説明

β−グルカン含有組成物

【課題】 化粧料へ配合した際に凝集物の生成が無く、良好な保護コロイド性を示して安定性を向上させ、良好な使用感を与えることができるβ−グルカン含有組成物を提供する。
【解決手段】黒酵母(Aureobasidium pullulans)培養液の有機溶媒沈殿物を多価アルコール中に分散させてなり、実質的に水分を含有しない、β−グルカン含有組成物並びに該β−グルカン含有組成物を配合してなる化粧料を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はβ−グルカンを含有する組成物、特に化粧料の製造に用いられるβ−グルカン含有組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、化粧料の増粘、安定性の向上及び使用感調整等の目的で水溶性高分子が広く用いられている。水溶性高分子としては例えば、グアーガム、カラギーナン、カゼイン、キサンタンガム等の天然高分子やカルボキシメチルデンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成高分子、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー等の合成高分子が、その目的に応じて適宜選択使用されている。
【0003】
通常、水溶性高分子の保護コロイド性を利用し化粧料の安定性を向上させるには、多量の水溶性高分子の配合が必要であるが、その一方で水溶性高分子を多量に配合した場合、水溶性高分子特有のぬめり感を生じ、好ましくない使用感を有するという問題が生じる。かかる問題が無く、高い保護コロイド性を有し、多量に配合しても水溶性高分子特有のぬめり感がなく使用感が良好な化合物としてβ-グルカンが挙げられる。β-グルカンはアガリクス、ハナビラタケ等のキノコに多く含まれることが知られ、抽出によって得ることができる。β-グルカンは、多量に配合しても水溶性高分子特有のぬめり感がなく、高い保護コロイド性を有し使用感が良好な化合物である。しながらキノコからの抽出工程によって得られるため、コストが高く、また、β-グルカンはグルコースがβ-グリコシド結合を介して多数結合した構造を持つため、水への溶解性が低く、化粧料へ配合することが困難であった。
【0004】
そのため、β-グルカンにカルボキシメチル化等の化学修飾によって水溶性を向上させた化合物も提供されているが、かかる化合物を多量に配合した場合、β-グルカン独特のさらっとした感触は得られない。
【0005】
黒酵母(Aureobasidium pullulans)培養液から得られる多糖類成分がβ―グルカンを主成分とすることが特許文献1に開示されている。特許文献1に記載されている方法で得られるβ-グルカンを配合した組成物としては、β−グルカン分が約0.5%の濃度含まれているものが最大の濃度であり、それ以上の量のβ−グルカンを含む組成物を得ることは困難であった。また特許文献1には黒酵母培養液のエタノール沈殿物を乾燥させて粉末状としたβ−グルカンが開示されているが、かかる粉末はエタノールへ不溶である上に水への溶解性も殆どなく、化粧料への配合は困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭57-149301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、β-グルカン含有組成物を提供することを目的とする。本発明は特に、化粧料へ配合した際に凝集物の生成が無く、良好な保護コロイド性を示して安定性を向上させ、良好な使用感を与えることができる、β-グルカン含有組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、黒酵母(Aureobasidium pullulans)培養液からの有機溶媒沈殿物を多価アルコール中に分散させてなり、水分を実質的に含有しないβ−グルカン含有組成物を提供する。本発明はまた、該組成物を配合した化粧料を提供する。本発明はさらに黒酵母の培養液へ有機溶媒を加えて沈殿物を得、該沈殿物を多価アルコールへ分散させることに特徴付けられる、β−グルカン含有組成物の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の組成物は、化粧料へ配合する際、他の成分の配合量を制限することなく比較的多量に配合することができる。そして、本発明の組成物は凝集物を生じず、β−グルカンの保護コロイド性を発揮して化粧料の安定性を向上し、化粧料へ良好な使用感を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に用いられる黒酵母(Aureobasidium pullulans)培養液(以後「黒酵母培養液」という)は、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)(黒酵母)を常法にしたがって培養し、菌体成分を除いた培養液である。黒酵母培養液(アウレオバシジウム培養液)は食品添加物として認可された物質であり、また従来から化粧料へも配合されている。
【0011】
黒酵母培養液の調製方法は例えば特許文献1に開示されている方法を採用すればよい。黒酵母の菌株としては、特に限定されないが、特許文献1に記載のFERM−P4257株が好適に用いられる。黒酵母培養液あるいはアウレオバシジウム培養液としては市販されているものを用いてもよい。市販品としてはこれらに限定されないが、例えばAureobasidium pullulans FERM−P4257株の培養液が一光化学株式会社より「アクファージマックス」との商品名にて市販されており、かかる製品が好適に用いられる。
【0012】
本発明の組成物は、黒酵母培養液の有機溶媒沈殿物を多価アルコールへ分散させて得られる。
【0013】
有機溶媒沈殿物を調製するために用いられる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ピリジン、クロロホルム等が挙げられる。有機溶媒は単独で用いても、2以上を組み合わせて用いても良い。化粧料への適用することを考慮すると安全性の高いエタノール、イソプロピルアルコールがもっとも好ましい。
【0014】
有機溶媒沈殿物を分散させる多価アルコールとしては、分子内に3個以上の炭素および2個以上の水酸基を有し、且つ常温で液状の化合物であればよく、特に限定的ではない。具体的には1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン等が挙げられる。多価アルコールは単独でも、または2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】
本発明の組成物は、黒酵母培養液へ有機溶媒を投入することによってβ−グルカンを主成分とする沈殿物を得、得られた沈殿物へ多価アルコールを加えて分散させて調製する。
【0016】
黒酵母培養液への有機溶媒の投入量は限定的ではなく、培養液中のβ−グルカンが十分沈殿する量を投入すればよい。好適には、黒酵母培養液と等量〜5倍量程度を投入すればよい。有機溶媒の投入後の沈殿生成物を得るまでの時間は限定的ではなく、培養液と有機溶媒の混合物を静置して、目視で沈殿物が沈降したことを確認すればよい。沈殿操作は複数回繰り返してもよい。
【0017】
得られた沈殿物を取り出し、有機溶媒を除去する。有機溶媒の除去は常套法を用いればよく、例えば圧搾などによって行えばよい。有機溶媒は沈殿物から完全に取り除く必要はなく、沈殿物の乾燥質量に対して1/2〜5倍量の有機溶媒が残存していても差し支えない。
【0018】
上記で得られる沈殿物を多価アルコール中へ分散する。沈殿物を多価アルコールへ分散する際、好適には有機溶媒沈殿物の固形分量(乾燥重量)が多価アルコール分散体中0.01重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上となるようにする。また、有機溶媒沈殿物の固形分量の上限としては、5重量%以下、好ましくは3重量%以下となるようにする。沈殿物の配合量が5重量%を超えると多価アルコールへの分散が難しくなる、一方0.01重量%より少ない配合量となると、化粧料へ十分なβ−グルカンを配合するために同時に配合される多価アルコールの量が多くなりすぎ、好ましくない。
【0019】
有機溶媒沈殿物を多価アルコールへ分散させるには従来から提案されている方法を適宜採用すれば良く、特に限定されない。例えばディスパー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー等を用い、剪断力、衝撃力を用いて分散する方法が好適に用いられる。
【0020】
本発明の組成物は実質的に水を含まない。なお、本明細書及び請求の範囲において「実質的に水を含まない」とは、組成物を調製する上で水性成分を添加しないことを意味し、例えば黒酵母培養液に由来する水分等、調製に際して必然的に混入する水分までを排除することを意図しない。
【0021】
本発明の組成物は従来得られていた製品よりβ−グルカン濃度を上げることができ、かつ水性媒体へも容易に配合することができることから、β−グルカンを化粧料に配合する上で、他の成分の配合量を制限する事無く、比較的多量のβ―グルカンを配合することができる。本発明の組成物を配合することによってβ−グルカンの保護コロイド性により、化粧料の安定性が向上され、及び良好な使用感を付与することができる。
【0022】
本発明の組成物を配合する化粧料は、その剤型や製品形態が特に限定されるものではなく、油中水型、水中油型、水分散型、プレス状、固形、パウダーの剤型とすることができる。製品形態としては、洗顔フォーム、メイク落とし、化粧水、美容液、乳液、クリーム、マッサージクリーム、パック、化粧下地、日焼け止め等の皮膚用化粧料、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、水白粉、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、アイブロウ、ほほ紅、コンシーラー、口紅、リップクリーム等の仕上げ用化粧料、ヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアトニック、ヘアトリートメント、液状整髪料、セットローション、ヘアスプレー、染毛料等の頭髪用化粧料、パウダースプレー、ロールオン等の制汗剤、シェービングフォーム、シェービングジェル、シェービングローション等のひげそり用化粧料等を例示することができる。
【0023】
この中でも洗顔フォーム、化粧水、乳液、パック、日焼け止め化粧料、リキッドファンデーション、ヘアシャンプー、ヘアトリートメント等の水中油型、水分散型製品が本発明の効果が発揮され易い化粧料である。
【実施例】
【0024】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、下記実施例は本発明をなんら限定するものではない。配合量は特記しない限り全て重量%である。
【0025】
実施例1
特許文献1に開示されている方法を用い、アウレオバシジウム(Aureobasidiumu pullulans FERM-P4257)を炭素源0.5〜1.0%、N源0.1%、ビタミン、無機質0.1%を加え、pH5.2〜6.0、通気量は培地容量の1/3、温度25℃〜30℃で培養し得られた黒酵母培養液を用いた。黒酵母培養液300gにエタノール300gを添加して攪拌した後、60分間静置し、β−グルカン分を沈殿させた。沈殿物をろ過して溶液から取り出した。取り出した沈殿物へ再度300gのエタノールを添加、攪拌、静置して沈殿させる操作をさらに2回繰り返し、圧搾により徐々にエタノールを除去した。エタノールを除去する過程において随時、乾燥残量を測定することで沈殿物乾燥量およびエタノール量を確認した。沈殿物の乾燥重量とエタノール重量が1:2の割合になるようにし、沈殿物乾燥重量3g及びエタノール6gを含む沈殿物9gを得た。沈殿物の主成分はβ−グルカンである。得られた沈殿物へ1,3−プロパンジオール(Zemea(登録商標)プロパンジオール:DuPont Tate & Lyle BioProduct社製品)を91g添加し、ディスパーにて均一分散させ本発明の組成物(実施例1)100gを得た。
【0026】
実施例2〜4、比較例1〜4
サンスクリーン
本発明の組成物を配合したサンスクリーン製剤の安定化について評価を行った。表1の処方においてAの成分を必要量秤取り、均一に撹拌した後、Bの成分を添加し、再度撹拌し均一にした。室温静置30日後の、粉体の分散状態、組成物の状態を目視にて確認した。また、得られたサンスクリーンの使用性についてモニターにより評価した。
【0027】
粉体の分散状態
○: 粉体が均一に分散している。
△: 粉体の沈降が僅かにみられる。
×: 粉体の沈降がみられる。
【0028】
組成物の状態
○: 組成物が均一。
△: 分離が僅かにみられる。
×: 分離がみられる。
【0029】
使用性
○: 滑らかでさっぱりとした使用感触。
△: やや滑らかでさっぱりとした使用感触。
×: べたつきが感じられる。
【0030】
サンスクリーン製剤処方例
【表1】

*アウレオバシジウムM-P04「一光化学社製」
【0031】
表1の結果から明らかなように、本発明の組成物は比較例1から4に比べて、粉体を均一に分散し且つ組成物を安定に保つことが確認できた。
【0032】
実施例5〜7、比較例5〜7
クリーム処方
本発明の組成物を配合したクリームの使用性について評価を行った。表2の処方においてAの成分を必要量秤取り80℃で加熱溶解させた。Aの成分にBの成分を添加し、ホモミキサーにて均一に撹拌した。その後、脱泡しクリームを得た。
【0033】
塗布時の滑らかさ、べたつきのなさ
◎: 10名中8名以上が、塗布時に滑らかでべたつかないと認めた。
○: 10名中6〜7名が、塗布時に滑らかでべたつかないと認めた。
△: 10名中4〜5名が、塗布時に滑らかでべたつかないと認めた。
×: 10名中3名以下が、塗布時に滑らかでべたつかないと認めた。
【0034】
塗布時のしっとりさ
◎: 10名中8名以上が、塗布時にしっとりしていると認めた。
○: 10名中6〜7名が、塗布時にしっとりしていると認めた。
△: 10名中4〜5名が、塗布時にしっとりしていると認めた。
×: 10名中3名以下が、塗布時にしっとりしていると認めた。
【0035】
塗布後のさっぱりさ
◎: 10名中8名以上が、塗布時にさっぱりしていると認めた。
○: 10名中6〜7名が、塗布時にさっぱりしていると認めた。
△: 10名中4〜5名が、塗布時にさっぱりしていると認めた。
×: 10名中3名以下が、塗布時にさっぱりしていると認めた。
【0036】
乳化物の状態
○: 乳化物が均一。
△: 分離が僅かにみられる。
×: 分離がみられる。
【0037】
【表2】

*アウレオバシジウムM-P04「一光化学社製」
【0038】
表2の結果から明らかなように、本発明の組成物を配合した場合、特に実施例5においては、比較例5〜7に比べ使用性が良好なクリームが得られた。
【0039】
実施例8
洗顔フォーム(アミノ酸系)
表3に記載されるAの成分を必要量秤取り、80℃で加熱溶解させた。同様に、Bの成分を必要量秤取り、80℃で加熱溶解させた。Aの成分にBの成分をゆっくり添加し均一に撹拌する。さらにCの成分を添加し均一に撹拌した。室温まで冷却した後、脱泡し洗顔フォーム(アミノ酸系)を得た。
【0040】
【表3】

【0041】
本発明の組成物を配合した場合、泡立ち、泡質が良好、且つ洗顔後はさっぱりとした洗い上がりのものにも拘らず、肌がつっぱらず、しっとりとした洗顔フォーム(アミノ酸系)が得られた。
【0042】
実施例9
洗顔フォーム(石けん系)
表4に記載されるAの成分を必要量秤取り、80℃で加熱溶解させた。同様に、Bの成分を必要量秤取り、80℃で加熱溶解させた。Aの成分にBの成分をゆっくり添加しケン化を行った。さらにCの成分を添加し均一に撹拌した。室温まで冷却した後、脱泡し洗顔フォーム(石けん系)を得た。
【0043】
【表4】

【0044】
本発明の組成物を配合した場合、泡立ち、泡質が良好、且つ洗顔後はさっぱりとした洗い上がりのものにも拘らず、肌がつっぱらず、しっとりとした洗顔フォーム(石けん系)が得られた。
【0045】
実施例10
化粧水
表5に記載されるAの成分を必要量秤取り、均一に撹拌する。Aの成分にBの成分を添加し均一に撹拌した。さらにCの成分を添加し均一に撹拌して、化粧水を得た。なお、本化粧水の作製は室温下で行った。
【0046】
【表5】

*ビオセラG 「大日本化成社製」:スフィンゴモナスエキス、グリセリン、天然ビタミンE
【0047】
本発明の組成物を配合した場合、塗布時および塗布後に、さっぱりとした使用感触が得られ、べたつき感のない化粧水が得られた。
【0048】
実施例11
乳液
表6に記載されるAの成分を必要量秤取り、80℃で加熱溶解させた。同様に、Bの成分を必要量秤取り、均一に撹拌した。Bの成分にAの成分を添加し均一に撹拌した。その後、脱泡し乳液を得た。
【0049】
【表6】

*クインスシード2SP「大日本化成社製」:クインスシードエキス、1,3-ブチレングリコール、フェノキシエタノール、精製水
【0050】
本発明の組成物を配合した場合、エマルションの経時安定性が良好であり、塗布時および塗布後に、さっぱりとした使用感触が得られ、べたつき感のない乳液が得られた。
【0051】
実施例12
パック
表7に記載されるAの成分を必要量秤取り、80℃で加熱溶解させた。同様に、Bの成分を必要量秤取り、均一に撹拌した。Bの成分にAの成分を添加し均一に撹拌した。その後、脱泡しパックを得た。
【0052】
【表7】

【0053】
本発明の組成物を配合したパックは、塗布時になめらかな使用感触が得られ、パック剥離後には、べたつきのないさっぱりとした感触が得られた。
【0054】
実施例13
サンスクリーンクリーム
表8に記載されるAの成分を必要量秤取り、80℃で加熱溶解させ均一に撹拌した。Bの成分を必要量秤取り、A成分に添加し均一に撹拌した。さらにCの成分を添加しホモミキサーにて均一に撹拌した。室温まで冷却した後、脱泡しサンスクリーンクリームを得た。
【0055】
【表8】

【0056】
本発明の組成物を配合することで、さっぱりとした使用感触が得られ、微粒子酸化チタンの分散安定性を高め、さらには耐水性に優れたサンスクリーンが得られた。
【0057】
実施例14
ファンデーション
表9に記載されるAの成分を必要量秤取り、80℃で加熱溶解させ均一に撹拌した。Bの成分を必要量秤取り、A成分に添加し均一に撹拌した。さらにCの成分を添加しホモミキサーにて均一に撹拌した。室温まで冷却した後、脱泡しファンデーションを得た。
【0058】
【表9】

【0059】
本発明の組成物を配合した場合、さっぱりとした使用感触が得られ、粉体の分散安定性を高め、さらには適度な被覆力でなめらかな仕上がりのファンデーションが得られた。
【0060】
実施例15
ヘアシャンプー
表10に記載されるAの成分を必要量秤取り、80℃で加熱溶解させ均一に撹拌した。Aの成分にBの成分を添加し均一に撹拌した。室温まで冷却し、ヘアシャンプーを得た。
【0061】
【表10】

【0062】
本発明の組成物を配合した場合、泡立ち、泡質が良好で、さっぱりとした洗い流しのヘアシャンプーが得られた。
【0063】
実施例16
ヘアトリートメント
表11に記載されるAの成分を必要量秤取り、80℃で加熱溶解させ均一に撹拌した。同様に、Bの成分を必要量秤取り、均一に撹拌した。Bの成分にAの成分を添加し均一に撹拌した。室温まで冷却した後、脱泡しヘアトリートメントを得た。
【0064】
【表11】

【0065】
本発明の組成物を配合する事で、毛髪に対して良好な滑らかさ、柔軟さ、さらには毛髪のまとまり効果を付与するヘアトリートメントが得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒酵母(Aureobasidium pullulans)培養液の有機溶媒沈殿物を多価アルコール中に分散させてなり、実質的に水分を含有しない、β−グルカン含有組成物。
【請求項2】
有機溶媒沈殿物固形分の含量が全体の0.01〜5重量%である請求項1記載の組成物。
【請求項3】
有機溶媒がメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ピリジンおよびクロロホルムから選ばれる請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
有機溶媒がエタノールまたはイソプロピルアルコールである、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
多価アルコールが、分子内に3個以上の炭素および2個以上の水酸基を有し且つ常温で液状の化合物である請求項1〜4何れかに記載の組成物。
【請求項6】
多価アルコールが、1,3−プロパンジオールである、請求項1〜5何れかに記載の組成物。
【請求項7】
請求項1〜6何れかに記載の組成物を配合してなる、化粧料。
【請求項8】
黒酵母培養液へ有機溶媒を投入し、沈殿物を得る工程、および該沈殿物を多価アルコール中へ分散させる工程を有する、請求項1〜6何れかに記載の組成物の調製方法。

【公開番号】特開2011−68617(P2011−68617A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222545(P2009−222545)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(591119750)岩瀬コスファ株式会社 (16)
【Fターム(参考)】