説明

γ−セクレターゼ阻害剤としてのスルファミド

【課題】痴呆の最も一般的な形であるアルツハイマー病(AD)の治療または予防に有用である、新規な非ペプチド化合物を提供する。
【解決手段】γ−セクレターゼによるアミロイド前駆体蛋白質(APP)のプロセッシングに対して阻害作用を発揮し、従って、アルツハイマー病の治療または予防に有用である新規スルファミド化合物を応用する。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式I:
【化1】

(式中、
AおよびBは、−(CXY)−;−(CXY)CY=CY(CXY)−;−(CXY)NR13(CXY)−;および下記:
【化2】

から独自に選択され;
Xは、ハロゲン、R、−OR、−SR、−S(O)10(この式中、tは、1または2である)、−OSO、−N(R、−COR、−CO、−OCOR10、−OCO10、−CON(R、−SON(R、−OSON(R、NRCOR10、−NRCO10もしくは−NRSO10を表し;
Yは、HもしくはC1〜6アルキルを表すか;または
XとYは、一緒に、=O、=S、=N−OR11もしくは=CHR11を表すが;但し、
AおよびBは、いずれも、−CH−以外の−CXY−部分を一つより多く含まないことを条件とし;
Zは、0〜3個は、窒素、酸素および硫黄から選択され、残りは炭素である原子5〜10個の芳香族環構造を完成しているか、またはZは、0〜3個は、酸素、窒素および硫黄から独自に選択され、残りは炭素である原子5〜10個の非芳香族環構造を完成しており;
は、0〜3個は、酸素、窒素および硫黄から独自に選択され、残りは炭素である原子5〜10個の非芳香族環構造を完成しており;
は、5または6員ヘテロアリール環を完成しており;
pは、1〜6の整数であり;
qおよびrは、独自に、0、1または2であり;
xおよびyは、独自に、0、1または2であるが;但し、
AおよびBの少なくとも一方は、AおよびBによって完成された環が少なくとも原子5個を含むように、原子2個以上の鎖を含むことを条件とし;
は、H、C1〜4アルキル、もしくはC2〜4アルケニルを表すか、またはRとR15が、一緒に、5、6または7員の環状スルファミドを完成していてもよく;
は、カルボン酸基またはアミノ基で場合によっては置換されている、H、C1〜6アルキル、C6〜10アリール、C6〜10アリールC1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルまたはC2〜6アシルを表し;
、RおよびRは、R、ハロゲン、CN、NO、−OR、−SR、−S(O)10(この式中、tは、1または2である)、−N(R、−COR、−CO、−OCOR10、−CH=N−OR11、−CON(R、−SON(R、−NRCOR10、−NRCO10、−NRSO10、−CH=CHCHN(R16、−CHOR10、−CHN(R16、−NHCOCHOR10または−NHCOCHN(R16を独自に表し;
は、HもしくはRを表すか;または2個のR基が、それらが互いに結合している窒素原子と一緒に、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンもしくはモルホリン環を完成していてもよく;
は、C1〜10アルキル、過フルオロC1〜6アルキル、C3〜10シクロアルキル、C3〜6シクロアルキルC1〜6アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、Arまたは−C1〜6アルキルArを表し;
は、HもしくはR10を表すか;または2個のR基が、それらが互いに結合している窒素原子と一緒に、R12、−COR12または−SO12により場合によっては置換されている、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンもしくはモルホリン環を完成していてもよく;
10は、C1〜10アルキル、過フルオロC1〜6アルキル、C3〜10シクロアルキル、C3〜6シクロアルキルC1〜6アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C6〜10アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C6〜10アリールC1〜6アルキル、ヘテロアリールC1〜6アルキル、ヘテロシクリルC1〜6アルキル、C6〜10アリールC2〜6アルケニル、またはヘテロアリールC2〜6アルケニルを表し、この場合、アルキル、シクロアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、ハロゲン、CF、NO、CN、−OR11、−SR11、−SO12、−COR11、−CO11、−CON(R11、−OCOR12、−N(R11および−NR11COR12から選択された置換基1個を場合によっては有し、ならびにアリール、ヘテロアリールおよび複素環基は、ハロゲン、NO、CN、R12、−OR11、−SR11、−SO12、−COR11、−CO11、−CON(R11、−OCOR12、−N(R11および−NR11COR12から独自に選択された置換基3個以下を場合によっては有し;
11は、HもしくはR12を表すか;または2個のR11基が、それらが互いに結合している窒素原子と一緒に、(前記窒素原子に加えて)0〜2個は、O、NおよびSから選択される原子3〜10個の複素環構造を完成していてもよく、前記環構造は、ハロゲン、CN、NO、オキソ、R12、OH、OR12、NH、NHR12、CHO、COH、COR12およびCO12から選択された置換基0〜2個を有し;
12は、C1〜6アルキル(ハロゲン、CN、OH、C1〜4アルコキシまたはC1〜4アルコキシカルボニルで場合によっては置換されている)、過フルオロC1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、Ar、−C1〜6アルキルAr、ArOC1〜6アルキルまたはC−ヘテロシクリル(ハロゲン、CN、C1〜6アルキル、OH、過フルオロC1〜6アルキル、C2〜6アシル、C1〜4アルコキシまたはC1〜4アルコキシカルボニルで場合によっては置換されている)を表し;
13は、R、−COR10、−CO10、−SO10、−CON(Rまたは−SON(Rを表し;
14は、H、C1〜10アルキル、過フルオロC1〜6アルキル、C3〜10シクロアルキル、C3〜6シクロアルキルC1〜6アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C6〜10アリール、ヘテロアリール、C6〜10アリールC1〜6アルキル、またはヘテロアリールC1〜6アルキルを表し、この場合、アルキル、シクロアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、ハロゲン、CN、NO、−OR、−SR、−S(O)(この式中、tは、1または2である)、−N(R、−COR、−CO、−OCOR、−CON(R、−NRCOR、−C1〜6アルキルNRCOR、−NRCOおよび−NRSOから選択された置換基1個を場合によっては有し、ならびにアリールおよびヘテロアリール基は、R、ハロゲン、CN、NO、−OR、−SR、−S(O)(この式中、tは、1または2である)、−N(R、−COR、−CO、−OCOR、−CON(R、−NRCOR、−C1〜6アルキルNRCOR、−NRCOおよび−NRSOから選択された置換基3個以下を場合によっては有し;
15は、HもしくはC1〜6アルキルを表すか;またはR15とRが、一緒に、5、6もしくは7員の環状スルファミドを完成しており;
各R16は、HもしくはR10を独自に表すか、または2個のR16基が、それらが互いに結合している窒素と一緒に、C、N、OおよびSから選択された環原子5〜10個の単環式もしくは二環式の複素環式環構造を完成しており、該環構造は独自にそれに縮合した付加的なアリールもしくはヘテロアリール環を有し、前記複素環構造および場合によっては縮合環は、ハロゲン、オキソ、NO、CN、R12、−OR11、−SR11、−SO12、−COR11、−CO11、−CON(R11、−OCOR12、−N(R11および−NR11COR12から独自に選択された置換基0〜3個を有し;
Arは、フェニルまたはヘテロアリールを表し、これらは、いずれも、ハロゲン、CF、NO、CN、OCF、C1〜6アルキルおよびC1〜6アルコキシから独自に選択された置換基3個以下を場合によっては有し、
「ヘテロシクリル」は、その出現のたびに、C、N、OおよびSから選択された環原子10個以下の環状または多環式構造を意味し、この場合、いずれの構成環も芳香族性ではなく、且つ、少なくとも一つの環原子は、C以外であり;ならびに
「ヘテロアリール」は、その出現のたびに、C、N、OおよびSから選択された環原子10個以下の環状または多環式構造を意味し、この場合、少なくとも1個の構成環は、芳香族性であり、且つ、少なくとも1個の環原子は、C以外である)
の化合物またはその医薬適合性の塩。
【請求項2】
AおよびBが、−CXY−、−CHCXY−、−CHCXYCH−、−CHCHCXYCH−、−CH=CH−、−CHCH=CHCXY−、−CHNR13CXY−、−CHCHNR13CXY−、−CHCXYNR13CH−、−CXYCHNR13CH−、−NR13CXY−、および下記:
【化3】

から独自に選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xが、H,メチル、ヒドロキシメチルおよびCOEtから選択され、Yが、HもしくはC1〜6アルキルであるか、またはXとYが一緒に、=O、=S,=N−OMe、=N−OEt、=N−OPh、=N−OCHPhもしくは=CHを表す、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
下記:
【化4】


(式中、wは、1または2である)
から選択される、前記請求項のいずれかに記載の化合物およびその医薬適合性の塩。
【請求項5】
下記:
【化5】

から選択される、請求項4に記載の化合物およびその医薬適合性の塩。
【請求項6】
がHである、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
下記式I(A):
【化6】

(式中、R1aは、H、C1〜4アルキルまたはC2〜4アルケニルを表し、R15aは、HまたはC1〜6アルキルを表す)
の請求項1に記載の化合物またはその医薬適合性の塩。
【請求項8】
下記式I(B):
【化7】

の請求項7に記載の化合物またはその医薬適合性の塩。
【請求項9】
下記:
【化8】

(式中、RおよびRは、下に示すとおりである:
【表1】



から選択される、請求項7に記載の化合物およびその医薬適合性の塩。
【請求項10】
下記式I(C):
【化9】

(式中、zは、1、2または3である)
の請求項1に記載の化合物またはその医薬適合性の塩。
【請求項11】
下記式I(D):
【化10】

(式中、
2aは、カルボン酸基またはアミノ基で場合によっては置換されている、HまたはC2〜6アシルである)
の請求項10に記載の化合物またはその医薬適合性の塩。
【請求項12】
下記:
【化11】

から選択される、請求項10に記載の化合物またはその医薬適合性の塩。
【請求項13】
が、Hであり、R14が、n−プロピルであり、およびRが、3−ピリジル、(ピリジン−3−イル)メトキシ、−COMe、2−(ピリジン−2−イル)エトキシ、3−(モルホリン−4−イル)プロピル、−CHOH、−CHO、−CH=CHCOMe、3−[(4−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−イル)チオ]プロプ−1−エニル、−CN、5−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−2−イル、5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、3−(ピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、3−ピラジニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、−CH=CHCHOHおよび5−(4−フルオロフェニル)ピラゾール−3−イルから選択されるか;または
が、Hであり、R14が、n−プロピルであり、およびRが、−CH=CHCHN(R16(この式中、−N(R16は、モルホリン−4−イル、4−トリフルオロメチルピペリジン−1−イル、4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル、4−カルバモイルピペリジン−1−イル、4−エトキシカルボニルピペリジン−1−イル、4−カルボキシピペリジン−1−イル、4−ヒドロキシピペリジン−1−イル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、5−アザ−2−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル、N−[(フラン−2−イル)メチル]アミノ、N,N−ビス(2−メトキシエチル)アミノ、N−(インダン−1−イル)アミノおよびN−[(ピリジン−2−イル)メチル]アミノから選択される)であるか;または
が、Hであり、R14が、n−プロピルであり、およびRが、−OCHCHN(R11(式中、−N(R11は、モルホリン−4−イルおよび2−オキソ−イミダゾリン−1−イルから選択される)であるか;または
が、Hであり、R14が、2,2,2−トリフルオロエチルであり、およびRが、−OH、−COMe、−CHOH,−CHO、−COH、−CH=CHCOMe、−CH=CHCOH、−CH=CHCHOH、−CH=N−OH、−CH=N−OEt、−CHCHCOMe、−CHCHCOH、(モルホリン−4−イル)メチル、2−(イミダゾール−1−イル)エトキシ、3−(4−トリフルオロメチルピペリジン−1−イル)プロピル、−CH=N−OCHPh、−CH=N−OCH(4−F−C)、−CH=N−OCH(4−CF−C)、3−ピラジニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、3−(ピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、−CH=N−OCH(2−F−C)、−CH=N−OCHCH=CH、−CH=N−OCH(3−F−C)および−CH=N−OCH(2,4−ジ−Cl−C)から選択されるか;または
が、Hであり、R14が、2,2,2−トリフルオロエチルであり、およびRが、−CH=CHCHN(R16(この式中、−N(R16は、モルホリン−4−イル、4−トリフルオロメチルピペリジン−1−イル、5−アザ−2−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル、4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル、4−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチルピペリジン−1−イル、4−メチルピペリジン−1−イル、3−オキソ−4−フェニルピペラジン−1−イル、3−オキソ−4−シクロヘキシルピペラジン−1−イル、3−オキソ−ピペラジン−1−イル、N−(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ、N−メチル−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ、N−(テトラヒドロピラン−4−イル)アミノ、N−メチル−N−(テトラヒドロピラン−4−イル)アミノ、N−(ジオキサニルメチル)アミノ、N−[(テトラヒドロピラン−2−イル)メチル]アミノ、3−ヒドロキシピペリジン−1−イル、5−アザ−2−オキサビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7,9,11−トリエン−5−イル、2−(フェノキシメチル)モルホリン−4−イル、N−[(4−フェニルモルホリン−2−イル)メチル]アミノ、3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル、N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノおよび3−(ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イルから選択される)であるか;または
が、Hであり、R14が、2,2,2−トリフルオロエチルであり、およびRが、−OCHCHN(R11(この式中、−N(R11は、モルホリン−1−イル、4−アセチルピペラジン−1−イル、N−(2−メトキシエチル)アミノ、N−[(チオフェン−2−イル)メチル]アミノ、N−[(ピリジン−3−イル)メチル]アミノ、N−(メトキシカルボニルメチル)アミノ、3−オキソ−4−フェニルピペラジン−1−イルおよび4−トリフルオロメチルピペリジン−1−イルから選択される)である、請求項12の実施態様(A)に記載の化合物。
【請求項14】
前記請求項のいずれかに記載の化合物一つ以上および医薬適合性の担体を含む医薬組成物。
【請求項15】
人体の治療法に使用するための請求項1から13のいずれかに記載の化合物。
【請求項16】
アルツハイマー病を治療または予防するための医薬品の製造における請求項1〜13のいずれかに記載の化合物の使用。

【公開番号】特開2006−241163(P2006−241163A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−78136(P2006−78136)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【分割の表示】特願2002−539315(P2002−539315)の分割
【原出願日】平成13年10月29日(2001.10.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(390035482)メルク シャープ エンド ドーム リミテッド (81)
【Fターム(参考)】