説明

SNSを利用した健康管理支援システムおよび方法

【課題】SNSを利用した健康管理支援システムを提供する。
【解決手段】SNSを利用した健康管理支援システムは、ユーザの基本情報に当該ユーザの健康情報が関連付けられた健康情報付き基本情報を格納するユーザ情報データベース(2)と、ユーザの著作に係るコンテンツに当該ユーザの健康情報が関連付けられた健康情報付きコンテンツを格納するユーザ著作コンテンツデータベース(3)と、ユーザの基本情報、ユーザの健康情報、およびユーザの著作に係るコンテンツをユーザ側から受信し、他のユーザの健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツを含む表示画面をユーザ側に送信するSNSサーバ(1)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人の健康情報を管理し、さらに健康増進を支援する健康管理支援システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のインターネットの普及により、個人の健康を管理支援するシステムは、それまでのスタンドアロンのパソコン(PC)利用型からネットワーク利用型へと発展しつつある。ネットワークを利用することで、個人の健康管理に有益なさまざまな情報やアドバイスが容易に取得できるようになる。
【0003】
これまで、ネットワーク利用型の健康管理支援システムとして、ネットワークを介してユーザ端末と健康管理サーバとが通信し、ユーザがユーザ端末を通じて健康に関する質問を健康管理サーバに送信すると、健康管理サーバが健康情報データベースを検索して適切な情報をユーザ端末に送信するものがある(例えば、特許文献1参照)。また、ユーザの端末装置と生体情報検査機関の端末装置と情報管理サーバとがネットワークで相互接続され、ユーザの端末装置から送信されるユーザの健康情報と生体情報検査機関の端末装置から送信される検査結果判定情報とを健康管理サーバのデータベースで一元管理する健康管理支援システムがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−117149号公報
【特許文献2】特開2008−46965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
健康管理支援システムがネットワーク利用型に発展したことで、ユーザには健康の維持管理に役立つ多くの情報がもたらされるようになった。しかし、たとえ多くの情報が得られたとしても健康管理には日々の努力が必要である。この点において、自分一人では健康増進のモチベーションを維持することが難しい。
【0006】
一方、近年、コンピュータネットワークを利用して人と人との繋がりやコミュニティの形成を促進・サポートするソーシャルネットワーキングサービス(SNS)が注目を集めている。健康管理支援システムにおいてSNSを利用することで、ユーザは自分一人ではなく仲間とともに健康増進に励むことができると期待される。そこで、本発明は、SNSを利用した健康管理支援システムおよび方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に従うと、例えば、SNSを利用した健康管理支援システムは、ユーザの基本情報に当該ユーザの健康情報が関連付けられた健康情報付き基本情報を格納するユーザ情報データベースと、ユーザの著作に係るコンテンツに当該ユーザの健康情報が関連付けられた健康情報付きコンテンツを格納するユーザ著作コンテンツデータベースと、ユーザの基本情報、ユーザの健康情報、およびユーザの著作に係るコンテンツをユーザ側から受信し、他のユーザの健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツを含む表示画面をユーザ側に送信するSNSサーバとを備えている。前記SNSサーバは、ユーザの基本情報を記憶する基本情報記憶手段と、ユーザの健康情報を記憶する健康情報記憶手段と、ユーザの著作に係るコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、前記受信したユーザの基本情報を前記基本情報記憶手段に格納し、前記受信したユーザの健康情報を前記健康情報記憶手段に格納し、前記受信したユーザの著作に係るコンテンツを前記コンテンツ記憶手段に格納するデータ入力制御手段と、前記基本情報記憶手段からユーザの基本情報を読み出し、前記健康情報記憶手段から当該ユーザの健康情報を読み出し、前記コンテンツ記憶手段から当該ユーザの健康情報と関連するコンテンツを読み出し、当該読み出したユーザの基本情報および健康情報を互いに関連付けて前記健康情報付き基本情報を作成し、当該読み出したユーザの健康情報およびコンテンツを互いに関連付けて前記健康情報付きコンテンツを作成する健康情報関連付け手段と、前記作成された健康情報付き基本情報を前記ユーザ情報データベースに格納し、前記作成された健康情報付きコンテンツを前記ユーザ著作コンテンツデータベースに格納する格納制御手段と、前記健康情報記憶手段からユーザの健康情報を読み出し、当該読み出した健康情報に基づいて、または前記作成された健康情報付きコンテンツまたは健康情報付き基本情報に基づいて、前記ユーザ情報データベースおよび前記ユーザ著作コンテンツデータベースを検索して当該ユーザの現在の健康状態に比較的近い他のユーザの健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツを取得するクエリ手段と、前記取得された他のユーザの健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツを前記表示画面に埋め込む画面表示制御手段とを有する。
【0008】
上記の、SNSを利用した健康管理支援システムは、健康に関連する情報を格納する健康関連情報データベースを備えていてもよい。この場合、前記クエリ手段は、さらに前記健康関連情報データベースも検索して当該ユーザの現在の健康状態に相応しい健康関連情報を取得する。また、前記画面表示制御手段は、前記取得された健康関連情報を前記表示画面に埋め込む。
【0009】
上記の、SNSを利用した健康管理支援システムにおいて、前記SNSサーバは、前記表示画面に含まれる前記他のユーザの健康情報付きコンテンツに対する評価を受信して前記ユーザ著作コンテンツデータベースに当該評価を格納する評価登録手段を有していてもよい。この場合、前記画面表示制御手段は、前記評価のためのボタンを前記表示画面に埋め込む。さらに、前記SNSサーバは、前記健康情報記憶手段からユーザの健康情報を読み出し、前記ユーザ情報データベースを検索して当該ユーザの健康情報付き基本情報を取得し、前記ユーザ著作コンテンツデータベースを検索して他のユーザによる評価を取得し、これら取得したおよび読み出した情報および評価から当該ユーザの褒賞レベルを決定する褒賞制御手段を有していてもよい。この場合、前記画面表示制御手段は、前記褒賞レベルに応じた褒賞コンテンツを前記表示画面に埋め込む。
【0010】
また、本発明の別の一局面に従うと、例えば、SNSを利用した健康管理支援方法は、ユーザの端末装置からユーザの基本情報を受信して基本情報記憶手段に格納するステップと、前記端末装置からユーザの健康情報を受信して健康情報記憶手段に格納するステップと、前記端末装置からユーザの著作に係るコンテンツを受信してコンテンツ記憶手段に格納するステップと、前記基本情報記憶手段からユーザの基本情報を読み出し、前記健康情報記憶手段から当該ユーザの健康情報を読み出し、これら読み出したユーザの基本情報および健康情報を互いに関連付けて健康情報付き基本情報を作成するステップと、前記健康情報記憶手段からユーザの健康情報を読み出し、前記コンテンツ記憶手段から当該読み出したユーザの健康情報と関連するコンテンツを読み出し、これら読み出したユーザの健康情報およびコンテンツを互いに関連付けて健康情報付きコンテンツを作成するステップと、前記作成された健康情報付き基本情報をユーザ情報データベースに格納するステップと、前記作成された健康情報付きコンテンツをユーザ著作コンテンツデータベースに格納するステップと、前記健康情報記憶手段からユーザの健康情報を読み出し、当該読み出した健康情報に基づいて、または前記作成された健康情報付きコンテンツまたは健康情報付き基本情報に基づいて、前記ユーザ情報データベースおよび前記ユーザ著作コンテンツデータベースを検索して当該ユーザの現在の健康状態に比較的近い他のユーザの健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツを取得するステップと、前記取得された他のユーザの健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツを表示画面に埋め込んで前記端末装置に送信するステップとを備えている。
【0011】
上記の、SNSを利用した健康管理支援方法は、前記健康情報記憶手段からユーザの健康情報を読み出し、当該読み出した健康情報に基づいて、または前記作成された健康情報付きコンテンツまたは健康情報付き基本情報に基づいて、健康に関連する情報を格納する健康関連情報データベースを検索して当該ユーザの現在の健康状態に相応しい健康関連情報を取得するステップと、前記取得された健康関連情報を前記表示画面に埋め込むステップとを備えていてもよい。
【0012】
上記の、SNSを利用した健康管理支援方法は、前記表示画面に含まれる前記他のユーザの健康情報付きコンテンツに対する評価を受信して前記ユーザ著作コンテンツデータベースに当該評価を格納するステップと、前記評価のためのボタンを前記表示画面に埋め込むステップとを備えていてもよい。さらに、前記健康情報記憶手段からユーザの健康情報を読み出し、前記ユーザ情報データベースを検索して当該ユーザの健康情報付き基本情報を取得し、前記ユーザ著作コンテンツデータベースを検索して他のユーザによる評価を取得し、これら取得したおよび読み出した情報および評価から当該ユーザの褒賞レベルを決定するステップと、前記褒賞レベルに応じた褒賞コンテンツを前記表示画面に埋め込むステップとを備えていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、健康状態が比較的近い者どうしの結びつきやコミュニティの形成を促進することができる。これにより、ユーザは自分一人ではなく仲間とともに健康増進に励むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る健康管理支援システムの構成図
【図2】ユーザの端末装置に表示される画面例の模式図
【図3】図1の健康管理支援システムにおけるデータの流れを示す模式図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る健康管理支援システムの構成図
【図5】ユーザのカテゴライズと健康増進プロセスの概念図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る健康管理支援システムの構成を示す。本実施形態に係るシステムは、SNSサーバ1、ユーザ情報データベース2、ユーザ著作コンテンツデータベース3、および健康関連情報データベース4を備えている。
【0017】
ユーザ情報データベース2は、ユーザの基本情報に当該ユーザの健康情報が関連付けられた健康情報付き基本情報を格納している。後述するように、健康情報付き基本情報はSNSサーバ1から供給される。ユーザの基本情報には、例えば、メールアドレス、年齢、性別、居住地域など、健康とは必ずしも関連しない情報が含まれる。ユーザの健康情報には、例えば、身長、体重、腹囲、体脂肪率、骨密度、筋密度、体水分量、血糖値、血圧、血中コレステロール値など、ユーザの身体・健康に直接関連する各種測定値が含まれる。また、ユーザの健康情報には、摂取カロリー、食事献立、歩行数、運動強度、既往歴、ダイエット履歴など、ユーザの健康を推し量る上で参考になる各種情報も含まれる。
【0018】
ユーザ著作コンテンツデータベース3は、ユーザの著作に係るコンテンツ(以下、ユーザ著作コンテンツとも称することがある。)に当該ユーザの健康情報が関連付けられた健康情報付きコンテンツを格納している。後述するように、健康情報付きコンテンツはSNSサーバ1から供給される。ユーザ著作コンテンツには、例えば、日記、つぶやき、商品レビューなど、ユーザが書き記した情報が含まれる。また、ユーザ著作コンテンツには、商品購入履歴、サイト閲覧履歴など、ユーザの行動を記録した情報なども含まれる。
【0019】
健康関連情報データベース4は、健康に関連する情報を格納している。健康に関する情報には、例えば、健康機器や健康食品などの健康に関する商品の情報、健康に関する豆知識、運動メニューやダイエット食の献立などの健康増進のための有用情報などが含まれる。なお、健康に関連する情報は図示しないサーバから供給される。
【0020】
SNSサーバ1は、インターネットなどのネットワーク200を介してユーザの端末装置100と通信して、ユーザの基本情報、ユーザの健康情報、およびユーザ著作コンテンツを受信し、他のユーザの健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツを含む表示画面を送信する。端末装置100は、例えば、パソコン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)などである。端末装置100とSNSサーバ1とはHTTPまたはHTTPSプロトコルで通信し、ユーザは端末装置100のウェブブラウザを通じてSNSサーバ1との間で情報のやり取りをする。
【0021】
具体的には、SNSサーバ1は、データ入力制御手段10、画面表示制御手段11、基本情報記憶手段12、健康情報記憶手段13、コンテンツ記憶手段14、健康情報関連付け手段15、格納制御手段16、およびクエリ手段17を備えている。これら各手段は、ハードウェアおよびソフトウェアのいずれでも構成することができる。
【0022】
データ入力制御手段10は、SNSサーバ1が受信したユーザの基本情報、ユーザの健康情報、およびユーザ著作コンテンツを、基本情報記憶手段12、健康情報記憶手段13、およびコンテンツ記憶手段14にそれぞれ格納する。
【0023】
健康情報関連付け手段15は、基本情報記憶手段12からユーザの基本情報を読み出し、健康情報記憶手段13から当該ユーザの健康情報を読み出し、当該読み出したユーザの基本情報および健康情報を互いに関連付けて健康情報付き基本情報を作成する。また、健康情報関連付け手段15は、健康情報記憶手段13からユーザの健康情報を読み出し、コンテンツ記憶手段14から当該読み出したユーザの健康情報と関連するユーザ著作コンテンツを読み出し、当該読み出したユーザの健康情報およびコンテンツを互いに関連付けて健康情報付きコンテンツを作成する。
【0024】
例えば、健康情報関連付け手段15は、「男性、40歳」というユーザの基本情報に「88kg、ダイエット2日目」というユーザの健康情報を関連付けて「男性、40歳、88kg、ダイエット2日目」という健康情報付き基本情報を作成する。また、健康情報関連付け手段15は、「今日は***を頑張った。○○○に効果があった。」というユーザ著作コンテンツに「88kg、ダイエット2日目」というユーザの健康情報を関連付けて「今日は***を頑張った。○○○に効果があった。(88kg、ダイエット2日目)」という健康情報付きコンテンツを作成する。
【0025】
なお、ユーザは自身の健康情報に関して開示レベルを設定でき、健康情報関連付け手段15は、ユーザが設定した開示レベルに応じた健康情報を関連付けるようにする。例えば、ユーザが自分の体重の開示を希望しない場合には、体重に関する情報は健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツに関連付けされない。
【0026】
格納制御手段16は、健康情報関連付け手段15が作成した健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツを、ユーザ情報データベース2およびユーザ著作コンテンツデータベース3にそれぞれ格納する。
【0027】
クエリ手段17は、ユーザ情報データベース2およびユーザ著作コンテンツデータベース3を検索して、ユーザの現在の健康状態に比較的近い他のユーザの健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツを取得する。他のユーザは、SNSにおいて友人登録した既知のユーザであってもよいし、友人登録していない未知のユーザであってもよい。また、クエリ手段17は、健康関連情報データベース4を検索して、ユーザの現在の健康状態に相応しい健康関連情報を取得する。
【0028】
データベースの検索は、健康情報記憶手段13からユーザの健康情報を読み出し、当該読み出した健康情報に基づいて行うことができる。また、データベースの検索は、健康情報関連付け手段15が作成した健康情報付き基本情報または健康情報付きコンテンツに基づいて行うことができる。例えば、体重、体脂肪率、血圧、既往歴などのパラメータに基づく検索、健康情報付きコンテンツに含まれるキーワードに基づく検索などが可能である。さらに、データマイニング技法やヒューリスティックな手法を用いた発見的検索を行ってもよい。
【0029】
パラメータに基づく検索は、1回の測定値に基づいて行ってもよいし、複数回の測定値から導出される情報、例えば、体重がある値で下げ止まっているといったパラメータ動向に基づく検索も可能である。さらに、各パラメータにさまざまに重み付けをすることで検索結果を調整することができる。
【0030】
また、検索条件にユーザの年齢や居住地域などのユーザの基本情報が含まれていてもよい。ユーザの基本情報も加味してデータベース検索をすることで、例えば、同じ地域に居住し、年齢、健康状態が近い者どうしからなるユーザコミュニティの形成を促進することができる。
【0031】
画面表示制御手段11は、クエリ手段17が取得した他のユーザの健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツを受け、これらを表示画面に埋め込んで端末装置100に送信する。また、画面表示制御手段11は、ユーザからの要求に応じて、基本情報記憶手段12、健康情報記憶手段13、およびコンテンツ記憶手段14から必要な情報を読み出して表示画面に埋め込む。すなわち、ユーザは自身の健康情報およびコンテンツをレビューすることができる。なお、表示画面への埋め込みは、HTMLやPHPなどのスクリプト言語で記述することで行うことができる。
【0032】
図2は、端末装置100に表示される画面例の模式的に表したものである。クエリ手段17が取得した他のユーザの健康情報付きコンテンツは友人の日記として、健康関連情報はおすすめ商品および健康情報として表示される。クエリ手段17が取得した他のユーザの健康情報付き基本情報は友人一覧として表示される。
【0033】
(使用例)
本実施形態に係るシステムの使用例として、体重に基づく健康管理支援の例について説明する。図3は、本実施形態に係るシステムにおけるデータの流れを模式的に表している。なお、説明に不用な要素は割愛している。
【0034】
例えば、2011年12月3日にユーザAが体重計101で体重を測定したところ89kgであったとする。体重計101と端末装置100とは無線通信が可能であり、測定値はワイヤレスで端末装置100に自動送信される。また、ユーザAはこの測定値に関するコンテンツとして「…ダイエット2日目です。…」という日記を記したとする。
【0035】
データ入力制御手段10はネットワーク200を介してユーザAの体重および日記を受信し、健康情報記憶手段13に体重を格納し、コンテンツ記憶手段14に日記を格納する。健康情報関連付け手段15は、健康情報記憶手段13およびコンテンツ記憶手段14から体重および日記を読み出して、「…ダイエット2日目です。…(89kg)」という健康情報付きコンテンツを作成する。作成された健康情報付きコンテンツは格納制御手段16によってユーザ著作コンテンツデータベース3に格納される。また、作成された健康情報付きコンテンツはクエリ手段17に入力される。
【0036】
クエリ手段17は、入力された健康情報付きコンテンツに基づいて、「ダイエット2日目前後で体重89kg前後」という条件でユーザ著作コンテンツデータベース3および健康関連情報データベース4を検索する。当該検索の結果、ユーザ著作コンテンツデータベース3からは「今日は***を頑張った。○○○に効果があった。(88kg、ダイエット2日目)」というユーザBの過去(2010年3月10日)の日記が得られ、健康関連情報データベース4からはダイエット商品の情報と通販サイトの情報が得られる。画面表示制御手段11は、クエリ手段17が取得したこれら情報を表示画面に埋め込んで端末装置100に送信する。
【0037】
以上のように本実施形態によると、今の自分と同じような境遇だった他人が過去に発信していた情報が時を遡って提示される。当該情報は、健康増進のための有益な情報となり得るものである。また、その他人がその後どうなったかなどの情報を得ることで、自分の今後の健康管理の参考にすることができる。
【0038】
なお、健康関連情報の提供が不要であれば健康関連情報データベース4は省略してもよい。
【0039】
また、SNSサーバ1は端末装置100だけではなくユーザ側のさまざまな機器と通信が可能である。例えば、図2の例の場合、体重計101からSNSサーバ1に直接データが送信されることがある。一方、SNSサーバ1から送信された情報は端末装置100以外にユーザ側のさまざまな表示装置(例えば、携帯電話機、PDAなど。)に表示することができる。
【0040】
また、高齢者など、PCや携帯端末などの利用が不得手なユーザは端末装置100を自由に操作できないかもしれない。そのような場合には代理者が端末装置100を操作すればよい。例えば、介護施設などにおいて本実施形態に係るシステムを利用して被介護者の健康管理をする場合、ユーザたる各被介護者の健康情報は測定機器から端末装置100に自動的に送信されるようにしておく。あとは介護福祉士などが各被介護者とヒアリングをした上で端末装置100を操作してヒアリング内容を送信し、それに対して得られた情報を各被介護者に口頭や印刷物で伝達するとよい。
【0041】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る健康管理支援システムの構成を示す。本実施形態に係るシステムは、第1の実施形態に係るシステムにおけるSNSサーバ1に、評価登録手段18および褒賞制御手段19を追加したものである。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0042】
SNSなどのコミュニティツールには他のユーザのコンテンツを評価できる仕組みがある。例えば、「いいね!」ボタンを押すことで他のユーザのコンテンツに対してプラス評価をすることができる。なお、マイナス評価も可能であるが、ユーザが励まし合って健康増進を目指すという観点から、本実施形態に係るシステムではプラス評価を積極的に利用する。
【0043】
画面表示制御手段11は、他のユーザの健康情報付きコンテンツといっしょに「いいね!」や「Good Job!」などの評価ボタンを表示画面に埋め込む。当該他のユーザのコンテンツを閲覧したユーザは、必要に応じて評価ボタンを押して当該コンテンツに対してプラス評価をする。評価ボタンが押されることでSNSサーバ1に評価が伝達される。評価登録手段18は、端末装置100から送信される評価を受信して、ユーザ著作コンテンツデータベース3に当該評価を格納する。多くのユーザから評価を受けることで、当該コンテンツに対する評価ポイントおよび当該ユーザの評価ポイントが上昇する。
【0044】
褒賞制御手段19は、健康情報記憶手段13からユーザの健康情報を読み出し、ユーザ情報データベース2を検索して当該ユーザの健康情報付き基本情報を取得し、ユーザ著作コンテンツデータベース3を検索して他のユーザによる評価を取得する。そして、これら取得したおよび読み出した情報および評価から当該ユーザの褒賞レベルを決定する。例えば、多くのユーザから評価を受けていれば褒賞レベルを高くする。また、ユーザの過去から現在までの健康情報を解析して、健康パラメータが改善していれば褒賞レベルを高くする。
【0045】
画面表示制御手段11は、褒賞制御手段19が決定した褒賞レベルに応じた褒賞コンテンツを表示画面に埋め込む。褒賞コンテンツとは、例えば、ユーザの現在の健康状態を反映した分身キャラクタ(アバター)である。アバターは、ユーザの運動負荷、健康指標、モチベーション指標などに伴い成長し、また、ユーザを褒めたり、励ましたりする。このような褒賞機能を導入することで、ユーザの健康増進のモチベーションの維持・向上を助長し、ひいては健康管理の長期化につながることが期待される。
【0046】
図5は、ユーザのカテゴライズと健康増進プロセスの概念図である。例えば、ユーザは、健康的か否か、健康増進のモチベーションが高いか低いかの二つの軸で大きく4つにカテゴライズすることができる。カテゴリーDに属するユーザは、あまり健康的ではなく、モチベーションも低い。カテゴリーCに属するユーザは、今のところ健康的ではあるがモチベーションが低い。カテゴリーBに属するユーザは、あまり健康的ではないが、モチベーションが高く健康増進に努めている。カテゴリーAに属するユーザは、健康的であり、モチベーションも高い。カテゴリーと褒賞レベルとは連動しており、カテゴリーに応じてアバターが変化する。
【0047】
健康増進の最終目標はすべてのユーザをカテゴリーAに引き上げることである。この目標を達成するために本実施形態に係るシステムの褒賞機能が有効である。すなわち、カテゴリーCに属するユーザについては、モチベーションを高めてカテゴリーAに引き上げる(1st Step)。また、カテゴリーDに属するユーザについては、とりあえずモチベーションを高めてカテゴリーBにまで引き上げる(1st Step)。その後も高いモチベーションを維持することでカテゴリーAに引き上げることができる(2nd Step)。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係る健康管理支援システムおよび方法は、インターネットなどのネットワークを利用して個人の健康を管理し、健康増進を支援するシステムとして有用である。
【符号の説明】
【0049】
1 SNSサーバ
10 データ入力制御手段
11 画面表示制御手段
12 基本情報記憶手段
13 健康情報記憶手段
14 コンテンツ記憶手段
15 健康情報関連付け手段
16 格納制御手段
17 クエリ手段
18 評価登録手段
19 褒賞制御手段
2 ユーザ情報データベース
3 ユーザ著作コンテンツデータベース
4 健康関連情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用した健康管理支援システムであって、
ユーザの基本情報に当該ユーザの健康情報が関連付けられた健康情報付き基本情報を格納するユーザ情報データベースと、
ユーザの著作に係るコンテンツに当該ユーザの健康情報が関連付けられた健康情報付きコンテンツを格納するユーザ著作コンテンツデータベースと、
ユーザの基本情報、ユーザの健康情報、およびユーザの著作に係るコンテンツをユーザ側から受信し、他のユーザの健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツを含む表示画面をユーザ側に送信するSNSサーバとを備え、
前記SNSサーバは、
ユーザの基本情報を記憶する基本情報記憶手段と、
ユーザの健康情報を記憶する健康情報記憶手段と、
ユーザの著作に係るコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、
前記受信したユーザの基本情報を前記基本情報記憶手段に格納し、前記受信したユーザの健康情報を前記健康情報記憶手段に格納し、前記受信したユーザの著作に係るコンテンツを前記コンテンツ記憶手段に格納するデータ入力制御手段と、
前記基本情報記憶手段からユーザの基本情報を読み出し、前記健康情報記憶手段から当該ユーザの健康情報を読み出し、前記コンテンツ記憶手段から当該ユーザの健康情報と関連するコンテンツを読み出し、当該読み出したユーザの基本情報および健康情報を互いに関連付けて前記健康情報付き基本情報を作成し、当該読み出したユーザの健康情報およびコンテンツを互いに関連付けて前記健康情報付きコンテンツを作成する健康情報関連付け手段と、
前記作成された健康情報付き基本情報を前記ユーザ情報データベースに格納し、前記作成された健康情報付きコンテンツを前記ユーザ著作コンテンツデータベースに格納する格納制御手段と、
前記健康情報記憶手段からユーザの健康情報を読み出し、当該読み出した健康情報に基づいて、または前記作成された健康情報付きコンテンツまたは健康情報付き基本情報に基づいて、前記ユーザ情報データベースおよび前記ユーザ著作コンテンツデータベースを検索して当該ユーザの現在の健康状態に比較的近い他のユーザの健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツを取得するクエリ手段と、
前記取得された他のユーザの健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツを前記表示画面に埋め込む画面表示制御手段とを有する
ことを特徴とする、SNSを利用した健康管理支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の、SNSを利用した健康管理支援システムにおいて、
健康に関連する情報を格納する健康関連情報データベースを備え、
前記クエリ手段は、さらに前記健康関連情報データベースも検索して当該ユーザの現在の健康状態に相応しい健康関連情報を取得するものであり、
前記画面表示制御手段は、前記取得された健康関連情報を前記表示画面に埋め込む
ことを特徴とする、SNSを利用した健康管理支援システム。
【請求項3】
請求項1および2のいずれか一つに記載の、SNSを利用した健康管理支援システムにおいて、
前記SNSサーバは、
前記表示画面に含まれる前記他のユーザの健康情報付きコンテンツに対する評価を受信して前記ユーザ著作コンテンツデータベースに当該評価を格納する評価登録手段を有するものであり、
前記画面表示制御手段は、前記評価のためのボタンを前記表示画面に埋め込む
ことを特徴とする、SNSを利用した健康管理支援システム。
【請求項4】
請求項3に記載の、SNSを利用した健康管理支援システムにおいて、
前記SNSサーバは、
前記健康情報記憶手段からユーザの健康情報を読み出し、前記ユーザ情報データベースを検索して当該ユーザの健康情報付き基本情報を取得し、前記ユーザ著作コンテンツデータベースを検索して他のユーザによる評価を取得し、これら取得したおよび読み出した情報および評価から当該ユーザの褒賞レベルを決定する褒賞制御手段を有するものであり、
前記画面表示制御手段は、前記褒賞レベルに応じた褒賞コンテンツを前記表示画面に埋め込む
ことを特徴とする、SNSを利用した健康管理支援システム。
【請求項5】
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用した健康管理支援方法であって、
ユーザ側からユーザの基本情報を受信して基本情報記憶手段に格納するステップと、
ユーザ側からユーザの健康情報を受信して健康情報記憶手段に格納するステップと、
ユーザ側からユーザの著作に係るコンテンツを受信してコンテンツ記憶手段に格納するステップと、
前記基本情報記憶手段からユーザの基本情報を読み出し、前記健康情報記憶手段から当該ユーザの健康情報を読み出し、これら読み出したユーザの基本情報および健康情報を互いに関連付けて健康情報付き基本情報を作成するステップと、
前記健康情報記憶手段からユーザの健康情報を読み出し、前記コンテンツ記憶手段から当該読み出したユーザの健康情報と関連するコンテンツを読み出し、これら読み出したユーザの健康情報およびコンテンツを互いに関連付けて健康情報付きコンテンツを作成するステップと、
前記作成された健康情報付き基本情報をユーザ情報データベースに格納するステップと、
前記作成された健康情報付きコンテンツをユーザ著作コンテンツデータベースに格納するステップと、
前記健康情報記憶手段からユーザの健康情報を読み出し、当該読み出した健康情報に基づいて、または前記作成された健康情報付きコンテンツまたは健康情報付き基本情報に基づいて、前記ユーザ情報データベースおよび前記ユーザ著作コンテンツデータベースを検索して当該ユーザの現在の健康状態に比較的近い他のユーザの健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツを取得するステップと、
前記取得された他のユーザの健康情報付き基本情報および健康情報付きコンテンツを表示画面に埋め込んでユーザ側に送信するステップとを備えている
ことを特徴とする、SNSを利用した健康管理支援方法。
【請求項6】
請求項5に記載の、SNSを利用した健康管理支援方法において、
前記健康情報記憶手段からユーザの健康情報を読み出し、当該読み出した健康情報に基づいて、または前記作成された健康情報付きコンテンツまたは健康情報付き基本情報に基づいて、健康に関連する情報を格納する健康関連情報データベースを検索して当該ユーザの現在の健康状態に相応しい健康関連情報を取得するステップと、
前記取得された健康関連情報を前記表示画面に埋め込むステップとを備えている
ことを特徴とする、SNSを利用した健康管理支援方法。
【請求項7】
請求項5および6のいずれか一つに記載の、SNSを利用した健康管理支援方法において、
前記表示画面に含まれる前記他のユーザの健康情報付きコンテンツに対する評価を受信して前記ユーザ著作コンテンツデータベースに当該評価を格納するステップと、
前記評価のためのボタンを前記表示画面に埋め込むステップとを備えている
ことを特徴とする、SNSを利用した健康管理支援方法。
【請求項8】
請求項7に記載の、SNSを利用した健康管理支援方法において、
前記健康情報記憶手段からユーザの健康情報を読み出し、前記ユーザ情報データベースを検索して当該ユーザの健康情報付き基本情報を取得し、前記ユーザ著作コンテンツデータベースを検索して他のユーザによる評価を取得し、これら取得したおよび読み出した情報および評価から当該ユーザの褒賞レベルを決定するステップと、
前記褒賞レベルに応じた褒賞コンテンツを前記表示画面に埋め込むステップとを備えている
ことを特徴とする、SNSを利用した健康管理支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−109618(P2013−109618A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254819(P2011−254819)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度独立行政法人科学技術振興機構 研究成果最適展開支援事業 産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【出願人】(511185597)株式会社トップウェーブ (2)
【Fターム(参考)】