説明

ω−6脂肪酸を含むローション組成物を含む拭き取り用物品

ω−6脂肪酸を含むローション組成物を含む拭き取り用物品。外陰部の皮膚に拭き取り用物品を接触させる工程を含む、外陰部の皮膚の皮膚バリア機能を改善する方法であって、ω−6脂肪酸が拭き取り用物品の表面上に配置される、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ω−6(omega−6)脂肪酸を含むローション組成物を含む拭き取り用物品(wipe article)と、半閉塞性皮膚に拭き取り用物品を接触させることによって、半閉塞性皮膚の皮膚バリア機能を高める方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
ローション付きトップシートを有するおむつ、トレーニングパンツ及び生理用品のような使い捨て吸収性物品は既知である。様々な種類のローションは、おむつかぶれの予防又は治療等の、様々な皮膚効果をもたらすことも知られている。これらのローションは例えば、吸収性物品のトップシートに適用することができ、使用中に着用者の皮膚に転写可能である。同様に、ローションを含有する拭き取り用物品が既知である。
【0003】
吸収性物品のトップシートへのローション組成物の適用は、乳児用おむつを主に対象とし、その提供される利益は、より良好な乳児のお尻の皮膚の健康である。女性用衛生製品を着用する際の成人女性の皮膚に関連した特異な問題については、ほとんど関心が向けられてこなかった。成人女性の外陰領域の皮膚は、乳児のお尻の皮膚(一般に臀部の皮膚)とは大きく異なっている。例えば、外陰領域には、概して体毛が密集している。成人成長ホルモン(adult onset hormone)(即ち、エストロゲン、プロゲスチン、副腎皮質ホルモン)が、表皮及び真皮の動態、潤滑皮膚脂質の産生、又は皮膚バリア機能に影響を及ぼすことは既知である。外陰部の皮膚は、他の種類の皮膚よりもかなり厚く、かなり多くの皮膚のひだを有する。更に、女性の月経の開始に関連するホルモンの変化は、皮膚の感受性に影響し得る。
【0004】
月経周期とは関係なく、外陰部の皮膚はまた、参照基準である掌側前腕と比較すると、乾癬の中程度の皮膚損傷を持つ皮膚又はアトピー性皮膚炎を持つ皮膚と同程度の低い皮膚バリア機能及び高い皮膚代謝率を有する。(下着を着用することによる)自然な湿潤環境にも関わらず、女性用衛生製品を着用することに対する副次的結果は、不快感、皮膚の擦傷、並びに頻繁なシャワー、頻繁で費用のかかる生理用パッドの取替え、及び保湿剤及び類似薬剤の適用等の習慣に女性を順応させることになる、感受性の増加である。外陰領域に接触して設置される拭き取り用物品が、この不快感を軽減することができれば、望ましいであろう。外陰領域に接触する拭き取り用物品が、外界からの刺激に対するより大きな耐性を可能にすることによって、外陰部の皮膚を改善することができれば、より望ましいであろう。
【0005】
したがって、外陰部の皮膚の皮膚バリア機能を改善することができる拭き取り用物品に対する継続的な要望が存在する。
【0006】
ヒト等の哺乳類の皮膚は、一般的に大気に晒されているかどうか、つまり発散することができるかどうか、又は非閉塞であるかどうかによって区別され得る。その代わりに、皮膚は被覆される又は閉塞される場合がある。閉塞は、皮膚に簡単に発散させない物質によって、即ちプラスチックフィルムを使用して、被覆されていることを表すものとして一般的に理解される。しかしながら、多くの場合、皮膚には実際には、幾らかの又は制限された発散を与える材料を使用する衣服が着用される。この種類の被覆は、一般的に半閉塞と称される。半閉塞として通常記述される体の部位には、人の生殖器部、臀部、及び腋窩が挙げられる。これらの皮膚部位の生理学的性質には、水分過剰、細菌の存在、免疫細胞活性化、及び低い皮膚バリアが挙げられる。これらの生理学的性質の他の影響は、不快感、皮膚の擦傷、感受性の増加、並びに炎症及び臭気である。これらの望ましくない感覚に対しての一般的な適応には、頻繁なシャワー、費用のかかるパウダー及びローション並びに薬剤が挙げられる。半閉塞領域と接触する物品が、この不快感を軽減することができれば望ましいであろう。半閉塞領域と接触する物品が、外界からの刺激に対するより大きな耐性を可能にすることによって、半閉塞性皮膚を改善することができれば、更に望ましいであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、吸収性物品を着用することに関連する不快感を減少させ、外陰部の皮膚の皮膚バリア機能を改善することができる拭き取り用物品に対する継続的な要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ω−6脂肪酸を含むローション組成物を含む拭き取り用物品に関する。
【0009】
一実施形態において、ローション組成物は、(a)油材料の少なくとも約3重量%でω−6脂肪酸を含む油材料であって、その油材料が少なくとも約10時間の油安定性指標を有する、油材料と、(b)担体とを含む。
【0010】
別の実施形態において、ローション組成物は、(a)ローション組成物の少なくとも約0.003重量%のω−6脂肪酸と、(b)ローション組成物の少なくとも約0.01重量%のオレイン酸と、(c)担体とを含む。
【0011】
本発明は、更に、外陰部の皮膚の皮膚バリア機能を改善する方法であって、外陰部の皮膚に、拭き取り用物品の表面上に配置されるω−6脂肪酸を含む拭き取り用物品を接触させることを含む、方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に使用される、用語「拭き取り用物品」とは、体の一部を清浄にするために使用される、概して不織布材料である、一片の材料を指す。特に、ほとんどの現在入手可能な拭き取り用物品は、排便後に肛門周囲の領域を洗浄することを目的とされている。他の拭き取り用物品は、顔又は他の体の部位の清浄に利用可能である。本発明は、外陰部位のための拭き取り用物品に焦点を合わせる。湿式拭き取り用物品は、下水設備によって容易に廃棄されるか、又はごみ箱に別個に廃棄されるのに十分な小型でありながら、概して、便利な取扱いを可能にするのに十分な寸法である。拭き取り用物品の材料は、概して柔らかく可撓性があり、潜在的にはそのクリーニング性能を高める構造化された表面を有する。材料は、好ましくは、一般的に合成化合物でできている不織布材料である。しかしながら、織物材料、並びに織布又は不織布のいずれかの材料に天然化合物を使用することは、本発明の範囲内である。拭き取り用物品のテクスチャ及び材料は、拭き取り用物品の性能に高い関連性がある。本発明の一実施形態において、不織布材料は、ポリオレフィン、ポリエステル、セルロース、レーヨン、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリビニルアルコール、及びこれらの組合せからなる群から選択される繊維を含む。本発明に使用可能な基材は、例えばスパンレースプロセスであるがこれに限定されない任意の好適なプロセスを通じて製造されてもよく、好ましくは、1平方メートルあたり約45グラム(gsm)〜75gsm、より好ましくは、45gsm〜65gsmの乾燥坪量を有する。
【0013】
拭き取り用物品の寸法は変更することができる。拭き取り用物品は、寸法が約25平方センチメートル(約4平方インチ)以上であっても、寸法が約40平方センチメートル(約9平方インチ)以上であっても、寸法が約1,450平方センチメートル(約225平方インチ)未満であっても、寸法が約100平方センチメートル(約16平方インチ)と約320平方センチメートル(約50平方インチ)又は約225平方センチメートル(約35平方インチ)との間であってもよい。典型的には、それぞれ個々の拭き取り布は、折り畳み構造で配設され、拭き取り布の積み重ねを提供するために、一方がもう一方の上に積み重ねられている。そのような折り畳み構造は、当業者に周知であり、C折り、Z折り、4つ折り等を含む。折り畳まれた拭き取り布の積み重ねは、最終的な消費者への販売のための拭き取り布の包装品を提供するために、プラスチックタブ又は可撓性の詰め替え袋等の容器の内部に設置されてもよい。あるいは、拭き取り布は、各拭き取り布間に穿孔を有し、計量分配のために積み重ねて配設されるか又はロールに巻かれていてもよい材料の連続したストリップを含んでもよい。
【0014】
拭き取り用物品は、清浄用の拭き取り用物品であってもよい。拭き取り用物品はまた、着用者が経血及び/又は他の身体排泄物を着用者の身体から拭い取るために使用しうる、衛生清浄用の拭き取り用物品であってもよい。経血が着用者の身体から出るとき、着用者の身体の外陰部を汚す傾向があるとともに、着用者の皮膚及び陰毛の上で保持される傾向があるので、経血の拭き取りは特に重要であり得る。更に、経血は次いで、皮膚の上で又陰毛の中で乾燥し、後に拭い取るのが困難となることがある。
【0015】
理論に束縛されるものではないが、テクスチャード加工された拭き取り布は更に、クレンジング中に皮膚から滲出物を掴むないしは別の方法で持ち上げる能力を高めることにより、排泄物を容易に除去できるようにすると考えられている。これらに限定されないが、連続湿式成形要素、中空成形要素、中実成形要素、円形、正方形、矩形、長円形、楕円形、ゆがんだ円、渦巻き、渦巻き図形、クロスハッチ、ペブル、整列円(lined circles)、連結したゆがんだ円、半円、波線、泡線(bubble lines)、パズル、葉、縁取りされた葉、プレート、接続円、変化する曲線、ドット、ハニカムなど、及びこれらの組み合わせのような多数のテクスチャ要素のうちの任意の1つが、クレンジング中に皮膚から滲出物を掴むないしは別の方法で持ち上げる能力を高めるのに有用である場合がある。テクスチャ要素は、中空の要素であってもよい。テクスチャ要素は、互いに接続していてもよい。テクスチャ要素は、互いに重なり合っていてもよい。
【0016】
拭き取り用物品は、一般的に液体又は半液体組成物で含浸されており、洗浄を強化し、滑らかな感触を提供することを目的としている。一般に、本組成物は、拭き取り用物品の構造全体に含浸するために十分低い粘度のものである。別の場合には、本組成物は主に拭き取り用物品の表面に存在し、それより少ない程度で拭き取り用物品の内部構造に存在することができる。1つの任意的な実施形態において、本組成物は、物質によって放出可能なように担持される、即ち、組成物は、基材の中か上かのどちらかに含有され、基材に幾らかの力を加えることによって、例えば、基材を絞り出すこと、又は湿式の拭き取り用物品を使用して子供のお尻等の表面を拭き取ることによって、基材から簡単に放出可能である。あるいは、拭き取り布は、ローションで含浸させた後に乾燥させて、乾燥拭き取り布を作製してもよい。使用に先立って、ローションがより簡単に放出されるようにするため、水が乾燥拭き取り布に添加される。
【0017】
皮膚バリアの一体性は、例えば、セラミド、コレステロール、トリグリセリド、コレステロールエステル等の角質層の脂質組成物に関連すると、一般的に考えられている。本明細書に使用される、用語「脂質」は、脂肪及び油、並びにそれらの酸類似体(即ち、脂肪酸)を含むがこれらに限定されない。特に脂質のセラミド類に対する組成変化は、遺伝的素因(即ち、アトピー、X染色体性魚鱗癬)、外界からの刺激(即ち、刺激物、冬の寒さ/乾燥肌若しくは乾燥症、紫外線)、又は疾病(即ち、乾癬)の結果として著しく特徴的である。セラミドEOS(以前はセラミド1とされていた)は、皮膚バリアの機能性と結びついている。例えば、それは、角質細胞のタンパク質外膜と相互結合され、脂質薄層を組織する分子の「リベット」であると見られている。このセラミド結合は、内部の皮膚バリア活性に対する矯正手段と考えられる脂質補給品(即ち、セラミド又はセラミド誘導体)を含有する局所療法の発展につながった。脂質組成物と皮膚バリアとの間の結合にも関わらず、半閉塞性皮膚、即ち外陰部の皮膚表面脂質組成物についてはほとんど知られていない。皮膚バリアの働きにおけるかなりの相違にも関わらず、最近の調査報告は、半閉塞性の外陰部の皮膚の表面脂質組成物と、非閉塞の前腕の皮膚との間には、有意な相違が皆無かそれに近い場合があることを示す。実際に、データは、皮膚バリアの性質に貢献するより重要な要因は、セラミドEOSのスフィンゴシン塩基へエステル化される不飽和脂肪酸の相対存在量であることを示唆する。例えば、リノレートの量が多くなればなるほど、より多くの皮膚バリアが無傷になる。データは、外陰部と前腕との間にセラミドEOSの相対存在量の相違がないにも関わらず、前腕と比較して、外陰領域のω−6脂肪酸エステルリノレート(ω-6 fatty acid ester linoleate)の存在量に75%の減少があることを示唆する。
【0018】
低い半閉塞性皮膚バリアに対する、ひいては皮膚の快適性を改善する注目すべき療法は、この特定の皮膚部位に必須脂肪酸又は脂質、特にω−6脂肪酸又は脂肪酸エステルに富んだ組成物を補給することであろう。本明細書に使用される、用語「必須脂肪酸」は、人体によって合成できず、食事源から摂取されなければならない脂肪酸を意味する。人間は、不飽和脂肪酸内の9番目の炭素原子(鎖のω末端から9番目の炭素原子)を越えた炭素原子において、炭素炭素二重結合を導入するための必要な酵素を欠いているため、リノール酸(ω−6脂肪酸)及びαリノレン酸(ω−3脂肪酸)は、良好な健康を確保するために、人間によって食事源から摂取されなければならない必須脂肪酸である。多くの人間は必須脂肪酸が不足していることがわかっており、そのことは多数の健康疾患及び問題につながる可能性がある。ヒマワリ、低エルカ酸の菜種(又はキャノーラ)、亜麻(又は亜麻仁)、大豆等から抽出されるもの等の一般的な油は、望ましいω−6脂肪酸を含む、豊富な不飽和必須脂肪酸を含有することが周知である。必須脂肪酸(亜麻種子油、魚油、ルリヂサ油、及び月見草油)に富んだ材料を用いた食事補給は、皮膚疾患を改善すると見られている。しかしながら、大量摂取(1日あたりのグラム数として)を要する食事補給は、無駄が多く、必ずしも半閉塞性皮膚の標的に到達しない。不飽和脂肪酸は安定しておらず、容易に酸化することもまた、周知である。酸化は、温度、光、空気、酸素、水分、及び金属(特に銅)を含む複数の原因によって進行され得る。製品作りの不安定性の一般的な原因には、ローション作製及び適用プロセスが挙げられる。例えば、ローション原料を融解及び混合することは、高温(原料の融点より高い、即ち、70℃を超える)を必要とする場合がある。ローションは、かなりの時間(即ち、>24時間)タンク内に留まる場合がある。不安定性の別の原因は、最終製品の棚での保管である。製品が、(店内で又は家で)棚の上に少なくとも1年留まったままであることは珍しいことではなく、地理的な位置によっては、温度は40℃を上回る場合がある。不安定性の別の原因は、水系又はグリコール系の配合であり得る。これらの要因は共同して、酸化及び活性酸素フリーラジカル又は活性酸素の生成につながり得る。これは、変色(即ち、黄変)及び酸敗臭等の、製品の劣化につながり得る。皮膚と接触する際、活性酸素が皮膚バリアを損傷する場合があることも既知である。
【0019】
したがって、半閉塞性皮膚に関連する皮膚の不快感を減少させ、半閉塞性皮膚の皮膚バリア機能を改善することができ、安定した形態のω脂肪酸を含有するローションを含有することができる拭き取り用物品に対する継続的な要望が存在する。
【0020】
特に婦人衛生目的のための、外陰部の皮膚領域における吸収性物品の使用は、炎症、擦傷等の様々な皮膚問題につながり得る。外陰部の皮膚は、特に、前腕の皮膚等の他の体の領域における皮膚と比較して、ω−6脂肪酸含有量の不足を示す傾向にあることがわかっている。ω−6脂肪酸のこの不足は、低い皮膚バリアをもたらし得る。したがって、外陰部の皮膚のω−6脂肪酸含有量を増加させることは、外陰部の皮膚の皮膚バリア機能を改善し、婦人衛生目的での吸収性物品の使用につきものの皮膚の問題に対する可能性を減少させることに役立ち得る。
【0021】
この問題に対処するために、本発明の拭き取り用物品は、ω−6脂肪酸を含むローション組成物を含む。典型的には、ローション組成物は、ローション組成物の少なくとも約0.003重量%の、約0.003重量%〜約35重量%の、約0.015重量%〜約25重量%の、又は約0.06重量%〜約20重量%のω−6脂肪酸を含む。
【0022】
ω−6脂肪酸は、典型的には油材料内に含有される。したがって、一実施形態において、ローション組成物は、ω−6脂肪酸を含む油材料を含む。典型的には、ローション組成物は、ローション組成物の約0.1重量%〜約70重量%の、約0.5重量%〜約50重量%の、又は約2重量%〜約40重量%の油材料を含む。典型的には、油材料は、油材料の少なくとも3重量%の、約3重量%〜50重量%の、又は約5重量%〜40重量%のω−6脂肪酸を含む。
【0023】
ω脂肪酸等の不飽和脂肪酸は、不安定な傾向があり、容易に酸化される傾向にある。酸化は、温度、光、空気、酸素、水分、及び金属を含む複数の原因によって進行され得る。例えば、Belitz H−D、Grosch W、及びSchieberle P著のLipids In Food Chemistry 3rd ed.Springer−Verlag,Heidelberg,2004,p.157〜242を参照のこと。実際、製品作りの一般的な原因が、不安定性を進行させ得る。例えば、ローション組成物の原料を融解及び混合することは、(ローション組成物原料の融点より高い温度、例えば70℃を超える温度までの)高温を必要とする場合がある。融解させ、半固体のローション組成物の均一性を保持するために、ローション組成物を適用するタンクを、撹拌しながら高温(例えば、60℃を超える、好ましくは70℃より高い)に熱することが一般的である。更に、ローション組成物は、かなりの時間(例えば、24時間を超えて)、タンク内に留まる場合がある。不安定性の別の原因は、最終製品の棚での保管である可能性がある。製品が、(店内で又は家で)棚の上に少なくとも1年留まったままであることは珍しいことではなく、地理的な位置によっては、保管場所の温度は40℃を上回る場合がある。不安定性の別の原因は、水系又はグリコール系のローション組成物に起因する可能性がある。これらの要因が共同して、酸化、及び活性酸素フリーラジカル又は活性酸素の生成につながり得る。これは、変色(即ち、黄変)及び/又は酸敗臭等の、製品の劣化につながり得る。皮膚と接触する際、活性酸素は、皮膚バリア機能を損傷する可能性がある。
【0024】
酸化安定性を監視するための一般的な尺度は、経時的なヒドロペルオキシドの発生(過酸化物価又はPV)である。酸化安定性はまた、サンプルを昇温で曝気する場合に、二次的酸化生成物を得るのに必要な時間を単位として表されてもよい。酸化安定性の好適な尺度は、油安定性指標(Oil Stability Index)(本明細書に「OSI」として称される)と呼ばれる。油材料のOSIは、American Oil Chemical Society Oil Stability Index Method(AOCS Official Method Cd 12b−92)に従って測定できる。
【0025】
一実施形態において、本発明の油材料は、少なくとも約10時間、少なくとも約14時間、又は少なくとも約18時間の油安定性指標(「OSI」)を有するように選択される。
【0026】
比較的高い濃度のオレイン酸を含む油材料は、本発明との関連において、より安定している傾向にあると見られている。一実施形態において、本発明の油材料は、油材料の少なくとも約10重量%の、約10重量%〜約80重量%の、又は約15重量%〜70重量%のオレイン酸を含む。一実施形態において、ローション組成物は、ローション組成物の約0.01重量%〜約56重量%の、約0.05重量%〜約40重量%の、又は約0.2重量%〜約32重量%のオレイン酸を含む。
【0027】
比較的低い濃度のリノレン酸(ω−3脂肪酸)を含む油材料は、本発明との関連において、より安定している傾向にあると見られる。一実施形態において、本発明の油材料は、油材料の約10重量%より少ない、約10重量%〜約5重量%の、又は5重量%〜約0重量%のリノレン酸を含む。一実施形態において、ローション組成物は、ローション組成物の約7重量%〜約0重量%の、約5重量%〜約0重量%の、又は約4重量%〜約0のリノレン酸を含む。
【0028】
本明細書に記載される、所望の性質を示す好適な油材料の非限定的な例には、オレイン酸キャノーラ油(70%を超えるオレイン酸含有量を有することで特徴付けられる、アブラナ、B.napus、及びB.rapa、例えば、高オレイン酸キャノーラ油、超高オレイン酸キャノーラ油、又は部分的に水素添加されたキャノーラ油)、マルラカーネル油(スクレロカリア・ビレア)、パーム油(ギニヤアブラヤシ油)、パームオレイン、パームステアリン、パームスーパーオレイン、ペカン油、パンプキン種子油、オレインサフラワ油(約30%を超えるオレイン酸含有量、及び約50%より低いω−6脂肪酸含有量を有することで特徴付けられるカーサマス・ティンクトリアス、例えば高オレインベニバナ油)、ゴマ油(ゴマ、S.oreintale)、大豆油(大豆、例えば、部分的に水素添加された高オレイン酸大豆、低リノレン酸大豆油)、オレイン酸ヒマワリ油(約40%を超えるオレイン酸含有量を有することで特徴付けられる、ヒマワリ(Helianthus annuus)、例えば中オレイン酸ヒマワリ油又は高オレイン酸ヒマワリ油)、及びこれらの混合物が挙げられる。オレイン酸キャノーラ油、パーム油、ゴマ油、高オレイン酸ベニバナ油、高オレイン酸大豆油、中オレイン酸ヒマワリ油、及び高オレイン酸ヒマワリ油は、一般的な植物育種由来の油であり、非遺伝子組み換え生物(非GMO)由来でもある。
【0029】
油材料の非限定的な例は、多数の業者から市販されており、Cargillの部分的に水素添加された大豆油(即ち、Preference(登録商標)110W Soybean Oil又はPreference(登録商標)300 Hi Stability Soybean Oil)、中オレイン酸ヒマワリ油(即ち、NuSun(登録商標)Mid−Oleic Sunflower Oil)、高オレイン酸ヒマワリ油(即ち、Clear Valley(登録商標)High Oleic Sunflower Oil)、高オレイン酸キャノーラ油、超高オレイン酸キャノーラ、及び部分的に水素添加された低エルカ酸菜種油(即ち、Clear Valley(登録商標)65 High Oleic Canola Oil、及びClear Valley(登録商標)75 High Oleic Canola Oil)、Lambert Technologyの高オレイン酸キャノーラ油(即ち、Oleocal C104)、Arch Personal Careのマルラカーネル油、Pioneerの高オレイン酸大豆油(即ち、Plenish(登録商標)、Asoyiaの低オレイン酸大豆油(即ち、Ultra Low Linolenic Soybean Oil(登録商標))、並びに、Dipasa,Inc.の精製ゴマ油、が挙げられる。
【0030】
油材料の等級は、本明細書に記載されるように、油材料の所望の性質を達成することにおいて、同様に重要であり得る。例えば、同一の油(例えば、ゴマ油)が、油材料源によって広い範囲のOSI値を示し得るため、油材料源が重要であり得る。
【0031】
油材料は、上述のものに加えて、追加の油材料を含む、油のブレンドを更に含んでもよい。好適な追加の油材料は、アサイベリー油、アーモンド油、アボカド油、ブナノキ油、ブラジルナッツ油、ナガミノアマナズナ油(アブラナ科、例えば、ナガミノアマナズナ、ニセ亜麻(Gold of Pleasure)、亜麻ナズナ等)、ツバキ種子油、キャノーラ油、キャロット種子油、カシューナッツ油、ひまし油、チェリーカーネル油、チア油、コーンオイル、綿実油、水素添加された綿実油、月見草油、ハシバミ(ヘーゼルナッツ)油、グレープシードオイル、大麻油、ヒッコリーナッツ油、ホホバ油、ククイ油、ラノリン、オリーブ油(オリーブ(Olea europaea))、マカダミア油、モリンガ油(maringa oil)、メドウフォーム油、ニーム油、パーム核油、オリーブ油、パッションフラワー油(トケイソウ科、チャボトケイソウ)、ピーナッツオイル、ピーチカーネル油、ピスタチオナッツ油、菜種油、米糠油、ローズヒップ油、ベニバナ油、サトウモロコシ油、大豆油、ヒマワリ種子油、トール油、植物油、植物性スクワラン、クルミ油、小麦粉芽油、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明の油材料は、ナガミノアマナズナ種子油、オレイン酸キャノーラ油、月見草油、マルラカーネル油、パーム油、パームオレイン、パームステアリン、パームスーパーオレイン、チャボトケイソウ種子油、ペカン油、パンプキンシードオイル、オレイン酸ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、オレイン酸ヒマワリ油、植物油、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0032】
本発明の好ましい油材料は、植物油とナガミノアマナズナ(camelina sativa)種子油との混合物(Lipex(登録商標)Omega 3/6としてAarhus Karlshamn Sweden ABから市販されている)、植物油とチャボトケイソウ(passiflora incarnate)種子油との混合物(Lipex(登録商標)Omega PassifloraとしてAarhus Karlshamn Sweden ABから市販されている)、植物油と月見草油との混合物(Lipex Omega EPOとしてAarhus Karlshamn Sweden ABから市販されている)、高オレイン酸キャノーラ油(Clear Valley(登録商標)75 High Oleic Canola OilとしてCargillから市販されている)、又はこれらの混合物を含む。
【0033】
油材料の安定性を更に高めるために、特定の酸化防止剤が、特定の油材料又はローション組成物に添加されてもよい。一実施形態において、油材料は、油材料の約0.005重量%〜約1重量%の、約0.01重量%〜約0.5重量%の、又は約0.02重量%〜0.2重量%の酸化防止剤を含む。一実施形態において、ローション組成物は、ローション組成物の約0.01重量%〜約1重量%の、約0.05重量%〜約0.75重量%の、又は約0.2重量%〜約0.6重量%の酸化防止剤を含む。
【0034】
酸化防止剤用いて酸化的に不安定な油を安定させるための試みが、予測不可能な結果を伴って行われた。例えば、Merrill LI,Pike OA,Ogden LV,Oxidative stability of conventional and high−oleic vegetable oils with added anti−oxidants,J Am Oil Chem Soc 85:771〜776,2008;Chu Y−H and Hsu H−F,Effect of antioxidants on peanut oil stability,Food Chemistry 66:29〜34,1999、及びIsbell TA,Abbott TP,and Carlson KD,Oxidative stability index of vegetable oils in binary(binary)mixture with meadowfoam oil,Ind Crops Products 9:115〜123,1998.を参照のこと。フェノール系のtert−ブチルヒドロキノン(TBHQ)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、又はブチルヒドロキシアニソール(BHA)等の他の酸化防止剤は、皮膚感作物質として知られ、皮膚と直接接触する吸収性製品においては制限された有用性を有するであろうが、油を安定させるとして報告された。更に、不安定性及び安定性の油を混和することは、しかしながら、必ずしも許容できる油安定特性につながるわけではなく、望ましいω−6脂肪酸の希釈が、望ましいレベルより低いという望ましくない結果である可能性がある。
【0035】
好適な酸化防止剤の非制限的な例は、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、トコトリエノール、ローズマリー、セサモール、セサモリン、セサミン、カテキン、及びこれらの混合物を含む。
【0036】
本発明のローション組成物は、担体を更に含んでもよい。担体は、本発明のω−6脂肪酸を、拭き取り用物品の使用者の皮膚へ供給することに役立つことができる。担体を、個々の担体として、又は担体成分の組み合わせとして、組成物中に含むことができる。担体は液体、固体、若しくは半固体担体物質又はこれらの物質の組み合わせであることができ、得られる担体系のために選択された加工温度及び本明細書のローション組成物を配合する際に担体と冷却剤を組み合わせるための加工温度において、好ましくは、均一な混合物又は溶液を形成する。担体システムの処理温度は、典型的に、90℃を超えない。
【0037】
本発明のローション組成物は、担体が概して以下のいずれかの成分:皮膚軟化剤、界面活性剤、防腐剤を含む場合で特定の担体を含んでもよい。組成物は、水性系溶液、非水性系溶液、又は乳濁液であってもよい。
【0038】
皮膚軟化剤
皮膚軟化剤は、(1)潤滑を高め、しいては皮膚の表皮剥離を減らすことにより皮膚上での基材の滑りを改善する、(2)残留物(例えば、糞便残留物又は乾燥した尿残留物又は経血)を水和し、したがってそれらの皮膚からの除去を高める、(3)皮膚を水和し、したがってその乾燥及び刺激を減らす一方で、拭う動作下でのその柔軟性を改善する、及び(4)皮膚軟化剤が皮膚上に付着され及びその表面に薄い保護層として残留するとき、皮膚をその後の刺激(例えば、吸収性物品の摩擦により生じる)から保護することができる。
【0039】
皮膚軟化剤には、シリコーンオイル、官能化シリコーンオイル、炭化水素油、脂肪アルコール、脂肪アルコールエーテル、ポリシロキサン、脂肪酸、一塩基性及び/又は二塩基性及び/又は三塩基性及び/又は多塩基性カルボン酸と一価及び多価アルコールとのエステル、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、脂肪アルコールのポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンエーテルの混合物、並びにこれらの混合物を挙げてもよい。皮膚軟化剤は、飽和又は不飽和のいずれであってもよく、脂肪族の性質を有してもよく、及び直鎖若しくは分枝鎖であってもよく、又は脂環式環若しくは芳香環を含有してもよい。
【0040】
皮膚軟化剤の有用な混合物は、ABIL CARE(商標)85(Degussa Care Specialties of Hopewell,VAから入手可能)として既知の、ビス−PEG/PPG−16/16 PEG/PPG−16/16ジメチコンとの組み合わせによるカプリル酸カプリン酸トリグリセリドである。
【0041】
他の好適な担体化合物としては、約4〜約32個の炭素原子を有する石油系炭化水素、約12〜約24個の炭素原子を有する脂肪アルコール、ポリシロキサン化合物、脂肪酸エステル、アルキルエトキシレート、約1〜約6個の炭素原子を有する低級アルコール、低分子量グリコール及び多価アルコール、約12〜約28個の炭素原子をその脂肪鎖中に有する脂肪アルコールエーテル、ラノリン及びその誘導体、アセトグリセリド及びC12〜C28脂肪酸のエトキシル化グリセリドなどのグリセリド及びその誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0042】
本明細書において好適なその他の担体には、特に植物又は動物起源の、天然油又は天然脂肪などの油又は脂肪、あるいは天然油又は天然脂肪の誘導体、を挙げることができる。非制限的な例には、アプリコット油、ババス油、ヒマシ油、ココヤシ油、タラ肝油、水素添加コーン油、水素添加綿実油、ヘーゼルナッツ油、ホホバ油、マカダミア油、メドウフォーム種子油、ミンク油、モリンガ油(maringa oil)、マルラ油、モルティエレラ油、パーム核油、水素添加ピーナッツオイル、水素添加菜種油、ローズヒップ油、水素添加ベニバナ油、水素添加大豆油、水素添加ヒマワリ油、水素添加クルミ油、水素添加小麦粉芽油、又はこれらの硬化誘導体が挙げられる。
【0043】
好適な担体はワックスを更に包含する。本明細書で使用するとき、用語「ワックス」とは、ワックス状の構成成分を有し、融点が周囲温度よりも高い、特に25℃よりも高い油溶性材料を指す。ワックスは固体から半固体(クリーム状)の稠度を有し、結晶性であってもなくてもよく、液化点よりも少し高い温度では比較的低い粘度を有する物質である。ローション組成物に組み込むことができる好適なワックスには、天然又は合成であってもよい、動物、植物、鉱物、又はシリコーン系ワックス、及びこれらの混合物が挙げられる。ワックスには:ヤマモモワックス等の植物源の天然ワックス、蜜蝋、カンデリラろう、カルナウバ、セレシン、シアバター、ココアバター、日本ろう、ホホバワックス、ラノリンろう、オーリクリーロウ、ミンクワックス、モンタンワックス、コメヌカワックス、ステリルジメチコン、果実由来ワックス、例えば、オレンジワックス、レモンワックス等;及び動物起源のワックス、例えば、蜜蝋、ウールワックス、熊脂等;を挙げることができるが、これらに限定されない。天然ワックスは、セレシン及びオゾケライトワックス等のミネラルワックスを更に含む。合成ワックスは、以上で述べた特定の担体物質等の石油系ワックス、例えば、パラフィン、ワセリン、ペトロラタム、ミクロワックス、及びマイクロクリスタリンワックスを含む。更に好適な合成ワックスは、ポリアルキレン及びポリエチレングリコールワックス、例えば、ポリエチレンワックス;塩素化ナフタレン系ワックス、例えば、「ハロワックス(Halowax)」、合成炭化水素ワックス等;PEG−6蜜蝋、PEG−8蜜蝋、C30アルキルジメチコン、合成蜜蝋、合成カンデリラろう、合成カルナバワックス、合成日本ろう、合成ホホバワックス、モタン酸ワックス、モタンワックス、オーリクリーロウ、レゾワックス、これらの混合物である。
【0044】
その他の好適な担体は、以上で述べた物質のいくつかを含む、固化剤として作用する物質を含む。本発明のローション組成物中の好適な固化剤は、組成物を固化することを助けるように機能することができ、それによって組成物は室温で固体であり、少なくとも32℃の融点を有する。固化剤はまた、着用者の皮膚への接着による転写を改善する粘着度を組成物に提供することができる。選択される固化剤に応じて、固化剤はまた、組成物が着用者の皮膚の上に実際に擦れて取れるのではなく、組成物が破砕する又は薄片になってはげるように、転写の状態を変更させることができ、この破砕する又は薄片になってはげることは、皮膚への改善された転写をもたらすことができる。固化剤は、更に、皮膚軟化剤、閉塞剤、保湿剤、バリアエンハンサ、粘度エンハンサ、及びこれらの組合せとして機能することができる。固化剤は、アルキルシロキサン、ポリマー、35℃以上の融点を有する硬化植物油、35℃以上の融点を有する脂肪酸エステル、アルキルヒドロキシステアレート、分岐状エステル、アルコキシル化アルコール、及びアルコキシル化カルボン酸から選択され得る。更に、固化剤は、動物ワックス、植物ワックス、ミネラルワックス、及びアルキルシリコーンから選択され得る。好適な固化剤の例には、アルキルシリコーン、アルキルトリメチルシラン、蜜蝋、ベヘニルベヘネート、安息香酸ベヘニル、C24〜C28アルキルジメチコン、C30アルキルジメチコン、セチルメチコン、ステアリルメチコン、セチルジメチコン、ステアリルジメチコン、セロチルジメチコン(cerotyl dimethicone)、カンデリラろう、カルナウバ、合成カルナウバ、PEG−12カルナウバ、ケラシン、水素添加マイクロクリスタリンワックス、ホホバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンろう、オゾケライト、パラフィン、合成パラフィン、セチルエステル、ベヘニルベヘネート、C20〜C40アルキルベヘネート、C2〜C5ラクテート、セチルパルミテート、ステアリルパルミテート、イソステアリルベヘネート(isosteryl behenate)、ラウリルベヘネート、ステアリルベンゾエート、ベヘニルイソステアレート、セチルミリステート、セチルオクタノエート、セチルオレエート、セチルリシノレエート、セチルステアレート、デシルオレエート、フマル酸ジアルキル(C2〜C5)、フマル酸ジベヘニル、ミリスチルラクテート、ミリスチルリグノセレート、ミリスチルミリステート、ミリスチルステアレート、ラウリルステアレート、オクチルドデシルステアレート(octyidodecyl stearate);ステアリン酸オクチルドデシルステアロリル(octyidodecyl stearoyl stearate)、オレイルアラキダート、オレイルステアレート、トリデシルベヘネート、トリデシルステアレート、リデシルステアロイルステアレート、ペンタエリトリチルテトラベヘネート(pentaerythrityl tetrabehenate)、水添ロジン酸ペンタエリトリチル(penteerythrityl)、ジステアリン酸ペンタエリトリチル、ペンタエリトリチルテトラアベイト(pentaerythrityltetraabeite)、ペンタエリトリチルテトラココエート(penteerythrityl tetracocoate)、テトラパーアルゴン酸ペンタエリトリチル(penteerythrityl tetraperlargonate)、テトラステアリン酸ペンタエリトリチル(pentserythrityl tetrastearate)、エチレン酢酸ビニール、ポリエチレン、水素添加綿実油、水素添加植物油、水素添加スクアレン、水素添加ココナッツ油、水素添加ホホバ油、水素添加ヤシ油、水素添加パーム核油、水素添加オリーブ油、ポリアミド、ステアリン酸金属塩及びその他の金属せっけん、C30〜C60脂肪族アルコール、C20以上の脂肪酸アミド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタン、ポリブチレンテレフタレート、ポリジペンテン(polydipentane)、ポリプロピレン、ステアリン酸亜鉛、ドデシルラウレート、ステアリルパルミテート、ヘキサデカン酸オクタデシル(octadecyl hexedecanoate)、オクタデシルパルミテート、ステアリルベヘネート、ドコシルオクタノエート(docosyl octanoate)、テトラデシル−オクタデカニルベヘネート、ヘキサデシル−コサニルヘキサコサネート、セラックワックス、モンタン酸グリコール、フッ素化ワックス(fluoranated waxes)、C20〜C40アルキルヒドロキシステアリルステアレート、及びこのような化合物の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
本発明の拭き取り用物品は、任意に、拭き取り用物品によって提供される利点を暗示するのに役立つ精油材料を更に含むことができる。このような精油材料は、ローション組成物とは別に拭き取り用物品の中に適用されることができ、又はローション組成物の一部をなすことができる。好適な精油材料の非限定的な例には、セキショウ、ローマカミツレ、タラゴン、バジル、ベルガモット、ウッドランドカラミント、ヒメウイキョウ、シーダー材、カミツレ、シネオール、シナモン、シナモンバーク、ダイダイ、クローブ、サイプレス、ディル、ユーカリ、オイゲノール、フランキンセンス、ガランゴル、ゼラニウム、ジンジャー、ハイビスカス、ホップ、ジャスミン、ジュニパー、ゲッケイジュ、ラベンダー、レモンバーム、レモングラス、レモン、リモネン、リナロール、酢酸リナリル、リッピアアルバ、マジョラム、メリッサ、ミルラ、ネロリ、ナツメグ、パシフローラ、パチョリ、ペパーミント、ピネン、ローズ、ローズウッド、ローズマリー、セージ、ビャクダン、スペアミント、スイートフェンネル、スイートオレンジ、チャノキ、タイム、バレリアン、イランイラン、ガジュツ(Zadoary)、ハイビスカス、又はこれらの混合物が挙げられる。覚醒に関連する好ましい精油には、サイプレス、ハイビスカス、ジュニパー、シネオール、シトラス、スイートオレンジ、及びローズマリーが挙げられる。調和効果に関連する好ましい油には、ラベンダー、ネロリ、及びイランイランが挙げられる。
【0046】
界面活性剤
界面活性剤は、個々の界面活性剤又は界面活性剤の混合物であることができる。界面活性剤は、高分子界面活性剤であっても又は非高分子界面活性剤であってもよい。界面活性剤は、乳化剤として採用されてもよい。界面活性剤は、存在する場合、皮膚軟化剤及び組成物内に存在する他の任意の非水溶性油を乳化するために効果的な量において採用されてもよい。
【0047】
組成物は、1つ以上の界面活性剤を包含してもよい。界面活性剤又は界面活性剤の組み合わせはマイルドなものであってよく、これは界面活性剤が十分なクレンジング又は洗浄の利益を提供するが、皮膚を過度に乾燥する、ないしは別の方法で阻害若しくは損傷しないことを意味する。
【0048】
多種多様な界面活性剤が本明細書において有用であり、並びにアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0049】
多種多様なアニオン性界面活性剤が本明細書において有用である。アニオン性界面活性剤類の非限定例には、サルコシネート類、サルフェート類、スルホネート類、イセチオネート類、タウレート類、ホスフェート類、ラクチレート類、グルタメート類、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。イセチオネートの中では、アルコキシイセチオネートが有用であり、サルフェートの中では、アルキル及びアルキルエーテルサルフェートが有用である。本明細書において有用な他のアニオン性物質は、典型的には約8〜約24個の炭素原子を有する脂肪酸の石鹸(即ち、アルカリ金属又はアミン塩、例えば、ナトリウム、カリウム、又はトリエタノールアミン塩)である。
【0050】
本明細書において有用な非イオン性界面活性剤には、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸エステル、アルコキシル化脂肪アルコールエーテル、スクロースエステル、アミンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
本明細書において組成物に用いるのに好適な両性界面活性剤又は双極性界面活性剤には、ヘアケア又は他のパーソナルケア洗浄での使用が知られているものが挙げられる。本発明の組成物に使用するのに好適な両性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、脂肪族二級及び三級アミン類の誘導体類として広く記述される界面活性剤類であって、その脂肪族基が直鎖又は分枝鎖であることができ、その脂肪族置換基類のうち1つが約8〜約18個の炭素原子を含有し、また1つがカルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネートなどのアニオン性水溶性基を含有する界面活性剤が挙げられる。有用な両性界面活性剤には、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート、及びこれらの混合物からなる群が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
本明細書で使用するのに好適な双極性界面活性剤類としては、脂肪族第四級アンモニウム化合物、ホスホニウム化合物及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記述される界面活性剤類であって、その脂肪族基が直鎖又は分枝鎖であることができ、その脂肪族置換基のうちの1つが約8〜約18個の炭素原子を含有し、また1つがカルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネートなどのアニオン性基を含有する界面活性剤が挙げられる。有用な双極性イオンの洗浄性界面活性剤は、ベタイン、アンホアセテート、及びスルホベタイン、例えばココアミドプロピルベタイン、ラウリルアンホ酢酸ナトリウム(sodiumlaurylamphoacetate)、及びココアミドプロピルヒドロキシスルタインである。
【0053】
本発明の拭き取り用物品又はローション組成物は、冷却剤を更に含んでもよい。好適な冷却剤は、米国特許第US 2004/0081680(A1)号及び同第US 2009/0240223(A1)号において記述されている。
【0054】
本発明の拭き取り布は、有効量のローション組成物を含有することができる。本明細書で使用される、用語「ローション組成物の有効量」は、拭き取り布に適用されると着用者の皮膚にω−6脂肪酸を転写させるのに有効な、特定のローション組成物の量を指す。ローション組成物の有効量は、大抵の場合、用いられる特定のローション組成物によって左右される。
【0055】
本発明に従ったローション付き拭き取り用物品を調製するにあたり、ローション組成物は、拭き取り用物品の表面に適用され得る。ローション組成物を均一に分配する様々な適用方法のいずれかを用いることができる。好適な方法としては、噴霧、印刷(例えば、フレキソ印刷)、コーティング(例えば、グラビアコーティング)、押出成形、又は、例えば、カレンダーロールのような回転表面上にローション組成物を噴霧し、次いでトップシートの外表面に組成物を転写させる等の、これらの適用技術の組み合わせが挙げられる。本発明のローション組成物は当該技術分野において既知であるか、米国特許第5,968,025号に記載されているような、印刷方法又は連続噴霧又は押出成形により適用することができる。
【0056】
拭き取り用物品の表面にローション組成物を適用する様式は、拭き取り用物品がローション組成物で飽和にならないようなものであってもよい。別の実施形態において、拭き取り用物品は、ローション組成物で飽和されていてもよい。拭き取り用物品の飽和は、治療的及び/又は保護的なローション有用性を得るために必要ではない。特に好適な適用方法は、主に拭き取り用物品の外表面にローション組成物を適用することである。
【0057】
各湿式拭き取り布中のローション組成物の量は、湿式拭き取り布又は拭き取り形式の製品を提供するために使用される材料の種類、湿式拭き取り布を保管するために使用される容器の種類、及び湿式拭き取り布の望ましい最終用途によって変化してもよい。一般的に、各湿式拭き取り布又は拭き取り形式の製品は、改善された拭き取りのため、拭き取り布の乾燥重量に基づいて、約100〜約600重量パーセント、望ましくは約250〜450重量パーセントの液体を含有してもよい。
【0058】
各乾燥拭き取り布中のローション組成物の量は、乾燥拭き取り布又は拭き取りタイプの製品を提供するために使用される材料の種類、乾燥拭き取り布を保管するために使用される容器の種類、及び乾燥拭き取り布の望ましい最終用途によって変化してもよい。一般的に、各乾燥拭き取り布又は拭き取りタイプの製品は、基材の約0.5重量%〜約250重量%、好ましくは基材の約0.5重量%〜約100重量%、より好ましくは基材の約0.5重量%〜約25重量%のローション組成物を含有することができる。
【0059】
ローション組成物は、拭き取り用物品の表面全体又はその一部分に適用されてもよい。ローション組成物は、拭き取り用物品の長手方向中心線と整列させたストライプで、及び長手方向中心線を中心としたストライプで適用され得る。ローション組成物は、均一な又は不均一な幅を有する複数のストライプで適用され得る。あるいは、ローションは、長手方向中心線の並置と整列させて、及び並置を中心として適用され得る。
【0060】
特定の実施形態において、吸収性物品の長手方向軸に平行な複数のストライプ状にローションを適用される。このことは、外陰部のより広範囲へのローションの転写、及び拭き取り用物品の流体処理の改善、の両方を可能とする。
【0061】
ローション組成物はまた、拭き取り用物品の外表面に不均一に適用され得る。「不均一」とは、ローション組成物の量、分配のパターン等が、拭き取り用物品表面全体にわたって変化し得ることを意味する。例えば、拭き取り用物品の処理表面のある部分は、その上にローション組成物を全く含まない表面部分を含めて、多い又は少ない量のローション組成物を有することができる。例えば、ローション組成物を拭き取り用物品の1つの領域に、矩形及び/又は円形、及び/又は多数のドットの形状で適用することができる。
【0062】
ローション組成物は組立中の任意の時点で表面に適用することができる。例えば、ローション組成物は、包装される前に拭き取り用物品に適用することができる。
【0063】
ローション組成物は、それらの溶融物から拭き取り用物品に適用されてもよい。ローション組成物は、典型的には、周囲温度を著しく上回って融解するので、通常は加熱されたコーティングとして適用される。典型的には、ローション組成物は、適用される前に、約35℃〜約100℃、好ましくは40℃〜約90℃の範囲の温度まで加熱される。融解したローション組成物が適用されるとすぐに、このローション組成物が冷却及び固化され、トップシート又は他の構成要素の表面上に固化したコーティング又は被膜が形成される。好ましくは、適用プロセスは、ローションの冷却/配置を補助するように設計される。
【0064】
特定の実施形態において、拭き取り用物品は、生理用ナプキン、パンティライナー、タンポン、又は他の好適な婦人衛生物品と結合され得る(例えば、米国特許第US 5,569,230号、同第US 6,911,022号、又は国際公開特許WO 03/057122(A1)号に詳細が記載されるように)。別の実施形態において、ローション組成物は、手で拭き取り用物品又は皮膚に適用され得るクリーム製品の形状で単独型製品として提供されてもよい(例えば、米国特許第US 5,948,416号に詳細に記載されるように)。別の実施形態において、ローション組成物は、拭き取り用物品に又は吸収性物品の着用者によって皮膚に噴霧され得るスプレー又はムースの形状の単独型製品として提供されてもよい(例えば、米国特許第US 4,708,813号に詳細に記載されるように)。
【0065】
外陰部の皮膚の皮膚バリア機能を改善する方法
本発明は、外陰部の皮膚の皮膚バリア機能を改善する方法であって、前記外陰部の皮膚に、体に面する表面と下着に面する表面とを備える拭き取り用物品を接触させる工程を含み、ω−6脂肪酸が前記拭き取り用物品の前記体に面する表面上に配置される、方法を更に包含する。皮膚バリア機能における改善は、改善された皮膚脂質組成物、改善された皮膚湿潤等によって、示され得る。
【0066】
各湿式拭き取り布中のローション組成物の量は、湿式拭き取り布又は拭き取り形式の製品を提供するために使用される材料の種類、湿式拭き取り布を保管するために使用される容器の種類、及び湿式拭き取り布の望ましい最終用途によって変化してもよい。一般的に、各湿式拭き取り布又は拭き取り形式の製品は、改善された拭き取りのため、拭き取り布の乾燥重量に基づいて、約100〜約600重量パーセントの、望ましくは約250〜450重量パーセントの液体を含有してもよい。
【0067】
各乾燥拭き取り布中のローション組成物の量は、乾燥拭き取り布又は拭き取りタイプの製品を提供するために使用される材料の種類、乾燥拭き取り布を保管するために使用される容器の種類、及び乾燥拭き取り布の望ましい最終用途によって変化してもよい。一般的に、各乾燥拭き取り布又は拭き取りタイプの製品は、基材の約0.5重量%〜約250重量%の、好ましくは基材の約0.5重量%〜約100重量%の、より好ましくは基材の約0.5重量%〜約25重量%のローション組成物を含有することができる。
【0068】
任意の好適な方法が、皮膚に転写される本明細書に記載のローション組成物の量を決定することにおいて使用されてもよい。ローション組成物の転写量を計算する方法の具体例には、生体内皮膚類似物質の分析を伴うガスクロマトグラフ分析手順とその他の定量的分析手順とが挙げられる。好適なガスクロマトグラフ手順は、PCT国際公開特許WO 99/45973、ドナルドC.ロー(Donald C.Roe)らに1999年9月16日公開、により詳細に記載されている。
【0069】
本発明は、外陰部の皮膚の皮膚バリア機能を改善するために、本明細書に記載されるもの等のω−6脂肪酸を含む拭き取り用物品の使用を更に包含する。
【0070】
以下は本発明の非限定的な例である。実施例において、「QS」は本明細書では「適量」を指し、及び全体の組成物を100%にするために十分な、組成物に添加される水の百分率である。
【0071】
乾燥拭き取り布
下記の表1に例示した組成物は、乾燥拭き取り布のための本発明のローション組成物の代表例である。ローション系は、一般的に、融解されるまで加熱下で以下の第1の表の構成成分を、重量により混合することによって調製される。以下の数字は重量パーセントを表す。
【表1】

【0072】
場合によっては、乾燥拭き取り布は、以下の方法に従って調製されてもよい。まず、以下の組成物に従って室温で界面活性剤を調製する。
【表2】

【0073】
以下の化合物が界面活性剤混合物に添加される
【表3】

【0074】
別個の混合容器で、以下の構成成分が添加される。プロピルパラベンが溶解されるまで、(必要に応じて、40℃まで加熱して)混合物が混合される。
【表4】

【0075】
この混合物が、第1の混合容器に添加される。得られた混合物の約1.5〜2.5gが、不織基材に添加され、次いで乾燥される。
【0076】
湿式拭き取り布
下記の表1に例示した組成物は、湿式拭き取り布のための本発明ローション組成物の代表例である。実施例1〜7のローション組成物は、先に記載されたように、基材、例えばTampere,FinlandのSuominenから入手可能であるようなFibrella 3160、40%ビスコース繊維及び60%ポリプロピレン繊維のブレンドを含む58g/mの不織布、又は使用に好適であると考えられる他の任意の基材と接触される。数字は重量パーセントを表す。
【表5】

【表6】

1.Clariant UK,Ltd.;Leeks,United Kingdomから入手可能なIPBC
2.Symrise,Inc.;Teterboro,NJから入手可能なベンジルアルコール
3.International Specialty Products;Wayne,NJから入手可能なSuttocide(登録商標)A(50%溶液)
4.Evonik Goldschmidt;Hopewell,VAから入手可能なAbil Care 85
5.DSM Nutritional;Parsippany,NJから入手可能なナイアシンアミド、パンテノール、及びクエン酸(Citiric acid)
6.Procter and Gamble;Cincinnati,OHから入手可能なグリセリン
7.Aarhus Karlshamn;Karlshamn,Swedenから入手可能なω油(Omega Oil)
8.CargillのClear Valley(登録商標)75 High Oleic Canola Oilから入手可能なオレイン酸キャノーラ油
9.Dow Corning;Midland,MIから入手可能なシリコーン
10.BASF Inc.;Florham Park,NJから入手可能なポロキサマー及びポリソルベート
11.DeWolf Chemical;East Providence,RIから入手可能なパラベン及びフェノキシエタノール
12.Charkit Chemical;Norwalk,CTから入手可能なリン酸一ナトリウム
【0077】
実施例1〜9の代表的な溶液を調製するにあたり、全ての材料は、プロペラ型ミキサーを使用して、好適な混合容器で混和される。最終的な混和は、ホモジナイザーを使用して混合される。1つの容器(油相)に、Abil Care、50%のLipex Omega Passiflora、Lipex Omega 3/6、及び/又は高オレイン酸キャノーラ油、並びに防腐剤系が添加される。別の容器(水相)に、90%水の水相原料、非イオン性界面活性剤、グリセリン、ナイアシンアミド(niaciamide)、及びパンテノールが添加される。次いで、水相は油相に添加され、混合された混合物が均質化される。残りの50%油に予め分散された(predispered)キサンタンガムが添加され、乳濁液が再度均質化される。混合物は、pH 5〜5.5に中和され、水で適量化され、均質化される。油性の芳香剤が使用される場合、油相工程に添加される。そうでなければ、水相工程に添加される。
【0078】
実施例実施例10〜12(examples examples 10-12)の代表的な溶液を調製するにあたり、全ての物質は、プロペラ型ミキサーを使用して、室温で好適な混合容器で混和される。最終的な混和は、ホモジナイザーを使用して混合される。1つの容器(水相)に、90%の水、乳化剤、グリセリン、ナイアシンアミド(niaciamide)、及びパンテノールが添加される。別の容器(油相)に、ジメチコン、シクロメチコン、Lipex Omega Passiflora、Lipex Omega 3/6、及び/又は高オレイン酸キャノーラ油、並びに防腐剤系が添加される。次いで、水相は油相に添加され、混合された混合物が均質化される。混合物は、pH 5〜5.5に中和され、水で適量化され、均質化される。油性の芳香剤が使用される場合、油相工程に添加される。そうでなければ、水相工程に添加される。
【0079】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、それぞれのそのような寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0080】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。
【0081】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
拭き取り用物品であって、前記拭き取り用物品の表面上に配置されるローション組成物を含み、前記ローション組成物が、(a)ω−6脂肪酸と、(b)担体と、を含む、拭き取り用物品。
【請求項2】
前記ローション組成物が、前記ω−6脂肪酸を含む油材料の少なくとも約3重量%、好ましくは前記油材料の少なくとも約5重量%、より好ましくは前記油材料の少なくとも約10重量%の、前記ω−6脂肪酸を含む油を含む、請求項1に記載の拭き取り用物品。
【請求項3】
前記油材料が、少なくとも約10時間、好ましくは少なくとも約14時間、より好ましくは少なくとも約18時間の油安定性指標値を有する、請求項1又は2に記載の拭き取り用物品。
【請求項4】
前記油材料が、前記油材料の少なくとも約10重量%のオレイン酸を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の拭き取り用物品。
【請求項5】
前記ローション組成物が、前記ローション組成物の約0.002重量%〜約12.5重量%の前記ω−6脂肪酸を含み、かつ前記ローション組成物の少なくとも約0.007重量%〜約20重量%のオレイン酸を更に含む、請求項1に記載の拭き取り用物品。
【請求項6】
前記油材料が、チャボトケイソウ種子油と植物油との混合物、ナガミノアマナズナ種子油と植物油との混合物、月見草油と植物油との混合物、高オレイン酸キャノーラ油、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の拭き取り用物品。
【請求項7】
前記ローション組成物が、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール、セサモリン、セサミン、カテキン、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸化防止剤を更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の拭き取り用物品。
【請求項8】
前記ローション組成物が、セキショウ、ローマカミツレ、タラゴン、バジル、ベルガモット、ウッドカラミント、ヒメウイキョウ、シーダー材、カモミール、シナモン、シナモンバーク、ダイダイ、クローブ、サイプレス、ディル、ユーカリ、オイゲノール、フランキンセンス、ガランゴル、ゼラニウム、ジンジャー、ホップ、ジャスミン、ゲッケイジュ、ラベンダー、レモンバーム、レモングラス、レモン、リモネン、リナロール、酢酸リナリル、リッピアアルバ、マジョラム、メリッサ、ミルラ、ネロリ、ナツメグ、パシフローラ、パチョリ、ペパーミント、ピネン、ローズ、ローズウッド、ローズマリー、セージ、ビャクダン、スペアミント、スイートフェンネル、スイートオレンジ、タイム、バレリアン、イランイラン、及びこれらの混合物からなる群から選択される精油を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の拭き取り用物品。
【請求項9】
前記担体が、シリコーンオイル、官能性シリコーンオイル、ポリシロキサン、炭化水素油、天然油脂、石油系炭化水素、脂肪アルコール、脂肪アルコールエーテル、脂肪酸、一価及び多価アルコールでの一塩基性及び/又は二塩基性及び/又は三塩基性及び/又は多塩基性カルボン酸のエステル、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、脂肪アルコールのポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンエーテルの混合物、界面活性剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の拭き取り用物品。
【請求項10】
外陰部の皮膚へローション組成物を適用する方法であって、請求項1〜9のいずれか一項に記載の拭き取り用物品を前記外陰部の皮膚に接触させる工程を含む、方法。

【公表番号】特表2013−515778(P2013−515778A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547140(P2012−547140)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/061505
【国際公開番号】WO2011/082027
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】