説明

N−チエニルベンズアミド誘導体

【課題】腸管リン酸トランスポーター(NPT-IIb)阻害作用を有し、高リン血症の治療剤及び/又は予防剤の有効成分として有用な化合物を提供する。
【解決手段】本発明者らは、NPT-IIb阻害作用を有し、高リン血症の治療剤及び/又は予防剤の有効成分として有用な化合物の創製について検討した。その結果、NPT-IIb阻害作用を有するN-チエニルベンズアミド誘導体を見出し、本発明を完成した。本発明のN-チエニルベンズアミド誘導体はNPT-IIb阻害作用を有し、高リン血症の予防及び/又は治療剤として使用しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬組成物、例えば、高リン血症治療用医薬組成物の有効成分として有用なN-チエニルベンズアミド誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
リンは生命の維持に必須な元素であり、種々の生体機能において非常に重要な役割を果たしている。リンは、主に食物からリン酸として消化管より取り込まれ、そのほぼ全てが尿中へ排泄されることによって体内の総量が維持・調節されている。尿の生成過程において、リン酸はそのほぼ全てが腎糸球体でろ過され、必要な量だけが尿細管で再吸収されることが知られている。よって、腎不全の進行に伴って腎糸球体ろ過能が低下すると、リン排泄が不十分となり、血清リン濃度の異常上昇すなわち高リン血症を呈する。このように種々の腎不全合併症を誘発する高リン血症は、骨折・骨痛などによる腎不全患者のQOL低下や、心血管系の石灰化に起因する心血管系疾患による腎不全患者の死亡の要因となっていると考えられている。このため、高リン血症は臨床においても非常に大きな問題となっている("KDIGO Clinical Guideline for the Diagnosis, Evaluation, Prevention, and Treatment of Chronic Kidney Disease-Mineral and Bone Disorder(CKD-MBD))",Kidney International, 76, Supplement 113(2009))。
現在、高リン血症の治療としては、消化管からのリン吸収を抑制する目的で、リン吸着剤、例えば沈降炭酸カルシウムに代表される種々のカルシウム塩製剤、塩酸セベラマーに代表されるポリマー、また、炭酸ランタンや水酸化アルミニウム、鉄製剤などの金属塩製剤が用いられている。しかしながらこれらの薬剤は、1日数グラムの投与が必要であることによる服薬コンプライアンスの悪さ、便秘・下痢などの消化器症状、血清カルシウム濃度の上昇や各種金属の蓄積など種々の問題を有しており、これらの点を改善した新規高リン血症治療薬の開発が求められている(同上)。
リンの吸収と排泄には、消化管および腎尿細管の刷子縁膜上に存在するリン酸トランスポーターが関与していると考えられている。これまでにリン酸トランスポーターは多数報告されているが、中でも消化管におけるリン酸吸収においてはNPT-IIbが、腎におけるリン酸再吸収にはNPT-IIaが主な役割を果たしている。また、これらの分子は、ナトリウムとリン酸の共輸送体であることも報告されている。このことから、NPT-IIbの機能を阻害することにより、消化管からのリン吸収を抑制することが可能だと指摘されている(Journal of the American Society of Nephrology,20:p2348-2358(2009))。
【0003】
本作用機序にもとづく高リン血症治療薬が研究されており、例えば、下記一般式で示される化合物がNPT-IIb阻害作用を有する化合物として報告されている(特許文献1)。
【化1】

(式中、Aは5〜9員の不飽和の炭素環部分又は不飽和の複素環部分を表し、Aが表す炭素環部分および複素環部分が2つのC1-6アルキル基又はC2-6アルケニル基により置換されている場合には、これらのアルキル基又はアルケニル基はそれらが結合している炭素原子と一緒になって不飽和の5〜7員環炭素環を形成してもよく、R5は置換されていてもよいアリール基等を表し、R101とR102が一緒になって=Oを表し、かつR103とR104が水素原子等を表し、Zは以下の式(A)、(B)、又は(C)を表し、R6およびR7は同一又は異なってもよく、水素原子、アリール基等を表し、R17は水素原子である化合物を表す。式中のその他の記号は当該公報を参照のこと。)
【化2】

【0004】
その他、NPT-IIb阻害作用を有し、高リン血症の予防又は治療を用途とした化合物として、トリアゾール化合物(特許文献2)、キナゾロン化合物(特許文献3)が開示されている。
【0005】
また、2位にカルボニルアミノ基を有し、3位にカルバモイル基を有するテトラヒドロベンゾチオフェン誘導体が報告されている。例えば、下記一般式で表されるテトラヒドロベンゾチオフェン化合物が抗ウイルス作用を有することが報告されている。(特許文献4)
【化3】

(式中、XはN(R')又は酸素原子を、R1及びR2は結合する原子と一体となって環を形成し、yは0〜3を、R3は置換された炭素環又はヘテロ環等を、R4は-N(R')-C(O)-R7等を、R7は置換された炭素環又はヘテロ環等を、R'は水素原子又は低級アルキルを表す。式中のその他の記号は当該公報を参照のこと。)
下記一般式で表されるテトラヒドロベンゾチオフェン化合物が抗ウイルス作用を有することが報告されている(特許文献5)。
【化4】

(式中、Raは置換されていてもよい水素原子、アルキル等を、Rbは置換されていてもよい-C(O)-Rb1等を、Rb1は置換されていてもよいアミノ、アミノアルキル、炭素環又はヘテロ環等を、Rcは置換されていてもよい-C(O)-Rb1等を、RdおよびReは結合する原子と一体となって形成された置換されていてもよい炭素環又はヘテロ環等を表す。式中のその他の記号は当該公報を参照のこと。)
下記一般式で表されるテトラヒドロベンゾチオフェン化合物が抗腫瘍作用を有することが報告されている(特許文献6)。
【化5】

(式中、Wは炭素原子又は窒素原子を、Aは置換されていてもよい5〜14員のシクロアルキル、ヘテロアリール等を、Yは-NR1R2等を、Xは-C(O)NR5R6等を、R1は水素原子又は低級アルキルを、R2は-C(O)R10等を、R10は置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール等をR5は置換されていてもよいアリール又はヘテロアリール等を、R6は水素原子等を表す。式中のその他の記号は当該公報を参照のこと。)
しかしながら、特許文献4〜6のいずれにおいても、これらの化合物がNPT-IIb阻害作用を有することや、高リン血症の予防又は治療に使用できることは開示も示唆もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2004/085382号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2003/048134号パンフレット
【特許文献3】特開2007−131532号公報
【特許文献4】国際公開第2006/026619号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2006/093518号パンフレット
【特許文献6】国際公開第2006/044826号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
医薬組成物、例えば、高リン血症治療用医薬組成物の有効成分として有用なアミノアルキル置換N-チエニルベンズアミド誘導体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、NPT-IIb阻害作用を有する化合物の創製について鋭意検討した結果、ベンズアミドの芳香環上の置換基に特徴を有するN-チエニルベンズアミド化合物がNPT-IIb阻害作用及び腸管からのリン酸吸収阻害作用を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、式(I)の化合物又はその塩、並びに、式(I)の化合物又はその塩、及び賦形剤を含有する医薬組成物に関する。
【化6】

(式中、
環Aは、ベンゼン又は単環式ヘテロアリール環であり、
環Eは、ベンゼン又は単環式ヘテロアリール環であり、
R1及びR2は、同一又は互いに異なって、H、低級アルキルもしくはシクロアルキルであるか、又は、R1及びR2は、これらが結合するチオフェン環の炭素原子と一体となって、シクロアルケン又は単環式含酸素シクロアルケンを形成する基であり、
R3はH又は低級アルキルであり、
L1は、結合、低級アルキレン、-R00-C(O)-NR0-、-R00-NR0-C(O)-、-R00-O-、-O-R00-、-R00-NR0-、-NR0-R00-であり、
R00は、結合又は低級アルキレンであり、
R0は、H又は低級アルキルであり、
R4Aは、H、アリール又は単環式ヘテロ環基であり、当該アリール及び単環式ヘテロ環基は、-COO-R0、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、-NHR0及び-N(低級アルキル)2から選択される1又は2の基で置換されていてもよく、
R4B及びR4Cは、同一又は互いに異なって、H、低級アルキル、シクロアルキル、ハロゲン、-R00-COO-R0、-NHR0、-N(低級アルキル)2又はR00-OR0であり、
R5はH又は低級アルキルであり、
L2は、低級アルキレンであり、
R6は、H、低級アルキル、1乃至2の-OR0で置換された低級アルキル、-C(O)-低級アルキル、-S(O)m-低級アルキル、-低級アルキレン-N(低級アルキル)2、-R00-ヘテロ環、-R00-フェニルもしくは-R00-シクロアルキルであり、当該ヘテロ環、フェニル及びシクロアルキルは、1乃至2の低級アルキル、又はC(O)-低級アルキルで置換されていてもよく、-R00は1つの-OR0で置換されていてもよく、又は、当該R6は、R7及びこれらが結合する窒素原子とともに、単環式含窒素ヘテロ環基を形成してもよく、当該単環式含窒素ヘテロ環基は、1つの-R00-COO-R0、-R00-OR0又はC(O)-低級アルキレン-COO-R0で置換されていてもよく、
mは、0、1又は2であり、
R7は、下記式(II)もしくは(III)で表わされる基であるか、又は、-R8-R9、-低級アルキレン-COO-R0、-低級アルキレン-NRCRDもしくは-低級アルキレン-C(O)-NR0-低級アルキレン-COO-R0で表わされる基であり、
【化7】

L3は、低級アルキレンであり、
nは、0又は1であり、
RAは、H、低級アルキル、-低級アルキレン-COO-R0、-低級アルキレン-OR0、-低級アルキレン-NHR0、-低級アルキレン-N(低級アルキル)2又はシクロアルキルであり、
L4は、結合、O又は-NR0-であり、
Yは、水酸基で置換されていてもよい低級アルキレン、-R00-単環式ヘテロ環-R00-、-R00-フェニル-R00-、-低級アルキレン-NR0-低級アルキレン-又は低級アルキレン-O-低級アルキレン-であり、
Zは、-COO-R0、-OR0又はP(O)(OR0)2であり、
R8は、-R00-単環式ヘテロ環-R00-、-R00-フェニル-R00-、-低級アルキレン-C(O)-単環式ヘテロ環-R00-又はR00-シクロアルキル-R00-であり、
R9は、-COO-R0 、-C(O)-低級アルキル、-C(O)-低級アルキレン-OR0、-C(O)-R00-COO-R0、-C(O)O-R00-フェニル、-C(O)-R00-NR0-R00-COO-R0、-C(O)-R00-NR0-C(O)-R00-COO-R0又はC(O)O-R00-COO-R0
RC及びRDは、同一又は互いに異なって、H、低級アルキル、-低級アルキレン-COO-R0、-R00-フェニル-COO-R0又はC(O)-COO-R0である。)
なお、特に記載がない限り、本明細書中のある化学式中の記号が他の化学式においても用いられる場合、同一の記号は同一の意味を示す。
【0009】
また、本発明は、式(I)の化合物又はその塩を含有する医薬組成物、特に、高リン血症治療又は予防用医薬組成物に関する。なお、当該医薬組成物は、式(I)の化合物又はその塩を含有する高リン血症治療剤を包含する。
また、本発明は、高リン血症治療又は予防用医薬組成物の製造のための式(I)の化合物又はその塩の使用、高リン血症治療又は予防のための式(I)の化合物又はその塩の使用、高リン血症治療又は予防のための式(I)の化合物又はその塩、及び、式(I)の化合物又はその塩の有効量を対象に投与することからなる高リン血症治療方法に関する。なお、「対象」とは、その予防又は治療を必要とするヒト又はその他の動物であり、ある態様としては、その予防又は治療を必要とするヒトである。
【発明の効果】
【0010】
式(I)の化合物又はその塩は、NPT-IIb阻害作用を有し、高リン血症、腎不全又は腎不全による骨代謝異常の予防及び/又は治療剤として使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、「低級アルキル」とは、直鎖又は分枝状の炭素数が1から6(以後、C1-6と略す)のアルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル等である。別の態様としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、1-エチルプロピルであり、さらに別の態様としては、メチル、1-エチルプロピルである。
【0012】
「低級アルキレン」とは、直鎖又は分枝状のC1-6のアルキレン、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、プロピレン、メチルメチレン、エチルエチレン、1,2-ジメチルエチレン、1,1,2,2-テトラメチルエチレン等である。別の態様としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレンであり、さらに別の態様としては、メチレン、エチレン、トリメチレンである。
【0013】
「ハロゲン」は、F、Cl、Br、Iを意味する。
【0014】
「ハロゲノ低級アルキル」とは、1個以上のハロゲンで置換された、C1-6アルキルである。別の態様としては、1〜5個のハロゲンで置換された低級アルキルであり、さらに別の態様としては、トリフルオロメチルである。
【0015】
「シクロアルキル」とは、C3-10の飽和炭化水素環基であり、架橋を有していてもよい。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチル等である。別の態様としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルである。
【0016】
「シクロアルケン」とは、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンである。別の態様としては、シクロヘキセンである。
【0017】
「アリール」とは、C6-14の単環〜三環式芳香族炭化水素環基であり、例えばフェニル、ナフチルであり、別の態様としてはフェニルである。
【0018】
「ヘテロ環」基とは、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1〜4個含有する3〜15員の、別の態様としては5〜10員の単環〜三環式ヘテロ環基であり、飽和環、芳香環、及びその部分的に水素化された環基を包含する。環原子である硫黄又は窒素が酸化されオキシドやジオキシドを形成してもよい。具体的には、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チエニル、フリル等の単環式ヘテロアリール、インドリル、イソインドリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル等の二環式ヘテロアリール、カルバゾリル、ジベンゾ[b,d]フラニル、ジベンゾ[b,d]チエニル等の三環式ヘテロアリール、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピリジニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキソラニル、ジオキサニル、テトラヒドロチオピラニル等の非芳香族単環式ヘテロ環、インドリニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、テトラヒドロキノキサリニル、ジヒドロキノキサリニル、ジヒドロベンゾキサゾリル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾフリル、クロマニル、クロメニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル等の非芳香族二環式ヘテロ環、キヌクリジニル等の架橋ヘテロ環等である。別の態様としては、ピリジル、チアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フリル、チエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、キヌクリジニルであり、さらに別の態様としては、ピリジル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニルである。
【0019】
環A及び環Eにおける単環式ヘテロアリール環とは、前記の単環式ヘテロアリールに示される環基に対応する環であり、例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チエニル、フリルに対応する環が挙げられる。
環Aにおける、単環式ヘテロアリールの態様としては、ピリジル、チアゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリルに対応する環が挙げられる。
環Eにおける、単環式ヘテロアリールの態様としては、ピリジル、チアゾリル、ピラジニル、チエニル、フリルに対応する環が挙げられる。
【0020】
「単環式含窒素へテロ環」基とは、上記の非芳香族単環式ヘテロ環及び単環式ヘテロアリールのうち、少なくとも1個の窒素原子を含む環基であり、例えば、アゼパニル、ジアゼパニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、キヌクリジニル等が挙げられる。別の態様としては、ピリジル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピペリジル、モルホリニル、キヌクリジニルである。
【0021】
R6及びR7が、これらが結合する窒素原子とともに形成する単環式含窒素ヘテロ環基としては、前記の単環式含窒素ヘテロ環に示される環基であり、例えば、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジルである。
【0022】
「単環式含酸素シクロアルケン」とは、ジヒドロフラン、ジヒドロピランである。
【0023】
本明細書において、「置換されていてもよい」とは、無置換、若しくは置換基を1〜5個有していることを意味する。なお、複数個の置換基を有する場合、それらの置換基は同一であっても、互いに異なっていてもよい。
【0024】
本明細書では、複数の置換基を有する二価以上の環基についても、便宜上、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環等の一価基として表現している。
【0025】
本発明のある態様には、以下に示される式(I)の化合物またはその塩が含まれる。
(1)式(I)中、環Aがベンゼン又はピリジンである化合物。さらに別の態様としては、ベンゼンである化合物。
(2)式(I)中、環Eがベンゼン又はピリジンである化合物。さらに別の態様としては、ベンゼンである化合物。
(3)式(I)中、R1及びR2が、これらが結合するチオフェン環の炭素原子と一体となってシクロアルケン又は単環式含酸素シクロアルケンを形成する基である化合物。ここで、シクロアルケン及び単環式含酸素シクロアルケンの態様としては、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジヒドロピランであり、別の態様としては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジヒドロピランである。別の態様としては、シクロヘキセンである。さらに別の態様としては、R1及びR2が、これらが結合するチオフェン環の炭素原子と一体となって下記式で表される基である化合物。
【化8】

上記式中、X1の態様としては、CH2又はOであり、別の態様としては、CH2であり、さらに別の態様としては、Oである。kの態様としては、1、2又は3であり、別の態様としては、1であり、さらに別の態様としては2又は3である。
(4)式(I)中、R3がH又はメチルである化合物。さらに別の態様としては、R3がHである化合物。
(5)式(I)中、L1が低級アルキレンである化合物。さらに別の態様としては、エチレン、トリメチレンである化合物。さらに別の態様としては、エチレンである化合物。
(6)式(I)中、R4Aが置換されていてもよいフェニル又はピリジルである化合物。さらに別の態様としては置換されていてもよいフェニルである化合物。当該置換基の態様としては、-COO-R0、ハロゲン、低級アルキル又はN(低級アルキル)2から選択される1又は2の基であり、さらに別の態様としては、1の-COOHである。
(7)式(I)中、R4B及びR4CがいずれもHである化合物。
(8)式(I)中、R5がHである化合物。
(9)式(I)中、L2が低級アルキレンである化合物。別の態様としては、メチレンである化合物。
(10)式(I)中、R6がH、低級アルキル、1乃至2の-OR0で置換された低級アルキル、-N(低級アルキル)2、-C(O)-低級アルキル、-S(O)2-低級アルキル、-低級アルキレン-N(低級アルキル)2、-R00-ヘテロ環、-R00-フェニルもしくは-R00-シクロアルキルであり、当該ヘテロ環、フェニル及びシクロアルキルは、1乃至2の低級アルキル、又はC(O)-低級アルキルで置換されていてもよい化合物。別の態様としては、低級アルキル又はシクロアルキルである化合物。さらに別の態様としては、1-エチルプロピル又はシクロプロピルである化合物。上記ヘテロ環の態様としては、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、キヌクリジニル、ピリジル、ピペリジル又はピペラジニルである。
(11)式(I)中、R7が下記式(II)もしくは(III)で表わされる化合物。別の態様としては、式(II)である化合物。さらに別の態様としては、式(III)である化合物。
【化9】

さらに、
(12)L3がエチレン、トリメチレンである(11)記載の化合物。
(13)RAが、H、低級アルキル、-低級アルキレン-OR0、-低級アルキレン-COO-R0である(11)記載の化合物。別の態様としては、RAが、H、低級アルキル又は低級アルキレン-OR0である(11)記載の化合物。
(14)nが0である(11)記載の化合物。別の態様としては、nが1である(11)記載の化合物。
(15)L4が結合又はOである(11)記載の化合物。
(16)Yが-R00-フェニル-R00-である(11)記載の化合物。別の態様としては、Yが水酸基で置換されていてもよい低級アルキレン、-R00-単環式ヘテロ環-R00-、-低級アルキレン-NR0-低級アルキレン-又は低級アルキレン-O-低級アルキレン-である(11)記載の化合物。また、別の態様として、Yが水酸基で置換されていてもよい低級アルキレン又は-低級アルキレン-NR0-低級アルキレン-である(11)記載の化合物。さらに別の態様としては、Yが水酸基で置換されていてもよい低級アルキレンである(11)記載の化合物。上記、単環式ヘテロ環の態様としては、ピペラジニル、ピリジル、ピペリジルである。
(17)Zが-COO-R0である(11)記載の化合物。別の態様としては、Zが-COOHである(11)記載の化合物。
(18)式(I)中、R7が-R8-R9で表される化合物。
(19)R8が-R00-フェニル-R00-、-R00-単環式ヘテロ環-R00-である(18)記載の化合物。上記単環式ヘテロ環の態様としては、ピリミジニル、ピペリジルである。
(20)R9が-COOH、-C(O)-R00-COO-R0である(18)記載の化合物。
(21)式(I)中、R7が-低級アルキレン-COO-R0で表される化合物。
(22)上記(1)〜(21)に記載の基のうち二以上の組み合わせである化合物。
【0026】
上記、(22)における具体的組み合わせの例として、以下の態様が挙げられる。
(23)環A及び環Eが、ベンゼン又はピリジンのいずれかである化合物。
(24)R1及びR2が、これらが結合するチオフェン環の炭素原子と一体となって、シクロアルケン又はジヒドロピランを形成する(23)記載の化合物。
(25)R7が、式(II)に示される基である(24)記載の化合物。
(26)R7が、式(II)に示される基であり、nが1である(25)記載の化合物。
【0027】
(27)式(IV)で示される化合物。
【化10】

(式中、
X1は、CH2又はOであり、
kは、1、2又は3であり、
X2は、CH又はNであり、
L1Aは、低級アルキレンであり、
X3は、CH又はNであり、
L2Aは、低級アルキレンであり、
ZAは、-COO-R0であり、他の記号は式(I)と同様である。)
(28)R6が低級アルキル又はシクロアルキルである(27)記載の化合物。
(29)nが1であり、RAがH、低級アルキル又は低級アルキレン-OR0である(28)記載の化合物。
(30)Yが水酸基で置換されていてもよい低級アルキレンである(29)記載の化合物。
(31)X1がCH2であり、kが1である、(30)記載の化合物。
(32)X2およびX3がいずれもCHである(31)記載の化合物。
(33)nが0である(28)記載の化合物。
【0028】
(34)式(V)で示される化合物。
【化11】

(式中、
X1は、CH2又はOであり、
kは、1、2又は3であり、
X2は、CH又はNであり、
L1Aは、低級アルキレンであり、
X3は、CH又はNであり、
L2Aは、低級アルキレンであり、
R7Aは、-R8-R9又は低級アルキレン-COO-R0であり、他の記号は式(I)と同
様である。)
【0029】
本発明に包含される具体的化合物の例として、以下の化合物が挙げられる。
4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(3-カルボキシプロパノイル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル) ベンゾイック アシッド、
4-(2-{4-[({2-[(3-{[(2-{[(カルボキシメトキシ)カルボニル](メチル)アミノ}エチル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル) ベンゾイック アシッド、
4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(4-カルボキシ-4-メチルペンタノイル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル) ベンゾイック アシッド、
4-(2-{4-[({2-[(3-{[{3-[(3-カルボキシプロパノイル)(メチル)アミノ]プロピル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル) ベンゾイック アシッド、
4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(3-カルボキシプロパノイル)(2-メトキシエチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル) ベンゾイック アシッド、
4-(2-{4-[({2-[(3-{[(4-カルボキシ-4-メチルペンタノイル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル) ベンゾイック アシッド、
4-(2-{4-[({2-[(3-{[(4-カルボキシ-3,3-ジメチルブタノイル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル) ベンゾイック アシッド、
又は、これらの塩。
【0030】
式(I)の化合物には、置換基の種類によって、互変異性体や幾何異性体が存在しうる。本明細書中、式(I)の化合物が異性体の一形態のみで記載されることがあるが、本発明は、それ以外の異性体も包含し、それら異性体の分離されたもの、あるいはそれらの混合物も包含する。
また、式(I)の化合物には、不斉炭素原子や軸不斉を有する場合があり、これに基づく光学異性体が存在しうる。本発明は、式(I)の化合物の光学異性体の分離されたもの、あるいはそれらの混合物も包含する。
【0031】
さらに、本発明は、式(I)で示される化合物の製薬学的に許容されるプロドラッグも包含する。製薬学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解により又は生理学的条件下で、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等に変換されうる基を有する化合物である。プロドラッグを形成する基としては、例えば、Prog. Med., 5, 2157-2161(1985)や、「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻 分子設計163-198に記載の基が挙げられる。
【0032】
また、式(I)の化合物の塩とは、式(I)の化合物の製薬学的に許容される塩であり、置換基の種類によって、酸付加塩又は塩基との塩を形成する場合がある。具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の金属との無機塩、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、メグルミン、トロメタミン、オルニチン等の有機塩基との塩、アセチルロイシン等の各種アミノ酸及びアミノ酸誘導体との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
【0033】
さらに、本発明は、式(I)の化合物及びその塩の各種の水和物や溶媒和物、及び結晶多形の物質も包含する。また、本発明は、種々の放射性又は非放射性同位体でラベルされた化合物も包含する。
【0034】
(製造法)
式(I)の化合物及びその塩は、その基本構造あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料から最終中間体へ至る段階で適当な保護基(容易に当該官能基に転化可能な基)に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。このような保護基としては、例えば、ウッツ(P. G. M. Wuts)及びグリーン(T. W. Greene)著、「Greene's Protective Groups in Organic Synthesis(第4版、2006年)」に記載の保護基等を挙げることができ、目的の反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。このような方法により、当該保護基を導入して反応を行ったあと、適切に保護基を除去することにより、所望の化合物を得ることができる。
また、式(I)の化合物のプロドラッグは、上記保護基と同様、原料から中間体へ至る段階で特定の基を導入、あるいは得られた式(I)の化合物に導入することで製造できる。反応は通常のエステル化、アミド化、脱水等、当業者に公知の方法を適用することにより行うことができる。
以下、式(I)の化合物の代表的な製造法を説明する。各製法は、当該説明に付した参考文献を参照して行うこともできる。なお、本発明の製造法は以下に示した例には限定されない。
【0035】
第1製法
【化12】

本発明化合物(I)は、化合物(1)と化合物(2)との反応により得ることができる。
この反応では、化合物(1)と化合物(2)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、縮合剤の存在下、反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱下、好ましくは-20℃〜60℃において、通常0.1時間〜5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン若しくはキシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン若しくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、アセトニトリル又は水、及びこれらの混合物が挙げられる。縮合剤の例としては、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(WSC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,1’-カルボニルジイミダゾール、ジフェニルリン酸アジド、オキシ塩化リンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。添加剤(例えば1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt))を用いることが反応に好ましい場合がある。トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン若しくはN-メチルモルホリン等の有機塩基、又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム若しくは水酸化カリウム等の無機塩基の存在下で反応を行うことが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
また、カルボン酸(2)を反応性誘導体へ変換した後にアミン(1)と反応させる方法も用いることができる。カルボン酸の反応性誘導体の例としては、オキシ塩化リン、塩化チオニル等のハロゲン化剤と反応して得られる酸ハロゲン化物、クロロギ酸イソブチル等と反応して得られる混合酸無水物、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール等と縮合して得られる活性エステル等が挙げられる。これらの反応性誘導体と化合物(1)との反応は、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類等の反応に不活性な溶媒中、冷却下〜加熱下、好ましくは、-20℃〜60℃で行うことができる。
〔文献〕
S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」16巻(2005年)(丸善)
式(I)中、L1又はR7にアミド構造を有する化合物は、対応するカルボン酸及びアミン化合物を原料として用いて、同様のアミド化反応に付すことにより製造することができる。
【0036】
第2製法
【化13】

(式中、X1は脱離基を示す。)
本発明化合物(I)は、化合物(3)と化合物(4)との反応により得ることができる。ここで、脱離基の例には、ハロゲン、メタンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ基等が含まれる。
この反応では、化合物(3)と化合物(4)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、反応に不活性な溶媒中、又は無溶媒下、冷却下から加熱還流下、好ましくは0℃から80℃において、通常0.1時間〜5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、芳香族炭化水素類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、アセトニトリル及びこれらの混合物が挙げられる。トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン若しくはN-メチルモルホリン等の有機塩基、又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム若しくは水酸化カリウム等の無機塩基の存在下で反応を行うのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
〔文献〕
S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」14巻(2005年)(丸善)
【0037】
第3製法
【化14】

本発明化合物(I)は、化合物(5)と化合物(6)との反応により得ることができる。
この反応では、化合物(5)と化合物(6)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、塩基の存在下、反応に不活性な溶媒中、又は無溶媒下、冷却下から加熱還流下、好ましくは-78℃から60℃において、通常0.1時間〜5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、芳香族炭化水素類、エーテル類、及びこれらの混合物が挙げられる。塩基としては、ブチルリチウム、リチウム ジイソプロピルアミド、リチウム ヘキサメチルジシラジド、カリウム ヘキサメチルジシラジド、ナトリウム ヘキサメチルジシラジド、ジイソブチルアルミニウム ハイドライド、ピリジンを用いることができる。
【0038】
第4製法
【化15】

(式中、R7AはR7で定義される基のうち、低級アルキレンを有し、当該低級アルキレンで窒素原子と結合するものを示す。)
本発明化合物(I)中、R7として-CH2-R7Aを有する化合物(Ia)は、化合物(7)と化合物(8)の反応により得ることができる。
この反応では、化合物(7)と化合物(8)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、還元剤の存在下、反応に不活性な溶媒中、-45℃から加熱還流下、好ましくは0℃〜室温において、通常0.1時間〜5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定されないが、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類及びこれらの混合物が挙げられる。還元剤としては、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。モレキュラーシーブス等の脱水剤、又は酢酸、塩酸、チタニウム(IV)イソプロポキシド錯体等の酸存在下で反応を行うことが好ましい場合がある。反応によっては、化合物(7)と化合物(8)との縮合によりイミンが生成し、安定な中間体として単離できる場合がある。そのような場合には、このイミン中間体の還元反応により化合物(Ia)を得ることができる。また、前記還元剤での処理の代わりに、メタノール、エタノール、酢酸エチル等の溶媒中、酢酸、塩酸等の酸の存在下又は非存在下で、還元触媒(例えば、パラジウム炭素、ラネーニッケル等)を用いて反応を行うこともできる。この場合、反応を常圧から50気圧の水素雰囲気下で、冷却下から加熱下で行うことが好ましい。
〔文献〕
A. R. Katritzky及びR. J. K. Taylor著、「Comprehensive Organic Functional Group Transformations II」、第2巻、Elsevier Pergamon、2005年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」14巻(2005年)(丸善)
【0039】
第5製法
【化16】

(式中、X2は脱離基を示す。)
本発明化合物(I)中、R7として-L3-N(RA)-COO-Y-ZAを有する化合物(Ib)は、化合物(10)を炭酸エステル誘導体(11)へと変換後、アミン化合物(9)と反応させることにより得ることができる。ここで、脱離基の例には、Cl、イミダゾリル、フェノキシ、4-ニトロフェノキシ基が挙げられる。
最初の工程は、反応に不活性な溶媒中、塩基の存在下、冷却下から加熱下、好ましくは-20℃から80℃で、化合物(10)を等量若しくは過剰量のカルボニル化試薬と通常0.1時間〜1日程度反応させることにより行われる。次の工程では、第一工程の反応を停止することなく、反応混合物に等量若しくは過剰量のアミン化合物(9)を加え、この混合物を、冷却下から加熱下、好ましくは-20℃から80℃で0.1時間〜1日程度撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定されないが、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、アセトニトリル或いはこれらの混合物が挙げられる。カルボニル化試薬の例としては、ジホスゲン、トリホスゲン、1,1’-カルボニルジイミダゾール、クロロギ酸 4-ニトロフェニル、クロロギ酸フェニルが挙げられる。中間体であるフェニルカルボナート体が安定である場合には、これを一旦単離した後に次の反応を行っても良い。
〔文献〕
S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第2巻、Academic Press Inc.、1991年
式(I)中、R7として-L3-N(RA)-CO-NRB-Y-ZAを有する化合物も、化合物(9)と、化合物(10)に対応する化合物(HNRB-Y-ZA)を原料として用いて、上記と同様の条件下でウレア化反応に付すことにより製造することができる。
【0040】
第6製法
本発明化合物(I)中、分子内にカルボキシル基を有する化合物は、これを保護した前駆体を上記の方法により製造した後、脱保護に付すことにより製造することができる。この反応は、グリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons Inc、1999年を参照して実施することができる。
【0041】
原料化合物の製法
【化17】

(式中、X3はハロゲンを示す。)
前記、第1及び第2製法における原料化合物(1)及び(3)は、上記の反応により製造することができる。上記式中、アミド化1は、前記第1製法の条件中、特に縮合剤を用いる方法を用いて実施することができる。アミド化2は、前記第1製法の条件中、カルボン酸化合物を反応性誘導体へ変換した後、アミン化合物との反応を行う場合と同様の条件を用いて実施することができる。Gewald反応はK. Gewald著「Chem. Ber., 98 (1965), 3571.」を参照して実施することができる。
前記、第4〜6製法の原料化合物も上記の製法により、また、場合により、前記第1、第2製法を組み合わせて製造することができる。例えば、第4製法の原料化合物(7)は、前記の原料化合物(3)とR6NH2とを用いて、第二製法と同様の条件で製造することができる。
【0042】
【化18】

(式中、R10はカルボキシル基の保護基を示す。)
前記、第3製法における原料化合物(5)は、上記の反応により製造することができる。上記式中、アミド化3は、前記第1製法の条件を用いて実施することができる。脱保護は、グリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons Inc、1999年を参照して実施することができる。環化は、I.A.Kharizomenova,著「Chemistry of Heterocyclic Compounds, 1980 ,vol.16, 36」を参照して実施することができる。
【0043】
式(I)の化合物は、遊離化合物、その塩、水和物、溶媒和物、あるいは結晶多形の物質として単離され、精製される。式(I)の化合物の塩は、常法の造塩反応に付すことにより製造することもできる。
単離、精製は、抽出、分別結晶化、各種分画クロマトグラフィー等、通常の化学操作を適用して行なわれる。
各種の異性体は、適当な原料化合物を選択することにより製造でき、あるいは異性体間の物理化学的性質の差を利用して分離することができる。例えば、光学異性体は、ラセミ体の一般的な光学分割法(例えば、光学活性な塩基又は酸とのジアステレオマー塩の分別結晶化や、キラルカラム等を用いたクロマトグラフィー等)により得られ、また、適当な光学活性な原料化合物から製造することもできる。
【0044】
式(I)の化合物の薬理活性は、以下の試験により確認した。
試験例1:ラットNPT-IIb発現細胞の33Pリン酸取り込み阻害作用
(1)ラットNPT-IIb発現細胞の作製
ラット小腸cDNAライブラリをテンプレートにして、定法に従いPCRによってラットNPT-IIb ORFをp3 × FLAG-CMV-10にクローニングした。次に、クローニングしたラットNPT-IIb発現plasmidを293細胞にトランスフェクションし、G418を用いてラットNPT-IIb安定発現細胞株の取得を行った。
(2)ラットNPT-IIb発現細胞へのリン酸取り込み抑制評価系
ラットNPT-IIb発現細胞を96 ウェルプレートにまき、オーバーナイトインキュベートした。培地を抜きとりバッファーA (137mM N-methyl-D-glucamine, 5.4mM KCl, 2.8mM CaCl2, 1.2mM MgCl2, 10mM HEPES (HClで pH7.4に調整))で洗浄した後、バッファーB (137mM NaCl, 5.4mM KCl, 2.8mM CaCl2, 1.2mM MgCl2, 0.1mM KH2PO4, 10mM HEPES (KOHで pH7.4に調整))を添加した。次に評価濃度の10倍濃度の化合物を、バッファーBで希釈して準備し添加した。CO2インキュベーターにてインキュベートの後、50 μCi/mLの33Pを含むバッファーBを添加し、再度CO2インキュベーターにてインキュベートした。反応後にバッファーを抜き取り、バッファーC (137mM NaCl, 10mM Tris/HCl pH7.2)で洗浄の後、マイクロシンチ-20を添加し、トップカウントにて33P取り込みを測定した。阻害率は以下の式にて求めた。
阻害率(%)=(1−(薬物処理ウェルの33P取り込み)/(DMSO添加ウェルの33P取り込み)) × 100
【0045】
いくつかの本発明化合物の薬効評価濃度1 μMにおける33Pリン酸のラットNPT-IIb取り込み阻害率(Int.1)を表1に例示する。ただし、Exは後記実施例化合物番号を示す(以下同様。)。
【表1】

【0046】
試験例2:32Pリン酸経口負荷ラットの血中放射活性上昇抑制作用(リン酸吸収阻害作用)
Wistar系雄性ラット(6-7週齢)を24時間絶食させたのち実験動物として用いた。化合物は0.6 mg/mLの濃度となるように溶媒に懸濁あるいは溶解して使用した。化合物を3 mg/kgの用量で化合物投与群の動物に強制経口投与した。標準群の動物には化合物を含まない溶媒を5 mL/kgの用量で投与した。化合物投与あるいは溶媒投与5分後に32P含有リン酸水(8.3 mM NaH2PO4)を7.2 mL/kgの用量で経口投与し、15分および30分後に眼窩静脈叢より採血して血清を採取した。血清0.1 mL中の放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。測定値からAUC0-30分を算出しリン酸吸収カウントとした。得られたAUC0-30分値からリン酸吸収阻害率を以下の式にて求めた。
リン酸吸収阻害率(%)=(1−化合物投与群リン酸吸収カウント/標準群リン酸吸収カウント) × 100
【0047】
いくつかの式(I)の化合物についてのリン酸吸収阻害率(Int.2)を表2に例示する。
【表2】

【0048】
このように、上記の本発明化合物がNPT-IIbを介したリン酸取り込み抑制作用を有し、in vivoでも、腸管からのリン酸吸収阻害作用を呈することが示された。従って、式(I)の化合物は、高リン血症等の治療等に使用できる。
【0049】
式(I)の化合物又はその塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、当分野において通常用いられている賦形剤、即ち、薬剤用賦形剤や薬剤用担体等を用いて、通常使用されている方法によって調製することができる。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、又は、関節内、静脈内、筋肉内等の注射剤、坐剤、点眼剤、眼軟膏、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
【0050】
経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、1種又は2種以上の有効成分を、少なくとも1種の不活性な賦形剤と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えば滑沢剤や崩壊剤、安定化剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤又はエリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水又はエタノールを含む。当該液体組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
【0051】
非経口投与のための注射剤は、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤又は乳濁剤を含有する。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水又は生理食塩液が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばエタノールのようなアルコール類がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、又は溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解又は懸濁して使用することもできる。
【0052】
外用剤としては、軟膏剤、硬膏剤、クリーム剤、ゼリー剤、パップ剤、噴霧剤、ローション剤、点眼剤、眼軟膏等を包含する。一般に用いられる軟膏基剤、ローション基剤、水性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤等を含有する。
【0053】
吸入剤や経鼻剤等の経粘膜剤は固体、液体又は半固体状のものが用いられ、従来公知の方法に従って製造することができる。例えば公知の賦形剤や、更に、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、滑沢剤、安定剤や増粘剤等が適宜添加されていてもよい。投与は、適当な吸入又は吹送のためのデバイスを使用することができる。例えば、計量投与吸入デバイス等の公知のデバイスや噴霧器を使用して、化合物を単独で又は処方された混合物の粉末として、もしくは医薬的に許容し得る担体と組み合わせて溶液又は懸濁液として投与することができる。乾燥粉末吸入器等は、単回又は多数回の投与用のものであってもよく、乾燥粉末又は粉末含有カプセルを利用することができる。あるいは、適当な駆出剤、例えば、クロロフルオロアルカン又は二酸化炭素等の好適な気体を使用した加圧エアゾールスプレー等の形態であってもよい。
【0054】
通常経口投与の場合、1日の投与量は、体重当たり約0.001〜100 mg/kg、好ましくは0.1〜30 mg/kg、更に好ましくは0.1〜10 mg/kgが適当であり、これを1回であるいは2回〜4回に分けて投与する。静脈内投与される場合は、1日の投与量は、体重当たり約0.0001〜10 mg/kgが適当で、1日1回〜複数回に分けて投与する。また、経粘膜剤としては、体重当たり約0.001〜100 mg/kgを1日1回〜複数回に分けて投与する。投与量は症状、年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。
【0055】
投与経路、剤形、投与部位、賦形剤や添加剤の種類によって異なるが、本発明の医薬組成物は0.01〜100重量%、ある態様としては0.01〜50重量%の有効成分である1種又はそれ以上の式(I)の化合物又はその塩を含有する。
【0056】
式(I)の化合物は、前述の式(I)の化合物が有効性を示すと考えられる疾患の種々の治療剤又は予防剤と併用することができる。当該併用は、同時投与、或いは別個に連続して、若しくは所望の時間間隔をおいて投与してもよい。同時投与製剤は、配合剤であっても別個に製剤化されていてもよい。
【実施例】
【0057】
以下、実施例に基づき、式(I)の化合物の製造法をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、下記実施例に記載の化合物に限定されるものではない。また、原料化合物の製法を製造例にそれぞれ示す。また、式(I)の化合物の製造法は、以下に示される具体的実施例の製造法のみに限定されるものではなく、式(I)の化合物はこれらの製造法の組み合わせ、あるいは当業者に自明である方法によっても製造されうる。
【0058】
また、実施例、製造例及び後記表中において、以下の略号を用いることがある。
Pr:製造例番号、Ex:実施例番号、Str:構造式(構造式中に「*」が付された化合物は、当該炭素原子が不斉中心であり、キラル化合物である。構造式において、化合物のある結合が二本の交差線で表わされている場合、当該結合が二重結合であって、当該化合物がE体とZ体の混合物である。)、Syn:製造法(数字は、当該実施例化合物がその実施例番号の化合物と同様の製造法で製造されたことを示す。)、PSy:製造方法(数字は、当該製造例化合物がその製造例番号の化合物と同様の製造法で製造されたことを示す。また、複数個の製造例番号が「,」で区切られて記載されている化合物は、当該製造例化合物が左から順にその製造例と同様の製造法で製造されたことを示す。)、Dat:物理化学的データ、ESI+:質量分析におけるm/z値(イオン化法ESI、断りのない場合(M+H)+)、ESI-:質量分析におけるm/z値(イオン化法ESI、断りのない場合(M-H)-)、EI:質量分析におけるm/z値(イオン化法EI、断りのない場合(M)+)、FAB+:質量分析におけるm/z値(イオン化法FAB、断りのない場合(M+H)+)、FAB-:質量分析におけるm/z値(イオン化法FAB、断りのない場合(M-H) -)、APCI/ESI+:質量分析におけるm/z値(イオン化法APCIとESIを同時に行う、断りのない場合(M+H)+)、CI+: 質量分析におけるm/z値(イオン化法CI、断りのない場合(M+H)+)、NMR:DMSO-d6中で測定した1H NMRスペクトルにおける特徴的なピークのδ (ppm)。実施例60の1H NMRスペクトルは80℃にて測定した。
【0059】
構造式中のHClはその化合物が塩酸塩として単離されたことを示す。
また、便宜上、濃度mol/LをMとして表す。例えば、1M水酸化ナトリウム水溶液は1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液であることを意味する。
【0060】
製造例1
2-(メチルアミノ)エタノール6.2mL、炭酸水素ナトリウム6.48g、THF 60mL及び水30mLの混合物に氷冷下、コハク酸モノエチルクロリド10 mLを30分かけて滴下し、3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:4)にて精製し、エチル 4-[(2-ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]-4-オキソブタノエート12.0gを得た。
【0061】
製造例2
エチル 4-[(2-ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]-4-オキソブタノエート11.9g及び塩化メチレン120mLの混合物に氷冷下、デスマーチンペルヨージナン26.0gを徐々に加え、3時間かけて室温まで昇温した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、30分室温にて撹拌した。水層を塩化メチレンにて抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:4)にて精製し、エチル 4-[メチル(2-オキソエチル)アミノ]-4-オキソブタノエート4.48gを得た。
【0062】
製造例3
2-(シクロプロピルアミノ)エタノール臭化水素酸塩2.55gに炭酸水素ナトリウム3.54gを用いて、製造例1と同様の手法にてエチル 4-[シクロプロピル(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-オキソブタノエート0.60gを得た。
【0063】
製造例4
N'-(2,2-ジメトキシエチル)-N,N-ジエチルエタン-1,2-ジアミン1.0g、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン0.84mL及び塩化メチレン10mLの混合物に氷冷下、コハク酸モノエチルクロリド0.70mLを加え、氷冷下1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、酢酸エチル及び水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、油状物1.2gを得た。得られた油状物1.2g、塩化メチレン12mL及びトリフルオロ酢酸(TFA)12mLの混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、炭酸水素ナトリウム水溶液、酢酸エチルを加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、エチル 4-{[2-(ジエチルアミノ)エチル](2-オキソエチル)アミノ}-4-オキソブタノエート0.78gを得た。
【0064】
製造例5
4-[(E)-2-(4-ニトロフェニル)ビニル]安息香酸メチル 50.1 g、THF 600 mL及びN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)200 mLの混合物に10%パラジウム炭素(wetted with 55% H2O) 10.3 gを加え、水素雰囲気下(1気圧)、室温で8時間撹拌した。反応容器内をアルゴンで置換した後、不溶物をセライトにてろ去した。ろ液を減圧下濃縮し、残渣に水1000 mLを加え室温で30分撹拌した。析出物をろ取し、4-[2-(4-アミノフェニル)エチル]安息香酸メチル 44.0gを得た。
【0065】
製造例6
4-[2-(4-アミノフェニル)エチル]安息香酸メチル43.9g、シアノ酢酸22.3g及びDMF150mLの混合物に、氷冷下WSC・塩酸塩49.5gを加えた。室温にて24時間撹拌した後、反応混合物に水450mLを室温にて加えた。30分間室温にて撹拌した後、析出物をろ取し、4-(2-{4-[(シアノアセチル)アミノ]フェニル}エチル)安息香酸メチル54.2gを得た。
【0066】
製造例7
4-(2-{4-[(シアノアセチル)アミノ]フェニル}エチル)安息香酸メチル54.0g、シクロヘキサノン50.0mL及びトルエン300mLの混合物に室温にてモルホリン15.0mLを滴下した。反応装置にDean-Stark型脱水管を取り付け、反応混合物を120℃に加熱した油浴にて3時間撹拌した。続いて反応混合物を加熱還流下、更に1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、減圧下濃縮した。ジイソプロピルエーテル200mLを更に加え14時間撹拌した。析出した固体をろ取し、4-[2-(4-{[シアノ(シクロヘキシリデン)アセチル]アミノ}フェニル)エチル]安息香酸メチル53.2gを得た。この固体と、硫黄4.5g及びDMF80mLの混合物に室温にてモルホリン12.0mLを滴下した。反応混合物を50℃にて1時間撹拌した。反応混合物に飽和食塩水を加え酢酸エチルで抽出した後、有機層を水及び飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、減圧下溶媒を留去して得られた残渣にイソプロパノールを加えた。析出した固体をろ取しメチル 4-[2-(4-{[(2-アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート43.1gを得た。
【0067】
製造例8
メチル 4-[2-(4-{[(2-アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート6.9g、ピリジン1.5mL及び塩化メチレン69mLの混合物に、3-(クロロメチル)ベンゾイル クロリド3.27gを滴下し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、エタノールを加え、析出した固体をろ取し、メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート9.27gを得た。
【0068】
製造例9
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート8.00g、ペンタン-3-アミン4.8mL、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン3.5mL及びDMF80mLの混合物を80℃で13時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/クロロホルム)にて精製し、メチル 4-{2-[4-({[2-({3-[(ペンタン-3-イルアミノ)メチル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}ベンゾエート6.57gを得た。
【0069】
製造例10
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート250mg、N,N'-ジイソプロピルエチレンジアミン0.25mLを原料として用いて、製造例9と同様の反応を行うことにより、メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-({イソプロピル[2-(イソプロピルアミノ)エチル]アミノ}メチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート220mgを得た。
【0070】
製造例11
tert-ブチル (2-ブロモエチル)カルバメート1.0g、ペンタン-3-アミン2.5mL及びアセトニトリル10mLを原料として用いて、製造例9と同様の反応を行うことにより、tert-ブチル [2-(ペンタン-3-イルアミノ)エチル]カルバメート890mgを得た。
【0071】
製造例12
メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート240mg及び塩化メチレン5.0mLの混合物に、氷冷下でTFA3.0mLを加え、同温度で1時間、その後室温で5時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、クロロホルムと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[(2-アミノエチル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート210mgを得た。
【0072】
製造例13
メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[(2-アミノエチル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート210mg、トリエチルアミン0.10mL及び塩化メチレン10mLの混合物に、氷冷下でコハク酸モノエチルクロリド70mgを加え、同温度で1時間、さらに室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、反応混合物にクロロホルムと水を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%メタノール/クロロホルム)にて精製し、メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(4-エトキシ-4-オキソブタノイル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート170mgを得た。
【0073】
製造例14
メチル 4-{2-[4-({[2-({3-[(ペンタン-3-イルアミノ)メチル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}ベンゾエート800mg、 tert-ブチル メチル(2-オキソエチル)カルバメート257mg、酢酸7.5mg及びジクロロエタン16mLの混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム372mgを加え、室温で15時間撹拌した。反応混合物に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート908mgを得た。
【0074】
製造例15
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-({[2-(メチルアミノ)エチル](ペンタン-3-イル)アミノ}メチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート250mg、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン0.20mL及びTHF10mLの混合物に、氷冷下で(S)-(-)-2-イソシアナトプロピオン酸メチル70mgを加え、同温度で1時間、その後室温で2時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルと炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%メタノール/クロロホルム)にて精製し、メチル 4-{2-[4-({[2-({3-[(4S)-4,7-ジメチル-3,6-ジオキソ-10-(ペンタン-3-イル)-2-オキサ-5,7,10-トリアザウンデカン-11-イル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}ベンゾエート290mgを得た。
【0075】
製造例16
(2R)-4-メトキシ-2-メチル-4-オキソブタン酸100mg及び塩化メチレン10mlの混合物に、氷冷下で塩化オキザリル0.10mL、DMF0.020mLを順に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、減圧濃縮した。この塩化メチレン5.0ml溶液を、メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-({[2-(メチルアミノ)エチル](ペンタン-3-イル)アミノ}メチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート200mg、トリエチルアミン0.10mL及び塩化メチレン5.0mlの混合物に、氷冷下で加え、同温度で1時間、その後室温で4日間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、クロロホルムと水を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%メタノール/クロロホルム)にて精製し、メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[(2-{[(2R)-4-メトキシ-2-メチル-4-オキソブタノイル](メチル)アミノ}エチル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート230mgを得た。
【0076】
製造例17
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-({[2-(メチルアミノ)エチル](ペンタン-3-イル)アミノ}メチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート220mg、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン0.20mLと塩化メチレン5.0mLの混合物に、氷冷下で2,2-ジメチルグルタル酸無水物100mgを加え、同温度で1時間、その後室温で1日間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣に、炭酸カリウム200mg及びDMF10mLを加え、氷冷下でヨウ化メチル150mgを加え、反応混合物を氷冷下で1時間、その後室温で1日間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルと水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%メタノール/クロロホルム)にて精製し、メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(5-メトキシ-4,4-ジメチル-5-オキソペンタノイル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート260mgを得た。
【0077】
製造例18
3-(メチルアミノ)プロパン-1-オール1.0g及びメタノール10mLの混合物に、氷冷下でジ‐tert‐ブチルジカルボナート3.0gを加え、室温で5日間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:7)にて精製し、tert-ブチル (3-ヒドロキシプロピル)メチルカルバメート2.05gを得た。
【0078】
製造例19
2-(3-ブロモフェニル)エタノール1.5g、イミダゾール1.0gとDMF15mLの混合物に、氷冷下でtert-ブチル(クロロ)ジフェニルシラン2.8gを加え、同温度で1時間、その後室温で1日間撹拌した。反応混合物にジエチルエーテルと水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)にて精製し、[2-(3-ブロモフェニル)エトキシ](tert-ブチル)ジフェニルシラン3.27gを得た。
【0079】
製造例20
[2-(3-ブロモフェニル)エトキシ](tert-ブチル)ジフェニルシラン3.27g及びTHF50mLの混合物に、-78℃でブチルリチウム(1.62Mヘキサン溶液) 5.5mLをゆっくりと加え、-78℃で30分間撹拌した。さらに反応混合物に-78℃で二酸化炭素を吹き込み、徐々に室温まで昇温させ、その後室温で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、1.0M塩酸9.0mlで中和した。これに酢酸エチルを加え、有機層を分離し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:6)にて精製し、3-(2-{[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}エチル)ベンゾイック アシッド1.45gを得た。
【0080】
製造例21
3-(2-{[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}エチル)ベンゾイック アシッド480mg及び塩化メチレン10mlの混合物に、氷冷下で1-クロロ-N,N,2-トリメチルプロペニルアミン160mgを加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に氷冷下でメチル 4-[2-(4-{[(2-アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート450mgとピリジン0.20mLの塩化メチレン溶液10mlを加え、氷冷下で1時間、その後室温で4日間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を5%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し、メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-(2-{[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}エチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート830mgを得た。
【0081】
製造例22
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-(2-{[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}エチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート830mg及びTHF10mLの混合物に、氷冷下でテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)(1.0M THF溶液)1.5mLを加え、室温で4時間、その後50℃で終夜撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%メタノール/クロロホルム)にて精製し、メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-(2-ヒドロキシエチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート540mgを得た。
【0082】
製造例23
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-(2-ヒドロキシエチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート250mg、デスマーチンペルヨージナン450mgを用いて製造例2と同様の反応を行った後、製造例14と同様の反応を行うことにより、メチル 4-{2-[4-({[2-({3-[2-(ペンタン-3-イルアミノ)エチル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}ベンゾエート260mgを得た。
【0083】
製造例24
4-ニトロフェニル クロロホルメート1.44gの塩化メチレン10mL溶液に、メチル グリコレート640mg、ピリジン0.60mL及び塩化メチレン10mLの混合物を室温で加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣にジエチルエーテル、水を加え有機層を分離した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムのみ)で精製し、メチル {[(4-ニトロフェノキシ)カルボニル]オキシ}アセテート320mgを得た。
【0084】
製造例25
1-(4-ニトロフェニル)エタノン16.5g、4-ホルミル安息香酸メチル16.4g及びエタノール100mLの混合物にピペリジン4.0mLを室温にて滴下し、8時間加熱還流した。析出物をろ取し、粗生成物24.6gを得た。これをエタノール100mLに懸濁させ、6時間加熱還流した。析出物をろ取し、メチル 4-[3-(4-ニトロフェニル)-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル]ベンゾエート24.0gを得た。
【0085】
製造例26
メチル 4-[3-(4-ニトロフェニル)-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル]ベンゾエート5.0g及びメタノール150mLの混合物に氷冷下、濃硫酸5.0mLを滴下した。アルゴン雰囲気下、この反応混合物に10%パラジウム炭素500mgを加えた。室温にて水素(3気圧)に置換した後、24時間撹拌した。不溶物をセライトにてろ去後、ろ液を減圧下濃縮した。氷冷下、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、メチル 4-[3-(4-アミノフェニル)プロピル]ベンゾエート2.9gを得た。
【0086】
製造例27
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-({シクロプロピル[2-(メチルアミノ)エチル]アミノ}メチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート194mg、(2-メトキシエトキシ)酢酸0.050mL、WSC・塩酸塩84mg及びDMF5.0mLの混合物を、室温で15時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%メタノール/クロロホルム)により精製し、メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-(11-シクロプロピル-8-メチル-7-オキソ-2,5-ジオキサ-8,11-ジアザドデカン-12-イル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート200mgを得た。
【0087】
製造例28
(2-メトキシエトキシ)酢酸1.4mL及び3-(メチルアミノ)プロパン-1-オール1.0gを原料として用いて、製造例16と同様の反応を行うことにより、N-(3-ヒドロキシプロピル)-2-(2-メトキシエトキシ)-N-メチルアセトアミド2.19gを得た。
【0088】
製造例29
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート2.0g及びtert-ブチル [2-(シクロプロピルアミノ)エチル]カルバメート1.0g、炭酸カリウム0.76g及びDMF40mLを用いて、製造例9と同様の手法にてメチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}(シクロプロピル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート2.5gを得た。
【0089】
製造例30
メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[(2-アミノエチル)(シクロプロピル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート1.0g、ブロモ酢酸エチル0.20mL、炭酸カリウム212mg及びDMF20mLの混合物を、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、メチル 4-{2-[4-({[2-({3-[(シクロプロピル{2-[(2-エトキシ-2-オキソエチル)アミノ]エチル}アミノ)メチル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}ベンゾエート140mgを得た。
【0090】
製造例31
tert-ブチル (2S)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート200mg、デスマーチンペルヨージナン421mgを用いて製造例2と同様の手法にて反応を行った後、製造例14と同様の手法にてメチル 4-{2-[4-({[2-({3-[(ペンタン-3-イルアミノ)メチル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}ベンゾエート300mgと反応させることにより、tert-ブチル (2S)-2-({[3-({3-[(4-{2-[4-(メトキシカルボニル)フェニル]エチル}フェニル)カルバモイル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}カルバモイル)ベンジル](ペンタン-3-イル)アミノ}メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート350mgを得た。
【0091】
製造例32
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-({[2-(メチルアミノ)エチル](ペンタン-3-イル)アミノ}メチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート200mg、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン48mg及びジオキサン4mLの混合物に、3,3-ジメチルジヒドロフラン-2,5-ジオン44mgを加え、65℃で終夜撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルと水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4-[(2-{[3-({3-[(4-{2-[4-(メトキシカルボニル)フェニル]エチル}フェニル)カルバモイル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}カルバモイル)ベンジル](ペンタン-3-イル)アミノ}エチル)(メチル)アミノ]-2,2-ジメチル-4-オキソブタノイック アシッド200mgを得た。
【0092】
製造例33
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-({[2-(メチルアミノ)エチル](ペンタン-3-イル)アミノ}メチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート200mg、アジピン酸モノエチル60mg及びN-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン0.10mLを原料として用い、縮合剤としてO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N',-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU)142mgを使用し、製造例27と同様の反応を行うことにより、メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(6-エトキシ-6-オキソヘキサノイル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート200mgを得た。
【0093】
製造例34
メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(クロロアセチル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート220mg、サルコシンエチルエステル塩酸塩60mg及び炭酸カリウム120mgを用い、製造例9と同様の手法にてメチル 4-{2-[4-({[2-({3-[5,8-ジメチル-6,10-ジオキソ-2-(ペンタン-3-イル)-11-オキサ-2,5,8-トリアザトリデク-1-イル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}ベンゾエート200mgを得た。
【0094】
製造例35
tert-ブチル エチル 2,2'-ピペラジン-1,4-ジイルジアセテート4.8gに4M塩化水素/酢酸エチル溶液20mLを加え、室温で2時間撹拌した。生じた不溶物をろ取し、[4-(2-エトキシ-2-オキソエチル)ピペラジン-1-イル]アセチック アシッド二塩酸塩4.0gを得た。
【0095】
製造例36
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-({[2-(メチルアミノ)エチル](ペンタン-3-イル)アミノ}メチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート200mg、メチル 3-(ブロモメチル)ベンゾエート79mgを用いて、製造例30と同様の反応を行うことにより、メチル 3-{[(2-{[3-({3-[(4-{2-[4-(メトキシカルボニル)フェニル]エチル}フェニル)カルバモイル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}カルバモイル)ベンジル](ペンタン-3-イル)アミノ}エチル)(メチル)アミノ]メチル}ベンゾエート220mgを得た。
【0096】
製造例37
エチル 2-(ヒドロキシメチル)イソニコチネート1.0gに塩化チオニル3.0mLを加え、終夜撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣にペンタン-3-アミン4.0mL及びDMF20mLを加え、70 ℃で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、エチル 2-[(ペンタン-3-イルアミノ)メチル]イソニコチネート1.3gを得た。
【0097】
製造例38
エチル 2-{[{2-[(4-tert-ブトキシ-4-オキソブタノイル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}イソニコチネート1.9g、1.0M水酸化ナトリウム水溶液8.2mL、メタノール8.0mL及びTHF16mLの混合物を、室温にて終夜撹拌した。1.0M塩酸にて中和し、水を加え、クロロホルム-メタノールにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、2-{[{2-[(4-tert-ブトキシ-4-オキソブタノイル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}イソニコチニック アシッド1.5gを得た。
【0098】
製造例39
2-ブロモ-5-ニトロピリジン2.0gのジオキサン20mL溶液に、メチル 4-エチニルベンゾエート1.58g、N-イソプロピルプロパン-2-アミン4.1mL及びよう化銅(I) 281mgを加え、アルゴン雰囲気下、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)504mgを添加し、室温で1時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル50mlを加え、析出した不溶物をろ取し、メチル 4-[(5-ニトロピリジン-2-イル)エチニル]ベンゾエート2.45gを得た。
【0099】
製造例40
2-({3-[(シクロプロピルアミノ)メチル]ベンゾイル}アミノ)-N-[4-(ピリジン-4-イルメチル)フェニル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキサミド120mg、エチル 5-クロロ-5-オキソペンタノエート120mgを用いて、製造例13と同様の反応を行うことにより、エチル 5-(シクロプロピル{3-[(3-{[4-(ピリジン-4-イルメチル)フェニル]カルバモイル}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)カルバモイル]ベンジル}アミノ)-5-オキソペンタノエート105mgを得た。
【0100】
製造例41
メチル 4-{2-[4-({[2-({3-[(シクロプロピルアミノ)メチル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}ベンゾエート300mgを用いて、製造例32と同様の手法にて5-{シクロプロピル[3-({3-[(4-{2-[4-(メトキシカルボニル)フェニル]エチル}フェニル)カルバモイル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}カルバモイル)ベンジル]アミノ}-3,3-ジメチル-5-オキソペンタノイック アシッド198mgを得た。
【0101】
製造例42
氷冷下、メチル 4-{3-[4-({[2-({3-[(イソプロピルアミノ)メチル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]プロピル}ベンゾエート150mg及びTHF3.5mLの混合物にトリホスゲン28mg及びトリエチルアミン0.045mLを加え、室温にて3時間撹拌した後、反応混合物にイソニペコチン酸エチル0.080mLを加え、室温にて18時間撹拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温にて1時間撹拌した後、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル(silica gel)、富士シリシア社製、(アミノ型シリカゲル(アミノプロピル処理))、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し、エチル 1-{イソプロピル[3-({3-[(4-{3-[4-(メトキシカルボニル)フェニル]プロピル}フェニル)カルバモイル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}カルバモイル)ベンジル]カルバモイル}ピペリジン-4-カルボキシレート178mgを得た。
【0102】
製造例43
メチル 4-{3-[4-({[2-({3-[(イソプロピルアミノ)メチル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]プロピル}ベンゾエート116mg及び6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-カルボキシリック アシッド50mgを原料として用いて、製造例33と同様の反応を行うことにより、メチル 6-{イソプロピル[3-({3-[(4-{3-[4-(メトキシカルボニル)フェニル]プロピル}フェニル)カルバモイル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}カルバモイル)ベンジル]カルバモイル}ピリジン-2-カルボキシレート115mgを得た。
【0103】
製造例44
メチル 4-{2-[4-({[2-({3-[(イソプロピルアミノ)メチル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}ベンゾエート550mg及び4-(ジエトキシホスホリル)ブタノイック アシッド200mgを原料として用いて、製造例27と同様の反応を行うことにより、メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-({[4-(ジエトキシホスホリル)ブタノイル](イソプロピル)アミノ}メチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート600mgを得た。
【0104】
製造例45
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート1.0g及び28%アンモニア水1.8mLを用いて、製造例9と同様の手法にてメチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-(アミノメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート900mgを得た。
【0105】
製造例46
メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[(クロロアセチル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート370mg、イソニペコチン酸エチル400mgを用いて、製造例30と同様の反応を行うことにより、エチル 1-(2-{[3-({3-[(4-{2-[4-(メトキシカルボニル)フェニル]エチル}フェニル)カルバモイル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}カルバモイル)ベンジル](ペンタン-3-イル)アミノ}-2-オキソエチル)ピペリジン-4-カルボキシレート380mgを得た。
【0106】
製造例47
3-ホルミル安息香酸3.0g及び塩化メチレン30mlの混合物に、氷冷下で塩化オキザリル1.7mL、DMF0.020mLを順に加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌し、減圧濃縮した。これと塩化メチレン30mlの混合物を、2-(トリメチルシリル)エタノール2.8mL、ピリジン1.6mL及び塩化メチレン30mlの混合物に加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、2-(トリメチルシリル)エチル 3-ホルミルベンゾエート3.5gを得た。
【0107】
製造例48
2-(トリメチルシリル)エチル 3-ホルミルベンゾエート500mg、3-アミノピリジン188mgを用いて、製造例14と同様の反応を行うことにより、2-(トリメチルシリル)エチル 3-[(ピリジン-3-イルアミノ)メチル]ベンゾエート505mgを得た。
【0108】
製造例49
2-(トリメチルシリル)エチル 3-{[(5-エトキシ-5-オキソペンタノイル)(ピリジン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾエート375mg及び1.0M TBAF(THF溶液)1.0mLを用いて、製造例22と同様の手法にて3-{[(5-エトキシ-5-オキソペンタノイル)(ピリジン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイック アシッド160mgを得た。
【0109】
製造例50
tert-ブチル 2-({3-[(ペンタン-3-イルアミノ)メチル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキシレート8.99gと塩化メチレン100mLの混合物に、TFA30mLを加え、室温で15時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、トルエンで共沸した。残渣に塩化チオニル4.3mL及びトルエン50mLを加え、DMF0.10mLを滴下した後、60℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)にて精製し、2-{3-[(ペンタン-3-イルアミノ)メチル]フェニル}-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-[1]ベンゾチエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン7.05gを得た。
【0110】
製造例51
2,2-ジメチル-5-オキソ-5-{[3-(4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-[1]ベンゾチエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-2-イル)ベンジル](ペンタン-3-イル)アミノ}ペンタノイック アシッド 4.81g及びDMF 50mLの混合物にヨウ化メチル 2.59g及び炭酸カリウム 3.16gを加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をエタノールより再結晶化し、黄白色固体としてメチル 2,2-ジメチル-5-オキソ-5-{[3-(4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-[1]ベンゾチエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-2-イル)ベンジル](ペンタン-3-イル)アミノ}ペンタノエート 3.24gを得た。
【0111】
製造例52
メチル 2,2-ジメチル-5-オキソ-5-{[3-(4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-[1]ベンゾチエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-2-イル)ベンジル](ペンタン-3-イル)アミノ}ペンタノエート200mg、4-[2-(モルホリン-4-イル)エチル]アニリン90mg及びTHF5.0mLの混合物に、氷冷下でリチウム ヘキサメチルジシラジド(1.0 M in THF)1.1mLを滴下し、同温度で30分撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し、メチル 2,2-ジメチル-5-[(3-{[3-({4-[2-(モルホリン-4-イル)エチル]フェニル}カルバモイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]カルバモイル}ベンジル)(ペンタン-3-イル)アミノ]-5-オキソペンタノエート164mgを得た。
【0112】
製造例53
tert-ブチル 4-[3-(4-ニトロフェニル)プロパノイル]ピペラジン-1-カルボキシレート3.02g及びTHF40mLの混合物に、アルゴン雰囲気下、氷冷下にてボラン-THF錯体(1.08M THF溶液)23mLを滴下し、室温で10分撹拌した後、2時間加熱還流した。反応混合物を氷冷し、メタノール30mLを滴下し、50℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に水、酢酸エチルを加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%メタノール/クロロホルム)により精製し、tert-ブチル 4-[3-(4-ニトロフェニル)プロピル]ピペラジン-1-カルボキシレート2.78gを得た。
【0113】
製造例54
メチル 2,2-ジメチル-5-オキソ-5-[ペンタン-3-イル(3-{[3-({4-[3-(ピペラジン-1-イル)プロピル]フェニル}カルバモイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]カルバモイル}ベンジル)アミノ]ペンタノエート180mg及びホルマリン37%水溶液0.06mLを用いて、製造例14と同様の反応を行うことにより、メチル 2,2-ジメチル-5-[(3-{[3-({4-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル]フェニル}カルバモイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]カルバモイル}ベンジル)(ペンタン-3-イル)アミノ]-5-オキソペンタノエート152mgを得た。
【0114】
製造例55
tert-ブチル (5-ニトロピリジン-2-イル)アセテート680mg及びDMF10mLの混合物に、アルゴン雰囲気下、氷冷下で水素化ナトリウム(55%, パラフィン液分散体)373mgを加え、室温で30分間撹拌した。更に、氷冷下、ヨウ化メチル0.62mLを滴下し、室温で5時間撹拌した。反応混合物に、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し、tert-ブチル 2-メチル-2-(5-ニトロピリジン-2-イル)プロパノエート582mgを得た。
【0115】
製造例56
N-[4-(ベンジルオキシ)フェニル]-2-{[3-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキサミド200mg及びTFA6.0mLの混合物に、1,2,3,4,5-ペンタメチルベンゼン255mgを加え、室温で終夜攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、酢酸エチル、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (3%メタノール/クロロホルム)で精製し、N-(4-ヒドロキシフェニル)-2-{[3-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキサミド169mgを得た。
【0116】
製造例57
N-(4-ヒドロキシフェニル)-2-{[3-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキサミド169mg及びメチル 4-(ブロモメチル)ベンゾエート95mgを用いて、製造例30と同様の手法を行うことにより、メチル 4-[(4-{[(2-{[3-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェノキシ)メチル]ベンゾエート193mgを得た。
【0117】
製造例58
メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[{1-[N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチルグリシル]ピペリジン-4-イル}(シクロプロピル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート610mg及びTFA5.0mLを原料として用いて、製造例12と同様の脱保護反応と、製造例32と同様のアミド化反応を逐次行うことにより、4-{[2-(4-{シクロプロピル[3-({3-[(4-{2-[4-(メトキシカルボニル)フェニル]エチル}フェニル)カルバモイル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}カルバモイル)ベンジル]アミノ}ピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル](メチル)アミノ}-4-オキソブタノイック アシッド240mgを得た。
【0118】
製造例59
メチル 4-{2-[4-({[2-({3-[(シクロプロピルアミノ)メチル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}ベンゾエート250mg及びエチル 2-クロロピリミジン-5-カルボキシレート153mgを原料として用いて、製造例30と同様の反応を行うことにより、エチル 2-{シクロプロピル[3-({3-[(4-{2-[4-(メトキシカルボニル)フェニル]エチル}フェニル)カルバモイル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}カルバモイル)ベンジル]アミノ}ピリミジン-5-カルボキシレート307mgを得た。
【0119】
製造例60
2-{[3-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキシリック アシッド22.2g及びトルエン230mLの混合物を60℃に加熱し、塩化チオニル20mLを加え、60℃で1時間撹拌した。不溶物をろ取し、トルエンで洗浄し、ろ取物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、酢酸エチルを加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をエタノールで洗浄し、2-[3-(モルホリン-4-イルメチル)フェニル]-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-[1]ベンゾチエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン18.9gを得た。
【0120】
製造例61
メチル 4-{2-[4-({[2-({3-[(シクロプロピルアミノ)メチル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}ベンゾエート300mg及び4-ブロモ酪酸エチル289mgを用いて、製造例30と同様の反応を行うことにより、メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[シクロプロピル(4-エトキシ-4-オキソブチル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート201mgを得た。
【0121】
製造例62
ベンジル 5-メチルチオフェン-2-カルボキシレート5.27g及び四塩化炭素100mLの混合物に、N-ブロモコハク酸イミド(NBS)4.18g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)142mgを加え、80℃で終夜撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)にて精製し、ベンジル 5-(ブロモメチル)チオフェン-2-カルボキシレート4.44gを得た。
【0122】
製造例63
ベンジル 5-(ブロモメチル)チオフェン-2-カルボキシレート2.18g及びトルエン26mLの混合物に、トリフェニルホスフィン1.86gを加え、80℃で終夜撹拌した。不溶物をろ取し、({5-[(ベンジルオキシ)カルボニル]-2-チエニル}メチル)(トリフェニル)ホスホニウム ブロミド2.89gを得た。
【0123】
製造例64
メチル 5-(モルホリン-4-イルメチル)チオフェン-2-カルボキシレート3.01g及び6.0M塩酸30mLの混合物を100℃で終夜加熱還流した。反応溶液を減圧濃縮し、残渣をアセトニトリルで洗浄し、5-(モルホリン-4-イルメチル)チオフェン-2-カルボキシリック アシッド塩酸塩3.05gを得た。
【0124】
製造例65
メチル 6-メチルピラジン-2-カルボキシレート3.42g及びNBS4.40gを用いて、製造例62と同様の手法にてブロモ化反応を行った後、モルホリン10mLをアミンとして用いて製造例9と同様の反応を行うことにより、メチル 6-(モルホリン-4-イルメチル)ピラジン-2-カルボキシレート987mgを得た。
【0125】
製造例66
tert-ブチル 4-(4-エトキシ-4-オキソブタノイル)ピペラジン-1-カルボキシレート1.2g及び4.0M塩化水素/酢酸エチル溶液1.0mLを用いて、製造例35と同様の反応を行うことにより、エチル 4-オキソ-4-(ピペラジン-1-イル)ブタノエート塩酸塩900mgを得た。
【0126】
製造例67
N-シクロプロピル-N-[3-({3-[(4-{2-[4-(メトキシカルボニル)フェニル]エチル}フェニル)カルバモイル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}カルバモイル)ベンジル]グリシン塩酸塩 306mg及びジクロロメタン5.0mLの混合物にトリエチルアミン 0.182mL、メチル N-メチルグリシネート塩酸塩 91mg、WSC・塩酸塩 125mg、HOBt 88mgを加え、室温で15時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製しメチル N-シクロプロピル-N-[3-({3-[(4-{2-[4-(メトキシカルボニル)フェニル]エチル}フェニル)カルバモイル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}カルバモイル)ベンジル]グリシル-N-メチルグリシネート 152mgを得た。
【0127】
製造例68
メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[(2-ヒドロキシエチル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート197mgを製造例37と同様の手法にて塩化チオニル0.10mLと反応させた後、イソニペコチン酸エチル325mgと反応させることにより、エチル 1-(2-{[3-({3-[(4-{2-[4-(メトキシカルボニル)フェニル]エチル}フェニル)カルバモイル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}カルバモイル)ベンジル](ペンタン-3-イル)アミノ}エチル)ピペリジン-4-カルボキシレート206mgを得た。
【0128】
製造例69
({5-[(ベンジルオキシ)カルボニル]-2-チエニル}メチル)(トリフェニル)ホスホニウム ブロミド2.88g、4-ニトロベンズアルデヒド823mg及びTHF30mLの混合物に、5.0Mナトリウムメトキシド/メタノール溶液1.0mLを滴下し、室温で終夜撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を1.0M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:6)にて精製した。得られた残渣にメタノール10ml及びTHF10mLを加え、アルゴン気流下、10%パラジウム炭素98mgを添加したのち、水素雰囲気下にて、室温で終夜撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し、メチル 5-[2-(4-アミノフェニル)エチル]チオフェン-2-カルボキシレート765mgを得た。
【0129】
製造例1乃至69の方法と同様にして、後記表に示す製造例70乃至315の化合物を製造した。後記表に製造例化合物の構造、物理化学的データ及び製造法を示す。
【0130】
実施例1
メチル 4-{2-[4-({[2-({3-[(ペンタン-3-イルアミノ)メチル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}ベンゾエート1.00g、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム1.00g、酢酸0.50mL及び塩化メチレン20mLの混合物に、エチル 4-[メチル(2-オキソエチル)アミノ]-4-オキソブタノエート473mgを加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム498mg及びエチル 4-[メチル(2-オキソエチル)アミノ]-4-オキソブタノエート237mgを更に加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(4-エトキシ-4-オキソブタノイル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート1.19gを得た。
【0131】
実施例2
メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(4-エトキシ-4-オキソブタノイル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート1.18g、1.0M水酸化ナトリウム水溶液5.0mL及びエタノール24mLの混合物を2時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、1.0M塩酸4mLを加え、さらにラクトビオン酸600mgを加え中和し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%メタノール/クロロホルム)で精製し、生成物1.10gを得た。
この生成物300mgにアセトニトリル3.0mL及び1.0M塩酸0.40mLを加え、反応混合物をODSカラムクロマトグラフィー(50%アセトニトリル/0.01M塩酸)で精製し、凍結乾燥し、4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(3-カルボキシプロパノイル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾイック アシッド塩酸塩253mgを得た。
【0132】
実施例2A
実施例2に示すクロマトグラフィー精製にて得られた4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(3-カルボキシプロパノイル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾイック アシッド 100mg、エタノール3.0mL、水1.5mL及び1.0M 水酸化ナトリウム水溶液0.26mLの混合物に0.1M 塩化マグネシウム水溶液1.3mLを滴下した。反応混合物を加熱還流下終夜撹拌した後、析出した固体をろ取し結晶としてマグネシウム 4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(3-カルボキシラトプロパノイル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエートの水和物 89mgを得た。ESI+:781.
【0133】
実施例3
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-({[2-(メチルアミノ)エチル](ペンタン-3-イル)アミノ}メチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート180mg、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン0.15mL及びTHF5.0mLの混合物に、メチル {[(4-ニトロフェノキシ)カルボニル]オキシ}アセテート100mg及びTHF5.0mLの混合物を氷冷下加え、室温にて3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチル、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:クロロホルム=4:6)で精製し、メチル 4-{2-[4-({[2-({3-[7-メチル-3,6-ジオキソ-10-(ペンタン-3-イル)-2,5-ジオキサ-7,10-ジアザウンデカン-11-イル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}ベンゾエート204mgを得た。
【0134】
実施例4
メチル 4-{2-[4-({[2-({3-[7-メチル-3,6-ジオキソ-10-(ペンタン-3-イル)-2,5-ジオキサ-7,10-ジアザウンデカン-11-イル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}ベンゾエート203mg、メタノール4.0mL及びTHF4.0mLの混合物に、室温にて1.0M水酸化ナトリウム水溶液1.5mLを加え、60℃で14時間撹拌した。反応混合物に氷冷下1.0M塩酸1.5mLを加え、減圧濃縮した。残渣に混合溶媒(メタノール/クロロホルム=15/85)を加え、不溶物をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15%メタノール/クロロホルム)で精製した。得られた生成物にアセトニトリル-水(90/10)混合溶媒を加え、氷冷下1.0M塩酸0.5mLを加え、ろ液を減圧下濃縮した。残渣を凍結乾燥し、4-(2-{4-[({2-[(3-{[(2-{[(カルボキシメトキシ)カルボニル](メチル)アミノ}エチル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾイック アシッド塩酸塩186mgを得た。
【0135】
実施例4A
実施例4に示すクロマトグラフィー精製にて得られた4-(2-{4-[({2-[(3-{[(2-{[(カルボキシメトキシ)カルボニル](メチル)アミノ}エチル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾイック アシッド 100mg及びエタノール0.5mLの混合物に1.0M 水酸化ナトリウム水溶液0.26mLを室温にて添加し、80℃にて15分間撹拌した。反応混合物に0.1M 塩化マグネシウム水溶液1.3mLを滴下した。反応混合物を加熱還流下30分間撹拌した。反応混合物に水0.49mLを加え、更に1時間加熱還流した。反応混合物にエタノール1.5mLを加え、加熱還流下更に1時間撹拌した後、室温まで冷却した。析出した固体をろ取し結晶としてマグネシウム 4-(2-{4-[({2-[(3-{[(2-{[(カルボキシラトメトキシ)カルボニル](メチル)アミノ}エチル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエートの水和物 105mgを得た。ESI+:783.
【0136】
実施例5
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-(11-シクロプロピル-8-メチル-7-オキソ-2,5-ジオキサ-8,11-ジアザドデカン-12-イル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート195mg、1.0M水酸化ナトリウム水溶液1.0mL及びメタノール5.0mLの混合物を、60℃で15時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣に1.0M塩酸1.0mLを加えクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%メタノール/クロロホルム)にて精製し、得られた泡状物を酢酸エチル5.0mLに溶解させ、氷冷下、4.0M塩化水素/酢酸エチル溶液0.13mLを加え、室温で2時間撹拌した。析出した固体をろ取し、酢酸エチルで洗浄後、減圧下乾燥し、4-[2-(4-{[(2-{[3-(11-シクロプロピル-8-メチル-7-オキソ-2,5-ジオキサ-8,11-ジアザドデカン-12-イル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾイック アシッド塩酸塩108mgを得た。
【0137】
実施例6
メチル 4-{2-[4-({[2-({3-[(シクロプロピル{2-[(2-エトキシ-2-オキソエチル)アミノ]エチル}アミノ)メチル]ベンゾイル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}ベンゾエート140mg、1.0M水酸化ナトリウム水溶液1.0mL、メタノール1.0mL及びTHF2.0mLの混合物を、室温で終夜撹拌した。反応混合物に1.0M塩酸1.0mLを加え、析出した固体をろ取することにより、4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(カルボキシメチル)アミノ]エチル}(シクロプロピル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾイック アシッド113mgを得た。
【0138】
実施例7
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-({シクロプロピル[2-(メチルアミノ)エチル]アミノ}メチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート160mg及びメチル 3-(ブロモメチル)ベンゾエート70mgを原料として用い、製造例30と同様のアルキル化と、実施例2と同様の加水分解を逐次行うことにより、3-{[{2-[(3-{[3-({4-[2-(4-カルボキシフェニル)エチル]フェニル}カルバモイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]カルバモイル}ベンジル)(シクロプロピル)アミノ]エチル}(メチル)アミノ]メチル}ベンゾイック アシッド 二塩酸塩69mgを得た。
【0139】
実施例8
メチル 4-(2-{5-[({2-[(2-{[{2-[(4-tert-ブトキシ-4-オキソブタノイル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}イソニコチノイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]ピリジン-2-イル}エチル)ベンゾエート320mgを原料として用い、後記実施例10と同様の条件で、TFA3.0mLによるtertブチル基の除去、及び、実施例2と同様の加水分解を行うことにより、4-(2-{5-[({2-[(2-{[{2-[(3-カルボキシプロパノイル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}イソニコチノイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]ピリジン-2-イル}エチル)ベンゾイック アシッド 三塩酸塩279mgを得た。
【0140】
実施例9
4-[2-(4-{[(2-{[3-({[4-(ジエトキシホスホリル)ブタノイル](イソプロピル)アミノ}メチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾイック アシッド180mg、臭化トリメチルシラン0.040mL及びクロロホルム3.6mLの混合物を、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4-(2-{4-[({2-[(3-{[{4-[エトキシ(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタノイル}(イソプロピル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾイック アシッド42mgを得た。
【0141】
実施例10
メチル 5-[{3-[(3-{[6-(1-tert-ブトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル]カルバモイル}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)カルバモイル]ベンジル}(ペンタン-3-イル)アミノ]-2,2-ジメチル-5-オキソペンタノエート675mg、塩化メチレン10mL及びTFA1.3mLの混合物を、室温で15時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%メタノール/クロロホルム)により精製し、2-{5-[({2-[(3-{[(5-メトキシ-4,4-ジメチル-5-オキソペンタノイル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]ピリジン-2-イル}-2-メチルプロパノイック アシッド550mgを得た。
【0142】
実施例11
2-{5-[({2-[(3-{[(5-メトキシ-4,4-ジメチル-5-オキソペンタノイル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]ピリジン-2-イル}-2-メチルプロパノイック アシッド410mg、4-メチルモルホリン75mg及びTHF10mLの混合物に、氷冷下でクロロギ酸イソブチル0.089mLを加え、室温で10分間撹拌した。反応混合物をろ過した後、ろ液を氷冷し、水素化ホウ素ナトリウム65mg及び水1.0mLを加え、室温で10分間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)により精製し、メチル 5-[{3-[(3-{[6-(1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル]カルバモイル}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)カルバモイル]ベンジル}(ペンタン-3-イル)アミノ]-2,2-ジメチル-5-オキソペンタノエート155mgを得た。
【0143】
実施例12
4-{[(2-{[3-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}ベンゾイック アシッド150mg、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン57mg、WSC・塩酸塩61mg、HOBt42mg及び塩化メチレン1.5mLの混合物を、室温にて3時間攪拌した。反応混合物に水を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/クロロホルム)にて精製し、油状物を得た。これにメタノール及び4.0M塩化水素/酢酸エチル溶液を加え、溶液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルで処理し、N-(4-{[4-(ジエチルアミノ)フェニル]カルバモイル}フェニル)-2-{[3-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキサミド 二塩酸塩85mgを得た。
【0144】
実施例13
2-[(3-{[シクロプロピル(ピペリジン-4-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-N-[4-(ジエチルアミノ)フェニル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキサミド340mg及びブロモ酢酸エチル99mgを用いて、製造例30と同様の条件で反応を行うことにより、エチル [4-(シクロプロピル{3-[(3-{[4-(ジエチルアミノ)フェニル]カルバモイル}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)カルバモイル]ベンジル}アミノ)ピペリジン-1-イル]アセテート310mgを得た。
【0145】
実施例14
tert-ブチル 3-(ヒドロキシメチル)-4-[3-({3-[(4-{2-[4-(メトキシカルボニル)フェニル]エチル}フェニル)カルバモイル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}カルバモイル)ベンジル]ピペラジン-1-カルボキシレート1.71g及びTFA17mLを用いて、製造例12と同様の条件で反応を行うことにより、メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート1.38gを得た。
【0146】
実施例15
2-{[3-(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ}-N-[4-(ジエチルアミノ)フェニル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキサミド200mg及びDMF8mLの混合物に、モルホリン1.0mLを加え、室温で3日間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:アンモニア水溶液=50:1:0.1)にて精製した。得られた残渣を酢酸エチル及びエタノールの混合溶液(4:1)に溶解し、更に4.0M塩化水素/酢酸エチル溶液1.0mLを加え、析出した固体をろ取し、N-[4-(ジエチルアミノ)フェニル]-2-{[3-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキサミド 二塩酸塩183mgを得た。
【0147】
実施例16
2-{[3-(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ}-N-[4-(ピリジン-4-イルメチル)フェニル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキサミド400mg及びエチル 4-(シクロプロピルアミノ)シクロヘキサンカルボキシレート819mgを用いて、製造例30と同様のアルキル化を行った後、実施例5と同様条件で加水分解を行うことにより、4-(シクロプロピル{3-[(3-{[4-(ピリジン-4-イルメチル)フェニル]カルバモイル}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)カルバモイル]ベンジル}アミノ)シクロヘキサンカルボキシリック アシッド 二塩酸塩261mgを得た。
【0148】
実施例17
2-[3-(モルホリン-4-イルメチル)フェニル]-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-[1]ベンゾチエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン350mg、2-N,2-N-ジエチルピリミジン-2,5-ジアミン150mg及びTHF5.0mLの混合物に、氷冷下でリチウム ヘキサメチルジシラジド(1.0 M in THF)1.0mLを滴下し、同温度で1時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム)にて精製した。残渣に酢酸エチル、4.0M塩化水素/酢酸エチル溶液0.5mLを順次加え、室温で30分間撹拌した。不溶物をろ取し、N-[2-(ジエチルアミノ)ピリミジン-5-イル]-2-{[3-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキサミド 二塩酸塩174mgを得た。
【0149】
実施例18
メチル 4-(2-{4-[({2-[(3-{[{cis-4-[(ベンジルオキシ)カルボニル]シクロヘキシル}(イソプロピル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエート250mg及び10%パラジウム炭素10mgを用いて、製造例5と同様の条件で接触水素還元を行うことにより、cis-4-{イソプロピル[3-({3-[(4-{2-[4-(メトキシカルボニル)フェニル]エチル}フェニル)カルバモイル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}カルバモイル)ベンジル]アミノ}シクロヘキサンカルボキシリック アシッド88mgを得た。
【0150】
実施例19
2-{[3-(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ}-N-[4-(ジエチルアミノ)フェニル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキサミド5.34g及び1-[4-(シクロプロピルアミノ)ピペリジン-1-イル]エタノン13.1gを原料として用いて、製造例29と同様の条件で反応を行うことにより、2-[(3-{[(1-アセチルピペリジン-4-イル)(シクロプロピル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-N-[4-(ジエチルアミノ)フェニル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキサミド5.37gを得た。
【0151】
実施例20
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート23mg及びメチル [(1-エチルプロピル)アミノ]アセテート19mgを原料として用いて、製造例30と同様の条件でアルキル化を行った後、実施例6と同様の条件で加水分解を行うことにより、4-(2-{4-[({2-[(3-{[(カルボキシメチル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾイック アシッド6.7mgを得た。
【0152】
実施例21
2-アミノ-N-[4-(ピリジン-4-イルメチル)フェニル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキサミド250mg及び5-(モルホリン-4-イルメチル)-2-フロイック アシッド244mgを原料として用いて製造例16と同様の条件で縮合反応を行うことにより、2-{[5-(モルホリン-4-イルメチル)-2-フロイル]アミノ}-N-[4-(ピリジン-4-イルメチル)フェニル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキサミド 二塩酸塩307mgを得た。
【0153】
実施例22
2-[3-(モルホリン-4-イルメチル)フェニル]-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-[1]ベンゾチエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン 11.5 mg、5-シクロプロピル-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン 4.9 mg及びTHF 0.8mLの混合物にリチウム ヘキサメチルジシラジド(1.0M in THF)0.07mL及びTHF 0.2mLの混合物を加え室温にて終夜撹拌した。反応混合物にクロロホルム及び飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、有機層を分離した。溶媒を減圧留去した後、得られた残渣を精製しN-(5-シクロプロピル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-{[3-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-カルボキサミド 11.4 mgを得た。
【0154】
実施例67A
4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(4-カルボキシ-4-メチルペンタノイル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾイック アシッド 塩酸塩 90mg及びエタノール0.5mLの混合物に1.0M 水酸化ナトリウム水溶液0.32mLを室温にて添加し、室温にて5分間撹拌した。80℃にて反応混合物に0.1M塩化マグネシウム水溶液1.1mLを滴下した後、水0.38mLを加え80℃にて更に30分間撹拌した。反応混合物にEtOH0.4mL加えた後、80℃で更に14時間撹拌した。反応混合物に水0.9mLを加え、80℃にて更に1時間撹拌した。反応混合物に、水1.8mLを更に加え、80℃にて更に2時間撹拌した。室温まで冷却後、析出物をろ取し、結晶としてマグネシウム 4-(2-{4-[({2-[(3-{[{2-[(4-カルボキシラト-4-メチルペンタノイル)(メチル)アミノ]エチル}(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエートの水和物 86mgを得た。ESI+:823.
【0155】
実施例109A
4-(2-{4-[({2-[(3-{[(4-カルボキシ-4-メチルペンタノイル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾイック アシッド 80mg及びエタノール0.4mLの混合物に1.0M 水酸化ナトリウム水溶液0.21mLを室温にて添加し、室温にて5分間撹拌した。80℃にて反応混合物に0.1M塩化マグネシウム水溶液1.0mLを滴下した後、反応混合物に水0.39mLを加え80℃にて更に30分間撹拌した。反応混合物にエタノール0.4mL加えた後、80℃で更に30分間撹拌した。反応混合物に水0.8mLを加え、80℃にて14時間撹拌した後、水0.8mLを更に加え、80℃にて更に2時間撹拌した。室温まで冷却後、析出物をろ取し、結晶としてマグネシウム 4-(2-{4-[({2-[(3-{[(4-カルボキシラト-4-メチルペンタノイル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエートの水和物 74mgを得た。ESI-:764.
【0156】
実施例121A
4-(2-{4-[({2-[(3-{[(4-カルボキシ-3,3-ジメチルブタノイル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾイック アシッド 80mg及びエタノール0.4mLの混合物に1.0M 水酸化ナトリウム水溶液0.21mLを室温にて添加し、室温にて5分間撹拌した。80℃にて反応混合物に0.1M塩化マグネシウム水溶液1.0mLを滴下した後、水0.39mLを加え80℃にて更に30分間撹拌した。反応混合物にエタノール0.4mL加えた後、80℃で更に30分間撹拌した。反応混合物に水0.8mLを加え、80℃にて14時間撹拌した後、水0.8mLを更に加え、更に80℃にて2時間撹拌した。室温まで冷却後、析出物をろ取し、結晶としてマグネシウム 4-(2-{4-[({2-[(3-{[(4-カルボキシラト-3,3-ジメチルブタノイル)(ペンタン-3-イル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}エチル)ベンゾエートの水和物 77mgを得た。ESI-:764.
【0157】
実施例148
メチル 4-[2-(4-{[(2-{[3-(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ}-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]ベンゾエート29mg及び3-(アミノメチル)安息香酸メチル 塩酸塩30mgを原料として用いて、製造例30と同様の条件でアミノ化、続いてMP-トリアセトキシボロヒドリド(MP-Triacetoxyborohydride:バイオタージ社)を用いて実施例1と同様の条件でアルキル化を行った後、実施例6と同様の条件で加水分解を行うことにより、3-{[(3-{[3-({4-[2-(4-カルボキシフェニル)エチル]フェニル}カルバモイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]カルバモイル}ベンジル)(イソプロピル)アミノ]メチル}ベンゾイック アシッド15mgを得た。
【0158】
実施例1乃至22の方法と同様にして、後記表に示す実施例23乃至246の化合物を製造した。後記表に実施例化合物の構造、物理化学的データ及び製造法を示す。
【0159】
【表3】

【0160】
【表4】

【0161】
【表5】

【0162】
【表6】

【0163】
【表7】

【0164】
【表8】

【0165】
【表9】

【0166】
【表10】

【0167】
【表11】

【0168】
【表12】

【0169】
【表13】

【0170】
【表14】

【0171】
【表15】

【0172】
【表16】

【0173】
【表17】

【0174】
【表18】

【0175】
【表19】

【0176】
【表20】

【0177】
【表21】

【0178】
【表22】

【0179】
【表23】

【0180】
【表24】

【0181】
【表25】

【0182】
【表26】

【0183】
【表27】

【0184】
【表28】

【0185】
【表29】

【0186】
【表30】

【0187】
【表31】

【0188】
【表32】

【0189】
【表33】

【0190】
【表34】

【0191】
【表35】

【0192】
【表36】

【0193】
【表37】

【0194】
【表38】

【0195】
【表39】

【0196】
【表40】

【0197】
【表41】

【0198】
【表42】

【0199】
【表43】

【0200】
【表44】

【0201】
【表45】

【0202】
【表46】

【0203】
【表47】

【0204】
【表48】

【0205】
【表49】

【0206】
【表50】

【0207】
【表51】

【0208】
【表52】

【0209】
【表53】

【0210】
【表54】

【0211】
【表55】

【0212】
【表56】

【0213】
【表57】

【0214】
【表58】

【0215】
【表59】

【0216】
【表60】

【0217】
【表61】

【0218】
【表62】

【0219】
【表63】

【0220】
【表64】

【0221】
【表65】

【0222】
【表66】

【0223】
【表67】

【0224】
【表68】

【0225】
【表69】

【0226】
【表70】

【0227】
【表71】

【0228】
【表72】

【0229】
【表73】

【0230】
【表74】

【0231】
【表75】

【0232】
【表76】

【0233】
【表77】

【0234】
【表78】

【0235】
【表79】

【0236】
【表80】

【0237】
【表81】

【0238】
【表82】

【0239】
【表83】

【0240】
【表84】

【0241】
【表85】

【0242】
【表86】

【0243】
【表87】

【0244】
【表88】

【0245】
【表89】

【0246】
【表90】

【0247】
【表91】

【0248】
【表92】

【0249】
【表93】

【0250】
【表94】

【0251】
【表95】

【0252】
【表96】

【0253】
【表97】

【0254】
【表98】

【0255】
【表99】

【産業上の利用可能性】
【0256】
式(I)の化合物又はその塩は、NPT-IIb阻害作用を有し、高リン血症、腎不全又は腎不全による骨代謝異常の予防及び/又は治療剤として使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物又はその塩。
【化19】

(式中、
環Aは、ベンゼン又は単環式ヘテロアリール環であり、
環Eは、ベンゼン又は単環式ヘテロアリール環であり、
R1及びR2は、同一又は互いに異なって、H、低級アルキルもしくはシクロアルキルであるか、又は、R1及びR2は、これらが結合するチオフェン環の炭素原子と一体となって、シクロアルケン又は単環式含酸素シクロアルケンを形成する基であり、
R3はH又は低級アルキルであり、
L1は、結合、低級アルキレン、-R00-C(O)-NR0-、-R00-NR0-C(O)-、-R00-O-、-O-R00-、-R00-NR0-、-NR0-R00-であり、
R00は、結合又は低級アルキレンであり、
R0は、H又は低級アルキルであり、
R4Aは、H、アリール又は単環式ヘテロ環基であり、当該アリール及び単環式ヘテロ環基は、-COO-R0、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、-NHR0及び-N(低級アルキル)2から選択される1又は2の基で置換されていてもよく、
R4B及びR4Cは、同一又は互いに異なって、H、低級アルキル、シクロアルキル、ハロゲン、-R00-COO-R0、-NHR0、-N(低級アルキル)2又はR00-OR0であり、
R5はH又は低級アルキルであり、
L2は、低級アルキレンであり、
R6は、H、低級アルキル、1乃至2の-OR0で置換された低級アルキル、-C(O)-低級アルキル、-S(O)m-低級アルキル、-低級アルキレン-N(低級アルキル)2、-R00-ヘテロ環、-R00-フェニルもしくは-R00-シクロアルキルであり、当該ヘテロ環、フェニル及びシクロアルキルは、1乃至2の低級アルキル、又はC(O)-低級アルキルで置換されていてもよく、-R00は1つの-OR0で置換されていてもよく、又は、当該R6は、R7及びこれらが結合する窒素原子とともに、単環式含窒素ヘテロ環基を形成してもよく、当該単環式含窒素ヘテロ環基は、1つの-R00-COO-R0、-R00-OR0又はC(O)-低級アルキレン-COO-R0で置換されていてもよく、
mは、0、1又は2であり、
R7は、下記式(II)もしくは(III)で表わされる基であるか、又は、-R8-R9、-低級アルキレン-COO-R0、-低級アルキレン-NRCRDもしくは-低級アルキレン-C(O)-NR0-低級アルキレン-COO-R0で表わされる基であり、
【化20】

L3は、低級アルキレンであり、
nは、0又は1であり、
RAは、H、低級アルキル、-低級アルキレン-COO-R0、-低級アルキレン-OR0、-低級アルキレン-NHR0、-低級アルキレン-N(低級アルキル)2又はシクロアルキルであり、
L4は、結合、O又は-NR0-であり、
Yは、水酸基で置換されていてもよい低級アルキレン、-R00-単環式ヘテロ環-R00-、-R00-フェニル-R00-、-低級アルキレン-NR0-低級アルキレン-又は低級アルキレン-O-低級アルキレン-であり、
Zは、-COO-R0、-OR0又はP(O)(OR0)2であり、
R8は、-R00-単環式ヘテロ環-R00-、-R00-フェニル-R00-、-低級アルキレン-C(O)-単環式ヘテロ環-R00-又はR00-シクロアルキル-R00-であり、
R9は、-COO-R0 、-C(O)-低級アルキル、-C(O)-低級アルキレン-OR0、-C(O)-R00-COO-R0、-C(O)O-R00-フェニル、-C(O)-R00-NR0-R00-COO-R0、-C(O)-R00-NR0-C(O)-R00-COO-R0又はC(O)O-R00-COO-R0
RC及びRDは、同一又は互いに異なって、H、低級アルキル、-低級アルキレン-COO-R0、-R00-フェニル-COO-R0又はC(O)-COO-R0である。)
【請求項2】
式(V)で示される請求項1記載の化合物又はその塩。
【化21】

(式中、
X1は、CH2又はOであり、
kは、1、2又は3であり、
X2は、CH又はNであり、
L1Aは、低級アルキレンであり、
X3は、CH又はNであり、
L2Aは、低級アルキレンであり、
R7Aは、-R8-R9又は低級アルキレン-COO-R0であり、他の記号は請求項1と同様である。)

【公開番号】特開2013−107880(P2013−107880A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−236135(P2012−236135)
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【Fターム(参考)】