β細胞マーカー抗体
本発明は、β細胞マーカータンパク質を対象とする抗体、特にタンパク質TMEM27を対象とする抗体に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、β細胞マーカータンパク質を対象とする抗体、特にタンパク質TMEM27を対象とする抗体に関する。
【0002】
機能的なβ細胞集団の喪失が、I型及びII型糖尿病両方の病因の根底にある。従って、in vivoにおけるβ細胞集団の断層撮影技術は、糖尿病への進行及び治療的介入への応答を定量化するための有用な診断ならびに研究ツールを提供するであろう。加えて、in vivoにおける標的とされた非侵襲性β細胞siRNA送達は、研究及び治療の両方にとって非常に有用であろう。
【0003】
膜貫通タンパク質Tmem27(コレクトリン)は、それが膵臓β細胞集団及びインスリン分泌を調節している膵臓β細胞で発現している。Tmem27は、タンパク質分解的切断及び分断によって、細胞膜において不活性化されている。
【0004】
従って、β細胞集団を定量化するための診断及び/又は研究ツールに対する需要があり、β細胞への標的とされた薬物送達のためのツールに対する需要がある。
【0005】
本発明の目的は、Tmem27ポリペプチドのエピトープを対象とする抗体を提供することである。
【0006】
好ましい実施態様では、抗体は、ヒトTmem27ポリペプチドを対象とするものである。
【0007】
更なる実施態様では、抗体は、モノクローナル抗体、好ましくはヒト化抗体である。
【0008】
更なる実施態様では、抗体は、Tmem27ポリペプチド、好ましくはヒトTmem27ポリペプチドを発現する全細胞を用いて、適切な動物を免疫することによって作製される。
【0009】
更に好ましい実施態様では、抗体は、ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVHドメインのCDR3及びハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVLドメインのCDR3を含む。
【0010】
更に好ましい実施態様では、抗体は、ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVHドメインのCDR1〜CDR3及びハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVLドメインのCDR1〜CDR3を含む。
【0011】
更に好ましい実施態様では、抗体は、ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVHドメイン及びVLドメインを含むキメラ抗体である。
【0012】
更に好ましい実施態様では、抗体は、2009年5月27日にDSMZ(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)に寄託され、寄託番号DSM ACC2995を与えられたハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9によって産生される。
【0013】
第二の目的において、本発明は、TMEM27切断及びそのシグナリング経路のモデュレーションに関与する疾患の治療のための薬剤の製造のための、本発明の抗体の使用に関する。疾患は、好ましくは糖尿病である。
【0014】
更なる態様では、本発明の抗体は、活性化合物の細胞内送達のためのツールとして使用される。活性化合物は、好ましくは、抗体に共有結合している。「活性化合物」は、DNA、RNA、siRNA、タンパク質、ペプチド又は薬学的に活性な物質(例えば、毒素、抗生物質、抗病原因子、抗原、抗体、抗体フラグメント、免疫モデュレーター、酵素もしくは治療剤)を含む、任意の適切な分子であり得る。本発明の抗体は、膵臓β細胞に特異的にターゲティングすることによって活性化合物のターゲティングされた細胞内送達を可能にするので、活性化合物の細胞内送達に好適である。
【0015】
更なる実施態様では、本発明の抗体は、動物、好ましくはヒトの膵臓におけるβ細胞島及びβ細胞集団のin vivoイメージングのために使用され得る。in vivoイメージングのため適切な方法は、例えば、免疫PET(ポジトロン放出断層撮影法)である。免疫PETは、ポジトロン放出核種でラベルされたモノクローナル抗体の同時検出に基づいている。以下のポジトロン放出体が免疫PETに使用され得る:ガリウム−68(68Ga;t1/2、1.13時間)、フッ素−18(18F;t1/2、1.83時間)、銅−64(64Cu;t1/2、12.7時間)、イットリウム−86(86Y;t1/2、14.7時間)、臭素−76(76Br;t1/2、16.2時間)、ジルコニウム−89(89Zr;t1/2、78.4時間)及びヨウ素−124(124I;t1/2、100.3時間)[The Oncologist, Vol. 12, No. 12, 1379-1389, December 2007)]。
【0016】
患者におけるPET複合体の分布は、PETカメラを用いた消滅光子対の検出によって、モニターされ得る。PETカメラは、患者の体にかけられた検出器の輪からなる。体の反対側にある検出器によって2つの光子が非常に短い時間間隔内(典型的には、5〜15ナノ秒)に記録される場合、2つの検出器の間の線に沿ったどこかで消滅事象が起こったと考えられる。すべての線の交差点を計算することによって、放射線源(放射性ラベルされたモノクローナル抗体)の位置が決定され得る。
【0017】
「抗体」という用語は、抗体全体及び抗体フラグメントを含むがそれらに限定されない、様々な形態の抗体構造を包含する。本発明による抗体は、好ましくは、ヒト化抗体、キメラ抗体、又は本発明による特徴的性質が保持される限り、更に遺伝子操作された抗体である。
【0018】
「抗体フラグメント」は、全長抗体の一部、好ましくは、その可変ドメイン、又は少なくともその抗原結合部位を含む。抗体フラグメントの例は、ダイアボディ(diabody)、一本鎖抗体分子、及び抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体を含む。scFv抗体は、例えば、Houston, J.S., Methods in Enzymol. 203 (1991) 46-96に記載されている。加えて、抗体フラグメントは、VHドメインの特徴(すなわちVLドメインと共に機能的な抗原結合部位へと会合し得ること)又はANG−2に結合するVLドメインの特徴(すなわちVHドメインと共に機能的な抗原結合部位へと会合し得ること)を有し、それによって、性質を提供する一本鎖ポリペプチドを含む。
【0019】
「モノクローナル抗体」又は「モノクローナル抗体組成物」という用語は、本明細書において使用される場合、単一のアミノ酸組成の抗体分子の調製物を指す。
【0020】
「キメラ抗体」という用語は、組み換えDNA技術によって通常調製された、1種のソース又は種からの可変領域、すなわち結合領域及び異なるソース又は種に由来する定常領域の少なくとも一部を含む抗体を指す。マウス可変領域及びヒト定常領域を含むキメラ抗体が好ましい。本発明によって包含される他の好ましい形態の「キメラ抗体」は、定常領域をもとの抗体の定常領域から改変又は変化させて、特にC1q結合及び/又はFcレセプター(FcR)結合に関して、本発明による性質を発生させたものである。このようなキメラ抗体は「クラススイッチ抗体(class−switched antibodies)」とも称される。キメラ抗体は、免疫グロブリン可変領域をコードするDNAセグメント及び免疫グロブリン定常領域をコードするDNAセグメントを含む発現された免疫グロブリン遺伝子の産物である。キメラ抗体を作製するための方法は、慣用の組み換えDNAを含みそして遺伝子トランスフェクション技術は当技術分野で周知である。例えば、Morrison, S.L., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81 (1984) 6851-6855; US Patent Nos. 5,202,238及び5,204,244参照。
【0021】
「ヒト化抗体」という用語は、フレームワーク又は「相補性決定領域」(CDR)が改変されて、親免疫グロブリンの特異性と比較して異なる特異性の免疫グロブリンのCDRを含む抗体を指す。好ましい実施態様では、マウスCDRを、ヒト抗体のフレームワーク領域に移植して「ヒト化抗体」を調製する。例えば、Riechmann, L., et al., Nature 332 (1988) 323-327;及びNeuberger, M.S., et al., Nature 314 (1985) 268-270参照。特に好ましいCDRは、キメラ抗体に関して上記した抗原を認識する配列を示すものに相当する。本発明によって包含される他の形態の「ヒト化抗体」は、定常領域をもとの抗体の定常領域から更に改変又は変化させて、特にC1q結合及び/又はFcレセプター(FcR)結合に関して、本発明による性質を発生させたものである。
【0022】
「ヒト抗体」という用語は、本明細書において使用される場合、ヒト生殖系免疫グロブリン配列に由来する可変及び定常領域を有する抗体を含むことを意図する。ヒト抗体は、当技術水準で周知である(van Dijk, M.A., and van de Winkel, J.G., Curr. Opin. Chem. Biol. 5 (2001) 368-374)。ヒト抗体は、免疫されると、内因性免疫グロブリン産生がない場合にフルレパートリー又は選択のヒト抗体を産生できるトランスジェニック動物(例えば、マウス)においても産生され得る。このような生殖系突然変異体マウスにおけるヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子アレイの移動は、抗原チャレンジによるヒト抗体の産生をもたらすであろう(例えば、Jakobovits, A., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 (1993) 2551-2555; Jakobovits, A., et al., Nature 362 (1993) 255-258; Bruggemann, M., et al., Year Immunol. 7 (1993) 33-40参照)。ヒト抗体は、ファージディスプレーライブラリーにおいても産生され得る(Hoogenboom, H.R., and Winter, G., J. Mol. Biol. 227 (1992) 381-388; Marks, J.D., et al., J. Mol. Biol. 222 (1991) 581-597)。Coleら及びBoernerらの技術も、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用可能である(Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, p. 77 (1985);及びBoerner, P., et al., J. Immunol. 147 (1991) 86-95)。本発明によるキメラ抗体及びヒト化抗体に関して既に述べたように、「ヒト抗体」という用語は、本明細書において使用される場合、定常領域において改変されて、特にC1q結合及び/又はFcR結合に関して、例えば「クラススイッチ」、すなわちFc部分の変化又は突然変異(例えば、IgG1からIgG4への及び/又はIgG1/IgG4突然変異)によって、本発明による性質を発生させたこのような抗体も含む。
【0023】
「エピトープ」という用語は、抗体に特異的結合できるポリペプチド決定基を含む。ある実施態様では、エピトープ決定基は、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル又はスルホニルのような分子の化学活性表面基を含み、ある実施態様では、特有の三次元構造特性及び又は特有の電荷特性を有し得る。エピトープは、抗体によって結合される抗原の領域である。
【0024】
「可変ドメイン」(軽鎖の可変ドメイン(VL)、重鎖の可変ドメイン(VH))は、本明細書において使用される場合、抗体を抗原に結合させることに直接的に関与する一組の軽鎖及び重鎖ドメインの各々を意味する。可変軽鎖及び重鎖ドメインは、同じ一般的構造を有し、各ドメインは、3つの「超可変領域」(又は相補性決定領域、CDR)によって接続された、その配列が広く保存されている4つのフレームワーク(FR)領域を含む。フレームワーク領域は、βシートコンフォメーションを採用しており、CDRは、βシート構造を接続するループを形成し得る。各鎖におけるCDRは、フレームワーク領域によってそれらの三次元構造に保持されており、他の鎖からのCDRと共に抗原結合部位を形成する。抗体の重鎖及び軽鎖CDR3領域は、本発明による抗体の結合特異性/親和性において特に重要な役割を果たし、従って本発明の更なる目的を提供する。
【0025】
「抗体の抗原結合部分」という用語は、本明細書において使用される場合、抗原結合の責任を担う抗体のアミノ酸残基を指す。抗体の抗原結合部分は、「相補性決定領域」又は「CDR」からのアミノ酸残基を含む。「フレームワーク」又は「FR」領域は、本明細書において定義された通りの超可変領域残基以外のこれらの可変ドメイン領域である。従って、抗体の軽鎖及び重鎖可変ドメインは、N末端からC末端に、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3及びFR4を含む。特に、重鎖のCDR3は、抗原結合に最も寄与する領域であり、抗体の性質を特徴づける。CDR及びFR領域は、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991)の標準定義、及び/又は「超可変ループ」由来の残基に従って決定される。
【0026】
「Tmem27ポリペプチド」という用語は、本明細書において、任意の動物、例えばヒトを含む哺乳類種に由来する天然のTmem27ポリペプチド及びTmem27変異体を指すのに使用される。Tmem27ポリペプチドは、ヒト組織種を含む様々なソースから単離され得るか、又は組み換え及び/もしくは合成方法によって調製され得る。ヒトTmem27ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号7において与えられる。
【0027】
更なる目的において、本発明は、本発明の抗体及び該抗体に共有結合した活性化合物を含む複合体を提供する。
【0028】
好ましい実施態様では、活性化合物は、毒素又はsiRNA分子、好ましくはsiRNA分子である。
【0029】
本発明の抗体をsiRNA分子の末端基に共有結合させることによって、A−X−Yの形態のsiRNA−抗体複合体を調製する方法であって、前記方法は:所定のsiRNA分子を選択する段階;及び、siRNA分子を本発明の抗体と共有結合させる段階を含み、ここで、Aは本発明の抗体であり、Xはリンカー介在型共有結合であり、及びYはsiRNA分子である。
【0030】
siRNA−抗体複合体を調製する方法は、siRNAの官能基を活性化する段階、及び活性化された官能基を抗体に共有結合させる段階を含み得る。活性化される官能基は、アミン基、チオール基、リン酸基又はそれらの組合せを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施態様では、siRNAの官能基を活性化する物質は、1−エチル−3,3−ジエチルアミノプロピルカルボジイミド、イミダゾール、N−ヒドロキシルスクシンイミド、ジクロロヘキシルカルボジイミド、N−マレイミドプロピオン酸、N−マレイミドプロピル−オキシルスクシンイミドエステル、N−スクシンイミジルピリジルジチオプロピオナート、又はそれらの組合せを含む。本発明のsiRNA抗体複合体を調製するための更なる方法は、Handbook of Cell Penetrating Peptides, Chapter 18, Second Edition, April 2006, Editor: Ulo Langelにおいて見出すことができる。
【0031】
更なる目的において、本発明は、本発明の抗体又は複合体、及び薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物を提供する。
【0032】
より良好な投与のために、組成物は、上記有効成分に加えて、少なくとも1種類の薬学的に許容しうる担体を更に含み得る。このような担体の例は、食塩水、滅菌水、リンガー溶液、緩衝食塩水、デキストロース溶液、マルトデキストリン(水性)溶液、グリセロール、エタノール及びそれらの混合物を含む。必要であれば、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤等の典型的な添加物が添加され得る。更に、組成物は、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤及び潤滑剤等の更なる添加物を加えることによって、水溶液、懸濁液、乳剤等の形態で注射用に薬学的に調製され得る。
【0033】
本発明の医薬組成物は、静脈内投与、筋内投与、動脈内投与、髄内投与、くも膜下腔投与、心臓内投与、経皮投与、皮下投与、腹腔内投与、舌下投与及び局所投与を含む、様々な投与経路を介して、身体と接触され得る。
【0034】
このような臨床投与のために、本発明の医薬組成物は、従来の技術を使用して、適切な製品として調製され得る。
【0035】
抗体は、例えば、U.S. Patent No. 4,816,567に記載されているような組み換え方法及び組成物を使用して、作製され得る。一実施態様では、本明細書において記載される抗TMEM27抗体をコードする単離された核酸が提供される。このような核酸は、抗体のVLを含むアミノ酸配列及び/又はVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖及び/又は重鎖)をコードし得る。更なる実施態様では、このような核酸を含む1つ以上のベクター(例えば、発現ベクター)が提供される。更なる実施態様では、このような核酸を含む宿主細胞が提供される。このような一実施態様では、宿主細胞は:(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、又は(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第一のベクター及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第二のベクター、を含み(例えば、トランスフォーメーションされている)。一実施態様では、宿主細胞は真核性であり、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞又はリンパ細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。一実施態様では、抗TMEM27抗体を作製する方法が提供され、ここで、前記方法は、抗体の発現に好適な条件下で、上記に提供されるように抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を培養する段階、及び場合により宿主細胞(又は宿主細胞培地)から抗体を回収する段階を含む。
【0036】
本発明の抗体の組み換え作製に関して、例えば上記のように、抗体をコードする核酸は、単離され、宿主細胞における更なるクローニング及び/又は発現のために1つ以上のベクターに挿入される。このような核酸は、従来の手順を使用して(例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合し得るオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)、容易に単離され、配列決定され得る。
【0037】
抗体をコードするベクターのクローニング又は発現に好適な宿主細胞は、本明細書において記載される原核又は真核細胞を含む。例えば、抗体は、特にグリコシル化及びFcエフェクター機能が必要とされない場合、細菌において作製され得る。細菌における抗体フラグメント及びポリペプチドの発現に関しては、例えば、U.S. Patent Nos. 5,648,237, 5,789,199及び5,840,523参照。(また、E.coliにおける抗体フラグメントの発現を記載するCharlton, Methods in Molecular Biology, Vol. 248 (B.K.C. Lo, ed., Humana Press, Totowa, NJ, 2003も参照)、245〜254ページ。発現後、抗体は、可溶性画分における細菌細胞ペーストから単離され得、更に精製され得る。
【0038】
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマから抗体遺伝子をクローニングする方法は、当業者に知られている。例えば、可変重鎖及び軽鎖ドメイン(VH及びVL)に関する遺伝情報は、免疫グロブリン特異的プライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、ハイブリドーマ細胞から増幅され得る(Methods Mol Med. 2004;94:447-58)。次いで、可変重鎖及び軽鎖ドメイン(VH及びVL)をコードする核酸は、宿主細胞における発現に好適なベクターにクローニングされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、β細胞TMEM27タンパク質レベルが糖尿病の進行と相関することを示す。7もしくは9週齢のlean又はZDFラットに由来する膵臓のパラフィン切片を、インスリン(赤)、グルカゴン(青)及びTMEM27(緑)に対する抗体で染色した。インスリン抵抗性だが正常血糖である7週齢ZDFラットの膵臓切片において、TMEM27の発現が増加しており、これは、β細胞集団の拡大と相関している。
【図2】図2は、II型糖尿病患者においてTMEM27タンパク質レベルが減少していることを示す。正常血糖ドナー及びII型糖尿病患者に由来する膵臓のパラフィン切片の免疫組織化学染色は、TMEM27(緑)がグルカゴン(赤)と共局在化しておらず、II型糖尿病の島で大きく減少していることを示している。
【図3】図3は、ドキシサイクリン依存的方法でヒトTMEM27の誘導発現を可能にするINS−1安定細胞株のウエスタンブロットを示す。ドキシサイクリンによって、hTMEM27タンパク質が用量依存的に誘導され得た。
【図4a】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4b】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4c】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4d】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4e】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4f】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4g】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4h】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4i】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4j】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4k】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図5】図5は、FDA承認のヒト組織マイクロアレイの免疫組織化学染色を示す。Alexa488結合抗TMEM27(クローン8/9)を用いて、ヒト組織マイクロアレイのパラフィン切片を染色した。
【図6a】図6a及び6bは、ヒト及びサルの膵臓の免疫組織化学染色を示す。Alexa488結合抗TMEM27(8/9)を用いて、ヒト及びサルの膵臓のパラフィン切片を染色した。
【図6b】図6a及び6bは、ヒト及びサルの膵臓の免疫組織化学染色を示す。Alexa488結合抗TMEM27(8/9)を用いて、ヒト及びサルの膵臓のパラフィン切片を染色した。
【図7】図7は、II型糖尿病のサルにおいてTMEM27タンパク質レベルが減少していることを示す。正常血糖又はII型糖尿病のサルに由来する膵臓のパラフィン切片の免疫組織化学染色は、TMEM27(緑)がインスリン(赤)と共局在化しており、II型糖尿病のサルの島で大きく減少していることを示している。
【図8】図8a〜8iは、IgGが、TMEM27を認識する抗体に特異的なsiRNA細胞取り込みを仲介していることを示す。
【図9a】図9a及び9bは、表面免疫染色からの定量した蛍光及び細胞内に蓄積したsiRNAマーカーCy5を示す。
【図9b】図9a及び9bは、表面免疫染色からの定量した蛍光及び細胞内に蓄積したsiRNAマーカーCy5を示す。
【0040】
実験の部
ドキシサイクリン依存的方法でヒトTMEM27の誘導性発現を可能にするINS−1安定細胞株の生成
10mMヘペス(pH7.3)、10%(v/v)熱不活性化ウシ胎仔血清(Brunschwig AG、スイス)、50μM β−メルカプトエタノール、1mMピルビン酸ナトリウム、50μg/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシンが補充された11mMグルコース(Invitrogen、スイス)を含むRPMI1640培地中で、INS−1E細胞を培養した。ヒトTMEM27 cDNA(5183554, Invitrogen)をpTRE2ベクター(631008, Clontech)にサブクローニングし、これを、Wangらによって記載された以下の手順に従って、INS−1由来安定細胞株のトランスフェクション及び生成に使用した。INS−hTMEM27*F2クローンは最も高い誘導性を示し、最も低いバックグラウンドが選択される。図3におけるウエスタンブロッティングによって示されるように、hTMEM27タンパク質は、ドキシサイクリンによって用量依存的に誘導され得た。
【0041】
図3:表示した濃度のドキシサイクリン存在下で、細胞を24時間培養した。西洋ワサビペルオキシダーゼ結合マウス抗ヒトTMEM27モノクローナル抗体(クローン3/3)を用いて免疫ブロット法を実施した後、化学発光検出した。
【0042】
全細胞免疫化を使用したマウス抗TMEM27モノクローナル抗体の生成
INS−h−TMEM27クローンF2 INS−1細胞を用い、生存細胞を繰返し注射することによって、スイスアルビノマウスの免疫化を実施した。動物が、hTMEM27に対する特異的な免疫応答を示すとすぐに、脾臓細胞を取り出し、G. Kohler and C. Milstein (1975) "Continuous cultures of fused cells secreting antibody of predefined specificity". Nature 256:495-497に従って、Ag8細胞に融合させた。
【0043】
TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーション
【0044】
INS−h−TMEM27クローンF2 WT細胞をPDL被覆スライドグラス上で生育し、37℃でインキュベーションした。
【0045】
mAbを誘導培地(完全培養培地+500ng/mlドキシサイクリン)に異なる濃度で添加:0.6ml/ウェル及び33℃で24時間インキュベーション。次いで、細胞をダルベッコPBS(+Ca2+/+Mg2+)で1回洗浄し、2%ホルムアルデヒドで固定する。
【0046】
図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【0047】
TMEM27は、ヒト及びサルの膵島のβ細胞に局在する
スライドを組み立てるのにホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)切片を使用した。キシロール(x2)、100%EtOH、95%EtOH、80%EtOH、70%EtOH及び1X PBSにスライドを連続して浸して(各々3分間)、試料を脱水した。1Xクエン酸塩緩衝液にスライドを浸し、(850ワットの)マイクロ波中でそれらを3分間煮沸することによって、抗原回復を実施した。スライドを水で2回すすいだ後、1X PBSに溶かした100μLの0.2%トリトンを用いて、細胞を室温で10分間透過処理した。1X PBSで3回洗浄した後、1X PBSに溶かした2%BSAを用いて、室温で30分間から1時間ブロッキングした。抗体インキュベーション(37℃で1〜2時間又は4℃でO/N)の前に、1X PBSで更に3回洗浄。更に3回洗浄、及びDAPI染色(暗所において室温で5〜10分間)。最後の3回洗浄、及びカバーガラスを組み立て。
【0048】
図5:FDA承認のヒト組織マイクロアレイの免疫組織化学染色。Alexa488結合抗TMEM27(クローン8/9)を用いて、ヒト組織マイクロアレイのパラフィン切片を染色した。
【0049】
抗TEMEM27は、ヒト及びサルβ細胞を特異的に染色する。
【0050】
図6a、6b及び7:ヒト及びサル膵臓の免疫組織化学染色。Alexa488結合TMEM27(クローン8/9)を用いて、ヒト及びサル膵臓のパラフィン切片を染色した。
【0051】
TMEM27抗体をビヒクルとして使用する、細胞siRNA取り込みの定量。
siRNA調製。
オリゴリボヌクレオチド合成
ホスホロアミダイト(phosphoramidite)技術に従って、固相上で、ABI 394 synthesizer(Applied Biosystems)を用いて、10μmolスケールでオリゴリボヌクレオチドを合成した。RNA配列情報に関しては表1を参照。コントロールされた多孔性ガラス(CPG、520Å、75μmol/gの充填量、Prime Synthesis、アストン、ペンシルベニア州、米国から入手)で作成された固体支持体上で、合成を実施した。通常のRNAホスホロアミダイト、2’−O−メチルホスホロアミダイト及び補助試薬は、Proligo(ハンブルグ、ドイツ)から購入した。具体的には、以下のアミダイトを使用した:(5’−O−ジメトキシトリチル−N6−(ベンゾイル)−2’−O−t−ブチルジメチルシリル−アデノシン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミダイト、5’−O−ジメトキシトリチル−N4−(アセチル)−2’−O−t−ブチルジメチルシリル−シチジン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミダイト、(5’−O−ジメトキシトリチル−N2−(イソブチリル)−2’−O−t−ブチルジメチルシリル−グアノシン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミダイト、及び5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−t−ブチルジメチルシリル−ウリジン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミダイト。2’−O−メチルホスホロアミダイトは、N4−(t−ブチルフェノキシアセチル)保護された2’−O−メチル−シチジンを除いて、通常のRNAアミダイトと同じ保護基を担持していた。すべてのアミダイトを、無水アセトニトリル(100mM)に溶解し、分子ふるい(3Å)を添加した。オリゴマーの5’末端にスルフヒドリルリンカーを作製するために、Glen Research(Sterling、ヴァージニア、米国)の1−O−ジメトキシトリチル−ヘキシル−ジスルフィド,1’−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイトリンカーを使用した。mAbの結合の前に、TCEPを使用してジスルフィドリンカーを還元した(下記参照)。Cy5結合のために、6−(4−モノメトキシトリチルアミノ)ヘキシル−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)−ホスホロアミダイト(Glen Research)を使用して、オリゴリボヌクレオチドの5’末端にC−6アミノリンカーを装備した。5−エチルチオテトラゾール(ETT、アセトニトリル中500mM)を活性化溶液として使用した。結合時間は6分間であった。ホスホロチオアート結合を導入するために、無水アセトニトリル中の3−エトキシ−1,2,4−ジチアゾリン−5−オン(EDITH、Link Technologies、ラナークシャイア、スコットランドから入手)の100mM溶液を使用した。対応するNHSエステル(GE Healthcare、ミュンヘン、ドイツから入手)、及びC6アミノリンカーを有するオリゴリボヌクレオチドを使用して、Cy5蛍光色素を5’末端に付加した。
【0052】
支持体結合オリゴマーの切断及び脱保護
固相合成の終了後、乾燥固体支持体を15mLチューブに移し、メタノール中のメチルアミン(2M、Aldrich)を用いて45℃で180分間処理した。遠心分離の後、上清を新しい15mLチューブに移し、1200μL N−メチルピロリジン−2−オン(NMP、Fluka, Buchs、スイス)でCPGを洗浄した。洗浄は、メタノールメチルアミン溶液と組み合わせ、450μLトリエチルアミン三フッ化水素酸塩(TEA−3HF、Alfa Aesar、カールスルーエ、ドイツ)を加えた。この混合物を150分間65℃にした。室温まで冷却した後、0.75mL NMP及び1.5mLのエトキシトリメチルシラン(Fluka, Buchs、スイス)を加えた。10分後、沈殿したオリゴリボヌクレオチドを遠心分離によって回収し、上清を捨て、1mL緩衝液A(以下参照)中で固体を再構成した。
【0053】
オリゴリボヌクレオチドの精製
粗オリゴリボヌクレオチドを、AKTA Explorer system(GE Healthcare)上で、準備の22x 250 mm DNA Pac 100 column(Dionex、イドシュタイン、ドイツ)を使用した強陰イオン交換(SAX)HPLCによって精製した。緩衝液Aは、10mM NaClO4、1mM EDTA、10mMトリス(pH7.4)、6M尿素及び20%アセトニトリルからなった。緩衝液Bは、緩衝液A中の500mM NaClO4を有した。4.5mL/分の流速を使用した。260及び280nmにおけるUVトレースを記録した。55分間以内で20%Bから45%Bの勾配を使用した。適切な画分をプールし、3M NaOAc(pH=5.2)及び70%エタノールで沈殿させた。
【0054】
ラベルした粗オリゴマーを、AKTA Explorer system(GE Healthcare)上で、XTerra Prep MS C8 10x 50 mm column(Waters、エシュボルン、ドイツ)を使用するRP HPLCによって精製した。緩衝液Aは、100mM トリエチルアンモニウムアセテート(Biosolve、ヴァルケンスワールド、オランダ)であり、緩衝液Bは、緩衝液A中に50%アセトニトリルを含んでいた。5mL/分の流速を使用した。260、280及び643nm(Cy5の場合)におけるUVトレースを記録した。58カラム容量(CV)以内で5%Bから60%Bの勾配を採用した。適切な画分をプールし、3M NaOAc(pH=5.2)及び70%エタノールで沈殿させた。
【0055】
最後に、精製したオリゴマーを、Sephadex G-25(GE Healthcare)を含むカラム上で、サイズ排除クロマトグラフィーによって脱塩した。溶液の濃度は、UV光度計(Beckman Coulter、クレーフェルト、ドイツ)で260nmにおける吸光測定によって測定した。アニーリングまでは、個々の鎖を、冷凍溶液として−20℃にて保存した。
【0056】
siRNAを生成するためのオリゴリボヌクレオチドのアニーリング
等モルのRNA溶液を組み合わせることによって、相補鎖をアニーリングした。混合物を凍結乾燥し、適切な容量のアニーリング緩衝液(100mM NaCl、20mMリン酸ナトリウム、pH6.8)で再構成して、所望の濃度を得た。この溶液を、95℃の水浴に入れ、これを3時間以内に室温まで冷した。
【0057】
【表1】
小文字:2’OMeヌクレオチド;s:ホスホロチオエート結合;dT:デオキシチミジン;(C6SSC6):C−6ジスルフィドリンカー;(NHC6):C−6アミノリンカー;(Cy5):シアニン5色素
【0058】
抗体−siRNA複合体調製
抗体のマレイミド活性化:モノクローナル抗体TMEM27−8/9を、10倍モル過剰量のSMCC(スルホスクシンイミジル4−[Nマレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシラート)と反応させた後、脱塩によって過剰量(未反応)の試薬を除去した。
【0059】
siRNA活性化:単一デオキシチミジンに対するC6SSC6−リンカーを有するCy5ラベルしたsiRNAを、TCEP(トリス[2−カルボキシエチル]ホスフィン)で還元し、ジスルフィド結合を選択的に還元した。
【0060】
次いで、スルフヒドリル含有siRNAを加えて、モノクローナル抗体に既に付加しているマレイミド基と反応させた。次いで、siRNA上の未反応の遊離スルフヒドリルを、NEM(N−エチルマレイミド)を用いてブロッキングし、100kDカットオフ濃縮操作を使用したサイズ排除によって、最終生産物を精製した。
【0061】
最終的なラベリング比を、ナノドロップ(280nmにおけるIgG吸着、652nmにおけるCy5、消衰係数Cy5:250’000)で決定する。
【0062】
試料の調製
1日目:天然のネイティブINS−1E細胞又はINS−hTMEM27*F2細胞を、96ウェルプレートに50,000/ウェルで播種した。
【0063】
3日目:培地を、500ng/mlドキシサイクリン(Sigma-Aldrich)を含む培養培地又は非誘導性対照試料用の培養培地と交換した。
【0064】
4日目:I−緩衝液を調製し、37℃に加熱した(1x HBSS、20mMヘペス、0.1%BSA、3回蒸留水(pH7.0)で調製)。siRNA−Cy5に結合された抗体の溶液(TMEM抗体に関しては抗体あたり平均2.4分子のsiRNA−Cy5でラベルされた67nM抗体、mGluR7対照抗体複合体に関しては分子比2.2)、又はsiRNA−Cy5と混合された抗体の溶液(67nM抗体及び160nM siRNA−Cy5)のいずれかを調製し、37℃で5分間平衡化した。細胞培養培地を徐々に吸引し、60μl/ウェルの抗体溶液と交換し、37℃の温度で1時間インキュベーションした。
【0065】
細胞表面の免疫染色に関して、Alexa647ヤギ抗マウス二次抗体の1:400溶液を氷冷PBSで調製した。ウェルを90μl/ウェル氷冷PBSで3回洗浄した。プレートを氷浴に移し、60μl/ウェルの氷冷抗体溶液をウェルに加え、プレートを60分間インキュベーションした。ウェルを室温で90μl/ウェルPBSで3回洗浄した。次いで、100μl/ウェルの4%ホルムアルデヒドを加え、ウェルを室温で15分間インキュベーションした。溶液を2μg/ml CellMaskBlueを含む60μlPBS/ウェルと交換し、室温で20分間インキュベーションした。細胞を室温で90μl/ウェルPBSで1回洗浄した。PBS中の3μMヘキスト及び4%ホルムアルデヒドの溶液を加え、ウェルを室温で15分間インキュベーションした。細胞を室温でPBSで1回洗浄し、150μlPBS/ウェル中に置いた。
【0066】
細胞内レベルの免疫染色の定量
Evotec Technologies、ハンブルグ、ドイツのOpera QEHS HCS readerを使用して、抗体及びsiRNA−Cy5の細胞内局在性を定量した。この装置は倒立共焦点蛍光顕微鏡を備え、透明底マイクロタイタープレートで調製した試料から自動的に画像取得を行うように設定する。リーダーには、所定の種類の対象物の位置を識別する画像分析用のソフトウェア“Accapella”を組み込み、ここで画像分析法(スクリプト)が作成され得る。
【0067】
本実施例における定量に使用したスクリプトは、細胞表面領域上の及び細胞内細胞質領域に局在する免疫染色それぞれの強度を同定するように開発した。分析は、DNA特異的蛍光色素分子ならびに同種細胞染料CellMaskBlue、Alexa488及びsiRNAラベルCy5でラベルされた二次抗体で染色された試料の3つの並行取得した画像に基づいている。各画像から対象物を同定する。DNA染色及びCellMaskBlue染色に特異的な最初の画像に基づき、より明るいヘキスト染色から核の数、位置、大きさ及び形を、そしてCellMaskBlue染色から細胞質の輪郭を決定した。Alexa488二次抗体に選択的な二番目の画像から、細胞表面の免疫染色の面積を決定し、強度を定量した。三番目から、細胞の細胞質領域中のCy5染色の強度を同定し、蛍光強度を定量した。
【0068】
図8は、プロトコルに記載される通りの二次染色及び固定のために洗浄して氷に移す前の、siRNA−Cy5に結合した67nM一次抗体、又は67nM一次抗体及び160nM siRNA−Cy5の混合物と一緒に37℃でインキュベーションしたINS−hTMEM27*F2細胞の画像を示す。各列は、ウェルにおける同一視野の並行取得した画像を含む。パネルA〜Fは、ドキシサイクリンで誘導された細胞である。パネルG〜Iは、パネルA〜Cにおける試料として調製された試料の画像であるが、非誘導性細胞を使用するものは除く。パネルJ〜Lは、TMEM27抗体siRNA−Cy5複合体を、mGluR7レセプターを認識する抗体に結合したsiRNA−Cy5と交換した点を除いて、パネルA〜Cにおける試料として調製された試料の画像である。
【0069】
パネルA、D、G及びJは、CellMaskBlue及びヘキスト染色に選択的なフィルター設定で取得した画像を示す:レーザー405nm、ロングパス650フィルターによって反射され、ショートパス568フィルター及びバンドパス455/70フィルターを透過した発光。パネルB、E、H及びKは、Alexa488二次抗体を用いた細胞表面染色に選択的なフィルター設定で取得した画像を示す:レーザー488nm、LP650及びLP568によって反射され、BP535/60を透過した発光。パネルC、F及びIは、siRNAラベルCy5に選択的なフィルター設定で取得した画像を示す:レーザー635nm、LP650を通過し、BP690/50を透過した発光。画像の強度スケーリングは、同一のカメラで取得した画像と同様である。
【0070】
画像は、TMEM27抗体が、膜に埋め込まれたヒトTMEM27の認識を通じて、siRNAの細胞取り込みを仲介し得ることを明示している。
【0071】
図9は、定量した細胞表面二次抗体免疫染色及びCy5の細胞質領域強度を示す。試料を、ドキシサイクリン誘導性ヒトTMEM27発現(黒色のバー)及び非誘導性(白色のバー)細胞で調製し、異なる組み合わせのsiRNA及び抗体と一緒に1時間インキュベーションした。x軸の左から右に:siRNA−Cy5(抗体あたり平均2.4分子)に結合した67nM TMEM278/9一次抗体、67nM TMEM278/9一次抗体及び160nM siRNA−Cy5の混合物、siRNA−Cy5(抗体あたり平均2.2分子)に結合した67nM mGluR7一次抗体、そして最後に、プロトコルに記載される通りの二次染色及び固定のために洗浄して氷に移す前の、siRNA又は抗体なしで緩衝液と一緒に37℃で1時間インキュベーションした試料。
【0072】
パネル9a:細胞表面膜領域における二次抗体免疫染色の平均画素強度。パネル9b:Cy5の細胞質領域における平均画素強度。
【0073】
ここまで本発明の好ましい実施態様を示しかつ記載してきたが、本発明はこれに限定されず、以下の特許請求の範囲の範囲内で様々に具現かつ実施され得ることが明確に理解されよう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、β細胞マーカータンパク質を対象とする抗体、特にタンパク質TMEM27を対象とする抗体に関する。
【0002】
機能的なβ細胞集団の喪失が、I型及びII型糖尿病両方の病因の根底にある。従って、in vivoにおけるβ細胞集団の断層撮影技術は、糖尿病への進行及び治療的介入への応答を定量化するための有用な診断ならびに研究ツールを提供するであろう。加えて、in vivoにおける標的とされた非侵襲性β細胞siRNA送達は、研究及び治療の両方にとって非常に有用であろう。
【0003】
膜貫通タンパク質Tmem27(コレクトリン)は、それが膵臓β細胞集団及びインスリン分泌を調節している膵臓β細胞で発現している。Tmem27は、タンパク質分解的切断及び分断によって、細胞膜において不活性化されている。
【0004】
従って、β細胞集団を定量化するための診断及び/又は研究ツールに対する需要があり、β細胞への標的とされた薬物送達のためのツールに対する需要がある。
【0005】
本発明の目的は、Tmem27ポリペプチドのエピトープを対象とする抗体を提供することである。
【0006】
好ましい実施態様では、抗体は、ヒトTmem27ポリペプチドを対象とするものである。
【0007】
更なる実施態様では、抗体は、モノクローナル抗体、好ましくはヒト化抗体である。
【0008】
更なる実施態様では、抗体は、Tmem27ポリペプチド、好ましくはヒトTmem27ポリペプチドを発現する全細胞を用いて、適切な動物を免疫することによって作製される。
【0009】
更に好ましい実施態様では、抗体は、ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVHドメインのCDR3及びハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVLドメインのCDR3を含む。
【0010】
更に好ましい実施態様では、抗体は、ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVHドメインのCDR1〜CDR3及びハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVLドメインのCDR1〜CDR3を含む。
【0011】
更に好ましい実施態様では、抗体は、ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVHドメイン及びVLドメインを含むキメラ抗体である。
【0012】
更に好ましい実施態様では、抗体は、2009年5月27日にDSMZ(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)に寄託され、寄託番号DSM ACC2995を与えられたハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9によって産生される。
【0013】
第二の目的において、本発明は、TMEM27切断及びそのシグナリング経路のモデュレーションに関与する疾患の治療のための薬剤の製造のための、本発明の抗体の使用に関する。疾患は、好ましくは糖尿病である。
【0014】
更なる態様では、本発明の抗体は、活性化合物の細胞内送達のためのツールとして使用される。活性化合物は、好ましくは、抗体に共有結合している。「活性化合物」は、DNA、RNA、siRNA、タンパク質、ペプチド又は薬学的に活性な物質(例えば、毒素、抗生物質、抗病原因子、抗原、抗体、抗体フラグメント、免疫モデュレーター、酵素もしくは治療剤)を含む、任意の適切な分子であり得る。本発明の抗体は、膵臓β細胞に特異的にターゲティングすることによって活性化合物のターゲティングされた細胞内送達を可能にするので、活性化合物の細胞内送達に好適である。
【0015】
更なる実施態様では、本発明の抗体は、動物、好ましくはヒトの膵臓におけるβ細胞島及びβ細胞集団のin vivoイメージングのために使用され得る。in vivoイメージングのため適切な方法は、例えば、免疫PET(ポジトロン放出断層撮影法)である。免疫PETは、ポジトロン放出核種でラベルされたモノクローナル抗体の同時検出に基づいている。以下のポジトロン放出体が免疫PETに使用され得る:ガリウム−68(68Ga;t1/2、1.13時間)、フッ素−18(18F;t1/2、1.83時間)、銅−64(64Cu;t1/2、12.7時間)、イットリウム−86(86Y;t1/2、14.7時間)、臭素−76(76Br;t1/2、16.2時間)、ジルコニウム−89(89Zr;t1/2、78.4時間)及びヨウ素−124(124I;t1/2、100.3時間)[The Oncologist, Vol. 12, No. 12, 1379-1389, December 2007)]。
【0016】
患者におけるPET複合体の分布は、PETカメラを用いた消滅光子対の検出によって、モニターされ得る。PETカメラは、患者の体にかけられた検出器の輪からなる。体の反対側にある検出器によって2つの光子が非常に短い時間間隔内(典型的には、5〜15ナノ秒)に記録される場合、2つの検出器の間の線に沿ったどこかで消滅事象が起こったと考えられる。すべての線の交差点を計算することによって、放射線源(放射性ラベルされたモノクローナル抗体)の位置が決定され得る。
【0017】
「抗体」という用語は、抗体全体及び抗体フラグメントを含むがそれらに限定されない、様々な形態の抗体構造を包含する。本発明による抗体は、好ましくは、ヒト化抗体、キメラ抗体、又は本発明による特徴的性質が保持される限り、更に遺伝子操作された抗体である。
【0018】
「抗体フラグメント」は、全長抗体の一部、好ましくは、その可変ドメイン、又は少なくともその抗原結合部位を含む。抗体フラグメントの例は、ダイアボディ(diabody)、一本鎖抗体分子、及び抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体を含む。scFv抗体は、例えば、Houston, J.S., Methods in Enzymol. 203 (1991) 46-96に記載されている。加えて、抗体フラグメントは、VHドメインの特徴(すなわちVLドメインと共に機能的な抗原結合部位へと会合し得ること)又はANG−2に結合するVLドメインの特徴(すなわちVHドメインと共に機能的な抗原結合部位へと会合し得ること)を有し、それによって、性質を提供する一本鎖ポリペプチドを含む。
【0019】
「モノクローナル抗体」又は「モノクローナル抗体組成物」という用語は、本明細書において使用される場合、単一のアミノ酸組成の抗体分子の調製物を指す。
【0020】
「キメラ抗体」という用語は、組み換えDNA技術によって通常調製された、1種のソース又は種からの可変領域、すなわち結合領域及び異なるソース又は種に由来する定常領域の少なくとも一部を含む抗体を指す。マウス可変領域及びヒト定常領域を含むキメラ抗体が好ましい。本発明によって包含される他の好ましい形態の「キメラ抗体」は、定常領域をもとの抗体の定常領域から改変又は変化させて、特にC1q結合及び/又はFcレセプター(FcR)結合に関して、本発明による性質を発生させたものである。このようなキメラ抗体は「クラススイッチ抗体(class−switched antibodies)」とも称される。キメラ抗体は、免疫グロブリン可変領域をコードするDNAセグメント及び免疫グロブリン定常領域をコードするDNAセグメントを含む発現された免疫グロブリン遺伝子の産物である。キメラ抗体を作製するための方法は、慣用の組み換えDNAを含みそして遺伝子トランスフェクション技術は当技術分野で周知である。例えば、Morrison, S.L., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81 (1984) 6851-6855; US Patent Nos. 5,202,238及び5,204,244参照。
【0021】
「ヒト化抗体」という用語は、フレームワーク又は「相補性決定領域」(CDR)が改変されて、親免疫グロブリンの特異性と比較して異なる特異性の免疫グロブリンのCDRを含む抗体を指す。好ましい実施態様では、マウスCDRを、ヒト抗体のフレームワーク領域に移植して「ヒト化抗体」を調製する。例えば、Riechmann, L., et al., Nature 332 (1988) 323-327;及びNeuberger, M.S., et al., Nature 314 (1985) 268-270参照。特に好ましいCDRは、キメラ抗体に関して上記した抗原を認識する配列を示すものに相当する。本発明によって包含される他の形態の「ヒト化抗体」は、定常領域をもとの抗体の定常領域から更に改変又は変化させて、特にC1q結合及び/又はFcレセプター(FcR)結合に関して、本発明による性質を発生させたものである。
【0022】
「ヒト抗体」という用語は、本明細書において使用される場合、ヒト生殖系免疫グロブリン配列に由来する可変及び定常領域を有する抗体を含むことを意図する。ヒト抗体は、当技術水準で周知である(van Dijk, M.A., and van de Winkel, J.G., Curr. Opin. Chem. Biol. 5 (2001) 368-374)。ヒト抗体は、免疫されると、内因性免疫グロブリン産生がない場合にフルレパートリー又は選択のヒト抗体を産生できるトランスジェニック動物(例えば、マウス)においても産生され得る。このような生殖系突然変異体マウスにおけるヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子アレイの移動は、抗原チャレンジによるヒト抗体の産生をもたらすであろう(例えば、Jakobovits, A., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 (1993) 2551-2555; Jakobovits, A., et al., Nature 362 (1993) 255-258; Bruggemann, M., et al., Year Immunol. 7 (1993) 33-40参照)。ヒト抗体は、ファージディスプレーライブラリーにおいても産生され得る(Hoogenboom, H.R., and Winter, G., J. Mol. Biol. 227 (1992) 381-388; Marks, J.D., et al., J. Mol. Biol. 222 (1991) 581-597)。Coleら及びBoernerらの技術も、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用可能である(Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, p. 77 (1985);及びBoerner, P., et al., J. Immunol. 147 (1991) 86-95)。本発明によるキメラ抗体及びヒト化抗体に関して既に述べたように、「ヒト抗体」という用語は、本明細書において使用される場合、定常領域において改変されて、特にC1q結合及び/又はFcR結合に関して、例えば「クラススイッチ」、すなわちFc部分の変化又は突然変異(例えば、IgG1からIgG4への及び/又はIgG1/IgG4突然変異)によって、本発明による性質を発生させたこのような抗体も含む。
【0023】
「エピトープ」という用語は、抗体に特異的結合できるポリペプチド決定基を含む。ある実施態様では、エピトープ決定基は、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル又はスルホニルのような分子の化学活性表面基を含み、ある実施態様では、特有の三次元構造特性及び又は特有の電荷特性を有し得る。エピトープは、抗体によって結合される抗原の領域である。
【0024】
「可変ドメイン」(軽鎖の可変ドメイン(VL)、重鎖の可変ドメイン(VH))は、本明細書において使用される場合、抗体を抗原に結合させることに直接的に関与する一組の軽鎖及び重鎖ドメインの各々を意味する。可変軽鎖及び重鎖ドメインは、同じ一般的構造を有し、各ドメインは、3つの「超可変領域」(又は相補性決定領域、CDR)によって接続された、その配列が広く保存されている4つのフレームワーク(FR)領域を含む。フレームワーク領域は、βシートコンフォメーションを採用しており、CDRは、βシート構造を接続するループを形成し得る。各鎖におけるCDRは、フレームワーク領域によってそれらの三次元構造に保持されており、他の鎖からのCDRと共に抗原結合部位を形成する。抗体の重鎖及び軽鎖CDR3領域は、本発明による抗体の結合特異性/親和性において特に重要な役割を果たし、従って本発明の更なる目的を提供する。
【0025】
「抗体の抗原結合部分」という用語は、本明細書において使用される場合、抗原結合の責任を担う抗体のアミノ酸残基を指す。抗体の抗原結合部分は、「相補性決定領域」又は「CDR」からのアミノ酸残基を含む。「フレームワーク」又は「FR」領域は、本明細書において定義された通りの超可変領域残基以外のこれらの可変ドメイン領域である。従って、抗体の軽鎖及び重鎖可変ドメインは、N末端からC末端に、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3及びFR4を含む。特に、重鎖のCDR3は、抗原結合に最も寄与する領域であり、抗体の性質を特徴づける。CDR及びFR領域は、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991)の標準定義、及び/又は「超可変ループ」由来の残基に従って決定される。
【0026】
「Tmem27ポリペプチド」という用語は、本明細書において、任意の動物、例えばヒトを含む哺乳類種に由来する天然のTmem27ポリペプチド及びTmem27変異体を指すのに使用される。Tmem27ポリペプチドは、ヒト組織種を含む様々なソースから単離され得るか、又は組み換え及び/もしくは合成方法によって調製され得る。ヒトTmem27ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号7において与えられる。
【0027】
更なる目的において、本発明は、本発明の抗体及び該抗体に共有結合した活性化合物を含む複合体を提供する。
【0028】
好ましい実施態様では、活性化合物は、毒素又はsiRNA分子、好ましくはsiRNA分子である。
【0029】
本発明の抗体をsiRNA分子の末端基に共有結合させることによって、A−X−Yの形態のsiRNA−抗体複合体を調製する方法であって、前記方法は:所定のsiRNA分子を選択する段階;及び、siRNA分子を本発明の抗体と共有結合させる段階を含み、ここで、Aは本発明の抗体であり、Xはリンカー介在型共有結合であり、及びYはsiRNA分子である。
【0030】
siRNA−抗体複合体を調製する方法は、siRNAの官能基を活性化する段階、及び活性化された官能基を抗体に共有結合させる段階を含み得る。活性化される官能基は、アミン基、チオール基、リン酸基又はそれらの組合せを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施態様では、siRNAの官能基を活性化する物質は、1−エチル−3,3−ジエチルアミノプロピルカルボジイミド、イミダゾール、N−ヒドロキシルスクシンイミド、ジクロロヘキシルカルボジイミド、N−マレイミドプロピオン酸、N−マレイミドプロピル−オキシルスクシンイミドエステル、N−スクシンイミジルピリジルジチオプロピオナート、又はそれらの組合せを含む。本発明のsiRNA抗体複合体を調製するための更なる方法は、Handbook of Cell Penetrating Peptides, Chapter 18, Second Edition, April 2006, Editor: Ulo Langelにおいて見出すことができる。
【0031】
更なる目的において、本発明は、本発明の抗体又は複合体、及び薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物を提供する。
【0032】
より良好な投与のために、組成物は、上記有効成分に加えて、少なくとも1種類の薬学的に許容しうる担体を更に含み得る。このような担体の例は、食塩水、滅菌水、リンガー溶液、緩衝食塩水、デキストロース溶液、マルトデキストリン(水性)溶液、グリセロール、エタノール及びそれらの混合物を含む。必要であれば、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤等の典型的な添加物が添加され得る。更に、組成物は、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤及び潤滑剤等の更なる添加物を加えることによって、水溶液、懸濁液、乳剤等の形態で注射用に薬学的に調製され得る。
【0033】
本発明の医薬組成物は、静脈内投与、筋内投与、動脈内投与、髄内投与、くも膜下腔投与、心臓内投与、経皮投与、皮下投与、腹腔内投与、舌下投与及び局所投与を含む、様々な投与経路を介して、身体と接触され得る。
【0034】
このような臨床投与のために、本発明の医薬組成物は、従来の技術を使用して、適切な製品として調製され得る。
【0035】
抗体は、例えば、U.S. Patent No. 4,816,567に記載されているような組み換え方法及び組成物を使用して、作製され得る。一実施態様では、本明細書において記載される抗TMEM27抗体をコードする単離された核酸が提供される。このような核酸は、抗体のVLを含むアミノ酸配列及び/又はVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖及び/又は重鎖)をコードし得る。更なる実施態様では、このような核酸を含む1つ以上のベクター(例えば、発現ベクター)が提供される。更なる実施態様では、このような核酸を含む宿主細胞が提供される。このような一実施態様では、宿主細胞は:(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、又は(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第一のベクター及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第二のベクター、を含み(例えば、トランスフォーメーションされている)。一実施態様では、宿主細胞は真核性であり、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞又はリンパ細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。一実施態様では、抗TMEM27抗体を作製する方法が提供され、ここで、前記方法は、抗体の発現に好適な条件下で、上記に提供されるように抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を培養する段階、及び場合により宿主細胞(又は宿主細胞培地)から抗体を回収する段階を含む。
【0036】
本発明の抗体の組み換え作製に関して、例えば上記のように、抗体をコードする核酸は、単離され、宿主細胞における更なるクローニング及び/又は発現のために1つ以上のベクターに挿入される。このような核酸は、従来の手順を使用して(例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合し得るオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)、容易に単離され、配列決定され得る。
【0037】
抗体をコードするベクターのクローニング又は発現に好適な宿主細胞は、本明細書において記載される原核又は真核細胞を含む。例えば、抗体は、特にグリコシル化及びFcエフェクター機能が必要とされない場合、細菌において作製され得る。細菌における抗体フラグメント及びポリペプチドの発現に関しては、例えば、U.S. Patent Nos. 5,648,237, 5,789,199及び5,840,523参照。(また、E.coliにおける抗体フラグメントの発現を記載するCharlton, Methods in Molecular Biology, Vol. 248 (B.K.C. Lo, ed., Humana Press, Totowa, NJ, 2003も参照)、245〜254ページ。発現後、抗体は、可溶性画分における細菌細胞ペーストから単離され得、更に精製され得る。
【0038】
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマから抗体遺伝子をクローニングする方法は、当業者に知られている。例えば、可変重鎖及び軽鎖ドメイン(VH及びVL)に関する遺伝情報は、免疫グロブリン特異的プライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、ハイブリドーマ細胞から増幅され得る(Methods Mol Med. 2004;94:447-58)。次いで、可変重鎖及び軽鎖ドメイン(VH及びVL)をコードする核酸は、宿主細胞における発現に好適なベクターにクローニングされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、β細胞TMEM27タンパク質レベルが糖尿病の進行と相関することを示す。7もしくは9週齢のlean又はZDFラットに由来する膵臓のパラフィン切片を、インスリン(赤)、グルカゴン(青)及びTMEM27(緑)に対する抗体で染色した。インスリン抵抗性だが正常血糖である7週齢ZDFラットの膵臓切片において、TMEM27の発現が増加しており、これは、β細胞集団の拡大と相関している。
【図2】図2は、II型糖尿病患者においてTMEM27タンパク質レベルが減少していることを示す。正常血糖ドナー及びII型糖尿病患者に由来する膵臓のパラフィン切片の免疫組織化学染色は、TMEM27(緑)がグルカゴン(赤)と共局在化しておらず、II型糖尿病の島で大きく減少していることを示している。
【図3】図3は、ドキシサイクリン依存的方法でヒトTMEM27の誘導発現を可能にするINS−1安定細胞株のウエスタンブロットを示す。ドキシサイクリンによって、hTMEM27タンパク質が用量依存的に誘導され得た。
【図4a】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4b】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4c】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4d】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4e】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4f】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4g】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4h】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4i】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4j】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図4k】図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【図5】図5は、FDA承認のヒト組織マイクロアレイの免疫組織化学染色を示す。Alexa488結合抗TMEM27(クローン8/9)を用いて、ヒト組織マイクロアレイのパラフィン切片を染色した。
【図6a】図6a及び6bは、ヒト及びサルの膵臓の免疫組織化学染色を示す。Alexa488結合抗TMEM27(8/9)を用いて、ヒト及びサルの膵臓のパラフィン切片を染色した。
【図6b】図6a及び6bは、ヒト及びサルの膵臓の免疫組織化学染色を示す。Alexa488結合抗TMEM27(8/9)を用いて、ヒト及びサルの膵臓のパラフィン切片を染色した。
【図7】図7は、II型糖尿病のサルにおいてTMEM27タンパク質レベルが減少していることを示す。正常血糖又はII型糖尿病のサルに由来する膵臓のパラフィン切片の免疫組織化学染色は、TMEM27(緑)がインスリン(赤)と共局在化しており、II型糖尿病のサルの島で大きく減少していることを示している。
【図8】図8a〜8iは、IgGが、TMEM27を認識する抗体に特異的なsiRNA細胞取り込みを仲介していることを示す。
【図9a】図9a及び9bは、表面免疫染色からの定量した蛍光及び細胞内に蓄積したsiRNAマーカーCy5を示す。
【図9b】図9a及び9bは、表面免疫染色からの定量した蛍光及び細胞内に蓄積したsiRNAマーカーCy5を示す。
【0040】
実験の部
ドキシサイクリン依存的方法でヒトTMEM27の誘導性発現を可能にするINS−1安定細胞株の生成
10mMヘペス(pH7.3)、10%(v/v)熱不活性化ウシ胎仔血清(Brunschwig AG、スイス)、50μM β−メルカプトエタノール、1mMピルビン酸ナトリウム、50μg/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシンが補充された11mMグルコース(Invitrogen、スイス)を含むRPMI1640培地中で、INS−1E細胞を培養した。ヒトTMEM27 cDNA(5183554, Invitrogen)をpTRE2ベクター(631008, Clontech)にサブクローニングし、これを、Wangらによって記載された以下の手順に従って、INS−1由来安定細胞株のトランスフェクション及び生成に使用した。INS−hTMEM27*F2クローンは最も高い誘導性を示し、最も低いバックグラウンドが選択される。図3におけるウエスタンブロッティングによって示されるように、hTMEM27タンパク質は、ドキシサイクリンによって用量依存的に誘導され得た。
【0041】
図3:表示した濃度のドキシサイクリン存在下で、細胞を24時間培養した。西洋ワサビペルオキシダーゼ結合マウス抗ヒトTMEM27モノクローナル抗体(クローン3/3)を用いて免疫ブロット法を実施した後、化学発光検出した。
【0042】
全細胞免疫化を使用したマウス抗TMEM27モノクローナル抗体の生成
INS−h−TMEM27クローンF2 INS−1細胞を用い、生存細胞を繰返し注射することによって、スイスアルビノマウスの免疫化を実施した。動物が、hTMEM27に対する特異的な免疫応答を示すとすぐに、脾臓細胞を取り出し、G. Kohler and C. Milstein (1975) "Continuous cultures of fused cells secreting antibody of predefined specificity". Nature 256:495-497に従って、Ag8細胞に融合させた。
【0043】
TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーション
【0044】
INS−h−TMEM27クローンF2 WT細胞をPDL被覆スライドグラス上で生育し、37℃でインキュベーションした。
【0045】
mAbを誘導培地(完全培養培地+500ng/mlドキシサイクリン)に異なる濃度で添加:0.6ml/ウェル及び33℃で24時間インキュベーション。次いで、細胞をダルベッコPBS(+Ca2+/+Mg2+)で1回洗浄し、2%ホルムアルデヒドで固定する。
【0046】
図4a〜4kは、TMEM27−8/9−Alexa488−IgG及びTMEM27−8/9−Alexa555−Fabの、生存INS−hTMEM27細胞とのインキュベーションの結果を示す。
【0047】
TMEM27は、ヒト及びサルの膵島のβ細胞に局在する
スライドを組み立てるのにホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)切片を使用した。キシロール(x2)、100%EtOH、95%EtOH、80%EtOH、70%EtOH及び1X PBSにスライドを連続して浸して(各々3分間)、試料を脱水した。1Xクエン酸塩緩衝液にスライドを浸し、(850ワットの)マイクロ波中でそれらを3分間煮沸することによって、抗原回復を実施した。スライドを水で2回すすいだ後、1X PBSに溶かした100μLの0.2%トリトンを用いて、細胞を室温で10分間透過処理した。1X PBSで3回洗浄した後、1X PBSに溶かした2%BSAを用いて、室温で30分間から1時間ブロッキングした。抗体インキュベーション(37℃で1〜2時間又は4℃でO/N)の前に、1X PBSで更に3回洗浄。更に3回洗浄、及びDAPI染色(暗所において室温で5〜10分間)。最後の3回洗浄、及びカバーガラスを組み立て。
【0048】
図5:FDA承認のヒト組織マイクロアレイの免疫組織化学染色。Alexa488結合抗TMEM27(クローン8/9)を用いて、ヒト組織マイクロアレイのパラフィン切片を染色した。
【0049】
抗TEMEM27は、ヒト及びサルβ細胞を特異的に染色する。
【0050】
図6a、6b及び7:ヒト及びサル膵臓の免疫組織化学染色。Alexa488結合TMEM27(クローン8/9)を用いて、ヒト及びサル膵臓のパラフィン切片を染色した。
【0051】
TMEM27抗体をビヒクルとして使用する、細胞siRNA取り込みの定量。
siRNA調製。
オリゴリボヌクレオチド合成
ホスホロアミダイト(phosphoramidite)技術に従って、固相上で、ABI 394 synthesizer(Applied Biosystems)を用いて、10μmolスケールでオリゴリボヌクレオチドを合成した。RNA配列情報に関しては表1を参照。コントロールされた多孔性ガラス(CPG、520Å、75μmol/gの充填量、Prime Synthesis、アストン、ペンシルベニア州、米国から入手)で作成された固体支持体上で、合成を実施した。通常のRNAホスホロアミダイト、2’−O−メチルホスホロアミダイト及び補助試薬は、Proligo(ハンブルグ、ドイツ)から購入した。具体的には、以下のアミダイトを使用した:(5’−O−ジメトキシトリチル−N6−(ベンゾイル)−2’−O−t−ブチルジメチルシリル−アデノシン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミダイト、5’−O−ジメトキシトリチル−N4−(アセチル)−2’−O−t−ブチルジメチルシリル−シチジン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミダイト、(5’−O−ジメトキシトリチル−N2−(イソブチリル)−2’−O−t−ブチルジメチルシリル−グアノシン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミダイト、及び5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−t−ブチルジメチルシリル−ウリジン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミダイト。2’−O−メチルホスホロアミダイトは、N4−(t−ブチルフェノキシアセチル)保護された2’−O−メチル−シチジンを除いて、通常のRNAアミダイトと同じ保護基を担持していた。すべてのアミダイトを、無水アセトニトリル(100mM)に溶解し、分子ふるい(3Å)を添加した。オリゴマーの5’末端にスルフヒドリルリンカーを作製するために、Glen Research(Sterling、ヴァージニア、米国)の1−O−ジメトキシトリチル−ヘキシル−ジスルフィド,1’−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイトリンカーを使用した。mAbの結合の前に、TCEPを使用してジスルフィドリンカーを還元した(下記参照)。Cy5結合のために、6−(4−モノメトキシトリチルアミノ)ヘキシル−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)−ホスホロアミダイト(Glen Research)を使用して、オリゴリボヌクレオチドの5’末端にC−6アミノリンカーを装備した。5−エチルチオテトラゾール(ETT、アセトニトリル中500mM)を活性化溶液として使用した。結合時間は6分間であった。ホスホロチオアート結合を導入するために、無水アセトニトリル中の3−エトキシ−1,2,4−ジチアゾリン−5−オン(EDITH、Link Technologies、ラナークシャイア、スコットランドから入手)の100mM溶液を使用した。対応するNHSエステル(GE Healthcare、ミュンヘン、ドイツから入手)、及びC6アミノリンカーを有するオリゴリボヌクレオチドを使用して、Cy5蛍光色素を5’末端に付加した。
【0052】
支持体結合オリゴマーの切断及び脱保護
固相合成の終了後、乾燥固体支持体を15mLチューブに移し、メタノール中のメチルアミン(2M、Aldrich)を用いて45℃で180分間処理した。遠心分離の後、上清を新しい15mLチューブに移し、1200μL N−メチルピロリジン−2−オン(NMP、Fluka, Buchs、スイス)でCPGを洗浄した。洗浄は、メタノールメチルアミン溶液と組み合わせ、450μLトリエチルアミン三フッ化水素酸塩(TEA−3HF、Alfa Aesar、カールスルーエ、ドイツ)を加えた。この混合物を150分間65℃にした。室温まで冷却した後、0.75mL NMP及び1.5mLのエトキシトリメチルシラン(Fluka, Buchs、スイス)を加えた。10分後、沈殿したオリゴリボヌクレオチドを遠心分離によって回収し、上清を捨て、1mL緩衝液A(以下参照)中で固体を再構成した。
【0053】
オリゴリボヌクレオチドの精製
粗オリゴリボヌクレオチドを、AKTA Explorer system(GE Healthcare)上で、準備の22x 250 mm DNA Pac 100 column(Dionex、イドシュタイン、ドイツ)を使用した強陰イオン交換(SAX)HPLCによって精製した。緩衝液Aは、10mM NaClO4、1mM EDTA、10mMトリス(pH7.4)、6M尿素及び20%アセトニトリルからなった。緩衝液Bは、緩衝液A中の500mM NaClO4を有した。4.5mL/分の流速を使用した。260及び280nmにおけるUVトレースを記録した。55分間以内で20%Bから45%Bの勾配を使用した。適切な画分をプールし、3M NaOAc(pH=5.2)及び70%エタノールで沈殿させた。
【0054】
ラベルした粗オリゴマーを、AKTA Explorer system(GE Healthcare)上で、XTerra Prep MS C8 10x 50 mm column(Waters、エシュボルン、ドイツ)を使用するRP HPLCによって精製した。緩衝液Aは、100mM トリエチルアンモニウムアセテート(Biosolve、ヴァルケンスワールド、オランダ)であり、緩衝液Bは、緩衝液A中に50%アセトニトリルを含んでいた。5mL/分の流速を使用した。260、280及び643nm(Cy5の場合)におけるUVトレースを記録した。58カラム容量(CV)以内で5%Bから60%Bの勾配を採用した。適切な画分をプールし、3M NaOAc(pH=5.2)及び70%エタノールで沈殿させた。
【0055】
最後に、精製したオリゴマーを、Sephadex G-25(GE Healthcare)を含むカラム上で、サイズ排除クロマトグラフィーによって脱塩した。溶液の濃度は、UV光度計(Beckman Coulter、クレーフェルト、ドイツ)で260nmにおける吸光測定によって測定した。アニーリングまでは、個々の鎖を、冷凍溶液として−20℃にて保存した。
【0056】
siRNAを生成するためのオリゴリボヌクレオチドのアニーリング
等モルのRNA溶液を組み合わせることによって、相補鎖をアニーリングした。混合物を凍結乾燥し、適切な容量のアニーリング緩衝液(100mM NaCl、20mMリン酸ナトリウム、pH6.8)で再構成して、所望の濃度を得た。この溶液を、95℃の水浴に入れ、これを3時間以内に室温まで冷した。
【0057】
【表1】
小文字:2’OMeヌクレオチド;s:ホスホロチオエート結合;dT:デオキシチミジン;(C6SSC6):C−6ジスルフィドリンカー;(NHC6):C−6アミノリンカー;(Cy5):シアニン5色素
【0058】
抗体−siRNA複合体調製
抗体のマレイミド活性化:モノクローナル抗体TMEM27−8/9を、10倍モル過剰量のSMCC(スルホスクシンイミジル4−[Nマレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシラート)と反応させた後、脱塩によって過剰量(未反応)の試薬を除去した。
【0059】
siRNA活性化:単一デオキシチミジンに対するC6SSC6−リンカーを有するCy5ラベルしたsiRNAを、TCEP(トリス[2−カルボキシエチル]ホスフィン)で還元し、ジスルフィド結合を選択的に還元した。
【0060】
次いで、スルフヒドリル含有siRNAを加えて、モノクローナル抗体に既に付加しているマレイミド基と反応させた。次いで、siRNA上の未反応の遊離スルフヒドリルを、NEM(N−エチルマレイミド)を用いてブロッキングし、100kDカットオフ濃縮操作を使用したサイズ排除によって、最終生産物を精製した。
【0061】
最終的なラベリング比を、ナノドロップ(280nmにおけるIgG吸着、652nmにおけるCy5、消衰係数Cy5:250’000)で決定する。
【0062】
試料の調製
1日目:天然のネイティブINS−1E細胞又はINS−hTMEM27*F2細胞を、96ウェルプレートに50,000/ウェルで播種した。
【0063】
3日目:培地を、500ng/mlドキシサイクリン(Sigma-Aldrich)を含む培養培地又は非誘導性対照試料用の培養培地と交換した。
【0064】
4日目:I−緩衝液を調製し、37℃に加熱した(1x HBSS、20mMヘペス、0.1%BSA、3回蒸留水(pH7.0)で調製)。siRNA−Cy5に結合された抗体の溶液(TMEM抗体に関しては抗体あたり平均2.4分子のsiRNA−Cy5でラベルされた67nM抗体、mGluR7対照抗体複合体に関しては分子比2.2)、又はsiRNA−Cy5と混合された抗体の溶液(67nM抗体及び160nM siRNA−Cy5)のいずれかを調製し、37℃で5分間平衡化した。細胞培養培地を徐々に吸引し、60μl/ウェルの抗体溶液と交換し、37℃の温度で1時間インキュベーションした。
【0065】
細胞表面の免疫染色に関して、Alexa647ヤギ抗マウス二次抗体の1:400溶液を氷冷PBSで調製した。ウェルを90μl/ウェル氷冷PBSで3回洗浄した。プレートを氷浴に移し、60μl/ウェルの氷冷抗体溶液をウェルに加え、プレートを60分間インキュベーションした。ウェルを室温で90μl/ウェルPBSで3回洗浄した。次いで、100μl/ウェルの4%ホルムアルデヒドを加え、ウェルを室温で15分間インキュベーションした。溶液を2μg/ml CellMaskBlueを含む60μlPBS/ウェルと交換し、室温で20分間インキュベーションした。細胞を室温で90μl/ウェルPBSで1回洗浄した。PBS中の3μMヘキスト及び4%ホルムアルデヒドの溶液を加え、ウェルを室温で15分間インキュベーションした。細胞を室温でPBSで1回洗浄し、150μlPBS/ウェル中に置いた。
【0066】
細胞内レベルの免疫染色の定量
Evotec Technologies、ハンブルグ、ドイツのOpera QEHS HCS readerを使用して、抗体及びsiRNA−Cy5の細胞内局在性を定量した。この装置は倒立共焦点蛍光顕微鏡を備え、透明底マイクロタイタープレートで調製した試料から自動的に画像取得を行うように設定する。リーダーには、所定の種類の対象物の位置を識別する画像分析用のソフトウェア“Accapella”を組み込み、ここで画像分析法(スクリプト)が作成され得る。
【0067】
本実施例における定量に使用したスクリプトは、細胞表面領域上の及び細胞内細胞質領域に局在する免疫染色それぞれの強度を同定するように開発した。分析は、DNA特異的蛍光色素分子ならびに同種細胞染料CellMaskBlue、Alexa488及びsiRNAラベルCy5でラベルされた二次抗体で染色された試料の3つの並行取得した画像に基づいている。各画像から対象物を同定する。DNA染色及びCellMaskBlue染色に特異的な最初の画像に基づき、より明るいヘキスト染色から核の数、位置、大きさ及び形を、そしてCellMaskBlue染色から細胞質の輪郭を決定した。Alexa488二次抗体に選択的な二番目の画像から、細胞表面の免疫染色の面積を決定し、強度を定量した。三番目から、細胞の細胞質領域中のCy5染色の強度を同定し、蛍光強度を定量した。
【0068】
図8は、プロトコルに記載される通りの二次染色及び固定のために洗浄して氷に移す前の、siRNA−Cy5に結合した67nM一次抗体、又は67nM一次抗体及び160nM siRNA−Cy5の混合物と一緒に37℃でインキュベーションしたINS−hTMEM27*F2細胞の画像を示す。各列は、ウェルにおける同一視野の並行取得した画像を含む。パネルA〜Fは、ドキシサイクリンで誘導された細胞である。パネルG〜Iは、パネルA〜Cにおける試料として調製された試料の画像であるが、非誘導性細胞を使用するものは除く。パネルJ〜Lは、TMEM27抗体siRNA−Cy5複合体を、mGluR7レセプターを認識する抗体に結合したsiRNA−Cy5と交換した点を除いて、パネルA〜Cにおける試料として調製された試料の画像である。
【0069】
パネルA、D、G及びJは、CellMaskBlue及びヘキスト染色に選択的なフィルター設定で取得した画像を示す:レーザー405nm、ロングパス650フィルターによって反射され、ショートパス568フィルター及びバンドパス455/70フィルターを透過した発光。パネルB、E、H及びKは、Alexa488二次抗体を用いた細胞表面染色に選択的なフィルター設定で取得した画像を示す:レーザー488nm、LP650及びLP568によって反射され、BP535/60を透過した発光。パネルC、F及びIは、siRNAラベルCy5に選択的なフィルター設定で取得した画像を示す:レーザー635nm、LP650を通過し、BP690/50を透過した発光。画像の強度スケーリングは、同一のカメラで取得した画像と同様である。
【0070】
画像は、TMEM27抗体が、膜に埋め込まれたヒトTMEM27の認識を通じて、siRNAの細胞取り込みを仲介し得ることを明示している。
【0071】
図9は、定量した細胞表面二次抗体免疫染色及びCy5の細胞質領域強度を示す。試料を、ドキシサイクリン誘導性ヒトTMEM27発現(黒色のバー)及び非誘導性(白色のバー)細胞で調製し、異なる組み合わせのsiRNA及び抗体と一緒に1時間インキュベーションした。x軸の左から右に:siRNA−Cy5(抗体あたり平均2.4分子)に結合した67nM TMEM278/9一次抗体、67nM TMEM278/9一次抗体及び160nM siRNA−Cy5の混合物、siRNA−Cy5(抗体あたり平均2.2分子)に結合した67nM mGluR7一次抗体、そして最後に、プロトコルに記載される通りの二次染色及び固定のために洗浄して氷に移す前の、siRNA又は抗体なしで緩衝液と一緒に37℃で1時間インキュベーションした試料。
【0072】
パネル9a:細胞表面膜領域における二次抗体免疫染色の平均画素強度。パネル9b:Cy5の細胞質領域における平均画素強度。
【0073】
ここまで本発明の好ましい実施態様を示しかつ記載してきたが、本発明はこれに限定されず、以下の特許請求の範囲の範囲内で様々に具現かつ実施され得ることが明確に理解されよう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Tmem27ポリペプチドのエピトープを対象とする抗体。
【請求項2】
ヒトTmem27ポリペプチドを対象とする、請求項1記載の抗体。
【請求項3】
モノクローナル抗体である、請求項1又は2記載の抗体。
【請求項4】
Tmem27ポリペプチド、好ましくはヒトTmem27ポリペプチドを発現する全細胞を用いて、適切な動物を免疫することによって作製される、請求項1〜3記載の抗体。
【請求項5】
ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVHドメインのCDR3及びハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVLドメインのCDR3を含む、請求項1〜4記載の抗体。
【請求項6】
ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVHドメインのCDR1〜CDR3及びハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVLドメインのCDR1〜CDR3を含む、請求項1〜5記載の抗体。
【請求項7】
ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVHドメイン及びVLドメインを含む、請求項1〜6記載の抗体。
【請求項8】
2009年5月27日にDSMZ(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)に寄託され、寄託番号DSM ACC2995を与えられたハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9によって産生され得る、請求項1〜7記載の抗体。
【請求項9】
薬剤としての使用のための、請求項1〜8記載の抗体。
【請求項10】
TMEM27切断及びそのシグナルリング経路の調節に関与する疾患、好ましくは糖尿病の治療のための薬剤の製造のための、請求項1〜8記載の抗体の使用。
【請求項11】
糖尿病の治療における使用のための、請求項1〜8記載の抗体。
【請求項12】
動物の膵臓におけるβ細胞島及びβ細胞集団のin vivoイメージングのための、請求項1〜8記載の抗体の使用。
【請求項13】
請求項1〜8記載の抗体及び該抗体に共有結合した活性化合物を含む、複合体。
【請求項14】
活性化合物が、毒素又はsiRNA分子、好ましくはsiRNA分子である、請求項13記載の複合体。
【請求項15】
2009年5月27日にDSMZ(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)に寄託され、寄託番号DSM ACC2995を与えられた、ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9。
【請求項16】
ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVHドメインをコードする配列を含む、核酸分子。
【請求項17】
ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVLドメインをコードする配列を含む、核酸分子。
【請求項18】
2009年5月27日にDSMZ(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)に寄託され、寄託番号DSM ACC2995を与えられたハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9によって産生される抗体をコードする配列を含む、核酸分子。
【請求項19】
請求項16〜18記載の核酸配列を含む、ベクター。
【請求項20】
請求項19記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項21】
本明細書、特に上記実施例に関連して前述される、発明。
【請求項1】
Tmem27ポリペプチドのエピトープを対象とする抗体。
【請求項2】
ヒトTmem27ポリペプチドを対象とする、請求項1記載の抗体。
【請求項3】
モノクローナル抗体である、請求項1又は2記載の抗体。
【請求項4】
Tmem27ポリペプチド、好ましくはヒトTmem27ポリペプチドを発現する全細胞を用いて、適切な動物を免疫することによって作製される、請求項1〜3記載の抗体。
【請求項5】
ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVHドメインのCDR3及びハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVLドメインのCDR3を含む、請求項1〜4記載の抗体。
【請求項6】
ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVHドメインのCDR1〜CDR3及びハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVLドメインのCDR1〜CDR3を含む、請求項1〜5記載の抗体。
【請求項7】
ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVHドメイン及びVLドメインを含む、請求項1〜6記載の抗体。
【請求項8】
2009年5月27日にDSMZ(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)に寄託され、寄託番号DSM ACC2995を与えられたハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9によって産生され得る、請求項1〜7記載の抗体。
【請求項9】
薬剤としての使用のための、請求項1〜8記載の抗体。
【請求項10】
TMEM27切断及びそのシグナルリング経路の調節に関与する疾患、好ましくは糖尿病の治療のための薬剤の製造のための、請求項1〜8記載の抗体の使用。
【請求項11】
糖尿病の治療における使用のための、請求項1〜8記載の抗体。
【請求項12】
動物の膵臓におけるβ細胞島及びβ細胞集団のin vivoイメージングのための、請求項1〜8記載の抗体の使用。
【請求項13】
請求項1〜8記載の抗体及び該抗体に共有結合した活性化合物を含む、複合体。
【請求項14】
活性化合物が、毒素又はsiRNA分子、好ましくはsiRNA分子である、請求項13記載の複合体。
【請求項15】
2009年5月27日にDSMZ(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)に寄託され、寄託番号DSM ACC2995を与えられた、ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9。
【請求項16】
ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVHドメインをコードする配列を含む、核酸分子。
【請求項17】
ハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9(DSM ACC2995)から得られ得る抗体のVLドメインをコードする配列を含む、核酸分子。
【請求項18】
2009年5月27日にDSMZ(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)に寄託され、寄託番号DSM ACC2995を与えられたハイブリドーマ細胞株TMEM27−8/9によって産生される抗体をコードする配列を含む、核酸分子。
【請求項19】
請求項16〜18記載の核酸配列を含む、ベクター。
【請求項20】
請求項19記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項21】
本明細書、特に上記実施例に関連して前述される、発明。
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図4f】
【図4g】
【図4h】
【図4i】
【図4j】
【図4k】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図8I】
【図8J】
【図8K】
【図8L】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図9a】
【図9b】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図4f】
【図4g】
【図4h】
【図4i】
【図4j】
【図4k】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図8I】
【図8J】
【図8K】
【図8L】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図9a】
【図9b】
【公表番号】特表2013−501023(P2013−501023A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523296(P2012−523296)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061078
【国際公開番号】WO2011/015521
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061078
【国際公開番号】WO2011/015521
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
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