説明

IC実装モジュールとその製造方法および製造装置

【課題】低コストで、生産性および信頼性を向上させたIC実装モジュールとその製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】一方の面に電極端子6を有するICチップ7と、接続部4を有する回路パターン2を備えた基板フィルム1と、ICチップ7の電極端子6と回路パターン2の接続部4とが接続され、ICチップ7が埋め込まれた接着フィルム5と、ICチップ7の他方の面に設けた保護フィルム8と、を少なくとも備えてIC実装モジュールを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナなどの回路パターンと接続されるICチップからなるRFIDタグなどのIC実装モジュールとその製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、荷物、郵便物、商品などの個体管理や物流管理などにおいて、無線通信によるRFID(Radio Frequency Identification)タグ(非接触ICタグ/モジュール、無線ICタグなどとも呼ばれている)が注目されている。
【0003】
RFIDタグは、従来のバーコード方式に比べて、扱うデータ量が多く、偽造も困難なため、急速に普及が進んでいる。
【0004】
ここで、RFIDタグに要望される条件は、種々の形状の物品などに搭載できるように、できるだけ薄く、柔軟性(フレキシビリティ)に優れることである。
【0005】
この要望に対して、アンテナパターンを形成したPET(ポリエチレンテレフタレート)などの基板フィルム上に、ICチップをフリップチップ方式で搭載して製造するRFIDタグが提案されている。なお、フリップチップ方式とは、複数のバンプ電極が形成されたICチップなどの半導体素子を、バンプ電極の形成面をフェースダウンで回路基板と接続するものである。
【0006】
その一例として、アンテナパターンを形成した樹脂製フィルムにICチップを保持させてなる電子部品保持フィルムにおいて、ICチップは、異方性導電フィルムを介して樹脂製フィルムに接着させ、ICチップの一方の面に設けたバンプ電極とアンテナパターンのIC電極接続部とを導通させることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
上記の従来技術によれば、薄くて柔軟性のあるRFIDタグを得ることができる。しかし、樹脂製フィルムをICチップの大きさの寸法に切断し、樹脂製フィルムの貼り付けやICチップの搭載および加熱・圧着や電極接続などを個々のRFIDタグ単位で行うために、生産性が悪く、低コスト化が困難なものであった。また、樹脂製フィルムがICチップと同程度の大きさであるため、貼り付けが困難であるとともに、ICチップを把持する部分が小さくなるため、樹脂製フィルムの片面の剥離フィルムを剥離することが困難であった。
【0008】
そこで、上記問題を解決するため、まず、樹脂製フィルム上のアンテナパターンに、ICチップのバンプ電極を接続する方法として、帯状の接着フィルムを複数のアンテナパターンが配列された1列ごとに一括して貼り付け、ICチップを搭載した後、加圧・加熱により本圧着する。さらに、表面保護のために、ICチップおよびアンテナパターンを覆うようにカバーフィルムをラミネートして製造する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−134467号公報
【特許文献2】特開2002−190003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の特許文献1に示すようなRFIDタグにおいては、接着フィルムの貼り付けやICチップの搭載および加熱・圧着や電極接続などを個々のRFIDタグ単位で行うために、生産性が悪く、低コスト化が困難であるという大きな課題があった。さらに、RFIDタグに搭載されているICチップは保護されていないので、製造工程や使用環境における変形や衝撃に弱く、ICチップの剥離や割れなどを生じやすく、高温高湿などの環境に対する信頼性にも課題があった。
【0010】
また、特許文献2に示すようなRFIDタグにおいても、1列に並んだ複数のアンテナパターンに一括して接着フィルムを貼り付けた後、接着フィルム上にICチップを個々に搭載し加熱・圧着するため、生産性は依然として低く、低コスト化が困難であった。さらに、ICチップを個々に、例えば緩衝フィルムなどを介さずに直接実装するため、ICチップが割れやすいという課題があった。また、さらに、ICチップは接着フィルムにより基板フィルムに接着しただけの構成であるため、接続や耐湿性などの信頼性が低いという課題もある。そのため、ICチップの他方の面側をカバーフィルムで被覆するとの記載はあるが、その具体的な方法については何ら開示されていない。
【0011】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、低コストで生産性に優れるとともに、信頼性の高いRFIDタグなどのIC実装モジュールとその製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述したような課題を解決するために、本発明のIC実装モジュールは、一方の面に電極端子を有するICチップと、接続部を有する回路パターンを備えた基板フィルムと、ICチップの電極端子と回路パターンの接続部とが接続され、ICチップが埋め込まれた接着フィルムと、ICチップの他方の面に設けた保護フィルムと、を少なくとも具備する。
【0013】
さらに、回路パターンがアンテナパターンであってもよい。
【0014】
これらにより、ICチップは接着フィルムに埋め込まれるとともに、保護フィルムで被覆されているので、信頼性の高いRFIDタグなどのIC実装モジュールを実現できる。
【0015】
また、本発明のIC実装モジュールの製造方法は、ICチップを搭載する領域に接続部を有する複数個の同一形状の回路パターンを領域が所定の間隔で隣接するように形成した基板フィルムに、少なくとも隣接する領域を被覆するように接着フィルムを一括して貼り付ける工程と、複数個のICチップを所定の間隔で搭載したICチップ供給フィルムを、領域上でICチップと回路パターンとを位置合わせして、接着フィルム上に貼り合わせる工程と、ICチップ供給フィルム上のICチップを接着フィルムに埋設してICチップの電極端子と回路パターンの接続部とを接続する工程と、を含む。
【0016】
さらに、基板フィルムの搬送に同期して、接着フィルムおよびICチップ供給フィルム上に搭載されたICチップを供給してもよい。
【0017】
さらに、ICチップ供給フィルムは、ICチップの他方の面を保護する保護フィルムであってもよい。
【0018】
これらにより、複数個のICチップを、接着フィルムに一括して搭載するとともに、ICチップ供給フィルムを保護フィルムと兼用するため、信頼性が高く、低コストで生産性よくIC実装モジュールを作製できる。
【0019】
さらに、ICチップ供給フィルムは、所定の間隔で、ICチップの形状の窪み部を有し、窪み部にICチップを嵌め込んで搭載されていてもよい。
【0020】
さらに、ICチップは、台形形状ないしほぼ台形形状であってもよい。
【0021】
これらにより、ICチップ供給フィルムの窪み部にICチップを嵌め込んだまま搭載できるので、さらに薄型のIC実装モジュールを作製できる。
【0022】
また、本発明のIC実装モジュールの製造方法は、ICチップを搭載する領域に接続部を有する複数個の同一形状の回路パターンを領域が所定の間隔で隣接するように形成した基板フィルムに、一方の面に電極端子を有する複数個のICチップを所定の間隔で少なくとも電極端子を埋め込んで仮止めした接着フィルムを、少なくとも隣接する領域は被覆するようにICチップと回路パターンとを位置合わせして一括して貼り付ける工程と、複数個のICチップの少なくとも他方の面を覆うように保護フィルムを一括して貼り付ける工程と、少なくとも保護フィルムを介して接着フィルム上のICチップを押圧し、ICチップを接着フィルムに埋設して電極端子と回路パターンの接続部とを接続する工程と、を含む。
【0023】
さらに、基板フィルムの搬送に同期して、ICチップを搭載した接着フィルムおよび保護フィルムを供給してもよい。
【0024】
これらにより、複数個のICチップを、接着フィルムに仮止めし、保護フィルムとともに一括して搭載できるため、信頼性が高く、低コストで生産性よくIC実装モジュールを作製できる。
【0025】
さらに、基板フィルムに複数個形成した回路パターンは、回路パターンの領域の隣接する方向が、基板フィルムの搬送方向と直交する方向に配列して形成されていてもよい。
【0026】
これにより、所定の単位数ごとに、ICチップと回路パターンの位置合わせができるため、位置合わせなどの調整が容易で、歩留まりよくIC実装モジュールを作製できる。
【0027】
さらに、基板フィルムに複数個形成した回路パターンは、回路パターンの領域の隣接する方向が、基板フィルムの搬送方向と平行に配列して形成されていてもよい。
【0028】
これにより、連続してICチップと接着フィルムを供給できるため、さらに生産性よくIC実装モジュールを作製できる。
【0029】
さらに、回路パターンがアンテナパターンであってもよい。
【0030】
これにより、RFIDタグなどのIC実装モジュールを生産性よく作製することができる。
【0031】
また、本発明のIC実装モジュールの製造装置は、ICチップを搭載する領域に接続部を有する複数個の同一形状の回路パターンを領域が所定の間隔で隣接するように形成した基板フィルムに、少なくとも隣接する領域を被覆するように接着フィルムを一括して貼り付ける貼り付け機構と、複数個のICチップを所定の間隔で搭載したICチップ供給フィルムを、領域上でICチップと回路パターンとを位置合わせして、接着フィルム上に貼り合わせる貼り合わせ機構と、ICチップ供給フィルム上のICチップを接着フィルムに埋設してICチップの電極端子と回路パターンの接続部とを接続する接続機構と、を有する。
【0032】
また、本発明のIC実装モジュールの製造装置は、ICチップを搭載する領域に接続部を有する複数個の同一形状の回路パターンを領域が所定の間隔で隣接するように形成した基板フィルムに、一方の面に電極端子を有する複数個のICチップを所定の間隔で少なくとも電極端子を埋め込んで仮止めした接着フィルムを、少なくとも隣接する領域は被覆するようにICチップと回路パターンとを位置合わせして一括して貼り付ける貼り付け機構と、複数個のICチップの少なくとも他方の面を覆うように保護フィルムを一括して貼り付ける貼り付け機構と、少なくとも保護フィルムを介して接着フィルム上のICチップを押圧し、ICチップを接着フィルムに埋設して電極端子と回路パターンの接続部とを接続する接続機構と、を有する。
【0033】
これらにより、同一形状の回路パターンにICチップが実装されたIC実装モジュールを、信頼性に優れ生産性よく製造できるIC実装モジュールの製造装置を実現できる。
【発明の効果】
【0034】
本発明のIC実装モジュールとその製造方法および製造装置によれば、低コストで生産性よく、信頼性に優れたIC実装モジュールを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0036】
また、以下の各実施の形態では、回路パターンとしてアンテナパターンを有するRFIDタグを例にIC実装モジュールを説明する。なお、同一形状を有する回路パターンに、ICチップを実装するIC実装モジュールに適用できることはいうまでもない。
【0037】
(第1の実施の形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグの平面図で、図1(b)は、同図(a)のA−A線要部断面図である。
【0038】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグ10は、例えば25μm〜100μm程度の厚みのPET(ポリエチレンテレフタレート)などの基板フィルム1上に、後述するICチップ7を搭載する領域3に接続部4を備えたアンテナパターン2を有する。ここで、アンテナパターン2は、例えば図1(a)に示すように、ICチップ7を搭載する領域3の両側にアンテナ部12を有する形状で構成されている。なお、アンテナパターン2は、例えばUHF帯、2.54GHzなどの通信周波数帯域、通信距離やICチップに対応して、その長さや形状は異なるものである。
【0039】
また、アンテナパターン2は、ICチップ7が搭載される領域3に、ICチップ7の電極端子6と接続する接続部4を有している。
【0040】
そして、基板フィルム1上において、アンテナパターン2の接続部4を少なくとも含む領域3を被覆する接着フィルム5が設けられている。さらに、接着フィルム5には、ICチップ7の電極端子6とアンテナパターン2の接続部4とが電気的に接続された状態でICチップ7が埋め込まれている。
【0041】
また、ICチップ7の他方の面には、その面を少なくとも被覆する、例えばポリイミドなどの保護フィルム8が設けられている。
【0042】
以上の構成により、本発明の第1の実施の形態のRFIDタグが得られる。
【0043】
ここで、基板フィルム1としては、PET以外に、例えばPEN(ポリエチレンナフタレート)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)やPI(ポリイミド)などの樹脂フィルムが用いられる。
【0044】
また、アンテナパターン2は、例えば銅箔やアルミニウム箔のエッチング法や銀ペーストなどのスクリーン印刷法により、アンテナ特性が最適となる抵抗値を有するように、例えば10μm〜50μm程度の厚みに形成される。
【0045】
また、接着フィルム5のベース材料は、例えばエポキシ樹脂を主成分とし、金属粒子または導電性粒子を含む異方性導電接着剤、あるいは金属粒子または導電性粒子を含まない絶縁性接着剤などが用いられる。
【0046】
また、接着フィルム5の厚さとしては、少なくともICチップ7が埋め込まれる程度の厚さが必要であるが、ICチップを埋め込んだ際に盛り上がらないように、ICチップ7やその電極端子6の形状により適切な厚みのものを使用することが好ましい。
【0047】
また、保護フィルム8としては、後述するように、ICチップ7を供給するICチップ供給フィルムで兼用してもよく、例えば耐湿信頼性に優れるPET、PENやポリイミドなどの樹脂フィルムを用いることができる。
【0048】
なお、本発明の第1の実施の形態では、図1(a)に示した、2つのアンテナ部12を有するダイポール型のアンテナパターン2で説明したが、これに限らない。例えば、ループ型のアンテナパターンでもよく、RFIDタグに要求される電気性能に応じて、大きさなどとともに任意に設計されるものである。
【0049】
本発明の第1の実施の形態によれば、ICチップが接着フィルムに埋め込まれるとともに、ICチップの他方の面が保護フィルムで保護できるため、電極端子と接続部との接続や耐湿性などの信頼性に優れたRFIDタグを実現できる。
【0050】
以下に、本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法および製造装置について、図2を参照しながら図3を用いて説明する。なお、図2、図3において、図1と同じ構成要素には同じ符号を付し説明を省略する。
【0051】
図2(a)は、本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法および製造装置の概要を説明する工程斜視図で、図2(b)は、本発明の第1の実施の形態の製造方法におけるRFIDタグのアンテナパターンの配置を説明する図である。
【0052】
図3は、本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法の主要な工程を説明する断面図である。
【0053】
まず、図2(a)および図3(a)に示すように、例えばロール状に巻かれた、例えば80μm厚のPET樹脂からなる基板フィルム20は、所定長さごとに、例えば以下で述べる接着フィルムやICチップ供給フィルムの貼り合わせ工程の貼り合わせ装置と同期して、搬送ローラ23を有する搬送装置によりX方向に搬送される。なお、図3(a)は、図2(b)のX方向のアンテナパターン2が形成された基板フィルム20の断面図である。また、図3(a)では、アンテナパターン2を概念的に示しており、図2(a)の断面図とは必ずしも一致していない。また、X方向とは基板フィルムの搬送方向と平行な方向を示し、Y方向とは基板フィルムの搬送方向と直交する方向を示すものである。これらは、以下の図面においても同様である。
【0054】
このとき、図2(b)に示すように、基板フィルム20上には、例えばダイポール型の複数個のアンテナパターン2のICチップが搭載される領域3が隣接するように所定の間隔で、基板フィルム20のY方向に設けられ、アンテナパターンブロック21を形成している。さらに、アンテナパターンブロック21は、基板フィルム20のX方向に一定の間隔で設けられている。これにより、複数個のアンテナパターン2が、基板フィルム20上に、X方向およびY方向に対して複数列で形成される。
【0055】
なお、ダイポール型のアンテナパターン2は、例えばICチップ7が搭載される領域3の両側に延びた2つのアンテナ部12が、例えばアルミニウム(Al)箔などを貼り合わせた後、エッチング法などにより、例えば15μmの厚さで形成される。
【0056】
また、図3(a)に示すように、アンテナパターン2は、ICチップが搭載される領域3にICチップ7の電極端子6と接続される接続部4を有している。なお、接続部4は、アンテナパターン2の一部であってもよく、さらに接続の信頼性を向上させるために、別途接続部を形成していてもよい。
【0057】
つぎに、図2(a)の工程S1のY方向の断面図である図3(b)に示すように、基板フィルム20のアンテナパターンブロック21で、少なくとも隣接して1列に配列された領域3を覆うように、基板フィルム20の搬送と同期して、搬送ローラ26で帯状の接着フィルム25を供給する。そして、供給された接着フィルム25をアンテナパターンブロック21ごとに、貼り付け装置(図示せず)により一括して貼り付ける。その後、接着フィルム25は、少なくともアンテナパターンブロック21の長さで、切断装置(図示せず)により切断され、つぎのアンテナパターンブロック21が搬送されるまで待機する。なお、接着フィルム25は、アンテナパターンブロック21の長さで切断した後にアンテナパターンブロック21ごとに、一括して貼り付けてもよい。これにより、位置合わせを容易にすることができる。
【0058】
ここで、接着フィルム25は、例えば図示していないがセパレータフィルムとともに供給され、貼り合わせるときに、セパレータフィルムを巻き取る巻き取り装置(図示せず)により、接着フィルム25から剥がして除去する。
【0059】
なお、接着フィルム25は、ベース材料に金属粒子や導電性粒子を含む異方性導電接着剤あるいは金属粒子や導電性粒子を含まない絶縁性接着剤であってもよい。
【0060】
つぎに、図2(a)の工程S2のY方向断面図である図3(c)に示すように、複数個のICチップ7を所定の間隔で搭載したICチップ供給フィルム22を、基板フィルム20の搬送と同期して、搬送ローラ27を備えたICチップ供給フィルム搬送装置により接着フィルム25上に供給する。なお、ICチップ7は一方の面に電極端子6を備え、その他方の面がICチップ供給フィルム22に、接着または付着して形成される。ここで、所定の間隔とは、アンテナパターンブロック21で、アンテナパターン2の領域3が隣接する間隔である。また、ICチップ7は、ICチップ供給フィルム22とともに、例えばリール(図示せず)に帯状に巻かれたもので供給することが好ましい。
【0061】
そして、基板フィルム20の搬送と同期して供給されたICチップ供給フィルム22およびICチップ7は、アンテナパターンブロック21のアンテナパターン2の接続部4とICチップ7の電極端子6との位置を合わせて、接着フィルム25と、例えば貼り合わせローラ(図示せず)などの貼り合わせ装置により貼り合わされる。その後、ICチップ供給フィルム22は、少なくともアンテナパターンブロック21の長さで、切断装置(図示せず)により切断され、つぎのアンテナパターンブロック21が搬送されるまで待機する。
【0062】
これにより、アンテナパターンブロック21内のアンテナパターン2と、ICチップ供給フィルム22に搭載されたICチップ7とが一括して貼り合わされる。また、ICチップ7を搭載して供給するICチップ供給フィルム22は、保護フィルム8として形成され、ICチップ7の、例えば耐湿信頼性などを向上することができる。
【0063】
つぎに、図2(a)の工程S3に示すように、必要に応じて、例えば加圧ヘッド28により、ICチップ供給フィルム22およびICチップ7を一括して仮圧着してもよい。なお、この工程は、RFIDタグの製造工程の振動などで、ICチップ7などが位置ずれしない場合などにおいては、省略してもよい。
【0064】
つぎに、図2(a)の工程S4のY方向断面図である図3(d)に示すように、加圧・加熱ヘッド29により、アンテナパターンブロック21ごとに、基板フィルム20とICチップ供給フィルム22を一括して、例えば熱圧着などにより加圧しながら加熱し、ICチップ7を接着フィルム25内に埋設させる。これによって、ICチップ7の電極端子6とアンテナパターン2の接続部4とが圧接され、電気的に接続される。さらに、接着フィルム25が硬化することにより、接続を確実にするとともに、ICチップ供給フィルム22が保護フィルム8として確実に接着される。なお、熱圧着時の加圧・加熱する条件の一例を示すと、例えば温度150℃〜250℃、加圧力100MPa〜300MPa、時間3秒〜10秒である。なお、熱圧着以外に、ロールラミネート法などによりICチップ7を接着フィルム25に埋設することもできる。
【0065】
つぎに、図示していないが、必要に応じて、基板フィルム20上に形成されたRFIDタグの全面で、少なくともアンテナパターン2の形成面は被覆するようにラミネートフィルムを貼り合わせてもよい。
【0066】
そして、上記工程により形成された複数個のRFIDタグの周囲を、例えば打ち抜き、ダイシングやレーザなどで切断して分割することにより、図1に示すようなRFIDタグ10が作製される。
【0067】
本発明の第1の実施の形態の製造方法および製造装置によれば、複数個のアンテナパターンにICチップを一括して実装できるため、工数を大幅に削減することができる。これにより、従来の工程のタクト時間が約1/10に短縮され、飛躍的に生産性が向上するとともに、低コストでRFIDタグを作製することができる。
【0068】
また、ICチップが接着フィルムに埋設されるため、接着フィルムの硬化によりICチップはアンテナパターンに高い付着強度で保持され、さらに保護フィルムによりICチップを完全に気密封止できる。これにより、RFIDタグの変形に対しても、接続信頼性や耐湿性に優れたRFIDタグを作製することができる。
【0069】
以下に、本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法の変形例1について、図4を参照しながら図5を用いて説明する。なお、図4、図5において、図2、図3と同じ構成要素には同じ符号を付し説明を省略する。
【0070】
図4(a)は、本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法および製造装置の変形例1の概要を説明する工程斜視図で、図4(b)は、本発明の第1の実施の形態の製造方法におけるRFIDタグのアンテナパターンの配置を説明する図である。
【0071】
図5は、本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法の変形例1の主要な工程を説明する断面図である。
【0072】
本発明の第1の実施の形態の変形例1は、図4(b)に示すように、基板フィルム上に、複数個のアンテナパターンのICチップが搭載される領域3が隣接するように所定の間隔で、基板フィルムのX方向に配列して設けられている点で、図2とは異なるものである。
【0073】
まず、図4(a)および図5(a)に示すように、例えばロール状に巻かれた、例えば80μm厚のPET樹脂からなる基板フィルム30は、所定長さごとに、例えば以下で述べる接着フィルムやICチップ供給フィルムの貼り合わせ工程と同期して、搬送ローラ31を有する搬送装置によりX方向に搬送される。なお、図5(a)は、図4(b)のX方向のアンテナパターン2が形成された基板フィルム30の断面図である。
【0074】
このとき、図4(b)に示すように、基板フィルム30上には、例えばダイポール型の複数個のアンテナパターン2のICチップが搭載される領域33が隣接するように所定の間隔で、基板フィルム30のX方向に配列して形成される。なお、図4では、複数個のアンテナパターン2が、基板フィルム30のX方向に1列に形成しているが、Y方向に複数列、一定の間隔で設けてもよいことはいうまでもない。これにより、複数個のアンテナパターン2が、基板フィルム30上に、X方向およびY方向に対して複数列で形成される。
【0075】
つぎに、図4(a)の工程S1のX方向の断面図である図5(b)に示すように、基板フィルム30のアンテナパターン2で、少なくとも隣接して1列に配列された領域33を覆うように、基板フィルム30の搬送と同期して、搬送ローラ36で帯状の接着フィルム35を供給する。そして、供給された接着フィルム35をアンテナパターン2の領域33に、貼り付け装置(図示せず)により連続して貼り付ける。
【0076】
ここで、接着フィルム35は、例えば図示していないがセパレータフィルムとともに供給して、貼り合わせるときに、セパレータフィルムを巻き取る巻き取り装置(図示せず)により、接着フィルム35から剥がして除去する。
【0077】
つぎに、図4(a)の工程S2のX方向断面図である図5(c)に示すように、複数個のICチップ7を所定の間隔で搭載したICチップ供給フィルム32を、基板フィルム30の搬送と同期して、搬送ローラ37を備えたICチップ供給フィルム搬送装置により接着フィルム35上に供給する。なお、ICチップ7は一方の面に電極端子6を備え、その他方の面がICチップ供給フィルム32に、接着または付着して形成されている。ここで、所定の間隔とは、アンテナパターン2の領域33が隣接する間隔である。
【0078】
そして、基板フィルム30の搬送と同期して供給されたICチップ供給フィルム32およびICチップ7は、アンテナパターン2の接続部とICチップ7の電極端子6との位置を合わせて、接着フィルム35と、例えば貼り合わせローラ34などの貼り合わせ装置により貼り合わされる。
【0079】
これにより、アンテナパターン2と位置合わせされるとともに、ICチップ供給フィルム32に搭載されたICチップ7が連続して接着フィルム35に貼り合わされる。また、ICチップ7を搭載して供給するICチップ供給フィルム32は、保護フィルム8として形成され、ICチップ7の、例えば耐湿信頼性を向上することができる。
【0080】
つぎに、図4(a)の工程S3のX方向断面図である図5(d)に示すように、加圧・加熱ヘッド39により、所定の単位数のアンテナパターン2ごとに、基板フィルム30とICチップ供給フィルム32を一括して、例えば熱圧着などにより加圧しながら加熱し、ICチップ7を接着フィルム35に埋設させる。これによって、ICチップ7の電極端子6とアンテナパターン2の接続部4とが圧接され、電気的に接続される。さらに、接着フィルム35が硬化することにより、接続を確実にするとともに、ICチップ供給フィルム32が保護フィルム8として確実に接着される。なお、熱圧着時の加圧・加熱する条件の一例を示すと、例えば温度150℃〜250℃、加圧力100MPa〜300MPa、時間3秒〜10秒である。なお、熱圧着以外に、ロールラミネート法などによりICチップ7を接着フィルム35に埋設してもよい。
【0081】
つぎに、図示していないが、必要に応じて、基板フィルム30上に形成されたRFIDタグの全面で、少なくともアンテナパターン2の形成面は被覆するようにラミネートフィルムを貼り合わせてもよい。
【0082】
つぎに、上記工程により形成された複数個のRFIDタグの周囲を、例えば打ち抜き、ダイシングやレーザなどで切断して分割することにより、図1に示すようなRFIDタグ10が作製される。
【0083】
本発明の第1の実施の形態の製造方法および製造装置の変形例1によれば、複数個のアンテナパターンにICチップを連続して実装できるため、さらに工数を削減し、生産性を向上させることができる。
【0084】
以下に、本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法の変形例2について、図6を用いて説明する。
【0085】
図6は、本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法の変形例2の一部の工程を示す断面図である。
【0086】
図6において、ICチップ供給フィルムは、所定の間隔でICチップの形状の窪み部が形成され、窪み部にICチップを嵌め込んだ状態で供給する点で、上記各実施の形態とは異なるものである。
【0087】
すなわち、図6(a)に示すように、ICチップ供給フィルム42として、ICチップ47が嵌め込まれる、例えば台形形状の窪み部40を所定の間隔で、例えば型成型などを用いて形成する。このとき、図6(b)に示すように、ICチップ47は、例えばシリコンがその面方位に依存してエッチング速度が異なることを利用して、例えば断面形状が台形となるように形成されたものを用いることができる。なお、ICチップの断面形状は台形に限られず、それに対応して、窪み部の形状も変わることはいうまでもない。
【0088】
つぎに、図6(c)に示すように、例えばICチップ47の特性に影響を与えない、例えば純水などの水溶液49中に複数個のICチップ47を入れ、ICチップ供給フィルム42に形成した窪み部40を配列形成したICチップ供給フィルム42を水溶液49中に供給する。
【0089】
そして、ICチップ47は、水溶液49中において落下しながら、ICチップ供給フィルム42に形成した窪み部40に上下方向、縦横方向がちょうど合うように嵌め込まれ搭載される。このとき、例えば水溶液49に超音波振動を与えてもよい。これにより、効率よくICチップ47を、窪み部40に嵌め込むことができる。
【0090】
上記方法によって、図6(d)に示すようなICチップ47を窪み部40に嵌め込んだICチップ供給フィルム42を用いて、ICチップ47を供給し、以降は上記第1の実施の形態と同様にしてRFIDタグを形成することができるものである。
【0091】
なお、この場合、アンテナパターンを下側にした基板フィルムに、ICチップを窪み部に嵌め込んだICチップ供給フィルムを供給することが、ICチップの落下防止などの点で好ましい。しかし、例えば静電引力や接着剤などで窪み部にICチップが保持されている場合には、特に必要はない。
【0092】
上記製造方法により、ICチップ供給フィルムの窪み部にICチップを嵌め込んだまま搭載するので、接着フィルムの厚みを、例えばICチップの電極端子の高さ程度に薄くできるため、より薄型のRFIDタグを作製することができる。
【0093】
また、ICチップを水溶液中で窪み部に嵌め込むという簡便な方法でICチップ供給フィルムが形成できるため、ICチップ供給フィルムに所定の間隔でICチップを実装固定する場合よりも、さらに、生産性が向上し、低コスト化を実現することできる。
【0094】
(第2の実施の形態)
以下に、本発明の第2の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法について、図7を参照しながら図8を用いて説明する。なお、図7、図8において、図1と同じ構成要素には同じ符号を付し説明を省略する。
【0095】
図7(a)は、本発明の第2の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法および製造装置の概要を説明する工程斜視図で、図7(b)は、本発明の第2の実施の形態の製造方法におけるRFIDタグのアンテナパターンの配置を説明する図である。
【0096】
図8は、本発明の第2の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法の主要な工程を説明する断面図である。
【0097】
まず、図7(a)および図8(a)に示すように、例えばロール状に巻かれた、例えば80μm厚のPET樹脂からなる基板フィルム50は、所定長さごとに、例えば以下で述べる接着フィルムやICチップ供給フィルムの貼り合わせ工程の貼り合わせ装置に同期して、搬送ローラ55を有する搬送装置によりX方向に搬送される。なお、図8(a)は、図7(b)のX方向のアンテナパターン2が形成された基板フィルム50の断面図である。
【0098】
このとき、図7(b)に示すように、基板フィルム50上には、例えばダイポール型の複数個のアンテナパターン2のICチップが搭載される領域53が隣接するように所定の間隔で、基板フィルム50のY方向に設けられ、アンテナパターンブロック51を形成している。さらに、アンテナパターンブロック51は、基板フィルム50のX方向に一定の間隔で設けられている。これにより、複数個のアンテナパターン2が、基板フィルム50上に、X方向およびY方向に対して複数列で形成される。
【0099】
なお、ダイポール型のアンテナパターン2は、例えばICチップ7が搭載される領域53の両側に延びた2つのアンテナ部12が、例えば銀ペーストなどのスクリーン印刷法を用いて印刷され、熱硬化することにより、例えば15μmの厚さで形成される。
【0100】
また、図8(a)に示すように、アンテナパターン2は、ICチップが搭載される領域53にICチップ7の電極端子6と接続される接続部4を有している。なお、接続部4は、アンテナパターン2の一部であってもよく、さらに接続の信頼性を向上させるために、別途接続部を形成していてもよい。
【0101】
つぎに、図7(a)の工程S1のY方向の断面図である図8(b)に示すように、複数個のICチップ7を所定の間隔で搭載したICチップ供給フィルム52を、基板フィルム50の搬送と同期して、搬送ローラ56でアンテナパターンブロック51の領域53上に供給する。ここで、ICチップ供給フィルム52は、例えば接着フィルム54とセパレータフィルム60の積層構成からなり、接着フィルム54にICチップ7の少なくとも電極端子6を差し込んで仮止めした状態で構成されている。
【0102】
そして、ICチップ供給フィルム52のセパレータフィルム60を剥がしながら、アンテナパターンブロック51の領域53の接続部4と接着フィルム54に仮止めされたICチップ7の電極端子6とを位置合わせして、接着フィルム54を貼り付ける。その後、ICチップ供給フィルム52の接着フィルム54は、少なくともアンテナパターンブロック51の長さで、切断装置(図示せず)により切断され、つぎのアンテナパターンブロック51が搬送されるまで待機する。なお、接着フィルム54は、アンテナパターンブロック51の長さで切断した後、アンテナパターンブロック51ごとに、一括して貼り付けてもよい。これにより、位置合わせを容易にすることができる。
【0103】
ここで、接着フィルム54は、ベース材料が、例えば熱可塑性接着剤(ホットメルト接着剤)などからなり、厚みが、例えば30μm程度のものを用い、その表面に複数個のICチップ7の電極端子6を所定の間隔で仮止めし、裏面にセパレータフィルム60を付着させた状態で、リール(図示せず)に帯状に巻いたものを用いることができる。
【0104】
なお、接着フィルム54は、ベース材料に金属粒子や導電性粒子を含む異方性導電接着剤あるいは金属粒子や導電性粒子を含まない絶縁性接着剤であってもよい。
【0105】
つぎに、図7(a)の工程S2のY方向断面図である図8(c)に示すように、基板フィルム50の搬送と同期して、接着フィルム54に仮止めされたICチップ7の他方の面に、搬送ローラ57を備えたICチップ供給フィルム搬送装置により保護フィルム8が供給されて載置される。なお、保護フィルム8は、アンテナパターンブロック51の長さで切断した後、アンテナパターンブロック51ごとにICチップ7の他方の面に、一括して貼り付けてもよい。これにより、位置合わせを容易にすることができる。
【0106】
つぎに、図7(a)の工程S3に示すように、必要に応じて、例えば加圧ヘッド58により、保護フィルム8を介して、ICチップ7を一括して接着フィルム54に埋設し、保護フィルム8を接着フィルム54と仮圧着してもよい。なお、この工程は、RFIDタグの製造工程の振動などで、保護フィルム8などが位置ずれしない場合には、省略してもよい。
【0107】
つぎに、図7(a)の工程S4のY方向断面図である図8(d)に示すように、加圧・加熱ヘッド59により、アンテナパターンブロック51ごとに、基板フィルム50と保護フィルム8とを一括して、例えば熱圧着などにより加圧しながら加熱し、ICチップ7を接着フィルム54に埋設し硬化させる。これによって、ICチップ7の電極端子6とアンテナパターン2の接続部4とが圧接され、電気的に接続される。さらに、接着フィルム54が硬化することにより、接続を確実にするとともに、保護フィルム8とも接着フィルムと確実に接着される。なお、熱圧着時の加圧・加熱する条件の一例を示すと、例えば温度150℃〜250℃、加圧力100MPa〜300MPa、時間3秒〜10秒である。
【0108】
つぎに、図示していないが、必要に応じて、基板フィルム50上に形成されたRFIDタグの全面で、少なくともアンテナパターン2の形成面は被覆するようにラミネートフィルムを貼り合わせてもよい。
【0109】
つぎに、上記工程により形成された複数個のRFIDタグの周囲を、例えば打ち抜き、ダイシングやレーザなどで切断して分割することにより、図1に示すようなRFIDタグ10が作製される。
【0110】
本発明の第2の実施の形態の製造方法および製造装置によれば、複数個のアンテナパターンにICチップを一括して実装できるため、工数を大幅に削減することができる。これにより、従来の工程のタクト時間が約1/10に短縮され、飛躍的に生産性が向上するとともに、低コストでRFIDタグを作製することができる。
【0111】
また、ICチップが接着フィルムに埋設されるため、接着フィルムの硬化によりICチップはアンテナパターンに高い付着強度で保持され、さらに保護フィルムによりICチップを完全に気密封止できる。これにより、RFIDタグの変形に対しても、接続信頼性や耐湿性に優れたRFIDタグを作製することができる。
【0112】
また、ICチップ供給フィルムが、ICチップの電極端子を接着フィルムに差し込むことにより作製できるため、低コストでICチップ供給フィルムを形成することができる。
【0113】
なお、本発明の第2の実施の形態では、ICチップを搭載した後、保護フィルムを形成する例で説明したが、これに限らない。例えば、予めICチップの他方の面に保護フィルムを接着し、その電極端子をICチップ供給フィルムの接着フィルムに差し込んで、一体化して供給して貼り付けてもよい。これにより、生産工程を簡略し、生産装置を小型化できる。
【0114】
また、本発明の第2の実施の形態では、アンテナパターンが基板フィルムのY方向に配列した例で説明したが、これに限らない。例えば、図4を用いて説明したように、アンテナパターンを基板フィルムのX方向に配列して、同様に製造することができることはいうまでもない。
【0115】
なお、本発明の各実施の形態では、各工程において1列ずつ一括して実装する例で説明したが、これに限らない。例えば、2列以上の複数列を一括して行い、順次基板フィルムと同期させて搬送してもよい。これにより、さらに生産性を向上させることができる。
【0116】
また、本発明の各実施の形態で示した数値は、その特定の数値に限定するものではなく、適切な範囲の数値を許容するものであることはいうまでもない。
【0117】
また、本発明の各実施の形態では、アンテナパターンを有するRFIDタグを例に、IC実装モジュールを説明したが、これに限られない。例えば、エレクトレット・コンデンサ・マイクロフォンのFETやLEDなどの、微小で電極数の少ないICチップを、同一形状の回路パターンに大量に実装してIC実装モジュールを作製することもできるものである。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明におけるIC実装モジュールとその製造方法および製造装置は、高い生産性や信頼性が要望される、微小なICチップなどを高速で大量に実装する技術分野において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】(a)本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグの平面図(b)同図(a)のA−A線要部断面図
【図2】(a)本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法および製造装置の概要を説明する工程斜視図(b)本発明の第1の実施の形態の製造方法におけるRFIDタグのアンテナパターンの配置を説明する図
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法の主要な工程を説明する断面図
【図4】(a)本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法および製造装置の変形例1の概要を説明する工程斜視図(b)本発明の第1の実施の形態の製造方法におけるRFIDタグのアンテナパターンの配置を説明する図
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法の変形例1の主要な工程を説明する断面図
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法の変形例2の一部の工程を示す断面図
【図7】(a)本発明の第2の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法および製造装置の概要を説明する工程斜視図(b)本発明の第2の実施の形態の製造方法におけるRFIDタグのアンテナパターンの配置を説明する図
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるRFIDタグの製造方法の主要な工程を説明する断面図
【符号の説明】
【0120】
1,20,30,50 基板フィルム
2 アンテナパターン(回路パターン)
3,33,53 領域
4 接続部
5,25,35,54 接着フィルム
6 電極端子
7,47 ICチップ
8 保護フィルム
10 RFIDタグ
12 アンテナ部
21,51 アンテナパターンブロック
22,32,42,52 ICチップ供給フィルム
23,26,27,31,36,37,55,56,57 搬送ローラ
28,58 加圧ヘッド
29,39,59 加圧・加熱ヘッド
34 貼り合わせローラ
40 窪み部
49 水溶液
60 セパレータフィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に電極端子を有するICチップと、
接続部を有する回路パターンを備えた基板フィルムと、
前記ICチップの前記電極端子と前記回路パターンの前記接続部とが接続され、前記ICチップが埋め込まれた接着フィルムと、
前記ICチップの他方の面に設けた保護フィルムと、
を少なくとも備えたことを特徴とするIC実装モジュール。
【請求項2】
前記回路パターンがアンテナパターンであることを特徴とする請求項1に記載のIC実装モジュール。
【請求項3】
ICチップを搭載する領域に接続部を有する複数個の同一形状の回路パターンを前記領域が所定の間隔で隣接するように形成した基板フィルムに、少なくとも隣接する前記領域を被覆するように接着フィルムを一括して貼り付ける工程と、
複数個の前記ICチップを前記所定の間隔で搭載したICチップ供給フィルムを、前記領域上で前記ICチップと前記回路パターンとを位置合わせして、前記接着フィルム上に貼り合わせる工程と、
前記ICチップ供給フィルム上の前記ICチップを前記接着フィルムに埋設して前記ICチップの電極端子と前記回路パターンの前記接続部とを接続する工程と、
を含むことを特徴とするIC実装モジュールの製造方法。
【請求項4】
前記基板フィルムの搬送に同期して、前記接着フィルムおよび前記ICチップ供給フィルム上に搭載された前記ICチップを供給することを特徴とする請求項3に記載のIC実装モジュールの製造方法。
【請求項5】
前記ICチップ供給フィルムは、前記ICチップの他方の面を保護する保護フィルムであることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のIC実装モジュールの製造方法。
【請求項6】
前記ICチップ供給フィルムは、前記所定の間隔で、前記ICチップの形状の窪み部を有し、前記窪み部に前記ICチップを嵌め込んで搭載されていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のIC実装モジュールの製造方法。
【請求項7】
前記ICチップは、台形形状ないしほぼ台形形状であることを特徴とする請求項6に記載のIC実装モジュールの製造方法。
【請求項8】
ICチップを搭載する領域に接続部を有する複数個の同一形状の回路パターンを前記領域が所定の間隔で隣接するように形成した基板フィルムに、一方の面に電極端子を有する複数個の前記ICチップを前記所定の間隔で少なくとも前記電極端子を埋め込んで仮止めした接着フィルムを、少なくとも隣接する前記領域は被覆するように前記ICチップと前記回路パターンとを位置合わせして一括して貼り付ける工程と、
複数個の前記ICチップの少なくとも他方の面を覆うように保護フィルムを一括して貼り付ける工程と、
少なくとも前記保護フィルムを介して前記接着フィルム上の前記ICチップを押圧し、前記ICチップを前記接着フィルムに埋設して前記電極端子と前記回路パターンの前記接続部とを接続する工程と、
を含むことを特徴とするIC実装モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記基板フィルムの搬送に同期して、前記ICチップを搭載した前記接着フィルムおよび前記保護フィルムを供給することを特徴とする請求項8に記載のIC実装モジュールの製造方法。
【請求項10】
前記基板フィルムに複数個形成した前記回路パターンは、前記回路パターンの前記領域の隣接する方向が、前記基板フィルムの搬送方向と直交する方向に配列して形成されていることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか1項に記載のIC実装モジュールの製造方法。
【請求項11】
前記基板フィルムに複数個形成した前記回路パターンは、前記回路パターンの前記領域の隣接する方向が、前記基板フィルムの搬送方向と平行に配列して形成されていることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか1項に記載のIC実装モジュールの製造方法。
【請求項12】
前記回路パターンがアンテナパターンであることを特徴とする請求項3から請求項11のいずれか1項に記載のIC実装モジュールの製造方法。
【請求項13】
ICチップを搭載する領域に接続部を有する複数個の同一形状の回路パターンを前記領域が所定の間隔で隣接するように形成した基板フィルムに、少なくとも隣接する前記領域を被覆するように接着フィルムを一括して貼り付ける貼り付け機構と、
複数個の前記ICチップを前記所定の間隔で搭載したICチップ供給フィルムを、前記領域上で前記ICチップと前記回路パターンとを位置合わせして、前記接着フィルム上に貼り合わせる貼り合わせ機構と、
前記ICチップ供給フィルム上の前記ICチップを前記接着フィルムに埋設して前記ICチップの電極端子と前記回路パターンの前記接続部とを接続する接続機構と、
を有することを特徴とするIC実装モジュールの製造装置。
【請求項14】
ICチップを搭載する領域に接続部を有する複数個の同一形状の回路パターンを前記領域が所定の間隔で隣接するように形成した基板フィルムに、一方の面に電極端子を有する複数個の前記ICチップを前記所定の間隔で少なくとも前記電極端子を埋め込んで仮止めした接着フィルムを、少なくとも隣接する前記領域は被覆するように前記ICチップと前記回路パターンとを位置合わせして一括して貼り付ける貼り付け機構と、
複数個の前記ICチップの少なくとも他方の面を覆うように保護フィルムを一括して貼り付ける貼り付け機構と、
少なくとも前記保護フィルムを介して前記接着フィルム上の前記ICチップを押圧し、前記ICチップを前記接着フィルムに埋設して前記電極端子と前記回路パターンの前記接続部とを接続する接続機構と、
を有することを特徴とするIC実装モジュールの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−108983(P2007−108983A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−298629(P2005−298629)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】