説明

C−MET/HGFR阻害剤の多形

【課題】1)癌の進行中に改変される分子標的を阻害するか、または2)様々な腫瘍の癌進行に共通する複数の過程を標的とする新規な治療剤を同定できることが依然として非常に必要とされている。
【解決手段】本発明は、哺乳動物において癌などの異常細胞増殖の治療に有用である2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの多形に関する。本発明はまた、そのような塩および多形を包含する組成物、ならびに哺乳動物、特にヒトの異常細胞増殖の治療においてそのような組成物を使用する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年11月29日出願の米国特許仮出願第60/991169号の特典を主張するものであり、その内容を全体として参照により本明細書の一部とする。
【0002】
本発明は、哺乳動物において癌などの異常細胞増殖の治療に有用な2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの塩および多形に関する。本発明はまた、そのような塩および多形を包含する組成物、ならびに哺乳動物、特にヒトの異常細胞増殖の治療においてそのような組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
式1で表される化合物2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール(本明細書では「化合物1」とも称する)は、
【0004】
【化1】

c−Met/HGFR(肝細胞増殖因子受容体)キナーゼおよびALK(未分化リンパ腫キナーゼ)活性の強力な小分子阻害剤である。化合物1は、多様な腫瘍型の成長および転移性進行の調節に関与するc−Met/HGFR、ならびにALCL(未分化大細胞リンパ腫)の病因に関係があるとされるALKの阻害を通して薬理学的に媒介される抗腫瘍特性を有する。化合物1は、国際特許出願第PCT/IB2007/001142号、および米国特許出願第11/745921号に開示されており、その両方を全体として参照により本明細書の一部とする。
【0005】
ヒト癌は集合的に世界中の先進国において主たる死亡原因となっている多様な一連の疾患を含む(American Cancer Society、Cancer Facts and Figures 2005.Atlanta:American Cancer Society;2005)。癌の進行は、遺伝子突然変異、染色体転座、および核型異常を包含する複雑な一連の複数の遺伝的事象および分子事象に起因する(Hanahan D、Weinberg RA.The hallmarks of cancer.Cell 2000;100:57〜70)。癌の根本にある遺伝的原因は多様で複雑であるが、それぞれの癌型はその進行を促進する共通の特徴および獲得性の能力を示すことが認められている。これらの獲得性の能力には、細胞増殖調節不全、血管を補充する持続性能力(すなわち、血管新生)、および腫瘍細胞を局所的に拡散する能力、ならびに二次器官部位に転移する能力が包含される(Hanahan D、Weinberg RA.The hallmarks of cancer.Cell 2000;100:57〜70)。
【特許文献1】米国特許仮出願第60/991169号
【特許文献2】国際特許出願第PCT/IB2007/001142号
【特許文献3】米国特許出願第11/745921号
【非特許文献1】American Cancer Society、Cancer Facts and Figures 2005.Atlanta:American Cancer Society;2005
【非特許文献2】Hanahan D、Weinberg RA.The hallmarks of cancer.Cell 2000;100:57〜70
【非特許文献3】Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easter、Pa.、第15版(1975)
【非特許文献4】Chenら、J Pharmaceutical and Biomedical Analysis、2001;26、63
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、1)癌の進行中に改変される分子標的を阻害するか、または2)様々な腫瘍の癌進行に共通する複数の過程を標的とする新規な治療剤を同定できることが依然として非常に必要とされている。
【0007】
米国特許出願第11/745921号の実施例209は、結晶多形であることが見出された化合物1のメシラート塩の調製を記載している。化学的安定性および鏡像異性安定性を維持しながら、改善された結晶性、溶解性、および/または吸湿性の低減など、改善された特性を有する塩および多形形態を有することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、本発明は、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩、および2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラート塩からなる群から選択された塩を含む化合物を提供する。この実施形態の特定の態様において、塩は無水である。さらなる態様において、塩は結晶性である。さらなる態様において、塩は結晶無水塩である。さらなる態様において、塩は実質的に純粋な多形である。さらなる態様において、塩は、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩を含む化合物である。さらなる態様において、塩は、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩を含む化合物である。さらなる態様において、塩は、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩を含む化合物である。さらなる態様において、塩は、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩を含む化合物である。さらなる態様において、塩は、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラート塩を含む化合物である。
【0009】
さらに他の実施形態において、本発明は、式1の化合物の薬学的に許容できる塩を提供し、
【0010】
【化2】

ただし、薬学的に許容できる塩はメシラート塩ではない。さらなる態様において、薬学的に許容できる塩は結晶性である。さらなる態様において、薬学的に許容できる塩は結晶無水塩である。さらなる態様において、薬学的に許容できる塩は実質的に純粋な多形である。さらなる態様において、薬学的に許容できる塩は塩酸塩である。さらなる態様において、薬学的に許容できる塩はマレイン酸塩である。さらなる態様において、薬学的に許容できる塩はリン酸塩である。さらなる態様において、薬学的に許容できる塩は硫酸塩である。さらなる態様において、薬学的に許容できる塩はトシラート塩である。
【0011】
さらなる態様において、本発明は、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩を含む化合物を提供する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)27.6±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)17.7±0.2および27.6±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)17.7±0.2、24.5±0.2、および27.6±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)17.7±0.2、24.5±0.2、26.5±0.2、および27.6±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)17.7±0.2、24.5±0.2、25.6±0.2、26.5±0.2、および27.6±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)11.6±0.2、17.7±0.2、24.5±0.2、25.6±0.2、26.5±0.2、および27.6±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)11.6±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、24.5±0.2、25.6±0.2、26.5±0.2、および27.6±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩は、図1に示したものと本質的に同じ回折角(2θ)のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
【0012】
さらなる態様において、本発明は、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩を含む化合物を提供する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)24.6±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)22.6±0.2および24.6±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)13.2±0.2、22.6±0.2、および24.6±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)12.9±0.2、13.2±0.2、22.6±0.2、および24.6±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)12.9±0.2、13.2±0.2、16.6±0.2、22.6±0.2、および24.6±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)12.9±0.2、13.2±0.2、16.1±0.2、16.6±0.2、22.6±0.2、および24.6±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)12.9±0.2、13.2±0.2、16.1±0.2、16.6±0.2、22.6±0.2、23.9±0.2、および24.6±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩は、図2に示したものと本質的に同じ回折角(2θ)のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
【0013】
さらなる態様において、本発明は、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩を含む化合物を提供する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)17.0±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)17.0±0.2および20.9±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)17.0±0.2、20.9±0.2、および24.8±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)17.0±0.2、20.9±0.2、24.8±0.2、および25.8±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)17.0±0.2、20.9±0.2、24.8±0.2、25.8±0.2、および28.4±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)17.0±0.2、20.9±0.2、24.8±0.2、25.8±0.2、27.0±0.2、および28.4±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)17.0±0.2、20.9±0.2、24.8±0.2、25.8±0.2、27.0±0.2、28.4±0.2、および28.9±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩は、図3に示したものと本質的に同じ回折角(2θ)のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
【0014】
さらなる態様において、本発明は、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩の結晶塩を含む化合物を提供する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)15.2±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)15.2±0.2および18.0±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)15.2±0.2、18.0±0.2、および25.0±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)15.2±0.2、18.0±0.2、25.0±0.2、および27.2±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)15.2±0.2、18.0±0.2、25.0±0.2、25.7±0.2、および27.2±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)15.2±0.2、18.0±0.2、22.0±0.2、25.0±0.2、25.7±0.2、および27.2±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩の結晶塩は、回折角(2θ)15.2±0.2、18.0±0.2、22.0±0.2、25.0±0.2、25.7±0.2、27.2±0.2、および27.8±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩は、図4に示したものと本質的に同じ回折角(2θ)のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
【0015】
さらなる態様において、本発明は、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶多形塩を含む化合物を提供する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶塩は、回折角(2θ)24.4±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶塩は、回折角(2θ)16.5±0.2および24.4±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶塩は、回折角(2θ)16.5±0.2、17.2±0.2、および24.4±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶塩は、回折角(2θ)14.9±0.2、16.5±0.2、17.2±0.2、および24.4±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶塩は、回折角(2θ)10.7±0.2、14.9±0.2、16.5±0.2、17.2±0.2、および24.4±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶塩は、回折角(2θ)10.7±0.2、14.9±0.2、16.5±0.2、17.2±0.2、24.4±0.2、および27.2±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶塩は、回折角(2θ)10.7±0.2、14.9±0.2、16.5±0.2、17.2±0.2、24.4±0.2、26.6±0.2、および27.2±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶塩は、図5に示したものと本質的に同じ回折角(2θ)のピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
【0016】
本発明はさらに、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩を含む医薬組成物を提供する。本発明はさらに、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩を含む医薬組成物を提供する。本発明はさらに、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩を含む医薬組成物を提供する。本発明はさらに、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩の結晶塩を含む医薬組成物を提供する。本発明はさらに、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶塩を含む医薬組成物を提供する。
【0017】
本発明はさらに、前記医薬組成物を含むカプセルを提供する。この実施形態の特定の態様において、カプセルは、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩0.2から200mgを含む。さらなる態様において、カプセルは、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩25から150mgを含む。さらなる実施形態において、カプセルは、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩50から100mgを含む。この実施形態の特定の態様において、カプセルは、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩0.2から200mgを含む。さらなる態様において、カプセルは、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩25から150mgを含む。さらなる実施形態において、カプセルは、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩50から100mgを含む。この実施形態の特定の態様において、カプセルは、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩0.2から200mgを含む。さらなる態様において、カプセルは、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩25から150mgを含む。さらなる実施形態において、カプセルは、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩50から100mgを含む。この実施形態の特定の態様において、カプセルは、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩の結晶塩0.2から200mgを含む。さらなる態様において、カプセルは、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩の結晶塩25から150mgを含む。さらなる実施形態において、カプセルは、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩の結晶塩50から100mgを含む。この実施形態の特定の態様において、カプセルは、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶塩0.2から200mgを含む。さらなる態様において、カプセルは、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶塩25から150mgを含む。さらなる実施形態において、カプセルは、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶塩50から100mgを含む。
【0018】
他の実施形態において、本発明は、ヒトを包含する哺乳動物において癌を治療する方法を提供し、その方法は、哺乳動物に治療有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含む。
【0019】
他の実施形態において、本発明は、哺乳動物において癌を治療する方法を提供し、その方法は、ヒトを包含する哺乳動物に本発明のカプセルを投与することを含む。
【0020】
他の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要としているヒトを包含する哺乳動物において異常細胞増殖を治療する方法であって、前記哺乳動物に治療有効量の2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩を投与することを含む方法を提供する。他の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要としているヒトを包含する哺乳動物において異常細胞増殖を治療する方法であって、前記哺乳動物に治療有効量の2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩を投与することを含む方法を提供する。他の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要としているヒトを包含する哺乳動物において異常細胞増殖を治療する方法であって、前記哺乳動物に治療有効量の2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩を投与することを含む方法を提供する。他の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要としているヒトを包含する哺乳動物において異常細胞増殖を治療する方法であって、前記哺乳動物に治療有効量の2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩の結晶塩を投与することを含む方法を提供する。他の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要としているヒトを包含する哺乳動物において異常細胞増殖を治療する方法であって、前記哺乳動物に治療有効量の2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶塩を投与することを含む方法を提供する。
【0021】
他の実施形態において、異常細胞増殖は、少なくとも1種の遺伝子改変されたチロシンキナーゼによって媒介される。他の実施形態において、異常細胞増殖は、肝細胞増殖因子受容体(c−Met/HGFR)キナーゼまたは未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)によって媒介される。他の実施形態において、異常細胞増殖は、肝細胞増殖因子受容体(c−Met/HGFR)キナーゼによって媒介される。他の実施形態において、異常細胞増殖は、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)によって媒介される。
【0022】
他の実施形態において、異常細胞増殖は癌である。他の実施形態において、癌は、肺癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部癌、皮膚または眼内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部の癌、胃癌、結腸癌、乳癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸部癌、膣癌、外陰癌、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟組織の肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、慢性または急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓または尿管の癌、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脊髄軸の腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、およびそれらの組合せから選択される。
【0023】
さらに他の実施形態において、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、扁平上皮癌、ホルモン治療不応性前立腺癌、乳頭状腎細胞癌、結腸直腸腺癌、神経芽腫、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、および胃癌からなる群から選択される。
【0024】
定義
本明細書では他に指示のないかぎり、「異常細胞増殖」という用語は、正常な調節機構とは無関係である細胞増殖(たとえば、接触阻止の喪失)を指す。
【0025】
本明細書では、特定の多形または非晶質形態に関して「実質的に純粋」という用語は、その多形非晶質形態が、化合物の他の任意の物理的形態を10重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは3重量%未満、好ましくは1重量%未満包含することを意味する。
【0026】
本明細書では他に指示のないかぎり、「治療する」という用語は、そのような用語が適用される障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状の進行を逆転、軽減、阻害する、またはそれを予防することを意味する。本明細書では他に指示のないかぎり、「治療」という用語は、直前で定義した「治療する」とおりに治療する行為を指す。
【0027】
本明細書では、X線回折ピーク位置に関して「本質的に同じ」という用語は、典型的なピーク位置および強度の変動が考慮されることを意味する。たとえば、ピーク位置(2θ)は、典型的には0.2°と同程度であるいくらかの装置間変動を示すことを、当業者は理解するであろう。さらに、相対ピーク強度は、装置間変動に加えて、結晶化度、好ましい配向、調製された試料表面、および当業者に知られている他の要因による変動を示し、単に質的な測定とみなすべきであることを当業者は理解するであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのいくつかの独特な結晶塩がここに製造された。遊離塩基化合物2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールは、その開示全体を参照により本明細書の一部とする米国特許出願第11/745921号に従って調製できる。
【0029】
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの塩は、水性溶媒、またはメタノール、アセトニトリル、エタノール、もしくは酢酸エチルなどの適切な有機溶媒中、遊離塩基化合物を適切な量の選択された鉱酸または有機酸で処理することによって調製できる。溶媒を慎重に蒸発させることにより、所望の固体塩が得られる。所望の酸塩は、溶液に適切な鉱酸または有機酸を添加することによって、遊離塩基の有機溶媒溶液から沈澱させることもできる。
【0030】
塩酸塩
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのHCl塩は、たとえば、高温(たとえば、約68℃)で、これに限定されるものではないがCHCl、アセトン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水、イソプロピルアルコール、またはそれらの混合物を包含する任意の適切な溶媒中、遊離塩基化合物と2M HClを攪拌し、その後室温に冷却することによって、良好な結晶化度で生成できる。溶液を冷却した後、結果として生じる結晶形態のHClは沈澱し、濾過によって収集できる。
【0031】
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの結晶HCl塩の粉末X線回折(PXRD)パターンを表1に示す。HCl塩のDSCサーモグラムを図6に示す。
【0032】
表1:2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩(実施例1)の結晶多形形態1のPXRDデータの表
【0033】
【表1】

【0034】
マレイン酸塩
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのマレイン酸塩は、たとえば、マレイン酸と2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールをバイアルに入れ、これに限定されるものではないがCHCl、アセトン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水、イソプロピルアルコール、またはそれらの混合物を包含する任意の適切な溶媒に溶解し、その後これに限定されるものではないがCHCl、アセトン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水、イソプロピルアルコール、またはそれらの混合物を包含する適切な共溶媒を添加し、続いてこれに限定されるものではないがCHCl、アセトン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水、イソプロピルアルコール、またはそれらの混合物を包含する任意の適切な溶媒から結晶化することによって、良好な結晶化度で生成できる。
【0035】
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの結晶マレイン酸塩の粉末X線回折(PXRD)パターンを表2に示す。マレイン酸塩のDSCサーモグラムを図7に示す。
【0036】
【表2】

【0037】
リン酸塩
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのリン酸塩は、たとえば、これに限定されるものではないがCHCl、アセトン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水、イソプロピルアルコール、またはそれらの混合物を包含する適切な溶媒中、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールをHPOと攪拌し、次いで得られた固体を、これに限定されるものではないがCHCl、アセトン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水、イソプロピルアルコール、またはそれらの混合物を包含する適切な溶媒中で攪拌し、続いてこれに限定されるものではないがCHCl、アセトン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水、イソプロピルアルコール、またはそれらの混合物を包含する適切な溶媒から結晶化することによって、良好な結晶化度で生成できる。
【0038】
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの結晶リン酸塩の粉末X線回折(PXRD)パターンを表3に示す。リン酸塩のDSCサーモグラムを図8に示す。
【0039】
【表3】

【0040】
硫酸塩
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの硫酸塩は、たとえば、これに限定されるものではないがCHCl、アセトン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水、イソプロピルアルコール、またはそれらの混合物を包含する適切な溶媒中、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールをHSOと攪拌し、次いで得られた固体を、これに限定されるものではないがCHCl、アセトン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水、イソプロピルアルコール、またはそれらの混合物を包含する適切な溶媒中で攪拌し、続いてこれに限定されるものではないがCHCl、アセトン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水、イソプロピルアルコール、またはそれらの混合物を包含する適切な溶媒から結晶化することによって、良好な結晶化度で生成できる。
【0041】
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの結晶硫酸塩の粉末X線回折(PXRD)パターンを表4に示す。硫酸塩のDSCサーモグラムを図9に示す。
【0042】
【表4】

【0043】
トシラート塩
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのトシラート塩は、たとえば、これに限定されるものではないがCHCl、アセトン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水、イソプロピルアルコール、またはそれらの混合物を包含する適切な溶媒中、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールをパラトルエンスルホン酸と攪拌し、次いで得られた固体を、これに限定されるものではないがCHCl、アセトン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル、メチルt−ブチルエーテル、メタノール、エタノール、水、イソプロピルアルコール、またはそれらの混合物を包含する適切な溶媒中で攪拌し、続いてこれに限定されるものではないがCHCl、アセトン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水、イソプロピルアルコール、またはそれらの混合物を包含する適切な溶媒から結晶化することによって、良好な結晶化度で生成できる。
【0044】
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの結晶性トシラート塩の粉末X線回折(PXRD)パターンを表5に示す。トシラート塩のDSCサーモグラムを図10に示す。
【0045】
【表5】

【0046】
本発明はまた、本明細書に記載の化合物1の結晶多形塩形態を含む医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物は、たとえば、錠剤、カプセル剤、丸剤、粉剤、持続放出製剤、液剤、懸濁剤として経口投与に適した形態、無菌液剤、懸濁剤、もしくはエマルションとして非経口注射に適した形態、軟膏もしくはクリームとして局所投与に適した形態、または坐剤として直腸投与に適した形態であることができる。医薬組成物は、正確な用量の単回投与に適した単位投与形態であることができる。医薬組成物には、通常の医薬担体または賦形剤、および活性成分として本発明による化合物が包含されるであろう。さらに、医薬組成物は、他の薬剤または医薬品、担体、補助剤などを包含することができる。
【0047】
典型的な非経口投与形態には、無菌水溶液、たとえば水性プロピレングリコールまたはデキストロース水溶液中の活性化合物の溶液または懸濁液が包含される。そのような投与形態は、所望であれば、適切に緩衝化することができる。
【0048】
適切な医薬担体には、不活性希釈剤または充填剤、水、および種々の有機溶媒が包含される。医薬組成物は、所望であれば、香味剤、結合剤、賦形剤などの追加成分を含有することができる。したがって経口投与の場合、クエン酸などの種々の賦形剤を含有する錠剤を、デンプン、アルギン酸、およびある種の複合ケイ酸塩などの種々の崩壊剤、ならびにスクロース、ゼラチン、およびアカシアなどの結合剤と共に用いることができる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびタルクなどの潤滑剤も多くの場合錠剤化に有用である。同様の種類の固体組成物も、軟および硬充填ゼラチンカプセルで用いることができる。好ましい材料には、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールが包含される。経口投与に水性懸濁剤またはエリキシル剤が望ましいとき、そのなかの活性化合物は、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、またはそれらの組合せなどの希釈剤と共に、種々の甘味剤または香味剤、着色料または染料、所望であれば、乳化剤または懸濁化剤と組み合わせることができる。
【0049】
特定の量の活性化合物を含む様々な医薬組成物を調製する方法は、当業者に知られているか、または明らかとなるであろう。たとえば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easter、Pa.、第15版(1975)を参照されたい。
【実施例】
【0050】
以下に提供する実施例および調製は、本発明の実施形態の特定の態様をさらに例証および例示するものである。本発明の範囲は、以下の実施例の範囲によっていかなる点においても限定されないことが理解される。
【0051】
方法および材料
PF−04217903の塩は、それらのX線粉末回折パターンによって特徴を明らかにした。したがって、CuKα線(1.54Å)を用いて反射モードで操作するGADDS(General Area Diffraction Detector System)CSを備えたBruker D8 Discover X線粉末回折計で、塩のX線粉末回折パターンを収集した。管電圧およびアンペア数は、それぞれ40kVおよび40mAに設定した。スキャンは、試料と検出器の距離を15.0cmに設定して収集した。試料は、2θで4.5°から38.7°の範囲にわたって60秒間スキャンした。回折計は、コランダム(corundum)標準を用いて2θのピーク位置に関して較正した。試料は、Gasser&Sons,Inc(Commack、NY)で注文製造されたニッケル試料ホルダーで実験した。すべての分析は、一般に20℃〜30℃である室温で行った。データを収集し、WNT用GADDSソフトウェア、バージョン4.1.14Tを用いて統合した。回折図は、Evaバージョン9.0.0.2を含むDiffracPlusソフトウェア、2003年リリースを用いて評価した。
【0052】
本明細書に報告する測定値に用いたGADDS CSを備えたBruker D8 Discover X線粉末回折計でX線回折測定を行うために、典型的に試料をニッケル試料ホルダー中央の空洞に入れる。ランダムな表面と適正な試料の高さが確保されるように、試料粉末をスライドガラスまたは同等のもので押しつける。次いで、試料ホルダーをBruker計器に入れ、上に指定した計器パラメータを用いて粉末X線回折パターンを収集する。そのようなX線粉末回折分析に伴う測定差異は、(a)試料調製(たとえば、試料の高さ)の誤差、(b)計器誤差、(c)較正誤差、(d)操作者誤差(ピーク位置を求めるときに存在する誤差を包含する)、および(e)材料の性質(たとえば、好ましい配向の誤差)を包含する様々な要因に起因する。較正誤差および試料の高さの誤差は多くの場合、すべてのピークを同じ方向にシフトする。フラットホルダーを用いるとき、試料の高さの小さな差異がXRPDピーク位置の大きな移動をもたらすことになる。系統的な研究は、試料の高さの1mmの差異が、1°2θほどの高さのピークシフトをもたらし得ることを示した(Chenら、J Pharmaceutical and Biomedical Analysis、2001;26、63)。これらのシフトはX線回折図から同定でき、シフトを補正するか(すべてのピーク位置の値に系統的補正係数を適用する)、または計器を再較正することによって排除できる。上記のとおり、系統的補正係数を適用して、ピーク位置を一致させることによって、種々の計器による測定値の差異を修正することが可能である。一般に、この補正係数は測定されたピーク位置を期待されるピーク位置と一致させ、期待される2θ値±0.2°2θの範囲内であることができる。各固体形態の角度(°2θ)値および強度値(もっとも高いピーク値の%として)を表1〜5に報告する。
【0053】
示差走査熱量測定(DSC)は、TA Instruments DSC Q1000 V9.1 Build 296で行った。計器はそれぞれインジウムおよびサファイアを用いて、セル定数および熱容量に関して較正した。試料1〜3mgをアルミニウムのパンに秤量し、次いでそれを穴のあいたアルミニウムの蓋で覆う(TA Instruments部品番号900786.901(下部)および900779.901(上部))ことによって試料を調製した。データは、Windows(登録商標)2000/XP用Universal Analysis 2000バージョン4.3A、Build4.3.0.6を用いて分析した。実験は周囲温度で開始し、窒素ガスパージ下(流量は50ml/分であった)、試料を10℃/分で350℃に加熱した。各塩に特徴的な熱事象を表6に要約する。
【0054】
【表6】

【0055】
(実施例1)
HCl塩の調製
化合物1(29.5mg)を20mLガラス製シンチレーションバイアルに秤量した。MeOH1mLを添加し、溶液を攪拌した。2M HCl38.4μLをピペットで溶液に入れた。溶液に蓋をして、攪拌し、加熱器/攪拌機モジュールで約68℃に加熱した。加熱を止め、溶液の攪拌を続けた。溶液が約48℃に冷却されたとき、沈澱が視覚的に認められた。MeOH500μLを添加し、溶液の攪拌を一晩続けた。0.45μmポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンブランフィルタでの減圧濾過を用い、固体を回収した。60℃真空乾燥機で約30分間、固体を乾燥した。
【0056】
(実施例2)
マレイン酸塩の調製
マレイン酸6.95mgおよび化合物1(22.3mg)を20mLガラス製シンチレーションバイアルに秤量した。ACN約2mLおよび水20μLを添加した。バイアルに蓋をして、約20分間攪拌した。緩やかなN流下に置いて、溶媒を蒸発させた。EtOAc約3mLおよびIPA1mLを添加し、溶液に蓋をして、一晩攪拌した。0.45μmPTFEメンブランフィルタでの減圧濾過を用い、固体を溶液から回収した。真空デシケータで約30分間、固体を乾燥した。固体を20mLガラス製シンチレーションバイアルに入れた。アセトン約2mLを添加し、溶液に蓋をして、50℃で約1時間攪拌した。0.45μmPTFEメンブランフィルタでの減圧濾過を用い、固体を溶液から回収した。真空デシケータで約30分間、固体を乾燥した。
【0057】
(実施例3)
リン酸塩の調製
化合物1(21.12mg)をガラス製ネジ蓋付きHPLCバイアルに加えた。MeOH1mLをピペットでバイアルに入れ、蓋をして、攪拌した。2M HPO28.357μLをピペットで溶液に入れた。MeOH500μLを添加し、溶液に蓋をして、60℃で約2時間攪拌した。熱を除去し、溶液の攪拌を一晩続けた。固体が認められ、0.45μmPTFEメンブランフィルタでの減圧濾過を用い、溶液から回収した。60℃真空乾燥機で30〜60分間、固体を乾燥した。固体を20mLガラス製シンチレーションバイアルに入れ、IPA5〜15mLを添加し、溶液に蓋をして、一晩攪拌した。0.45μmPTFEメンブランでの減圧濾過を用い、固体を集め、真空デシケータで約30分間乾燥した。固体を20mLガラス製シンチレーションバイアルに入れた。ACN約10mLを添加し、溶液をフードに入れ、蓋を外して約48時間攪拌した。0.45μmナイロンフィルタメンブランでの減圧濾過を用い、残存する溶液から固体を回収した。真空デシケータで約30分間、固体を乾燥した。
【0058】
(実施例4)
硫酸塩の調製
化合物1(20.92mg)をガラス製ネジ蓋付きHPLCバイアルに加えた。MeOH1mLをピペットでバイアルに入れ、蓋をして、攪拌した。2M HSO28.169μLをピペットで溶液に入れた。次いで、MeOH500μLをピペットで溶液に入れた。溶液を60℃に加熱し、この温度で約2時間攪拌した。熱を除去し、溶液を一晩攪拌した。固体が認められ、0.45μmPTFEメンブランフィルタでの減圧濾過を用いて回収した。60℃真空乾燥機で30〜60分間、固体を乾燥した。固体を20mLガラス製シンチレーションバイアルに入れた。IPA5〜15mLを添加し、溶液に蓋をして、一晩攪拌した。0.45μmPTFEメンブランでの減圧濾過を用い、固体を溶液から回収し、次いで、真空デシケータで約30分間乾燥した。固体を20mLガラス製シンチレーションバイアルに入れた。ACN約10mLを添加し、溶液に蓋をして、一晩攪拌した。0.45μmナイロンフィルタメンブランでの減圧濾過を用い、固体を集めた。真空デシケータで約30分間、固体を乾燥した。
【0059】
(実施例5)
トシラート塩の調製
化合物1(23.79mg)をガラス製ネジ蓋付きHPLCバイアルに加えた。MeOH1mLを添加し、溶液に蓋をして、攪拌した。2M パラトルエンスルホン酸31.912μLをピペットで溶液に入れた。溶液を60℃で約2時間攪拌した。溶液の蓋を外し、溶媒量が約500μLに減じるまでN流下に置いた。沈澱が認められるまで、MTBEの100μLアリコートを添加した(合計で300μLを添加した)。溶液に蓋をして、攪拌し、45℃に加熱し、その後、熱を除去した。溶液の攪拌を一晩継続した。溶液を20mLのガラス製シンチレーションバイアルに移した。IPA約15mLに添加し、溶液に蓋をして、約72時間攪拌した。溶媒が除去されるまで、溶液をN流下に置いた。アセトン5約10mLを添加した。ガラス製バイアルの側面に付着した淡褐色のゲルが認められた。溶液を新しい20mLガラス製シンチレーションバイアルに移した(元のバイアルに褐色がかったガム状物が残存した)。アセトン約5mLおよびMeOH約1mLを添加し、蓋を外してフード内で溶液を攪拌した。0.45μmPTFEメンブランでの減圧濾過を用い、固体を溶液から回収した。真空デシケータで約2時間、固体を乾燥した。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図2】2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図3】2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図4】2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩の結晶塩の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図5】2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶塩の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図6】2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩の結晶塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す図である。
【図7】2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩の結晶塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す図である。
【図8】2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す図である。
【図9】2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩の結晶塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す図である。
【図10】2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラートの結晶塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩、および2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラート塩からなる群から選択された塩を含む化合物。
【請求項2】
塩が無水である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
塩が結晶塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
塩が結晶無水塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
塩が実質的に純粋な多形である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
塩が、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール塩酸塩を含む化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
塩が、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールマレイン酸塩を含む化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
塩が、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩を含む化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
塩が、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール硫酸塩を含む化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
塩が、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールトシラート塩を含む化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩が、回折角(2θ)17.0±0.2および20.9±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項3に記載の化合物。
【請求項12】
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩が、回折角(2θ)17.0±0.2、20.9±0.2、および24.8±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項3に記載の化合物。
【請求項13】
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールリン酸塩の結晶塩が、回折角(2θ)17.0±0.2、20.9±0.2、24.8±0.2、および25.8±0.2のピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項3に記載の化合物。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項15】
請求項14に記載の医薬組成物を含むカプセル。
【請求項16】
異常細胞増殖の治療を必要としている哺乳動物において異常細胞増殖を治療するのに有用な薬剤を調製するための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項17】
異常細胞増殖が、少なくとも1種の遺伝子改変されたチロシンキナーゼによって媒介される、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
異常細胞増殖が癌である、請求項16に記載の使用。
【請求項19】
癌が、肺癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部癌、皮膚または眼内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部の癌、胃癌、結腸癌、乳癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸部癌、膣癌、外陰癌、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟組織の肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、慢性または急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓または尿管の癌、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脊髄軸の腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、およびそれらの組合せから選択される、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
癌が、非小細胞肺癌(NSCLC)、扁平上皮癌、ホルモン治療不応性前立腺癌、乳頭状腎細胞癌、結腸直腸腺癌、神経芽腫、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、および胃癌からなる群から選択される、請求項18に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−132714(P2009−132714A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−299170(P2008−299170)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】