説明

CAD情報生成システム、その方法およびプログラム

【課題】簡易な操作によって営業用のツールであるプレゼン資料として候補地に建設し得る構造物を描画するCAD情報を生成することを可能とする技法を提供する。
【解決手段】CAD情報生成システムは、上空或いは宇宙から撮影された画像情報をネットワークを介して取得する取得部と、画像情報に基づく俯瞰図を表示する表示部と、俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分を指定区画として指定する操作入力を受け付ける操作受付部と、区画の属性に対応する少なくとも1つのCAD情報を含むマスターCAD情報を格納する記憶部と、マスターCAD情報を参照して、指定区画に基づき、指定区画に設置或いは建設することが許容されるような構造物を描画するCAD情報を生成し、CAD情報に基づき描画される構造物を俯瞰図の指定区画上に配置して表示部に表示させるCAD情報生成部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CAD情報生成システム、その方法およびプログラムに関し、特に、簡易な操作によって候補地に適した構造物を描画するCAD情報を生成するCAD情報生成システム、その方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建築業者(建設業者、工務店、および、住宅販売会社などを含む)における営業スタッフの営業手法の1つとして、担当する営業地域を歩いて空き地や遊休地、或いは、駐車場などのような新規の住宅やビルなどの建築に適した土地を「売り込み先候補地」として見つけ出すという作業がある。候補地を見つけた後、営業スタッフは会社に戻り、当該候補地の住宅地図や公図などを入手し、社内の設計スタッフに候補地に建てる建築物の「パース図」などの完成予想図の作成を依頼する。依頼を受けた設計スタッフは、CADなどの製図ソフトウェアを用いて候補地に適した完成予想図を作成する。パース図が完成してはじめて営業スタッフは、候補地の所有者である施主の所にパース図を携えて訪問し、本来の営業活動を開始することになる。
【0003】
このように、従来型の営業手法では、営業スタッフの候補地の捜索作業、設計スタッフのパース図の作成作業、営業スタッフの営業活動という3段階の作業が必要であった。また、営業スタッフによる候補地探しは基本的に徒歩で回る必要があるため、非常に効率が悪く、必ずしも候補地を探しあてることもできない。候補地探しのため、本来業務である施主候補者へのセリングに費やす時間が不足したり、徒歩での候補地探しの効率の悪さによる候補地不足のため、セリングの機会も不足したりするという事態に至っている。また、候補地に建築する建物の設計は、営業スタッフ以外の専門の設計スタッフを必要とするため、これも複数のスタッフの作業になるため効率が悪い。
【0004】
このような営業スタッフの労力を低減し、営業活動を支援するCADシステムとして、「トータルプレゼンテーションシステム及び総合分析提案方法」(特許文献1を参照されたい。)という手法が提案されている。しかしながら、この従来技術は、営業マンによって建築主の要望に対応した住宅外観図を簡易に作成することは可能であるが、「候補地」を探すことはできない。従って、この従来技術は、顧客への提案ボードを簡易に表示するに過ぎないものであり、最も労力がかかる候補地を探し出すという作業は営業スタッフに課せられたままである。このように、この従来技術は、営業活動支援システムとして依然として機能不足である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-149748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来の建築業者における営業手法では、人的労力がかかり過ぎ、営業スタッフおよび設計スタッフによる3段階の作業が必要であり、非常に効率が悪い。また、上述した従来技術では、営業手法において最も労力がかかる候補地を探し出すという作業の効率化を支援することは不可能である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、簡易な操作によって営業用のツールであるプレゼン資料として候補地に建設し得る構造物を描画するCAD情報を生成することを可能とすることである。即ち、本発明の目的は、営業スタッフの労力を低減し、設計スタッフの助力を得ずに営業スタッフ(或いは設計スタッフでもよい)単独の操作によって営業用のツールであるプレゼン資料として候補地に建設し得る構造物を描画するCAD情報を生成するCAD情報生成システム、その方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明によるCAD情報生成システム(装置)は、
上空或いは宇宙から撮影された画像情報をネットワーク(インターネットなど)を介して取得する取得部(例えば、通信部など)と、
前記画像情報に基づく俯瞰図を表示する表示部と、
前記俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分(例えば、空き地、駐車場、簡易な建物しかない領域など)を指定区画として指定する操作入力を受け付ける操作受付部と、
区画の属性に対応する少なくとも1つのCAD情報を含むマスターCAD情報を格納する記憶部と、
前記記憶部に格納されている前記マスターCAD情報を参照して、前記指定区画に基づき、該指定区画に設置或いは建設することが許容されるような構造物(建物など)を描画するCAD情報(例えば、3次元モデル)を生成し、該CAD情報に基づき描画される構造物を前記俯瞰図の前記指定区画上に配置して前記表示部に表示させるCAD情報生成部と、
を有する。
【0009】
また、第2の発明によるCAD情報生成システムは、
前記記憶部が、
少なくとも1つの建築制限情報(例えば、建蔽率、容積率、建物の用途制限(第一種中高層住居専用地域など)、建物の高さ制限情報、斜線制限情報(道路斜線、隣地斜線、北側斜線などの情報)、日影規制情報、前面道路など道路条件情報など)をさらに格納し、
前記CAD情報生成部が、
前記建築制限情報をさらに参照して、前記指定区画に基づき、該指定区画に設置或いは建設することが許容される構造物を描画するCAD情報(例えば、3次元モデル)を生成し、該CAD情報に基づき描画される構造物を前記俯瞰図の前記指定区画上に配置して前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする。
【0010】
また、好適には、前記CAD情報生成部が、
該CAD情報に基づき描画される構造物を示す平面図を、前記俯瞰図の前記指定区画上に配置して前記表示部に表示させる。
【0011】
また、好適には、前記CAD情報生成部が、
該CAD情報に基づき描画される構造物を示す立体図(3Dモデル、パース図、完成予想図など)を、前記俯瞰図の前記指定区画上に配置して前記表示部に表示させる。
【0012】
また、第3の発明によるCAD情報生成システムは、
前記取得部が、
前記表示部により表示される前記俯瞰図に含まれる、少なくとも1つの既存建物の立体情報(3Dモデルなど)を前記ネットワークを介してさらに取得し、
前記表示部が、
前記既存建物の立体情報に基づく立体図を含む前記画像情報および俯瞰図を表示する、
ことを特徴とする。
【0013】
また、第4の発明によるCAD情報生成システムは、
前記取得部が、
前記表示部により表示される前記俯瞰図に含まれる少なくとも1つの既存建物が位置する区画の登記情報(区画の面積、建物面積、建築物の延べ面積など)をインターネットを介してさらに取得し、
前記CAD情報生成部が、
前記登記情報にさらに参照して、前記指定区画に基づき、該指定区画に設置或いは建設することが許容される構造物を描画するCAD情報(例えば、平面図や3次元モデル)を生成し、該CAD情報に基づき描画される構造物を前記俯瞰図の前記指定区画上に配置して前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする。
【0014】
また、第5の発明によるCAD情報生成システムは、
前記取得部により取得される前記画像情報が、縮尺情報を含み、
前記CAD情報生成部が、
前記縮尺情報に基づき、前記指定区画の面積を算出し、該面積にさらに基づき、前記指定区画に設置或いは建設することが許容される構造物を描画するCAD情報を生成し、該CAD情報に基づき描画される構造物を前記俯瞰図の前記指定区画上に配置して前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする。
【0015】
また、第6の発明によるCAD情報生成システムは、
前記取得部により取得される前記画像情報が、方位情報を含み、
前記CAD情報生成部が、
前記方位情報にさらに基づき、前記指定区画に設置或いは建設することが許容される構造物を描画するCAD情報を生成し、該CAD情報に基づき描画される構造物を前記俯瞰図の前記指定区画上に配置して前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする。
【0016】
また、第7の発明によるCAD情報生成システムは、
前記操作受付部が、
前記俯瞰図に示された領域のうち、該俯瞰図の縮尺情報に換算し得る基準物(例えば、自動車、25mプールなどのような長手方向に標準的な長さを持つ物)が占める領域を基準物情報として指定する操作入力を受け付け、
前記記憶部が、
基準物寸法情報をさらに格納し、
前記CAD情報生成部が、
前記基準物情報から前記記憶部を参照して得られる基準物寸法情報に基づき、前記構造物の位置、該構造物の表示寸法、前記指定区画の表示寸法のうちの少なくとも1つを補正して、補正後の構造物を前記画像内で設定された指定区画上に配置して前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする。
或いは、前記CAD情報生成部が、
前記基準物情報から前記記憶部を参照して得られる基準物寸法情報に基づき(例えば、前記指定区画の面積を算出し、該面積にさらに基づき)、前記指定区画に設置或いは建設することが許容される構造物を描画するCAD情報を生成し、該CAD情報に基づき描画される構造物を前記俯瞰図の前記指定区画上に配置して前記表示部に表示させてもよい。
【0017】
また、第8の発明によるCAD情報生成システムは、
前記取得部が、
前記指定区画の少なくとも一部を含む領域を地上の道路から撮影した地上画像情報を前記ネットワーク(インターネットなど)を介してさらに取得し、
前記表示部が、
前記地上画像情報を地上画像図として表示し、
前記CAD情報生成部が、
前記CAD情報に基づき描画される構造物を前記地上画像図の前記指定区画上に配置して前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする。
【0018】
また、第9の発明によるCAD情報生成システムは、
前記操作受付部が、
前記俯瞰図に示された領域内の前記指定区画の少なくとも一部を撮影した別視点の画像に変更するための視点変更要求を受け付け、
前記取得部が、
前記別視点の画像情報、および、別視点で撮影したときの撮影情報を取得し、
前記CAD情報生成部が、
前記別視点の画像情報による画像内で、前記撮影情報(カメラ座標、撮影方向、画角など)に基づき、前記指定区画を設定し、前記CAD情報に基づき描画される構造物を前記画像内で設定された指定区画上に配置して前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする。
【0019】
また、第10の発明によるCAD情報生成システムは、
前記操作受付部が、
前記別視点の画像情報により画像内の縮尺情報に換算し得る基準物(例えば、標準的な寸法が決まっている窓枠など)が占める領域を基準物情報として指定する操作入力を受け付け、
前記記憶部が、
基準物寸法情報をさらに格納し、
前記CAD情報生成部が、
前記基準物情報から前記記憶部を参照して得られる基準物寸法情報に基づき、前記構造物の位置、該構造物の表示寸法、前記指定区画の表示寸法のうちの少なくとも1つを補正して、補正後の構造物を前記画像内で設定された指定区画上に配置して前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする。
或いは、前記CAD情報生成部が、
前記指定区画に設置或いは建設することが許容される構造物を描画するCAD情報を生成し、該CAD情報に基づき描画される構造物を前記別視点による画像内の前記指定区画上に配置して前記表示部に表示させてもよい。
【0020】
上述したように本発明の解決手段をシステム(装置)として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。なお、下記の方法やプログラムの各ステップは、データの処理においては必要に応じて、CPU、DSPなどの演算処理装置を使用するものであり、入力したデータや加工・生成したデータなどを磁気テープ、HDD、メモリなどの記憶装置に格納するものである。
【0021】
例えば、本発明を方法として実現させた第11の発明による方法は、
取得部、表示部、操作受付部、CAD情報生成部を有するCAD情報生成システムを利用してCAD情報を生成するCAD情報生成方法であって、
前記取得部が、上空或いは宇宙から撮影された画像情報をネットワーク(インターネットなど)を介して取得する取得ステップと、
前記表示部が、前記画像情報に基づく俯瞰図を表示する表示ステップと、
前記俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分(例えば、空き地、駐車場、簡易な建物しかない領域など)を指定区画として指定する操作入力を受け付ける操作受付ステップと、
前記記憶部が、区画の属性に対応する少なくとも1つのCAD情報を含むマスターCAD情報を格納する格納ステップと、
前記CAD情報生成部が、前記記憶部に格納されている前記マスターCAD情報を参照して、前記指定区画に基づき、該指定区画に設置或いは建設することが許容されるような構造物を描画するCAD情報(例えば、3次元モデル)を生成し、該CAD情報に基づき描画される構造物を前記俯瞰図の前記指定区画上に配置して前記表示部に表示させるCAD情報生成ステップと、
を有することを特徴とする。
【0022】
また、本発明をプログラムして実現させた第12の発明によるプログラムは、
CAD情報生成方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
上空或いは宇宙から撮影された画像情報をネットワーク(インターネットなど)を介して取得する取得ステップと、
前記画像情報に基づく俯瞰図を表示する表示ステップと、
前記俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分(例えば、空き地、駐車場、簡易な建物しかない領域など)を指定区画として指定する操作入力を受け付ける操作受付ステップと、
区画の属性に対応する少なくとも1つのCAD情報を含むマスターCAD情報を格納する格納ステップと、
前記マスターCAD情報を参照して、前記指定区画に基づき、該指定区画に設置或いは建設することが許容されるような構造物を描画するCAD情報(例えば、3次元モデル)を生成し、該CAD情報に基づき描画される構造物を前記俯瞰図の前記指定区画上に配置して表示させるCAD情報生成ステップと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡易な操作によって営業用のツールであるプレゼン資料として候補地に建設し得る構造物を描画するCAD情報を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の一実施態様によるCAD情報生成システムの概要を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、図1に示したCIGS100による処理を説明する説明図である。
【図4】図4は、図3に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。
【図5】図5は、本発明の一実施態様によるCAD情報生成システム(CIGS)の概要を示すブロック図である。
【図6】図6は、図5に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図5に示したCIGS200による処理を説明する説明図である。
【図8】図8は、図7に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。
【図9】図9は、図5に示したCIGS200による処理を説明する説明図である。
【図10】図10は、図9に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。
【図11】図11は、図5に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、図1に示したCIGS200による処理を説明する説明図である。
【図13】図13は、図12に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。
【図14】図14は、本発明の一実施態様によるCAD情報生成システム(CIGS)の概要を示すブロック図である。
【図15】図15は、図14に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】図16は、図14に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。
【図17】図17は、図14に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】図18は、図17に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。
【図19】図19は、図18に示した処理の変形例を示すフローチャートである。
【図20】図20は、図19に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。
【図21】図21は、図14に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】図22は、図21に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。
【図23】図23は、CAD情報を生成する手法の説明図である。
【図24】図24は、本発明の一実施態様によるCAD情報生成システム(CIGS)の概要を示すブロック図である。
【図25】図25は、図24に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図26】図26は、図24に示したシステムで実行される見積処理の一例を示すフローチャートである。
【図27】図27は、図24に示したシステムで実行される環境機器寄与数値のための計算処理の一例を示すフローチャートである。
【図28】図28は、隣接区画の地形や既存建物の影響を考慮した環境機器寄与数値のための計算処理の一例を示すフローチャートである。
【図29】図29は、図25〜27に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。
【0026】
<実施態様1>
図1は、本発明の一実施態様によるCAD情報生成システム(CIGS)の概要を示すブロック図である。図に示すように、CIGS100は、制御部(CPU)110と、入力部120と、出力部130と、通信部140と、記憶部150と、表示部160とを有する。制御部110は、取得部111、操作受付部112、および、CAD情報生成部113を有する。記憶部150は、区画の属性に対応する少なくとも1つのCAD情報を含むマスターCAD情報MCIを格納する。取得部111は、通信部140およびネットワーク(インターネットなど)NETを介して、画像情報提供サーバIIDSから、上空或いは宇宙から撮影された画像情報を取得する。画像情報は、通常の衛星写真や航空写真のデジタルやアナログのデータが典型的であるが、衛星写真や航空写真を既存の画像変換処理やデジタル変換処理で加工したデータであってもよく、例えば、地上にある構造物、地表、或いは区画などを描画可能な形状データと座標データとの組み合わせであってもよい。制御部110の制御の下、取得した画像情報を、本システムがそなえる、或いは、外部のサーバのグラフィックエンジン(図示せず)で、俯瞰図として表示されるべき描画用データに変換する。表示部160は、画像情報に基づき得られた描画用データを用いて俯瞰図を表示する。
【0027】
ユーザは、表示部160に表示された俯瞰図を観察して、自己の視覚、即ち、人間が備える形状識別・画像識別・分析能力を活用することによって、俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分、例えば、空き地、駐車場、古い建物、簡易な建物しかない領域などを探し、探し当てた部分(候補地)を確定するために少なくとも3点以上、通常は、4点以上の座標をマウスMUSで指示する。もちろん、座標指示は、連続的に区画の輪郭を全て入力してもよい。現在は、インターネットを介して、高解像度の画像情報が入手できるため、本システムの表示部160に表示された俯瞰図を観察することだけで、ユーザである営業スタッフなどがあたかも徒歩で回って候補地を探すかのような感覚で、所望の候補地を探し出すことが可能である。このマウスMUS(座標指示装置)による指示を受けて、操作受付部112は、入力部120を介して、俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分を指定区画として指定する操作入力を受け付ける。
【0028】
CAD情報生成部113は、記憶部150に格納されているマスターCAD情報MCIを参照して、指定区画に基づき、該指定区画に設置或いは建設することが許容されるような構造物を描画するCAD情報(3次元モデルなど)を生成し(マスターCAD情報MCIに含まれる複数のCAD情報の1つを選択し、そのままそれを使用してもよいし、それをカスタマイズして生成してもよい。或いは、記憶部に格納したCAD情報構築ルールに従って区画の属性に基づきCAD情報を生成してもよい。)、該CAD情報に基づき描画される構造物を俯瞰図の指定区画上に配置して表示部160に表示させる。CAD情報生成部113は、指定区画の内側に構造物が収まるように構造物を配置したCAD情報を生成することが好適である。また、指定区画の方位情報が得られる場合は、指定区画の方位を考慮して、記憶部に格納したCAD情報構築ルールに含まれる一定の設置・構造物構成ルール(例えば、既知の住宅設計手法に従って、できる限り南向きに居間、東北にトイレを設置し、できる限り南側に庭を設置し、建物を北側に寄せるルールとする。)に従って、構造物の構成、および、指定区画内の構造物の設置位置を決定する。もちろん、指定区域における新たな構造物の配置は、マウスMUSなどの位置指示装置でユーザがマニュアルで指定することも可能である。CAD情報生成部113は、記憶部に格納してある規定の干渉領域(例えば、境界から1mを干渉領域とする。大都市などの地域によっては、建設可能な限界まで干渉領域を少なくすることが好適である。)を考慮したうえで、構造物を指定区画のできるだけ北側に配置し、窓なども採光を考慮して南側に配置するようなCAD情報を生成することが好適である。さらに、道路付け情報(指定区画への道路設置情報)が得られる場合は、CAD情報生成部113は、記憶部に格納してある規定の干渉領域(例えば、道路から1mを干渉領域とする。)を考慮したうえで、構造物の玄関を道路側に配置するようなCAD情報(構造物を描画できるコンピュータで使用される設計情報)を生成することが好適である。
【0029】
生成したCAD情報や中間データおよび取得したデータを外部に送信したり、表示部に表示したり、生成した情報や中間データおよび取得したデータなどを記憶部に格納したりすることが可能であり、後述する他の実態態様でも同様に可能であることに注意されたい。なお、本システム(装置)は、汎用コンピュータ、特定用途コンピュータ、サーバ、PCなどのコンピュータ、或いは、これらコンピュータに本システムの機能や処理手順(方法)をコンピュータ上で実現(実行)するプログラムモジュールをコンピュータが持つCPUや記憶部に保持したり、外部のサーバやストレージから読み込んだりすることで、コンピュータ上に本システムを構築することが好適であり、後掲の各実施態様においても同様である。
【0030】
図2は、図1に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。図に示すように、ステップS11にて、取得部111が、通信部140を用いて、航空機や人工衛星などの飛翔体からカメラなどの撮像機器により上空或いは宇宙から撮影された画像情報(航空写真や衛星写真などの情報)をネットワーク(インターネットなど)を介して取得する。表示部160は画像情報に基づく俯瞰図を表示する。次にステップS12にて、操作受付部112が、俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分(例えば、空き地、駐車場、簡易な建物しかない領域など)を指定区画として指定する操作入力を受け付ける。ステップS13では、記憶部150が、区画の属性毎に異なる構造物のCAD情報を生成する(例えば、区画に応じた3次元モデリングを生成する3次元モデル情報)、或いは、区画の属性、即ち、パターン(形状や敷地面積)に対応した複数のCAD情報を含むマスターCAD情報MCIを格納する。ステップS14では、CAD情報生成部113が、マスターCAD情報MCIを参照して、指定区画に基づき、その指定区画に設置或いは建設することが許容されるような構造物を描画するCAD情報(例えば、3次元モデル)を生成する。最後にステップS15にて、CAD情報生成部113は、CAD情報に基づき描画される構造物を俯瞰図の指定区画上に配置して表示部160に表示させる。
【0031】
図3は、図1に示したCIGS100による処理を説明する説明図である。図に示すように、俯瞰図OV1は、画像情報提供サーバIIDSから取得した画像情報に基づき描画されるイメージそのものである。俯瞰図OV1には、既存建物KT1などが観察できる。ユーザ(営業部員など)は、この俯瞰図OV1を上下左右(即ち、東西南北)にスクロールさせて、俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分(例えば、空き地、駐車場、簡易な建物しかない領域など)を指定区画として指定する。この指定は、操作入力としてシステムに受け付けられる。この場合は、地点A、地点B、地点C、地点Dの4つの地点をマウスでクリックすることによって長方形の区画が指定区画SS1として指定されている。そして、システムは、区画の属性(区画の長方形の形状や縦横の比率など)に基づき、構造物SO1を描画するCAD情報を生成する。好適には、区画の属性には、画像情報に付加された、或いは、別途に画像情報提供サーバIIDSから取得された縮尺情報も含まれる。このCAD情報は、3次元の家屋やビルなどの建造物の外観のみであってもよいが、内部の部屋割、備え付けの家具や建具(戸棚、ドア、仕切り、窓枠、窓ガラスなど)も含ませせることが好適である。最後に、CAD情報生成部は、生成したCAD情報に基づき描画される構造物SO1を俯瞰図の指定区画SS1上に配置して表示部160に表示させる。
【0032】
図4は、図3に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。図に示すように、俯瞰図OV1は、CIGS100による処理によって、俯瞰図OV1mに変換される。俯瞰図OV1mには、指定区画SS1上に「構造物SO1」が配置される。このようにして、CIGS100によれば、所望の区画を指定するという極めて簡易な操作によるだけで、指定区画の属性に応じてカスタマイズされた構造物を表示した俯瞰図を提供することが可能である。この例では、構造物の平面図を表示してあるが、生成したCAD情報に基づき、3次元の構造物、即ち、斜視図(パース図)、室内パース図などを表示することも可能である。
【0033】
<実施態様2>
図5は、本発明の一実施態様によるCAD情報生成システム(CIGS)の概要を示すブロック図である。図に示すように、CIGS200は、制御部(CPU)210と、入力部220と、出力部230と、通信部240と、記憶部250と、表示部260とを有する。制御部210は、取得部211、操作受付部212、および、CAD情報生成部213を有する。記憶部250は、区画の属性に対応する少なくとも1つのCAD情報を含むマスターCAD情報MCIを格納し、さらに、少なくとも1つの建築制限情報CLI(例えば、建蔽率、容積率、建物の用途制限(第一種中高層住居専用地域など)、建物の高さ制限情報、斜線制限情報(道路斜線、隣地斜線、北側斜線などの情報)、日影規制情報、前面道路など道路条件情報など)を格納する。最新の建築制限情報が、公的情報提供サーバPIDSに格納されている場合は、取得部211は、通信部240およびネットワークNETを介して取得し、その情報をそのまま使用して、建築制限を考慮したCAD情報を生成したり、記憶部250の建築制限情報CLIを更新して、その後の使用に備えたりすることが好適である。本実施態様において、以前の実施態様と同様の名称を持つ構成要素は、特に言及しない限り、上述した実態態様のそれらと同様の機能を有し同様の処理を行うものである。従って、説明済みの実施態様と変更がある機能や処理を主として説明ものとする。このことは、以降の各実施態様においても同様であることに注意されたい。CAD情報生成部213は、建築制限情報CLIをさらに参照して、指定区画に基づき、その指定区画に設置或いは建設することが許容される構造物を描画するCAD情報(例えば、3次元モデル)を生成し、そのCAD情報に基づき描画される構造物を俯瞰図の指定区画上に配置して表示部260に表示させる。
【0034】
図6は、図5に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。実施態様1で説明した処理と異なる処理を主として説明する。即ち、ステップS21,S22の処理の説明は省略する。図に示すように、ステップS23では、記憶部が、区画の属性毎に異なる構造物のCAD情報を生成する、或いは、区画の属性、即ち、パターン(形状や敷地面積)に対応した複数のCAD情報を含むマスターCAD情報MCI、および、「建築制限情報」(その詳細は後で説明する。)を格納する。ステップS24では、CAD情報生成部213が、マスターCAD情報MCIおよび「建築制限情報CLI」を参照して、指定区画に基づき、その指定区画に設置或いは建設することが許容されるような構造物を描画するCAD情報(例えば、3次元モデル)を生成する。最後にステップS25にて、CAD情報生成部213は、CAD情報に基づき描画される構造物を俯瞰図の指定区画上に配置して表示部260に表示させる。
【0035】
建築制限情報CLIに格納される建築制限情報は、例えば、建蔽率、容積率、建物の用途制限(第一種中高層住居専用地域、商業地域(商業地域の場合は、建蔽率は80%)など)、建物の高さ制限情報、斜線制限情報(道路斜線、隣地斜線、北側斜線などの情報)、日影規制情報、前面道路など道路条件情報などである。例えば、住宅地向けの候補地(指定区画)の場合には、デフォルト値として、建蔽率30%、容積率60%と定めることができる。商業地域向けの候補地(指定区画)の場合には、例えば、建蔽率100%、容積率400%と定めることができる。なお、建築制限情報を厳密に適用して、正確かつ模範的な構造物のCAD座標を得るためには、「緯度および経度」、或いは、「住所」などと「建築制限情報の要素/項目」とを関連付けておくことが好適である。例えば、東経139度44分xx秒、北緯35度39分xx秒(或いは、新宿区四谷x丁目)は、商業地域、或いは、建蔽率60%、容積率200%、高さ10メートル以上は斜線規制あり、などと規定した建築制限情報を格納しておけば、この情報を参照することによって、俯瞰図の指定区画の座標や住所などから当該区画の正確な建築制限情報を得ることができ、これに応じて、当該指定区画の属性により一層マッチした構造物を描画するCAD情報を生成することが可能となる。指定区画に隣接する区画や付近の区画(周辺区画)、および、当該区画内に存在する既存建物をマウスなどの位置指示装置で指定し、これらの領域指定情報に基づき、周辺区画の建蔽率を推定し(推定建蔽率は「既存建物の面積/区画の面積」で求めることができ、複数の区画の平均値を求めると精度がより高くなる。)、この推定建蔽率を当該地区の建蔽率であるとみなし、建築制限情報CLIに格納して建築制限情報として利用することも可能である。
【0036】
図7は、図5に示したCIGS200による処理を説明する説明図である。図に示すように、俯瞰図OV2は、画像情報提供サーバIIDSから取得した画像情報に基づき、特別な加工処理を施すことなく描画されるイメージそのものである。俯瞰図OV2には、既存建物KT2などが観察できる。ユーザ(営業部員など)は、この俯瞰図OV2を上下左右(即ち、東西南北)にスクロールさせて、俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分(この例では「空き地」)を指定区画として指定する。この指定は、操作入力としてシステムに受け付けられる。この場合は、地点A、地点B、地点C、地点Dの4つの地点をマウスでクリックすることによって長方形の区画が指定区画SS2として指定されている。そして、システムは、区画の属性(区画の長方形の形状や縦横の比率など)に基づき、構造物SO2を描画するCAD情報を生成する。ここでは、建築制限情報の1つの要素である「建蔽率」に基づき(即ち、構造物が占める建築面積を敷地面積で割った数値の最大制限値(例えば、10分の6以下))、補正した構造物SO2−rを生成する補正CAD情報を生成する。なお、建蔽率を適用するためには、様々な手法があるが、例えば、指定区画の面積は必須ではなく、俯瞰図における指定区画のドット数に建蔽率を乗じて求めたドット数を敷地とする構造物のCAD情報を生成すればよい。最後に、CAD情報生成部は、補正CAD情報に基づき描画される構造物SO2−rを俯瞰図の指定区画SS2上に配置して表示部260に表示させる。
【0037】
図8は、図7に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。図に示すように、俯瞰図OV2は、CIGS200による処理によって、俯瞰図OV2mに変換される。俯瞰図OV2mには、指定区画SS2上に「構造物SO2−r」が配置される。このようにして、CIGS200によれば、所望の区画を指定するという極めて簡易な操作によるだけで、指定区画の属性である形状や建蔽率などに応じてカスタマイズされた構造物を表示した俯瞰図を提供することが可能である。この例では、構造物の平面図を表示してあるが、生成したCAD情報に基づき、3次元の構造物、即ち、斜視図(パース図)、室内パース図などを表示することも可能である。また、取得部が、表示部により表示される前記俯瞰図に含まれる、既存建物(例えば既存建物KT2)の立体情報(3Dモデル)をネットワークを介してさらに取得し、表示部が、既存建物の立体情報に基づく立体図を含む前記画像情報および俯瞰図を表示してもよい。
【0038】
図9は、図5に示したCIGS200による処理を説明する説明図である。図に示すように、指定区画SS2は、図7,8に示したものと同じものである。システムは、区画の属性(区画の長方形の形状や縦横の比率など)に基づき、構造物SO2−xを描画する3次元CAD情報を一旦生成する。さらに、本システムは、建築制限情報の1つの要素である「容積率」(即ち、敷地面積に対する建築延べ面積(延べ床)の割合である)に基づき、構造物SO2−xを描画するCAD情報を補正して、構造物SO2−x1を描画するCAD情報を生成する。ここでも、容積率を適用するためには、指定区画の面積は必須ではなく、例えば、俯瞰図における指定区画のドット数に容積率を乗じて求めたドット数に応じて想定される構造物のCAD情報を生成すればよい。最後に、CAD情報生成部は、補正CAD情報に基づき描画される構造物SO2−x1を俯瞰図の指定区画SS2上に配置して表示部260に表示させる。この例では、デフォルトの容積率よりも、当該指定区画に適用すべき容積率が大きいため、延べ床面積のより大きい4階建の構造物を描画するCAD情報が得られている。
【0039】
図10は、図9に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。図に示すように、俯瞰図OV2は、CIGS200による処理によって、俯瞰図OV2m1に変換される。俯瞰図OV2m1には、指定区画SS2上に「構造物SO2−x1」が配置される。このようにして、CIGS200によれば、所望の区画を指定するという極めて簡易な操作によるだけで、指定区画の属性である形状や容積率などに応じてカスタマイズされた構造物を表示した俯瞰図を提供することが可能である。この例では、構造物の簡易な外観を示す立体図形を表示してあるが、生成したCAD情報に基づき、より詳細な斜視図(パース図)、室内パース図などを表示することも可能である。
【0040】
図11は、図5に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施態様では、既存建物(構造物)の立体情報を取得し、本システムによって生成したCAD情報によって新たな構造物の立体図と、既存建物の立体図とを併せて表示される。これによって、当該地区におけるよりリアルな完成状態をユーザに想起させることが可能となり、出力した図面の営業支援情報としての価値が高くなる。また、俯瞰図上の指定区画を既知の幾何学的手法で正規化(オルソ化)して(即ち、無限の天頂から当該区画を垂直に俯瞰する正規化区画(オルソ化画像)を得て)、縮尺情報から敷地面積を算出しているため、より適正な構造物を描画するCAD情報を生成することが可能である。以前に説明したフローチャートの処理と異なる処理を主として説明する。即ち、ステップS33の処理の説明は省略する。図に示すように、テップS31にて、取得部211が、通信部240を用いて、上空或いは宇宙から撮影された画像情報、および、既存建物の立体情報をネットワークを介して取得する。表示部260は画像情報、および、既存建物の立体情報に基づく俯瞰図を表示する。次にステップ32にて、操作受付部212が、俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分を指定区画として指定する操作入力を受け付ける。この例では、既存の建物が立体表示されているので、ユーザは、候補地を非常に見つけやすいというメリットがある。ステップS34では、俯瞰図上の指定区画を既知の幾何学的手法で正規化(即ち、オルソ化する)する。ステップS35では、CAD情報生成部213が、画像情報と共に取得した縮尺情報および正規化した指定区画の情報から敷地面積を算出し、マスターCAD情報MCIを参照して、敷地面積および正規化指定区画の形状を含む指定区画の属性に基づき、その指定区画に設置或いは建設することが許容されるような構造物を描画するCAD情報を生成する。最後にステップS36にて、CAD情報生成部213は、CAD情報に基づき描画される構造物を俯瞰図の指定区画上に配置して表示部260に表示させる。
【0041】
図12は、図1に示したCIGS200による処理を説明する説明図である。図に示すように、俯瞰図OV3は、画像情報提供サーバIIDSから取得した画像情報に基づき描画されるイメージそのものに加えて、ネットワークを介して取得した既存建物(構造物)の3Dモデルから描画される既存建物の立体図も併せて表示したものである。ユーザ(営業部員など)は、この俯瞰図OV1を上下左右(即ち、東西南北)にスクロールさせて、俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分(例えば、空き地、駐車場、簡易な建物しかない領域など)を指定区画として指定する。この指定は、操作入力としてシステムに受け付けられる。この場合は、地点A、地点B、地点C、地点Dの4つの地点をマウスでクリックすることによって長方形の区画が指定区画SS3として指定されている。ちなみにA−B間、D−C間には、フェンス状の立体物が観察できるため、ユーザは視覚的に指定区画SS3が独立した空き地であることを容易に判断できる。そして、CAD情報生成部は、指定区画SS3にオルソ化処理を施して正規化区画(即ち、オルソ化画像)に変換する。さらに、CAD情報生成部は、変換した正規化区画SS3−rの形状や敷地面積を含む区画の属性に基づき、構造物SO3を描画するCAD情報を生成し、生成したCAD情報に基づき構造物SO3を俯瞰図の正規化区画SS3−r上に配置し、最終的には、立体表示した構造物SO3-cを指定区画SS3に配置して表示部160に表示させる。このように処理することで、俯瞰図OV3の視点の状況にマッチした構造物を表示することが可能となり、よりリアルな建物の完成シーンを提供することが可能となる。
【0042】
図13は、図12に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。図に示すように、俯瞰図OV3は、CIGS200による処理によって、俯瞰図OV3mに変換される。俯瞰図OV3mには、指定区画SS3上に立体表示された「構造物SO3−c」が配置される。このようにして、CIGS200によれば、所望の区画を指定するという極めて簡易な操作によるだけで、指定区画を正規化することで、より適正にカスタマイズされた構造物を表示した俯瞰図を提供することが可能である。この例では、構造物の簡易な外観を示す立体図形を表示してあるが、生成したCAD情報に基づき、より詳細に窓や屋根を描画した斜視図(パース図)、室内パース図などを表示することも可能である。
【0043】
<実施態様3>
図14は、本発明の一実施態様によるCAD情報生成システム(CIGS)の概要を示すブロック図である。図に示すように、CIGS300は、制御部(CPU)310と、入力部320と、出力部330と、通信部340と、記憶部350と、表示部360とを有する。制御部310は、取得部311、操作受付部312、および、CAD情報生成部313を有する。記憶部350は、区画の属性に対応する少なくとも1つのCAD情報を含むマスターCAD情報MCI、および、少なくとも1つの建築制限情報CLIを格納し、さらに、座標(例えば緯度および経度)と住所(例えばxx市yy町z丁目y番地など)とを関連付けた住所情報AIを格納する。また、取得部311は、通信部340を制御して、住所(完全な住所でなく、何丁目レベルでもよい。)に基づきネットワークNETを介して、登記情報提供サーバRIDSや公的情報提供サーバPIDSから登記情報や公的情報(例えば、公的な地図である公図、地目、土地の用途、斜線規制、建物の高さ制限、建蔽率、容積率など)を取得することができる。取得したこれらの公的情報を建築制限情報として利用して、CAD情報を生成してもよい。特に、公図が得られる場合には、隣接地や道路付けが詳細に判明するため、斜線規制、例えば、北側斜線規制などを正確に適用した構造物を生成するCAD情報を生成することが可能となる。
【0044】
図15は、図14に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。既に説明した実施態様の処理と異なる処理を主として説明する。即ち、ステップS41の処理の説明は省略する。図に示すように、ステップS42では、操作受付部312が、指定区画を指定する操作入力を受け付ける。この実施例では、指定区画が位置する任意の座標が得られれば足りるため、実施態様1のような矩形の4つの頂点を指定する必要はない。よって、ユーザはマウスで所望の領域が含まれる任意の地点をクリックするだけで指定区画を指定することができる。ステップS43では、記憶部が、マスターCAD情報MCI、建築制限情報CLI、「住所情報AI」格納する。ステップS44にて、住所情報を参照して、指定区画の座標から住所を求める。ステップS45では、取得部311が、求めた住所に対応する登記情報(典型的な登記情報は、地目、用途地域、敷地面積などである。)を取得する。例えば、取得した登記情報に用途地域が含まれる場合は、建築制限情報を参照することによって、当該住所の建蔽率や容積率などを求めることが可能となる。ステップS46にて、CAD情報生成部313が、建築制限情報を参照して、登記情報を含む区画の属性に基づき、その指定区画に設置或いは建設することが許容されるような構造物を描画するCAD情報を生成する。最後にステップS47にて、CAD情報生成部313は、CAD情報に基づき描画される構造物を俯瞰図の指定区画上に配置して表示部360に表示させる。
【0045】
図16は、図14に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。図に示すように、俯瞰図OV4は、CIGS300による処理によって、俯瞰図OV4mに変換される。俯瞰図OV4mには、指定区画SS4上に「構造物SO4」が配置される。このようにして、CIGS300によれば、所望の区画を指定するという極めて簡易な操作によるだけで、登記情報の一部を含む指定区画の属性に応じてカスタマイズされた構造物を表示した俯瞰図を提供することが可能である。この例では、構造物の平面図を表示してあるが、生成したCAD情報に基づき、3次元の構造物、即ち、斜視図(パース図)、室内パース図などを表示することも可能である。
【0046】
図17は、図14に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。この例では、既に、本システムによる構造物を俯瞰図に配置して表示した後で、視点変更要求の操作入力を受けた場合の処理を説明する。図に示すように、ステップS51では、操作受付部312が、指定変更要求の操作入力を受け付けた否かを判定する。ユーザはマウスで図18の視点変更要求地点SVをクリックすることにより指定変更要求の操作入力を行う。視点変更要求地点SVには、図18に示すように、当該地点から指定区画SS4を撮影した画像に視点を変更した画像を取得するためのアンカー情報(例えば、別視点の画像情報を提供する外部サーバのurlなどのハイパーリンク情報など)が埋め込まれている。指定変更要求がない場合は、そのまま、構造物を俯瞰図に配置して表示し、処理を終える。指定変更要求があった場合は、ステップS53にて、取得部311が、別視点の画像情報を取得する。ここで、別視点の画像としては、道路から周囲の建物を撮影した画像が好適であり、このような画像はインターネットを介して大手検索サイトから容易に入手することができる。最後に、ステップS54にて、CAD情報生成部313が、別視点の画像情報による画像(俯瞰図や地上から指定区画近辺を含む画像など)に構造物を配置して、表示する。配置した構造物が、指定区画からずれている場合は、ユーザは、マウスで構造物の位置を修正する位置変更要求を行い、操作受付部は、当該要求の操作入力を受け付け、CAD情報生成部が、当該要求に基づく、構造物の位置を変更して、画像に配置することが好適である。
【0047】
図18は、図17に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。図に示すように、俯瞰図OV4は、CIGS300による処理によって、道路上の地点SVから指定区画SS4を見る画像(ストリートビュー画像)OV4m1に変換される。本システムの取得部は、地点SVの関連情報も取得する。地点SV関連情報には、地点SVの座標、撮影方向(カメラの傾斜角を含む)、カメラの高さ(高度)、カメラの画角(上下画角や左右画角)などのカメラ情報の一部を含むことが望ましい。点SV関連情報に含まれる情報が多いほど、より正確な処理が可能となる。例えば、画像OV4m1に示すように、左右画角avが既知であれば、既知の幾何学的演算によって、左端部から地点Bまでの角度aa1、地点Bから地点Cまでの角度aa2を求めることが可能である。この幾何学的演算はCAD情報生成部が行う。このようにして求めた角度aa1,aa2に基づき、指定区画SS4の画像内で位置決めを行うことが可能であり、構造物SO4−cの重心GCを既知の幾何学的演算によって求めれば、構造物SO4−cを画像内における適正な位置に配置することが可能となる。このような画像内での位置決め手法は、既知のものが多数あり、本発明は上述した手法に限定されるものではない。この例では、左右画角について説明したが、上下画角が既知であれば、上下方向では、計算が若干複雑にはなるが既知の幾何学的計算によって構造物を適正に配置することが可能である。また、360度全ての方向の画像情報をパノラマ画像で得られる場合であっても、表示装置に表示される切り出し画像「ビュー」に対する疑似的な画角を計算で求めることが可能であり、上記の手法により構造物を適正に配置することが可能である。このような幾何学的計算と地点SV関連情報とによって、画像OV4m1には、指定区画SS4上に立体表示された「構造物SO4―c」が適正に配置される。このようにして、CIGS300によれば、所望の区画を指定し、さらに、視点変更要求を入力するという極めて簡易な操作によるだけで、指定区画の属性に応じてカスタマイズされた構造物を表示した「道路から指定区画を見る画像」を提供することが可能である。
【0048】
図19は、図18に示した処理の変形例を示すフローチャートである。この例では、既に、図18の視点変更要求を受けてステップS54の処理により表示を変更した後で、さらに、基準物を指定する操作入力を受けた場合の処理を説明する。図18の説明では、画角などのカメラ情報と撮影地点の情報などから、区画および構造物の位置決めが適正に実行できることを示したが、縮尺情報やカメラ情報や撮影地点の情報に誤差やエラーが含まれることがあり、そのような場合には、構造物の寸法が適正な誤差範囲内に収まらないこともあり得得る。本例は、そのような場合に、画像内の既知の寸法を持つオブジェクト(これを基準物という。)に基づき、補正を行う手法を説明する。図に示すように、ステップS55では、操作受付部312が、構造物の寸法を変更するための「基準物(例えば、一般的に寸法が定まっている窓枠)」を指定する操作入力を受け付け、CAD情報生成部313が、基準物の寸法情報(予め記憶部に格納しておくか、基準物を指定する操作入力時にユーザより入力される。)に基づき、構造物の表示寸法を補正して、表示する。
【0049】
図20は、図19に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。図に示すように、画像OV4m2は、CIGS300による処理によって、画像OV4m3に変換される。画像OV4m2には、指定区画SS4上に立体表示された「構造物SO4―c」が配置される。既存建物の窓wd1、wd2をユーザは基準物として指定する。記憶部には、住宅用の窓の標準寸法200cm(古い住宅では180cm)を格納してあり、窓の基準物を指定された場合は、窓の標準寸法200cmが読み取られ、この標準寸法に基づき、構造物SO4―cの表示寸法を補正し、画像OV4m3上に補正された構造物SO4―rを得る。構造物に含まれる窓wd3も補正された窓wd3−rに変換される。このようにして、CIGS300によれば、所望の区画および基準物を指定するという極めて簡易な操作によるだけで、指定区画の属性および基準物の寸法に応じてカスタマイズされた構造物を表示した「道路から指定区画を見る画像」を提供することが可能である。他の区画や既存建物のラインLN1、LN2、指定区画のラインL3は、視点変更要求地点SVの位置により、一定の傾きを持つ傾向がある。本システムは、このような一定の傾きを持つラインを既知の画像処理方法によって抽出し、その傾きと同じ傾きになるように構造物SO4―cのラインLN4を処理するような補正処理を行ってもよい。もちろん、ユーザが、一定の傾きを持つラインLN1−3を基準線としてマウスなどで指定し、これら基準線と同じ傾きを持つべき構造物のラインLN4を対応ラインとしてマウスで指定して、補正処理を行うことも可能である。
【0050】
図21は、図14に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。実施態様1で説明した処理と異なる処理を主として説明する。即ち、ステップS61の処理の説明は省略する。図に示すように、ステップS62では、操作受付部が、俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分を指定区画として指定する第1の操作入力、および、既知の基準物を指定する第2の操作入力を受け付ける。ステップS63では、記憶部が、区画の属性毎に異なる構造物のCAD情報を生成する、或いは、区画の属性、即ち、パターン(形状や敷地面積)に対応した複数のCAD情報を含むマスターCAD情報MCIを格納する。さらに、基準物の寸法情報を格納することが好適である。ステップS64では、CAD情報生成部が、マスターCAD情報MCIを参照して、区画の属性および基準物に基づき、その指定区画に設置或いは建設することが許容されるような構造物を描画するCAD情報(例えば、3次元モデル)を生成する。最後にステップS65にて、CAD情報生成部は、CAD情報に基づき描画される構造物を俯瞰図の指定区画上に配置して表示部に表示させる。
【0051】
図22は、図21に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。図に示すように、俯瞰図OV5は、CIGS300(本例は、CIGS100、200でも実施可能である。)による処理によって、俯瞰図OV5mに変換される。俯瞰図OV5では、ユーザは候補地として指定区画SS5を規定する地点A,B,C,Dを第1の操作入力として指定し、この区画の近くにある基準物としてプールPLを第2の操作入力として指定する。プールPLは、その4つの頂点を指定してもよいし、プールPLの位置する任意の点を1点だけ指定し、既知の画像処理によってプールPLの矩形領域を決定(推定)してもよい。また、衛星写真や航空写真で撮影される屋外プールの多くは、基本的な寸法(例えば、縦25m、横10m)が決まっており、このような基準物の寸法は記憶部に予め格納しておき、プールを指定した場合はプールの寸法を使用し、他の基準物の場合は該当する寸法を使用する。基準物としてプールPLの寸法を使えば、縮尺情報や登記情報を取得せずに、指定区画SS5の寸法、敷地面積を算出することが可能である。このようにして算出した指定区画の敷地面積や縦、横の敷地の計算による疑似測量結果に基づき、当該敷地に適した構造物SO5を俯瞰図OV5m上に配置して表示する。また、縮尺情報を取得できた場合であっても、そのなかに誤差があるため、本手法のように基準物の寸法情報に基づき、適正な補正を施すことが好適である。基準物としてプールや窓枠を例示したが、寸法を予め予測できる他の基準物であってもよい。
【0052】
全ての実施態様に共通するが、マスターCAD情報MCIの内容を説明する。好適には、マスターCAD情報には、構造物を構成するユニット(壁、床、トイレ、バス、窓、玄関、天井、屋根、壁・床・天井などを含む部屋ユニット)、或いは、ユニットの構成に使用したり、単独で構造物の構成要素にしたりするような、部材(床材、壁用ボード、天井材、窓・ドア・サッシなどの建具)の情報(構造物の設計情報)と、これらを連結して構造物を作製する構築ルールを格納してあり、本システムは、マスターCAD情報を参照して、区画の属性などに基づき、「新たな構造物」のCAD情報を生成する。区画の属性に基づきCAD情報を生成する前に、事前作業として、当該区画における建築可能空間を求めることが好適である。例えば、指定区画の建蔽率、容積率、前面道路、隣接地、天空率などの建築制限情報を取得或いは推定できれば、建築可能空間を求めることが可能となる。
【0053】
既存建物KO1の領域指定と、既存建物区画KR1との領域指定とをマウスで行い、これの操作入力を取得し、既存建物KO1の面積を既存建物区画KR1の面積を割ることによって、本システムは推定建蔽率を算出することも可能である。既存建物KO2,KO3、既存建物区画KR2、KR3というようにサンプル数を増やして、平均値を求めることによって、より精度の高い推定建蔽率を求め、当該指定区画の建築制限情報として推定建蔽率を利用してもよい。この手法は、図12のような既存建物の3次元CAD情報を得られる場合に応用することが可能であり、その場合は、既存建物区画の領域指定と、当該領域に設置される既存建物の3次元構造物を指定することによって、推定容積率を求めることが可能である。具体的には、標準的な階高(例えば3m)などを使用すれば、既存建物の3次元構造物の延べ床面積を算出することが可能であり、これを既存建物区画の面積で割ることによって、推定容積率を算出することが可能である。建蔽率や容積率などの公的な建築制限情報を取得できないときには、このような推定情報を利用することが好適である。さらに、同様に既存建物の形状から斜線規制線、高さ制限、日影規制などの情報の推定値を算出し、これらを建築制限情報として使用することが好適である。
【0054】
図23は、CAD情報を生成する手法の説明図である。図に示すように、指定区画SS6の属性(例えば、建蔽率、高さ制限、斜線規制などの建築制限情報)に基づき、構造物の建築可能空間PVを求める。建築可能空間PVは、建築領域PA上に位置する。なお、建築制限情報に依存するが、建築可能空間PVおよび建築領域PAは、指定区画上で移動したり、増減したり、変形したりする場合もある。後は、容積率や階高を考慮に入れると、建築可能空間PV内に新たな構造物SO6の外枠(外観を構成する3次元CAD情報など)を求めることが可能となる。このような構造物SO6を構成する要素として、構造物を構成するユニットを幾つかを連結して構造物SO6内に埋め込むことで、最終的なCAD情報を生成する。この図では、1階(1F)と2階(2F)とからなる2階建ての構造物SO6のためのCAD情報を生成する。構造物SO6は、2階建の構造物にしてあるが、高さ制限に余裕がある場合は建築可能空間PV−aのように空間が上方に拡張されるため、3階建にしても建築可能空間PV−aに構造物が収まるため、容積率の制限内において3階(3F)を含む3階建ての構造物SO6−aを生成してもよい。
【0055】
さらに、指定区画の建築制限情報として、例えば、北側隣接地NNの情報、方位情報、および、北側斜線規制線の情報(規制線を置くべき位置や規制線の角度など)を取得できた場合は、建築可能空間PV−aを北側斜線NTLで切り取った建築可能空間PV−bのような空間が建築可能空間となる。従って、この空間内において、容積率の許す範囲の構造物は、構造物SO6-bのような2階、3階の北側が徐々に切り取られたような構造となる。このような建築可能空間を考慮した構造物変形(生成)手法は、他の隣接地などでも同様であり、天空率や日影規制を考慮する場合も同様である。
【0056】
また、マスターCAD情報には、構築ルールを含むことができ、例えば、敷地50平方メートルまでは、3階建て家屋で、一階に玄関、洋室、2階に居間、トイレ、浴室、3階に寝室という構築ルール、敷地50平方メートル以上は2階建て一階に玄関、洋室、居間、トイレ、浴室、2階に子供部屋を2つという構築ルールを規定しておき、建築可能空間内に収容可能であり、建蔽率、容積率、日影規制、斜線規制などの建築制限情報を満たすような適当なユニットを選択してCAD情報を生成してもよい。
【0057】
或いは、マスターCAD情報MCIには、例えば、企業や組織が過去に設計し、蓄積してある既存のCAD設計情報を格納して利用することも可能である。さらに、マスターCAD情報MCIには、幾つかの敷地の大きさ、形状に応じて新たに設計した各構造物のCAD情報を格納しておいてもよい。また、商業地区用にはオフィス向けビル、住宅街用には一般的な家屋のCAD情報を用意してマスターCAD情報MCIに格納しておく。このマスターCAD情報には、敷地情報(即ち、構造物が建てられた敷地および構造物の設置場所の情報、および、敷地や構造物の方位情報)を含むことが好適である。CAD情報生成部は、指定された区画の情報と、マスターCAD情報MCIに含まれる情報とをマッチングして、最も類似度が高い敷地情報を持つ構造物のCAD情報を選択し、選択したCAD情報の構造物に適正な補正を施すことで、当該区画にカスタマイズした構造物のCAD情報を得る。例えば、マッチした敷地情報の敷地面積よりも指定区画のそれが小さい場合は、構造物自体をそれに応じて小さくし、内部の部屋を削除したり、或いは居間などの寸法などを小さくしたりすることで対応することが好適である。
【0058】
<実施態様4>
図24は、本発明の一実施態様によるCAD情報生成システム(CIGS)の概要を示すブロック図である。図に示すように、CIGS400は、制御部(CPU)410と、入力部420と、出力部430と、通信部440と、記憶部450と、表示部460とを有する。制御部410は、取得部411、操作受付部412、および、CAD情報生成部413を有する。また、制御部410は、さらに、見積処理部414、および、環境機器寄与数値計算部415を有する。記憶部450は、区画の属性に対応する少なくとも1つのCAD情報を含むマスターCAD情報MCI、および、少なくとも1つの建築制限情報CLIを格納し、さらに、座標(例えば緯度および経度)と住所(例えばxx市yy町z丁目y番地など)とを関連付けた住所情報AIを格納する。また、取得部411は、通信部440を制御して、住所(完全な住所でなく、何丁目レベルでもよい。)に基づきネットワークNETを介して、登記情報提供サーバRIDSや公的情報提供サーバPIDSから登記情報や公的情報(例えば、公的な地図である公図、地目、土地の用途、斜線規制、建物の高さ制限、建蔽率、容積率など)を取得することができ、これらの公的情報を建築制限情報として利用して、CAD情報を生成してもよい。特に、公図が得られる場合には、隣接地や道路付けが詳細に判明するため、斜線規制、例えば、北側斜線規制などを正確に適用した構造物を生成するCAD情報を生成することが可能となる。
【0059】
本実施態様におけるマスターCAD情報MCIは、ソーラー電池パネル、太陽熱温水器ユニット、風力発電機、雨水利用タンクなどの自然エネルギーや雨水などの自然資源を利用する環境機器のCAD情報をさらに含むものである。従って、CAD情報生成部413は、ソーラー電池パネルなどの環境機器を屋根、屋上、壁面、指定区画の敷地内などに設置・搭載した構造物のCAD情報を生成することが可能である。また、記憶部450は、見積情報EI、工程情報PI、環境機器数値情報NEI、および、位置別環境機器数値情報LNEIを格納する。見積情報EIは、CAD情報が対象とする構造物を構成するユニット(壁、床、トイレ、バス、窓、玄関、天井、屋根、壁・床・天井などを含む部屋ユニット、建物を載せるコンクリート基礎など)、或いは、ユニットの構成に使用したり、単独で構造物の構成要素にしたりするような、部材(床材、コンクリート、石材、鉄筋、壁用ボード、天井材、窓・ドア・サッシなどの建具、配線器具、配線など)の単価情報、ユニットや部材を使用する場合の標準工程の単価情報(壁紙施工工事の単価など)、および、指定区画に構造物を設置・構築する場合に必要な標準工程の単価情報(例えば、基礎工事の平米当たりの施行単価など)を含み、さらには、家屋単位での単価情報(坪単価)、区画単位の単価情報(整地などの土木工事の坪単価)を含む。工程情報PIは、1つの構造物を設置・構築するのに必要とされる標準工程を含む。標準工程には、例えば、大まかに2階建て木造家屋の基礎工事から大工、電気工事までも含む家屋標準工程、部材やユニットに関連する作業工程(例えば、バスユニットの搬入、上下下水管の接続を含む設置工事など)も含まれる、敷地の整地などの部材やユニットに直接関連しない作業工程も含まれる。見積処理部414は、生成したCAD情報が対象とする区画および構造物の組み合わせにおける概算見積情報を計算する。概算見積情報は、生成したCAD情報に含まれる構造物の構成要素を詳細に規定するほど、より正確なものになるが、敷地面積と構造物の延べ床面積、木造か鉄筋コンクリート造(RC造)といった程度の情報であっても坪あたり単価情報により、実用的な概算見積数値を計算することが可能である。
【0060】
環境機器数値情報NEIは、ソーラー電池パネルや風力発電機なの環境機器のユニットあたりの予測発電量などの自然エネルギーから獲得できる電力、或いは、太陽熱温水器の1ユニットあたりの熱量(カロリー)、雨水タンクに収容できる雨水の容量などの情報、或いは、獲得した電力や自然資源をCO2削減量に換算した数値情報や換算式や換算計数などの変換情報を含む。環境機器寄与数値計算部は、生成したCAD情報に含まれる環境機器に対応する環境機器数値情報NEIの情報を参照することによって、例えば、環境機器によって獲得できる単位期間あたりの予測電力量やCO2削減量を計算することが可能である。また、見積情報EIに、環境機器の単価情報、獲得した電力の売買単価情報が含まれる場合は、環境機器寄与数値計算部415は、環境機器の投資効果(何年で環境機器の投資分を回収し、その後は、年間何年の利益が買電で得られるなど)を把握するための収支情報を計算することができる。
【0061】
位置別環境機器数値情報LNEIは、地域、住所、或いは、緯度・経度別に、太陽熱や太陽光を利用する環境機器用の年間日照時間情報などの天候情報、気候情報、或いは風力発電機用の風力情報、雨水タンク用の年間降雨量情報を含む。環境機器寄与数値計算部415は、これらの位置別の日照時間情報や天候情報などを利用して、自然エネルギーにより獲得できるより正確な電力量などを計算する。最も簡便な方法は、当該環境機器の日本における標準数値を、天候情報などを勘案した補正係数で乗算する手法を使用することが可能である。或いは、これらの天候情報や環境機器の設置状況などを考慮して、各環境機器の数値を位置別に予め用意して、それらの位置別補正済みの環境機器数値を使用して、位置別の天候情報や気象情報を考慮した予測電力量などの環境機器寄与数値をダイレクトに計算してもよい。
【0062】
図25は、図24に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。図に示すように、ステップS71にて、取得部411が、通信部440を用いて、上空或いは宇宙から撮影された画像情報(航空写真や衛星写真などの情報)をネットワーク(インターネットなど)を介して取得する。表示部460は画像情報に基づく俯瞰図を表示する。次にステップS72にて、操作受付部412が、俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分(例えば、空き地、駐車場、簡易な建物しかない領域など)を指定区画として指定する操作入力を受け付ける。ステップS73では、記憶部450が、区画の属性毎に異なる構造物のCAD情報を生成する(例えば、区画に応じた3次元モデリングを生成する3次元モデル情報)、区画の属性、即ち、パターン(形状や敷地面積)に対応した複数のCAD情報、ソーラー電池パネル、太陽熱温水器ユニット、風力発電機、雨水利用タンクなどの自然エネルギーや雨水などの自然資源を利用する環境機器のCAD情報を含むマスターCAD情報MCIを格納する。ステップS74では、CAD情報生成部113が、マスターCAD情報MCIを参照して、指定区画に基づき、その指定区画に設置或いは建設することが許容されるような構造物を描画するCAD情報(例えば、3次元モデル)を生成するが、マスターCAD情報MCIが環境機器のCAD情報を含むため、例えば、構造物の屋根にソーラー電池パネルを設置するのに十分な面積が得られる場合には、環境機器としてソーラー電池パネルを屋根に含む構造物を描画するCAD情報を生成する。最後にステップS75にて、CAD情報生成部413は、CAD情報に基づき描画される、環境機器を含む構造物を俯瞰図の指定区画上に配置して表示部460に表示させる。
【0063】
図26は、図24に示したシステムで実行される見積処理の一例を示すフローチャートである。図に示すように、ステップE11にて、見積処理部414が、生成したCAD情報(好適には指定区画の属性も考慮して)に基づき、工程情報PIを参照して、構造物を建築・設置するための所要工程情報を生成する。ステップE12では、見積処理部414が、生成した所要工程情報に基づき、見積情報EIを参照して、CAD情報により構築されるべき構造物の概算見積情報を生成する。
【0064】
図27は、図24に示したシステムで実行される環境機器寄与数値のための計算処理の一例を示すフローチャートである。図に示すように、ステップP11にて、環境寄与数値計算部415が、CAD情報に含まれる環境機器に基づき、環境機器数値情報を参照して、環境機器により獲得できる予想数値(発電量など)を計算する。ステップP12では、環境寄与数値計算部415が、位置別環境機器数値情報を参照して、予想数値を補正する。ステップP13では、環境寄与数値計算部415が、補正後予想数値に基づき、CO2削減量や環境機器設置による収支を計算する。
【0065】
図28は、隣接区画の地形や既存建物の影響を考慮した環境機器寄与数値のための計算処理の一例を示すフローチャートである。ステップP11,P12,P13の処理は図27の各ステップと同じである。ステップP12−1では、環境寄与数値計算部415が、隣接区画の地形、既存建物、および既存構造物などによる環境機器への影響度に基づき、予想数値をさらに補正する。例えば、隣接区画の既存建物や電柱などの公共構造物の位置、高さ、方位などの情報があれば、新たな構造物に含まれる環境機器への日照の影響などを影響度という補正係数として規定できる。この補正係数を影響度として使用して、予測数値に乗ずることにより、周辺環境を考慮したより適正な環境機器寄与数値(電力量、CO2削減量など)を算出することが可能となる。
【0066】
図29は、図25〜27に示した処理により得られる画像を説明する説明図である。図に示すように、俯瞰図OV3は、CIGS400による処理によって、俯瞰図OV3nに変換される。ちなみに俯瞰図OV3は図13と同じものである。俯瞰図OV3nには、指定区画SS3上に立体表示された「構造物SO3−n」が配置される。このようにして、CIGS400によれば、所望の区画を指定するという極めて簡易な操作によるだけで、環境機器のソーラー電池パネルSPを4ユニット設置した構造物を描画し、さらには、その環境機器の見積までを含む構造物の概算見積(RC造3階建ビル:x億y千万円(そのうち環境機器費用yyy万円))、環境機器寄与数値(ソーラー電池パネル4ユニット:年間発電量xxx kw、削減CO2量、xxトン)、および、環境機器収支(機器の投資は6年で回収、その後は売電により年間xxx万円の収入見込み)等の情報を含む見積ウィンドウEIWを表示部に表示することが可能である。本実施態様によれば、顧客は、環境機器を含む具体的な概算見積や環境機器寄与数値などを簡便に得ることができ、他方、業者側は建築プロジェクトへの強力な営業ツールとして概算見積などを活用することが可能となる。
【0067】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部、各ステップなどに含まれる処理や機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段/部やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0068】
100,200,300,400 CAD情生成システム(CIGS)
110 制御部
111 取得部
112 操作受付部
113 情報生成部
120 入力部
130 出力部
140 通信部
150 記憶部
160 表示部
210 制御部
211 取得部
212 操作受付部
213 情報生成部
220 入力部
230 出力部
240 通信部
250 記憶部
260 表示部
310 制御部
311 取得部
312 操作受付部
313 情報生成部
320 入力部
330 出力部
340 通信部
350 記憶部
360 表示部
410 制御部
411 取得部
412 操作受付部
413 情報生成部
414 見積部
415 環境機器寄与数値計算部
420 入力部
430 出力部
440 通信部
450 記憶部
460 表示部
A,B,C,D 地点
aa1,aa2 角度
av 左右画角
GC 重心
IIDS 画像情報提供サーバ
PIDS 公的情報提供サーバ
KT1 既存建物
KT2 既存建物
MCI マスターCAD情報
CLI 建築制限情報
AI 住所情報
EI 見積情報
PI 工程情報
NEI 環境機器数値情報
LNEI 位置別環境機器数値情報
MUS マウス
NET ネットワーク
OV1 俯瞰図
OV1m 俯瞰図
OV2 俯瞰図
OV2m 俯瞰図
OV2m1 俯瞰図
OV3 俯瞰図
OV3m 俯瞰図
OV4 俯瞰図
OV4m 俯瞰図
OV4m1 画像
OV4m2 画像
OV4m3 画像
OV5 俯瞰図
OV5m 俯瞰図
PL プール
RIDS 登記情報提供サーバ
SO1 構造物
SO2 構造物
SO3 構造物
SO3-c 構造物
SO4 構造物
SO5 構造物
SO6 構造物
SS1−SS6 指定区画
SV 視点変更要求地点
wd1,wd2,wd3 窓
LN1−4 ライン
PV,PV−a,PV−b 建築可能空間
PA 建築領域
NN 北側隣接地
NTL 北側斜線
KO1−KO3 既存建物
KR1−KR3 既存建物区画

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CAD情報生成システムであって、
上空或いは宇宙から撮影された画像情報をネットワークを介して取得する取得部と、
前記画像情報に基づく俯瞰図を表示する表示部と、
前記俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分を指定区画として指定する操作入力を受け付ける操作受付部と、
区画の属性に対応する少なくとも1つのCAD情報を含むマスターCAD情報を格納する記憶部と、
前記記憶部に格納されている前記マスターCAD情報を参照して、前記指定区画に基づき、該指定区画に設置或いは建設することが許容されるような構造物を描画するCAD情報を生成するCAD情報生成部と、
を有することを特徴とするCAD情報生成システム。
【請求項2】
請求項1に記載のCAD情報生成システムにおいて、
前記記憶部が、
少なくとも1つの建築制限情報をさらに格納し、
前記CAD情報生成部が、
前記建築制限情報をさらに参照して、前記指定区画に基づき、該指定区画に設置或いは建設することが許容される構造物を描画するCAD情報を生成する、
ことを特徴とするCAD情報生成システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のCAD情報生成システムにおいて、
前記取得部が、
前記表示部により表示される前記俯瞰図に含まれる、少なくとも1つの既存建物の立体情報を前記ネットワークを介してさらに取得し、
前記表示部が、
前記既存建物の立体情報に基づく立体図を含む前記画像情報および俯瞰図を表示する、
ことを特徴とするCAD情報生成システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のCAD情報生成システムにおいて、
前記取得部が、
前記表示部により表示される前記俯瞰図に含まれる少なくとも1つの既存建物が位置する区画の登記情報をインターネットを介してさらに取得し、
前記CAD情報生成部が、
前記登記情報にさらに参照して、前記指定区画に基づき、該指定区画に設置或いは建設することが許容される構造物を描画するCAD情報を生成する、
ことを特徴とするCAD情報生成システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のCAD情報生成システムにおいて、
前記取得部により取得される前記画像情報が、縮尺情報を含み、
前記CAD情報生成部が、
前記縮尺情報に基づき、前記指定区画の面積を算出し、該面積にさらに基づき、前記指定区画に設置或いは建設することが許容される構造物を描画するCAD情報を生成する、
ことを特徴とするCAD情報生成システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のCAD情報生成システムにおいて、
前記取得部により取得される前記画像情報が、方位情報を含み、
前記CAD情報生成部が、
前記方位情報にさらに基づき、前記指定区画に設置或いは建設することが許容される構造物を描画するCAD情報を生成する、
ことを特徴とするCAD情報生成システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のCAD情報生成システムにおいて、
前記操作受付部が、
前記俯瞰図に示された領域のうち、該俯瞰図の縮尺情報に換算し得る基準物が占める領域を基準物情報として指定する操作入力を受け付け、
前記記憶部が、
基準物寸法情報をさらに格納し、
前記CAD情報生成部が、
前記基準物情報から前記記憶部を参照して得られる基準物寸法情報に基づき、前記構造物の位置、該構造物の表示寸法、前記指定区画の表示寸法のうちの少なくとも1つを補正して、補正後の構造物を前記画像内で設定された指定区画上に配置して前記表示部に表示させる、
ことを特徴とするCAD情報生成システム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のCAD情報生成システムにおいて、
前記取得部が、
前記指定区画の少なくとも一部を含む領域を地上の道路から撮影した地上画像情報を前記ネットワークを介してさらに取得し、
前記表示部が、
前記地上画像情報を地上画像図として表示し、
前記CAD情報生成部が、
前記CAD情報に基づき描画される構造物を前記地上画像図の前記指定区画上に配置して前記表示部に表示させる、
ことを特徴とするCAD情報生成システム。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のCAD情報生成システムにおいて、
前記操作受付部が、
前記俯瞰図に示された領域内の前記指定区画の少なくとも一部を撮影した別視点の画像に変更するための視点変更要求を受け付け、
前記取得部が、
前記別視点の画像情報、および、別視点で撮影したときの撮影情報を取得し、
前記CAD情報生成部が、
前記別視点の画像情報による画像内で、前記撮影情報に基づき、前記指定区画を設定し、前記CAD情報に基づき描画される構造物を前記画像内で設定された指定区画上に配置して前記表示部に表示させる、
ことを特徴とするCAD情報生成システム。
【請求項10】
請求項9に記載のCAD情報生成システムにおいて、
前記操作受付部が、
前記別視点の画像情報により画像内の縮尺情報に換算し得る基準物が占める領域を基準物情報として指定する操作入力を受け付け、
前記記憶部が、
基準物寸法情報をさらに格納し、
前記CAD情報生成部が、
前記基準物情報から前記記憶部を参照して得られる基準物寸法情報に基づき、前記構造物の位置、該構造物の表示寸法、前記指定区画の表示寸法のうちの少なくとも1つを補正して、補正後の構造物を前記画像内で設定された指定区画上に配置して前記表示部に表示させる、
ことを特徴とするCAD情報生成システム。
【請求項11】
取得部、表示部、操作受付部、CAD情報生成部を有するCAD情報生成システムを利用してCAD情報を生成するCAD情報生成方法であって、
前記取得部が、上空或いは宇宙から撮影された画像情報をネットワークを介して取得する取得ステップと、
前記表示部が、前記画像情報に基づく俯瞰図を表示する表示ステップと、
前記俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分を指定区画として指定する操作入力を受け付ける操作受付ステップと、
前記記憶部が、区画の属性に対応する少なくとも1つのCAD情報を含むマスターCAD情報を格納する格納ステップと、
前記CAD情報生成部が、前記記憶部に格納されている前記マスターCAD情報を参照して、前記指定区画に基づき、該指定区画に設置或いは建設することが許容されるような構造物を描画するCAD情報を生成するCAD情報生成ステップと、
を有することを特徴とするCAD情報生成方法。
【請求項12】
CAD情報生成方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
上空或いは宇宙から撮影された画像情報をネットワークを介して取得する取得ステップと、
前記画像情報に基づく俯瞰図を表示する表示ステップと、
前記俯瞰図に示された領域のうち新たな構造物(建物など)の設置或いは建設に適した部分を指定区画として指定する操作入力を受け付ける操作受付ステップと、
区画の属性に対応する少なくとも1つのCAD情報を含むマスターCAD情報を格納する格納ステップと、
前記マスターCAD情報を参照して、前記指定区画に基づき、該指定区画に設置或いは建設することが許容されるような構造物を描画するCAD情報を生成するCAD情報生成ステップと、
を有することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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