説明

δ−バレロラクトン類及びその製造法

【課題】新規なδ-バレロラクトン類を収率良く簡便かつ安全に製造する。
【解決手段】下記一般式(I):


[式中、Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を示し、結合X−Y、Y−Z及びZ−Wは各々、炭素−炭素単結合又は炭素−炭素二重結合を示す。但し、結合X−Y、Y−Z及びZ−Wは同時に炭素−炭素二重結合でない。]
で表される化合物;及びその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、δ-バレロラクトン類、及び2-ピロン-4,6-ジカルボン酸からのその製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
δ-バレロラクトン類は、医薬、農薬、化粧品又は食品添加物の中間体として有用であり、またエレクトロニクス関連におけるレジスト素材原料としても有用である。
【0003】
δ-バレロラクトンの製造法としては、例えば、1,5-ペンタンジオールからの環化脱水素反応により製造する方法が知られている(特許文献1)。また、特定のエポキシアルコールをコバルト化合物の存在下に、一酸化炭素と反応させる方法も知られている(特許文献2)。しかしながら、特許文献1の方法では、1,5-ペンタンジオールの環化反応の際に環化物の他に直鎖物も生成し、環化物の回収率が低くなるという問題がある。溶液濃度を下げると、環化物は生成し易くなるが、依然として環化物の回収率は低い。一方、溶液濃度を上げると、1,5-ペンタンジオールのほとんどは直鎖物になってしまう。また、特許文献2の方法では、高収率でδ-バレロラクトン誘導体を得るためには、反応系にアゾール類を更に添加する必要があり、この添加されたアゾール類は除去されることなく、そのまま目的物の反応液に含まれる。
更に、多価アルコールの存在下に、ヒドロキシカルボン酸エステルを分子内エステル化させることにより、比較的大環状のラクトンを製造する方法も報告されているが(特許文献3)、反応物のエステルは1置換体又は2置換体に制限され、3置換以上のエステルでは大部分がマトリックスを形成してしまい、環化しない。
【0004】
一方、本発明者らは、代表的なバイオマス資源であるリグニンからバイオリアクターにより2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(2-pyron-4,6-dicarboxylic acid)(以下「PDC」と略す)を効率的に得る方法を確立してきた(特許文献4)。現在、このPDCは、その2官能性を利用して、生分解性のポリエステル、ポリアミド等のポリマーへの応用が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−331626号公報
【0006】
【特許文献2】特開2006−50318号公報
【0007】
【特許文献3】特開2004−339115号公報
【0008】
【特許文献4】特開2005−278549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明は、PDCから新規なδ-バレロラクトン類を収率良く簡便に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、水素ガスを使用することなく、PDC又はその誘導体をギ酸又はその塩及び水素化触媒の存在下に還元することにより、新規なδ-バレロラクトン類が収率良く、簡便かつ安全に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、(1)本発明は、下記一般式(I):
【0012】
【化1】

【0013】
[式中、Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を示し、結合X−Y、Y−Z及びZ−Wは各々、炭素−炭素単結合又は炭素−炭素二重結合を示す。但し、結合X−Y、Y−Z及びZ−Wは同時に炭素−炭素二重結合でない。]
で表される化合物を提供する。
(2)本発明は、下記一般式:
【0014】
【化2】

【0015】
[式中、Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を示す。]
で表される化合物である、(1)記載の化合物を提供する。
(3)本発明は、下記一般式:
【0016】
【化3】

【0017】
[式中、Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を示す。]
のいずれかで表される化合物である、(1)記載の化合物を提供する。
【0018】
(4)本発明は、前記Rがメチル基である、(1)〜(3)のいずれか1記載の化合物を提供する。
(5)本発明は、2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(2-pyron-4,6-dicarboxylic acid)又はそのエステルをギ酸又はその塩及び水素化触媒の存在下に還元することを特徴とする、下記一般式(I):
【0019】
【化4】

【0020】
[式中、Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を示し、結合X−Y、Y−Z及びZ−Wは各々、炭素−炭素単結合又は炭素−炭素二重結合を示す。但し、結合X−Y、Y−Z及びZ−Wは同時に炭素−炭素二重結合でない。]
で表される化合物の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、新規なδ-バレロラクトン類を収率良く、簡便かつ安全に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の新規なδ-バレロラクトン類は、前記式(I)で表される化合物である。式(I)におけるRは、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を意味する。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、シクロペンチルメチル基等を挙げることができる。式(I)で表されるエステルとしては、例えば、PDCのビス-メチルエステル、ビス-エチルエステル、ビス-n-プロピルエステル等が挙げられる。
【0023】
式(I)で表されるδ-バレロラクトン類としては、具体的には、下記式:
【0024】
【化5】

【0025】
[式中、Rは、水素原子又は前記のC1〜C6のアルキル基を示す。]
で表される飽和ラクトンが挙げられる。
【0026】
また、式(I)で表されるδ-バレロラクトン類としては、具体的には、下記式:
【0027】
【化6】

【0028】
[式中、Rは、水素原子又は前記のC1〜C6のアルキル基を示す。]
で表されるいずれかの不飽和ラクトンが挙げられる。
【0029】
式(I)で表されるδ-バレロラクトン類は、PDC又はそのエステル(1)を水素源及び水素化触媒の存在下に還元することによって得られる。
【0030】
【化7】

【0031】
[式中、Rは、水素原子又は前記のC1〜C6のアルキル基を示し、結合X−Y、Y−Z及びZ−Wは各々、炭素−炭素単結合又は炭素−炭素二重結合を示す。但し、結合X−Y、Y−Z及びZ−Wは同時に炭素−炭素二重結合でない。]
【0032】
PDCは、例えば、特開2005−278549号公報に記載の方法により、バニリン、シリンガアルデヒド、バニリン酸、シリンガ酸もしくはプロトカテク酸のようなリグニン等の植物由来の低分子化合物、又はその混合物から容易に得ることができる。具体的には、PDCを生産するための多段階反応を触媒する4種類の酵素(ベンズアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ディメチラーゼ、プロトカテク酸4,5-ジオキシゲナーゼ、4-カルボキシ-2-ヒドロキシムコン酸-6-セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ)をコードする遺伝子を含む組換えベクターを、微生物(例えば、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)PpY1100))などの宿主に導入して形質転換体を作製し、次いで、該形質転換体を上記の化合物又は混合物の存在下に培養することにより得られる。
【0033】
PDCのエステルは、例えば、WO 99/54376に記載されているように、塩酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸等の酸の存在下に、PDCと、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール)、ポリアルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール)、ポリアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド)等とを必要に応じて加温しながら反応させることによって得られる。
【0034】
水素源としては、比較的安全であり、かつ逐次的な添加が可能なことから、ギ酸、又はその塩、例えば、ギ酸アンモニウム塩、ギ酸アルカリ金属塩等を使用する。ギ酸アルカリ金属塩としては、具体的には、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム等が挙げられる。なお、水素源として、水素ガス;水素化ホウ素ナトリウム;シリルヒドリド;シクロヘキサジエン、メチルシクロへキサン、デカヒドロナフタレン等の炭化水素類を使用することもできる。水素源の使用量は、化合物(1)に対して通常1モル倍以上であり、その上限は特にない。
【0035】
水素化触媒としては、例えば、パラジウム触媒、ニッケル触媒、白金触媒、ルテニウム触媒、レニウム触媒、銅触媒、ロジウム触媒又はこれらの混合触媒等が挙げられ、これらの中でも反応性及び経済性の点から、パラジウム触媒、ニッケル触媒、白金触媒又はルテニウム触媒が好ましい。パラジウム触媒としては、例えば、パラジウムカーボン、パラジウムアルミナ、パラジウムシリカ、パラジウムシリカアルミナ、ゼオライト担持パラジウム等が挙げられる。パラジウム触媒は、乾燥品又は含水品のいずれも使用できるが、工業製法上の安全性の点から、含水品を用いるのが望ましい。ニッケル触媒としては、例えば、ニッケル珪藻土、スポンジニッケル、ニッケルアルミナ、ニッケルシリカ、ニッケルカーボン等が挙げられる。白金触媒としては、例えば、白金シリカ、白金シリカアルミナ、ゼオライト担持白金等が挙げられる。ルテニウム触媒としては、例えば、ルテニウムカーボン、ルテニウムアルミナ、ルテニウムシリカ、ルテニウムシリカアルミナ、ゼオライト担持ルテニウム等が挙げられる。かかる水素化触媒の使用量は、金属換算で、化合物(1)に対して、通常、0.01〜1重量倍である。
【0036】
還元反応は、0℃〜室温の温度で数時間〜数日間程度行えばよい。水素源としてギ酸を用いる場合には基本的に反応溶媒を必要としないが、以下の反応溶媒を更に加えてもよい。反応溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒;ジメチルスルホキシド;1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール等のジオール系溶媒;又はこれらの混合溶媒を使用することができる。溶媒の使用量は、化合物(1)に対し、通常1〜200重量倍の範囲が好ましい。
【0037】
このようにして得られた本発明のδ-バレロラクトン類は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単離・精製することができる。例えば、反応混合物を濃縮、冷却し、再結晶により精製することができる。また、反応液をそのまま濃縮し、得られる粗生成物を必要に応じて蒸留、クロマトグラフィーなどの手段により精製することができる。
【0038】
本発明のδ-バレロラクトン類は、例えば、エレクトロニクス関連におけるレジスト素材原料、生分解性の繊維やプラスチックの材料として有用なポリマーの合成原料、電池等の電解質、架橋剤、香料などとして使用できる。
【実施例】
【0039】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0040】
参照例1
100 mlナスフラスコに、WO 99/54376に記載の方法によって製造した2H-ピラン-4,6-ジカルボキシレート(以下、DMePDC)(4.8 g,22.9 mmmol)及びブタンジオール(20 mL)を加え、脱気と窒素導入を3回繰り返し、系内を窒素雰囲気下にした。ここに、Pd/C(0.48 g)を添加し、再び脱気と窒素導入を3回繰り返した。系内を減圧後、水素ガスを導入し、激しく攪拌して水素添加反応を開始した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により原料の濃度低下と新たなスポットの出現を適宜確認しながら、1日反応させた。反応物をろ過、Pd/Cを除去し、ろ液中のブタノールをエバポレーターで除去し、粗生成物(5.4 g)を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム/酢酸エチル(7/3)にて精製し、化合物(A1)を得た。この化合物は、各種スペクトルの測定により、下記式:
【0041】
【化8】

【0042】
で表されるジメチルテトラヒドロ-2H-ピロン-4,6-カルボキシレートであることが判明した。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm):2.39-2.41(q), 2.55-2.68(m), 2.68-2.81(m), 2.81-2.94(d), 2.98-3.11(m), 3.72(s), 3.82(s), 4.97(d)。
13C-NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm):31.5(ピラン環CH2), 33.8(ピラン環CH2), 34.0(ピラン環CH), 51.8(CH3), 52.6(CH3), 73.7(ピラン環CH), 170.2(ピラン環アシル), 170.7(カルボニル), 176.9(カルボニル)。
GC-MS:m/z = 185, 171, 157,143,125。
IR(ν(cm-1)):2959(-CH), 2858(-CH2-), 1750(カルボン酸のC=O), 1733(ラクトンのC=O), 1444(-CH), 1062(C-O)。
【0043】
実施例1
100 mlナスフラスコに、ギ酸(8 ml)、WO 99/54376に記載の方法によって製造した2H-ピラン-4,6-ジカルボキシレート(以下、DMePDC)(2.5 g,11.9 mmmol)を加え、攪拌し、懸濁液を調製した。次いで、ナスフラスコ内を脱気、窒素ガス置換した後、Pd/C(1.2 g)を添加し、ギ酸が沸騰しない程度に減圧しながら、攪拌し、水素添加反応を開始した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により原料の濃度低下を適宜確認しながら、ギ酸の添加、脱気及び窒素置換を行い、5日間反応させた。反応物をろ過、Pd/Cを除去し、ろ液中のギ酸をエバポレーターで除去し、粗生成物(2.5 g)を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム/酢酸エチル(7/3)にて精製し、水素添加物(1.5 g)を得た。
水素添加物(混合物)のIRスペクトルの測定結果を以下に示す。
IR(ν(cm-1)):3010(アルケンC-H),2959(-CH), 2857(-CH2-), 1753(カルボン酸のC=O), 1731(ラクトンのC=O), 1646(C=C),1444(-CH), 1062(C-O)。
【0044】
また、各種スペクトルの測定により、化合物(A1')、及び下記式で表される化合物(B1)、(C1)及び(D1)の生成を確認した。化合物(A1')、(B1)、(C1)、(D1)に由来する1H-NMRのピークの積分強度比から、各化合物の収量は、化合物(A1'):約37%、化合物(B1):約41%;化合物(C1):約15%;化合物(D1):約8%であった。
【0045】
化合物(A1')ジメチルテトラヒドロ-2H-ピロン-4,6-カルボキシレート:
化合物(A1')の1H-NMR、13C-NMR、GC-MS及びIRの各種スペクトルの測定結果は、化合物(A1)のそれらとよい一致を示し、化合物(A1')は、参照例1の化合物(A1)と同一の化合物であることが判った。
【0046】
化合物(B1)ジメチル 3,4-ジヒドロ-2H-ピロン-4,6-ジカルボキシレート:
【0047】
【化9】

【0048】
1H-NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm):2.40-2.55(m), 2.65-2.81(m), 3.71-3.72(t), 3.72-3.74(s), 3.80-3.84(s), 6.43。
13C-NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm):34.2(ピラン環CH2), 34.9(ピラン環CH).53.0(CH3), 53.2(CH3), 125.1(ピラン環CH), 142.3(ピラン環C),161.7(カルボニル),169.0(ピラン環アシル),170.41(カルボニル)。
GC-MS:m/z = 183, 155,123。
【0049】
化合物(C1)ジメチル 5,6-ジヒドロ-2H-ピロン-4,6-ジカルボキシレート:
【0050】
【化10】

【0051】
1H-NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm):2.54-2.58(m), 2.68-2.71(m), 3.72-3.74(s), 3.81-3.84(s), 4.90(t), 6.79。
13C-NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm):25.9(ピラン環CH2),52.1(CH3), 53.2(CH3), 74.2(ピラン環CH),126.0(ピラン環CH), 136.6(ピラン環C),164.4(ピラン環アシル),169.1(カルボニル),171.1(カルボニル)。
GC-MS:m/z = 183, 155,123。
【0052】
化合物(D1)ジメチル 3,6-ジヒドロ-2H-ピロン-4,6-ジカルボキシレート:
【0053】
【化11】

【0054】
1H-NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm):2.87(q), 3.69-3.73(s), 3.81-3.84(s), 5.15(t), 7.17。
13C-NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm):31.8(ピラン環CH2), 53.1(CH3), 74.2(ピラン環CH),136.6(ピラン環C),139.2(ピラン環C),169.0(カルボニル),170.4(ピラン環アシル),173.3(カルボニル)。
GC-MS:m/z = 183, 155,123。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I):
【化1】

[式中、Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を示し、結合X−Y、Y−Z及びZ−Wは各々、炭素−炭素単結合又は炭素−炭素二重結合を示す。但し、結合X−Y、Y−Z及びZ−Wは同時に炭素−炭素二重結合でない。]
で表される化合物。
【請求項2】
下記一般式:
【化2】

[式中、Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を示す。]
で表される化合物である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
下記一般式:
【化3】

[式中、Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を示す。]
のいずれかで表される化合物である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
前記Rがメチル基である、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(2-pyron-4,6-dicarboxylic acid)又はそのエステルをギ酸又はその塩及び水素化触媒の存在下に還元することを特徴とする、下記一般式(I):
【化4】

[式中、Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を示し、結合X−Y、Y−Z及びZ−Wは各々、炭素−炭素単結合又は炭素−炭素二重結合を示す。但し、結合X−Y、Y−Z及びZ−Wは同時に炭素−炭素二重結合でない。]
で表される化合物の製造方法。

【公開番号】特開2010−254655(P2010−254655A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110064(P2009−110064)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(504132881)国立大学法人東京農工大学 (595)
【出願人】(304021288)国立大学法人長岡技術科学大学 (458)
【出願人】(501186173)独立行政法人森林総合研究所 (91)
【Fターム(参考)】