説明

高速ダビング装置

ビットストリームのダビング処理に要する時間を短縮する。 高速ダビング装置として、DVDビデオレコーディング規格に準拠したビットストリームを第1の蓄積装置(10)から読み出して出力するリード装置(20)と、リード装置(20)の出力を格納して出力する第1のバッファ(30)と、第1のバッファ(30)から出力されたビットストリームにおけるリアルタイムデータ情報パックをナビゲーションパックに置き換え、出力するナビゲーションパック生成部(40)と、ナビゲーションパック生成部(40)の出力を格納して出力する第2のバッファ(50)と、第2のバッファ(50)から出力されたビットストリームをDVDビデオ規格に準拠したビットストリームに変換し、第2の蓄積装置(70)に書き込むライト装置(60)とを備える。リード装置(20)、ナビゲーションパック生成部(40)、及びライト装置(60)のうちの少なくとも2つが並列に動作することができるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVDビデオレコーディング規格(DVD Specifications for Rewritable/Re−recording Discs,Part 3)のビットストリームを、DVDビデオ規格(DVD Specifications for Read−Only Disc,Part 3)のビットストリームに変換する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
DVD(Digital Versatile Disc)に記録を行うための規格には、DVDビデオレコーディング規格とDVDビデオ規格とがある。DVDビデオレコーディング規格は、コンテンツのリアルタイム記録のために用いられる。一方、DVDビデオ規格で記録されたコンテンツは、再生専用のDVDプレーヤーで再生することができる。
【0003】
DVDレコーダーを始めとしたデジタル記録機器においては、編集が容易であるという理由により、DVDビデオレコーディング規格で記録することが一般的である。しかし、DVDプレーヤー等の他の機器で再生を行うためには、DVDビデオレコーディング規格で記録されたコンテンツを、DVDビデオ規格に従った形式に変換する必要がある。
【0004】
コンテンツの記録形式をDVDビデオレコーディング規格からDVDビデオ規格へ変換するためには、デジタル信号をいったん復号してから、再符号化して記録する方法がある。しかし、この方法は、復号してから再符号化を行うので、変換に要する時間がコンテンツの実際の長さと同一であるばかりでなく、コンテンツの画質が劣化するという欠点を有している。
【0005】
そこで、デジタル記録されたコンテンツを、復号せずにデジタルデータのまま他のフォーマットに変換するようにした技術がある。その一例として、RTR(Real Time Recording)フォーマットのビットストリームを、DVDビデオ規格のフォーマットのビットストリームに変換する装置及び方法が、下記特許文献1に開示されている。以下では、RTRフォーマットのデータであるDVDビデオレコーディング規格のビットストリームを、復号せずにデジタルデータのまま、DVDビデオ規格のビットストリームへ直接変換することを、「デジタル変換」と称する。
【特許文献1】特開2003−242721号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
DVDビデオレコーディング規格のフォーマットに従ったビットストリームをDVDビデオ規格のフォーマットに従ったビットストリームに変換するダビング処理の際には、ストリーム読み出し、ナビゲーションパック生成、ストリーム書き換え、及びストリーム書き込みの各処理を行う必要があり、これらの処理のための時間を合計した時間が必要である。
【0007】
しかし、ストリーム読み出し及びストリーム書き込みに関しては、蓄積装置の性能によって、処理に要する時間が決まる。すなわち、他の処理を高速化しても、ストリーム読み出しやストリーム書き込みの処理によってダビング処理の全体の速度が制限され、ダビング速度をある程度以上には高速化できないという問題があった。
【0008】
本発明は、蓄積装置から他の蓄積装置へのビットストリームのダビング処理に要する時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、高速ダビング装置として、DVDビデオレコーディング規格に準拠したビットストリームを第1の蓄積装置から読み出して出力するリード装置と、前記リード装置の出力を格納して出力する第1のバッファと、前記第1のバッファから出力されたビットストリームにおけるリアルタイムデータ情報パックをナビゲーションパックに置き換え、出力するナビゲーションパック生成部と、前記ナビゲーションパック生成部の出力を格納して出力する第2のバッファと、前記第2のバッファから出力されたビットストリームをDVDビデオ規格に準拠したビットストリームに変換し、第2の蓄積装置に書き込むライト装置とを備え、前記リード装置、前記ナビゲーションパック生成部、及び前記ライト装置のうちの少なくとも2つが並列に動作することができるように構成されたものである。
【0010】
これによると、第1及び第2のバッファを備えているので、第1の蓄積装置からの読み出し処理又は第2の蓄積装置への書き込み処理を、他の処理と並行して行うことができる。したがって、DVDビデオレコーディング規格に準拠したビットストリームを読み出し、DVDビデオ規格に準拠したビットストリームに変換して書き込むことを、高速に行うことができる。
【0011】
また、前記高速ダビング装置において、前記リード装置は、前記第1の蓄積装置から読み出されたビットストリームを解析し、得られたストリーム解析情報を出力するストリーム解析部を有するものであり、前記ナビゲーションパック生成部は、前記ストリーム解析情報を用いて前記置き換えを行うものであり、前記ライト装置は、前記ストリーム解析情報を用いて前記変換を行うストリーム書き換え部を有するものであることが好ましい。
【0012】
また、前記高速ダビング装置において、前記第1のバッファは、その容量が、前記第1の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量以下であることが好ましい。
【0013】
また、前記高速ダビング装置において、前記第2のバッファは、その容量が、前記第2の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量以下であることが好ましい。
【0014】
また、前記高速ダビング装置において、第1の蓄積装置から読み出しを行うことによって、前記第1の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量を測定して、その測定結果を出力するバッファチェック部を更に備え、前記第1のバッファは、その容量を前記測定結果に従って変更するものであることが好ましい。
【0015】
また、前記高速ダビング装置において、第2の蓄積装置へ書き込みを行うことによって、前記第2の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量を測定して、その測定結果を出力するバッファチェック部を更に備え、前記第2のバッファは、その容量を前記測定結果に従って変更するものであることが好ましい。
【0016】
また、前記高速ダビング装置において、第1の蓄積装置から読み出しを行うことによって、前記第1の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量を測定し、第2の蓄積装置へ書き込みを行うことによって、前記第2の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量を測定し、得られた測定結果のうちの小さい方を出力するバッファチェック部を更に備え、前記第1及び第2のバッファは、その容量を前記測定結果が示す容量に変更するものであることが好ましい。
【0017】
また、前記高速ダビング装置において、前記リード装置は、前記DVDビデオレコーディング規格フォーマットのデータを所定の数のビット毎に分割して格納した複数の前記第1の蓄積装置から、並行してビットストリームを読み出し、1つのビットストリームとして出力するものであることが好ましい。
【0018】
また、前記所定の数は、16であることが好ましい。
【0019】
また、前記所定の数は、8であることが好ましい。
【0020】
また、前記高速ダビング装置において、前記第1のバッファを複数備え、前記リード装置は、前記DVDビデオレコーディング規格フォーマットのデータを所定のサイズのデータ毎に分割して格納した複数の前記第1の蓄積装置から、ビットストリームを読み出して、複数の前記第1のバッファのうち、その読み出されたビットストリームを出力した第1の蓄積装置に対応させたバッファに出力するものであり、かつ、複数の前記第1の蓄積装置のうち、1つからの読み出しを開始すると、他の1つからの読み出しを開始するものであることが好ましい。
【0021】
また、前記所定のサイズは、VOBU(Video Object Unit)の大きさの整数倍であることが好ましい。
【0022】
また、前記高速ダビング装置において、前記ライト装置で変換されて得られたDVDビデオ規格に準拠したビットストリームを、前記第1の蓄積装置に書き込む書き込み部を更に備え、前記リード装置は、ダビング終了後、同一の内容を再度ダビングする場合には、前記第1の蓄積装置に書き込まれたDVDビデオ規格に準拠したビットストリームを読み出すものであり、前記ライト装置は、前記リード装置によって読み出されたDVDビデオ規格に準拠したビットストリームを、前記第2の蓄積装置に書き込むものであることが好ましい。
【0023】
また、前記ナビゲーションパック生成部は、前記リード装置によって読み出されたDVDビデオ規格に準拠したビットストリームの一部をダビングする場合には、このビットストリームのナビゲーションパックに含まれる情報の一部を変更するものであることが好ましい。
【0024】
また、前記ライト装置は、前記リード装置によって読み出されたDVDビデオ規格に準拠したビットストリームの一部をダビングする場合には、このビットストリームのPES_extension_fieldの削除又は時間情報の修正を行うものであることが好ましい。
【0025】
また、前記高速ダビング装置において、前記ライト装置で変換されて得られたDVDビデオ規格に準拠したビットストリームの前記第2の蓄積装置への出力を制御するフィルタを更に備え、前記リード装置は、第1の蓄積装置から読み出されたDVDビデオレコーディング規格に準拠したビットストリームの著作権情報を監視し、その結果を出力するものであり、前記フィルタは、前記リード装置から出力された著作権情報の監視結果が、コピー不可であることを示している場合には、DVDビデオ規格に準拠したビットストリームの前記第2の蓄積装置への出力を行わないようにするものであることが好ましい。
【0026】
また、前記リード装置は、前記著作権情報として、CGMS(Copy Generation Management System)情報を監視するものであることが好ましい。
【0027】
また、前記リード装置は、DVDビデオレコーディング規格に準拠したビットストリームの第1の部分についての著作権情報がコピー不可であり、それに続く第2の部分についての著作権情報がコピー可であることを示している場合には、前記第1の部分の時間情報を保持し、前記第2の部分の時間情報から前記第1の部分の時間情報を減じた結果を、前記第2の部分の時間情報として用いるものであることが好ましい。
【0028】
また、本発明は、高速ダビング装置として、DVDビデオレコーディング規格に準拠したビットストリーム、及び前記ビットストリームに付与されたナビゲーションパックを第1の蓄積装置から読み出し、前記ビットストリームにおけるリアルタイムデータ情報パック又は前記ナビゲーションパックのいずれかを削除して出力するリード装置と、前記リード装置の出力を格納して出力するバッファと、前記バッファから出力されたビットストリームをDVDビデオ規格に準拠したビットストリームに変換し、第2の蓄積装置に書き込むライト装置とを備え、前記リード装置、及び前記ライト装置が並列に動作することができるように構成されたものである。
【0029】
これによると、ナビゲーションパックを生成する必要がないので、リード装置とライト装置との間にのみバッファを備えればよく、回路規模を小さくすることができる。
【0030】
また、前記バッファは、その容量が、前記第1の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量以下であり、かつ、前記第2の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量以下であることが好ましい。
【0031】
また、第1の蓄積装置から読み出しを行うことによって、前記第1の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量を測定し、第2の蓄積装置へ書き込みを行うことによって、前記第2の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量を測定し、得られた測定結果のうちの小さい方を出力するバッファチェック部を更に備え、前記バッファは、その容量を前記測定結果が示す容量に変更するものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によると、DVDビデオレコーディング規格のフォーマットに従ったビットストリームを蓄積装置から読み出し、DVDビデオ規格のフォーマットに従ったビットストリームに変換して蓄積装置に書き込むことを、高速に行うことができる。したがって、蓄積装置内の記録媒体にDVDビデオレコーディング規格のフォーマットに従って記録された映像等を、他の蓄積装置内の他の記録媒体等にDVDビデオ規格のフォーマットに従って記録するダビング処理を高速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る高速ダビング装置の構成の例を示すブロック図である。
【図2】図2は、DVDビデオレコーディング規格に従って情報が記録されたディスクのディレクトリ構造を示す説明図である。
【図3】図3は、DVDビデオ規格に従って情報が記録されたディスクのディレクトリ構造を示す説明図である。
【図4】図4は、DVDビデオレコーディング規格及びDVDビデオ規格のVOBの構成について示す説明図である。
【図5】図5は、リアルタイムデータ情報パック(RDI_PCK)の構造を示す説明図である。
【図6】図6は、ナビゲーションパック(NV_PCK)の構造を示す説明図である。
【図7】図7は、ビデオパック(V_PCK)の構造を示す説明図である。
【図8】図8は、音声パック(A_PCK)の構造を示す説明図である。
【図9】図9は、ビットストリームが読み出される第1の蓄積装置の構成の例を示すブロック図である。
【図10】図10は、ビットストリームが書き込まれる第2の蓄積装置の構成の例を示すブロック図である。
【図11】図11は、図1の読み出し部の構成を示すブロック図である。
【図12】図12は、図1の蓄積装置における、DVDビデオレコーディング規格フォーマットのコンテンツの格納状態を示す説明図である。
【図13】図13は、スタッフィングバイトによるPES_extension_fieldの削除についての説明図である。
【図14】図14は、パディングパケットによるPES_extension_fieldの削除についての説明図である。
【図15】図15は、図1の高速ダビング装置における処理の例について示すタイミングチャートである。
【図16】図16は、図1の読み出し部と蓄積装置との間のデータ転送の例について示すタイミングチャートである。
【図17】図17(a)〜(c)は、図1の高速ダビング装置において2つの処理を並行して行う場合の例について示すタイミングチャートである。
【図18】図18は、本発明の第2の実施形態に係る高速ダビング装置の構成の例を示すブロック図である。
【図19】図19は、本発明の第3の実施形態に係る高速ダビング装置の構成の例を示すブロック図である。
【図20】図20は、図19の蓄積装置から出力されるビットストリームのフォーマットの例を示す説明図である。
【図21】図21は、本発明の第4の実施形態に係る高速ダビング装置の構成の例を示すブロック図である。
【図22】図22は、図21の読み出し部の構成を示すブロック図である。
【図23】図23は、図22の2つの蓄積装置における、DVDビデオレコーディング規格フォーマットのコンテンツの格納状態を示す説明図である。
【図24】図24は、図21の高速ダビング装置における処理の例について示すタイミングチャートである。
【図25】図25は、本発明の第5の実施形態に係る高速ダビング装置の構成の例を示すブロック図である。
【図26】図26は、図25の2つの蓄積装置における、DVDビデオレコーディング規格フォーマットのコンテンツの格納状態を示す説明図である。
【図27】図27は、図25の読み出し部の構成を示すブロック図である。
【図28】図28は、図25の高速ダビング装置における処理の例について示すタイミングチャートである。
【図29】図29は、本発明の第6の実施形態に係る高速ダビング装置の構成の例を示すブロック図である。
【図30】図30は、本発明の第7の実施形態に係る高速ダビング装置の構成の例を示すブロック図である。
【図31】図31は、SCRの再補正についての説明図である。
【符号の説明】
【0034】
10,310,410,412,510,512 第1の蓄積装置
16,76 キャッシュメモリ
20,320,420,520 リード装置
26,326,526,527 ストリーム解析部
30,230,530,532 第1のバッファ
40 ナビゲーションパック生成部
50,250 第2のバッファ
60,660,760 ライト装置
70 第2の蓄積装置
100,200,300,400,500,600,700 高速ダビング装置
324,766 フィルタ
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0036】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る高速ダビング装置の構成の例を示すブロック図である。図1の高速ダビング装置100は、リード装置20と、第1のバッファ30と、ナビゲーションパック生成部(NV_PCK生成部)40と、第2のバッファ50と、ライト装置60とを備えている。リード装置20は、読み出し部22と、ストリーム解析部26とを備えている。ライト装置60は、ストリーム書き換え部62と、書き込み部64とを備えている。高速ダビング装置100は、第1の蓄積装置10から読み出しを行い、読み出されたDVDビデオレコーディング規格(DVD Specifications for Rewritable/Re−recording Discs,Part 3)のビットストリームをDVDビデオ規格(DVD Specifications for Read−Only Disc,Part 3)のビットストリームに変換し、第2の蓄積装置70に書き込みを行う。
【0037】
以下の実施形態では、例として、蓄積装置10はハードディスクドライブ、蓄積装置70はDVD−R(DVD−Recordable)ドライブであるとする。蓄積装置10は、DVDビデオレコーディング規格のビットストリームを出力する装置であり、DVD−RW(DVD−Rewritable)ドライブ、又はDVD−RAM(DVD−Random Access Memory)ドライブ等であってもよい。蓄積装置70は、DVDビデオ規格のビットストリームを記録することができる装置であり、ハードディスクドライブ、又はDVD−RWドライブ等であってもよい。また、蓄積装置10と蓄積装置70とは、同一の装置であってもよい。すなわち、変換前のDVDビデオレコーディング規格のビットストリームを出力する装置に、変換後のDVDビデオ規格のビットストリームを記録するようにしてもよい。
【0038】
ここで、DVDビデオレコーディング規格及びDVDビデオ規格について説明する。図2は、DVDビデオレコーディング規格に従って情報が記録されたディスクのディレクトリ構造を示す説明図である。図2に示すように、このディスクにおけるディレクトリは階層構造を有し、ROOTディレクトリの下に、DVD_RTAVというディレクトリがある。このディレクトリの中には、VR_MANGR.IFO、VR_MOVIE.VRO、VR_STILL.VRO、VR_AUDIO.VRO、VR_MANAGER.BUPというファイルがある。
【0039】
VR_MANGR.IFOは、映像管理情報のためのファイルである。具体的には、VR_MANGR.IFOには、開始アドレス、タイムゾーン、文字コード、レコーディングされたディスクの基本的な情報、映像や音声の属性、静止画ファイルに関する情報、再生開始・終了時間、映像・音声属性の検索情報、エントリポイント、テキスト情報などプログラムチェーンに関する情報、プログラム(番組)、プレイリストに関するテキスト情報等が含まれている。
【0040】
VR_MOVIE.VROには、DVDで再生される映像、音声、副映像が格納されている。これらの映像、音声データは、VOB(Video Object)という単位のファイルが複数個集まって構成されている。VR_STILL.VROには、静止画が格納されている。VR_AUDIO.VROは、静止画表示を行うときの音声を格納している。VR_MANAGER.BUPは、VR_MANGR.IFOのバックアップである。
【0041】
図3は、DVDビデオ規格に従って情報が記録されたディスクのディレクトリ構造を示す説明図である。DVDビデオ規格のディスクは、単一のDVD Video Zoneを持つ。このDVD Video Zoneは、VMG(Video Manager)と複数のVTS(Video Title Set)で構成される。VTSは、VTSI(Video Title Set Information)、VTSM_VOBS、VTSTT_VOBS、バックアップ用VTSIで構成される。
【0042】
VTSIには、VTSに含まれるデータの再生制御に関する情報が含まれている。VTSM_VOBSは、DVDのメニューに用いられる情報を格納している。VTSTT_VOBSには、映像、音声、副映像が格納されている。これらの映像、音声のデータは、VOBという単位のファイルが複数個集まって構成されている。
【0043】
デジタル変換を行う際には、回路資源やソフトウエア資源のほとんどは、DVDビデオレコーディング規格におけるVR_MOVIE.VROに含まれる動画、音声のVOBを、DVDビデオフォーマット規格のVOBに変換するために使用される。
【0044】
図4は、DVDビデオレコーディング規格及びDVDビデオ規格のVOBの構成について示す説明図である。VOBが複数のVOBU(Video Object Unit)という単位で構成されるという点は、両方の規格において共通である。VOBUは、複数のパックで構成される。パックは、2048バイト単位のデータである。
【0045】
DVDビデオレコーディング規格においては、パックは、リアルタイムデータ情報パック(RDI_PCK:Real Time Data Information Pack)、ビデオパック(V_PCK:Video Pack)、及び音声パック(A_PCK:Audio Pack)のうちのいずれかである。DVDビデオ規格においては、パックは、ナビゲーションパック(NV_PCK:Navigation Pack)、ビデオパック、及び音声パックのうちのいずれかである。図4において、斜線部は、PES_extension_fieldを有するパックを示している。
【0046】
ここでは、VOB中のVOBUの数、及び各VOBの長さが、DVDビデオレコーディング規格とDVDビデオ規格とで同数になるような場合について説明しているが、規格ではこれらに関しては定められていない。また、図4では、RDI_PCKは各VOBUの先頭に配置されているが、VOBUの先頭のパックは必ずRDI_PCKである必要はない。
【0047】
図5は、リアルタイムデータ情報パック(RDI_PCK)の構造を示す説明図である。RDI_PCKはリアルタイム情報を格納するためのパックである。図5中のRDIデータ(RDI data)の領域には、リアルタイムデータやユーザーデータが格納される。RDIデータの先頭から21番目のバイトにはDCI_CCI_SS情報が記載され、23番目のバイトにはCCI(Copy Control Information)情報が記載されている。DCI_CCI_SS中の1番目〜3番目のビットにはCCI_SS情報が記載されている。
【0048】
CCI_SS情報は、CCI情報が有効であるか否かを示している。CCI_SS情報において、CCI情報が有効であると示されている場合、CCI情報が有効になる。CCI情報の8番目〜6番目のビットはCGMS(Copy Generation Management System)情報と呼ばれ、このコンテンツのコピー管理のための著作権情報を示している。これらのビットが0x0(0xは16進数であることを示す)を示す場合には、このコンテンツはコピーが不可であり、これらのビットが0x4を示す場合には、このコンテンツはコピー可である。コピー不可であるコンテンツは、ダビングすることができない。
【0049】
Pack Headerには、パックヘッダコード、パックの時間情報(SCR:System Clock Reference)等が含まれる。System Headerには、ビットレートやバッファ情報などが示されている。Packet Headerは、各パック毎のPES Headerを示している。このPacket Header中のストリームID(stream_id)と、サブストリームID(sub_stream_id)とでパックの種類が決定される。
【0050】
図6は、ナビゲーションパック(NV_PCK)の構造を示す説明図である。NV_PCKは、再生するデータの位置情報や著作権情報などを格納するパックである。Pack Header、System Header、Packet Header、sub_stream_idは、RDI_PCKの場合と同様である。
【0051】
図7は、ビデオパック(V_PCK)の構造を示す説明図である。ビデオパックは、画像情報を格納するパックであり、図7のVideo dataの部分に画像データが格納される。Pack Header、System Header、Packet Headerは、RDI_PCKの場合と同様である。ビデオパックは、VOBUの先頭のパックである場合にはSystem Headerを持つが、その他の場合にはSystem Headerを持たない。
【0052】
図8は、音声パック(A_PCK)の構造を示す説明図である。音声パックは、音声データを格納するパックである。図8には、音声パックがAC3形式の音声データを持つ場合、及びリニアPCM(LPCM:Linear Pulse Code Modulation)形式の音声データを持つ場合が示されている。Pack Header、System Header、Packet Header、sub_stream_idは、RDI_PCKの場合と同様である。オーディオフレーム情報は、そのパックに含まれる音声データのフレーム番号等を示している。
【0053】
更に、LPCM形式の場合には、音声パックにはオーディオデータ情報が含まれており、この情報には、量子化ビット数(quantization_word_length)、サンプリング周波数(audio_sampling_frequency)、チャンネル数(number_of_audio_channels)、レンジ制御(dynamic_range_control)を示すデータが含まれている。
【0054】
ここで、DVDビデオレコーディング規格と、DVDビデオ規格とにおける、VOB構成の差異について説明する。DVDビデオレコーディング規格では許されるが、DVDビデオ規格では許されない点として、次のようなものがある。
(a)映像の解像度、アスペクト比の変化
(b)オーディオ属性の変化
(c)dual monoのオーディオデータ
(d)再生時間が0.4秒以下のVOBU
更に、両規格には次のような差異がある。
(e)VOBの先頭パックのSCRが、DVDビデオレコーディング規格では0である必要はないが、DVDビデオ規格では0でなければならない。
(f)パックヘッダに含まれるPES_extension_fieldを、DVDビデオレコーディング規格ではVOBU毎に各種パックの先頭パックに付与するが、DVDビデオ規格ではVOBにおける各種パックの先頭パックのみにしか付与できない。
【0055】
図9は、ビットストリームが読み出される第1の蓄積装置10の構成の例を示すブロック図である。図9の蓄積装置10は、読み出し書き込み部14と、キャッシュメモリ16とを備えている。読み出し書き込み部14は、記録媒体12からのデータの読み出し、及び記録媒体12へのデータの書き込みを行う。
【0056】
図10は、ビットストリームが書き込まれる第2の蓄積装置70の構成の例を示すブロック図である。図10の蓄積装置70は、読み出し書き込み部74と、キャッシュメモリ76とを備えている。読み出し書き込み部74は、記録媒体72に対してデータの書き込みを行う。記録媒体72は、例えばDVD−Rディスクであって、蓄積装置70から着脱可能なものである。
【0057】
図1の高速ダビング装置について説明する。蓄積装置10内の記録媒体12には、DVDビデオレコーディング規格に準拠したビットストリームが格納されている。格納されているビットストリームは、映像の解像度、アスペクト比、オーディオ属性の変化が無く、最終VOBUを除く各VOBUの再生時間が0.4秒以上であるビットストリームである。
【0058】
図11は、図1の読み出し部22の構成を示すブロック図である。読み出し部22は、読み出しコマンド発行部21と、読み出しコマンド制御部23とを備えている。読み出しコマンド制御部23は、読み出しコマンド発行部21に読み出し命令RDIを発行する。読み出し命令RDIは、蓄積装置10に蓄積されている読み出されるべきデータのアドレスと読み出し許可とを含んでいる。
【0059】
読み出しコマンド発行部21は、読み出し命令RDIを受けると、蓄積装置10に読み出しコマンドRDCを発行する。蓄積装置10は、読み出しコマンドRDCを受けると、DVDビデオレコーディング規格フォーマットのコンテンツを読み出し、ビットストリームDVRとしてストリーム解析部26に出力する。読み出しコマンド発行部21は、読み出しが終了すると、終了信号ENSを読み出しコマンド制御部23に出力する。読み出しコマンド制御部23は、終了信号ENSを受けるまでは、次の読み出し命令RDCを発行しない。
【0060】
図12は、図1の蓄積装置10における、DVDビデオレコーディング規格フォーマットのコンテンツの格納状態を示す説明図である。ここでは、16ビット単位でデータの管理を行っている。図12において、DVDビデオレコーディング規格フォーマットのコンテンツは、各16ビットのデータDT1,DT2,…として格納され、例えば1つのブロックがαワード(16ビットを1ワードとする)分の領域を占めている。
【0061】
このように、読み出し部22は、蓄積装置10からDVDビデオレコーディング規格に準拠したビットストリームDVRを読み出し、ストリーム解析部26に出力する。ストリーム解析部26は、ビットストリームDVRを解析し、得られたストリーム解析情報SIをNV_PCK生成部40、及びストリーム書き換え部62に出力し、ビットストリームをバッファ30に出力する。バッファ30は、入力されたビットストリームを格納した後、NV_PCK生成部40に出力する。
【0062】
ストリーム解析情報SIは、DVDビデオレコーディング規格に準拠したビットストリームをDVDビデオ規格に準拠したビットストリームに変換する際に必要な情報であり、SCR、VOB、VOBUの構成、A_SYNCA、VOBU_2NDREF_EA、及びVOBU_3RDREF_EA等の情報を含んでいる。
【0063】
NV_PCK生成部40は、NV_PCK生成処理を行う。すなわち、NV_PCK生成部40は、ストリーム解析情報SIに含まれるA_SYNCA、VOBU_2NDREF_EA、VOBU_3RDREF_EA等の情報から、NV_PCKを生成し、バッファ30から出力されたビットストリーム中のRDI_PCKを、生成されたNV_PCKで置き換え(図4参照)、得られたビットストリームをバッファ50に出力する。バッファ50は、入力されたビットストリームを格納した後、ストリーム書き換え部62に出力する。
【0064】
ストリーム書き換え部62は、ストリーム書き換え処理を行う。すなわち、ストリーム書き換え部62は、ストリーム解析情報SIに基づいて、バッファ50から入力されたビットストリームに対して、タイムスタンプの書き換え及びPES_extension_fieldの削除を行い、DVDビデオ規格に準拠したビットストリームDVを書き込み部64に出力する。
【0065】
言い換えると、ストリーム書き換え部62は、ストリーム解析情報SIに含まれるVOB及びVOBUの構成、SCRの情報に基づいて各パック種類別にVOBの先頭パックを検出し、ビットストリームを構成するパックのパックヘッダ(Pack Header)中のSCR、パケット/ヘッダ(Packet Header)中のPTS(Presentation Time Stamp)、DTS(Decoding Time Stamp)の時間情報のそれぞれから、VOBの先頭パックのSCRの示す時間を減じ、減算結果を元のSCR、PTS、DTSと置き換える。また、ストリーム書き換え部62は、各種パックのVOB先頭パック以外のパックのPES_extension_fieldを削除し、得られたビットストリームを書き込み部64に出力する。
【0066】
図13は、スタッフィングバイト(Stuffing Byte)によるPES_extension_fieldの削除についての説明図である。PES_extension_field(図13のEx)を含むパケットにおいて、パディングパケット(Padding Packet)がなく、かつ、スタッフィングバイトが5バイト未満の場合は、PES_extension_field_flagのビットをゼロに書き換えた後、PES_extension_fieldの部分をスタッフィングバイトで上書きする。
【0067】
図14は、パディングパケットによるPES_extension_fieldの削除についての説明図である。PES_extension_fieldを含むパケットにおいて、パディングパケットがなく、かつ、スタッフィングバイトが5バイト未満であるという条件に当てはまらない場合には、PES_extension_field_flagのビットをゼロに書き換え、PES_extension_fieldとスタッフィングバイトをパケットから削除し、削除されたデータを同じ長さのパディングパケットで補填する。
【0068】
書き込み部64は、ストリーム書き換え部62から出力されたビットストリームを、ビットストリームDVとして蓄積装置70内の記録媒体72に書き込む。
【0069】
図15は、図1の高速ダビング装置100における処理の例について示すタイミングチャートである。図15においては、ブロック1、ブロック2、ブロック3について行われる処理の内容と、各処理に要する時間とを示している。ブロック1〜3は、蓄積装置10内の記録媒体12に記録されているビットストリームの連続した部分であって、いずれの量もバッファ30の容量に等しい。高速ダビング装置100においては、ブロックを単位として、読み出し等の各処理が行われる。
【0070】
高速ダビング装置100における処理は、処理P1,P2,P3の3つに分けることができる。処理P1は、蓄積装置10からビットストリームを読み出し、これをバッファ30に蓄積するまでの処理であり、読み出し部22によるストリーム読み出し処理と、ストリーム解析部26によるストリーム解析処理とが含まれる。処理P2は、バッファ30からビットストリームの読み出しを行い、バッファ50に蓄積するまでの処理であり、NV_PCK生成部40によるNV_PCK生成処理が含まれる。処理P3は、バッファ50からビットストリームの読み出しを行い、蓄積装置70に蓄積させるまでの処理であり、ストリーム書き換え部62によるストリーム書き換え処理と、書き込み部64によるストリーム書き込み処理とが含まれる。
【0071】
高速ダビング装置100は、図15のように、処理P1〜P3を並列して行うように動作する。並列して行われる処理P1〜P3は、同時に開始されるようにするので、各処理P1〜P3のうち最も時間を要する処理が終了するまで、他の処理の後にはウエイト状態が存在する。図15の場合、処理P1〜P3のうち、処理P1(ストリーム読み出し処理及びストリーム解析処理)に要する時間が最も長く、この時間が1単位のブロックのダビング処理に要する時間に相当する。このように、処理P1〜P3に関してパイプライン動作が行われる。パイプライン動作を行わない場合には、処理P1〜P3に要する時間を加算した時間が、ほぼ、1単位のブロックのダビング処理に必要な時間となるので、図1の高速ダビング装置100によると、ダビング処理を高速に行うことができる。
【0072】
読み出し部22と蓄積装置10との間や、書き込み部64と蓄積装置70との間は、例えばATA(AT Attachment)やATAPI(AT Attachment Packet Interface)インタフェースで接続されている。読み出し部22及び書き込み部64は、このインタフェースにおいてUDMA(Ultra Direct Memory Access)等のコマンドを用いて、できるだけ高速に蓄積装置10,70との間でデータを転送する。
【0073】
図16は、図1の読み出し部22と蓄積装置10との間のデータ転送の例について示すタイミングチャートである。UDMA等のコマンドを用いてデータ転送をする場合には、転送を開始する前にコマンド発行シーケンスのための時間、転送を終えた後にコマンド終了シーケンスのための時間が必要となる。
【0074】
NV_PCKは、1VOBUに最大1個しか存在しない。このため、バッファ30,50の大きさが1VOBU未満である場合には、NV_PCK生成処理が行われない場合が発生し、オーバーヘッドによって処理効率が低下する可能性がある。そこで、バッファ30,50の大きさは、少なくとも1VOBUのビットストリームが蓄積できる大きさにする。すると、NV_PCK生成処理が確実に行われるようにすることができる。
【0075】
バッファ30の容量が大きいほど、図16のようなATAコマンドやATAPIコマンドに伴うオーバーヘッドが減少するので、転送の効率がよくなる。しかしながら、バッファの容量が蓄積装置10が有するキャッシュメモリ16よりも大きい場合には、一度に転送されるデータの量がキャッシュメモリ16の容量を越え、キャッシュメモリ16の容量毎に記録媒体12からの読み出しを行わなければならない。この場合、図16のように、データ転送が時間T毎に繰り返されることになる。
【0076】
データ転送が分割されて行われると、記録媒体12からの読み出し中は、データ転送が行われないウエイト時間となり、転送速度が向上しなくなる。そこで、バッファ30の容量は、キャッシュメモリ16の容量以下とする。すると、キャッシュメモリ16と読み出し部22との間でデータ転送が分割されず、ウエイト時間を削減することができる。特に、バッファ30の容量は、キャッシュメモリ16の容量と等しくするのがよい。ウエイト時間を削減しながら、ATAコマンドやATAPIコマンドに伴うオーバーヘッドを小さくすることができるからである。
【0077】
同様に、書き込み部64と蓄積装置70との間のデータ転送についても、キャッシュメモリ76の容量毎にデータ転送が分割されて行われる。したがって、バッファ50の容量は、キャッシュメモリ76の容量以下とし、特に、キャッシュメモリ76の容量と等しくするのがよい。
【0078】
図17(a),(b),(c)は、図1の高速ダビング装置100において2つの処理を並行して行う場合の例について示すタイミングチャートである。図15を参照して、高速ダビング装置100が3つの処理を並行して行う場合について説明したが、図17(a)〜(c)のように、2つの処理を並列して行うようにしてもよい。ここでは、簡単のため、処理P1〜P3に要する時間はいずれも同じであるとしている。
【0079】
図17(a)は、図15の処理P1及びP2を行う期間に、処理P3を並行して行う場合について示している。図17(b)は、図15の処理P3及びP1を行う期間に、処理P2を並行して行う場合について示している。図17(c)は、図15の処理P2及びP3を行う期間に、処理P1を並行して行う場合について示している。
【0080】
なお、ストリーム解析情報SIは、記録媒体12にビットストリームとともに蓄積されるようにしてもよく、この場合には、ストリーム解析情報SIを記録媒体12から読み出して使用する。
【0081】
このように、図1の高速ダビング装置100によると、バッファ30,50を備えているので、蓄積装置10からの読み出し処理又は蓄積装置70への書き込み処理を、他の処理と並行して行うことができる。したがって、DVDビデオレコーディング規格のフォーマットに従ったビットストリームを読み出し、DVDビデオ規格のフォーマットに従ったビットストリームに変換して書き込むダビング処理を、高速に行うことができる。
【0082】
(第2の実施形態)
図18は、本発明の第2の実施形態に係る高速ダビング装置の構成の例を示すブロック図である。図18の高速ダビング装置200は、図1の高速ダビング装置100において、バッファチェック部80を更に備え、第1及び第2のバッファ30及び50を第1及び第2のバッファ230及び250でそれぞれ置き換えたものである。その他の構成要素については、図1を参照して説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0083】
バッファチェック部80は、読み出し部22が動作していない時に、蓄積装置10から十分な大きさのデータを読み出す。このとき、データは蓄積装置10のキャッシュメモリ16の容量毎に転送される。最初に転送されるデータブロック(図16のデータ転送(N))のサイズと、2回目以降に転送されるデータブロック(例えば図16のデータ転送(M))のサイズとが等しい場合には、このサイズがキャッシュメモリ16の容量であると考えられるので、バッファチェック部80は、このサイズをバッファ230のバッファサイズとして決定し、バッファサイズを示す信号をバッファ230に出力する。バッファ230は、その容量をバッファサイズを示す信号で指定された大きさにする。
【0084】
最初に転送されるデータブロック(図16のデータ転送(N))のサイズと、2回目以降に転送されるデータブロック(例えば図16のデータ転送(M))のサイズとが異なる場合には、バッファチェック部80は、最も出現頻度の高いサイズをバッファ230のバッファサイズとして決定する。
【0085】
同様に、バッファチェック部80は、書き込み部64が動作していない時に、蓄積装置70の未使用領域に対して十分な大きさのデータを書き込む。このとき、データは蓄積装置70のキャッシュメモリ76の容量毎に転送される。最初に転送されるデータブロックのサイズと、2回目以降に転送されるデータブロックのサイズとが等しい場合には、バッファチェック部80は、このサイズをバッファ250のバッファサイズとして決定し、バッファサイズを示す信号をバッファ250に出力する。バッファ250は、その容量をバッファサイズを示す信号で指定された大きさにする。
【0086】
最初に転送されるデータブロックのサイズと、2回目以降に転送されるデータブロックのサイズとが異なる場合には、バッファチェック部80は、最も出現頻度の高いサイズをバッファ250のバッファサイズとして決定する。
【0087】
決定されたバッファサイズがバッファ230と250とで異なる場合には、バッファチェック部80は、小さい方のバッファサイズをバッファ230及び250のバッファサイズとして決定する。
【0088】
このように、図18の高速ダビング装置によると、ビットストリームが格納される蓄積装置の構成に応じてバッファのサイズを最適化することができるので、ダビングに要する時間を確実に短くすることができる。また、ハードディスクドライブを交換した場合等、蓄積装置の変更があった場合においても、バッファのサイズを最適なサイズにすることができる。
【0089】
なお、図15のように1つのデータブロックの転送に要する時間が時間Tである場合には、図16のストリーム読み出し同士、又はストリーム書き込み同士の間隔は、時間Tよりも小さくならない。このため、パイプライン1段分の長さが時間Tよりも小さくならないように、パイプラインの動作をウエイトさせる必要がある。
【0090】
(第3の実施形態)
図19は、本発明の第3の実施形態に係る高速ダビング装置の構成の例を示すブロック図である。図19の高速ダビング装置300は、図1の高速ダビング装置100において、蓄積装置10及びリード装置20に代えて蓄積装置310及びリード装置320のそれぞれを備え、NV_PCK生成部40と、第2のバッファ50とを備えないようにしたものである。蓄積装置310は、蓄積装置10とほぼ同様に構成されている。リード装置320は、読み出し部322と、フィルタ324と、ストリーム解析部326とを備えている。その他の構成要素については、図1を参照して説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0091】
図20は、図19の蓄積装置310から出力されるビットストリームのフォーマットの例を示す説明図である。蓄積装置310は、記録媒体からビットストリームを読み出して、ビットストリームDVNとして読み出し部322に出力する。ビットストリームDVNは、通常のDVDビデオレコーディング規格に準拠したビットストリームにおいて、RDI_PCK(図20における“R”)の前にNV_PCK(図20における“N”)が付加されたものである。
【0092】
蓄積装置310によって読み出しが行われる記録媒体には、RDI_PCKと、事前に生成しておいたNV_PCKとの両方のパックを持つビットストリームが格納されている。RDI_PCK又はNV_PCKは、ビットストリームの他のパックとは異なる領域に格納されていてもよい。RDI_PCKとNV_PCKとでは、共通な変数(SCR等)としては同じ値が使用されている。
【0093】
フィルタ324は、通常の再生等が行われる場合、すなわち、DVDビデオレコーディング規格のビットストリームが必要な場合には、読み出し部322から出力されるビットストリームからNV_PCKを削除して、ストリーム解析部326に出力する。また、フィルタ324は、高速ダビングが行われる場合、すなわち、DVDビデオ規格のビットストリームを記録媒体に書き込む場合には、読み出し部322から出力されるビットストリームからRDI_PCKを削除して、ストリーム解析部326に出力する。
【0094】
ストリーム解析部326は、NV_PCK生成用のデータを生成する必要がない点以外は、図1のストリーム解析部26と同様である。
【0095】
図19の高速ダビング装置においては、ダビング時にNV_PCKを生成する必要がないので、図15の処理P2を行う必要がなく、図15の処理P1及びP3が並行して行われる。このため、処理P2によってダビングの速度が制限されることがない。
【0096】
このように、事前にNV_PCKを付加したビットストリームを蓄積装置310に格納しておけば、NV_PCKを生成する必要がなく、図1における第2のバッファ50が必要ない。NV_PCKを付加するので、蓄積装置310に格納されるビットストリームが増加するが、NV_PCKは1VOBU(0.4秒以上)毎に1つ付加されるのみなので、大きな影響はない。
【0097】
以上の実施形態によれば、DVDビデオレコーディング規格のフォーマットに従ったビットストリームを読み出し、DVDビデオ規格のフォーマットに従ったビットストリームを書き込むダビング処理に必要な時間を短くすることができる。
【0098】
(第4の実施形態)
図21は、本発明の第4の実施形態に係る高速ダビング装置の構成の例を示すブロック図である。図21の高速ダビング装置400は、図1の高速ダビング装置100において、第1の蓄積装置10に代えて第1の蓄積装置410,412を、リード装置20に代えてリード装置420を備えたものである。蓄積装置410,412は、コンテンツを構成する連続するデータを2台に分けて格納している点を除けば、蓄積装置10とほぼ同様のものである。リード装置420は、読み出し部422と、ストリーム解析部26とを備えている。その他の構成要素については、図1を参照して説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0099】
図22は、図21の読み出し部422の構成を示すブロック図である。読み出し部422は、読み出しコマンド発行部421と、読み出しコマンド制御部423と、バッファ402,404と、セレクタ406とを備えている。
【0100】
読み出しコマンド制御部423は、図11の読み出しコマンド制御部23と同様に、読み出しコマンド発行部421に読み出し命令RDIを発行する。読み出しコマンド発行部421は、読み出し命令RDIを受信すると、蓄積装置410,412に対して読み出しコマンドRDC1,RDC2のそれぞれを同時に発行する。
【0101】
蓄積装置410は、読み出しコマンドRDC1を受けると、DVDビデオレコーディング規格フォーマットのコンテンツを読み出し、ビットストリームDVR1としてバッファ402に出力する。蓄積装置412は、読み出しコマンドRDC2を受けると、DVDビデオレコーディング規格フォーマットのコンテンツを読み出し、ビットストリームDVR2としてバッファ404に出力する。すなわち、蓄積装置410,412は、読み出しを並行して行う。
【0102】
バッファ402,404は、入力されたデータをセレクタ406に出力する。セレクタ406は、バッファ402,404のデータを交互に選択し、DVDビデオレコーディング規格に準拠したビットストリームとしてストリーム解析部26に出力する。読み出しコマンドRDC1,RDC2が同時に発行されたとしても、蓄積装置410,412が同時に読み出し処理を終了するとは限らないので、処理の終了時間の差を吸収できるだけのバッファ容量を、バッファ402,404は有している。読み出しコマンド発行部421は、バッファ402へのデータ送出と、バッファ404へのデータ送出との両方が終了した時点で、終了信号ENSを読み出しコマンド制御部423に出力する。
【0103】
図23は、図22の2つの蓄積装置410,412における、DVDビデオレコーディング規格フォーマットのコンテンツの格納状態を示す説明図である。本実施形態では、32ビット単位でデータの管理を行っているものとし、蓄積装置410は、各32ビットのデータのうちの上位16ビットを格納し、蓄積装置412は、各32ビットのデータのうちの下位16ビットを格納している。
【0104】
すなわち、32ビットのデータを構成する、上位16ビットのデータDT1A及び下位16ビットのデータDT1Bを蓄積装置410,412にそれぞれ格納させ、その次の32ビットのデータを構成する、上位16ビットのデータDT2A及び下位16ビットのデータDT2Bを蓄積装置410,412にそれぞれ格納させている。言い換えると、連続する16ビットのデータDT1A,DT1B,DT2A,DT2B,…が、蓄積装置410,412に交互に格納されている。
【0105】
例えば1つのブロックの容量がαワードであるとすると、蓄積装置410,412のそれぞれにおいては、このブロックのためにα/2ワード分の領域が占有されることになる。そこで、読み出しコマンド発行部421は、受け取った読み出し命令RDIに指定されたアドレスを2分の1にして、読み出しコマンドRDC1,RDC2内に指定する。
【0106】
ここでは、DVDビデオレコーディング規格に準拠したデータを16ビット毎に分割して格納した場合について説明したが、例えば8ビット毎に分割して格納してもよいし、他の数のビット毎に分割して格納してもよい。
【0107】
図24は、図21の高速ダビング装置400における処理の例について示すタイミングチャートである。比較のため、図24の上部には、図1の高速ダビング装置100についてのタイミングチャートも示している。高速ダビング装置400は、蓄積装置410,412のデータを同時に並列して読み出すので、ストリームの読み出しに必要な時間がほぼ半減し、図1の高速ダビング装置100よりも高速にダビング処理を行うことができる。
【0108】
(第5の実施形態)
図25は、本発明の第5の実施形態に係る高速ダビング装置の構成の例を示すブロック図である。図25の高速ダビング装置500は、図1の高速ダビング装置100において、第1の蓄積装置10に代えて第1の蓄積装置510,512を、リード装置20に代えてリード装置520を、バッファ30に代えてバッファ530,532を備え、セレクタ534,536を更に備えたものである。蓄積装置510,512は、コンテンツを構成する連続するデータを2台に分けて格納している点を除けば、蓄積装置10とほぼ同様のものである。リード装置520は、読み出し部522と、ストリーム解析部526,527とを備えている。その他の構成要素については、図1を参照して説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0109】
図26は、図25の2つの蓄積装置510,512における、DVDビデオレコーディング規格フォーマットのコンテンツの格納状態を示す説明図である。蓄積装置510は、奇数ブロックのデータを格納し、蓄積装置512は、偶数ブロックのデータを格納している。すなわち、連続するブロックが蓄積装置510,512に交互に格納されている。
したがって、1台の蓄積装置のみがデータを格納する場合に比べると、蓄積装置510,512のそれぞれにおいて1/2の領域が占有されることになる。なお、各ブロックは、高速ダビングの処理単位(VOBU)でアライメントしておく。すなわち、各ブロックのサイズは、VOBUの大きさの整数倍である。
【0110】
図27は、図25の読み出し部522の構成を示すブロック図である。読み出し部522は、読み出しコマンド発行部521と、読み出しコマンド制御部523とを備えている。
【0111】
読み出しコマンド制御部523は、読み出しコマンド発行部521に読み出し命令RDIを発行する。読み出しコマンド発行部521は、読み出し命令RDIを受信すると、指定されたアドレスが奇数ブロックを示すアドレスである場合には、蓄積装置510に対して読み出しコマンドRDC1を発行し、指定されたアドレスが偶数ブロックを示すアドレスである場合には、蓄積装置512に対して読み出しコマンドRDC2を発行する。
【0112】
蓄積装置510は、読み出しコマンドRDC1を受けると、DVDビデオレコーディング規格フォーマットのコンテンツを読み出し、ビットストリームDVR1としてストリーム解析部526に出力する。蓄積装置512は、読み出しコマンドRDC2を受けると、DVDビデオレコーディング規格フォーマットのコンテンツを読み出し、ビットストリームDVR2としてストリーム解析部527に出力する。読み出しコマンド発行部521は、読み出しコマンドRDC1又はRDC2の発行が終了する毎に、終了信号ENSを読み出しコマンド制御部523に出力する。
【0113】
ストリーム解析部526,527は、ビットストリームDVR1,DVR2をそれぞれ解析し、得られたストリーム解析情報をセレクタ536に出力する。また、ストリーム解析部526,527は、ビットストリームをバッファ530,532にそれぞれ出力する。
【0114】
セレクタ536は、ストリーム解析部526,527のいずれかが出力するストリーム解析情報を選択して、NV_PCK生成部40及びストリーム書き換え部62に出力する。バッファ530,532は、入力されたビットストリームをセレクタ534に出力する。セレクタ534は、ストリーム解析部526,527のうち、セレクタ536に選択されたものからのビットストリームを選択して、NV_PCK生成部40に出力する。
【0115】
図28は、図25の高速ダビング装置500における処理の例について示すタイミングチャートである。図1の高速ダビング装置100では、図28に示すように、1つのブロックについてのストリーム解析が終了しなければ、次のブロックのストリームを読み出すことができなかった。また、ストリーム読み出し及びストリーム解析に要する時間が、ストリーム書き換え及びストリーム蓄積に要する時間や、NV_PCK生成に要する時間よりも長い場合には、ウエイト時間が発生してしまう。
【0116】
図25の高速ダビング装置500によると、図28のように、1つのブロックのストリーム読み出しやストリーム解析が終了する前に、次のブロックのストリーム読み出し及びストリーム解析を行うことができるので、ウエイト時間を削減することができる。
【0117】
(第6の実施形態)
図29は、本発明の第6の実施形態に係る高速ダビング装置の構成の例を示すブロック図である。図29の高速ダビング装置600は、図1の高速ダビング装置100において、NV_PCK生成部40及びライト装置60に代えて、NV_PCK生成部640及びライト装置660のそれぞれを備え、書き込み部668を更に備えたものである。ライト装置660は、ストリーム書き換え部662と、書き込み部64とを備えている。その他の構成要素については、図1を参照して説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0118】
ストリーム書き換え装置662は、DVDビデオ規格フォーマットのストリームが入力されたときには、最初に入力されたNV_PCKにPES_extension_fieldを付与し、SCRの付け替えを行う点が、図1のストリーム書き換え装置62とは異なっている。NV_PCK生成部640は、DVDビデオ規格フォーマットのストリームが入力されたときには、NV_PCKの補正加工を行って出力する点が、図1のNV_PCK生成部40とは異なっている。
【0119】
DVDビデオレコーディング規格フォーマットのストリームを高速ダビングするときには、NV_PCK生成部640は、図1のNV_PCK生成部40と同様に、NV_PCKを生成し、バッファ50を介してストリーム書き換え部662にストリームを出力する。
【0120】
このとき、ストリーム書き換え部662は、図1のストリーム書き換え部62と同様に、SCR、PTS、DTSの書き換え処理を行うことによって、入力されたストリームをDVDビデオ規格フォーマットのストリームに変換し、出力する。ストリーム書き換え部662から出力されたDVDビデオ規格フォーマットのストリームは、書き込み部64の他に、書き込み部668にも出力される。書き込み部668は、入力されたDVDビデオ規格フォーマットのストリームを蓄積装置10に書き込む。この際、蓄積装置10は、変換前のDVDビデオレコーディング規格フォーマットのストリームが格納されている領域とは別の領域に書き込みを行う。
【0121】
DVDビデオレコーディング規格フォーマットのストリームについて高速ダビングが終了した後、同一コンテンツの全体の高速ダビングを再度行いたい場合には、蓄積装置10に記録された変換済のストリームを読み出し部22が読み出し、そのまま書き込み部が蓄積装置70に書き込むようにする。すなわち、この場合には、NV_PCK生成部640、及びストリーム書き換え部662は、ストリームの書き換えを行わない。
【0122】
また、DVDビデオレコーディング規格フォーマットのストリームについて高速ダビングが終了した後、同一コンテンツの一部の高速ダビングを再度行いたい場合には、NV_PCK生成部640、及びストリーム書き換え部662は、次のような処理を行う。すなわち、NV_PCK生成部640は、読み出し部22が読み出した変換後のストリームにおいて、NV_PCKに含まれるSCR、PTS、DTS等の時間情報等を修正し、修正後のストリームをバッファ50経由でストリーム書き換え部662に送出する。ストリーム書き換え部662は、PES_extension_fieldが各映像、各音声、各副映像のコンテンツの最初のパックにのみ存在するように、必要に応じてPES_extension_fieldの削除を行い、更にSCR、PTS、DTSの再修正も実施する。
【0123】
このように、図29の高速ダビング装置600によると、フォーマット変換されたストリームを蓄積装置10に格納させ、キャッシュとして使用するので、NV_PCKに対する加工やストリーム書き換えに必要な時間を削減することができ、ダビングを複数回行う場合にダビングの速度を向上させることができる。
【0124】
(第7の実施形態)
図30は、本発明の第7の実施形態に係る高速ダビング装置の構成の例を示すブロック図である。図30の高速ダビング装置700は、図1の高速ダビング装置100において、リード装置20及びライト装置60に代えて、リード装置720及びライト装置760を備えるものである。リード装置720は、読み出し部22と、ストリーム解析部726とを備えている。ライト装置760は、ストリーム書き換え部62と、フィルタ766と、書き込み部64とを備えている。その他の構成要素については、図1を参照して説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0125】
ストリーム解析部726は、図5で示されたCGMSの監視機能を持つ点が、図1のストリーム解析部26とは異なっている。ストリーム解析部726は、入力されたDVDビデオレコーディング規格フォーマットのストリームのストリーム解析を行い、ストリーム解析部26と同様にストリーム解析情報SIを出力する他、CGMSを解析し、得られたCGMS解析結果CIをフィルタ766に出力する。
【0126】
フィルタ766は、CGMS解析結果CIがコピー可を示していれば、ストリーム書き換え部62の出力をそのまま出力し、CGMS解析結果CIがコピー不可を示していれば、ストリーム書き換え部の出力は出力しないようにする。また、フィルタ766は、コピー不可であることが示されているストリームを検知した後、コピー可であることが示されているストリームが入力された場合は、その後のコピー可のストリームに対して、SCR,PTS,DTSの再補正を実施する。
【0127】
図31は、SCRの再補正についての説明図である。図31には、高速ダビングの対象であるストリームが示されている。このストリームは、最初の部分はコピー可であるが、2番目の部分はコピー不可であり、3番目の部分はコピー可である。高速ダビング開始時には、先頭SCRがTaであり、以降のパックのSCRは、
(出力SCR)=(入力パケットのSCR)−Ta
で計算される。
【0128】
その後コピー不可のストリームが入力されると、このコピー不可のストリームは外部に出力されない。更にその後コピー可のストリームが入力された場合には、外部に出力されるストリームにおいては、コピー不可のストリームに対応するSCRが含まれないので、時間情報が不連続になる。時間情報が不連続になるとストリームの再生ができなくなる可能性がある。
【0129】
そこで、フィルタ766は、コピー不可のストリームが入力されると、その先頭パックのSCR(Tb)を保持し、再度コピー可のストリーム(その先頭パックのSCRはTc)が入力されると、
(出力SCR)=(入力パケットのSCR)−Ta−(Tc−Tb)
に従ってSCRを補正して出力する。すると、コピー可であるコンテンツのストリーム間における時間情報の不連続が生じないようにすることができる。フィルタ766は、PTSやDTSについても同様の処理を行う。
【0130】
このように、図30の高速ダビング装置700によると、コピー可であるコンテンツとコピー不可であるコンテンツとが混在している場合においても、コピー可であるコンテンツを高速ダビングすることが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0131】
以上説明したように、本発明に係る高速ダビング装置は、DVDビデオレコーディング規格のビットストリームを読み出し、DVDビデオ規格のビットストリームに変換して書き込むことを、高速に行うことができるので、記録媒体に記録された映像を他の記録媒体等にダビングするDVDレコーダー等に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
DVDビデオレコーディング規格に準拠したビットストリームを第1の蓄積装置から読み出して出力するリード装置と、
前記リード装置の出力を格納して出力する第1のバッファと、
前記第1のバッファから出力されたビットストリームにおけるリアルタイムデータ情報パックをナビゲーションパックに置き換え、出力するナビゲーションパック生成部と、
前記ナビゲーションパック生成部の出力を格納して出力する第2のバッファと、
前記第2のバッファから出力されたビットストリームをDVDビデオ規格に準拠したビットストリームに変換し、第2の蓄積装置に書き込むライト装置とを備え、
前記リード装置、前記ナビゲーションパック生成部、及び前記ライト装置のうちの少なくとも2つが並列に動作することができるように構成された
高速ダビング装置。
【請求項2】
請求項1に記載の高速ダビング装置において、
前記リード装置は、
前記第1の蓄積装置から読み出されたビットストリームを解析し、得られたストリーム解析情報を出力するストリーム解析部を有するものであり、
前記ナビゲーションパック生成部は、
前記ストリーム解析情報を用いて前記置き換えを行うものであり、
前記ライト装置は、
前記ストリーム解析情報を用いて前記変換を行うストリーム書き換え部を有するものである
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項3】
請求項1に記載の高速ダビング装置において、
前記第1のバッファは、
その容量が、前記第1の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量以下である
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項4】
請求項1に記載の高速ダビング装置において、
前記第2のバッファは、
その容量が、前記第2の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量以下である
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項5】
請求項1に記載の高速ダビング装置において、
第1の蓄積装置から読み出しを行うことによって、前記第1の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量を測定して、その測定結果を出力するバッファチェック部を更に備え、
前記第1のバッファは、
その容量を前記測定結果に従って変更するものである
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項6】
請求項1に記載の高速ダビング装置において、
第2の蓄積装置へ書き込みを行うことによって、前記第2の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量を測定して、その測定結果を出力するバッファチェック部を更に備え、
前記第2のバッファは、
その容量を前記測定結果に従って変更するものである
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項7】
請求項1に記載の高速ダビング装置において、
第1の蓄積装置から読み出しを行うことによって、前記第1の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量を測定し、第2の蓄積装置へ書き込みを行うことによって、前記第2の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量を測定し、得られた測定結果のうちの小さい方を出力するバッファチェック部を更に備え、
前記第1及び第2のバッファは、
その容量を前記測定結果が示す容量に変更するものである
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項8】
請求項1に記載の高速ダビング装置において、
前記リード装置は、
前記DVDビデオレコーディング規格フォーマットのデータを所定の数のビット毎に分割して格納した複数の前記第1の蓄積装置から、並行してビットストリームを読み出し、1つのビットストリームとして出力するものである
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項9】
請求項8に記載の高速ダビング装置において、
前記所定の数は、16である
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項10】
請求項8に記載の高速ダビング装置において、
前記所定の数は、8である
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項11】
請求項1に記載の高速ダビング装置において、
前記第1のバッファを複数備え、
前記リード装置は、
前記DVDビデオレコーディング規格フォーマットのデータを所定のサイズのデータ毎に分割して格納した複数の前記第1の蓄積装置から、ビットストリームを読み出して、複数の前記第1のバッファのうち、その読み出されたビットストリームを出力した第1の蓄積装置に対応させたバッファに出力するものであり、かつ、複数の前記第1の蓄積装置のうち、1つからの読み出しを開始すると、他の1つからの読み出しを開始するものである
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項12】
請求項11に記載の高速ダビング装置において、
前記所定のサイズは、VOBU(Video Object Unit)の大きさの整数倍である
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項13】
請求項1に記載の高速ダビング装置において、
前記ライト装置で変換されて得られたDVDビデオ規格に準拠したビットストリームを、前記第1の蓄積装置に書き込む書き込み部を更に備え、
前記リード装置は、
ダビング終了後、同一の内容を再度ダビングする場合には、前記第1の蓄積装置に書き込まれたDVDビデオ規格に準拠したビットストリームを読み出すものであり、
前記ライト装置は、
前記リード装置によって読み出されたDVDビデオ規格に準拠したビットストリームを、前記第2の蓄積装置に書き込むものである
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項14】
請求項13に記載の高速ダビング装置において、
前記ナビゲーションパック生成部は、
前記リード装置によって読み出されたDVDビデオ規格に準拠したビットストリームの一部をダビングする場合には、このビットストリームのナビゲーションパックに含まれる情報の一部を変更するものである
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項15】
請求項13に記載の高速ダビング装置において、
前記ライト装置は、
前記リード装置によって読み出されたDVDビデオ規格に準拠したビットストリームの一部をダビングする場合には、このビットストリームのPES_extension_fieldの削除又は時間情報の修正を行うものである
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項16】
請求項1に記載の高速ダビング装置において、
前記ライト装置で変換されて得られたDVDビデオ規格に準拠したビットストリームの前記第2の蓄積装置への出力を制御するフィルタを更に備え、
前記リード装置は、
第1の蓄積装置から読み出されたDVDビデオレコーディング規格に準拠したビットストリームの著作権情報を監視し、その結果を出力するものであり、
前記フィルタは、
前記リード装置から出力された著作権情報の監視結果が、コピー不可であることを示している場合には、DVDビデオ規格に準拠したビットストリームの前記第2の蓄積装置への出力を行わないようにするものである
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項17】
請求項16に記載の高速ダビング装置において、
前記リード装置は、
前記著作権情報として、CGMS(Copy Generation Management System)情報を監視するものである
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項18】
請求項16に記載の高速ダビング装置において、
前記リード装置は、
DVDビデオレコーディング規格に準拠したビットストリームの第1の部分についての著作権情報がコピー不可であり、それに続く第2の部分についての著作権情報がコピー可であることを示している場合には、前記第1の部分の時間情報を保持し、前記第2の部分の時間情報から前記第1の部分の時間情報を減じた結果を、前記第2の部分の時間情報として用いるものである
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項19】
DVDビデオレコーディング規格に準拠したビットストリーム、及び前記ビットストリームに付与されたナビゲーションパックを第1の蓄積装置から読み出し、
前記ビットストリームにおけるリアルタイムデータ情報パック又は前記ナビゲーションパックのいずれかを削除して出力するリード装置と、
前記リード装置の出力を格納して出力するバッファと、
前記バッファから出力されたビットストリームをDVDビデオ規格に準拠したビットストリームに変換し、第2の蓄積装置に書き込むライト装置とを備え、
前記リード装置、及び前記ライト装置が並列に動作することができるように構成された
高速ダビング装置。
【請求項20】
請求項19に記載の高速ダビング装置において、
前記バッファは、
その容量が、前記第1の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量以下であり、かつ、前記第2の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量以下である
ことを特徴とする高速ダビング装置。
【請求項21】
請求項19に記載の高速ダビング装置において、
第1の蓄積装置から読み出しを行うことによって、前記第1の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量を測定し、第2の蓄積装置へ書き込みを行うことによって、前記第2の蓄積装置が有するキャッシュメモリの容量を測定し、得られた測定結果のうちの小さい方を出力するバッファチェック部を更に備え、
前記バッファは、
その容量を前記測定結果が示す容量に変更するものである
ことを特徴とする高速ダビング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【国際公開番号】WO2005/093746
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【発行日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−511392(P2006−511392)
【国際出願番号】PCT/JP2005/000489
【国際出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】