説明

γセクレターゼのN−環式スルホンアミド阻害剤

本発明は、アルツハイマー病などの意識障害の治療若しくは予防において使用するためのN−環式スルホンアミド化合物を提供する。特に重要な化合物は、式(I)により定義され、R、R、R、R及びRは、本明細書中に記載されている通りである。本発明は、式(I)の化合物を含む薬剤組成物及び式(I)の化合物を使用してアルツハイマー病を含めての意識障害を治療する方法をも包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2004年5月20日出願の、その全体の参照により本明細書に組み込まれる米国特許仮出願第60/572,862号に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明は、γセクレターゼ及びβ−アミロイドペプチドの放出及び/又は合成を阻害するN−環式スルホンアミド化合物に関する。したがって、このN−環式スルホンアミド化合物は、意識障害感受性患者の意識障害の予防において且つ/又はその病状のさらなる悪化を阻害するための意識障害患者の治療において有用である。
【背景技術】
【0003】
アルツハイマー病(AD)は、徐々に深刻な精神痴呆をもたらし、究極には死にいたる、記憶、意識、推理、判断及び情緒安定性の進行性喪失を臨床的な特徴とする退行性脳障害である。ADは、老人における進行性精神不全(認知症)の非常に普通の原因であり、合衆国において第4番目の最も通常の医学的死因であると考えられている。ADは、世界の民族及び少数グループにおいて見られ、現在及び将来の主要な公衆健康問題である。この疾患は、現在、合衆国単独で約2〜300万個体が罹患していると推定されている。ADは、現在では治療不可能である。ADを有効に予防又はその徴候及び過程を逆行させるいかなる治療法も、現在知られていない。
【0004】
ADを有する個体の脳は、老人性(又はアミロイド)斑、アミロイド性血管障害(血管中のアミロイド沈着)及び神経原線維変化と呼ばれる特徴的な病変を示す。ADを有する患者では、多数のこれらの病変、特にアミロイド斑、神経原線維変化が、記憶及び意識機能にとって重要なヒトの脳の数領域で一般に見られる。より限定された解剖学的な分布においてのより少ない数のこれらの病変も、臨床的なADがない大抵の老人の脳で見られる。アミロイド斑及びアミロイド性血管障害も第21番染色体トリソミー(ダウン症候群)及びオランダ型アミロイド症を伴う遺伝性脳溢血(HCHWA−D)を有する個体の脳を特徴付ける。現在では、ADの明確な診断には、通常、本疾患により死亡した患者の脳組織又は稀には観血脳外科手術中に採取された脳組織の小さい生検試料中に前述の病変が観察されることが必要である。
【0005】
上述のAD及び他の障害に特徴的なアミロイド斑及び血管アミロイド沈着(アミロイド性血管障害)の主化学成分は、β−アミロイドペプチド(βAP)又は場合によりAβ、AβP若しくはβ/A4と呼ばれる約39〜43個のアミノ酸からなる約4.2キロダルトン(kD)タンパク質である。β−アミロイドペプチドは、GleanerらのBiochem.Biophys.Res.Commun.、120巻、頁885〜890、1984年により初めて純粋なものが得られ、部分アミノ酸配列が提供された。単離手順及び最初の28個のアミノ酸の配列データは、米国特許第4,666,829号に記載されている。
【0006】
分子生物学的及びタンパク質化学分析により、β−アミロイドペプチドは、ヒトを含めての様々な動物の多数の組織中の細胞で通常産生されるアミロイド前駆体タンパク質(APP)と呼ばれるはるかに大きい前駆体タンパク質の小断片であることが分かった。APPをコードする遺伝子の構造を知ることにより、β−アミロイドタンパク質は、プロテアーゼ酵素によりAPPから開裂されるペプチド断片として生じることが実際に示された。総称的にβ−及びγ−セクレターゼと呼ばれる酵素による前駆体タンパク質の順次プロセッシングにより、β−アミロイドペプチド断片が生じる。両方の酵素は、現在、分子的にクローニングされており、様々なレベルにまで特徴付けられている。
【0007】
いくつかの系統からの証拠により、β−アミロイドペプチドの進行性大脳沈着がADの発病の重要な役割を果たし、年毎若しくは10年毎の意識徴候に先行する場合があることが示されている。例えば、SelkoeのNeuron、6巻、頁487〜498、1991年を参照されたい。最も重要な系統の証拠は、APPの770個アミノ酸アイソフォームの717位アミノ酸でのミスセンスDNA変異を、遺伝的に決定される(家族性)形態のADに罹患したいくつかの家族の構成員内には見出すことができるが、罹患していない構成員内には見出すことができないという発見である(Goateら、Nature、349巻、頁704〜706、1990年;Chartier Harlanら、Nature、353巻、頁844〜846、1989年;及びMurrellら、Science、254巻、頁97〜99、1991年)。スウェーデン変異体として知られている別のこうした変異は、リシン595−メチオニン596をアスパラギン595−ロイシン596に変化させる二重変異からなり(スウェーデンの家族で695アイソフォームが見出されたことを参照して)、1992年に報告された(Mullahら、Nature Genet.、1巻、頁345〜347、1992年)。遺伝子連鎖分析により、これらの変異及びAPP遺伝子でのある種の他の変異は、そうした家族の罹患構成員におけるADの特有な分子的原因であることが実際に示された。加えて、APPの770個アミノ酸アイソフォームの693位アミノ酸での変異が、β−アミロイドペプチド沈着疾患、HCHWA−Dの原因であると認定され、692位アミノ酸でのアラニンからグリシンへの変化が、或る患者ではADに類似するが、他の患者ではHCHWA−Dに類似する表現型を引き起こすと思われる。ADの遺伝に基づく症例におけるこれらの発見及びAPPでの他の変異は、APP代謝の変化、及び引き続いてのそのβ−アミロイドペプチド断片の沈着が、ADを引き起こすことができることを証明している。
【0008】
AD及び他のβ−アミロイドペプチド関連疾患の根本的な機構を理解する上で為されてきた進歩にも拘わらず、この疾患を治療するための方法及び組成物を開発する必要性が残っている。理想的には、その治療方法は、in vivoでのβ−アミロイドペプチドの放出及び/又はその合成を阻害できる薬物に基づくことが有利である。
【0009】
in vivoでのアミロイドペプチドの合成の阻害に向けての一手法は、長さ40又は42残基のβ−アミロイドペプチド断片の生成をもたらすカルボキシ末端開裂の原因酵素であるγセクレターゼを阻害することによるものである。γセクレターゼに対する直接の基質は、APPのβ−開裂及びα−開裂カルボキシ末端断片(CTF)である。β−及びα−CTF断片上のγ−セクレターゼ開裂部位は、APPの予測された膜貫通ドメイン内に生ずる。γ−セクレターゼの阻害剤は、トランスジェニックマウスモデルにおけるアミロイド病理に有効であることが実際に示された(Dovey,H.F.、V.John、J.P.Anderson、L.Z.Chen、P.de Saint Andrieu、L.Y.Fang、S.B.Freedman、B.Folmer、E.Goldbach、E.J.Holsztynskaら(2001年)、「機能性γ−セクレターゼ阻害剤は脳中のβ−アミロイドペプチドレベルを低減させる(Functional gamma−secretase inhibitors reduce beta−amyloid peptide levels in brain)」、J Neurochem、76巻(1)、頁173〜81)。
【0010】
γセクレターゼは、プレセニリン(PS1又はPS2)、ニカストリン、Aph−1及びPen2からなる複数サブユニットの複合体であることが知られている(De Strooper,B.(2003年)、「Aph−1、Pen−2、及びプレセニリンを含むニカストリンは、活性γ−セクレターゼ複合体を生成する(Aph−l,Pen−2,and Nicastrin with Presenilin generate an active gamma−Secretase complex)」、Neuron、38巻(1)、頁9〜12;Edbauer,D.、E.Winkler、J.T.Regula、B.Pesold、H.Steiner及びC.Haass(2003年)、「γ−セクレターゼ活性の再形成(Reconstitution ofgamma−secretase activity)」Nat Cell Biol 5巻(5)、頁486〜8;Kimberly,W.T.、M.J.LaVoie、B.L.Ostaszewski、W.Ye、M.S.Wolfe及びD.J.Selkoe(2003年)、「γ−セクレターゼは、プレセニリン、ニカストリン、Aph−1及びPen−2からなる膜タンパク質複合体である(Gamma−secretase is a membrane protein complex comprised of presenilin,nicastrin,Aph−1,and Pen−2)」、Proc Natl Acad Sci USA、100巻(11)、頁6382〜7)。多数の証拠により、PSは、この複合体の触媒部分を含むが、他の同定されたサブユニットも、この活性な酵素複合体の適切な成熱及び細胞下局在化のために必要である(De Strooper,B.(2003年)、「Aph−1、Pen−2、及びプレセニリンを含むニカストリンは、有効なγ−セクレターゼ複合体を発生させる(Aph−l,Pen−2,and Nicastrin with Presenilin generate an active gamma−Secretase complex)」、Neuron、38巻(1)、頁9〜12の総説がある)。この仮説に一致して:PSノックアウトマウスは、β−アミロイド産生の有意な減少を示す(De Strooper,B.、P.Saftig、K.Craessaerts、H.Vanderstichele、G.Guhde、W.Annaert、K.Von Figura及びF.Van Leuven(1998年)、「プレセニリン−1の欠乏により、アミロイド前駆体タンパク質の正常な開裂が阻害される(Deficiency of presenilin−1 inhibits the normal cleavage of amyloid precursor protein)」、Nature、391巻(6665)、頁387〜90;Haass,C.及びD.J.Selkoe(1998年)、「アルツハイマー病。アミロイド−βペプチドの技術的KO(Alzheimer’s disease.A technical KO of amyloid−beta peptide)」、Nature、391巻(6665)、頁339〜40;Herrman,A.、L.Semeels、W.Annaert、D.Collen、L.Schoonjans及びB.De Strooper(2000年)、「プレセニリン欠損胚幹細胞におけるγ−セクレターゼ活性の総不活性化(Total inactivation of gamma−secretase activity in presenilin−deficient embryonic stem cells)」、Nat Cell Biol、2巻(7)、頁461〜2)。;PS膜貫通ドメイン中の推定活性部位アスパラギン酸エステル残基の点変異により、細胞内でのβ−アミロイド産生がドミナントネガティブに阻害される(Wolfe,M.S.、W.Xia、B.L.Ostaszewski、T.S.Diehl、W.T.Kimberly及びD.J.Selkoe(1999年)、「プレセニリン細胞内タンパク質分解及びγ−セクレターゼ活性に必要とされるプレセニリン−1中の2種の膜貫通アスパラギン酸エステル(Two transmembrane aspartates in presenilin−l required for presenilin endoproteolysis and gamma−secretase activity)」、Nature、398巻(6727)、頁513〜7;Kimberly,W.T.、W.Xia、T.Rahmati、M.S.Wolfe及びD.J.Selkoe(2000年)、「プレセニリン−1及び2中の膜貫通アスパラギン酸エステルは、γ−セクレターゼ活性及びアミロイドβ−タンパク質生成に絶対的なものである(The transmembrane aspartates in presenilin 1 and 2 are obligatory for gammaasecretase activity and amyloid beta−protein generation)」、J Biol Chem、275巻(5)、頁3173〜8)。;PSに直接結合しているγ−セクレターゼを阻害するように設計された活性部位特異的基質ベースの遷移状態同配体(Esler,W.P.、W.T.Kimberly、B.L.Ostaszewski、T.S.Diehl、C.L.Moore、J.Y.Tsai、T.Rahmati、W.Xia、D.J.Selkoe及びM.S.Wolfe(2000年)、「γ−セクレターゼの遷移状態類似体阻害剤は、直接プレセニリン−1に結合する(Transition−state analogue inhibitors of gamma−secretase bind directly to presenilin−1)」、Nat Cell Biol、2巻(7)、頁428〜34;Li,Y.M.、M.Xu、M.T.Lai、Q.Huang、J.L.Castro、J.DiMuzio−Mower、T.Harrison、C.Lellis、A.Nadin、J.G.Neduvelilら(2000年)、「活性部位に向けて送り込まれる光励起γ−セクレターゼ阻害剤は、共有結合的にプレセニリン−1を標識する(Photoactivated gamma secretase inhibitors directed to the active site covalently label presenilin 1)」、Nature 405巻(6787)、頁689〜94)。;最後に、アロステリックγセクレターゼ阻害剤は、同様にPSに直接結合することが実際に示された(Seiffert,D.、J.D.Bradley、C.M.Rominger、D.H.Rominger、F.Yang、J.E.Meredith,Jr.、Q.Wang、A.H.Roach、L.A.Thompson、S.M.Spitzら(2000年)、「プレセリニン−1及び−2は、γ−セクレターゼ阻害剤用の分子標的である(Presenilin−l and −2 are molecular targets for gammasecretase inhibitors)」、J Biol Chem、275巻(44)、頁34086〜91)。
【0011】
現在の証拠により、β−アミロイド合成の元となるAPPプロセッシングに加えて、γ−セクレターゼは、他のI型膜貫通タンパク質の膜内切断をも仲介する(Fortin,M.(2002年)、「細胞−表面−受容体シグナル伝達におけるγ−セクレターゼ仲介タンパク質分解(Gamma−secretase−mediated proteolysis in cell−surface−receptor signaling)」、Nat Rev Mol Cell Biol、3巻(9)、頁673〜84の総説がある。Struhl,G.及びA.Adachi(2000年)、「ノッチ及び他の膜貫通タンパク質のプレセリニン依存性開裂のための要件(Requirements for presenilin−dependent cleavage of notch and other trausmembrane proteins)」、Mol Cell、6巻(3)、頁625〜36をも参照されたい)。γ−セクレターゼの周知の基質の中でも、哺乳動物Notch1に注目すべきである。Notch1タンパク質は、発育中の細胞運命の決定及び成人の組織ホメオスタシスにとって重要である。Notch外ドメインを介してのリガンドエンゲージメントで、Notchは、APPに類似した逐次的な細胞外及び膜内プロセッシングを受ける。γセクレターゼ仲介のNotchのイントラメンブランプロセッシングは、Notch細胞内ドメイン(NICD)の放出をもたらす。このNICD断片は、トランスロケーションを介しての核へのNotchシグナル伝達を仲介し、発育中及び成人における多数の組織の細胞分化を仲介する遺伝子発現を制御する。
【0012】
遺伝子ノックアウト(KO)を介してのNotchシグナル伝達の中断は、マウスにおける胚致死表現型をもたらす(Swiatek,P.J.、C.E.Lindsell、F.F.del Arno、G.Weinmaster及びT.Gridley(1994年)、「Notch1は、マウスにおける移植後の発育にとって必須である(Notch1 is essential for postimplantation development in mice)」、Genes Dev、8巻(6)、頁707〜19;Conlon,R.A.、A.G.Reaume及びJ.Rossant(1995年)、「Notch1は、体節の協調分節にとって必要である(Notch1 is required for the coordinate segmentation of somites)」、Development、121巻(5)、頁1533〜45)。NotchKO表現型は、PS1 KOマウスで観察される表現型に非常に類似しており、PS1/PS2二重KOマウスにより厳密に再産生される(De Strooperら(1998年)、「プレセリニン−1の欠乏により、アミロイド前駆体タンパク質の正常な開裂が阻害される(Deficiency of presenilin−1 inhibits the normal cleavage of amyloid precursor protein)」、Nature、391巻(6665)、頁387〜90;Donoviel,D.B.、A.K.Hadjantonakis、M.Ikeda、H.Zheng、P.S.Hyslop及びA.Bernstein(1999年)、「両方のプレセリニン遺伝子のないマウスは、早期の胚パターニング欠陥を示す(Mice lacking both presenilin genes exhibit early embryonic patterning defects)」Genes Dev 13巻(21)、頁2801〜10;Herreman,A.、L.Semeels、W.Annaert、D.Collen、L.Schoonjans及びB.De Strooper(2000年)、「プレセニリン欠乏胚幹細胞におけるγ−セクレターゼ活性の総不活性化(Total inactivation of gamma−secretase activity in presenilin−deficient embryonic stem cells)」、Nat Cell Biol 2巻(7)、頁461〜2)。基質(Notch)又は酵素(PS)いずれかのノックアウトマウスで観察される表現型のこうした近似現象は、Notch機能をも阻害するγセクレターゼ阻害剤が、成人組織中のNotch機能が重要であるために、治療薬剤としては限定的である場合があることを示唆する(Fortini,M.E.(2002年)「細胞−表面−受容体シグナル伝達におけるγセクレターゼ仲介タンパク質分解(Gammasecretase−mediated proteolysis in cell−surface−receptor signaling)」、Nat Rev Mol Cell Biol、3巻(9)、頁673〜84)。APPノックアウトマウスは、正常に且つ顕性表現型もなしに発育するので、したがって、Zheng,H.、M.Jiang、M.E.Tnunbauer、R.Hopkins、D.J.Sirinathsinghji、K.A.Stevens、M.W.Conner、H.H.Slant、S.S.Sisodia、H.Y.Chenら(1996年)、「アミロイド前駆体タンパク質遺伝子が欠如したマウス(Mice deficient for the amyloid precursor protein gene)」、Ann NY Acad Sci、777巻、頁421〜6;Zheng,H.、M.Jiang、M.E.Trumbauer、D.J.Sirinathsinghji、R.Hopkins、D.W.Smith、R.P.Heavens、G.R.Dawson、S.Boyce、M.W.Connerら(1995年)、「β−アミロイド前駆体タンパク質欠損マウスは、反応性グリオーシス及び運動活性の減少を示す(beta−Amyloid precursor protein−deficient mice show reactive gliosis and decreased locomotor activity)」、Cell、81巻(4)、頁525〜31などの蓄積された証拠は、好ましいγセクレターゼ阻害剤が、NotchのγセクレターゼプロセッシングではなくてAPPのγセクレターゼプロセッシングを阻害する選択性を有することを示唆する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
広い態様では、本発明は、式Iの化合物:
【化1】


又は薬剤として許容されるその塩を提供する
[上記式中、
環Aは、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリニル、1,2−ジヒドロキノリニル、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−α]ピリミジニル、1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−4−オニル、1,4,7−トリオキサ−10−アザシクロドデカニル、1,4−ジアゼパニル、1H−ナフト[1,2−d]イミダゾリル、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジニル、アゼパニル、デカヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、インドリニル、オクタヒドロ−1H−インドリル、3−アザビシクロ[3.2.2]ノナニル、1H−ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、スピロ[インデン−1,4’−ピペリジニル]、5H−ジベンゾ[b,f]アゼピニル、2−ヒドロキシメチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカニル、10H−フェノチアジニル、1,2,4,5−テトラヒドロスピロ[2−ベンゾアゼピン−3,1’−シクロヘキサニル]、2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリニル及び10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピニルから選択され、上記の基はそれぞれ、独立にOH、H、CN、オキソ、ハロ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、−C(O)NR10、−C(O)N(R)−C〜Cアルキル−R26、−S−C〜Cアルキル、−C(O)R28、C〜Cアルケニル、−C(O)R26、−C(O)R27、C〜Cアルキル−C(O)NR10、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜Cアルキル−NRC(O)OR11、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、−CF、−OCF又はNOである1、2、3若しくは4個の基により任意選択で置換されている;或いは、
環Aは、次式
【化2】


を有する基である
(上記式中、
Wは、CR又は窒素である;
Xは、硫黄、SO、SO又は酸素である;
Yは、硫黄、SO、SO、酸素又はNRである;
mは、1又は2である;
nは、0又は1から8までの整数である;
各出現におけるRは、独立にOH、H、CN、オキソ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、−C(O)R11、C〜Cアルケニル、−C(O)R28、−C(O)R26、−C(O)R27、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28、C〜Cアルキル−C(O)NR10、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜Cアルキル−NRC(O)OR11、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28であり、上記それぞれのアルキル部分は、独立にC〜Cアルキル、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−R26、ハロ、OH、オキソ、CF、−OCF、NO、NHモノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4、5若しくは6個の基により任意選択で置換されている;
及びRは、独立にH、オキソ、−C(O)OR11、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニル、−C(O)R28、−C(O)R26、−C(O)R27、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜Cアルキル−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28であり、アルキル基は、独立にC〜Cアルキル、OH、C〜Cアルコキシ、ハロ、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4、5若しくは6個の基により任意選択で置換されている;
、R、R及びRは、独立にH、OH、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルコキシ又はC〜Cアルキルであり、アルコキシ及びアルキル基は、独立にハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OH、オキソ、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3若しくは4個の基により任意選択で置換されている;
は、クロロ、フルオロ、ヨード、NO、CF、OCF又はCNである;
及びR10は、独立にH、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル又はC〜Cアルキル−R26、C〜Cアルケニル、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28である;或いは
及びR10は、それらが結合している窒素と一緒にピロリジニル、モルホリノ又はピペリジニルを形成する;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28又はC〜Cアルキル−R26である;
12及びR13は、独立にOH、H、CN、NH、−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである;
14は、H、C〜Cアルキル又はオキソである;
15は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−O−(ヒドロキシ−C〜Cアルキル)、C〜Cアルケニル、−C(O)R28、−C(O)R26、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R28、−CO−N(R、−C(O)R27、C〜Cアルキル−C(O)R28、−C(O)OR11、C〜Cアルキル−R26又はC〜Cアルキル−R27であり、アルキル基は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4、5若しくは6個の基により任意選択で置換されている;
16及びR17は、独立にOH、H、CN、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルケニル、−C(O)−R28、−C(O)R26、−C(O)R27、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである;
18は、C〜Cアルキル又はオキソである;
19及びR20は、独立にOH、H、CN、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルケニル、−C(O)R26、−C(O)R27、−C(O)R28、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜C−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28であり、アルキル基は、独立にC〜Cアルキル、OH、C〜Cアルコキシ、ハロ、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3若しくは4個の基により任意選択で置換されている;
21及びR22は、独立にH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−C〜Cアルコキシ、−C(O)OR11、−C(O)NR10、ヒドロキシC〜Cアルキル、C〜Cアルキル−R28、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−NR26又は−C(O)−O−C〜Cアルキル−R26である;
23は、OH、CN、オキソ、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−NR26、C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、−C(O)R11、−C(O)R27、−C(O)R28、−C(O)NR10、−C(O)OR11、C〜Cアルキル−NRC(O)OR11、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28である;
24は、H又はC〜Cアルキルである;
25は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−NR26、−C(O)O−C〜Cアルキル−R26、又はC〜Cアルキル−R28又はC〜Cアルキル−R26であり、アルキルは、C〜Cアルキル−R26又はOHにより任意選択で置換されている;
各出現におけるR29は、独立にOH、H、CN、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニル、−C(O)R26、−C(O)R27、−C(O)−R28、C〜Cアルケニル−R27、C〜C6アルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、−C(O)R11、C〜Cアルキル−C(O)NR10、−C(O)OR11、C〜Cアルキル−NRC(O)OR11、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28であり、上記それぞれのアルキル部分は、独立にC〜Cアルキル、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−R26、ハロ、OH、オキソ、CF、−OCF、NO、NH、CN、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノである1、2、3、4、5若しくは6個の基により任意選択で置換されている;
30は、OH、H、オキソ、CN、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−C(O)−R28、−C(O)R26、−C(O)R27、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜Cアルキル−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28であり、アルキル基は、独立にC〜Cアルキル、OH、C〜Cアルコキシ、ハロ、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3若しくは4個の基により任意選択で置換されている;
26は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、−C(O)N(R、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4若しくは5個の基により任意選択で置換されているフェニルである;
27は、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル、フラニル、ジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−1−イル又はベンゾイミダゾリルであり、それぞれが、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、−C(O)N(R、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4、5若しくは6個の基により任意選択で置換されている;並びに
28は、ピロリジニル、モルホリノ又はピペリジニルであり、それぞれが、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、−C(O)N(R、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4若しくは5個の基により任意選択で置換されている。)。]。
【0014】
式Iの化合物は、β−アミロイドペプチドの放出及び/又は合成を阻害し、したがってAD感受性患者のアルツハイマー病(AD)の予防において且つ/又はその病状のさらなる悪化を阻害するためのAD患者の治療において有用である。本発明は、式Iの化合物を含む薬剤組成物をも包含し、アルツハイマー病を含めての意識疾患の治療においてかかる化合物又は組成物を使用する方法をも包含する。
【0015】
本発明は、アルツハイマー病(AD)の発病の予防又は遅発を助けるための、軽度認知障害(MCI)を有する患者を治療し且つMCIからADに進行する患者におけるアルツハイマー病(AD)の発病を予防又は遅発させるための、ダウン症候群を治療するための、オランダ型アミロイド症を伴う遺伝性脳溢血を有するヒトを治療するための、脳アミロイド血管症を治療し且つその潜在症、すなわち単発性及び再発性大葉性出血を予防するための、血管性及び退行性混合起源の認知症、パーキンソン病に伴う認知症、進行性核上性麻痺に伴う認知症、皮質性基底変性に伴う認知症、老人性黄斑変性症又はびまん性レビー小体病型アルツハイマー病を含めての他の退行性認知症を治療するための、アルツハイマー病からなる群から選択される疾患又は病状を有する患者を治療する、或いは患者がそれら疾患又は病態に罹患することを予防する方法、並びに治療に有効な量の式Iの化合物を投与するステップを含むかかる治療を必要とする患者を治療する方法も提供する。
【0016】
他の態様では、本発明は、主題の化合物、及び主題の化合物を調製するのに有用な中間体を調製する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
実施形態1では、本発明は、式Iによる化合物を提供する。
【0018】
実施形態2では、本発明は、次の構造
【化3】


を有する式Iの化合物又は薬剤として許容されるその塩を提供する
[上記式中、
zは、0、1又は2である;
nは、0、1又は2である;
各出現におけるRは、独立にOH、H、CN、オキソ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−C(O)R28、−C(O)R26、−C(O)R27、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R28、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27、−C(O)R11、C〜Cアルキル−C(O)NR10、−C(O)OR11又はC〜Cアルキル−NRC(O)OR11であり、アルキル部分はそれぞれ、独立にOH又はフェニルである1若しくは2個の基により任意選択で置換されている;
及びRは、独立にH、C〜Cアルキル−C(O)NR10、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜Cアルケニル、−C(O)R28、−C(O)R26、−C(O)R27、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28又はC〜Cアルキルであり、アルキル基は、OHにより任意選択で置換されている;
、R、R及びRは、独立にH又はフルオロである;
及びR10は、独立にH、C〜Cアルケニル、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R28又はC〜Cアルキルである;
11は、H、C〜Cアルケニル、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R28又はC〜Cアルキルである;
26は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、−C(O)N(R、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4若しくは5個の基により任意選択で置換されているフェニルである;
27は、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル、フラニル、ジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−1−イル又はベンゾイミダゾリルであり、それぞれが、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、−C(O)N(R、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4、5若しくは6個の基により任意選択で置換されている;並びに
28は、ピロリジニル、モルホリノ又はピペリジニルであり、それぞれが、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、−C(O)N(R、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4若しくは5個の基により任意選択で置換されている。]。
【0019】
実施形態2Aでは、本発明は、次の構造
【化4】


を有する式Iの化合物又は薬剤として許容されるその塩を提供する
[上記式中、
zは、0、1又は2である;
各出現におけるRは、独立にOH、H、CN、オキソ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−C(O)R28、−C(O)R26、−C(O)R27、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R28、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27、−C(O)R11、C〜Cアルキル−C(O)NR10、−C(O)OR11又はC〜Cアルキル−NRC(O)OR11であり、アルキル部分はそれぞれ、独立にOH又はフェニルである1若しくは2個の基により任意選択で置換されている;
及びRは、独立にH、C〜Cアルキル−C(O)NR10、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜Cアルケニル、−C(O)R28、−C(O)R26、−C(O)R27、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28又はC〜Cアルキルであり、アルキル基は、OHにより任意選択で置換されている;
、R、R及びRは、独立にH又はフルオロである;
及びR10は、独立にH、C〜Cアルケニル、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R28又はC〜Cアルキルである;
11は、H、C〜Cアルケニル、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R28又はC〜Cアルキルである;
26は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、−C(O)N(R、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4若しくは5個の基により任意選択で置換されているフェニルである;
27は、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル、フラニル、ジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−1−イル又はベンゾイミダゾリルであり、それぞれが、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、−C(O)N(R、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4、5若しくは6個の基により任意選択で置換されている;並びに
28は、ピロリジニル、モルホリノ又はピペリジニルであり、それぞれが、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、−C(O)N(R、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4若しくは5個の基により任意選択で置換されている。]。
【0020】
実施形態3では、本発明は、R、R、R、R及びRの少なくとも1個が、Hであり、R及びRが、独立にH、R27又は(OHにより任意選択で置換されている)C〜Cアルキルである、実施形態2又は2Aいずれかに記載の化合物を提供する。一態様では、R、R、R、R及びRは、Hである。他の態様では、Rは、Hであり、Rは、H、R27又は(OHにより任意選択で置換されている)C〜Cアルキルである。さらなる他の態様では、Rは、C〜Cアルキルであり、C〜C−アルキルが、メチル又はエチルである。
【0021】
実施形態4では、本発明は、Rが、OHにより置換されているC〜Cアルキルである、実施形態3に記載の化合物を提供する。一態様では、Rは、ヒドロキシメチルである。
【0022】
実施形態5では、本発明は、Rが、R27である、実施形態3に記載の化合物を提供する。一態様では、R27は、ピリジニル、1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−1−イル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル、フラニル又はベンゾイミダゾリルである。好ましくは、Rは、ピリジニル、キノリニル、ピリミジニル又はフラニルである。より好ましくは、Rは、ピリジニルである。
【0023】
実施形態6では、本発明は、R及びRが、独立にC〜Cアルキルである実施形態3に記載の化合物を提供する。一態様では、R及びRは、独立に、C〜Cアルキルである。他の態様では、R及びRは、メチルである。さらなる他の態様では、メチル基の1個が結合している炭素原子は、R−立体配置にある。さらなる他の態様では、他のメチル基の1個が結合している炭素原子は、S−立体配置にある。
【0024】
実施形態7では、本発明は、R及びRが、Hである、実施形態3に記載の化合物を提供する。
【0025】
実施形態8では、本発明は、R、R、R、R、R及びRの少なくとも1個が、Hであり、nが、1又は2であり、Rが、独立にOH、ハロ又は(OHにより任意選択で置換されている)C〜Cアルキルである、実施形態2又は2Aに記載の化合物を提供する。
【0026】
実施形態9では、本発明は、R、R、R、R、R及びRが、Hである、実施形態8に記載の化合物を提供する。
【0027】
実施形態10では、本発明は、Rが、任意選択でOHにより置換されている、実施形態9に記載の化合物を提供する。
【0028】
実施形態11では、本発明は、nが、1又は2であり、Rが、それぞれ独立にメチル又はプロピルである、実施形態10に記載の化合物を提供する。他の態様では、Rは、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化5】

【0029】
実施形態11aでは、本発明は、R、Rが、独立にH又はC〜Cアルキルであり、zが、2である、実施形態3に記載の化合物を提供する。
【0030】
実施形態12では、本発明は、Rが、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルである、実施形態10に記載の化合物を提供する。一態様では、Rは、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化6】

【0031】
実施形態13では、本発明は、Rが、ハロである、実施形態9に記載の化合物を提供する。一態様では、Rは、ハロである。他の態様では、Rは、ブロモであり、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化7】

【0032】
実施形態14では、本発明は、Rが、OHである、実施形態9に記載の化合物を提供する。一態様では、Rは、OHであり、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化8】

【0033】
実施形態15では、本発明は、R、R、R及びRの少なくとも1個が、Hであり、R及びRが、独立にH、C(O)NR10又は−C(O)OR11であり、nが、1であり、Rが、−C(O)OR11、C〜Cアルキル−NRC(O)OR11又は−C(O)NR10である、実施形態2又は2Aに記載の化合物を提供する。
【0034】
実施形態16では、本発明は、R、R、R、R、R及びRが、Hである、実施形態15に記載の化合物を提供する。
【0035】
実施形態17では、本発明は、Rが、−C(O)OR11である、実施形態16に記載の化合物を提供する。一態様では、R11は、H又はC〜Cアルキルである。他の態様では、R11は、Hである。さらなる他の態様では、Rは、−C(O)−OHであり、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化9】

【0036】
実施形態18では、本発明は、R11が、C〜Cアルキルである、実施形態17に記載の化合物を提供する。一態様では、R11は、−Cである。他の態様では、Rは、−C(O)OCHであり、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化10】

【0037】
実施形態19では、本発明は、Rが、C〜Cアルキル−NRC(O)OR11である、実施形態16に記載の化合物を提供する。一態様では、R及びR11は、独立にH又はC〜Cアルキルである。他の態様では、Rは、Hであり、R11は、C〜Cアルキルである。さらなる他の態様では、Rは、Hであり、R11は、tert−ブチルである。さらなる他の態様では、Rは、−C−NHC(O)O−tert−ブチルであり、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化11】

【0038】
実施形態20では、本発明は、Rが、−C(O)NR10である、実施形態16に記載の化合物を提供する。一態様では、R及びR10は、独立にC〜Cアルキル又はHである。他の態様では、R及びR10は、C〜Cアルキルである。さらなる他の態様では、R及びR10は、−Cである。さらなる他の態様では、Rは、C(O)N(Cであり、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化12】

【0039】
実施形態20aでは、本発明は、R、R、R及びRの少なくとも1個が、Hであり、R及びRが、独立にC(O)NR10又は−C(O)OR11である、実施形態15に記載の化合物を提供する。
【0040】
実施形態20bでは、本発明は、R、R、R及びRが、Hである、実施形態20aに記載の化合物を提供する。
【0041】
実施形態20cでは、本発明は、R及びRの1個が、C(O)NR10であり、他が、−C(O)OR11である、実施形態20bに記載の化合物を提供する。一態様では、Rは、Rと同じである。他の態様では、R、R10及びR11は、独立に、H又はC〜Cアルキルである。さらなる他の態様では、R10及びR11は、Hである。さらなる他の態様では、R、R10及びR11は、C〜Cアルキルである。
【0042】
実施形態21では、本発明は、R、R、R、R、R及びRの少なくとも1個が、Hであり、nが、1であり、Rが、R27、又はC〜Cアルキル−ピペリジニルであり、ピペリジニル部分は、ヒドロキシ−C〜Cアルキルにより任意選択で置換されており、或いは、Rが、C〜Cアルキル−R26であり、アルキル部分は、フェニル及びOHにより任意選択で置換されており、R26は、フェニルである、実施形態2又は2Aに記載の化合物を提供する。
【0043】
実施形態22では、本発明は、R、R、R、R、R及びRが、Hである、実施形態21に記載の化合物を提供する。
【0044】
実施形態23では、本発明は、Rが、C〜Cアルキル−ピペリジニルであり、ピペリジニル部分は、ヒドロキシ−C〜Cアルキルにより任意選択で置換されている、実施形態22に記載の化合物を提供する。一態様では、Rは、ピペリジニル又は(ヒドロキシエチル)−ピペリジニルプロピルである。他の態様では、Rは、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化13】

【0045】
実施形態24では、本発明は、Rが、C〜Cアルキル−フェニルであり、アルキル部分は、フェニル及びOHにより任意選択で置換されている、実施形態22に記載の化合物を提供する。一態様では、Rは、フェニル、ベンジル又は1,1−ジフェニル−ヒドロキシメチルである。他の態様では、Rは、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化14】

【0046】
実施形態25では、本発明は、Rが、R27である、実施形態22に記載の化合物を提供する。一態様では、Rは、ピリジニル、1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−1−イル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル、フラニル又はベンゾイミダゾリルである。他の態様では、Rは、1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−1−イルである。さらなる他の態様では、Rは次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化15】

【0047】
実施形態26では、本発明は、R、R、R、R、R及びRの少なくとも1個が、Hであり、nが、2であり、各出現におけるRが、独立にOH、CN、オキソ、−C(O)R11、−C(O)OR11、−C(O)NR10、C〜Cアルキル、又はC〜Cアルキル−R26であり、R26は、ハロにより任意選択で置換されているフェニルである、実施形態2又は2Aに記載の化合物を提供する。
【0048】
実施形態27では、本発明は、R、R、R、R、R及びRが、Hである、実施形態26に記載の化合物を提供する。
【0049】
実施形態28では、本発明は、一方のRが、OH、他方のRが、C〜Cアルキル−R26である、実施形態27に記載の化合物を提供する。一態様では、R26は、クロロ又はフルオロにより任意選択で置換されているフェニルである。他の態様では、R26は、クロロにより任意選択で置換されているフェニルである。さらなる他の態様では、Rは、フェニル又は4−クロロフェニルである。さらなる他の態様では、Rは、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化16】

【0050】
実施形態29では、本発明は、一方のRが、フェニル、他方のRが、CN、−C(O)R11又はC〜Cアルキルである、実施形態27に記載の化合物を提供する。一態様では、両方のR基が、同じ炭素原子に結合している。他の態様では、他方のRは、C〜Cアルキルである。さらなる他の態様では、他方のRは、メチルである。さらなる他の態様では、Rは、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化17】

【0051】
実施形態30では、本発明は、他方のRが、−C(O)R11である、実施形態29に記載の化合物を提供する。一態様では、R11は、H又はC〜Cアルキルである。他の態様では、他のR11は、C〜Cアルキルである。さらなる他の態様では、R11は、メチルである。さらなる他の態様では、R11は、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化18】

【0052】
実施形態31では、本発明は、他方のRが、CNである、実施形態29に記載の化合物を提供する。一態様では、Rは、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化19】

【0053】
実施形態32では、本発明は、一方のRが、オキソである、実施形態27に記載の化合物を提供する。一態様では、他方のRは、−C(O)OR11である。他の態様では、R11は、H又はC〜Cアルキルである。さらなる他の態様では、R11は、C〜Cアルキルである。さらなる他の態様では、R11は、エチルである。さらなる他の態様では、Rは、オキソであり、他方のRは、−C(O)O−Cである。さらなる他の態様では、両方のRは、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化20】

【0054】
実施形態32aでは、本発明は、一方のRが、オキソである、実施形態27に記載の化合物を提供する。一態様では、他方のRは、−C(O)NR10である。他の態様では、R及びR10は、独立にH又はC〜Cアルキルである。さらなる他の態様では、Rは、C〜Cアルキルであり、R10は、Hである。さらなる他の態様では、Rは、エチルである。さらなる他の態様では、Rは、オキソであり、他方のRは、−C(O)NH−Cである。さらなる他の態様では、両方のRは、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化21】

【0055】
実施形態33では、本発明は、以下の構造
【化22】


を有する式Iによる化合物又は薬剤として許容されるその塩を提供する
[上記式中、
、R、R及びRは、独立にH又はフルオロである;
11は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28又はC〜Cアルキル−R26である;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル又はC〜Cアルキル−R26、C〜Cアルケニル、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28である;
14は、H又はC〜Cアルキルである;
15は、C〜Cアルキル、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、−CO−N(R、C〜Cアルキル−O−(ヒドロキシ−C〜Cアルキル)、−C(O)R27、C〜Cアルケニル、−C(O)R28、−C(O)R26、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R28、C〜Cアルキル−C(O)R28、−C(O)OR11、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27であり、アルキル基は、独立にフェニル又はメチルである1個若しくは複数の基により任意選択で置換されている;
26は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、CN又はCFである1若しくは2個の基により任意選択で置換されているフェニルである;
27は、ピリジニル、ジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル又はフラニルであり、それぞれが、CFにより任意選択で置換されている;並びに
28は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、CN、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノである1個若しくは複数の基により任意選択で置換されているピロリジニル、モルホリノ又はピペリジニルである。]。
【0056】
実施形態34では、本発明は、R、R、R、R及びR14が、Hであり、R15が、C〜Cアルキル−フェニルであり、アルキルは、メチル又はフェニルにより任意選択で置換され、フェニル部分は、C〜Cアルキル、ハロ、C〜Cアルコキシ、CF又はCNから選択される1個又は2個の基により任意選択で置換されている、実施形態33に記載の化合物を提供する。
【0057】
実施形態35では、本発明は、R、R、R、R及びR14が、Hである、実施形態34に記載の化合物を提供する。
【0058】
実施形態36では、本発明は、R15が、C〜Cアルキル−フェニルであり、フェニルは、ハロにより任意選択で置換されている、実施形態35に記載の化合物を提供する。一態様では、R15は、フェネチル又はベンジルである。他の態様では、R15は、ベンジルである。さらなる他の態様では、ベンジルは、フェニル部分でクロロにより置換されている。さらなる他の態様では、R15は、4−クロロベンジルである。
【0059】
実施形態37では、本発明は、R15が、C〜Cアルキル−フェニルであり、アルキル部分は、メチル又はフェニルにより置換されている、実施形態35に記載の化合物を提供する。一態様では、R15は、−CH−フェニルであり、−CH−基は、メチル又はフェニルにより置換されている。他の態様では、R15は、
【化23】


である。
【0060】
実施形態38では、本発明は、R15が、独立にクロロ、フルオロ、メトキシ、メチル、CN又はCFである1又は2個の基により置換されているフェニルである、実施形態35に記載の化合物を提供する。一態様では、R15は、1又は2個のクロロ基により置換されている。他の態様では、R15は、4−クロロフェニル又は3−クロロフェニルである。さらなる他の態様では、R15は、3,4−ジクロロフェニル又は3,5−ジクロロフェニルである。さらなる他の態様では、R15は、2−メトキシフェニルである。さらなる他の態様では、R15は、4−フルオロフェニルである。さらなる他の態様では、R15は、3−トリフルオロメチルフェニルである。さらなる他の態様では、R15は、2−シアノフェニルである。さらなる他の態様では、R15は、1又は2個のメチル基により置換されている。さらなる他の態様では、R15は、2−メチルフェニル又は4−メチルフェニルである。さらなる他の態様では、R15は、2,3−ジメチルフェニルである。
【0061】
実施形態39では、本発明は、R、R、R及びRの少なくとも1個が、メチルであり、R15が、C〜C22アルキル−フェニルであり、フェニル部分は、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシにより任意選択で置換されている、実施形態33に記載の化合物を提供する。
【0062】
実施形態40では、本発明は、R、R、R及びRが、Hである、実施形態39に記載の化合物を提供する。
【0063】
実施形態41では、本発明は、R15が、フェニルである、実施形態40に記載の化合物を提供する。
【0064】
実施形態42では、本発明は、R15が、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシにより置換されているフェニルである、実施形態40に記載の化合物を提供する。一態様では、R15は、C〜Cアルキルにより置換されているフェニルである。他の態様では、R15は、メチルにより置換されているフェニルである。さらなる他の態様では、R15は、4−メチルフェニル又は3−メチルフェニルである。さらなる他の態様では、R15は、C〜Cアルコキシにより置換されているフェニルである。さらなる他の態様では、R15は、メトキシにより置換されているフェニルである。さらなる他の態様では、R15は、4−メトキシフェニルである。
【0065】
実施形態43では、本発明は、R、R、R、R及びR14の少なくとも1個が、Hであり、R15が、C〜C22アルキル−R27であり、R27は、ベンゾジオキソリル、ピリミジニル、ピリジニル又はキノリニルであり、それぞれが、CFにより任意選択で置換されている、実施形態33に記載の化合物を提供する。
【0066】
実施形態44では、本発明は、R、R、R、R及びR14が、Hである、実施形態43記載の化合物を提供する。
【0067】
実施形態45では、本発明は、R15が、ピリミジニル又はピリジニルである、実施形態44記載の化合物を提供する。一態様では、R15は、ピリミジン−2−イル、ピリジン−4−イル又はピリジン−2−イルである。
【0068】
実施形態46では、本発明は、R15が、−CH−R27である、実施形態44に記載の化合物を提供する。一態様では、R15は、ベンゾジオキソリルメチルである。さらなる他の態様では、ベンゾジオキソリルメチルは、次式のようなピペリジニル環に結合している。
【化24】

【0069】
実施形態47では、本発明は、R15が、CFにより置換されているR27である、実施形態44に記載の化合物を提供する。一態様では、R15は、トリフルオロメチルピリジニル又はトリフルオロメチルキノリニルである。他の態様では、R15は、5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル又は2−トリフルオロメチルキノリン−4−イルである。
【0070】
実施形態48では、本発明は、R、R、R、R及びR14の少なくとも1個が、Hであり、R15が、−C(O)−R27、C〜Cアルキル−C(O)−ピロリジニル又は−C(O)−OR11である、実施形態33に記載の化合物を提供する。
【0071】
実施形態49では、本発明は、R、R、R、R及びR14が、Hである、実施形態48に記載の化合物を提供する。
【0072】
実施形態50では、本発明は、R15が、−C(O)−OR11である、実施形態49に記載の化合物を提供する。一態様では、R11は、C〜Cアルキル又はベンジルである。他の態様では、R11は、C〜Cアルキルである。さらなる他の態様では、R11は、−tert−ブチル又はエチルである。さらなる他の態様では、R11は、ベンジルである。
【0073】
実施形態51では、本発明は、R15が、−C(O)−R27である、実施形態49に記載の化合物を提供する。一態様では、R27は、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル又はフラニルである。
【0074】
実施形態52では、本発明は、R15が、C〜Cアルキル−C(O)−ピロリジニルである、実施形態49に記載の化合物を提供する。一態様では、R15は、−CH〜C(O)−ピロリジニルである。
【0075】
実施形態53では、本発明は、R、R、R、R及びR14の少なくとも1個が、Hであり、R15が、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−O−(ヒドロキシ−C〜Cアルキル)又はC〜Cアルキルである、実施形態33に記載の化合物を提供する。
【0076】
実施形態54では、本発明は、R、R、R、R及びR14が、Hである、実施形態53に記載の化合物を提供する。
【0077】
実施形態55では、本発明は、R15が、C〜Cアルキルである、実施形態54に記載の化合物を提供する。一態様では、R15は、エチルである。
【0078】
実施形態55では、本発明は、R15が、ヒドロキシ−C〜Cアルキルである、実施形態54に記載の化合物を提供する。一態様では、R15は、ヒドロキシエチルである。
【0079】
実施形態56では、本発明は、R15が、C〜Cアルキル−O−(ヒドロキシ−C〜Cアルキル)である、実施形態54に記載の化合物を提供する。一態様では、R15は、−C−O−COHである。
【0080】
実施形態57では、本発明は、以下の構造
【化25】


を有する式Iによる化合物又は薬剤として許容されるその塩を提供する
[上記式中、
、R、R及びRは、H又はフルオロである;
11、R10及びRは、独立にH又はC〜Cアルキルである;
16及びR17は、独立にH、C〜Cアルケニル、−C(O)−R28、−C(O)R26、−C(O)R27、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、−C(O)NR10、−C(O)OR11、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−C(O)R27、C〜Cアルキル−R28又はC〜Cアルキル−C(O)−OR11である;
18は、C〜Cアルキル又はオキソである;
26は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、CN又はCFである1若しくは2個の基により任意選択で置換されているフェニルである;
27は、ピリジニル、ジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル又はフラニルであり、それぞれが、CFにより任意選択で置換されている;並びに
28は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、CN、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノである1個若しくは複数の基により任意選択で置換されているピロリジニル、モルホリノ又はピペリジニルである。]。実施形態58では、本発明は、R、R、R、R、R16及びR17が、Hであり、R18が、C〜Cアルキルである、実施形態57に記載の化合物を提供する。
【0081】
実施形態59では、本発明は、R、R、R、R、R16及びR17が、Hである、実施形態58に記載の化合物を提供する。
【0082】
実施形態60では、本発明は、R18が、メチルである、実施形態59に記載の化合物を提供する。一態様では、メチルが結合している原子は、R−立体配置にある。他の態様では、メチルが結合している原子は、S−立体配置にある。
【0083】
実施形態61では、本発明は、R、R、R、R及びR16の少なくともいずれか1個が、Hであり、R18が、オキソであり、R17が、C〜C21アルキル−C(O)−OR11である、実施形態57に記載の化合物を提供する。
【0084】
実施形態62では、本発明は、R、R、R、R及びR16が、Hである、実施形態61に記載の化合物を提供する。
【0085】
実施形態63では、本発明は、R11が、H又はC〜Cアルキルである、実施形態62に記載の化合物を提供する。一態様では、R11は、−Cである。
【0086】
実施形態64では、本発明は、以下の構造
【化26】


を有する式Iによる化合物又は薬剤として許容されるその塩を提供する
[上記式中、
Xは、硫黄、SO、SO又は酸素である;
各出現におけるRは、独立にH、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである;
、R、R及びRは、独立にH又はフルオロである;
、R10及びR11は、独立にH又はC〜Cアルキルである;
19及びR20は、独立にH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−C(O)R26、−C(O)R27、−C(O)−R28、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28又はC〜Cアルキル−C(O)−OR11又はC〜Cアルコキシである;
26は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、CN又はCFである1若しくは2個の基により任意選択で置換されているフェニルである;
27は、ピリジニル、ジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル又はフラニルであり、それぞれが、CFにより任意選択で置換されている;並びに
28は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、CN、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノである1個若しくは複数の基により任意選択で置換されているピロリジニル、モルホリノ又はピペリジニルである。]。
【0087】
実施形態65では、本発明は、R、R、R、R、R19及びR20の少なくとも1個が、Hであり、Xが、酸素であり、Rが、H又はC〜Cアルキルである、実施形態64に記載の化合物を提供する。
【0088】
実施形態66では、本発明は、R、R、R、R、R19及びR20が、Hである、実施形態65に記載の化合物を提供する。
【0089】
実施形態67では、本発明は、Rが、C〜Cアルキルである、実施形態66に記載の化合物を提供する。一態様では、Rは、メチルである。
【0090】
実施形態68では、本発明は、Rが、Hである、実施形態66に記載の化合物を提供する。
【0091】
実施形態69では、本発明は、R、R、R、R、R、R19及びR20の少なくとも1個が、Hであり、Xが、硫黄である、実施形態64に記載の化合物を提供する。
【0092】
実施形態70では、本発明は、R、R、R、R、R、R19及びR20が、Hである、実施形態69に記載の化合物を提供する。
【0093】
実施形態71では、本発明は、R、R、R、R、R、R19及びR20が、Hであり、Xが、SOである、実施形態64に記載の化合物を提供する。
【0094】
実施形態72では、本発明は、R、R、R、R、R、R19及びR20が、Hである、実施形態71に記載の化合物を提供する。
【0095】
実施形態73では、本発明は、R、R、R、R、R、R19及びR20の少なくとも1個が、Hであり、Xが、SOである、実施形態64に記載の化合物を提供する。
【0096】
実施形態74では、本発明は、R、R、R、R、R、R19及びR20が、Hである、実施形態73に記載の化合物を提供する。
【0097】
実施形態75では、本発明は、以下の構造
【化27】


を有する式Iによる化合物又は薬剤として許容されるその塩を提供する
[上記式中、
、R、R及びRは、独立にH又はフルオロである;
23は、OH又は−NRC(O)OR11である;
及びR11は、独立に、H又はC〜Cアルキルである。
【0098】
実施形態76では、本発明は、R、R、R及びRの少なくとも1個が、OHである、実施形態75に記載の化合物を提供する。一態様では、R、R、R及びRは、Hである。他の態様では、OH基が結合している原子は、S−立体配置にある。さらなる他の態様では、OHが結合している原子は、R−立体配置にある。
【0099】
実施形態77では、本発明は、R、R、R及びRの少なくとも1個が、Hであり、R23が、−NRC(O)OR11である、実施形態75に記載の化合物を提供する。一態様では、R、R、R及びRは、Hである。他の態様では、R及びR11は、独立にH又はC〜Cアルキルである。さらなる他の態様では、Rは、Hであり、R11は、tert−ブチルである。さらなる他の態様では、R23が結合している原子は、S−立体配置にある。さらなる他の態様では、R23が結合している原子は、R−立体配置にある。
【0100】
実施形態78では、本発明は、以下の構造
【化28】


を有する式Iによる化合物又は薬剤として許容されるその塩を提供する
[上記式中、
、R、R及びRは、独立にH又はフルオロである;
24は、H又はC〜Cアルキルである;並びに
25は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R28、C〜Cアルキル−NH−フェニル、−C(O)O−C〜Cアルキル−フェニル、C〜Cアルキル−モルホリニル、C〜Cアルキル−ピロリジニル又はC〜Cアルキル−フェニルであり、アルキル部分は、フェニル及びOHにより任意選択で置換されている;
26は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、CN又はCFである1若しくは2個の基により任意選択で置換されているフェニルである;
27は、ピリジニル、ジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル又はフラニルであり、それぞれが、CFにより任意選択で置換されている;並びに
28は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、CN、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノである1個若しくは複数の基により任意選択で置換されているピロリジニル、モルホリノ又はピペリジニルである。]。
【0101】
実施形態79では、本発明は、R、R、R及びRの少なくともいずれか1個が、Hであり、R24及びR25が、独立にH又はC〜Cアルキルである、実施形態78に記載の化合物を提供する。
【0102】
実施形態80では、本発明は、R、R、R及びRが、Hである、実施形態79に記載の化合物を提供する。一態様では、R24及びR25は、C〜Cアルキルである。他の態様では、R24及びR25は、メチルである。さらなる他の態様では、R24が結合している原子は、S−立体配置にあり、R25が結合している原子は、R−立体配置にある。さらなる他の態様では、R24が結合している原子は、R−立体配置にあり、R25が結合している原子は、S−立体配置にある。
【0103】
実施形態81では、本発明は、R、R、R、R及びR24の少なくとも1個が、Hであり、R25が、C〜Cアルキル−NH−フェニル、C〜Cアルキル−ピロリジニル、−C(O)O−C〜Cアルキル−フェニル又はC〜Cアルキル−フェニルであり、アルキルは、フェニル及びOHにより置換されている、実施形態78に記載の化合物を提供する。
【0104】
実施形態82では、本発明は、R、R、R、R及びR24が、Hである、実施形態81に記載の化合物を提供する。
【0105】
実施形態83では、本発明は、R25が、C〜Cアルキル−NH−フェニルである、実施形態82に記載の化合物を提供する。一態様では、R25は、−CH−NH−フェニルである。他の態様では、R25が結合している原子は、R−立体配置にある。さらなる他の態様では、R25が結合している原子は、S−立体配置にある。
【0106】
実施形態84では、本発明は、R25が、C〜Cアルキル−ピロリジニルである、実施形態82に記載の化合物を提供する。一態様では、R25は、−CH−ピロリジニルである。他の態様では、R25が結合している原子は、S−立体配置にある。さらなる他の態様では、R25が結合している原子は、R−立体配置にある。
【0107】
実施形態85では、本発明は、R25が、−C(O)O−C〜Cアルキル−フェニルである、実施形態82に記載の化合物を提供する。一態様では、R25は、−C(O)−OCH−フェニルである。他の態様では、R25が結合している原子は、S−立体配置にある。さらなる他の態様では、R25が結合している原子は、R−立体配置にある。
【0108】
実施形態86では、本発明は、R25が、C〜Cアルキル−フェニルであり、アルキル部分が、フェニル及びOHにより置換されている、実施形態82に記載の化合物を提供する。一態様では、R25は、−C(OH)−(フェニル)2である。他の態様では、R25が結合している原子は、S−立体配置にある。さらなる他の態様では、R25が結合している原子は、R−立体配置にある。
【0109】
実施形態87では、本発明は、次の構造
【化29】


を有する式Iによる化合物又は薬剤として許容されるその塩を提供する
[上記式中、
Yは、硫黄、SO、SO、酸素又はNRである;
mは、1又は2である;
は、H、オキソ又はC〜Cアルキルである;
、R、R及びRは、独立にH又はフルオロである;
、R10及びR11は、独立にH、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル又はC〜Cアルキル−R26である;
30は、H、オキソ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−C(O)−R28、−C(O)R26、−C(O)R27、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28又はC〜Cアルキル−C(O)−OR11である;
20は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−C(O)−R28、−C(O)R26、−C(O)R27、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28、又はC〜Cアルキル−C(O)−OR11である;
26は、独立にOH、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである1若しくは2個の基により任意選択で置換されているフェニルである;
27は、ピリジニル、ジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル又はフラニルであり、それぞれが、CFにより任意選択で置換されている;並びに
28は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、CN、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノである1個若しくは複数の基により任意選択で置換されているピロリジニル、モルホリノ又はピペリジニルである。]。
【0110】
実施形態88では、本発明は、R、R、R及びRの少なくとも1個が、Hであり、Yが、NHであり、mが、2であり、R及びR30が、オキソであり、R20が、C〜Cアルキル又はOHにより任意選択で置換されている、実施形態87に記載の化合物を提供する。
【0111】
実施形態89では、本発明は、R、R、R及びRが、Hである、実施形態88に記載の化合物を提供する。
【0112】
実施形態90では、本発明は、少なくとも1個のR20が、フェニルである、実施形態89に記載の化合物を提供する。
【0113】
実施形態91では、本発明は、一方のR20が、フェニルであり、他方が、C〜Cアルキル又はOHにより置換されているフェニルである、実施形態89に記載の化合物を提供する。一態様では、他のR20は、C〜Cアルキルにより置換されているフェニルである。他の態様では、他のR20は、メチルにより置換されているフェニルである。さらなる他の態様では、他方のR20は、4−メチルフェニルである。さらなる他の態様では、他のR20は、OHにより置換されているフェニルである。さらなる他の態様では、他のR20は、3−ヒドロキシフェニルである。
【0114】
実施形態92では、本発明は、R、R、R、R、R及びR30の少なくとも1個が、Hであり、Yが、酸素であり、mが、2であり、R20が、C〜Cアルキルである、実施形態87に記載の化合物を提供する。
【0115】
実施形態93では、本発明は、R、R、R、R、R及びR19が、Hである、実施形態92に記載の化合物を提供する。一態様では、R20は、メチルである。
【0116】
実施形態94では、本発明は、R、R、R、R及びRが、Hであり、Yが、硫黄であり、mが、1であり、R30が、R26であり、R26は、C〜Cアルコキシである2個の基により置換されているフェニルであり、R20が、−C(O)NR10である、実施形態87に記載の化合物を提供する。
【0117】
実施形態95では、本発明は、R、R、R、R及びRが、Hである、実施形態94に記載の化合物を提供する。一態様では、R20が結合している炭素原子は、R−立体配置にある。他の態様では、R20が結合している炭素原子は、S−立体配置にある。
【0118】
実施形態96では、本発明は、R30が、ジメトキシフェニルである、実施形態95に記載の化合物を提供する。一態様では、R30は、3,4−ジメトキシフェニルである。
【0119】
実施形態97では、本発明は、Rが、Hであり、R10が、C〜Cアルキル−フェニルである、実施形態96に記載の化合物を提供する。一態様では、R10は、ベンジルである。他の態様では、R10は、フェニルである。
【0120】
実施形態98では、本発明は、Rが、Hであり、R10が、C〜Cアルキル又はC〜Cシクロアルキルである、実施形態96に記載の化合物を提供する。一態様では、R10は、ブチル又はsec−ブチルである。他の態様では、R10は、シクロヘキシルである。
【0121】
実施形態99では、本発明は、R、R、R、R、R、R20及びR30が、Hであり、Yが、硫黄である、実施形態87に記載の化合物を提供する。
【0122】
実施形態100では、本発明は、R、R、R、R、R、R20及びR30が、Hである、実施形態99に記載の化合物を提供する。
【0123】
実施形態101では、本発明は、以下の構造
【化30】


を有する式Iによる化合物又は薬剤として許容されるその塩を提供する
[上記式中、
Wは、CR又は窒素である;
29は、H又はハロである;
、R、R及びRは、独立にH又はフルオロである;
、R10及びR11は、独立にH又はC〜Cアルキルである;
19及びR20は、独立にH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−C(O)R26、−C(O)R27、−C(O)−R28、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、−C(O)OH、C〜Cアルキル−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28又はC〜Cアルキル−C(O)−OR11
26は、独立にOH又はハロである1若しくは2個の基により任意選択で置換されているフェニルである;
27は、ピリジニル、ジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル又はフラニルであり、それぞれが、CFにより任意選択で置換されている;並びに
28は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、CN、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノである1個若しくは複数の基により任意選択で置換されているピロリジニル、モルホリノ又はピペリジニルである。]。
【0124】
実施形態102では、本発明は、R、R、R及びRが、Hであり、R29が、H又はハロであり、R20が、H又は−C(O)OHであり、R19が、H、C〜Cアルキル又はR26であり、R26は、クロロ又はOHにより置換されているフェニルである、実施形態101に記載の化合物を提供する。
【0125】
実施形態103では、本発明は、R、R、R及びRが、Hである、実施形態102に記載の化合物を提供する。
【0126】
実施形態104では、本発明は、R29が、ハロであり、R20が、−C(O)−OHであり、R19が、Hである、実施形態103に記載の化合物を提供する。一態様では、R29は、ヨードである。
【0127】
実施形態105では、本発明は、R29が、ハロであり、R20が、Hであり、R19が、C〜Cアルキルである、実施形態103に記載の化合物を提供する。一態様では、R29は、ブロモである。他の態様では、R19は、メチルである。
【0128】
実施形態106では、本発明は、R29及びR20が、Hであり、R19が、クロロ及びOHにより置換されているフェニルである、実施形態103に記載の化合物を提供する。一態様では、R19は、2−ヒドロキシ−5−クロロ−フェニルである。
【0129】
実施形態107では、本発明は、以下のいずれかの構造
【化31】


を有する式Iによる化合物又は薬剤として許容されるその塩を提供する
[上記式中、
mは、1又は2である;
29は、H、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである;
、R、R及びRは、独立にH又はフルオロである;
、R10及びR11は、独立にH、C〜C−アルキル又はC〜Cアルキル−R26である;
30及びR20は、独立にH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−C(O)−R28、−C(O)R26、−C(O)R27、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルコキシ、−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28又は−C〜Cアルキル−C(O)−OR11である。;
26は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、CN又はCFである1若しくは2個の基により任意選択で置換されているフェニルである;
27は、ピリジニル、ジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル又はフラニルであり、それぞれが、CFにより任意選択で置換されている;並びに
28は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、CN、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノである1個若しくは複数の基により任意選択で置換されているピロリジニル、モルホリノ又はピペリジニルである。]。
【0130】
実施形態108では、本発明は、R、R、R、R及びR29の少なくとも1個が、Hであり、mが、1であり、R30及びR20が、独立に、H又はC〜Cアルキルである、実施形態107に記載の化合物を提供する。
【0131】
実施形態109では、本発明は、R、R、R、R及びR29が、Hである、実施形態108に記載の化合物を提供する。
【0132】
実施形態110では、本発明は、R30及びR20が、C〜Cアルキルである、実施形態109に記載の化合物を提供する。一態様では、R20及びR30は、メチルである。
【0133】
実施形態111では、本発明は、R30及びR20が、Hである、実施形態109に記載の化合物を提供する。
【0134】
実施形態112では、本発明は、R29、R、R、R、R、R30及びR20の少なくとも1個が、Hであり、mが、2である、実施形態107に記載の化合物を提供する。一態様では、R29、R、R、R、R、R30及びR20は、Hである。
【0135】
実施形態112Aでは、本発明は、次のコア
【化32】


を有する、実施形態107、108、109、110、111又は112のいずれか一形態に記載の化合物を提供する。
【0136】
実施形態112Bでは、本発明は、次のコア
【化33】


を有する、実施形態107、108、109、110、111又は112のいずれか一形態に記載の化合物を提供する。
【0137】
実施形態112B1では、本発明は、R30が、C(O)NR10であり、R及びR10が、独立にH、C〜Cアルキル又はC〜Cアルキル−R26である、実施形態112Bに記載の化合物を提供する。他の態様では、Rは、H又はメチルである。さらなる他の態様では、Rは、Hであり、R10は、−CH−R26である。
【0138】
実施形態112Cでは、本発明は、次のコア
【化34】


を有する、実施形態107、108、109、110、111又は112のいずれか一形態に記載の化合物を提供する。
【0139】
実施形態113では、本発明は、次の構造
【化35】


を有する式Iによる化合物又は薬剤として許容されるその塩を提供する
[上記式中、
nは、0又は1〜3の整数である;
mは、1又は2である;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−C(O)R28、−C(O)R26、−C(O)R27、C〜Cアルケニル−R27、C〜Cアルケニル−R28、C〜Cアルケニル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28、C〜Cアルキル−C(O)NR10、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜Cアルコキシ又はC〜Cアルキル−フェニルである;
、R、R及びRは、独立にH又はフルオロである;
26は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、CN又はCFである1若しくは2個の基により任意選択で置換されているフェニルである;
27は、ピリジニル、ジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル又はフラニルであり、それぞれが、CFにより任意選択で置換されている;並びに
28は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、CN、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノである1個若しくは複数の基により任意選択で置換されているピロリジニル、モルホリノ又はピペリジニルである。]。
【0140】
実施形態114では、本発明は、R、R、R及びRの少なくとも1個が、Hであり、m及びnが、1であり、Rが、C〜Cアルキル−フェニルである、実施形態113に記載の化合物を提供する。
【0141】
実施形態115では、本発明は、R、R、R及びRが、Hである、実施形態114に記載の化合物を提供する。
【0142】
実施形態116では、本発明は、Rが、フェニルである、実施形態115に記載の化合物を提供する。
【0143】
実施形態117では、本発明は、R、R、R、R及びRの少なくとも1個が、Hであり、mが、2である、実施形態113に記載の化合物を提供する。
【0144】
実施形態118では、本発明は、R、R、R、R及びRが、Hである、実施形態117に記載の化合物を提供する。
【0145】
実施形態119では、本発明は、実施形態1〜118のいずれか一形態に記載の化合物と、少なくとも1種の薬剤として許容される担体、溶媒、アジュバント又は賦形剤、或いはその組合せとを含む薬剤組成物を提供する。
【0146】
実施形態120では、本発明は、アルツハイマー病(AD)の発病の予防又は遅発を助けるための、軽度認知障害(MCI)を有する患者を治療し且つMCIからADに進行する患者におけるアルツハイマー病(AD)の発病を予防又は遅発させるための、ダウン症候群を治療するための、オランダ型アミロイド症を伴う遺伝性脳溢血を有するヒトを治療するための、脳アミロイド血管症を治療し且つその潜在症、すなわち単発性及び再発性大葉性出血を予防するための、血管性及び退行性混合起源の認知症、パーキンソン病に伴う認知症、進行性核上性麻痺に伴う認知症、皮質性基底変性に伴う認知症、老人性黄斑変性症又はびまん性レビー小体病型アルツハイマー病を含めての他の退行性認知症を治療するための、アルツハイマー病からなる群から選択される疾患又は病状を有する患者を治療する、或いは患者がそれら疾患又は病態に罹患することを予防する方法、並びに治療に有効な量の実施形態1〜119のいずれか一形態に記載の化合物を投与するステップを含むかかる治療を必要とする患者を治療する方法を提供する。
【0147】
本発明はさらに、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害(MCI)、ダウン症候群、オランダ型アミロイド症を伴う遺伝性脳溢血、脳アミロイド血管症及びその潜在症、すなわち単発性及び再発性大葉性出血;血管性及び退行性混合起源の認知症、パーキンソン病に伴う認知症、進行性核上性麻痺に伴う認知症、皮質性基底変性に伴う認知症、加齢性黄斑変性症又はびまん性レビー小体病型アルツハイマー病を含めての他の退行性認知症;からなる群から選択される疾患又は病状を有する患者を治療する、或いは患者がそれら疾患又は病態に罹患することを予防若しくは遅発させる方法、並びに治療に有効な量の式Iに記載の化合物又は塩を投与するステップを含むかかる治療を必要とする患者を治療する方法を提供する。
【0148】
本発明は、式Iの化合物又は塩を調製する方法をも提供する。
【0149】
他の態様では、本発明の化合物は、Notchとの相互作用が最小、好ましくは、皆無である。
【0150】
定義
以下の定義及び説明は、本明細書と特許請求の範囲の両者を含めての本文書全体を通じて使用される用語に対するものである。
【0151】
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、単数形「a」、[an]及び「the」には、内容が別段の明確な指示をしない限り、複数の指示対象が含まれることに留意されたい。したがって、例えば、「1個の化合物」を含む組成物への参照には、2個以上の化合物の混合物が含まれる。用語「or」は、内容が別段の明確な指示をしない限り、「及び/又は」を含めての意味において一般に使用されることに留意されたい。
【0152】
複数の置換基が、1つの構造に結合しているとして示されている場合、その置換基は同じでも異なっていてもよいことを理解されたい。したがって、例えば、「1、2又は3個のR基により任意選択で置換されているR」は、Rが、1、2又は3個のR基により置換され、R基は、同じでも異なっていてもよいことを示す。
【0153】
APP、アミロイド前駆体タンパク質は、米国特許第5,766,846号で開示されているのと同様に、APP変種、変異体及びアイソフォームを含めての任意のAPPポリペプチドとして定義される。β,アミロイドβペプチドは、39、40、41、42及び43個のアミノ酸のペプチドを含めての、APPのβ−セクレターゼ仲介開裂由来、並びにβ−セクレターゼ開裂部位から39、40、41、42又は43個のアミノ酸まで伸張する任意のペプチドとして定義される。
【0154】
薬剤として許容されるとは、毒性及び/又は安全性の点から患者に受容されるような特性及び/又は物質を指す。
【0155】
治療に有効な量は、治療されている疾患の少なくとも1種の症状を軽減若しくは少なくする、又は疾患の1種又は複数の臨床的マーカー若しくは症状の発症を軽減若しくは遅発させるのに有効な量として定義される。
【0156】
本発明では、「アルキル」及び「C〜Cアルキル」とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、3−メチルペンチルなど、炭素原子1〜6個を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を意味する。置換基(例えば、アルキル、アルコキシ又はアルケニル基)のアルキル鎖が、炭素6個より短い若しくは長い場合、例えば、「C〜C10」が最高10個の炭素を示すように、第2の「C」で示すことを理解されたい。
【0157】
本発明では、「アルコキシ」及び「C〜Cアルコキシ」とは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキソキシ、3−メチルペントキシなど、少なくとも1個の2価の酸素原子を介して結合している、炭素原子1〜6個を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を意味する。
【0158】
本発明では、「ハロゲン」とは、フッ素、臭素、塩素及び/又はヨウ素を意味する。
【0159】
「アルケニル」及び「C〜Cアルケニル」とは、炭素原子2〜6個、及び1〜3個の二重結合を有する直鎖及び分枝炭化水素基を意味し、例えば、エテニル、プロペニル、1−ブト−3−エニル、1−ペント−3−エニル、1−ヘックス−5−エニルなどが含まれる。
【0160】
「アルキニル」及び「C〜Cアルキニル」とは、炭素原子2〜6個、及び1若しくは2個の三重結合を有する直鎖及び分枝炭化水素基を意味し、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチン−2−イルなどが含まれる。
【0161】
本明細書では、用語「シクロアルキル」は、炭素原子3〜12個を有する飽和炭素環式基を指す。シクロアルキルは、単環式、多環式縮合系、又はアダマンチルやビシクロ[2.2.1]ヘプチルなど二若しくは多環式橋架け系でもよい。そうした基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが含まれる。好ましいシクロアルキル基は、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルである。本明細書でのシクロアルキル基は、非置換、又は指定により、様々な基により1つ又は複数の置換可能な位置で置換されている。例えば、そうしたシクロアルキル基は、例えば、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、アミノ(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル又はジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキルにより任意選択で置換されていてもよい。
【0162】
「アリール」とは、少なくとも1個が芳香族(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、ナフチル)であり、任意選択でモノ−、ジ−若しくはトリ置換されている単環(例えば、フェニル)又は縮合多環を有する芳香族炭素環式基を意味する。本発明の好ましいアリール基は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インダニル、インデニル、ジヒドロナフチル、フルオレニル、テトラニリル又は6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[a]シクロヘプテニルである。本明細書でのアリール基は、非置換、又は指定により、様々な基により1つ又は複数の置換可能な位置で置換されている。例えば、そうしたアリール基は、例えば、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、アミノ(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル又はジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキルにより任意選択で置換されていてもよい。
【0163】
「ヘテロアリール」とは、窒素、酸素又は硫黄から選択される少なくとも1個、最大4個のヘテロ原子を含む9〜11原子からなる縮合環系が含まれる5−、6−又は7員環からなる少なくとも1つ又は複数の芳香族環系を意味する。本発明の好ましいヘテロアリール基には、ピリジニル、ピリミジニル、キノリニル、ベンゾチエニル、インドリル、インドリニル、プリダジニル、ピラジニル、イソインドリル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、イミダゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、インドリジニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、イソクロマニル、クロマニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソインドリニル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ピリドピリジニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、プリニル、ベンゾジオキソリル、トリアジニル、プテリジニル、ベンゾチアゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソキサジニル、ベンゾイソキサジニル、ベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾイソチアジニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クロモニル、クロマノニル、ピリジニル−N−オキシド、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロキノリノニル、ジヒドロイソキノリノニル、ジヒドロクマリニル、ジヒドロイソクマリニル、イソインドリノニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾオキサゾリノニル、ピロリルN−オキシド、ピリミジニルN−オキシド、ピリダジニルN−オキシド、ピラジニル−N−オキシド、キノリニルN−オキシド、インドリルN−オキシド、インドリニルN−オキシド、イソキノリニルN−オキシド、キナゾリニルN−オキシド、キノキサリニルN−オキシド、フタラジニルN−オキシド、イミダゾリルN−オキシド、イソキサゾリルN−オキシド、オキサゾリルN−オキシド、チアゾリルN−オキシド、インドリジニルN−オキシド、インダゾリルN−オキシド、ベンゾチアゾリルN−オキシド、ベンゾイミダゾリルN−オキシド、ピロリルN−オキシド、オキサジアゾリルN−オキシド、チアジアゾリルN−オキシド、トリアゾリルN−オキシド、テトラゾリルN−オキシド、ベンゾチオピラニルS−オキシド、ベンゾチオピラニルS,S−オキシドが含まれる。本明細書でのヘテロアリール基は、非置換、又は指定により、様々な基により1つ又は複数の置換可能な位置で置換されている。例えば、そうしたヘテロアリール基は、例えば、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、アミノ(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル又はジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキルにより任意選択で置換されていてもよい。
【0164】
「ヘテロ環」、「ヘテロシクロアルキル」又は「ヘテロシクリル」とは、窒素、酸素又は硫黄から選択される少なくとも1個、最大4個のヘテロ原子を含む9〜11原子からなる縮合環系が含まれる4−、5−、6−又は7員環からなる1つ又は複数の炭素環式環系を意味する。本発明の好ましいヘテロ環には、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルS−オキシド、チオモルホリニルS,S−オキシド、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピロリジニル、ピロリニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ホモピペリジニル、ホモモルホリニル、ホモチオモルホリニル、ホモチオモルホリニルS,S−オキシド、オキサゾリジノニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチエニルS−オキシド、テトラヒドロチエニルS,S−オキシド及びホモチオモルホリニルS−オキシドが含まれる。本明細書でのヘテロ環基は、非置換、又は指定により、様々な基により1つ又は複数の置換可能な位置で置換されている。例えば、そうしたヘテロ環基は、例えば、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、アミノ(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル又はOにより任意選択で置換されていてもよい。
【0165】
構造は、Advanced Chemical Development,Inc.、90 Adelaide Street West、Toronto、Ontario、M5H 3V9、カナダから入手できるName Pro IUPAC Naming Software、バージョン5.09を使用して、或いは全てが、Cambridgesoft:100 Cambridge Park Drive、Cambridge、MA 02140(www.cambridgesoft.com)から入手できるChemDraw v.6.02、ChemDraw v.8.03又はChemDraw v.9.01を使用して命名した。
【0166】
本発明の化合物は、1個又は複数の不斉炭素原子を含むことができるので、化合物は、様々な立体異性形態において存在できる。これらの化合物は、例えば、ラセミ体、キラル非ラセミ体又はジアステレオマーでもよい。これらの状況において、単一エナンチオマー、すなわち、光学活性形は、不斉合成又はラセミ体の分割により得ることができる。例えば、ラセミ体の分割は、分割剤の存在下での結晶化などの通常の方法;例えばキラルHPLCカラムを使用するクロマトグラフィー;或いは、分割試薬によりラセミ混合物を誘導体化してジアステレオマーを生成し、クロマトグラフィーによりジアステレオマーを分離し、分割試薬を除去してエナンチオマー的に富化した形態での元の化合物を生成することにより実施できる。上記の手順はいずれも、繰り返して化合物のエナンチオマー純度を高めることができる。
【0167】
無毒性の薬剤として許容される塩には、限定されないが、塩酸、硫酸、リン酸、二リン酸、臭化水素酸、硝酸などの無機酸の塩、又はギ酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマール酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、乳酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ヒドロキシエチルスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸などの有機酸の塩が含まれる。同様に、薬剤として許容されるカチオンには、限定されないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム及びアンモニウムが含まれる。当業者には、無毒性の薬剤として許容される非常に様々な付加塩も理解されよう。本発明は、式Iの化合物のプロドラッグをも包含する。
【0168】
本発明は、式Iの化合物のアシル化プロドラッグをも包含する。当業者には、式Iに包含される化合物の無毒性の薬剤として許容される付加塩及びアシル化プロドラッグを調製するために使用できる様々な合成手順も理解されよう。
【0169】
用語「酸プロドラッグ基」は、in vivoで式Iの活性カルボン酸化合物に転換される部分を指す。そうしたプロドラッグ基は、一般に当技術分野で周知であり、ベンジルオキシ、ジ(C〜C)アルキルアミノエチルオキシ、アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、フタリドイル、エトキシカルボニルオキシエチル、5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル、及びN−モルホリノにより任意選択で置換されている(C〜C)アルコキシなど、エステルプロドラッグを形成するためのエステル形成基、並びにジ(C〜C)アルキルアミノなどのアミド形成基が含まれる。好ましいプロドラッグ基には、エステルを形成するC〜Cアルコキシ、及びOが含まれ、Mは、酸の塩を形成するカチオンを表す。好ましいカチオンには、ナトリウム、カリウム及びアンモニウムが含まれる。他のカチオンには、マグネシウム及びカルシウムが含まれる。さらなる好ましいプロドラッグ基には、O++が含まれ、M++は、マグネシウムやカルシウムなどの2価カチオンを表す。
【0170】
本明細書に記載の化合物が、オレフィン性二重結合又は他の幾何不斉中心を含み、別段の指定がない場合、その化合物には、シス、トランス、Z−及びE−立体配置が含まれることが意図されよう。同様に、全ての互変異性形も含まれることが意図される。
【0171】
本発明は、式Iの化合物のプロドラッグをも包含する。当業者には、式Iに包含される化合物の無毒性の薬剤として許容されるプロドラッグを調製するために使用できる様々な合成手順も理解されよう。当業者には、水、エタノール、鉱油、植物油、ジメチルスルホキシドなど、無毒性の薬剤として許容される非常に様々な溶媒和物が理解されよう。
【0172】
一般式Iの化合物は、通常の無毒性の薬剤として許容される担体、アジュバント及びビヒクルを含む投与単位製剤において、経口的に、局所的に、非経口的に、吸入で又はスプレーで又は直腸から投与できる。本明細書では、用語、非経口には、経皮的、皮下、血管内(例えば、静脈内)、筋肉内又はくも膜下腔内注射又は点滴技法などが含まれる。加えて、一般式Iの化合物と、薬剤として許容される担体とを含む薬剤調合物が提供される。1種又は複数の一般式Iの化合物は、1種又は複数の無毒性の薬剤として許容される担体及び/又は希釈剤及び/又はアジュバント、並びに望むならば他の有効成分と共に存在できる。一般式Iの化合物を含む薬剤組成物は、経口使用に適した形態、例えば、錠剤、トローチ、薬用キャンデー、水性若しくは油性懸濁液、分散性粉体若しくは顆粒、乳化液、硬い若しくは軟らかいカプセル、又はシロップ若しくはエリキシル剤でもよい。
【0173】
経口使用を目的とした組成物は、薬剤組成物の製造のための当技術分野で周知の任意の方法に従って調製でき、そうした組成物は、薬剤として的確で口当たりのよい調製物を提供するために、甘味剤、芳香剤、着色剤及び防腐剤からなる群から選択される1種又は複数の試剤を含むことができる。錠剤は、錠剤の製造に適している無毒性の薬剤として許容される賦形剤と混合された有効成分を含む。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;造粒及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン又はアカシア;並びに潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクでもよい。錠剤は、コートされていなくても、周知の技法によりコートされていてもよい。ある場合には、消化管での崩壊及び吸収を遅延させ、それによりより長い期間にわたる持続作用をさせるための周知の技法により、そうしたコーティングを調製できる。例えば、モノステアリン酸グルセリルやジステアリン酸グルセリルなどの時間遅延材料を使用することもできる。
【0174】
経口使用用の製剤は、硬いゼラチンカプセルとしても提供でき、有効成分は、不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンと混合され、或いは、軟らかいゼラチンカプセルとしても提供でき、有効成分は、水若しくは油性媒体、例えば、ピーナッツオイル、液体パラフィン又はオリーブオイルと混合される。
【0175】
経口使用用の製剤は、薬用キャンデーとしても提供できる。
【0176】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適している賦形剤と混合された有効成分を含む。そうした賦形剤は、懸濁剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロプロピル−メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガンタンガム、アカシアガムである;分散若しくは湿潤剤は、天然産のホスファチド、例えば、レシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールなど、エチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物、又はエチレンオキシドと、脂肪酸及び無水ヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタンでよい。水性懸濁液は、1種又は複数の防腐剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチル若しくはn−プロピル、1種又は複数の着色剤、1種又は複数の芳香剤及びスクロースやサッカリンなどの1種又は複数の甘味剤を含むこともできる。
【0177】
油性懸濁液は、有効成分を植物油、例えば、アラキスオイル、オリーブオイル、ごま油又はココナットオイル中、又は液体パラフィンなどの鉱油中に懸濁させることにより調合できる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、ミツロウ、硬質パラフィン又はセチルアルコールを含むことができる。甘味剤及び芳香剤は、口当たりのよい経口調製物を提供するために添加することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を添加して保存できる。
【0178】
水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散性粉体及び顆粒は、分散若しくは湿潤剤、懸濁剤及び1種又は複数の防腐剤と混合した有効成分を提供する。適切な分散若しくは湿潤剤又は懸濁剤は、既に上述したものにより例示されている。追加の賦形剤、例えば、甘味、芳香及び着色剤も存在させることができる。
【0179】
本発明の薬剤組成物は、水中油型乳化液の形態でもよい。油相は、植物油又は鉱油又はこれらの混合物でもよい。適切な乳化剤は、天然産のガム、例えば、アカシアガム又はトラガンタンガム、天然産のホスファチド、例えば、ダイズ、レシチン、及び脂肪酸及び無水ヘキシトール由来のエステル若しくは部分エステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、及び前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンでよい。乳化液は、甘味及び芳香剤を含むこともできる。
【0180】
シロップ及びエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、グルコース又はスクロースにより製剤できる。そうした製剤は、鎮痛薬、防腐及び芳香及び着色剤を含むこともできる。薬剤組成物は、滅菌注射用水性若しくは油性懸濁液の形態でもよい。こうした懸濁液は、上述の適切な分散若しくは湿潤剤及び懸濁剤を使用する周知の技術に従って製剤できる。滅菌注射用調製物は、無毒性の非経口として許容される希釈剤若しくは溶媒における滅菌注射用液若しくは懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオール溶液でもよい。使用できる許容されるビヒクル及び溶媒としては、水、リンゲル液及び生理食塩液がある。加えて、好都合には滅菌不揮発性油が、溶媒又は懸濁媒体として使用される。この目的のために、合成モノ−若しくはジグリセリドを含めての任意の無菌性不揮発性油が使用できる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射用調製物で使用される。
【0181】
一般式Iの化合物は、座薬、例えば、薬物の直腸投与用の形態で投与することもできる。これらの組成物は、常温で固体であるが直腸温度で液体であり、したがって直腸内で溶融して薬物を放出する適切な無刺激性賦形剤と薬物を混合することによって調製できる。そうした材料には、ココアバター及びポリエチレングリコールが含まれる。
【0182】
一般式Iの化合物は、滅菌媒体において非経口的に投与できる。薬物は、ビヒクル及び使用濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁しても溶解してもよい。有利には、局所麻酔薬、防腐剤及び緩衝剤はビヒクル中に溶解できる。
【0183】
眼又は他の外部組織、例えば、口及び皮膚の障害に対しては、製剤は、好ましくは、有効成分を、例えば、全量で0.075〜30重量%、好ましくは0.2〜20重量%、最も好ましくは0.4〜15重量%含む、局所用ゲル、スプレー、軟膏若しくはクリーム、又は座薬として適用される。軟膏で製剤される場合、有効成分は、パラフィン若しくは水混和性軟膏、いずれかのベースと共に使用できる。
【0184】
或いは、水中油型クリームベースを含むクリームにおいて製剤することもできる。望むならば、クリームベースの水相は、例えば、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコール及びその混合物などの多価アルコールを少なくとも30重量%含むことができる。局所用製剤は、望ましくは、皮膚若しくは他の疾患領域からの有効成分の吸収若しくはを促進する化合物を含むことができる。そうした皮膚浸透エンハンサーの例には、ジメチルスルホキシド及び関連した類似体が含まれる。本発明の化合物は、経皮用デバイスにより投与することもできる。好ましくは、貯留と多孔性メンブラン型又は固体マトリックス型変種いずれかのパッチを使用して実施される。いずれの場合でも、有効成分は、貯留若しくはマイクロカプセルからメンブランを通り、患者の皮膚若しくは粘膜に接触する有効剤透過性接着剤内へ連続的に送達される。有効剤が皮膚から吸収される場合、有効剤の制御された所定の流量が、患者に投与される。マイクロカプセルの場合、封入剤は、メンブランとしても機能する。経皮パッチは、アクリル乳化液などの接着システム及びポリエステルパッチを含む適切な溶媒システム中に化合物を含むことができる。本発明の乳化液の油相は、周知の仕方で周知の成分から構成できる。その相は、乳化剤のみを含んでもよいが、少なくとも1種の乳化剤と脂肪若しくは油若しくは脂肪と油の両方の混合物を含むこともできる。好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤として働く親油性乳化剤と一緒に含まれる。油と脂肪の両方を含むことも好ましい。安定剤含有の有無に拘らずこうした乳化剤は一緒になっていわゆる乳化ワックスを構成し、油及び脂肪と一緒になったワックスは、クリーム製剤の油性分散相を形成するいわゆる乳化軟膏ベースを構成する。本発明の製剤での使用に適した乳化剤及び乳化液安定剤には、就中、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル及びラウリル硫酸ナトリウムが含まれる。製剤用の適切な油若しくは脂肪の選択は、所望の表面特性を実現させることに基づく。というのは薬剤乳化液製剤中で使用される可能性がある大抵の油中への有効化合物の溶解度は、非常に低いからである。したがって、クリームは、好ましくは、チューブ若しくは他の容器からの漏洩を避けるための適切なコンシステンシーを有する非グリース性、非汚染性の洗浄可能な製品であるべきである。ジイソアジピン酸エステル、ステアリン酸イソセチル、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル又は分枝鎖エステルのブレンドなど直鎖若しくは分枝鎖の一若しくは二塩基アルキルエステルを使用できる。これらは、要求される特性に応じて単独又は組合せで使用できる。或いは、白色軟質パラフィン及び/又は液体パラフィン又は他の鉱油などの低融点脂質も使用できる。
【0185】
眼に対する局所投与に適した製剤には点眼液も含まれ、有効成分は、適切な担体、特に有効成分に対する水性溶媒中に溶解又は懸濁される。抗炎症性有効成分は、好ましくは、こうした製剤中で、濃度0.5〜20、有利には0.5〜10、特に約1.5重量%で存在する。治療の目的に対して、本組合せ発明の有効化合物は、通常、指示された経路の投与に適した1種又は複数のアジュバントと組み合わせられる。化合物は、ラクトース、スクロース、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸及び硫酸のナトリウム及びカルシウム塩、ゼラチン、アカシアガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、及び/又はポリビニルアルコールと混合でき、次いで、好都合に投与するために錠剤若しくはカプセルにされる。こうしたカプセル若しくは錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース中に有効化合物を分散させたて提供できる場合と同様に、放出を制御した製剤を含むことができる。非経口投与用の製剤は、水性若しくは非水性等張滅菌注射液若しくは懸濁液の形態でよい。これらの溶液及び懸濁液は、経口投与用の製剤での使用に対して挙げられた1種又は複数の担体又は希釈剤を含む滅菌粉体若しくは顆粒から調製できる。化合物は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、コーンオイル、綿実油、ピーナッツオイル、ごま油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム及び/又は様々な緩衝液に溶解できる。他のアジュバント及び投与モードは、薬剤技術分野で十分に且つ広く知られている。
【0186】
1日体重1kg当り約0.1mg〜約140mgのオーダーの用量レベルは、上に示した病状の治療において有用である(1日患者当り約0.5mg〜約7g)。単一用量形を作製するために担体材料と組み合わせることができる有効成分の量は、被治療宿主及び投与の特定モードに応じて変わる。用量単位形は、一般に、有効成分約1mg〜約500mgを含む。1日分の用量は、1日、1〜4個の用量で投与できる。病状が皮膚の場合、本発明の化合物の局所用調製物を患部に1日2〜4回塗布するのが好ましい。
【0187】
しかし、任意の特定の患者に対する指定用量レベルは、使用する指定化合物の活性、年令、体重、全身健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、及び排泄速度、薬物の組合せ、並びに治療を受けている特定疾患の重篤度を含めての様々な因子次第であることを理解されたい。
【0188】
ヒト以外の動物に対する投与に関しては、組成物は、動物飼料若しくは飲料水に添加することもできる。動物が、その給餌と共に治療上十分な量の組成物を摂取するように動物飼料及び飲料水を調合することが好都合である場合もある。飼料及び飲料水への添加用プレミックスとして組成物を提供することが好都合である場合もある。
【0189】
特許を含めての全ての論文及び参考資料の本文書における開示は、その全体の参照により本明細書に組み込まれる。
【0190】
本発明を以下の実施例によりさらに例示するものであるが、本発明を範囲若しくは趣旨においてそこに記載の特定の手順に限定するものとみなすべきではない。
【0191】
出発材料及び様々な中間体は、市販ソースから得ることができ、市販の化合物から調製でき且つ/又は周知の合成方法を使用して調製できる。
【0192】
一般的合成手順
本発明の化合物は、有機合成の技術分野で周知の方法を使用して調製できる。例えば、本発明の化合物及びすべての中間体は、以下に示す溶液若しくは固体相いずれかの技法を使用して合成できる。本発明の化合物を調製するための代表的な手順を以下のスキームにおいて要約する。
【0193】
加えて、当業者には明らかであるように、ある種の官能基が非所望の反応を行うのを防止するのに通常の保護基が、必要である場合がある。様々な官能基のための適切な保護基、及び特定の官能基を保護及び脱保護するための適切な条件は、当技術分野でよく知られている。例えば、多数の保護基が、T.W.Greene及びG.M.Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、Second Edition、Wiley、New York、1991年及びそこに引用された参考文献に記載されている。
【0194】
式II〜XIの化合物は、当業者に周知の様々な方法により調製できる。例えば、式II〜XIの化合物は、以下に示す溶液若しくは固体相いずれかの技法を使用する周知の方法により合成できる。
【化36】


101及びR201は、ヘテロ原子により任意選択で置換されているアルキル、アルケニルであり、R301は、
【化37】


である。
【0195】
ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、酢酸エチル、アセトンなどの適切な溶媒中で適切なハロゲン化スルホニル2.0により、第2級環式アミン1.0(Rに環化したR)をスルホニル化すると、式II〜XIの化合物が得られる。
【化38】


nは、1又は2であり、R401は、R、R、R21、R22、R15又はR24であり、R501は、R23又はRであり、R301は、
【化39】


である。
【0196】
ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、酢酸エチル、アセトンなどの適切な溶媒中で適切なハロゲン化スルホニル4.0により、アミノ酸3.0をスルホニル化すると、式5.0の化合物が得られる。化合物5.0は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなどの塩基を含むジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリル、ピリジンなどの適切な溶媒の存在下、第1級(R=H)若しくは第2級アミンによる処理によりさらに官能化され、続いて、ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−テトラメチルウロニウム(HATU)、(1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)又はジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)とHOBTを添加すると、式II、VI若しくはVIIの化合物が得られる。
【化40】


nは、1であり、R301は、
【化41】


である。
【0197】
メタノールなど適切な溶媒中で適切なアルデヒドと共に第1級アミン6.0を還流すると、アミノ酸7.0が得られる。続いて、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、酢酸エチル、アセトンなどの適切な溶媒中で適切なハロゲン化スルホニル8.0により、アミノ酸7.0をスルホニル化すると、式9.0の化合物が得られる。化合物9.0は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなどの塩基を含むジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリル、ピリジンなどの適切な溶媒の存在下、第1級(R=H)若しくは第2級アミンによる処理によりさらに官能化され、続いて、ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−テトラメチルウロニウム(HATU)、(1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)又はジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)とHOBTを添加すると、式VIIIの化合物が得られる。
【0198】
本発明のある種の化合物は、周知の反応及び官能基変換を介して他の本発明の化合物から調製される。そうした変換の例は、エステル加水分解、アミド形成及び還元性アルキル化であり、これらの例については、以下の実施例で記載されている。出発原料は、市販ソースから得られ、又は以下の実施例で記載されている周知の方法により調製される。
【0199】
本発明に含まれる化合物は、以下の実施例により例示されるが、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。本発明の範囲内の類似の構造及び代替の合成経路は、当業者には明らかであろう。
【0200】
以下の実施例では、MHは、ThermoHypersil−Keystone BDS Hypersil C18カラム(50mm×3mm、粒子径5ミクロン)で実施されるLC/MSにより求めらる質量を指す。MNaは、そのナトリウム付加化合物に基づく生成物を同定するために使用される。LC/MSの溶離条件は以下の通りである:溶媒:A.0.05%TFA(v/v)を含む水;B.0.05%TFA(v/v)を含むアセトニトリル;流速:3mL/分
傾斜方法
時間(分) Bの濃度(%)
0 5
0.25 5
2.75 95
3.5 95
3.6 5
4.0 停止
【0201】
以下の実施例の化合物を単離するために、Phenomenex Aqua C18カラム(60mm×21.2mm、粒子径5ミクロン)を利用するVarian逆相分取HPLCを使用した。LC/MSの溶離条件は以下の通りである:溶媒:A.0.1%TFA(v/v)を含む水;B.0.1%TFA(v/v)を含むアセトニトリル;流速:25mL/分
傾斜方法
時間(分) Bの濃度(%)
0 5
0.75 5
9.5 100
10.5 100
11.5 5
12.0 停止
【実施例1】
【0202】
【化42】


市販のDL−アナバシン(64.9mg;0.4mmol)とピリジン(252μl;3.2mmol)の混合物をCHCl中0℃で1時間攪拌した。4−クロロベンゼン塩化スルホニル(126.6mg;0.6mmol)を添加して、次いで10℃で18時間攪拌した。次いで、粗反応混合物をVarian逆相分取HPLCで精製して実施例1の生成物を得た。
【実施例2】
【0203】
【化43】


ステップ1
DL−インドリン−2−カルボン酸(50mg;0.31mmol)とピリジン(97μl;1.24mmol)の混合物をCHCl中0℃で1時間攪拌した。4−クロロベンゼン塩化スルホニル(97mg;0.46mmol)を添加して、次いで10℃で24時間攪拌した。次いで、粗反応混合物をVarian逆相分取HPLCで精製して所望の生成物を得た。
【0204】
ステップ2
ステップ1で形成された生成物の一部分(0.06mmol)をDMFに溶解し、アニリン(5.6μl;0.06mmol)及びトリエチルアミン(33μl;0.24mmol)で処理した。続いてのHATU(23mg;0.06mmol)の添加により、アミド結合の形成が促進された。次いで、得られた粗反応混合物をVarian逆相分取HPLCで精製して実施例2の生成物を得た。
【実施例3】
【0205】
【化44】


ステップ1
3,4−ジメトキシベンズアルデヒド(1.66g;10mmol)とL−システイン(1.21g;10mmol)の混合物を加熱してメタノール中で18時間還流した。次いで、反応物を氷浴で冷却し、得られた環化生成物をろ過し、冷メタノールで洗浄した。
【0206】
ステップ2
ステップ1からの生成物の一部分(484mg;1.8mmol)及びピリジン(711μl;9mmol)をCHCl中0℃で1時間攪拌した。4−クロロベンゼン塩化スルホニル(570mg;2.7mmol)を添加して、次いで10℃で24時間攪拌した。次いで、粗反応混合物をVarian逆相分取HPLCで精製して所望の生成物を得た。
【0207】
ステップ3
ステップ2で形成された生成物の一部分(0.033mmol)をDMFに溶解し、アニリン(3.1μl;0.033mmol)及びトリエチルアミン(18μl;0.13mmol)で処理した。続いてのHATU(12mg;0.033mmol)の添加により、アミド結合の形成が促進された。次いで、得られた粗反応混合物をVarian逆相分取HPLCで精製して実施例3の生成物を得た(138)。
【0208】
以下の化合物を基本的に上述の方法及び手順に従って調製した。
【表1−1】


【表1−2】


【表1−3】


【表1−4】


【表1−5】


【表1−6】


【表1−7】


【表1−8】


【表1−9】

【0209】
γセクレターゼの選択的阻害剤に対するNotchシグナル伝達検定
証拠の合致により、プレセリニンサブユニットからなるγセクレターゼ複合体は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)及びタンパク質のNotchファミリの膜内開裂を仲介する(De Strooper,B.、P.Saftig、K.Craessaerts、H.Vanderstichele、G.Guhde、W.Annaert、K.Von Figura及びF.Van Leuven(1998年)、「プレセニリン−1の欠乏により、アミロイド前駆体タンパク質の正常な開裂が阻害される(Deficiency of presenilin−1 inhibits the normal cleavage of amyloid precursor protein)」、Nature 391巻(6665)、頁387〜90;De Strooper、B.、W.Annaert、P.Gapers、P.Saftig、K.Craessaerts、J.S.Mumm、E.H.Schroeter、V.Schrijvers、M.S.Wolfe、W.J.Rayら(1999年)、「プレセリニン−1依存性γセクレターゼ様プロテアーゼは、Notch細胞内ドメインの放出を仲介する(A presenilin−l−dependent gamma−secretase−like protease mediates release of Notch intracellular domain)」、Nature、398巻(6727)、頁518〜22;Mumm,J.S.、E.H.chroeter、M.T.Saxena、A.Griesemer、X.Tian、D.J.Pan、W.J.Ray及びR.Kopan(2000年)、「リガンド誘導性細胞外開裂は、Notch1のγ−セクレターゼ類似タンパク質分解活性を制御する(A ligand−induced extracellular cleavage regulates gamma−secretase−like proteolytic activation of Notch1)」、Mol Cell、5巻(2)、頁197〜206;Zhang,Z、P.Nadeau、W.Song、D.Donoviel、M.Yuan、A.Bernstein及びB.A.Yankner(2000年)、「プレセリニンは、β−APPのγ−セクレターゼ開裂及びNotch−1の膜貫通開裂のために必要である(Presenilins are required for gamma−secretase cleavage of beta−APP and transmembrane cleavage of Notch−1)」、Nat Cell Biol、2巻(7)、頁463〜5)。γセクレターゼによるAPPの開裂は、β−アミロイドの合成をもたらす。γセクレターゼによるNotchの開裂は、Notch細胞内ドメインの放出(NICD)をもたらし、これが核に転座し、遺伝子発現を活性化させる(Jarriault,S.、C.Brou、F.Logeat、E.H.Schroeter、R.Kopan及びA.Israel(1995年)、「活性化された哺乳動物Notchの下流へのシグナル伝達(Signalling downstream of activated mammalian Notch)」、Nature、377巻(6547)、頁355〜8;Kopan,R.、E.H.Schroeter、H.Weintraub及びJ.S.Nye(1996年)、「活性化Notchによるシグナル伝達:タンパク質分解プロセッシングの重要性及び細胞外ドメインによるその調節(Signal transduction by activated Notch:importance of proteolytic processing and its regulation by the extracellular domain)」、Proc Nail Acad Sci USA、93巻(4)、頁1683〜8;Schroeter,E.H.、J.A.Kisslinger及びR.Kopan(1998年)、「Notch−1のシグナル伝達には細胞内ドメインのリガンド誘導性タンパク質分解放出が必要である(Notch−1 signalling requires ligand−induced proteolytic release of intracellular domain)」、Nature 393巻(6683)、頁382〜6)。特に、Notchシグナル伝達は、Drosophila転写因子、分割の毛様エンハンサー(Hes)の哺乳動物類似体の転写を活性化する。核内でNICDと結合すると、Hes1の転写活性化が、CBF1/RBPJkの脱阻止により仲介される。これらの事実は、Notchシグナル伝達用のレポーター遺伝子検定法を開発するために利用されている(Hsieh,J.J.、T.Henkel、P.Salmon、E.Robey、M.G.Peterson及びS.D.Hayward(1996年)、「切断哺乳動物Notch1は、Epstein−Barrウイルス、EBNA2のメカニズムに類似のメカニズムによりCBF1/RBPJk阻止遺伝子を活性化する(Truncated mammalian Notch1 activates CBFIIRBPJk−repressed genes by a mechanism resembling that of virus EBNA2)」、Mol Cell Biol、16巻(3)、頁952〜9;Lu,F.M.及びS.E.Lux(1996年)、「恒常的に活性なヒトのNotch1は、転写因子CBF1に結合し、CBF1応答性エレメントを含むプロモーターを介して転写を刺激する(Constitutively active human Notch1 binds to the transcription factor CBF1 and stimulates transcription through a promoter containing a CBF1−responsive element)」、Proc Natl Acad Sci USA、93巻(11)頁5663〜7)。
【0210】
γセクレターゼ阻害剤は、NICD形成を遮断し、Notchシグナル伝達を阻害することが観察されている(De Strooper,B.、W.Annaert、P.Gapers、P.Saftig、K.Craessaerts、J.S.Mumm、E.H.Schroeter、V.Schrijvers、M.S.Wolfe、W.J.Rayら(1999年)、「プレセリニン−1依存性γセクレターゼ類似プロテアーゼは、Notch細胞内ドメインの放出を仲介する(A presenilin−l−dependent gamma−secretase−like protease mediates release of Notch intracellular domain)」、Nature、398巻(6727)、頁518〜22)。細胞運命の決定におけるNotchシグナル伝達並びに発育及び成人両方での組織分化の重要性故に、γセクレターゼ阻害剤によるNotchシグナル伝達の阻害は、それらの治療での利用における限定因子であると推定されている。選択的なγセクレターゼ阻害剤を確認するために、本発明者らは、CBF1阻止性ルシフェラーゼレポーター遺伝子4xwtCBF1Lucと組み合わせて、Shawber,C.、D.Nofziger、J.J.Hsieh、C.Lindsell、O.Bogler、D.Hayward及びG.Weinmaster(1996年)、「Notchシグナル伝達は、CBF1非依存性経路を介して筋肉細胞の分化を阻害する(Notch signaling inhibits muscle cell differentiation through a CBFI−independent pathway)」、Development 122巻(12)、頁3765〜73に記載の、カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)Gerry Weinmaster博士から提供された恒常的に活性なラットのNotch1コンストラクト(ZEDN1)を使用してレポーター遺伝子ベースのNotchシグナル伝達検定を行った(Hsieh,J.J.、T.Henkel、P.Salmon、E.Robey、M.G.Peterson及びS.D.Hayward(1996年)、「切断哺乳動物Notch1は、Epstein−Barrウイルス、EBNA2のメカニズムに類似のメカニズムによりCBF1/RBPJk抑制遺伝子を活性化する(Truncated mammalian Notch1 activates CBFIIRBPJk−repressed genes by a mechanism resembling that of virus EBNA2)」、Mol Cell Biol、16巻(3)、頁952〜9)。
【0211】
4xwtCBF1ルシフェラーゼが、NotchδE(ZEDN1)と同時形質移入されると、NotchδEのγ−セクレターゼ開裂により、Notch細胞内ドメイン(NICD)が放出され、それが核に転座し、CBF1仲介転写抑制を脱抑制し、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の転写がもたらされる。ルシフェラーゼ活性は、市販のキットを使用して細胞抽出で容易に検定される。レポーター遺伝子の活性は、NotchδEのγ−セクレターゼ開裂に直接連関し、そのためにルシフェラーゼ活性の低減が、NotchδEのγセクレターゼ開裂阻害の好都合な指標を提供する。Notchシグナル伝達阻害用の化合物と293sw細胞におけるβ−アミロイド産生阻害用化合物のIC50値の比較を使用して、Notchシグナル伝達阻害を最小にすると同時に所望のβ−アミロイド合成阻害能力特性を有する化合物を選択するためのガイドを行う。
【0212】
化合物45、46及び47は、約100〜1000nMの範囲内のIC50を示し、化合物1、2、9、12、13、43、48、51、54、124及び149は、約1000〜10,000nMの範囲内のIC50を示し、化合物56、65、74、116、138及び139は、約10,000nMを超えるIC50を示す。
【0213】
如何なる当業者もそれを作製し且つ使用することが可能であるような十分な、明確な、簡潔な且つ正確な用語で、本発明、並びにそれを作製し且つ使用する仕方及び方法をここに記載するものである。前述の事項は、本発明の好ましい実施形態を記載するものであり、特許請求の範囲に挙げられた本発明の精神又は範囲から逸脱することなくその中での改変ができるものであることを理解されたい。本発明に関する主題事項を具体的に指摘し、明確に特許請求するために、以下の特許請求の範囲により本明細書を結論する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式:
【化1】


の化合物又は薬剤として許容されるその塩
[前記式中、
環Aは、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリニル、1,2−ジヒドロキノリニル、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−α]ピリミジニル、1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−4−オニル、1,4,7−トリオキサ−10−アザシクロドデカニル、1,4−ジアゼパニル、1H−ナフト[1,2−d]イミダゾリル、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジニル、アゼパニル、デカヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、インドリニル、オクタヒドロ−1H−インドリル、3−アザビシクロ[3.2.2]ノナニル、1H−ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、スピロ[インデン−1,4’−ピペリジニル]、5H−ジベンゾ[b,f]アゼピニル、2−ヒドロキシメチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカニル、10H−フェノチアジニル、1,2,4,5−テトラヒドロスピロ[2−ベンゾアゼピン−3,1’−シクロヘキサニル]、2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリニル及び10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピニルから選択され、上記の基はそれぞれ、独立にOH、H、CN、オキソ、ハロ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、−C(O)NR10、−C(O)N(R)−C〜Cアルキル−R26、−S−C〜Cアルキル、−C(O)R28、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜Cアルキル−NRC(O)OR11、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、C〜Cアルキル−C(O)OR11、CF、−OCF又はNOである1、2、3若しくは4個の基により任意選択で置換されている;或いは、
環Aは、次式:
【化2】


を有する基である
(上記式中、
Wは、CR又は窒素である;
Xは、硫黄、SO、SO又は酸素である;
Yは、硫黄、SO、SO、酸素又はNRである;
mは、1又は2である;
nは、0又は1から8までの整数である;
各出現におけるRは、独立にOH、H、CN、オキソ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、−C(O)R11、−C(O)NR10、−C(O)OR11、C〜Cアルキル−NRC(O)OR11、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28であり、上記それぞれのアルキル部分は、独立にC〜Cアルキル、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−R26、ハロ、OH、オキソ、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4、5若しくは6個の基により任意選択で置換されている;
及びRは、独立にOH、H、NH、オキソ、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、−C(O)NR10、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28であり、アルキル基は、独立にC〜Cアルキル、OH、C〜Cアルコキシ、ハロ、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4、5若しくは6個の基により任意選択で置換されている;
、R、R及びRは、独立にH、OH、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルコキシ又はC〜Cアルキルであり、アルコキシ及びアルキル基は、独立にハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OH、オキソ、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3若しくは4個の基により任意選択で置換されている;
は、クロロ、フルオロ、ヨード、CF、−OCF、NO又はCNである;
及びR10は、独立にH、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル又はC〜Cアルキル−R26である;或いは
及びR10は、それらが結合している窒素と一緒にピロリジニル又はピペリジニルを形成する;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル又はC〜Cアルキル−R26である;
12及びR13は、独立にOH、H、CN、NH、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28、−C(O)NR10、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである;
14は、H、C〜Cアルキル又はオキソである;
15は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−O−(ヒドロキシ−C〜Cアルキル)、−C(O)−N(R、−C(O)R27、C〜Cアルキル−C(O)R28、−C(O)OR11、C〜Cアルキル−R26又はC〜Cアルキル−R27であり、アルキル基は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4、5若しくは6個の基により任意選択で置換されている;
16及びR17は、独立にOH、H、CN、NH、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−R28、−C(O)NR10、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである;
18は、C〜Cアルキル又はオキソである;
19及びR20は、独立にOH、H、CN、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−C(O)OR11、−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28であり、アルキル基は、独立にC〜Cアルキル、OH、C〜Cアルコキシ、ハロ、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3若しくは4個の基により任意選択で置換されている;
21及びR22は、独立にH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−C〜Cアルコキシ、−C(O)OR11、−C(O)NR10、ヒドロキシC〜Cアルキル、C〜Cアルキル−R28、C〜Cアルキル−R27、C〜Cアルキル−NR26又は−C(O)−O−C〜Cアルキル−R26である;
23は、OH、CN、オキソ、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−NR26、C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、−C(O)R11、−C(O)R27、−C(O)R28、−C(O)NR10、−C(O)OR11、C〜Cアルキル−NRC(O)OR11、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28である;
24は、H又はC〜Cアルキルである;
25は、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−NR26、−C(O)O−C〜Cアルキル−R26又はC〜Cアルキル−R28又はCアルキル−R26であり、アルキルは、C〜Cアルキル−R26又はOHにより任意選択で置換されている;
各出現におけるR29は、独立に、OH、H、CN、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、−C(O)R11、−C(O)NR10、−C(O)OR11、C〜Cアルキル−NRC(O)OR11、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28であり、上記それぞれのアルキル部分は、独立にC〜Cアルキル、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−R26、ハロ、OH、オキソ、CF、−OCF、NO、NH、CN、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノである1、2、3、4、5若しくは6個の基により任意選択で置換されている;
30は、OH、H、オキソ、CN、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−C(O)OR11、−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28であり、アルキル基は、独立にC〜Cアルキル、OH、C〜Cアルコキシ、ハロ、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3若しくは4個の基により任意選択で置換されている;
26は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4若しくは5個の基により任意選択で置換されているフェニルである;
27は、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル、フラニル、1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−1−イル又はベンゾイミダゾリルであり、それぞれが、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、−C(O)N(R、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4、5若しくは6個の基により任意選択で置換されている;並びに
28は、ピロリジニル又はピペリジニルであり、それぞれが、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4若しくは5個の基により任意選択で置換されている。)。]。
【請求項2】
次式:
【化3】


又は薬剤として許容されるその塩である、請求項1に記載の化合物
[前記式中、
zは、0、1、2又は3である;
nは、0、1又は2である;
各出現におけるRは、独立にOH、H、CN、オキソ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−R28、C〜Cアルキル−R26、R27、−C(O)R11、−C(O)NR10、−C(O)OR11又はC〜Cアルキル−NRC(O)OR11であり、アルキル基はそれぞれ、独立にOH又はフェニルである1若しくは2個の基により任意選択で置換されている;
及びRは、独立にH、−C(O)NR10、−C(O)OR11、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28又はC〜Cアルキルであり、アルキル基は、OHにより任意選択で置換されている;
、R、R及びRは、独立にH又はフルオロである;
及びR10は、独立にH又はC〜Cアルキルである;
11は、H又はC〜Cアルキルである;
26は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2若しくは3個の基により任意選択で置換されているフェニルである;
27は、ピリジニル、1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−1−イル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル、フラニル又はベンゾイミダゾリルであり、それぞれが、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、−C(O)N(R、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2若しくは3個の基により任意選択で置換されている;並びに
28は、ピロリジニル又はピペリジニルであり、それぞれが、独立にヒドロキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2若しくは3個の基により任意選択で置換されている。]。
【請求項3】
、R、R、R及びRの少なくとも1個が、Hであり、R及びRが、独立にH、R27、又はOHにより任意選択で置換されているC〜Cアルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
、R、R、R及びRが、Hである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が、Hであり、Rが、H、R27、又はOHにより任意選択で置換されているC〜Cアルキルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
が、C〜Cアルキルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が、ピリジニル、キノリニル、ピリミジニル又はフラニルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
及びRが、独立にC〜Cアルキルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項9】
及びRが、Hである、請求項3に記載の化合物。
【請求項10】
、R、R、R、R及びRの少なくとも1個が、Hであり、nが、1であり、Rが、OH、ハロ、又はOHにより任意選択で置換されているC〜Cアルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項11】
、R、R、R、R及びRが、Hである、請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
nが、1又は2であり、Rが、それぞれ独立にメチル又はプロピルである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
、Rが、独立にH又はC〜Cアルキルであり、zが2である、請求項3に記載の化合物。
【請求項14】
次式:
【化4】


又は薬剤として許容されるその塩である、請求項1に記載の化合物
[前記式中、
、R、R及びRは、独立にH又はフルオロである;
24は、H又はC〜Cアルキルである;並びに
25は、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−NH−フェニル、−C(O)O−C〜Cアルキル−フェニル、C〜Cアルキル−ピロリジニル又はC〜Cアルキル−フェニルであり、アルキル部分は、フェニル及びOHにより任意選択で置換されている。]。
【請求項15】
、R、R及びRが、Hである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
24及びR25が、C〜Cアルキルである、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
次式:
【化5】


又は薬剤として許容されるその塩である、請求項1に記載の化合物
[前記式中、
mは、1又は2である;
29は、H、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである;
、R、R及びRは、独立にH又はフルオロである;並びに
30及びR20は、独立にH、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである;或いは
30は、C(O)NR10であり、R及びR10は、独立にH、C〜Cアルキル又はC〜Cアルキル−R26である。]。
【請求項18】
、R、R、R及びR29の少なくとも1個が、Hであり、mが、1であり、R30及びR20が、独立にH又はC〜Cアルキルである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
、R、R、R及びR29が、Hである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
20が、C〜Cアルキルであり、R30が、C〜Cアルキル又は−CH−R26である、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
請求項1に記載の化合物又は塩と、少なくとも1種の薬剤として許容される担体、溶媒、アジュバント又は賦形剤、或いはその組合せとを含む薬剤組成物。
【請求項22】
アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害(MCI)、ダウン症候群、オランダ型アミロイド症を伴う遺伝性脳溢血、脳アミロイド血管症及びその潜在症、すなわち単発性及び再発性大葉性出血;血管性及び退行性混合起源の認知症、パーキンソン病に伴う認知症、進行性核上性麻痺に伴う認知症、皮質性基底変性に伴う認知症、老人性黄斑変性症、又はびまん性レビー小体病型アルツハイマー病を含めての他の退行性認知症;からなる群から選択される疾患又は病状を有する患者を治療する、或いは患者がそれら疾患又は病態に罹患することを予防若しくは遅発させるに際し、そのような治療を必要とする患者を治療する方法であって、治療に有効な量の請求項1に記載の化合物又は塩を投与するステップを含む上記方法。
【請求項23】
2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−b−カルボリン;
8−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン;
1−(4クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジン;
(3R)−N−(tert−ブチル)−2−[(4−クロロフェニル)スルホニル]デカヒドロイソキノリン−3−カルボキサミド;
1’−[(4−クロロフェニル)スルホニル]スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン];
(2S)−1−[(4−クロロフェニル)スルホニル]オクタヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
8−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−4−オン;
[8−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デス−2−イル]−メタノール;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−デカヒドロ−キノリン;
(1s,5s)−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン;
2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1−メチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−b−カルボリン−3−カルボン酸;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸ベンジルアミド;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6−フルオロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸ブチルアミド;
5−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン;
5−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン;
4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−3−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−3−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸フェニルアミド;
4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−3−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン;
4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン;
2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−5−メトキシ−1H−インドール−2−カルボン酸;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸アミド;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸メチルアミド;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド;
[1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イル]−ピロリジン−1−イル−メタノン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸ベンジル−メチル−アミド;
10−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−10H−フェノチアジン
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロ−キノリン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−7−オール;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−8−イルアミン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール;
2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6,7−ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール;
[2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−1−イル]−酢酸;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2−メチルスルファニル−1H−ベンゾイミダゾール;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール;
10−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,4,7−トリオキサ−10−アザ−シクロドデカン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−[1,4]ジアゼパン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−アゼパン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン;
(2R,6S)−1−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2,6−ジメチルピペリジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2−エチル−ピペリジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2,6−ジメチル−ピペリジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2−メチル−ピペリジン;
[1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)ピペリジン−2−イル]メタノール;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−[2,3’]ビピリジニル;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−3,5−ジメチル−ピペリジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−メチル−ピペリジン;
2−[1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イル]−エタノール;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−3−メチル−ピペリジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−オール;
4−ブロモ−1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−オール;
[1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−メタノール;
[1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)ピペリジン−4−イル]−メタノール;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−プロピル−ピペリジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)ピペリジン−4−カルボン酸;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−カルボン酸ジエチルアミド;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸エチルエステル;
{2−[1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イル]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−フェニル−ピペリジン;
4−ベンジル−1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン;
1’−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−[1,4’]ビピペリジニル;
2−(4−{3−[1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)ピペリジン−4−イル]−プロピル}−ピペリジン−1−イル)−エタノール;
[1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イル]−ジフェニル−メタノール;
1−[1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イル]−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−オキソ−ピペリジン−3−カルボン酸エチルエステル;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−3−メチル−3−フェニル−ピペリジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−(4−クロロ−フェニル)−ピペリジン−4−オール;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−フェニル−ピペリジン−4−カルボニトリル;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−フェニル−ピペリジン−4−オール;
1−[1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−フェニルピペリジン−4−イル]−エタノン;
[1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−3−オキソ−ピペラジン−2−イル]−酢酸エチルエステル;
(3S)−1−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−3−メチルピペラジン;
(3R)−1−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−3−メチルピペラジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−エチル−ピペラジン
2−[4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)ピペリジン−1−イル]−エタノール;
2−{2−[4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン−1−イル]−エトキシ}−エタノール;
4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル;
4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−[4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン−1−イル]−1−ピロリジン−1−イル−エタノン;
[4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン−1−イル]−フラン−2−イル−メタノン;
4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル;
1−ベンジル−4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン;
4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2−メチル−1−フェニル−ピペラジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−o−トリル−ピペラジン;
4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2−メチル−1−p−トリル−ピペラジン;
4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1−(4−メトキシ−フェニル)−2−メチル−ピペラジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−(4−フルオロフェニル)−ピペラジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−(3−クロロ−フェニル)−ピペラジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピペラジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−(3,5−ジクロロ−フェニル)−ピペラジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−フェネチル−ピペラジン;
1−ベンズヒドリル−4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−(1−フェニル−エチル)−ピペラジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペラジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−(4−クロロ−フェニル)ピペラジン;
2−[4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン−1−イル)−ベンゾニトリル;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−(2,3−ジメチル−フェニル)−ピペラジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−p−トリルピペラジン;
4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2−メチル−1−m−トリル−ピペラジン;
1−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン;
4−[4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−キノリン;
2−[4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン−1−イル]−ピリミジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−ピリジン−4−イル−ピペラジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−ピリジン−2−イル−ピペラジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン;
4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2,6−ジメチル−モルホリン;
4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−モルホリン;
4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−チオモルホリン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピロリジン−3−オール;
(3S)−1−[(4−クロロフェニル)スルホニル]ピロリジン−3−オール;
tert−ブチル{(3S)−1−[(4−クロロフェニル)スルホニル]ピロリジン−3−イル}カルバメート;
tert−ブチル{(3R)−1−[(4−クロロフェニル)スルホニル]ピロリジン−3−イル}カルバメート;
[1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2,5−ジメチル−ピロリジン;
(2S)−1−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジン;
ベンジル1−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−D−プロリナート;
ベンジル1−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−L−プロリナート;
N−({(2R)−1−[(4−クロロフェニル)スルホニル]ピロリジン−2−イル}メチル)アニリン;
{(2S)−1−[(4−クロロフェニル)スルホニル]ピロリジン−2−イル)(ジフェニル)メタノール;
(2R,5R)−1−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチルピロリジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−5,5−ジフェニル−イミダゾリジン−2,4−ジオン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−5−フェニル−5−p−トリル−イミダゾリジン−2,4−ジオン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−5−(3−ヒドロキシ−フェニル)−5−フェニル−イミダゾリジン−2,4−ジオン;
3−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4,4−ジメチル−オキサゾリジン;
3−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−チアゾリジン
(4S)−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−N−フェニル−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド;
(4R)−N−(sec−ブチル)−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド;
(4S)−N−ベンジル−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド ;
(4S)−N−ブチル−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド;
(4R)−N−ブチル−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド;
(4R)−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−N−シクロヘキシル−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド;
(4S)−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル}−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−N−フェニル−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド;
(4S)−N−ベンジル−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド;
(4S)−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−N−シクロヘキシル−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド;
2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−4−ヨード−2H−ピラゾール−3−カルボン酸;
4−ブロモ−1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−3−メチル−1H−ピラゾール;
4−クロロ−2−[1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノール;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2,5−ジメチル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−アゼチジン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2−フェニル−アジリジン;
又は薬剤として許容されるその塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
次式:
【化6】


の化合物又は薬剤として許容されるその塩
[前記式中、
環Aは、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,2−ジヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル又はデカヒドロキノリニルであり、上記の基はそれぞれ、独立にOH、H、CN、オキソ、ハロ、C〜Cアルコキシ、−C(O)NR10、−C(O)N(R)−C〜Cアルキル−R26、−S−C〜Cアルキル、−C(O)R28、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜Cアルキル−NRC(O)OR11、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、C〜Cアルキル−C(O)OR11、CF、−OCF又はNOである1、2、3若しくは4個の基により任意選択で置換されている;或いは、
環Aは、次式:
【化7】


を有する基である
(前記式中、
、R、R及びRは、独立にH、OH、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルコキシ又はC〜Cアルキルであり、アルコキシ及びアルキル基は、独立にハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OH、オキソ、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3若しくは4により任意選択で置換されている;
は、クロロ、フルオロ、ヨード、CF、−OCF、NO又はCNである;
及びR10は、独立にH、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル又はC〜Cアルキル−R26である;或いは
及びR10は、それらが結合している窒素と一緒にピロリジニル又はピペリジニルを形成する;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル又はC〜Cアルキル−R26である;
20は、OH、H、CN、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−C(O)OR11、−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28であり、アルキル基は、独立にC〜Cアルキル、OH、C〜Cアルコキシ、ハロ、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3若しくは4個の基により任意選択で置換されている;
26は、独立にC〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4若しくは5個の基により任意選択で置換されているフェニルである;
27は、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル、フラニル、1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−1−イル又はベンゾイミダゾリルであり、それぞれが、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、−C(O)N(R、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4、5若しくは6個の基により任意選択で置換されている;
28は、ピロリジニル又はピペリジニルであり、それぞれが、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4若しくは5個の基により任意選択で置換されている;並びに
30は、OH、H、オキソ、CN、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−C(O)OR11、−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28であり、アルキル基は、独立にC〜Cアルキル、OH、C〜Cアルコキシ、ハロ、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3若しくは4個の基により任意選択で置換されている。)。]。
【請求項25】
次式:
【化8】


の化合物又は薬剤として許容されるその塩
[前記式中、
環Aは、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、1,2−ジヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル又はデカヒドロキノリニルであり、上記の基はそれぞれ、独立にOH、H、CN、オキソ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、−C(O)NR10、−C(O)N(R)−C〜Cアルキル−R26、−S−C〜Cアルキル、−C(O)R28、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−C(O)OR11、C〜Cアルキル−NRC(O)OR11、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、C〜Cアルキル−C(O)OR11、CF、−OCF又はNOである1、2、3若しくは4個の基により任意選択で置換されている;或いは、
環Aは、次式:
【化9】


を有する基である
(前記式中、
、R、R及びRは、独立にH、OH、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルコキシ又はC〜Cアルキルであり、アルコキシ及びアルキル基は、独立にハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OH、オキソ、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3若しくは4個の基により任意選択で置換されている;
は、クロロ、フルオロ、ヨード、CF、−OCF、NO又はCNである;
及びR10は、独立にH、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル又はC〜Cアルキル−R26である;或いは
及びR10は、それらが結合している窒素と一緒にピロリジニル又はピペリジニルを形成する;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル又はC〜Cアルキル−R26である;
20は、独立にOH、H、CN、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−C(O)OR11、−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28であり、アルキル基は、独立にC〜Cアルキル、OH、C〜Cアルコキシ、ハロ、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3若しくは4個の基により任意選択で置換されている;
26は、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4若しくは5個の基により任意選択で置換されているフェニルである;
27は、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ピリミジニル、フラニル、1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−1−イル又はベンゾイミダゾリルであり、それぞれが、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、−C(O)N(R、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4、5若しくは6個の基により任意選択で置換されている;
28は、ピロリジニル又はピペリジニルであり、それぞれが、独立にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、ハロ、OH、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3、4若しくは5個の基により任意選択で置換されている;並びに、
30は、OH、H、オキソ、CN、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル−C(O)OR11、−C(O)NR10、C〜Cアルキル−R26、C〜Cアルキル−R27又はC〜Cアルキル−R28であり、アルキル基は、独立にC〜Cアルキル、OH、C〜Cアルコキシ、ハロ、CF、−OCF、NO、NH、モノ−若しくはジ−(C〜Cアルキル)アミノ又はCNである1、2、3若しくは4個の基により任意選択で置換されている。)。]。
【請求項26】
環Aが、
【化10】


であり、
、R、R及びRは、独立にH又はフルオロである;
は、クロロである;
20は、独立にH、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである;
30は、H、C〜Cアルコキシである;或いはC(O)NR10であり、R及びR10は、独立にH、C〜C−アルキル又はC〜Cアルキル−R26である化合物。
【請求項27】
環Aが、NHにより任意選択で置換されている1,2,3,4−テトラヒドロキノリンである;
、R、R及びRが、Hである;並びに
が、クロロである化合物。
【請求項28】
環Aが、独立にC〜Cアルコキシ又はC〜Cアルキル−C(O)OR11である1又は2個の基により任意選択で置換されている1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンである;
、R、R及びRが、Hである;
が、クロロである;並びに
11が、Hである化合物。
【請求項29】
環Aが、−C(O)NR10により任意選択で置換されているデカヒドロイソキノリニルである;
、R、R及びRが、Hである;
が、クロロである;並びに
及びR10が、独立にH又はC〜Cアルキルである化合物。
【請求項30】
環Aが、独立にC〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである1、2、3又は4個の置換基により任意選択で置換されている1,2−ジヒドロキノリニルである;
、R、R及びRが、Hである;並びに
が、クロロである化合物。
【請求項31】
アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害(MCI)、ダウン症候群、オランダ型アミロイド症を伴う遺伝性脳溢血、脳アミロイド血管症及びその潜在症、すなわち単発性及び再発性大葉性出血;血管性及び退行性混合起源の認知症、パーキンソン病に伴う認知症、進行性核上性麻痺に伴う認知症、皮質性基底変性に伴う認知症、老人性黄斑変性症又はびまん性レビー小体病型アルツハイマー病を含めての他の退行性認知症;からなる群から選択される疾患又は病状を有する患者を治療する、或いは患者がそれら疾患又は病態に罹患することを予防若しくは遅発させる薬物を製造するための、治療に有効な量の請求項1に記載の化合物又は塩の使用。
【請求項32】
(3R)−N−(tert−ブチル)−2−[(4−クロロフェニル)スルホニル]デカヒドロイソキノリン−3−カルボキサミド;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−デカヒドロ−キノリン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン;
2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロ−キノリン;
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−8−イルアミン;
2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6,7−ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン;
[2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−1−イル]−酢酸である化合物又は薬剤として許容されるその塩。
【請求項33】
1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6−フルオロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリンである化合物又は薬剤として許容されるその塩。

【公表番号】特表2007−538106(P2007−538106A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527530(P2007−527530)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/017985
【国際公開番号】WO2005/113542
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(503007313)イーラン ファーマスーティカルズ、インコーポレイテッド (22)
【Fターム(参考)】