説明

高炉セメント用収縮低減剤

【課題】高炉セメントに対する優れた収縮低減機能により、高炉セメントから得られるコンクリート硬化物のひび割れ発生を抑制し、優れた耐凍結融解性を付与し、該コンクリート硬化物の耐久性を向上させることができる、高炉セメント用収縮低減剤を提供する。
【解決手段】本発明の高炉セメント用収縮低減剤は、一般式(1)で表されるポリオキシエチレン化合物(A)を主成分とする。
R−O−(EO)−H ・・・(1)
(一般式(1)中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、mはオキシエチレン基の平均付加モル数を表し、mは80〜1000である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉セメント用収縮低減剤に関する。より詳細には、優れた収縮低減機能と優れた耐凍結融解性を有する高炉セメント用収縮低減剤に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートは、強度や耐久性等に優れているので、土木・建築構造物を構築するためには欠かすことができない材料である。
【0003】
コンクリートは、硬化した後に、外気温や湿度条件等により、内部に残った未反応水分の散逸を起こす。このため、乾燥収縮が進行し、硬化物中にひび割れが生じ、強度や耐久性が低下するという問題がある。土木・建築構造物の強度や耐久性等が低下すると、安全性の低下や修復コストの増大など、重大な問題が生じる。
【0004】
一方、二酸化炭素の削減や省エネルギーの観点から、産業廃棄物や副産物の有効利用が近年ますます重要な課題となってきている。製鉄工程で発生する副産物である高炉スラグは、アルカリ刺激による潜在水硬性等を有しているので、セメントの一部に使用した高炉セメントとして有効利用されている。
【0005】
高炉セメントは、高炉スラグの微粉末とセメントを混合したセメントであり、JIS−R−5211に規定されている。普通ポルトランドセメントと比較すると、高炉セメントは、水和発熱が小さく、また、耐塩性に優れているので、港湾設備やダム等の大型の土木・建築構造物に用いられている。
【0006】
しかしながら、高炉セメントを用いたコンクリートは、普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートと比較すると、乾燥収縮が大きいという問題がある。
【0007】
最近、コンクリート硬化物の乾燥収縮を低減させる方法として、収縮低減剤が重要視されている。
【0008】
収縮低減剤として、炭素原子数1〜4のアルコールのアルキレンオキシド付加物(特許文献1参照)、2〜8価の多価アルコールのエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共付加物(特許文献2参照)、低級アルキルアミンのアルキレンオキシド付加物(特許文献3参照)、オリゴマー領域のポリプロピレングリコール(特許文献4参照)、低分子アルコール類(特許文献5参照)、2−エチルヘキサノールのアルキレンオキシド付加物(特許文献6参照)が報告されている。
【0009】
しかしながら、これらの収縮低減剤は、コンクリートに使用した場合に強度が低下するという問題や、コンクリート中に連行する空気の質を悪くして耐凍結融解性が低下するという問題がある。特に、高炉セメントを用いたコンクリートは、屋外の土木・建築構造物に用いられることが多いので、例えば、寒冷地では凍結融解性が非常に大きな問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特公昭56−51148号公報
【特許文献2】特公平1−53214号公報
【特許文献3】特公平1−53215号公報
【特許文献4】特開昭59−152253号公報
【特許文献5】特公平6−6500号公報
【特許文献6】特許第2825855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、高炉セメントに対する優れた収縮低減機能により、高炉セメントから得られるコンクリート硬化物のひび割れ発生を抑制し、優れた耐凍結融解性を付与し、該コンクリート硬化物の耐久性を向上させることができる、高炉セメント用収縮低減剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の高炉セメント用収縮低減剤は、
一般式(1)で表されるポリオキシエチレン化合物(A)を主成分とする。
R−O−(EO)−H ・・・(1)
(一般式(1)中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、mはオキシエチレン基の平均付加モル数を表し、mは80〜1000である。)
【0013】
好ましい実施形態においては、上記ポリオキシエチレン化合物(A)が、重量平均分子量4000〜20000の範囲のポリエチレングリコールである。
【0014】
好ましい実施形態においては、本発明の高炉セメント用収縮低減剤は、消泡剤(B)を含む。
【0015】
好ましい実施形態においては、上記消泡剤(B)が、オキシアルキレン系消泡剤である。
【0016】
好ましい実施形態においては、本発明の高炉セメント用収縮低減剤は、AE剤(C)を含む。
【0017】
好ましい実施形態においては、上記AE剤(C)が、樹脂石鹸、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステルまたはその塩、からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、高炉セメントに対する優れた収縮低減機能により、高炉セメントから得られるコンクリート硬化物のひび割れ発生を抑制し、優れた耐凍結融解性を付与し、該コンクリート硬化物の耐久性を向上させることができる、高炉セメント用収縮低減剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の高炉セメント用収縮低減剤は、一般式(1)で表されるポリオキシエチレン化合物(A)を主成分とする。
【0020】
R−O−(EO)−H ・・・(1)
【0021】
本発明の高炉セメント用収縮低減剤は、一般式(1)で表されるポリオキシエチレン化合物(A)を、好ましくは50〜100重量%含み、より好ましくは50〜99.99重量%含み、さらに好ましくは50〜99.9重量%含み、特に好ましくは60〜99重量%含む。
【0022】
本発明の高炉セメント用収縮低減剤中のポリオキシエチレン化合物(A)の含有割合が50重量%未満の場合、優れた収縮低減機能と優れた耐凍結融解性が発現できないおそれがある。
【0023】
一般式(1)中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基を表す。炭素原子数1〜4の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。Rは、好ましくは水素原子である。
【0024】
一般式(1)中、EOはオキシエチレン基を表す。
【0025】
一般式(1)中、mはオキシエチレン基の平均付加モル数を表す。mは80〜1000であり、好ましくは85〜800であり、より好ましくは90〜500である。mが80未満の場合、優れた収縮低減機能が発現できないおそれがある。mが1000を超えると、モルタルやコンクリートの流動性が損なわれるおそれがある。
【0026】
ポリオキシエチレン化合物(A)は、ポリエチレングリコールであることが好ましい。ポリオキシエチレン化合物(A)がポリエチレングリコールの場合、その重量平均分子量は、好ましくは4000〜20000の範囲であり、より好ましくは4000〜15000の範囲であり、さらに好ましくは4000〜10000の範囲であり、特に好ましくは4000〜7000の範囲である。
【0027】
本発明の高炉セメント用収縮低減剤は、好ましくは、消泡剤(B)およびAE剤(C)から選ばれる少なくとも1種を含んでも良い。消泡剤(B)およびAE剤(C)は、それぞれ、1種のみを含んでいても良いし、2種以上を含んでいても良い。
【0028】
上記消泡剤(B)としては、例えば、鉱油系消泡剤、油脂系消泡剤、脂肪酸系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、オキシアルキレン系消泡剤、アルコール系消泡剤、アミド系消泡剤、リン酸エステル系消泡剤、金属石鹸系消泡剤、シリコーン系消泡剤などが挙げられる。なかでも、オキシアルキレン系消泡剤が好ましい。特に好ましいのは、オキシアルキレン部分がエチレングリコールとプロピレングリコールとからなるものであり、市販品としてLG−299(アデカ社製)が挙げられる。
【0029】
鉱油系消泡剤としては、例えば、燈油、流動パラフィン等が挙げられる。
【0030】
油脂系消泡剤としては、例えば、動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
【0031】
脂肪酸系消泡剤としては、例えば、オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
【0032】
脂肪酸エステル系消泡剤としては、例えば、グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等が挙げられる。
【0033】
オキシアルキレン系消泡剤としては、例えば、(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素原子数8以上の高級アルコールや炭素数12〜14の2級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール,3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド;等が挙げられる。
【0034】
アルコール系消泡剤としては、例えば、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等が挙げられる。
【0035】
アミド系消泡剤としては、例えば、アクリレートポリアミン等が挙げられる。
【0036】
リン酸エステル系消泡剤としては、例えば、リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等が挙げられる。
【0037】
金属石鹸系消泡剤としては、例えば、アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等が挙げられる。
【0038】
シリコーン系消泡剤としては、例えば、ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等が挙げられる。
【0039】
本発明の高炉セメント用収縮低減剤中に含有し得る消泡剤(B)の量は、目的に応じて、任意の適切な量を採用し得る。本発明の高炉セメント用収縮低減剤中に含有し得る消泡剤(B)の量は、高炉セメントの合計重量に対して、固形分換算で、下限値として、好ましくは0.000001重量%以上であり、より好ましくは0.00001重量%以上であり、上限値として、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは5重量%以下である。
【0040】
AE剤(Air Entraining剤)(C)としては、例えば、樹脂石鹸、飽和又は不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステルまたはその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート、ベタイン、イミダゾリンベタイン等が挙げられる。なかでも、樹脂石鹸、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステルまたはその塩が好ましい。
【0041】
AE剤(Air Entraining剤)(C)としては、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル塩が特に好ましく、具体的な市販品としては、YES−25(アデカ社製)が挙げられる。
【0042】
本発明の高炉セメント用収縮低減剤中に含有し得るAE剤(Air Entraining剤)(C)の量は、目的に応じて、任意の適切な量を採用し得る。本発明の高炉セメント用収縮低減剤中に含有し得るAE剤(Air Entraining剤)(C)の量は、高炉セメントの合計重量に対して、固形分換算で、下限値として、好ましくは0.000001重量%以上であり、より好ましくは0.00001重量%以上であり、上限値として、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは5重量%以下である。
【0043】
本発明の高炉セメント用収縮低減剤は、任意の適切な減水剤を含有していても良い。
【0044】
減水剤としては、例えば、ポリカルボン酸系減水剤;スルホン酸系減水剤;ポリオール誘導体;3−メチル3−ブテン−1−オール等の特定の不飽和アルコールにエチレンオキシド等を付加したアルケニルエーテル系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、これらの単量体と共重合可能な単量体から得られる共重合体またはその塩(特開昭62−68808公報、特開平10−236858号公報、特開2001−220417号公報参照);ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテルとマレイン酸(塩)との共重合体(特開平4−149056号公報参照);アルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体あるいはその加水分解物またはその塩(特開平5−43288号公報参照);ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、これらの単量体と共重合可能な単量体、からなる共重合体(特公昭59−18338号公報参照);ポリアルキレングリコールモノエステル系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体、不飽和ジカルボン酸系単量体および(メタ)アリルスルホン酸系単量体の中から選ばれる1種以上の単量体との、共重合体(特開平7−223852号公報参照);(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノビニルエーテル系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、および(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレートとの共重合体(特開2004−307590号公報参照);(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、リン酸モノエステル系単量体、およびリン酸ジエステル系単量体からなる共重合体またはその塩(特開2006−52381号公報参照);不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体と不飽和モノカルボン酸系単量体との共重合体(特開2002−121055号公報、特開2002−121056号公報参照);などが挙げられる。
【0045】
ポリカルボン酸系減水剤としては、例えば、分子中にポリオキシエチレン鎖を有するポリカルボン酸系減水剤が好ましい。
【0046】
スルホン酸系減水剤としては、例えば、分子中に芳香族環を有するスルホン酸系減水剤が好ましい。スルホン酸系減水剤の具体的な市販品としては、例えば、ポゾリスNo.70(BASF社製)が挙げられる。
【0047】
スルホン酸系減水剤としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のポリアルキルアリールスルホン酸塩系減水剤;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系減水剤;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸塩系減水剤;リグニンスルホン酸塩、変性リグニンスルホン酸塩等のリグニンスルホン酸塩系減水剤;ポリスチレンスルホン酸塩系減水剤;が挙げられる。
【0048】
上記塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩が挙げられる。
【0049】
本発明の高炉セメント用収縮低減剤は、本発明の作用効果を奏する限り、必要に応じて、その他の成分を含んでいても良い。
【0050】
その他の成分としては、例えば、水、水溶性高分子物質、高分子エマルジョン、遅延剤、早強剤・促進剤、界面活性剤、防水剤、硬化促進剤、凝結遅延剤、防錆剤、ひび割れ低減剤、膨張材、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、他の乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、着色剤、防カビ剤、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石微粉末、石膏、鉱物質微粉末が挙げられる。これらは1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0051】
本発明の高炉セメント用収縮低減剤の製造方法については、任意の適切な製造方法を採用し得る。例えば、アルコールや、低分子量PEG、若しくは水の存在下、アルカリ成分(例えば、水酸化ナトリウム)を触媒として、エチレンオキサイドを付加反応させる方法が挙げられる。
【0052】
本発明の高炉セメント用収縮低減剤は、優れた収縮低減機能とともに優れた水溶性および減水剤との相溶性を有する。本発明の高炉セメント用収縮低減剤は、水、減水剤と任意の適切な割合で溶解させることが可能であることから、水/セメント比の適用範囲が広く、水/セメント比(重量比)で、好ましくは60%〜15%のコンクリートまで製造が可能である。従って、汎用性が高く、種々の用途のセメント組成物に添加して用いることが可能である。
【0053】
本発明の高炉セメント用収縮低減剤を添加して用いることができるセメント組成物としては、セメント成分として、高炉スラグを含有した高炉セメントを含むセメント組成物であれば、任意の適切なセメント組成物を採用し得る。
【0054】
上記セメント組成物は、好ましくは、セメントに対して高炉スラグを5〜70重量%の範囲で含み、より好ましくは、セメントに対して高炉スラグを30〜60重量%の範囲で含む。
【0055】
上記セメント組成物としては、具体的には、JIS R 5211で規定される高炉セメントB種が好ましく挙げられる。
【0056】
セメント組成物における、本発明の高炉セメント用収縮低減剤の添加量は、目的に応じて任意の適切な量を採用し得る。例えば、セメント100重量部に対して、好ましくは0.05〜10重量部であり、より好ましくは0.1〜8重量部であり、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。
【0057】
上記セメント組成物は、高炉セメント以外に、代表的には、細骨材、粗骨材、水を含む。なお、粗骨材を含まないもの(高炉セメント、細骨材、水を含むもの)はモルタルと称することがある。
【0058】
細骨材としては、例えば、川砂、山砂、海砂、砕砂、重量骨材、軽量骨材、スラグ骨材、再生骨材が挙げられる。
【0059】
粗骨材としては、例えば、川砂利、砕石、重量骨材、軽量骨材、スラグ骨材、再生骨材が挙げられる。
【0060】
水としては、例えば、JIS A 5308付属書9に示される上水道水、上水道水以外の水(河川水、湖沼水、井戸水など)、回収水が挙げられる。
【0061】
上記セメント組成物は、任意の適切な粉体を含んでいても良い。このような粉体としては、例えば、シリカヒューム、フライアッシュ、石灰石微粉末、高炉スラグ微粉末、膨張材、その他の鉱物質微粉末等が挙げられる。
【0062】
上記セメント組成物は、任意の適切な添加剤を含んでいても良い。このような添加剤としては、例えば、硬化促進剤、凝結遅延剤、防錆剤、防水剤、防腐剤が挙げられる。
【0063】
セメント組成物の製造方法、運搬方法、打設方法、養生方法、管理方法などについては、任意の適切な方法を採用し得る。
【0064】
上記セメント組成物は、そのままコンクリート(フレッシュコンクリート)として用い得る。
【実施例】
【0065】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。
【0066】
なお、特に明記しない限り、実施例における部および%は重量基準である。
【0067】
〔モルタル物性評価〕
≪モルタルの混練≫
所定量の収縮低減剤(A)を秤量して水で希釈したもの225g、高炉セメントB種(太平洋セメント(株)製)または普通ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)450g、セメント強さ試験用標準砂(JIS−R5201−1997附属書2の5.1.3に規定:セメント協会)1350gを、ホバート型モルタルミキサー(ホバート社製、型番:N−50)を用い、JIS−R5201−1997の方法に従い、モルタルの混練を行った。
なお、モルタル空気量が、収縮低減剤を添加しないモルタル(基準モルタル)の空気量±3vol%となるように、必要に応じて消泡剤(B)を使用して、モルタル空気量の調整を行なった。
【0068】
≪モルタル空気量の測定≫
モルタル空気量の測定は、500mlメスシリンダーを用い、JIS−A1174(まだ固まらないポリマーセメントモルタルの単位容積重量試験方法及び空気量の重量による試験方法(重量方法))に準拠して実施した。
【0069】
≪気泡間隔係数の測定≫
耐凍結融解性の指標となるモルタルの気泡間隔係数の測定を、エアボイドアナライザー(AVA;商品名、ジャーマンインストゥルメンツ社製)を用いて行った。
まず、20℃に調温したAVA測定用溶液250mlと水約2000mlを測定した。次に、測定用カラムに充填した後、モルタル20mlを採取し、カラムの底部に注入した。注入後、モルタルを30秒間攪拌し、液中にモルタルの連行空気を十分に液中に放出させた。放出された気泡を経時測定することにより、気泡間隔係数の計算を行った。
気泡間隔係数の値が小さいほど、コンクリート中に連行された気泡が密に分散している(良質の気泡をコンクリート中に連行している)ことを示し、耐凍結融解性に優れていることを示す。
【0070】
≪収縮低減性の評価≫
モルタルの混練を上記と同様に実施した。次に、収縮低減性評価用のモルタル供試体(4×4×16cm)の作成を、JIS−A1129に従って実施した。型枠には予めシリコングリースを塗布して止水すると共に容易に脱型できるようにした。また、供試体の両端にはゲージプラグを装着した。混練して得られたモルタルを流し込んだ型枠を容器に入れ、密閉し、20℃で保管し、初期養生を行った。1日後に脱型し、供試体に付着したシリコングリースを、たわしを用いて水で洗浄し、続いて、20℃の静水中で6日間養生(水中養生)した。JIS−A1129に従い、ダイヤルゲージ((株)西日本試験機製)を使用し、静水中で6日間養生した供試体の表面の水を紙タオルで拭き取った後、直ちに測長し、この時点の長さを基準とした。その後、温度20℃、湿度60%に設定した恒温恒湿室内に保存し、適時測長した。この際、長さ変化比は、下記式で示されるように、基準モルタルの収縮量に対する、各成分添加モルタルの収縮量の比とし、値が小さいほど、収縮を低減できることを示す。
長さ変化比
={(各成分添加モルタルの収縮量)/(基準モルタルの収縮量)}×100
【0071】
〔コンクリート評価〕
≪コンクリート配合≫
以下に示すコンクリート配合割合により、練り混ぜ量が30Lとなるようにそれぞれの材料を計量し、パン型ミキサーを使用して材料の混錬を実施した。なお、セメントは高炉セメントB種(太平洋セメント(株)製)を使用した。細骨材には掛川産陸砂および君津産陸砂を重量比で掛川産陸砂/君津産陸砂=80/20で混合したもの、粗骨材には青梅硬質砂岩をそれぞれ使用した。
<コンクリート配合割合>
単位セメント量:301kg/m
単位水量 :160kg/m
単位細骨材量 :819kg/m
単位粗骨材量 :1002kg/m
(水セメント比(W/C):53%、細骨材率(s/a):46.0%)
【0072】
≪材料の練り混ぜ≫
粗骨材および使用する半量の細骨材をミキサーに投入し5秒間空練り後、回転を止め、セメントおよび残りの細骨材を投入し、さらに5秒間空練りを行った後、再び回転を止めて、所定量の収縮低減剤(A)、消泡剤(B)、AE剤(C)、および減水剤としてポゾリス70を含む練り水を加え、90秒間混錬した後、ミキサーからフレッシュコンクリートを取り出した。なお、材料の練り混ぜの際には、フレッシュコンクリートのスランプ値が8±2cm、空気量が5±1vol%となるように、消泡剤(B)、AE剤(C)、およびポゾリス70の添加量を調整した。スランプ値は、JIS−A−1101−1998に準拠して測定し、空気量は、JIS−A−1128−1998に準拠して測定した。
【0073】
≪収縮低減性の評価≫
得られたフレッシュコンクリートを、ゲージピン付の供試体型枠(10×10×40cm)に入れ、2日間、20℃にて封緘養生後、脱型し、さらに5日間、20℃の静水中で水中養生した後、収縮低減性の評価を行った。
収縮低減性の評価は、JIS−A1129−3(モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法、第3部:ダイヤルゲージ方法)に準拠して実施した。
静水中で5日間養生した供試体の表面の水を紙タオルで拭き取った後、直ちに測長し、この時点の長さを基準とした。その後、温度20℃、湿度60%に設定した恒温恒湿室内に保存し、適時測長した。この際、長さ変化比は、下記式で示されるように、基準コンクリートの収縮量に対する、各成分添加コンクリートの収縮量の比とし、値が小さいほど、収縮を低減できることを示す。
長さ変化比
={(各成分添加コンクリートの収縮量)/(基準コンクリートの収縮量)}×100
【0074】
≪耐凍結融解性の評価≫
得られたフレッシュコンクリートを10×10×40cmの供試体型枠に入れ、2日間20℃にて封緘養生後脱型し、さらに5日間20℃の静水中で水中養生した後、耐凍結融解性の評価を実施した。
耐凍結融解性の評価は、JIS−A−1148−2001中のA法に従い、30サイクルごとにJIS−A−1127−2001に従い一次共鳴振動数および供試体重量を測定することにより実施した。
この際、30サイクルごとの耐凍結融解性は、下記式(2)で示されるように、凍結融解サイクル開始前(0サイクル)の一次共鳴振動数に対する、各サイクル終了時点の一次共鳴振動数から相対動弾性係数を算出して評価を実施した。凍結融解サイクルは最大300サイクルとし、300サイクル以前に相対動弾性係数が60%以下となった時点で評価を終了した。また、最終的な耐凍結融解性については、下記式(3)で示す耐久性指数を算出することにより評価を実施した。これらの値はいずれも100に近いほど良好な耐凍結融解性を有することを示す。
相対動弾性係数(%)=(f/f)×100 ・・・(2)
:凍結融解nサイクル後の一次共鳴振動(Hz)
:凍結融解0サイクル後の一次共鳴振動(Hz)
耐久性指数=(P×N)/300 ・・・(3)
P:凍結融解Nサイクル時の相対動弾性係数(%)
N:相対動弾性係数が60%以下となった凍結融解サイクル数、または300サイクルのいずれか小さい方
【0075】
≪圧縮強度の評価≫
得られたフレッシュコンクリートを圧縮強度評価用の供試体型枠(直径10cm、高さ20cm)に入れ、密閉して20℃で保管し、初期養生を行った。1日後に脱型し、20℃で水中養生を行い、材齢7日時点および28日時点で圧縮強度の測定をJIS−A−1108に準拠して実施した。この際、圧縮強度比は、下記式で示されるように、収縮低減剤を使用しないコンクリート(基準コンクリート)の圧縮強度に対する、収縮低減剤添加コンクリートの圧縮強度の比とし、値が大きいほど、圧縮強度の低下が抑制されることを示す。
圧縮強度比
={(収縮低減剤添加コンクリートの圧縮強度)/(基準コンクリートの圧縮強度)}×100
【0076】
〔製造例1〕
[前段付加反応]
温度計、撹拌機、窒素およびエチレンオキサイド導入管を備えたステンレス製高圧反応容器に、重量平均分子量400のポリエチレングリコール(PEG400)を200g、および、48%水酸化ナトリウム水溶液を0.2g仕込んだ。反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で昇温して加熱攪拌した。加熱攪拌下、微量の窒素を流通させながら、反応容器内を減圧し、内温を120℃まで上げ、内圧50mmHgで1時間脱水を行なった。1時間脱水後、窒素で加圧し、内温を150℃まで上げ、安全圧下(反応容器内の窒素分圧の方がエチレンオキサイド分圧より常に高くなるような条件)で内温を150±5℃に維持しながらエチレンオキサイド200gを添加することにより、重量平均分子量800のポリエチレングリコール(PEG800)を得た。
[後段付加反応]
温度計、撹拌機、窒素およびエチレンオキサイド導入管を備えたステンレス製高圧反応容器に、PEG800を150g、および、48%水酸化ナトリウム水溶液0.42gを仕込んだ。反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で昇温して加熱攪拌した。加熱攪拌下、微量の窒素を流通させながら、反応容器内を減圧し、内温を120℃まで上げ、内圧50mmHgで1時間脱水を行なった。1時間脱水後、窒素で加圧し、内温を150℃まで上げ、安全圧下(反応容器内の窒素分圧の方がエチレンオキサイド分圧より常に高くなるような条件)で内温を150±5℃に維持しながらエチレンオキシド700gを添加することにより、重量平均分子量4500のポリエチレングリコール(PEG−1)を得た。
【0077】
〔実施例1〕
製造例1で製造したPEG−1を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
【0078】
〔実施例2〕
製造例1で製造したPEG−1を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
【0079】
〔実施例3〕
市販のPEG6000(重量平均分子量6000のポリエチレングリコール)を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
【0080】
〔実施例4〕
市販のPEG10000(重量平均分子量10000のポリエチレングリコール)を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
【0081】
〔実施例5〕
市販のPEG20000(重量平均分子量20000のポリエチレングリコール)を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
【0082】
〔比較例1〕
セメント種として普通ポルトランドセメントを用い、製造例1で製造したPEG−1を収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
【0083】
〔比較例2〕
市販のPEG1000(重量平均分子量1000のポリエチレングリコール)を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
【0084】
〔比較例3〕
市販のPPG(ポリプロピレングリコールオリゴマー)を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
【0085】
【表1】

【0086】
表1に示すように、本発明の高炉セメント用収縮低減剤を高炉セメントに使用した場合は、普通ポルトランドセメントに使用した場合と比較して、材齢4週および材齢8週での長さ変化比が小さく、良好な収縮低減性能を示していることがわかる。また、ポリプロピレングリコールオリゴマーを高炉セメントに対して使用した場合と比較して気泡間隔係数が小さくなっていることから、コンクリート中に連行される空気の質が良好で、耐凍結融解性に優れ、コンクリートの耐久性の向上が期待できる。
【0087】
〔実施例6〕
製造例1で製造したPEG−1を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用い、AE剤としてYES−25(アデカ社製)を用い、減水剤としてポゾリスNo.70(BASF社製)を用い、表2に示すようにコンクリート配合を行い、コンクリート評価を行った。
結果を表3に示した。
【0088】
〔実施例7〕
製造例1で製造したPEG−1を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用い、AE剤としてYES−25(アデカ社製)を用い、減水剤としてポゾリスNo.70(BASF社製)を用い、表2に示すようにコンクリート配合を行い、コンクリート評価を行った。
結果を表3に示した。
【0089】
〔実施例8〕
市販のPEG10000を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用い、AE剤としてYES−25(アデカ社製)を用い、減水剤としてポゾリスNo.70(BASF社製)を用い、表2に示すようにコンクリート配合を行い、コンクリート評価を行った。
結果を表3に示した。
【0090】
〔実施例9〕
市販のPEG20000を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用い、AE剤としてYES−25(アデカ社製)を用い、減水剤としてポゾリスNo.70(BASF社製)を用い、表2に示すようにコンクリート配合を行い、コンクリート評価を行った。
結果を表3に示した。
【0091】
〔比較例4〕
市販のPEG1000を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用い、AE剤としてYES−25(アデカ社製)を用い、減水剤としてポゾリスNo.70(BASF社製)を用い、表2に示すようにコンクリート配合を行い、コンクリート評価を行った。
結果を表3に示した。
【0092】
〔比較例5〕
メタノールのエチレンオキシド、プロピレンオキシド低モル付加体(CH(EO)(PO)H)(m+n=6)を高炉セメントの収縮低減剤として用い、AE剤としてYES−25(アデカ社製)を用い、減水剤としてポゾリスNo.70(BASF社製)を用い、表2に示すようにコンクリート配合を行い、コンクリート評価を行った。
結果を表3に示した。
【0093】
【表2】

【0094】
【表3】

【0095】
表3に示すように、本発明の高炉セメント用収縮低減剤を高炉セメントに使用した場合、材齢4週および材齢8週での長さ変化比が小さく、良好な収縮低減性能を示していることがわかる。また、PEG1000や、メタノールのアルキレンオキシド低モル付加体を使用した場合と比較して耐久性指数が大きくなっていることから、耐凍結融解性に優れ、コンクリートの耐久性の向上が見られる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明によれば、高炉セメントに対する優れた収縮低減機能により、高炉セメントから得られるコンクリート硬化物のひび割れ発生を抑制し、優れた耐凍結融解性を付与し、該コンクリート硬化物の耐久性を向上させることができる。したがって、港湾設備やダム等の大型の土木・建築構造物に代表的に用いられる高炉セメントに好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表されるポリオキシエチレン化合物(A)を主成分とする、高炉セメント用収縮低減剤。
R−O−(EO)−H ・・・(1)
(一般式(1)中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、mはオキシエチレン基の平均付加モル数を表し、mは80〜1000である。)
【請求項2】
前記ポリオキシエチレン化合物(A)が、重量平均分子量4000〜20000の範囲のポリエチレングリコールである、請求項1に記載の高炉セメント用収縮低減剤。
【請求項3】
消泡剤(B)を含む、請求項1または2に記載の高炉セメント用収縮低減剤。
【請求項4】
前記消泡剤(B)が、オキシアルキレン系消泡剤である、請求項3に記載の高炉セメント用収縮低減剤。
【請求項5】
AE剤(C)を含む、請求項1から4までのいずれかに記載の高炉セメント用収縮低減剤。
【請求項6】
前記AE剤(C)が、樹脂石鹸、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステルまたはその塩、からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載の高炉セメント用収縮低減剤。










【公開番号】特開2012−41198(P2012−41198A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180834(P2010−180834)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】