説明

α−アミノ基−N−置換アミド化合物、該化合物を含む薬剤組成物及びその用途

本発明は、薬剤化学領域に属し、下記一般式に示された構造を持つα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩に関し、また、該化合物又はその薬学的に許容し得る塩を含む薬剤組成物に関する。本発明のα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、生体内外での抗腫瘍及び/又は抗がん活性を有し、各種類の腫瘍細胞及び/又はがん細胞に効果的に対抗でき、腫瘍及び/又はがんの治療薬の調製に用いることができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、α-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩、及び該化合物を含む薬剤組成物に関し、また、該化合物又はその薬学的に許容し得る塩の、抗腫瘍薬及び/又は抗がん薬の調製における用途に関する。
【背景技術】
【0002】
がんは、細胞異常増殖と転移を特徴とする疾病であり、既に人類の健康を脅す疾病の1つであり、WHOの統計によると、全世界においてがんの新発病例は毎年6百万例に達している。中国で、がんは既に心臓脳血管疾病に次ぐ第2の致死原因になっている。
【0003】
腫瘍の化学治療領域において、科学者らは、長期にわたって各種類のがんに効果的に対抗できる抗がん薬の研究を重ねている。しかし、既に開発された抗がん薬は、がん細胞を効果的に殺すと同時に、正常細胞に対しても高い毒性を示しており、服用者は体重減少、吐き気、幻覚、食欲低下などの症状を表している。そのほか、従来の腫瘍の化学治療薬剤は、腫瘍に対抗する有効性、広域スペクトルの面でも好ましくない。したがって、各種類のがんに効果的に対抗でき、且つ高選択性及び効果性を有する化学治療薬剤が望まれていた。
【0004】
ベンガミド(Bengamides)は、顕著な抗腫瘍活性を有する、海の天然産物である。1986年に海産海綿体から分離された該化合物は、広い生物活性を有するので、多くの研究グループが該化合物の合成研究を行っていた。その中で、ベンガミドB(Bengamide B)の抗腫瘍効果が最も優れ、該ベンガミドBに対し、生体外で行われた人の腫瘍細胞活性テストは全部ナノモルレベルに達しており、また、生体内でMDA-MB-435Sヒト乳癌異種移植片の生長を明らかに抑制している。該化合物の溶解性が低く、その合成が難しい問題を克服するため、Novartisは2001年にベンガミド類似物の合成研究を行った結果、溶解性がよく、且つ生体内外活性がベンガミドBに相当する該天然産物の類似物、即ちLAF389を発見した。該化合物は、当初広い普及効果が見込まれたが、2001年臨床研究で、味覚障害、かすみ目など副作用が存在したこと、及び予期していた治療効果が収めないという理由で、更なる開発を断念している。
【0005】
【化1】

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明によれば、ベンガミドBとLAF389の構造に対し簡単化、改質、合成を行うことにより、新規な構造を有し、且つ生体内外抗腫瘍及び/又は抗がん活性を有するα-アミノ基-N-置換アミド化合物が得られる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の目的は、抗腫瘍薬として、新規なα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩を提供することにより、抗腫瘍薬のリード化合物又は抗腫瘍薬を探すための手段を提供することにある。
【0008】
本発明のもう一つの目的は、前記α-アミノ基-N-置換アミド化合物の調製方法を提供することである。
【0009】
本発明のもう一つの目的は、前記α-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩を活性成分とする薬剤組成物を提供することである。
【0010】
更に、本発明のもう一つの目的は、抗腫瘍薬の調製における、前記α-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩の用途を提供することである。
【0011】
本発明のα-アミノ基-N-置換アミド化合物は、下記式Iに示された構造を持つ。
【0012】
【化2】

【0013】
その中、R1はH、或いは置換又は未置換のC1-C10アルキル基であり、前記置換のC1-C10アルキル基の置換基は、C1-C10アルコキシ基、C1-C10アルキルチオ基、ヒドロキシ基、アミノカルボニル基、C1-C10アルコキシカルボニル基、C1-C10アルコキシカルボニルアミノ基、アリール基、縮合ヘテロアリール基、(1-フェニル基C1-4アルコキシレンメチレン基)イミダゾリル基から選ばれたものであり、
R2は、ビニル基C1-C10アルキレン基、ヒドロキシ基C1-C10アルキレン基、C3-C8シクロアルキルアミノカルボニル基C1-C10アルキレン基、C3-C8シクロアルコキシカルボニル基C1-C10アルキレン基、C1-C10アルコキシカルボニル基C1-C10アルキレン基、C1-C10アルコキシ基C1-C10アルキレン基、C3-C8シクロアルコキシ基C1-C10アルキレン基、フェニル基C1-C4アルコキシレン基C1-C10アルキレン基、C3-C8飽和又は不飽和のシクロアルキルカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、C3-C8シクロアルキルカルボニルアミノ基C1-C4アルキレン基、C3-C8シクロアルキルC1-C4アルキレンカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、アダマンチルカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、フェニルカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、フリルカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、フェニル基C1-C4アルキレンカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、C1-C15アルキルカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、アセチレン基C1-C10アルキレンカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、C1-C15アルコキシカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、C3-C8シクロアルコキシカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、フェニル基C1-C10アルコキシレンカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、アジド基C1-C15アルキレンカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、
構造式が
【0014】
【化3】

【0015】
であるアルキリデン基、その中で、iは1-6の整数であり、
構造式が
【0016】
【化4】

【0017】
であるスピロラクトン型のアルキレン基、その中で、mは0-5で、nは0-4であり、及び
構造式が
【0018】
【化5】

【0019】
であるラクトン型のメチレン基、その中で、mは0-5で、nは0-4で、Yはフェニル基又はC1-C10アルキル基である、
からなる官能基から選ばれたものであり、
R3は、C1-C10アルキル基であり、
R4は、C1-C5アルキル基である。
【0020】
本発明において、以下のように定義する。即ち、前記アルキル基は直鎖又は分枝鎖のアルキル基を含み、前記アルキレン基は直鎖又は分枝鎖のアルキレン基を含み、C1-C10アルキル基は1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基であり、C1-C10アルキレン基は1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキレン基である。同じく、C1-C4アルキル基などの専門用語について、当業者は、前記定義に基いてその意味を理解できる。なお、本発明の化合物のうち、R1又はR2の位置で置換されることにより生成した全ての立体異性体は、該位置での配置がそれぞれS又はRである異性体を含み、また、キラルな置換基を導入したことにより生成された他の立体異性体を含むので、本発明の化合物は、その各種類の立体異性体にも関する。
【0021】
本発明の好ましい実施形態において、
R1は、置換又は未置換のC1-C4アルキル基であり、その中で、前記置換のC1-C4アルキル基の置換基は、C1-C4アルコキシ基、C1-C4アルキルチオ基、ヒドロキシ基、アミノカルボニル基、C1-C4アルコキシカルボニル基、C1-C4アルコキシカルボニルアミノ基、フェニル基、インドール基、ベンゾフラン基、ベンゾチオフェン基、N-メチルインドール基、1-ベンジルオキシメチレンイミダゾリル基から選ばれたものであり、具体的に、前記R1は、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、2-メチルプロピル基又はn-ブチル基であり、或いはtert-ブトキシ基、メチルチオ基、4-(1-ベンジルオキシメチレン基)イミダゾリル基、ヒドロキシ基、tert-ブトキシカルボニル基、アミノカルボニル基、3-インドール基、フェニル基又はtert-ブトキシカルボニルアミノ基で置換されたC1-C4アルキル基であり、
R2は、ビニル基C1-C4アルキレン基、ヒドロキシ基C1-C4アルキレン基、C3-C6シクロアルキルアミノカルボニル基C1-C4アルキレン基、C3-C6シクロアルコキシカルボニル基C1-C4アルキレン基、C1-C4アルコキシカルボニル基C1-C4アルキレン基、C1-C4アルコキシ基C1-C4アルキレン基、C3-C6シクロアルコキシ基C1-C4アルキレン基、フェニル基C1-C4アルコキシレン基C1-C4アルキレン基、C3-C6飽和又は不飽和のシクロアルキルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基C1-C4アルキレン基、C3-C6シクロアルキルC1-C4アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、アダマンチルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フェニルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フリルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フェニル基C1-C4アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、C1-C15アルキルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、アセチレン基C1-C10アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、C1-C15アルコキシカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、C3-C8シクロアルコキシカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フェニル基C1-C6アルコキシレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、アジド基C1-C15アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、
構造式が
【0022】
【化6】

【0023】
であるアルキリデン基、その中で、iは1-4の整数であり、
構造式が
【0024】
【化7】

【0025】
であるスピロラクトン型のアルキレン基、その中で、mは0-3で、nは0-2であり、及び
構造式が
【0026】
【化8】

【0027】
であるラクトン型のメチレン基、その中で、mは0-3で、nは0-2で、Yはフェニル基又はC1-C10アルキル基である、
からなる官能基から選ばれたものであり、
R3は、C1-C4アルキル基であり、また、tert-ブチル基又はイソプロピル基が好ましく、
R4は、C1-C4アルキル基であり、また、メチル基又はイソプロピル基が好ましい。
【0028】
本発明のより好ましい実施形態において、
R3は、tert-ブチル基又はイソプロピル基であり、
R4は、メチル基又はイソプロピル基であり、
R1とR2は、以下の方式で組み合わせることが可能で、即ち、
R1が置換又は未置換のC1-C4アルキル基であり、その中、前記置換のC1-C4アルキル基の置換基が、C1-C4アルコキシ基、C1-C4アルキルチオ基、ヒドロキシ基、アミノカルボニル基、C1-C4アルコキシカルボニル基、1-ベンジルオキシメチレンイミダゾリル基から選ばれた場合、R2はビニル基C1-C4アルキレン基であり、
或いは、R1が置換又は未置換のC1-C4アルキル基であり、その中、前記置換のC1-C4アルキル基の置換基が、3-インドール基及びフェニル基から選ばれた場合、R2はヒドロキシ基C1-C4アルキレン基であり、
或いは、R1が置換又は未置換のC1-C4アルキル基であり、その中、前記置換のC1-C4アルキル基の置換基が、C1-C4アルコキシカルボニルアミノ基である場合、R2は、C3-C6シクロアルキルアミノカルボニル基C1-C4アルキレン基、C3-C6シクロアルコキシカルボニル基C1-C4アルキレン基、C1-C4アルコキシカルボニル基C1-C4アルキレン基、C1-C4アルコキシ基C1-C4アルキレン基、C3-C6シクロアルコキシ基C1-C4アルキレン基、フェニル基C1-C4アルコキシレン基C1-C4アルキレン基、C3-C6飽和又は不飽和のシクロアルキルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基C1-C4アルキレン基、C3-C6シクロアルキルC1-C4アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、アダマンチルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フェニルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フリルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フェニル基C1-C4アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、C1-C15アルキルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、アセチレン基C1-C10アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、C1-C15アルコキシカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、C3-C8シクロアルコキシカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フェニル基C1-C6アルコキシレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、アジド基C1-C15アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、
構造式が
【0029】
【化9】

【0030】
であるアルキリデン基、その中で、iは3又は4であり、
構造式が
【0031】
【化10】

【0032】
であるスピロラクトン型のアルキレン基、その中で、mは0-3で、nは0-2であり、及び
構造式が
【0033】
【化11】

【0034】
であるラクトン型のメチレン基、その中で、mは0-3で、nは0-2で、Yはフェニル基又はC1-C10アルキル基である。
【0035】
本発明のα-アミノ基-N-置換アミド化合物は、以下の方法により調製されうる。
【0036】
方法1:
【0037】
【化12】

【0038】
a:2N HCl/AcOEt;b:2-エチルへキサン酸ナトリウム (NaEH)、THF;c:1N HCl/ H2O
その中で、R1、R3、R4の定義は上述した通りであり、R2は、前記定義の中から
構造式が
【0039】
【化13】

【0040】
であるスピロラクトン型のアルキレン基、及び
構造式が
【0041】
【化14】

【0042】
であるラクトン型のメチレン基
を除く他の置換基である。
【0043】
有機溶剤の存在条件で、化合物1が塩酸の作用下で、Boc(tert-ブトキシカルボニル基)の保護基を離脱し、化合物2を得る。次に、NaEHの存在条件下で、化合物2と化合物3をラクトン環開環反応でカップリングさせることにより、化合物4を得る。化合物4が酸の作用下で、ケタールを離脱し、α-アミノ基-N-置換アミド化合物Iを得る。
【0044】
方法2:
R3がtert-ブチル基で、R4とR1がそれぞれ独立にメチル基で、R2
【0045】
【化15】

【0046】
又は
【0047】
【化16】

【0048】
であるラクトン型メチレン基である場合、該α-アミノ基-N-置換アミド化合物IIIe(R2
【0049】
【化17】

【0050】
である)又はIIIf(R2
【0051】
【化18】

【0052】
である)は、以下の方法で合成されうる。
【0053】
【化19】

【0054】
a:NaEH、THF;b:K2CO3、MeOH/H2O;c:PPh3、トルエン;d:1N HCl/H2O
その中で、R2
【0055】
【化20】

【0056】
である場合、R2N3は化合物8であり、R2
【0057】
【化21】

【0058】
である場合、R2N3は化合物10である。
【0059】
有機溶剤の存在条件で、化合物3aと化合物5を、ラクトン環開環反応でカップリングさせることにより、ケタールで保護されたメチルエステル化合物6を得た後、化合物6をアルカリ加水分解させることにより、ケタールで保護された酸7を得て、次にトルエン溶液において、化合物7とアジド化合物8又は10とは、トリフェニルホスフィンの媒介による直接カップリングし、アミドケタール化合物9又は11を得て、化合物9又は11がケタール保護を離脱して、α-アミノ基-N-置換アミド化合物IIIe又はIIIfを得る。
【0060】
前記調製方法において、化合物1、8、10と3は鍵中間体であり、その中、中間体1は7種類の構造があり、下記の方法により合成されうる。以下、これらの中間体の調製を具体的に説明する。
【0061】
1、中間体1の調製
(1)中間体1aの調製
【0062】
【化22】

【0063】
その中で、化合物12、13、EDCI(N-エチル基-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)、イミダゾールは、ともに市販の製品であり、nは1-4の整数である。ジクロロメタンで前記化合物12を溶解した後、化合物13、イミダゾール、EDCIを入れ、縮合により中間体1aを得る。
【0064】
(2)中間体1bの調製
【0065】
【化23】

【0066】
EDCIを用い、前記化合物12、14とイミダゾールを縮合させることにより、中間体1bを得る。
【0067】
(3)中間体1cの調製
【0068】
【化24】

【0069】
a:BiCl3、トリエチルシラン、アセトニトリル; b: N2H4H2O、エタノール; c:二炭酸ジ-tert-ブチル((Boc)2O)、NaHCO3、AcOEt/H2O; d:2N HCl /AcOEt; e:12、EDCI、イミダゾール、ジクロロメタン。
【0070】
その中で、R5はC1-C4アルキル基、C3-C6シクロアルキル基又はフェニルC1-C4アルキレン基であり、nは0〜3の整数である。
【0071】
有機溶媒において、アルデヒド又はケトン16’を、フタルイミドに保護されたシリルエーテル化合物15と還元エーテル化反応させることにより、化合物16を得る。ヒドラジン水和物で化合物16の保護基を離脱させ、且つ二炭酸ジ-tert-ブチルでそのアミノ基を保護し、カラムクロマトグラフィーで純化した後、Bocで保護されたエーテル化合物17を得る。保護を離脱させた化合物17を、塩基と縮合剤としてのEDCIの作用下で、化合物12と反応させることにより、中間体1cを得る。
【0072】
(4)中間体1dの調製
【0073】
【化25】

【0074】
a:EDCI、イミダゾール、ジクロロメタン(DCM);b: 2N HCl /AcOEt;c: 12、EDCI、イミダゾール、DCM
その中で、YはNH又はOであり、R6はC3-C6シクロアルキル基又はC1-C4アルキル基であり、nは0-3の整数である。
【0075】
溶剤において、化合物19と20を、エステル化反応又はアシル化反応させることにより、カップリング生成物21を得る。化合物21が塩酸の作用下でそのBocを離脱し、化合物21の塩酸塩化合物22を得る。化合物22が更に化合物12とアシル化反応を行うことにより、中間体1dを得る。
【0076】
(5)中間体1eの調製
【0077】
【化26】

【0078】
a: EDCI、イミダゾール、DCM;b: EDCI、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、DCM
その中で、R1は、置換又は未置換のC1-C4アルキル基であり、前記置換のC1-C4アルキル基の置換基は、C1-C4アルコキシカルボニルアミノ基であり、nは0-5の整数である。YはNH又はOであり、R、R’は、それぞれ独立にH又はC1-C4アルキル基である。R”はC3-C6飽和又は不飽和のシクロアルキル基、C3-C6シクロアルキル基C1-C4アルキレン基、アダマンチル基、フェニル基、フリル基、フェニル基C1-C4アルキレン基、C1-C15アルキル基、アセチレン基C1-C10アルキレン基又はアジド基C1-C15アルキレン基である。
【0079】
例えば、ジクロロメタンのような溶剤において、イミダゾールのような塩基の存在下で、Bocで保護されたアミノ酸12と、第1級アミン又は第2級アミン化合物23とアミド化反応させることにより、化合物24を得る。次に、ジクロロメタンのような溶剤において、触媒量のDMAP(4-ジメチルアミノピリジン)のような塩基、及び縮合剤としてのEDCIを入れ、化合物24を置換のカルボン酸25と更にアシル化反応又はエステル化反応させことにより、中間体1eを得る。
【0080】
(6)中間体1fの調製
【0081】
【化27】

【0082】
a: EDCI、イミダゾール、DCM;b: DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)、トルエン;c: KOH、トルエン。
【0083】
その中で、nは1-3の整数であり、R7はC1-C15アルキル基、C3-C8シクロアルキル基、又はフェニル基C1-C10アルキレン基である。
【0084】
化合物12aを、アミノアルコール14のアミノ基とアシル化反応させ、化合物24aを得る。次に、トルエン溶液において、DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)のような塩基の作用下で、化合物24aとイミダゾリル基で活性化されたアルコール26を、カップリングさせることにより、鍵中間体1fを得る。ここでトルエン溶液の中で、KOHのような塩基の存在条件下で、アルコール27とカルボニルジイミダゾールを反応させることにより、化合物26を得る。
【0085】
(7)中間体1gの調製
【0086】
【化28】

【0087】
a:エタノール、SOCl2; b: 12a、DCM、イミダゾール、EDCI;c: DCM、EDCI、4-ジメチルアミノピリジン。
【0088】
その中で、iは1-4の整数である。
【0089】
塩化チオニルのエタノール溶液において、化合物28をエステル化反応させることにより、そのエチルエステル塩酸塩29に変換させる。溶剤の中で塩基の存在条件下で、縮合剤を用い、該塩酸塩とアラニン12aをアシル化反応させることにより、化合物30を得る。次に、ジクロロメタン溶液において、塩基及び縮合剤としてのEDCIの存在下で、化合物30とシクロアルキルカルボン酸25を更にエステル化反応させ、鍵中間体1gを得る。
【0090】
2、中間体8の調製
【0091】
【化29】

【0092】
a:リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、テトラヒドロフラン、
【0093】
【化30】

【0094】
;b: I2、KI/H2O、NaHCO3、エチルエーテル;c: NaN3、N, N-ジメチルホルムアミド、50℃。
【0095】
その中で、mは0-5で、nは0-4であり、Xはハロゲンであり、Yはフェニル基又はC1-C10アルキル基である。
【0096】
テトラヒドロフラン溶液において、リチウムジイソプロピルアミドのような塩基を用い、Y置換のアルキルカルボン酸化合物31のα位水素原子を引き抜き、次に、該位置でアルケニルアルキル基化合物と求核置換反応させることにより、化合物32を得る。エチルエーテル溶液において、塩基とヨウ素及びヨウ化カリウムの存在下で、化合物32をヨードラクトン化反応させ、化合物33を得る。次に、N, N-ジメチルホルムアミド溶液において、アジドで化合物33を求核攻撃することにより、鍵中間体8を得る。
【0097】
3、中間体10の調製
【0098】
【化31】

【0099】
その中で、mは0-5の整数で、nは0-4の整数である。
【0100】
テトラヒドロフラン溶液において、リチウムジイソプロピルアミドのような塩基で化合物34を処理した後、クロロトリメチルシラン(TMSCl)を入れ、エチレン結合を持つシリルエーテル化合物35を得る。化合物35で化合物36のエポキシを求核攻撃することにより、該化合物36を開環させ、更にラクトン化反応させ、化合物37を得る(詳しい条件については、以下の文献を参照)。次に、N, N-ジメチルホルムアミドのような溶剤において、アジド化合物の求核攻撃により、中間体10を得る。
【0101】
4、中間体3の調製
【0102】
【化32】

【0103】
a: R4I/Ag2O、DCM;b: C2H5COOH/H2O、p-トルエンスルホン酸;c: NaIO4、アセトニトリル/水; d: n-ブチルリチウム、テトラヒドロフラン/アセトニトリル、次にクロロトリメチルシラン、その後H2O。
【0104】
その中で、R3はC1-C10アルキル基で、R4はC1-C5アルキル基である。
【0105】
ジクロロメタンのような溶剤において、酸化銀の存在条件下で、化合物38をヨウ化アルキル化合物R4Iとアルキル化反応させ、化合物39を得る。次に、プロピオン酸水溶液において、触媒量のp-トルエンスルホン酸を入れ、ケタールを選択的に離脱することにより、化合物40を得る。アセトニトリル/水において、過ヨウ素酸ナトリウムで化合物40を酸化することにより、アルデヒド41を得る。更に、テトラヒドロフラン/アセトニトリル溶液で化合物41を溶解させ、Juliaオレフィン化反応により、中間体3を得る。
【0106】
本発明におけるいくつかの化合物の合成方法は以下の文献を参照すればよい。
【0107】
1、ラクトン側鎖を持つ化合物3の調製及び化合物4、Iの通常合成方法は、文献J. Med. Chem, 2001, 44, 3692-3699とOrg. Process. Res. Dev., 2003, 7, 856-865を参照。
【0108】
2、化合物15の合成は、J. Org. Chem. 1982, 47, 2027-2033を参照。
【0109】
3、化合物17の合成は、Tetrahedron Letters 2002, 43, 6709-6713を参照。
【0110】
4、化合物18の合成は、J. Med. Chem. 1989, 32, 859-863を参照。
【0111】
5、化合物37の合成は、Tetrahedron, 2004, 60, 8957-8966を参照。
【0112】
6、化合物42の合成は、Eur. J. Med. Chem. Chim. Ther., 1978, 13, 171を参照。
【0113】
7、R”がアジド基C1-C15アルキレンである場合の、化合物25の合成は、J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, 2744-2745を参照。
【0114】
本発明において、式Iで示される化合物の薬学的に許容し得る塩は、本発明の化合物と有機酸又は無機酸との付加塩であってもいい。例えば、塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸又は酢酸とで生成した塩であり、その中塩酸又はメタンスルホン酸と生成した塩が好ましい。例えば、いくつかの式I化合物の遊離塩基と塩酸を反応させることにより、生成した対応の塩酸塩、または式I化合物の遊離塩基とメタンスルホン酸を反応させることにより、生成した対応のメタンスルホン酸塩である。
【発明の効果】
【0115】
本発明は、抗腫瘍及び/又は抗がんの薬剤組成物を提供し、該組成物は、活性成分として、本発明の前記α-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩の1種類又は多種類を含有し、更に、例えば、賦形剤、崩壊剤、抗酸化剤、甘味剤、コーティング剤などのような通常の補助剤を含有することができる。
【0116】
本発明が提供したα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、抗腫瘍薬及び/又は抗がん薬の調製に用いられ、例えば、胃癌、卵巣癌、前立腺癌、肝臓癌、乳癌、結腸癌、肺癌又は子宮頸癌の治療薬の調製に用いられることができる。
【0117】
本発明が提供した抗腫瘍化合物は、多種類の腫瘍細胞及び/又はがん細胞に効果的に対抗でき、高い薬物開発可能性を有し、かつその調製方法が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】図1は、ヒト乳癌MDA-MB-435細胞株をヌードマウス皮下に接種したMDA-MB-435ヌードマウス移植腫瘍へ、活性化合物L538を投与した後、腫瘍の生長に対する抑制作用を示す曲線図である。
【図2】図2は、ヒト乳癌MDA-MB-435細胞株をヌードマウス皮下に接種したMDA-MB-435ヌードマウス移植腫瘍へ、活性化合物L538を投与した後、腫瘍の生長に対する抑制の試験治療作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0119】
以下、具体的な実施例を参照しながら本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0120】
以下の実施例において、NMRはVarianで製造されたMerCury-Vx 300M型機で測定し、NMR校正は、δH 7.26 ppm(CDCl3)である。試薬は、主に上海化学試剤公司から提供され、製品の純化は、主にカラムクロマトグラフィーを使用し、使われたシリカゲルは200-300メッシュであり、カラムクロマトグラフィーに用いられたシリカゲルは、青島海洋化学工場支工場により生産された粗孔(ZLX−II)である。
【0121】
下記反応において、使われた通常の後処理方法は、以下の通りである。
【0122】
反応が終わった後、反応液の中へ適量の溶剤を入れて希釈し、分液漏斗に移した後、水で洗浄し、有機溶剤で水相を再び抽出し、有機相を混合した。必要に応じて、順次に5% HCl溶液及び/又は飽和NaHCO3溶液、水と飽和食塩水で洗浄した。更に、無水Na2SO4又は無水MgSO4で有機相を乾燥させ、ろ過した後、濃縮により粗産物を得て、更に、カラムクロマトグラフィーにより分離純化し、最終生成物を得た。
【0123】
調製実施例1
【0124】
【化33】

【0125】
a: EDCI、イミダゾール、DCM; b: 2N HCl/AcOEt; c: 3a、2-エチルへキサン酸ナトリウム、テトラヒドロフラン; d: 1N HCl/ H2O
化合物12a (2mmol)を乾燥ジクロロメタン15mlの中に溶解させ、化合物13a (4mmol)、EDCI(3mmol)、イミダゾール(3mmol)を順次入れて、室温下で12時間撹拌して処理を行い、50mlのジクロロメタンを入れて希釈させ、水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮し、石油エーテル/酢酸エチル(体積比は約3:1である)で、カラムクロマトグラフィーにより分離し、化合物1a-1(1.2mmol)を得た。
【0126】
10ml瓶内へ化合物1a-1を取り、3mlの2N HCl/AcOEtを入れ、室温で撹拌しながら1.5時間反応させ、回転式蒸発器で溶剤を濃縮することにより、化合物2a-1 (1.2mmol)を得た。
【0127】
次に、化合物2a-1を取って10ml瓶内に置き、3mlテトラヒドロフランと2-エチルへキサン酸ナトリウム(4mmol)を入れた後撹拌し、化合物3a (1.2mmol)を入れ、室温で16時間撹拌して処理を行った。回転式蒸発器で溶剤を濃縮し、AcOEtで残留物を移して抽出し、水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮し、クロロホルム/メタノール(体積比は約50:1である)で、カラムクロマトグラフィーにより残留物を分離し、化合物4a-1を得た。
【0128】
10ml瓶内へ化合物4a-1を取り、室温下で1.5mlのテトラヒドロフランと1.5mlの塩酸(1N)を入れ、室温下で1時間撹拌して処理を行い、氷浴下で数滴のアンモニア水を入れて中和させ、すべての溶剤を回転蒸発させ、クロロホルム/メタノール(体積比は約50:2である)で、カラムクロマトグラフィーにより残留物を分離し、目標化合物L372を得た。
【0129】
調製実施例1と同じ方法を使用したが、Bocで保護されたアラニン12aの代わりに、以下の表に示された異なる置換アミノ酸(化合物12)を用い、化合物13aの代わりに異なる化合物13を用いることにより、以下の表1における目標化合物を合成した。
【0130】
【表1−1】

【0131】
【表1−2】

【0132】
調製実施例2
【0133】
【化34】

【0134】
a: EDCI、イミダゾール、DCM; b: 2N HCl/AcOEt; c: 12a、EDCI、イミダゾール、DCM。
【0135】
化合物19a(2mmol)を、10mlの乾燥ジクロロメタンの中に溶解させ、化合物20a(4mmol)、EDCI(3.5mmol)、イミダゾール(3.5mmol)を順次入れ、室温下で15時間撹拌し、50mlのジクロロメタンを入れて希釈し、水、塩水で洗浄し、乾燥、濃縮し、石油エーテル/酢酸エチル(体積比は約5:1である)で、カラムクロマトグラフィーにより分離し、化合物21aを得た。
【0136】
化合物21aを、2NのHCl/AcOEt溶液3mlの中に溶解させ、室温下で1.5時間撹拌し、TLCにより反応が終了するまで追跡し、回転蒸発させ、化合物22aを得た。
【0137】
化合物22a(1mmol)を4mlの乾燥DCMの中に溶解させ、イミダゾール(1.5mmol)、EDCI(1.5mmol)と化合物12a(1.5mmol)を入れ、室温下で15時間撹拌し、50mlのジクロロメタンを入れ、水、塩水で洗浄し、乾燥、濃縮し、石油エーテル/酢酸エチル(体積比は約3:1である)で、カラムクロマトグラフィーにより分離し、化合物1d-1を得た。
【0138】
実施例1における方法に基き、化合物1d-1に対して処理を行うことにより、化合物L471を得た。
【0139】
調製実施例2と同じ方法を使用するが、化合物20aの代わりに、以下の表に示された異なる化合物20を用いることにより、以下の表2における化合物を合成した。
【0140】
【表2】

【0141】
調製実施例3
【0142】
【化35】

【0143】
a:BiCl3、Et3SiH、CH3CN; b: N2H4・H2O、エタノール; c: Boc2O、NaHCO3、AcOEt/H2O; d: 2N HCl /AcOEt; e: 12a、EDCI、イミダゾール、DCM。
【0144】
N2雰囲気で、化合物15a(3mmol)を10mlのアセトニトリルの中に溶解させ、0℃でアセトン16’a(6mmol)、Et3SiH (4.5mmol)を入れた後、触媒量のBiCl3 (20mg)を少しずつ入念に入れ、系が黒色になってから、0℃で10分間撹拌した後、室温までに昇温し、TLCにより反応終了をチェックした。飽和NH4Cl水溶液を入れて反応をクエンチした。ろ過し、アセトニトリルを除去し、AcOEtで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮し、石油エーテル/酢酸エチル(体積比は10:1である)で、カラムクロマトグラフィーにより分離し、化合物16aを得た。
【0145】
化合物16aを10mlのエタノールの中に溶解し、N2H4・H2O (9mmol)を入れ、80℃までに昇温し、3時間反応させ、系においては大量の白い固体を生成し、室温までに冷却し、pH=1〜2になるように濃塩酸を入れて、室温で1時間撹拌し、ろ過して濃縮し、15mlのH2Oと15mlのAcOEt、NaHCO3(6mmol)、及びBoc2O(6mmol)を入れ、室温で一晩撹拌し、次の日にAcOEtを入れ、抽出して分液し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮し、石油エーテル/酢酸エチル(体積比は10:1である)で、カラムクロマトグラフィーにより分離し、化合物17aを得た。
【0146】
次に、化合物17a(1mmol)を、2mlの 2N HCl/AcOEtの中に溶解させ、室温下で反応が終わるまで2時間撹拌し、溶剤を回転蒸発させ、化合物18aを得た。
【0147】
化合物18aを5mlの乾燥ジクロロメタンの中に溶解させ、イミダゾール(1.5mmol)、化合物12a(1.5mmol)とEDCIを入れ、室温下で一晩撹拌し、次の日に30mlのジクロロメタンを入れ、水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮し、石油エーテル/酢酸エチル(体積比は5:1である)で、カラムクロマトグラフィーにより分離し、化合物1c-1を得た。
【0148】
実施例1における方法に基き、化合物1c-1に対して処理を行うことにより、化合物L418cを得た。
【0149】
調製実施例3と同じ方法を使用するが、化合物16’ aの代わりに、以下の表に示された異なる化合物16’を用い、また、化合物15aの代わりに、異なる化合物15を用いることにより、以下の表3における化合物を合成した。
【0150】
【表3】

【0151】
調製実施例4
【0152】
【化36】

【0153】
a: EDCI、イミダゾール、DCM;b: EDCI、DMAP、DCM。
【0154】
N2雰囲気で、化合物12a(2mmol)と化合物23a(2mmol)を、10mlのジクロロメタンの中に溶解させ、更にEDCI(3mmol)、イミダゾール(3mmol)を入れ、室温下で一晩撹拌し、次の日にTLCにより反応終了をチェックした。30mlのジクロロメタンを入れ、ジクロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮させ、クロロホルム/メタノール(体積比は約50:1である)で、カラムクロマトグラフィーにより分離し、化合物24a-1を得た。
【0155】
化合物24a-1(1mmol)を10mlのジクロロメタンの中に溶解させ、カルボン酸25a (1mmol)、EDCI (1.5mmol)、DMAP (触媒量0.05mmol)を入れ、室温下で一晩撹拌し、次の日にTLCにより反応終了をチェックし、40mlのジクロロメタンを入れ、ジクロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮し、石油エーテル/酢酸エチル(体積比は3:1である)で、カラムクロマトグラフィーにより分離し、化合物1e-1を得た。
【0156】
実施例1における方法に基き、化合物1e-1に対して処理を行うことにより、化合物L486dを得た。
【0157】
調製実施例4と同じ方法を使用するが、化合物12aの代わりに、以下の表に示された異なる化合物12を用い、化合物23aの代わりに異なる化合物23を用い、また、化合物25aの代わりに異なる化合物25を用いることにより、以下の表4における化合物を合成した。
【0158】
【表4−1】

【0159】
【表4−2】

【0160】
【表4−3】

【0161】
【表4−4】

【0162】
【表4−5】

【0163】
調製実施例5
【0164】
【化37】

【0165】
a: EDCI、イミダゾール、DCM; b: KOH、トルエン; c: DBU、トルエン。
【0166】
化合物24a-1の調製は、調製実施例4に従い行われた。
【0167】
化合物26aの調製は、以下の通りである。室温下で、10mlのトルエン(乾燥)が入っている瓶内にカルボニルジイミダゾール(1.1mmol)、KOH(0.006mmol)を入れ、10分間撹拌した後、化合物27a(1mmol)を1mlのトルエンの中に溶解させてなる溶液をゆっくり入れ、30分間撹拌した後、系を60℃油浴に移し、8時間後TLCにより反応終了をチェックした。
【0168】
前記化合物26aの反応溶液を室温までに低下させ、化合物24a-1(1.0mmol)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU,0.15mmol)を入れて撹拌し、室温で10時間反応させた後、原料が完全に転化したことをTLCにて分析し、処理は、回転式蒸発器で濃縮し、カラムクロマトグラフィーで純化することにより、化合物1f-1を得た。
【0169】
実施例1における方法に基き、化合物1f-1に対して処理を行うことにより、化合物L589を得た。
【0170】
調製実施例5と同じ方法を使用するが、化合物27aの代わりに、以下の表に示された異なる化合物27を用いることにより、以下の表5における化合物を合成した。
【0171】
【表5】

【0172】
調製実施例6
【0173】
【化38】

【0174】
a: NaEH、THF; b: K2CO3、MeOH/H2O; c: PPh3、トルエン; d: 1N HCl/H2O。
【0175】
ラクトン化合物3a (1mmol)を、5mlのテトラヒドロフランの中に溶解させ、室温下でアラニンメチルエステル塩酸塩5(2mmol)、2-エチルへキサン酸ナトリウム(4mmol)を入れ、少し撹拌した後50℃の油浴に移し、30時間撹拌して処理を行い、回転式蒸発器で溶剤を濃縮し、30mlのクロロホルムを入れて希釈し、抽出して、水、飽和食塩水で洗浄した後、また乾燥し、クロロホルムでのカラムクロマトグラフィーにより分離し、カップリング生成物6を得た。
【0176】
該生成物6(1mmol)を6mlのメタノールの中に溶解させ、室温下でK2CO3 (2mmol)を1mlのH2Oに溶解させてなる溶液を添加し、室温下で4時間撹拌し、完全に転化したことをTLCにて分析し、後処理は、回転式蒸発器で溶剤を濃縮し、氷浴下で残留物へ、10mmolのNH4Clを1mlのH2Oに溶解させてなる溶液を添加し、少し撹拌した後、ろ過して濃縮し、クロロホルム/メタノール(体積比は約4:1である)で、カラムクロマトグラフィーにより純化し、化合物7を得た。
【0177】
該化合物7(1mmol)を5mlのトルエンの中に溶解させ、室温下で化合物8a (1mmol)、PPh3(1mmol)を入れ、少し撹拌した後50℃の油浴に移し、20時間撹拌し、後処理は、溶剤を回転蒸発させ、30mlのクロロホルムで残留物を溶解し、分液漏斗に移した後、飽和NaHCO3水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮し、クロロホルム/メタノール(体積比は約100/1である)で、カラムクロマトグラフィーにより分離し、化合物9aを得た。
【0178】
化合物9aを1mlのTHFの中に溶解させ、1mlの1N HClを入れ、室温下で1.5時間撹拌し、完全に転化したことをTLCにて分析し、氷浴に移して、1mlのアンモニア水を入れて中和させ、回転式蒸発器ですべての溶剤を濃縮し、クロロホルム/メタノール(体積比は約50:1である)で、カラムクロマトグラフィーにより残留物を分離し、目標化合物L521を得た。
【0179】
1H NMR (CDCl3, 300 MHz): d 0.88 (m, 3H), 1.03 (s, 9H), 1.64 (m, 4H), 2.04 (m, 1H), 2.28 (m, 1H), 2.78 (m, 2H), 2.98 (m, 2H), 3.14-3.32 (m, 3H), 3.45 (s, 1H), 3.51 (s, 3H), 3.60-3.80 (3H), 4.22 (m, 1H), 4.44 (m, 1H), 5.42 (m, 1H), 5.83 (d, 1H), 7.18 (m, 2H), 7.28 (m, 3H).
中間体8aの合成:
【0180】
【化39】

【0181】
a:LDA、THF、臭化アリル; b:I2、KI/H2O、NaHCO3、Et2O; c:NaN3、DMF、50℃ 。
【0182】
ジイソプロピルアミン(2mmol)を、10mlの乾燥THF溶液の中に溶解させ、氷浴下で2mmolのn-ブチルリチウムのn-へキサン溶液を入れ、氷浴下で1時間撹拌し、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)試薬を得た。調製された該LDA溶液において、氷浴下で、1mmolのフェニルプロピオン酸31aを5mlのテトラヒドロフランに溶解させてなる溶液を滴下し、滴下が終わった後氷浴下で40分間撹拌し、臭化アリル(1.1mmol)を入れ、氷浴下で撹拌しながら、自然に室温まで昇温させ、10時間後、完全に転化したことをTLCにて分析し、30mlの酢酸エチルを入れて希釈し、系におけるpH値が2になるように、氷浴下で3N塩酸を滴下し、有機層を分離し、水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮し、石油エーテル/酢酸エチル(体積比は約10:1である)で、カラムクロマトグラフィーにより分離し、化合物32aを得た。
【0183】
該化合物32a(1mmol)を、3mlのエーテルの中に溶解させ、濃度が0.5MであるNaHCO3水溶液を入れて1時間撹拌し、室温下でI2(1.5mmol)とKI (5mmol)の水溶液を2ml滴下し、滴下が終わった後室温下で2時間撹拌し、原料がなくなったことをTLCにて分析し、反応系へ30mlのエーテルを入れて希釈し、抽出し、5%のNa2S2O3溶液で有機層を洗浄し、更に飽和NaHCO3溶液、飽和食塩水で洗浄して乾燥させ、石油エーテル/アセトン(体積比は約15:1である)で、カラムクロマトグラフィーにより分離し、化合物33a(二つのジアステレオマーの混合物、分離不可能)を得た。
【0184】
該化合物33a(1mmol)を、3mlの乾燥DMFの中に溶解させ、室温下でNaN3(10mmol)を入れ、少し撹拌した後50℃に昇温し、6時間反応させて処理を行い、20mlの酢酸エチルを入れて希釈し、水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮し、石油エーテル/アセトン(体積比は約15:1である)で、カラムクロマトグラフィーにより分離し、化合物8aを得た。
【0185】
調製実施例7
【0186】
【化40】

【0187】
a: LDA、THF、TMSCl; b: ジクロロメタン/石油エーテル(V/V=1/2)、TiCl4、p-トルエンスルホン酸; c: NaI、DMF、NaN3
【0188】
化合物37aの調製は、文献Tetrahedron, 2004, 60, 8957-8966を参照するといい。
【0189】
化合物37a (1mmol)を、3mlのジメチルホルムアミドの中に溶解させ、撹拌しながら、NaN3 (10mmol)、NaI (1mmol)を入れた後、80℃までに昇温し、16時間反応させて処理を行い、50mlのクロロホルムを入れて希釈し、また抽出し、水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮し、石油エーテル/アセトン(V/V=60:1)で、カラムクロマトグラフィーにより分離し、化合物10aを得た。
【0190】
調製実施例6における化合物9a、L521の合成方法を使用し、化合物L498cを合成することができる。
【0191】
1H NMR (CDCl3, 300 MHz): d 1.02 (s, 9H), 1.23-1.81 (m, 12H), 2.33 (m, 1H), 2.99 (m, 1H), 3.31 (m, 2H), 3.46 (m, 4H), 3.51 (m, 1H), 3.79-3.82 (m, 3H), 4.00 (d, 1H), 4.21 (m, 1H), 4.51 (m, 1H), 5.42 (dd, 1H), 5.84 (d, 1H), 7.23 (m, 1H).
調製実施例8
【0192】
【化41】

【0193】
a: (CH3)2CH2I、Ag2O、DCM; b: C2H5COOH/H2O、p-トルエンスルホン酸、酢酸イソプロピル; c: NaIO4、MeCN/H2O; d: n-BuLi、THF/CH3CN、TMSCl、次にH2O。
【0194】
化合物38(1mmol)を8mlのジクロロメタンに溶解させ、窒素ガス雰囲気で、(CH3)2CH2I (3mmol)とAg2O(2mmol)を速やかに入れ、更にH2Oを0.5ml入れ、反応系の温度を約25℃に制御し、また遮光環境下に置いたまま12時間撹拌し、完全に転化したことをTLCにて分析し、100mlのジクロロメタンを入れて希釈し、ろ過して濃縮することにより、化合物39aを得た。
【0195】
化合物39a(1mmol)を取り、50mlの酢酸イソプロピルと25mlのプロピオン酸の溶液に溶かして、系内へH2Oを2ml入れた後撹拌し、窒素ガス雰囲気で、p-トルエンスルホン酸(2mg、触媒量)が0.2mlのH2Oに溶解されてなる溶液を入れ、系を40℃までに昇温し、2時間反応させた後、加熱を停止し、約4℃の氷浴に移し、1時間ゆっくり撹拌し、ろ過し、冷たい酢酸イソプロピル(2×10ml)でろ過ケーキを洗浄し、オイルポンプにより溶剤を除去することにより、化合物40aを得た。
【0196】
100ml双口瓶内へ化合物40a(1mmol)を取り、7.6mlのアセトニトリルと3.5mlのH2Oを入れ、溶液が清澄になるまで室温で撹拌した。反応瓶外で氷水浴を設け、温度を5℃以下に調節した後、NaIO4(1.1mmol)をゆっくり添加し、且つ系の温度を5〜10℃の間に維持し、添加が終わった後密封し、アルゴンガス雰囲気で、該温度を維持したまま1時間激しく撹拌し、5mlのMeCN、15mlの酢酸イソプロピルを入れて系を希釈し、400mgの無水硫酸マグネシウムを入れて系の温度を約8℃に維持させ、85mgの固体NaHCO3を入れた後、直ちに900mgの硫酸マグネシウムを添加することにより再び吸水を行い、添加が終わった後、系を更に室温下に移して1時間撹拌した。更に、500mgの硫酸マグネシウムを入れ、懸濁液を室温に維持したまま1時間撹拌した後、処理を行った。ろ過して、CH3CN:i-PrOAc = 1:3の混合溶液(2×15ml)でろ過ケーキを洗浄し、ろ液を濃縮した後、カラムクロマトグラフィーにより速やかに分離し、化合物41aを得た。
【0197】
低温反応瓶内へ化合物42a(1.0mmol)を取り、10mlのテトラヒドロフラン(乾燥)の中に溶解させ、密封し、アルゴンガス雰囲気で、反応瓶を-55℃冷浴下で10分間撹拌し、n-ブチルリチウム(n-へキサンに1M、1.1mmol)溶液を1滴ずつ添加し、系を-78℃までに低下させて1.5時間反応させ、TMSCl (1.1mmol)を1滴ずつ添加し、-78℃を維持したまま25分間撹拌した。なお、化合物41a(0.9mmol)、NaHCO3(4mg)を100ml瓶内へ取り、40mlの乾燥CH3CNを入れ、アルゴンガスで系を保護しながら、氷塩浴の中に置いて撹拌した。低温反応瓶内の反応混合液を該瓶内へ移動し、移動が終わった後、氷塩浴下で約25分間撹拌し、更に氷水浴に移して1時間撹拌し、ゆっくり室温までに昇温した後更に1時間撹拌し、油浴に移してゆっくり40℃までに加熱し、該温度を維持したまま2時間撹拌した後、少量のH2Oで反応をクエンチした。溶剤を回転蒸発させ、クロロホルム(150ml)で希釈して抽出し、水(2×20ml)、飽和食塩水(2×20ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより分離し、化合物3bを得た。
【0198】
実施例1における方法に基き、化合物3bと1e-2を反応させた後その保護を離脱させることにより、化合物L537を得た。
【0199】
1H NMR (CDCl3, 300 MHz): d 1.03 (s, 9H), 1.18 (m, 6H), 1.40 (d, 3H), 2.64 (t, 2H), 2.93 (t, 2H), 3.10 (m, 1H), 3.25 (m, 1H), 3.45 (m, 2H), 3.63 (m, 1H), 3.80 (m, 2H), 3.95 (m, 1H), 4.15 (m, 2H), 4.20 (m, 2H), 4.42 (m, 1H), 5.43 (dd, 1H), 5.80 (d, 1H), 6.63 (m, 1H), 7.20 (m, 4H), 7.26 (m, 2H).
或いは化合物L495に対して、類似方法でアルデヒド41bから合成できる。
【0200】
【化42】

【0201】
1H NMR (CDCl3, 300 MHz): d 1.09 (d, 6H), 1.40 (d, 3H), 2.53 (m, 1H), 2.64 (t, 2H), 2.93 (t, 2H), 3.10 (m, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.46 (m, 2H), 3.63 (m, 1H), 3.80 (m, 2H), 3.95 (m, 1H), 4.15 (m, 2H), 4.20 (m, 2H), 4.42 (m, 1H), 5.43 (dd, 1H), 5.80 (d, 1H), 6.63 (m, 1H), 7.20 (m, 4H), 7.26 (m, 2H).
試験実施例1:細胞レベルの抗腫瘍活性試験
1、試験目的
本発明の合成化合物に関する抗腫瘍活性試験を行い、化合物のヒト乳癌細胞MDA-MB-435Sの増殖に対する抑制活性を測定することにより、化合物の生体外抗腫瘍活性を評価した。
【0202】
2、試験原理
MTT法を使用しているが、該分析法は、3-(4,5-dimethylthylthiazol-2-yl)-2,5-diphenyl tetrazolium bromide(3-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド) (MTT)を代謝還元することを基礎とする。活細胞のミトコンドリアにおいて、NADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、補酵素II)と関連する脱水素酵素が存在し、該酵素が黄色MTTを、不溶性の青紫色のホルマザン(Formazan)に還元することができ、死細胞においては該酵素がなくなっているので、MTTが還元されない。DMSOでホルマザンを溶解した後、酵素分析装置(enzyme-labelled meter)を用いて波長550/690nmでその光密度を測定した。
【0203】
3、試験ステップ
対数生長期にあり且つ細胞生長状態の良い接着細胞MDA-MB-435Sを取り、0.05%パンクレアチンに消化させ、カウントを行い、培地で細胞懸濁液を調製し、カウントした後、穴ごとに3000個の細胞、100μlの培地で96穴プレートの中に接種した。接種された96穴プレートを37℃、5%CO2培養器の中に移して一晩置いて細胞が接着することを待った。2日目から投薬し始め、投与前に一部分の対照穴へMTT溶液(5mg/ml)20μlを直接添加し(培地を除去する必要がない)、3時間作用させた後最初の細胞濃度としてA550/690を読み取り、薬剤穴ごとに2μlの化合物を含有する培地100μlを入れ、DMSOを対照として、同じく、穴ごとに100μlの培地内に2μlのDMSOを入れ、また、毎回の試験において陽性対照としてのアドリアマイシンを用いる。37℃、5%CO2培養器の中に72時間置き、化合物ごとに三つの穴をして(滅菌されたエッペンドリフ(eppendorf)遠心管内へ6μlの化合物を取り、300μlの培地を入れて均一に混合した後、それぞれ三つの穴に添加した)、化合物あたり六つの濃度勾配を行った。3日後(72時間)、穴ごとにMTT溶液(5mg/ml)40μlを直接添加し(培地を除去する必要がない)、培養器に3時間入れてから取り出し、穴内の液体を除去し、更にDMSOを100μl入れ、軽く振動することにより、結晶質を十分に溶解させた。薬剤作用後の細胞密度として、酵素免疫測定装置(550/690)で各穴の吸光度を測定した。細胞生存率を用いて、薬剤の乳癌細胞MDA-MB-435Sの生長に対する抑制活性を反映し、細胞生存―化合物濃度の関数図からIC50値を測定した。その計算式は以下の通りである:
細胞生存率=[(細胞+薬剤) A550/690/ (細胞+薬剤担体DMSO) A550/690] ×100%
4、試験結果を以下の表6に示す。
【0204】
【表6】

【0205】
注:1、表における活性データは、サンプル薬剤のMDA-MB-435Sヒト乳癌細胞に対する生体外活性である。2、IC50値は、50%生長を阻害する際のサンプル薬剤の濃度である。3、NTは、テストしていないことを指す。
【0206】
結果から、30個を超える化合物のIC50値は、500nM未満で、6個の化合物のIC50値は、100nM未満で、4個の化合物のIC50値は、50nM未満であることが示された。
【0207】
試験実施例2:一部化合物の多種類抗腫瘍モデル試験
MDA-MB-435S:ヒト乳癌細胞 HCT116:結腸癌細胞
A549:肺癌細胞 Hela:子宮頸癌細胞
試験方法は試験実施例1と類似しており、Hela細胞に対して、カウントした後、穴ごとに1000個の細胞、100μlの培地で96穴プレートの中に接種した。
【0208】
試験結果を以下の表7に示す。
【0209】
【表7】

【0210】
注:1、IC50値は、50%生長を阻害する際のサンプル薬剤の濃度であり、表における活性データは、サンプル薬剤のMDA-MB-435Sヒト乳癌細胞、HCT116結腸癌細胞、A549肺癌細胞、Hela子宮頸癌細胞に対する生体外活性である。
【0211】
結果から、個別の化合物を除いて、測定された多数の化合物は、前記腫瘍細胞に対し顕著な生体外生長の抑制作用を有しており、該種類の化合物が広域スペクトルの生体外抗腫瘍活性を有することが示された。
【0212】
試験実施例3:動物レベルの抗腫瘍活性試験
試験目的は、ヒト乳癌MDA-MB-435のヌードマウス移植腫瘍の生長に対するL538の抑制作用を観察することである。
【0213】
測定対象物:L538。生理食塩液で溶解希釈させ、所望の濃度にした。
【0214】
陽性対照の薬剤:マイトマイシン(MMC)、協和発酵工業株式会社製、製品番号020301で、2mg/瓶、使用の際生理食塩液で希釈した。
【0215】
投与量の設定:L538の投与量を5、10、20 mg/kgの高、中、低三つの投与量グループに設定し、週3回静脈投与した。MMCの投与量は5 mg/kgで、1日目静脈注射により投与された。
【0216】
動物:BALB/CAのヌードマウス、メス、40〜45日齢、体重18±1g、中国科学院上海薬物研究所から提供されている。合格証番号は滬動合証字122号である。各グループの動物数:陰性対照グループが7匹で、投与グループが4匹である。
【0217】
移植腫瘍:ヒト乳癌MDA-MB-435のヌードマウス移植腫瘍は、ヒト乳癌MDA-MB-435細胞株をヌードマウス皮下に接種することにより形成された。細胞の接種量は5×106で、接種により移植腫瘍を形成した後、ヌードマウスの体内で3代経た後使用された。
【0218】
試験方法:生長旺盛期の腫瘍組織を約1.5mm3に切断し、無菌条件下で、該腫瘍組織をヌードマウスの右側腋窩皮下に接種した。ノギスでヌードマウス移植腫瘍の直径を測定し、腫瘍が100 -200 mm3までに生長した後、動物を無作為にグループ分けした。試験グループでは静脈注射により、1日置きに1回投与し、4回投与した後、しっぽに対する刺激が激しいので、静脈投与し続けることができず、5回腹腔投与に変わり、全部3週間投与した。陽性対照薬剤のMMCに関しては、1日目に1回静脈投与し、全部3週間で投与した。対照グループでは同量の生理食塩液を投与した。週に2回腫瘍の直径を測定するとともに、マウスの体重を測った。腫瘍体積(tumor volume ,TV)の計算式は、TV = 1/2×a×b2であり、その中a、bはそれぞれ長さ、幅を表す。測定の結果により相対の腫瘍体積(relative tumor volume, RTV)を算出した。その計算式は、RTV = Vt/V0であり、その中、V0はグループ分けに投与する場合(即ち、d0)測定により得られた腫瘍体積であり、Vtは毎回測定する際の腫瘍体積である。抗腫瘍活性の評価指標は、腫瘍相対増殖率T/C(%)である。
【0219】
計算式は、以下の通りである。
【0220】
T/C(%)= (TRTV / CRTV)×100
TRTV:治療グループRTV ; CRTV:陰性対照グループRTV
治療効果の評価標準:T/C(%)>60%は無効であり、T/C(%)<=60で且つ統計学処理によりp<0.05である場合、有効である。
【0221】
結果:ヒト乳癌MDA-MB-435のヌードマウス移植腫瘍の生長に対するL538の抑制作用の結果を表8と図1、2に示す。試験結果から、毎週1日置きに1回静脈投与し、4回静脈注射した後、しっぽに対する刺激が激しいので、静脈投与し続けることができず、5回腹腔注射に変わり、全部3週間投与した中、高の投与量グループでは、ヒト乳癌MDA-MB-435のヌードマウス移植腫瘍の生長に対する明らかな抑制作用を有し、そのT/Cがそれぞれ47.1%と36.0であり、高投与量グループのヌードマウスの体重に明らかな増加はなかった。低投与量グループでは、ヒト乳癌MDA-MB-435のヌードマウス移植腫瘍の生長に対し明らかな抑制作用を有しておらず、試験グループではヌードマウスの死亡現象がなかった。陽性薬剤のMMCに関しては、5mg/kgで1日目静脈注射し、ヒト乳癌MDA-MB-435のヌードマウス移植腫瘍の生長に対し明らかな抑制作用を有し、そのT/Cが44.3%である。
【0222】
【表8】

【0223】
注:4針静脈投与し、しっぽに対する刺激が激しい場合、腹腔投与に変わり、全部5針投与した。
【0224】
結論:L538は、ヒト乳癌MDA-MB-435のヌードマウス移植腫瘍の生長に対し明らかな抑制作用を有し、且つ優れた線量効果関係を持つことが示された。
【0225】
試験実施例4 本発明のベンガミド(Bengamide)系化合物の抗腫瘍活性の評価
4.1 本発明のBengamide系化合物の生体外細胞毒性作用
試験方法:SRB染色法で化合物の生体外抗腫瘍活性を測定した。具体的なステップは、以下の通りである。対数生長期にある細胞を適合の密度で96穴培養プレートの中に穴あたり100μl接種し、一晩培養して細胞が接着した後、異なる濃度の薬剤を添加して72時間作用させ、濃度ごとに三つの穴を設け、また、相応する濃度を有する生理食塩液溶媒の対照穴及び無細胞のゼロ調節穴を設けた。一晩培養した後、異なる濃度の薬剤を72時間作用させた。作用が終わった後、接着細胞を含む穴から培養液を捨て、10%(wt/vol)トリクロロ酢酸(100μL/穴)を入れて4℃で1時間固定し、次に、蒸留水で5回洗浄し、室温下で乾燥した後、穴あたりSRB溶液(4mg/mL、1%氷酢酸に溶解した)100μLを添加し、室温下で15分間培養染色し、1%氷酢酸で結合していないSRBを5回洗浄除去し、室温下で乾燥した後、穴あたり10mMのTris溶液100 μLを入れ、VERSMax酵素分析装置(Molecule Devices)を用いて波長560 nmでの光密度(OD値)を測定した。下式で腫瘍細胞の生長に対する薬剤の抑制率を算出しした。抑制率(%)=(OD対照穴-OD投与穴)/ OD対照穴×100%。これによって、Logit法で薬剤の50%生長阻害濃度IC50を算出し、試験を3回繰り返し、その平均値と標準差を算出した。
【0226】
【表9】

【0227】
試験結果:結果から、測定された三つの化合物は、個別の細胞株を除いて、多数の腫瘍細胞に対し顕著な生体外抗腫瘍活性を有し(表9を参照)、その中で、肺癌と肝臓癌に対する活性が比較的に良いことが示され、該種類の化合物は一定の細胞毒性を有することが推測された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式Iに示された構造を持つα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩であって、
【化1】

その中、R1はH、或いは置換又は未置換のC1-C10アルキル基であり、前記置換のC1-C10アルキル基の置換基は、C1-C10アルコキシ基、C1-C10アルキルチオ基、ヒドロキシ基、アミノカルボニル基、C1-C10アルコキシカルボニル基、C1-C10アルコキシカルボニルアミノ基、アリール基、縮合ヘテロアリール基、(1-フェニル基C1-4アルコキシレンメチレン基)イミダゾリル基から選ばれたものであり、
R2は、ビニル基C1-C10アルキレン基、ヒドロキシ基C1-C10アルキレン基、C3-C8シクロアルキルアミノカルボニル基C1-C10アルキレン基、C3-C8シクロアルコキシカルボニル基C1-C10アルキレン基、C1-C10アルコキシカルボニル基C1-C10アルキレン基、C1-C10アルコキシ基C1-C10アルキレン基、C3-C8シクロアルコキシ基C1-C10アルキレン基、フェニル基C1-C4アルコキシレン基C1-C10アルキレン基、C3-C8飽和又は不飽和のシクロアルキルカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、C3-C8シクロアルキルカルボニルアミノ基C1-C4アルキレン基、C3-C8シクロアルキルC1-C4アルキレンカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、アダマンチルカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、フェニルカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、フリルカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、フェニル基C1-C4アルキレンカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、C1-C15アルキルカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、アセチレン基C1-C10アルキレンカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、C1-C15アルコキシカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、C3-C8シクロアルコキシカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、フェニル基C1-C10アルコキシレンカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、アジド基C1-C15アルキレンカルボニルオキシ基C1-C10アルキレン基、
構造式が
【化2】

であるアルキリデン基、その中、iは1-6の整数であり、
構造式が
【化3】

であるスピロラクトン型のアルキレン基、その中、mは0-5で、nは0-4であり、及び
構造式が
【化4】

であるラクトン型のメチレン基、その中、mは0-5で、nは0-4で、Yはフェニル基又はC1-C10アルキル基である、
からなる官能基から選ばれたものであり、
R3は、C1-C10アルキル基であり、
R4は、C1-C5アルキル基であり、
R1と連結される炭素原子がキラル炭素原子であり、及び/又はR2の置換基がキラル炭素原子を含む場合、前記α-アミノ基-N-置換アミド化合物は、光学的に純粋な立体異性体又はその混合物である。
【請求項2】
前記R3がC1-C4アルキル基であり、前記R4がC1-C4アルキル基であることを特徴とする、請求項1に記載のα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項3】
前記R3がtert-ブチル基又はイソプロピル基であり、前記R4がメチル基又はイソプロピル基であることを特徴とする、請求項2に記載のα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項4】
前記R1が、置換又は未置換のC1-C4アルキル基であり、その中、前記置換のC1-C4アルキル基の置換基が、C1-C4アルコキシ基、C1-C4アルキルチオ基、ヒドロキシ基、アミノカルボニル基、C1-C4アルコキシカルボニル基、C1-C4アルコキシカルボニルアミノ基、フェニル基、インドール基、ベンゾフラン基、ベンゾチオフェン基、N-メチルインドール基、1-ベンジルオキシメチレンイミダゾリル基から選ばれたものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項5】
前記R1が、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、2-メチルプロピル基又はn-ブチル基であり、或いはtert-ブトキシ基、メチルチオ基、4-(1-ベンジルオキシメチレン基)イミダゾリル基、ヒドロキシ基、tert-ブトキシカルボニル基、アミノカルボニル基、3-インドール基、フェニル基又はtert-ブトキシカルボニルアミノ基で置換されたC1-C4アルキル基であることを特徴とする、請求項4に記載のα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項6】
前記R2が、ビニル基C1-C4アルキレン基、ヒドロキシ基C1-C4アルキレン基、C3-C6シクロアルキルアミノカルボニル基C1-C4アルキレン基、C3-C6シクロアルコキシカルボニル基C1-C4アルキレン基、C1-C4アルコキシカルボニル基C1-C4アルキレン基、C1-C4アルコキシ基C1-C4アルキレン基、C3-C6シクロアルコキシ基C1-C4アルキレン基、フェニル基C1-C4アルコキシレン基C1-C4アルキレン基、C3-C6飽和又は不飽和のシクロアルキルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基C1-C4アルキレン基、C3-C6シクロアルキルC1-C4アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、アダマンチルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フェニルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フリルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フェニル基C1-C4アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、C1-C15アルキルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、アセチレン基C1-C10アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、C1-C15アルコキシカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、C3-C8シクロアルコキシカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フェニル基C1-C6アルコキシレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、アジド基C1-C15アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、
構造式が
【化5】

であるアルキリデン基、その中、iは1-4の整数であり、
構造式が
【化6】

であるスピロラクトン型のアルキレン基、その中、mは0-3で、nは0-2であり、及び
構造式が
【化7】

であるラクトン型のメチレン基、その中で、mは0-3で、nは0-2で、Yはフェニル基又はC1-C10アルキル基である、
からなる官能基から選ばれたものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項7】
前記R3が、tert-ブチル基又はイソプロピル基であり、
R4が、メチル基又はイソプロピル基であり、
及びR1とR2は、以下の方式で組み合わせることが可能で、即ち、
R1が置換又は未置換のC1-C4アルキル基であり、前記置換のC1-C4アルキル基の置換基がC1-C4アルコキシ基、C1-C4アルキルチオ基、ヒドロキシ基、アミノカルボニル基、C1-C4アルコキシカルボニル基、1-ベンジルオキシメチレンイミダゾリル基から選ばれた場合、R2はビニル基C1-C4アルキレン基であり、
或いは、R1が置換又は未置換のC1-C4アルキル基であり、前記置換のC1-C4アルキル基の置換基が3-インドール基、フェニル基から選ばれた場合、R2はヒドロキシ基C1-C4アルキレン基であり、
或いは、R1が置換又は未置換のC1-C4アルキル基であり、前記置換のC1-C4アルキル基の置換基がC1-C4アルコキシカルボニルアミノ基である場合、R2は、C3-C6シクロアルキルアミノカルボニル基C1-C4アルキレン基、C3-C6シクロアルコキシカルボニル基C1-C4アルキレン基、C1-C4アルコキシカルボニル基C1-C4アルキレン基、C1-C4アルコキシ基C1-C4アルキレン基、C3-C6シクロアルコキシ基C1-C4アルキレン基、フェニル基C1-C4アルコキシレン基C1-C4アルキレン基、C3-C6飽和又は不飽和のシクロアルキルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基C1-C4アルキレン基、C3-C6シクロアルキルC1-C4アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、アダマンチルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フェニルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フリルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フェニル基C1-C4アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、C1-C15アルキルカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、アセチレン基C1-C10アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、C1-C15アルコキシカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、C3-C8シクロアルコキシカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、フェニル基C1-C6アルコキシレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、アジド基C1-C15アルキレンカルボニルオキシ基C1-C4アルキレン基、
構造式が
【化8】

であるアルキリデン基、その中、iは3又は4であり、
構造式が
【化9】

であるスピロラクトン型のアルキレン基、その中、mは0-3で、nは0-2であり、及び
構造式が
【化10】

であるラクトン型のメチレン基、その中で、mは0-3で、nは0-2で、Yはフェニル基又はC1-C10アルキル基である
ことを特徴とする、請求項4又は6に記載のα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項8】
前記α-アミノ基-N-置換アミド化合物が、下記化合物中の1つであることを特徴とする請求項7に記載のα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩、
【化11】

【化12】

【化13】

【請求項9】
前記薬学的に許容し得る塩が、α-アミノ基-N-置換アミド化合物と、塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸又は酢酸とで生成した塩であることを特徴とする、請求項1又は8に記載のα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項10】
抗腫瘍及び/又は抗がん活性を有する薬剤組成物であって、該組成物は、活性成分として、治療有効量の、請求項1〜9のいずれか1項に記載のα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩中の1種又は多種を含有する、ことを特徴とする抗腫瘍及び/又は抗がん活性を有する薬剤組成物。
【請求項11】
該組成物が、更に薬学的に通用の補助剤を含有することを特徴とする請求項10に記載の薬剤組成物。
【請求項12】
抗腫瘍薬及び/又は抗がん薬の調製における、請求項1〜9のいずれか1項に記載のα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩の用途。
【請求項13】
胃癌、卵巣癌、前立腺癌、肝臓癌、乳癌、結腸癌、肺癌又は子宮頸癌の治療薬の調製における、請求項1〜9のいずれか1項に記載のα-アミノ基-N-置換アミド化合物又はその薬学的に許容し得る塩の用途。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−506351(P2011−506351A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537237(P2010−537237)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際出願番号】PCT/CN2008/001996
【国際公開番号】WO2009/074020
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(302051326)中国科学院上海薬物研究所 (5)
【Fターム(参考)】