説明

β−クリプトキサンチンの使用

β−クリプトキサンチンおよびそのエステルは、ヒトおよび動物においてタンパク質生成の増大および/またはタンパク質損失の防止を促進するために使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ヒトおよび動物におけるβ−クリプトキサンチンの使用に関する。より特定的には、本発明は、タンパク質生成の増大および/またはタンパク質損失の防止を促進するための組成物の製造におけるβ−クリプトキサンチンの使用に関する。さらなる態様では、本発明は、ヒトまたは動物におけるタンパク質生成の増大および/またはタンパク質損失の防止を促進する方法に関し、該方法は、前記ヒトまたは動物に有効量のβ−クリプトキサンチンを投与することを含む。
【0002】
本明細書中で使用されるβ−クリプトキサンチンという用語は、天然源に由来するβ−クリプトキサンチンまたは合成により調製されたβ−クリプトキサンチンのいずれをも包含する。天然源に由来するβ−クリプトキサンチン(より特定的には(all−E)β−クリプトキサンチン)は、飽和および不飽和の脂肪酸とのβ−クリプトキサンチンエステル(主に、ラウレート、ミリステート、パルミテート、ステアレート、リノレート)さらには異性体(好ましくは、7’、9’、11’、および13’β−クリプトキサンチン)を含有していることもあり、これらもまた、本発明に使用すべく包含される。好ましい態様では、合成により調製された(all−E)−β−クリプトキサンチンが本発明の目的に使用される。
【0003】
本発明は、とくに、生体内におけるタンパク質生成の増大が必要とされるかまたは望まれるあらゆる状態、たとえば、不健康状態、たとえば、腫瘍悪液質、摂食障害(たとえば、過食症および拒食症)、慢性疾患、たとえば、慢性心不全、慢性閉塞性肺疾患、慢性腸疾患(たとえば、クローン病)、慢性変性疾患、たとえば、骨粗鬆症、リウマチ様関節炎、骨関節炎、のヒトおよび動物の組織(すなわち、肝臓、皮膚、腎臓、筋肉など)におけるタンパク質合成の増強および増大のための;さらには、一般的にスポーツおよびトレーニングにおいて成長および発達を促進するための、回復を促進するための、そして老化期において筋減少症を予防および治療するための;組成物の製造におけるβ−クリプトキサンチンの使用に関する。それに加えて、本発明は、家畜、ペット、および競技動物の能力を向上させ成長を促進する組成物の製造におけるβ−クリプトキサンチンの使用に関する。本発明は、Gm9.5.05における薬剤としてのβ−クリプトキサンチンの使用をも包含する。
【0004】
生体内におけるタンパク質生成の増大が必要とされるかまたは望まれる状態の治療。
【0005】
とくに、β−クリプトキサンチンは、タンパク質消耗を引き起こす症候群および病態の場合にまたは健常者の予防的補充において、タンパク質合成の促進および/または強化のために本発明に従って使用可能である。本発明に従ってβ−クリプトキサンチンを使用しうる不健康状態のさらなる例は、患者が後天性免疫不全症候群(AIDS)の初発徴候を示すヒト免疫不全ウイルス感染状態、移植後間もない患者の症状、および慢性アルコール乱用である。β−クリプトキサンチンはまた、不動化に起因する筋肉損失の予防および治療のために長期臥床者において、肝炎感染症、エプスタイン・バーウイルス感染症、および水痘帯状疱疹感染症のような他の長期間続く感染性疾患の患者において、使用することも可能である。さらに、β−クリプトキサンチンは、たとえば、第二度もしくは第三度の火傷(bruns)、心筋梗塞、および臓器移植の後の回復期の患者の全般的健康状態の改善において、本発明に従って使用可能である。胆汁酸塩(たとえば、コール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム)が消化管中に存在する場合、本発明に従ってβ−クリプトキサンチンによりタンパク質生成を促進することがさらに有効であることもまた判明した。したがって、本発明の他の態様では、β−クリプトキサンチンは、利胆刺激剤と組み合わせてまたは食事に胆汁酸塩を添加することにより、使用される。本発明に使用するための利胆刺激剤の例は、茶もしくは抽出物として、コーヒー、緑茶もしくは紅茶、ハーブ、たとえば、カモミール、ローズマリー、ミント、マテ、オオアザミ、ラベンダー、フェンネル、アーティチョーク、または好適にはカプセル剤として多価不飽和脂肪酸である。本発明のさらに他の態様では、β−クリプトキサンチンは、ビタミンCおよび/またはビタミンEと組み合わせて使用される。さらに、β−クリプトキサンチンは、他のカロテノイド(たとえば、β−カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、リコペン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、および/またはアポカロテナール)、ゲニステイン、レスベラトロール、ならびに(−)−エピガロカテキンガレート(EGCG)と組み合わせて、本発明の目的に使用可能である。
【0006】
本発明によれば、β−クリプトキサンチンは、好適には、約70kgの体重のヒト成人に対して、約50mg/日まで、より特定的には約100μg/日〜約30mg/日、とくに約1mg/日〜約10mg/日の用量で投与される。動物用飼料へのサプリメントとして添加する場合、β−クリプトキサンチンは、最終的飼料組成物において約100〜約1000ppmのβ−クリプトキサンチンを提供する量で使用可能である。利胆刺激剤を共投与する場合、これらの量は、ヒト成人に対して、茶の場合、1日あたり約1〜5カップ、抽出物の場合、1日あたり約10mg〜約500mgである。ビタミンのビタミンEを共投与する場合、これらの用量は、好適には、ヒト成人に対して1日あたりビタミンEとしておよそ約15〜約500mgである。ビタミンのビタミンCを共投与する場合、その用量は、好適には、ヒト成人に対して1日あたりおよそ約50〜約500mgである。
【0007】
本発明の目的では、β−クリプトキサンチンは、好適には、固体もしくは液体の生薬製剤、食物組成物、動物用飼料、または動物用飼料予備混合物でありうる経腸適用組成物として提供される。固体生薬製剤の例は、従来の生薬用担体と共に活性成分を含有する錠剤、カプセル剤(たとえば、硬質もしくは軟質シェルゼラチンカプセル剤)、丸剤、サシェ剤、粉末剤、顆粒剤などである。任意の従来の担体材料を使用することが可能である。担体材料は、経口投与に好適な有機もしくは無機の不活性担体材料でありうる。好適な担体としては、水、ゼラチン、アラビアゴム、ラクトース、デンプン、マグネシウムステアレート、タルク、植物油などが挙げられる。それに加えて、風味剤、保存剤、安定剤、乳化剤、緩衝剤などの添加剤を医薬配合の慣例に従って添加することが可能である。β−クリプトキサンチンと一緒に共投与される追加の活性成分は、単一組成物としてβ−クリプトキサンチンと一緒に投与可能であるか、または個別の投与ユニットとして投与可能である。β−クリプトキサンチンを含む食物組成物は、飲料、インスタント飲料、または食品/飼料サプリメントでありうる。
【0008】
先に述べたように、β−クリプトキサンチンは、ビタミンCまたは/およびビタミンEと一緒に、さらには、他のカロテノイド(たとえば、β−カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、リコペン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、アポカロテナール)、ゲニステイン、レスベラトロール、および/またはEGCGと組み合わせて、本発明に従って使用可能であり、これらは、β−クリプトキサンチンと同時にまたは個別に投与可能である。さらに、β−クリプトキサンチンは、食品サプリメントとして慣用される他のビタミンおよび/またはミネラル、たとえば、B群のビタミンおよびCa、Fe、P、Mg、Znなどを含有するミネラルと組み合わせて、本発明に従って使用可能である。典型的な固体生薬製剤は、投与ユニットあたり約1μg〜約50mgのβ−クリプトキサンチンと場合により約15mg(22IU)〜約500mg(750IU)のビタミンEとを含有する。典型的な液体生薬製剤は、1mlあたり約10ng〜約50μgのβ−クリプトキサンチンと場合により約10mg(15IU)〜約50mg(75IU)のビタミンEとを含有しうる。典型的な食物組成物は、全組成物1gあたり約0.1μg〜約5mgのβ−クリプトキサンチンと場合により約1.5mg(2.25IU)〜約30mg(45IU)のビタミンEとを含有しうる。
【0009】
タンパク質生成の増大を促進するβ−クリプトキサンチンの効力は、β−クリプトキサンチンを投与したときに皮膚、肝臓、腎臓、および脾臓におけるタンパク質合成に関与する遺伝子がアップレギュレートされたという所見から明らかである。6週間の試験において、飼料中に1200ppmのβ−クリプトキサンチンを提供するようにβ−クリプトキサンチンの小ビーズをSKH−1マウスの食餌中に混合した。さらに、β−クリプトキサンチンの取込みを促進すべく飼料100gあたり0.125gのナトリウムコレートを添加した。平均のβ−クリプトキサンチン摂取量は、マウス1匹に対して1日につき6.5mgであった。6週間後、全遺伝子発現に及ぼすこの用量の影響を調べた。β−クリプトキサンチンにより媒介される遺伝子発現改変をジーンチップ(GeneChip)(登録商標)DNAマイクロアレイ技術により評価した。製造業者のプロトコルに従ってTRlzol(登録商標)法を用いて、腎臓、肝臓、皮膚、および脾臓から全RNAを抽出した。10μgの全RNAを用いて逆転写を行い、続いて、cDNAの第二鎖合成を行った。次に、cDNAを転写して複数のcRNAコピーを形成し、そしてビオチン結合ヌクレオチドにより標識化し断片化した。ジーンチップ(登録商標)・エクスプレション・アナリシス・テクニカル・マニュアル(GeneChip(登録商標) Expression Analysis Technical Manual)(英国オックスフォードのアフィメトリクス(Affymetrix,Oxford,UK))に記載されるようにアフィメトリクス・マイス・ゲノム430A(Affymetrix Mice Genome 430A)マイクロアレイ上に10μgの標識化断片化cRNAをハイブリダイズさせた。β−クリプトキサンチンにより処置された各組織に対して、5回の反復試験を行い、未処置の対照マウスの6回の反復試験と比較した。洗浄手順および染色手順の後、ジーンチップ(登録商標)・フルイディクス・ステーション(GeneChip(登録商標) Fluidics Station)を用いてビオチン化抗ストレプトアビジン抗体によりシグナルを増幅した。その後、マイクロアレイをレーザー走査に付し、ジーンデータ・エクスプレショニスト(Genedata Expressionist)(登録商標)およびフィロソファー(Phylosopher)(登録商標)ソフトウェアパッケージ(スイス国バーゼルのジーンデータ(Genedata,Basel,Switzerland))を用いてハイブリダイゼーションシグナルを分析した。主要目的は、対照群と処置群との間で発現の有意差を有する遺伝子を同定することであった。各遺伝子ごとに発現変化倍率を計算して1.20倍の活性増加または活性減少を示した遺伝子を列挙することにより、比較を行った。ウェルチ(Welch)検定を用いてジーンチップ(GeneChip)(登録商標)アレイの統計解析を行い、皮膚、腎臓、肝臓、および脾臓における化合物応答性遺伝子を同定した。p値<0.01のときにDNAマイクロアレイの統計的有意性を認めた。ジーンデータ・フィロソファー(Genedata Phylosopher)(登録商標)ソフトウェアを用いて、アフィメトリクス(Affymetrix)プローブ配列を経路および機能カテゴリーに割り当てた。
【0010】
タンパク質合成経路に関与する遺伝子のアップレギュレーションに焦点をあてたこの試験の結果を表1に示す。
【0011】
リボソームがタンパク質合成を触媒する高効率の分子機械であるかぎり、リボソームタンパク質遺伝子発現のアップレギュレーションを全タンパク質合成の増加と関連付けることが可能である(アル・カラダギー(Al−Karadaghi)ら著、生物物理学および分子生物学の進歩(Prog.Biophys.Mol Biol)、2000年、第73巻(第2−4号):167−93頁)。リボソームは、大サブユニットと小サブユニットの2つのサブユニットで構成される。小サブユニットは、細菌では21種のリボソームタンパク質(S1〜S21)を含み、一方、大サブユニットは、36種のリボソームタンパク質(L1〜L36)からなる(ヴィットマン・HG.(Wittmann HG.)著、生化学年間総説(Annu Rev Biochem)、1982年、第51巻:155−83頁)。より最近のデータから、リボソームがtRNAおよびアクセサリー因子と協同して作用してmRNAに含まれる遺伝情報を「翻訳」することによりタンパク質合成が達成されることが示唆された(プライス(Preiss)著、バイオエッセイ(Bioessays)、2003年、第25巻(第12号):1200−11頁)。タンパク質へのmRNAの翻訳は、3つの逐次的段階、すなわち、開始段階、伸長段階、および終結段階に分けることが可能である。簡潔に述べると、開始段階は、mRNAの開始コドンにおけるリボソームとイニシエーターMet−tRNAとのアセンブリーに依拠する。タンパク質合成は、実際には伸長段階で開始される。リボソームが停止コドンに達したとき、これは、ポリペプチドを放出しかつおそらくmRNAからリボソームを放出することにより、タンパク質合成を終了する(プライス(Preiss)ら著、前掲文献)。
【0012】
したがって、リボソームは、タンパク質合成を引き起こすきわめて重要な要素であるとみなすことが可能である。
【0013】
β−クリプトキサンチン(β−cyptoxanthin)は、筋細胞培養物においてタンパク質生成を促進する。
【0014】
アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)からのC2C12細胞(ATCC,CRL−1772)。1ウェルあたり2×10細胞の密度で6cm細胞培養ディッシュにマウス筋芽細胞系C2C12を接種した。最終濃度で10%のウシ胎仔血清、4500mg/Lのグルコース、100IU/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシン 2mMのL−グルタミン、および1mMのナトリウムピルベートを含有するダルベッコ(Dulbecco)最少必須培地(DMEM)の存在下で細胞を培養した。接種の1日後、0.25μMもしくは1μMの最終濃度のβ−クリプトキサンチンを含有する新しい培地または媒体(テトラヒドロフラン(tetrahydrofurane))を細胞に追加した。テトラヒドロフラン(tetrahydrofurane)中のβ−クリプトキサンチンストック溶液を調製し、すべての処置条件に対して培地中の溶媒濃度を0.14%で一定に保持した。β−クリプトキサンチンを含有する培地中における培養を連続して合計7日間継続した。1日おきに培地を交換した。毎日、20mMトリス pH7.5、NaCl 150mM、EDTA 1mM、ノニデット(Nonidet)1%、プロテイナーゼ阻害剤(ドイツ国マンハイムのロシュ・モレキュラー・システムズ(Roche Molecular Systems,Mannheim Germany))からなる溶解緩衝液0.4ml中に処置群1つにつき1個のウェルから細胞を掻き取って、超音波処理した。
【0015】
この溶液の10μlのアリコートを全タンパク質分析に使用し、2μlを全DNA分析に使用した。10000gで5分間遠心分離した後、上清を可溶性画分中のタンパク質およびDNAの分析に使用した。
【0016】
BCA・プロテイン・アッセイ・リージェント(BCA Protein Assay Reagent)(米国ロックフォードのピアス(Pierce,Rockford,USA))を用いてタンパク質を定量した。ピコ・グリーン・アッセイ(Pico−green Assay)(オランダ国ライデンのモレキュラー・プローブス(Molecular Probes,Leiden,The Netherlands))をDNA含量の分析に使用した。
【0017】
μg/ウェルとして、またはDNAの量/ウェルにより間接的に決定されるウェル中に存在する細胞の量に対して、タンパク質の量を算出した。結果を表2〜4に示す。
【0018】
【表1】

【0019】
【表2】

【0020】
【表3】

【0021】
以上の表のデータから、0.25μMの濃度においてβ−クリプトキサンチンが約1.4倍の全タンパク質の増加(表2)、可溶性タンパク質の増加(表3)、およびタンパク質量/μg(DNA)比の増加(表4)を示したことが実証される。効果は1μMでプラトー状態になった。
【0022】
したがって、以上のデータから、β−クリプトキサンチンが筋細胞におけるタンパク質生成の有効なエンハンサーであることが示される。
【0023】
以下の実施例により本発明についてさらに説明する。
【0024】
実施例1
指定の成分(重量%)を含む小ビーズは、従来技術を用いて調製可能である。
【0025】
【表4】

【0026】
1200mg(β−クリプトキサンチン)/kg(飼料)までの濃度で小ビーズを動物用飼料中に直接混合導入する。
【0027】
実施例2
以下のものを含有するように錠剤を製剤化する。
活性成分:
β−クリプトキサンチン 15mg
dl−アルファトコフェロール 300mg
賦形剤:
ラクトース粉末
サッカロース
マグネシウムステアレート
ゼラチン ad 500mg
【0028】
慢性疾患(慢性腎不全、慢性心不全、慢性閉塞性肺疾患、腫瘍悪液質、筋減少症)を治療するために、1日1錠の錠剤をヒト成人に投与しうる。
【0029】
実施例3
以下の成分を含有するカプセル剤を調製する。
活性成分:
β−クリプトキサンチン 5mg
dl−アルファトコフェロール 100mg
賦形剤:
ゼラチン
ラクトース
マグネシウムステアレート
コメデンプン
グリセロールパルミトステアレート ad 300mg
【0030】
慢性疾患(慢性腎不全、慢性心不全、慢性閉塞性肺疾患、腫瘍悪液質、筋減少症)を治療するために、1日1〜3個のカプセル剤をヒト成人に投与しうる。
【0031】
実施例4
以下の成分を用いて調製される乳児用調製乳は、100gあたり以下のものを含有しうる。
β−クリプトキサンチン 1mg
全脂肪 3.7g
ナトリウム 19mg
カリウム 76mg
全炭水化物 7.7g
タンパク質 1.5g
ビタミンおよびミネラル:
・ビタミンA 210IU
・ビタミンC 8.4mg
・ビタミンD 42IU
・ビタミンE 1.5IU
・ビタミンK 5.6μg
・チアミン(B1) 56.3μg
・リボフラビン(B2) 63.4μg
・ナイアシン(B3) 704.2μg
・ビタミンB6 42.2μg
・ホレート、葉酸、フォラシン 11.3μg
・ビタミンB12 0.2μg
・ビオチン 2.1μg
・パントテン酸 352.1mg
・カルシウム 54.9mg
・鉄 1.3mg
・リン 37.3mg
・ヨウ素 7μg
・マグネシウム 5.6mg
・亜鉛 0.7mg
・セレン 2μg
・銅 52.8μg
・マンガン 10.6μg
・クロライド 44.4mg
・カリウム 76mg
・コリン 8.4mg
・イノシトール 4.2mg
・リノール酸 605.6mg
・水 94.4g
【0032】
すべての記載の成分を混合した後、粉末になるように乳児用調製乳を凍結乾燥した。1〜12ヶ月の乳児は、体重1kgあたり1日10gの乳児用調製乳を摂取しうる。
【0033】
実施例5
250mlのエネルギー飲料は、以下のものを含有しうる。
β−クリプトキサンチン 5mg
タンパク質 3.9g
脂質 14.3g
炭水化物 71g
O ad 250ml
ビタミンおよびミネラル:
・ビタミンE 5mg
・ビタミンB1 1.2mg
・ビタミンB2 1.2mg
・ビタミンB6 1.2mg
・ビタミンC 45mg
・ナイアシン 9μg
・ナトリウム 190mg
・カリウム 180mg
・カルシウム 70mg
・リン 120mg
・マグネシウム 30mg
・鉄 1.3mg
・亜鉛 1.6mg
【0034】
ティーンエイジャーおよび若年者は、典型的には、1日100〜500mlのエネルギー飲料を摂取する。
【0035】
実施例6
25gのエネルギーバーは、以下のものを含有しうる。
β−クリプトキサンチン 2.5mg
タンパク質 1g
脂質 3.5g
炭水化物 16.5g
繊維 3g
ビタミンおよびミネラル:
・ビタミンE 5mg
・ビタミンB1 1.2mg
・ビタミンB2 1.2mg
・ビタミンB6 1.2mg
・ビタミンC 45mg
・ナイアシン 11mg
・ナトリウム 190mg
・カリウム 180mg
・クロライド 210mg
・カルシウム 70mg
・リン 120mg
・マグネシウム 30mg
・鉄 1.3mg
・亜鉛 1.6mg
【0036】
ティーンエイジャーおよび若年者は、典型的には、1日1〜3個のエネルギーバーを摂取する。
【0037】
実施例7
250mlのスポーツ飲料は、以下のものを含有する。
β−クリプトキサンチン 10mg
タンパク質 3.9g
脂質 14.3g
炭水化物 71g
O ad 250ml
ビタミンおよびミネラル:
・ビタミンE 5mg
・ビタミンB1 1.2mg
・ビタミンB2 1.2mg
・ビタミンB6 1.2mg
・ビタミンC 45mg
・ナイアシン 9mg
・ナトリウム 190mg
・カリウム 180mg
・カルシウム 70mg
・リン 120mg
・マグネシウム 30mg
・鉄 1.3mg
・亜鉛 1.6mg
【0038】
体重90kgのアスリートまたはボディビルダーは、典型的には、1日250〜500mlのスポーツ飲料を摂取する。この飲料はまた、高齢者が筋減少症を予防または改善するのに好適である。
【0039】
実施例8
家禽用の飼料予備混合物は、1kgあたり次のものを含有する。
ビタミンA(ロビミックス(Rovimix)(登録商標)A 500) 2g
ビタミンD3(ロビミックス(Rovimix)(登録商標)D3 500) 1g
ビタミンE(ロビミックス(Rovimix)(登録商標)E 50 Ads) 4g
ビタミンB12(B12 1%) 0.1g
ビタミンB3(ロビミックス(Rovimix)(登録商標)B2 80−SD) 0.5g
ナイアシン(ロビミックス(Rovimix)(登録商標)ナイアシン) 0.1g
カルパン(Calpan)(ロビミックス(Rovimix)(登録商標)カルパン(Calpan)) 0.05g
葉酸(ロビミックス(Rovimix)(登録商標)フォリック(Folic)80 SD) 2mg
ビタミンB6(ロビミックス(Rovimix)(登録商標)B6) 8mg
ビタミンB1(ロビミックス(Rovimix)(登録商標)B1) 4mg
ビタミンC 0.2g
カロテノイド(カロフィル(Carophyll)(登録商標)レッド) 2g
β−クリプトキサンチン小ビーズ配合物 5% 2g
(実施例1参照)
コリンクロライド 50% 150g
Mn(IV)酸化物 30g
Zn酸化物 6g
Fe(II)硫酸塩一水和物 10g
Cu(II)酸化物 1g
Co(II)硫酸塩 0.1g
担体
(石灰石、モミガラ、コムギミドリング) 792g
全量 1000g
【0040】
飼料1kgあたり1〜30gの飼料予備混合物を動物用飼料に追加する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】皮膚、肝臓、腎臓、および脾臓におけるタンパク質合成に関与する遺伝子のアップレギュレーション。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトまたは動物においてタンパク質生成の増大および/またはタンパク質損失の防止を促進するための組成物の製造におけるβ−クリプトキサンチンの使用。
【請求項2】
前記組成物が、不健康状態に基づいてタンパク質生成の増大および/またはタンパク質の損失の防止を促進するためのものである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記不健康状態が、慢性疾患、腫瘍悪液質、または摂食障害である、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記不健康状態がウイルス感染症である、請求項2に記載の使用。
【請求項5】
前記不健康状態が、第二度もしくは第三度の火傷の後、心筋梗塞の後、または臓器移植の後の状態である、請求項2に記載の使用。
【請求項6】
前記不健康状態が骨格損傷または手術の後の不動化状態である、請求項2に記載の使用。
【請求項7】
前記組成物が、成長および発達を促進するためのものである、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
前記組成物が、スポーツおよびトレーニング活動においてタンパク質生成の増大を促進するためのものである、請求項1に記載の使用。
【請求項9】
前記組成物が、老化期においてタンパク質生成の増大および/または防止ならびに筋減少症の治療を促進するためのものである、請求項1に記載の使用。
【請求項10】
前記組成物が、家畜およびペットにおいて成長を促進するためのものならびに競技動物の能力を向上させるためのものである、請求項1に記載の使用。
【請求項11】
前記組成物が生薬組成物である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
前記組成物が食物組成物である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
前記食物組成物が飼料または飼料予備混合物である、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記β−クリプトキサンチンがall−Eβ−クリプトキサンチンである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
前記組成物中のβ−クリプトキサンチンの量が、固体組成物の投与ユニット1つあたり約50mgまでおよび液体組成物1mlあたり約50μgまでである、請求項11に記載の使用。
【請求項16】
前記組成物中のβ−クリプトキサンチンの量が全組成物1gあたり約5mgまでである、請求項12に記載の使用。
【請求項17】
前記組成物がビタミンEおよびビタミンCの少なくとも1種を追加的に含有する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の使用。
【請求項18】
ヒトまたは動物においてタンパク質生成の増大および/またはタンパク質損失の防止を促進する方法であって、前記ヒトまたは動物に有効量のβ−クリプトキサンチンを投与することを含む、方法。
【請求項19】
不健康状態を改善するための、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記不健康状態が、慢性疾患、腫瘍悪液質、または摂食障害である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記不健康状態がウイルス感染症である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記不健康状態が、第二度もしくは第三度の火傷の後、心筋梗塞の後、または臓器移植の後の状態である、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記不健康状態が骨格損傷または手術の後の不動化状態である、請求項19に記載の使用。
【請求項24】
前記タンパク質生成の増大が、成長および発達を促進するためのものである、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
スポーツおよびトレーニング活動においてタンパク質生成の増大を促進するための、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
老化期においてタンパク質生成の増大および/またはタンパク質損失の防止を促進するための、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記タンパク質生成の増大が、家畜およびペットの成長を促進するためのものならびに競技動物の能力を向上させるためのものである、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
約50mgまで、より特定的には約100μg/日〜約30mg/日、とくに約1mg/日〜約10mg/日のβ−クリプトキサンチンが、約70kgの体重のヒト成人に投与される、請求項18〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
胆汁酸塩または利胆刺激剤が共投与される、請求項18〜28のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−500376(P2008−500376A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517026(P2007−517026)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005030
【国際公開番号】WO2005/110122
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】