説明

高カルシウム肥料組成

【課題】亜リン酸カルシウム含有肥料、更にはこの肥料の作成法と使用法を開示する。
【解決手段】亜リン酸カルシウム懸濁物からなる肥料濃縮物で、この亜リン酸カルシウムが、肥料濃縮物1kg当たり約0.125kgの量か又はそれ以上であり、この懸濁物が水性懸濁物と非水性懸濁物から選んだ一員である肥料濃縮物。更に、有機酸、硫黄化合物、増粘剤、保湿剤、抗菌剤、殺虫剤、植物成長剤、除草剤、ホウ素化合物、リン含有酸、無機塩基又は植物栄養素を含む。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は2004年12月27日申請の米国仮特許出願番号60/639,245及び2004年10月12日申請の米国仮特許出願番号60/617,818の非仮申請のもの
であり、全目的ついての全ての開示を文献としてここに参考に取り入れる。
【背景技術】
【0002】
肥料により植物成長に必要な化学元素が供給される。これらの元素は作物への必要量により多量栄養素(窒素(N)、リン(P),カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)及び硫黄(S))と微量栄養素(ホウ素(B)、コバルト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)及び亜鉛(Zn))に分類される。
【0003】
カルシウムは植物生理の中心的役割を果たす。カルシウムは植物細胞壁の構造と透水性に関与し、その結果植物に体力を与える。カルシウムは又硝酸塩摂取を増強し、従って窒素代謝とも関連する。カルシウムの存在は又細胞伸張、細胞分裂及びカチオン摂取制御に不可欠である。カルシウム欠乏は芽の頂芽と根の頂端の成長障害となって現れる。
【0004】
カルシウムの化学的性質の為この元素を植物に供与しにくい。根へのカルシウムの供与は温度、酸素、土壌含水量、その他栄養素レベル及び微生物活動により影響される。更に硝酸カルシウムや塩化カルシウムのようなある普通型のカルシウムは水溶性であり且つ植物現場から容易に洗い流される。それ故カルシウムは根のような植物の主要摂取経路に供するのが困難な元素である。
【0005】
カルシウムは主として求頂的に植物に入る。カルシウムは通常植物内で不動元素と考えられる。カルシウムは師部で殆ど移行せず、果実や貯蔵器官で見られるカルシウム供給の乏しさの説明に役立つ。カルシウムの下方位行も又極めて限られている。大部分の環境で園芸作物及び農作物はある程度のカルシウム供給制限に遭遇する。この例としてトマト尻腐れと呼ばれる病気がある。植物内でのこの不動性のため、植物成長サイクルの間カルシウムを葉を通じて植物上部に、更には根を通じて植物下部の両者に供給する事が重要である。
【0006】
肥料を用いてカルシウムを植物の根に供給する事は技術的に既知である。炭酸カルシウム含有の石灰及び硫酸カルシウム含有の石膏のような土壌改良剤をしばしば土壌に添加する。これらのカルシウムデリバリー法は望ましくない。石灰には炭酸カルシウム水溶解度の問題がある。石膏には植物の硫酸カルシウム摂取性が低い問題がある。それ故カルシウムを植物の根に供する改良組成と方法が必要である。
【0007】
ギ酸カルシウム(日本特許A59−137384)、酢酸カルシウム(日本特許A60―260487)、プロピオン酸カルシウム(日本特許A4−202080)、塩化カルシウムや硝酸カルシウムなど(またシェパードソン(Sheppardson)、米国特許発行番号2003/0029211A1参照)のような水溶性カルシウム塩を用いてカルシウムの葉面散布が試みられた。更に高可溶性のカルシウム塩を低可溶性塩とを組み合わして得られるカルシウム肥料も知られている。(日本特許A7−10666)。一方1998年2月19日公開のWO98/006681ではヘプタン酸又はヘプタン酸ナトリウムと界面活性剤とを肥料に添加することが開示されている。これらカルシウム塩の葉面散布は望ましくない。カルシウムの植物の葉や果実を通じての吸収は通常非常に低いため、これらの組成は吸収効率が低いという問題がある。更にカルシウムを配合する化学的環境が植物摂取に大いに影響する。例えば高濃度の窒素はカルシウム摂取を阻害する。
【0008】
他型カルシウム塩である亜リン酸カルシウム(CaHPO)は水に難溶性であるという利点がある。これによりこの無機化合物を散布場所でより長期に残留でき、その結果植物による摂取の可能性を増加する。亜リン酸カルシウムはロバット(Lovatt)により少なくとも1990年代から(1996年5月7日交付の米国特許5,514,200、1998年11月3日交付の米国特許5,830,255、2000年9月5日交付の米国特許6,113,665及び2003年11月11日交付の米国特許6,645,268B2)、(2000年8月11日申請の米国特許出願番号09/637,621、2003年10月14日申請の米国特許出願番号10/686,411)その肥料特性が知られている。不思議なことに亜リン酸カルシウムはメルクインデックス(Merck Index)(エム.ウインドホールス(M. Windhols)編、第10版、1678頁、1983年)に肥料として長年記載されているが、農業化成品ハンドブック(The Farm Chemical Handbook)(マイスター出版社(Meister Publishing Co.)、ウイロウビー(Willougby)、オハイオ州(OH)、834頁、1993年又は西欧肥料ハンドブック(Western Fertilizer Handbook )、インターステート社(The Interstate)、 ダンビル(Danville)、イリノイ州(IL)、288頁にはその時期に亜リン酸塩肥料組成は記載されていない。従来亜リン酸カルシウムは過リン酸カルシウム肥料合成での推定混入物として生成し(マッキンタイヤー等(McIntyre et al.)、アグロノミージャーナル(Agron. J.)、42巻、543−549頁、1950年)且つトウモロコシを損傷する一例が示された。(ルーカス等(Lucas et al.)アルゴノミージャーナル(Argon. J.)、71巻、1063−1065頁、1979年)。その結果ロバット(Lovatt)の発見以前は、亜リン酸塩は防かび剤(アールティエム、オールウイテ(Alleite, RTM.)、米国特許4,075,324)及び食品防腐剤としてのみの使用が帰属された。
【0009】
ロバット(Lovatt)の特許によりカルシウム量が5.4%迄の水酸化カルシウム含有透明肥料組成が開示された。これらの肥料組成は二つのカルシウム含有溶液を組み合わして得られる。これにより反復散布に関連した金銭的コストと同様に地下水、湖、池や川への過剰肥料の流出による環境的コストを減ずるので、通常より高濃度の栄養素含有組成が好ましい。それ故上記の努力にもかかわらず、今なおカルシウムを植物に効果的に供与できる改良肥料組成の必要性がある。本発明によりこの必要性と同様にその他が実現される。
【発明の開示】
【0010】
本発明は亜リン酸カルシウム含有肥料、更にはこれら肥料の合成法と使用法を開示する。
【0011】
従って第一様態では本発明は亜リン酸カルシウム懸濁物からなる肥料濃縮物を提供する。肥料濃縮物中の亜リン酸カルシウム量は肥料1kg当たり亜リン酸カルシウム約1.25kgかそれ以上であり、その懸濁物は水性懸濁物か非水性懸濁物から選んだ一員である。
【0012】
本発明の一実施形態では肥料濃縮物は更に一つ又はそれ以上の有機酸を含む。本発明の他実施形態ではこの有機酸はモノカルボン酸、ジカルボン酸やトリカルボン酸から選んだ一員である。本発明の更なる他実施形態では有機酸はクエン酸である。本発明の更なる他実施形態では有機酸はリンゴ酸である。本発明の他実施形態では本有機酸は約0.005kg/kgから約0.2kg/kgの量存在する。本発明の実施形態ではクエン酸は約0.005kg/kgから約0.2kg/kgの量存在する。本発明の実施形態ではリンゴ酸は約0.005kg/kgから約0.2kg/kgの量存在する。
【0013】
本発明の一実施形態では肥料濃縮物は硫黄化合物を更に含有する。本発明の他実施形態では硫黄化合物はスルホン、硫酸塩、硫化物、亜硫酸塩及び有機硫黄化合物から選んだ一員である。本発明の他実施形態では硫黄化合物はスルホンである。本発明更なる他実施形態ではスルホンはジメチルスルホンである。本発明の実施形態では硫黄化合物は約0.01kg/kgから約0.2kg/kgの量存在する。
【0014】
本発明の一実施形態では肥料濃縮物はさらに増粘剤を含有する。本発明の他実施形態では増粘剤はキサンタンガムである。本発明の他実施形態では増粘剤は約0.001kg/kgから約0.05kg/kgの量存在する。
【0015】
本発明の一実施形態では肥料濃縮物はさらに保湿剤を含有する。本発明の他実施形態では保湿剤は多価アルコールである。本発明の他実施形態では保湿剤は約0.001kg/kgから約0.2kg/kgの量存在する。
【0016】
本発明の一実施形態では肥料濃縮物はさらに抗菌剤を含有する。本発明の他実施形態では抗菌剤は1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンである。本発明の他実施形態では抗菌剤は約0.0005kg/kgから約0.05kg/kgの量存在する。
【0017】
本発明の一実施形態では肥料濃縮物はさらにナフタリン縮合物を含有する。本発明の他実施形態ではナフタリン縮合物は共重合体である。本発明の他実施形態では共重合体はホルムアルデヒドとナフタリン含有化合物からなり、このナフタリン含有化合物はナフタリンスルホン酸及びその塩から選んだ一員である。本発明の他実施形態ではナフタレン縮合物は約0.0005kg/kgから約0.05kg/kgの量存在する。
【0018】
本発明の一実施形態では肥料濃縮物はさらに殺虫剤を含有する。本発明の他実施形態では殺虫剤はマンコゼブである。本発明の他実施形態では殺虫剤は約0.01kg/kgから約0.6kg/kgの量存在する。
【0019】
本発明の一実施形態では肥料濃縮物はさらに植物成長調整剤を含有する。本発明の他実施形態では植物成長調整剤はジベレリン酸である。本発明の他実施形態では植物成長調整剤は約0.0005kg/kgから約0.1kg/kgの量存在する。
【0020】
本発明の一実施形態では肥料濃縮物はさらに除草剤を含有する。本発明の他実施形態では除草剤は約0.01kg/kgから約0.6kg/kgの量存在する。
【0021】
本発明の一実施形態では肥料濃縮物はさらにホウ素化合物を含有する。本発明の他実施形態ではホウ素化合物はホウ酸及びホウ酸塩から選んだ一員である。本発明の他実施形態ではホウ素化合物は約0.001kg/kgから約0.05kg/kgの量存在する。
【0022】
本発明の一実施形態では肥料濃縮物はさらにリン含有酸を含有する。本発明の他実施形態ではリン含有酸はリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリ亜リン酸、ポリ次亜リン酸及びこれらの組み合わせから選んだ一員である。本発明の他実施形態ではリン含有酸は亜リン酸である。本発明の他実施形態ではリン含有酸は約0.01kg/kgから約0.5kg/kgの量存在する。
【0023】
本発明の一実施形態では肥料濃縮物はさらに無機塩基を含有する。本発明の他実施形態では無機塩基は水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム及びこれらの各酸化物から選んだ一員である。本発明の他実施形態では無機塩基は約0.01kg/kgから約0.5kg/kgの量存在する。
【0024】
本発明の一実施形態では肥料濃縮物はさらに植物栄養素を含有し、この植物栄養素は窒素、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、モリブデン、亜鉛、銅及びアンモニアから選んだ一員である。本発明の他実施形態では肥料は二相分離を防止するpHを有する。本発明の他実施形態では本肥料のpHは約5.0乃至約9.5の間である。本発明の他実施形態では本肥料のpHは約6.0から約9.0の間である。本発明の他実施形態では本肥料はpH約8.0を有する。
【0025】
本発明の一実施形態では肥料濃縮物はさらに界面活性剤を含有する。本発明の他実施形態では界面活性剤は約0.008kg/kgから約0.1kg/kgの量存在する。
【0026】
第二様態では本発明は本発明の肥料濃縮物と希釈剤からなる即使用可能な肥料を提供する。本発明の他実施形態では希釈剤は液体である。本発明の他実施形態では希釈剤は固体である。本発明の他実施形態では肥料濃縮物対希釈剤の比は約1:10から約1:10,000の間である。本発明の他実施形態では肥料濃縮物対希釈剤の比は約1:20から1:2,000の間である。
【0027】
本発明の他の目的と利点は以下の詳細な記述から技術の熟知者には明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
I.A.定義
【0029】
別に定義していなければここに用いた全ての技術科学用語は本発明の属する技術の並の熟知者が通常理解するのと同じ意味を通常有する。農業と化学に関して通常ここで用いる命名法と実験室手順は、技術的に良く知られ一般に使用されているものである。標準的技法を本組成の合成に使用する。その技法と手順は技術的に在来法及び種々の一般文献(通常チスデール等(Tisdal et al.)、地力と肥料(Soil Fertility and Fertilizers)、第6版、1998年、プレンティスホール社(Prentice Hall)、ニューヨーク参照)により実施し、本文書全体を通して提供される。分析化学でここに用いた命名法と実験室手順及び以下に記載の有機合成は技術的に既知で一般に使用のものである。標準的技法やその改良法が化学合成と化学分析に用いられる。
【0030】
ここで用いた“肥料”という用語は植物に栄養素を供給しその生長を促進する組成を意味する。肥料は液体か固体である。
【0031】
ここで用いた“水性懸濁物”という用語は肥料中の主液体が水であることを意味する。ある実施形態では肥料中の唯一の液体は水である。他実施形態では肥料中に一つ以上の液体が存在するが、主液体は水である。例えば水性懸濁肥料の液部は水75%と大豆油25%からなる。水性懸濁物は液体肥料濃縮物か液体の即使用可能型肥料のいずれかに関する。
【0032】
ここで用いた“非水性懸濁物”という用語は肥料中の主液体が油であることを意味する。ある実施形態では肥料中の唯一の液体は油である。油の例としては大豆油、菜種油及び鉱油がある。他実施形態では肥料中に一つ以上の液体が存在するが、主液体は油である。例えば非水性懸濁肥料の液部は大豆油66%と水33%からなることができる。非水性懸濁物は液体肥料濃縮物か液体の即使用可能型肥料のいずれかに関する。
【0033】
ここで用いた“有機酸”という用語は炭素からなり水に対してpKaが約10又はそれ以下の分子を意味する。
【0034】
ここで用いた“N−P−K”という用語はこの順序で肥料中の窒素原子、五酸化二リン及び酸化カリウムの重量パーセント相当量である窒素原子、リン及びカリウムの量を意味する。例えば10−20−15肥料は重量/重量単位で窒素10%、五酸化二リン20%及び酸化カリウム15%相当の栄養素を含有する。この栄養素は実際には窒素原子、五酸化二リンや酸化カリウムの形で肥料中に存在しないが、この種が歴史的理由で参照量として使用される。
【0035】
ここで用いた“増粘剤”という用語は液体粘度を増加する材料を意味する。本文書では“増粘剤”、“懸濁化剤”、“安定化剤”、“粘度増加剤”及び“結合剤”は同義的に用いる。
【0036】
ここで用いた“保湿剤”という用語は湿気の保持や吸収を促進する化合物を意味する。
【0037】
ここで用いた“抗菌剤”という用語は微生物の成長を破壊又は阻害できることを意味する。本文書では“抗菌剤”、“抗細菌”及び“抗生物質”は同義的に用いる。
【0038】
ここで用いた“界面活性剤”という用語は表面間の表面張力を減少し、材料の植物表面への分散をより大にする化合物を意味する。本文書では“界面活性剤”、“洗剤”、“湿潤剤”及び“分散剤”は同義的に用いる。
【0039】
ここで用いた“植物成長調整剤”という用語は植物生長の阻害又は促進のいずれかを行う合成又は天然生成化学物質を意味する。本文書では“植物成長調整剤”と“ホルモン”は同義的に用いる。
【0040】
ここで用いた“希釈剤”という用語は肥料の大きさか体積を増加するのに使用する材料を意味する。希釈剤は液体か固体のいずれかである。液体希釈剤の例としては水、大豆油及び鉱油がある。固体希釈剤の例としては粘土、砂、泥炭や白亜がある。
【0041】
ここで用いた“肥料濃縮物”という用語は植物散布以前に希釈剤添加を必要とする肥料を意味する。肥料濃縮物は液体か固体のいずれかである。この用語はある場合には技術的に“配合物”として知られている。
【0042】
ここで用いた“即使用可能型肥料”という用語は植物に散布後、少なくとも植物毒性を起こさない材料を意味する。最適条件ではこの材料は植物のカルシウムとリン摂取を促進する。この用語はある場合には技術的に“タンク混合”として知られている。
【0043】
ここで用いた“本発明の肥料”という用語は肥料濃縮物と同様に即使用可能型肥料を含む。
【0044】
“アルキル”という用語はそれ自身又は他置換基の一部として、別に記述しない限り、指定炭素原子数(即ちC−C10は1乃至10炭素原子を意味する)を有する完全に飽和か、一不飽和か、多不飽和で且つ二置換基か多置換基を含む直鎖、分岐鎖又は環状炭化水素基又はそれらの組み合わせを意味する。飽和炭化水素基の例としては、限定はされないが、メチル、エチル、n―プロピル、イソプロピル、n―ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec―ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル、例えばn―ペンチル、n―ヘキシル、n―ヘプチル、n―オクチルや同類の同族体や異性体がある。不飽和アルキル基は一個又はそれ以上の二重結合や三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例としては、限定はされないが、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−及び3−プロピニル、3−ブチニル及び高級同族体や異性体がある。“アルキル”という用語は、別に述べていない限り、又“ヘテロアルキル”のような以下により詳細に定義したアルキル誘導体を含むことを意味する。炭化水素基に限ったアルキル基は“ホモアルキル”と名付ける。
【0045】
“ヘテロアルキル”という用語は、別に記載しない限り、それ自身又は他用語との組み合わせで、規定数の炭素原子と酸素原子、窒素原子、珪素原子及び硫黄原子からなるグループから選んだ少なくとも一つのヘテロ原子からなり、窒素原子と硫黄原子は任意に酸化されても良く、窒素ヘテロ原子は任意に四級化されても良い安定な直鎖、分岐鎖又は環状炭化水素基又はその組み合わせを意味する。一つ又は複数ヘテロ原子の酸素原子、窒素原子、硫黄原子及び珪素原子はヘテロアルキル基の内部位のいずれか又はアルキル基が分子残部と結合する位置にあってもよい。例としては限定はされないが、-CH2-CH2-O-CH3, -CH2-CH2-NH-CH3, CH2-CH2-N(CH3)-CH3, -CH2-S-CH2-CH3, -CH2-CH2, -S(O)-CH3 , -CH2-CH2-S(O)2-CH3, -CH=CH-O-CH3, -Si(CH3)3, -CH2-CH2=N-OCH3,及び -CH=CH-N(CH3)-CH3がある。例えば-CH2-NH-OCH3 及びCH2-O-Si(CH3)3のような二個までのヘテロ原子が連続できる。同様に“ヘテロアルキレン”という用語は、それ自身又は他置換基の一部として限定はされないが、-CH2-CH2-S-CH2-CH2-及び -CH2-S-CH2-CH2-NH-CH2-で例示されるように、ヘテロアルキル基に由来する二価基を意味する。ヘテロアルキレン基ではヘテロ原子は鎖のいずれかの端か両端を占めることができる。(例えばアルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノ及び同類。)さらにアルキレンとヘテロアルキレン連結基では連結基の向きは連結基化学式の書かれた方向を意味しない。例えば化学式-C(O)2R'-は-C(O)2R'-と-R'C(O)2-の両者を表す。
【0046】
“シクロアルキル”及び“ヘテロシクロアルキル”という用語は、それ自身或いは他用語と組み合わして、別に記述しない限り、それぞれ“アルキル”及び“ヘテロアルキル”環状版をそれぞれ表す。更にヘテロシクロアルキルではヘテロ原子はヘテロ環の分子残部との結合位を占めることができる。シクロアルキルの例としては、限定はされないが、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチル及び同類がある。ヘテロシクロアルキルの例としては、限定はされないが1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル及び同類がある。
【0047】
“ハロ”や“ハロゲン”という用語は、それ自身又は他置換基の一部として、別に記述しない限り、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味する。更に“ハロアルキル”のような用語はモノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことを意味する。例えば“ハロ(C1-C4)アルキル”という用語、は限定はされないが、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピル及び同類を含むことを意味する。
【0048】
“アリール”という用語は、別に記述しない限り、単環か一緒に縮合するか共有結合した多環(好ましくは1乃至3環)のポリ不飽和芳香族炭化水素を意味する。“ヘテロアリール”という用語は、窒素、酸素及び硫黄原子から選んだ1乃至4個のヘテロ原子含有のアリール基(又は環)を意味し、窒素原子と硫黄原子は任意に酸化され且つ一個又は複数の窒素原子は任意に四級化されていても良い。ヘテロアリール基はヘテロ原子によりその分子残部と結合できる。アリールとヘテロアリール基の限定されない例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキアゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル及び6−キノリルがある。上記の各アリール及びヘテロアリール環系の置換基は以下に記述の容認置換基グループから選ぶ。
【0049】
他の用語と一緒に略して用いる“アリール”という用語(例えばアリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキル)は上に定義のようなアリールとヘテロアリール環の両者を含む。従って“アリールアルキル”という用語は、アリール基が炭素原子(例えばメチレン基)が例えば酸素原子で置換されたアルキル基含有のアルキル基(例えばベンジル、フェネチル、ピリジルメチル及び同類)と結合している基(例えばフェノキシメチル、2−ピリジルオキシメチル、3−(1−ナフチルオキシ)プロピル及び同類)を含むことを意味する。
【0050】
上記の用語(例えば“アルキル”、“ヘテロアルキル”“アリール”及び“ヘテロアリール”)のそれぞれは表示基の置換及び非置換形の両者を含む。各タイプの基の好ましい置換基を以下に示す。
【0051】
アルキル及びヘテロアルキル基(しばしばアルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロシクロアルケニルと云われる基を含む)での置換基は、通常それぞれ“アルキル置換基”と“ヘテロアルキル置換基”と云われ、限定はされないが、以下から選んだ種々の基の一つ又はそれ以上の基である。ゼロから(2m‘+1)個の範囲の数の-OR', =O, =NR', =N-OR', -NR'R", SR', ハロゲン、SiR'R"R''", -OC(O)r', -C(O)R', -CO2R', -CONR'R", -OC(O)NR'R", -NR"C(O)R', -NR'-C(O)NR"R'", -NR"C(O)2R', -NR-C(NR'R"R'")=NR"", -NR-C(NR'R")=NR'", -S(O)R', -S(O)2R', -S(O)2NR'R", -NRSO2R', -CN 及びNO2で、m’はこの基の全炭素原子数である。R', R", R'" 及びR""はそれぞれ好ましくは独立に水素原子、置換か非置換ヘテロアルキル、置換か非置換アリール、例えば1乃至3個のハロゲン置換アリール、置換か非置換アルキル、アルコキシ又はチオアルコキシ基或いはアリールアルキル基を意味する。例えば本発明化合物が一個以上のR基を含む場合、各R基をR', R", R'" 及びR""のそれぞれが一つ以上ある場合それらから独立に選ぶ。R' とR"が同じ窒素原子に結合している場合、窒素原子と結合して5,6又は7員環を形成できる。例えば-NR'R"は、限定はされないが、1−ピロリジニルや4−モルホリニルを含むことを意味する。置換基についての上の論議から、技術の熟知者には“アルキル”という用語は、ハロアルキル(例えば-CF3 やCH2CF3)及びアシル(例えば-C(O)CH3, -C(O)CF3, -C(O)CH2OCH3及び同類)のような水素基以外の基と結合した炭素原子含有基を含むことを意味することが分かる。
【0052】
アルキル基について記述の置換基と同様に、アリール置換基とヘテロアリール置換基は通常それぞれ“アリール置換基”と“ヘテロアリール置換基”と云われ、多様で、例えば以下から選ぶ。-OR', =O, =NR', =N-OR', -NR'R", SR', ハロゲン、SiR'R"R''", -OC(O)R', -C(O)R', -CO2R', -CONR'R", -OC(O)NR'R", -NR"C(O)R', -NR'-C(O)NR"R'", -NR"C(O)2R', -NR-C(NR'R")=NR'", -S(O)R', -S(O)2R', -S(O)2NR'R", -NRSO2R', -CN 及びNO2、R', -N3, -CH(Ph)2, フルオロ(C1-C4)アルコキシ及びフルオロ(C1-C4)アルキルで、その数はゼロから芳香環系の全空き原子価数迄である。R', R", R'" とR""は好ましくは独立に水素原子、(C1-C8)アルキル及びヘテロアルキル、非置換アリール及びヘテロアリール、(非置換アリール)(C1-C4)アルキル及び(非置換アリール)オキシ(C1-C4)アルキルから選ぶ。例えば本発明化合物が一個以上のR基を含む場合、各R基はR', R", R'" とR""基のそれぞれが一つ以上ある場合それらから独立に選ぶ。
【0053】
アリール又はヘテロアリール環の隣接原子上のアリール置換基の内の2つは、化学式-T-C(O)-(CRR')q-U-置換基で任意に置換でき、TとUは独立に-NR-, -O-, -CRR'-又は単結合であり、qはゼロから3の整数である。代わりにアリールかヘテロアリール環の隣接原子上のアリール置換基の内の2つは、化学式-A-(CH2)r-B-で任意に置換でき、AとBは独立に-CRR', -O-, -NR-, -S-, -S(O), -S(O)2-, -S(O)2NR'-か単結合であり、rは1乃至4の整数である。新しく形成した環の単結合の内の一つは任意に二重結合で置換できる。代わりにアリール又はヘテロアリール環の隣接原子上のアリール置換基の内の2つは、化学式-(CRR')s-X-(CR'R'")d-置換基で任意に置換でき、sとdは独立にゼロから3の整数であり、Xは-O-, -NR-, -S-, -S(O), -S(O)2-又は -S(O)2NR'-である。置換基R, R', R" とR'"は好ましくは水素原子か置換又は非置換(C1-C6)アルキルから独立に選ぶ。
【0054】
ここで用いた“ヘテロ原子”という用語は酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)及び珪素(Si)原子を含む。
I.B.序文
【0055】
本発明は肥料組成、この組成の製造法及びこの組成の使用法を提供する。
II.肥料濃縮物
【0056】
本発明は肥料濃縮物組成を提供する。この肥料濃縮物は肥料1kg当たりカルシウム約0.125kgの量かそれ以上の亜リン酸カルシウムを含有する。本肥料濃縮物組成は液体か固体の形で提供できる。これら組成は更に有機酸、硫黄化合物、増粘剤、保湿剤、抗菌剤、界面活性剤、殺虫剤、除草剤、植物成長調節剤、ホウ素化合物及び希釈剤を含有できる。
II.A.亜リン酸カルシウム
【0057】
本発明で亜リン酸カルシウム(CaHPO3)を用いてカルシウムとリンを植物に供給する。カルシウム塩対イオンとして亜リン酸塩を用いると幾つかの利点が得られる。
【0058】
第一に亜リン酸カルシウムは水に溶けくいという利点がある。難溶性塩は散布後植物の根及び/又は葉から運び去れにくい。この植物の主摂取経路へのアクセス増加により植物の吸収増加をもたらす。ここに記載の処方は遅延放除肥料として働き、葉による水蒸気の再吸収とカルシウム及びリンの解放を継続できる。
【0059】
第二に硫酸塩やリン酸塩のような多くの対イオンと異なり、亜リン酸塩は葉により容易に吸収できる。このため亜リン酸カルシウムは葉面散布に用いるのに優れた肥料材料である。
【0060】
第三にリン酸塩と異なり、亜リン酸塩は土壌溶解度がより高く、且つ土壌中で急速に固定化されない。そのこと自体、亜リン酸塩は容易に根に移行し植物により吸収される。これにより(不溶性と組み合わして)亜リン酸カルシウムは土壌及び植物散布に用いるのに優れた安定な遅延放除肥料材料である。
【0061】
典型的実施形態では肥料濃縮物は亜リン酸カルシウムを含有する。肥料濃縮物に用いる亜リン酸カルシウムの量は濃縮物1kg当たり亜リン酸カルシウム約0.125kgかそれ以上である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる亜リン酸カルシウムの量は約0.125kg/kgから約1kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる亜リン酸カルシウムの量は約0.125kg/kgから約0.85kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる亜リン酸カルシウムの量は約0.125kg/kgから約0.5kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる亜リン酸カルシウムの量は約0.125kg/kgから約0.25kg/kgの間である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる亜リン酸カルシウムの量は約0.125kg/kgから約0.85kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる亜リン酸カルシウムの量は約0.3kg/kgから約0.6kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる亜リン酸カルシウムの量は約0.15kg/kgから約0.5kg/kgの間である。更に他の実施形態では肥料濃縮物中に亜リン酸カルシウムの他にカルシウム化合物が存在できる。典型的実施形態ではカルシウム化合物として塩化カルシウムや硝酸カルシウムから選んだ一員がある。
【0062】
典型的実施形態で組成は亜リン酸カルシウム懸濁物である。この懸濁物は水性懸濁物か非水性懸濁物のいずれかである。
II.B.リン含有酸と脱プロトン塩基
【0063】
リン含有酸は肥料濃縮物中に使用できる。リン含有酸の例としてはリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリ亜リン酸、ポリ次亜リン酸及びその組み合わせがある。リン含有酸は溶液の緩衝能力を維持するので本発明で有益である。更に脱プロトン塩基も又溶液の緩衝能力の維持のため本発明に利用できる。脱プロトン塩基の例としては水酸化カリウム、水酸化カルシウム、苛性ソーダ及び水酸化アンモニウムがある。
【0064】
典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるリン含有酸の量は約0.008kg/kgかそれ以上である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるリン含有酸の量は約0.008kg/kgと約0.3kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるリン含有酸の量は約0.01kg/kgと約0.1kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるリン含有酸の量は約0.1kg/kgと約0.3kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるリン含有酸の量は約0.1kg/kgと約0.3kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるリン含有酸の量は約0.05kg/kgと約0.2kg/kgの間である。
【0065】
典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる無機塩基の量は約0.008kg/kgと約0.2kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる無機塩基の量は約0.01kg/kgと約0.1kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる無機塩基の量は約0.1kg/kgと約0.2kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる無機塩基の量は約0.05kg/kgと約0.15kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる無機塩基の量は約0.05kg/kgと約0.2kg/kgの間である。
II.C.有機酸
【0066】
有機酸は幾つかの形で本発明に有用である。第一に有機酸は肥料組成中への亜リン酸カルシウムの溶解度を増大できる。第二に有機酸は抗酸化剤として働き、散布タンク中での温度、太陽光、通気及び化学的酸化剤のような非生物的、生物的因子により生ずる亜リン酸塩のリン酸塩への酸化を遅らせる。本発明に用いる有機酸としてはモノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸及びポリリンゴ酸のような高分子量カルボン酸がある。本発明で用いる他の有機酸としてはアミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸、セリントレオニン及びシステインのような)及び脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸及びアラキン酸のような飽和酸と同様にオレイン酸、リノール酸、桂皮酸、リノレイン酸、エレオステアリン酸及びアラキドン酸のような不飽和酸を含む)がある。有機酸の追加例としてはフェノールやトルエンスルホン酸がある。本発明のカルボン酸は、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール及び置換又は非置換ヘテロアリール部を含む。肥料濃縮物に用いられるモノカルボン酸としては、メタン酸(ギ酸)、エタン酸(酢酸)、プロパン酸(プロピオン酸)及びブタン酸(酪酸)がある。肥料濃縮物に用いられるジカルボン酸としてはエタンジオン酸(シュウ酸)、プロパンジオン酸(マロン酸)、ブタンジオン酸(コハク酸)、ペンタンジオン酸(グルタル酸)、ヘキサンジオン酸(アジピン酸)、ヘプタンジオン酸(ピメリン酸)、シス−2−ブテンジオン酸(マレイン酸)、トランス−2−ブテンジオン酸(フマル酸)、ベンゼン−1,2―ジカルボン酸(フタル酸)、ベンゼン−1,3―ジカルボン酸(イソフタル酸)、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸(テレフタル酸)、酒石酸及び2,3−ジヒドロキシ化コハク酸がある。肥料濃縮物に用いるトリカルボキシル酸としてはクエン酸と同様にα―ケト酸がある。
【0067】
典型的実施形態で肥料濃縮物に用いる有機酸はクエン酸である。他の実施形態では使用有機酸はマレイン酸である。更に他の実施形態では一個以上の有機酸を使用する。
【0068】
典型的実施形態で肥料濃縮物に用いる有機酸の量は約0.005k/kgと約0.2kg/kgの間である。他の典型的実施形態で肥料濃縮物に用いる有機酸の量は約0.005k/kgと約0.05kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態で肥料濃縮物に用いる有機酸の量は約0.01kg/kgと約0.2kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態で肥料濃縮物に用いる有機酸の量は約0.01kg/kgと約0.1kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態で肥料濃縮物に用いる有機酸の量は約0.1kg/kgと約0.2kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態で肥料濃縮物に用いる有機酸の量は約0.05kg/kgと約0.15kg/kgの間である。
【0069】
他の実施形態では本発明は複数の緩衝化カルシウムとリン含有肥料濃縮物である。この肥料濃縮物は亜リン酸と亜リン酸塩からなる第一緩衝系と有機酸と有機酸塩からなる第二緩衝系からなる。肥料濃縮物中の有機酸の量は約0.02kg/kgかそれ以上である。他の実施形態では肥料濃縮物は二つの緩衝系からなる。更に他の実施形態では肥料濃縮物を水で希釈して、カルシウム及びリン摂取で葉が受容可能なpHを有する即使用型肥料を形成する。
II.D.硫黄化合物
【0070】
本発明の他様態で肥料組成は更に硫黄化合物を含有する。硫黄化合物は栄養素としてある形で且つカルシウム摂取の補助剤として有益である。マクロ栄養素として硫黄はタンパク質構造と同様に窒素代謝での重要成分ある。更に硫黄化合物は溶液中でカルシウムの錯体化に有効で、植物の摂取をより速くすることができる。
【0071】
典型的実施形態では硫黄化合物は硫酸塩、硫化物、亜硫酸塩及び有機硫黄から選んだ一員である。他の実施形態では硫黄化合物はスルホンである。更に他の実施形態では硫黄化合物はジメチルスルホンである。更に他の実施形態では硫黄化合物はスルホキシドである。
【0072】
典型的実施形態で肥料濃縮物に用いる硫黄化合物の量は約0.005kg/kgと約0.2kg/kgの間である。他の典型的実施形態で肥料濃縮物に用いる硫黄化合物の量は約0.005kg/kgと約0.05kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態で肥料濃縮物に用いる硫黄化合物の量は約0.01kg/kgと約0.2kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態で肥料濃縮物に用いる硫黄化合物の量は約0.01kg/kgと約0.1kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態で肥料濃縮物に用いる硫黄化合物の量は約0.1kg/kgと約0.2kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態で肥料濃縮物に用いる硫黄化合物の量は約0.05kg/kgと約0.15kg/kgの間である。
II.E.増粘剤/懸濁剤/安定化剤/粘度増進剤/結合剤
【0073】
本発明の他様態では肥料組成は更に増粘剤を含む。増粘剤により溶液粘度の制御と懸濁物中でカルシウム塩を高濃度に維持可能な利得が得られる。
【0074】
典型的実施形態では増粘剤は高分子性沈降剤である。この例としては限定はされないが、セルロース、澱粉、ポリアクリルアミド又はその共重合体又は誘導体、アクリル酸及びメタアクリル酸又はその塩のポリマーと共重合体、ポリメタアクリルアミドかその共重合体又は誘導体、ポリアクリロニトリル、その加水分解物、共重合体、ビニルポリマー、共重合体又は誘導体を含む。
【0075】
他の典型的実施形態では増粘剤は天然ガムである。この例としては限定はされないが、アラビアガム、アカシアガム、ファーセルラン、トラガカントガム、ガッティガム、グアールガム、カラヤガム、イナゴマメ及びキサンテムガムのようなガムがある。これらガム無はその誘導化、非誘導化、陽イオン型及び非陽イオン型変形として取り入れられる。
【0076】
他の実施形態では増粘剤は油か油代用物である。この例としては限定はされないが、アルキル化脂肪酸エステル、アルキル化天然油、炭化水素油及び脂肪酸がある。
【0077】
アルキル化脂肪酸エステルとしては限定はされないが、メチル化脂肪酸、エチル化脂肪酸及びブチル化脂肪酸がある。メチル化脂肪酸としては限定はされないが、メチル化C6-19脂肪酸、メチル化トール油脂肪酸、メチル化オレイン酸、メチル化リノール酸、メチル化リノレン酸、メチル化ステアリン酸、メチル化パルミチン酸及びそれらの混合物がある。エチル化脂肪酸としては限定はされないが、エチル化C6-19脂肪酸、エチル化トール油脂肪酸、エチル化オレイン酸、エチル化リノール酸、エチル化リノレン酸、エチル化ステアリン酸、エチル化パルミチン酸及びそれらの混合物がある。ブチル化脂肪酸としては限定はされないが、ブチル化C6-19脂肪酸、ブチル化トール油脂肪酸、ブチル化オレイン酸、ブチル化リノール酸、ブチル化リノレン酸、ブチル化ステアリン酸、ブチル化パルミチン酸及びそれらの混合物がある。
【0078】
アルキル化天然油としては限定されないが、アルキル化大豆油、アルキル化菜種油、アルキル化ココナッツ油及びアルキル化ひまわり油がある。アルキル化大豆油としては限定されないが、メチル化大豆油、エチル化大豆油、ブチル化大豆油及びその混合物がある。アルキル化菜種油としては限定されないが、メチル化菜種油、エチル化菜種油、ブチル化菜種油及びその混合物がある。アルキル化ココナッツ油としては限定されないが、メチル化ココナッツ油、エチル化ココナッツ油、ブチル化ココナッツ油及びその混合物がある。アルキル化ひまわり油としては限定されないが、メチル化ひまわり油、エチル化ひまわり油、ブチル化ひまわり油及びその混合物がある。
【0079】
炭化水素油としては限定はされないが、鉱油であり限定はされないが、パラフィン鉱油、ナフテン酸鉱油、芳香性鉱油及びその混合物がある。植物油としては限定はされないが、大豆油、菜種油、綿実油及びをの混合物がある。脂肪酸は限定はされないが、C6-C19脂肪酸、トール油脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、パルミチン酸及びその混合物がある。エポキシ化種油、ポリブテン及び沈降シリカや沈降ケイ酸塩のような珪素含有増粘剤も又本発明の増粘剤として使用できる。
【0080】
油は少なくとも上記油の一つかその相当物を含有できる。油は又少なくとも2つの油の混合物でも良い。油を用いる時に組成を水性ベース散布するつもりであれば、界面活性剤や乳化剤を用いる必要がある。
【0081】
増粘剤の追加例としては、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、カルボマー940A、カルボマー956、アルギン酸塩(アルギン酸プロピレングリコールエステル)、カゼイン(カゼイン酸ナトリウム)、ゼラチン、マニトール及びソルビトールがある。
【0082】
典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる増粘剤の量は約0.0001kg/kgから約0.1kg/kgの間である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる増粘剤の量は約0.001kg/kgから約0.1kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる増粘剤の量は約0.001kg/kgから約0.05kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる増粘剤の量は約0.05kg/kgから約0.1kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる増粘剤の量は約0.03kg/kgから約0.08kg/kgの間である。
II.F.保湿剤
【0083】
本発明の他様態では肥料組成は更に保湿剤を含有する。保湿剤により肥料中での水蒸気保持と吸収を促進する利得が得られる。保湿剤は大気中の水を吸収するので、相対湿度が特に乾燥気候で(夜のように)高くなるとき、保湿剤添加により散布後及び再水和時に肥料が乾ききるのを防ぐ効果がある。
【0084】
本発明で用いる保湿剤の例としてはマクロゴール、プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ジグリセロール、プロピレングルコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、グリセロール、ソルビトール、ピロリジドンカルボン酸ナトリウム、エチルカルビトール、D−キシリトール、ポリソルベート60、65又は80のような脂肪族多価アルコール、糖アルコール及びその塩があり、ヒアルロン酸も又本発明に含まれる。
【0085】
典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる保湿剤の量は約0.0005kg/kgから約0.2kg/kgの間である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる保湿剤の量は約0.001kg/kgから約0.1kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる保湿剤の量は約0.01kg/kgから約0.1kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる保湿剤の量は約0.05kg/kgから約0.1kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる保湿剤の量は約0.01kg/kgから約0.05kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる保湿剤の量は約0.03kg/kgから約0.08kg/kgの間である。
II.G.抗菌剤
【0086】
本発明の他様態で肥料組成は更に抗菌剤を含有する。抗菌剤は配合物を分解する微生物の成長を遅延するので有用である。
【0087】
抗菌剤の例としてはキノリンカルボン酸、ニトロフラン、スルホンアミド、安息香酸誘導体、亜硫酸塩、塩化オキシ化合物及び金属塩(銀、銅及びマグネシウムのような)がある。キノリンカルボン酸としてはシプロフラキシン、ナリジクス酸、シノキサシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、ペルフロキサシン、ヨーメフロキサシン、フレロキサシン、スパルフロキサシン、リフロキサシン、テマフロキサシン、アミフロキサシン、イルオキサシン及びピロミド酸がある。ニトロフランとしてはフリアム、フラゾリドン、Z−フラン、フルフリルフラミド、ニトロビン、フララジン、アセチルフラトリジン、パンフラン−S、ニフロキシム、ニトロフラゾン、ニフラルデゾン、ニヒドラゾン、ニトロフラントイン、ニフラテル、ニトロフラチアジド、ニフルトイノールがある。スルホンアミドとしてはN−アシルスルファニルアミド、N−複素環−N−アシルスルファニルアミド及びN−複素環−N−アセチルスルファニルアミドがある。
【0088】
抗菌剤の追加例としては塩化ベンズアルコニウム、感光性要素No.201、グルコン酸クロルヘキシジン溶液、塩化キシレノール、トリクロロカルボアニリド、ハロカルバン、モノニトログアイヤコール、セファロスポリン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3―オンがある。
【0089】
典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる抗菌剤の量は約0.00005kg/kgから約0.1kg/kgの間である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる抗菌剤の量は約0.0005kg/kgから約0.05kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる抗菌剤の量は約0.005kg/kgから約0.05kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる抗菌剤の量は約0.0005kg/kgから約0.005kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる抗菌剤の量は約0.005kg/kgから約0.05kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる抗菌剤の量は約0.001kg/kgから約0.03kg/kgの間である。
II.H.湿潤剤/界面活性剤/洗浄剤/界面活性剤
【0090】
本発明の他様態では肥料組成は更に界面活性剤を含有する。界面活性剤は肥料の表面張力を減少しその結果植物による肥料摂取を改善する。
【0091】
界面活性剤の例としてはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルがある。追加例としてはラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシンナトリウム、モノグリセリルナトリウム及び脂肪酸硫酸エチオン酸塩がある。他例としてはサポニン、アミン(ジエアノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンのような)、脂肪酸塩、シリコン誘導体、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、アルキルフェノキシポリエトキシエタノール(エトキシル化アルコール)、塩化アルキルアンモニウム(クオタニウム15)、アルキルグルコシド及びリン酸エステルがある。
【0092】
典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる界面活性剤の量は約0.0008kg/kgから約0.05kg/kgの間である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる界面活性剤の量は約0.01kg/kgから約0.05kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる界面活性剤の量は約0.01kg/kgから約0.03kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる界面活性剤の量は約0.02kg/kgから約0.05kg/kgの間である。典型的実施形態では本界面活性剤はリン酸エステルである。他の実施形態では肥料濃縮物に用いるリン酸エステルの量は約0.0008kg/kgから約0.1kg/kgの間である。
II.I.ナフタレン縮合物
【0093】
本発明の他様態では本発明の肥料組成はさらにナフタレン縮合物を含有する。ナフタレン縮合物の例としてはナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムを含む種々のアルカリ及びアルカリ土類金属対イオンを持つナフタレンスルホン酸−ホルムアルデヒドポリマーを含む。
【0094】
典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるナフタレン縮合物の量は約0.00005kg/kgから約0.1kg/kgの間である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるナフタレン縮合物の量は約0.0005kg/kgから約0.05kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるナフタレン縮合物の量は約0.005kg/kgから約0.05kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるナフタレン縮合物の量は約0.005kg/kgから約0.05kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるナフタレン縮合物の量は約0.0005kg/kgから約0.005kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるナフタレン縮合物の量は約0.005kg/kgから約0.05kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるナフタレン縮合物の量は約0.001kg/kgから約0.03kg/kgの間である。
II.J.殺虫剤
【0095】
本発明の他形態ではさらに本発明の肥料組成が殺虫剤を含有する。殺虫剤の例としては有機リン酸塩、カルバミン酸塩、昆虫成長調整剤及び天然由来の殺虫剤がある。天然由来の殺虫剤としてはニンニク油がある。
【0096】
典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる殺虫剤の量は約0.0008kg/kgから約0.7kg/kgの間である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる殺虫剤の量は約0.01kg/kgから約0.6kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる殺虫剤の量は約0.05kg/kgから約0.3kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる殺虫剤の量は約0.1kg/kgから約0.3kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる殺虫剤の量は約0.3kg/kgから約0.6kg/kgの間である。
II.K.除草剤
【0097】
本発明の他様態では本発明の肥料組成は更に除草剤を含有する。除草剤の例としてはホルモンベースの除草剤、発芽前除草剤と同様に出芽後除草剤や接触除草剤がある。発芽前除草剤の例としてはスルホニル尿素がある。出芽後除草剤としてはグリホサート、パラコート及び2,4−Dがある。
【0098】
典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる除草剤の量は約0.0008kg/kgから約0.7kg/kgの間である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる除草剤の量は約0.01kg/kgから約0.6kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる除草剤の量は約0.05kg/kgから約0.3kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる除草剤の量は約0.1kg/kgから約0.3kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる除草剤の量は約0.3kg/kgから約0.6kg/kgの間である。
II.L.植物成長調整剤/ホルモン
【0099】
本発明の他様態では本発明の肥料組成は更に植物成長調整剤を含有する。植物成長調整剤には天然にある植物ホルモンを模倣する合成化合物(例えばIBA及びサイコセル)や植物組織からの抽出した天然ホルモン(例えばIAA)がある。
【0100】
オーキシン、ジベレリン(GA)、サイトカイニン、エチレン、アブシジン酸(ABA)、ブラシノライド及びジャスモン酸塩を含む幾つかの植物成長調整化合物のグループがある。通例各グループは天然にあるホルモンと合成品の両者を含有する。
【0101】
オーキシンは幾つかの植物応答を起こし、主として細胞伸張に影響する。これらの応答としては光屈性(光源方向への屈曲)、屈地性(重力に応答しての根の下方成長)、頂芽優性の促進、花成、果実の着生と生長及び不定根の形成がある。実際にオーキシンは切り枝を植物繁殖時に浸漬する殆どの発根剤の活性成分である。オーキシンの例としてはトリプトファンから合成するインドール酢酸(IAA)と同様にインドール酪酸(IBA)更にはオーキシンの合成誘導体がある。
【0102】
ジベレリンは又細胞分裂と伸張の刺激、種子休眠の終了及び発芽の加速を含む幾つかの植物応答を起こす。ジベレリンはリボ核酸を刺激して、保存栄養素(澱粉)を発芽中の迅速な細胞呼吸に必要な糖に変換する酵素合成を促進する。ジベレリンはしばしばオーキシンと一緒に作用してその効果を達成する。ジベレリンの例としては炭素4乃至12の炭素鎖長を持つジベレリンがある。
【0103】
サイトカイニンはアデニンのフェニル尿素誘導体の一員である。他の植物成長調整剤と異なり、サイトカイニンは植物と動物の両者に見いだされる。サイトカイニンは細胞質分裂又は細胞分裂を刺激すると同様に老朽化や老齢化を遅らす。サイトカイニンの例としてはゼアチンがある。
【0104】
エチレンはガスの形でのみ見いだされる点で類がない。エチレンは熟成を誘導し、葉の垂れ下がり(上偏成長)や落下(落葉)を起こし且つ老化を促進する。植物はしばしばストレスに応答してエチレン生成を増加し、エチレンは植物寿命の終期でしばしば細胞内に高濃度で見いだされる。エチレンは又果物(例えば緑色バナナ)の熟成に用いられる。
【0105】
アブシジン酸(ABA)は一般的植物成長阻害剤である。この物は休眠を誘導し種の発芽を防止し、落葉、落果及び落花を起こし且つ気孔閉鎖を起こす。干ばつによるストレス時での孔辺細胞の高濃度ABAが多分気孔閉鎖の役を果たす。
【0106】
典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる植物成長調整剤の量は約0.0005kg/kgから約0.2kg/kgの間である。典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる植物成長調整剤の量は約0.0005kg/kgから約0.1kg/kgの間である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる植物成長調整剤の量は約0.001kg/kgから約0.1kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる植物成長調整剤の量は約0.1kg/kgから約0.1kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる植物成長調整剤の量は約0.5kg/kgから約0.1kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる植物成長調整剤の量は約0.1kg/kgから約0.05kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いる植物成長調整剤の量は約0.03kg/kgから約0.08kg/kgの間である。
II.M.ホウ素化合物
【0107】
ホウ素(B)は微量栄養素と分類されているが、植物ダイエットでのその不足は窒素のような主栄養素欠乏と同じように成長に影響する。ホウ素は糖の膜間輸送、細胞分裂、細胞発達及びオーキシンの代謝を制御する。ホウ素不足はしばしば種や果実生成不良に現れる。これは太平洋岸北西部での最も広範囲に広がった全微量栄養素不足である。本発明で有効なホウ素化合物の例としては、ホウ酸(H3BO3)、ホウ砂又はリン酸二ナトリウム10水和物 (Na2B4O7.10H2O)、ホウ素入り石膏、又は硫酸カルシウム二水和物ホウ酸二ナトリウム (CaSO4, 2H2O+Na2B4O7)、肥料ホウ酸塩48、又はホウ酸二ナトリウム6水和物(Na2B4O7.5H2O)、肥料ホウ酸塩68又はホウ酸二ナトリウム(Na2B4O7)、ソルボル又はホウ酸二ナトリウム6水和物及びホウ酸二ナトリウム10水和物(Na2B4O7.5H2O+Na2B10O16.10H2O)がある。ホウ砂とホウ素入り石膏はしばしばホウ素肥料の固体成分として用いる。ホウ酸、ホウ酸二ナトリウム6水和物及びホウ酸二ナトリウム10水和物は土壌散布か葉面散布のいずれかで使用できる。
【0108】
典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるホウ素化合物の量は約0.0001kg/kgから約0.1kg/kgの間である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるホウ素化合物の量は約0.001kg/kgから約0.1kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるホウ素化合物の量は約0.001kg/kgから約0.05kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるホウ素化合物の量は約0.05kg/kgから約0.1kg/kgの間である。更に他の典型的実施形態では肥料濃縮物に用いるホウ素化合物の量は約0.03kg/kgから約0.08kg/kgの間である。
II.N.植物栄養素化合物
【0109】
植物に追加栄養素を与えるため、本発明の組成は更に一つ又はそれ以上の追加植物栄養素を含有できる。これらは窒素やカリウムのような主栄養素であり得る。植物栄養素は又マグネシウムやナトリウムのような二次栄養素でも良い。最後に植物栄養素は又コバルト、銅、鉄、マグネシウム、モリブデン及び亜鉛のような微量栄養素でも良い。
III.即使用可能型肥料
【0110】
本発明は又即使用可能型肥料組成を提供する。即使用可能型肥料は肥料濃縮物と希釈剤からなる。この即使用可能な肥料組成は液体か固体の形のいずれかで提供される。即使用可能型肥料は肥料濃縮物を含有するので、即使用可能な肥料は又有機酸、硫黄化合物、増粘剤、保湿剤、抗菌剤、界面活性剤、殺虫剤、除草剤、植物成長調整剤、ホウ素化合物及び希釈剤のような上述化合物のいずれかを含有できる。
IV.組成作成法
【0111】
本発明の肥料濃縮物と即使用可能型肥料は第一に亜リン酸カルシウムの混合懸濁物を形成して作成する。亜リン酸カルシウム懸濁物は亜リン酸カルシウムを直接液体に添加するか又はカルシウム含有化合物を液状の亜リン酸塩含有化合物に添加して亜リン酸カルシウムをその場で生成する。界面活性剤、保湿剤や増粘剤等のような懸濁物の維持に必要な薬剤を絶えず攪拌しながら添加できる。望ましい栄養素も又絶えず攪拌しながら添加できる。本発明の肥料は又水全てを単に除去して液体と同一の固体組成として生成できる。その物性は液体組成と同一であるが、同量の栄養素に対して重量がより低いという更なる利点がある。
V.組成使用法
【0112】
本発明の肥料は散布法と同様に土壌或いは植物のいずれかに散布するかに依存する作物固有の提案に従って散布する。液体ベースの肥料用に幾つかの一般的肥料散布法がある。第一のものは小規模かんがい、畦間かんがい及び散水かんがいに分けられるかんがいシステムによる散布である。かんがい目的に適するには、肥料濃縮物は通常500乃至10000倍に希釈する。果物と野菜作物は特にかんがい目的に適する。第二の散布法は地上型又は在来的散布である。この方法はトラクター取り付けか動力源付き散布機、背負い式散布機及び静電気散布機による散布を含む。地上目的に適するには肥料濃縮物は通常10乃至1000倍に希釈する。果物と野菜作物は又地上型散布に適する。第三の散布法は航空散布である。航空散布に適するには肥料濃縮物は通常10乃至100倍に希釈する。穀物、飼料作物及び大農園での成長作物のような大面積作物には航空散布が適する。更なる肥料散布法は樹幹注入であり、それにより肥料を植物の通常幹、主枝又は樹冠根に直接注入する。肥料散布は又葉面散布、土壌散布、散布時間、散布速度及び生産物組成に分けられる。本発明の肥料の恩恵を受ける作物には、限定はされないが、アボカド、柑橘類、マンゴ、コーヒー、落葉樹作物、ブドウ及びその他のベリー作物、大豆とその他の業務用豆、緑色野菜、アリウム、アスパラガス、チョウセンアザミ、バナナ、トウモロコシ、トマト、ウリとメロン種、レタス(緑色野菜)、ジャガイモ、甜菜、コショウ、サトウキビ、ホップ、タバコ、パイナップル、茶、コーヒー、サイザル麻、穀物とイネ科植物、飼料作物、砂糖と油産生作物、森林作物、薬剤作物、綿、シダ、ココヤシの木及びその他業務用及び装飾用ヤシの木、ゴムの木、飼料植物及び装飾用植物がある。
【0113】
上述の葉面、土壌及びかんがい散布法に加えて、本肥料がその他の散布法により作物に有益であることが分かる。例えば例えば“静脈”供給のような樹幹塗布や他の手順で本発明の肥料を連続に少量供給する事ができる。更なる情報はhttp://www.extension.umn.edu/distribution/horticulture/DG7410.html.に見いだせる。他例では樹幹注入システムは本発明に包含される。樹幹注入システムで肥料を植物の幹か又は主枝に注入する。樹幹注入システムは特にヤシの木及びその他の軟茎植物と同様にバナナ生産に有効である。樹幹注入システムの更なる情報はhttp://www.na.fs.fed.us/spfo/pus/misc/ded/ded.htmに見いだされる。
【0114】
本発明はカルシウムとリンの植物への供給法を含む。本法は水を肥料濃縮物と混合して即使用可能型肥料を形成し、この即使用可能型肥料を植物の葉に散布することからなる。典型的実施形態では肥料濃縮物は肥料濃縮物1kg当たり亜リン酸カルシウム約0.125kgの量かそれ以上の亜リン酸カルシウムを含有する。他の実施形態では肥料濃縮物は懸濁物である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は水性懸濁物か非水性懸濁物から選んだ一員である。
【0115】
本発明は即使用可能型肥料を葉面散布により植物成長を促進する方法を含む。本法は水を肥料濃縮物に添加して即使用可能型肥料を形成し、この即使用可能型肥料を植物の葉に散布することからなる。代表的実施形態では肥料濃縮物は肥料濃縮物1kg当たり亜リン酸カルシウム約0.125kgの量かそれ以上の亜リン酸カルシウムを含有する。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は懸濁物である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は水性懸濁物か非水性懸濁物から選んだ一員である。
【0116】
本発明はカルシウムとリンの種への供給法を含む。本法は水と肥料濃縮物を混合して、カルシウムとリン摂取で種が受け入れるpHを有する即使用可能型肥料を形成し、この即使用可能型肥料を種に散布することからなる。代表的実施形態では肥料濃縮物は肥料濃縮物1kg当たり亜リン酸カルシウム約0.125kgの量かそれ以上の亜リン酸カルシウムを含有する。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は懸濁物である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は水性懸濁物か非水性懸濁物から選んだ一員である。
【0117】
本発明は葉及び/又は果物及び/又は貯蔵器官の褐変防止法を含む。本法は葉及び/又は果物及び/又は貯蔵器官の褐変を防止するに十分な量の即使用可能型肥料を植物に散布することからなる。典型的実施形態では即使用可能型肥料は肥料濃縮物と希釈剤からなる。他の代表的実施形態では肥料濃縮物は肥料濃縮物1kg当たり亜リン酸カルシウム約0.125kgの量かそれ以上の亜リン酸カルシウムを含有する。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は懸濁物である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は水性懸濁物か非水性懸濁物から選んだ一員である。
【0118】
本発明は植物への亜リン酸塩供与での低速放除法を含む。本法は固体肥料濃縮物又は固体即使用可能型肥料を散布して植物に十分量の亜リン酸塩を供与することからなる。代表的実施形態では肥料濃縮物は肥料濃縮物1kg当たり亜リン酸カルシウム約0.125kgの量かそれ以上の亜リン酸カルシウムを含有する。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は懸濁物である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は水性懸濁物か非水性懸濁物から選んだ一員である。
【0119】
本発明は植物の貯蔵寿命の延長(即ち“強化すること”)法を含む。本法は作物収穫前の時期に即使用可能型肥料を植物に散布することを含む。作物収穫前の時期は12時間と7日の間である。典型的実施形態では即使用可能型肥料は肥料濃縮物と希釈剤からなる。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は肥料濃縮物1kg当たり亜リン酸カルシウム約0.125kgの量かそれ以上の亜リン酸カルシウムを含有する。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は懸濁物である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は水性懸濁物か非水性懸濁物から選んだ一員である。
【0120】
本発明は農作物収穫後条件の改善法を含む。本法は本発明の肥料を作物収穫後の時期に植物に散布することからなる。本散布は作物収穫直後の田畑或いは果物か野菜包装作業場のような種々の場所で行える。典型的実施例では本発明の肥料は肥料濃縮物を含有する。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は肥料濃縮物1kg当たり亜リン酸カルシウム約0.125kgの量かそれ以上の亜リン酸カルシウムを含有する。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は懸濁物である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は水性懸濁物か非水性懸濁物から選んだ一員である。
【0121】
本発明は植物組織の窒素量の減少法を含む。本法は作物収穫前の時期に本発明の肥料を植物に散布することからなる。作物収穫前の時期は12時間と50日の間である。他の典型的実施形態では作物収穫前の時期は12時間と10日の間である。典型的実施例では本発明の肥料は肥料濃縮物を含有する。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は肥料濃縮物1kg当たり亜リン酸カルシウム約0.125kgの量かそれ以上の亜リン酸カルシウムを含有する。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は懸濁物である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は水性懸濁物か非水性懸濁物から選んだ一員である。
【0122】
本発明は植物の根から吸収するカルシウム量の増加法を含む。本法は本発明の肥料を作物収穫前の時期に直接植物の根か又は植物を包囲する土壌に散布することからなる。典型的実施例では本発明の肥料は肥料濃縮物を含有する。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は肥料濃縮物1kg当たり亜リン酸カルシウム約0.125kgの量かそれ以上の亜リン酸カルシウムを含有する。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は懸濁物である。他の典型的実施形態では肥料濃縮物は水性懸濁物か非水性懸濁物から選んだ一員である。
【0123】
ここに記載の本発明をより十分理解するため、以下の実施例を示す。用いた全化学薬品の品質は分析用試薬であり、別に指定してなければおおよそ重量で100%純度である。全組成は別に指定してなければ、肥料重量に対する亜リン酸カルシウム重量で表している。これら実施例は説明目的のためだけであり、いかなる形でも本発明範囲を制限するとは考えないと理解すべきである。
実施例
【0124】
以下の実施例は制限なしで、請求した本発明の組成と方法を説明するために示す。各実地試験プロトコルでの即使用可能型肥料は水で希釈し、2%の肥料濃縮物からなる。実地試験プロトコルは栽培者の標準プロトコルに対して試験した。栽培者の標準プロトコルは実施例に記載の即使用可能型肥料の散布に欠ける。しかし実地試験プロトコルで用いた他の肥料及び条件の全てを栽培者の標準プロトコルにも適用した。全肥料は液体形式であり背負い型散布機で植物に散布した。
【0125】
レタスとセロリの実地試験では植物をカリフォルニア州サリナスの砂壌土で育てた。全植物はこの地方での標準的レタスとセロリの商業的栽培に従い散水し管理した。例えばピーマン用の温室試験をカリフォルニア州ヴィセーリアでサーモスタット制御温室で実施した。
実施例1
亜リン酸カルシウム肥料
【0126】
1リッター肥料濃縮物をNPK分析0−15−5、カルシウム7%及び硫黄1.5%に調合した。1リッターに(全量をkg/kgで示す)水0.5515、ホルムアルデヒドとナフタレンスルホン酸ナトリウム塩とのポリマー(CAS番号9084−06−4)0.02、ヒドロキシコハク酸0.05、2−ヒドロキシー1,2,3−プロパンカルボン酸0.03、ジメチルスルホン0.047、亜リン酸カルシウム0.21、水酸化カリウム0.07、キサンタンガム0.001、グリセリン0.01、1,2−ベンゾイソチアゾリンー3―オン又はプロキセル0.0005及び亜リン酸0.01を含有する一容器システムに詰めた。本肥料濃縮物を本出願の第三節で記載の方法で作成し、pHを6.0と9.0の間にした。
【0127】
この肥料濃縮物は溶液中に少量のカルシウムと他の塩を有する水性懸濁物であった。肥料濃縮物中の幾つかのイオン濃度を列挙した表を図1に示す。図1に記載のごとくカルシウムは溶液中に濃度247ppmだけ存在した。これは肥料濃縮物中の全カルシウム量の0.3%を表すにすぎない。濃縮物は99.7%が懸濁の形である。
実施例2
植物組織分析報告:タチチシャ
【0128】
種々の即使用可能型肥料のタチチシャ植物へのカルシウム供給能を試験した。植物組織試験法はジョーンズとケース(Jones and Case)編、土壌試験と植物分析(Soil Testing and Plant Analysis)、第三版,アメリカ土壌科学会(Soil Science Society of America)、389−427頁、1990年のような書籍に記載のように技術の熟知者には既知であり、文献としてここに取り入れている。これらのタチチシャ植物はデネルアグリカルチュウラル社(Denele Agricultural)(デネルアグリカルチュウラル、サウス通り1232番地、ターロック、カルフォルニア州、95380)(Denele Agricultural, 1232 South Ave., Turlock, CA 95380)により始まった調査でアメリカンファーム社(American Farms)により栽培された。タチチシャを8区画の土地に植えた。各区画の土地での生育条件は肥料濃縮物A−Hの一つを添加する以外は同一であった。
【0129】
各肥料濃縮物中A−Hのカルシウムのパーセントは以下の通りである。肥料濃縮物Aは炭酸カルシウム由来のCa5.0%、クエン酸及びグリシンを含有する。肥料濃縮物Bは実施例1に記載の肥料組成である。肥料濃縮物Cは炭酸カルシウム由来のCa2.0%、クエン酸及びグリシンを含有する。肥料濃縮物Dは硝酸カルシウムと硝酸カルシウムアンモニウム由来のCa10.0%を含有する。肥料濃縮物Eは硝酸と酢酸カルシウム由来のCa10.0%を含有する。肥料濃縮物Fはクエン酸カルシウムとしてのカルシウム5.0%を含有する。肥料濃縮物Gは塩化カルシウム由来のカルシウム12.1%を含有する。肥料濃縮物Hは酢酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、塩化カルシウム及び硝酸カルシウム由来のカルシウム9.5%を含有する。
【0130】
各区画からタチチシャ植物試料を肥料散布後4日目に収集した。タチチシャ植物は収集時にロゼット段階か株を落とす前であった。収集後タチチシャ植物組織をタチチシャ植物が摂取した種々の栄養素のパーセントを分析した。結果を図2に示す。図3にこの実地試験の窒素データのみを示したグラフを示す。
【0131】
図2に示すように本発明の肥料の肥料濃縮物Bで処理したタチチシャ植物組織が、試験植物組織中で最高のカルシウム量を含有した。カルシウム量は0.82%で、次いで高い値の肥料濃縮物Dの量より36%高い。
【0132】
図3に示すように本発明肥料の肥料濃縮物Bで処理したタチチシャ植物組織が、試験植物組織中で最低の窒素量を含有する。窒素量は4.84%で他処理より4−16%低い。
実施例3
植物組織分析報告:レタス
【0133】
即使用可能型肥料の葉レタス植物へのカルシウム供給能力を試験した。これらの葉レタス植物はデネルアグリカルチュウラル社(Denele Agricultural)(デネルアグリカルチュウラル、サウス通り1232番地、ターロック、カルフォルニア州、95380)(Denele Agricultural, 1232 South Ave., Turlock, CA 95380)によりサリナス低地で始まった調査でアメリカンファーム社(American Farms)により栽培された。レタスを8区画の土地に植えた。各区画の土地での生育条件は肥料濃縮物A−Hの一つの添加する以外は同一であった。各肥料A−H中のカルシウムのパーセントを実施例2に示す。
【0134】
各区画からレタス植物試料を肥料散布後4日目に収集した。レタス植物は収集時にロゼット段階か株を落とす前であった。収集後レタス植物組織をレタス植物が摂取した種々の栄養素のパーセントを分析した。その結果を図4に示す。カルシウムは試験栄養素の一つであり、肥料濃縮物Bを供与した植物がその組織に最高パーセントのカルシウムを有した。
【0135】
図4に示すように本発明の肥料の肥料濃縮物Bで処理したレタス植物組織が、試験植物組織中で最高のカルシウム量を含有した。カルシウム量は0.73%で、次いで高い値の肥料濃縮物Eの量より19%高い。
【0136】
図4に示すように本発明肥料の肥料濃縮物Bで処理したのレタス植物組織が、試験植物組織中の最低の窒素量を含有する。窒素量は5.28%で他処理より8―18%低い。
実施例4
植物組織分析報告:セロリ
【0137】
即使用可能型肥料のセロリ葉へのカルシウム供給能力を試験した。これらのセロリ植物はデネルアグリカルチュウラル社(Denele Agricultural)(デネルアグリカルチュウラル、サウス通り1232番地、ターロック、カルフォルニア州、95380)(Denele Agricultural, 1232 South Ave., Turlock, CA 95380)によりサリナス低地で始まった調査でアメリカンファーム社(American Farms)により栽培された。セロリを土地の2区画に植えた。各区画の土地での生育条件は肥料濃縮物BかCのいずれかを添加する以外は同一であった。肥料濃縮物BとC中のカルシウムのパーセントを実施例2に示す。
【0138】
各区画からセロリ葉植物試料を肥料散布後4日目に収集した。収集後セロリ葉組織でセロリ植物が摂取した種々栄養素のパーセントを分析した。その結果を図5に示す。カルシウムは試験栄養素の一つであり、肥料濃縮物Bを供与した植物は、肥料濃縮物Cを受けた植物より組織中のカルシウムに19%高く、リンは31%増加し硫黄は5%増加した。
実施例5
植物組織分析報告:ジャガイモ
【0139】
即使用可能型肥料のジャガイモ植物へのカルシウム供給能力を試験した。これらのジャガイモ植物はデネルアグリカルチュウラル社(Denele Agricultural)(デネルアグリカルチュウラル、サウス通り1232番地、ターロック、カルフォルニア州、95380)(Denele Agricultural, 1232 South Ave., Turlock, CA 95380)により始まった調査でサンタマリア(Santa Maria)でアメリカンファーム社(American Farms)により栽培された。ジャガイモを2区画の土地に植えた。各区画の土地での生育条件は肥料濃縮物BかCのいずれかを添加する以外は同一であった。肥料濃縮物BとC中のカルシウムのパーセントを実施例2に示す。
【0140】
各区画からジャガイモ植物試料を肥料散布後4日目に収集した。収集後ジャガイモ植物組織でジャガイモ植物が摂取した種々の栄養素のパーセントを分析した。その結果を図6に示す。カルシウムは試験栄養素の一つであり、肥料濃縮物Bを供与した植物の方が、肥料濃縮物Cを受けたこれら植物より組織中のカルシウムは30%高かった。
実施例6
収穫高:食用ブドウ
【0141】
本発明の肥料の食用ブドウ収率増加能力を試験した。調査をカルフォルニア州、ウッドレーク(Woodlake) のソウトゥースアグリカルチャ社(Sawtooth Agriculture Inc.)により行った。実施例1の1.5%肥料濃縮物からなる即使用可能型肥料をカルフォルニア州、カットラー(Cutler)現場で開花の一週間前に食用ブドウ(ルビー種なし種)に散布した。即使用可能型肥料を栽培者標準だけでなく葉面肥料(“PKS”)と比較した。PKSはNPK分析5−20−15を有し、カルシウム欠如以外は即使用可能型肥料と同一であった。
【0142】
栽培者標準とPKSに基づいて行った試験の間には食用ブドウ収率増加はなかった。しかし本発明の即使用可能型肥料では収穫可能高で統計的増加が得られた。これらの結果を図7に示す。収穫時に即使用可能型肥料を受けた区画ではPKSか栽培者標準より収穫可能なブドウ収率は17%高かった。
実施例7
収穫高:ピーマン
【0143】
本発明の肥料によるピーマンの植物性バイオマス収率増加能力を温室調査で試験した。植物性バイオマスは植物の新芽重量か地上部分の重量として測定した。即使用可能型肥料を開花開始時にピーマンの葉に散布した。6週間後ピーマンを収穫し植物性バイオマスを評価した。これらの結果を栽培者標準と比較して図8に示す。
【0144】
即使用可能型肥料は栽培者標準の比べ植物性バイオマスが10.2%増加した。
実施例8
亜リン酸カルシウム肥料
【0145】
1リッター肥料濃縮物をNPK分析0−15−5、カルシウム7%及び硫黄1.5%に調合した。1リッターに(全量をkg/kgで示す)水0.5515、ホルムアルデヒドとナフタレンスルホン酸ナトリウム塩とのポリマー(CAS番号9084−06−4)0.02、ヒドロキシコハク酸0.05、2−ヒドロキシー1,2,3−プロパンカルボン酸0.03、ジメチルスルホン0.047、亜リン酸カルシウム0.21、水酸化カリウム0.07、キサンタンガム0.001、グリセリン0.01、1,2−ベンゾイソチアゾリンー3―オン又はプロキセル0.0005及び亜リン酸0.01を含有する一容器システムに詰めた。本肥料濃縮物を本出願の第三節に記載の方法で作成し、pHを6.0と9.0の間にした。配合前に亜リン酸カルシウムを、理想的細かさで少なくとも50%の材料が約1−10ミクロンの間の粒径を有するよう粉砕して、約0.5と約25ミクロンの間の粒径に砕いた。
実施例9
亜リン酸カルシウム肥料
【0146】
1リッター肥料濃縮物をNPK分析0−15−5、カルシウム7%及び硫黄1.5%に調合した。1リッターに(全量をkg/kgで示す)水0.5515、ホルムアルデヒドとナフタレンスルホン酸ナトリウム塩とのポリマー(CAS番号9084−06−4)0.02、ヒドロキシコハク酸0.05、2−ヒドロキシー1,2,3−プロパンカルボン酸0.03、ジメチルスルホン0.047、亜リン酸カルシウム0.21、水酸化カリウム0.07、キサンタンガム0.001、グリセリン0.01、1,2−ベンゾイソチアゾリンー3―オン又はプロキセル0.0005及び亜リン酸0.01を含有する一容器システムに詰めた。本肥料濃縮物を本出願の第三節に記載の方法で作成し、pHを6.0と9.0の間にした。最終処方物が理想的細かさで少なくとも50%の材料で約1−10ミクロンの間の粒径を持つよう粉砕して、約0.5と約25ミクロンの間の粒径に砕いた。
実施例10
亜リン酸カルシウム肥料
【0147】
1リッター肥料濃縮物をNPK分析0−15−5、カルシウム7%及び硫黄1.5%に調合した。1リッターに(全量をkg/kgで示す)水0.5515、ホルムアルデヒドとナフタレンスルホン酸ナトリウム塩とのポリマー(CAS番号9084−06−4)0.02、ヒドロキシコハク酸0.05、2−ヒドロキシー1,2,3−プロパンカルボン酸0.03、ジメチルスルホン0.047、亜リン酸カルシウム0.21、水酸化カリウム0.07、キサンタンガム0.001、グリセリン0.01、1,2−ベンゾイソチアゾリンー3―オン又はプロキセル0.0005及び亜リン酸0.01を含有する一容器システムに詰めた。本肥料濃縮物を本出願の第三節に記載の方法で作成し、pHを6.0と9.0の間にした。最終製品は粘度約500と約4000センチポイズの処方した。
実施例11
亜リン酸カルシウム肥料
【0148】
1リッター肥料濃縮物をNPK分析0−15−5、カルシウム7%及び硫黄1.5%に調合した。1リッターに(全量をはkg/kgで示す)水0.5515、ホルムアルデヒドとナフタレンスルホン酸ナトリウム塩とのポリマー(CAS番号9084−06−4)0.02、ヒドロキシコハク酸0.05、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパンカルボン酸0.03、ジメチルスルホン0.047、亜リン酸カルシウム0.21、水酸化カリウム0.07、キサンタンガム0.001、グリセリン0.01、1,2−ベンゾイソチアゾリンー3―オン又はプロキセル0.0005及び亜リン酸0.01を含有する一容器システムに詰めた。本肥料濃縮物を本出願の第三節に記載の方法で作成し、pHを6.0と9.0の間にした。最終製品は粘度約2000センチポイズの処方した。
実施例12
亜リン酸カルシウム肥料
【0149】
1リッター肥料濃縮物をNPK分析0−15−5、カルシウム7%及び硫黄1.5%に調合した。1リッターに(全量をkg/kgで示す)水0.5515、ホルムアルデヒドとナフタレンスルホン酸ナトリウム塩とのポリマー(CAS番号9084−06−4)0.02、ヒドロキシコハク酸0.05、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパンカルボン酸0.03、ジメチルスルホン0.047、亜リン酸カルシウム0.21、リン酸エステル界面活性剤0.008、水酸化カリウム0.07、キサンタンガム0.001、グリセリン0.01、1,2−ベンゾイソチアゾリンー3―オン又はプロキセル0.0005及び亜リン酸0.01を含有する一容器システムに詰めた。本肥料濃縮物を本出願の第三節に記載の方法で作成し、pHを6.0と9.0の間にした。
実施例13
亜リン酸カルシウム肥料
【0150】
1リッター肥料濃縮物をNPK分析0−15−5、カルシウム7%及び硫黄1.5%に調合した。1リッターに(全量をkg/kgで示す)水0.5515、ホルムアルデヒドとナフタレンスルホン酸ナトリウム塩とのポリマー(CAS番号9084−06−4)0.02、ヒドロキシコハク酸0.05、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパンカルボン酸0.03、ジメチルスルホン0.047、亜リン酸カルシウム0.21、リン酸エステル界面活性剤0.1、水酸化カリウム0.07、キサンタンガム0.001、グリセリン0.01、1,2−ベンゾイソチアゾリンー3―オン又はプロキセル0.0005及び亜リン酸0.01を含有する一容器システムに詰めた。本肥料濃縮物を本出願の第三節に記載の方法で作成し、pHを6.0と9.0の間にした。
実施例14
亜リン酸カルシウム肥料
【0151】
1リッター肥料濃縮物をNPK分析0−15−5、カルシウム7%及び硫黄1.5%に調合した。1リッターに(全量をはkg/kgで示す)水0.5515、ホルムアルデヒドとナフタレンスルホン酸ナトリウム塩とのポリマー(CAS番号9084−06−4)0.02、ヒドロキシコハク酸0.05、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパンカルボン酸0.03、ジメチルスルホン0.047、亜リン酸カルシウム0.21、リン酸エステル界面活性剤0.05、水酸化カリウム0.07、キサンタンガム0.001、グリセリン0.01、1,2−ベンゾイソチアゾリンー3―オン又はプロキセル0.0005及び亜リン酸0.01を含有する一容器システムに詰めた。本肥料濃縮物を本出願の第三節に記載の方法で作成し、pHを6.0と9.0の間にした。
【0152】
ここに記載の実施例と実施形態は説明目的のためだけであり、技術の熟知者にはそれらに照らした種々の修正と変更が示唆され、且つ本出願の精神と視野と添付請求項の範囲内であると理解される。ここに述べた出版物、特許及び特許出願書の全ては全目的のため文献として全てを含む。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】溶液中の肥料濃縮物イオン濃度の一覧表である。
【図2】肥料濃縮物A−Hの一つを含む即使用可能型肥料散布後、タチチシャ植物組織中の栄養素と元素のパーセントの一覧表である。
【図3】肥料濃縮物A−Hの一つを含む即使用可能型肥料散布後、タチチシャ植物組織中の窒素のパーセントを掲載した図である。本発明の即使用可能型肥料は肥料濃縮物Bを含有する。
【図4】肥料濃縮物A−Hの一つを含む即使用可能型肥料散布後、レタス植物組織中の栄養素と元素のパーセントの一覧表である。本発明の即使用可能型肥料は肥料濃縮物Bを含有する。
【図5】肥料濃縮物A−Hの一つを含む即使用可能型肥料散布後、セロリ葉植物組織中の栄養素と元素のパーセントの一覧表である。本発明の即使用可能型肥料は肥料濃縮物Bを含有する。
【図6】肥料濃縮物A−Hの一つを含む即使用可能型肥料散布後、ジャガイモ植物組織中の栄養素と元素のパーセントの一覧表である。本発明の即使用可能型肥料は肥料濃縮物Bを含有する。
【図7】栽培者標準、PKS及び本発明の即使用可能型肥料を用いて得られる1エーカー当たりの食用ブドウ収穫箱数を掲載した図である。収穫箱は15ポンドの果物が入る。
【図8】栽培者標準(“対照‘)と本発明の即使用可能な肥料を用いて得られるピーマンのグラム単位での平均植物性バイオマス収量を掲載した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜リン酸カルシウム懸濁物からなる肥料濃縮物で、この亜リン酸カルシウムが肥料濃縮物1kg当たり亜リン酸カルシウム約0.125kgの量か又はそれ以上であり、この懸濁物が水性懸濁物と非水性懸濁物から選んだ一員である肥料濃縮物。
【請求項2】
更に有機酸を含む請求項1による肥料濃縮物。
【請求項3】
この有機酸がモノカルボン酸、ジカルボンン酸及びトリカルボン酸から選んだ一員である請求項2による肥料濃縮物。
【請求項4】
この有機酸がクエン酸である請求項3による肥料濃縮物。
【請求項5】
この有機酸がリンゴ酸である請求項3による肥料濃縮物。
【請求項6】
この有機酸が約0.005kg/kgから約0.2kg/kgの量存在する請求項2による肥料濃縮物。
【請求項7】
このコハク酸が約0.005kg/kgから約0.2kg/kgの量である請求項4による肥料濃縮物。
【請求項8】
このリンゴ酸が約0.005kg/kgから約0.2kg/kgの量である請求項5による肥料濃縮物。
【請求項9】
更に硫黄化合物を含む請求項1による肥料濃縮物。
【請求項10】
この硫黄化合物がスルホン、硫酸塩、硫化物及び亜硫酸塩から選んだ一員である請求項9による肥料濃縮物。
【請求項11】
この硫黄化合物がスルホンであり且つこのスルホンかジメチルスルホンである請求項10による肥料濃縮物。
【請求項12】
この硫黄化合物が約0.01kg/kgから約0.2kg/kgの量存在する請求項9による肥料濃縮物。
【請求項13】
更に増粘剤を含む請求項1による肥料濃縮物。
【請求項14】
この増粘剤がキサンタンガムである請求項13による肥料濃縮物。
【請求項15】
この増粘剤が約0.001kg/kgから約0.05kg/kgの量存在する請求項13による肥料濃縮物。
【請求項16】
更に保湿剤を含む請求項1による肥料濃縮物。
【請求項17】
この保湿剤が多価アルコールである請求項16による肥料濃縮物。
【請求項18】
この保湿剤が約0.001kg/kgから約0.2kg/kgの量存在する請求項16による肥料濃縮物。
【請求項19】
更に抗菌剤を含む請求項1による肥料濃縮物。
【請求項20】
この抗菌剤が1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンである請求項19による肥料濃縮物。
【請求項21】
この抗菌剤が約0.0005kg/kgから約0.05kg/kgの量存在する請求項19による肥料濃縮物。
【請求項22】
ナフタレン縮合物を含む請求項1による肥料濃縮物。
【請求項23】
このナフタレン縮合物が共重合体である請求項22による肥料濃縮物。
【請求項24】
この共重合体がホルムアルデヒドとナフタレン含有化合物からなり、このナフタレン含有化合物がナフタレンスルホン酸とその塩から選んだ一員である請求項23による肥料濃縮物。
【請求項25】
このナフタレン縮合物が約0.0005kg/kgから約0.05kg/kgの量存在する請求項22による肥料濃縮物。
【請求項26】
更に殺虫剤を含む請求項1による肥料濃縮物。
【請求項27】
この殺虫剤がマンコゼブである請求項26による肥料濃縮物。
【請求項28】
この殺虫剤が約0.01kg/kgから約0.6kg/kgの量存在する請求項26による肥料濃縮物。
【請求項29】
更に植物成長調整剤を含む請求項1による肥料濃縮物。
【請求項30】
この植物成長調整剤がジベレリン酸である請求項29による肥料濃縮物。
【請求項31】
この植物成長調整剤が約0.0005kg/kgから約0.1kg/kgの量存在する請求項29による肥料濃縮物。
【請求項32】
更に除草剤を含む請求項1による肥料濃縮物。
【請求項33】
この除草剤がスルホニル尿素である請求項32による肥料濃縮物。
【請求項34】
この除草剤が約0.01kg/kgから約0.6kg/kgの量存在する請求項32による肥料濃縮物。
【請求項35】
更にホウ素化合物を含む請求項1による肥料濃縮物。
【請求項36】
このホウ素化合物がホウ酸とホウ酸塩から選んだ一員である請求項35による肥料濃縮物。
【請求項37】
このホウ素化合物が約0.001kg/kgから約0.05kg/kgの量存在する請求項35による肥料濃縮物。
【請求項38】
更にリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリ亜リン酸、ポリ次亜リン酸及びそれらの組み合わせから選んだ位チンであるリン含有酸を含む請求項1による肥料濃縮物。
【請求項39】
このリン含有酸が亜リン酸である請求項38による肥料濃縮物。
【請求項40】
このリン含有酸が約0.01kg/kgから約0.5kg/kgの量存在する請求項38による肥料濃縮物。
【請求項41】
更に無機塩基を含む請求項1による肥料濃縮物。
【請求項42】
この無機塩基が水酸化カリウム、水酸化カルシウム、苛性ソーダ、水酸化アンモニウム及びこれらの各酸化物から選んだ一員である請求項41による肥料濃縮物。
【請求項43】
この無機塩基が約0.01kg/kgから約0.5kg/kgの量存在する請求項41による肥料濃縮物。
【請求項44】
更に植物栄養素を含み、その植物栄養素が窒素、カリウム、マグネシウム、鉄、マンガン、モリブデン、亜鉛及び銅から選んだ一員である請求項1による肥料濃縮物。
【請求項45】
この肥料がその二相分離を防止するpHを有する請求項1による肥料濃縮物。
【請求項46】
この肥料がpH約5.0と約9.5の間である請求項1による肥料濃縮物。
【請求項47】
この肥料がpH約8.0を有する請求項46による肥料濃縮物。
【請求項48】
請求項1の肥料濃縮物と希釈剤からなる即使用可能型肥料。
【請求項49】
この希釈剤が液体である請求項48による即使用可能型肥料。
【請求項50】
肥料濃縮物対希釈剤の比が約1:10から約1:10000である請求項48による即使用可能型肥料。
【請求項51】
複数の緩衝化カルシウム及びリン含有の肥料濃縮物で、
(i)第一緩衝系が亜リン酸と亜リン酸塩からなり、
(ii)第二緩衝系が有機酸と有機酸塩からなり、その有機酸が約0.02kg/kgかそれ以上の量存在する肥料濃縮物。
【請求項52】
二つの緩衝系を有する請求項51による肥料濃縮物。
【請求項53】
この肥料濃縮物を水で希釈した場合、カルシウムとリンの摂取で葉が受容可能なpHを持つ即使用可能型肥料を形成する請求項51による肥料濃縮物。
【請求項54】
植物へのカルシウムとリンの供給法で、その方法が
水と請求項1の肥料濃縮物とを混合して即使用可能型肥料を形成し、
この即使用可能型肥料を植物の葉の散布する方法。
【請求項55】
即使用可能型肥料の葉面散布による植物の成長促進法で、その方法が
水を請求項1の肥料濃縮物を加えて即使用可能型肥料を形成し、
この即使用可能型肥料を植物の葉の散布する方法。
【請求項56】
種へのカルシウムとリンの供給法で、その方法が
(a)水と請求項1の肥料濃縮物とを混合し、カルシウムとリンの摂取で種が受容可能なpHを持つ即使用可能型肥料を形成し、
(b)この即使用可能型肥料を植物の種に散布する方法。
【請求項57】
葉及び/又は果実及び/又は貯蔵器官の褐変化の防止法で、その方法が
即使用可能型肥料を葉及び/又は果実及び/又は貯蔵器官の褐変化を防止するのに十分な量植物に散布する方法。
【請求項58】
植物への亜リン酸塩供給での遅延放除法で、その方法が
十分な量の固体肥料濃縮物又は固体即使用可能型肥料を散布し亜リン酸塩を植物に供給する方法。
【請求項59】
植物の保存寿命の延長法で、その方法が
作物収穫以前の時期にこの植物に即使用可能型肥料を散布し、その作物収穫以前の時期が12時間と7日の間から選んだ一員からなる方法。
【請求項60】
植物組織中の窒素量の減少法で、その方法が
(a) 即使用可能型肥料を作物収穫以前の時期にこの植物に散布し、その作物収穫以前の時期が12時間と50日の間から選んだ一員からなる方法。
【請求項61】
植物の根から吸収するカルシウム量の増加法で、この方法が
即使用可能型肥料を植物周囲の土壌から選ぶ一員と作物収穫以前の時期に植物の根に直接散布することからなる方法。
【請求項62】
亜リン酸カルシウムが粒径を有し、その配合以前の粒径が約0.5ミクロンから約25ミクロンの間で選んだ一員である請求項1による肥料濃縮物。
【請求項63】
亜リン酸カルシウムが粒径を有し、最終製品でのその亜リン酸カルシウム粒径が約0.5ミクロから0.25ミクロンの間で選んだ一員である請求項1による肥料濃縮物。
【請求項64】
肥料濃縮物が粘度を有し、その粘度が約500センチポイズから約5000センチポイズの間で選ぶ一員である請求項1による肥料濃縮物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−176390(P2006−176390A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−297695(P2005−297695)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【出願人】(505381840)ビアグロ ウエスタン セールス,インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Biagro Western Sales,Inc.
【Fターム(参考)】