説明

高度に生産する酵母からのスクアレンの生産

【課題】スクアレンを高度に生産(hyper−produce)する酵母からスクアレンを調製するための方法の提供。
【解決手段】精製酵母を調製するための方法が開示され、ここでスクアレン供給源は、スクアレンを高度に生産する酵母である。上記スクアレンは、薬学的目的に有用である。例えば、上記スクアレンは、水中油型エマルジョンを調製するために使用され得、上記エマルジョンは、免疫学的アジュバントとして使用するのに特に適している。本発明は、純粋なスクアレンを調製するためのプロセスを提供し、上記プロセスは、(a)培養の間に高収量でスクアレンを生産する酵母を増殖させる工程;および(b)上記工程(a)において増殖させた酵母からスクアレンを精製する工程を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、米国仮出願第61/190,486号の利益を主張し、上記米国仮出願の全容は参照によって本明細書に援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、スクアレンを、例えば、水中油型エマルジョンにおける使用のために、製造する分野にある。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)
サメ肝油は、スクアレン(2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22−テトラコサヘキサエン)といわれる分枝状の不飽和テルペノイドを含む。スクアレンは、ヒトワクチンでは、水中油型エマルジョンにおける使用が公知であり、例えば、MF59エマルジョンは、インフルエンザワクチンを補助するために使用される。スクアレンはまた、他の薬学的製品(例えば、軟膏剤、坐剤)および化粧品において使用されている。
【0004】
スクアレンの現在の供給源は、主に魚油、そして特に、サメ肝油である。特に、厳格な製造基準(例えば、NovartisによるMF59の生産の間に使用されるもの)が遵守されていない場合には、サメ肝油から抽出されたスクアレンの使用と関連する問題が存在し得る。例えば、サメは、ヒトに対しても感染性であるかまたはヒトにとって有害である物質を生産する病原体に感染している可能性があり、そしてTSEもしくはTSE様サメ因子が、存在し得る[例えば、参考文献1−3(非特許文献1〜3)]。さらに、サメは、ヒトに対する毒素(例えば、カーチャトキシン(carchatoxin))を含み得る。従って、安価で低グレードのスクアレン供給源は、ヒトの薬学的使用には適していない。ヒトレシピエントへの危害のリスクは、上記スクアレンが、免疫学的アジュバントの一部である状況において高まり得る。なぜなら、当然のことながら、アジュバントは、不純物に対して強力な不要の免疫応答を誘導し得るからである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】BorucinskaおよびFrasca、J Fish Diseases、2002年、25:287〜98
【非特許文献2】Bertoneら、J Fish Diseases、1996年、19:429〜34
【非特許文献3】Brionesら、J Vet Med B、1998年、45:443〜5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、サメ由来スクアレンの安価な低グレード供給源を使うのではなく、スクアレンの薬学的使用(例えば、MF59の製造において使用される場合)は、より高いグレードの材料を利用するが、これら高品質スクアレンは高価であり、利用が制限される。このような高価な供給源は、例えば、発展途上国における使用には、有用ではない。
【0007】
非常に高価であることなしに、これら高い薬学的標準を満たすスクアレン供給源を見いだすことは、有用である。従って、実現性のある代替のスクアレン供給源は、特に、上記スクアレンがヒトにおける非経口的使用について、および/もしくは免疫学的アジュバントにおける使用について意図される場合に、望ましい。薬学的グレードのスクアレンのより安価な供給源は、容易にサメを入手できないか、もしくは例えば、Novartisによって現在使用されている高価な薬学グレードの物質を容易に有することができないかのいずれかである発展途上国において特に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の開示)
本発明は、スクアレンを高度に生産(hyper−produce)する酵母からスクアレンを調製するための方法に関する。酵母は、(一般に安全とみなされる)GRAS生物であるので、薬学的使用のための有用なスクアレン供給源である。さらに、上記スクアレンは、病原体、プリオンおよび環境毒素による汚染なしに調製され得る(例えば、酵母は、もともと(a priori)水銀を含まない)。ワクチン分野において、酵母は、既に使用されている(例えば、B型肝炎ウイルス表面抗原の組換え発現のために)ので、いかなる特定の規制的懸念も存在しない(すなわち、酵母由来スクアレンは、免疫学的アジュバントの調製における使用に特に適している)。最後に、酵母培養技術は、広く行き渡っておりかつ容易に技術移転しやすい。
【0009】
従って、本発明は、純粋なスクアレンを調製するためのプロセスを提供し、上記プロセスは、(a)培養の間に高収量でスクアレンを生産する酵母を増殖させる工程;および(b)上記工程(a)において増殖させた酵母からスクアレンを精製する工程を包含する。上記精製されたスクアレンは、医薬、食品、食品添加物、化粧品などの調製における成分として使用され得る。
【0010】
本発明はまた、スクアレン含有産物を調製するためのプロセスを提供し、上記プロセスは、(a)培養の間に高収量でスクアレンを生産する酵母から精製されたスクアレンを得る工程;および(b)上記工程(a)のスクアレンと、非スクアレン成分とを合わせて、上記スクアレン含有産物を形成する工程を包含する。
【0011】
本発明はまた、精製スクアレンの製造のために、培養の間に高収量でスクアレンを生産する酵母の使用を提供する。
【0012】
本発明はまた、精製スクアレンを調製するためのプロセスを提供し、上記プロセスは、(a)酵母培養物を、上記酵母が高収量でスクアレンを生産する条件下で増殖させる工程;(b)スクアレンが≧97重量%純粋であるように、上記スクアレンを上記培養酵母から精製する工程、を包含する。
【0013】
本発明はまた、水中油型エマルジョンを調製するためのプロセスを提供し、上記プロセスは、(a)培養の間に高収量でスクアレンを生産する酵母からスクアレンを精製する工程;および(b)上記工程(a)において精製したスクアレンと、水性成分とを合わせて、上記水中油型エマルジョンを形成する工程、を包含する。
【0014】
従って、本発明は、水中油型エマルジョンを調製するためのプロセスを提供し、上記プロセスは、(a)培養の間に高収量でスクアレンを生産する酵母から精製されたスクアレンを得る工程;および(b)上記工程(a)のスクアレンと、水性成分とを合わせて、上記水中油型エマルジョンを形成する工程、を包含する。
【0015】
本発明はまた、免疫原性組成物(例えば、ワクチン)を調製するためのプロセスを提供し、上記プロセスは、上記のように、水中油型エマルジョンを調製する工程、および上記エマルジョンと、免疫原とを混合する工程、を包含する。
【0016】
本発明はまた、このようにして免疫原性組成物を調製するためのキットを調製するためのプロセスを提供し、上記プロセスは、上記のように水中油型エマルジョンを調製する工程、上記エマルジョンを第1の容器にパッケージする工程、および上記キット形態の上記第1の容器と、第2の容器とを組み合わせる工程であって、ここで上記第2の容器は、免疫原を含む、工程を包含する。上記免疫原は、乾燥形態もしくは水性形態にあり得る。
【0017】
本発明はまた、動物における(例えば、哺乳動物における)免疫応答を惹起するためのプロセスを提供し、上記プロセスは、上記方法において調製された免疫原性組成物を、上記動物に投与する工程を包含する。
【0018】
本発明はまた、哺乳動物における免疫応答を惹起するための医薬の製造において使用するためのスクアレンを提供し、ここで上記スクアレンは、(i)培養の間に高収量でスクアレンを生産する酵母から精製され、(ii)水性成分と合わされて、上記医薬に含めるために、水中油型エマルジョンを形成する。
【0019】
本発明は、水中油型エマルジョンを調製するためのプロセスを提供し、上記プロセスは、(a)酵母培養物を、上記酵母が高収量でスクアレンを生産する条件下で増殖させる工程;(b)上記培養酵母からスクアレンを精製する工程;および(c)工程(b)において精製したスクアレンと、水性成分とを合わせて、上記水中油型エマルジョンを形成する工程を包含する。
【0020】
本発明はまた、スクアレンを使用するプロセスにおいて、培養の間に高収量でスクアレンを生産する酵母から精製されたスクアレンを使用することからなる改善を提供する。
本発明の好ましい実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
スクアレン含有産物を調製するためのプロセスであって、該プロセスは、(a)培養の間に高収量でスクアレンを生産する酵母から精製したスクアレンを得る工程;および(b)該工程(a)のスクアレンと、非スクアレン成分とを合わせて、該スクアレン含有産物を形成する工程を包含する、プロセス。
(項目2)
水中油型エマルジョンを調製するためのプロセスであって、該プロセスは、(a)培養の間に高収量でスクアレンを生産する酵母からスクアレンを精製する工程;および(b)該工程(a)において精製したスクアレンと、水性成分とを合わせて、該水中油型エマルジョンを形成する工程を包含する、プロセス。
(項目3)
水中油型エマルジョンを調製するためのプロセスであって、該プロセスは、(a)培養の間に高収量でスクアレンを生産する酵母から精製したスクアレンを得る工程;および(b)該工程(a)の精製したスクアレンと、水性成分とを合わせて、該水中油型エマルジョンを形成する工程を包含する、プロセス。
(項目4)
前記酵母が、≧5%の細胞乾燥重量のスクアレンを生産する、前述の項目のいずれかに記載のプロセス。
(項目5)
前記酵母が、S.cerevisiaeなどのSaccharomycesである、前述の項目のいずれかに記載のプロセス。
(項目6)
前記酵母が、サイトゾル位置を有する短縮型のHMGR酵素を発現する、前述の項目のいずれかに記載のプロセス。
(項目7)
前記酵母が、修飾されていない親株と比較して、HMGRを高度に発現する修飾された株である、前述の項目のいずれかに記載のプロセス。
(項目8)
前記酵母が、修飾されていない親株と比較して、ザイモステロール−24−メチルトランスフェラーゼおよび/もしくはエルゴスタ−5,7,24(28)−トリエノール−22−デヒドロゲナーゼを過小発現する修飾された株である、前述の項目のいずれかに記載のプロセス。
(項目9)
前記酵母が、変異型オキシドスクアレンシクラーゼを発現する、前述の項目のいずれかに記載のプロセス。
(項目10)
前記酵母が、妨害されたスクアレンエポキシダーゼを有する、前述の項目のいずれかに記載のプロセス。
(項目11)
前記酵母が、培養の間にスクアレン収量を増大させる因子の存在下で増殖させられる、前述の項目のいずれかに記載のプロセス。
(項目12)
前記因子が、アリルアミン、ボリコナゾール、6−アミノ−2−n−ペンチルチオベンゾチアゾール、チアミン、もしくはチオカルバメートである、項目11に記載のプロセス。(項目13)
前記酵母が、スクアレン精製の前に、部分的嫌気条件下もしくは完全嫌気条件下で増殖させられる、前述の項目のいずれかに記載のプロセス。
(項目14)
前記酵母が、動物由来産物を含まない制御された培地中で増殖させられる、前述の項目のいずれかに記載のプロセス。
(項目15)
前記スクアレンが、(重量で)97%超純粋である、前述の項目のいずれかに記載のプロセス。
(項目16)
前記水中油型エマルジョンが、サブミクロン直径を有する油滴を有する、項目2〜15のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目17)
前記水中油型エマルジョンが、マイクロフルイダイズされたエマルジョンである、項目2〜16のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目18)
前記水中油型エマルジョンが、スクアレンおよびポリソルベート80を含む、項目2〜17のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目19)
免疫原性組成物を調製するためのプロセスであって、該プロセスは、項目3〜19のいずれか1項に記載のプロセスによって水中油型エマルジョンを調製する工程、および該エマルジョンと免疫原とを混合する工程を包含する、プロセス。
(項目20)
免疫原性組成物を調製するためのキットを調製するためのプロセスであって、該プロセスは、項目3〜19のいずれか1項に記載のプロセスによって、水中油型エマルジョンを調製する工程、該エマルジョンを第1の容器にパッケージする工程、およびキット形態中の該第1の容器と、第2の容器とを組み合わせる工程であって、ここで該第2の容器は免疫原を含む、工程を包含する、プロセス。
(項目21)
哺乳動物における免疫応答を惹起するためのプロセスであって、該プロセスは、該哺乳動物に、項目19に記載のプロセスによって、もしくは項目20のキットを使用することによって調製された免疫原性組成物を投与する工程を包含する、プロセス。
(項目22)
精製スクアレンを調製するためのプロセスであって、該プロセスは、(a)酵母培養物を、該酵母が高収量でスクアレンを生産する条件下で増殖させる工程、(b)スクアレンが≧97重量%純粋であるように、該培養された酵母から該スクアレンを精製する工程、を包含する、プロセス。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(酵母におけるスクアレン生産)
本発明は、酵母から精製されたスクアレンを使用する。上記酵母は、高いスクアレン収量について選択された天然に存在する株もしくは変異株であり得るが、上記酵母は、一般に、スクアレンを高収量で生産するように操作された、遺伝的に操作された株である。別の可能性は、増大したスクアレン収量を生じる因子の存在下で、天然酵母株、変異酵母株もしくは操作された酵母株を培養することである。
【0022】
スクアレンの収量は、特定の酵母における細胞乾燥重量(cdw)の%として表され得る。通常の酵母である野生型Yarrowia lipolytica株は、代表的には、約0.5% cdwでスクアレンを生産し得るのに対して、通常のSaccharomyces uvanim醸造用酵母は、約1.4% cdwでスクアレンを生産し得る[4]。「高収量」でスクアレンを生産する酵母は、少なくとも2% cdwがスクアレンである(例えば、≧3%、≧4%、≧5%、≧6%、≧7%、≧8%、≧9%、≧10%、≧11%、≧12%、≧13%、≧14%、≧15%以上のcdw)ものである。
【0023】
スクアレン収量はまた、特定の酵母における総脂質のうちの%として表され得る。通常のS.uvarum醸造用酵母は、総脂質のうちの33%でスクアレンを生産する[4]。「高収量」でスクアレンを生産する酵母は、総脂質のうちの≧40%(例えば、≧50%、≧60%など)でスクアレンを生産し得る。
【0024】
上記スクアレンは、有利なことには、そのトランス配置(天然のアイソフォーム)が少なくとも95%(例えば、≧96%、≧97%、≧98%、≧99%、もしくは100%)である。
【0025】
高収量のスクアレンを有する天然に存在する変異酵母株は、当該分野で公知である(例えば、参考文献5に記載されるTorulasopra delbrueckii株)。変異体は、変異(ランダム変異誘発もしくは指向性変異誘発のいずれか)(例えば、参考文献6および7に記載されるもの)を誘導し、続いて、変異誘発した細胞を、適切に高いスクアレン収量を有するものについてスクリーニングする、周知の方法によって得られ得る。参考文献8は、適切な温度で増殖させた場合にスクアレン蓄積を生じる、4−α−カルボキシステロール−C3−デヒドロゲナーゼ(ERG26)の温度感受性変異を有する変異酵母株を記載する。
【0026】
しかし、通常、本発明は、遺伝的に操作した酵母を使用する。種々の方法は、出発株のスクアレン収量を増大させるために使用され得る。ステロール代謝は、例えば、スクアレン同化作用を増大させることによって、および/もしくはスクアレン異化作用(その分解および/もしくはその天然の、エルゴステロールへの変換が挙げられる)を低下させることによって、スクアレン収量を増大させるように操作され得る。スクアレン生合成に関与する遺伝子としては、メバロネートキナーゼ、ホスホメバロネートキナーゼ、ピロホスホメバロネートデカルボキシラーゼ、イソペンテニルピロホスフェートイソメラーゼ、HMGR(3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ)、およびスクアレンシンターゼが挙げられる。スクアレンをエルゴステロールへ変換するのに関与する遺伝子としては、スクアレンエポキシダーゼ(ERGl)、ラノステロールシンターゼ、C14−ジメチラーゼ、dl4−レダクターゼ、C4−メチルオキシダーゼ、C4−デカルボキシラーゼ(ERG26)、3−ケトレダクターゼ、C24−メチルトランスフェラーゼ、C8−イソメラーゼ、C5−デサチュラーゼ、d22−デサチュラーゼおよびd24−レダクターゼが挙げられる。他の異化酵素としては、LEU2(β−イソプロピルマレートデヒドロゲナーゼ)、オキシドスクアレンシクラーゼ、ザイモステロール−24−メチルトランスフェラーゼおよびエルゴスタ−5,7,24(28)−トリエノール−22−デヒドロゲナーゼが挙げられる。このような操作は、例えば、参考文献9において開示されている。
【0027】
上記関連酵素についての活性レベルは、任意の適切な様式において、通常は、遺伝的操作によって、増大させられ得るかもしくは低下させられ得る。酵母は、標準的な方法(参考文献7および10に記載されているものが挙げられる)によって遺伝的に操作され得る。遺伝子は、種々の方法において(例えば、プラスミド中、もしくは染色体組み込みによって)酵母の中へ導入され得る。遺伝子ノックアウト技術もまた、酵母については十分に確立されている。
【0028】
酵素活性を増大させる方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ある株中に既に存在する酵素のコピー数を、例えば、1種以上のさらなる遺伝子を、通常はプラスミド上に付加することによって、増大させること;例えば、より強力なプロモーターとともに提供することによって、既に存在する酵素の発現レベルを増大させること(高度発現);異種酵素(すなわち、ある株にこれまで存在していないもの)を付加すること;阻害因子もしくは抑制因子の発現を低下もしくは防止すること;ある株に既に存在する酵素の配列を修飾すること(例えば、安定性を高めるため、阻害をもたらすアミノ酸残基を除去するため、タンパク質輸送もしくは細胞位置を変化させるため)など。例えば、酵素の配列の短縮が、膜タンパク質から、サイトゾルタンパク質へとその酵素を変化させ、その結果、このことがスクアレン蓄積を引き起こし得ることは、公知である。
【0029】
酵素活性を低下させる方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ある株に既に存在する酵素の欠失;例えば、より弱いプロモーターとともに提供することによって、既に存在する酵素の発現レベルを低下させること;阻害因子もしくは抑制因子の発現を増大させること;ある株に既に存在する酵素の配列を修飾すること(例えば、安定性を低下させるため、酵素活性を媒介するアミノ酸残基を修飾するため、機能的ドメインを欠失させるため、タンパク質輸送もしくは細胞位置を変化させるため)など。
【0030】
過小発現(under−expression)もしくは過剰発現のレベル、および増大した活性もしくは低下した活性のレベルは、関連する修飾を欠いている対応する野生型株と比較して表される。
【0031】
酵母における適切な遺伝的操作には既にいくつかの報告がある。例えば、参考文献11は、HMGRの高度発現と、ザイモステロール−24−メチルトランスフェラーゼおよび/もしくはエルゴスタ−5,7,24(28)−トリエノール−22−デヒドロゲナーゼの低下した発現とに起因して、増大したスクアレン蓄積を有する酵母を開示している。参考文献12は、その膜結合領域を欠き、従って、サイトゾル酵素を提供し、スクアレン蓄積を示す、短縮型HMGR(HMGlアイソザイム)を発現する酵母を開示している。スクアレンエポキシダーゼの妨害は、スクアレンの蓄積を引き起こす[13]。参考文献14は、アセチル−CoAカルボキシラーゼを阻害し、HMGRを高度に発現させるために、Yarrowia lipolyticaを修飾して、その結果、上記株が、安価な炭素源(例えば、チーズホエイもしくはサトウキビ)を使用して、2% cdwでスクアレンを生産したことを開示している。オキシドスクアレンシクラーゼ(ERG7)の変異はまた、スクアレン蓄積を引き起こし得る[8]。コレステロールの添加なしでは3−ケトステロール上で増殖できないエルゴステロール栄養要求株は、スクアレンを蓄積することが分かった[15]。ヘム合成が損なわれた酵母株は、スクアレンを蓄積し得る[16]。
【0032】
これらアプローチの組み合わせが使用され得る(例えば、スクアレンエポキシダーゼのノックアウトと組み合わせた、サイトゾルの短縮型HMGRの発現)。
【0033】
短縮型HMGRを発現するS.cerevisiae株(例えば、参考文献12に記載されているもの)は、好ましい。理想的には、構成性プロモーター(例えば、ADHlプロモーター)の制御下での可溶性の非膜結合型形態のHMGlの発現は、高レベルのスクアレン蓄積(40×野生型)をもたらす。上記短縮型タンパク質は、HMG1pのスペーサー領域およびC末端触媒ドメインの一部を含み得るが、そのN末端膜貫通領域を欠いている。ある株は、上記遺伝子の1つ以上のコピーを発現し得る。
【0034】
酵母(天然、変異もしくは操作された)は、スクアレンの収量を増大させる因子の存在下で増殖させられ得る。例えば、アリルアミン抗真菌剤(例えば、テルビナフィン、ナフチフィン)は、スクアレンエポキシダーゼを阻害し得、エルゴステロール欠乏および細胞内スクアレンの蓄積を生じる[17]。スクアレンエポキシダーゼインヒビターが致死レベル未満で含まれるか、または耐性株などで使用される場合、培養物の上記スクアレン収量は、増大し得る。約100倍というスクアレン収量の増大は、テルビナフィンの存在下で参考文献18において認められた。種々のCandida種におけるスクアレンエポキシダーゼは、約10倍までテルビナフィンに対する感受性が異なるので、因子の濃度は、目的の任意の酵母について最適化されなければならないかもしれない。スクアレン蓄積を引き起こし得る他の抗真菌剤としては、ボリコナゾール[19]、6−アミノ−2−n−ペンチルチオベンゾチアゾール[20]、およびチオカルバメート抗真菌剤(例えば、トルナフテートおよびトルシクラート)[21]が挙げられるが、これらに限定されない。チアミンの存在下での増殖はまた、スクアレン収量を増大させ得る[22]。
【0035】
適切な酵母としては、スクアレンを生産するかもしくはスクアレンを生産するように操作され得る任意の酵母が挙げられる。適切な酵母の例としては、以下の属:
【0036】
【化1】

に由来する種が挙げられる。本発明に有用な属は、Saccliaromyces、およびTorulasporaである。本発明での使用に好ましい種は、Torulaspora delbrueckiiであり、最も好ましいのは、Saccharomyces
cerevisiaeである。
【0037】
スクアレンを生産するための酵母発酵は、大スケールで行われ得、このことは、ほぼ無限の量のスクアレンをもたらし、従って、生産されるスクアレンの単位コストを下げる。上記酵母は、任意の公知の培養系もしくは発酵系を使用して増殖させられ得る。本発明の使用に適切な酵母発酵系としては、バッチ発酵系および連続発酵系が挙げられる。2段階培養系が使用され得る。上記酵母は、(少なくとも部分的に)嫌気相へ変化させて、スクアレン生産を増大させる前に、バイオマスを増大させる好気条件下で増殖させられ得る。2段階培養系は、スクアレン蓄積が増殖相から分離されるのを可能にする。嫌気条件下での酵母の培養は、スクアレン生産を増大させるために使用され得[23−25]、炭素源はまた、影響力を有し得る。
【0038】
酵母は、制御された培地で増殖させられ得るので、培養物は、疾患原因因子、環境毒素および他の汚染物質が確実にない状態であり得る。酵母を増殖させるために適した培地は、酵母種および発酵系に依存する。適切な培地としては、補充物質ありもしくはなしの富栄養(rich)培地もしくは最小培地が挙げられる。例えば、上記酵母は、MM、EMM、YPD、YPDS、YPG、YPGS、YT、YAPD、YEPD、YPL、YEP、YNBDおよびSD中で増殖させられ得る。いかなる動物由来産物(例えば、ホエイ)をも含まない培地が、理想的である。動物(特に、ウシ)物質が細胞培養の間に使用される場合、それらは、伝染性海綿状脳症(TSE)を含まず、特に、ウシ海綿状脳症(BSE)を含まない供給源から得られるべきである。
【0039】
培養条件の制御に起因して、本発明に従って酵母から精製されたスクアレンは、病原体、病原体の代謝産物、毒素、および他の有害な物質による汚染がなく、もともとTSE原因因子を含まない(このような因子は、酵母においては見いだされていない)。酵母からスクアレンを単離するための方法は、当該分野で公知であり、クロマトグラフィー、液体−液体溶媒抽出、臨界未満ガス抽出[26]、および超臨界流体抽出(必要に応じて、凍結乾燥が先に行われる)(例えば、COを用いる)、クロロホルム−メタノール溶媒抽出[5,23,27]のような方法が挙げられる。理想的には、上記精製スクアレンは、97%より純粋(重量で)であり、より好ましくは、98%より高い、99%、99.5%、99.9%、99.99%、さらには100%純粋である。理想的には、上記精製スクアレンは、スクアレン1gあたり6153pg未満のPCB/ダイオキシン(毒性等量(TEQ)として測定される)を含む。TEQは、PCB/ダイオキシンの混合物の毒性が、単一の数字として表されることを可能にする。各PCB(ポリ塩化ビフェニル)の毒性は、2,3,7,8−TCDDダイオキシン(基準値1を有する)の毒性の比(毒性等価係数,TEF;WHO 2005)として表される。混合物の総TEQを計算するために、各PCBの質量には、そのTEFが乗算され、そして、上記TEQは、これら値の合計である。例えば、上記スクアレンは、5000pg/g未満、4000pg/g、3000pg/g、2000pg/g、1000pg/g、500pg/g、100pg/g、50pg/g(TEQ)のダイオキシン/PCBレベルを有し得る。
【0040】
いったん上記スクアレンが、上記酵母から精製されたら、上記スクアレンは、下流の産物(例えば、医薬、水中油型エマルジョンアジュバントなど)の調製のために使用され得る。
【0041】
(水中油型エマルジョン)
水中油型エマルジョンは、ワクチンを補助することにおいて使用するために特に適切であることが見いだされた。本発明に従って調製されるエマルジョンは、水性成分に加えて、スクアレンおよび少なくとも1種の界面活性剤を含む。上記エマルジョンは、さらなる油を含み得る。理想的には、上記油および界面活性剤は、生分解性(代謝可能)かつ生体適合性である。
【0042】
スクアレンおよびトコフェロールの油組み合わせが、使用され得る。組成物がロコフェロールを含む場合、αトコフェロール、βトコフェロール、γトコフェロール、δトコフェロール、εトコフェロール、もしくはξトコフェロールのうちのいずれかが使用され得るが、α−トコフェロールが、好ましい。上記トコフェロールは、いくつかの形態(例えば、種々の塩および/もしくはアイソマー)をとり得る。塩としては、有機性塩(例えば、コハク酸塩、酢酸塩、ニコチン酸塩など)が挙げられる。D−α−トコフェロールおよびDL−α−トコフェロールが、ともに使用され得る。好ましいα−トコフェロールは、DL−α−トコフェロールである。
【0043】
2〜20%(容積で)の範囲の油含有量が代表的である。
【0044】
上記エマルジョン中の油滴は、一般に、5μm直径未満であり、さらにサブミクロン直径を有し得る。これら小さなサイズは、都合のよいことに、安定なエマルジョンを提供するためにマイクロフルイダイザーで達成される。220nm未満のサイズを有する液滴が好ましい。なぜなら、それらは、濾過滅菌に供され得るからである。
【0045】
界面活性剤は、それらの「HLB」(親水性/親油性バランス)によって分類され得る。本発明の好ましい界面活性剤は、少なくとも10、好ましくは、少なくとも15、およびより好ましくは、少なくとも16のHLBを有する。本発明は、界面活性剤とともに使用され得る。これら界面活性剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(一般にTweenといわれる)、特に、ポリソルベート20およびポリソルベート80;DOWFAXTM 商用名の下で販売される、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、および/もしくはブチレンオキシド(BO)のコポリマー(例えば、直鎖状EO/POブロックコポリマー);オクトキシノール(これは、反復エトキシ(オキシ−1,2−エタンジイル)基の数が変動し得る)(オクトキシノール−9(Triton X−100、もしくはt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)が特に重要である);(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール(IGEPAL CA−630/NP−40);リン脂質、例えば、ホスファチジルコリン(レシチン);ノニルフェノールエトキシレート(例えば、TergitolTM NPシリーズ);ラウリル、セチル、ステアリルおよびオレイルアルコールに由来するポリオキシエチレン脂肪エーテル(Brij界面活性剤として公知)、例えば、トリエチレングリコールモノラウリルエーテル(Brij 30);およびソルビタンエステル(一般に、SPANとして公知)、例えば、ソルビタントリオレエート(Span 85)およびソルビタンモノラウレート。非イオン性界面活性剤が好ましい。上記エマルジョン中に含めるための最も好ましい界面活性剤は、ポリソルベート 80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート;Tween 80)である。
【0046】
界面活性剤の混合物が、使用され得る(例えば、Tween 80/Span 85混合物)。ポリオキシエチレンソルビタンエステルおよびオクトキシノールの組み合わせもまた、適切である。別の有用な組み合わせは、ラウレス(laureth)9とポリオキシエチレンソルビタンエステルおよび/もしくはオクトキシノールを含む。
【0047】
好ましい量の界面活性剤(重量%)は、以下である:ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えば、Tween 80) 0.01〜2%;オクチルフェノキシポリオキシエタノールもしくはノニルフェノキシポリオキシエタノール(例えば、Triton X−100、もしくは他のTritonシリーズの界面活性剤) 0.001〜0.1%;ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ラウレス 9) 0.1〜20%。
【0048】
ポリソルベート 80界面活性剤を含むスクアレン含有水中油型エマルジョンが、好ましい。本発明に従って精製されたスクアレンを使用して作製され得る特定の水中油型エマルジョンアジュバントとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
・スクアレン、ポリソルベート 80、およびソルビタントリオレエートのサブミクロンエマルジョン。上記エマルジョンの容積での組成は、約5% スクアレン、約0.5%
ポリソルベート 80および約0.5% Span 85であり得る。重量の観点では、これら比率は、4.3% スクアレン、0.5% ポリソルベート 80および0.48% Span 85になる。このアジュバントは、参考文献31の第10章および参考文献32の第12章に詳細に記載されるように、「MF59」として公知である[28−30]。上記MF59エマルジョンは、有利なことには、クエン酸イオン(例えば、10mM クエン酸ナトリウム緩衝液)を含む。
【0050】
・スクアレン、トコフェロール、およびポリソルベート 80のサブミクロンエマルジョン。これらエマルジョンは、2〜10% スクアレン、2〜10% トコフェロールおよび0.3〜3% ポリソルベート 80を有し得、スクアレン:トコフェロールの重量比は、より安定なエマルジョンを提供し得るので、好ましくは、≦1(例えば、0.90)である。スクアレンおよびポリソルベート 80は、約5:2の容積比もしくは約11:5の重量比で存在し得る。1つのこのようなエマルジョンは、PBS中にTween 80を溶解して、2%溶液をもたらし、次いで、90mlのこの溶液と、(5gのDL−α−トコフェロールおよび5mlのスクアレン)の混合物とを混合し、次いで、上記混合物をマイクロフルイダイズ(microfluidise)することによって、作製され得る。得られたエマルジョンは、サブミクロン油滴(例えば、平均直径100〜250nmの間、好ましくは、約180nm)を有する。上記エマルジョンはまた、3−デ−O−アシル化モノホスホリルリピドA(3d−MPL)を含み得る。このタイプの別の有用なエマルジョンは、1ヒト用量あたり、0.5〜10mg スクアレン、0.5〜11mg
トコフェロール、および0.1〜4mg ポリソルベート 80を含み得る[33]。
【0051】
・スクアレン、トコフェロール、およびTriton界面活性剤(例えば、Triton X−100)のエマルジョン。上記エマルジョンはまた、3d−MPL(以下を参照のこと)を含み得る。上記エマルジョンは、リン酸緩衝液を含み得る。
【0052】
・スクアレン、水性溶媒、ポリオキシエチレンアルキルエーテル親水性非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン(12)セトステアリルエーテル)および疎水性非イオン性界面活性剤(例えば、ソルビタンエステルもしくはマンニドエステル(例えば、ソルビタンモノオレエートもしくは「Span 80」))を含むエマルジョン。上記エマルジョンは、好ましくは、熱可逆性であり、そして/または200nm未満のサイズを有する少なくとも(容積で)90%の油滴を有する[34]。上記エマルジョンはまた、アルジトール;凍結防止剤(例えば、糖(例えば、ドデシルマルトシドおよび/もしくはスクロース));および/もしくはアルキルポリグリコシドのうちの1種以上を含み得る。上記エマルジョンは、TLR4アゴニストを含み得る[35]。このようなエマルジョンは、凍結乾燥され得る。
【0053】
・スクアレン、ポロキサマー 105およびAbil−Careのエマルジョン[36]。アジュバント付加したワクチン中のこれら成分の最終濃度(重量)は、5% スクアレン、4% ポロキサマー 105(プロニックポリオール)および2% Abil−Care 85(Bis−PEG/PPG−16/16 PEG/PPG−16/16 ジメチコン;トリカプリルグリセリル/トリカプリン酸グリセリル)である。
【0054】
上記エマルジョンは、別個の抗原含有成分と、即座に、送達時に、もしくはワクチン製造の間に混合され得る。これら2つの成分が液体である場合、混合のための上記2つの液体の容積比は、変動し得る(例えば、5:1〜1:5の間)が、一般に、約1:1である。
【0055】
従って、本発明のプロセスは、上記エマルジョンと免疫原とを合わせるさらなる工程を包含し得る。上記プロセスは、上記エマルジョンもしくは上記エマルジョン/免疫原ミックスをパッケージするさらなる工程を包含し得る。本発明に従って生産されるエマルジョンは、キット内の第1の容器にパッケージされ得、ここで上記キットは、免疫原を含む第2の容器を含む。上記2つの容器の内容物は、混合され得、次いで、被験体(例えば、ヒト)に投与され得るか、もしくは別個に共投与され(co−administered)得る。
【0056】
(一般)
用語「含む、包含する(comprising)」は、「含む、包含する(including)」、および「からなる(consisting)」を包含し、例えば、Xを「含む」組成物は、もっぱらXからなってもよいし、いくつかのさらなるものを含み得る(例えば、X+Y)。
【0057】
数値xに関して用語「約」とは、任意であり、例えば、x±10%を意味する。
【実施例】
【0058】
(発明を実施するための形態)
種々の変異酵母株を、遺伝的操作技術によって調製する。上記変異株は、スクアレン代謝に関与する酵素を過剰発現するか過小発現するかのいずれかである。1つのこのような酵母は、参考文献11に開示されるATC1551株(これは、最大16%までのcdwで、適切な増殖条件下でスクアレンを生産し得る)である。
【0059】
培養後に、上記培養細胞を集め、ガラスビーズミルを使用して粉砕する。スクアレンを、(2:1) クロロホルム−メタノール溶媒抽出によって、または収量を改善するために、凍結乾燥および次いで超臨界二酸化炭素抽出を使用して参考文献5において開示される方法によって、上記溶解物から精製する。得られたスクアレンは、高度に純粋である(>95%)。
【0060】
上記精製スクアレンを、Tween 80およびSpan 85界面活性剤の混合物と、およびクエン酸緩衝液と合わせて、5% スクアレン、0.5% Tween 80および0.5% Span 85(容積で)を有する混合物を調製する。この混合物をマイクロフルイダイズし、500nm未満の平均液滴サイズを有するエマルジョンを調製する。このエマルジョンは、「MF59」として公知であり、ワクチンアジュバントとして使用し得る。
【0061】
本発明は、例示のみを目的として記載されており、改変が行われ得ると同時に、それが本発明の範囲および趣旨内にあり得ることが理解される。
【0062】
(参考文献)
【0063】
【化2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【公開番号】特開2012−139225(P2012−139225A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−36971(P2012−36971)
【出願日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【分割の表示】特願2011−524473(P2011−524473)の分割
【原出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】