高調波を用いたアーク検出装置
アーク検出システムは、高周波(RF)信号プローブを含み、前記高周波(RF)信号プローブは、RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成する。信号解析器が、前記信号を受信し、前記信号に基づいて、前記RF信号の基本周波数よりも高いまたは等しい周波数を有する周波数成分を監視して、前記周波数成分に基づいて出力信号を生成する。前記出力信号は、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波プラズマ処理システムにおけるアーク検出に関する。
【背景技術】
【0002】
この章における記載は、単に、本開示に関する背景情報を提供するものであって、従来技術を構成するものではない。
【0003】
数十年前から、半導体製造にRFプラズマが広範囲にわたって用いられている。フィールドデータによると、アークがウエハの欠陥および損傷の主たる原因となっていることが示されている。IC製造における歩留まりを維持し向上させるには、アークをリアルタイムで検出することが不可欠である。
【0004】
アークは、プラズマ室内の部品間のエネルギーの突然の放出である。アークと同時に、急速な電磁過渡現象が、典型的には1〜100マイクロ秒の範囲において生じる。アーク検出装置は、通常、2つの部品を含む。1つは、信号を感知するためのラングミュアプローブであり、もう1つは、リアルタイム信号処理ユニットである。プローブのカップリングに基づいて、アーク検出は、侵入的技術と非侵入的技術とに分類することができる。
【0005】
ここで、図1を参照する。高周波(RF)プラズマ供給システム10のいくつかの構成のうちの1つの構成が示されている。RFプラズマ供給システム10は、プラズマ室14に電力を供給するRF生成器12を含む。RF生成器12の出力部とプラズマ室14の入力部との間の給電ライン内には、インピーダンス整合回路網16を挿入することができる。プラズマ室14内には、ラングミュアプローブ18を挿入することができる。ラングミュアプローブ18は、プラズマ室14内のプラズマに基づいて信号を生成する。前記信号を、データ収集器20が受信および処理して、プラズマの特性を明らかにする。
【0006】
ラングミュアプローブ18はプラズマ診断用の典型的なプローブであり、プラズマの密度、温度、エネルギーを含む特性を測定するのに十分な性能を有している。ラングミュアプローブ18は、基本的には、プラズマ情報を得るための、プラズマシース内に挿入されたアンテナである。ラングミュアプローブ18は、プラズマ室14の内部に挿入されているため、ラングミュアプローブ18は、チャンバ処理に対して侵入的である。この、プラズマの挙動を判断する方法は、正確かつ有益であるが、ラングミュアプローブ18は挿入して使うものであるため、製造環境では使用することができない。
【0007】
非侵入的なアーク検出は、アーク中に生じる広帯域の放射に基づいて行うことができる。光学的検出および蛍光分光法を用いた技術は、この原理に基づいている。これらの方法は、概して、種々のセンサが必要であるため、ラングミュアプローブ18よりも高コストである。
【発明の概要】
【0008】
アーク検出システムは、高周波(RF)信号プローブを含み、前記高周波(RF)信号プローブは、RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成する。信号解析器が、前記信号を受信し、前記信号に基づいて、前記RF信号の基本周波数よりも高い周波数を有する周波数成分を監視して、前記周波数成分に基づいて出力信号を生成する。前記出力信号は、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示している。
【0009】
アーク検出システムは、高周波(RF)信号プローブを含み、前記高周波(RF)信号プローブは、RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成する。アナログ/デジタル変換器が、前記信号をデジタル信号に変換する。信号解析器が、前記デジタル信号を受信し、前記デジタル信号に基づいて、前記RF信号の基本周波数よりも高い周波数を有する、前記RF信号の周波数成分を監視して、前記周波数成分に基づいて出力信号を生成する。前記出力信号は、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示している。
【0010】
RFプラズマ処理システムにおけるアーク検出方法は、RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成し、前記信号に基づいて、前記RF信号の基本周波数よりも高い周波数を有する周波数成分を監視し、前記周波数成分に基づいて出力信号を生成する。前記出力信号は、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示している。
【0011】
RFプラズマ処理システムにおけるアーク検出方法は、RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成し、前記信号をデジタル信号に変換し、前記デジタル信号に基づいて、前記RF信号の基本周波数よりも高い周波数を有する、前記RF信号の周波数成分を監視し、前記周波数成分に基づいて出力信号を生成する。前記出力信号は、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示している。
【0012】
さらなる適用範囲は、ここに挙げた記載から明らかであろう。この記載と具体例は、説明の目的のみを意図したものであって、本開示の範囲を制限することを意図したものではないことが理解されるであろう。
【0013】
ここに挙げた図面は、説明の目的のみを意図したものであって、本開示の範囲を制限することを意図したものではないことが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来技術に係るRFプラズマ供給システムの機能的なブロックダイヤグラムである。
【図2】RF解析器を含むRFプラズマ供給システムの機能的なブロックダイヤグラムである。
【図3】RF解析器により実行される処理フローダイヤグラムである。
【図4A】プラズマアーク中のRF電圧のプロットである。
【図4B】プラズマアーク中のRF電圧のプロットである。
【図5A】通常のプラズマとアークプラズマとにおけるRF高調波のプロットである。
【図5B】通常のプラズマとアークプラズマとにおけるRF高調波のプロットである。
【図6】プラズマアーク中におけるRF高調波のプロットである。
【図7】プラズマアーク中のRF電圧の位相シフトのプロットである。
【図8】デジタルフィルタ処理前後のRF電圧信号の包絡線のプロットである。
【図9】アナログハイパスフィルタ処理後のRF電圧信号の包絡線のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の記載は、本質的に、単に例を示すものであり、本開示、適用、用途を制限することを意図したものではない。各図面を通して、対応する番号が、似通ったあるいは対応する部分や特徴部を示していることが理解されるであろう。
【0016】
図2を参照して、RFプラズマ処理システム50の各実施形態の1つを示す。プラズマ処理システム50は、RF信号プローブ52、および、それに関連した、プラズマ室56内のアークを検出するRF解析器54とを備えている。RF電源58は、プラズマ室56の電源を供給する。実施形態によっては、RF電源58とプラズマ室56入力との間の給電ラインに、インピーダンス整合回路網60を挿入してもよい。
【0017】
RF信号プローブ52は、プラズマ室56の入力部の給電ラインに結合している。RF信号プローブ52は、給電ラインのRF電圧および/または電流に基づいて、1つまたはそれより多い信号を生成する。この信号は、その信号をデジタル化するアナログ/デジタル変換器(A2D)へ伝達される。実施形態によっては、該信号がA2D64へ伝達される前に、該信号をアナログフィルタ62にてフィルタ処理してもよい。このデジタル信号は、RF解析器54へ伝達される。実施形態によっては、該デジタル信号がRF解析器54へ伝達される前に、該デジタル信号をデジタルフィルタ66にてフィルタ処理してもよい。
【0018】
RF解析器54は、該デジタル信号をスペクトル解析し、特定の高調波がRF信号内にあるか否か、また、その高調波とRF電力の基本周波数との関連性、また、高調波同士の関連性について判断する。RF解析器54は、高調波の解析に基づいて、プラズマ室56内にアークがあるか否かを判断する。
【0019】
実施形態によっては、RF電源58は、MKS ENI Products Spectrum 1.5KW 13.56MHz RF generatorとし、インピーダンス整合回路網60は、MKS ENI Products MWH-100 Matchworkとし、RF信号プローブ52は、MKS ENI Products VIP2000 Broadband probe headとし、および/または、プラズマ室62は、AMAT capacitively-coupled bell jar chamberとすることができる。
【0020】
図3を参照して、プラズマ室56にてアークを検出するために、RF解析器54によって実行できる処理の各実施形態の1つを示す。処理は、ブロック70にてRF信号プローブ52からの信号を受信することによって始まる。該信号は、プラズマ室56への入力部におけるRF電力に基づいている。ブロック72の処理において、インピーダンス(Z)の大きさ、インピーダンスの位相、電圧、電流、進行波電力、反射波電力を判断する。ブロック74の処理にて示すように、RF電源58の出力部やインピーダンス整合回路網60における、RF電力の上述した特性を直接または間接に定量化することもできる。
【0021】
ブロック76の処理において、信号から高調波情報を抽出する。ブロック78およびブロック80は、高調波情報の抽出が、信号に対して、アナログのハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、および/またはバンドストップフィルタを適用することによってできることを示している。ブロック82およびブロック84は、高調波情報の抽出が、ブロック70からデジタル化された信号に対して、デジタルのハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドストップフィルタを適用すること、また、FFTを実行すること、および/または、パターン認識を実行することによってもできることを示している。アーク検出には、基本周波数の最初の9つの高調波に対する高調波情報を抽出すれば十分であるが、アーク検出の感度を望ましいレベルにするために、それより多く、あるいはそれより少ない高調波を用いることもできる。
【0022】
ブロック86の処理においては、プラズマ処理中のパラメータを、ベースラインのプラズマ処理における同じパラメータと比較する。ブロック88およびブロック90は、比較されるパラメータが、アナログの信号対雑音比(SNR)と、基本周波数対高調波周波数とを含んでいてもよいことを示している。ブロック92およびブロック94は、SNRや、ランダム分布、主成分分析、部分最小二乗分析における基本波対高調波の統計値などの比較パラメータを、デジタル領域において処理してもよいことを示している。
【0023】
ブロック96の処理において、ブロック70ないしブロック94での測定と比較とに基づいて、アークが発生しているか否かを判断する。判断方法は以下の通りである。ブロック98の処理において、アークを記録し、および/または、分類する。ブロック100の処理において、アークが発生していることをユーザおよび/または他の装置に通知するために用いることができる出力信号を生成する。他の装置とは、RF電源58、および/または、インピーダンス整合回路網60などである。
【0024】
図4Aないし図9を参照して、いくつかのパラメータプロットを示す。プロットは、RFプラズマ処理システム50の様々な実施形態における実験結果を示している。各実験は、プラズマ室56に30sccmの一定流量で雰囲気ガスを供給して、一定圧力250mTorrを維持したときのプラズマの特性を示す。インピーダンス整合回路網60のインピーダンスは、プラズマの点火が成功してインピーダンス整合回路網60の可変キャパシタがプラズマに与える影響が取り除かれた後に固定された。RF電力の基本周波数を13.56MHzとし、電力レベルを変化させてプラズマ内を不安定にし、アークを発生させた。RF信号プローブ52からの信号のキャプチャを、2GS/sのサンプリングレートでデジタルオシロスコープにて行った。
【0025】
図4Aを参照して、アーク現象中のラングミュアプローブ信号を示す。ラングミュアプローブは、RF信号プローブ52によってキャプチャを行ったのと同じアーク現象を確認するために用いられた。RF信号プローブ52は、図4Bに示すプロットを生成した。図4Aおよび図4Bのプロットは、アーク現象中に、それぞれ、25.5マイクロ秒、27.5マイクロ秒続く電圧シフトを示している。他の供給RF電力レベル(図示せず)での実験結果は、電圧シフトの期間が、供給RF電力レベルとアークの形跡に特有の確率的要因とに基づいて、およそ10マイクロ秒および30マイクロ秒の間で変化することを示している。それゆえ、図4Bのプロットからわかるように、図3に示す方法を用いてRF信号プローブ52からの信号を処理することで、アークが発生したことを示すことができる。すなわち、ブロック72の方法において、RF信号プローブ52からの信号を監視することによって、RF電源58から供給される所望のRF電圧における電圧減少などのように原因不明のRF電圧減少を示させることができる。
【0026】
図5Aおよび図5Bを参照して、図4Bに示す波形のFFTプロットを示す。FFTプロットは、MathWorks株式会社から利用できるMatlabソフトウエアを用いて生成された。しかしながら、FFTを生成する他の方法も用いうることは当業者に理解できるであろう。図5AのFFTプロットは、アーク現象の前の図4Bの波形の周波数成分を表している。図5BのFFTプロットは、アーク現象中の図4Bの波形の周波数成分を表している。
【0027】
FFTは、3ないし5のRFサイクルの間にウインドウサイズをスライドさせながら生成した。高調波の振幅同様、信号の最大振幅のキャプチャを行うために、ピーク検出機能を用いた。FFT波形から、電圧信号振幅における最初のシフトと一致する高調波が明らかになる。図5Bに示すように、アーク時には、13.56MHzにおいてある大きさの第3高調波が認められるが、図5Aからわかるように、アークの前には認められない。それゆえ、図5Aと図5Bとからわかるように、図3の方法においてFFTを用い、基本周波数またはそれより大きい周波数成分の大きさを判断することによって、プラズマ室56でのアークを検出することができる。
【0028】
図6を参照して、基本波、第2高調波、第3高調波、第4高調波の周波数のピークの大きさを、FFTウインドウのインターバルの関数として示す。プラズマアークは、およそ50番目のFFTウインドウからおよそ100番目のFFTウインドウまでで発生する。第1のプロット120は、基本周波数のピーク振幅が、アークに対応する期間122の間に低下することを示している。第2のプロット124は、第2高調波の周波数のピーク振幅が、やはりアークに対応する期間122の間に低下することを示している。第3のプロット126は、第3高調波の周波数のピーク振幅が、アークの始まり128と終わり130とに劇的にスパイク型になることを示している。第4のプロット132は、第4高調波の周波数のピーク振幅が、アークの始まり128に劇的にスパイク型になることを示している。RF解析器54は、プロット120、124、126、および/または132で示される1つまたはそれより多いスパイクおよび/または低下を検出することによって、アークを検出することができる。
【0029】
図7を参照して、プロット140は、位相検出器の出力信号142を示している。位相検出器は、RF解析器54に備えることができ、RF電圧の位相を検出する。プロット140の縦軸は基本周波数の位相を表す。縦軸には、所定の第1の位相閾値146と所定の第2の位相閾値144も示している。プロット140の横軸は時間を表す。
【0030】
位相検出器は、出力信号142が降下して第1の閾値144を横切るときにアークが始まることを示す。位相検出器は、出力信号142が降下して第2の閾値146を横切るときにアークが終わることを示す。所定の第1および第2の閾値144、146の値は、出力信号142をアークの始まりと終わりとに関連づけることによって、実験的に決めることができる。
【0031】
図8を参照して、第1のプロット150は、ハイパスフィルタ処理の前のRF電圧信号の包絡線を示す。第1のプロット150は、ハイパスフィルタ処理の後のRF電圧信号の包絡線を示す第2のプロット152と時間的に関連づけられている。両プロット150・152の縦軸は電圧を表す。両プロット150・152の横軸は時間を表す。
【0032】
ハイパスフィルタは、RF信号において、アーク中の変化率が最も大きい高調波を分離する。実施形態によっては、ハイパスフィルタは、6次の無限インパルス応答(IIR)フィルタとすることができる。実施形態によっては、ハイパスフィルタのカットオフ周波数は、第2高調波周波数より大きく、第3高調波周波数より小さい。ハイパスフィルタは、RF解析器54にて実行することができる。
【0033】
第1のプロット150はRF信号電圧の包絡線を示しており、期間156中にアークが発生している。第2のプロット152は、アークの始まりと一致するスパイク158を示している。したがって、RF解析器54において、フィルタ処理されたRF電圧に基づいて、閾値振幅を超えたスパイク158を監視することによって、アークを検出することができる。
【0034】
スパイク158に対する閾値振幅は、フィルタ処理されたRF電圧信号の信号対雑音比に基づいて、あるいは、フィルタ処理されていない電圧とフィルタ処理された電圧との比に基づいて、あるいはその他に基づいて、決定することができる。信号対雑音比、および、フィルタ処理された電圧とフィルタ処理されていない電圧との比の、両方を用いることで、プラズマ内のノイズフロアインピーダンスシフトを明らかにすることができるので、誤ったアークトリガのおそれを減少させることができる。
【0035】
スパイク158の検出の前にRF信号電圧をアナログハイパスフィルタでフィルタ処理するようにすることもできる。図9は、アナログハイパス修正チェビシェフフィルタで処理した後のRF信号電圧の包絡線を示す。RF解析器54は、デジタル化された信号においてスパイク158を検出することができ、プラズマ室56にアークがあることを示すことができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波プラズマ処理システムにおけるアーク検出に関する。
【背景技術】
【0002】
この章における記載は、単に、本開示に関する背景情報を提供するものであって、従来技術を構成するものではない。
【0003】
数十年前から、半導体製造にRFプラズマが広範囲にわたって用いられている。フィールドデータによると、アークがウエハの欠陥および損傷の主たる原因となっていることが示されている。IC製造における歩留まりを維持し向上させるには、アークをリアルタイムで検出することが不可欠である。
【0004】
アークは、プラズマ室内の部品間のエネルギーの突然の放出である。アークと同時に、急速な電磁過渡現象が、典型的には1〜100マイクロ秒の範囲において生じる。アーク検出装置は、通常、2つの部品を含む。1つは、信号を感知するためのラングミュアプローブであり、もう1つは、リアルタイム信号処理ユニットである。プローブのカップリングに基づいて、アーク検出は、侵入的技術と非侵入的技術とに分類することができる。
【0005】
ここで、図1を参照する。高周波(RF)プラズマ供給システム10のいくつかの構成のうちの1つの構成が示されている。RFプラズマ供給システム10は、プラズマ室14に電力を供給するRF生成器12を含む。RF生成器12の出力部とプラズマ室14の入力部との間の給電ライン内には、インピーダンス整合回路網16を挿入することができる。プラズマ室14内には、ラングミュアプローブ18を挿入することができる。ラングミュアプローブ18は、プラズマ室14内のプラズマに基づいて信号を生成する。前記信号を、データ収集器20が受信および処理して、プラズマの特性を明らかにする。
【0006】
ラングミュアプローブ18はプラズマ診断用の典型的なプローブであり、プラズマの密度、温度、エネルギーを含む特性を測定するのに十分な性能を有している。ラングミュアプローブ18は、基本的には、プラズマ情報を得るための、プラズマシース内に挿入されたアンテナである。ラングミュアプローブ18は、プラズマ室14の内部に挿入されているため、ラングミュアプローブ18は、チャンバ処理に対して侵入的である。この、プラズマの挙動を判断する方法は、正確かつ有益であるが、ラングミュアプローブ18は挿入して使うものであるため、製造環境では使用することができない。
【0007】
非侵入的なアーク検出は、アーク中に生じる広帯域の放射に基づいて行うことができる。光学的検出および蛍光分光法を用いた技術は、この原理に基づいている。これらの方法は、概して、種々のセンサが必要であるため、ラングミュアプローブ18よりも高コストである。
【発明の概要】
【0008】
アーク検出システムは、高周波(RF)信号プローブを含み、前記高周波(RF)信号プローブは、RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成する。信号解析器が、前記信号を受信し、前記信号に基づいて、前記RF信号の基本周波数よりも高い周波数を有する周波数成分を監視して、前記周波数成分に基づいて出力信号を生成する。前記出力信号は、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示している。
【0009】
アーク検出システムは、高周波(RF)信号プローブを含み、前記高周波(RF)信号プローブは、RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成する。アナログ/デジタル変換器が、前記信号をデジタル信号に変換する。信号解析器が、前記デジタル信号を受信し、前記デジタル信号に基づいて、前記RF信号の基本周波数よりも高い周波数を有する、前記RF信号の周波数成分を監視して、前記周波数成分に基づいて出力信号を生成する。前記出力信号は、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示している。
【0010】
RFプラズマ処理システムにおけるアーク検出方法は、RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成し、前記信号に基づいて、前記RF信号の基本周波数よりも高い周波数を有する周波数成分を監視し、前記周波数成分に基づいて出力信号を生成する。前記出力信号は、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示している。
【0011】
RFプラズマ処理システムにおけるアーク検出方法は、RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成し、前記信号をデジタル信号に変換し、前記デジタル信号に基づいて、前記RF信号の基本周波数よりも高い周波数を有する、前記RF信号の周波数成分を監視し、前記周波数成分に基づいて出力信号を生成する。前記出力信号は、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示している。
【0012】
さらなる適用範囲は、ここに挙げた記載から明らかであろう。この記載と具体例は、説明の目的のみを意図したものであって、本開示の範囲を制限することを意図したものではないことが理解されるであろう。
【0013】
ここに挙げた図面は、説明の目的のみを意図したものであって、本開示の範囲を制限することを意図したものではないことが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来技術に係るRFプラズマ供給システムの機能的なブロックダイヤグラムである。
【図2】RF解析器を含むRFプラズマ供給システムの機能的なブロックダイヤグラムである。
【図3】RF解析器により実行される処理フローダイヤグラムである。
【図4A】プラズマアーク中のRF電圧のプロットである。
【図4B】プラズマアーク中のRF電圧のプロットである。
【図5A】通常のプラズマとアークプラズマとにおけるRF高調波のプロットである。
【図5B】通常のプラズマとアークプラズマとにおけるRF高調波のプロットである。
【図6】プラズマアーク中におけるRF高調波のプロットである。
【図7】プラズマアーク中のRF電圧の位相シフトのプロットである。
【図8】デジタルフィルタ処理前後のRF電圧信号の包絡線のプロットである。
【図9】アナログハイパスフィルタ処理後のRF電圧信号の包絡線のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の記載は、本質的に、単に例を示すものであり、本開示、適用、用途を制限することを意図したものではない。各図面を通して、対応する番号が、似通ったあるいは対応する部分や特徴部を示していることが理解されるであろう。
【0016】
図2を参照して、RFプラズマ処理システム50の各実施形態の1つを示す。プラズマ処理システム50は、RF信号プローブ52、および、それに関連した、プラズマ室56内のアークを検出するRF解析器54とを備えている。RF電源58は、プラズマ室56の電源を供給する。実施形態によっては、RF電源58とプラズマ室56入力との間の給電ラインに、インピーダンス整合回路網60を挿入してもよい。
【0017】
RF信号プローブ52は、プラズマ室56の入力部の給電ラインに結合している。RF信号プローブ52は、給電ラインのRF電圧および/または電流に基づいて、1つまたはそれより多い信号を生成する。この信号は、その信号をデジタル化するアナログ/デジタル変換器(A2D)へ伝達される。実施形態によっては、該信号がA2D64へ伝達される前に、該信号をアナログフィルタ62にてフィルタ処理してもよい。このデジタル信号は、RF解析器54へ伝達される。実施形態によっては、該デジタル信号がRF解析器54へ伝達される前に、該デジタル信号をデジタルフィルタ66にてフィルタ処理してもよい。
【0018】
RF解析器54は、該デジタル信号をスペクトル解析し、特定の高調波がRF信号内にあるか否か、また、その高調波とRF電力の基本周波数との関連性、また、高調波同士の関連性について判断する。RF解析器54は、高調波の解析に基づいて、プラズマ室56内にアークがあるか否かを判断する。
【0019】
実施形態によっては、RF電源58は、MKS ENI Products Spectrum 1.5KW 13.56MHz RF generatorとし、インピーダンス整合回路網60は、MKS ENI Products MWH-100 Matchworkとし、RF信号プローブ52は、MKS ENI Products VIP2000 Broadband probe headとし、および/または、プラズマ室62は、AMAT capacitively-coupled bell jar chamberとすることができる。
【0020】
図3を参照して、プラズマ室56にてアークを検出するために、RF解析器54によって実行できる処理の各実施形態の1つを示す。処理は、ブロック70にてRF信号プローブ52からの信号を受信することによって始まる。該信号は、プラズマ室56への入力部におけるRF電力に基づいている。ブロック72の処理において、インピーダンス(Z)の大きさ、インピーダンスの位相、電圧、電流、進行波電力、反射波電力を判断する。ブロック74の処理にて示すように、RF電源58の出力部やインピーダンス整合回路網60における、RF電力の上述した特性を直接または間接に定量化することもできる。
【0021】
ブロック76の処理において、信号から高調波情報を抽出する。ブロック78およびブロック80は、高調波情報の抽出が、信号に対して、アナログのハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、および/またはバンドストップフィルタを適用することによってできることを示している。ブロック82およびブロック84は、高調波情報の抽出が、ブロック70からデジタル化された信号に対して、デジタルのハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドストップフィルタを適用すること、また、FFTを実行すること、および/または、パターン認識を実行することによってもできることを示している。アーク検出には、基本周波数の最初の9つの高調波に対する高調波情報を抽出すれば十分であるが、アーク検出の感度を望ましいレベルにするために、それより多く、あるいはそれより少ない高調波を用いることもできる。
【0022】
ブロック86の処理においては、プラズマ処理中のパラメータを、ベースラインのプラズマ処理における同じパラメータと比較する。ブロック88およびブロック90は、比較されるパラメータが、アナログの信号対雑音比(SNR)と、基本周波数対高調波周波数とを含んでいてもよいことを示している。ブロック92およびブロック94は、SNRや、ランダム分布、主成分分析、部分最小二乗分析における基本波対高調波の統計値などの比較パラメータを、デジタル領域において処理してもよいことを示している。
【0023】
ブロック96の処理において、ブロック70ないしブロック94での測定と比較とに基づいて、アークが発生しているか否かを判断する。判断方法は以下の通りである。ブロック98の処理において、アークを記録し、および/または、分類する。ブロック100の処理において、アークが発生していることをユーザおよび/または他の装置に通知するために用いることができる出力信号を生成する。他の装置とは、RF電源58、および/または、インピーダンス整合回路網60などである。
【0024】
図4Aないし図9を参照して、いくつかのパラメータプロットを示す。プロットは、RFプラズマ処理システム50の様々な実施形態における実験結果を示している。各実験は、プラズマ室56に30sccmの一定流量で雰囲気ガスを供給して、一定圧力250mTorrを維持したときのプラズマの特性を示す。インピーダンス整合回路網60のインピーダンスは、プラズマの点火が成功してインピーダンス整合回路網60の可変キャパシタがプラズマに与える影響が取り除かれた後に固定された。RF電力の基本周波数を13.56MHzとし、電力レベルを変化させてプラズマ内を不安定にし、アークを発生させた。RF信号プローブ52からの信号のキャプチャを、2GS/sのサンプリングレートでデジタルオシロスコープにて行った。
【0025】
図4Aを参照して、アーク現象中のラングミュアプローブ信号を示す。ラングミュアプローブは、RF信号プローブ52によってキャプチャを行ったのと同じアーク現象を確認するために用いられた。RF信号プローブ52は、図4Bに示すプロットを生成した。図4Aおよび図4Bのプロットは、アーク現象中に、それぞれ、25.5マイクロ秒、27.5マイクロ秒続く電圧シフトを示している。他の供給RF電力レベル(図示せず)での実験結果は、電圧シフトの期間が、供給RF電力レベルとアークの形跡に特有の確率的要因とに基づいて、およそ10マイクロ秒および30マイクロ秒の間で変化することを示している。それゆえ、図4Bのプロットからわかるように、図3に示す方法を用いてRF信号プローブ52からの信号を処理することで、アークが発生したことを示すことができる。すなわち、ブロック72の方法において、RF信号プローブ52からの信号を監視することによって、RF電源58から供給される所望のRF電圧における電圧減少などのように原因不明のRF電圧減少を示させることができる。
【0026】
図5Aおよび図5Bを参照して、図4Bに示す波形のFFTプロットを示す。FFTプロットは、MathWorks株式会社から利用できるMatlabソフトウエアを用いて生成された。しかしながら、FFTを生成する他の方法も用いうることは当業者に理解できるであろう。図5AのFFTプロットは、アーク現象の前の図4Bの波形の周波数成分を表している。図5BのFFTプロットは、アーク現象中の図4Bの波形の周波数成分を表している。
【0027】
FFTは、3ないし5のRFサイクルの間にウインドウサイズをスライドさせながら生成した。高調波の振幅同様、信号の最大振幅のキャプチャを行うために、ピーク検出機能を用いた。FFT波形から、電圧信号振幅における最初のシフトと一致する高調波が明らかになる。図5Bに示すように、アーク時には、13.56MHzにおいてある大きさの第3高調波が認められるが、図5Aからわかるように、アークの前には認められない。それゆえ、図5Aと図5Bとからわかるように、図3の方法においてFFTを用い、基本周波数またはそれより大きい周波数成分の大きさを判断することによって、プラズマ室56でのアークを検出することができる。
【0028】
図6を参照して、基本波、第2高調波、第3高調波、第4高調波の周波数のピークの大きさを、FFTウインドウのインターバルの関数として示す。プラズマアークは、およそ50番目のFFTウインドウからおよそ100番目のFFTウインドウまでで発生する。第1のプロット120は、基本周波数のピーク振幅が、アークに対応する期間122の間に低下することを示している。第2のプロット124は、第2高調波の周波数のピーク振幅が、やはりアークに対応する期間122の間に低下することを示している。第3のプロット126は、第3高調波の周波数のピーク振幅が、アークの始まり128と終わり130とに劇的にスパイク型になることを示している。第4のプロット132は、第4高調波の周波数のピーク振幅が、アークの始まり128に劇的にスパイク型になることを示している。RF解析器54は、プロット120、124、126、および/または132で示される1つまたはそれより多いスパイクおよび/または低下を検出することによって、アークを検出することができる。
【0029】
図7を参照して、プロット140は、位相検出器の出力信号142を示している。位相検出器は、RF解析器54に備えることができ、RF電圧の位相を検出する。プロット140の縦軸は基本周波数の位相を表す。縦軸には、所定の第1の位相閾値146と所定の第2の位相閾値144も示している。プロット140の横軸は時間を表す。
【0030】
位相検出器は、出力信号142が降下して第1の閾値144を横切るときにアークが始まることを示す。位相検出器は、出力信号142が降下して第2の閾値146を横切るときにアークが終わることを示す。所定の第1および第2の閾値144、146の値は、出力信号142をアークの始まりと終わりとに関連づけることによって、実験的に決めることができる。
【0031】
図8を参照して、第1のプロット150は、ハイパスフィルタ処理の前のRF電圧信号の包絡線を示す。第1のプロット150は、ハイパスフィルタ処理の後のRF電圧信号の包絡線を示す第2のプロット152と時間的に関連づけられている。両プロット150・152の縦軸は電圧を表す。両プロット150・152の横軸は時間を表す。
【0032】
ハイパスフィルタは、RF信号において、アーク中の変化率が最も大きい高調波を分離する。実施形態によっては、ハイパスフィルタは、6次の無限インパルス応答(IIR)フィルタとすることができる。実施形態によっては、ハイパスフィルタのカットオフ周波数は、第2高調波周波数より大きく、第3高調波周波数より小さい。ハイパスフィルタは、RF解析器54にて実行することができる。
【0033】
第1のプロット150はRF信号電圧の包絡線を示しており、期間156中にアークが発生している。第2のプロット152は、アークの始まりと一致するスパイク158を示している。したがって、RF解析器54において、フィルタ処理されたRF電圧に基づいて、閾値振幅を超えたスパイク158を監視することによって、アークを検出することができる。
【0034】
スパイク158に対する閾値振幅は、フィルタ処理されたRF電圧信号の信号対雑音比に基づいて、あるいは、フィルタ処理されていない電圧とフィルタ処理された電圧との比に基づいて、あるいはその他に基づいて、決定することができる。信号対雑音比、および、フィルタ処理された電圧とフィルタ処理されていない電圧との比の、両方を用いることで、プラズマ内のノイズフロアインピーダンスシフトを明らかにすることができるので、誤ったアークトリガのおそれを減少させることができる。
【0035】
スパイク158の検出の前にRF信号電圧をアナログハイパスフィルタでフィルタ処理するようにすることもできる。図9は、アナログハイパス修正チェビシェフフィルタで処理した後のRF信号電圧の包絡線を示す。RF解析器54は、デジタル化された信号においてスパイク158を検出することができ、プラズマ室56にアークがあることを示すことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成する高周波(RF)信号プローブと、
前記信号を受信し、前記信号に基づいて、前記RF信号の基本周波数よりも高い周波数を有する周波数成分を監視して、前記周波数成分に基づいて、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示す出力信号を生成する信号解析器とを備えているアーク検出システム。
【請求項2】
前記周波数成分が、前記基本周波数の第2ないし第9高調波のうちの少なくとも1つまたはそれ以上を含んでいる、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項3】
前記信号解析器が、前記信号の位相に基づいて前記出力信号を生成する、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項4】
前記信号解析器が、前記信号の振幅を、所定の第1の閾値と比較する、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項5】
前記信号解析器が、前記信号の変化率を、所定の変化率と比較する、請求項4に記載のアーク検出システム。
【請求項6】
前記信号解析器が、
前記信号の変化率が前記所定の変化率を超え、かつ、前記信号の振幅が、所定の第1の振幅と所定の第2の振幅との間にあるときに、前記出力信号を生成する、請求項5に記載のアーク検出システム。
【請求項7】
前記信号解析器に伝達される前記信号をフィルタ処理するハイパスフィルタを備えている、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項8】
前記ハイパスフィルタが、修正チェビシェフフィルタである、請求項7に記載のアーク検出システム。
【請求項9】
前記信号解析器が、前記信号の信号対雑音比に基づいて前記出力信号を生成する、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項10】
RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成する高周波(RF)信号プローブと、
前記信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器と、
前記デジタル信号を受信し、前記デジタル信号に基づいて、前記RF信号の基本周波数よりも高いまたは等しい周波数を有する、前記RF信号の周波数成分を監視して、前記周波数成分に基づいて、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示す出力信号を生成する信号解析器とを備えているアーク検出システム。
【請求項11】
前記周波数成分が、前記基本周波数の最初の9つの高調波のうちの少なくとも1つを含んでいる、請求項10に記載のアーク検出システム。
【請求項12】
前記信号解析器が、前記デジタル信号によって示される前記RF信号の位相に基づいて前記出力信号を生成する、請求項10に記載のアーク検出システム。
【請求項13】
前記信号解析器が、前記デジタル信号によって示される前記RF信号の振幅を、所定の振幅と比較する、請求項10に記載のアーク検出システム。
【請求項14】
前記信号解析器が、前記デジタル信号によって示される前記RF信号の変化率を、所定の変化率と比較する、請求項13に記載のアーク検出システム。
【請求項15】
前記信号解析器が、
前記RF信号の変化率が前記所定の変化率を超え、かつ、前記RF信号の振幅が、所定の第1の閾値と所定の第2の閾値との間にあるときに、前記出力信号を生成する、請求項14に記載のアーク検出システム。
【請求項16】
前記信号解析器が、前記デジタル信号に対し、高速フーリエ変換(FFT)を行う、請求項10に記載のアーク検出システム。
【請求項17】
前記高速フーリエ変換(FFT)が、前記RF信号の、対応する高調波周波数を表す複数の信号を生成する、請求項16に記載のアーク検出システム。
【請求項18】
前記信号解析器が、
前記信号の振幅が、対応する所定の振幅を超えたときに、前記出力信号を生成する、請求項17に記載のアーク検出システム。
【請求項19】
前記高速フーリエ変換(FFT)がスライディングウインドウFFTである、請求項16に記載のアーク検出システム。
【請求項20】
前記スライディングウインドウFFTが、前記RF信号の3サイクル以上5サイクル以下のウインドウサイズを含んでいる、請求項19に記載のアーク検出システム。
【請求項21】
前記信号解析器によって受信される前記デジタル信号をフィルタ処理するデジタルハイパスフィルタを備えている、請求項10に記載のアーク検出システム。
【請求項22】
前記デジタルハイパスフィルタが、無限インパルス応答(IIR)フィルタである、請求項21に記載のアーク検出システム。
【請求項23】
前記無限インパルス応答(IIR)フィルタが6次である、請求項22に記載のアーク検出システム。
【請求項24】
RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、
前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成し、
前記信号に基づいて、前記RF信号の選択された基本周波数と同じまたはそれよりも高い周波数を有する周波数成分を監視し、
前記周波数成分に基づいて、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示す出力信号を生成する、RFプラズマ処理システムにおけるアーク検出方法。
【請求項25】
前記周波数成分が、前記基本周波数の第1ないし第9高調波のうちの少なくとも1つを含んでいる、請求項24に記載のアーク検出方法。
【請求項26】
前記信号の位相に基づいて前記出力信号を生成する、請求項24に記載のアーク検出方法。
【請求項27】
前記信号の振幅を、所定の第1の閾値と比較する、請求項24に記載のアーク検出方法。
【請求項28】
前記信号の変化率を、所定の変化率と比較する、請求項27に記載のアーク検出方法。
【請求項29】
前記信号の変化率が前記所定の変化率を超え、かつ、前記信号の振幅が、所定の第1の振幅と所定の第2の振幅との間にあるときに、前記出力信号を生成する、請求項28に記載のアーク検出方法。
【請求項30】
信号解析器に伝達される前記信号をハイパスフィルタ処理する、請求項24に記載のアーク検出方法。
【請求項31】
前記信号の信号対雑音比に基づいて前記出力信号を生成する、請求項24に記載のアーク検出方法。
【請求項32】
RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、
前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成し、
前記信号をデジタル信号に変換し、
前記デジタル信号に基づいて、前記RF信号の基本周波数よりも高いまたは等しい周波数を有する、前記RF信号の周波数成分を監視し、
前記周波数成分に基づいて、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示す出力信号を生成する、RFプラズマ処理システムにおけるアーク検出方法。
【請求項33】
前記周波数成分が、前記基本周波数の高調波のうちの少なくとも1つを含んでいる、請求項32に記載のアーク検出方法。
【請求項34】
前記デジタル信号によって示される前記RF信号の位相に基づいて前記出力信号を生成する、請求項32に記載のアーク検出方法。
【請求項35】
前記デジタル信号によって示される前記RF信号の振幅を、所定の振幅と比較する、請求項32に記載のアーク検出方法。
【請求項36】
前記デジタル信号によって示される前記RF信号の変化率を、所定の変化率と比較する、請求項35に記載のアーク検出方法。
【請求項37】
前記RF信号の変化率が前記所定の変化率を超え、かつ、前記RF信号の振幅が、所定の第1の閾値と所定の第2の閾値との間にあるときに、前記出力信号を生成する、請求項36に記載のアーク検出方法。
【請求項38】
前記デジタル信号に対し、高速フーリエ変換(FFT)を行う、請求項32に記載のアーク検出方法。
【請求項39】
前記高速フーリエ変換(FFT)が、前記RF信号の、対応する高調波周波数を表す複数の信号を生成する、請求項38に記載のアーク検出方法。
【請求項40】
前記信号の振幅が、対応する所定の振幅を超えたときに、前記出力信号を生成する、請求項39に記載のアーク検出方法。
【請求項41】
前記高速フーリエ変換(FFT)がスライディングウインドウFFTである、請求項38に記載のアーク検出方法。
【請求項42】
前記スライディングウインドウFFTが、前記RF信号の3サイクル以上5サイクル以下のウインドウサイズを含んでいる、請求項41に記載のアーク検出方法。
【請求項43】
信号解析器によって受信される前記デジタル信号をデジタルフィルタ処理する、請求項32に記載のアーク検出方法。
【請求項44】
前記デジタルフィルタ処理が、無限インパルス応答(IIR)フィルタ処理である、請求項43に記載のアーク検出方法。
【請求項45】
前記無限インパルス応答(IIR)フィルタ処理が6次である、請求項44に記載のアーク検出方法。
【請求項1】
RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成する高周波(RF)信号プローブと、
前記信号を受信し、前記信号に基づいて、前記RF信号の基本周波数よりも高い周波数を有する周波数成分を監視して、前記周波数成分に基づいて、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示す出力信号を生成する信号解析器とを備えているアーク検出システム。
【請求項2】
前記周波数成分が、前記基本周波数の第2ないし第9高調波のうちの少なくとも1つまたはそれ以上を含んでいる、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項3】
前記信号解析器が、前記信号の位相に基づいて前記出力信号を生成する、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項4】
前記信号解析器が、前記信号の振幅を、所定の第1の閾値と比較する、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項5】
前記信号解析器が、前記信号の変化率を、所定の変化率と比較する、請求項4に記載のアーク検出システム。
【請求項6】
前記信号解析器が、
前記信号の変化率が前記所定の変化率を超え、かつ、前記信号の振幅が、所定の第1の振幅と所定の第2の振幅との間にあるときに、前記出力信号を生成する、請求項5に記載のアーク検出システム。
【請求項7】
前記信号解析器に伝達される前記信号をフィルタ処理するハイパスフィルタを備えている、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項8】
前記ハイパスフィルタが、修正チェビシェフフィルタである、請求項7に記載のアーク検出システム。
【請求項9】
前記信号解析器が、前記信号の信号対雑音比に基づいて前記出力信号を生成する、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項10】
RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成する高周波(RF)信号プローブと、
前記信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器と、
前記デジタル信号を受信し、前記デジタル信号に基づいて、前記RF信号の基本周波数よりも高いまたは等しい周波数を有する、前記RF信号の周波数成分を監視して、前記周波数成分に基づいて、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示す出力信号を生成する信号解析器とを備えているアーク検出システム。
【請求項11】
前記周波数成分が、前記基本周波数の最初の9つの高調波のうちの少なくとも1つを含んでいる、請求項10に記載のアーク検出システム。
【請求項12】
前記信号解析器が、前記デジタル信号によって示される前記RF信号の位相に基づいて前記出力信号を生成する、請求項10に記載のアーク検出システム。
【請求項13】
前記信号解析器が、前記デジタル信号によって示される前記RF信号の振幅を、所定の振幅と比較する、請求項10に記載のアーク検出システム。
【請求項14】
前記信号解析器が、前記デジタル信号によって示される前記RF信号の変化率を、所定の変化率と比較する、請求項13に記載のアーク検出システム。
【請求項15】
前記信号解析器が、
前記RF信号の変化率が前記所定の変化率を超え、かつ、前記RF信号の振幅が、所定の第1の閾値と所定の第2の閾値との間にあるときに、前記出力信号を生成する、請求項14に記載のアーク検出システム。
【請求項16】
前記信号解析器が、前記デジタル信号に対し、高速フーリエ変換(FFT)を行う、請求項10に記載のアーク検出システム。
【請求項17】
前記高速フーリエ変換(FFT)が、前記RF信号の、対応する高調波周波数を表す複数の信号を生成する、請求項16に記載のアーク検出システム。
【請求項18】
前記信号解析器が、
前記信号の振幅が、対応する所定の振幅を超えたときに、前記出力信号を生成する、請求項17に記載のアーク検出システム。
【請求項19】
前記高速フーリエ変換(FFT)がスライディングウインドウFFTである、請求項16に記載のアーク検出システム。
【請求項20】
前記スライディングウインドウFFTが、前記RF信号の3サイクル以上5サイクル以下のウインドウサイズを含んでいる、請求項19に記載のアーク検出システム。
【請求項21】
前記信号解析器によって受信される前記デジタル信号をフィルタ処理するデジタルハイパスフィルタを備えている、請求項10に記載のアーク検出システム。
【請求項22】
前記デジタルハイパスフィルタが、無限インパルス応答(IIR)フィルタである、請求項21に記載のアーク検出システム。
【請求項23】
前記無限インパルス応答(IIR)フィルタが6次である、請求項22に記載のアーク検出システム。
【請求項24】
RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、
前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成し、
前記信号に基づいて、前記RF信号の選択された基本周波数と同じまたはそれよりも高い周波数を有する周波数成分を監視し、
前記周波数成分に基づいて、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示す出力信号を生成する、RFプラズマ処理システムにおけるアーク検出方法。
【請求項25】
前記周波数成分が、前記基本周波数の第1ないし第9高調波のうちの少なくとも1つを含んでいる、請求項24に記載のアーク検出方法。
【請求項26】
前記信号の位相に基づいて前記出力信号を生成する、請求項24に記載のアーク検出方法。
【請求項27】
前記信号の振幅を、所定の第1の閾値と比較する、請求項24に記載のアーク検出方法。
【請求項28】
前記信号の変化率を、所定の変化率と比較する、請求項27に記載のアーク検出方法。
【請求項29】
前記信号の変化率が前記所定の変化率を超え、かつ、前記信号の振幅が、所定の第1の振幅と所定の第2の振幅との間にあるときに、前記出力信号を生成する、請求項28に記載のアーク検出方法。
【請求項30】
信号解析器に伝達される前記信号をハイパスフィルタ処理する、請求項24に記載のアーク検出方法。
【請求項31】
前記信号の信号対雑音比に基づいて前記出力信号を生成する、請求項24に記載のアーク検出方法。
【請求項32】
RFプラズマ室の入力部においてRF信号を検知し、
前記RF信号の電圧、電流、および、電力のうちの少なくとも1つに基づいて信号を生成し、
前記信号をデジタル信号に変換し、
前記デジタル信号に基づいて、前記RF信号の基本周波数よりも高いまたは等しい周波数を有する、前記RF信号の周波数成分を監視し、
前記周波数成分に基づいて、前記RFプラズマ室でアークが発生していることを示す出力信号を生成する、RFプラズマ処理システムにおけるアーク検出方法。
【請求項33】
前記周波数成分が、前記基本周波数の高調波のうちの少なくとも1つを含んでいる、請求項32に記載のアーク検出方法。
【請求項34】
前記デジタル信号によって示される前記RF信号の位相に基づいて前記出力信号を生成する、請求項32に記載のアーク検出方法。
【請求項35】
前記デジタル信号によって示される前記RF信号の振幅を、所定の振幅と比較する、請求項32に記載のアーク検出方法。
【請求項36】
前記デジタル信号によって示される前記RF信号の変化率を、所定の変化率と比較する、請求項35に記載のアーク検出方法。
【請求項37】
前記RF信号の変化率が前記所定の変化率を超え、かつ、前記RF信号の振幅が、所定の第1の閾値と所定の第2の閾値との間にあるときに、前記出力信号を生成する、請求項36に記載のアーク検出方法。
【請求項38】
前記デジタル信号に対し、高速フーリエ変換(FFT)を行う、請求項32に記載のアーク検出方法。
【請求項39】
前記高速フーリエ変換(FFT)が、前記RF信号の、対応する高調波周波数を表す複数の信号を生成する、請求項38に記載のアーク検出方法。
【請求項40】
前記信号の振幅が、対応する所定の振幅を超えたときに、前記出力信号を生成する、請求項39に記載のアーク検出方法。
【請求項41】
前記高速フーリエ変換(FFT)がスライディングウインドウFFTである、請求項38に記載のアーク検出方法。
【請求項42】
前記スライディングウインドウFFTが、前記RF信号の3サイクル以上5サイクル以下のウインドウサイズを含んでいる、請求項41に記載のアーク検出方法。
【請求項43】
信号解析器によって受信される前記デジタル信号をデジタルフィルタ処理する、請求項32に記載のアーク検出方法。
【請求項44】
前記デジタルフィルタ処理が、無限インパルス応答(IIR)フィルタ処理である、請求項43に記載のアーク検出方法。
【請求項45】
前記無限インパルス応答(IIR)フィルタ処理が6次である、請求項44に記載のアーク検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2010−519683(P2010−519683A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549568(P2009−549568)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/022467
【国際公開番号】WO2008/100296
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/022467
【国際公開番号】WO2008/100296
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
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