説明

高純度の第4級アンモニウム化合物の製造方法

本発明は、相当する第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミンと、亜硫酸ジメチルとの反応による、高純度の第4級アンモニウム化合物を製造するための方法に関する。この方法によれば、反応を、(i)6〜10個の炭素原子を有する芳香族炭化水素、全部で5〜10個の炭素原子を有する対称または非対称のジアルキルエーテル、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルカンおよびC〜C10−アルカンからなる群から選択された溶剤の存在下で、かつ、(ii)10〜100℃の温度で実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第4級アンモニウム化合物を、相当する第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミンと亜硫酸ジメチルとを反応させることによって、製造するための方法に関する。
【0002】
第4級アンモニウム化合物は、広範囲の使用が見出されている重要な物質である。したがって、これらは、たとえば衣料用柔軟剤、衛生製品および化粧品中で活性成分として、相間移動触媒として、あるいは、電子的適用のための電解質塩として使用される。他の重要な適用分野は、カチオンとしてアルキルアンモニウム、イミダゾリウムまたはピリジウムを有するイオン性液体である。
【0003】
窒素上で少なくとも1種のメチル基を含有する第4級アンモニウム化合物は、相当する第3級アミンと強無機酸のメチルエステル、特に硫酸ジメチルまたは塩化メチルをメチル化剤として、アルキル化することによって製造される(たとえば、HoubenWeyl, Methoden der organischen Chemie, 4. Auflage, Band XI/2, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1958, 第591頁〜第630頁)。硫酸ジメチルの使用の欠点は、発ガン作用であり、この場合、これらは、潜在的危険性を有し、かつ入念な安全措置を必要とすることである。メチルクロリド使用の欠点は、その相対的に低い反応性であり、これは、高い反応温度ならびに高い反応圧に結びつくものである。これは、処理が困難であり、かつ収率を減少させる副反応を生じさせる。
【0004】
二者択一的に、JP 04-341 ,593およびJP 09-025,173では、メチル化剤としての炭酸ジメチルの使用が記載されている。これらの欠点は、その相対的に低い反応性であり、それに伴って、100℃を上回る高い反応温度ならびに約1〜4MPa(絶対圧)の高い反応圧に結びつくことである。これは、処理が困難であり、かつ収率を減少させる副反応を生じさせる。したがって、たとえばイミダゾールが、これらの条件下でメチル化される場合には、環のカルボキシル化が生じる。第3級アルカリアミンを出発材料として使用する場合には、これらの条件下でホフマン分解が生じる。
【0005】
さらに、第4級アンモニウム化合物製造のためのメチル化剤としての、ヨウ化メチルが知られている。しかしながら、ヨウ化メチル使用の欠点は、その発ガン作用であり、この場合、これは、潜在的危険性を有し、入念な安全措置を必要とすることである。さらにヨウ化メチルは、必要とされる工業的量で入手することが不可能であるか、あるいは、前記メチル化剤と比べて相対的に高価である。
【0006】
さらに、第4級アンモニウム化合物を製造するためのメチル化剤としての亜硫酸ジメチルの使用は公知である。したがって、DE 228 247中では、モルヒネ基の種々のアルカロイドと亜硫酸ジメチルとを、溶剤としてのメタノールの存在下で、水浴上で加熱することによって反応させ、相当するモルヒニウム−メチルスルフィット(DE文献中で使用される古い名称「メチレートスルフィット」と記載される)を形成することが記載されている。クロロホルムおよびニトロベンゼンはさらに適した二者択一的な溶剤として挙げられている。モルヒニウム−メチルスルフィットの単離は、溶剤および過剰量の亜硫酸ジメチルの減圧下での留去および引き続いての乾燥によって実施される。DE 228 247では、得られたモルヒニウム−メチルスルフィットと、金属ハロゲン化物またはハロゲン化水素酸とを引き続いて反応させ、相当するモルヒニウム−ハロゲン化物にすることが開示されている。
【0007】
JP 2001 -322,970では、脂肪族トリアルキルアミンと亜硫酸ジメチルとの、極性溶剤、たとえばアルコールまたはアセトニトリルの存在下で、40〜100℃での反応によって、相当するメチルトリアルキルアンモニウム−メチルスルフィットを得ることが記載されている。生成物の単離は、減圧下での溶剤の留去によって実施する。JP 2001-322,970では、さらに好ましいアニオンを導入するため、引き続いて得られたメチルトリアルキルアンモニウム−メチルスルフィットと水性の酸との反応を開示している。
【0008】
亜硫酸ジメチルは、前記の他のメチル化剤よりも、十分なメチル化強度の大きい利点を有し、この場合、これは、緩慢な反応条件を可能にすると同時に、だいたいにおいて亜硫酸ジメチルアニオンの多くが、好ましいアニオンの酸の添加後に加熱によって除去され、メタノールおよび揮発性二酸化硫黄を形成する。しかしながら、本発明によれば、DE 228 247およびJP 2001 -322,970で記載された方法では、硫黄含量が>2質量%の大きさで、単離された第4級アンモニウム化合物中に、好ましいアニオンの酸と反応後に残留することがわかっている。しかしながら、この硫黄含量は、第4級アンモニウム化合物の種々の使用の際、特に電子工業中でのその使用の際の妨げとなる。したがって、技術水準で記載された方法にしたがって製造された第4級アンモニウム化合物は、先ずその使用前に、入念な精製しなければならず、この場合、これは決定的な欠点である。
【0009】
したがって本発明の課題は、第4級アンモニウム化合物を製造するための方法を見出すことであり、この場合、これらは、技術水準の欠点を有することなく、簡単に実施可能であって、使用されるべきアルキル化剤は、無毒であるかまたはわずかな毒性を有するにすぎないものであり、かつ好ましいアニオンを、簡単かつフレキシブルに導入することを可能にする。直接的なアルカリ生成物および好ましいアニオンを導入した後に生成物の双方は、複雑な精製工程を有することなく高い純度および高い収量で製造可能であるべきであり、さらに電子工業における使用に関して適しているものでなければならない。
【0010】
したがって、相当する第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミンと、亜硫酸ジメチルとの反応によって、第4級アンモニウム化合物を製造するための方法が見出され、この場合、この反応は、
(i)6〜10個の炭素原子を有する芳香族炭化水素、全部で5〜10個の炭素原子を有する対称または非対称のジアルキルエーテル、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルカンおよびC〜C10−アルカンから成る群から選択された溶剤の存在下で、かつ、
(ii)10〜100℃の温度で、
実施する。
【0011】
本発明によって使用すべきすべての溶剤に共通する性質は、特に、従来技術に記載された溶剤、たとえばJP2001-322,970中のアセトニトリルおよびアルコール、メタノール、DE228247中のクロロホルムおよびニトロベンゼンと比較してのその低い極性である。この相対的に低い極性は、反応中に形成された第4級アンモニウム−メチルスルフィットの、別個の固相または液相の形成およびたとえば、未反応の出発材料または副生成物が、これにより好ましくは溶剤相中での残留を導く。
【0012】
したがって、驚くべきことに、本発明により使用される溶剤の、本発明による温度範囲との組合せにおける使用が、結果として、従来技術に記載された溶剤と比較して、メチルスルフィットアニオンのメタンスルホナートアニオンへの転位を、顕著に抑制するか、あるいは、実質的には完全に回避することが見出された。
【0013】
使用される6〜10個の炭素原子を有する芳香族炭化水素は、一般には、非置換またはC〜C−アルキル、−CH=CH−CH=CH−、1,4−ブチレン、−O−CH−CH−CH−によって置換されたベンゼンおよびさらには、特定された範囲内での炭素原子の数を有する、モノヒドロキシアルキルベンゼンまたはモノアルコキシアルキルベンゼンである。6〜10個の炭素原子を有する、適した炭化水素の例は、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、1−プロピルベンゼン、2−プロピルベンゼン、1−ブチルベンゼン、2−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、キシレン(o−、m−、p−)、メチルエチルベンゼン(o−、m−、p−)、ジエチルベンゼン(o−、m−、p−)、トリメチルベンゼン(vic−、sym−、asym−)、クレゾール(o−、m−、p−)、エチルフェノール(o−、m−、p−)、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンである。
【0014】
使用される、全部で5〜10個の炭素原子を有する、対称または非対称のジアルキルエーテルは、一般には、非分枝または分枝のアルキル基を有するジアルキルエーテルであり、その際、少なくとも1種のアルキル基はC〜C−アルキル基である。他のアルキル基中の炭素原子の数は、特定された全部の炭素原子によって定められる。全部で5〜10個の炭素原子を有する、適した対称または非対称のジアルキルエーテルの例は、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert.−ブチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルおよびジエチレングリコールジメチルエーテルである。
【0015】
使用された5〜8個の炭素原子を有するシクロアルカンは、一般には、非置換またはC〜C−アルキル−置換されたシクロアルカンである。5〜8個の炭素原子を有する、適したシクロアルカンの例は、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンである。
【0016】
使用されたC〜C10−アルカンは、一般には非分枝または分枝のアルカンである。適したC〜C10−アルカンの例は、n−ペンタン、2−メチルブタン(イソペンタン)、2,2−ジメチル−プロパン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、2,2−ジメチルブタン、n−ヘプタン、異性体ヘプタン、n−オクタン、異性体オクタン、n−ノナン、異性体ノナン、n−デカン、異性体デカンである。
【0017】
勿論、種々の溶剤の混合物を使用することも可能である。
【0018】
好ましくは、溶剤としてトルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メチル−tert.−ブチルエーテル、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタンまたはオクタンを、本発明による方法において使用する。
【0019】
本発明による方法において使用する溶剤の量は、使用された第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミンの量に対して、一般には10〜1000質量%、好ましくは20〜500質量%および特に好ましくは20〜200質量%である。
【0020】
個々の出発材料の型および添加順序は、本発明による方法では厳密なものではない。したがって、たとえば、第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミン、亜硫酸ジメチルおよび溶剤を、任意の順序で連続して、あるいは、同時に、反応装置に導入することが可能である。第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミンおよび/または亜硫酸ジメチルを、溶剤の一部または全部の量と一緒に混合し、かつその後に専ら2種の溶剤含有出発材料と混合することも可能である。さらに、2種の出発材料の一つを、反応容器中に最初に装入し、かつ他の出発材料を、数分または数時間の範囲での特定の期間に亘って滴加することも可能であり、その際、出発材料の少なくとも1種は溶剤で希釈されている。
【0021】
本発明による方法のための反応装置として、本発明による方法によれば、原則すべての反応装置を使用することができ、この場合、この装置は、液相中での反応に適しているものである。これは特に、液体出発材料を適切に混合可能な反応装置、たとえば撹拌容器である。
【0022】
亜硫酸ジメチルと、第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミンとのモル比は、本発明による方法によれば、一般には0.9〜1.5、好ましくは0.9〜1.2、さらに好ましくは0.9〜1.1および特に好ましくは0.95〜1.05である。亜硫酸ジメチルをわずかに過剰量で添加する場合には、その後に、少量の未反応の第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミンが、溶剤相中に残存し、かつこれを介して、反応生成物を含有する相から分離することができる。亜硫酸ジメチルが過剰量で添加される場合には、未反応の亜硫酸ジメチルは、溶剤相中に残存し、かつ同様に、これを介して反応生成物を含有する相から分離することができる。
【0023】
本発明による方法における、第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミンと亜硫酸ジメチルとの反応は、10〜100℃の温度および0.05〜2MPa絶対圧、好ましくは0.09〜0.5MPa絶対圧で、特に好ましくは0.09〜0.2MPa絶対圧、さらに好ましくは0.095〜0.12MPa絶対圧で、実施する。
【0024】
反応のために必要とされる時間は、先ず、選択された出発材料の化学的性質(第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミンならびに無機または有機プロトン酸の反応性)および反応温度に依存する。たとえば、これは、反応速度を測定する、発熱反応の温度曲線が測定するか、および/または、出発材料および生成物の濃度を分析により測定する、予備試験によって定めることができる。一般に、必要とされる期間は、数分から1日であり、一般には0.1〜24時間、好ましくは0.1〜10時間である。
【0025】
反応を完了した後に、反応混合物の混合は、一般には停止させ、その結果、相分離が生じる。反応装置の型に依存して、この装置中または別個の装置中に2相を沈降させることが有利である。2相が沈降した後に、得られた第4級アンモニウム−メチルスルフィットの液相または固相を分離除去する。一般に、第4級アンモニウム−メチルスルフィットの相は、底部に位置し、かつ溶剤相は頭部に位置する。
【0026】
分離除去された溶剤は、一般には再循環され、かつ当該反応のための溶剤として再利用する。溶剤中の考えられうる副生成物の堆積を回避するための手段を使用することも好ましい。挙げられてもよい可能な手段は、たとえば(i)少量の溶剤の装填およびこれの新鮮な溶剤による置換または(ii)後続の再循環を含む、溶剤の少なくとも少量の部分の蒸留、である。
【0027】
第4級アンモニウム−メチルスルフィットの好ましい純度に依存して、分離除去された相について後続の精製工程に導くことは有利であってもよい。第4級アンモニウム−メチルスルフィットが処理温度で液体である場合には、これを適した溶剤と一緒に振とうさせてもよく、その際、第4級アンモニウム−メチルスルフィットが溶解しないか、あるいは、わずかにのみ溶解する。この目的のために適した溶剤は、たとえば、本発明による方法のために使用することができる溶剤またはエステル、たとえば、酢酸エチルである。第4級アンモニウム−メチルスルフィットが処理温度で固体である場合には、たとえば、これを適した溶剤で洗浄し、その際、第4級アンモニウム−メチルスルフィットは、溶解しないか、あるいは、わずかにのみ溶解する。この目的のために適した溶剤は、たとえば同様に、本発明による反応のために使用されてもよい溶剤またはエステル、たとえば、酢酸エチルである。さらに固体の第4級アンモニウム−メチルスルフィットは、適した溶剤から再結晶化させてもよい。この目的のために適した溶剤は、第4級アンモニウム−メチルスルフィットが溶解する溶剤、たとえばアルコール、アセトニトリル、テトラヒドロフランまたはニトロベンゼンである。
【0028】
精製または未精製の第4級アンモニウム−メチルスルフィットの他の使用に依存して、有利にはこれを予め乾燥させることが有利であってもよい。乾燥を実施する場合には、これは好ましくは、第4級アンモニウム−メチルスルフィットの分解および特に第4級アンモニウムメチルメタンスルホナートへの異性体化を回避するために、特に緩慢な温度で、減圧下で実施することは有利である。
【0029】
本発明による方法は、回分的に、半連続的にまたは連続的に実施することができる。回分的に実施する場合には、出発材料および溶剤を組み合わせて、かつ好ましい温度で反応を実施する。反応の完了後に、反応混合物を記載したようにして後処理する。連続的に実施する場合には、2種の出発材料を、ゆっくりと反応装置中に導入し、好ましい温度で反応させ、その際、溶剤は2種の出発材料の一つと一緒に添加し、2種の出発材料間に分けるか、あるいは別個に添加する。反応混合物を、供給された材料に相当する量で連続的に取り出し、溶剤を供給し、かつ記載のようにして後処理する。後処理自体は、同様に連続的に実施することができる。半連続的な変法の場合には、2種の出発材料の少なくとも1種を、好ましい温度でゆっくりと導入し、その際、反応は、一般には、添加と同時に生じる。好ましい量を添加した後に、反応混合物を一般には、さらに特定の時間でさらに反応させ、引き続いて記載のようにして後処理する。
【0030】
本発明による方法によれば、第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミンとして、好ましくはアミン、イミダゾール、ピリジンまたはグアニジンを使用する。
【0031】
本発明による方法によれば、第3級sp−混成アミンとして、好ましくは、一般式(I)
【化1】

[式中、基R〜Rは、それぞれ互いに独立して、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜20個の炭素原子を有し、かつ、非置換のまたは1〜5個のヘテロ原子または官能基によって中断または置換された、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、その際、さらに基Rは水素であってもよいか、あるいは、
基Rは前記に示すものであり、かつ、基RおよびRは一緒になって、二価の、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有し、かつ、非置換または1〜5個のヘテロ原子または官能基によって中断または置換された脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であるか、あるいは、
基R、RおよびRは一緒になって、三価の、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜40個の炭素原子を有し、かつ、非置換のまたは1〜5個のヘテロ原子または官能基によって中断または置換された脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基である]のアミンを使用する。
【0032】
本発明による方法にしたがって、第3級sp−混成イミンとして、好ましくは一般式(II)
【化2】

[式中、基R〜Rは、それぞれ互いに独立して、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜20個の炭素原子を有し、かつ、非置換のまたは1〜5個のヘテロ原子または官能基によって中断または置換された脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、かつ、基R〜Rはさらに、それぞれ互いに独立して、水素、ハロゲンまたは官能基であってもよく、かつ基Rはさらに水素であってもよいか、あるいは、2個の隣接する基は一緒になって、二価の、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、1〜30個の炭素原子を有し、かつ非置換または1〜5個のヘテロ原子または官能基によって置換または中断された、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、かつ、残りの基は前記に示したとおりである]のイミダゾールを使用する。
【0033】
本発明による方法において、第3級sp−混成イミンとして、好ましくは、一般式(III)
【化3】

[式中、基R〜R12は、それぞれ互いに独立して、水素、ハロゲン、官能基であるか、あるいは、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜20個の炭素原子を有し、かつ、非置換または1〜5個のヘテロ原子または官能基によって置換または中断された脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であるか、あるいは、それぞれの場合において、2個の隣接した基は一緒になって、二価の、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有し、かつ、非置換または1〜5個のヘテロ原子によってまたは官能基によって中断または置換された脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、かつ残りの基は前記に示したとおりである]のピリジンを使用する。
【0034】
本発明による方法において、第3級sp−混成イミンとして、好ましくは、一般式(IV)
【化4】

[式中、基R13〜R17は、それぞれ互いに独立して、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜20個の炭素原子を有し、かつ非置換または1〜5個のヘテロ原子または官能基によって中断または置換された、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、その際、基R13およびR15はさらに、互いに独立して、水素であってもよいか、あるいは、それぞれ互いに独立して、基R13およびR14および/またはR15およびR16は一緒になって、二価の、炭素を含有する有機の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有し、かつ、非置換または1〜5個のヘテロ原子によってまたは官能基によって中断または置換された、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、かつ残りの基は前記に示したとおりであるか、あるいは、基R14およびR15は一緒になって、二価の、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有し、かつ、非置換または1〜5個のヘテロ原子によってまたは官能基によって中断または置換された、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、かつ、残りの基は前記に示したとおりである]のグアニジンを使用する。
【0035】
可能なヘテロ原子は、原則的に、基R〜R17の定義において、この場合、形式的に、−CH−基、−CH=基、−C≡基又は=C=基に置換することが可能な、全てのヘテロ原子である。炭素を含有する基が、ヘテロ原子を含有する場合には、好ましくは、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素である。有利な基は、特に−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−N=、−PR−、−PR及び−SiR−であり、その際、基Rは、炭素を含有する基の残りの部分である。R〜RおよびR〜R12の場合には、炭素を含有する基は、ヘテロ原子を介して直接イミダゾリウム環またはピリジニウム環に結合することができる。
【0036】
可能な官能基は、原則として、炭素原子又はヘテロ原子に結合していてもよい全ての官能基である。適した例として、−OH(ヒドロキシ)、=O(殊にカルボニル基として)、−NH2(アミノ)、=NH(イミノ)、−COOH(カルボキシ)、−CONH(カルボキサミド)、−SOH(スルホ)および−CN(シアノ)である。官能基およびヘテロ原子は、直接的に隣接していてもよく、したがって、複数個の隣接した原子からの組み合わせ、例えば−O−(エーテル)、−S−(チオエーテル)、−COO−(エステル)、−CONH−(第2級アミド)または−CONR−(第3級アミド)も含まれてよく、例えばジ−(C〜Cアルキル)−アミノ、C〜C−アルキルオキシカルボニルまたはC〜C−アルキルオキシである。
【0037】
ハロゲンとして、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。
【0038】
好ましくは、本発明による方法の場合には、アミン(I)、イミダゾール(II)、ピリジン(III)およびグアニジン(IV)を使用して実施され、その際、基R〜RおよびR〜R12はそれぞれ互いに独立して、
水素;
ハロゲン;または
官能基;
であり、かつ、基R〜R17は、それぞれ互いに独立して、
場合によっては、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/またはヘテロ環によって置換されていてもよいか、および/または、1個または複数個の酸素および/または1個または複数個の置換または非置換のイミノ基によって中断されていてもよい、C〜C18−アルキルであるか、
場合によっては、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/またはヘテロ環によって置換されたか、および/または、1個または複数個の酸素原子および/または硫黄原子および/または1個またはそれ以上の置換または非置換のイミノ基によって中断されていてもよい、C〜C18−アルケニルであるか、
場合によっては、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/またはヘテロ環によって置換されていてもよい、C〜C12−アリールであるか、
場合によっては、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/またはヘテロ環によって置換されていてもよい、C〜C12−シクロアルキルであるか、
場合によっては、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/またはヘテロ環によって置換されていてもよい、C〜C12−シクロアルケニルであるか、あるいは、
場合によっては、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/またはヘテロ環によって置換されていてもよい、5〜6員の酸素、窒素および/または硫黄−含有ヘテロ環であるか、あるいは、
隣接する基RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR10、R10およびR11、R11およびR12、R13およびR14、R14およびR15、R15およびR16、R13およびR17またはR16およびR17は、一緒になって、
場合によっては、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/またはヘテロ環によって置換されていてもよく、かつ、1個または複数個の酸素および/または硫黄原子および/または1個または複数個の置換または非置換のイミノ基によって中断されていてもよい、不飽和、飽和または芳香族の環である。
【0039】
場合によっては、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/またはヘテロ環によって置換されてもよいC〜C18−アルキルは、好ましくは、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert.−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、
2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−ノニル、1−デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、1−トリデシル、1−テトラデシル、1−ペンタデシル、1−ヘキサデシル、1−ヘプタデシル、1−オクタデシル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンチルエチル、3−シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、3−シクロヘキシルプロピル、ベンジル(フェニルメチル)、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル)、トリフェニルメチル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、α,αージメチルベンジル、p−トリメチル、1−(p−ブチルフェニル)−エチル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、p−メトキシベンジル、m−エトキシベンジル、2−シアノエチル、2−シアノプロプル、2−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、2−ブトキシカルボニルプロピル、1,2−ジ(メトキシカルボニル)−エチル、メトキシ、エトキシ、ホルミル、1,3−ジオキソラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、2−メチル−1,3−ジオソラン−2−イル、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−アミノエチル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、4−アミノブチル、6−アミノヘキシル、2−メチルアミノエチル、2−メチルアミノプロピル、3−メチルアミノプロピル、4−メチルアミノブチル、6−メチルアミノヘキシル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジメチルアミノプロピル、3−ジメチルアミノプロピル、4−ジメチルアミノブチル、6−ジメチルアミノヘキシル、2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルエチル、2−フェノキシエチル、2−フェノキシプロピル、3−フェノキシプロピル、4−フェノキシブチル、6−フェノキシヘキシル、2−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、6−メトキシヘキシル、2−エトキシエチル、2−エトキシプロピル、3ーエトキシプロピル、4−エトキシブチル、6−エトキシヘキシル、アセチル、C2(n−a)+(1−b)2a+b[式中、nは1〜30、0≦a≦nおよびb=0または1である](たとえば、CF、C、CHCH−C(n−2)2(n−2)+1、C13、C17、C1021、C1225)、クロロメチル、2−クロロエチル、トリクロロメチル、1,1−ジメチル−2−クロロエチル、メトキシメチル、2−ブトキシエチル、ジエトキシメチル、ジエトキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシプロピル、2−オクチルオキシエチル、2−メトキシイソプロピル、2−(メトキシカルボニル)−エチル、2−(エトキシカルボニル)−エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)−エチル、ブチルチオメチル、2−ドデシルチオエチル、
2−フェニルチオエチル、5−ヒドロキシ−3−オキサペンチル、8−ヒドロキシ−3,6−ジオキオクチル、11−ヒドロキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−ヒドロキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−ヒドロキシ−4,8−ジオキウンデシル、15−ヒドロキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−ヒドロキシ−5−オキサ−ノニル、14−ヒドロキシ−5,10−ジオキサ−テトラデシル、5−メトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−メトキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−メトキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−メトキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−メトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−メトキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−メトキシ−5−オキサ−ノニル、14−メトキシ−5,10−ジオキサテトラデシル、5−エトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−エトキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−エトキシ−3,6,9−トリオキサウンデシル、7−エトキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−エトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−エトキシ−4,8,12−トリオキサペンタデシル、9−エトキシ−5−オキサ−ノニルまたは14−エトキシ−5,10−オキサ−テトラデシルである。
【0040】
場合によっては、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/またはヘテロ環により置換された、および/または、1個または複数個の酸素原子および/または硫黄原子および/または1個または複数個の置換又は非置換のイミノ基により中断されたC〜C18−アルケニルは、有利にはビニル、2−プロペニル、3−ブテニル、シス−2−ブテニル、トランス−2−ブテニル又はC2(n−a)−(1−b)2a−b[その際、n≦30、0≦a≦nおよびb=0または1]である。
【0041】
場合によっては、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/または複素環により置換されていてもよい、C〜C12−アリールは、好ましくはフェニル、トリル、キシリル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−ジフェニルイル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、トリクロロフェニル、ジフルオロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、イソプロピルフェニル、tert.−ブチルフェニル、ドデシルフェニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、エトキシフェニル、ヘキシルオキシフェニル、メチルナフチル、イソプロピルナフチル、クロロナフチル、エトキシナフチル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、4−ブロモフェニル、2−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、2,6−ジニトロフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、4−アセチルフェニル、メトキシエチルフェニル、エトキシメチルフェニル、メチルチオフェニル、イソプロピルフェニルまたはtert.−ブチルチオフェニルまたはC(5−a)[式中、0≦a≦5である]である。
【0042】
場合によっては、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/またはヘテロ環により置換されていてもよいC〜C12−シクロアルキルは、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、ジエチルシクロヘキシル、ブチルシクロヘキシル、メトキシシクロヘキシル、ジメトキシシクロヘキシル、ジエトキシシクロヘキシル、ブチルチオシクロヘキシル、クロロシクロヘキシル、ジクロロシクロヘキシル、ジクロロシクロペンチル、C2(n−a)−(1−b)2a−b(式中、n≦30、0≦a≦n及びb=0又は1である)であるか、あるいは、飽和または不飽和の二環系、例えばノルボルニル又はノルボルネニルである。
【0043】
場合によっては、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/またはヘテロ環により置換されていてもよいC〜C12−シクロアルケニルは、好ましくは3−シクロペンテニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、2,5−シクロヘキサジエニルまたはC2(n−a)−3(1−b)2a−3b(式中、n≦30,0≦a≦n及びb=0または1である)である。
【0044】
場合によっては、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/またはヘテロ環によって置換されていてもよい5〜6員の、酸素−、窒素−および/または硫黄−含有ヘテロ環は、好ましくはフリル、チオフェニル、ピリル、ピリジル、インドリル、ベンズオキサゾリル、ジオソリル、ジオキシル、ベンズイミダゾリル、ベンズチオアゾリル、ジメチルピリジル、メチルキノリル、ジメチルピリル、メトキシフリル、ジメトキシピリジル又はジフルオロピリジルである。
【0045】
隣接する基RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR10、R10およびR11、R11およびR12、R13およびR14、R14およびR15、R15およびR16、R13およびR17またはR16およびR17が一緒になって、場合によっては、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/またはヘテロ環によって置換されていてもよく、かつ、場合によっては、1個または複数個の酸素、窒素および/または硫黄原子および/または1個または複数個の置換または非置換のイミノ基によって中断されていてもよい、不飽和、飽和または芳香族の環を形成する場合には、2個の基は一緒になって、好ましくは1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、1,5−ペンチレン、2−オキサ−1,3−プロピレン、1−オキサ−1,3−プロピレン、2−オキサ−1,3−プロピレン、1−オキサ−1,3−プロペニレン、3−オキサ−1,5−ペンチレン、1−アザ−1,3−プロペニレン、1−C〜C−アルキル−1−アザ−1,3−プロペニレン、1,4−ブタ−1,3−ジエニレン、1−アザ−1,4−ブラ−1,3−ジエニレンまたは2−アザ−1,4−ブタ−1,3−ジエニレンである。
【0046】
前記基が、酸素および/または硫黄原子および/または1個または複数個の置換又は非置換のイミノ基を含有する場合には、酸素および/または硫黄原子および/またはイミノ基の数は限定されない。この数は、一般的に、前記基中において5個以下、好ましくは4個以下、特に好ましくは3個以下である。
【0047】
前記基がヘテロ原子を含有する場合には、任意の2個のヘテロ原子間には、一般的に少なくとも1つの炭素原子、有利には少なくとも2つの炭素原子が存在する。
【0048】
基R1〜R、RおよびR13〜R17は特に好ましくは、互いに独立して、非分枝又は分枝の、C1〜C12−アルキル、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert.−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、1−ヘプチル、1−オクチル、1−ノニル、1−デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、1−テトラデシル、1−ヘキサデシル、1−オクタデシル、2−ヒドロキシエチル、ベンジル、3−フェニルプロピル、ビニル、2−シアノエチル、2−(メトキシカルボニル)−エチル、2−(エトキシカルボニル)−エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)−エチル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ヘプタフルオロイソプロピル、ノナフルオロブチル、ノナフルオロイソブチル、ウンデシルフルオロペンチル、ウンデシルフルオロイソペンチル、6−ヒドロキシヘキシルまたはプロピルスルホン酸である。さらに、基Rは、特に好ましくはスルホ基または非分枝または分枝のスルホ−C〜C12−アルキル基を示す。
【0049】
基R〜RおよびR〜R12は、特に好ましくは、互いに独立して、水素であるか、あるいは、非分枝または分枝の、C1〜C12−アルキル、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert.−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、2−ヒドロキシエチル、2−シアノエチル、2−(メトキシカルボニル)−エチル、2−(エトキシカルボニル)−エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)−エチル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、塩素、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ヘプタフルオロイソプロピル、ノナフルオロブチル、ノナフルオロイソブチル、ウンデシルフルオロペンチル、ウンデシルフルオロイソペンチルまたは6−ヒドロキシヘキシルである。
【0050】
特に好ましくは、本発明による方法において、アミン(I)としてトリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチル−n−プロピルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルメチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルメチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルアニリンおよびN−メチルモルホリンを使用する。
【0051】
特に好ましくは、本発明による方法において、イミダゾール(II)として、N−メチルイミダゾール、N−エチルイミダゾール、N−(1−プロピル)イミダゾール、N−(1−ブチル)イミダゾール、N−(1−ヘキシル)イミダゾール、N−(1−オクチル)イミダゾール、N−(1−デシル)イミダゾール、N−(1−ドデシル)イミダゾールおよびN−(1−ペンタデシル)イミダゾールを使用する。
【0052】
特に好ましくは、本発明による方法において、ピリジン(III)として、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2−エチルピリジンおよび2,6−ジエチルピリジンを使用する。
【0053】
特に好ましくは、本発明による方法において、グアニジン(IV)として、N,N,N′,N′,N″−ペンタメチルグアニジンを使用する。
【0054】
本発明による方法において、アミンを使用する場合には、亜硫酸ジメチルとのこれらの反応は、好ましくは10〜80℃の温度、さらに好ましくは10〜60℃の温度および特に好ましくは10〜40℃の温度で実施する。
【0055】
本発明による方法において、イミダゾール、ピリジンまたはグアニジンを使用する場合には、亜硫酸ジメチルとのこれらの反応は、20〜100℃、さらに好ましくは30〜90℃および特に好ましくは50〜80℃の温度で実施する。
【0056】
亜硫酸メチル以外のアニオンが好ましい場合には、形成された第4級アンモニウム−亜硫酸メチル塩は、さらに他の反応工程において、好ましいアニオンを導入するために処理することができる。
【0057】
好ましいアニオンは亜硫酸水素アニオンである。第4級アンモニウム亜硫酸水素塩を得るためには、形成された第4級アンモニウム−亜硫酸メチル塩を水と反応させて、メタノールを遊離する。本発明の方法のための適した装置として、原則として、液相中での反応に適したすべての反応装置を使用することが可能である。これは、特に、液体出発材料を適切に混合することが可能なもの、たとえば撹拌容器である。水と第4級アンモニウム−亜硫酸メチル塩とのモル比は、一般には0.9〜1.5、好ましくは0.95〜1.2、特に好ましくは0.95〜1.1およびさらに好ましくは0.99〜1.05である。反応は、一般には、10〜80℃、好ましくは10〜60℃および特に好ましくは20〜40℃の温度で実施する。圧力は、一般には0.05〜2MPa絶対圧、好ましくは0.09〜0.5MPa絶対圧および特に好ましくは0.095〜0.12MPa絶対圧である。反応に必要とされる時間は、一般には数分から数時間、好ましくは0.1〜5時間であり、かつ、たとえば、反応過程から定めることができる(pH、亜硫酸メチルアニオンの濃度)。反応が完了した後に、形成されたメタノールおよび存在する任意の過剰量の水を、減圧下で、10〜80℃、好ましくは10〜60℃の温度で取り出す。得られた生成物を溶剤で洗浄してもよく、その際、溶剤は、第4級アンモニウム亜硫酸水素塩が溶解しないか極めてわずかにのみ溶解するものであり、たとえば6〜10個の炭素原子を有する芳香族炭化水素、全部で5〜10個の炭素原子を有する対称または非対称のジアルキルエーテル、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルカンまたはC〜C10−アルカンである。さらに、溶剤から生成物を再結晶化することは可能であり、その際、溶剤は、第4級アンモニウム亜硫酸水素塩が溶解するもの、たとえば、アルコール、アセトニトリル、テトラヒドロフランまたはニトロベンゼンである。生成物は、一般には減圧下で乾燥させる。
【0058】
亜硫酸水素以外のアニオンを導入するために、形成された第4級アンモニウム−亜硫酸メチル塩を、水溶液中で、25℃で測定されたpK値、1.8〜14を有する無機または有機プロトン酸と反応させ、メタノールおよび二酸化硫黄を遊離し、かつ相当する部分的にまたは完全に脱プロトン化された酸アニオンの第4級アンモニウム塩を形成する。
【0059】
使用されるべき無機または有機プロトン酸のpK値は、好ましくは1.8〜10、好ましくは2〜10および特に好ましくは3〜10であり、この場合、これらは、水溶液中で、25℃で測定されたものである。本発明による方法のための反応装置として、原則として、液相中での反応のために適したすべての反応装置を使用することが可能である。これは、特に、液体出発材料を適切に混合することが可能なもの、たとえば撹拌容器である。無機または有機プロトン酸と第4級アンモニウム−メチルスルフィットとのモル比は、一般には0.9〜1.5、好ましくは0.95〜1.1、特に好ましくは0.95〜1.05およびさらに好ましくは0.99〜1.02である。反応は、一般には、10〜80℃、好ましくは10〜60℃および特に好ましくは20〜40℃の温度で実施する。圧力は、一般には0.05〜2MPa絶対圧、好ましくは0.09〜0.5MPa絶対圧および特に好ましくは0.095〜0.12MPa絶対圧である。反応に必要とされる時間は、一般には数分から数時間、好ましくは0.1〜5時間であり、かつ、たとえば、反応過程から定めることができる(pH、亜硫酸メチルアニオンの濃度)。反応が完了した後に、存在する任意の過剰量の酸を、一般には塩基、たとえば水酸化ナトリウムを用いて中和し、かつその後に生成物を、溶剤で洗浄し、その際、溶剤は、第4級アンモニウム塩が溶解しないもの、たとえば、アルコール、アセトニトリル、テトラヒドロフランまたはニトロベンゼンである。生成物は、一般には減圧下で乾燥させる。
【0060】
好ましくは、本発明による方法は、第4級アンモニウム塩を製造するために使用し、その際、塩の部分的または完全に脱プロトン化されたアニオンは、
フッ化物、ヘキサフルオロホスファート、ヘキサフルオロアルセナート、ヘキサフルオロアンチモナート、トリフルオロアルセナート、ニトリット、ニトラート、スルファート、硫酸水素、炭酸、炭酸水素、リン酸、リン酸水素、二水素リン酸、ビニルホスホナート、ジシアナミド、ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィナート、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスファート、トリス(へプタフルオロプロピル)トリフルオロホスファート、ビス[オキサラト(2−)]ボラート、ビス[サリチラト(2−)]ボラート、ビス[1,2−ベンゾールジオラト(2−)O,O’−]ボラート、テトラシアノボラート、テトラカルボニルコバルタート;
一般式(Va)
[BR
[式中、R〜Rは互いに独立して、フッ素であるか、あるいは、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有する脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この場合、この基は、1個または複数個のヘテロ原子を含有するか、および/または1個または複数個の官能基またはハロゲンによって置換されていてもよい]のテトラ置換ボラート、
一般式(Vb)
[R−SO
[式中、Rは、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有する脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この場合、この基は、1個または複数個のヘテロ原子を含有するか、および/または1個または複数個の官能基またはハロゲンによって置換されていてもよい]の有機スルホナート、
一般式(Vc)
[R−COO]
[式中、Rは水素であるか、あるいは、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有する脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この場合、この基は、1個または複数個のヘテロ原子を含有するか、および/または、1個または複数個の官能基またはハロゲンによって置換されていてもよい]のカルボキシラート、
一般式(Vd)
[PF(C2y+1−z6−x
[式中、1≦x≦6、1≦y≦8および0≦z≦2y+1である]の(フルオロアルキル)フルオロホスファート;
一般式(Ve)[R−SO−N−SO−R
一般式(Vf)[R−SO−N−CO−Rまたは
一般式(IVg)[R−CO−N−CO−R
[式中、R〜Rは、互いに独立して、水素であるか、あるいは、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有する脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この場合、この基は、1個または複数個のヘテロ原子を含有するか、および/または1個または複数個の官能基またはハロゲンによって置換されていてもよい]のイミド、
一般式(Vh)
【化5】

[式中、R〜Rは、互いに独立して、水素であるか、あるいは、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有する脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この場合、この基は、1個または複数個のヘテロ原子を含有するか、および/または1個または複数個の官能基またはハロゲンによって置換されていてもよい]のメチド;
一般式(Vi)[RO−SO
[式中、Rは炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、炭素原子1〜30個を有する脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この場合、この基は、1個または複数個のヘテロ原子を含有するか、および/または1個または複数個の官能基またはハロゲンによって置換されていてもよい]の有機スルファート;
一般式(Vj)[MHals−
[式中、Mは金属であり、かつHalはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり、qおよびrは正の整数であり、かつ錯体の化学量論比を示し、かつ、sは正の整数であり、かつ錯体の電荷を示す]のハロメタラート;あるいは、スルフィド、硫化水素、
一般式(Vk)[HS
[式中、vは2〜10の正の整数を示す]のポリ硫化水素、
一般式(Vm)[S2−
[式中、vは2〜10の正の整数を示す]のポリスルフィド、
一般式(Vn)[RS]
[式中、Rは炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有する脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この場合、この基は、1個または複数個のヘテロ原子を含有するか、および/または、1個または複数個の官能基またはハロゲンによって置換されていてもよい]のチオラートである。
【0061】
可能なヘテロ原子としては、原則として、式−CH2−、−CH=、C≡又は=C=の基に形式的に置換可能である全てのヘテロ原子である。炭素を含有する基がヘテロ原子を含有する場合には、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素が好ましい。好ましい基として、特に−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR−、−N=、−PR−、−PR2及び−SiR2−が挙げられ、その際、基Rは、炭素を含有する基の残りの部分である。
【0062】
可能な官能基としては、原則として、炭素原子又はヘテロ原子と結合することができる全ての官能基である。適した基の例として、−OH(ヒドロキシ)、=O(特にカルボニル基として)、−NH2(アミノ)、=NH(イミノ)、−COOH(カルボキシ)、−CONH2(カルボキサミド)及び−CN(シアノ)である。官能基及びヘテロ原子は、直接隣接していてもよく、従って、複数の近接した原子の組み合わせ、例えば−O−(エーテル)、−S(チオエーテル)、−COO−(エステル)、−CONH−(第2級アミド)又は−CONR−(第3級アミド)がさらに含まれてもよい。
【0063】
ハロゲンとして、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられてもよい。
【0064】
炭素原子を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素を含有する脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基、この場合、これは、テトラ置換ボラート(Va)中基R〜R、有機スルホナート(Vb)中基R、カルボキラート(Vc)中基R、イミド(Ve)、(Vf)および(Vg)中基R〜R、メチド(Vh)中基R〜R、有機スルフェート(Vi)中基Rおよびチオレート(Vn)中基Rは、好ましくは、互いに独立して、
〜C30−アルキルおよびそのアリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキル−、ハロゲン−、ヒドロキシ−、アミノ−、カルボキシ−、ホルミル−、−O−、−CO−、−CO−O−または−CO−N<−置換された成分、たとえばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(ter−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘニコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、フェニルメチル(ベンジル)、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンチルエチル、3−シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、3−シクロヘキシルプロピル、メトキシ、エトキシ、ホルミル、アセチルまたはC2(n−a)+(1−b)2a+bであり、その際、n≦30、0≦a≦nおよびb=0または1(たとえば、CF、C、CHCH−C(n−a)F2(n−2)+1、C13、C17、C1021、C1225)、であり、
〜C12−シクロアルキルおよびそのアリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキル−、ハロゲン−、ヒドロキシ−、アミノ−、カルボキシ−、ホルミル−、−O−、−CO−または−CO−O−置換された成分、たとえばシクロペンチル、2−メチル−1−シクロペンチル、3−メチル−1−シクロペンチル、シクロヘキシル、2−メチル−1−シクロヘキシル、3−メチル−1−シクロヘキシル、4−メチル−1−シクロヘキシルまたはC2(n−a)+(1−b)2a−bであり、その際、n≦30、0≦a≦nおよびb=0または1、であり、
〜C30−アルケニルおよびそのアリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキル−、ハロゲン−、ヒドロキシ−、アミノ−、カルボキシ−、ホルミル−、−O−、−CO−または−CO−O−で置換された成分、たとえば2−プロペニル、3−ブテニル、シス−2−ブテニル、トランス−2−ブテニルまたはC2(n−a)−(1−b)2a−bであり、その際、n≦30、0≦a≦nおよびb=0または1であり、
〜C12−シクロアルケニルおよびそのアリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキル−、ハロゲン−、ヒドロキシ−、アミノ−、カルボキシ−、ホルミル−、−O−、−CO−または−CO−O−置換された成分、たとえば3−シクロペンテニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、2,5−シクロヘキサジエニルまたはC2(n−a)−3(1−b)2a−3bであり、その際、n≦30、0≦a≦nおよびb=0または1、であり、かつ、
2〜30個の炭素原子を有するアリールまたはヘテロアリールおよびそのアルキル−、アリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキル−、ハロゲン−、ヒドロキシ−、アミノ−、カルボキシ−、ホルミル−、−O−、−CO−または−CO−O−で置換された成分、たとえばフェニル、2−メチルフェニル(2−トリル)、3−メチル−フェニル(3−トリル)、4−メチル−フェニル、2−エチル−フェニル、3−エチル−フェニル、4−エチル−フェニル、2,3−ジメチル−フェニル、2,4−ジメチル−フェニル、2,5−ジメチル−フェニル、2,6−ジメチル−フェニル、3,4−ジメチル−フェニル、3,5−ジメチルフェニル、4−フェニル−フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニルまたはC(5−a)、その際、0≦a≦5、である。
【0065】
アニオンが、テトラ置換ボラート(Va)[BRである場合には、式中、全部で4個の基R〜Rは、好ましくは同一であり、かつ好ましくはフッ素、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、フェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルである。特に好ましいテトラ置換ボラート(Va)は、テトラフルオロボラート、テトラフェニルボラート及びテトラ[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボラートである。
【0066】
アニオンが有機スルホナート(Vb)[Re−SO3-である場合には、基Reは好ましくはメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、p−トリル又はC19である。特に好ましい有機スルホナート(Vb)はトリフルオロメタンスルホナート(トリフラート、メタンスルホナート、p−トルエンスルホナート、ノナデカンフルオロノナスルホナート(ノナフラート)、ジメチレングリコールモノメチルエーテルスルファートおよびオクチルスルファートである。
【0067】
アニオンがカルボキシラート(Vc)[Rf−COO]-である場合には、基Rは好ましくは水素、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、フェニル、ヒドロキシ−フェニルメチル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、エテニル(ビニル)、2−プロペニル、−CH=CH−COO-、シス−8−ヘプタデセニル、−CHC(OH)(COOH)−CH2−COO、または非分枝又は分枝のC1〜C18−アルキル、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert.−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ヘプタデシルである。
【0068】
特に好ましいカルボキシラート(Vc)は、ホルマート、アセタート、プロピオナート、ブチラート、バレラート、ベンゾアート、マンデラート、トリクロロアセタート、ジクロロアセタート、クロロアセタート、トリフルオロアセタート、ジフルオロアセタート、フルオロアセタートである。
【0069】
アニオンが(フルオロアルキル)フルオロホスファート(Vd)[PFx(C2y+1−z6−x-である場合には、zは好ましくは0である。特に好ましくは、z=0、x=3および1≦y≦4である(フルオロアルキル)フルオロホスファート(Vd)、特に[PF(CF-、[PF(C-、[PF(C-および[PF(C-である。
【0070】
前記アニオンがイミド(Ve)[R−SO−N−SO−R、(Vf)[R−SO−N−CO−Rまたは(Vg)[R−CO−N−CO−Rである場合には、基R〜Rは、それぞれ好ましくは、互いに独立して、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、フェニル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチルまたは非分枝または分枝のC〜C12−アルキル、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert.−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはドデシルである。特に好ましいイミド(Ve)、(Vf)および(Vg)は、[FC−SO−N−SO−N−CF(ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド)、[F−SO−N−SO−C(ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド)、[FC−SO−N−CO−CF、[FC−CO−N−CO−CFであり、式中、基R〜Rはそれぞれ互いに独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチルまたはフルオロメチルである。
【0071】
アニオンがメチド(Vh)
【化6】

である場合には、基Rm〜Roは、好ましくはそれぞれ互いに独立して、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、フェニル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチルまたは非分枝又は分枝のC〜C12−アルキル、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert.−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはドデシルである。特に好ましいメチド(Vh)は、[(FC−SOC](トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド)、[(F−SOC](ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)メチド)であり、かつ、式中、基R〜Rはそれぞれ互いに独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチルまたはフルオロメチルである。
【0072】
アニオンが、有機スルファート(Vi)[RO−SOである場合には、基Rは、好ましくは分枝または非分枝のC〜C30−アルキル基である。特に好ましい有機スルファート(Vi)はメチルスルファート、エチルスルファート、プロピルスルファート、ブチルスルファート、ペンチルスルファート、ヘキシルスルファート、ヘキシルスルファート、ヘプチルスルファートまたはオクチルスルファートである。
【0073】
アニオンがハロメタラート(Vj)[MqHalrs-である場合には、Mは、好ましくはアルミニウム、亜鉛、鉄、コバルト、アンチモン又は錫である。Halは好ましくは塩素または臭素、特に好ましくは塩素である。qは好ましくは1、2または3であり、かつr及びsは、化学量論比および金属イオン上の電荷によって定められる。
【0074】
アニオンがチオラート(Vn)[RR]である場合には、基Rは、好ましくは分枝または非分枝のC〜C30−アルキル基である。特に好ましいチオラート(Vn)はメチルスルフィド、エチルスルフィド、n−プロピルスルフィド、n−ブチルスルフィド、n−ペンチルスルフィド、n−ヘキシルスルフィド、n−ヘプチルスルフィド、n−オクチルスルフィドまたはn−ドデシルスルフィドである。
【0075】
本発明による方法中で製造された第4級アンモニウム化合物は、特に好ましくは第4級アンモニウム塩であり、その際、部分的または完全に脱プロトン化したアニオンは、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスファート、トリフルオロメタンスルホナート、メタンスルホナート、ホルマート、アセタート、マンデラート、ニトラート、ニトリット、トリフルオロアセタート、スルファート、硫酸水素、メチルスルファート、エチルスルファート、プロピルスルファート、ブチルスルファート、ペンチルスルファート、ヘキシルスルファート、ヘプチルスルファート、オクチルスルファート、ホスファート、二水素リン酸、リン酸水素、プロピオナート、テトラクロロアルミナート、AlCl、クロロ亜鉛酸、クロロ鉄酸、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)メチド、p−トリル−スルホナート、ビス[サリチラト(2−)]ボラート、テトラカルボニルコバルタート、ジメチレングリコールモノメチルエーテルスルファート、オクチルスルファート、オレアート、ステアラート、アクリラート、メタクリラート、マレアート、クエン酸水素、ビニルホスホナート、ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィナート、ビス[オキサラト(2−)]ボラート、ビス[1,2−ベンゾールジオラト(2−)−O,O’]ボラート、ジシアナミド、トリス(ペンタフルオロエチル)−トリフルオロホスファート、トリス(ヘプタフルオロプロピル)トリフルオロホスファート、テトラシアノボラートまたはクロロコバルタートである。
【0076】
一般的な実施態様において、適切な第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミン、溶剤および亜硫酸ジメチルを混合し、かつこの混合物を、混合しながら、たとえば撹拌しながら、好ましい温度および好ましい圧力で反応させる。反応を乾燥させた後に、混合を呈しさせ、2個の相を分離させる。2相はその後に互いに分離させる。得られた第4級アンモニウム−メチルスルフィットは、高い純度を有し、かつ必要である場合には、他のアニオンの第4級アンモニウム塩を製造するために使用することができる。
【0077】
好ましい実施態様において、得られた第4級アンモニウム−亜硫酸メチル塩を、混合しながら、たとえば撹拌しながら、水溶液中で、25℃で測定された、≦14のpKを有する無機または有機プロトン酸と反応させ、メタノールおよび二酸化硫黄を遊離し、かつ相当する部分的または完全に脱プロトン化された酸アニオンの第4級アンモニウム塩を形成する。反応が乾燥した後に、存在する任意の過剰量の酸は、塩基を用いて中和し、得られた第4級アンモニウム塩を、適した溶液で洗浄し、かつ引き続いて減圧下で乾燥させる。
【0078】
本発明による方法は、フレキシブルに選択可能なアニオンを有する第4級アンモニウム化合物を、高い純度で、複雑な精製工程なしで製造することを可能にし、この場合、この方法は、簡単に実施され、亜硫酸ジメチルのメチル化剤としての使用によって、毒性物質を必要としないものである。本発明による方法によって、形成されたメチルスルフィットのメタンスルホネートへの転位(rearrangement)は、実際には完全に回避されるか、あるいは少なくとも顕著に、本発明の方法において抑制され、この場合、これもまた、可能な副生成物アニオンメタンスルホナートに対する高い純度を可能にするのに決定的なものである。さらに、第1反応生成物である第4級アンモニウムメチルスルフィットと水または無機または有機プロトン酸との可能な反応によって、本発明による方法は、他のアニオンを導入することを可能にし、それによって、得られうるアニオンの選択の展で極めてフレキシブルなものとなる。水または無機または有機プロトン酸とのさらなる反応における、純粋な第4級アンモニウムメチルスルフィットの使用の特別な利点は、メチルスルフィットアニオンの、揮発性メタノールの形成(水との反応の場合には、亜硫酸塩を形成する)または揮発性メタノールおよび揮発性二酸化硫黄の形成(無機または有機プロトン酸ンとの反応の場合)含む容易かつ完全な除去である。これとは対照的に、従来技術により製造された第4級アンモニウムメチルスルフィットは、もはや揮発性の成分に分解されることがない著量のメタンスルホナートを含むものである。これによるメタンスルホナートは、好ましいアニオンの導入後であっても反応混合物中に残存し、かつ最終生成物を汚染しうる。
【0079】
したがって、本発明による方法によって製造された第4級アンモニウム化合物は、電子工業における適用において、何ら問題なく使用することができる。
【0080】
実施例
例1(本発明による例)
21.11g(0.192モル)の亜硫酸ジメチルを、100mlのトルエンと一緒に、室温で、反応容器中に入れ、かつ、25mlのトルエン中23.8g(0.192モル)のN−ブチルイミダゾールの溶液を添加した。溶液を15時間に亘って60℃で撹拌した。反応中に形成された第2相は、N,N’−ブチルメチルイミダゾリウムメチルスルフィットにより形成された。撹拌を停止した後に、2相が分離した。N,N’−ブチルメチルイミダゾリウムメチルスルフィットを含有する下相を分離除去し、かつ、酢酸エチルを用いて2回に亘って振とうさせた。N,N’−ブチルメチルイミダゾリウムメチルスルフィットを引き続いて40℃で、0.3kPa(3ミリバール)の減圧下で乾燥させた。得られた生成物質量は37.5gであり、この場合、これらは、83%の理論的全収率(N,N’−ブチルメチルイミダゾリウムメチルスルフィットおよびN,N’−ブチルメチルイミダゾリウムメタンスルホナート)に相当する。
【0081】
得られた液体生成物を、NMR分光分析法を用いて分析し、かつ、N,N′−ブチルメチルイミダゾリウムメチルスルフィットとして同定された:
【表1】

【0082】
NMR−スペクトルの定量的算定において、2.8ppm(3H−メタンスルホナート):3.8ppm(3H−イミダゾリウム窒素上のメチル基)のシグナル比は、形成されたメタンスルホナートの割合が、検出限界を下回ることを示した。これは3モル%であった。これにより、N,N′−ブチルメチルイミダゾリウムメチルスルフィットの純度は>97%であった。
【0083】
例2(比較例)
62g(0.5モル)のN−ブチルイミダゾールを、55g(0.5モル)の亜硫酸ジメチルと一緒に、80℃に撹拌しながら加熱した。反応は、強発熱性であった。溶液をさらに5時間に亘って撹拌し、その後に室温に冷却し、かつ、酢酸エチルを用いて二回振とうした。N,N′−ブチルメチルイミダゾリウムメチルスルフィットを、引き続いて、40℃で、0.3kPa(3ミリバール)の減圧下で乾燥させた。得られた生成物の収量は108.6gであり、この場合、これは、理論的全収率の92%(N,N′−ブチル−メチルイミダゾリウム−メチルスルフィットおよびN,N′−ブチルメチルイミダゾリウムメタンスルホナート)に相当する。
【0084】
得られた液体生成物を、NMR分光分析法を用いて分析し、かつ、N,N′−ブチルメチルイミダゾリウムメチルスルフィットとN,N′−ブチルメチルイミダゾリウムメタンスルホナートとの混合物として同定された:
【表2】

【0085】
NMR−スペクトルの定量的算定において、2.8ppm(3H−メタンスルホナート):3.8ppm(3H−イミダゾリウム窒素上のメチル基)のシグナル比は、形成されたメタンスルホナートの割合が、16モル%として算定された。これにより、N,N′−ブチルメチルイミダゾリウムメチルスルフィットの純度は84%にすぎなかった。
【0086】
比較例2中では高い収率が、溶剤を使用することなく達成されているけれども、N,N′−ブチルメチルイミダゾリウムメチルスルフィットは、84%にすぎない純度で得られ、これは、約77%にすぎないN,N′−ブチルメチルイミダゾリウムメチルスルフィットの算定収率に相当する。これとは対照的に、本発明による例1は、>97%の顕著に高い純度を生じ、この場合、これは、約80〜83%のN,N′−ブチルメチルイミダゾリウムメチルスルフィットの算定収率に相当する。
【0087】
例3(溶剤としてアセトニトリルを用いる比較例)
例3は、本質的にJP 2001-322,970の例1と同様の方法を用いておこなった。
【0088】
20.0g(0.198モル)のトリエチルアミン、21.8g(0.198モル)の亜硫酸ジメチルおよび40mlのアセトニトリルを組み合わせて、かつ大気圧下で、2時間に亘って、撹拌しながら還流した。引き続いて、アセトニトリルを減圧下で留去し、かつ液体トリエチルメチルアンモニウム塩を得た。これを、100mlの水中に溶解し、かつ38.0gの50%濃度の水性テトラフルオロホウ酸と混合し、この場合、これは、0.198モルのHBFに相当するものであった。溶液を、70℃に加熱し、その際、形成された二酸化硫黄を除去した。二酸化硫黄−発生が止まった後に、水およびメタノールを減圧下で留去した。理論的全収率は92%であった(トリエチルメチルアンモニウム−テトラフルオロボラートおよびトリエチルメチルアンモニウム−メタンスルホナート)。
【0089】
JP 2001-322,970からの例1と比較して、この場合、96%の収率が報告されたが、試験の反復中での収率は、92%に過ぎなかった。
【0090】
得られた液体生成物を、NMR分光分析法を用いて分析し、かつ以下のシグナルを同定した:
【表3】

【0091】
さらに、NMRスペクトルは定量的に測定され、かつ形成されたメタンスルホナートの割合は、2.8ppm(3H−メタンスルホナート):2.9ppm(3H−アンモニウム窒素上のメチル基)のシグナル比から、6.1モル%として算定された。したがって、トリエチルメチルアンモニウム−テトラフルオロボラートの純度は、93.9%にすぎなかった。
【0092】
例4(本発明による例)
例4は、前記比較例である例3に基づくが、本質的に異なるのは、トルエンを溶剤として使用しているところであり、これに応じて、後処理を変更し、かつ低い反応温度を選択した。
【0093】
20.0g(0.198モル)のトリエチルアミンを室温で反応容器中に入れ、かつ、30gのトルエン中の21.8g(0.198モル)の亜硫酸ジメチルの溶液を滴加した。混合物を、大気圧下で、50℃に加熱し、かつこの条件下で12時間に亘って、撹拌しながら保持した。第2の液相が、反応中に、形成されたトリエチルメチルアンモニウムメチルスルフィットにより形成された。撹拌を停止させた後に、2相が分離した。トリエチルメチルアンモニウムメチルスルフィットを含有する下相を分離し、かつ38.0gの50%濃度の水性テトラフルオロホウ酸と混合し、この場合、これは、0.198モルのHBFに相当するもの、を滴加した。溶液を、70℃に加熱し、その際、形成された二酸化硫黄を除去した。二酸化硫黄−発生が止まった後に、混合物を冷却し、かつ生成物を減圧下で濃縮して、水およびメタノールを除去した。収量は33.36gであり、この場合、これは理論的全収率の85%であった(トリエチルメチルアンモニウムメチルスルフィットおよびトリエチルメチルアンモニウムメタンスルホナート)。
【0094】
得られた液体生成物を、NMR−分光分析法により分析し、かつ以下のシグナルを検出した:
【表4】

【0095】
さらに、NMRスペクトルは定量的に測定され、かつ形成されたメタンスルホナートの割合は、2.8ppm(3H−メタンスルホナート):2.9ppm(3H−アンモニウム窒素上のメチル基)のシグナル比から、4.6モル%として算定された。したがって、トリエチルアンモニウムテトラフルオロボラートの純度は、95.4%であった。
【0096】
溶剤としてアセトニトリルを使用した比較例3と比較して、本発明の方法は、1.5%と相対的に高い純度を生じた(95.4%対93.9%)。これは、1.5モル%の好ましくないトリエチルメチルアンモニウムメタンスルホナートの量の減少に相当し、これは、24.6%から75.4%までに相当する相対的な減少に相当する(4.6モル%対6,1モル%)。
【0097】
トリエチルアミンの4級化および引き続いてのトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボラートを形成するためのアニオンの置換において、さらに本発明は、顕著により純粋な生成物を導く。
【0098】
例5(本発明による例)
14.6g(0.2モル)のN,N−ジメチルエチルアミンを、150mlのn−ヘプタンと一緒に、反応容器中に入れ、かつ22.0g(0.2モル)の亜硫酸ジメチルを、10℃で、10分に亘って滴加した。滴加後に、溶液をゆっくりと室温に加熱し、かつさらに4時間に亘って撹拌した。反応中に、白色の沈澱物が形成した。これを吸引濾過し、少量のヘプタンで洗浄し、かつ乾燥させた。得られた生成物の質量は31.5gであり、この場合、これは、理論的全収率の86%に相当した(トリメチルエチルアンモニウムメチルスルフィットおよびトリメチルエチルアンモニウムメタンスルホナート)。
【0099】
得られた固体生成物を、NMR分光分析法により分析した。1H−NMRスペクトル(400MHz、DO)は、そのシグナル、1.4ppm(t−3H)、3.3ppm(s−3−H−メチルスルフィットアニオン)および3.4ppm(q−2H)で、好ましい生成物であるトリメチルエチルアンモニウムメチルスルフィットおよびトリメチルエチルアンモニウム亜硫酸水素塩の混合物を示し、この場合、これらは、DOの存在により、加水分解により形成された。
【0100】
トリメチルエチルアンモニウムメチルスルフィットの水性後処理後に、下流の生成物、トリメチルエチルアンモニウム亜硫酸水素塩を分離することが可能であり、かつ元素分析により同定した。
【0101】
【表5】

例6(本発明による例)
例1による回分で製造された、49.3g(0.21モル)のN,N′−ブチルメチルイミダゾリウムメチルスルフィットを、室温で、反応容器中に入れ、かつ13g(0.21モル)の酢酸をゆっくりと、撹拌しながら滴加した。反応混合物を、50〜0.2kPa絶対圧(500〜2ミリバール絶対圧)の減圧下で、40〜65℃で注意深く装入し、その際、形成されたメタノールを留去した。メタノールの形成および蒸留が完了した後に、反応混合物を140℃に加熱し、かつ二酸化硫黄を、0.3kPa絶対圧(3ミリバール絶対圧)の減圧下で放出した。二酸化硫黄を、冷却トラップ中に回収した。反応生成物の収量は37.2gであり、この場合、これは、理論的全収量の90%に相当した。
【0102】
得られた液体生成物は、NMR分光分析法により分析し、かつN,N′−ブチルメチルイミダゾリウムアセテートとして同定した:
【表6】

【0103】
例7(溶剤としてのアセトニトリルを用いての比較例)
例7は、本質的にJP 2001-322,970からの例1と同様の方法を用いて実施したが、その際、トリエチルアミンの代わりにピリジンを使用した。
【0104】
15.66g(0.198モル)のピリジン、21.8g(0.198モル)の亜硫酸ジメチルおよび40mlのアセトニトリルを組み合わせて、かつ大気圧下で、2時間に亘って、撹拌しながら還流した。引き続いてアセトニトリルを減圧下で留去し、かつ液体メチルピリジウム塩を得た。これを、100mlの水中に溶解し、かつ38.0gの50%濃度の水性テトラフルオロホウ酸と混合し、この場合、これは、0.198モルのHBFに相当するものであった。溶液を、70℃に加熱し、その際、形成された二酸化硫黄を除去した。二酸化硫黄−発生が止まった後に、水およびメタノールを減圧下で留去した。理論的全収率は86.8%であった(メチルピリジニウム−メチルスルフィットおよびメチルピリジニウム−メタンスルホナート)。
【0105】
得られた液体生成物を、NMR−分光分析法により分析し、以下のシグナルを同定した:
【表7】

【0106】
さらに、NMRスペクトルは定量的に測定され、かつ形成されたメタンスルホナートの割合は、2.8ppm(3H−メタンスルホナート):4.4ppm(3H−ピリジニウム窒素上のメチル基)のシグナル比から、10.5モル%として算定された。したがって、ピリジニウム−テトラフルオロボラートの純度は、89.5%にすぎなかった。
【0107】
例8(本発明による例)
15.82g(0.2モル)のピリジンを、室温で、反応容器中に入れ、かつ22g(0.2モル)の亜硫酸ジメチルと30gのトルエンとの混合物をゆっくりと滴加した。得られた混合物を、50℃に加熱し、かつ12時間に亘って撹拌した。反応混合物を冷却した後に、メチルピリジニウムメチルスルフィットを含有する下相を分離除去し、かつ39gの50%濃度の水性テトラフルオロホウ酸、この場合、これは、0.2モルのHBFに相当するもの、を、これに滴加した。ガス発生が観察された。その後に反応混合物を、70℃で2時間に亘って撹拌し、その後に120℃および0.2kPa絶対圧(2ミリバール絶対圧)で蒸発させた。得られた生成物の質量は28.5gであり、この場合、これは、理論的全収量の85%に相当した(メチルピリジニウムテトラフルオロボラートおよびメチルピリジニウムメタンスルホナート)。
【0108】
得られた液体生成物は、NMR分光分析法により分析し、かつ以下のシグナルを同定した:
【表8】

【0109】
NMRスペクトルの定量的算定において、2.8ppm(3H−メタンスルホナート):4.4ppm(ピリジウム窒素上の3H−メチル基)のシグナル比は、形成されたメタンスルホナートの割合が検出限界を下回ることを示した。これは3モル%であった。したがって、メチルピリジウムテトラフルオロボラートの純度は>97%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第4級アンモニウム化合物を、相当する第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミンと、亜硫酸ジメチルとを反応させることによって、製造する方法において、
反応を、
(i)6〜10個の炭素原子を有する芳香族炭化水素、全部で5〜10個の炭素原子を有する対称または非対称のジアルキルエーテル、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルカンおよびC〜C10−アルカンからなる群から選択された溶剤の存在下で、かつ、
(ii)10〜100℃の温度で、実施することを特徴とする、第4級アンモニウム化合物を製造するための方法。
【請求項2】
溶剤を、使用された第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミンの量に対して、10〜1000質量%の量で使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
溶剤としてトルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メチル−tert.−ブチルエーテル、シクロヘキサン、ヘキサン、へプタンまたはオクタンを使用する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
亜硫酸ジメチルと、第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミンとのモル比を、0.9〜1.5で使用する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
得られた第4級アンモニウム−メチルスルフィットの液相または固相を、相当する第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミンと亜硫酸ジメチルとの反応後に分離する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
第3級sp−混成アミンとして、一般式(I)
【化1】

[式中、基R〜Rは互いに独立して、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族の、非置換または1〜5個のヘテロ原子または官能基によって中断または置換された基、この場合、この基は、1〜20個の炭素原子を有する、を意味し、その際、基Rはさらに水素であってもよく、あるいは、基Rは、前記に示すものであって、かつ基RおよびRは一緒になって、二価の、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族の、非置換または1〜5個のヘテロ原子または官能基によって中断または置換された基、この場合、この基は、1〜30個の炭素原子を有する、を意味し、あるいは、基R、RおよびRは一緒になって、三価の、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族の、非置換または1〜5個のヘテロ原子または官能基によって中断または置換された基、この場合、この基は、1〜40個の炭素原子を有する]のアミンを使用する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
第3級sp−混成イミンとして、一般式(II)
【化2】

[式中、基R〜Rは互いに独立して、スルホ基であるか、あるいは、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族の、非置換または1〜5個のヘテロ原子または官能基によって中断または置換された基、この場合、この基は、1〜20個の炭素原子を有する、を意味し、かつ基R〜Rはさらに互いに独立して水素、ハロゲンまたは官能基を意味し、かつ基Rはさらに水素であってもよいか、あるいは、2個の隣接する基は一緒になって、二価の、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族の、非置換または1〜5個のヘテロ原子または官能基によって中断または置換された基、この場合、この基は、1〜30個の炭素原子を有する、を意味し、かつ残りの基は前記に示すものである]のイミダゾールを使用する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
第3級sp−混成イミンとして、一般式(III)
【化3】

[式中、基R〜R12は互いに独立して水素、ハロゲン、官能基であるか、あるいは、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族の、非置換または1〜5個のヘテロ原子または官能基によって中断または置換された基、この場合、この基は、1〜20個の炭素原子を有する、を意味し;あるいは、それぞれ互いに独立して、2個の隣接する基は一緒になって、二価の、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族の、非置換または1〜5個のヘテロ原子または官能基によって中断または置換された基、この場合、この基は、1〜30個の炭素原子を有する、を意味し、かつ残りの基は前記に示すとおりである]のピリジンを使用する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
第3級sp−混成イミンとして、一般式(IV)
【化4】

[式中、基R13〜R17は互いに独立して、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族の、非置換または1〜5個のヘテロ原子または官能基によって中断または置換された基、この場合、この基は、1〜20個の炭素原子を有する、を意味し、その際、基R13およびR15は互いに独立して、さらに水素であってもよく;あるいは、
それぞれ互いに独立して、基R13およびR14および/またはR15およびR16が一緒になって、二価の、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族の、非置換または1〜5個のヘテロ原子または官能基によって中断または置換された基、この場合、この基は、1〜30個の炭素原子を有する、を意味し、かつ残りの基は前記に示したとおりであるか、あるいは、
基R14およびR15は一緒になって、二価の、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族の、非置換または1〜5個のヘテロ原子または官能基によって中断または置換された基、この場合、この基は、1〜30個の炭素原子を有する、を意味し、かつ残りの基は前記に示すとおりである]のグアニジンを使用する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
第3級sp−混成アミンまたはsp−混成イミンとして、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチル−n−プロピルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチル−アミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルメチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルメチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、N−メチルピペリジン、ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、N−メチルイミダゾール、N−エチルイミダゾール、N−(1−プロピル)イミダゾール、N−(1−ブチル)イミダゾール、N−(1−ヘキシル)イミダゾール、N−(1−オクチル)イミダゾール、N−(1−デシル)イミダゾール、N−(1−ドデシル)イミダゾール、N−(1−ペンタデシル)イミダゾール、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2−エチルピリジン、2,6−ジエチルピリジンまたはN,N,N′,N′,N″−ペンタメチルグアニジンを使用する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
形成された第4級アンモニウム−メチルスルフィットを、水と反応させ、メタノールを遊離し、かつ第4級アンモニウム−亜硫酸水素塩を形成する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
形成された第4級アンモニウム−メチルスルフィットを、水溶液中で25℃で測定された、pK値≦14を有する、無機または有機プロトン酸と反応させ、メタノールおよび二酸化硫黄を遊離し、かつ相当する部分的または完全に脱プロトン化された酸アニオンの第4級アンモニウム塩を形成する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
第4級アンモニム化合物として、第4級アンモニウム塩を製造し、その際、塩の部分的または完全に脱プロトン化されたアニオンが、
フッ化物、ヘキサフルオロホスファート、ヘキサフルオロアルセナート、ヘキサフルオロアンチモナート、トリフルオロアルセナート、ニトリット、ニトラート、スルファート、硫酸水素、炭酸、炭酸水素、リン酸、リン酸水素、二水素リン酸、ビニルホスホナート、ジシアナミド、ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィナート、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスファート、トリス(へプタフルオロプロピル)トリフルオロホスファート、ビス[オキサラト(2−)]ボラート、ビス[サリチラト(2−)]ボラート、ビス[1,2−ベンゾールジオラト(2−)O,O’]ボラート、テトラシアノボラート、テトラカルボニルコバルタート;
一般式(Va)
[BR
[式中、R〜Rは互いに独立して、フッ素であるか、あるいは、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有する脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この場合、この基は、1個または複数個のヘテロ原子を含有するか、および/または1個または複数個の官能基またはハロゲンによって置換されていてもよい]のテトラ置換ボラート、
一般式(Vb)
[R−SO
[式中、Rは、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有する脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この場合、この基は、1個または複数個のヘテロ原子を含有するか、および/または1個または複数個の官能基またはハロゲンによって置換されていてもよい]の有機スルホナート、
一般式(Vc)
[R−COO]
[式中、Rは水素であるか、あるいは、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有する脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この場合、この基は、1個または複数個のヘテロ原子を含有するか、および/または、1個または複数個の官能基またはハロゲンによって置換されていてもよい]のカルボキシラート、
一般式(Vd)
[PF(C2y+1−z6−x
[式中、1≦x≦6、1≦y≦8および0≦z≦2y+1である]の(フルオロアルキル)フルオロホスファート、
一般式(Ve)[R−SO−N−SO−R
一般式(Vf)[R−SO−N−CO−Rまたは
一般式(IVg)[R−CO−N−CO−R
[式中、R〜Rは、互いに独立して、水素であるか、あるいは、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有する脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この場合、この基は、1個または複数個のヘテロ原子を含有するか、および/または1個または複数個の官能基またはハロゲンによって置換されていてもよい]のイミド、
一般式(Vh)
【化5】

[式中、R〜Rは、互いに独立して、水素であるか、あるいは、炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有する脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この場合、この基は、1個または複数個のヘテロ原子を含有するか、および/または1個または複数個の官能基またはハロゲンによって置換されていてもよい]のメチド;
一般式(Vi)[RO−SO
[式中、Rは炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、炭素原子1〜30個を有する脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この場合、この基は、1個または複数個のヘテロ原子を含有するか、および/または1個または複数個の官能基またはハロゲンによって置換されていてもよい]の有機スルファート;
一般式(Vj)[MHals−
[式中、Mは金属であり、かつHalはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり、qおよびrは正の整数であり、かつ錯体の化学量論比を示し、かつ、sは正の整数であり、かつ錯体の電荷を示す]のハロメタラート;あるいは、スルフィド、硫化水素、
一般式(Vk)[HS
[式中、vは2〜10の正の整数を示す]のポリ硫化水素、
一般式(Vm)[S2−
[式中、vは2〜10の正の整数を示す]のポリスルフィド、
一般式(Vn)[RS]
[式中、Rは炭素を含有する有機の、飽和または不飽和の、非環式または環式の、1〜30個の炭素原子を有する脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この場合、この基は、1個または複数個のヘテロ原子を含有するか、および/または、1個または複数個の官能基またはハロゲンによって置換されていてもよい]のチオラートである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第4級アンモニウム化合物として、第4級アンモニウム塩を製造し、その際、その塩の部分的または完全に脱プロトン化アニオンが、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスファート、トリフルオロメタンスルホナート、メタンスルホナート、ホルマート、アセタート、マンデラート、ニトラート、ニトリット、トリフルオロアセタート、スルファート、硫酸水素、メチルスルファート、エチルスルファート、プロピルスルファート、ブチルスルファート、ペンチルスルファート、ヘキシルスルファート、ヘプチルスルファート、オクチルスルファート、ホスファート、二水素リン酸、リン酸水素、プロピオナート、テトラクロロアルミナート、AlCl、クロロ亜鉛酸、クロロ鉄酸、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)メチド、p−トリル−スルホナート、ビス[サリチラト(2−)]ボラート、テトラカルボニルコバルタート、ジメチレングリコールモノメチルエーテルスルファート、オクチルスルファート、オレアート、ステアラート、アクリラート、メタクリラート、マレアート、クエン酸水素、ビニルホスホナート、ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィナート、ビス[オキサラト(2−)]ボラート、ビス[1,2−ベンゾールジオラト(2−)−O,O’]ボラート、ジシアナミド、トリス(ペンタフルオロエチル)−トリフルオロホスファート、トリス(ヘプタフルオロプロピル)トリフルオロホスファート、テトラシアノボラートまたはクロロコバルタートである、請求項13に記載の方法。

【公表番号】特表2008−510742(P2008−510742A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528655(P2007−528655)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008413
【国際公開番号】WO2006/021304
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】