11】米国公開第2005/0142315号
【発明の概要】
【0012】
弱化した、あるいは折れた骨を補強するシステムおよび方法が本明細書に開示されている。本明細書に示される局面によると、近位端、遠位端、およびその間の長手方向軸を有するチューブを含む、骨に補強混合物を配送する装置であって、チューブが、骨補強混合物を通過させることのできる少なくとも1つの内腔と、骨補強混合物がバルーンに入ると略収縮状態から略膨張状態に拡張し始める、チューブを係合するバルーンと、バルーンに光を誘導するためにチューブを通ってバルーンまで延びる少なくとも1つの光導体とを有する装置が提供される。
【0013】
本明細書に示される局面によると、近位端、遠位端、およびその間の長手方向軸を有するカテーテルを含む、骨に補強混合物を配送する装置であって、カテーテルが、骨補強混合物を通過させることのできる少なくとも1つの内腔と、カテーテルから延在し、骨補強混合物がバルーンに入ると略収縮状態から略膨張状態に拡張し始めるバルーンと、カテーテルとバルーンを接続し、接合部でカテーテルに印加される応力を集中させる接合部とを有する装置が提供される。
【0014】
本明細書に示される局面によると、骨の空洞へのアクセスを得るために骨を貫通するステップと、バルーンカテーテルを骨の空洞に挿入するステップと、カテーテルの少なくとも1つの内腔を通ってバルーンカテーテルのバルーンに骨補強混合物を注入するステップと、バルーン内の骨補強混合物を硬化するために光源を活動させるステップとを含む、骨の補強方法が提供される。
【0015】
本明細書に示される局面によると、骨の空洞へのアクセスを得るために骨を貫通するステップと、バルーンカテーテルを骨の空洞に挿入するステップと、バルーンに接続されるカテーテルの少なくとも1つの内腔を通ってバルーンに骨補強混合物を注入するステップと、所定の位置でカテーテルをバルーンから分離するステップとを含む、骨の補強方法が提供される。
【0016】
各種実施形態は特定の利点を提供する。本発明のすべての実施形態が同じ利点を共有するとは限らず、すべての状況下で利点を共有しない場合がある。実施形態の別の特徴および利点、ならびに各種実施形態の構造は、添付の図面を参照して以下詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】膨張状態のバルーンを伴うカテーテルの図で示した実施形態の透視図である。
【図2】骨内のバルーンの図で示した実施形態の断面図である。
【図3】カテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図4】図3の線4−4に沿ったカテーテルの断面図である。
【図5】カテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図6】光学テーパを有するカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図7】光学テーパを有するカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図8】カテーテルの照明バンド領域の図で示した実施形態の断面図である。
【図9】カテーテルの照明バンド領域用のスイッチの図で示した実施形態の断面図である。
【図10】カテーテルの照明バンド領域用のスイッチの図で示した実施形態の断面図である。
【図11】バルーンカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図12】収縮状態のバルーンカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図13】膨張状態のバルーンカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図14】ガイドワイヤを内部に有する折れた骨の図で示した実施形態の断面図である。
【図15】ガイドワイヤ上に挿入されたバルーンカテーテルを伴う骨およびガイドワイヤの図で示した実施形態の断面図である。
【図16】骨、ガイドワイヤ、および膨張状態のバルーンカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図17】折れた骨の図で示した実施形態の断面図である。
【図18】折れた骨に挿入されたバルーンカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図19】膨張状態のバルーンカテーテルの図で示した実施形態の断面図である。
【図20】折れた骨内の収縮状態のバルーンの図で示した実施形態の断面図である。
【図21】折れた骨内の膨張状態のバルーンの図で示した実施形態の断面図である。
【図22】バルーンの図で示した実施形態の断面図である。
【図23】骨内のバルーンの図で示した実施形態の断面図である。
【図24】バルーンの内部支持構造の図で示した実施形態の断面図である。
【図25】収縮状態のステントの図で示した実施形態の断面図である。
【図26】膨張状態のステントの図で示した実施形態の断面図である。
【図27】接続ワイヤおよびニチノール板材の図で示した実施形態の断面図である。
【図28】ニチノールおよびヒンジワイヤの図で示した実施形態の透視図である。
【図29】板材の図で示した実施形態の透視図である。
【図30】フレームの図で示した実施形態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
現在開示されている実施形態を添付の図面を参照してさらに説明する。図全体で、同様の構造は同じ符号で示す。図面は必ずしも等縮尺されておらず、その代わりに通常、現在開示されている実施形態の原則を示すことに重点が置かれている。
【0019】
上記図面は現在開示されている実施形態を示すが、上述したように他の実施形態も考えられる。この開示は、限定ではなく説明のために図で示した実施形態を提示している。多数の他の変形および実施形態が、現在開示されている実施形態の原則の範囲と精神内で当業者によって考案可能である。
【0020】
弱化した、あるいは折れた骨に補強材を制御して配送する装置および方法が本明細書に開示される。骨折を低減するため、骨の内腔内でバルーンを膨張させる装置および方法が本明細書に開示される。本明細書に開示される装置および方法は、無菌環境で実行することができる。
【0021】
補強材は、骨補強混合物(骨セメント混合物、骨間隙充填材、エポキシ樹脂、接着剤、および類似の粘着剤など)、整形外科ワイヤ、ステンレス鋼ロッド、金属ピン、および他の類似の装置を含むがそれらに限定されない。装置は、骨粗鬆症、胎児性軟骨異栄養症、骨癌、進行性骨化性線維形成異常症、線維性骨異形成症、レッグ−カルヴェ−ペルテス病、骨髄腫、骨形成不全症、骨髄炎、骨減少症、骨粗鬆症、パジェット病、脊柱側湾症、およびその他の類似の疾病を含むがそれらに限定されない骨の病気のいずれかにより、弱化した、あるいは折れた骨の修復のために使用することができる。
【0022】
装置の実施形態は、たとえば、開示される手法を用いて、骨内に準備された骨の空洞に補強材を配送するために使用することができる。図面のいくつかは大腿骨である弱化した、あるいは折れた骨を示しているが、開示される装置および方法は脛骨、腓骨、上腕骨、尺骨、とう骨、中足骨、中手骨、趾骨、指骨、肋骨、脊椎、椎骨、鎖骨、およびその他の骨などの別の骨に補強材を配送するために使用することができ、開示される実施形態の範囲および精神に含まれることを当業者であれば認識するであろう。
【0023】
図1および図3に示されるように、可撓チューブは、近位端102、遠位端104、およびその間の長手方向軸を有する細長シャフト付きのカテーテル100である。カテーテル100の遠位端104は、膨張および収縮するバルーン部106を有する。一実施形態では、バルーン106は円形、平坦、円柱状、楕円形、矩形、またはその他の形状にすることができる。一実施形態では、紫外線活性化接着剤などの接着剤108が、バルーン106を膨張および収縮させるために使用される。分離領域109が、バルーン106とカテーテル100との間の接合部に配置される。分離領域109は照明バンド110であってもよい。活動すると、照明バンド110は後述されるように、 照明バンド110内のカテーテルに配置される接着剤108を光で硬化させる。照明バンド110は、照明バンド110に適切な周波数の光を伝える光導体112を含むことができる。
【0024】
図4の実施形態に示されるように、カテーテル100は、カテーテル壁114、照明ファイバ116、照明ファイバ116をまとめて保持する照明リング118、および接着剤108を導入する内腔120を含む。一実施形態では、バルーンがカテーテルから分離されて、バルーンが骨内にとどまり、カテーテルが容易に取り外せるようにすることが望ましいであろう。たとえば、図5の実施形態に示されるように、カテーテル100は後述されるように、2つの融合ジョイント122と、バルーン106のカテーテル100からの分離を容易にする、予め応力が与えられた切欠き124とを含む。
【0025】
カテーテルのバルーン部は、カテーテルの長さに沿った任意の場所に配置し膨張させることができる。カテーテルは、開放された伝達路を可能とするように管状バルーンと係合することができる。バルーンを膨張および収縮させる能力によって、接着剤の硬化前に、適切な治癒のために複数の骨の断片を確実に位置合わせさせることができる。一実施形態では、骨の内腔内のバルーンの膨張は、内側の骨表面の形状に沿い接触面積を増大させ、ぴったりと両者を適合させる。当業者であれば、バルーンは、ウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンエラストマー、およびその他の類似ポリマーを含むがそれらに限定されない、柔軟で、可撓で、形状に適合し、強靭な材料で形成できると認識するであろう。
【0026】
一実施形態では、カテーテルは、より長いベースから延在する2つのアームを有する「Y」字状に構成することができる。Y字状カテーテルの長ベースは骨に挿入される。Y字形状の第1の上側アームはシリンジと係合する。Y字形状の第2の上側アームは光源と係合する。光学テーパを使用し、光源とカテーテルの間に配置することができる。一実施形態では、カテーテルの外周は約3フレンチ(french)〜約8フレンチである。約3フレンチ〜約8フレンチのカテーテルを用いると、結果的にバルーンの膨張直径は約2mm〜約30mmとなり、骨の内腔に適する。すべての実施形態がこれに限定されるように意図されておらず、3フレンチ未満または8フレンチ超の外周のカテーテルを含む実施形態もある。
【0027】
一実施形態では、カテーテルは照明材料で構成することができる結果、光伝達可能ファイバカテーテルとなり、照明ファイバまたは光導体を必要としない。
【0028】
一実施形態では、少なくとも1つの内腔を有し、両端から液体を受け取ることのできる細長可撓チューブが、柔軟な骨嵌合部を通って延在する。可撓チューブは、ネジ部を介して骨にねじ込むことができる。一実施形態では、細長可撓チューブは薄いカテーテルである。一実施形態では、細長可撓チューブはバルーンカテーテルである。
【0029】
注入カテーテルは光導体を光源に接続し、光源の不注意なまたは早い活動(たとえば、UV硬化接着剤の正しい位置決めと所望量の注入前)を不可能にする。光源を活動させると、接着剤が硬化して膨張形状のバルーンに付着される。硬化は、カテーテルを通過して配送させることのできる形状(たとえば、流動性形状)から生体内での最終使用のための永久的(たとえば、硬化)形状に進行する組成を可能とする任意の化学的、物理的、および/または機械的変質を指すことができる。たとえば、「硬化性」は、(触媒によって、あるいは適当なエネルギー源の印加によって)生体内で硬化される可能性のある未効硬化組成、ならびに硬化の過程での組成(たとえば、複数の組成物成分の同時混合により配送時に形成される組成)を指すことができる。バルーン内で光導体に接続される光源を起動すると、組成物が最終的に意図される用途に合わせて成形される地点まで補強材が完全に硬化する。接着剤の活性化は、活性化後の形状の変化を必要としない。硬化後、接着剤は縮小も膨張もしない。
【0030】
一旦バルーンカテーテルが位置決めされたら、骨が適切に配向されるまでバルーンを膨張または収縮させることができる。バルーンはUV硬化エポキシ樹脂を用いて収縮状態から膨張状態へ拡大され、そこでUV硬化エポキシ樹脂のシリンジがカテーテルのルアー端に装着される。バルーンが収縮状態にあるときよりも体積が大きいとき、バルーンは膨張状態にあるとみなされる。バルーンは、膨張状態にあるとみなされるために最大限まで膨張させられる必要はない。バルーンは膨張中および膨張後の高圧に耐える。膨張式非適合バルーンは通常、UV硬化材料を充填されて約400PSI〜約1000PSIに耐えることができる。UV硬化材料は、骨を保持してほぼ治癒をもたらすことのできる剛体の整形外科固定器となる。バルンは内圧を受けると、円形、楕円形、ディスク状、または類似の形状とすることのできる断面形状になるまで膨張する。バルーン材料は柔軟だが、比較的非弾性であり、所定の形状を超える膨張後、放射方向に最低限にしか拡大しない。
【0031】
一実施形態では、バルーンは、骨内の空洞の壁に均一に接触するように設計される。たとえば、図2の実施形態に示されるように、バルーン220の所定の形状は細長シリンダであってもよい。バルーン220は2つの端部222、224とその間の表面226を備える。バルーン220の表面226は略平坦および/または滑らかであり、骨の空洞230の壁228とほぼ結合する。バルーンの表面226は完全に滑らかでなくてもよく、長さに沿っていくつかの小さな隆起または凸部/凹部を有することができる。いくつかの実施形態では、バルーン220の表面226から突出する大きな隆起はない。バルーンは、骨の空洞内にとどまり、骨の穴や割れ目から突出しないように設計することができる。一実施形態では、バルーンの外表面は空洞の壁と同一平面上にあり、バルーンが膨張すると、バルーンの外表面はバルーンの表面積の少なくとも1部に沿って空洞に壁と接触させることができる。一実施形態では、バルーンが膨張すると、バルーンの外表面の大半または全部が空洞の壁と接触せず、かつ、骨の穴や割れ目から延在しない。
【0032】
一実施形態では、バルーンは、特別な形状の骨の空洞内に適合するような輪郭にすることができる。バルーンは、特別な形状の骨の空洞内に適合するように成形することができる。一実施形態では、バルーンは、骨の空洞内に完全に適合し、骨の空洞の壁の穴や割れ目から突出しないように成形することができる。
【0033】
高い内圧まで膨張させた後、バルーンは常態の断面を呈する。バルーンの形状は、ポリエチレンテレフタレート(PET)および容易に熱設定可能(heat settable)でない類似の材料で形成されているバルーンに適する。一実施形態では、骨の内腔内でのバルーンの膨張によって、放射状の力が均等に分散される。バルーンの中には約1000PSI超または約400PSI未満に耐えることのできるものもあるが、すべての実施形態がこの値に限定されることは意図されていない。
【0034】
一実施形態では、バルーンは直径が約5mm、長さが約55mm±4mmである。バルーンの長さは、約44mm±3.5mm、30mm±3mm、あるいは約55mm、約40mm、または約30mmより大きい、等しい、または小さい長さのいずれでもよく、他の誤差範囲であってもよく、バルーンの直径は任意のサイズであってよく、現実施形態のすべてがこれらの値限定されることは意図されていない。
【0035】
バルーンカテーテルは、バルーン部の側壁を通って外方に延び、骨補強混合物の配送用の配送面としての役割を果たす複数の通路で終了する複数の配送内腔を含む。複数の通路は、バルーンカテーテルのバルーン部の長さに沿って、たとえば、バルーン部の全長に沿って任意の場所に配置することができる。バルーンカテーテルの遠位端は、 カテーテル操作中のX線透視による容易な視覚化を確保する放射線不透過性マーカ、バンド、または先端を含むことができる。可撓チューブの近位端は、骨補強混合物が配置される当該技術において既知な接着システムに装着させることができる。接着システムの例は、限定はされないが、チューブ締め具またはその他の絞り機構弁を用いて骨補強材の配送が制御される骨補強材を含む、コーキングガンシステム、シリンジシステム、バグシステムなどである。
【0036】
バルーンカテーテルは、内腔の内側またはカテーテルの外側でカテーテルの長を下って走るファイバなどの光源路を含み、一旦複数の通路から解放されたらp骨補強混合物を硬化させることができる。バルーンカテーテル内の補強材が光源を用いて硬化されると、光が送られて接着剤が硬化される。光源を用いるバルーンカテーテルの硬化は、光によって活性化されるまで安定状態を保つ化合物の硬化を利用する。それらの化合物は、適用前の計量も混合も必要としない。動作中、UV光源からの放射エネルギーは吸収されて、硬化がほぼ瞬時に起こるように化学エネルギーに転換させることができる。硬化は硬化化合物の光収縮直後に発生するため、基板は温度変化を受けない、あるいは、ごく短時間の表面的な温度変化及び反応は発熱反応とはみなされない。
【0037】
一実施形態では、シリンジは、接着剤の流れを調節する制御機構を有する。シリンジの制御機構は、接着剤をカテーテルに流れ込ませ、所望するように流れを停止することができる。シリンジは接着剤の方向性流れを制御するように直接接触し、接着剤の方向性流れはシリンジの方向変化に応答してカテーテル内で瞬時に変化する。
【0038】
一実施形態では、配送シリンジは、光をシリンジの外表面に透過させない。不透明シリンジを有することで、シリンジ内に含まれる補強材は確実に光に露出されず、シリンジ内で硬化しない。配送シリンジは、カテーテルを介してエポキシ樹脂または接着剤をバルーンに配送する。エポキシ樹脂は動的粘度単位であるセンチポイズ(cP)で測定される液体粘性を有するため、シリンジからカテーテルおよびバルーンに注入することができる。エポキシ樹脂は液体粘性を有し粘着性であるので、低圧配送を利用して配送させることができ、高圧配送は必要でないが、利用することもできる。
【0039】
光源の活動後、光はバルーン内のエポキシ樹脂全体に届けられる。光源を活動することによって、バルーン内の光硬化性材料がバルーン内で硬化する。
【0040】
骨補強混合物は、骨または骨組織の強化、交換、または補強のための天然または合成材料のいずれであってもよい。骨補強混合物は、接着剤、、粘着剤、セメント、硬組織置換ポリマー、天然サンゴ、ハイドロキシアパタイト、β型リン酸三カルシウム、およびその他の、骨の強化、交換、または補強のための当該技術において既知な生体材料を含む。不活性材料として、骨補強混合物は、周辺組織に組み込む、あるいは元の組織と次第に置換させていくことができる。当業者であれば、当該技術において既知な多数の骨補強混合物が現在開示されている実施形態の精神および範囲に含まれることを認識するであろう。
【0041】
電磁スペクトルは、すべての可能な電磁放射の範囲である。物体の電磁スペクトルは、物体が発する、反射する、あるいは伝達する電磁放射の周波数範囲である。電磁スペクトルは、(長波長端で)現代のラジオに使用される周波数のすぐ下の周波数から(短波長端で)ガンマ放射線まで延び、何千キロメートルから原子サイズの何分の1までの波長を対象とする。紫外線(UV)光の波長は約1nm〜約380nmの範囲で、以下のカテゴリー、UV近傍(380〜200nm波長、NUVと略す)、遠または真空UV(200〜10nm、FUVまたはVUVと略す)、極UV(1〜31nm、EUVまたはXUVと略す)に分類することができる。同様に、可視光は約380〜約780nmの波長スペクトルを有する。
【0042】
光硬化材(LCM)は、紫外線(UV)または可視光によって提供されるエネルギーを利用する。非常にエネルギーが大きいので、UV光は化学結合を壊し、分子を著しく反応させてイオン化し、一般的には相互挙動を変化させる。一実施形態では、光源によって発せられる光はUV光または可視光に敏感な光開始剤と反応する。光開始剤は、追加の重合のために重要な硬化機構を提供する。
【0043】
UV光を用いて、補強材は、発熱がない、または最小限になり、長く継続しないように確保する。具体的には、材料の化学結合または混合がない。光を導入すると光開始剤と接着剤が硬化する。一旦光が導入されれば、バルーン内の材料が硬化し、内部の材料はその場に付着する。光が導入されるまで接着剤は硬化しないので、骨の配置は邪魔される、あるいは促進されることはなく、バルーンは接着剤の粘度により膨張または収縮させることができる。接着剤は、材料の低粘度により注入される、あるいはバルーンから取り除くことができる。一実施形態では、補強材の粘度は約1000cP未満である。すべての実施形態がこの値に限定されることを意図されておらず、いくつかの実施形態は1000cPと全く等しい、あるいはそれより高い粘度を有する補強材を含むことができる。
【0044】
異なる光硬化材は、異なる範囲のUV光および可視光に感応する光開始剤を使用する。たとえば、可視青色光は、UV光を遮断するが可視光を透過させる基板(たとえば、プラスチック)間で材料を硬化させることができるため、硬化プロセスで有益であるかもしれない。電磁スペクトルの大部分は有効エネルギーとして利用可能であるため、可視光は光硬化材の硬化速度を速める。さらに、可視光は光硬化材を通り深度の増大する硬化深さまで貫通する。光硬化材は、骨を正しい配向に保持するのに十分なように硬化する。より具体的には、骨を膨張、設定、調節、配向する能力と、その結果生じる骨の結合は、接着剤の硬化前に得られる。光硬化材は例えば、コネチカット州ロッキーヒルのヘンケルコーポレーションのロックタイトで市販されている光硬化材を含む。
【0045】
一実施形態では、カチオン性光開始剤を有するカチオン性エポキシ樹脂などの液体接着剤が使用される。活性化前のエポキシ樹脂は非常に低い収縮速度を呈する。活性化させるために、約245nm〜約365nmの範囲のUV光がエポキシ樹脂に印加され、硬化反応を開始させる。一旦硬化反応が始まれば、その反応は完了まで継続する(たとえば、暗闇でも)。
【0046】
一実施形態では、補強材は生体吸収性エポキシ樹脂であるので、硬化エポキシ樹脂は時間の経過とともに生体に吸収される。一実施形態では、補強材は化学活性化または熱活性化によって硬化される。化学活性化は水または他の液体を含むがそれに限定されない。一実施形態では、補強材は、溶剤が蒸発する際に粘着剤が硬化するように溶剤内に溶解されたポリマーを有する乾燥接着剤である。一実施形態では、補強材は、粘着剤が冷却すると粘着剤が硬化するような熱溶解型または熱可塑性粘着剤である。補強材は本明細書に記載される実施形態に限定されず、骨を補強する任意の材料であってよい。材料の中には、UVまたは可視光、熱などの任意の手段を介する硬化を必要とする、あるいはそうした硬化により強化されるものもある、および/または化学薬品または物質の添加または除去が、材料を硬化する内外プロセスを利用することができる、あるいは硬化を必要としない場合がある。
【0047】
一実施形態では、骨補強混合物は光硬化粘着剤(またはUV粘着剤)である。紫外線(UV)硬化の利点は、要求に応じた硬化プロセスであることと、粘着剤が溶剤を含まず、長波UV光または可視光の照射後数秒で硬化する環境に優しい樹脂を含むことができる点にある。一実施形態では、UV粘着剤は、UV光が接着剤と結合するまで硬化せず、結合が生じると、粘着剤が数秒で硬化して剪断強度を有する完全な結合を形成する、単成分の溶剤を含まない粘着剤である。可視光はより深くエポキシ樹脂を貫通する。可視光がエポキシ樹脂を貫通するため、電磁スペクトルの大部分が有効エネルギーとして利用可能であるため材料の硬化が強まる。このようにして、光硬化材は紫外線光または可視光により提供されるエネルギーを利用して、硬化プロセスを開始する。光源から発せられる光は、UV光または可視光に感応する光開始剤と反応する。可視光によって、材料は、UV光を遮断するが可視光を透過させる基板間で硬化させられる。UV光を用いた補強材の硬化は、折れた骨の適所での保持、バルーンの充填、およびCアーム撮像システム下での視聴を支援する。
【0048】
当業者であれば、いくつかの光硬化材がUV光、可視光、X線、γ線、マイクロ波、無線波、長波、または約1nm未満、約1nm〜約380nm、約380nm〜約780nm、または780nm超の波長を有する光によって活性化させることができると認識している。ただし、すべての実施形態がこれらの値に限定されるように意図されていない。
【0049】
当該技術において既知ないくつかのエポキシ樹脂は、骨補強材としての使用に適し、粘度、硬化時間、完全に硬化したときの硬度(デュロメータまたはショア)が様々に異なる。材料のデュロメータは、材料の永久的圧入に対する抵抗として定義される材料の硬度を示す。所与の骨折に必要な、結果として生じる支持の量に応じて、特有のデュロメータのUV粘着剤を選択することができる。もしくは、デュロメータの異なる複数のUV粘着剤が骨折の修復に選択することができ、現在開示されている実施形態の範囲および精神に含まれる。材料のデュロメータは、より高い剛性またはより可鍛性の結果を達成するように変更させることができる。図24に示されるように、エポキシ樹脂のショアまたはデュロメータは、より軟度と可鍛性の高い外層あるいは剛体の内部構造を達成するように層間アプローチで変更させることもできる。さらに、ショアまたはデュロメータは、接着剤と骨間の接合面が確実に自然の衝撃吸収と同様に柔軟になるように変更させることもできる。
【0050】
エポキシ樹脂の機械的特性は、引張強度および引張係数、引張強度試験、最大係数(ultimate modulus)、ポアソン比、および降伏強度と靭性を測定するビッカース−シャルピー衝撃などの硬度測定値を含むが、それらに限定されない高強度および高衝撃材料にとって典型的な方法/手段を用いて示すことができる。
【0051】
一実施形態では、エポキシ樹脂は、約0.1〜約50GPa、好ましくは約1〜約10GPaの弾性係数を有する。頭部−顔面骨は約20GPaの弾性係数を有し、プレキシガラス(PMMA、すなわち骨セメント)は約1〜約2GPaの弾性係数を有する。通常のエポキシ樹脂は、約1〜約3GPaの弾性係数を有するが、ナノ変更されたエポキシ樹脂は元のエポキシ樹脂より約3〜5倍以上増大し、カーボンナノチューブ、粘土、雲母、およびその他の構造のほんの数パーセントの荷重である。
【0052】
一実施形態では、カーボンナノチューブ(CNT)は、接着剤の強度を高めるために補強材に追加される。カーボンナノチューブは円柱状の炭素分子の形状を取る炭素の同素体で、新規な強度特性を有する。カーボンナノチューブは並外れた強度を有する。ナノチューブは、バッキーボールも含むフラーレン構造族のメンバーである。バッキーボールは球状だが、ナノチューブは半球状のバッキーボール構造を通常被せられた少なくとも1つの端部を有する円柱状である。ナノチューブはグラファイトと同様、全体がsp2結合から成る。ダイヤモンドに見られるsp3結合よりも強力なこの結合構造は、分子に独自の強度を提供する。ナノチューブは自然と、ファンデルワールス力によってともに保持される「ロープ」状に自ら並ぶ。単壁ナノチューブまたは多壁ナノチューブが、補強材を強化するために使用することができる。
【0053】
一実施形態では、接着剤がカテーテルの内腔に注入されて、骨を治癒配向に位置決めするようにバルーンを拡張させる。治癒配向を画定するため、骨が一列に並ぶまでバルーンが膨張する。骨の配向は、プロセスの視覚化なしで、あるいはX線またはX線透視装置を用いて行うことができる。Cアーム撮像システムは、視聴中に組織の周りを回転するように移動または操作することのできるX線透視装置である。バルーンの配送または使用を監視または点検するために、磁気共鳴断層撮影(MRI)、超音波撮像、X線透視、フーリエ変換赤外分光、紫外線または可視分光分析などのその他の手法を利用することができる。バルーンは非磁性材料から成るため、MRIと互換性がある。
【0054】
一旦接着剤が硬化すると、接着剤は、骨と骨の修復の適切な接合を確保し、少なくとも約6週間骨の治癒のための強度を保持するのに適した引張強度、降伏強度、伸び、およびその他の特性を有する。適切な治癒配向に骨を保持するように髄内ピンまたはロッドが作製される。移植可能な髄内ロッドまたはピンは、駆動力または挿入力なしで骨に挿入することができる。一実施形態では、接着剤混合物は約cP1000以下の粘度を有する。造影材料は、粘度を大幅に増大させずに接着剤混合物に添加することができる。造影材料は硫酸バリウム、タンタル、または当該技術において既知なその他の造影材料を含むが、それらに限定されない。このように、接着剤混合物は、配送中により小さな内腔で使用することができる。
【0055】
多くの接着剤は、接着剤が可塑性領域に入った後の時間および温度に応じて、特定の硬化時間を有する。開示される接着剤は光源の活動後瞬時に硬化して、一旦入射光にぶつかったら所望量の接着剤が正確な位置で硬化させられる。
【0056】
一実施形態では、複数の光導体は光源と係合する。一実施形態では、光導体は柔軟な光管である。光導体は光源からの光をバルーンカテーテルに向ける。光源はカテーテルの径よりも大きいため、光学テーパは光を向けるのに使用される。図6および図7の実施形態に示されるように、光学テーパ146は、光源からの光をより小さなカテーテル135に集束させるために使用することができる。一実施形態では、光学テーパ146は、近位端148で集結される光源を有する光ファイバ116の成形束である。図7の実施形態に示されるように、カテーテルは、テーパホルダ137、遮光体139、ファイバボス141、ハンドル143、たとえば、約0.5mm、約0.75mm、約1.0mm、約1.25mmおよび/または約1.5mmの径の照明束145、およびポリイミド外装(sheathing)147も含む。
【0057】
一実施形態では、光学テーパは光ファイバの単独または「多要素」ロッドである。単独または多要素ロッドが先細りであると、結果として生じるロッドの光学特性は、先細り端での元の開口数を保持しつつ、正常端の開口数(NA)を減らすように変動する。光学システムの開口数は、システムが光を受け入れる、あるいは発する角度の範囲を特徴づける無次元数である。変更量は径の比である。光が最大限の受光角で小さな先細りの端部に入射すると、他方の端部で発生する光線は入射角の元の範囲に比べて平行にされる場合がある。一実施形態では、カテーテルは光学テーパとの接合面を有する。一実施形態では、光学テーパはカテーテルに係合し、1回のみの使用で使い捨てとされる。一実施形態では、光学テーパは光源と係合し、複数の手順で使用することができる。
【0058】
一実施形態では、光学テーパの使用によって、カテーテルの近位端で光線が収束する。カテーテルファイバの使い捨て部分は、質を向上させるためにテーパと並べる(align)ことができる。光学テーパは、使い捨て片に適切な接触点も提供する。光学テーパを使用する利点は、小さな光ファイバが大きな光学テーパの下に並べられるためカテーテルの設計がより単純である点にある。小さな光ファイバが大きな光学テーパの下に並べられるため、位置合わせはさほど重要ではない。
【0059】
複数の照明ファイバは、金属リング、接着剤を用いるポリマーリング、または類似の構造を含む機械的コネクタによって集めることができる。ともに束ねられた後、ファイバは均等に切断することができる。光ファイバは光の照射を指し示す手助けとして滑らかに磨いてもよい。一実施形態では、光学テーパは、ファイバの磨いた端部と接触する先細り端部を有する光ファイバの束と隣接して搭載される。
【0060】
1つまたはそれ以上の放射線不透過性マーカは、カテーテルおよび/またはバルーン上に配置することができる。一実施形態では、放射線不透過性マーカは、バルーンの近位端とカテーテルの遠位端間の移行点に配置される。硫酸バリウム、タンタル、または放射線不透過性を増大することが既知なその他の材料などの放射線不透過性材料を用いる放射線不透過性マーカにより、医療専門家はX線透視技術を用いてカテーテルの遠位端を見ることができる。放射線不透過性材料は、配置および膨張中のバルーンおよび/またはカテーテルの正確な位置決めを決定するために、膨張間の視認性を提供する。放射線不透過性材料は、バルーンに捕まった空気によって生成される空洞の視覚化を可能にする。放射線不透過性材料は、均一なバルーン/骨接合面を維持するため、不適切な膨張による骨の誤係合または不一致をバルーンから除外する視覚化を可能とする。バルーンおよび/またはカテーテルの正しい位置が決定されたら、カテーテルの近位端は、骨補強混合物を含むコーキングガン型接着剤システムに装着することができる。
【0061】
バルーンおよび/またはカテーテルの近位端および遠位端上の1つまたはそれ以上の放射線不透過性マーカは、X線またはX線透視装置の使用を通じてバルーンの正しい位置を確保するため、骨内のバルーンおよび/またはカテーテルの位置を決定するのに使用することができる。バルーンが膨張するにつれ、骨の複数のセクションが治癒配向の安定的な構造に置かれる。骨が治癒配向にある場合、照射がバルーンおよび/またはカテーテル内の照明ファイバを介して提供される。一実施形態では、複数の照明ファイバが、骨内の補強材を硬化させるのに十分な光を提供するのに使用される。
【0062】
たとえば照明ファイバを用いてバルーン内の補強材が硬化された後、たとえば、バルーン/カテーテル接合部に配置される照明バンドを活動して、照明バンド内のカテーテルに位置するエポキシ樹脂を光で硬化させることができる。照明バンドは、カテーテルとバルーン間の接合部でバルーンの近位端に隣接して配置される。照明バンドはカテーテル周囲を延在し、応力集中器(stress concentrator)を有する。応力集中器は切欠き、溝、チャンネル、または照明バンドに応力を集中させる類似の構造であってもよい。照明バンドの応力集中器は、特定のねじり荷重下で、バルーンをカテーテから直接分離するため、切り込みを入れる、刻み目を入れる、凹ませる、あらかじめ弱化させる、あるいはあらかじめ応力をかけることができる。配送カテーテルは、照明バンドに適切な周波数の光を伝達するシリカ、シリコン、またはポリマー材料から成る光導体を使用することができる。
【0063】
一実施形態では、バルーンの近位端は、分離領域を形成するために硬化される接着剤を含むことができる。分離領域は、接着剤がカテーテルおよび/またはバルーンから漏れ出さないように確保する。分離領域はカテーテルおよび/またはバルーンを封止し、既知のまたは所定の位置(たとえば、分離領域)で破断を作ることによって配送カテーテルを取り外す。バルーン内の接着剤は照明バンドの活動後に硬化するため、分離領域はカテーテルの遠位端がバルーンの近位端と出会う場所に配置される。分離領域はほぼ1インチの長まで様々な長さにすることができる。トルクがカテーテルに印加されると、カテーテルがバルーンから離れる。カテーテルをねじると、カテーテルをバルーンから切り離すのに十分なトルクが分離領域に生成される。ねじりは、残りの接着剤を切り離し、カテーテル/バルーンの接合面の綺麗な分離を生成するのに十分な剪断を引き起こす。分離領域内の補強混合物が照明バンドによって硬化および固化されるため、補強混合物はカテーテルおよび/またはバルーンから身体内に漏れ出さない。
【0064】
たとえば、図6の実施形態に示されるように、照明バンド110は光導体136に接続される。光導体136は、光導体伝達領域140を囲む被覆138を含むことができる。光導体136は、ソケット144と咬み合うボール142を使用してカテーテル100に脱着可能に装着することができる。一実施形態では、安全手段が偶発的なまたは不注意な照射を防止する。照明バンドは、ユーザが送られる光を接続するのに使用する活性化プロセスである別個のスイッチによって活動される。照明バンドを活動する別個のスイッチを持つことは、補強材を硬化するための光源からの光の不注意な配送を防止するのに役立つ。図8に示される実施形態などの一実施形態では、照明バンド110は、横方向、垂直方向、または水平方向の運動によって相殺することのできるカテーテルのセクション126であるスイッチを有することができる。図8に示されるように、セクション126が相殺位置に移動されるとき、照明ファイバ116はセクション126の両側で互いとの電気的接続から脱するように移動し、照明バンド110は停止される。
【0065】
図9に示される実施形態などの一実施形態では、スイッチが、照明バンドを活動するように回転させ、カテーテル内の補強材への照射により照明バンドに隣接する領域を硬化させる回転バンドまたは回転ヒューズなどの結合装置(mating device)128である。結合装置128は異なるコネクタ130、132を有し、結合装置が第1の位置に回転させられると、電気コネクタ132が照明ファイバに接触して照明バンドを照射し、結合装置が第2の位置までたとえば90度回転させられると、絶縁コネクタ130が照明ファイバに接触して照明バンドの照射を防止する。図10に示される実施形態などの一実施形態では、スイッチは、照明バンドを照射するように回転される回転ヒューズ134である。
【0066】
一旦照明バンドが活動されると、注入カテーテルの吸入は照明バンドの近位および遠位のUV硬化エポキシ樹脂で封止される。照明バンドの活動は、バルーンの最近位端を封止し、カテーテルの遠位端を封止し、接着剤をバルーンまたはカテーテルから漏れ出せなくする照明バンドでの接着剤の「ハードシール」を確保する。
【0067】
一実施形態では、カテーテルはバルーンとカテーテルを分離するために切断される。装置はカテーテル上を摺動し、ハサミを直角にカテーテルを降下させて切断する。切断位置は、X線透視装置またはX線を用いて決定することができる。一実施形態では、切断位置は、カテーテルがバルーンに出会う導入個所の末端である。
【0068】
一実施形態では、骨折修復プロセスは、従来の外科的切開(たとえば、約10mm超)を介して骨を露出させずに弱化した、あるいは骨折した骨を補強する。現在開示されている実施形態は、アクセスを得るのに小さく切開することによって最小限の侵襲性アプローチを利用する。最小限の侵襲とは、たとえば組織の損傷個所のオープンアクセスなしで、あるいは最小限の切開での、超微細手術、内視鏡または関節鏡手術などの、関連筋肉組織を最小限に破砕して達成することのできる外科手段を指す。最小限の侵襲性の手順は、光ファイバや顕微鏡の視覚化などの視覚化を利用して達成される場合が多く、手術後の回復期間が、対応する開放外科的アプローチに伴う回復時間よりも短い。
【0069】
現在開示されている実施形態のいくつかは最小限の侵襲性を有し、髄腔間に骨固定装置を移植しつつ、周囲組織の切開を最小限にとどめる。骨構造を復元し保存することによって、現在開示されている実施形態のいくつかは追加のさらなる治療オプションを可能にする。最小限の侵襲性の手順の利点は、最小限の血液損失、外科手術および麻酔時間の短縮、入院期間の短縮、より容易で迅速な回復により、外傷が少なくて済むことである。
【0070】
実質上、折れた骨の近位端または遠位端を切開して骨表面を露出させることができる。医療専門家は骨にアクセスする。医療専門家は皮膚を通して切開し骨を露出させる。一旦骨が露出されれば、骨の視界内にある筋肉や組織を退避させる必要があるかもしれない。緻密層(皮質骨)、海綿層(海綿骨)、および骨の髄腔部分を貫く貫通は当該技術において既知な任意の方法で達成することができ、現在開示されている実施形態の精神と範囲に含まれる。
【0071】
アクセス孔は、約3mm〜約10mmの径の小さなドリル孔であってもよい。緻密層、海綿層、および髄腔部分を通るアクセスを得るために、骨用ドリル、きり、またはその他の医療器具が使用される。骨貫通個所の位置は、弱化した、あるいは骨折した骨の位置の近位でも遠位でもよい。ドリルビットを使用する際、ドリルビットを骨に対して90度以外の角度、たとえば、約20度〜約45度で作用させることが望ましい。ドリルビットは、骨の弱化領域の亀裂線に向かって狙うことができる。
【0072】
図11および図14〜16の実施形態に示されるように、ガイドワイヤ150は切開部(図示せず)を介して骨に挿入され、骨断裂186を横断する骨の2つのセクション182、184間に置かれる。ガイドワイヤ150は骨の内腔188に配送され、骨折個所を横断し、これにより骨の複数のセクション182、184にまたがる。ガイドワイヤ150の挿入後、ガイドワイヤ150を収容するように構成および配置されたバルーン部162は、ガイドワイヤ150上を骨折個所186まで配送され、骨の少なくとも2つのセクション182、184にまたがる。一旦バルーン部162が適所に置かれれば、ガイドワイヤ150を除去することができる。一実施形態では、バルーン部162は、可撓チューブ(図示せず)の境界内に配置した後、可撓チューブを骨折個所に配送することによって、骨折個所に挿入することができる。バルーンカテーテルを前進させ、可撓チューブ上で引き戻すことによって、バルーンカテーテルは骨折個所で露出させることができる。バルーン部は、最小限の侵襲性で断裂を横断する。
【0073】
図11の実施形態に示されるように、バルーンカテーテル152は偏心チューブバルーンであってもよい。バルーンカテーテル152はガイドワイヤ内腔154を含むことができ、そこを通ってガイドワイヤ150は、少なくとも部分的にバルーン光導体158に囲まれ、少なくとも部分的に照明バンド光導体160に囲まれる注入用内腔156に延在する。照明バンド光導体は、照明バンド164へと導かれる。バルーンカテーテル152のバルーン部164は、バルーンカテーテル152の遠位端に配置される。バルーン部164は内腔166を含むことができ、そこを通ってガイドワイヤ150または別の器具が外科医またはユーザがバルーンカテーテル152の先端を知ることができるように最遠位端で放射線不透過性バンド168を通過する。また、バルーン部164は、そこに封入される管状バルーン170およびステント172を含むことができる。
【0074】
図17〜19の実施形態に示されるように、バルーン部162は切開部(図示せず)を介して骨に挿入され、骨断裂186を横断する骨の2つのセクション182、184間に配置される。バルーン部162は骨の内腔188に配送され、バルーン部162が骨の複数のセクション182、184にまたがるように骨折個所を横断する。バルーン部の位置は、骨の外部または内部から検知可能なマーカを用いて決定することができる。たとえば、図18の実施形態に示されるように、X線またはその他の検出手段を用いて体外から見える放射線不透過性マーカ190が、バルーン部162の遠位端および近位端に配置されて、バルーン部162の位置合わせと位置決めを手伝う。骨への挿入後、バルーン部162は骨の少なくとも2つのセクション182、184にまたがるように操作される。一旦適所に置かれると、バルーン部162は、たとえばUV硬化接着剤をバルーンに満たすことによって膨張させられる。バルーンが膨張するにつれ、断裂186が低減する。一旦骨のセクション182、184の配向が所望の位置にあると確認されれば、接着剤はたとえばUV発光源からの照射によって固定させることができる。
【0075】
硬化した補強混合物を含むバルーンは、骨内の内部支持マンドレルとして使用することができる。他の素子(たとえば、骨用ネジ、板材、ピン、および類似の素子)はマンドレルにねじ込んで、他の素子の圧縮およびねじりのための支持を提供することができる。一実施形態では、マンドレルによってネジが硬化形状まで貫かれるため、内部構造は骨折修復のための小片のマンドレル支持体として使用される。
【0076】
一実施形態では、骨のアクセス孔は、カテーテル、放射構造部材、ステント、ステント状素子、カニューレ、整形外科ワイヤ、ステンレス鋼ロッド、金属ピン、およびその他の素子を含むがそれらに限定されない様々な外科用器具を受け入れることができる。たとえば、ニチノールワイヤなどの材料から作製される自己拡張型素子は、バルーンに配送される骨補強混合物のための構造および支持を提供するのに使用することができる。可撓チューブは中央孔を通って配置され、自己拡張型素子は折り畳まれて可撓チューブを通り、バルーン内に配置される。
【0077】
図12および図13は、柔軟な管状または通常バルーン174が放射(radial)構造部材176を有する実施形態を示す。放射構造部材176は、バルーンの境界内で拡張させ、UV硬化接着剤内に保持し付着させることができる。放射構造部材176は、UV接着剤構造により大きな支持と強度を提供する。また、カテーテルはガイドワイヤ178が挿入される内腔180を有することができる。
【0078】
図27〜30は、てこで動かす(levered)放射構造部材と板材を含むバルーンカテーテルの実施形態の各種図である。図27の実施形態に示されるように、ニチノール板232は接続ワイヤ234を間に挟む。図28の実施形態に示されるように、ヒンジワイヤ236は放射構造部材を内外に移動し、そこで上側のニチノールワイヤ238が押し、下側のニチノールワイヤ240が引く。図29の実施形態に示されるように、板材242は、ニチノールワイヤアタッチメント244とアタッチメントの間のヒンジ246とを有する。図30の実施形態に示されるように、活動フレーム248が、シリンダから接続ワイヤ250を有する「I」ビーム構造まで「揺動する」。
【0079】
図25および図26の実施形態に示されるように、放射ステントの実施形態は、一旦拡張されたら外径254に垂直に開放する複数の羽根車252を含む。収縮(圧縮)状態では、図25の実施形態に示されるように、放射状ステントの実施形態は、バルーンの壁に沿って平坦に延びる羽根車252を有する。
【0080】
放射構造の実施形態は、バルーンの膨張前にバルーンの外周および外表面に沿って配向される複数の縦板を含む。縦板は薄い金属製で、メモリ型の金属から成ってもよい。一実施形態では、縦板はニチノールから成る。
【0081】
収縮(圧縮)構造では、複数の縦板が、バルーン内のカテーテルの遠位端に配置され、内部カテーテルの径に沿って覆われることができる。圧縮構造では、複数の縦板は互いに隣接し、互いに接触してもよい。一実施形態では、複数の縦板が重複することができる。
【0082】
バルーンが膨張するにつれ、ステントも同様に拡張し、複数の縦板は外方に移動して互いに離れる。バルーンが膨張し続けると、径も増大し、複数の縦板の配向はカテーテルに平行からカテーテルに垂直へと移動する。
【0083】
構造部材の縦板は一連のワイヤにより隣接する板と係合する。ワイヤは金属性で、メモリ型の金属から成っていてもよい。一実施形態では、ワイヤはニチノールから成る。カテーテル壁に最も近く位置する板材の下側部分は収縮するように設計されるワイヤと係合し、板材の上側部分は拡張するように設計されるワイヤと係合する。放射方向の拡張に沿ったワイヤの対向する力と板の重複層とは、放射構造部材が開放しバルーン内で剛体構造となるウィンドウブラインド効果を生む。
【0084】
図20の実施形態に示されるように、収縮したバルーンは断裂189を有する骨の髄腔192内に配置される。バルーンカテーテルは、孔195内のトロカール(trocar)器具193を通って骨に挿入される。トロカール器具は、アクセス路に設置される高圧トロカール器具である。トロカール器具はチャンバを封止し、活性化前に接着剤を適所に保持し、空気の細孔が空洞から除去されるように確保することができる。髄腔192は、バルーン196の誘導と位置決めに使用されるガイドワイヤ194も含むことができる。図21の実施形態に示されるように、バルーン196は、バルーン196に骨セメントを充填することによって膨張させられる。シリンジはバルーンを密に圧縮するのに使用されるため、光源の活動後のバルーンは硬い。バルーンを膨張させる、あるいは接着剤を接着剤配送システムからバルーンに移動させるのに、高圧配送は必要とされないことを指摘するのは有用である。接着剤を配送するシリンジを使用すると、高圧は使用されず、別の方法でバルーンを収縮させ、接着剤を退化(retrograde)させることができる。接着剤が退化する場合、塗布された接着剤をバルーンから引っ張るのに十分な吸引力はない。
【0085】
バルーンカテーテルは、ファイバタイプ、ファイバ配向、および複合物構造の樹脂マトリックスを含むがそれらに限定されない様々な幅広い特性を有することができる。図22に示されるように、バルーンカテーテル152は内部反射であってもよく、 バルーンカテーテルの内表面200の光反射性材料198は光チューブの反射特性を向上させる。
【0086】
図23に示される実施形態は、高弾性ファイバ構造を有する管腔の充填物の断面図を示す。骨202はバルーン部162の外表面204を取り囲む。バルーン部162の内腔206はポリマー208で充填される。バルーン部162は、高弾性ファイバ210の相互連結された同心リングを含むことができる。図24に示される実施形態は、バルーンの内部支持構造の実施形態の断面図を示す。バルーンカテーテルは、樹脂マトリックスがファイバ全体に荷重を分布する間、複合物に課せられる荷重を保持するのに使用される強靭で硬いファイバを含むことができる。バルーン内の内部支持体は、剛性をバルーンに追加する合成物充填剤を生成するのを助け、固定のためにより大きな強度が所望される長骨用の用途で有効である。特に、バルーンの外表面204には、外周横断支柱コネクタ212、高湿潤弾性外周支持体214、混和性と外方向圧縮を可能にする低「湿潤」媒体216、高「湿潤」多孔高弾性媒体218が含まれる。
【0087】
一実施形態では、カテーテルは透明であってもよい。不透明カテーテルは、接着剤が光源の所望の活動前に周囲光によって活性化しないように確保する。同様に、シリンジも、周囲光および作業室の光が所望の活動時間前に接着剤を活性化することがないように不透明にすることができる。一実施形態では、接着剤が不透明シリンジに予め搭載され、光の印加が接着剤効果のために所望されるまで、接着剤の流出入が調節される。
【0088】
バルーンカテーテルが骨補強混合物を含む配送システムに装着された後、骨補強混合物はバルーンカテーテルの内腔のうち1つを通じて注入される。一実施形態では、骨補強混合物は、粘着剤を硬化するのにUV光源を必要とするUV粘着剤である。その後、バルーン部が膨張され、UV粘着剤はバルーン部の側壁に沿って走る複数の通路を通って放出される。UV粘着剤は、カテーテルの内腔を通って放出することもできる。UV粘着剤は水圧でバルーンの壁に対して押圧または圧迫される。光源に接続される光導体が照射されてUV粘着剤を硬化する。その後、カテーテルのバルーン部がわずかに収縮された後、バルーンカテーテルの異なる内腔を通り同じまたは異なるUV粘着剤配送システムが注入される。次に、バルーン部は再び膨張されて、UV粘着剤は通路を通り放出される。UV粘着剤は、既に硬化されているUV粘着剤に対して水圧で押圧または圧迫される。光源に接続される光導体が照射されてUV粘着剤を硬化する。カテーテルのバルーン部がわずかに収縮された後、バルーンカテーテルの異なる内腔を通り同じまたは異なるUV粘着剤配送システムが注入される。バルーンは、強固で柔軟な結合を生成するシェルまたは層修復を内側に形成する壁から補強されている。プロセスは、バルーン内の空間の大半がUV粘着剤で充填されるまで繰り返される。骨に強度と指示を与えるために充填することのできる中央空間は、いまだにバルーン内にある。光学ロッドまたは類似の素子は中央空間に配置し、オンにする、あるいは照射することができる。光学ロッドまたは類似の素子はファイバ、シリカ、水晶、サファイア、または類似の材料からなるものとすることができる。その後、UV光はバルーン内の残りのUV粘着剤を硬化させる。光学ロッドの端部は接続されてバルーン内にとどまり、剛性を高めることができる。
【0089】
UV硬化粘着剤は、加熱なしでの結合を可能にする硬化を開始させるために紫外線光を利用することができる。添加物は、薬物(たとえば、抗生物質)、タンパク質(たとえば、成長要素)、またはその他の天然または合成添加物を含むがそれらに限定されないUV粘着剤配送システムと一緒に使用することができる。
【0090】
バルーンの外表面は、薬剤、骨用接着剤、タンパク質、成長要素、またはその他の被覆剤などの材料で被覆することができる。たとえば、最小限の侵襲的外科手順後、患者に感染が発現する場合があり、患者は抗生剤の治療を受ける必要がある。抗生剤は、起こりうる感染を防止する、あるいは感染に対処するためにバルーンの外表面に添加することができる。たとえば、骨形態形成タンパク質などのタンパク質やその他の成長要素は、軟骨および骨の形成を促すことが証明されている。成長要素は、新たな骨の形成の促進を助けるためにバルーンの外表面に添加することができる。バルーンにおけるこれらの接着剤は、被覆の有効性と安定性を維持させる。
【0091】
一実施形態では、バルーンの外表面は、バルーンが空洞の形状に一致するのを助けるようにリブ、隆起、段差、またはその他の形状を有していてもよい。バルーンは骨の管腔空洞内の移動を達成し、拡張し、操作し、障害物を除去するように構成することができる。このようにして、バルーンは周囲組織と接触せずに、管腔体内をより容易に摺動することができる。また、バルーンは、小隆起またはリブなどの様々な形状の凹凸のある表面を用いて、骨内に配置され、ズレることなく折れた骨をつかむように設計することができる。
【0092】
一実施形態では、水溶性接着剤がバルーンの外表面に塗布される。バルーンが拡張し、湿った骨と係合すると、バルーンの外表面上の水溶性接着剤が粘着性を持つようになり、バルーンと骨の一致結合を向上させる把持部材としての役割を果たす。一旦バルーンが膨張すると、バルーンの外表面が骨をしっかりとつかんで機械的結合ならびに化学的結合を形成する。これらの結合は、骨がズレる可能性を防ぐ。水溶性接着剤が光によって硬化され得る(たとえば、UVは必要ない)と指摘することは有用である。
【0093】
一実施形態では、凹凸のある表面は、骨のセグメントの両方の部分をつかむことのできる1つまたはそれ以上の隆起を提供できる。一実施形態では、隆起はバルーンの外周にあり、骨と接触する膨張バルーンに把持力を追加するように設計されている。隆起は圧縮性なので、バルーンが完全に膨張したときに骨の上で折り曲がる。一実施形態では、バルーン外表面のサンドブラストされた下地面(surfacing)は、バルーンの外表面と内側の骨との接続および付着を向上させる。下地面は骨と接触する表面積の量を大幅に増やす結果、把持を強化する。
【0094】
2つの壁バルーンは、チューブを構成する内壁および外壁を有する。放射構造部材はチューブ内に配置することができる。放射構造部材はバルーン内にあり、エポキシ樹脂はバルーンを拡張する。次に、拡張と同時に、放射構造部材が拡張される。
【0095】
一実施形態では、長い放射構造部材は、髄内のバルーンの遠位端および近位端を超えて延在する。バルーンが拡張すると、放射構造部材はバルーンの実際の領域を超えてさらに遠く支持し、放射構造部材は骨により高い強度を与える結果、小さなバルーンを使用するより強靭な装置となる。通常、放射構造部材は、誘導カテーテルおよび蛇行した血管の通過を可能にするように(非拡張状態で) 十分な柔軟性を有する非血栓形成材料から構成される。上記放射構造部材は通常、X線透視視覚化を可能にするため放射線不透過性である。放射構造部材は、たとえば、拡張可能なメッシュ、ワイヤコイル、スロット付きチューブ、またはジグザグ設計などの形状のステンレス鋼またはチタンから構成することができる。
【0096】
一実施形態では、注入可能固定ピンが、骨の髄内周囲を完全に囲む骨の空洞に係合する。内部固定ピンは骨を保持および固定することができ、外部鋳造の必要性を省く。内部固定ピンの利点は、骨と骨の擦れまたは骨折箇所でのガタツキを低減して、内部固定ピンの長さ全体に骨の圧力を均等に分布する約360度の放射状接触を有することによって治癒を早めることである。内部固定ピンは骨断片をしっかりと固定し、骨を適所に保持するため屈曲を最小限にとどめる。内部固定ピンは、膨張前に駆動力なしで骨の髄内に配置される。
【0097】
一実施形態では、小さなアクセスが骨内に形成されている。骨髄を伴う骨では、骨髄部分を除去して、皮質骨へのアクセスを提供すべきである。骨髄を除去する結果、適切な近置と骨断片への力が提供される。次に、バルーンが挿入される。一実施形態では、カテーテルの力を利用してバルーンが配送され、骨折部分にまたがるバルーンが挿入される。一実施形態では、ガイドワイヤが骨折箇所に配送され、バルーンがガイドワイヤを超えて骨折箇所に配送される。一実施形態では、バルーンが柔軟な配送チューブ内に配置され、バルーンおよび配送チューブが骨折箇所に送られた後、配送チューブが引き抜かれてバルーンを露出させる。一実施形態では、配送バルーンは、モリーボルト(Molly bolt)のように拡張するためバルーンが使用する拡張可能な枠組みであってもよい。モリーボルトを柔軟なロッド上に配置することができ、バルーンがモリーボルトを拡張するために使用されて、結果的に追加の構造支持体となる。
【0098】
UV硬化性光活性化エポキシ樹脂がカテーテルを通ってバルーンに注入されると、バルーンが膨張する。一実施形態では、バルーンは、ポリエチレンテレフタレート(PET)ナイロンアラメットまたはその他の非消耗材料から構成される。PETは、合成繊維で使用されるポリエステル族の熱可塑性ポリマー樹脂である。その処理と熱履歴に応じて、PETは非晶質材料としても半結晶材料としても存在することができる。半結晶PETは強度、延性、剛性、および硬度に優れる。非晶質PETは延性に優れるが、剛性と硬度は低い。PETは、厚さに応じて半剛体から剛体で、非常に軽量である。PETは強靭で衝撃に強く、天然では無色透明で、ミネラルオイル、溶剤、酸への耐性は強いが塩基への耐性はない。
【0099】
バルーンは通常、バルブを備えていない。バルブがないことの1つの利点は、骨折の低減と配置を手助けするのに必要な限りバルーンを膨張または収縮させることができる点にある。バルブのないバルーンのもう1つの利点は、装置の効率性と安全性にある。硬化前にエポキシ樹脂が分離される場合、微粒子が出現する可能性がある。接着剤の体内への連絡通路がないため、接着剤はすべてバルーン内に含まれるためエポキシ樹脂は漏れ出さない。一実施形態では、配送カテーテルの除去前に硬化および付着される移植物間に永久的封止が生成される。バルーンはバルブを有することができるが、実施形態のすべてがこのように限定されることを意図されていない。
【0100】
一実施形態では、二重壁バルーンが使用される。二重壁バルーンは、内側バルーンを破裂から守り、固化した接着剤混合物を血流から離れて保持するバルーン内バルーンである。外側のバルーンが骨の粗い表面に接触する際、内側バルーンはポリエチレンテレフタレート(PET)内部材料の滑らかな表面に接触したままである。各バルーンは次に、所望の構造が得られるまで膨張させることができる。未使用バルーンは、他の膨張バルーンの空洞で収縮させたままにすることができる。さらに、可変デュロメータ(variable durometer)があるため、バルーン内バルーンは、正確な接着剤の位置を可能にすることができる。
【0101】
一実施形態では、複数のバルーンが、複数の内腔および各バルーンの少なくとも1つの膨張内腔と一緒に挿入される。最も内側のバルーンがまず注入されて、最高のショア(shore)またはデュロメータの最も強力な接着剤で注入することができる。内側バルーンが硬化された後、次のバルーンが、可変ショアまたはデュロメータまたは同一ショアまたはデュロメータを有することのできる接着剤で注入されて、その後硬化される。プロセスは、内腔が完全に充填されるまで継続する。余分のバルーンがある場合、それらは内側バルーンと係合し、バルーンの外側の空洞を押圧する。バルーンはまだ骨の空洞の形状に一致している。一実施形態では、外層はより低いショアまたはデュロメータを有し(すなわち軟らかい)、長骨の接合面の衝撃を吸収する衝撃吸収アプローチを提供する。
【0102】
一実施形態では、膨張式バルーンは拡張可能な金属チューブに収容される。金属チューブは、骨折領域を越え健康な骨にまで延在するように設計することができる。金属チューブは、チューブを構成する4つまたはそれ以上の予め形成された長さを有することができる。チューブは分割することができ、バルーン長よりも大きな長さ方向の強度を提供することができる。考えられるチューブは、ずれを防止するために骨に対して圧迫される際、骨と把持面に係合する外表面にいくつかの隆起または刻みを有することができる。
【0103】
現在開示されている実施形態は、とう骨、尺骨、またはその他の手首および手の骨の骨折と、その結果としての手首の収縮を治療するために使用することができる。手首は、手の使用を可能にする多くの関節と骨の集合である。手首は握るための強度を提供しつつ可動性を有していなければならない。手首は、少なくともとう骨および尺骨と呼ばれる前腕の2つの骨を手および指の骨に接続する手根骨という8つの別々の小さな骨を備える。中手骨は掌のほぼ下にある長骨で、指および親指の骨である指骨に結合される。すべての小さな骨が隣の骨との接合を形成するため、手首は複雑である。靭帯がすべての小さな骨を互いに、そしてとう骨、尺骨、および中手骨に接続する。手の過伸展などの手首のけがは、これらの靭帯に損傷を及ぼし、手首の骨の作用を変える可能性がある。手首はいろいろな方法で痛めることがある。一部のけがは、起こったときには単なる手首の捻挫のように思えるが、後で何年も問題が進展する可能性がある。関節は関節にかかる衝撃を和らげる軟骨で覆われている。手首の1つまたはそれ以上の骨の骨折などのより重大なけが、関節の軟骨表面を損傷し、変性性関節炎につながることがある。
【0104】
遠位とう骨の骨折は、手首の関節がある手首の遠位端で発生する一般的なけがである。手首骨折の最も一般的な形では、とう骨が掌から離れて曲がる。その形状にちなんで、「フォーク背状」変形と呼ばれる手首の形状変化が起きる場合がある。
【0105】
手首骨折の最も一般的な原因は、手の過伸展である。若年成人では、骨折は中程度から激しい力が加わった結果である。骨粗鬆症およびその他の代謝性の骨の疾患を持つ患者では、けがの危険性が高まる。加えて、手首の骨折が生じると、骨折によりとう骨が尺骨に比べて短くなることがある。その後、手首が移動するときに尺骨が捕まって、痛みと運動の制限を引き起こす場合がある。
【0106】
現在開示されている実施形態および方法は、最小限の侵襲性で手首の骨折を治療し、手首および手の骨、特にとう骨と尺骨の手首の縮小のために使用することができる。
【0107】
現在開示されている実施形態は、鎖骨骨折を治療するのに使用され、結果として鎖骨の縮小に使用することができる。鎖骨は、肩帯(胸帯)の1部を構成する長骨として分類される。折れた鎖骨を付着させる現在の方法は限定されている。鎖骨は皮膚表面の真下に位置するため、板およびネジを含む外部固定の可能性が限定される。加えて、肺と鎖骨下動脈が鎖骨の下にあるため、ネジの使用は魅力的なオプションではない。鎖骨骨折の従来の治療は、骨を適所に置くことによって骨を位置合わせし、腕と肩用の三角巾を痛みの軽減のために提供し、毎週または数週間ごとにX線で進捗状況を監視しながら骨を自然治癒させるものである。固定はされず、骨のセグメントは仮骨形成として再結合し、骨の成長が折れた骨のセグメントを合わせる。治癒の間、頑丈な結合はなく、仮骨形成はしばしば骨折個所での断絶を形成するため、骨折部分で大きな運動がある。鎖骨形状の不連続性は、鎖骨の骨折から生じることが多い。
【0108】
現在開示されている実施形態および方法は、最小限の侵襲性で鎖骨骨折を治療し、鎖骨の低減のために使用される。鎖骨の修復にバルーンカテーテルを使用する利点は、鎖骨の修復後の後配置を最小限にとどめることである。鎖骨の修復にバルーンカテーテルを使用する利点は、治癒過程における患者の痛みを解決することである。
【0109】
当業者であれば、開示される装置および方法がとう骨、尺骨、鎖骨、中手骨、趾骨、中足骨、指骨、脛骨、腓骨、上腕骨、脊椎、肋骨、椎骨、およびその他の骨などの他の骨に補強材を配送するのに使用することができ、それが開示される実施形態の範囲および精神に含まれることを認識するであろう。
【0110】
一実施形態では、大きなサイズの端部を有するバルーンカテーテルは、骨を内側の圧迫荷重内に配置させる。バルーンは、近位端と遠位端がバルーンの中央部の径より大きい膨張径を有するように成形される。バルーンの大径は、骨折箇所を超えて骨と係合する遠位端および近位端に向かう。近位端および遠位端に向かう大径を有して成形されるバルーンは、骨折の両側の骨の部分を一緒にさせる。近位端および遠位端に向かう大径を有して成形されるバルーンは、互いに向かって骨部分を押し合うようにして骨折の治癒を促進する。
【0111】
一実施形態では、バルーン壁は複数の層から成る。一実施形態では、バルーン壁は3つの層を有するため、バルーンは3層である。バルーンの外側層は、少なくとも水分を吸収し拡大する部分を有し、より厚い外皮を形成する。この搭載(loading)モードでは、バルーン壁の上側外皮は圧縮状態にあり、バルーン壁の下側外皮は引張状態にあり、バルーン壁のコア層は剪断応力を受けている。よって、剪断強度と剛性はバルーン壁のコア層の重要な特性である。3層バルーンを屈曲させるため、バルーン壁の1層が圧縮され、バルーン壁の別の層が引張状態に置かれ、バルーン壁のコア層が剪断応力を受ける。
【0112】
一実施形態では、音が、バルーンと空洞間の一致適合を確保するため骨の空洞から異物を除去し、針骨を払い落すのに使用される。一実施形態では、ステントを音に装着して空洞に挿入することができる。ステントは空洞内にとどまって空洞を支持する。その後、ステントが既に配置された後に、バルーンが空洞内に配置される。一実施形態では、放射構造部材はバルーン内に配置することができる。
【0113】
骨髄を伴う骨の場合、骨髄材料は、バルーンカテーテルの挿入前に髄腔から除去すべきである。骨髄は主に、腰骨、胸骨、頭蓋骨、肋骨、椎骨、および肩甲骨などの平坦な骨と、大腿骨および上腕骨などの長骨の近位端での海綿状材料とに見つかる。一旦髄腔に達すれば、空気、血液、液体、脂肪、骨髄、組織、骨の破片を含む骨髄材料は除去して空洞を形成する必要がある。空洞はくり抜かれた空間として定義され、そこでは第1の位置が骨上の貫通点に対して空洞の最遠位端を画定し、第2の位置骨上の貫通点に対して空洞の最近位端を画定する。骨は、除去される皮質骨に至るまで髄腔の骨髄材料を除去させるのに十分なほどくり抜くことができる。除去される骨髄材料の長さは、弱化した部分の面積に従って変動するが、通常は骨の弱化部分の約3cm上と約3cm下を含む。当該技術において既知で、現在開示されている実施形態の精神と範囲に含まれる、骨髄材料を除去する方法は多数ある。それらの方法は、米国特許第4、294、251号の「吸引洗浄方法」、米国特許第5、554、111号の「骨洗浄および乾燥システム」、米国特許第5、707、374号の「髄腔を準備する装置」、米国特許第6、478、751の「骨髄吸引針」、および米国特許第6、358、252号の「骨髄の抽出装置」に記載される方法を含む。
【0114】
骨髄材料が除去された後、装置は貫通個所に配置することができる。骨嵌合部は貫通個所にねじ込まれ、可撓チューブは骨嵌合部の挿入孔に挿入される。一実施形態では、使用される内腔は、バルーンの拡張径よりも小さくすることができる。アクセス孔は、周囲に収縮したバルーンを伴うカテーテルの径を挿入することができるくらいの大きさであればよい。たとえば、骨への挿入孔は約1ミリメートル〜約3ミリメートルの径を有し、その後のバルーン拡張は、骨の内径によって制限されて約20ミリメートル〜約300ミリメートルとすることができる。この結果、骨断裂を低減する最小限の侵襲性の手順となる。所望すれば、柔軟な整形外科ワイヤ、ステンレス鋼ロッド、および金属ピンを含むがそれらに限定されない補強材を、可撓チューブが骨嵌合部に配置される前にバルーンに追加することができる。バルーンへの補強材の挿入は、密な結合を形成する骨補強混合物を助け、強靭で柔軟な構造を生成する。
【0115】
膨張状態では、内部固定装置は骨内に作製されるアクセス孔より大きい。髄腔内で収縮状態から膨張状態に拡張させることによって、内部固定装置は最小限の侵襲性の骨減少を提供する。径を縮めた髄管にバルーンカテーテルを挿入すると、バルーンカテーテルは髄管の輪郭に自ら適合することができる。固定はバルーンの全長に沿って達成されて、骨折箇所に正しく位置決めされる。他の利点は、最小限の侵襲性手順、相互連結ワイヤ/ネジが必要ないこと、最小限のX線被爆、手順時間の短縮、感染のリスクを低減する単独の最小限の侵襲侵入点などであり、バルーンが髄内管の形状と径に適合すると、骨折の均一な固定が達成され、骨折箇所で横方向の運動が発生せず、断片を押し込む内部の枠組みがあるためにバルーンの膨張が骨折の断片を減らし、骨折断片間の即時の軸方向荷重移動が迅速な仮骨形成に寄与するため、感染のリスクを低減する。現在開示されている実施形態を使用すると、骨の縮小には皮膚に接触する連通装置を必要としないので、炎症や感染の可能性が低い。
【0116】
一実施形態では、補強材はカスタマイズされた形状に予め形成される。所定の形状および金型に補強材を充填し、成形された材料を身体に挿入することができる。一実施形態では、成形された材料は、UV光硬化などの上述のプロセスのうちの1つを用いてさらに硬化される。一実施形態では、材料は金型内で部分的にまたは完全に硬化され、そのまま身体内に挿入される。
【0117】
本明細書に記載される装置および方法は、様々な用途で使用することができ、たとえば、外部添え木(splint)を一時的に支持する、あるいは板材を形成するために使用することができる。
【0118】
一実施形態では、光は第1のカテーテルを通ってバルーンの第1の端部に送られ、接着剤は第2のカテーテルを通ってバルーンの他方の端部(たとえば、第2の端部)に送られる。一実施形態では、光と接着剤の両方が、別々のカテーテルを通ってバルーンの同じ端部に送られる。一実施形態では、光と接着剤が単独のカテーテルを通ってバルーンの中間に送られる。光と接着剤は単独のカテーテルまたは別個のカテーテルを通ってバルーンに送られ、バルーンの任意の位置(たとえば、端部、中間、その間のどこか)に送られ、互いに同じまたは異なる位置に配送されることができる。ただし、現実施形態のすべてがこれらの点で限定されるように意図されていない。
【0119】
骨粗鬆症の骨および病的骨折を治療する利点は、軟組織の損傷とその後の癒着および瘢痕形成を低減する最小限な侵入点、接合の利点、適用の需要および課題を満たすエポキシ樹脂の特性を変更させることのできる内腔内の可変デュロメータ材料を適用できること、骨との接合および外層での「衝撃吸収」のための内腔外部の高粘着軟材料、内部での高強度および高剛性などである。
【0120】
現在開示されている実施形態のうちいくつかを使用するもう1つの利点は、軟組織の損傷が最小限しか発生しないことである。軟組織損傷は、自然な骨治癒過程の1部とみなされる皮膚硬結を引き起こす。軟組織損傷を最小限にとどめることによって、腱内および腱上の皮膚硬結形成によるその後の剛直化が回避される。小さく切開され、そこからピンが骨の空洞に押し込められる結果、従来のkワイヤ(k-wire)アプローチで要求されるギブスを必要とせずに適切な近置および固定が実行される。上述の利点は現在開示されている実施形態の1部からもたらされ、すべての実施形態が必ずしもこれらの利点を有しているわけでない。
【0121】
2007年4月26日に提出された米国特許出願第XX/XXX、XXX(弁理士整理番号第101667−010501号)の「骨を強化する装置および方法」は、言及により全文をここに組み込む。
【0122】
本明細書で引用されるすべての特許、特許出願、および公開された引例は、言及によりその全文をここに組み込む。上に開示されたものおよびその他の特徴と機能またはその代替物のいくつかは、望ましくは他の多くの異なるシステムやアプリケーションと組み合わせることができると了解される。様々な現在予測不可能または予期せざる代替、変更、変形、または改良は、その後当業者によって実行されることができ、以下の請求項に包含されると意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強混合物を骨に配送する装置であって、
近位端、遠位端、およびその間の長手方向軸を有し、骨補強混合物を通過させることのできる少なくとも1つの内腔を含むチューブと、
前記チューブに係合し、前記補強混合物がバルーンに入ると、略収縮状態から略膨張状態に拡張するバルーンと、
光をバルーン内に誘導するために前記チューブを通って前記バルーン内に延在する少なくとも1つの光導体と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記チューブに光を提供する光源をさらに備えることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項3】
前記光源が紫外線光をチューブに提供することを特徴とする請求項2の装置。
【請求項4】
前記光源が可視光をチューブに提供することを特徴とする請求項2の装置。
【請求項5】
前記光をチューブ内に誘導するために前記チューブの近位端に隣接する光学テーパをさらに備えることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項6】
前記チューブをバルーンから分離するために前記チューブの遠位端に分離領域をさらに備えることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項7】
前記バルーンの遠位端に放射線不透過性マーカをさらに備えることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項8】
前記バルーンを囲む外側バルーンをさらに備えることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項9】
前記骨補強混合物の少なくとも1部が硬化前にバルーンから除去されることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項10】
前記骨補強混合物が加圧下でバルーンに入るとバルーンが膨張することを特徴とする請求項1の装置。
【請求項11】
前記バルーンの表面が略滑らかであることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項12】
前記バルーンの表面が骨の空洞内に含まれるように予め形成されていることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項13】
前記バルーンが骨の空洞の壁にほぼ一致するように成形されていることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項14】
補強混合物を骨に配送する装置であって、
近位端、遠位端、およびその間の長手方向軸を有し、骨補強混合物を通過させることのできる少なくとも1つの内腔を含むカテーテルと、
前記カテーテルから延在し、前記補強混合物がバルーンに入ると、略収縮状態から略膨張状態に拡張し始めるバルーンと、
前記カテーテルと前記バルーンを接続し、接合部で前記カテーテルに負荷される応力を集中させる接合部と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項15】
前記接合部が、前記カテーテル内に切欠き、溝、およびチャンネルのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項14の装置。
【請求項16】
前記接合部が、前記カテーテルのほぼ外周に延びる予め弱化された領域を含むことを特徴とする請求項14の装置。
【請求項17】
前記接合部が、少なくとも所定の荷重下で前記バルーンを前記カテーテルから分離するように設計されることを特徴とする請求項14の装置。
【請求項18】
前記接合部がカテーテルの長手方向軸に沿って1インチ未満延在することを特徴とする請求項14の装置。
【請求項19】
前記カテーテルに光を提供する光源をさらに備えることを特徴とする請求項14の装置。
【請求項20】
前記光源が紫外線光を提供することを特徴とする請求項19の装置。
【請求項21】
前記光源からの光をバルーン内に伝達するカテーテルの少なくとも1つの内腔をさらに備えることを特徴とする請求項19の装置。
【請求項22】
前記接合部に配置される照明バンドをさらに備えることを特徴とする請求項14の装置。
【請求項23】
骨の空洞へのアクセスを得るために骨を貫通するステップと、
バルーンカテーテルを骨の空洞に挿入するステップと、
カテーテルの少なくとも1つの内腔を通って補強混合物を前記バルーンカテーテルのバルーンに注入するステップと、
光源を活動させてバルーン内の前記補強混合物を硬化するステップと、
を備えることを特徴とする骨の補強方法。
【請求項24】
骨の空洞内全体に前記バルーンを保持するステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項25】
前記カテーテルをバルーンから分離するステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項26】
骨の空洞に前記バルーンを残すステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項27】
前記光源が紫外線光を提供することを特徴とする請求項23の方法。
【請求項28】
前記補強混合物で前記バルーンを膨張させるステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項29】
硬化前に前記補強混合物の少なくとも1部を除去することによって前記バルーンを収縮させるステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項30】
前記バルーンの第1の部分を折れた骨の第1の側面に配置し、前記バルーンの第2の部分を前記折れた骨の第2の側面に配置して、前記バルーンを配置するステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項31】
前記カテーテルの少なくとも1つの第2の内腔を通って前記光源からの光をバルーン内に伝達するステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項32】
前記カテーテルの少なくとも1つの内腔と前記カテーテルの少なくとも1つの第2の内腔とは、異なるカテーテルの内腔であることを特徴とする請求項31の方法。
【請求項33】
前記カテーテルの少なくとも1つの内腔を通って前記補強混合物の第2の部分を前記バルーンカテーテルに注入し、前記光源を活動させて前記バルーン内の前記補強混合物の第2の部分を硬化するステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項34】
骨の空洞へのアクセスを得るために骨を貫通するステップと、
バルーンカテーテルを骨の空洞に挿入するステップと、
バルーンに接続されるカテーテルの少なくとも1つの内腔を通って骨補強混合物を前記バルーンに導入するステップと、
所定の位置で前記カテーテルをバルーンから分離するステップと、
を備えることを特徴とする骨の補強方法。
【請求項35】
骨の空洞にバルーンを挿入する前に前記所定の位置を形成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項34の方法。
【請求項36】
前記所定の位置が、前記カテーテル内に切欠き、溝、およびチャンネルのうち少なくとも1つを作製することによって形成されることを特徴とする請求項35の方法。
【請求項37】
前記所定の位置が前記カテーテルの弱化領域によって形成されることを特徴とする請求項35の方法。
【請求項38】
前記所定の位置でカテーテルをバルーンから分離するために前記カテーテルをねじるステップをさらに備えることを特徴とする請求項34の方法。
【請求項39】
前記バルーン内で前記骨補強混合物を硬化させるステップをさらに備えることを特徴とする請求項34の方法。
【請求項40】
前記カテーテルの少なくとも1つの第2の内腔を通じて前記光源からの光を前記バルーンに伝達するステップをさらに備えることを特徴とする請求項39の方法。
【請求項41】
光が、前記骨補強混合物が導入されるカテーテルの少なくとも1つの内腔とは異なるカテーテルの内腔を通じて前記バルーンに伝達されることを特徴とする請求項40の方法。
【請求項1】
補強混合物を骨に配送する装置であって、
近位端、遠位端、およびその間の長手方向軸を有し、骨補強混合物を通過させることのできる少なくとも1つの内腔を含むチューブと、
前記チューブに係合し、前記補強混合物がバルーンに入ると、略収縮状態から略膨張状態に拡張するバルーンと、
光をバルーン内に誘導するために前記チューブを通って前記バルーン内に延在する少なくとも1つの光導体と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記チューブに光を提供する光源をさらに備えることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項3】
前記光源が紫外線光をチューブに提供することを特徴とする請求項2の装置。
【請求項4】
前記光源が可視光をチューブに提供することを特徴とする請求項2の装置。
【請求項5】
前記光をチューブ内に誘導するために前記チューブの近位端に隣接する光学テーパをさらに備えることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項6】
前記チューブをバルーンから分離するために前記チューブの遠位端に分離領域をさらに備えることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項7】
前記バルーンの遠位端に放射線不透過性マーカをさらに備えることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項8】
前記バルーンを囲む外側バルーンをさらに備えることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項9】
前記骨補強混合物の少なくとも1部が硬化前にバルーンから除去されることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項10】
前記骨補強混合物が加圧下でバルーンに入るとバルーンが膨張することを特徴とする請求項1の装置。
【請求項11】
前記バルーンの表面が略滑らかであることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項12】
前記バルーンの表面が骨の空洞内に含まれるように予め形成されていることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項13】
前記バルーンが骨の空洞の壁にほぼ一致するように成形されていることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項14】
補強混合物を骨に配送する装置であって、
近位端、遠位端、およびその間の長手方向軸を有し、骨補強混合物を通過させることのできる少なくとも1つの内腔を含むカテーテルと、
前記カテーテルから延在し、前記補強混合物がバルーンに入ると、略収縮状態から略膨張状態に拡張し始めるバルーンと、
前記カテーテルと前記バルーンを接続し、接合部で前記カテーテルに負荷される応力を集中させる接合部と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項15】
前記接合部が、前記カテーテル内に切欠き、溝、およびチャンネルのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項14の装置。
【請求項16】
前記接合部が、前記カテーテルのほぼ外周に延びる予め弱化された領域を含むことを特徴とする請求項14の装置。
【請求項17】
前記接合部が、少なくとも所定の荷重下で前記バルーンを前記カテーテルから分離するように設計されることを特徴とする請求項14の装置。
【請求項18】
前記接合部がカテーテルの長手方向軸に沿って1インチ未満延在することを特徴とする請求項14の装置。
【請求項19】
前記カテーテルに光を提供する光源をさらに備えることを特徴とする請求項14の装置。
【請求項20】
前記光源が紫外線光を提供することを特徴とする請求項19の装置。
【請求項21】
前記光源からの光をバルーン内に伝達するカテーテルの少なくとも1つの内腔をさらに備えることを特徴とする請求項19の装置。
【請求項22】
前記接合部に配置される照明バンドをさらに備えることを特徴とする請求項14の装置。
【請求項23】
骨の空洞へのアクセスを得るために骨を貫通するステップと、
バルーンカテーテルを骨の空洞に挿入するステップと、
カテーテルの少なくとも1つの内腔を通って補強混合物を前記バルーンカテーテルのバルーンに注入するステップと、
光源を活動させてバルーン内の前記補強混合物を硬化するステップと、
を備えることを特徴とする骨の補強方法。
【請求項24】
骨の空洞内全体に前記バルーンを保持するステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項25】
前記カテーテルをバルーンから分離するステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項26】
骨の空洞に前記バルーンを残すステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項27】
前記光源が紫外線光を提供することを特徴とする請求項23の方法。
【請求項28】
前記補強混合物で前記バルーンを膨張させるステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項29】
硬化前に前記補強混合物の少なくとも1部を除去することによって前記バルーンを収縮させるステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項30】
前記バルーンの第1の部分を折れた骨の第1の側面に配置し、前記バルーンの第2の部分を前記折れた骨の第2の側面に配置して、前記バルーンを配置するステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項31】
前記カテーテルの少なくとも1つの第2の内腔を通って前記光源からの光をバルーン内に伝達するステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項32】
前記カテーテルの少なくとも1つの内腔と前記カテーテルの少なくとも1つの第2の内腔とは、異なるカテーテルの内腔であることを特徴とする請求項31の方法。
【請求項33】
前記カテーテルの少なくとも1つの内腔を通って前記補強混合物の第2の部分を前記バルーンカテーテルに注入し、前記光源を活動させて前記バルーン内の前記補強混合物の第2の部分を硬化するステップをさらに備えることを特徴とする請求項23の方法。
【請求項34】
骨の空洞へのアクセスを得るために骨を貫通するステップと、
バルーンカテーテルを骨の空洞に挿入するステップと、
バルーンに接続されるカテーテルの少なくとも1つの内腔を通って骨補強混合物を前記バルーンに導入するステップと、
所定の位置で前記カテーテルをバルーンから分離するステップと、
を備えることを特徴とする骨の補強方法。
【請求項35】
骨の空洞にバルーンを挿入する前に前記所定の位置を形成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項34の方法。
【請求項36】
前記所定の位置が、前記カテーテル内に切欠き、溝、およびチャンネルのうち少なくとも1つを作製することによって形成されることを特徴とする請求項35の方法。
【請求項37】
前記所定の位置が前記カテーテルの弱化領域によって形成されることを特徴とする請求項35の方法。
【請求項38】
前記所定の位置でカテーテルをバルーンから分離するために前記カテーテルをねじるステップをさらに備えることを特徴とする請求項34の方法。
【請求項39】
前記バルーン内で前記骨補強混合物を硬化させるステップをさらに備えることを特徴とする請求項34の方法。
【請求項40】
前記カテーテルの少なくとも1つの第2の内腔を通じて前記光源からの光を前記バルーンに伝達するステップをさらに備えることを特徴とする請求項39の方法。
【請求項41】
光が、前記骨補強混合物が導入されるカテーテルの少なくとも1つの内腔とは異なるカテーテルの内腔を通じて前記バルーンに伝達されることを特徴とする請求項40の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
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【図18】
【図19】
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【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2013−78599(P2013−78599A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−267585(P2012−267585)
【出願日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【分割の表示】特願2009−507782(P2009−507782)の分割
【原出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(508318694)イルミンオス・メディカル・インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】IlluminOss Medical, Inc.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【分割の表示】特願2009−507782(P2009−507782)の分割
【原出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(508318694)イルミンオス・メディカル・インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】IlluminOss Medical, Inc.
【Fターム(参考)】
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