説明

β−ヒドロキシカルボニル化合物の製法

【課題】基質一般性の問題が克服できる水中での不斉アルドール反応用の触媒を開発し、ホルムアルデヒド以外のアルデヒド化合物を反応基質として用いることのできる反応系を提供する。
【解決手段】水中で下式で表される配位子とスカンジウムドデシルサルフェート等のルイス酸とを混合させて得られる触媒の存在下、1−t−ブチルチオ−1−プロペニルオキシトリメチルシラン等のケイ素エノラートとホルムアルデヒド等のアルデヒド化合物とを反応させるβ−ヒドロキシカルボニル化合物の製法。


(式中、R及びRはイソプロピル基、t−ブチル基等を表し、R及びRは水素原子等を表し、X及びXは水酸基等を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、不斉アルドール反応によりβ−ヒドロキシカルボニル化合物を製造する方法と触媒に関し、より詳細には、ホルムアルデヒド以外のアルデヒド化合物をも反応基質として用いることのできるβ−ヒドロキシカルボニル化合物の製造方法及びそのための触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
水は無害かつ低コストである環境に優しい溶媒として近年有機合成反応に盛んに取り入れられつつある。一方で不斉アルドール反応は光学活性β−ヒドロキシカルボニル化合物を与える重要な反応であり、様々な光学活性触媒を用いる触媒的な反応が開発されているが、水のみを溶媒として用いる触媒的不斉アルドール反応の報告は少ない。近年プロリン誘導体を用いる水のみを溶媒として用いる反応が報告されている(非特許文献1など)。
本発明者らは、ビピリジル誘導体とスカンジウム化合物からなる光学活性スカンジウム触媒が水と有機溶媒の混合溶媒中で有効に機能し、高エナンチオ選択的に進行するホルムアルデヒドとエノラートとの反応であるヒドロキシメチル化反応を開発した(特許文献1、2)。
【0003】
【特許文献1】WO2005/073156
【特許文献2】WO2006/080425
【非特許文献1】J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 734-735.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これまでの不斉アルドール反応(非特許文献1など)は、適用できる基質であるケトンやアルデヒドが限られ、一般の基質を用いることができないという問題があった。例えば、本発明者らが開発した不斉ヒドロキシメチル化反応(特許文献1)は高い不斉選択性を有するが、基質としてはホルムアルデヒド以外のアルデヒド化合物では収率および選択性がともに不十分であった。
そのため、本発明は、この基質一般性の問題が克服できる不斉アルドール反応用の触媒を開発し、ホルムアルデヒド以外のアルデヒド化合物を反応基質として用いることのできる不斉アルドール反応系を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らの既に開発したヒドロキシメチル化化合物の製法(特許文献1)は、ビピリジン配位子とScなどに基づくルイス酸を混合してなる触媒を使用するものであったが、このルイス酸に炭素数が一定以上の炭化水素基を含ませることにより、水中におけるホルムアルデヒド以外のアルデヒド化合物に対する反応性が劇的に改善されることを見出し、本願発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、水中で下式(化1)
【化1】

(式中、R及びRは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、但し、R及びRの少なくとも一方は炭素数が3以上であり、R及びRは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基若しくはアルコキシ基を表し、X及びXは、それぞれ同じであっても異なってもよく、−OR、−SR10、又は−NHR11(式中、R〜R11は水素原子又はアルキル基を表す。)を表す。)で表される配位子又はその対掌体とM(R12で表されるルイス酸(式中、MはSc、Y又はランタノイド元素を表し、R12は、炭素数が8〜30脂肪族炭化水素基(置換基がついたものを除く。)を表し、Xは−OSO−、−OSO−、−COO−、−OPO−又は−O−を表す。)とを混合させて得られる触媒の存在下で、下式(式2)
【化2】

(式中、R及びは水素原子、脂肪族炭化水素基、単環又は多環の脂環式炭化水素基、単環又は多環の芳香族炭化水素基、又は複素環基を表し、がスルフィドを含む脂肪族炭化水素基、単環又は多環の脂環式炭化水素基、単環又は多環の芳香族炭化水素基、又は複素環基を表し、但し、R〜Rは置換基を有していてもよく、Rは水素原子ではなく、またR及びRは共に環を形成してもよく、Rは、それぞれ同じであっても異なってもよく、炭化水素基を表す。)で表されるケイ素エノラートと下式
13CHO
(式中、R13は、水素原子、又は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、若しくはこれらの混合基を表す。)で表されるアルデヒド化合物とを反応させることから成るβ−ヒドロキシカルボニル化合物の製法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の触媒と製法により、有機溶媒を一切用いずに水のみを溶媒として、ホルムアルデヒド以外のアルデヒド化合物を原料とする不斉アルドール反応が可能となり、高立体選択的にβ−ヒドロキシカルボニル化合物群を合成できる。その結果、有害な有機溶媒を使用しないことや副生成物が少なく廃棄物の低減化が可能なことから、環境に負荷をかけないプロセスの構築が可能となる。
また本発明の方法により生成するβ−ヒドロキシカルボニル化合物は各種化学品の合成中間体等として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明で用いる触媒は下記構造
【化1】

の配位子とM(R12で表されるルイス酸とを混合させて得られる。
【0008】
及びRは、水素原子、アルキル基又はアリール基、好ましくはアルキル基又はアリール基を表す。これらはそれぞれ同じであっても異なってもよいが、好ましくは同一である。R及びRの少なくとも一方は嵩高いこと、具体的には炭素数が3以上であることを要する。
及びRは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基若しくはアルコキシ基、好ましくは水素原子を表す。これらはそれぞれ同じであっても異なってもよいが、好ましくは同一である。
及びXは−OR、−SR10、又は−NHR11(R〜R11は水素原子又はアルキル基、好ましくは水素原子を表し、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜3である。)を表し、好ましくは−OH又は−OMeを表す。
【0009】
MはSc、Y又はランタノイド元素(57La〜71Lu)、好ましくはScを表す。
12は、炭素数が8〜30の脂肪族炭化水素基である。
は、−OSO−、−OSO−、−COO−、−OPO−又は−O−であるが、好ましくは−OSO−又は−OSO−である。
このルイス酸は、有機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩と上記金属のハロゲン化物とを水中で混合するか、あるいは有機酸と上記金属の酸化物又は水酸化物とを水中で混合することにより製造することができる。
【0010】
この配位子とルイス酸とを水中で混合すると、金属Mが配位子に配位し、触媒を形成する。水中の各濃度は0.01〜0.1mol/l程度が好ましい。
【0011】
本発明においては、この触媒の存在下で、下式に示すように、アルデヒド化合物とケイ素エノラートとの不斉アルドール反応により、β−ヒドロキシカルボニル化合物を製造する。
【化3】

【0012】
及びは水素原子、脂肪族炭化水素基、単環又は多環の脂環式炭化水素基、単環又は多環の芳香族炭化水素基、又は複素環基を表す。がスルフィドを含む脂肪族炭化水素基、単環又は多環の脂環式炭化水素基、単環又は多環の芳香族炭化水素基、又は複素環基、例えば、−SR14(式中、R14は、脂肪族炭化水素基、単環又は多環の脂環式炭化水素基、単環又は多環の芳香族炭化水素基、又は複素環基を表す。)を表す。なお、R13が水素原子の場合(アルデヒド化合物がホルムアルデヒドの場合)は、R及びRは同一ではないことが好ましい。また、R及びRは共に環を形成してもよく、これらは置換基を有していてもよい。この炭化水素基あるいは複素環基としては、たとえば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル等のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルビニル基、ナフチル基、フリル基、チエニル基、シリルオキシ基等が例示される。またこれらの有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、炭化水素基等の各種のものであってよい。
〜Rは好ましくは以下のとおりである。
は水素原子又はアルキル基を表し、Rスルフィドを含むアルキル基、アルキルアリール基又はアリール基、例えば、−SR14(式中、R14は、アルキル基、アルキルアリール基又はアリール基を表す。)を表し、但し、RとRは共に環を形成してもよく、環は任意にヘテロ原子又は芳香環の一部を含んでいてもよく、好ましくは炭化水素からなる5〜7員環である。Rは水素原子、アルキル基、アルキルアリール基、アリール基、又はトリアルキルシリルオキシ基を表す。
は炭化水素基を表す。これらはそれぞれ同じであっても異なってもよいが、好ましくは同一である。Rは好ましくはアルキル基、より好ましくは炭素数が1〜3のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。
【0013】
アルデヒド化合物は、下式で表される。
13CHO
13は、水素原子、又は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、若しくはこれらの混合基であり、好ましくは、水素原子、又は炭素数が1〜20、好ましくは1〜8のアルキル基、アラルキル基、若しくはアリール基である。置換基としては、ハロゲン基、アルコキシ基、炭化水素基等が挙げられる。
なお、このアルデヒド化合物は三量体構造(R13CHO)をとっていてもよい。
【0014】
また、反応系に界面活性剤を添加することで反応がより円滑に進行する添加する界面活性剤は特に限定されないが、好ましくは中性の界面活性剤である。
この界面活性剤は、通常反応溶媒(水)中で0.01〜1.0Mで使用される。
【0015】
この反応は、水中において行われる。水は、通常は、原料物質と触媒の使用量に対して、たとえばこれらの2〜50重量倍の割合で使用される。
反応液中のアルデヒド化合物/ケイ素エノラートのモル比は好ましくは0.1〜10、より好ましくは0.5〜5程度である。また触媒は、反応系のモル%として好ましくは1〜50モル%、より好ましくは5〜20モル%使用する。
反応温度は通常−20〜40℃、より好ましくは4〜30℃である。
反応時間は、適宜定めればよく、例えば、0.5〜60時間である。
この反応により、β−ヒドロキシカルボニル化合物が高い収率と選択性で合成される。
【実施例】
【0016】
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。以下の実施例において、1H NMR及び13C NMRは溶媒としてCDCl3を内部標準としてテトラメチルシランを用い、日本電子株式会社製JNM-ECX400により測定した。
製造例1
下式の構造の配位子を合成した。
【化4】

2,6-ジブロムピリジンをエーテル中でn-ブチルリチウムで処理した後、ピバロニトリルによりアシル化して化合物を得た。この化合物のカルボニル基を(-)-DIP-クロリドにより立体選択的に還元して(R)-体のアルコールを ee > 99 % で得た。このアルコールを0価のニッケルを用いたホモカップリング反応を行うことにより、C2対称の2,2'-ビピリジン体(R,R)(化4)を得た。
【0017】
参考例1
参考例では、(S)−3−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを合成した。
10mLのフラスコにスカンジウムドデシルサルフェート(Sc(DS)3、添川化学社製)(25.2 mg, 10mol%)と製造例1で得た配位子(光学活性ビピリジン、11.8 mg, 12mol%)を水(0.3 mL)中、室温で1時間攪拌した。反応溶液に非イオン性界面活性剤(アルドリッチ社製Triton X-705、70%水溶液、300 mg)を加え、10分間攪拌した。さらにこの溶液にホルムアルデヒド(36%水溶液、125.1 mg、国産化学社製)ついでプロピオフェノン(東京化成社製)とトリメチルシリルクロリド(東京化成社製)より合成した(Z)-1-フェニル-1-トリメチルシリルオキシプロペン(61.9 mg)を加えた。反応液を室温で16時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水(5 mL)、飽和食塩水(5 mL)を加えた。水層をジクロロメタン(20 mL x3)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(10 mL x3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムをろ別し、減圧下濃縮した。残渣を分取用TLC(溶出液:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製し表題化合物(35.5 mg)を無色液体として得た。反応式を下式に示す。
【化5】

【0018】
実施例1〜2
参考例1と同様にして、各種ケイ素エノラートとホルムアルデヒドを反応させてβ−ヒドロキシカルボニル化合物を合成した。
参考例1、実施例1〜2で用いたケイ素エノラートと収率を下表に示す。
【表1】

【0019】
以下、上記実施例の生成物の分析値を示す。
参考例1((S)−3−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン):
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.24 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 2.15 (brs, 1H), 3.67 (m, 1H), 3.80 (dd, J = 4.4, 11.2 Hz, 1H), 3.94 (dd, J = 6.8, 11.2 Hz, 1H), 7.49 (dd, J = 7.6, 8.4 Hz, 2H), 7.58 (m, 1H), 7.96 (dd, J = 1.2, 8.4 Hz, 2H); 13H NMR (100 MHz, CDCl3) δ 14.5, 42.9, 64.5, 128.3, 128.7, 133.3, 136.1, 204.4; HPLC (Daicel Chiralpak AD-H, n-hexane/i-PrOH = 19/1, flow rate 1.0 mL/min)tR = 17.6 min (major, S), tR = 20.7 min (minor, R)
実施例1((S)−3−ヒドロキシ−2−メチル−チオプロピオン酸−S−tert−ブチルエステル):
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.18 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.47 (s, 9H), 2.00 (brs, 1H), 2.73-2.81 (m, 1H), 3.67 (dd, J = 4.8, 11.2 Hz, 1H), 3.75 (dd, J = 7.6, 11.2 Hz, 1H); 13H NMR (100 MHz, CDCl3) δ 14.4, 29.8, 48.2, 50.7, 64.9; HPLC (Daicel Chiralpak AD-H, n-hexane/i-PrOH = 100/1, flow rate 1.0 mL/min)tR = 27.8 min (major, S), tR = 35.1 min (minor, R)
実施例2(3−ヒドロキシ−2−エチル−チオプロピオン酸−S−tert−ブチルエステル):
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.97 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.49 (s, 9H), 1.51-1.75 (m, 2H), 1.92 (brs, 1H), 2.56-2.63 (m, 1H), 3.65 (dd, J = 7.6, 13.6 Hz, 1H), 3.72 (dd, J = 7.2, 13.6 Hz, 1H); HPLC (Daicel Chiralpak AD-H, n-hexane/i-PrOH = 100/1, flow rate 1.0 mL/min)tR = 30.3 min (minor), tR = 48.1 min (major)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中で下式(化1)
【化1】

(式中、R及びRは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、但し、R及びRの少なくとも一方は炭素数が3以上であり、R及びRは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基若しくはアルコキシ基を表し、X及びXは、それぞれ同じであっても異なってもよく、−OR、−SR10、又は−NHR11(式中、R〜R11は水素原子又はアルキル基を表す。)を表す。)で表される配位子又はその対掌体とM(R12で表されるルイス酸(式中、MはSc、Y又はランタノイド元素を表し、R12は、炭素数が8〜30脂肪族炭化水素基(置換基がついたものを除く。)を表し、Xは−OSO−、−OSO−、−COO−、−OPO−又は−O−を表す。)とを混合させて得られる触媒の存在下で、下式(式2)
【化2】

(式中、R及びは水素原子、脂肪族炭化水素基、単環又は多環の脂環式炭化水素基、単環又は多環の芳香族炭化水素基、又は複素環基を表し、がスルフィドを含む脂肪族炭化水素基、単環又は多環の脂環式炭化水素基、単環又は多環の芳香族炭化水素基、又は複素環基を表し、但し、R〜Rは置換基を有していてもよく、Rは水素原子ではなく、またR及びRは共に環を形成してもよく、Rは、それぞれ同じであっても異なってもよく、炭化水素基を表す。)で表されるケイ素エノラートと下式
13CHO
(式中、R13は、水素原子、又は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、若しくはこれらの混合基を表す。)で表されるアルデヒド化合物とを反応させることから成るβ−ヒドロキシカルボニル化合物の製法。
【請求項2】
〜Rが有してもよい置換基が、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、又は炭化水素である請求項1に記載の製法。
【請求項3】
が水素原子又はアルキル基を表し、Rスルフィドを含むアルキル基、アルキルアリール基又はアリール基を表し、し、RとRは共にその一部が芳香族環を形成していてもよい炭素及び任意にヘテロ原子から成る5〜6員環を形成してもよく、Rが水素原子、アルキル基、アルキルアリール基、又はアリール基を表し、Rが、それぞれ同じであっても異なってもよく、アルキル基を表す請求項1又は2に記載の製法。

【公開番号】特開2012−162563(P2012−162563A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−99410(P2012−99410)
【出願日】平成24年4月25日(2012.4.25)
【分割の表示】特願2007−51427(P2007−51427)の分割
【原出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】