説明

β−ジカルボニル化合物を含むハロゲン化重合体用安定化成分

本発明の主題は、少なくとも1種のβ−カルボニル化合物を含むハロゲン化重合体用の新規な安定化成分、該成分を含むハロゲン化重合体用の添加剤組成物及びハロゲン化重合体を基材とする安定化された組成物である。本発明は、ハロゲン化重合体の安定性に関する改良を提供する。本発明は、特に、ポリ塩化ビニルの安定性に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、少なくとも1種のβ−カルボニル化合物を含むハロゲン化重合体用の新規な安定化成分、該成分を含むハロゲン化重合体用の添加剤組成物及びハロゲン化重合体を基材とする安定化された組成物に関する。本発明は、ハロゲン化重合体の安定化についての改善を提供する。本発明は、特に、ポリ塩化ビニルの安定化に適用できる。
【背景技術】
【0002】
ハロゲン化重合体、特にハロゲン化熱可塑性重合体、例えばポリ塩化ビニルは、産業界で広く使用されている重合体である。多くの用途のためには、これらの重合体に添加剤、特に安定剤を添加することが必要である。
【0003】
該安定剤としては、β−ジカルボニル化合物が挙げられる。このような化合物は市販されている。例えば、ロディア社によりRhodiastab(登録商標)の下に販売されている化合物が挙げられる。これらの化合物は、他の添加剤と併用できる安定化成分である。この組合せは、材料形態で与えられ且つ添加剤組成物の形態で販売され得る。該安定化成分及び/又は添加剤組成物は、ハロゲン化重合体、好ましくは熱可塑性ハロゲン化重合体を基材とする安定化された組成物の製造の際に使用される。
【0004】
安定化成分、添加剤組成物及びハロゲン化重合体を基材とする安定化された組成物を、例えば、処理加工の容易さ及び/又は安定化性能若しくは安定性の点で、及び/又はコストの点で、及び/又は取り扱いのための安全性プロフィールの点で、及び/又は毒性若しくは生態毒性プロフィールの点で、及び/又は科学界若しくは産業界若しくは公衆にこれらのプロフィールを良かれ悪しかれ認知させる点で改善させることが常に求められている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、少なくとも1種のβ−ジカルボニル化合物を含むハロゲン化重合体用の安定化成分であって、該成分が少なくとも90重量%の次の物質A及びB:
・物質A:β−ジカルボニル化合物又はβ−ジカルボニル化合物の混合物又は少なくとも1種のβ−ジカルボニル化合物を含む複合混合物(これらの混合物は、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも80重量%、随意に少なくとも90重量%のβ−ジカルボニル化合物を含む)、及び
・物質B:20℃で液体の溶媒であって該物質Aが少なくとも部分的に溶解できるもの
を含む組成物であり、
・該物質Aが該物質Bに少なくとも部分的に溶解している
ことを特徴とする安定化成分を提供することによって上記要望のうちの少なくとも一つを満たす。
【0006】
また、本発明は、該安定化成分又は独立して物質A及びBを含むハロゲン化重合体用の添加剤組成物や、安定化成分又は独立して物質A及びBのハロゲン化重合体用添加剤組成物への使用を提供する。
【0007】
また、本発明は、ハロゲン化重合体、好ましくは熱可塑性ハロゲン化重合体を基材とする安定化された組成物であって、
・ハロゲン化重合体と、
・安定化成分又は独立して物質A及びBと、
・随意に該安定化成分以外の添加剤と
を含むものも提供する。
【0008】
また、本発明は、安定化成分又は独立して物質A及びBの、ハロゲン化重合体を基材とする組成物への安定化剤としての使用も提供する。また、本発明は、該添加剤組成物の、ハロゲン化重合体を基材とする組成物への安定化剤としての使用も提供する。
【0009】
さらに、本発明は、次の利点の少なくとも一つ:
・物質Aの安定化を一定レベルで改善させること;物質A及びBの相乗効果に関連する;
・少量の物質Aを使用しつつ許容できる安定化性能を保持すること;物質A及びBの相乗効果に関連するものであり、この安定化は、低い初期黄変指数及び/又は着色安定性を特徴とし得る;
・初期黄変指数と着色安定性との有利な折衷を提供すること、
・有利なコスト/性能の折衷(例えば、上記安定化特性に関して)を提供すること、
・物質Aの使用量を減少させること(これは、毒性若しくは生態毒性プロフィールの点、及び/又は科学界若しくは産業界若しくは公衆にこれらのプロフィールを良かれ悪しかれ認知させる点について肯定的である。)、
・これらの物質の取り扱いについての安全性や、この安全性の認知を改善させること、
・該物質の処理加工を、特に液体とすることによって促進させること
を有し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施に関わる成分又は組成物を以下に詳細に説明する。
【0011】
物質A
β−ジカルボニル化合物及びそれらの製造方法は当業者に知られている。このような化合物は市販されている。使用される方法並びに精製、回収及び/又は副生成物の価値の向上の随意工程に応じて、またより一般的には該物質に対して予期される要求基準に応じて、様々な物質を見出すことができる:
・例えば、少なくとも95重量%又はさらに99重量%のβ−ジカルボニル物質を含む純粋な又は事実上純粋なβ−ジカルボニル化合物、
・β−ジカルボニル化合物が純粋な又は事実上純粋である、例えば少なくとも95%のβ−ジカルボニル化合物を含むβ−ジカルボニル化合物の混合物、
・β−ジカルボニル化合物又はβ−ジカルボニル化合物の混合物及びβ−ジカルボニル化合物ではない副生成物若しくは不純物、例えば脂肪酸を含む複合混合物であって、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも80重量%、一般には95重量%未満のβ−ジカルボニル化合物を含むもの。場合によっては、特にβ−ジカルボニル化合物のレベルに関して、「粗生成物」、「重質残留物」又は「重質残留物から生じた物質」ということが可能である。
【0012】
物質Aの重量割合は、特にガスクロマトグラフィ−によって正確に評価でき、この場合、%で表されるその結果が重量割合に相当する。この分析を実施するために、30mgの物質を1mLのクロロホルムで希釈し、過剰のジアゾメタンを使用して持続的な黄色が得られるまで(この過剰分はその後に除去される)エステル化し(より具体的には、該物質に存在し得る酸をエステル化する)、次いで20mLのトリメチルペンタンで処理する。さらに迅速で且つ正確さにはやや欠けるがただし最初の概算には十分であるように、β−ジカルボニル化合物の含有量を電位差測定法によって決定することが可能である(酸の量を電位差測定法によって決定し、その後その結果から推定する)。
【0013】
β−ジカルボニル化合物は、特に、完全に有機形態や、金属、アルカリ金属又はアルカリ土類金属との錯体、例えば亜鉛若しくはカルシウムとの錯体の形態にあることができる。
【0014】
物質Aは、アルカリ化剤、典型的にはアミド又はアルコキシドのような強塩基の存在下でエステルとケトンとを縮合反応させることによって得ることができる。
【0015】
より具体的には、上記縮合反応に使用されるエステルは、次式に相当する:
1'COOR2'
(式中、R1'は、1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基であって1個以上の−O−、−CO−O−又は−CO−基で中断されていてよいものを表し、R2'は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基を表す。)。
【0016】
さらに具体的には、基R1'は、直鎖状又は分岐状のC1〜C30、好ましくはC1〜C24アルキル又はアルケニル基;少なくとも1個のC1〜C10アルキル又はC1〜C10アルコキシ基、1個のハロゲン原子及び/又は1個の珪素原子で置換された又は置換されていないC6〜C30アリール基;或いはC3〜C14脂環式基を表す。該基は、随意に炭素−炭素二重結合を有することができ、且つ、随意に1個以上の−O−、−CO−O−又は−CO−基で中断され得る。
【0017】
可能な基のなかでは、ラウリル、ミリスチル、ステアリル、イソステアリル、パルミチル、ベヘニル、リグノセリル、オレイル、パルミトレイル、リノレイル、リノレニル又はベンジル基が挙げられるが、ここで、該ベンジル基は1個以上のアルキル又はアルコキシ置換基を有していてよい。
【0018】
基R2'に関しては、好ましくはC1〜C4はアルキル基を表す。アルカリ化剤の性質によっては、基R2'を、対応するアルコールが縮合反応の条件下で揮発性であるように選択することが有利かもしれないことに留意すべきである。該基はメチル基であることが特に有利である。
【0019】
該エステルは、その単純な形態や、部分的に又は完全に縮合した形態で見出され得ることに留意すべきである。ある実施形態によれば、該エステルがエステル基に対してα位に水素を有する場合には、このものは、部分的に又は完全にβ−ケトエステルの形態で使用できる。この場合には、上記エステルの式において、基R1'を、上記エステルの式においてR1'COR'1で置き換えることができる。この場合には、この式は、R1'COR'1COOR2'になるが、この場合、R1'は上記と同一の意味を有し、またR’1も同様であるが、ただしこのものが2価基である場合を除くものとする。
【0020】
縮合反応に使用されるケトンは、特に、次式:R3COCH24(式中、R3は、1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基であって1個以上の−O−、−CO−O−又は−CO−基で中断されていてよいものを表し;R4は水素原子又は多くとも4個の炭素原子を有する炭化水素基を表す。
【0021】
好ましくは、基R3は、直鎖状又は分岐状のC1〜C30、好ましくはC1〜C24アルキル又はアルケニル基;少なくとも1個のC1〜C10アルキル又はC1〜C10アルコキシ基、1個のハロゲン原子及び/又は1個の珪素原子で置換された又は置換されていないC6〜C30アリール基;或いはC3〜C14脂環式基を表す。該基は、随意に炭素−炭素二重結合を有することができ、且つ、随意に1個以上の−O−、−CO−O−又は−CO−基で中断されていてよい。
【0022】
可能な基のなかでは、ラウリル、ミリスチル、ステアリル、イソステアリル、パルミチル、ベヘニル、リグノセリル、オレイル、パルミトレイル、リノレイル、リノレニル又はベンジル基が挙げられるが、ここで、該ベンジル基は、1個以上のアルキル又はアルコキシ置換基を有していてよい。
【0023】
基R4に関しては、好ましくはC1〜C4アルキル基を表す。特に有利には、該基はメチル基である。
【0024】
通常、ケトン対エステルのモル比は、2/3〜1/1の範囲にある。好ましくは、該エステルは、該ケトンに対して30モル%までの過剰量で存在し、非常に好ましくは5〜20モル%の過剰量で存在する。
【0025】
しかして、β−ジカルボニル化合物は、式R1'COCH2COR3(式中、R1'及びR3は上で詳細に与えた意味を有する。)のものであることができる。β−ジカルボニル化合物が環の形態で見出されるようにR1'とR3が互いに結合することを除外するものではないことに留意すべきである。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、該反応は、溶媒の存在下で実施される。後者のものは、その反応条件下では不活性な化合物から選択される。
【0027】
このものは、芳香族、脂肪族又は環式炭化水素、炭化水素留分又はエーテルから従来通り選択される。
【0028】
好ましくは、該溶媒は、トルエン、ジアルキルベンゼン及びトリアルキルベンゼンのようなアルキルベンゼンから選択されるが、だだしイソプロピルエーテルからも選択される。トルエン及びキシレンが好ましい。
【0029】
さらに、縮合反応は、塩基性化剤(又は「アルカリ化剤」)の存在下で実施される。より具体的には、該薬剤は、アミド、ヒドリド又は1〜4個の炭素原子を有するアルコキシドから選択される。
【0030】
通常、該反応中に存在する塩基性化剤のモル数は、塩基性化剤/エステルとケトンのモルの合計のモル比が1の範囲内にあるというものである。
【0031】
第1の実施形態によれば、縮合反応は、水素化ナトリウム又は好ましくは、ナトリウムアミドの存在下で実施される。ナトリウムアミドの存在のため、該反応を不活性雰囲気下で、好ましくは窒素でフラッシュしつつ実施することが好ましい。さらに、該反応は、好ましくは30〜60℃の間にある温度で実施される。
【0032】
本発明の第2の実施形態によれば、該塩基性化剤はナトリウムアルコキシドであり、その対応するアルコールは、縮合反応の条件下では揮発性である。好ましくは、該アルコキシドはナトリウムメトキシドである。さらに、この場合には、該溶媒は、該反応温度よりも少なくとも20℃高い沸点を有するものから選択される。好ましくは、該反応は、該溶媒の還流で実施される。
【0033】
どの選択肢を選択したとしても、該反応は、好ましくは、塩基性化剤及び、適切な場合には溶媒を含むエステルにケトンを導入することによって実施される。
【0034】
塩基性化剤の性質によっては、生成されたアンモニア又は生成されたアルコールのいずれかを回収するための手段を提供することが賢明である。
【0035】
該薬剤がアルコキシドである特定の場合には、アルコールが反応混合物に出現したときにこの生成したアルコールを除去することは、この方法の非常に有利な特徴を表し、また、特に所望のβ−ジカルボン酸の収量を増加させることを可能にする。
【0036】
反応の終了時に、どの選択肢を選択した場合でも、反応媒体を好ましくは酸性化させる。この目的のために、該反応混合物は、酸の水溶液に導入されるが、ここで、これらのうち好ましいものは、酢酸、塩酸及び硫酸である。該水性層のpHは、好ましくは1〜3の値に調整される。
【0037】
少なくとも1回水で洗浄した後に、該溶媒は、任意の好適な手段、例えば、蒸発によって除去され、そして粗生成物が得られる。この粗生成物は、所望のβ−ジカルボニル化合物(R1'COCH2COR3)、対称ホモログ(R1'COCH2COR1'、R3COCH2COR3)及び副生成物を含む。従って、このものは、上で説明したように「複合混合物」であることができる。
【0038】
該副生成物の正確な組成は評価するのが非常に面倒であることに留意すべきである。これらは、特に、β−ジカルボニル化合物を互いにクロトン化反応させることによって、又は該塩基性化剤が窒素を含む場合には、アミド官能基を有する物質の出現によって生じ得る。
【0039】
第1の可能性によれば、物質Aは、縮合反応によって生じた粗生成物に相当する混合物を含む。
【0040】
この可能性の場合には、β−ジカルボニル化合物の含有量は、一般に40〜95重量%の間、好ましくは40〜80重量%の間であり、副生成物の含有量は5〜60重量%、好ましくは20〜60重量%である。
【0041】
この可能性に従う物質Aは、使用される形成方法によっては、粉末或いはフレークの形態にあることができる分離した固体の形態で存在することができる。
【0042】
組成物を形成させるための方法のなかでは、フレーキング、溶媒からの沈殿、極低温摩砕又はガス流れ中での噴霧/乾燥が挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
フレーキングは、連続冷却回転ドラム上に溶液を通過させることによって反応混合物から溶媒を除去するのを可能にする。該ドラムの表面で凝固した物質をフレークの形態でスクレーパによって回収する。
【0044】
溶媒から沈殿させる技術は、例えば、溶融状態の粗生成物を、周囲温度で、この粗生成物にとってはこの温度では良好な溶媒ではない化合物、例えば、エタノール又はメタノールのような化合物に流し込み、そして形成された沈殿を分離することからなる。
【0045】
極低温摩砕に関して、この手順は、概して、ミルに、液体窒素又はCO2のような任意の他の不活性液体ガスと、粗挽き又はフレーキング技術によって得られた数ミリメートル〜数センチメートルの塊状の粗反応生成物とを導入することによって実施される。
【0046】
最後に、噴霧/乾燥方法は、溶融状態の粗反応生成物を、逆方向又は同方向に導入された冷却不活性ガスの流れにスプレーすることからなる。
【0047】
第2の可能性によれば、物質Aは、精製工程中及びβ−ジカルボニル化合物からの分離後に回収される生成物に相当する混合物を含む。この別の形態によれば、粗生成物は、好適な溶媒、例えば、エタノールのようなアルコールから再結晶化される。精製されたβ−ジカルボニル化合物は、特に、溶媒と、副生成物及びβ−ジカルボニル化合物の混合物とを含む溶液からろ過によって分離される。該溶液は、結晶化溶媒を例えば蒸発によって除去するようにその後処理される。この第2の可能性に従う物質Aは、このようにして回収される。
【0048】
この可能性によれば、β−ジカルボニル化合物の含有量は、一般に、5から40重量%未満であり、副生成物の含有量は、60%〜95重量%である。この第2の可能性に従う物質Aは、固形物及び/又はペースト状の形態で存在し得る。
【0049】
β−ジカルボニル化合物は、特に、
・5−メチル−1−フェニルヘキサン−1,3−ジオン、
・オクタノイルベンゾイルメタン、
・ヘプタノイルベンゾイルメタン、
・ステアロイルベンゾイルメタン、
・ジベンゾイルメタン、
・カルシウム又は亜鉛アセチルアセトネート
であることができる。
【0050】
物質Aとして、物質Aとして好適であり得るいくつかの物質の混合物又は組合せを使用することは、本発明から逸脱しないであろう。この場合には、物質Aの量及びこれらのものが含むβ−ジカルボニル化合物に関して与える値の全ては、当該混合物又は組合せに関するものである。
【0051】
使用できる物質は、特に次のものである:
・5−メチル−1−フェニルヘキサン−1,3−ジオンを主体とする物質であって、好ましくは、重量で最も多数を占めるβ−ジカルボニル化合物(全てのβ−ジカルボニル化合物のなかで最も高いレベル)として5−メチル−1−フェニルヘキサン−1,3−ジオンを含み、好ましくは少なくとも50重量%のβ−ジカルボニル物質、好ましくは少なくとも50重量%の5−メチル−1−フェニルヘキサン−1,3−ジオンを含み、有利には少なくとも80重量%、さらに有利には少なくとも95重量%の5−メチル−1−フェニルヘキサン−1,3−ジオンを含むもの、
・オクタノイルベンゾイルメタン又はヘプタノイルベンゾイルメタンを主体とする物質であって、好ましくは重量で最も多数を占めるβ−カルボニル化合物(全てのβ−ジカルボニル化合物のなかで最も高レベル)としてオクタノイルベンゾイルメタン又はヘプタノイルベンゾイルメタンを含み、好ましくは少なくとも50重量%のβ−ジカルボニル物質を含み、好ましくは少なくとも50重量%のオクタノイルベンゾイルメタン又はヘプタノイルベンゾイルメタン、有利には少なくとも80重量%、さらに有利には少なくとも95重量%のオクタノイルベンゾイルメタン又はヘプタノイルベンゾイルメタンを含むもの;このような物質は、例えば、ロディア社によって商品名Rhodiastab(登録商標)92の下で販売されている;
・ステアロイルベンゾイルメタンを主体とする物質であって、好ましくは重量で最も多数を占めるβ−カルボニル化合物(全てのβ−ジカルボニル化合物のなかで最も高レベル)としてステアロイルベンゾイルメタンを含み、好ましくは少なくとも50重量%のβ−ジカルボニル物質を含み、好ましくは少なくとも50重量%のステアロイルベンゾイルメタン、有利には少なくとも80重量%、さらに有利には少なくとも95重量%のステアロイルベンゾイルメタンを含むもの;このような物質は、例えば、ロディア社によって商品名Rhodiastab(登録商標)50又はRhodiastab(登録商標)55P又はRhodiastab(登録商標)55Eの下で販売されている;
・ジベンゾイルメタンを主体とする物質であって、好ましくは重量で最も多数を占めるβ−カルボニル化合物(全てのβ−ジカルボニル化合物のなかで最も高レベル)としてジベンゾイルメタンを含み、好ましくは少なくとも50重量%のβ−ジカルボニル物質を含み、好ましくは少なくとも50重量%のジベンゾイルメタン、有利には少なくとも80重量%、さらに有利には少なくとも95重量%のジベンゾイルメタンを含むもの;このような物質は、例えば、ロディア社によって商品名Rhodiastab(登録商標)83の下で販売されている;
・アセチルアセトネート錯体、例えば金属錯体、好ましくはアルカリ金属又はアルカリ土類金属錯体、例えば亜鉛アセチルアセトネート又はカルシウムアセチルアセトネートを主体とする物質であって、有利には少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも95重量%の亜鉛アセチルアセトネート又はカルシウムアセチルアセトネートを含むもの;このような物質は、例えば、ロディア社によって商品名Rhodiastab(登録商標)X7の下で販売されている。
【0052】
物質B
物質Bは、20℃で液体の溶媒であって該物質Aが少なくとも部分的に溶解できるものである。該物質Bは、特に次の化合物から選択できる:
・式R1OOC−(CH2n−COOR2(式中、R1及びR2は同一のもの又は異なるものであり、1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状アルキル、アリール、アルカリル又はアリールアルキル基であり、nは平均数2〜4である)のジエステル、
・ジクロルメタン、
・ペルオキシド溶媒、
・ケトン、好ましくはアセトフェノン、
・炭酸プロピレン、
・1−メチルピロリドン及びそれらの混合物。
【0053】
該ジエステルは、アジピン酸ジエステル(n=4)と、グルタル酸ジエステル(n=3)と、コハク酸ジエステル(n=2)との混合物であることができる。
【0054】
有利には、該物質Bは、
−アジピン酸ジメチル、
−アジピン酸ジメチル(例えば、ガスクロマトグラフィーで9〜17重量部)と、グルタル酸ジメチル(例えば、59〜67重量部)と、コハク酸ジメチル(例えば、20〜28重量部)との混合物、例えば、ロディア社によって商品名Rhodiasolv(登録商標)RPDEの下に販売されているもの、
−アジピン酸ジイソブチル、
−アジピン酸ジイソブチル(例えば、ガスクロマトグラフィーで9〜17重量部)と、グルタル酸ジイソブチル(例えば、59〜67重量部)と、コハク酸ジイソブチル(例えば20〜28重量部)との混合物、例えばロディア社によって商品名Rhodiasolv(登録商標)DIBで販売されているもの
から選択されるジエステルである。
【0055】
安定化成分
本発明の安定化成分は、物質Aと物質Bとを含む。該物質Aは該物質Bに少なくとも部分的に溶解している。有利には、該物質Aの少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは100%が溶解している。用語「溶解」とは、該物質Aが肉眼的に相分離を形成しないことを意味するものとする。用語「部分的に溶解」とは、相分離(例えば沈降によって又は沈殿による分離によって)が生じ、この相が分離できる(例えばろ過又は分離漏斗の使用によって)ことを意味するものとし、ここで、該物質Bを含む相は、溶解した形態にある物質Aの一部分も含む。
【0056】
物質Aと物質Bの性質及び割合は、この目的を達成するために選択できる。
【0057】
該安定化成分は、溶液を調製するために好適な任意の方法によって、例えば、随意に撹拌及び/又は加熱しつつ単純に混合することによって製造できる。
【0058】
一つの有利な実施形態によれば、
−物質A対物質Bの重量比は90/10〜10/90の間であり、
−該成分は、少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも10重量%のβ−ジカルボニル化合物を含む。該成分は、90重量%未満、有利には50%未満のβ−ジカルボニル化合物を含むことができる。
【0059】
有利には、該安定化成分は、可塑剤を少なくとも25重量部含む100重量部のPVCにつき該成分の0.2重量部を導入するときに安定化相乗効果が観察されるようなものである。該物質A及びB(それらの性質)並びにそれらの割合は、有利には、この目的を達成するために選択される。
【0060】
特定の実施形態によれば、
−物質Aは、ジベンゾイルメタンを主体とする物質であり、
−物質Bは、アジピン酸ジメチル又はアジピン酸ジメチルと、グルタル酸ジメチルと、コハク酸ジメチルとの混合物であり、
−物質A対物質Bの重量比は、5/95〜50/50の間、好ましくは10/90〜45/55の間、好ましくは15/98〜35/65の間である。
【0061】
別の特定の実施形態によれば、
−物質Aは、5−メチル−1−フェニルヘキサン−1,3−ジオンを主体とし、
−物質Bは、アジピン酸ジメチル又はアジピン酸ジメチルと、グルタル酸ジメチルと、コハク酸ジメチルとの混合物であり、
−物質A対物質Bの重量比は75/25〜10/90の間、好ましくは60/40〜20/80の間である。
【0062】
別の特定の実施形態によれば、
−物質Aはステアロイルベンゾイルメタンを主体とし、
−物質Bはアジピン酸ジメチル又はアジピン酸ジメチルと、グルタル酸ジメチルと、コハク酸ジメチルとの混合物であり、
−物質A対物質Bの重量比は75/25〜10/90の間、好ましくは60/40〜20/80の間である。
【0063】
添加剤組成物
本発明に従う添加剤組成物は、安定化成分又は独立して物質A及びB及び他の添加剤を含む。このような添加剤組成物は、多くの場合、ハロゲン化重合体を含む組成物における安定化成分とその最終目的物との間の、商業的に利用可能な中間体を構成する。これらのものは、一般に、添加剤として、安定化を補足し又は改善させることを目的とした化合物、重合体を転化させ又は付加させるための方法の実施を容易にすることを目的とした化合物又は該重合体を含む組成物の特性、例えば機械的性質又は外観(透明性、色など)を改変させることを目的とした化合物、又はさらに該重合体を含む組成物の総コストを低減させることを目的とした化合物を含む物質である。
【0064】
該添加剤組成物は有利には液体である。このものは、好ましくは、該安定化成分を10〜90重量%含むことができる。
【0065】
当業者であれば、使用できる添加剤組成物が分かる。従って、他の添加剤は、
−物質Aのβ−ジカルボニル化合物以外の安定化剤、
−滑剤、
−可塑剤、
−充填剤、例えば、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、石灰又は二酸化チタンから単独で又は混合物として選択される化合物、
−該組成物が50重量%未満のPVCを含むマスターブレンドある場合には、随意成分としてのPVC
−それらの混合物又は組合せ
から選択できる。
【0066】
他の安定化剤
添加剤組成物は、随意に、元素の周期律表(これは、「the Bulletin de la Societe Chimique de France, No.1, January 1966」の増刊号で公開された)の第IIA族、第IIB族及び第IVB族から選択される金属を有する化合物から選択される少なくとも1種の添加剤又はウラシル型の化合物から選択される少なくとも1種の添加剤を含むことができる。
【0067】
金属を含む化合物に関して、該金属は、さらに具体的には、カルシウム、バリウム、マグネシウム、ストロンチウム、亜鉛、錫又は鉛から選択される。
【0068】
これらの安定化用化合物の数種の組合せ、例えば、カルシウムと亜鉛をベースとする安定化用化合物の混合物が想定できることに留意すべきである。
【0069】
第IIB族及び第IIA族からの元素のうち少なくとも1個を含む添加剤に関しては、特に、有機酸、例えば、脂肪族若しくは芳香族カルボン酸若しくは脂肪酸の金属塩(石鹸)又はフェノレート又は芳香族アルコキシドが挙げられる。
【0070】
最も一般的に使用されるのは、例えば、マレイン酸、酢酸、二酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、ベヘン酸(ドコサン酸)、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシウンデカン酸、安息香酸、フェニル酢酸、p−(t−ブチル)安息香酸及びサリチル酸の第IIA又はIIB族元素塩、フェノレート、ナフトールから誘導されるアルコキシド又は1個以上のアルキル基で置換されたフェノール、例えばノニルフェノールである。
【0071】
好ましくは、該添加剤は、プロピオン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、リシノール酸、ドコサン酸、安息香酸、p−(t−ブチル)安息香酸、サリチル酸、マレイン酸、モノ(2−エチルヘキシル)、ノニルフェネート又はナフテネートのアルカリ土類金属塩である。
【0072】
鉛を含む化合物については、特に、Leonard I.NassによるPVC辞典(1976),299−303頁に記載されたものが挙げられる。
【0073】
これらのものは、多種多様な化合物であり、それらのうち最も一般的に使用されるのは、二塩基性炭酸鉛、三塩基性硫酸鉛、四塩基性硫酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛、オルト珪酸鉛、塩基性珪酸鉛、硫酸鉛と珪酸塩との共沈物、塩基性鉛クロロシリケート、シリカゲルとオルト珪酸鉛との共沈物、二塩基性フタル酸鉛、天然ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、四塩基性フマル酸鉛、二塩基性マレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛又はラウリン酸鉛である。
【0074】
錫をベースとする化合物に関するものについては、特に、文献「Plastics Additive Handbook」,Gachter/Muller(1985),204−210頁又は「PVC辞典」,Leonard I.Nass(1976),313−325頁を参照することができる。
【0075】
これらのものは、より具体的には、カルボン酸モノ−又はジアルキル錫及びモノ−又はジアルキル錫メルカプチドである。
【0076】
これらの化合物のうち、最も一般的に使用されるのは、ジ(n−メチル)錫、ジ(n−ブチル)錫又はジ(n−オクチル)錫誘導体、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ラウレート−マレエート、ジブチル錫ビス(モノ(C4〜C8アルキル)マレエート)、ジブチル錫ビス(ラウリルメルカプチド)、ジブチル錫S,S’−ビス(イソオクチルメルカプトアセテート)、ジブチル錫β−メルカプトプロピオネート、ジ(n−オクチル)錫マレエート重合体、ジ(n−オクチル)錫S,S’−ビス(イソオクチルメルカプトアセテート)又はジ(n−オクチル)錫β−メルカプトプロピオネートである。上記化合物のモノアルキル化誘導体も好適である。
【0077】
ウラシルから選択される添加剤は、具体的には、1及び3位に置換基を有する6−アミノウラシル又は6−アミノチオウラシル型の誘導体である。該1及び3位の置換基は、具体的には、C1〜C12アルキル、C3〜C6アルケニル、C5〜C8シクロアルキル又はC7〜C9アルキルフェニル基であり;該基は、1〜3個のC1〜C4アルキル若しくはアルコキシ基、C5〜C8シクロアルキル基、ヒドロキシル基又は塩素原子で置換されていてよい。このタイプの添加剤の使用は、特に、欧州特許第1046668号及び米国特許第4656209号に開示されている。
【0078】
滑剤又はその他のもの
添加剤組成物は、ワックス;モノアルコール;ポリオール;1個以上のエポキシド官能基を有する化合物;飽和又は不飽和脂肪酸及びそれらのエステル;イソシアヌレート;ポリシロキサンオイル若しくはポリシロキサン樹脂又はシランから単独で又は混合物として選択される少なくとも1種の添加剤を含むことができる。
【0079】
使用できるワックスのなかでは、モンタネートワックス、ポリエチレンワックス又はそれらの酸化誘導体及びパラフィンワックスが挙げられる。
【0080】
モノアルコールに関しては、有利には、12〜30個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族アルコールである。例としては、ラウリル、ミリスチル、ステアリル、イソステアリル、セチル、ベヘニル、ラウロイル、オレイル、エルシル及びリノレイルアルコールが単独で又は混合物として挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
ポリオールは、好ましくは、2〜32個の炭素原子を有し、2〜9個のヒドロキシル基を有することができるが、ここで、該ヒドロキシル官能基は、ビシナルである又はビシナルではない所定の原子、好ましくは炭素原子によって保持されることが可能である。
【0082】
これらの化合物のうち、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ドデカンジオール又はネオペンチルグリコールのようなジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、ジペンタエリトリット、トリペンタエリトリット、キシリット、マンニット、ソルビット、グリセリン若しくは2〜10の重合度を有するグリセリンオリゴマーの混合物、ヒドロキシステアリルアルコール又はリシノレイルアルコールが挙げられる。
【0083】
好適に使用できるポリオールの別の部類は、部分的にセチル化されていてよいポリ(ビニルアルコール)から構成される。
【0084】
1個以上のエポキシド官能基を有する化合物は、好ましくは、エポキシド化大豆油、エポキシド化ひまし油又はエポキシド化亜麻仁油のようなエポキシド化植物油、エポキシド化魚油並びにエポキシド化脂肪酸エステルから選択される。
【0085】
特に飽和又は不飽和で、且つ、12〜30個の炭素原子及び随意に1個以上のヒドロキシル基を有する直鎖状又は分岐状のカルボン酸である脂肪酸のなかでは、特に、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リシノール酸、ベヘン酸(ドコサン)酸、リノレン酸、リノール酸、ヒドロキシステアリン酸又は本発明の実施に好適な天然若しくは非天然グリセリド若しくはトリグリセリド由来の任意の他の酸が挙げられる。この酸は単独で又は混合物として使用できる。
【0086】
上記酸のエステルに関しては、1〜30個の炭素原子を有するモノアルコールから得られるエステル又はポリオールから得られるモノ−若しくはポリエステル、例えば、グリセリンの誘導体若しくはプロピレングリコールのようなアルキレングリコールが特に好適である。
【0087】
同様に、特に1個以上のヒドロキシル基を有するイソシアヌレート、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを使用することが可能である。
【0088】
ポリシロキサンオイル又はポリシロキサン樹脂のなかでは、特に、ポリジアルキルシロキサンオイル又はポリヒドロアルキルシロキサンオイルであってそのアルキル基が1〜3個の炭素原子を有し且つ好ましくはメチル基に相当するものが挙げられる。
【0089】
これらのオイルは、次の一般式:
YO−[(R)Si(R)−O]X−Y(式中、Rは同一のもの又は異なるものであり、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル又は水素原子を表すが、ただし、該2個の基のうちの一つのみが水素であり、Yは、水素原子又は(R’)3Siを表し、ここで、R’は同一のもの又は異なるものであり、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル基を表す。)に相当する。係数xは、幅広い範囲内で変化するが、ただし、特に5〜300の間である。
【0090】
例えば、γ−ヒドロキシプロピレン化オイルのような官能化ポリメチルシロキサンオイルも好適である。
【0091】
最後に、ポリシロキサン樹脂に関しては、特に、白金系触媒の存在下でビニル基を有するポリシロキサンオイルにポリヒドロシロキサンオイルを作用させることによって得られる樹脂が使用される。
【0092】
同様に、式(RO)3SiF又は(RO)2(Me)SiF(式中、Rは同一のもの又は異なるものであり、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、Fは、特に、次の基:
−CH=CH2
−(CH23OH、
−(CH23−NH2
−(CH23NHCH2CH2NH2
−(CH23O−CO−CH=CH2
【0093】
【化1】

−(CH23O−CO−(CH3)CH=CH2
を表す)の少なくとも1種のシランの加水分解と自己縮合によって得られるポリシロキサン樹脂を使用することも可能である。
【0094】
また、上記のシランも使用できる。
【0095】
可塑剤
使用できる可塑剤のなかでは、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)のようなフタル酸アルキル;アジピン酸エステルのような直鎖状C6〜C8二酸のエステル;クエン酸エステル;安息香酸のモノ酸又はポリ酸のエステル、例えば、安息香酸エステル又はトリメリット酸エステル;燐酸エステル;又はフェノールスルホン酸エステルが単独で又は混合物として好適である。
【0096】
ハロゲン化重合体及びハロゲン化重合体を基材とする組成物
本発明は、また、ハロゲン化重合体を基材とする安定化組成物であって、
−ハロゲン化重合体、
−安定化成分又は独立して物質A及びB、
−随意に該安定化成分以外の添加剤
を含むものに関するものでもある。該添加剤は、添加剤組成物について言及したものから選択できる。
【0097】
ハロゲン化重合体は、好ましくは熱可塑性ハロゲン化重合体である。
該ハロゲン化重合体は、好ましくは、塩素化重合体、好ましくはポリ塩化ビニルである。
【0098】
用語「ポリ塩化ビニル」とは、所定の合成物であってその重合体が塩化ビニル単独重合体であるものを意味するものとする。該単独重合体は、例えば塩素化によって化学的に改変されていてよい。
【0099】
また、多数の塩化ビニル共重合体も安定化に使用できる。これらのものは、特に、塩化ビニルと、エチレン系重合性結合を有する単量体、例えば、ビニルアセテート;塩化ビニリデン;マレイン酸、フマル酸若しくはそれらのエステル;エチレン、プロピレン若しくはヘキセンのようなオレフィン;アクリル酸又はメタクリル酸のエステル;スチレン;又はビニルドデシルエーテルのようなビニルエーテルとの共重合によって得られる重合体である。
【0100】
通常、該共重合体は、少なくとも50重量%の塩化ビニル単位、好ましくは少なくとも80重量%の当該単位を含む。
【0101】
ポリ塩化ビニルは、単独で又は他の重合体との混合物として、本発明に従う安定化処方物において最も広く使用される塩素化重合体である。
【0102】
一般に、任意のタイプのポリ塩化ビニルが、その製造法に関わらず好適である。従って、塊状、懸濁又はエマルジョン方法を実施することによって得られた重合体は、該重合体の固有粘度にかかわらず、本発明に従う組成物を使用することによって安定化できる。
【0103】
安定化組成物は、有利には、重合体100部当たり安定化成分を0.01〜2重量部含むことができる。好ましくは、この量は、0.05〜0.5部である。
【0104】
該安定化組成物は、有利には、重合体100部当たりβ−ジカルボニル化合物を0.005〜1重量部含むことができる。好ましくは、この量は、0.05〜0.5部である。
【0105】
該安定化組成物は、添加剤、特に添加剤組成物のために言及したものを含むことができる。このものが存在するときに、可塑剤の総量は、ハロゲン化重合体100重量部当たり5〜200重量部の間である。
【0106】
該安定化組成物は、元素の周期律表の第IIA族、第IIB族及び第IVB族から選択される金属を有する化合物から選択される少なくとも1種の添加剤を含むことができる。これらのものが存在する場合には、これらの化合物の含有量は、通常、100gのハロゲン化重合体当たり0.1〜4gの間、好ましくはハロゲン化重合体の0.3〜2gの間で変化する。
【0107】
酸捕捉剤が安定化組成物に存在し、しかもこれが好ましい場合には、この化合物の総含有量は、100gのハロゲン化重合体当たり0.01〜10gの間、特に同一の対象に対して0.05〜5gの間である。
【0108】
該安定化組成物は、ジヒドロピリジン、ウラシル及びチオウラシル型の化合物、例えば、特に上記のもの又はデヒドロ酢酸から選択される添加剤をさらに含むことができる。より具体的には、ジヒドロピリジンに関しては、2,6−ジメチル−3,5−ジカルボキシレート−1,4−ジヒドロピリジン型のものが使用でき、ここで、この式ROCO−のカルボキシレート基は、同一のもの又は異なるものであり、Rが直鎖状又は分岐状のC1〜C36アルキル基;14個未満の炭素原子を有し且つ随意にエチレン性結合及び/又は少なくとも1個のC1〜C22アルキル置換基を有する環状基;或いは14個未満の炭素原子を有し且つ随意に少なくとも1個のC1〜C22アルキル置換基を有するアリール基を表すようなものである。このような化合物が安定化組成物中に存在する場合には、それらに含有量は、一般に、100gのハロゲン化重合体当たり0.005〜5gの間で変化し、好ましくは100gのハロゲン化重合体当たり0.2〜1.5gの間で変化する。
【0109】
該安定化組成物は、同様に、モノアルコール及び/又はポリオール、例えば、特に、本発明に従う組成物の説明において言及したものから選択される少なくとも1種の添加剤を随意に含むことができる。安定化組成物がこのタイプの添加剤を含む場合には、総含有量は、有利には、100gのハロゲン化重合体当たり0.05〜5gの間である。さらに具体的には、これは100gのハロゲン化重合体当たり2g未満である。
【0110】
また、該安定化組成物は、1個以上のエポキシド官能基を有する少なくとも1種の化合物も含むことができる。このタイプの化合物が安定化組成物中に存在する場合には、その総含有量は、有利には、100gのハロゲン化重合体当たり0.5〜10gの間である。
【0111】
ワックス;飽和若しくは不飽和脂肪酸及びそれらのエステル;ポリシロキサンオイル若しくはポリシロキサン樹脂又はシランから単独で又は混合物として選択される少なくとも1種の化合物を含む安定化組成物という可能性は除外されない。このものが存在する場合には、このタイプの化合物の総含有量は、一般に、100gのハロゲン化重合体当たり0.05〜2gの間で変化する。
【0112】
該安定化組成物は、同様に、有機亜燐酸エステル型の化合物、例えば、亜燐酸トリアルキル、亜燐酸アリール、亜燐酸トリアリール、亜燐酸ジアルキルアリール又は亜燐酸ジアリールアルキルのようなものを含むことができるが、ここで、これらについて、用語「アルキル」とは、C8〜C22モノアルコール又はポリオールの炭化水素基をいい、用語「アリール」とは、フェノール又はC6〜C12アルキル基で置換されたフェノールの芳香族基をいう。同様に、亜燐酸カルシウム、例えば、Ca(HPO3)・(H2O)型の化合物及びホスフィット−ヒドロキシ−アルミニウム−カルシウム錯体のようなものを使用することができる。このタイプの添加剤の含有量は、このものが使用される場合には、通常100gのハロゲン化重合体当たり0.1〜7gの間である。
【0113】
該重合体の最終用途及び使用される成形方法に応じて、該安定化組成物が1種以上の充填剤を含む場合には、それらの総含有量は、通常、100gのハロゲン化重合体当たり2〜150gを占める。さらに具体的には、異形材の製造用の安定化組成物の場合には、例えば、充填剤の含有量は、100gのハロゲン化重合体当たり2〜8gの間である。可撓性又は半硬質用途のための処方物の場合、例えばケーブルのタイプの場合には、充填剤の含有量は、特に、100gのハロゲン化重合体当たり30〜150gである。
【0114】
他の慣用の添加剤は、目的の用途に応じて、安定化組成物又は添加剤組成物を補うことができる。
【0115】
従って、該組成物は、フェノール系酸化防止剤又はUV安定剤、例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシベンゾトリアゾール又は立体障害アミン(通常、用語HALSとして知られている)を含むことができる。
【0116】
このタイプの添加剤の含有量は、これらのものが存在する場合には、一般に、100gのハロゲン化重合体当たり0.05〜3gの間で変化する。
【0117】
さらに、該組成物は、着色顔料又は白色顔料、例えば、特に、硫化セリウム又は二酸化チタンで、特にルチル形態にあり且つ好ましくは表面処理を受けたものも含むことができる。
【0118】
該組成物への顔料の導入量は、幅広い限界値内で変化すること及び特に、顔料の着色粉末と所望の最終着色に依存することに留意すべきである。しかしながら、例示であるとともに該安定化組成物がこのものを含む場合であるが、顔料の量は、100gのハロゲン化重合体当たり0.1〜20g、好ましくは同一の対象に対して0.5〜15gで変更できる。
【0119】
該安定化組成物は、特に、成形を目的とした粉末又は顆粒状の可塑剤を含む可撓性組成物又は半硬質組成物や、成形された製品の形態の可撓性組成物又は半硬質組成物であることができる。これらのものは、ケーブル、特に、断熱シース、射出成形コネクター、フィルム、ボトル、建築及び公共事業分野用の被覆剤、特に床仕上げ剤又はシートであることができる。
【0120】
安定化組成物が成形を目的とした粉末又は顆粒状の可塑剤を含まない若しくはこれを少量しか含まない硬質組成物や、成形された製品の形態の硬質組成物であるという可能性を排除しない。これらのものは、型取り物品、例えば戸枠又は窓枠であることができる。
【0121】
本発明に従う安定化組成物は、当業者に知られている任意の手段によって製造及び/又は成形できる。
【0122】
溶融ハロゲン化重合体に次の成分:
・安定化成分又は独立して物質A及びB、
・随意に可塑剤、
・随意に該可塑剤及び安定化成分以外の他の添加剤
を導入する工程を特に使用することができるが、ここで、該成分、該随意の他の添加剤及び該随意の可塑剤は、添加剤組成物の形態で随意に導入される。
【0123】
本発明に従う組成物及び様々な構成成分は、個別的に、或いは、これらの構成成分のうちいくつかの混合物を予め製造した後にハロゲン化重合体に導入できる。
【0124】
慣用の導入方法は、該安定化組成物の製造のためにもっぱら好適である。
【0125】
例えば、単なる例示であるが、この操作は、高速で作動するブレード及びバッフルのシステムを備えたミキサー中で実施できる。
【0126】
一般に、混合操作は、130℃未満の温度で実施される。
【0127】
いったん混合物が製造されたら、該組成物は、射出成形、押出吹込成形、押出、圧延又は回転成形若しくは被覆成形のような当該分野において慣用されている方法に従って成形される。
【0128】
成形を実施する温度は、一般に、150〜220℃で変化する。
【0129】
本発明の他の詳細又は利点は、次の実施例に照らせば明らかになるであろう。該実施例は限定的な性質を持つものではない。
【実施例】
【0130】

当該例において、「C」は、「比較」のために使用する。
例1〜3:安定化成分
表Iに与えた次の安定化成分を製造する。これらの成分は液体である。
【0131】
【表1】

【0132】
手順
これら2つの物質を20分にわたりおよそ80℃の温度で磁気撹拌しつつ混合して15gの総量を得る。
【0133】
比較例4〜7:成分
表IIに与えた次の成分を同一の方法で得る。これらの成分は液体である(例6Cを除く)。
【0134】
【表2】

【0135】
例8〜16:PVCをベースとする組成物
表IIIに従う成分を含む、表IVに与えたPVCをベースとする組成物を製造する。
【0136】
【表3】

【0137】
【表4−1】

【0138】
【表4−2】

【0139】
組成物の製造方法
安定化成分を除く全ての成分をPapenmeier型のミキサー内において2400回転/分で60℃までで混合する。その後、試験される安定化成分を該混合物中に手作業で導入する。この一緒にした混合物をトレステルミキサー上で摩擦なしに190℃で転化させる。PVC試料を一定時間毎に(3分後、6分後、9分後、12分後、15分後及び20分後)回収し、そしてPVCペレットを製造するために使用する。
【0140】
組成物の特性を次の試験に従って評価する:
初期着色:黄変指数及び明るさ
黄変指数及び明るさを、ミノルタCR−200(登録商標)比色計を使用して測定し、そして、これを、それぞれL***色空間(CIELAB)におけるb*及びL*座標で表す。
【0141】
該処方物の初期着色は、第1ペレットの3分の時点での比色分析測定によって与えられる。黄変指数(b*)が低く、且つ、明るさ(L*)が大きければ、安定化は良好である。
【0142】
着色安定性
処方物の着色安定性(CS)は、黄変指数が2ポイント変化した点での時間に相当する。この値は、時間の関数としての黄変指数の変化のグラフから測定される(熱安定性曲線)。このCS値が大きければ、安定化は良好である。
【0143】
試験期間の関数としてのペレットの色変化、特に初期黄変指数(第1ペレット)は、PVCの熱安定性に直接関連する。これらの試験は、特に、安定化した及び/又は成形された組成物の製造用の装置における安定性を示す。該組成物は、一般に、短時間だけこれらの装置にとどまる。そのため、初期着色(第1ペレット)、より具体的にいうと、黄変指数は、最も重要な特性である。仮に、該組成物が該装置内に長時間とどまったとすると、貧弱な安定性によって、製品の品質(色、機械的性質)が悪化し、しかも装置の破壊及び/又は損傷が生じ得る。従って、その後の安定性(着色)は、運転安全性の確立に向けられるものである。ほぼ20分という長時間は、実際には決して実施されない極端な場合である。
【0144】
結果
初期着色(b、L)及び着色安定性に関してのそれぞれの安定化成分の評価結果を次の表Vに記録する。
【0145】
【表5−1】

【0146】
【表5−2】

【0147】
例8、9C、10C及び11Cについての黄変指数の経時的変化を図1に例示している。この図及び表Vに与えた特定の初期着色値は安定化相乗効果を例示する:
・一定(0.1pcr)の物質A(β−ジカルボニル化合物)レベルでの良好な安定性、
・該成分のそれぞれよりも良好な安定性。
【0148】
例17〜20:安定化成分
以下の表VIの安定化成分を例1〜3に示したように製造する。
【0149】
【表6】

【0150】
例21〜24:PVCをベースとする組成物
以下の表VIIの組成物を製造し、そして、例8〜16に示したように評価する。この一連の例を、例8から16まで、異なるバッチの成分から出発して別々に実施する。その結果は、例8〜16の結果とは定量的には直接比較できない。
【0151】
【表7】

【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】例8、9C、10C及び11Cについての黄変指数の経時的変化を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のβ−ジカルボニル化合物を含むハロゲン化重合体用の安定化成分であって、該成分が少なくとも90重量%の次の物質A及びB:
・物質A:β−ジカルボニル化合物又はβ−ジカルボニル化合物の混合物又は少なくとも1種のβ−ジカルボニル化合物を含む複合混合物(これらの混合物は、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも80重量%のβ−ジカルボニル化合物を含む)、及び
・物質B:20℃で液体の溶媒であって該物質Aが少なくとも部分的に溶解できるもの
を含む組成物であり、
該物質Aが該物質Bに少なくとも部分的に溶解している
ことを特徴とする安定化成分。
【請求項2】
物質A対物質Bの重量比が90/10〜10/90の間であり、前記成分が少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも10重量%のβ−ジカルボニル化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の成分。
【請求項3】
物質A及びB並びにそれらの割合が、少なくとも25重量部の可塑剤を含む100重量部のPVCにつき前記成分の0.2重量部を導入したときに安定化相乗効果が観察されるようなものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の成分。
【請求項4】
前記ジカルボニル化合物が、
・5−メチル−1−フェニルヘキサン−1,3−ジオン、
・オクタノイルベンゾイルメタン、
・ヘプタノイルベンゾイルメタン、
・ステアロイルベンゾイルメタン、
・ジベンゾイルメタン、
・カルシウム又は亜鉛アセチルアセトネート
から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の成分。
【請求項5】
前記物質Bが、次の化合物:
・式R1OOC−(CH2n−COOR2(式中、R1及びR2は同一のもの又は異なるものであり、1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状アルキル、アリール、アルカリル又はアリールアルキル基であり、nは平均数2〜4である)のジエステル、
・ペルオキシド溶媒、
・ケトン、好ましくはアセトフェノン、
・炭酸プロピレン、
・1−メチルピロリドン、及び
・それらの混合物
から選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の成分。
【請求項6】
前記物質Bが、アジピン酸ジメチル若しくはアジピン酸ジメチルと、グルタル酸ジメチルと、コハク酸ジメチルとの混合物、又はアジピン酸ジイソブチル若しくはアジピン酸ジイソブチルと、グルタル酸ジイソブチルと、コハク酸ジイソブチルとの混合物であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の成分。
【請求項7】
前記物質Aがジベンゾイルメタンをベースとする物質であり、前記物質Bがアジピン酸ジメチル又はアジピン酸ジメチルと、グルタル酸ジメチルと、コハク酸ジメチルとの混合物であり、しかも、該物質A対該物質Bの比が50/50〜5/95の間であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の成分。
【請求項8】
前記物質Aが5−メチル−1−フェニルヘキサン−1,3−ジオンをベースとし、前記物質Bがアジピン酸ジメチル又はアジピン酸ジメチルと、グルタル酸ジメチルと、コハク酸ジメチルとの混合物であり、しかも該物質A対該物質Bの比が75/25〜10/90の間、好ましくは60/40〜20/80の間であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の成分。
【請求項9】
前記物質Aがステアロイルベンゾイルメタンをベースとし、前記物質Bがアジピン酸ジメチル又はアジピン酸ジメチルと、グルタル酸ジメチルと、コハク酸ジメチルとの混合物であり、しかも該物質A対該物質Bの比が75/25〜10/90の間、好ましくは60/40〜20/80の間であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の成分。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の安定化成分又は独立して前記物質A及びBと、他の添加剤とを含むハロゲン化重合体用添加剤組成物。
【請求項11】
前記他の添加剤が、
−物質Aのβ−ジカルボニル化合物以外の安定化剤、
−滑剤、
−可塑剤、
−充填剤、
−前記組成物が50重量%未満のPVCを含むマスターブレンドある場合には、随意成分としてのPVC、
−それらの混合物又は組合せ
から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の添加剤組成物。
【請求項12】
ハロゲン化重合体、好ましくは熱可塑性ハロゲン化重合体と、請求項1〜9のいずれかに記載の安定化成分又は独立して前記物質A及びBと、随意に請求項1〜9のいずれかに記載の安定化成分以外の添加剤とを含む、熱可塑性ハロゲン化重合体を基材とする安定化された組成物。
【請求項13】
前記ハロゲン化重合体がポリ塩化ビニルであることを特徴とする、請求項12に記載の安定化された組成物。
【請求項14】
成形を目的とした粉末若しくは顆粒状の可塑剤を含む可撓性組成物若しくは半硬質組成物又は成形された製品の形態にある可撓性組成物若しくは半硬質組成物であることを特徴とする、請求項12又は13に記載の安定化された組成物。
【請求項15】
次の成分:
・請求項1〜9のいずれかに記載の成分又は独立して前記物質A及びB、
・随意の可塑剤、
・随意の、該可塑剤及び請求項1〜9のいずれかに記載の成分以外の他の添加剤
を溶融ハロゲン化重合体に導入する工程を含み、ここで、該成分、該随意の他の添加剤及び該随意の可塑剤を請求項10又は11に記載の組成物の形態で随意に導入することを特徴とする、請求項12〜14のいずれかに記載の安定化された組成物の製造方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−524366(P2008−524366A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546123(P2007−546123)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【国際出願番号】PCT/FR2005/003167
【国際公開番号】WO2006/067314
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(390023135)ロディア・シミ (146)
【Fターム(参考)】