説明

3−配位銅(I)−カルベン錯体

新規なリン光性三角形状(トリゴナル)銅カルベン錯体を提供する。この錯体は、三配位の銅原子に配位したカルベン配位子を含む。この錯体は、有機発光デバイスに用いることができる。特に、この錯体は照明用途に用いられるOLEDに特に有用でありえる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年11月19日に出願した米国仮出願番号No.61/262,804号、2010年2月4日に出願した米国仮出願番号No.61/301,362号、2010年7月1日に出願した米国仮出願番号No.61/398,808号、及び2010年9月9日に出願した米国仮出願番号No.61/402,989号に対する優先権を主張し、その出願の開示はその全体を参照により本明細書に明確に援用する。
【0002】
特許請求の範囲に記載した発明は、共同の大学・企業研究契約に関わる1つ以上の以下の団体:ミシガン大学評議員会、プリンストン大学、サザン・カリフォルニア大学、及びユニバーサル・ディスプレイ・コーポレーションにより、1つ以上の団体によって、1つ以上の団体のために、及び/又は1つ以上の団体と関係して行われた。上記契約は、特許請求の範囲に記載された発明がなされた日及びそれ以前に発効しており、特許請求の範囲に記載された発明は、前記契約の範囲内で行われた活動の結果としてなされた。
【0003】
本発明は、リン光性銅錯体、及び有機発光デバイス(OLED)におけるそれらの使用に関する。より詳細には、本発明は、3配位の銅原子に配位したカルベン配位子を含む燐光性錯体、及びその錯体を含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
有機物質を用いるオプトエレクトロニクスデバイスは、多くの理由によりますます望ましいものとなってきている。そのようなデバイスを作るために用いられる多くの物質はかなり安価であり、そのため有機オプトエレクトロニクスデバイスは、無機デバイスに対してコスト上の優位性について潜在力をもっている。加えて、有機物質固有の特性、例えばそれらの柔軟性は、それらを柔軟な基材上への製作などの特定用途に非常に適したものにしうる。有機オプトエレクトロニクスデバイスの例には、有機発光デバイス(OLED)、有機光トランジスタ、有機光電池、及び有機光検出器が含まれる。OLEDについては、有機物質は、従来の物質に対して性能上優位性をもちうる。例えば、有機発光層が発光する波長は、一般に、適切なドーパントで容易に調節することができる。
【0005】
OLEDは、そのデバイスを横切って電圧を印加した場合に光を発する薄い有機膜(有機フィルム)を用いる。OLEDは、フラットパネルディスプレイ、照明、及びバックライトなどの用途で用いるためのますます興味ある技術となってきている。いくつかのOLEDの物質と構成が、米国特許第5,844,363号明細書、同6,303,238号明細書、及び同5,707,745号明細書に記載されており、これらの明細書はその全体を参照により本明細書に援用する。
【0006】
燐光発光分子の一つの用途はフルカラーディスプレイである。そのようなディスプレイのための工業規格は、「飽和」色といわれる特定の色を発光するように適合された画素(ピクセル)を要求している。特に、これらの規格は、飽和の赤、緑、及び青の画素を必要としている。色はCIE座標を用いて測定でき、CIE座標は当分野で周知である。
【0007】
緑色発光分子の一例は、Ir(ppy)と表されるトリス(2-フェニルピリジン)イリジウムであり、これは以下の式Iの構造を有する。
【化1】

【0008】
この式及び本明細書の後の図で、窒素から金属(ここではIr)への供与結合は直線で表す。
【0009】
本明細書で用いるように、「有機」の用語は、有機オプトエレクトロニクスデバイスを製作するために用いることができるポリマー物質並びに小分子有機物質を包含する。「小分子(small molecule)」とは、ポリマーではない任意の有機物質をいい、「小分子」は、実際は非常に大きくてもよい。小分子はいくつかの状況では繰り返し単位を含んでもよい。例えば、置換基として長鎖アルキル基を用いることは、分子を「小分子」の群から排除しない。小分子は、例えばポリマー主鎖上のペンダント基として、あるいは主鎖の一部として、ポリマー中に組み込まれてもよい。小分子は、コア残基上に作り上げられた一連の化学的殻からなるデンドリマーのコア残基として働くこともできる。デンドリマーのコア残基は、蛍光性又は燐光性小分子発光体であることができる。デンドリマーは「小分子」であることができ、OLEDの分野で現在用いられている全てのデンドリマーは小分子であると考えられる。
【0010】
本明細書で用いるように「トップ」は、基材から最も遠くを意味する一方で、「ボトム」は基材に最も近いことを意味する。第一の層が第二の層の「上に配置される」と記載した場合は、第一の層は基材から、より遠くに配置される。第一の層が第二の層と「接触している」と特定されていない限り、第一の層と第二の層との間に別な層があってよい。例えば、カソードとアノードとの間に様々な有機層があったとしても、カソードはアノードの「上に配置される」と記載できる。
【0011】
本明細書で用いるように、「溶液処理(加工)可能」とは、溶液もしくは懸濁液の形態で、液体媒体中に溶解され、分散され、又は液体媒体中で輸送され、及び/又は液体媒体から堆積されうることを意味する。
【0012】
配位子が発光物質の光活性特性に直接寄与していると考えられる場合は、その配位子は「光活性」ということができる。配位子が発光物質の光活性特性に寄与していないと考えられる場合は、配位子は「補助」ということができるが、補助配位子は光活性配位子の特性を変えうる。
【0013】
本明細書で用いるように、かつ当業者によって一般に理解されているように、第一の「最高被占分子軌道」(HOMO)又は「最低空分子軌道」(LUMO)のエネルギー準位は、その第一のエネルギー準位が真空のエネルギー準位により近い場合には、第二のHOMO又はLUMOよりも「大きい」あるいは「高い」。イオン化ポテンシャル(IP)は真空準位に対して負のエネルギーとして測定されるので、より高いHOMOエネルギー準位は、より小さな絶対値をもつIPに対応する(より小さな負のIP)。同様に、より高いLUMOエネルギー準位は、より小さな絶対値をもつ電子親和力(EA)に対応する(より小さな負のEA)。上(トップ)に真空準位をもつ従来のエネルギー準位図の上では、物質のLUMOエネルギー準位はその同じ物質のHOMOエネルギー準位よりも高い。「より高い」HOMO又はLUMOエネルギー準位は、「より低い」HOMO又はLUMOエネルギー準位よりも、そのような図のトップのより近くに現れる。
【0014】
本明細書で用いるように、また当業者によって一般に理解されるように、第一の仕事関数は、その第一の仕事関数がより高い絶対値を有する場合には、第二の仕事関数よりも「大きい」あるいは「高い」。仕事関数は通常、真空準位に対して負の値として測定されるので、このことは「より高い」仕事関数は、より負であることを意味する。上(トップ)に真空準位をもつ従来のエネルギー準位図の上では、「より高い」仕事関数は真空準位から下向きの方向へさらに離れて図示される。したがって、HOMO及びLUMOエネルギー準位の定義は、仕事関数とは異なる慣例に従う。
【0015】
OLEDについてのさらなる詳細及び上述した定義は、米国特許第7,279,704号明細書に見ることができ、その全体を参照により本明細書に援用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第5,844,363号明細書
【特許文献2】米国特許第6,303,238号明細書
【特許文献3】米国特許第5,707,745号明細書
【特許文献4】米国特許第7,279,704号明細書
【特許文献5】特開2008−303152号公報
【特許文献6】国際公開第2010/031485号
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Baldoら,“Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices”, Nature, vol. 395, 151-154, 1998
【非特許文献2】Baldoら,“Very high-efficiency green organic light-emitting devices based on electrophosphorescence”, Appl. Phys. Lett., vol. 75, No. 3, 4-6 (1999)
【非特許文献3】Advanced Materials 2006, 18, (10), 1313-1316
【非特許文献4】Advanced Materials 2004, 16, (5), 432436
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
新規なリン光性錯体を提供し、この錯体は、3配位の銅原子に配位したカルベン配位子を含む。
【0019】
一つの側面では、このカルベン配位子は下記式を有する。
【化2】

式中、Cは一価の銅原子Cuに配位した二価の炭素原子である。X及びXは、アルキル、アミン、ホスフィン、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから独立に選択された置換基である。X及びXはさらに置換されていてもよく、またX及びXは任意選択により場合によっては連結して環を形成していてもよい。一つの側面では、このカルベン配位子は単座である。X及びXのそれぞれは独立にCと結合を形成していることが好ましい。第一の結合はCと置換基X中の原子X′との間で形成され、第二の結合はCと置換基X中の原子X′との間で形成される。X′及びX′は独立に、C、N、O、S、及びPからなる群から選択される。
【0020】
別の側面では、このカルベン配位子は単座である。
【0021】
一つの側面では、X及びXは連結しておらず環を形成していない。別の側面ではX及びXは連結して環を形成している。
【0022】
一つの側面では、銅錯体は中性である。別の側面では、銅錯体は電荷をもっている。
【0023】
一つの側面では、上記錯体は下記式で表される。
【化3】

式中、Yは独立に、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。Yは単座配位子であるか二座配位子である。nは1又は2である。好ましくは、nは2である。
【0024】
別の側面では、上記錯体は下記式を有する。
【化4】

式中、Y及びYは、独立に、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される置換基である。さらにY及びYは置換されていてもよい。Y及びYは結合されている。Y及びYのそれぞれは、Cuと結合を形成している。第一の結合はCuと置換基Y中の原子Y′との間で形成され、第二の結合はCuと置換基Y中の原子Y′との間で形成される。Y′は、N、P、C、O、及びSからなる群から選択される。Y′は、N、P、C、原子価4の炭素、O、及びSからなる群から選択される。好ましくは、Y′はNである。好ましくは、Cu、Y′及びY′を含む前記の環は5員環又は6員環である。
【0025】
別の側面では、Yは、ピリジル、ピラゾール、アルキルアミン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、テトラジン、オキサゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、及びベンゾチアゾールからなる群から選択される。
【0026】
なお別の側面では、Y−Yは以下のものからなる群から選択される。
【0027】
【化5】

【0028】
【化6】

【0029】
【化7】

【0030】
Xは、NR、O、S、Se、CR、及びCOからなる群から選択される。それぞれのRは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。さらに、それぞれの環は、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択された置換基で置換されている。
【0031】
別の側面では、それぞれのRには独立に、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、アザカルバゾール、アザジベンゾフラン、及びアザジベンゾチオフェンからなる群から選択される置換基が含まれる。
【0032】
なお別の側面では、Y−Yは、以下のものからなる群から選択される。
【0033】
【化8】

【0034】
【化9】

【0035】
【化10】

【0036】
Xは、NR、O、S、Se、CR、及びCOからなる群から選択される。それぞれのRは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。さらに、それぞれの環は、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択された置換基で置換されている。
【0037】
一つの側面では、各Rには、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、アザカルバゾール、アザジベンゾフラン、及びアザジベンゾチオフェンからなる群から独立に選択された置換基が含まれる。
【0038】
別の側面では、Yは、BY、SO、CY、SiO、OY又はSYを含む非共役のモノアニオン性配位子である。各Yは独立に、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0039】
一つの側面では、YはBYである。別の側面では配位子Yは2つの単座配位子を含み、そのうちの少なくとも一つがBYである。配位子Yは下記式を有することが好ましい。
【化11】

【0040】
さらに好ましくは、2つの単座配位子を含み、そのうちの少なくとも一つがBYである配位子Yは、以下のものからなる群から選択される。
【化12】

【0041】
及びYは独立に、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、及びホスフィンからなる群から選択される。Y及びYは縮合、例えばベンゾ縮合(ベンゾアヌレーション)によって拡張されていてもよい。さらにY及びYは、アルキル、アリール、供与性又は受容性基で置換されていてもよい。Y及びYは独立に、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、及びヘテロアリールからなる群から選択される。一つの側面では、Y及びYは結合して環を形成し、これは縮合、例えばベンゾ縮合(ベンゾアヌレーション)によって拡張されていてもよい。
【0042】
別の側面では、Yは式BYを有する二座配位子である。好ましくは、配位子Yは以下のものからなる群から選択される。
【化13】

この側面では、Yは下記式:
【化14】

を有する二座のキレート配位子である。
式中、Y′−Y″は、中性、即ち帯電していないキレート配位子を表す。Y′−Y″は、金属中心に配位することができる。
【0043】
Y′−Y″配位子の具体例には以下の構造を有する配位子が含まれるが、これらに限定されない。
【化15】

【0044】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0045】
及びYは独立に、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、及びホスフィンからなる群から選択される。Y及びYは縮合、例えばベンゾ縮合(ベンゾアヌレーション)によって拡張されていてもよい。さらに、Y及びYは、アルキル、アリール、供与性又は受容性基で置換されていてもよい。
【0046】
及びYは独立に、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、及びヘテロアリールからなる群から選択される。一つの側面では、Y及びYは結合して環を形成し、これは縮合、例えばベンゾ縮合(ベンゾアヌレーション)によって拡張されていてもよい。
【0047】
一つの側面では、Y及びYは同じである。Y及びYが同じである配位子Yの具体例には以下のものからなる群から選択される配位子が含まれるがこれらに限定されない。
【化16】

【0048】
【化17】

【0049】
【化18】

【0050】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。Cは二価の炭素原子である。nは、0、1、又は2である。mは、0、1、又は2である。
【0051】
一つの側面では、Y及びYは異なる。YとYが異なる配位子の具体例には、以下のものからなる群から選択される配位子が含まれるがこれらに限定されない。
【0052】
【化19】

【0053】
【化20】

【0054】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0055】
一つの側面では、Y及びYは以下のものからなる群から選択される。
【0056】
【化21】

【0057】
【化22】

【0058】
一つの側面では、YはSOである。式SOを有する配位子Yの具体例には、以下の構造を有する配位子が含まれるがこれらに限定されない。
【0059】
【化23】

【0060】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0061】
一つの側面では、YはCYである。好ましくは、CYは以下の式を有する。
【化24】

【0062】
式CYを有する配位子Yの具体例には以下の構造を有する配位子が含まれるがこれらに限定されない。
【化25】

【0063】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0064】
一つの側面では、Y及びYは以下のものからなる群から選択される。
【化26】

【0065】
別の側面では、YはSiYである。式SiYを有する配位子Yの具体例には以下の構造を有する配位子が含まれるがこれらに限定されない。
【化27】

【0066】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0067】
一つの側面では、Y及びYは以下のものからなる群から選択される。
【化28】

【0068】
別の側面では、YはOYである。好ましくは、OYは下記式を有する。
【化29】

【0069】
式OYを有する配位子Yの具体例には下記の構造を有する配位子が含まれるがこれらに限定されない。
【化30】

【0070】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0071】
一つの側面では、Y及びYは以下のものからなる群から選択される。
【化31】

【0072】
なお別の側面では、YはSYである。好ましくは、SYは下記式を有する。
【化32】

【0073】
式SYを有する配位子Yの具体例には、以下の構造を有する配位子が含まれるがこれらに限定されない。
【化33】

【0074】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0075】
一つの側面では、この錯体は2つの銅(I)中心を含む。2つの銅(I)中心を含む錯体の非限定的な具体例には、以下のものからなる群から選択される錯体が含まれる。
【化34】

【0076】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0077】
さらなる側面では、上記カルベン配位子は以下のものからなる群から選択される。
【化35】

【0078】
【化36】

【0079】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。zは、1、2、3、又は4である。
【0080】
別の側面では、各Rには、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、アザカルバゾール、アザジベンゾフラン、及びアザジベンゾチオフェンからなる群から独立に選択される置換基が含まれる。
【0081】
好ましくは、上記カルベンは、
【化37】

である。
さらに好ましくは、カルベンは、
【化38】

である。
【0082】
R′及びR′は、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換を表すことができる。R′及びR′は独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。一つの側面では、R′及びR′のうちの少なくとも一つは、3個以上の炭素原子を有するアルキルである。
【0083】
好ましくは、上記錯体は以下のものからなる群から選択される。
【0084】
【化39】

【0085】
【化40】

【0086】
好ましくは、上記錯体は以下のものからなる群から選択される。
【化41】

【0087】
さらに好ましくは、上記錯体は以下のものである。
【化42】

【0088】
別の側面では、上記錯体は下記式を有する。
【化43】

【0089】
及びYは、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から独立に選択される置換基である。Y及びYはさらに置換されていてもよい。Y及びYは一緒に連結されてはいない。Y及びYのそれぞれはCuと結合を形成する。
【0090】
一つの側面では、上記錯体は以下のものからなる群から選択される。
【化44】

【0091】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0092】
別の側面では、カルベン配位子は二座である。好ましくは、この錯体は以下のものからなる群から選択される。
【化45】

【0093】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。Zは単座配位子である。
【0094】
一つの側面では、上記錯体はポリマー中に含まれる。別の側面では、上記錯体はポリマーの繰り返し単位中に含まれる。なお別の側面では、上記錯体はポリマーにぶら下がっている(ペンダント)。好ましくは、このポリマーは以下のものからなる群から選択される。
【化46】

【0095】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。mは2より大きい。nは0〜20である。
【0096】
別の側面では、上記錯体はデンドリマー錯体中に含まれる。好ましくは、このデンドリマー錯体は下記のものである。
【化47】

【化48】

【0097】
このコアは分子であるか、あるいは、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、及びAsからなる群から選択される多価元素である。各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。mは1より大きい。nは0〜20である。
【0098】
なお別の側面では、上記錯体は小分子中に含まれる。
【0099】
上記リン光性錯体を含むデバイスも提供する。有機発光デバイスを含む第一のデバイスは、さらに、アノード、カソード、及びそのアノードとカソードの間に配置された有機層を含む。その有機層は、さらに、三配位銅原子とカルベン配位子をそれ自身が含むリン光性錯体を含む。好ましくは、第一のデバイスは消費者製品である。このデバイスは、上述した、式I、式II、式III、又は式IVを有する錯体を含むことができる。式I、式II、式III、又は式IVを有する錯体について好ましいと記載した、置換基、配位子、及び錯体についての選択は、式I、式II、式III、又は式IVを有する錯体を含めた錯体を含むデバイスに用いるためにも好ましい。これらの選択には、X、X、X′、X′、Y、Y、Y′、Y′、Y、R、X、及びZについて記載したものを含む。
【0100】
式I、式II、式III、又は式IVを有する錯体について好ましいと記載した、置換基、配位子、及び錯体についての選択は、式I、式II、式III、又は式IVを有する錯体を含めた錯体を含むデバイスに用いるためにも好ましい。これらの選択には、X、X、X′、X′、Y、Y、Y、Y、Y、Y′、Y″、Y′、Y、R、X、及びZについて記載したものを含む。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】図1は有機発光デバイスを示す。
【図2】図2は、別個の電子輸送層をもたない倒置型有機発光デバイスを示す。
【図3】図3は、三配位の銅原子に配位したカルベン配位子を含む錯体を示す。
【図4】図4は、錯体1のH−NMRスペクトルを示す。
【図5】図5は、錯体2のH−NMRスペクトルを示す。
【図6】図6は、錯体3のH−NMRスペクトルを示す。
【図7】図7は、錯体4のH−NMRスペクトルを示す。
【図8】図8は、錯体1のMALDIスペクトルを示す。
【図9】図9は、錯体2のMALDIスペクトルを示す。
【図10】図10は、錯体3のMALDIスペクトルを示す。
【図11】図11は、錯体4のMALDIスペクトルを示す。
【図12】図12は、錯体1の吸収スペクトルを示す。
【図13】図13は、錯体2の吸収スペクトルを示す。
【図14】図14は、錯体3の吸収スペクトルを示す。
【図15】図15は、錯体4の吸収スペクトルを示す。
【図16】図16Aは、錯体4の吸収スペクトルを示し、図16Bは錯体4の発光スペクトルを示す。
【図17】図17Aは、錯体1の励起及び発光スペクトルを示し、図17Bは錯体2の励起及び発光スペクトルを示す。
【図18】図18Aは、錯体3の励起及び発光スペクトルを示し、図18Bは錯体4の励起及び発光スペクトルを示す。
【図19】図19Aは、錯体2のX線構造を示し、図19Bは錯体4のX線構造を示す。
【図20】図20は、錯体1の31P−NMRスペクトルを示す。
【図21】図21は、錯体5のH−NMRスペクトルを示す。
【図22】図22は、錯体5のX線構造を示す。
【図23】図23は、錯体6のLCMSスペクトルを示す。
【図24】図24Aは2MeTHF中の77Kにおける錯体5の補正した発光及び励起スペクトルを示し、図24Bは2MeTHF中の77Kにおける錯体6の補正した発光及び励起スペクトルを示す。
【図25】図25は、PMMAフィルム中の室温における錯体4の補正した発光スペクトルを示す。
【図26】図26Aは、CHCl中の室温における錯体4の補正した発光スペクトルを示し、図26Bは、CHCl中の室温における錯体2の補正した発光スペクトルを示す。
【図27】図27は、錯体7のH−NMRスペクトルを示す。
【図28】図28Aは、錯体7のH−NMRスペクトルを示し、図28Bは、錯体7の11B−NMRスペクトルを示す。
【図29】図29Aは、2MeTHF中の77Kにおける錯体7の励起及び発光スペクトルを示し、図29Bは2MeTHF中の77Kにおける錯体8の励起及び発光スペクトルを示す。
【図30】図30Aは、錯体7の吸収スペクトルを示し、図30Bは、錯体7のX線構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0102】
[詳細な説明]
一般に、OLEDは、アノードとカソードとの間に配置され且つそれらと電気的に接続された少なくとも1つの有機層を含む。電流が流された場合、有機層(1又は複数)にアノードは正孔を注入し、カソードは電子を注入する。注入された正孔と電子はそれぞれ反対に帯電した電極に向かって移動する。電子と正孔が同じ分子上に局在する場合、励起エネルギー状態を有する局在化された電子−正孔対である「励起子」が形成される。励起子が発光機構によって緩和するときに光が発せられる。いくらかの場合には、励起子はエキシマー又はエキシプレックス上に局在化されうる。非放射機構、例えば、熱緩和も起こりうるが、通常は好ましくないと考えられる。
【0103】
初期のOLEDは、一重項状態から光を発する(「蛍光」)発光性分子を用いており、例えば、米国特許第4,769,292号明細書(この全体を参照により援用する)に記載されているとおりである。蛍光発光は、一般に、10ナノ秒よりも短いタイムフレームで起こる。
【0104】
より最近、三重項状態から光を発する(「燐光」)発光物質を有するOLEDが実証されている。Baldoら,“Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices”, Nature, vol. 395, 151-154, 1998 (“Baldo-I”);
及び、Baldoら,“Very high-efficiency green organic light-emitting devices based on electrophosphorescence”, Appl. Phys. Lett., vol. 75, No. 3, 4-6 (1999) (“Baldo-II”)、これらを参照により全体を援用する。燐光は、米国特許第7,279,704号明細書の第5〜6欄に、より詳細に記載されており、これを参照により援用する。
【0105】
図1は有機発光デバイス100を示している。この図は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。デバイス100は、基板110、アノード115、正孔注入層120、正孔輸送層125、電子阻止層130、発光層135、正孔阻止層140、電子輸送層145、電子注入層150、保護層155、およびカソード160を含み得る。カソード160は、第一導電層162および第二導電層164を有する複合カソードである。デバイス100は、記載した層を順次、堆積させることによって作製できる。これらの様々な層の特性及び機能、並びに例示物質は、米国特許第7,279,704号明細書の第6〜10欄により詳細に記載されており、これを参照により援用する。
【0106】
これらの層のそれぞれについてのより多くの例が得られる。例えば、可撓性且つ透明な基材−アノードの組み合わせが米国特許第5,844,363号明細書に開示されており、参照により全体を援用する。p型ドープ正孔輸送層の例は、50:1のモル比で、F−TCNQでドープしたm−MTDATAであり、これは米国特許出願公開第2003/0230980号公報に開示されているとおりであり、その全体を参照により援用する。発光物質及びホスト物質の例は、Thompsonらの米国特許第6,303,238号明細書に開示されており、その全体を参照により援用する。n型ドープ電子輸送層の例は、1:1のモル比でLiでドープされたBPhenであり、これは米国特許出願公開第2003/0230980号公報に開示されているとおりであり、その全体を参照により援用する。米国特許第5,703,436号明細書及び同5,707,745号明細書(これらはその全体を参照により援用する)は、上に重ねられた透明な電気導電性のスパッタリングによって堆積されたITO層を有するMg:Agなどの金属の薄層を有する複合カソードを含めたカソードの例を開示している。阻止層の理論と使用は、米国特許第6,097,147号明細書及び米国特許出願公開第2003/0230980号公報に、より詳細に記載されており、その全体を参照により援用する。注入層の例は、米国特許出願公開第2004/0174116号公報に提供されており、その全体を参照により援用する。保護層の記載は米国特許出願公開第2004/0174116号公報にみられ、その全体を参照により援用する。
【0107】
図2は倒置型(inverted)OLED200を示している。このデバイスは、基板210、カソード215、発光層220、正孔輸送層225、およびアノード230を含む。デバイス200は記載した層を順に堆積させることによって製造できる。最も一般的なOLEDの構成はアノードの上方に配置されたカソードを有し、デバイス200はアノード230の下方に配置されたカソード215を有するので、デバイス200を「倒置型」OLEDとよぶことができる。デバイス100に関して記載したものと同様の物質を、デバイス200の対応する層に使用できる。図2は、デバイス100の構造からどのようにいくつかの層を省けるかの1つの例を提供している。
【0108】
図1および2に例示されている簡単な層状構造は非限定的な例として与えられており、本発明の実施形態は多様なその他の構造と関連して使用できることが理解される。記載されている具体的な物質および構造は事実上例示であり、その他の物質および構造も使用できる。設計、性能、およびコスト要因に基づいて、実用的なOLEDは様々なやり方で上記の記載された様々な層を組み合わせることによって実現でき、あるいは、いくつかの層は完全に省くことができる。具体的に記載されていない他の層を含むこともできる。具体的に記載したもの以外の物質を用いてもよい。本明細書に記載されている例の多くは単一の物質を含むものとして様々な層を記載しているが、物質の組合せ(例えばホストおよびドーパントの混合物、または、より一般的には混合物)を用いてもよいことが理解される。また、層は様々な副層(sublayer)を有してもよい。本明細書において様々な層に与えられている名称は、厳格に限定することを意図するものではない。例えば、デバイス200において、正孔輸送層225は正孔を輸送し且つ発光層220に正孔を注入するので、正孔輸送層として、あるいは正孔注入層として説明されうる。一実施形態において、OLEDは、カソードとアノードとの間に配置された「有機層」を有するものとして説明できる。この有機層は単一の層を含むか、または、例えば図1および2に関連して記載したように様々な有機物質の複数の層をさらに含むことができる。
【0109】
具体的には説明していない構造および物質、例えばFriendらの米国特許第5,247,190号(これはその全体を参照により援用する)に開示されているようなポリマー物質で構成されるOLED(PLED)、も使用することができる。さらなる例として、単一の有機層を有するOLEDを使用できる。OLEDは、例えば、Forrestらの米国特許第5,707,745号(これはその全体を参照により援用する)に記載されているように積み重ねられてもよい。OLEDの構造は、図1および2に示されている簡単な層状構造から逸脱していてもよい。例えば、基板は、光取出し(out-coupling)を向上させるために、Forrestらの米国特許第6,091,195号(これはその全体を参照により援用する)に記載されているメサ構造、および/またはBulovicらの米国特許第5,834,893号(これはその全体を参照により援用する)に記載されているピット構造などの、角度の付いた反射表面を含みうる。
【0110】
特に断らないかぎり、様々な実施形態の層のいずれも、何らかの適切な方法によって堆積されうる。有機層については、好ましい方法には、熱蒸着(thermal evaporation)、インクジェット(例えば、米国特許第6,013,982号および米国特許第6,087,196号(これらはその全体を参照により援用する)に記載されている)、有機気相成長(organic vapor phase deposition、OVPD)(例えば、Forrestらの米国特許第6,337,102号(その全体を参照により援用する)に記載されている)、ならびに有機気相ジェットプリンティング(organic vapor jet printing、OVJP)による堆積(例えば、米国特許出願第10/233,470号(これはその全体を参照により援用する)に記載されている)が含まれる。他の適切な堆積方法には、スピンコーティングおよびその他の溶液に基づく方法が含まれる。溶液に基づく方法は、好ましくは、窒素または不活性雰囲気中で実施される。その他の層については、好ましい方法には熱蒸着が含まれる。好ましいパターニング方法には、マスクを通しての蒸着、圧接(cold welding)(例えば、米国特許第6,294,398号および米国特許第6,468,819号(これらはその全体を参照により援用する)に記載されている)、ならびにインクジェットおよびOVJDなどの堆積方法のいくつかに関連するパターニングが含まれる。その他の方法も用いることができる。堆積される物質は、それらを特定の堆積方法に適合させるために改変されてもよい。例えば、分枝した又は分枝していない、好ましくは少なくとも3個の炭素を含むアルキルおよびアリール基などの置換基が、溶液加工性を高めるために、小分子に用いることができる。20個又はそれより多い炭素を有する置換基を用いてもよく、3〜20炭素が好ましい範囲である。非対称構造を有する物質は対称構造を有するものよりも良好な溶液加工性を有しうるが、これは、非対称物質はより小さな再結晶化傾向を有しうるからである。デンドリマー置換基は、小分子が溶液加工を受ける能力を高めるために用いることができる。
【0111】
本発明の実施形態により製造されたデバイスは多様な消費者製品に組み込むことができ、これらの製品には、フラットパネルディスプレイ、コンピュータのモニタ、テレビ、広告板、室内もしくは屋外の照明灯および/または信号灯、ヘッドアップディスプレイ、完全に透明な(fully transparent)ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザープリンタ、電話機、携帯電話、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダ、ビューファインダー、マイクロディスプレイ、乗り物、大面積壁面(large area wall)、映画館またはスタジアムのスクリーン、あるいは標識が含まれる。パッシブマトリクスおよびアクティブマトリクスを含めて、様々な制御機構を用いて、本発明にしたがって製造されたデバイスを制御できる。デバイスの多くは、18℃から30℃、より好ましくは室温(20〜25℃)などの、人にとって快適な温度範囲において使用することが意図されている。
【0112】
本明細書に記載した物質及び構造は、OLED以外のデバイスにおける用途を有しうる。例えば、その他のオプトエレクトロニクスデバイス、例えば、有機太陽電池及び有機光検出器は、これらの物質及び構造を用いることができる。より一般には、有機デバイス、例えば、有機トランジスタは、これらの物質及び構造を用いることができる。
【0113】
ハロ、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロ環基、アリール、芳香族基、及びヘテロアリールの用語は、当分野で公知であり、米国特許第7,279,704号明細書の第31〜32欄で定義されており、これを参照により援用する。
【0114】
カルベン配位子をもつ新規な平面三角形(trigonal planar)銅錯体を提供する(図3に示される)。特に、この錯体は、三配位の銅原子に配位した単座又は二座のカルベン配位子を含んでいる。この錯体は、電荷をもっていても、あるいは中性でもよい。これらの錯体は、有機発光デバイスに有利に用いることができる。
【0115】
リン光性銅錯体及び有機発光ダイオード(OLED)へのそれらの組み込みは公知である。以下を参照されたい。Armaroli, N.; Accorsi, G.; Holler, M.; Moudam, O.; Nierengarten, J. F.; Zhou, Z.; Wegh, R. T.; Welter, R., Highly luminescent Cu-I complexes for light-emitting electrochemical cells, Advanced Materials 2006, 18, (10), 1313-1316;Zhang, Q. S.; Zhou, Q. G.; Cheng, Y. X.; Wang L. X.; Ma, O. G.; Jing, X. B.; Wang, F. S.; Highly efficient green phosphorescent organic light-emitting diodes based on Cu-I complexes. Advanced Materials 2004, 16, (5), 432436; Yersin, H.; Monkowius, D.; Czerwieniec, R.; Yu, l., Copper(I) N-heterocyclic chelate phosphine complexes as blue-emitting materials for organic electroluminescence devices. PCT Int. Appl. (2010), WO 2010031485 A1 20100325; 及びIkeda, S.; Nagashima, H.; Ogiwara, T., Copper complexes and their use for luminescent materials, organic electroluminescence elements, and devices containing the elements. Jpn. Kokai Tokko Koho (2008), JP 2008303152 A 20081218。しかしながら、報告された錯体は限定されたものである。カルベン及びキレートアニオン配位子
の両方をもつ、新しい群の高いリン光性の銅錯体を提供する。このカルベン配位子が錯体に安定性を与え、リン光性を高めると考えられる。キレートアニオン配位子は高い三重項エネルギーの配位子であり、金属から配位子への電荷移動相互作用をサポートすることができる。この群の錯体は、高いエネルギーのリン光をもたらすことができ、これはドーピングされたOLEDの製造に有用であることができ、そのOLED中では銅錯体は発光性ドーパントである。これらの物質は、OLED構造中での発光性ドーパントをサポートするためのホスト物質としても用いることができる。例えば、この群の化合物のなかのジピリジルボレート錯体は、固体状態において、475nmの発光極大と0.95のフォトルミネッセンス効率を有する。ピリジル基の好適な置換基は、実質的にこの発光を赤色移動又は青色移動(レッドシフト又はブルーシフト)させることができる。発光エネルギーを調整することができる能力は、これらの銅錯体をOLEDのための優れた発光体及びホスト物質にすることができる。発光エネルギーは、これらの化合物を深青色から紫色の発光ドーパントのために適したホスト物質にするために充分に大きくシフトさせることができると考えられる。
【0116】
リン光OLEDは、発光体としての重金属錯体に大きく依存している。特に、デバイスは、しばしば、Ir又はPtを含む発光体を利用してスピン軌道カップリングを導入している。四面体の銅錯体が報告されており、室温でリン光を発することが知られている。しかし、四面体の銅錯体は或る限界を有しうる。特に、平らにされる変形は非発光速度を高める可能性があり、これは発光効率の低下をもたらす。三角形(トリゴナル)平面状の銅カルベン錯体が室温で効率的なリン光をもたらすことが今や発見された。我々は、これが、三角形平面状銅錯体からのリン光の最初の観察であると考えている。
【0117】
三角形平面状銅錯体はまた、OLEDに用いるためのいくつかの利点を有することができる。特に、この三角形平面状銅錯体は、マイクロ秒で10のオーダーの比較的短い寿命を持っている(表1を参照されたい)。表1は、いくつかの異なる三角形平面状銅カルベン錯体の寿命を示している。一般に、三角形銅錯体の寿命は、Ir錯体(すなわち1〜10μs)よりも長いが、白金ポルフィリン錯体の寿命よりも短い。
【0118】
【表1】

【0119】
特に、いくつもの銅錯体は、室温で効率的なリン光をもたらし、比較的短い寿命、すなわち、マイクロ秒で10のオーダーの寿命を有する。表2は、いくつかの異なる三角形平面状銅カルベン錯体の寿命を示している。
【0120】
【表2】

【0121】
三角形平面状銅錯体はまた、ある種の用途のために用いられるOLEDに特に有用でありうる。特に、銅錯体は、照明用途に特に有用である広い線スペクトルをもたらす。さらに、ただ一つのみの別の錯体と組み合わせて三角形平面状銅錯体を含むデバイスは、赤、緑、及び青色に及ぶことができる。例えば、三角形平面状銅錯体と青色発光体とを含むデバイスは、照明に必要とされる全ての色に及ぶことができる。
【0122】
新規なリン光性錯体を提供し、この錯体は三配位の銅原子に配位したカルベン配位子を含んでいる。
【0123】
一つの側面では、このカルベン配位子は下記式を有する。
【化49】

【0124】
式中、Cは一価の銅原子Cuに配位した二価の炭素原子である。X及びXは、アルキル、アミン、ホスフィン、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから独立に選択された置換基である。X及びXはさらに置換されていてもよく、またX及びXは任意選択により場合によっては連結されて環を形成していてもよい。一つの側面では、このカルベン配位子は単座である。X及びXのそれぞれは独立にCと結合を形成していることが好ましい。第一の結合はCと置換基X中の原子X′との間で形成され、第二の結合はCと置換基X中の原子X′との間で形成される。X′及びX′は独立に、C、N、O、S、及びPからなる群から選択される。
【0125】
別の側面では、このカルベン配位子は単座である。
【0126】
一つの側面では、X及びXは連結されておらず環を形成していない。別の側面ではX及びXは連結されて環を形成している。
【0127】
一つの側面では、銅錯体は中性である。中性錯体は、OLEDに用いるために特に有利でありうる。例えば、中性錯体は蒸着によって堆積させることができる。別の側面では、銅錯体は電荷をもっている。
【0128】
一つの側面では、上記錯体は下記式で表される。
【化50】

式中、Yは独立に、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。Yは単座配位子であるか二座配位子である。nは1又は2である。好ましくは、nは2である。
【0129】
別の側面では、上記錯体は下記式を有する。
【化51】

式中、Y及びYは、独立に、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される置換基である。Y及びYはさらに置換されていてもよい。Y及びYは連結されている。Y及びYのそれぞれは、Cuと結合を形成している。第一の結合はCuと置換基Y中の原子Y′との間で形成され、第二の結合はCuと置換基Y中の原子Y′との間で形成されている。Y′は、N、P、C、O、及びSからなる群から選択される。Y′は、N、P、C、原子価4の炭素、O、及びSからなる群から選択される。好ましくは、Y′はNである。
【0130】
錯体中のCu原子、Y′原子、及びY′原子は、環、例えば、4員環、5員環、6員環、7員環、又は8員環であることができる環中に含まれている。好ましくは、Cu、Y′、及びY′を含むこの環は5員環又は6員環である。
【0131】
一つの側面では、Yは、ピリジル、ピラゾール、アルキルアミン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、テトラジン、オキサゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、及びベンゾチアゾールからなる群から選択される。
【0132】
別の側面では、Y−Yは以下のものからなる群から選択される。
【0133】
【化52】

【0134】
【化53】

【0135】
式中、Xは、NR、O、S、Se、CR、及びCOからなる群から選択される。それぞれのRは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。さらに、それぞれの環は、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択された置換基で置換されている。
【0136】
一つの側面では、それぞれのRは独立に、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、アザカルバゾール、アザジベンゾフラン、及びアザジベンゾチオフェンからなる群から選択される置換基を含む。
【0137】
なお別の側面では、Y−Yは、以下のものからなる群から選択される。
【0138】
【化54】

【0139】
【化55】

【0140】
【化56】

【0141】
Xは、NR、O、S、Se、CR、及びCOからなる群から選択される。それぞれのRは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。それぞれの環は、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択された置換基でさらに置換されている。
【0142】
一つの側面では、各Rには、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、アザカルバゾール、アザジベンゾフラン、及びアザジベンゾチオフェンからなる群から独立に選択された置換基が含まれる。
【0143】
別の側面では、Yは、BY、SO、CY、SiO、OY又はSYを含む非共役のモノアニオン性配位子である。各Yは独立に、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0144】
一つの側面では、YはBYである。別の側面では配位子Yは2つの単座配位子を含み、そのうちの少なくとも一つがBYである。配位子Yは下記式を有することが好ましい。
【化57】

【0145】
さらに好ましくは、2つの単座配位子を含み、そのうちの少なくとも一つがBYである配位子Yは、以下のものからなる群から選択される。
【化58】

【0146】
及びYは独立に、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、及びホスフィンからなる群から選択される。Y及びYは縮合、例えばベンゾ縮合(ベンゾアヌレーション)によって拡張されていてもよい。さらに、Y及びYは、アルキル、アリール、供与性又は受容性基で置換されていてもよい。Y及びYは独立に、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、及びヘテロアリールからなる群から選択される。一つの側面では、Y及びYは結合して環を形成し、これは縮合、例えばベンゾ縮合(ベンゾアヌレーション)によって拡張されていてもよい。
【0147】
別の側面では、Yは式BYを有する二座配位子である。好ましくは、配位子Yは以下のものからなる群から選択される。
【化59】

この側面では、Yは下記式:
【化60】

を有する二座のキレート配位子である。
式中、Y′−Y″は、中性、即ち帯電していないキレート配位子を表す。Y′−Y″は、金属中心に配位することができる。
【0148】
Y′−Y″配位子の具体例には以下の構造を有する配位子が含まれるが、これらに限定されない。
【化61】

【0149】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0150】
及びYは独立に、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、及びホスフィンからなる群から選択される。Y及びYは縮合、例えばベンゾ縮合(ベンゾアヌレーション)によって拡張されていてもよい。Y及びYは、アルキル、アリール、供与性又は受容性基でさらに置換されていてもよい。
【0151】
及びYは独立に、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、及びヘテロアリールからなる群から選択される。一つの側面では、Y及びYは結合して環を形成し、これは縮合、例えばベンゾ縮合(ベンゾアヌレーション)によって拡張されていてもよい。
【0152】
一つの側面では、Y及びYは同じである。Y及びYが同じである配位子Yの具体例には以下のものからなる群から選択される配位子が含まれるがこれらに限定されない。
【化62】

【0153】
【化63】

【0154】
【化64】

【0155】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。C*は二価の炭素原子である。nは、0、1、又は2である。mは、0、1、又は2である。
【0156】
一つの側面では、Y及びYは異なる。YとYが異なる配位子Yの具体例には、以下のものからなる群から選択される配位子が含まれるがこれらに限定されない。
【0157】
【化65】

【0158】
【化66】

【0159】
式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0160】
一つの側面では、Y及びYは以下のものからなる群から選択される。
【0161】
【化67】

【0162】
【化68】

【0163】
一つの側面では、YはSOである。式SOを有する配位子Yの具体例には、以下の構造を有する配位子が含まれるがこれらに限定されない。
【0164】
【化69】

【0165】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0166】
一つの側面では、YはCYである。好ましくは、CYは以下の式を有する。
【化70】

【0167】
式CYを有する配位子Yの具体例には以下の構造を有する配位子Yが含まれるがこれらに限定されない。
【化71】

【0168】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0169】
一つの側面では、Y及びYは以下のものからなる群から選択される。
【化72】

【0170】
別の側面では、YはSiYである。式SiYを有する配位子Yの具体例には以下の構造を有する配位子が含まれるがこれらに限定されない。
【化73】

【0171】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0172】
一つの側面では、Y及びYは以下のものからなる群から選択される。
【化74】

【0173】
別の側面では、YはOYである。好ましくは、OYは下記式を有する。
【化75】

【0174】
式OYを有する配位子Yの具体例には下記の構造を有する配位子が含まれるがこれらに限定されない。
【化76】

【0175】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0176】
一つの側面では、Y及びYは以下のものからなる群から選択される。
【化77】

【0177】
なお別の側面では、YはSYである。好ましくは、SYは下記式を有する。
【化78】

【0178】
式SYを有する配位子Yの具体例には以下の構造を有する配位子が含まれるがこれらに限定されない。
【化79】

【0179】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0180】
一つの側面では、この錯体は2つの銅(I)中心を含む。2つの銅(I)中心を含む錯体の非限定的な具体例には、以下のものからなる群から選択される錯体が含まれる。
【化80】

【0181】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0182】
さらなる側面では、上記カルベン配位子は以下のものからなる群から選択される。
【化81】

【0183】
【化82】

【0184】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。zは、1、2、3、又は4である。
【0185】
好ましくは、上記カルベンは、
【化83】

である。さらに好ましくは、カルベンは、
【化84】

である。
【0186】
R′及びR′は、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換を表すことができる。R′及びR′は独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。一つの側面では、R′及びR′のうちの少なくとも一つは、3個以上の炭素原子を有するアルキルである。
【0187】
好ましくは、上記錯体は以下のものからなる群から選択される。
【0188】
【化85】

【0189】
【化86】

【0190】
好ましくは、上記錯体は以下のものからなる群から選択される。
【化87】

【0191】
さらに好ましくは、上記錯体は以下のものである。
【化88】

【0192】
別の側面では、上記錯体は下記式を有する。
【化89】

【0193】
及びYは、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から独立に選択される置換基である。Y及びYはさらに置換されていてもよい。Y及びYは連結されていない。Y及びYのそれぞれはCuと結合を形成している。
【0194】
一つの側面では、上記錯体は以下のものからなる群から選択される。
【化90】

【0195】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0196】
別の側面では、カルベン配位子は二座である。好ましくは、この錯体は以下のものからなる群から選択される。
【化91】

【0197】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。Zは単座配位子である。
【0198】
一つの側面では、上記錯体はポリマー中に含まれる。別の側面では、上記錯体はポリマーの繰り返し単位中に含まれる。なお別の側面では、上記錯体はポリマーにぶら下がっている(ペンダント)。好ましくは、このポリマーは以下のものからなる群から選択される。
【化92】

【0199】
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。mは2より大きい。nは0〜20である。
【0200】
別の側面では、上記錯体はデンドリマー錯体中に含まれる。好ましくは、このデンドリマー錯体は下記のものである。
【化93】

【化94】

【0201】
このコアは分子であるか、あるいは、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、及びAsからなる群から選択される多価元素である。各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。mは1より大きい。nは0〜20である。
【0202】
なお別の側面では、上記錯体は小分子中に含まれる。
【0203】
上記リン光性錯体を含むデバイスも提供する。有機発光デバイスを含む第一のデバイスは、さらに、アノード、カソード、及びそのアノードとカソードの間に配置された有機層を含む。その有機層は、さらに、三配位の銅原子とカルベン配位子をそれ自身が含むリン光性錯体を含む。好ましくは、第一のデバイスは消費者製品である。このデバイスは、上述した、式I、式II、式III、又は式IVを有する錯体を含むことができる。式I、式II、式III、又は式IVを有する錯体について好ましいと記載した、置換基、配位子、及び錯体についての選択は、式I、式II、式III、又は式IVを有する錯体を含めた錯体を含むデバイスに用いるためにも好ましい。これらの選択には、X、X、X′、X′、Y、Y、Y′、Y′、Y、R、X、及びZについて記載したものを含む。
【0204】
式I、式II、式III、又は式IVを有する錯体について好ましいと記載した、置換基、配位子、及び錯体についての選択は、式I、式II、式III、又は式IVを有する錯体を含めた錯体を含むデバイスに用いるためにも好ましい。これらの選択には、X、X、X′、X′、Y、Y、Y、Y、Y、Y′、Y″、Y′、Y、R、X、及びZについて記載したものを含む。
【0205】
そのようなデバイスは、添加物なしの薄膜としての三角形状の銅錯体(トリゴナル銅錯体)を含むことができる。特に、この錯体の純粋な膜を含むOLEDは、別の物質でドープされた錯体を含むOLEDよりも高い発光効率を有する場合がある。従来、錯体はその自己消光のために純粋な膜(フィルム)で用いることはできないと考えられていた。しかし、本明細書で提供した三角形状の銅錯体は、その他の錯体でみられる自己消光の問題を示さないことができる。
【0206】
有機発光デバイス中の具体的な層に有用として本明細書に記載した物質は、そのデバイス中に存在するその他の広範囲にわたる物質と組み合わせて用いることができる。例えば、本明細書に開示した発光ドーパントは、存在してもよい広い範囲のホスト、輸送層、阻止層、注入層、電極、及びその他の層と組み合わせて用いることができる。以下に記載乃至言及した物質は、本明細書に記載した錯体と組み合わせて有用でありうる物質の非制限的な例であり、当業者は組み合わせて有用でありうるその他の物質を特定するために文献を容易に参考にすることができる。
【0207】
本明細書に開示した物質に加えて、及び/又はそれと組み合わせて、多くの正孔注入物質、正孔輸送物質、ホスト物質、ドーパント物質、励起子/正孔阻止層物質、電子輸送及び電子注入物質をOLEDに用いてもよい。本明細書に開示した物質と組み合わせてOLEDに用いてもよい物質の非限定的な例を、以下の表3に列挙している。表3は、非限定的な物質群、各群についての錯体の非限定的な例、及びその物質を開示している参考文献を列挙している。
【0208】
【表3】

【0209】
【表4】

【0210】
【表5】

【0211】
【表6】

【0212】
【表7】

【0213】
【表8】

【0214】
【表9】

【0215】
【表10】

【0216】
【表11】

【0217】
【表12】

【0218】
【表13】

【0219】
【表14】

【0220】
【表15】

【0221】
【表16】

【0222】
【表17】

【0223】
【表18】

【0224】
【表19】

【0225】
【表20】

【0226】
【表21】

【0227】
【表22】

【0228】
【表23】

【0229】
【表24】

【0230】
【表25】

【実施例】
【0231】
〔錯体の例〕
【0232】
いくつかの上記錯体を以下のとおり合成した。
【0233】
〔例1.錯体1の合成〕
【0234】
クロロ[1,3−ビス(2,6−ジ−i−プロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅(I)(487.59 mg, 0.25 mmol)及び銀トリフラート(64.2 mg, 0.25 mmol)を25mLのフラスコ中、窒素下で混合し、10mLの無水THFを添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン(111.6 mg, 0.25 mmol)の無水THF(5 mL)中の溶液を添加した。反応混合物を室温で夜通し撹拌した。得られた混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、溶媒を回転式エバポレーターで蒸発させた。EtOの気相拡散によるCHClからの再結晶によって、130mg(49.6%)の白色針状結晶が得られた。[(IPR)Cu(dppbz)]OTf(CDCl、400MHz)のH−NMRスペクトルによって構造を確認した。
【0235】
〔例2.錯体2の合成〕
【0236】
クロロ[1,3−ビス(2,6−ジ−i−プロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅(I)(121.9 mg, 0.25 mmol)及び銀トリフラート(64.2 mg, 0.25 mmol)を25mLのフラスコ中、窒素下で混合し、10mLの無水THFを添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。1,10−フェナントロリン(45.05 mg, 0.25 mmol)の無水THF(5 mL)中の溶液を添加した。反応混合物は黄色に変わり、それを室温で夜通し撹拌した。得られた混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、溶媒を回転式エバポレーターで蒸発させた。EtOの気相拡散によるCHClからの再結晶によって、120mg(61.4%)の黄色結晶が得られた。C4044CuFSに対して計算した元素分析値:C,61.48;H,5.68;N,7.17;測定値:C,61.06;H,5.61;N,7.14。[(IPR)Cu(phen)]OTf(CDCl、400MHz)のH−NMRスペクトルによって構造を確認した。
【0237】
〔実施例3.錯体3の合成〕
【0238】
クロロ[1,3−ビス(2,6−ジ−i−プロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅(I)(195.1 mg, 0.4 mmol)及び銀トリフラート(102.7 mg, 0.4 mmol)を25mLのフラスコ中、窒素下で混合し、10mLの無水THFを添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。2,2′−ビピリジン(62.4 mg, 0.4 mmol)の無水THF(5 mL)中の溶液を添加した。反応混合物は橙色に変わり、それを室温で夜通し撹拌した。得られた混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、溶媒を回転式エバポレーターで蒸発させた。EtOの気相拡散によるCHClからの再結晶によって、215mg(70.9%)の橙色結晶が得られた。C3844CuFSに対して計算した元素分析値:C,60.26;H,5.86;N,7.40;測定値:C,60.18;H,5.82;N,7.38。[(IPR)Cu(bipy)]OTf(CDCl、400MHz)のH−NMRスペクトルによって構造を確認した。
【0239】
〔実施例4.錯体4の合成〕
【0240】
2−(2−ピリジル)ベンゾイミダゾール(78.1 mg, 0.4 mmol)を10mLの無水THFに窒素下で溶かし、この溶液を、管(カニューレ)を通して、無水THF中の水素化ナトリウム(17.6 mg, 0.44 mmol, ミネラルオイル中60%)の懸濁液に移した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次にクロロ[1,3−ビス(2,6−ジ−i−プロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅(I)(195.1 mg, 0.4 mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。得られた混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、溶媒を回転式エバポレーターで蒸発させた。生成物のCHCl溶液中へのEtOの蒸気拡散による再結晶によって、154mg(59.5%)の暗黄色結晶が得られた。C3944CuNに対して計算した元素分析値:C,72.47;H,6.86;N,10.48;測定値:C,72.55;H,6.94;N,10.84。
【0241】
〔実施例5.錯体5の合成〕
【0242】
1−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−イソキノリン(46 mg, 0.19 mmol)を10mLの無水THFに窒素下で溶かし、この溶液を、管(カニューレ)を通して、無水THF中の水素化ナトリウム(8.36 mg, 0.209 mmol, ミネラルオイル中60%)の懸濁液に移した。この反応混合物を室温で1時間撹拌し、次にクロロ[1,3−ビス(2,6−ジ−i−プロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅(I)(92.6 mg, 0.19 mmol)を添加した。この反応混合物を室温で3時間撹拌した。得られた混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、溶媒を回転式エバポレーターで蒸発させた。生成物のCHCl溶液中へのEtOの蒸気拡散による再結晶によって、50mg(38%)の橙色結晶が得られた。
【0243】
〔実施例6.錯体6の合成〕
【0244】
2−(2−ピリジル)ベンゾイミダゾール(78.1 mg, 0.4 mmol)を10mLの無水THFに窒素下で溶かし、この溶液を、管(カニューレ)を通して、無水THF中の水素化ナトリウム(17.6 mg, 0.44 mmol, ミネラルオイル中60%)の懸濁液に移した。この反応混合物を室温で1時間撹拌し、次にクロロ[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅(I)(161.4 mg, 0.4 mmol)を添加した。この反応混合物を室温で3時間撹拌した。得られた混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、溶媒を回転式エバポレーターで蒸発させ、178mg(79%)の明るい黄色の固体が得られた。
【0245】
〔実施例7.錯体7の合成〕
【0246】
ナトリウム ジメチルビス(2−ピリジル)ボレート(Na[(CHB(py)])(66 mg, 0.3 mmol)及びクロロ[1,3−ビス(2,6−ジ−i−プロピルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン]銅(I)((SIPr)CuCl)(146.9 mg, 0.3 mmol)を窒素雰囲気下で25mLのフラスコ中で混合した。蒸留してすぐのTHF(10 ml)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。得られた混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、溶媒を回転式エバポレーターで蒸発させた。アセトン/ヘキサンからの再結晶で85mg(43.5%)の白色固体が得られた。H−NMR(アセトン−d,400 MHz, ppm):δ-0.28 (s, 6H), 1.14 (d, 12H), 1.32 (d, 12H), 3.56 (sept, 4H), 4.21 (s, 4H), 6.56-6.60 (m, 2H), 7.20 (td, 2H), 7.27-7.30 (m, 6H), 7.38 (t, 2H), 7.50 (d, 2H)。
【0247】
〔実施例8.錯体8の合成〕
【0248】
ナトリウム ジメチルビス(2−ピリジル)ボレート(Na[(CHB(py)])(68.7 mg, 0.312 mmol)及びクロロ[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅(I)(106 mg, 0.26 mmol)を窒素雰囲気下で25mLのフラスコ中で混合した。蒸留したてのTHF(10 ml)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を回転式エバポレーターで蒸発させた。未精製固体をヘキサンで洗い、CHClに再度溶かし、濾過した。溶媒を除去して90mg(61.3%)の白色固体が得られた。H−NMR(アセトン−d,400 MHz, ppm):δ-0.13 (broad d, 6H), 2.21 (2, 12H), 2.30 (s, 6H), 6.57-6.60 (m, 2H), 7.02 (s, 4H), 7.23 (td, 2H), 7.34 (d, 2H), 7.44 (s, 2H), 7.52 (d, 2H)。
【0249】
本明細書に記載した様々な態様は例の目的であり、本発明の範囲を限定することを意図していないことが理解される。例えば、本明細書に記載した多くの物質及び構造は、本発明の精神から離れることなく、その他の物質及び構造で置き換えることができる。特許請求の範囲に記載した本発明は、したがって、本明細書に記載した具体的な例及び好ましい態様からの変形を含むことができ、それは当業者には明らかである。本発明が何故機能するのかについての様々な理論は限定することを意図していないことが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3配位の銅原子に配位したカルベン配位子を含むリン光性錯体。
【請求項2】
前記カルベン配位子が下記式:
【化1】

(式中、Cは一価の銅原子Cuに配位した二価の炭素原子であり;
及びXは、アルキル、アミン、ホスフィン、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから独立に選択された置換基であり;
及びXはさらに置換されていてもよく;且つ、
及びXは任意選択により場合によっては一緒に連結されて環を形成していてもよい。)
を有する、請求項1に記載の錯体。
【請求項3】
前記カルベン配位子が単座である、請求項1に記載の錯体。
【請求項4】
及びXのそれぞれが独立にCと結合を形成しており;
第一の結合はCと置換基X中の原子X′との間で形成され;
第二の結合はCと置換基X中の原子X′との間で形成され;
X′及びX′は独立に、C、N、O、S、及びPからなる群から選択される、
請求項2に記載の錯体。
【請求項5】
及びXは一緒に連結されておらず環を形成していない、請求項2に記載の錯体。
【請求項6】
及びXが一緒に連結されて環を形成している、請求項2に記載の錯体。
【請求項7】
前記銅錯体が中性である、請求項2に記載の錯体。
【請求項8】
前記銅錯体が電荷を有する、請求項2に記載の錯体。
【請求項9】
下記式:
【化2】

(式中、Yは独立に、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;
は単座配位子であるか二座配位子であり;且つ
nは1又は2である。)
を有する、請求項2に記載の錯体。
【請求項10】
nが2である、請求項9に記載の錯体。
【請求項11】
下記式:
【化3】

(式中、Y及びYは、独立に、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される置換基であり;
及びYはさらに置換されていてもよく;
及びYは連結されており;
及びYのそれぞれは、Cuと結合を形成しており;
第一の結合はCuと置換基Y中の原子Y′との間で形成され、且つ第二の結合はCuと置換基Y中の原子Y′との間で形成されている。)
を有する、請求項9に記載の錯体。
【請求項12】
Cu、Y′及びY′を含む前記の環が5員環又は6員環である、請求項11に記載の錯体。
【請求項13】
Y′が、N、P、C、O、及びSからなる群から選択され;
Y′が、N、P、C、原子価4の炭素、O、及びSからなる群から選択される、
請求項11に記載の錯体。
【請求項14】
Y′がNである、請求項13に記載の錯体。
【請求項15】
が、ピリジル、ピラゾール、アルキルアミン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、テトラジン、オキサゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、及びベンゾチアゾールからなる群から選択される、請求項13に記載の錯体。
【請求項16】
−Yが以下のもの:
【化4】

【化5】

(式中、Xは、NR、O、S、Se、CR、及びCOからなる群から選択され;
それぞれRは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;
さらにそれぞれの環は、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択された置換基で置換されている。)
からなる群から選択される、請求項11に記載の錯体。
【請求項17】
各Rが、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、アザカルバゾール、アザジベンゾフラン、及びアザジベンゾチオフェンからなる群から独立に選択された置換基を含む、請求項16に記載の錯体。
【請求項18】
−Yが以下のもの:
【化6】

【化7】

【化8】

(式中、Xは、NR、O、S、Se、CR、及びCOからなる群から選択され;
それぞれのRは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;且つ
さらにそれぞれの環は、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択された置換基で置換されている。)
からなる群から選択される、請求項11に記載の錯体。
【請求項19】
各Rが、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、アザカルバゾール、アザジベンゾフラン、及びアザジベンゾチオフェンからなる群から独立に選択された置換基を含む、請求項18に記載の錯体。
【請求項20】
が、BY、SO、CY、SiO、OY又はSYを含む非共役のモノアニオン性配位子であり、各Yは独立に、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、及びヘテロアリールからなる群から選択される、請求項9に記載の錯体。
【請求項21】
がBYである、請求項20に記載の錯体。
【請求項22】
配位子Yは2つの単座配位子を含み、そのうちの少なくとも一つがBYである、請求項21記載の錯体。
【請求項23】
が下記式:
【化9】

(式中、Y及びYは独立に、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、及びホスフィンからなる群から選択され;
及びYは任意選択により、縮合によって拡張されていてもよく;
及びYは任意選択により、アルキル、アリール、供与性又は受容性基で置換されていてもよく;
及びYは独立に、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
を有する、請求項22に記載の錯体。
【請求項24】
及びYが連結して環を形成している、請求項23に記載の錯体。
【請求項25】
配位子Yが以下のもの:
【化10】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項23に記載の錯体。
【請求項26】
が式BYを有する二座配位子である、請求項21に記載の錯体。
【請求項27】
配位子Yが以下のもの:
【化11】

(式中、Y及びYは独立に、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、及びホスフィンからなる群から選択され;
及びYは任意選択により、縮合によって拡張されていてもよく;
及びYは任意選択により、アルキル、アリール、供与性又は受容性基でさらに置換されていてもよく;
Y′−Y″は、中性のキレート配位子を表し;
及びYは独立に、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
から選択される、請求項26に記載の錯体。
【請求項28】
及びYが連結されて環を形成している、請求項27に記載の錯体。
【請求項29】
Y′−Y″配位子が以下のもの:
【化12】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項27に記載の錯体。
【請求項30】
及びYが同じである、請求項23に記載の錯体。
【請求項31】
及びYが以下のもの:
【化13】

【化14】

【化15】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;
は二価の炭素原子であり;
nは、0、1、又は2であり;
mは、0、1、又は2である。)
からなる群から選択される、請求項30に記載の錯体。
【請求項32】
とYが異なる、請求項23に記載の錯体。
【請求項33】
−Yが以下のもの:
【化16】

【化17】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項32に記載の錯体。
【請求項34】
及びYが以下のもの:
【化18】

【化19】

からなる群から選択される、請求項23に記載の錯体。
【請求項35】
がSOである、請求項20に記載の錯体。
【請求項36】
が以下のもの:
【化20】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項35に記載の錯体。
【請求項37】
がCYである、請求項20に記載の錯体。
【請求項38】
CYが以下のもの:
【化21】

からなる群から選択される式を有する、請求項37に記載の錯体。
【請求項39】
が以下のもの:
【化22】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項37に記載の錯体。
【請求項40】
及びYが以下のもの:
【化23】

からなる群から選択される、請求項39に記載の錯体。
【請求項41】
がSiYである、請求項20に記載の錯体。
【請求項42】
が以下のもの:
【化24】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項41に記載の錯体。
【請求項43】
及びYが以下のもの:
【化25】

からなる群から選択される、請求項42に記載の錯体。
【請求項44】
がOYである、請求項20に記載の錯体。
【請求項45】
OYが下記式:
【化26】

を有する、請求項44に記載の錯体。
【請求項46】
が以下のもの:
【化27】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項44に記載の錯体。
【請求項47】
及びYが以下のもの:
【化28】

からなる群から選択される、請求項46に記載の錯体。
【請求項48】
がSYである、請求項20に記載の錯体。
【請求項49】
SYが下記式:
【化29】

を有する請求項48に記載の錯体。


【請求項50】
が以下のもの:
【化30】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項48に記載の錯体。
【請求項51】
2つの銅(I)中心を含む、請求項1に記載の錯体。
【請求項52】
以下のもの:
【化31】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項51に記載の錯体。
【請求項53】
前記カルベン配位子が以下のもの:
【化32】

【化33】

【化34】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、
zは、1、2、3、又は4である。)
から選択される、請求項1に記載の錯体。
【請求項54】
各Rには、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、アザカルバゾール、アザジベンゾフラン、及びアザジベンゾチオフェンからなる群から独立に選択される置換基が含まれる、請求項53に記載の錯体。
【請求項55】
前記カルベンが
【化35】

である、請求項53に記載の錯体。
【請求項56】
前記カルベンが、
【化36】

(式中、R′及びR′は、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換を表すことができ;
R′及びR′は独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
である、請求項55に記載の錯体。
【請求項57】
R′及びR′のうちの少なくとも一つが、3個以上の炭素原子を有するアルキルである、請求項56に記載の錯体。
【請求項58】
【化37】

【化38】

からなる群から選択される、請求項1に記載の錯体。
【請求項59】
【化39】

からなる群から選択される、請求項57に記載の錯体。
【請求項60】
【化40】

である、請求項59に記載の錯体。
【請求項61】
下記式:
【化41】

(式中、Y及びYは、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から独立に選択される置換基であり;
及びYはさらに置換されていてもよく;
及びYは連結されておらず;
及びYのそれぞれがCuと結合を形成している。)
を有する、請求項9に記載の錯体。
【請求項62】
【化42】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項61に記載の錯体。
【請求項63】
前記カルベン配位子が二座配位である、請求項1に記載の錯体。
【請求項64】
【化43】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;
Xは単座配位子である。)
からなる群から選択される、請求項63に記載の錯体。
【請求項65】
錯体がポリマー中に含まれている、請求項1記載の錯体。
【請求項66】
錯体がポリマーの繰り返し単位中に含まれている、請求項65に記載の錯体。
【請求項67】
錯体がポリマーにぶら下がっている、請求項65に記載の錯体。
【請求項68】
【化44】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;
mは2より大きく;
nは0〜20である。)
からなる群から選択される、請求項65に記載のポリマー。
【請求項69】
デンドリマー錯体中に含まれる、請求項1に記載の錯体。
【請求項70】
前記デンドリマー錯体が、
【化45】

(式中、コアは分子であるか、あるいは、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、及びAsからなる群から選択される多価元素であり;
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;
mは1より大きく;
nは0〜20である。)
である、請求項69に記載の錯体。
【請求項71】
小分子中に含まれる錯体である、請求項1に記載の錯体。
【請求項72】
有機発光デバイスを含む第一のデバイスであり、さらに、
アノード;
カソード;及び
前記アノードと前記カソードの間に配置された有機層を含み、前記有機層は、さらに、三配位の銅原子とカルベン配位子とをそれ自身が含むリン光性錯体を含む、デバイス。
【請求項73】
前記第一のデバイスが消費者製品である、請求項72に記載のデバイス。
【請求項74】
前記カルベン配位子が下記式:
【化46】

(式中、Cは一価の銅原子Cuに配位した二価の炭素原子であり;
及びXは、アルキル、アミン、ホスフィン、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから独立に選択された置換基であり;
及びXはさらに置換されていてもよく;且つ、
及びXは任意選択により場合によっては連結されて環を形成していてもよい。)
を有する、請求項72に記載のデバイス。
【請求項75】
前記カルベン配位子が単座である、請求項72に記載のデバイス。
【請求項76】
及びXのそれぞれが独立にCと結合を形成しており;
第一の結合はCと置換基X中の原子X′との間で形成され;
第二の結合はCと置換基X中の原子X′との間で形成され;
X′及びX′は独立に、C、N、O、S、及びPからなる群から選択される、
請求項74に記載のデバイス。
【請求項77】
及びXが連結されず環を形成していない、請求項74に記載のデバイス。
【請求項78】
及びXが連結されて環を形成している、請求項74に記載のデバイス。
【請求項79】
前記銅錯体が中性である、請求項72に記載のデバイス。
【請求項80】
前記銅錯体が電荷を有する、請求項72に記載のデバイス。
【請求項81】
下記式:
【化47】

(式中、Yは独立に、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;
は単座配位子であるか二座配位子であり;且つ
nは1又は2である。)
を有する、請求項74に記載のデバイス。
【請求項82】
nが2である、請求項81に記載のデバイス。
【請求項83】
下記式:
【化48】

(式中、Y及びYは、独立に、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される置換基であり;
及びYはさらに置換されていてもよく;
及びYは連結されており;
及びYのそれぞれは、Cuと結合を形成しており;
第一の結合はCuと置換基Y中の原子Y′との間で形成され、且つ第二の結合はCuと置換基Y中の原子Y′との間で形成されている。)
を有する、請求項81に記載のデバイス。
【請求項84】
Cu、Y′及びY′を含む前記の環が5員環又は6員環である、請求項83に記載のデバイス。
【請求項85】
Y′が、N、P、C、O、及びSからなる群から選択され;
Y′が、N、P、C、原子価4の炭素、O、及びSからなる群から選択される、
請求項83に記載のデバイス。
【請求項86】
Y′がNである、請求項85に記載のデバイス。
【請求項87】
が、ピリジル、ピラゾール、アルキルアミン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、テトラジン、オキサゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、及びベンゾチアゾールからなる群から選択される、請求項85に記載のデバイス。
【請求項88】
−Yが以下のもの:
【化49】

【化50】

(式中、Xは、NR、O、S、Se、CR、及びCOからなる群から選択され;
それぞれRは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;
さらにそれぞれの環は、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択された置換基で置換されている。)
からなる群から選択される、請求項81に記載のデバイス。
【請求項89】
各Rが、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、アザカルバゾール、アザジベンゾフラン、及びアザジベンゾチオフェンからなる群から独立に選択された置換基を含む、請求項89に記載のデバイス。
【請求項90】
−Yが以下のもの:
【化51】

【化52】

【化53】

(式中、Xは、NR、O、S、Se、CR、及びCOからなる群から選択され;
それぞれのRは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;且つ
さらにそれぞれの環は、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択された置換基で置換されている。)
からなる群から選択される、請求項83に記載のデバイス。
【請求項91】
が、BY、SO、CY、SiO、OY又はSYを含む非共役のモノアニオン性配位子であり、各Yは独立に、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、及びヘテロアリールからなる群から選択される、請求項81に記載のデバイス。
【請求項92】
がBYである、請求項91に記載のデバイス。
【請求項93】
配位子Yが2つの単座配位子を含み、そのうちの少なくとも一つがBYである、請求項92記載のデバイス。
【請求項94】
が下記式:
【化54】

(式中、Y及びYは独立に、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、及びホスフィンからなる群から選択され;
及びYは任意選択により、縮合によって拡張されていてもよく;
及びYは任意選択により、アルキル、アリール、供与性又は受容性基で置換されていてもよく;
及びYは独立に、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
を有する、請求項93に記載のデバイス。
【請求項95】
及びYが連結されて環を形成している、請求項94に記載のデバイス。
【請求項96】
配位子Yが以下のもの:
【化55】

からなる群から選択される、請求項94に記載のデバイス。
【請求項97】
が式BYを有する二座配位子である、請求項92に記載のデバイス。
【請求項98】
配位子Yが以下のもの:
【化56】

(式中、Y及びYは独立に、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、及びホスフィンからなる群から選択され;
及びYは任意選択により、縮合によって拡張されていてもよく;
及びYは任意選択により、アルキル、アリール、供与性又は受容性基でさらに置換されていてもよく;
Y′−Y″は、中性のキレート配位子を表し;
及びYは独立に、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項97に記載のデバイス。
【請求項99】
及びYが連結されて環を形成している、請求項98に記載のデバイス。
【請求項100】
Y′−Y″配位子が以下のもの:
【化57】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項98に記載のデバイス。
【請求項101】
及びYが同じである、請求項94に記載のデバイス。
【請求項102】
及びYが以下のもの:
【化58】

【化59】

【化60】

(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;
は二価の炭素原子であり;
nは、0、1、又は2であり;
mは、0、1、又は2である。)
からなる群から選択される、請求項101に記載のデバイス。
【請求項103】
とYが異なる、請求項94に記載のデバイス。
【請求項104】
−Yが以下のもの:
【化61】

【化62】

(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項103に記載のデバイス。
【請求項105】
及びYが以下のもの:
【化63】

【化64】

からなる群から選択される、請求項94に記載のデバイス。
【請求項106】
がSOである、請求項91に記載のデバイス。
【請求項107】
が以下のもの:
【化65】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項106に記載のデバイス。
【請求項108】
がCYである、請求項91に記載のデバイス。
【請求項109】
CYが以下のもの:
【化66】

からなる群から選択される式を有する、請求項108に記載のデバイス。
【請求項110】
が以下のもの:
【化67】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項108に記載のデバイス。
【請求項111】
及びYが以下のもの:
【化68】

からなる群から選択される、請求項110に記載のデバイス。
【請求項112】
がSiYである、請求項91に記載のデバイス。
【請求項113】
が以下のもの:
【化69】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項112に記載のデバイス。
【請求項114】
及びYが以下のもの:
【化70】

からなる群から選択される、請求項113に記載のデバイス。
【請求項115】
がOYである、請求項91に記載のデバイス。
【請求項116】
OYが下記式:
【化71】

を有する、請求項115に記載のデバイス。
【請求項117】
が以下のもの:
【化72】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項115に記載のデバイス。
【請求項118】
及びYが以下のもの:
【化73】

【化74】

からなる群から選択される、請求項117に記載のデバイス。
【請求項119】
がSYである、請求項91に記載のデバイス。
【請求項120】
SYが下記式:
【化75】

を有する請求項119に記載のデバイス。
【請求項121】
が以下のもの:
【化76】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項119に記載のデバイス。
【請求項122】
Rが、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される、請求項121に記載のデバイス。
【請求項123】
前記錯体が2つの銅(I)中心を含む、請求項72に記載のデバイス。
【請求項124】
前記錯体が以下の:
【化77】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項123に記載のデバイス。
【請求項125】
前記カルベン配位子が以下の:
【化78】

【化79】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、
zは、1、2、3、又は4である。)
からなる群から選択される、請求項72に記載のデバイス。
【請求項126】
各Rには、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、アザカルバゾール、アザジベンゾフラン、及びアザジベンゾチオフェンからなる群から独立に選択される置換基が含まれる、請求項125に記載のデバイス。
【請求項127】
前記カルベンが
【化80】

である、請求項125に記載のデバイス。
【請求項128】
前記カルベンが、
【化81】

(式中、R′及びR′は、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換を表すことができ;
R′及びR′は独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
である、請求項127に記載のデバイス。
【請求項129】
R′及びR′のうちの少なくとも一つが、3個以上の炭素原子を有するアルキルである、請求項128に記載のデバイス。
【請求項130】
前記錯体が、
【化82】

【化83】

からなる群から選択される、請求項69に記載のデバイス。
【請求項131】
前記錯体が、
【化84】

【化85】

からなる群から選択される、請求項129に記載のデバイス。
【請求項132】
前記錯体が、
【化86】

である、請求項131に記載のデバイス。
【請求項133】
前記錯体が、下記式:
【化87】

(式中、Y及びYは、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から独立に選択される置換基であり;
及びYはさらに置換されていてもよく;
及びYは連結されておらず;
及びYのそれぞれがCuと結合を形成している。)
を有する、請求項81に記載のデバイス。
【請求項134】
前記錯体が、
【化88】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。)
からなる群から選択される、請求項133に記載のデバイス。
【請求項135】
前記カルベン配位子が二座配位である、請求項72に記載のデバイス。
【請求項136】
前記錯体が、
【化89】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;
Xは単座配位子である。)
からなる群から選択される、請求項135に記載のデバイス。
【請求項137】
前記錯体がポリマー中に含まれている、請求項72に記載のデバイス。
【請求項138】
前記錯体がポリマーの繰り返し単位中に含まれている、請求項137に記載のデバイス。
【請求項139】
前記錯体がポリマーにぶら下がっている、請求項137に記載のデバイス。
【請求項140】
前記ポリマーが、
【化90】

(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;
mは1より大きく;
nは0〜20である。)
からなる群から選択される、請求項137に記載のデバイス。
【請求項141】
前記錯体がデンドリマー錯体中に含まれる、請求項72に記載のデバイス。
【請求項142】
前記デンドリマー錯体が、
【化91】

【化92】

(式中、コアは分子であるか、あるいは、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、及びAsからなる群から選択される多価元素であり;
各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;
mは1より大きく;
nは0〜20である。)
である、請求項141に記載のデバイス。
【請求項143】
前記錯体が小分子中に含まれている、請求項72に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図29】
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【図30】
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【公表番号】特表2013−511532(P2013−511532A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540041(P2012−540041)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/057169
【国際公開番号】WO2011/063083
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(512130992)ザ・ユニバーシティ・オヴ・サザン・カリフォルニア (1)
【Fターム(参考)】