説明

HCVNS3プロテアーゼ阻害剤

本発明は、C型肝炎ウイルス(HCV)NS3プロテアーゼの阻害剤として有用な式(I)の大環状化合物、これらの合成およびHCV感染を治療または予防するためのこれらの使用に関する。(I)


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、C型肝炎ウイルス(HCV)NS3プロテアーゼの阻害剤として有用な大環状化合物、これらの合成およびHCV感染を治療または予防するためのこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(HCV)感染は、慢性肝疾患、例えば肝硬変および肝細胞癌をもたらす重要な健康上の問題であり、感染者は相当数に及び、世界人口の2−15%と推定される。米国疾病予防管理センターによれば、米国だけで390万人が感染していると推定され、これはヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者数のほぼ5倍である。世界保健機構によれば、全世界の感染者数は1億7000万人を上回り、毎年少なくとも300万人から400万人が感染している。感染すると、約20%の人々はウイルスを除去するが、残りはHCVを終生保有する。慢性感染者の10%から20%は、肝臓を破壊する肝硬変または癌を最終的に発症する。ウイルス性疾患は性的に伝染し、汚染した血液および血液製剤、汚染した注射針により非経口的に伝染し、感染母体またはキャリヤー母体からこれらの子孫へと垂直伝染する。
【0003】
HCV感染のための現行の治療は、組換えインターフェロン−α単独またはヌクレオシドアナログのリバビリンとの組合せによる免疫療法に制限されており、臨床上の利点が限られている。さらに、HCVのためのワクチンは確立されていない。したがって、慢性HCV感染に有効に抵抗する改善された治療剤が緊急に必要とされている。HCV感染の治療技術の現状は、以下の参照文献において議論されている:B.Dymockら、「Novel approaches to the treatment of hepatitis C virus infection」、Antiviral Chemistry & Chemotherapy、11:79−96頁(2000);H.Rosenら、「Hepatitis C virus:current understanding and prospects for future therapies」、Molecular Medicine Today、5:393−399頁(1999);D.Moradpourら、「Current and evolving therapies for hepatitis C」、European J.Gastroenterol.Hepatol.、11:1189−1202頁(1999);R.Bartenschlager、「Candidate Targets for Hepatitis C Virus−Specific Antiviral Therapy」、Intervirology、40:378−393頁(1997);G.M.LauerおよびB.D.Walker、「Hepatitis C Virus Infection」、N.Engl.J.Med.、345:41−52頁(2001);B.W.Dymock、「Emerging therapies for hepatitis C virus infection」、Emerging Drugs、6:13−42頁(2001);およびC.Crabb、「Hard−Won Advances Spark Excitement about Hepatitis C」、Science:506−507頁(2001)。
【0004】
ウイルスによりコードされる数種の酵素は治療介入のための推定標的であり、これらはメタロプロテアーゼ(NS2−3)、セリンプロテアーゼ(NS3)、ヘリカーゼ(NS3)およびRNA依存性RNAポリメラーゼ(NS5B)を含む。NS3プロテアーゼはNS3タンパク質のN末端ドメイン内に位置しており、NS3/4A部位での分子内開裂ならびにNS4A/4B、NS4B/5AおよびNS5A/5B境界での下流の分子間プロセッシングを担っているので、主要な薬物標的と考えられている。NS4Aは、NS3プロテアーゼ活性のための補因子である。従来の研究により、NS3プロテアーゼを阻害する活性の程度を示す米国特許出願第2005/0020503号明細書、同第2004/0229818号明細書および同第2004/00229776号明細書において議論されているヘキサペプチドならびにトリペプチドのようなペプチドのクラスが同定されている。本発明の目的は、HCVNS3プロテアーゼに対して活性を示すさらなる化合物を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0020503号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0229818号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/00229776号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】B.Dymockら、「Novel approaches to the treatment of hepatitis C virus infection」、Antiviral Chemistry & Chemotherapy、11:79−96頁(2000)
【非特許文献2】H.Rosenら、「Hepatitis C virus:current understanding and prospects for future therapies」、Molecular Medicine Today、5:393−399頁(1999)
【非特許文献3】D.Moradpourら、「Current and evolving therapies for hepatitis C」、European J.Gastroenterol.Hepatol.、11:1189−1202頁(1999)
【非特許文献4】R.Bartenschlager、「Candidate Targets for Hepatitis C Virus−Specific Antiviral Therapy」、Intervirology、40:378−393頁(1997)
【非特許文献5】G.M.LauerおよびB.D.Walker、「Hepatitis C Virus Infection」、N.Engl.J.Med.、345:41−52頁(2001)
【非特許文献6】B.W.Dymock、「Emerging therapies for hepatitis C virus infection」、Emerging Drugs、6:13−42頁(2001)
【非特許文献7】C.Crabb、「Hard−Won Advances Spark Excitement about Hepatitis C」、Science:506−507頁(2001)
【発明の概要】
【0007】
本発明は、式(I)の新規大環状化合物または医薬として許容されるこれらの塩もしくは水和物もしくはプロドラッグに関する。これらの化合物は、化合物または医薬として許容されるこれらの塩もしくは水和物として(適宜)または医薬組成物成分として、他のHCV抗ウイルス剤、抗感染剤、免疫調節剤、抗生物質またはワクチンと組み合わせるか否かを問わず、HCV(C型肝炎ウイルス)NS3(非構造3)プロテアーゼの阻害、HCV感染の1種以上の症状の予防または治療に有用である。さらに特定すると、本発明は、式(I)
【0008】
【化1】

の化合物または医薬として許容されるこの塩、水和物もしくはプロドラッグ
[式中、
は、OH、NHSO、NHSONRまたはNHP(O)R1112であり;
は、C−CアルキルまたはC−Cアルケニルであり、ここで、アルキルまたはアルケニルは、0個から3個のハロで置換されており;
は、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキル、HetまたはC−Cシクロアルキルであり、ここで、アリールは、フェニルまたはナフチルであり、各アルキル、シクロアルキルまたはアリールは、ハロ、OR10、SR10、N(R10、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびCON(R10からなる群から選択される0個から3個の置換基で置換されており;
Hetは、N、OおよびSから選択される1個または2個のヘテロ原子を有する5員から6員の飽和環であり、ここで、環は、ハロ、OR10、SR10、N(R10、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびCON(R10から選択される0個から3個の置換基で置換されており;
各Rは、独立して、H、C−Cアルキル、ハロゲンまたはOR10であり;
は、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C−Cシクロアルキル、C−CハロアルキルまたはC−Cチオアルキルであり;ここで、アリールは、フェニルまたはナフチルであり、ヘテロアリールは、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族環であり、ヘテロシクリルは、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を有する5員から7員の飽和または不飽和非芳香族環であり;ここで、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキルまたはアルキルは、ハロ、OR10、SR10、N(R、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C−Cハロアルキル、C−Cシクロアルキル、シクロアルコキシ、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびCON(R10からなる群から選択される0個から4個の置換基で置換されており、ここで、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル置換基は、置換されていないかまたはC−Cアルキルもしくはアリールで置換されており;
各Rは、独立して、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル(C−C)アルキル、アリール、アリール(C−C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−Cアルキル)、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル(C−Cアルキル)であり、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、0個から2個のW置換基またはP(O)R1112で置換されており、ここで、各アリールは、独立して、フェニルまたはナフチルであり、各ヘテロアリールは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族環であり、各ヘテロシクリルは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を有する5員から7員の飽和または不飽和非芳香族環であり;
Wは、H、ハロ、OR10、C−Cアルキル、CN、CF、SR10、SO(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルコキシ、C−CハロアルキルまたはN(Rであり;
各Rは、独立して、H、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
Xは、O、NH、N(CH)、N(C(O)CH)、N(C(O)OCHCH)、CHまたはSであり;
またはX−Rは、結合箇所がヘテロ原子であるヘテロシクリル環であり;
Mは、C−Cアルキレン、C−Cアルケニレンまたは(C−Cアルキレン)−O−(C−Cアルキレン)であり、ここで、C−Cアルキレン、C−Cアルケニレンまたは(C−Cアルキレン)−O−(C−Cアルキレン)は、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル(C−Cアルキル)、アリール(C−Cアルキル)およびN(Rからなる群から選択される0個から4個の置換基で置換されており;ここで、Mの隣接する2個の置換基は一緒になって3員から6員環を形成してもよく;
は、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C3−シクロアルキル(C−Cアルキル)、アリール、アリール(C−Cアルキル)、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール(C−Cアルキル)またはヘテロシクリル(C−Cアルキル)であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、アリール、C−Cシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C−Cアルキル、ハロ(C−Cアルコキシ)、ハロ、OR10、SR10、N(R10、N(C−Cアルキル)O(C−Cアルキル)、C−Cアルキル、C(O)R10、C−Cハロアルキル、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、S(O)(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびC(O)N(R10からなる群から選択される0個から4個の置換基で置換されており;ここで、各アリールは、独立して、フェニルまたはナフチルであり;各ヘテロアリールは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族環であり;各ヘテロシクリルは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を有する5員から7員の飽和または不飽和非芳香族環であり;ここで、シクロアルキル、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの隣接する2個の置換基は一緒になって、N、OおよびSから選択される0個から3個のヘテロ原子を含有する3員から6員環を形成してもよく;
は、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル(C−Cアルキル)、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルコキシ、アリール、アリール(C−Cアルキル)、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール(C−Cアルキル)またはヘテロシクリル(C−Cアルキル)であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、アリール、C−Cシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C−Cアルキル、ハロ(C−Cアルコキシ)、ハロ、OR10、SR10、N(R10、N(C−Cアルキル)O(C−Cアルキル)、C−Cアルキル、C(O)R10、C−Cハロアルキル、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、S(O)(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびC(O)N(R10からなる群から選択される0個から4個の置換基で置換されており;ここで、各アリールは、独立して、フェニルまたはナフチルであり;各ヘテロアリールは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族環であり;各ヘテロシクリルは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を有する5員から7員の飽和または不飽和非芳香族環であり;ここで、前記シクロアルキル、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの隣接する2個の置換基は一緒になって、N、OおよびSから選択される0個から3個のヘテロ原子を含有する3員から6員環を形成してもよく;
またはRおよびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される0個から2個の追加のヘテロ原子を含有する4員から8員の単環を形成してもよく;
各R10は、独立して、HまたはC−Cアルキルであり;
各R11は、独立して、OR13、N(R10)−V−CO10、O−V−CO10、S−V−CO10、N(R10)(R13)、R14またはN(R10)SOであり;
各R12は、独立して、OR13、N(R10)−V−CO10、O−V−CO10、S−V−CO10またはN(R10)(R13)であり;
またはR11およびR12は、これらが結合しているリン原子と一緒になって、5員から7員の単環を形成してもよく;
各Vは、独立して、CH(R15)またはC−Cアルキレン−CH(R15)であり;
各R13は、独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、ここで、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、アリール、アリール(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル(C−Cアルキル)、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−Cアルキル)、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C−Cアルキル)、C−Cアルキル、ハロ、OC(O)OR、OC(O)R、OR10、SR10、N(R10、C(O)R10、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、S(O)(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびC(O)N(R10からなる群から選択される0個から2個の置換基で置換されており;ここで、各アリールは、独立して、フェニルまたはナフチルであり;各ヘテロアリールは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族環であり;各ヘテロシクリルは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を有する5員から7員の飽和または不飽和非芳香族環であり;ここで、シクロアルキル、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの隣接する2個の置換基は一緒になって、N、OおよびSから選択される0個から3個のヘテロ原子を含有する3員から6員環を形成してもよく;
14は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、アリールは、フェニルまたはナフチルであり、ヘテロアリールは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族環であり、ここで、前記アリールまたはヘテロアリールは、C−Cアルキル、ハロ、OC(O)OR、OC(O)R、OR10、SR10、N(R10、C(O)R10、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、S(O)(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびC(O)N(R10からなる群から選択される0個から2個の置換基で置換されており;
各R15は、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、ここで、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、C−Cアルキル、ハロ、OC(O)OR、OC(O)R、OR10、SR10、N(R10、C(O)R10、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、S(O)(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびC(O)N(R10からなる群から選択される0個から2個の置換基で置換されており;ここで、各アリールは、独立して、フェニルまたはナフチルであり;各ヘテロアリールは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族環であり;各ヘテロシクリルは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を有する5員から7員の飽和または不飽和非芳香族環であり;ここで、シクロアルキル、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの隣接する2個の置換基は一緒になって、N、OおよびSから選択される0個から3個のヘテロ原子を含有する3員から6員環を形成してもよい。]に関する。
【0009】
本発明はまた、本発明の化合物を含有する医薬組成物およびこのような医薬組成物を調製する方法を含む。本発明はさらに、HCV感染の1種以上の症状を治療または予防する方法を含む。
【0010】
本発明の他の実施形態、態様および特徴は、さらに記載されまたは以下の詳細な説明、実施例および添付の特許請求の範囲から明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、上述の式(I)の化合物および医薬として許容されるこれらの塩または水和物を含む。これらの化合物およびこれらの医薬として許容される塩または水和物は、HCVプロテアーゼ阻害剤(例えば、HCVNS3プロテアーゼ阻害剤)である。
【0012】
式(I)の化合物の第1の実施形態において、RはNHSOである。この実施形態の好ましいグループにおいて、RはC−Cシクロアルキルである。この実施形態のより好ましいグループにおいて、Rはシクロプロピルである。
【0013】
式(I)の化合物の第2の実施形態において、RはC−Cアルケニルである。この実施形態の好ましいグループにおいて、Rは−CH=CHである。
【0014】
式(I)の化合物の第3の実施形態において、RはC−Cシクロアルキルである。この実施形態の好ましいグループにおいて、Rは、シクロヘキシルまたはシクロペンチルである。
【0015】
式(I)の化合物の第4の実施形態において、Rは、独立して、H、クロロ、ヨードまたは−O−(C−Cアルキル)である。この実施形態の好ましいグループにおいて、Rは、独立して、H、クロロ、ヨードまたは−OCHである。
【0016】
式(I)の化合物の第5の実施形態において、Xは、O、NHまたはN(CH)である。
【0017】
式(I)の化合物の第6の実施形態において、Mは、(C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル(C−Cアルキル)、アリール(C−Cアルキル)およびN(Rからなる群から選択される0個から4個の置換基を有する)C−Cアルキレン、C−Cアルケニレンまたは(C−Cアルキレン)−O−(C−Cアルキレン)であり、ここで、Mの隣接する2個の置換基は一緒になって3員から6員環を形成してもよい。この実施形態の好ましいグループにおいて、Mは、(C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル(C−Cアルキル)、アリール(C−Cアルキル)およびN(Rからなる群から選択される0個から4個の置換基を有する)C−Cアルキレンであり、ここで、Mの隣接する2個の置換基は一緒になって3員から6員環を形成してもよい。この実施形態のより好ましいグループにおいて、Mは、−(CHC(CHCH−、−CH=CH(CH、−(CH−、−CHCH=CH(CH−、−(CH−、−CH=CH(CH−、−CH=CH(CHC(CHCH−、−CH=CH(CH−、−(CH−、−CH=CH(CH−、−(CH−、−(CH−、−CH=CH(CHC(CHCH−、−(CHC(CHCH−、−C(=CH)(CH−、−C(=CH)(CH−、−CHCH=CH(CH−からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、Mは、
【0018】
【化2】


からなる群から選択される。
【0019】
式(I)の化合物の第7の実施形態において、Rは、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり、ここで、前記アルキルまたはシクロアルキルは、アリール、ヘテロシクリルまたはCFからなる群から選択される1個から4個の置換基で置換されていてもよく、ここで、前記ヘテロシクリル置換基は、置換されていないかまたはCHで置換されている。この実施形態のより好ましいグループにおいて、Rは、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり、ここで、前記アルキルまたはシクロアルキルは、フェニル、チアゾリルまたはCFからなる群から選択される1個の置換基で場合により置換されていてもよく、ここで、前記チアゾリル置換基は、置換されていないかまたはCHで置換されている。
【0020】
式(I)の化合物の第8の実施形態において、−X−Rは、結合箇所が窒素原子であるピペリジン環である。
【0021】
式(I)の化合物のさらなる実施形態は、実施形態の任意の下位群の組合せを含む上述の第1から第8の実施形態のいくつかまたはすべての組合せを提供する。
【0022】
本発明の別の実施形態は、実施例1−16において説明されている化合物からなる群から選択される、化合物または医薬として許容されるこの塩、水和物もしくはプロドラッグである。
【0023】
本発明の他の実施形態は、以下のものを含む:
(a)式(I)の化合物の有効量および医薬として許容される担体を含む医薬組成物。
【0024】
(b)HCV抗ウイルス剤、免疫調節剤および抗感染剤からなる群から選択される第2の治療剤をさらに含む、(a)の医薬組成物。
【0025】
(c)HCV抗ウイルス剤が、HCVプロテアーゼ阻害剤およびHCVNS5Bポリメラーゼ阻害剤からなる群から選択される抗ウイルス剤である、(b)の医薬組成物。
【0026】
(d)(i)式(I)の化合物および(ii)HCV抗ウイルス剤、免疫調節剤および抗感染剤からなる群から選択される第2の治療剤であり;式(I)の化合物および第2の治療剤が、それぞれ、HCVNS3プロテアーゼを阻害するためにまたはHCVによる感染を治療もしくは予防するために有効な合剤量で使用される、医薬合剤。
【0027】
(e)HCV抗ウイルス剤が、HCVプロテアーゼ阻害剤およびHCVNS5Bポリメラーゼ阻害剤からなる群から選択される抗ウイルス剤である、(d)の合剤。
【0028】
(f)対象に式(I)の化合物の有効量を投与することを含む、HCVNS3プロテアーゼの阻害が必要とされる対象においてHCVNS3プロテアーゼを阻害する方法。
【0029】
(g)対象に式(I)の化合物の有効量を投与することを含む、HCVによる感染の予防または治療が必要とされる対象においてHCVによる感染を予防または治療する方法。
【0030】
(h)式(I)の化合物を、HCV抗ウイルス剤、免疫調節剤および抗感染剤からなる群から選択される少なくとも1種の第2の治療剤の有効量と組み合わせて投与する、(g)の方法。
【0031】
(i)HCV抗ウイルス剤が、HCVプロテアーゼ阻害剤およびHCVNS5Bポリメラーゼ阻害剤からなる群から選択される抗ウイルス剤である、(h)の方法。
【0032】
(j)対象に(a)、(b)もしくは(c)の医薬組成物または(d)もしくは(e)の合剤を投与することを含む、HCVNS3プロテアーゼの阻害が必要とされる対象においてHCVNS3プロテアーゼを阻害する方法。
【0033】
(k)対象に(a)、(b)もしくは(c)の医薬組成物または(d)もしくは(e)の合剤を投与することを含む、HCVによる感染の予防または治療が必要とされる対象においてHCVによる感染を予防または治療する方法。
【0034】
本発明はまた、(i)(a)HCVNS3プロテアーゼの阻害においてまたは(b)HCV感染の治療および/もしくはHCV感染の症状の可能性もしくは重症度の軽減において使用するための、(ii)(a)HCVNS3プロテアーゼを阻害するまたは(b)HCV感染を治療および/もしくはHCV感染の症状の可能性もしくは重症度を軽減する医薬品として使用するためのまたは(iii)(a)HCVNS3プロテアーゼを阻害するまたは(b)HCV感染を治療および/もしくはHCV感染の症状の可能性もしくは重症度を軽減する医薬品の調製に使用するための、本発明の化合物を含む。これらの使用において、本発明の化合物は、HCV抗ウイルス剤、抗感染剤および免疫調節剤から選択される1種以上の第2の治療剤と任意選択で組み合わせて使用することができる。
【0035】
本発明の追加の実施形態は、使用する本発明の化合物が、上述の化合物の実施形態、態様、クラス、下位クラスまたは特徴部の1つの化合物である、(a)−(k)に上述した医薬組成物、合剤および方法ならびに、前段落に記載した使用を含む。これらのすべての実施形態において、化合物は任意選択で医薬として許容される塩または水和物の形態で適宜使用することができる。
【0036】
上述の化合物の実施形態において、各実施形態と1つ以上の他の実施形態との組合せが安定な化合物を提供し、実施形態の説明と一致する範囲で、各実施形態を1つ以上の他の実施形態と組み合わせることができると解されるべきである。さらに、上記(a)から(k)に提供した組成物および方法の実施形態は、実施形態の組合せから生ずるような実施形態を含む化合物のすべての実施形態を含むと解されると解されるべきである。
【0037】
本明細書において使用するとおり、明示するまでもないが、すべての範囲は内包的であり、すべての下位範囲は、このような範囲内に含まれる。例えば、「1個から3個のヘテロ原子」を含有すると記載されているヘテロアリール環は、環が1個、2個または3個のヘテロ原子を含有し得ることを意味する。さらに、本明細書において使用する用語「または」は、適宜組み合わせることができる代替物を示す;すなわち、用語「または」は、それぞれ列記されている代替物を別々に含み、これらの組合せをも含む。
【0038】
本明細書において使用するとおり、用語「アルキル」は、規定範囲の炭素原子数を有する任意の直鎖または分枝鎖アルキル基を意味する。したがって、例えば、「C1−6アルキル」(または「C−Cアルキル」)は、すべてのヘキシルアルキルおよびペンチルアルキル異性体、ならびにn−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−プロピルおよびイソプロピル、エチルおよびメチルを意味する。別の例として、「C1−4アルキル」は、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびt−ブチル、n−プロピルおよびイソプロピル、エチルおよびメチルを意味する。アルキル基は、示されるとおりに置換されていてよい。
【0039】
用語「ハロゲン化されている」は、水素原子がハロゲンで置き換えられている基または分子を意味する。同様に、用語「ハロアルキル」は、ハロゲン化されているアルキル基を意味する。用語「ハロゲン」(または「ハロ」)は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の原子を意味する(代替的に、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードと称する。)。
【0040】
用語「アルコキシ」は、「アルキル−O−」基を意味する。アルコキシ基は、示されるとおりに置換されていてよい。
【0041】
用語「アルキレン」は、規定範囲の炭素原子数を有する任意の直鎖または分枝鎖アルキレン基(または代替的に「アルカンジイル」)を意味する。したがって、例えば、「−C1−6アルキレン−」は、任意のCからCの直鎖または分枝鎖アルキレンを意味する。本発明に関して特に有利なアルキレンのクラスは、−(CH1−6−であり、特に有利な下位クラスは、−(CH1−4−、−(CH1−3−、−(CH1−2−および−CH−を含む。アルキレン−CH(CH)−も有利である。アルキレン基は、示されるとおりに置換されていてよい。
【0042】
用語「シクロアルキル」は、規定範囲の炭素原子数を有する任意のアルカンまたはアルケンの環を意味する。したがって、例えば、「C3−8シクロアルキル」(または「C−Cシクロアルキル」)は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを意味する。用語「シクロアルコキシ」は、「−O−シクロアルキル」基を意味する。シクロアルキル基は、示されるとおりに置換されていてよい。
【0043】
用語「アリール」は、芳香族の炭素単環および炭素多環系を意味し、「アレーン」とも称され、ここで、多環系の個々の炭素環は、縮合しているまたは単結合を介して互いに結合している。好適なアリール基は、フェニル、ナフチルおよびビフェニレニルを含む。アリール基は、示されるとおりに置換されていてよい。
【0044】
特に記載のない限り、用語「複素環」(およびこの変形、例えば「複素環式」または「ヘテロシクリル」)は、広く、(i)安定な4員から8員の飽和または不飽和単環、(ii)安定な7員から12員の二環系または(iii)安定な11員から15員の三環系を意味し、ここで、(ii)および(iii)の各環は、(1個または複数の)他の環から独立しておりまたは(1個または複数の)他の環に縮合しており、各環は飽和または不飽和であり、単環、二環系または三環系は、N、OおよびSから独立して選択される1個以上のヘテロ原子(例えば、1個から6個のヘテロ原子または1個から4個のヘテロ原子)と、残りの炭素原子とを含有し(単環は、一般に、少なくとも1個の炭素原子を含有し、二環系および三環系は、一般に、少なくとも2個の炭素原子を含有する。);ここで、1個以上の任意の窒素および硫黄ヘテロ原子は酸化されていてもよく、1個以上の任意の窒素ヘテロ原子は第4級化されていてもよい。特に規定がない限り、複素環は、任意のヘテロ原子または炭素原子で結合していることができ、但し、結合は安定な構造を生じさせる。複素環基は、示されるとおりに置換されていることができ、特に規定がない限り、置換基は、ヘテロ原子か炭素原子かを問わず、環の任意の原子に結合していることができ、但し、安定な化学構造をもたらす。
【0045】
飽和複素環は、複素環の下位群を形成する。別段の記載がない限り、用語「飽和複素環式」は、一般に、環系全体(単環式か多環式かを問わず)が飽和である上記定義の複素環を意味する。用語「飽和複素環」は、炭素原子と、N、OおよびSから独立して選択される1個以上のヘテロ原子とからなる、4員から8員の飽和単環、安定な7員から12員の二環系または安定な11員から15員の三環系を意味する。代表例は、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニルまたはテトラヒドロフリル(またはテトラヒドロフラニル)を含む。
【0046】
不飽和複素環は、複素環の別の下位群を形成する。別段の記載がない限り、用語「不飽和複素環式」は、一般に、環系全体(単環式か多環式かを問わず)が飽和ではない、すなわちこのような環が不飽和または部分的に不飽和のいずれかである上記定義の複素環を意味する。別段の記載がない限り、用語「ヘテロ芳香族環」または「ヘテロアリール」は、炭素原子と、N、OおよびSから選択される1個以上のヘテロ原子とからなる、安定な5員または6員の単環式芳香族環、安定な7員から12員の二環系または安定な11員から15員の三環系を意味する。少なくとも1個の窒素原子を含有する置換されているヘテロ芳香族環(例えば、ピリジン)の場合において、このような置換は、N−オキシド形成をもたらす置換であり得る。ヘテロ芳香族環の代表例は、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル(またはチオフェニル)、チアゾリル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルおよびチアジアゾリルを含む。
【0047】
二環式複素環の代表例は、ベンゾトリアゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリニル、イソインドリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、クロマニル、イソクロマニル、テトラヒドロキノリニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシニル(すなわち、
【0048】
【化3】

)、イミダゾ(2,1−b)(1,3)チアゾール(すなわち、
【0049】
【化4】

)およびベンゾ−1,3−ジオキソリル(すなわち、
【0050】
【化5】

)を含む。本明細書において一定の文脈において、
【0051】
【化6】

は、代替的に、置換基として隣接する2個の炭素原子に結合しているメチレンジオキシを有するフェニルと称される。
【0052】
「置換されていない」とのみまたは「置換」とのみ特に記載されていない限り、アルキル、シクロアルキル、アリールおよび複素環基は置換されていないかまたは置換されている。本明細書において使用されているとおり、用語「置換されているアルキル」、「置換されているC−C10シクロアルキル」、「置換されているアリール」および「置換されている複素環」は、化合物の残部への結合箇所に加えて1個から3個の置換基を含有する環式基を含むものとする。好ましくは、置換基は、限定されるものではないが、ハロ、C−C20アルキル、−CF、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NO、オキソ、−CN、−N、−OH、−O(C−Cアルキル)、C−C10シクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、(C−Cアルキル)S(O)0−2−、アリール−S(O)0−2−、(C−Cアルキル)S(O)0−2(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、−O(C−Cアルキル)CF、(C−Cアルキル)C(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)−、(C−Cアルキル)O(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)C(O)1−2(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)OC(O)NH−、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−複素環、ハロ−ヘテロシクリルアルキル、シアノ−アリール、シアノ−アラルキル、シアノ−複素環およびシアノ−ヘテロシクリルアルキルを含む群から選択される。
【0053】
任意の可変部(例えば、RおよびR10)が任意の成分中または式(I)中または本発明の化合物を示し、記載する他の任意の式中に2箇所以上出現する場合、出現毎のこの定義は他のすべての出現時のこの定義から独立している。また、置換基および/または可変部の組合せは、このような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
【0054】
別段の記載がない限り、規定の置換基による置換は、環(例えばアリール、ヘテロ芳香族環または飽和複素環)の任意の原子上で可能であり、但し、このような環置換が化学的に許容され、安定な化合物をもたらす。「安定な」化合物は、調製、単離することができ、本明細書に記載する目的(例えば、対象への治療または予防投与)のための化合物の使用を許容するのに十分な時間にわたって構造および特性が実質的に不変のままであるまたは不変のままにさせることができる化合物である。
【0055】
置換基および置換基パターンの選択の結果として、ある種の本発明の化合物は不斉中心を有することがあり、立体異性体の混合物または個々のジアステレオマー、もしくはエナンチオマーとして生ずることができる。これらの化合物のすべての異性体の形態は、単離されているか混合物中かを問わず、本発明の範囲内である。
【0056】
当業者に自明のとおり、ある種の本発明の化合物は互変異性体として存在することができる。本発明において、式(I)の化合物への言及は、化合物自体または任意の1種のこの互変異性体自体、もしくは2種以上の互変異性体の混合物を意味する。
【0057】
本発明の化合物は、HCVプロテアーゼ(例えば、HCVNS3プロテアーゼ)の阻害ならびにHCV感染の治療および/またはHCV感染の症状の可能性もしくは重症度の軽減に有用である。例えば、本発明の化合物は、輸血、体液交換、咬傷、偶発的な針刺または手術中の患者血液への曝露による過去のHCV曝露が疑われた後の、HCVによる感染の治療に有用である。
【0058】
本発明の化合物は、抗ウイルス化合物のスクリーニングアッセイの調製および実施に有用である。例えば、本発明の化合物は、より強力な抗ウイルス化合物のための優れたスクリーニングツールである酵素突然変異体を単離するのに有用である。さらに、本発明の化合物は、例えば競合阻害により、他の抗ウイルス剤のHCVプロテアーゼへの結合部位を確立または決定するのに有用である。したがって、本発明の化合物はこれらの目的のために販売すべき市販品であり得る。
【0059】
本発明の化合物は、医薬として許容される塩の形態で投与することができる。用語「医薬として許容される塩」は、親化合物の有効性を有し、生物学的または他の点で不所望ではない(例えば、このレシピエントに対して毒性でもなく、他の点で有害でもない。)塩を意味する。好適な塩は、例えば本発明の化合物の溶液と、医薬として許容される酸、例えば塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸または安息香酸の溶液とを混合することにより形成することができる酸付加塩を含む。本発明の化合物の多くは酸性部分を有し、この場合、好適な医薬として許容されるこの塩は、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムまたはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩)および好適な有機リガンドと形成される塩、例えば、第4級アンモニウム塩を含むことができる。また、酸(−COOH)またはアルコール基が存在する場合において、化合物の溶解度または加水分解特性を変化させるために医薬として許容されるエステルを使用することができる。
【0060】
本発明の化合物に関して、用語「投与」およびこの変形(例えば、化合物を「投与する」)は、化合物または化合物のプロドラッグを治療が必要とされる個体に提供することを意味する。本発明の化合物またはこのプロドラッグを、1種以上の他の活性剤(例えば、HCV感染の治療に有用な抗ウイルス剤)と組み合わせて提供する場合、「投与」およびこの変形は、それぞれ、化合物または塩(または水和物)および他の薬剤の同時提供および逐次提供を含むと解される。
【0061】
本明細書において使用するとおり、用語「プロドラッグ」は、これが投与される個体の体内において酵素、化学薬品または代謝プロセスの作用により活性薬物形態または化合物に変換される不活性薬物形態または化合物を包含するものとする。
【0062】
本明細書において使用するとおり、用語「組成物」は、特定の成分を含む生成物および特定の成分を組み合わせることにより直接的または間接的に生ずる任意の生成物を包含するものとする。
【0063】
「医薬として許容される」は、医薬組成物の成分が互いに適合可能でなければならず、このレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0064】
本明細書で使用する用語「対象」(代替的に、本明細書において「患者」と称する。)は、治療、観察または実験の目的とされている動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
【0065】
本明細書で使用する用語「有効量」は、研究者、獣医師、医師または他の臨床医学者により求められている組織、系、動物またはヒトにおいて生物学的または医学的応答を誘発する活性化合物または医薬薬剤の有効量を意味する。一実施形態において、有効量は、治療中の疾患または病態の1種以上の症状を緩和するための「治療有効量」である。別の実施形態において、有効量は、疾患または病態の1種以上の症状の重症度、可能性もしくは出現を軽減するための「予防有効量」である。用語はまた、本明細書において、HCVNS3プロテアーゼを阻害し、これにより求められている応答を誘発するのに十分な活性化合物の量(すなわち、「阻害有効量」)を含む。活性化合物(すなわち、活性成分)を塩として投与する場合、活性成分の量は、化合物の遊離酸または遊離塩基の形態の量である。
【0066】
HCVNS3プロテアーゼを阻害ならびにHCV感染を治療および/またはHCV感染の症状の可能性もしくは重症度を軽減する目的のために、本発明の化合物は、任意選択で塩または水和物の形態で、活性剤と活性剤の作用部位とを接触させる任意の手段により投与することができる。これらは、医薬品関連で使用可能な任意の慣用の手段により個々の治療剤としてまたは治療剤と組み合わせて投与することができる。これらは単独で投与することができるが、一般に、選択される投与経路および標準的な医薬実務に基づいて選択される医薬担体とともに投与する。本発明の化合物は、例えば、化合物の有効量、ならびに医薬として許容される慣用の非毒性の担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する単位投与量の医薬組成物の形態で、経口投与、非経口投与(皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射または輸液技術を含む。)、吸入投与(例えば、スプレー形態)または直腸投与することができる。経口投与に好適な液体製剤(例えば、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤など)は、当該分野において公知の技術により調製することができ、任意の通常の媒体、例えば水、グリコール、油、アルコールなどを使用することができる。経口投与に好適な固体製剤(例えば、散剤、ピル剤、カプセル剤および錠剤)は、当該分野において公知の技術により調製することができ、デンプン、糖、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのような固体賦形剤を使用することができる。非経口組成物は、当該分野において公知の技術により調製することができ、一般に、担体としての滅菌水と、任意選択で他の成分、例えば溶解助剤とを使用することができる。注射用溶液は、当該分野において公知の方法により調製することができ、ここで、担体は、食塩溶液、グルコース溶液または食塩とグルコースとの混合物を含有する溶液を含む。本発明の医薬組成物の調製に使用するのに好適な方法および前記組成物に使用するのに好適な成分に関するさらなる詳細については、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版(A.R.Gennaro編、Mack Publishing Co.、1990)に提供されている。
【0067】
本発明の化合物は、0.001から1000mg/kg哺乳動物(例えば、ヒト)体重/日の投与量範囲で、単回用量または分割用量で経口投与することができる。一投与量範囲は、経口において単回用量または分割用量で0.01から500mg/kg体重/日である。別の投与量範囲は、経口において単回または分割用量で0.1から100mg/kg体重/日である。経口投与のために、組成物は、治療すべき患者への投与量を症状により調節するために1.0mgから500mgの活性成分、特に1mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、400mgおよび500mgの活性成分を含有する錠剤またはカプセル剤の形態で提供することができる。任意の特定患者についての具体的な用量レベルおよび投与頻度は変動することがあり、使用する規定の化合物の活性、この化合物の代謝安定性および作用時間、年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与様式および時間、排泄速度、薬物の組合せ、特定の病態の重症度ならびに治療を受ける宿主などを含む種々の因子に依存する。
【0068】
上述のとおり、本発明はまた、本発明の化合物を、1種以上の治療剤と組み合わせることによりHCVNS3プロテアーゼを阻害する方法、HCV複製を阻害する方法またはHCV感染を治療および/またはHCV感染の症状の可能性もしくは重症度を軽減する方法、ならびに本発明の化合物およびHCV抗ウイルス剤、免疫調節剤および抗感染剤からなる群から選択される1種以上の治療剤を含有する医薬組成物に関する。HCVに対して活性なこのような治療剤は、限定されるものではないが、リバビリン、レボビリン、ビラミジン、チモシンアルファ−1、R7025(増強インターフェロン(Roche))、インターフェロン−β、インターフェロン−α、ペグ化インターフェロン−α(ペグインターフェロン−α)、インターフェロン−αとリバビリンとの合剤、ペグインターフェロン−αとリバビリンとの合剤、インターフェロン−αとレボビリンと合剤およびペグインターフェロン−αとレボビリンとの合剤を含む。インターフェロン−αは、限定されるものではないが、組換えインターフェロン−α2a(例えば、Hoffmann−LaRoche、Nutley、NJから入手可能なROFERONインターフェロン)、ペグ化インターフェロン−α2a(PEGASYS、インターフェロン−α2b(例えば、Schering Corp.、Kenilworth、NJから入手可能なINTRON−Aインターフェロン)、ペグ化インターフェロン−α2b(PEGINTRON、組換えコンセンサスインターフェロン(例えば、インターフェロンalphacon−1)、アルブフェロン(ヒト血清アルブミン結合型インターフェロン−α(Human Genome Sciences))および精製インターフェロン−α製品を含む。Amgenの組換えコンセンサスインターフェロンは、商品名INFERGEN(登録商標)を有する。レボビリンは、リバビリンと類似の免疫調節活性を示すリバビリンのL−エナンチオマーである。ビラミジンは、国際特許出願公開第01/60379号パンフレットに開示されているリバビリンのアナログを表す。本発明の方法によれば、合剤の個々の成分は治療過程の間の異なる時点で別々に投与することができまたは分割もしくは単回の合剤形態で同時に投与することができる。
【0069】
HCV感染の治療のために、本発明の化合物を、HCVNS3セリンプロテアーゼの阻害剤である薬剤と組み合わせて投与することができる。HCVNS3セリンプロテアーゼは必須ウイルス酵素であり、HCV複製の阻害のための優れた標的であると記載されている。基質および非基質ベースのHCVNS3プロテアーゼ阻害剤の両方が、国際特許出願公開第98/22496号パンフレット、同第98/46630号パンフレット、同第99/07733号パンフレット、同第99/07734号パンフレット、同第99/38888号パンフレット、同第99/50230号パンフレット、同第99/64442号パンフレット、同第00/09543号パンフレット、同第00/59929号パンフレット、同第02/48116号パンフレットおよび同第02/48172号パンフレット、英国特許第GB2337262号明細書および米国特許第6,323,180号明細書に開示されている。
【0070】
リバビリン、レボビリンおよびビラミジンは、細胞内酵素のイノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)の阻害を介してグアニンヌクレオチドの細胞内プールを調節することによりこれらの抗HCV効果を発揮し得る。IMPDHは、デノボグアニンヌクレオチド生合成における生合成経路についての律速酵素である。リバビリンは、容易に細胞内リン酸化され、一リン酸誘導体はIMPDHの阻害剤である。したがって、IMPDHの阻害はHCV複製の阻害剤の発見に有用な別の標的を表す。したがって、本発明の化合物を、IMPDHの阻害剤、例えば国際特許出願公開第97/41211号パンフレットおよび同第01/00622号パンフレットに開示されているVX−497;別のIMPDH阻害剤、同第00/25780号パンフレットに開示されているもの;またはミコフェノール酸モフェチルと組み合わせて投与することができる。A.C.AllisonおよびE.M.Eugui、44(補遺)Agents Action 165頁(1993)を参照のこと。
【0071】
HCV感染の治療のために、本発明の化合物を、抗ウイルス剤のアマンタジン(1−アミノアダマンタン)と組み合わせて投与することもできる[この薬剤の包括的な説明については、J.Kirschbaum、Anal.Profiles Drug Subs.12:1−36頁(1983)を参照のこと]。
【0072】
HCV感染の治療のために、本発明の化合物を、抗ウイルス剤のポリメラーゼ阻害剤R7128(Roche)と組み合わせて投与することもできる。
【0073】
本発明の化合物は、HCV感染の治療のために、R.E.Harry−O’Kuruら、62 J.Org.Chem.1754−1759頁(1997);M.S.Wolfeら、36 Tet.Lett.7611−7614頁(1995);米国特許第3,480,613号明細書;国際特許出願公開第01/90121号パンフレット、同第01/92282号パンフレット、同第02/32920号パンフレット、同第04/002999号パンフレット、同第04/003000号パンフレットおよび同第04/002422号パンフレット(それぞれの内容は参照により全体として組み込む。)に開示されている抗ウイルス剤の2’−C−分枝鎖リボヌクレオシドと組み合わせることもできる。このような2’−C−分枝鎖リボヌクレオシドは、限定されるものではないが、2’−C−メチル−シチジン、2’−C−メチル−ウリジン、2’−C−メチル−アデノシン、2’−C−メチル−グアノシンおよび9−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジアミノプリン、ならびにリボースC−2’、C−3’およびC−5’ヒドロキシルの対応するアミノ酸エステルおよび置換されていてもよい5’リン酸誘導体の対応する環式1,3−プロパンジオールエステルを含む。
【0074】
本発明の化合物は、HCV感染の治療のために、抗HCV特性を有する他のヌクレオシド、例えば国際特許出願公開第02/51425号パンフレット(譲受人Mitsubishi Pharma Corp.);同第01/79246号パンフレット、同第02/32920号パンフレット、同第02/48165号パンフレットおよび同第2005/003147号パンフレット(77頁の化合物3−6として示されているR1656、(2’R)−2’−デオキシ−2’−フルオロ−2’−C−メチルシチジンを含む。);同第01/68663号パンフレット;同第99/43691号パンフレット;同第02/18404号パンフレットおよび同第2006/021341号パンフレット、ならびに米国特許出願公開第2005/0038240号明細書(4’−アジドヌクレオシド、例えばR1626、4’−アジドシチジンを含む。);米国特許出願公開第2002/0019363号明細書、同第2003/0236216号明細書、同第2004/0006007号明細書および同第2004/0063658号明細書;ならびに国際特許出願公開第02/100415号パンフレット、同第03/026589号パンフレット、同第03/026675号パンフレット、同第03/093290号パンフレット、同第04/011478号パンフレット、同第04/013300号パンフレットおよび同第04/028481号パンフレット(それぞれの内容は参照により全体として本明細書に組み込む。)に開示されているものと組み合わせることもできる。
【0075】
HCV感染の治療のために、本発明の化合物を、HCVNS5Bポリメラーゼの阻害剤である薬剤と組み合わせて投与することもできる。組合せ療法として使用することができるこのようなHCVNS5Bポリメラーゼ阻害剤は、限定されるものではないが、国際特許出願公開第02/057287号パンフレット、同第02/057425号パンフレット、同第03/068244号パンフレット、同第2004/000858号パンフレット、同第04/003138号パンフレットおよび同第2004/007512号パンフレット;米国特許第6,777,392号明細書および米国特許出願公開第2004/0067901号明細書(それぞれの内容は参照により全体として本明細書に組み込む。)に開示されているものを含む。このような他のHCVポリメラーゼ阻害剤は、限定されるものではないが、バロピシタビン(NM−283;Idenix)および2’−F−2’−ベータ−メチルシチジン(国際特許出願公第2005/003147号パンフレットをも参照のこと。)を含む。
【0076】
一実施形態において、本発明のHCVNS3プロテアーゼ阻害剤と組み合わせて使用されるヌクレオシドHCVNS5Bポリメラーゼ阻害剤は、以下の化合物:4−アミノ−7−(2−C−メチル−β−D−アラビノフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−メチルアミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−ジメチルアミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−シクロプロピルアミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−7−(2−C−ビニル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−7−(2−C−ヒドロキシメチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−7−(2−C−フルオロメチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−5−メチル−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボン酸;4−アミノ−5−ブロモ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−5−クロロ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−5−フルオロ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;2,4−ジアミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;2−アミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;2−アミノ−4−シクロプロピルアミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;2−アミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン;4−アミノ−7−(2−C−エチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−7−(2−C,2−O−ジメチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン;2−アミノ−5−メチル−7−(2−C,2−O−ジメチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン;4−アミノ−7−(3−デオキシ−2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−7−(3−デオキシ−2−C−メチル−β−D−アラビノフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−2−フルオロ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−7−(3−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−7−(3−C−メチル−β−D−キシロフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−7−(2,4−ジ−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−7−(3−デオキシ−3−フルオロ−2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;および対応する5’−トリホスフェート;または医薬として許容されるこれらの塩から選択される。
【0077】
本発明の化合物は、HCV感染の治療のために、HCVポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、例えば国際特許出願公開第01/77091号パンフレット;同第01/47883号パンフレット;同第02/04425号パンフレット;同第02/06246号パンフレット;同第02/20497号パンフレット;同第2005/016927号パンフレット(特に、JTK003)(それぞれの内容は参照により全体として本明細書に組み込む。)に開示されているもの;およびHCV−796(Viropharma Inc.)と組み合わせることもできる。
【0078】
一実施形態において、本発明のHCVNS3プロテアーゼ阻害剤と組み合わせて使用される非ヌクレオシドHCVNS5Bポリメラーゼ阻害剤は、以下の化合物:14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−(2−モルホリン−4−イルエチル)−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;メチル({[(14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル)カルボニル]アミノ}スルホニル)アセテート;({[(14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル)カルボニル]アミノ}スルホニル)酢酸;14−シクロヘキシル−N−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボキサミド;3−クロロ−14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン11−カルボン酸;N’−(11−カルボキシ−14−シクロヘキシル−7,8−ジヒドロ−6H−インドロ[1,2−e][1,5]ベンゾオキサゾシン−7−イル)−N,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミニウムビス(トリフルオロアセテート);14−シクロヘキシル−7,8−ジヒドロ−6H−インドロ[1,2−e][1,5]ベンゾオキサゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−メチル−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−メトキシ−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−7−オキソ−6−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−(2−モルホリン−4−イルエチル)−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−(1−メチルピペリジン−4−イル)−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−N−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−7−オキソ−6−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボキサミド;14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボキサミド;14−シクロペンチル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;6−アリル−14−シクロヘキシル−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロペンチル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;13−シクロヘキシル−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロフロ[3’,2’:6,7][1,4]ジアゾシノ[1,8−a]インドール−10−カルボン酸;15−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−7−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−インドロ[2,1−a][2,6]ベンゾジアゾニン−12−カルボン酸;15−シクロヘキシル−8−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−インドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾニン−12−カルボン酸;13−シクロヘキシル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−インドロ[1,2−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸;および医薬として許容されるこれらの塩から選択される。
【0079】
本発明のHCVNS3プロテアーゼ阻害活性は、当該分野において公知のアッセイを使用して試験することができる。このようなアッセイの1つは、以下に記載され、国際特許出願公開第2006/102087号パンフレットに記載されているHCVNS3プロテアーゼ時間分割蛍光(TRF)アッセイである。このようなアッセイの他の例は、例えば国際特許出願公開第2005/046712号パンフレットに記載されている。HCVNS3プロテアーゼ阻害剤、例えば本明細書に記載されているものは、50μM未満、例えば10μM未満、100nM未満のKiを有する。Kiは、NS3プロテアーゼアッセイにより決定する。アッセイは、50mMのHEPES(pH7.5)、150mMのNaCl、15%のグリセロール、0.15%のTritonX−100、10mMのDTTおよび0.1%のPEG8000を含有するアッセイ緩衝液中で100μlの最終容量で実施する。NS3プロテアーゼは、種々の濃度の阻害剤とDMSO中で30分間プレインキュベートする。反応は、TRFペプチド基質(最終濃度100nM)を添加することにより開始させる。NS3に媒介される基質の加水分解は、100μlの500mMのMES(pH5.5)により室温で1時間後にクエンチさせる。生成物の蛍光は、VICTOR V2またはFUSION蛍光光度計(Perkin Elmer Life and Analytical Sciences)のいずれかを使用して、励起340nmおよび発光615nmで、400μ秒の遅延で検出する。種々の酵素形態の試験濃度は、シグナルとバックグラウンドとの比(S/B)が10−30になるように選択する。IC50値は、標準的な4パラメータフィットをデータに使用して得る。K値は、以下の式
IC50=K(1+[S]/K) 式(1)
(式中、[S]は、反応における基質ペプチドの濃度であり、Kは、ミカエリス定数である。)を使用してIC50値から得る。P.Gallinariら、38 BIOCHEM.5620−5632頁(1999);P.Gallirariら、72 J.VIROL.6758−6769頁(1998);M.Talianiら、240 ANAL.BIOCHEM.60−67頁(1996)を参照のこと。
【0080】
本発明はまた、式(I)の化合物を製造する方法を含む。本発明の化合物は、容易に入手可能な出発物質、試薬および慣用の合成手順を使用して、以下の反応スキームおよび実施例またはこれらの変更により容易に調製することができる。これらの反応において、より詳細には記載しないが、これ自体当業者に公知の変法を使用することも可能である。さらに、本発明の化合物を調製する他の方法は、以下の反応スキームおよび実施例に照らして当業者にとって自明である。特に記載のない限り、すべての可変部は、上記定義のとおりである。以下の反応スキームおよび実施例は、本発明およびこの実施を例示するものにすぎない。
【0081】
合成の一般説明:
本発明の化合物は、一般スキーム1−3に略述されているとおりに合成することができる。RがCONHP(O)R1112またはP(O)R1112である化合物は、国際特許出願公開2006/020276号パンフレットに記載された方法と類似の方法により作製することができる。
【0082】
スキーム1は、分子のプロリン部分の合成を略述する。適切に保護されている4−ヒドロキシプロリン誘導体(例えば、カルバメート保護されている窒素)およびエステル保護されている酸を、Mitsunobu反応(Mitsunobu、Synthesis 1−28(1981))を介して単一段階において適切に置換されている4−ヒドロキシキノリノンと反応させることができる。代替的に、第1段階においてアルコールを酸スカベンジャーとしてのアミン塩基を有する溶媒において適切な塩化スルホニルと反応させることにより、脱離基、例えばメシレート、ベンゼンスルホネート、トルエンスルホネートまたは4−ブロモベンゼンスルホネートに変換させる2段階方法を利用することができる。第2段階において、脱離基を、有機または無機塩基(例えば、KCOまたはCsCO)のいずれかを有する多くの有機溶媒(例えば、DMF、アセトニトリルまたはN−メチルピロリジノン)中で適切に置換されているキノリンで置換する。キノリン上のアルケニル官能基は、この段階または後の段階で、ハロゲン化物置換基、例えば臭化物もしくはヨウ化物または他の官能基、例えばトリフレートの有機金属試薬、例えばビニルまたはアリルトリアルキルスズとのパラジウム触媒反応により導入することができる。代替的に、アルケニル官能基は、保護プロリノールとの反応の前に導入することができる。スキーム1において、Pは保護基であり、Rは、HまたはC−Cアルキルである。
【0083】
【化7】

【0084】
スキーム2は、オレフィン含有アミノ酸部分の合成を記載する。カルバメート誘導体Aは適切な不飽和アルコールから、有機溶媒、例えばジオキサン中でホスゲンまたはトリホスゲンによりアルコールを活性化し、次いで、例えば水酸化ナトリウムにより塩基性化されたアミノ酸の水溶液を添加することにより調製することができる。同じ中間体は、オレフィン含有アルコールを有機溶媒中でカルボニルジイミダゾール(またはホスゲン、トリホスゲンもしくはジホスゲン)と反応させ、次いでアミノエステルを添加することにより調製することもできる。次いで、エステルを当業者に公知の塩基性条件範囲(T.W.Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley and Sons、1999)下で加水分解する。スキーム2において、Rは、HまたはC−Cアルキルである。
【0085】
【化8】

【0086】
プロリン部分上のカルバメート保護基の脱保護は、当業者に公知の種々の方法(T.W.Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley and Sons、1999)により実施することができる。スキーム3において、Pは保護基であり、Rは、HまたはC−Cアルキルである。
【0087】
本発明の化合物の合成を完了させるために、アミノ酸誘導体Aを、広範なペプチドカップリング試薬、例えばDCC、EDC、BOP、TBTUなどを利用してプロリン誘導体にカップリングすることができる。次いで、大環状化を、適切な溶媒、例えばDCM、DCEまたはトルエン中でこの目的のために文献に記載された種々の触媒を使用するオレフィンメタセシスにより達成する。この工程では、閉環メタセシスにおいて生成されるオレフィン結合を場合により水素化して飽和結合を生じさせまたは代替手段、例えばシクロプロパン化において官能化することができる。次いで、プロリンエステルを塩基性条件下で加水分解し、シクロプロピルアミノ酸エステル(分子の適切なアルケニルまたはアルキルシクロプロパン部分は、上述のとおりに調製することができる(Llinas−Brunetら、米国特許第6323180号明細書)。)またはアシルスルホンアミドとカップリングさせることができる。キノリンの適切な官能化は、例えばハロゲン化アルキル、トリフレート、メシレートによるアルキル化により、次いで所望の化合物を得る。キノリンの官能化は、対応するトリフレートに最初に変換し、次いでトリフレートを適切なアミンと反応させることにより実施することもできる。カップリングおよびキノリン官能化の段階は、順序を逆にして実施することもできる。
【0088】
【化9】

【0089】
オレフィンメタセシス触媒は、以下のルテニウムベースの化学種を含む:F.Millerら、118 J.AM.CHEM.SOC.9606頁(1996);G.Kingsburyら、121 J.Am.Chem.Soc.791頁(1999);H.Schollら、1 ORG.LETT.953頁(1999);米国特許出願公開第2002/0107138号明細書;K.Furstnerら、64 J.ORG.CHEM.8275頁(1999)。閉環メタセシスにおけるこれらの触媒の有用性は、文献において十分公知である(例えば、TrnkaおよびGrubbs、34 ACC.CHEM.RES.18頁(2001)。
【0090】
【化10】

【0091】
スキーム4は、実施例1における特定の化合物を製造するための合成スキームを例示する。
【0092】
【化11】

【0093】
略語一覧
BOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
BrBH−SMe ジブロモボラン−メチルスルフィド錯体
n−BuLi n−ブチルリチウム
CDCl ジュウテリオ−トリクロロメタン
CDI N,N’−カルボニルジイミダゾール
CsCO 炭酸セシウム
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCE ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIEA ジエチルアミン
DIPA ジエチルプロピルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DPPF(またはdppf) 1,1’−ビド(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EDC N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド
EtO ジエチルエーテル
EtN トリエチルアミン
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
水素または水素雰囲気
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HCl 塩酸
(HF)−EtN トリエチルアミントリヒドロフルオリド
IPA イソプロパノール
KHSO 重硫酸カリウム
CO 炭酸カリウム
LAH 水素化アルミニウムリチウム
LiOH 水酸化リチウム
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
MgSO 硫酸マグネシウム
窒素または窒素雰囲気
NaHCO 炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)
NaOH 水酸化ナトリウム
NaSO 硫酸ナトリウム(無水物)
NIS N−ヨードスクシンイミド
Pd(PhP) テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
PdCl(dppf)−DCMアダクト
ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタンアダクト
POCl 三塩化ホスホリル
PPh トリフェニルホスフィン
PhMe トルエン
RT 室温、約25℃
TBTU O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’,−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
TFA トリフルオロ酢酸
TfO トリフレート無水物
TfOH トリフルオロメタンスルホン酸
THF テトラヒドロフラン
【0094】
中間体の合成
中間体A
【0095】
【表1】

【0096】
中間体A3:(1R,2R)−1−アミノ−N−(シクロプロピルスルホニル)−2−エチルシクロプロパンカルボキサミド塩酸塩
【0097】
【化12】

【0098】
段階1:t−ブチル((1R,2R)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エチルシクロプロピル)カルバメート
【0099】
【化13】

【0100】
水素化容器に、t−ブチル((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)カルバメート(164g、0.50mol)(米国特許第6,995,174号明細書)および5%のRu/C(乾燥、7.5重量%、12.4g)のMeOH(1000mL)スラリーを入れ、攪拌した。容器をN下(20psi)に置き、大気圧(3×)に圧抜きして、残留酸素を除去した。次いで、容器をH(50psi)下に置いた。20時間後、容器を大気圧に圧抜きした。次いで、反応スラリーを反応容器の外に移し、SOLKA FLOK(34g、100mLのMeOHにより湿潤)に通して濾過して澄明な淡褐色溶液を生じさせた。SOLKA FLOKを、MeOH(200mL×2)によりリンスした。合わせたMeOH溶液を減圧下で濃縮して、粗製生成物を白色固体(153g)として生じさせた。粗製生成物をEtOAc(800mL)中でスラリー化し、40℃に加温し、30分間熟成させた。次いで、溶液に種晶を入れ、30分間熟成させ、ヘプタン(500mL)を添加漏斗を介して30分間かけて添加した。部分的に結晶化した固体をRTに冷却し、一晩熟成させ、この後に追加のヘプタン(500mL)を添加した。1時間後、追加のヘプタン(250mL)を添加漏斗を介して添加し、白色スラリーを1時間熟成させた。溶液を濾過し、固体をヘプタン/EtOAc(500mL、4:1)によりリンスし、減圧下で乾燥させてt−ブチル((1R,2R)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エチルシクロプロピル)カルバメート(125.9g)を生じさせた。
【0101】
段階2:(1R,2R)−1−アミノ−N−(シクロプロピルスルホニル)−2−エチルシクロプロパンカルボキサミド塩酸塩(中間体A3)
段階1からの生成物(92g、0.28mol)のDCM(1200mL)中溶液を、0℃に冷却し、HClを溶液に通して10分間曝気した。次いで、冷却浴を除去し、反応混合物を2時間攪拌した。Nを反応混合物に通して5分間曝気し、揮発物を蒸発させた。残留物をDCM(3×)により共沸させてオフホワイトの粉末(75g)を生じさせた。LRMS(M+H)計算値=233;実測値233。
【0102】
中間体B
中間体B1:(2S)−シクロヘキシル({[(2,2−ジメチルペンタ−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)酢酸
【0103】
【化14】

【0104】
段階1:メチル(2S)−シクロヘキシル({[(2,2−ジメチルペンタ−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アセテート
【0105】
【化15】

【0106】
CDI(1.42g、8.76mmol)を、水浴により冷却した2,2−ジメチルペンタ−4−エン−1−オール[参照:E.Alexander Hillら、46(6)J.Org.Chem.1177−1182頁(1981)](1.00g、8.76mmol)のDMF(12mL)中溶液に添加した。混合物をRTで30分間攪拌した。次いで、メチル(2S)−アミノ(シクロヘキシル)アセテート塩酸塩(1.82g、8.76mmol)を添加し、混合物を50℃に16時間加熱し、次いでRTに冷却した。反応混合物をEtOAcおよび水/1NのHClに配した。有機層を水(3×)およびブラインにより抽出した。次いで、有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製物質をシリカゲル(勾配溶出、0−10%EtOAc/ヘキサン)上で精製して表題生成物(2.04g、収率75%)を得た。LRMS ESI(M+H)312.5。
【0107】
段階2:(2S)−シクロヘキシル({[(2,2−ジメチルペンタ−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)酢酸
LiOH(13.0g、310mmol)を、メチル(2S)−シクロヘキシル({[(2,2−ジメチルペンタ−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アセテート(19.3g、61.9mmol)のTHF(50mL)、MeOH(50mL)および水(25mL)中溶液に添加した。混合物をRTで18時間攪拌し、濃縮してMeOHおよびTHFを除去した。水性混合物をEtOにより抽出した。pHを4NのHClによりpH2に調節し、混合物をEtO(2×)により抽出した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して中間体B1(15.8g、収率86%)を得た。LRMS ESI(M+H)298.4。
【0108】
以下の中間体Bは、中間体B1のために記載されている手順により適切なアミノ酸およびアルコールを使用して調製した。
【0109】
【表2】



【0110】
中間体B21:t−ブチル[(2,2−ジメチルペンタ−4−イン−1−イル)オキシ]ジメチルシラン
【0111】
【化16】

【0112】
段階1:エチル2,2−ジメチルペンタ−4−イノエート
【0113】
【化17】

【0114】
n−BuLi(199mL、498mmol)のヘキサン中2.5M溶液を、DIPA(74.3mL、521mmol)の無水THF(500mL)中攪拌溶液に−75℃で窒素下でゆっくりと添加した。溶液を20分間攪拌し、エチルイソブチレート(64mL、474mmol)のTHF(100mL)中溶液を溶液に1.5時間にわたり滴加した。溶液を0℃に加温し、−75℃に再冷却し、次いで臭化プロパルギル(53.6mL、498mmol)のPhMe中80%溶液を滴加した。反応溶液を22℃にゆっくりと加温し、20時間攪拌し、次いで水(150mL)によりクエンチさせた。水層をエーテル(2×200mL)により抽出した。合わせた有機層を水(150mL)、ブライン(100mL)により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、シリカゲル60上でクロマトグラフィーにかけ、ヘキサン中0から25%のEtOAcにより溶出させて表題生成物を生じさせた。H NMR(500MHz,CDCl)δ4.12(q,J=7.1Hz,2H);2.41(s,2H);1.98(s,1H);1.25(s,6H);1.23(t,J=7.1Hz,3H)ppm。
【0115】
段階2:2,2−ジメチルペンタ−4−イン−1−オール
【0116】
【化18】

【0117】
LAH(416mL、416mmol)のEtO中1M溶液を、エチル2,2−ジメチルペンタ−4−イノエート(64.1g、416mmol)の無水EtO(416mL)中攪拌溶液に−75℃で窒素下で30分間にわたりゆっくりと添加した。反応溶液を22℃で3時間攪拌し、次いで−75℃に冷却し、水(16mL)、3MのNaOH(20mL)、水(48mL)によりクエンチさせ、次いでNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して表題生成物を生じさせた。H NMR(400MHz,CDCl)δ3.44(d,J=6.0Hz,2H);2.17(d,J=2.8Hz,2H);2.01(t,J=2.6Hz,1H);1.58(s,1H);0.99(s,6H)ppm。
【0118】
段階3:t−ブチル[(2,2−ジメチルペンタ−4−イン−1−イル)オキシ]ジメチルシラン
イミダゾール(58.3g、857mmol)およびt−ブチルジメチルクロロシラン(64.6g、429mmol)を、2,2−ジメチルペンタ−4−イン−1−オール(43.7g、390mmol)のDMF(195mL)中攪拌溶液に添加し、次いで溶液を22℃でN下で20時間攪拌した。反応溶液をエーテル(3×300mL)により抽出し、水(100mL)、ブライン(75mL)により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル60(330g)上でクロマトグラフィーにかけ、ヘキサンにより溶出させて表題生成物を生じさせた。H NMR(400MHz,CDCl)δ3.29(s,2H);2.10(d,J=2.8Hz,2H);1.91(t,J=2.6Hz,1H);0.90(s,6H);0.86(s,9H);0.00(s,6H)ppm。
【0119】
中間体C
中間体C1:メチル(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9,20−トリオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15,19,20−ドデカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキシレート
【0120】
【化19】

【0121】
段階1:6−ブロモ−4−ヒドロキシ−7−メトキシキノリン−2(1H)−オン
【0122】
【化20】

【0123】
POCl(5.07mL、54.4mmol)を、4−ブロモ−3−メトキシアニリン(10g、49.5mmol)およびマロン酸(5.15g、49.5mmol)の混合物に十分混合しながら添加し、次いで混合物を105℃に加熱した。5分後、反応物は激しく泡立ち始め、最終的に硬質泡状物を形成し;加熱を1時間継続した。冷却後、水(200mL)を添加し、混合物を30分間攪拌した。固体を濾別し、水により洗浄した。2NのNaOH(300mL)を固体に添加し、攪拌を一晩継続した。残留固体を濾別し;次いでEtOH(5mL)を濾液に添加し;次いで塩基性層を濃縮HClによりpH2に酸性化した。次いで、得られた固体を濾別し、水により洗浄した。次いで、固体をフラスコに移し、残留水をEtOH(200mL×2)によりストリッピングすることにより除去した。次いで、固体を高真空下でさらに15時間乾燥させて8.75g(66%)の表題化合物をオフホワイトの固体として得た。LRMS ESI(M+H)270.2/272.2。
【0124】
段階2:1−t−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(6−ブロモ−7−メトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
【0125】
【化21】

【0126】
CsCO(8.42g、25.8mmol)を、1−t−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−{[(4−ブロモフェニル)スルホニル]オキシ}ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(4g、8.61mmol)および段階1からの生成物(3.49g、12.92mmol)のNMP(86ml)中溶液にN下で添加した。次いで、混合物を60℃に6.5時間加熱し、RTに冷却し、水およびEtOAcに配した。有機層を水およびブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗製生成物(6.5g)をシリカ(勾配溶出、0−100%EtOAc/ヘキサン、次いで0−5%MeOH/DCM)上で精製して表題化合物(2.26g)を得た。LRMS ESI((M−Boc)+H)397.3/399.3。
【0127】
段階3:1−t−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(7−メトキシ−2−オキソ−6−ビニル−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
【0128】
【化22】

【0129】
カリウムビニルトリフルオロボレート(0.913g、6.82mmol)、EtN(0.950mL、6.82mmol)およびPdCl(dppf)−DCMアダクト(0.186g、0.227mmol)を、段階2からの生成物(2.26g、4.54mmol)のEtOH(45mL)中溶液に添加し、混合物を1時間加熱還流した。揮発物を真空中で除去し、残留物をEtOAcおよび水に配した。有機層をMgSO上で乾燥させ;溶媒を真空中で除去し;粗製物質をシリカ(勾配溶出、0−5%MeOH/DCM)上で精製して表題化合物(2.0g)を生じさせた。LRMS ESI((M−Boc)+H)345.3。
【0130】
段階4:メチル(4R)−4−[(7−メトキシ−2−オキソ−6−ビニル−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)オキシ]−L−プロリネート塩酸塩
【0131】
【化23】

【0132】
HCl(ジオキサン中4M)(23mL、91mmol)を、段階3からの生成物(2.02g、4.54mmol)にRTで添加した。1.5時間後、溶媒を真空中で除去し、残留物をEtOにより共沸させて表題化合物(1.73g)を黄褐色固体として得た。LRMS ESI(M+H)345.4。
【0133】
段階5:メチル(4R)−1−[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2,2−ジメチルペンタ−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アセチル]−4−[(7−メトキシ−2−オキソ−6−ビニル−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)オキシ]−L−プロリネート
【0134】
【化24】

【0135】
DIEA(1.16mL、6.62mmol)およびHATU(1.090g、2.87mmol)を、段階4からの生成物(0.84g、2.206mmol)および中間体B1(0.69g、2.32mmol)のDMF(2mL)中溶液に添加した。15分後、1NのHClおよびEtOAcを添加し;有機層を水およびブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ;溶媒を真空中で除去した。粗製生成物をシリカ上でクロマトグラフィー(勾配溶出、0−5%MeOH/DCM)にかけて1.65gの混ざりもののある物質を得、混ざりもののある物質をEtOAc中に溶解させ、1NのHCl(4×)、水およびブラインにより洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去して1.13gの表題化合物を得た。LRMS ESI(M+H)624.6。
【0136】
段階6:メチル(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9,20−トリオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,19,20−デカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキシレート
【0137】
【化25】

【0138】
段階5からの生成物(1.61g、2.58mmol)のDCM(520mL)中溶液をガス抜きし(15分間N曝気)し、Zhan1B触媒(0.189g、0.258mmol)を添加した。RTで24時間攪拌し、8時間還流攪拌した後、反応混合物を冷却し、溶媒を真空中で除去し、粗製生成物をシリカ(勾配溶出、0−5%MeOH/DCM)上で精製して1.53gの表題化合物を緑色を帯びた固体として得た。LRMS ESI(M+H)596.5。
【0139】
段階7:メチル(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9,20−トリオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15,19,20−ドデカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキシレート
Pd/C(0.137g、0.128mmol)を、段階6からの生成物(1.53g、2.57mmol)のEtOH(26mL)中溶液にN下で添加した。次いで、雰囲気をHと交換し、混合物を2日間攪拌した。追加のPd/C(0.137g、0.128mmol)を添加し、攪拌をさらに2日間継続した。次いで、反応混合物をガラスウールに通して濾過し、反応混合物をEtOAcにより洗浄した。溶媒を真空中で除去して1.42gの表題化合物を黄褐色固体として得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ9.87(s,1H)、7.36(s,1H)、6.51(s,1H)、5.77(s,1H)、5.29(d,J=9.5Hz,1H)、5.11(s,1H)、4.66(dd,J=10.25,7.5Hz,1H)、4.57(d,J=12.0Hz,1H)、4.40(t,J=10.0Hz,1H)、4.33(d,J=11.0Hz,1H)、3.93(m,1H)、3.88(s,3H)、3.76(s,3H)、3.30(d,J=10.5Hz,1H)、2.98(m,1H)、2.72(m,1H)、2.15(m,2H)、1.89(m,2H)、1.75(m,3H)、1.67(m,1H)、1.47−1.03(m,8H)、1.01(s,3H)、0.83(m,1H)、0.78(s,3H)。LRMS ESI(M+H)598.5。
【0140】
中間体C2:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−4−{[((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)アミノ]カルボニル}−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−20−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0141】
【化26】

【0142】
段階1:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9,20−トリオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15,19,20−ドデカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボン酸
【0143】
【化27】

【0144】
LiOH−一水和物(1.4g、33.5mmol)を、中間体C1(2g、3.35mmol)のTHF(20mL)、MeOH(1mL)および水(20mL)中溶液に添加した。10分後、1NのHClおよびEtOを添加し、固体を沈殿させた。固体を濾過により除去し;有機相を濾液から分離し、10%MeOH/DCM中に溶解させた後に固体と合わせた。次いで、溶液をMgSO上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去して表題化合物(1.9g)を得た。LRMS ESI(M+H)584.5。
【0145】
段階2:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9,20−トリオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15,19,20−ドデカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキサミド
【0146】
【化28】

【0147】
中間体A1(1.11g、4.15mmol)、DIEA(1.74mL、9.97mmol)およびHATU(1.58g、4.15mmol)を、段階1からの生成物(1.94g、3.32mmol)のDCM(10mL)およびDMF(10mL)中溶液に添加した。18時間後、混合物を飽和NaHCOおよびEtOAc中に注いだ。有機層を1NのHCl、水およびブラインにより洗浄した。次いで、有機層をMgSO上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。残留物をシリカ(勾配溶出、0−5%MeOH/DCM)上で精製して表題化合物(2.12g)を生じさせた。LRMS ESI(M+H)796.7。
【0148】
段階3:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−4−{[((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)アミノ]カルボニル}−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−20−イルトリフルオロメタンスルホネート
ピリジン(0.215mL、2.66mmol)およびTfO(0.45mL、2.66mmol)を、0℃に冷却した段階2からの生成物(2.12g、2.66mmol)のDCM(100mL)中溶液に添加した。18時間後、反応混合物を水性NaHCOおよびEtOにより抽出した。有機層をMgSO上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。残留物をシリカ上でクロマトグラフィー(勾配溶出、10−65%EtOAc/ヘキサン)にかけて混ざりもののある生成物を得、混ざりもののある生成物をシリカ(勾配溶出、1.5−3%アセトン/DCM)上で再精製し、逆相クロマトグラフィー(勾配溶出、40−95%MeCN/水中0.15%THF)により再精製して表題化合物を白色固体(1.1g)として得た。LRMS ESI(M+H)928.6。
【0149】
中間体C3:メチル(3R,5S,8S)−8−シクロペンチル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10,22−トリオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,24−テトラエン−5−カルボキシレート
【0150】
【化29】

【0151】
段階1:メチル(3R,5S,8S)−8−シクロペンチル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10,22−トリオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,24−テトラエン−5−カルボキシレート
表題化合物を中間体C1のための手順により調製したが、段階5において中間体B20を使用した。H NMR(500MHz,CDCl):δ9.56(s,1H)、7.38(s,1H)、6.50(s,1H)、5.77(s,1H)、5.34(d,J=9.5Hz,1H)、5.10(s,1H)、4.65(m,2H)、4.43(m,2H)、3.93(m,1H)、3.88(s,3H)、3.9(m,1H)、3.88(s,3H)、3.76(s,3H)、3.72(m,2H)、3.30(d,J=10.5Hz,1H)、3.0(m,1H)、2.74(m,1H)、2.32(m,1H)、2.12(m,2H)、1.84(m,2H)、1.68−1.5(m,5H)、1.4−1.3(m,5H)、1.26 1.26(m,2H)、1.07(s,3H)、0.78(s,1H)。LRMS ESI(M+H)584.5;C3142についての計算値:584.3。
【0152】
中間体C4:メチル(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−22−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(24),17,19,20,22,24−ヘキサエン−5−カルボキシレート
【0153】
【化30】

【0154】
ピリジン(0.218ml、2.69mmol)、次いでTfO(0.137ml、0.808mmol)を、0℃に冷却した中間体C1(322mg、0.539mmol)のDCM(8mL)中溶液に滴加した。1時間後、EtOおよび水性NaHCOを添加し;有機層をMgSO上で乾燥させ;溶媒を真空中で除去した。粗製生成物をシリカ(勾配溶出、12g、0−50%EtOAc/ヘキサン)上で精製して357mgの表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.63(s,1H)、7.20(s,1H)、6.35(s,1H)、5.25(m,2H)、4.68(dd,J=10.0Hz,8.0Hz,1H)、4.62(dd,J=12.0Hz,1.5Hz,1H)、4.38(t,J=9.5Hz,1H)、4.32(d,J=15.5Hz,1H)、4.0(m,1H)、3.95(s,3H)、3.78(s,3H)、3.31(d,J=10.5Hz,1H)、3.11(m,1H)、2.74(m,1H)、2.27(m,2H)、1.90(m,2H)、1.80(m,4H)、1.65(m,3H)、1.42(m,2H)、1.25(m,5H)、1.09(m,2H)、1.02(s,3H)、0.78(s,3H)。LRMS ESI(M+H)730.4;C334310Sについての計算値:729.3。
【0155】
中間体C5:1−t−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(6−ブロモ−2−エトキシ−7−メトキシキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
【0156】
【化31】

【0157】
段階1:エチル3−エトキシ−3−イミノプロパノエート塩酸塩
【0158】
【化32】

【0159】
0℃のエチルシアノアセテート(30mL、281mmol)およびEtOH(18.1mL、278mmol)の無水EtO(28.1mL)中攪拌溶液を、HClガスにより飽和するまで曝気した。反応物を22℃で20時間攪拌し、次いで濃縮して表題生成物を生じさせた。H NMR(400MHz,CDCl)δ4.73(q,J=7.1Hz,2H);4.24(q,J=7.2Hz,2H);3.89(s,2H);1.51(t,J=7.0Hz,3H);1.30(t,J=7.2Hz,3H)ppm。
【0160】
段階2:エチル(3E)−3−[(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)イミノ]−3−エトキシプロパノエート
【0161】
【化33】

【0162】
エチル3−エトキシ−3−イミノプロパノエート塩酸塩(54.2g、277mmol)および4−ブロモ−3−メトキシアニリン(56.0g、277mmol)のEtOH(500mL)中混合物を、窒素下で22℃で20時間攪拌した。混合物を濾過し、濃縮し、次いでエーテル(100mL)中で攪拌し、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル60上でクロマトグラフィー(勾配溶出、ヘキサン中0−50%EtOAc)にかけて表題生成物を生じさせた。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.40(d,J=8.4Hz,1H);6.43(d,J=2.0Hz,1H);6.30(dd,J=8.4&2.4Hz,1H);4.28(q,J=7.1Hz,2H);4.15(q,J=7.1Hz,2H);3.85(s,2H);3.21(s,2H);1.34(t,J=7.2Hz,3H);1.26(t,J=7.0Hz,3H)ppm。LRMS(ESI)m/z344.0[(M+H);C1419BrNOについての計算値:344.0]。
【0163】
段階3:6−ブロモ−2−エトキシ−7−メトキシキノリン−4−オール
【0164】
【化34】

【0165】
エチル(3E)−3−[(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)イミノ]−3−エトキシプロパノエート(30.0g、87mmol)のDOWTHERM(30mL)中溶液を、DOWTHERM(300mL)の攪拌溶液に250℃で添加した。得られた溶液を250℃で5分間攪拌し、RTに冷却し、濾過し、ケークをヘキサン(3×50mL)により洗浄し、次いで乾燥させて表題生成物を生じさせた。H NMR(400MHz,CDOD)δ8.25(s,1H);6.92(s,1H);5.80(s,1H);4.27(q,J=7.1Hz,2H);3.97(s,3H);1.46(t,J=7.0Hz,3H)ppm。LRMS(ESI)m/z298.0[(M+H);C1213BrNOについての計算値:298.0]。
【0166】
段階4:1−t−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(6−ブロモ−2−エトキシ−7−メトキシキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
1−t−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−{[(4−ブロモフェニル)スルホニル]オキシ}ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(25.0g、53.8mmol)、6−ブロモ−2−エトキシ−7−メトキシキノリン−4−オール(16.1g、53.8mmol)およびCsCO(52.6g、162mmol)のNMP(300mL)中懸濁液を、75℃でN下で2時間攪拌した。22℃で、反応物を水(500mL)により希釈し、EtOAc(3×500mL)により抽出した。合わせたEtOAc層を水(3×100mL)、ブライン(100mL)により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル60上でクロマトグラフィーにかけ、ヘキサン中0から50%のEtOAcにより溶出させて表題生成物を生じさせた。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.13(s,1H);7.16(s,1H);6.02(s,1H);5.05(m,1H);4.49(m,3H);4.00(s,3H);3.91(m,2H);3.78(s,3H);2.67(m,1H);2.37(m,1H);1.47(s,3H);1.44(s,9H)ppm。LRMS(ESI)m/z525.0[(M+H);C2330BrNについての計算値:298.0]。
【実施例】
【0167】
(実施例1)
(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−20,23−ジメトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキサミド
【0168】
【化35】

【0169】
段階1:メチル(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−20,23−ジメトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキシレート
【0170】
【化36】

【0171】
トリメチルオキソニウムトリフルオロボレート(12.99mg、0.088mmol)を、中間体C1(50mg、0.084mmol)のDCM(5mL)中溶液に添加した。次いで、混合物をRTで5時間攪拌し、水性NaHCOおよびDCMに配した。有機層をMgSO上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去して42mgの表題化合物を出発物質との85:15の混合物として得た。LRMS ESI(M+H)612.7。
【0172】
段階2:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−20,23−ジメトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボン酸
【0173】
【化37】

【0174】
LiOH(27.4mg、0.654mmol)を、段階1からの生成物(40mg、0.065mmol)のTHF(1mL)、MeOH(1.0mL)および水(0.5mL)中溶液に添加した。30分後、EtOおよび1NのHClを添加した。これにより固体を沈澱させ、濾過した後、固体を10%MeOH/DCMにより溶解させた。次いで、有機層(EtO層およびDCM/MeOH)を合わせ、NaSO上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去して46mgの表題化合物を得た。LRMS ESI(M+H)598.6。
【0175】
段階3:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−20,23−ジメトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキサミド
DIEA(0.054mL、0.308mmol)およびHATU(52.7mg、0.139mmol)を、段階2からの生成物(46mg、0.077mmol)および中間体A1(30.8mg、0.115mmol)のDMF(1.0mL)中溶液に添加した。反応混合物をRTで5分間攪拌し、次いで逆相クロマトグラフィー(CHCN/水/0.05%TFA)により直接精製して27mgの表題化合物を白色固体として得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ9.30(s,1H)、7.71(s,1H)、7.45(d,J=9.0Hz,1H)、7.11(s,1H)、6.79(s,1H)、5.72(m,2H)、5.26(d,J=17.0Hz,1H)、5.11(d,J=10.5Hz,1H)、4.62(d,J=12.0Hz,1H)、4.44(m,1H)、4.31(d,J=11.0Hz,1H)、4.25(m,1H)、4.22(s,3H)、4.07(m,1H)、3.99(s,3H)、3.28(m,1H)、3.15(m,1H)、2.95(m,1H)、2.75(m,1H)、2.33−2.14(m,3H)、1.89(m,3H)、1.77−1.50(m,6H)、1.48−1.20(m,8H)、1.11(m,2H)、1.06(s,3H)、0.99(m,1H)、0.77(s,3H)。LRMS ESI(M+H)810.6。
【0176】
(実施例2)
(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−20−エトキシ−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキサミド
【0177】
【化38】

【0178】
段階1:メチル(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−20−エトキシ−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキシレート
【0179】
【化39】

【0180】
CO(111mg、0.803mmol)を、中間体C1(80mg、0.134mmol)のDMF(2mL)中溶液に添加し、次いでヨウ化エチル(0.022mL、0.268mmol)をゆっくりと添加した。次いで、反応混合物を70℃に3時間加熱し、RTに冷却し、水、EtOおよびEtOAcを添加した。有機層をMgSO上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去して90mgの表題化合物を、対応するN−アルキル化生成物のメチル(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−19−エチル−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9,20−トリオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15,19,20−ドデカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキシレートとの約1:1の混合物として生じさせた。混合物を次の段階に直接使用した。LRMS ESI(M+H)626.5。
【0181】
段階2:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−20−エトキシ−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキサミド
表題化合物を、実施例1の段階2および3の手順により段階1の生成物から調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ9.32(s,1H)、7.75(s,1H)、7.10(s,1H)、6.94(s,1H)、5.85(s,1H)、5.75(m,1H)、2.98(d,J=17.5Hz,1H)、5.11(d,J=10.5Hz,1H)、4.63(m,3H)、4.43(m,1H)、4.31(d,J=11.0Hz,1H)、4.24(d,J=10.0Hz,1H)、4.09(m,1H)、4.01(s,3H)、3.27(d,J=10.0Hz,1H)、3.16(m,1H)、2.96(m,1H)、2.59(m,1H)、2.33(m,1H)、2.26(m,1H)、2.19(m,1H)、2.03(s,1H)、1.88(m,2H)、1.79−1.46(m,9H)、1.39(m,1H)、1.33−1.20(m,7H)、1.10(m,2H)、1.05(s,3H)、0.98(m,1H)、0.76(s,3H)。LRMS ESI(M+H)824.7。
【0182】
(実施例3)
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−22−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボキサミド
【0183】
【化40】

【0184】
段階1:メチル(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−22−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボキシレート
【0185】
【化41】

【0186】
酸化銀(100mg、0.42mmol)および4−(クロロメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール(33mg、0.225mmol)を、中間体C3(50mg、0.084mmol)のDMF(2mL)中溶液に添加した。次いで、混合物を100℃に15時間加熱し、EtOAcにより希釈し、ガラスウールのパッドに通して濾過した。次いで、混合物を水およびブラインにより抽出し、MgSO上で乾燥させ;溶媒を真空中で除去した。次いで、粗製物質をシリカ(勾配溶出、0−70%EtOAc/ヘキサン)上で精製して55gの表題化合物を得た。LRMS ESI(M+H)709.5;C3749Sについての計算値:709.3。
【0187】
段階2:(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−22−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボキサム
表題化合物を、実施例1の段階2および3により調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ9.31(s,1H)、7.76(s,1H)、7.69(s,1H)、7.10(s,1H)、7.09(s,1H)、5.81(br s,1H)、5.73(m,1H)、5.65(m,2H)、5.27(dd,J=17.0Hz,1.5Hz,1H)、5.11(dd,J=10.5Hz,1.5hz,1H)、4.68(d,J=12.5Hz,1H)、4.43(dd,J=11.0Hz,7Hz,1H)、4.32(d,J=11.0Hz,1H)、4.26(d,J=11.0Hz,1H)、4.10(dd,j=12.0Hz,2.5Hz,1H)、4.0(s,3H)、3.16(m,2H)、2.95(m,1H)、2.71(s,3H)、2.61(m,1H)、2.36(m,1H)、2.28(m,1H)、2.18(m,1H)、1.91(m,3H)、1.77−1.51(m,7H)、1.4−1.2(m,9H)、1.1(m,2H)、1.06(s,3H)、1.0(m,2H)、0.77(s,3H)。LRMS ESI(M+H)907.5;C455910についての計算値:907.4。
【0188】
以下の化合物は、実施例2または実施例3により、段階1のヨウ化エチルに代えて適切なアルキル化剤および適切な中間体Cを使用して調製した。
【0189】
【表3】








【0190】
(実施例19)
(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−20−(シクロペンチルオキシ)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキサミド
【0191】
【化42】

【0192】
段階1:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−20−(シクロペンチルオキシ)−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボン酸
【0193】
【化43】

【0194】
PhP(88mg、0.335mmol)およびDIAD(0.065ml、0.335mmol)を、中間体C1(50mg、0.084mmol)およびシクロペンタノール(0.030mL、0.335mmol)のTHF(2mL)中溶液に添加した。反応混合物をRTで18時間攪拌し、次いで水(0.5mL)およびMeOH(0.5mL)を添加し、次いでLiOH(52.7mg、1.255mmol)を添加した。1時間後、1NのHClおよびEtOを添加し;生成物を沈澱させ、固体を濾別し、10%MeOH/DCM中に溶解させ、濃縮して29mgの表題化合物を白色固体として生じさせた。LRMS ESI(M+H)652.5。
【0195】
段階2:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−20−(シクロペンチルオキシ)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキサミド
表題化合物を、実施例1の段階3の手順により段階1からの生成物から調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ9.31(s,1H)、7.75(s,1H)、7.08(s,1H)、6.90(s,1H)、5.86(s,1H)、5.75(m,1H)、5.48(m,1H)、5.28(d,J=17.5Hz,1H)、5.12(d,J=10.5Hz,1H)、4.66(d,J=11.0Hz,1H)、4.45(m,1H)、4.31(d,J=11.0Hz,1H)、4.24(d,J=10.0Hz,1H)、4.08(m,1H)、4.01(s,3H)、3.27(d,J=11.0Hz,1H)、3.17(m,1H)、2.94(m,1H)、2.65(s,1H)、2.57(m,1H)、2.29(m,1H)、2.21(m,2H)、2.07−1.49(m,16H)、1.40(m,1H)、1.34−1.20(m,8H)、1.10(m,2H)、1.05(s,3H)、0.98(m,1H)、0.76(s,3H)。LRMS ESI(M+H)864.6。
【0196】
(実施例20)
(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−20−エトキシ−22−ヨード−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキサミド
【0197】
【化44】

【0198】
段階1:メチル(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−20−エトキシ−22−ヨード−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキシレート
【0199】
【化45】

【0200】
TfOH(0.18mL、2.0mmol)、次いでNIS(49mg、0.22mmol)を、実施例2の段階1からの生成物(62mg、0.099mmol)のDCM(10mL)中溶液に添加した。5分後、水性NaHCOを添加し;有機層を分離し、MgSO上で乾燥させ;溶媒を真空中で除去した。残留物を逆相クロマトグラフィー(5−95%MeCN/0.15%水性TFA)により精製して表題化合物(52mg)を黄色固体として得た。LRMS ESI(M+H)752.4。
【0201】
段階2:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−20−エトキシ−22−ヨード−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキサミド
表題化合物を、実施例1の段階2および3の手順により段階1の生成物から調製した。H NMR(400MHz,CDCl):10.05(s,1H)、7.61(s,1H)、6.79(s,1H)、6.13(s,1H)、5.75(m,1H)、5.33(d,J=9.6Hz,1H)、5.21(m,2H)、4.70(d,J=10.4Hz,1H)、4.60(q,J=6.8Hz,2H)、4.40(d,J=10.8Hz,1H)、4.35(t,J=9.6Hz,1H)、4.25(m,1H)、3.98(m,1H)、3.86(s,3H)、3.30(d,J=10.8Hz,1H)、3.05(m,1H)、2.91(m,1H)、2.54(m,1H)、2.39(m,2H)、2.2−1.86(m,4H)、1.8−1.56(m,4H)、1.47(t,J=7.2Hz,3H)、1.43−1.16(m,8H)、1.03(m,6H)、0.81(s,3H)。LRMS ESI(M+H)950.5。
【0202】
(実施例21)
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−22−エトキシ−19−エチル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボキサミド
【0203】
【化46】

【0204】
段階1:メチル(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−22−エトキシ−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−19−ビニル−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボキシレート
【0205】
【化47】

【0206】
ビニルトリブチルスズ(0.014mL、0.047mL)およびPd(PhP)(5mg、0.005mmol)を、実施例20の段階1からの生成物(35mg、0.047mmol)のPhMe(5mL)中溶液に添加した。混合物を95℃に2時間加熱し;溶媒を真空中で除去し;粗製物質をシリカ(勾配溶出、5−40%EtOAc/ヘキサン)上で精製して25mgの表題化合物を得た。LRMS ESI(M+H)652.5;C3650についての計算値:652.4。
【0207】
段階2:メチル(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−22−エトキシ−19−エチル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボキシレート
【0208】
【化48】

【0209】
0%Pd/C(4mg、0.004mmol)を、段階1からの生成物(25mg、0.038mmol)のEtOH(3mL)中溶液に添加し、混合物をH下に置いた。18時間後、混合物をガラスウールのパッドに通して濾過し、溶媒を真空中で除去した。LRMS ESI(M+H)654.5;C3652についての計算値:654.4。
【0210】
段階3:(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−22−エトキシ−19−エチル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボキサミド
表題化合物を、実施例1からの段階2および3により調製した。H NMR(400MHz,CDOD)δ7.57(s,1H)、6.30(s,1H)、5.82(t,J=9.2Hz,1H)、5.34(s,1H)、5.16(d,J=7.6Hz,1H)、4.99(d,J=10.0Hz,1H)、4.57(d,J=11.0Hz,2H)、4.48(q,J=7.0Hz,2H)、4.46(m,1H)、4.32(q,J=7.0Hz,2H)、4.16(d,J=10.0Hz,1H)、3.78(s,3H)、3.11(m,J=7.3Hz,2H)、2.96(m,1H)、2.81(m,1H)、2.61(m,1H)、2.29(m,3H)、1.82(m,2H)、1.76(m,7H)、1.70(m,1H)、1.52−1.42(m,3H)、1.41(t,J=7.0Hz,3H)、1.30(m,7H)、1.07(m,5H)、0.87(m,2H)、0.81(m,3H)ppm。LRMS ESI(M+H)852.4;C446210Sについての計算値:852.4。
【0211】
(実施例22)
(3R,5S,8S)−19−クロロ−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−22−エトキシ−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボキサミド
【0212】
【化49】

【0213】
表題化合物を、実施例20により段階1においてN−クロロスクシンイミドを使用して調製した。H NMR(400MHz,CDCl)δ10.05(s,1H)、7.54(s,1H)、6.81(s,1H)、6.14(s,1H)、5.74(m,1H)、5.31(m,1H)、5.21(m,2H)、5.11(m,1H)、4.69(m,1H)、4.58(m,1H)、4.40−4.31(m,2H)、4.29−4.20(m,1H)、3.97(d,J=11.5Hz,1H)、3.90(s,3H)、3.04(m,1H)、2.92(m,1H)、2.54(m,1H)、2.42(m,1H)、2.30(m,1H)、2.00(m,2H)、1.92(m,2H)、1.80−1.61(m,4H)、1.57(s,6H)、1.52(m,3H)、1.40−1.09(m,7H)、1.03(m,4H)、0.89(m,2H)、0.80(m,2H)ppm。LRMS ESI(M+H)858.3;C4257ClN10Sについての計算値:858.3。
【0214】
(実施例23)
(3R,5S,8S,12R,16S,18E)−8−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−エトキシ−21−メトキシ−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,24−トリアザペンタシクロ[18.6.2.13,6.012,16.023,27]ノナコサ−1(27),18,20,22,23,25,27−ヘプタエン−5−カルボキサミド
【0215】
【化50】

【0216】
段階1:1−t−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(2−エトキシ−7−メトキシ−6−ビニルキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
【0217】
【化51】

【0218】
EtN(2.189mL、15.70mmol)およびPdCl(dppf)−DCMアダクト(0.427g、0.523mmol)を、中間体C5(5.50g、10.47mmol)およびカリウムビニルトリフルオロボレート(2.103g、15.70mmol)のEtOH(105mL)中溶液に添加した。反応物を3時間加熱還流した。EtOHを真空中で除去し、残留物をEtOAc中に取り、水により洗浄した。次いで、有機層をMgSO上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗製生成物をシリカ(勾配溶出、0−50%EtOAc/ヘキサン)上で精製して3.90gの表題化合物を得た。LRMS ESI(M+H)473.1;C2533についての計算値:473.2。
【0219】
段階2:メチル(4R)−4−[(2−エトキシ−7−メトキシ−6−ビニルキノリン−4−イル)オキシ]−L−プロリネート二塩酸塩
【0220】
【化52】

【0221】
HCl(ガス)を、段階1からの生成物(3.90g、8.25mmol)のDCM(83mL)中溶液に通して10分間曝気した。溶液を1時間攪拌し、DCMを真空中で除去して3.55gの表題化合物を白色粉末として生じさせた。LRMS ESI(M+H−2(HCl))373.1;C2025についての計算値:373.2。
【0222】
段階3:メチル(4R)−1−{(2S)−2−[({[(1R,2S)−2−アリルシクロペンチル]オキシ}カルボニル)アミノ]−2−シクロペンチルアセチル}−4−[(2−エトキシ−7−メトキシ−6−ビニルキノリン−4−イル)オキシ]−L−プロリネート
【0223】
【化53】

【0224】
中間体B2(3.20g、10.83mmol)、DIEA(9.46mL、54.2mmol)およびHATU(4.94g、13.0mmol)を、段階2からの生成物(4.52g、11.0mmol)のDMF(25mL)中溶液に添加した。1時間後、混合物を水およびEtOAcにより抽出した。有機層を水およびブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させた。溶媒を真空中で除去し、粗製生成物をシリカ(勾配溶出、0−40%EtOAc/ヘキサン)上で精製して表題化合物を得た。LRMS ESI(M+H)650.1;C3648についての計算値:650.3。
【0225】
段階4:メチル(6R,8S,11S,14aR,17aS,19E)−11−シクロペンチル−3−エトキシ−23−メトキシ−10,13−ジオキソ−7,8,10,11,12,13,14a,15,16,17,17a,18−ドデカヒドロ−6H−1,21−(エタンジイリデン)−6,9−メタノシクロペンタ[r]ピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−8−カルボキシレート
【0226】
【化54】

【0227】
Zhan1b触媒(66mg、0.09mmol)を、段階3の生成物の一部(2.85g、4.39mmol)のDCE(500mL)中溶液に添加した。反応物を70℃に4時間加熱し、次いでRTに冷却した。RTで17時間後、反応物を真空中で濃縮し、粗製生成物をシリカ(勾配溶出、0−40%EtOAc/ヘキサン)上で精製して2.48gの表題化合物を得た。LRMS ESI(M+H)622.1;C3444についての計算値:622.3。
【0228】
段階5:(6R,8S,11S,14aR,17aS,19E)−11−シクロペンチル−3−エトキシ−23−メトキシ−10,13−ジオキソ−7,8,10,11,12,13,14a,15,16,17,17a,18−ドデカヒドロ−6H−1,21−(エタンジイリデン)−6,9−メタノシクロペンタ[r]ピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−8−カルボン酸
【0229】
【化55】

【0230】
LiOH・HO(837mg、19.94mmol)を、段階4からの生成物の一部(2.48g、3.99mmol)のTHF(4.0mL)、MeOH(4.0mL)および水(2.0mL)中溶液に添加した。1時間後、1NのHClおよびEtOを添加した。有機層を分離し、水層をEtOAcにより洗浄した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去して2.42gの表題化合物を得た。LRMS ESI(M+H)608.1;C3342についての計算値:608.3。
【0231】
段階6:(3R,5S,8S,12R,16S,18E)−8−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−エトキシ−21−メトキシ−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,24−トリアザペンタシクロ[18.6.2.13,6.012,16.023,27]ノナコサ−1(27),18,20,22,23,25,27−ヘプタエン−5−カルボキサミド
中間体A1(379mg、1.42mmol)、DIEA(821mL、4.74mmol)およびHATU(278mg、1.18mmol)を、段階5からの生成物の一部(1.79g、1.25mmol)のDMF(5mL)中溶液に添加した。15時間後、混合物をEtOAcおよび1NのHClに配した。有機層を分離し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗製生成物を逆相HPLC(C−18)、0.15%水性TFA中30−95%MeCNにより精製し、MeCN/水により溶出させ、シリカ(勾配溶出、0−10%アセトン/DCM)上で精製して表題化合物を得た。LRMS ESI(M+H)820.1;C425410Sについての計算値:820.3。H NMR(500MHz)(CDOD)δ8.17(s,1H)、7.16(d,J=6.5Hz,1H)、7.07(s,1H)、6.70(d,J=16Hz,1H)、6.32(m,1H)、6.24(s,1H)、5.72(m,1H)、5.34(br s,1H)、5.25(dd,J=16Hz,1.5Hz,1H)、5.21(d,J=4.5Hz,1H)、5.08(dd,J=10.5Hz,1.5Hz,1H)、4.75(d,J=12.0Hz,1H)、4.40(q,J=7.0Hz,2H)、4.34(dd,J=11.0Hz,6.5Hz,1H)、4.14(d,J=10.5Hz,1H)、4.03(dd,J=12.0Hz,3.5Hz,1H)、2.96(m,1H)2.59(dd,J=14.0Hz,6.5Hz,1H)、2.3−2.0(m,8H)、2.0−1.5(m,12H)、1.41(t,J=7.0Hz,3H)、1.4−1.15(m,7H)、1.07(m,2H)、0.9(m,1H)。
【0232】
(実施例24)
(3R,5S,8S,12R,16R)−8−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−エトキシ−21−メトキシ−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,24−トリアザペンタシクロ[18.6.2.13,6.012,16.023,27]ノナコサ−1(27),20,22,23,25,27−ヘキサエン−5−カルボキサミド
【0233】
【化56】

【0234】
段階1:メチル(6R,8S,11S,14aR,17aR)−11−シクロペンチル−3−エトキシ−23−メトキシ−10,13−ジオキソ−7,8,10,11,12,13,14a,15,16,17,17a,18,19,20−テトラデカヒドロ−6H−1,21−エテノ−6,9−メタノシクロペンタ[r]ピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−8−カルボキシレート
【0235】
【化57】

【0236】
窒素下のPd/C(15mg、0.028mmol)を、実施例23の段階4からの生成物の一部(150mg、0.252mmol)のEtOH(5mL)中溶液に添加した。次いで、反応物をH下に一晩置いた。反応は、翌朝未完了であった。溶液を濾過してパラジウムを除去し、同じ反応条件に再度供した。3時間後、反応物を濾過し、溶媒を真空中で除去して100mgの表題化合物を白色固体として生じさせた。LRMS ESI(M+H)624.2;C3446についての計算値:624.3。
【0237】
段階2:(3R,5S,8S,12R,16R)−8−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−エトキシ−21−メトキシ−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,24−トリアザペンタシクロ[18.6.2.13,6.012,16.023,27]ノナコサ−1(27),20,22,23,25,27−ヘキサエン−5−カルボキサミド
段階1からの生成物を使用して、表題化合物を実施例23の段階5および6により調製した。H NMR(500MHz,CDOD)δ9.26(s,1H)、7.94(s,1H)、7.07(s,1H)、6.73(s,1H)、5.77−5.68(m,2H)、5.26(d,J=17.5Hz,1H)、5.11(d,J=12Hz,1H)、4.97(bs,1H)、4.58(q,J=7Hz,1H)、4.41−4.37(m,1H)、4.15−4.09(m,2H)、4.00(s,2H)、2.97(m,1H)、2.72(m,1H)、2.65−2.57(m,2H)、2.34(m,2H)、2.18−1.88(m,5H)、1.87−1.72(m,8H)、1.54(t,J=7Hz,1H)、1.40−1.21(m,7H)、1.90(m,1H)、1.09−0.88(m,2H)。LRMS ESI(M+H)822.1;C425610Sについての計算値:822.3。
【0238】
以下の化合物は、参照されている実施例の手順により、適切な中間体BおよびCを使用して調製した。中間体B4、B7、B11、B12、B13、B14およびB15を利用する化合物はジアステレオマーを生成し、ジアステレオマーは最終段階において逆相HPLCにより分離した。
【0239】
【表4】







【0240】
(実施例51)
(6R,8S,11S,17aR,18aS)−11−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−3−エトキシ−21−メトキシ−16,16−ジメチル−10,13−ジオキソ−7,8,10,11,12,13,15,16,17,17a,18,18a−ドデカヒドロ−6H−1,19−エテノ−6,9−メタノシクロプロパ[o]ピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−8−カルボキサミド
【0241】
【化58】

【0242】
段階1:((1E)−5−{[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−4,4−ジメチルペンタ−1−エン−1−イル)ボロン酸
【0243】
【化59】

【0244】
BrBH−SMe(15.38ml、93mmol)を、t−ブチル[(2,2−ジメチルペンタ−4−イン−1−イル)オキシ]ジメチルシラン(20g、88mmol)のDCM(126ml)中溶液に添加した。次いで、混合物をRTで2時間攪拌し、次いで0℃に冷却した。次いで、冷却溶液を、水性NaOH(194ml、194mmol)およびEtO(600mL)の0℃溶液に添加した。混合物を水浴中でRTで30分間攪拌した。次いで、有機層を分離し;水層をEtO(1×)により洗浄し;合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ;溶媒を真空中で除去して21.8gの粗製物質を得、粗製物質を次の反応に直接使用した。
【0245】
段階2:1−t−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−{[6−((1E)−5−{[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−4,4−ジメチルペンタ−1−エン−1−イル)−2−エトキシ−7−メトキシキノリン−4−イル]オキシ}ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
【0246】
【化60】

【0247】
CsCO(36.7g、112mmol)およびPd(PhP)(4.33g、3.75mmol)を、中間体C5(18.38g、67.5mmol)および段階1からの生成物(19.7g、37.5mmol)のPhMe(281mL)および水(94mL)中溶液に添加し、混合物を還流凝縮器下で加熱還流した。21時間後、反応物を水およびEtOAcにより希釈した。有機層をMgSO上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去して粗製物質を生じさせ、粗製物質をシリカ(勾配溶出、0−30%EtOAc/ヘキサン)上で精製して表題生成物を得た。LRMS ESI(M+H)673.2;C3657Siについての計算値:673.3。
【0248】
段階3:1−t−ブチル2−メチル(2S,4R)−({2−エトキシ−6−[(1E)−5−ヒドロキシ−4,4−ジメチルペンタ−1−エン−1−イル]−7−メトキシキノリン−4−イル}オキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
【0249】
【化61】

【0250】
(HF)−EtN(523mL、3210mmol)を、段階2からの生成物(54g、80mmol)のTHF(802mL)中溶液に0℃で添加した。次いで、混合物をRTに加温した。15時間後、溶媒を真空中で除去し、残留物をEtOAc(500mL)および水(450mL)中に取った。次いで、NaCO(553g、5216mmol)をゆっくりと添加した。次いで、溶液を15分間攪拌し、次いで有機層を10%NaHCO(1×)およびブライン(1×)により抽出し、MgSO上で乾燥させ;溶媒を真空中で除去した。元の水層をEtOAcにより逆抽出し、第1の抽出物と合わせた。次いで、粗製物質をシリカ(勾配溶出、0−80%EtOAc/ヘキサン)上で精製して表題化合物を得た。LRMS ESI(M+H)559.3;C3043についての計算値:559.3。
【0251】
段階4:1−t−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−({2−エトキシ−6−[2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)シクロプロピル]−7−メトキシキノリン−4−イル}オキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
【0252】
【化62】

【0253】
酢酸パラジウム(0.67g、2.97mol)および新たに調製したジアゾメタン(300mL、EtO中0.5M溶液、150mmol)を、0℃に冷却した段階3からの生成物(16.6g、29.7mmol)のEtO(300mL)中溶液に添加した。15分後、Nを混合物に通して15分間曝気し、黒色の混合物をCELITEに通してEtOを溶出剤として用いて濾過した。溶媒を真空中で除去し、残留物をEtO(300mL)中に取り、0℃に冷却した。次いで、酢酸パラジウム(0.67g、2.97mol)および新たに調製したジアゾメタン(100mL、EtO中0.5M溶液、50mmol)を添加した。15分後、Nを混合物に通して15分間曝気し、黒色の混合物をCELITEに通してEtOを溶出剤として用いて濾過した。溶媒を真空中で除去し、残留物をEtO(300mL)中に取り、0℃に冷却した。次いで、酢酸パラジウム(0.67g、2.97mol)および新たに調製したジアゾメタン(100mL,EtO中0.5M溶液、50mmol)を添加した。15分後、Nを混合物に通して15分間曝気し、黒色の混合物をCELITEに通してEtOを溶出剤として用いて濾過した。溶媒を真空中で除去し、粗製生成物をシリカ(勾配溶出、0−60%EtOAc/ヘキサン)上で精製して表題化合物を得た。LRMS ESI(M+H)573.2;C3145についての計算値:573.3。
【0254】
段階5:メチル(4R)−4−{[6−(2−{3−[({[(1S)−2−t−ブトキシ−1−シクロペンチル−2−オキソエチル]アミノ}カルボニル)オキシ]−2,2−ジメチルプロピル}シクロプロピル)−2−エトキシ−7−メトキシキノリン−4−イル]オキシ}−L−プロリネート
【0255】
【化63】

【0256】
4−ジメチルアミノピリジン(4.07g、33.4mmol)および(αS)−α−イソシアナトシクロペンタン酢酸の1,1−ジメチルエチルエステル(10.9g、48.4mmol)を、段階4からの生成物(19.1g、33.4mmol)のPhMe(300mL)中溶液に添加した。100℃で18時間加熱した後、溶媒を真空中で除去し、残留物をEtOAc中に溶解させ、水性10%KHSOおよびブラインにより洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ;溶媒を真空中で除去し、得られた油状物をシリカ(勾配溶出、5−40%EtOAc/ヘキサン)上で精製して表題化合物を無色固体として生じさせた。LRMS ESI(M+H)798.3;C436411についての計算値:798.4。
【0257】
段階6:(2S)−シクロペンチル[({3−[2−(2−エトキシ−7−メトキシ−4−{[(3R,5S)−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]オキシ}キノリン−6−イル)シクロプロピル]−2,2−ジメチルプロポキシ}カルボニル)アミノ]酢酸二塩酸塩
【0258】
【化64】

【0259】
段階5からの生成物(25.2g、31.6mmol)のジオキサン中4.0NのHCl(400mL)中溶液を、6時間攪拌した。Nを溶液に通して15分間曝気し、溶媒を真空中で濃縮して20.3gの表題化合物を粘稠油状物として生じさせた。LRMS ESI(M+H−2(HCl))642.3;C3448についての計算値:642.3。
【0260】
段階7:メチル(6R,8S,11S,17aR,18aS)−11−シクロペンチル−3−エトキシ−21−メトキシ−16,16−ジメチル−10,13−ジオキソ−7,8,10,11,12,13,15,16,17,17a,18,18a−ドデカヒドロ−6H−1,19−(エタンジイリデン)−6,9−メタノシクロプロパ[o]ピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−8−カルボキシレート
【0261】
【化65】

【0262】
ジイソプロピルエチルアミン(18.4g、142mmol)およびHATU(16.2g、42.6mmol)を、段階6の生成物(20.3g、28.4mmol)のDCM(4L)中溶液に添加した。混合物を18時間攪拌し;溶媒を真空中で蒸発させ;残留物をシリカ(30%EtOAc/ヘキサン)上で精製して11.6gの1:1のジアステレオマー混合物を生じさせた。この混合物をヘキサン中20%IPA中に溶解させ、内径10cm×長さ50cm、20μCHIRALPAK ADカラム(20%IPA/ヘキサン)上で4回のインジェクションにおいて精製した。第1の溶出ジアステレオマーからの合わせたフラクションをプールし、真空中で蒸発させた。残留物をEtOAcおよび水性10%KHSOに配し;有機層を分離し、NaSO上で乾燥させ、真空中で蒸発させて表題化合物を単一のジアステレオマーとして生じさせた。LRMS ESI(M+H)624.3;C3446についての計算値:624.3。
【0263】
段階8:(6R,8S,11S,17aR,18aS)−11−シクロペンチル−3−エトキシ−21−メトキシ−16,16−ジメチル−10,13−ジオキソ−7,8,10,11,12,13,15,16,17,17a,18,18a−ドデカヒドロ−6H−1,19−(エタンジイリデン)−6,9−メタノシクロプロパ[o]ピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−8−カルボン酸
【0264】
【化66】

【0265】
段階7からの生成物(4.55g、7.29mmol)およびLiOH(1.75g、72.9mmol)のTHF/水(それぞれ80mL)中溶液を、65℃で3時間加熱した。反応混合物を10%KHSO中に注ぎ、EtOAc(2×)により抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、真空中で蒸発させて表題のカルボン酸を生じさせた。LRMS ESI(M+H)610.3;C3344についての計算値:610.3。
【0266】
段階9:(6R,8S,11S,17aR,18aS)−11−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−3−エトキシ−21−メトキシ−16,16−ジメチル−10,13−ジオキソ−7,8,10,11,12,13,15,16,17,17a,18,18a−ドデカヒドロ−6H−1,19−エテノ−6,9−メタノシクロプロパ[o]ピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−8−カルボキサミド
段階8からの生成物(0.93g、1.54mmol)、中間体A1(0.49g、1.85mmol)、HATU(0.76g、2.0mmol)およびDIEA(1.075mL、6.15mmol)のDMF(6mL)中溶液を、2時間攪拌した。水(100mL)および水性10%KHSOをpH約3になるまで添加し、得られた白色固体を濾別した。次いで、固体をEtOAc中に溶解させ、水性10%KHSO(2×)により洗浄し、水層をEtOAcにより逆抽出した。合わせた有機物をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、真空中で濃縮して黄色ゴム状物を生じさせた。ゴム状物をシリカ(勾配溶出−DCM中1から8%のMeOH)上で精製して生成物を白色粉末として生じさせた。H NMR(500MHz)(CDOD)δ7.62(d,J=3.5Hz,1H)、7.40(s,1H)、7.11(s,1H)、6.27(s,1H)、5.74(br s,1H)、5.37(s,1H)、5.24(br d,J=16.5Hz,1H)、5.05(m,2H)、4.40(q,J=7Hz,2H)、4.34(d,J=10.5Hz,1H)、4.29−4.22(m,2H)、4.0(br,s,1H)、3.95(s,3H)、3.50(d,J=11Hz.1H)、2.95(br,s,1H)、2.49(m,1H)、2.15(m,1H)、1.9−1.6(m,7H)、1.40(t,J=7Hz,3H)、1.36−1.22(m,6H)、1.0(br s,5H)、0.88(br s,4H)、0.66(m,1H)、0.21(m,1H)。LRMS ESI(M+H)822.2;C425610Sについての計算値:822.3。
【0267】
(実施例52)
(2R,4S,11S,14S,16R)−11−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−20−エトキシ−24−メトキシ−6,6−ジメチル−9,12−ジオキソ−8,17−ジオキサ−10,13,21−トリアザペンタシクロ[16.6.2.113,16.02,4.022,26]ヘプタコサ−1(24),18(26),19,21,22,25−ヘキサエン−14−カルボキサミド
【0268】
【化67】

【0269】
段階1:メチル(2R,4S,11S,14S,16R)−11−シクロペンチル−20−エトキシ−24−メトキシ−6,6−ジメチル−9,12−ジオキソ−8,17−ジオキサ−10,13,21−トリアザペンタシクロ[16.6.2.113,16.02,4.022,26]ヘプタコサ−1(24),18(26),19,21,22,25−ヘキサエン−14−カルボキシレート
【0270】
【化68】

【0271】
実施例51の段階7からの第2の溶出ジアステレオマーの合わせたフラクションをプールし、真空中で蒸発させた。残留物をEtOAcおよび水性10%KHSOに配し;有機層を分離し、NaSO上で乾燥させ、真空中で蒸発させて表題化合物を単一のジアステレオマーとして生じさせた。LRMS ESI(M+H)624.3;C3446についての計算値:624.3。
【0272】
段階2:(2R,4S,11S,14S,16R)−11−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−20−エトキシ−24−メトキシ−6,6−ジメチル−9,12−ジオキソ−8,17−ジオキサ−10,13,21−トリアザペンタシクロ[16.6.2.113,16.02,4.022,26]ヘプタコサ−1(24),18(26),19,21,22,25−ヘキサエン−14−カルボキサミド
表題化合物を、実施例51からの段階8および9により調製した。H NMR(500MHz)(CDOD)δ7.63 9d,J=8.5Hz,1H)、7.40(s,1H)、7.11(s,1H)、6.27(s,1H)、5.74(br s,1H)、5.37(s,1H)、5.23(br d,J=16.5Hz,1H)、5.05(m,2H)、4.40(q,=7.0Hz,2H)、4.34(d,J=10.5Hz,1H)、4.28(m,1H)、4.23(m,1H)、4.0(m,1H)、3.95(s,3H)、3.50(d,J=11.0Hz,1H)、2.95(br s,1H)、2.49(m,2H)、2.15(m,4H)、1.90−1.62(m,7H)、1.40(t,J=7.0Hz,3H)、1.38−1.22(m,6H)、1.06(m,2H)、1.05(s,3H)、0.91(s,3H)、0.87 9m,2H)、0.67(m,1H)、0.21(m,1H)。LRMS ESI(M+H)822.2;C425610Sについての計算値:822.3。
【0273】
(実施例53)
(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−20−(ジメチルアミノ)−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキサミド
【0274】
【化69】

【0275】
ジメチルアミン(0.269mL、MeOH中2M、0.539mmol)を、中間体C2(50mg、0.054mmol)のDMSO(1mL)中溶液に添加した。次いで、混合物を100℃に2時間加熱し、RTに冷却し、逆相クロマトグラフィー(勾配溶出、30−95%MeCN/水中0.15%TFA)により直接精製して表題化合物を白色固体(17mg)として生じさせた。H NMR(500MHz,CDOD):δ9.33(s,1H)、7.61(s,1H)、7.34(s,1H)、6.49(s,1H)、5.75(m,2H)、5.30(d,J=17.0Hz,1H)、5.13(d,J=10.0Hz,1H)、4.62(d,J=11.5,1H)、4.44(m,1H)、4.33(d,J=11.0Hz,1H)、4.27(d,J=10.0Hz,1H)、4.07(m,1H)、3.99(s,3H)、3.41(s,6H)、3.28(d,J=11.0Hz,1H)、3.13(m,1H)、2.97(m,1H)、2.59(m,1H)、2.32(m,1H)、2.19(m,2H)、1.91(m,3H)、1.78−1.21(m,15H)、1.12(m,2H)、1.07(s,3H)、1.01(m,1H)、0.78(s,3H)。LRMS ESI(M+H)823.7。
【0276】
以下の化合物は、実施例10により、ジメチルアミンに代えて適切なアミンを使用して調製した。
【0277】
【表5】



【0278】
(実施例63)
(3R,5S,8S)−22−[アセチル(メチル)アミノ]−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボキサミド
【0279】
【化70】

【0280】
段階1:メチル(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−22−(メチルアミノ)−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボキシレート
【0281】
【化71】

【0282】
メチルアミン(0.685mL、10M、1.37mmol)を、中間体C4(100mg、0.137mmol)のDMSO(1mL)中溶液に添加し、混合物を100℃に15時間加熱した。残留物をRTに冷却し、分取HPLC逆相(C−18)PHENOMENEX LUNA、100×30mmカラム、0.15%水性TFA中5から95%のMeCNにより直接精製し、アセトニトリル/水+0.1%TFAにより溶出させて、EtOAcおよび飽和重炭酸ナトリウムによる後処理後に表題化合物を生じさせた。LRMS ESI(M+H)611.4;C3347についての計算値:611.4。
【0283】
段階2:メチル(3R,5S,8S)−22−[アセチル(メチル)アミノ]−8−シクロヘキシル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボキシレート
【0284】
【化72】

【0285】
EtN(0.005mL、0.041mmol)および無水酢酸(0.012mL,0.123mmol)を、段階1からの生成物(25mg、0.041mmol)のDCM(1mL)中溶液に添加した。2時間後、溶媒を真空中で除去し、残留物をEtOAc中に取り、10%KHSOにより抽出した。有機層をMgSO上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去して表題化合物を得た。LRMS ESI(M+H)653.4;C3549についての計算値:653.4。
【0286】
段階3:(3R,5S,8S)−22−[アセチル(メチル)アミノ]−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボキサミド
表題化合物を、実施例1の段階2および3により調製した。H NMR(400MHz,CDCl)δ12.17(s,1H)、8.70(m,1H)、7.62(m,1H)、7.52(s,1H)、7.43(s,1H)、7.16(m,2H)、6.84(m,1H)、6.45(s,1H)、6.36(s,1H)、5.89(m,1H)、5.79(m,2H)、5.46(m,2H)、5.29−5.08(m,5H)、4.99(m,2H)、4.62(m,1H)、4.39(m,2H)、4.10(m,1H)、3.91−3.82(m,2H)、3.73(s,3H)、3.49−3.37(m,2H)、3.14(m,1H)、3.05(m,1H)、2.71−2.41(m,2H)、2.21−2.10(m,3H)、1.90−1.69(m,3H)、3.13(s,6H)、1.20(m,2H)、1.10−1.02(m,4H)、0.95−0.79(m,3H)ppm。LRMS ESI(M+H)851.5;C435910Sについての計算値:851.4。
【0287】
以下の化合物は、実施例63の手順により、メチルアミンおよび無水酢酸に代えて適切なアミンおよびアシル化試薬を使用して調製した。
【0288】
【表6】


【0289】
(実施例68)
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−22−(2−フェニルエチル)−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボキサミド
【0290】
【化73】

【0291】
段階1:(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−22−(2−フェニルエチル)−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボン酸
【0292】
【化74】

【0293】
[(E)−2−フェニルビニル]ボロン酸(22mg、0.144mmol)およびPd(PhP)(5.5mg、0.005mmol)を、中間体C4(35mg、0.048mmol)および炭酸ナトリウム(25mg、0.24mmol)のTHF(1mL)および水(0.5mL)中溶液に添加した。次いで、混合物を70℃に1時間加熱し、次いで1NのHClおよびEtOにより抽出した。有機層をMgSO上で乾燥させ;溶媒を真空中で除去し;残留物をTHF(5mL)中に直接取った。10%Pd/C(10mg)をこの溶液に添加し、溶液をH下に3時間置いた。次いで、混合物をガラスウールのパッドに通して濾過し、溶媒を真空中で除去して表題化合物を得た。LRMS ESI(M+H)672.4;C3950についての計算値:672.4。
【0294】
段階2:(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−22−(2−フェニルエチル)−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボキサミド
表題化合物を、実施例1の段階3により調製した。LRMS ESI(M+H)884.5、C4862Sについての計算値:884.4。
【0295】
(実施例69)
(3R,5S,8S)−22−アリル−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(23),17,19,21,24−ペンタエン−5−カルボキサミド
【0296】
【化75】

【0297】
Pd(PhP)(6.23mg、5.39μmol)を、中間体C2(50mg、0.054mmol)、2−アリル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(27mg、0.162mmol)およびNaCO(28.6mg、0.269mmol)のTHF(1mL)および水(0.5mL)中混合物に添加した。次いで、混合物を70℃に1時間加熱した。次いで、混合物をEtOAcにより希釈し、水、次いでブラインにより抽出した。有機層をMgSO上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。残留物を分取HPLC逆相(C−18)、150×20mmカラム、0.15%水性TFA中30から95%のMeCNにより精製し、アセトニトリル/水+0.1%TFAにより溶出させて表題化合物を生じさせた。LRMS ESI(M+H)820.7、C4358Sについての計算値:820.5。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化76】

の化合物または医薬として許容される該化合物の塩、水和物もしくはプロドラッグ
[式中、
は、OH、NHSO、NHSONRまたはNHP(O)R1112であり;
は、C−CアルキルまたはC−Cアルケニルであり、ここで、前記アルキルまたはアルケニルは、0個から3個のハロで置換されており;
は、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキル、HetまたはC−Cシクロアルキルであり、ここで、アリールは、フェニルまたはナフチルであり、ならびに各アルキル、シクロアルキルまたはアリールは、ハロ、OR10、SR10、N(R10、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびCON(R10からなる群から選択される0個から3個の置換基で置換されており;
Hetは、N、OおよびSから選択される1個または2個のヘテロ原子を有する5員から6員の飽和環であり、ここで、前記環は、ハロ、OR10、SR10、N(R10、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびCON(R10から選択される0個から3個の置換基で置換されており;
各Rは、独立して、H、C−Cアルキル、ハロゲンまたはOR10であり;
は、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C−Cシクロアルキル、C−CハロアルキルまたはC−Cチオアルキルであり;ここで、アリールは、フェニルまたはナフチルであり、ヘテロアリールは、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族環であり、ならびにヘテロシクリルは、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を有する5員から7員の飽和または不飽和非芳香族環であり;ならびにここで、前記アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキルまたはアルキルは、ハロ、OR10、SR10、N(R、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C−Cハロアルキル、C−Cシクロアルキル、シクロアルコキシ、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびCON(R10からなる群から選択される0個から4個の置換基で置換されており、ならびにここで、前記ヘテロアリールまたはヘテロシクリル置換基は、置換されていないかまたはC−Cアルキルもしくはアリールで置換されており;
各Rは、独立して、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル(C−C)アルキル、アリール、アリール(C−C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−Cアルキル)、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル(C−Cアルキル)であり、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、0個から2個のW置換基またはP(O)R1112で置換されており、ならびにここで、各アリールは、独立して、フェニルまたはナフチルであり、各ヘテロアリールは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族環であり、ならびに各ヘテロシクリルは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を有する5員から7員の飽和または不飽和非芳香族環であり;
Wは、H、ハロ、OR10、C−Cアルキル、CN、CF、SR10、SO(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルコキシ、C−CハロアルキルまたはN(Rであり;
各Rは、独立して、H、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
Xは、O、NH、N(CH)、N(C(O)CH)、N(C(O)OCHCH)、CHまたはSであり;
またはX−Rは、結合箇所がヘテロ原子であるヘテロシクリル環であり;
Mは、C−Cアルキレン、C−Cアルケニレンまたは(C−Cアルキレン)−O−(C−Cアルキレン)であり、ここで、前記C−Cアルキレン、C−Cアルケニレンまたは(C−Cアルキレン)−O−(C−Cアルキレン)は、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル(C−Cアルキル)、アリール(C−Cアルキル)およびN(Rからなる群から選択される0個から4個の置換基で置換されており;ここで、Mの隣接する2個の置換基は一緒になって3員から6員環を形成してもよく;
は、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C3−シクロアルキル(C−Cアルキル)、アリール、アリール(C−Cアルキル)、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール(C−Cアルキル)またはヘテロシクリル(C−Cアルキル)であり、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、アリール、C−Cシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C−Cアルキル、ハロ(C−Cアルコキシ)、ハロ、OR10、SR10、N(R10、N(C−Cアルキル)O(C−Cアルキル)、C−Cアルキル、C(O)R10、C−Cハロアルキル、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、S(O)(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびC(O)N(R10からなる群から選択される0個から4個の置換基で置換されており;ここで、各アリールは、独立して、フェニルまたはナフチルであり;各ヘテロアリールは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族環であり;ならびに各ヘテロシクリルは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を有する5員から7員の飽和または不飽和非芳香族環であり;ならびにここで、前記シクロアルキル、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの隣接する2個の置換基は一緒になって、N、OおよびSから選択される0個から3個のヘテロ原子を含有する3員から6員環を形成してもよく;
は、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル(C−Cアルキル)、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルコキシ、アリール、アリール(C−Cアルキル)、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール(C−Cアルキル)またはヘテロシクリル(C−Cアルキル)であり、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、アリール、C−Cシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C−Cアルキル、ハロ(C−Cアルコキシ)、ハロ、OR10、SR10、N(R10、N(C−Cアルキル)O(C−Cアルキル)、C−Cアルキル、C(O)R10、C−Cハロアルキル、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、S(O)(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびC(O)N(R10からなる群から選択される0個から4個の置換基で置換されており;ここで、各アリールは、独立して、フェニルまたはナフチルであり;各ヘテロアリールは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族環であり;ならびに各ヘテロシクリルは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を有する5員から7員の飽和または不飽和非芳香族環であり;ならびにここで、前記シクロアルキル、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの隣接する2個の置換基は一緒になって、N、OおよびSから選択される0個から3個のヘテロ原子を含有する3員から6員環を形成してもよく;
またはRおよびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される0個から2個の追加のヘテロ原子を含有する4員から8員の単環を形成してもよく;
各R10は、独立して、HまたはC−Cアルキルであり;
各R11は、独立して、OR13、N(R10)−V−CO10、O−V−CO10、S−V−CO10、N(R10)(R13)、R14またはN(R10)SOであり;
各R12は、独立して、OR13、N(R10)−V−CO10、O−V−CO10、S−V−CO10またはN(R10)(R13)であり;
またはR11およびR12は、これらが結合しているリン原子と一緒になって、5員から7員の単環を形成してもよく;
各Vは、独立して、CH(R15)またはC−Cアルキレン−CH(R15)であり;
各R13は、独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、ここで、前記アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、アリール、アリール(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル(C−Cアルキル)、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−Cアルキル)、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C−Cアルキル)、C−Cアルキル、ハロ、OC(O)OR、OC(O)R、OR10、SR10、N(R10、C(O)R10、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、S(O)(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびC(O)N(R10からなる群から選択される0個から2個の置換基で置換されており;ここで、各アリールは、独立して、フェニルまたはナフチルであり;各ヘテロアリールは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族環であり;ならびに各ヘテロシクリルは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を有する5員から7員の飽和または不飽和非芳香族環であり;ならびにここで、前記シクロアルキル、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの隣接する2個の置換基は一緒になって、N、OおよびSから選択される0個から3個のヘテロ原子を含有する3員から6員環を形成してもよく;
14は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、アリールは、フェニルまたはナフチルであり、ならびにヘテロアリールは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族環であり、ならびにここで、前記アリールまたはヘテロアリールは、C−Cアルキル、ハロ、OC(O)OR、OC(O)R、OR10、SR10、N(R10、C(O)R10、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、S(O)(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびC(O)N(R10からなる群から選択される0個から2個の置換基で置換されており;ならびに
各R15は、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、ここで、前記アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、C−Cアルキル、ハロ、OC(O)OR、OC(O)R、OR10、SR10、N(R10、C(O)R10、NO、CN、CF、SO(C−Cアルキル)、S(O)(C−Cアルキル)、NR10SO、SON(R、NHCOOR、NHCOR、NHCONHR、CO10およびC(O)N(R10からなる群から選択される0個から2個の置換基で置換されており;ここで、各アリールは、独立して、フェニルまたはナフチルであり;各ヘテロアリールは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族環であり;ならびに各ヘテロシクリルは、独立して、環の炭素または窒素を介して結合している、N、OおよびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を有する5員から7員の飽和または不飽和非芳香族環であり;ならびにここで、前記シクロアルキル、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの隣接する2個の置換基は一緒になって、N、OおよびSから選択される0個から3個のヘテロ原子を含有する3員から6員環を形成してもよい。]。
【請求項2】
がNHSOである、請求項1にの化合物。
【請求項3】
がC−Cシクロアルキルである、請求項2にの化合物。
【請求項4】
がシクロプロピルである、請求項3にの化合物。
【請求項5】
がC−Cアルケニルである、請求項1にの化合物。
【請求項6】
が−CH=CHである、請求項5にの化合物。
【請求項7】
がC−Cシクロアルキルである、請求項1にの化合物。
【請求項8】
が、シクロヘキシルまたはシクロプロピルである、請求項7にの化合物。
【請求項9】
各Rが、独立して、H、クロロ、ヨードまたは−O−C−Cアルキルである、請求項1にの化合物。
【請求項10】
各Rが、独立して、H、クロロ、ヨードまたは−OCHである、請求項9にの化合物。
【請求項11】
Xが、O、NHまたはN(CH)である、請求項1にの化合物。
【請求項12】
Mが、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル(C−Cアルキル)、アリール(C−Cアルキル)およびN(Rからなる群から選択される0個から4個の置換基を有するC−CアルキレンまたはC−Cアルケニレンであり、ここで、Mの隣接する2個の置換基は一緒になって3員から6員環を形成してもよい、請求項1にの化合物。
【請求項13】
Mが、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル(C−Cアルキル)、アリール(C−Cアルキル)およびN(Rからなる群から選択される0個から4個の置換基を有するC−Cアルキレンであり、ここで、Mの隣接する2個の置換基は一緒になって3員から6員環を形成してもよい、請求項12にの化合物。
【請求項14】
Mが、−(CHC(CHCH−、−CH=CH(CH、−(CH−、−CHCH=CH(CH−、−(CH−、−CH=CH(CH−、−CH=CH(CHC(CHCH−、−CH=CH(CH−、−(CH−、−CH=CH(CH−、−(CH−、−(CH−、−CH=CH(CHC(CHCH−、−(CHC(CHCH−、−C(=CH)(CH−、−C(=CH)(CH−、−CHCH=CH(CH−からなる群から選択される、請求項12にの化合物。
【請求項15】
Mが、
【化77】

からなる群から選択される、請求項1にの化合物。
【請求項16】
が、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり、ここで、前記アルキルまたはシクロアルキルは、アリール、ヘテロシクリルまたはCFからなる群から選択される0個から4個の置換基で置換されており、ならびにここで、前記ヘテロシクリル置換基は、置換されていないかまたはCHで置換されている、請求項1にの化合物。
【請求項17】
が、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり、ここで、前記アルキルまたはシクロアルキルは、フェニル、チオリルまたはCFからなる群から選択される0個または1個の置換基で置換されており、ならびにここで、前記チオリル置換基は、置換されていないかまたはCHで置換されている、請求項16にの化合物。
【請求項18】
X−Rが、結合箇所が窒素原子であるピペリジン環である、請求項1にの化合物。
【請求項19】
がNHSOであり;
がシクロプロピルであり;
が−CH=CHであり;
が、t−ブチル、シクロヘキシルおよびシクロプロピルからなる群から選択され;
各Rが、独立して、H、クロロ、ヨードまたは−OCHであり;
Xが、O、NH、N(CH)、N(C(O)CH)、N(C(O)OCHCH)、CHまたはSであり;
が、CH、CHCH、フェニル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、ここで、前記CHまたは前記CHCHは、ハロ、OH、フェニル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルからなる群から選択される0個から4個の置換基で置換されており、ならびに前記ヘテロアリールまたはヘテロシクリル置換基は、置換されていないかまたはCH、CHCHもしくはフェニルで置換されており;
またはX−Rが、結合箇所が窒素原子であるピペリジン環であり;ならびに
Mが、
【化78】


である、請求項1にの化合物。
【請求項20】
以下の
【化79】





からなる群から選択される、請求項1にの化合物または医薬として許容される該化合物の塩。
【請求項21】
請求項1にの化合物の有効量および医薬として許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項22】
HCV抗ウイルス剤、免疫調節剤および抗感染剤からなる群から選択される第2の治療剤をさらに含む、請求項21の医薬組成物。
【請求項23】
HCVによる感染の予防または治療が必要とされる対象においてHCVによる感染を予防または治療する医薬品の調製における、請求項1にの化合物の使用。

【公表番号】特表2010−507657(P2010−507657A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534611(P2009−534611)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/022419
【国際公開番号】WO2008/051514
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】