説明

ある種のピリミジン、その製法、及びその使用方法

式1:


で表される化合物、及び医薬的に受容されるその塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質が本明細書に記載される。少なくとも一つの式1の化合物を、キャリア、アジュバント、及び賦型剤から選ばれる少なくとも一つの医薬的に受容されるビヒクルと共に含む医薬組成物が記載される。Btk活性及び/又はB細胞活性の阻害に応答するいくつかの疾病に苦しむ患者を治療する方法が記載される。あるサンプルにおけるBtkの存在を判定する方法が記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年9月11日出願の米国特許仮出願No.60/843,836の優先権を主張する。
【0002】
ある種のピリミジンと関連化合物、そのような化合物を含む組成物、及びその利用方法がここに提供される。
【背景技術】
【0003】
ヒトの酵素の最大ファミリーであるプロテインキナーゼ類は優に500種類を超えるプロテインを包含する。Bruton’sチロシンキナーゼ(Btk)は、チロシンキナーゼのTecファミリーの一員であり、初期B細胞の発生、並びに成熟B細胞の活性化、信号伝達、及び生存、の調節因子である。
【0004】
B細胞レセプター(BCR)によるB細胞の信号伝達は広範な種類の生物学的出力に導くが、それはさらにB細胞の発生段階にも依存する。BCR信号の大きさと持続時間は精密に制御されなければならない。異常BCR媒介信号は、制御されないB細胞活性化及び/又は病理的な自己抗体の形成を生じ、いろいろな自己免疫及び/又は炎症性疾患につながる。ヒトのBtkの突然変異は、X連鎖性無ガンマグロブリン血症(XLA)を生ずる。この疾病はB細胞の成熟不全、免疫グロブリン産生の減少、T細胞非依存免疫応答の低下、及びBCR刺激での持続的カルシウムサイン(calcium sign)の顕著な減衰、と関連する。
【0005】
アレルギー疾患及び/又は自己免疫疾患及び/又は炎症生疾患におけるBtkの役割についての証拠はBtk欠乏マウス・モデルで確立されている。例えば、全身性エリスマトーデス(SLE)の標準的なマウスpreclinicalモデルにおいて、Btk欠乏は疾病の進行を顕著に改善することが示されている。さらに、Btk欠乏マウスはまた、コラーゲン誘発性関節炎を発症しにくく、Staphylococcus誘導性関節炎にもかかりにくい。
【0006】
大量の証拠が自己免疫及び/又は炎症性疾患の発病におけるB細胞と体液性免疫システムの役割を支持している。B細胞を欠乏させるために開発されたプロテインをベースとする治療薬(Rituxanなど)は、いくつかの自己免疫及び/又は炎症性疾患の治療への一つのアプローチを表しているB細胞活性化におけるBtkの役割からして、Btkの阻害物質は、B細胞に媒介される病原活性(例えば自己抗体産生)の阻害物質として有用である可能性がある。
【0007】
Btkはまた破骨細胞、マスト細胞、及び単球で発現され、それらの細胞の機能のために重要であることが示されている。例えば、マウスにおけるBtk欠乏はIgEに媒介されたマスト細胞活性化不全(TNF−アルファやその他の炎症性サイトカインの放出の顕著な減少)と結びつき、ヒトにおけるBtk欠乏は活性化された単球のTNF−アルファ産生の大きな減少と結びつく。
【0008】
このように、Btk活性の阻害はアレルギー疾患及び/又は自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患、例えばSLE、関節リウマチ、multiple vasculitides、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、眼筋無力症、アレルギー性鼻炎、及び喘息など、の治療に有用である可能性がある。さらに、Btkはアポトーシスにおいてもある役割を演じていると報告されている;したがって、Btk活性の阻害は、癌、並びにB細胞リンパ腫及び白血病の治療に有用である可能性がある。さらに、破骨機能におけるBtkの役割を考えると、Btk活性の阻害は骨粗鬆症などの骨の疾患の治療に有用である可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、次の式1の化合物:
【0010】
【化1】

【0011】
及び医薬的に受容されるその塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質(chemical entity)が提供され、
上記式中、
1はCRであり、Z2はNであり、又はZ1はNであり、Z2はCRである;
Aは、場合により置換されるフェニレン、場合により置換されるピリジリデン、場合により置換される2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジニル、
【0012】
【化2】

【0013】
(式中、*は基−L−Gへの結合点を示し、破れた結合はアミノ基への結合点を示す;X1はNとCR7から選ばれ、X2はNとCR7から選ばれる;X3はNとCR7から選ばれる;ここでX1、X2、及びX3の一つ以下がNであり、R7は水素、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、場合により置換される低級アルキル、及び場合により置換される低級アルコキシから選ばれる)
から選ばれる;
Lは、場合により置換されるC0−C4アルキレン、−O−場合により置換されるC0−C4アルキレン、−(C0−C4アルキレン)(SO)−、−(C0−C4アルキレン)(SO2)−、及び−(C0−C4アルキレン)(C=O)−から選ばれる;
Gは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、場合により置換されるアルキル、場合により置換されるアミノ、場合により置換されるカルバミミドイル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるアリール、及び場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる;
RとR1は、独立に、水素と場合により置換される低級アルキルから選ばれる;
Wは、場合により置換されるフェニレンと場合により置換されるピリジリデンから選ばれる;
Qは、以下のものから選ばれる:
【0014】
【化3】

【0015】
(式中、
10とR11は、独立に、水素、C1−C6アルキル、及びC1−C6ハロアルキルから選ばれる、及び
12、R13、R14、及びR15は、独立に、以下から選ばれる、
水素、
1−C6アルキル、
1−C6ハロアルキル
フェニル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたフェニルから選ばれる置換されたフェニル、ここで、その置換基は、独立に、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、(C1−C6アルキルオキシ)C1−C6アルコキシ、C1−C6パーフルオロアルキル、C1−C6パーフルオロアルコキシ、モノ−(C1−C6アルキル)アミノ、ジ(C1−C6アルキル)アミノ、及びアミノ(C1−C6アルキル)から選ばれる、
ヘテロアリール、及び
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたヘテロアリール選ばれる置換されたヘテロアリール、ここでその置換基は、独立に、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、(C1−C6アルキルオキシ)C1−C6アルコキシ、C1−C6パーフルオロアルキル、C1−C6パーフルオロアルコキシ、モノ−(C1−C6アルキル)アミノ、ジ(C1−C6アルキル)アミノ、及びアミノ(C1−C6アルキル)から選ばれる、
2は、場合により置換されるアリールと場合により置換されるヘテロアリールから選ばれ、
【0016】
ただし、式1の化合物は以下のものから選ばれない:
N−(4−(2−(4−(4−アセチルピペラジン−1−カルボニル)フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)ベンズアミド;
1−(4−(2−(4−(4−アセチルピペラジン−1−カルボニル)フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)−3−フェニルウレア;
N−(3−(2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)ピリジン−3−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)−5−メチルイソキサゾール−3−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−スルファモイルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)−N−メチルフラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−ヒドロキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)チオフェン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(5−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−2−メトキシフェニル)チオフェン−2−カルボキシアミド;
N−(4−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)チオフェン−2−カルボキシアミド;
N−(4−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(4−(2−(3−ヒドロキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)チオフェン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−スルファモイルフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−メトキシフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)− N−メチルフラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−メトキシフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−ヒドロキシフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)チオフェン−2−カルボキシアミド;
N−フェニル−4−(2−(フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)ベンズアミド;
4−(5−メチル−2−(フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−N−フェニルベンズアミド;
N−(4−(2−(3−ヒドロキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)−2−フェノキシアセトアミド;及び
2−フェノキシ−N−(4−(2−(3−スルファモイルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド。
【0017】
本発明では、本明細書に記載された少なくとも一つの化学物質を、キャリア、アジュバント、賦型剤から選ばれる少なくとも一つの医薬的に受容されるビヒクルと共に含む医薬組成物が提供される。
【0018】
本発明では、
本明細書に記載された医薬組成物、及び
その組成物を用いてBtk活性の阻害に応答する疾病で苦しむ患者を治療するための指示
を含むパッケージされた医薬組成物が提供される。
【0019】
本発明では、Btk活性の阻害に応答する疾病の患者を治療する方法であって、有効な量の少なくとも一つのここに記載された化学物質を患者に投与するステップを含む方法が提供される。
【0020】
本発明では、癌、骨疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、急性炎症反応、及びアレルギー疾患から選ばれる疾病を有する患者を治療する方法であって、有効な量の少なくとも一つのここに記載された化学物質を患者に投与するステップを含む方法が提供される。
【0021】
本発明では、化学療法に対する癌細胞の感度を高める方法であって、化学治療剤による化学治療を受けている患者に、化学治療剤に対する癌細胞の感度を高めるのに十分な、有効な量の少なくとも一つのここに記載された化学物質を患者に投与するステップを含む方法が提供される。
【0022】
本発明では、Btk活性の阻害に応答する疾病の治療を受けている患者の投薬過誤を減らし治療コンプライアンスを高める方法であって、ここで記載されるパッケージされた医薬調剤を提供するステップを含み、その指示がさらに、パッケージされた医薬組成物に関する禁忌及び有害な反応の情報を含むことを特徴とする方法が提供される。
【0023】
本発明では、ATP加水分解を阻害する方法であって、Btkを発現する細胞にここで記載された少なくとも一つの化学物質を、in vitroでのATP加水分解のレベルを十分に検出できるほど減少させる量で接触させるステップを含む方法が提供される。
【0024】
本発明では、サンプルにおけるBtkの存在を判定する方法であって、サンプルにここで記載された少なくとも一つの化学物質を、Btk活性の検出を可能にする条件の下で接触させるステップ、そのサンプルにおけるBtk活性のレベルを検出するステップ、及びそれからそのサンプルにおけるBtkの存在又は非存在を判定するステップ、を含む方法が提供される。
【0025】
本発明ではB細胞の活性を阻害する方法であって、Btkを発現する細胞にここで記載された少なくとも一つの化学物質を、in vitroでのB細胞の活性を十分に検出できるほど減少させる量で接触させるステップを含む方法が提供される。
【0026】
本明細書で用いる場合、以下の語句は、それが用いられる文脈がそうでないと明示している場合を除き、一般に下で示されるような意味を有するものとする。以下の短縮形及び用語は全体にわたってそこで示される意味を有する。
【0027】
ここで用いられる場合、式において何らかの変数が二回以上出現するとき、各出現におけるその定義は他の出現における定義と独立である。特許における“a”と“the”の通常の意味に従って、例えば、“a”kinase又は“the”kinaseへの言及は一つ以上のkinaseを含む。
【0028】
二つの文字又は記号の間にないダッシュ(“−”)は、置換基の結合点を示すために用いられる。例えば、−CONH2は、炭素原子によって結合する。
【0029】
ここで用いる場合、“少なくとも一つの化学物質”という用語は、“一つの化合物”という用語と交換可能である。
【0030】
“場合によりの”又は“場合により”という用語は、その後に記載される事象又は状況が起こることも起こらないこともあるということを意味し、その記載がその事象又は状況が起こる場合と、それが起こらない場合を含むことを意味する。例えば、“場合により置換されるアルキル”は、以下で定義されるような“アルキル”と“置換されたアルキル”の両方を含む。一つ以上の置換基を含む基に関して、そのような基は、立体的に実際的でない、合成的に実現可能でない、及び/又は本質的に不安定である置換パタン(単数又は複数)を導入することを意図していないことは当業者には理解されるであろう。
【0031】
“アルキル”という用語は、記された数の炭素原子、通常は1〜約20個の炭素原子、例えば1〜約8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子など、を有する直鎖又は枝分かれ鎖を包含する。例えばC1−C6アルキルは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖アルキルを包含する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、3−メチルペンチルなど、があげられる。アルキレンは、アルキルの別のサブセットであって、アルキルと同じ残基を指すが、二つの結合点を有する。アルキレン基は、通常は2〜約20個の炭素原子、例えば2〜約8個の炭素原子、2〜6個の炭素原子など、を有する。例えば、C0アルキレンは共有結合を表し、C1アルキレンはメチレン基である。ある特定数の炭素原子を有するアルキル残基があげられたとき、その数の炭素原子を有するすべての幾何異性体が包含されるものとする;したがって、例えば“ブチル”はn−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、及びt−ブチルを含むものとし、“プロピル”はn−プロピル及びイソプロピルを含む。“低級アルキル”は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を指す。
【0032】
“シクロアルキル”は、指定された数の炭素原子を有する飽和炭化水素リンググループを表し、通常は3〜7個のリング炭素原子を有する。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシル、並びにノルボルナンなどの架橋及びcaged飽和リンググループがあげられる。
【0033】
“アルコキシ”は、酸素ブリッジによって結合した記された数の炭素原子のアルキル基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、2−ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキソキシ、2−ヘキソキシ、3−ヘキソキシ、3−メチルペントキシなど、を意味する。アルコキシ基は通常1〜6個の炭素原子が酸素ブリッジによって結合されている。“低級アルコキシ”は、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基を指す。
【0034】
“アシル”は、(アルキル)−C(O)−、(シクロアルキル)−C(O)−、(アリール)−C(O)−、(ヘテロアリール)−C(O)−、及び(ヘテロシクロアルキル)−C(O)−という基であって、その基がカルボニル官能基によって親構造に結合するものを指し、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルはここに記載されるようなものである。アシル基は、記された数の炭素原子を有し、ケト基の炭素数は数えられる炭素原子に含められる。例えば、C2アシル基はCH3(C=O)−という式のアセチル基である。
【0035】
“アルコキシカルボニル”は、カルボニル炭素によって結合する(アルコキシ)(C=O)−という式のエステル基を意味し、ここでアルコキシ基が記された数の炭素原子を有する。すなわち、C1−C6アルコキシカルボニル基は1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基がその酸素によってカルボニル・リンカーに結合している。
【0036】
“アミノ”は、−NH2基を意味する。
【0037】
“アミノカルボニル”という用語は、−CONRbc基を指し、ここで
bは、H、場合により置換されるC1−C6アルキル、場合により置換されるアリール、及び場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる;及び
cは、水素、及び場合により置換されるC1−C6アルキルから選ばれる;又は
bとRcは、それらが結合している窒素と一緒になって、場合により置換される5〜7員の窒素を含有するヘテロシクロアルキルを形成し、それは場合によりヘテロシクロアルキル環にO,N,Sから選択される1又は2個の別のヘテロ原子を含む;
ここで、各置換される基は、独立に、C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−C4アルキル−、ヘテロアリールC1−C4アルキル−、C1−C4ハロアルキル、−OC1−C4アルキル、−OC1−C4アルキルフェニル、−C1−C4アルキル−OH、−OC1−C4ハロアルキル、ハロ、−OH、−NH2、−C1−C4アルキル−NH2、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−NH(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキルフェニル)、−NH(C1−C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルの置換基として)、−CO2H、−C(O)OC1−C4アルキル、−CON(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CONH(C1−C4アルキル)、−CONH2、−NHC(O)(C1−C4アルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C1−C4アルキル、−C(O)C1−C4フェニル、−C(O)C1−C4ハロアルキル、−OC(O)C1−C4アルキル、−SO2(C1−C4アルキル)、−SO2(フェニル)、−SO2(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(C1−C4アルキル)、−SO2NH(フェニル)、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−NHSO2(フェニル)、及び−NHSO2(C1−C4ハロアルキル)から独立に選択される一つ以上の置換基によって独立に置換される。
【0038】
“アリール”は以下を包含する:
5−及び6−員の炭素環芳香族リング、例えば、ベンゼン;
二環式リング・システムであって、少なくとも一つのリングは炭素環で芳香族、例えば、ナフタレン、インダン、及びテトラリン;及び
三環式リング・システムであって、少なくとも一つのリングは炭素環で芳香族、例えば、フルオレン。
【0039】
例えば、アリールは、N,O,及びSから選ばれる一つ以上のヘテロ原子を含む5〜7員のヘテロシクロアルキル・リングに縮合された5−員及び6−員炭素環芳香族リングを含む。このような縮合された二環式リング・システムであって、一つのリングだけが炭素環芳香族リングである場合、結合点は炭素環芳香族リング又はヘテロシクロアルキル・リングにある。置換されたベンゼン誘導体から形成されたリング原子に自由価電子を有する二価ラジカルは置換されたフェニレン・ラジカルと呼ばれる。名前が“−イル”で終わる一価の多環式炭化水素ラジカルから自由価電子をもつ炭素原子から水素原子を除去して誘導された二価ラジカルは、対応する一価ラジカルの名前に“−イデン(idene)”を付け加えて呼ばれる、例えば二つの結合点を有するナフチル基はナフチリデン(naphthylidene)と呼ばれる。しかし、アリールは、いかなる点でも以下で別に定義されるヘテロアリールを包含することも、それと重なることもない。したがって、一つ以上の炭素環芳香族リングがヘテロシクロアルキル芳香族リングと縮合した場合、得られるリング・システムはヘテロアリールであって、ここで定義されたようなアリールではない。
【0040】
“アリールオキシ”という用語は−O−アリール基を指す。
【0041】
“ハロ”という用語はフルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨウドを含み、“ハロゲン”という用語はフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。
【0042】
“ハロアルキル”は、所定の数の炭素原子を有し、許される最大数のハロゲン原子までの一つ以上のハロゲン原子で置換された上で定義されたようなアルキルを表す。ハロアルキルの例としては、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2−フルオロエチル、及びペンタフルオロエチルなどがあるが、それだけに限定されない。
【0043】
“ヘテロアリール”は以下を包含する:
5〜7員の芳香族単環式リングであって、一つ以上の、例えば1〜4個の、又は、いくつかの実施形態では1〜3個の、N,O,及びSから選ばれたヘテロ原子を含み、残りのリング原子は炭素原子であるもの、及び
二環式ヘテロシクロアルキル・リングであって、一つ以上の、例えば1〜4個の、又は、いくつかの実施形態では1〜3個の、N,O,及びSから選ばれたヘテロ原子を含み、残りのリング原子は炭素原子であり、少なくとも一つのヘテロ原子が芳香族リングに存在するもの。
【0044】
例えば、ヘテロアリールは、5〜7員のシクロアルキル・リングに縮合された5〜7員のヘテロシクロアルキル、芳香族リングを含む。一つのリングだけが一つ以上のヘテロ原子を含むそのような縮合された二環式ヘテロアリール・リングシステムでは、結合点はヘテロ芳香族リング又はシクロアルキル・リングにある。ヘテロアリール基におけるS及びO原子の総数が1よりも多いとき、それらのヘテロ原子は互いに隣接しない。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基におけるS及びO原子の総数は2以下である。いくつかの実施形態では、芳香族ヘテロサイクルにおけるS及びO原子の総数は1以下である。ヘテロアリール基の例としては、(プライオリティー1を割り当てられたリンケージ位置からナンバーをつけて)、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2,3−ピラジニル、3,4−ピラジニル、2,4−ピリミジニル、3,5−ピリミジニル、2,3−ピラゾリニル、2,4−イミダゾリニル、イソキサゾリニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、チアジアゾリニル、テトラゾリル、チエニル、ベンゾチオフェニル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリニル、インドリニル、ピリジジニル、トリアゾリル、キノリニル、ピラゾリル、及び5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリンなどがあるが、それだけに限定されない。名前が“−イル(yl)”で終わる一価のヘテロアリール・ラジカルから自由価電子を有する炭素原子から水素原子を除去することによって誘導される二価ラジカルは対応する一価ラジカルの名前に“−イデン(idene)”を付けて呼ばれる、例えば二つの結合点を有するピリジル基はピリジリデン(pyridylidene)である。ヘテロアリールは上で定義されたようなアリールを包含せず、それと重なることもない。
【0045】
置換されたヘテロアリールは、また、一つ以上のオキシド(−O-)置換基で置換されたリング・システム、例えばピリジニルN−オキシドを含む。
【0046】
“ヘテロアリールアルキル”という用語で、ヘテロアリールとアルキルは上で定義されたようなものであり、結合点はアルキル基にある。この用語は、ピリジルメチル、チオフェニルメチル、及び(ピロリル)1−エチルを含むが、それだけに限定されない。
【0047】
“ヘテロシクロアルキル”は、単環脂肪族リングであって、通常は3〜7個のリング原子で、少なくとも2個の炭素原子と、酸素、硫黄、及び窒素、並びに少なくとも一つの前記ヘテロ原子を含む組み合わせ、から独立に選ばれた1−3個のヘテロ原子を含む。適当なヘテロシクロアルキル基は、例えば(プライオリティー1を割り当てられたリンケージ位置からナンバーをつけて)、2−ピロリニル、2,4−イミダゾリジニル、2,3−ピラゾリジニル、2−ピペリジル、3−ピペリジル、4−ピペリジル、2,5−ピペリジニルなどである。モルフォリニル基、例えば、2−モルフォリニル及び3−モルフォリニル(酸素にプライオリティー1を与えてナンバーをつける)、も考えられる。置換されたヘテロシクロアルキル基はまた、一つ以上のオキソ部分で置換されたリング・システム、例えばピペリジニルN−オキシド、モルフォリニル−N−オキシド、1−オキソ−1−チオモルフォリニル、及び1,1−ジオキソ−1−チオモルフォリニル、及び一つ以上の−SO−又は−SO2−基を含むリング・システムを含む。
【0048】
“カルバミミドイル”は−C(=NH)−NH2基を指す。
【0049】
“置換されたカルバミミドイル”は、−C(=NRe)−NRfg基を指し、ここでRe、Rf、及びRgは以下から独立に選ばれる:水素、場合により置換されるアルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるアリール、場合により置換されるヘテロアリール、及び場合により置換されるヘテロシクロアルキル、ただし、Re、Rf、及びRgの少なくとも一つは水素でなく、置換されたアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールは、それぞれ、一つ以上の(例えば5個までの、例えば3個までの)水素原子が以下から独立に選ばれる置換基によって置き換えられたアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールを指す:
−Ra、−ORb、−O(C1−C2アルキル)O−(例えばメチレンジオキシ−)、−SRb、グアニジン、一つ以上のグアニジン水素原子が低級アルキル基で置き換えられたグアニジン、NRbc、ハロ、シアノ、ニトロ、−CORb、−CO2b、−CONRbc、−OCORb、−OCO2a、−OCONRbc、−NRcCORb、−NRcCO2a、−NRcCONRbc、−CO2b、−CONRbc、−NRcCORb、−SORa、−SO2a、−SO2 NRbc、及び−NRcSO2a
ここで、Raは、場合により置換されるC1−C6アルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるアリール、及び場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる;
bは、H、場合により置換されるC1−C6アルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、場合により置換されるアリール、及び場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる;及び
cは、水素、及び場合により置換されるC1−C4アルキルから独立に選ばれる;又は
bとRc、及びそれらが結合する窒素は、場合により置換されるヘテロシクロアルキル基を形成する;そして
各場合により置換される基は、置換されないか、又は以下から独立に選ばれる一つ以上の、例えば一つ、二つ、又は三つの置換基によって独立に置換される:C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−C4アルキル−、ヘテロアリールC1−C4アルキル−、C1−C4ハロアルキル、−OC1−C4アルキル、−OC1−C4アルキルフェニル、C1−C4アルキル−OH、−OC1−C4ハロアルキル、ハロ、−OH、−NH2、C1−C4アルキル−NH2、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−NH(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキルフェニル)、−NH(C1−C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルの置換基として)、−CO2H、−C(O)OC1−C4アルキル、−CON(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CONH(C1−C4アルキル)、−CONH2、−NHC(O)(C1−C4アルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C1−C4アルキル、−C(O)C1−C4フェニル、−C(O)C1−C4ハロアルキル、−OC(O)C1−C4アルキル、−SO2(C1−C4アルキル)、−SO2(フェニル)、−SO2(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(C1−C4アルキル)、−SO2NH(フェニル)、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−NHSO2(フェニル)、及び−NHSO2(C1−C4ハロアルキル)。
【0050】
本明細書で用いる場合、“変調(modulation)”という用語は、式1の化合物の存在に対する直接又は間接の応答としての、この化合物が存在しないときのキナーゼ活性に比べたキナーゼ活性の変化を指す。この変化は、活性の増加であることも活性の減少であることもあり、化合物とキナーゼの直接相互作用によることも、この化合物と一つ以上の他の因子との相互作用がさらにキナーゼ活性に及ぼす影響によることもある。例えば、この化合物の存在が、例えばキナーゼとの直接結合によってキナーゼ活性を増加又は減少させることも、別の因子に(直接又は間接に)キナーゼ活性を増加又は減少させることも、細胞又は生物体に存在するキナーゼの量を(直接又は間接に)増加又は減少させることによってキナーゼ活性を増加又は減少させることもある。
【0051】
“スルファニル”という用語は、以下の基:−S−(場合により置換される(C1−C6)アルキル)、−S−(場合により置換されるアリール)、−S−(場合により置換されるヘテロアリール)、−S−(場合により置換されるヘテロシクロアルキル)、を含む。したがって、スルファニルはC1−C6アルキルスルファニル基を含む。
【0052】
“スルフィニル”という用語は、以下の基:−S(O)−H、−S(O)−(場合により置換される(C1−C6)アルキル)、−S(O)−(場合により置換されるアリール)、−S(O)−(場合により置換されるヘテロアリール)、−S(O)−(場合により置換されるヘテロシクロアルキル)、及び−S(O)−(場合により置換されるアミノ)、を含む。
【0053】
“スルフォニル”という用語は、以下の基:−S(O2)−H、−S(O2)−(場合により置換される(C1−C6)アルキル)、−S(O2)−(場合により置換されるアリール)、−S(O2)−(場合により置換されるヘテロアリール)、−S(O2)−(場合により置換されるヘテロシクロアルキル)、−S(O2)−(場合により置換されるアルコキシ)、−S(O2)−(場合により置換されるアリールオキシ)、−S(O2)−(場合により置換されるヘテロアリールオキシ)、−S(O2)−(場合により置換されるヘテロシクロオキシ)、及び−S(O2)−(場合により置換されるアミノ)を含む。
【0054】
“置換される”という用語は、本明細書で用いる場合、指定された原子又は基にある一つ以上の水素原子が、記されたグループからのある選択によって置き換えられることを意味する、ただし、指定された原子の正規の価数を超えないものとする。置換基がオキソ(=O)である場合、その原子上の二つの水素が置き換えられる。置換基及び/又は変数の組み合わせは、その組み合わせが安定な化合物又は有用な合成中間産物を生ずる場合に限り許される。安定な化合物又は安定な構造とは、反応混合物から単離されても十分に生き残れる堅牢な化合物、及び少なくとも実際的な有用性があるその後の調合物、を意味するものとする。別に断らない限り、置換基はコア構造に立ち入るように呼ばれる。例えば、(シクロアルキル)アルキルが可能な置換基としてあげられた場合、この置換基がコア構造に結合する点はアルキル部分にある。
【0055】
“置換された”アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールという用語は、別に明記されない限り、それぞれ、一つ以上の(例えば5個までの、例えば3個までの)水素原子が以下から独立に選ばれる置換基によって置き換えられたアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールを指す:
−Ra、−ORb、−O(C1−C2アルキル)O−(例えばメチレンジオキシ−)、−SRb、グアニジン、一つ以上のグアニジン水素原子が低級アルキル基で置き換えられたグアニジン、NRbc、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、−CORb、−CO2b、−CONRbc、−OCORb、−OCO2a、−OCONRbc、−NRcCORb、−NRcCO2a、−NRcCONRbc、−CO2b、−CONRbc、−NRcCORb、−SORa、−SO2a、−SO2NRbc、及び−NRcSO2a
ここで、Raは、場合により置換されるC1−C6アルキル、場合により置換されるC2−C6アルケニル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、場合により置換されるアリール、及び場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる;
bは、H、場合により置換されるC1−C6アルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、場合により置換されるアリール、及び場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる;及び
cは、水素、及び場合により置換されるC1−C4アルキルから選ばれる;又は
bとRc、及びそれらが結合する窒素は、場合により置換されるヘテロシクロアルキル基を形成する;そして
各場合により置換される基は、置換されないか、又は以下から独立に選ばれる一つ以上の、例えば一つ、二つ、又は三つの置換基によって独立に置換される:C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−C4アルキル−、ヘテロアリールC1−C4アルキル−、C1−C4ハロアルキル、−OC1−C4アルキル、−OC1−C4アルキルフェニル、C1−C4アルキル−OH、−OC1−C4ハロアルキル、ハロ、−OH、−NH2、C1−C4アルキル−NH2、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−NH(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキルフェニル)、−NH(C1−C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルの置換基として)、−CO2H、−C(O)OC1−C4アルキル、−CON(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CONH(C1−C4アルキル)、−CONH2、−NHC(O)(C1−C4アルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C1−C4アルキル、−C(O)C1−C4フェニル、−C(O)C1−C4ハロアルキル、−OC(O)C1−C4アルキル、−SO2(C1−C4アルキル)、−SO2(フェニル)、−SO2(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(C1−C4アルキル)、−SO2NH(フェニル)、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−NHSO2(フェニル)、及び−NHSO2(C1−C4ハロアルキル)。
【0056】
“置換されたアシル”という用語は、(置換されたアルキル)−C(O)−;(置換されたシクロアルキル)−C(O)−;(置換されたアリール)−C(O)−;(置換されたヘテロアリール)−C(O)−;及び(置換されたヘテロシクロアルキル)−C(O)−;という基を指し、基はそのカルボニル官能基によって親構造に結合し、置換されたアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ、一つ以上の(例えば5個までの、例えば3個までの)水素原子が以下から独立に選ばれる置換基によって置き換えられたアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルを指す:
−Ra、−ORb、−O(C1−C2アルキル)O−(例えばメチレンジオキシ−)、−SRb、グアニジン、一つ以上のグアニジン水素原子が低級アルキル基で置き換えられたグアニジン、NRbc、ハロ、シアノ、ニトロ、−CORb、−CO2b、−CONRbc、−OCORb、−OCO2a、−OCONRbc、−NRcCORb、−NRcCO2a、−NRcCONRbc、−CO2b、−CONRbc、−NRcCORb、−SORa、−SO2a、−SO2NRbc、及び−NRcSO2a
ここで、Raは、場合により置換されるC1−C6アルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、場合により置換されるアリール、及び場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる;
bは、H、場合により置換されるC1−C6アルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、場合により置換されるアリール、及び場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる;及び
cは、水素、及び場合により置換されるC1−C4アルキルから選ばれる;又は
bとRc、及びそれらが結合する窒素は、場合により置換されるヘテロシクロアルキル基を形成する;そして
各場合により置換される基は、置換されないか、又は以下から独立に選ばれる一つ以上の、例えば一つ、二つ、又は三つの置換基によって独立に置換される:C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−C4アルキル−、ヘテロアリールC1−C4アルキル−、C1−C4ハロアルキル、−OC1−C4アルキル、−OC1−C4アルキルフェニル、C1−C4アルキル−OH、−OC1−C4ハロアルキル、ハロ、−OH、−NH2、C1−C4アルキル−NH2、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−NH(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキルフェニル)、−NH(C1−C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルの置換基として)、−CO2H、−C(O)OC1−C4アルキル、−CON(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CONH(C1−C4アルキル)、−CONH2、−NHC(O)(C1−C4アルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C1−C4アルキル、−C(O)C1−C4フェニル、−C(O)C1−C4ハロアルキル、−OC(O)C1−C4アルキル、−SO2(C1−C4アルキル)、−SO2(フェニル)、−SO2(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(C1−C4アルキル)、−SO2NH(フェニル)、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−NHSO2(フェニル)、及び−NHSO2(C1−C4ハロアルキル)。
【0057】
“置換されたアルコキシ”という用語は、アルキル成分が置換されたアルコキシ(すなわち、−O−(置換されたアルキル))を指し、“置換されたアルキル”は一つ以上の(例えば5個までの、例えば3個までの)水素原子が以下から独立に選ばれる置換基によって置き換えられたアルキルを指す:
−Ra、−ORb、−O(C1−C2アルキル)O−(例えばメチレンジオキシ−)、−SRb、グアニジン、一つ以上のグアニジン水素原子が低級アルキル基で置き換えられたグアニジン、NRbc、ハロ、シアノ、ニトロ、−CORb、−CO2b、−CONRbc、−OCORb、−OCO2a、−OCONRbc、−NRcCORb、−NRcCO2a、−NRcCONRbc、−CO2b、−CONRbc、−NRcCORb、−SORa、−SO2a、−SO2NRbc、及び−NRcSO2a
ここで、Raは、場合により置換されるC1−C6アルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、場合により置換されるアリール、及び場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる;
bは、H、場合により置換されるC1−C6アルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、場合により置換されるアリール、及び場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる;及び
cは、水素、及び場合により置換されるC1−C4アルキルから選ばれる;又は
bとRc、及びそれらが結合する窒素は、場合により置換されるヘテロシクロアルキル基を形成する;そして
各場合により置換される基は、置換されないか、又は以下から独立に選ばれる一つ以上の、例えば一つ、二つ、又は三つの置換基によって独立に置換される:C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−C4アルキル−、ヘテロアリールC1−C4アルキル−、C1−C4ハロアルキル、−OC1−C4アルキル、−OC1−C4アルキルフェニル、C1−C4アルキル−OH、−OC1−C4ハロアルキル、ハロ、−OH、−NH2、C1−C4アルキル−NH2、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−NH(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキルフェニル)、−NH(C1−C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルの置換基として)、−CO2H、−C(O)OC1−C4アルキル、−CON(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CONH(C1−C4アルキル)、−CONH2、−NHC(O)(C1−C4アルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C1−C4アルキル、−C(O)C1−C4フェニル、−C(O)C1−C4ハロアルキル、−OC(O)C1−C4アルキル、−SO2(C1−C4アルキル)、−SO2(フェニル)、−SO2(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(C1−C4アルキル)、−SO2NH(フェニル)、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−NHSO2(フェニル)、及び−NHSO2(C1−C4ハロアルキル)。いくつかの実施形態では、置換されるアルコキシ基は“ポリアルコキシ”又は−O−(場合により置換されるアルキレン)−(場合により置換されるアルコキシ)であり、−OCH2CH2OCH3、及びポリエチレングリコールなどのグリコールエーテルの残基、及び−O(CH2CH2O)xCH3などの基を含む、ここでxは2−20の、例えば2−10、例えば2−5、などの整数である。別の置換されるアルコキシ基は、ヒドロキシアルコキシ又は−OCH2(CH2yOHであり、ここでyは1−10の、例えば1−4、などの整数である。
【0058】
“置換されたアルコキシカルボニル”という用語は、(置換されたアルキル)−O−C(O)−基を指し、基はカルボニル官能基によって親構造に結合し、置換されたとは、一つ以上の(例えば5個までの、例えば3個までの)水素原子が以下から独立に選ばれる置換基によって置き換えられたアルキルを指す:
−Ra、−ORb、−O(C1−C2アルキル)O−(例えばメチレンジオキシ−)、−SRb、グアニジン、一つ以上のグアニジン水素原子が低級アルキル基で置き換えられたグアニジン、NRbc、ハロ、シアノ、ニトロ、−CORb、−CO2b、−CONRbc、−OCORb、−OCO2a、−OCONRbc、−NRcCORb、−NRcCO2a、−NRcCONRbc、−CO2b、−CONRbc、−NRcCORb、−SORa、−SO2a、−SO2NRbc、及び−NRcSO2a
ここで、Raは、場合により置換されるC1−C6アルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、場合により置換されるアリール、及び場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる;
bは、H、場合により置換されるC1−C6アルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、場合により置換されるアリール、及び場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる;及び
cは、水素、及び場合により置換されるC1−C4アルキルから選ばれる;又は
bとRc、及びそれらが結合する窒素は、場合により置換されるヘテロシクロアルキル基を形成する;そして
各場合により置換される基は、置換されないか、又は以下から独立に選ばれる一つ以上の、例えば一つ、二つ、又は三つの置換基によって独立に置換される:C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−C4アルキル−、ヘテロアリールC1−C4アルキル−、C1−C4ハロアルキル、−OC1−C4アルキル、−OC1−C4アルキルフェニル、C1−C4アルキル−OH、−OC1−C4ハロアルキル、ハロ、−OH、−NH2、C1−C4アルキル−NH2、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−NH(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキルフェニル)、−NH(C1−C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルの置換基として)、−CO2H、−C(O)OC1−C4アルキル、−CON(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CONH(C1−C4アルキル)、−CONH2、−NHC(O)(C1−C4アルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C1−C4アルキル、−C(O)C1−C4フェニル、−C(O)C1−C4ハロアルキル、−OC(O)C1−C4アルキル、−SO2(C1−C4アルキル)、−SO2(フェニル)、−SO2(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(C1−C4アルキル)、−SO2NH(フェニル)、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−NHSO2(フェニル)、及び−NHSO2(C1−C4ハロアルキル)。
【0059】
“置換されたアミノ”という用語は、基−NHRd、−NRddを指し、各Rdは、以下から独立に選ばれる:ヒドロキシ、場合により置換されるアルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるアシル、アミノカルボニル、場合により置換されるアリール、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、アルコキシカルボニル、スルフィニル及びスルフォニル、ただし、一つのRdだけがヒドロキシルであってよく、置換されたアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールは、それぞれ、一つ以上の(例えば5個までの、例えば3個までの)水素原子が以下から独立に選ばれる置換基によって置き換えられたアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールを指す:
−Ra、−ORb、−O(C1−C2アルキル)O−(例えばメチレンジオキシ−)、−SRb、グアニジン、一つ以上のグアニジン水素原子が低級アルキル基で置き換えられたグアニジン、NRbc、ハロ、シアノ、ニトロ、−CORb、−CO2b、−CONRbc、−OCORb、−OCO2a、−OCONRbc、−NRcCORb、−NRcCO2a、−NRcCONRbc、−CO2b、−CONRbc、−NRcCORb、−SORa、−SO2a、−SO2NRbc、及び−NRcSO2a
ここで、Raは、場合により置換されるC1−C6アルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、場合により置換されるアリール、及び場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる;
bは、H、場合により置換されるC1−C6アルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、場合により置換されるアリール、及び場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる;及び
cは、水素、及び場合により置換されるC1−C4アルキルから選ばれる;又は
bとRc、及びそれらが結合する窒素は、場合により置換されるヘテロシクロアルキル基を形成する;そして
各場合により置換される基は、置換されないか、又は以下から独立に選ばれる一つ以上の、例えば一つ、二つ、又は三つの置換基によって独立に置換される:C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−C4アルキル−、ヘテロアリールC1−C4アルキル−、C1−C4ハロアルキル、−OC1−C4アルキル、−OC1−C4アルキルフェニル、C1−C4アルキル−OH、−OC1−C4ハロアルキル、ハロ、−OH、−NH2、C1−C4アルキル−NH2、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−NH(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキルフェニル)、−NH(C1−C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルの置換基として)、−CO2H、−C(O)OC1−C4アルキル、−CON(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CONH(C1−C4アルキル)、−CONH2、−NHC(O)(C1−C4アルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C1−C4アルキル、−C(O)C1−C4フェニル、−C(O)C1−C4ハロアルキル、−OC(O)C1−C4アルキル、−SO2(C1−C4アルキル)、−SO2(フェニル)、−SO2(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(C1−C4アルキル)、−SO2NH(フェニル)、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−NHSO2(フェニル)、及び−NHSO2(C1−C4ハロアルキル);そして
場合により置換されるアシル、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、スルフィニル、及びスルフォニルは、本明細書で定義されるようなものである。
【0060】
“置換されたアミノ”という用語は、また、基NHRd、及びNRdd−それぞれ上で述べたような基−のN−オキシドを指す。N−オキシドは、対応するアミノ基を、例えば過酸化水素、又はm−クロロパーオキシ安息香酸によって処理して調製できる。当業者は、N−オキシド化を実行するための反応条件をよく知っている。
【0061】
式1の化合物は、式1の化合物の光学異性体、ラセミ体、及びその他の混合物を含むが、それだけに限定されない。そのような状況で、単一の鏡像異性体又はジアステレオマー、すなわち光学活性形態、は、非対称な合成又はラセミ体の分解によって得られる。ラセミ体の分解は、例えば、分解剤の存在下での結晶化などの通常の方法、又はクロマトグラフィー、例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)カラムを用いるもの、によって遂行できる。さらに、式1の化合物は、炭素−炭素二重結合を有する化合物のZ−及びE−形態(又は、cis−及びtrans−形態)を含む。式1の化合物がいろいろな互変異性体で存在する場合、本発明の化学物質は化合物のすべての互変異性形態を含む。式1の化合物はまた、多形(polymorphs)及び包接体(clathrates)を含む結晶形態を含む。
【0062】
本発明の化学物質は、式1の化合物、及びその医薬的に受容されるすべての形態を含むが、それだけに限定されない。ここに記載される化合物の医薬的に受容される形態は、医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物を含む。いくつかの実施形態では、ここに記載された化合物は医薬的に受容される塩の形態である。したがって、“化学物質”及び“化学物質(複数)”という用語も、その医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物を含む。
【0063】
“医薬的に受容される塩”は、塩化水素酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、スルフィン酸塩、硝酸塩などの無機酸との塩、並びにリンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メタンスルフォン酸塩、p−トルエンスルフォン酸塩、2−ヒドロキシエチルスルフォン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、アルカノアート、など、例えば酢酸、HOOC−(CH2n−COOHここでnは0−4、などの有機酸との塩、を含むが、それだけに限定されない。同様に、医薬的に受容されるカチオンとしては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム及びアンモニウムなどがあるが、それだけに限定されない。
【0064】
式1の化合物が酸付加塩として得られた場合、その酸付加塩を塩基化することによって遊離塩基が得られる。逆に、製品が遊離塩基である場合、付加塩、特に医薬的に受容される付加塩は、塩基化合物から酸付加塩を調製する通常の手順に従って、その遊離塩基を適当な有機溶媒に溶解し、その溶液を酸で処理することによって得られる。当業者は、非毒性の医薬的に受容される付加塩を調製するために用いることができるいろいろな合成方法を認識されるであろう。
【0065】
上述したように、プロドラッグも、例えば式1の化合物のエステル又はアミド誘導体も化学物質の範囲に入る。“プロドラッグ”は、患者に投与されたときに、例えばプロドラッグの代謝処理によって、式1の化合物になる化合物を含む。プロドラッグの例としては、酢酸塩、ギ酸塩、及び安息香酸塩などの式1の化合物における官能基(例えばアルコール又はアミン基)の誘導体があげられる。
【0066】
“溶媒和物”という用語は、溶媒と化合物の相互作用によって形成される化学物質を指す。適当な溶媒和物は医薬的に受容される溶媒和物、例えば一水和物や半水和物を含む水和物である。
【0067】
“キレート”という用語は、ある化合物を二つ(以上)の点で金属イオンに配位して形成される化学物質を指す。
【0068】
“非共有錯体”という用語は、ある化合物と別の分子の相互作用によって形成される化学物質であって、その化合物と分子の間に共有結合が形成されないものを指す。例えば、錯体の形成が、van der Waals相互作用、水素結合、及び静電相互作用(イオン結合とも呼ばれる)によるものを指す。
【0069】
“水素結合”という用語は、電気的陰性の原子(水素結合アクセプターとも呼ばれる)と第二の相対的に電気的陰性の原子(水素結合ドナーとも呼ばれる)に結合した水素原子の間のある連合形態を指す。適当な水素結合ドナーとアクセプターは医化学でよくわかっている(G.C.Pimentel and A.L.McClellan,Hydrogen Bond,Freeman,San Fransisco,1960;R.Taylor and O.Kennard,“Hydrogen Bond Geometry in Organic Crystals”,Accounts of Chemical Research,17,pp.320−326(1984))。
【0070】
本明細書で用いる場合、“基”、“ラジカル”、又は“断片”という用語は同義であり、分子のある結合又は他の断片に結合できる瓶氏の官能基又は断片を指すものとする。
【0071】
“活性物質”は、生物的活性を有する化学物質を意味するように用いられる。いくつかの実施形態では、“活性物質”は医薬的有用性を有する化合物である。例えば、活性物質は抗癌剤であることもある。
【0072】
本発明のある化学物質の“治療的に有効な量”とは、ヒト又はヒト以外の患者に投与されたときに、症状の改善、疾病進行の鈍化、又は疾病の予防などの治療上の利益を生むのに有効な量を意味する、例えば、治療的に有効な量とは、Btk活性の阻害に応答する疾病の症状を軽減するのに十分な量である。いくつかの実施形態では、治療的に有効な量とは、癌の症状、骨疾患の症状、アレルギー疾患の症状、自己免疫及び/又は炎症性疾患の症状、又は急性炎症反応の症状、を軽減するのに十分な量である。いくつかの実施形態では、治療的に有効な量とは、ある生物体における検出可能な癌細胞の数を減らす、癌性腫瘍の増殖を検出できるほど遅らせる、又はストップするのに十分な量である。いくつかの実施形態では、治療的に有効な量とは、癌性腫瘍を縮小させるのに十分な量である。ある実施形態では、癌にかかっている患者が癌にかかっている症状を示さないこともある。いくつかの実施形態では、ある化学物質の治療的に有効な量とは、患者の血液、血清、又は組織における検出できる癌細胞のレベル又は癌マーカーの有意な増加を阻止する、又は有意に減少させるのに十分な量である。アレルギー疾患及び/又は自己免疫及び/又は炎症性疾患及び/又は急性炎症反応の治療のためにここで記載される方法では、治療的に有効な量とはまた、患者に投与されたときに、疾病の進行を検出できるほど遅らせる、又はその化学物質が与えられた患者がアレルギー疾患及び/又は自己免疫及び/又は炎症性疾患の症状及び/又は急性炎症反応を呈することを阻止するのに十分な量である。アレルギー疾患及び/又は自己免疫及び/又は炎症性疾患及び/又は急性炎症反応の治療のためにここで記載されるいくつかの方法では、治療的に有効な量とはまた、患者の血液又は血清中のマーカー・プロテイン又は細胞タイプの量に検出できるほどの減少を生ずるのに十分な量である。例えば、いくつかの実施形態では、治療的に有効な量とはB細胞の活性を有意に減少させるのに十分なここで記載される化学物質の量である。別の例では、いくつかの実施形態で、治療的に有効な量とはB細胞の数を有意に減少させるのに十分なここで記載される化学物質の量である。別の例では、いくつかの実施形態で、治療的に有効な量とは重症筋無力症患者の血液中の抗アセチルコリン抗体のレベルを減少させるのに十分なここで記載される化学物質の量である。
【0073】
“阻害”という用語は、ある生物的な活性又はプロセスのベースライン活性の有意な減少を表す。“Btk活性の阻害”とは、少なくとも一つのここで記載される化学物質の存在に対する直接又は間接の応答としての、その少なくとも一つの化学物質が存在しないときのBtk活性と比べたBtk活性の減少を指す。活性の減少は、その化合物とBtkの直接相互作用によるものであっても、ここで記載される化学物質(単数又は複数)と一つ以上の他の因子との相互作用がさらにBtk活性に影響することによるものであってもよい。例えば、その化学物質(単数又は複数)の存在が、Btkとの直接の結合によってBtk活性を減少させることもあり、別の因子に作用して(直接又は間接に)Btk活性を減少させることもあり、細胞又は生物体に存在するBtkの量を(直接又は間接に)減少させることもある。
【0074】
Btk活性の阻害は、また、Btk活性に関する標準的な生化学分析、例えば以下で説明するATP加水分解分析など、における観測可能なBtk活性の阻害を指す。いくつかの実施形態では、ここで記載される化学物質のIC50値は1マイクロモル(micromolar)以下である。いくつかの実施形態では、化学物質のIC50値は100ナノモル以下である。いくつかの実施形態では、化学物質のIC50値は10ナノモル以下である。
【0075】
“B細胞活性の阻害”とは、少なくとも一つのここで記載される化学物質の存在に対する直接又は間接の応答としての、その少なくとも一つの化学物質が存在しないときのB細胞の活性と比べたB細胞活性の減少を指す。活性の減少は、その化合物とBtkの直接相互作用によるものであっても、その化合物と一つ以上の他の因子との相互作用がさらにB細胞の活性に影響することによるものであってもよい。
【0076】
B細胞活性の阻害はまた、以下で説明する分析のような標準的な分析におけるCD86発現の観測可能な阻害を指す。いくつかの実施形態では、ここで記載される化学物質のIC50値は10マイクロモル以下である。いくつかの実施形態では、この化学物質のIC50値は1マイクロモル以下である。いくつかの実施形態では、この化学物質のIC50値は500ナノモル以下である。
【0077】
“B細胞活性”は、また、いろいろな一つ以上のB細胞膜レセプター、例えばCD40,CD86及びToll様レセプターTLRs(特にTLR4)、又は膜結合免疫グロブリン、例えばIgM,IgG,及びIgDなどの活性化、再分配、再組織、又はキャッピング(capping)を含む。ほとんどのB細胞はまた、IgGのFc部分に対する膜レセプターを抗原−抗体複合体又は凝集IgGの形で有する。B細胞はまた、補体の活性化された成分の膜レセプター、例えばC3b,C3d,C4,及びClq、を有する。これらのいろいろな膜レセプター及び膜結合免疫グロブリンは膜移動性を有し、再分配又はキャッピングを生じてそれが信号変換を開始させることができる。
【0078】
B細胞活性は、また、抗体又は免疫グロブリンの合成又は産生を含む。免疫グロブリンはB細胞シリーズによって合成され、共通の構造的特徴と構造単位を有する。5つの免疫グロブリン・クラス、すなわちIgG,IgA,IgM,IgD,及びIgEは、ポリペプチド鎖のアミノ酸配列と長さを含むそれらの重鎖の構造的差異に基づいて認識される。ある与えられた抗原に対する抗体は、すべての又はいくつかのクラスの免疫グロブリンで検出できるか、又は一つのクラス又はサブクラスの免疫グロブリンに制限される。自己抗体又は自己免疫抗体も同様に一つの又はいくつかのクラスの免疫グロブリンに属する。例えば、リウマトイド因子(IgGに対する抗体)は、しばしばIgM免疫グロブリンとして認識されるが、IgG又はIgMから成ることもある。
【0079】
さらに、B細胞活性はまた、前駆Bリンパ細胞からのB細胞クローンの拡大(増殖)と、抗原結合及び他の細胞からのサイトカイン信号と共に起こる抗体を合成するプラズマ細胞への分化に導く一連の事象を含む。
【0080】
“B細胞増殖の阻害”とは、異常B細胞、例えばリンパ腫B細胞などの癌性B細胞、の増殖の阻害、及び/又は正常な非疾病B細胞の阻害を指す。“B細胞増殖の阻害”という用語は、in vitro又はin vivoでのB細胞の数が増加しないこと、又は何らかの有意な減少を意味する。すなわち、in vitroでのB細胞増殖の阻害はここで記載される少なくとも一つの化学物質と接触させたin vitroサンプルにおける、その化学物質(単数又は複数)と接触させなかったマッチするサンプルと比べたときの、B細胞の数の何らかの有意な減少である。
【0081】
B細胞増殖の阻害はまた、ここで記載される分析のようなB細胞増殖に関する標準チミジン取り込み分析におけるB細胞増殖の観測可能な阻害を指す。いくつかの実施形態では、この化学物質のIC50値は10マイクロモル以下である。いくつかの実施形態では、この化学物質のIC50値は1マイクロモル以下である。いくつかの実施形態では、この化学物質のIC50値は500ナノモル以下である。
【0082】
“アレルギー”又は“アレルギー疾患”とは、ある物質(アレルゲン)に対する後天性過敏反応を指す。アレルギー疾患としては、湿疹、アレルギー性鼻炎、鼻感冒、枯草熱、気管支喘息、じんましん(hives)、及び食品アレルギー、及び他のアトピー性皮膚炎などがある。
【0083】
“喘息”とは、気道の炎症、狭窄化、及び吸入された物質に対する気道の反応増加を指す。喘息は、常にではないが、しばしばアトピー又はアレルギー症状と結びつけられる。
【0084】
“有意な”とは、StudentのT−テストなどの統計的有意性の標準的パラメータ・テストで、p<0.05で統計的に有意である検出可能な変化を意味する。
【0085】
“Btk活性の阻害に応答する疾病”とは、Btkキナーゼを阻害することが、症状の改善、疾病進行の減少、疾病発生の防止又は遅れ、又はいくつかの細胞タイプ(単球、破骨細胞、B細胞、マスト細胞、骨髄細胞、好塩基球、マクロファージ、好中球、及び樹枝状細胞)の異常な活性の阻害、などの治療的な利益となる疾病である。
【0086】
“治療又は治療するとは、患者におけるある疾病の治療であって:
a)その疾病を防止する、すなわち、その疾病の臨床的症状が発現しないようにする;
b)その疾病を抑制する;
c)臨床的症状の拡がりを遅らせる又は停止させる;
d)その疾病を緩和する、すなわち、臨床的症状を後退させる;などである。
【0087】
“患者”とは、治療、観察、又は実験の対象であった、又は対象になる動物、例えば哺乳動物など、を指す。本発明の方法は、ヒトの治療にも、獣医学の応用にも有用になる。いくつかの実施形態では、患者は哺乳動物である;いくつかの実施形態では患者はヒトであり、いくつかの実施形態では患者はネコとイヌから選ばれる。
【0088】
本発明では、次の式1の化合物:
【0089】
【化4】

【0090】
及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質が提供される、ここで
1はCRであり、Z2はNであり、又はZ2はCRであり、Z1はNである、
Aは、場合により置換されるフェニレン、場合により置換されるピリジリデン、場合により置換される2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジニル、
【0091】
【化5】

(式中、*は−L−G基への結合点を示し、破れた結合はアミノ基への結合点を示す;X1はNとCR7から選ばれる;X2はNとCR7から選ばれる;X3はNとCR7から選ばれる;ここで、X1、X2、及びX3のうち一つ以下がNであり、R7は水素、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、場合により置換される低級アルキル、及び場合により置換される低級アルコキシから選ばれる
から選ばれる;
Lは、場合により置換されるC0−C4アルキレン、−O−場合により置換されるC0−C4アルキレン、−(C0−C4アルキレン)(SO)−、−(C0−C4アルキレン)(SO2)−、及び−(C0−C4アルキレン)(C=O)−から選ばれる;
Gは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、場合により置換されるアルキル、場合により置換されるアミノ、場合により置換されるカルバミミドイル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるアリール、場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる;
RとR1は、独立に、水素及び場合により置換される低級アルキルから選ばれる;
Wは、場合により置換されるフェニレン及び場合により置換されるピリジリデンから選ばれる;
Qは、以下から選ばれる
【0092】
【化6】

【0093】
(式中、
10とR11は、独立に、水素、C1−C6アルキル、及びC1−C6ハロアルキルから選ばれる;そして
12、R13、R14、及びR15は、独立に、以下から選ばれる
水素、
1−C6アルキル、
1−C6ハロアルキル、
フェニル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたフェニルから選ばれる置換されたフェニル、ここで置換基は、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、(C1−C6アルコキシ)C1−C6アルコキシ、C1−C6パーフルオロアルキル、C1−C6パーフルオロアルコキシ、モノ(C1−C6アルキル)アミノ、ジ(C1−C6アルキル)アミノ、及びアミノ(C1−C6アルキル)から独立に選ばれる、
ヘテロアリール、及び
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたヘテロアリールから選ばれる置換されたヘテロアリール、ここで置換基は、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、(C1−C6アルコキシ)C1−C6アルコキシ、C1−C6パーフルオロアルキル、C1−C6パーフルオロアルコキシ、モノ(C1−C6アルキル)アミノ、ジ(C1−C6アルキル)アミノ、及びアミノ(C1−C6アルキル)から独立に選ばれる、そして
2は、場合により置換されるアリールと場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる、ただし、式1の化合物は以下から選ばれない。
【0094】
N−(4−(2−(4−(4−アセチルピペラジン−1−カルボニル)フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)ベンズアミド;
1−(4−(2−(4−(4−アセチルピペラジン−1−カルボニル)フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)−3−フェニルウレア;
N−(3−(2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)ピリジン−3−カルボキサミド;
N−(3−(2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)−5−メチルイソキサゾール−3−カルボキサミド;
N−(3−(2−(3−スルファモイルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)−2−カルボキサミド;
N−(3−(2−(3−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)−N−メチルフラン−2−カルボキサミド;
N−(3−(2−(3−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキサミド;
N−(3−(2−(3−ヒドロキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキサミド;
N−(3−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)チオフェン−2−カルボキサミド;
N−(3−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキサミド;
N−(5−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−2−メトキシフェニル)チオフェン−2−カルボキサミド;
N−(4−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)チオフェン−2−カルボキサミド;
N−(4−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキサミド;
N−(4−(2−(3−ヒドロキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)チオフェン−2−カルボキサミド;
N−(3−(2−(3−スルファモイルフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキサミド;
N−(3−(2−(3−メトキシフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)−N−メチルフラン−2−カルボキサミド;
N−(3−(2−(3−メトキシフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキサミド;
N−(3−(2−(3−ヒドロキシフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキサミド;
N−(3−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)チオフェン−2−カルボキサミド;
N−フェニル−4−(2−(フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)ベンズアミド;
4−(5−メチル−2−(フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−N−フェニルベンズアミド;
N−(4−(2−(3−ヒドロキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)−2−フェノキシアセトアミド;及び
2−フェノキシ−N−(4−(2−(3−スルファモイルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド。
【0095】
いくつかの実施形態では、Wは、オルトフェニレン、メタフェニレン、パラフェニレン、オルトピリジリデン、メタピリジリデン、及びパラピリジリデン、各々が場合により置換される低級アルキル、場合により置換される低級アルコキシ、ハロ、及びヒドロキシから選ばれた基で場合により置換される、から選ばれる。いくつかの実施形態では、Wは、メタフェニレン及び場合により置換される低級アルキル、場合により置換される低級アルコキシ、ハロ、及びヒドロキシから選ばれた基で置換されたメタフェニレンから選ばれる。いくつかの実施形態では、Wは、メタフェニレン及び低級アルキルとハロから選ばれた基で置換されたメタフェニレンから選ばれる。いくつかの実施形態では、Wは、メタフェニレン及びメチルとハロから選ばれた基で置換されたメタフェニレンから選ばれる。
【0096】
いくつかの実施形態では、Aはオルトフェニレン、メタフェニレン、パラフェニレン、オルトピリジリデン、メタピリジリデン、パラピリジリデンから選ばれる、
【0097】
【化7】

【0098】
いくつかの実施形態では、Aはパラフェニレンとメタフェニレンから選ばれる。いくつかの実施形態では、Aはパラフェニレンである。
【0099】
いくつかの実施形態では、Aは
【0100】
【化8】

【0101】
から選ばれる。
【0102】
いくつかの実施形態では、Lは、共有結合、−(C=O)−、−CH2−、−CH2(C=O)−、−SO2−及び−CH(CH3)(C=O)−から選ばれる。
【0103】
いくつかの実施形態では、Lは、−(C=O)−、−CH2−、−CH2(C=O)−、−SO2−及び−CH(CH3)(C=O)−から選ばれる。
【0104】
いくつかの実施形態では、Gは以下から選ばれる
水素、
ヒドロキシ、
−NR78、ここでR7とR8は、水素、場合により置換されるアシル、及び場合により置換される(C1−C6)アルキルから独立に選ばれる、又はR7とR8は、それらが結合している窒素と共に、窒素を含み場合によりさらにN、O、及びSから選ばれる一つ又は二つの追加ヘテロ原子を含む場合により置換される5〜7員のヘテロシクロアルキルを形成する、
場合により置換される5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[1,2−a]ピラジン−7−イル、
低級アルコキシ、及び
1H−テトラゾル−5−イル。
【0105】
いくつかの実施形態では、Gは以下から選ばれる
水素、
ヒドロキシ、
N−メチルエタノールアミノ、
場合により置換されるモルフォリン−4−イル、
場合により置換されるピペラジン−1−イル、
場合により置換されるホモピペラジン−1−イル。
【0106】
いくつかの実施形態では、Gは以下から選ばれる
水素、
モルフォリン−4−イル、
4−アシル−ピペラジン−1−イル、
4−低級アルキル−ピペラジン−1−イル、
3−オキソ−ピペラジン−1−イル、
ホモピペラジン−1−イル、
4−低級アルキル−ホモピペラジン−1−イル。
【0107】
いくつかの実施形態では、Gは−NR78であり、ここでR7とR8は、水素、場合により置換されるアシル、及び場合により置換される(C1−C6)アルキルから独立に選ばれる。いくつかの実施形態では、Gは−NR78であり、ここでR7とR8は、水素及び場合により置換される(C1−C6)アルキルから独立に選ばれる。いくつかの実施形態では、R7は水素であり、R8は、水素、場合により置換されるアシル、及び場合により置換される(C1−C6)アルキルから選ばれる。いくつかの実施形態では、Gは−NR78であり、R7とR8はそれらが結合している窒素と共に、窒素を含み場合によりさらにN、O、及びSから選ばれる一つ又は二つの追加ヘテロ原子を含む場合により置換される5〜7員のヘテロシクロアルキルを形成する。
【0108】
いくつかの実施形態では、Lは共有結合であり、Gは水素である。
【0109】
いくつかの実施形態では、R1は、水素、低級アルキル、場合により置換されるアルコキシ、場合により置換されるアミノ、及び場合により置換されるアシルから選ばれた基で置換された低級アルキル、から選ばれる。いくつかの実施形態では、R1は、水素と低級アルキルから選ばれる。いくつかの実施形態では、R1は、水素、メチル、及びエチルから選ばれる。いくつかの実施形態では、R1は水素である。
【0110】
いくつかの実施形態では、Z1はCRであり、Z2はNである。いくつかの実施形態では、Z1はNであり、Z2はCRである。
【0111】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、低級アルキル、及び場合により置換されるアルコキシ、場合により置換されるアミノ、及び場合により置換されるアシルから選択される基で置換された低級アルキルから選ばれる。いくつかの実施形態では、Rは水素と低級アルキルから選ばれる。いくつかの実施形態では、Rは、水素、メチル、及びエチルから選ばれる。いくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0112】
いくつかの実施形態では、R12、R13、R14、及びR15は、独立に、水素、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、及びフェニルから選ばれる。いくつかの実施形態では、R13は水素及びC1−C6アルキルから選ばれる。
【0113】
いくつかの実施形態では、R2は以下から選ばれる
フェニル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたフェニルから選ばれる置換されたフェニル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルファニル、スルフォニル、場合により置換されるアミノ、低級アルコキシ、一つ以上のハロによって置換された低級アルコキシ、ヒドロキシによって置換された低級アルキル、低級アルコキシによって置換された低級アルキル、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
ピリジル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたピリジルから選ばれる置換されたピリジル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
ピリミジニル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたピリジルから選ばれる置換されたピリミジニル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
ピラジニル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたピリジルから選ばれる置換されたピラジニル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
ピリダジニル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたピリジルから選ばれる置換されたピリダジニル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
オキサゾル−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたオキサゾル−2−イルから選ばれる置換されたオキサゾル−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
2H−ピラゾル−3−イル、
【0114】
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された2H−ピラゾル−3−イルから選ばれる置換された2H−ピラゾル−3−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
[1,2,3]チアジアゾル−4−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された[1,2,3]チアジアゾル−4−イルから選ばれる置換された[1,2,3]チアジアゾル−4−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
イソキサゾゾル−5−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたイソキサゾゾル−5−イルから選ばれる置換されたイソキサゾゾル−5−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選ばれる置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラン−2−イル、
【0115】
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラン−2−イルから選ばれる置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラン−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−2−イルから選ばれる置換された4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれ、インドール環のアミン窒素は、場合により置換される低級アルキル基によって場合により置換される、
1H−インドール−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された1H−インドール−2−イルから選ばれる置換された1H−インドール−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれ、インドール環のアミン窒素は、場合により置換される低級アルキル基によって場合により置換される、
ベンゾフラン−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたベンゾフラン−2−イルから選ばれる置換されたベンゾフラン−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選ばれる置換されたベンゾ[b]チオフェン−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる。
【0116】
いくつかの実施形態では、R2は以下から選ばれる
フェニル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたフェニルから選ばれる置換されたフェニル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
ピリジル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたピリジルから選ばれる置換されたピリジル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
オキサゾル−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたオキサゾル−2−イルから選ばれる置換されたオキサゾル−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
2H−ピラゾル−3−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された2H−ピラゾル−3−イルから選ばれる置換された2H−ピラゾル−3−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
【0117】
4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選ばれる置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
[1,2,3]チアジアゾル−4−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された[1,2,3]チアジアゾル−4−イルから選ばれる置換された[1,2,3]チアジアゾル−4−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる、
イソキサゾゾル−5−イル、及び
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたイソキサゾゾル−5−イルから選ばれる置換されたイソキサゾゾル−5−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる。
【0118】
いくつかの実施形態では、R2は、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イル、及びモノ−、ジ−、及びトリ−置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選ばれる置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選ばれる、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる。いくつかの実施形態では、R2は、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イル、及びモノ−、ジ−、及びトリ−置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選ばれる置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選ばれる、ここで置換基は低級アルキルである。
【0119】
いくつかの実施形態では、R2は、モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたフェニルから選ばれる置換されたフェニルである、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルファニル、スルフォニル、場合により置換されるアミノ、低級アルコキシ、一つ以上のハロによって置換された低級アルキル、一つ以上のハロによって置換された低級アルコキシ、ヒドロキシによって置換された低級アルキル、低級アルコキシによって置換された低級アルキル、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる。いくつかの実施形態では、R2は、モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたフェニルから選ばれる置換されたフェニルである、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリール、から独立に選ばれる。いくつかの実施形態では、R2は4−低級アルキル−フェニル−である。いくつかの実施形態では、R2は4−tert−ブチル−フェニルである。いくつかの実施形態では、R2は4−iso−プロピル−フェニルである。
【0120】
本発明ではまた、式2:
【0121】
【化9】

【0122】
で表される化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物、から選ばれる少なくとも一つの化学物質が提供される、ここで、R1、Z1、Z2、L、及びGは、式1の化合物に関して記載されたようなもの、又は上記の実施形態のいずれかで定義されているようなものであり、
【0123】
式中、
Xは、N及びCHから選ばれる;
Yは、N及びCR41から選ばれる;
3は、水素、場合により置換される低級アルキル、場合により置換される低級アルコキシ、ハロ、及びヒドロキシから選ばれる;
4は、水素、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、場合により置換されるアミノ、低級アルコキシ、一つ以上のハロによって置換される低級アルキル、一つ以上のハロによって置換される低級アルコキシ、ヒドロキシによって置換される低級アルキル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールから選ばれる;
41は、水素、ハロ、場合により置換される低級アルキル、場合により置換される低級アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、スルフヒドリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、カルボキシ、アミノカルボニル、及び場合により置換されるアミノから選ばれる。
【0124】
いくつかの実施形態では、XはNである。いくつかの実施形態では、XはCHである。
【0125】
いくつかの実施形態では、YはNである。いくつかの実施形態では、YはCR41である。
【0126】
いくつかの実施形態では、R41は、水素、ハロ、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、及びアミノから選ばれる。いくつかの実施形態では、R41は水素である。
【0127】
いくつかの実施形態では、R3は、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、及びフルオロから選ばれる。いくつかの実施形態では、R3はメチルである。
【0128】
いくつかの実施形態では、R4は、ヒドロキシ、場合により置換されるピペリジニル、iso−プロピル、及びtert−ブチルから選択される。いくつかの実施形態では、R4はtert−ブチルである。いくつかの実施形態では、R4はiso−プロピルである。
【0129】
いくつかの実施形態では、R4は、アミノ、ヒドロキシ、場合により置換される低級アルキル、場合により置換される低級アルコキシ、及びカルバモイルから独立に選ばれた一つ又は二つの基によって置換されたピペリジニルである。いくつかの実施形態では、R4は、アミノ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシメチル、メトキシメトキシ、及びカルバモイルから独立に選ばれた一つ又は二つの基によって置換されたピペリジニルである。いくつかの実施形態では、R4は、アミノ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシメチル、メトキシメトキシ、及びカルバモイルから独立に選ばれた一つ又は二つの基によって置換されたピペリジン−1−イルである。
【0130】
本発明ではまた、式3:
【0131】
【化10】

【0132】
で表される化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物、から選ばれる少なくとも一つの化学物質が提供される、ここで、R1、Z1、Z2、及びGは式1の化合物に関して記載されているようなもの、又は上記の実施形態のいずれかで定義されているようなものであり、R3、X、及びR4は式2の化合物に関して記載されているようなもの、又は上記の実施形態のいずれかで定義されているようなものであり、ここでBは、0、1、及び2から選ばれる。
【0133】
いくつかの実施形態では、Bは0である。いくつかの実施形態では、Bは1である。
【0134】
本発明ではまた、式4:
【0135】
【化11】

【0136】
で表される化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物、から選ばれる少なくとも一つの化学物質が提供される、ここで、R1、Z1、Z2、及びGは式1の化合物に関して記載されているようなもの、又は上記の実施形態のいずれかで定義されているようなものであり、R3、X、及びR4は式2の化合物に関して記載されているようなもの、又は上記の実施形態のいずれかで定義されているようなものであり、ここでBは式3の化合物に関して記載されているようなものである。
【0137】
本発明ではまた、式5:
【0138】
【化12】

【0139】
で表される化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物、から選ばれる少なくとも一つの化学物質が提供される、ここで、R1、Z1、Z2、及びGは式1の化合物に関して記載されているようなもの、又は上記の実施形態のいずれかで定義されているようなものであり、R3、X、及びR4は式2の化合物に関して記載されているようなもの、又は上記の実施形態のいずれかで定義されているようなものであり、ここでBは式3の化合物に関して記載されているようなもの、又は上記の実施形態のいずれかで定義されているようなものであり、ここでR5とR6は、独立に、水素及び場合により置換される(C1−C6)アルキルから選ばれる;又はR5とR6は、それらが結合している窒素と共に、場合によりさらにN、O、及びSから選ばれる一つ又は二つの別のヘテロ原子を含む場合により置換される5〜7員の窒素含有ヘテロシクロアルキルを形成する。
【0140】
いくつかの実施形態では、R5とR6は、それらが結合している窒素と共に、場合により置換されるモルフォリン−4−イルと場合により置換されるピペラジン−1−イルリングから選ばれる5〜7員の窒素含有ヘテロシクロアルキルを形成する。
【0141】
いくつかの実施形態では、R5とR6は、それらが結合している窒素と共に、モルフォリン−4−イル、4−アシル−ピペラジン−1−イル、及び4−低級アルキル−ピペラジン−1−イルから選ばれる5〜7員の窒素含有ヘテロシクロアルキルを形成する。
【0142】
本発明ではまた、式6:
【0143】
【化13】

【0144】
で表される化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物、から選ばれる少なくとも一つの化学物質が提供される、ここで、X1、X2、X3、R1、Z1、Z2、L及びGは式1の化合物に関して記載されているようなもの、又は上記の実施形態のいずれかで定義されているようなものであり、R3、X、及びR4は式2の化合物に関して記載されているようなもの、又は上記の実施形態のいずれかで定義されているようなものである。
【0145】
本発明ではまた、式7:
【0146】
【化14】

【0147】
で表される化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物、から選ばれる少なくとも一つの化学物質が提供される、ここで、X1、X2、X3、R1、Z1、Z2、L及びGは式1の化合物に関して記載されているようなもの、又は上記の実施形態のいずれかで定義されているようなものであり、R3、X、及びR4は式2の化合物に関して記載されているようなもの、又は上記の実施形態のいずれかで定義されているようなものである。
【0148】
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの化学物質が以下から選ばれる:
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(2−(4−(2−モルフォリノ−2−オキソエチル)フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−{2−[4−(モルフォリン−4−カルボニル)フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−(2−フルオロ−3−{2−[4−(1−オキソ−1λ4−チオモルフォリン−4yl)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−{2−メチル−3−[6−(ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−ベンズアミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{2−メチル−3−[6−(ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸{2−メチル−3−[2−(4−メチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{2−メチル−3−[2−(4−メチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−エチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[2−(4−エチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
【0149】
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−プロピルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(2−メトキシ−エチルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(2−メトキシ−エチルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(3−メトキシ−プロピルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(3−エトキシ−プロピルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(3−エトキシ−プロピルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(3−イソプロポキシ−プロピルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
【0150】
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(3−ブトキシ−プロピルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(1,1−ジメチル−プロピルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(1,1−ジメチル−プロピルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(1,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(1,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{2−[4−(3−メチル−ブチルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(1−エチル−プロピルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(1−エチル−プロピルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
【0151】
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{2−[4−(2−メチル−ブチルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(2−メチル−{2−[4−(1−メチル−ヘキシルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{2−[4−(1−メチル−ヘキシルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−tert−ブチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[2−(4−tert−ブチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−イソプロピルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[2−(4−イソプロピルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−イソブチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[2−(4−イソブチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
【0152】
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−sec−ブチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[2−(4−sec−ブチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−アリルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[2−(4−アリルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(シクロプロピルメチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(シクロプロピルメチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
【0153】
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−シクロプロピルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[2−(4−シクロプロピルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[2−(4−シクロブチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−シクロペンチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[2−(4−シクロヘキシルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−シクロヘプチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[2−(4−シクロオクチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
【0154】
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(2−シクロヘキセ−1−enyl−エチルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(2−シクロヘキセ−1−enyl−エチルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(2−メチル−3−{2−[4−(2−メチル−シクロヘキシルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(2−メチル−3−{2−[4−(4−メチル−シクロヘキシルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{2−[4−(4−メチル−シクロヘキシルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−ジメチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[2−(4−ジメチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
【0155】
4−tert−ブチル安息香酸(2−メチル−3−{2−[4−(メチル−エチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(2−メチル−3−{2−[4−(メチル−プロピル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{2−[4−(メチル−プロピル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(イソプロピル−メチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(イソプロピル−メチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(ブチル−メチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(ブチル−メチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(tert−ブチル−メチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(tert−ブチル−メチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
【0156】
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−ジエチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[2−(4−ジエチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(エチル−イソプロピル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(エチル−イソプロピル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(ブチル−エチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(ブチル−エチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−ジプロピルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−ジアリルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[2−(4−ジアリルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
【0157】
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−ジブチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(シクロヘキシル−メチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(シクロヘキシル−メチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(アリル−メチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(アリル−メチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(2−メチル−3−{2−[4−(ピロリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{2−[4−(ピロリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(2−メチル−3−{2−[4−(ピペリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{2−[4−(ピペリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
【0158】
4−tert−ブチル安息香酸(2−メチル−3−{2−[4−(2−メチル−ピペリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{2−[4−(2−メチル−ピペリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(2−メチル−3−{2−[4−(3−メチル−ピペリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{2−[4−(3−メチル−ピペリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(シクロヘキシル−エチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−ジペンチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(2−メチル−3−{2−[4−(メチル−フェネチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸{3−[2−(4−ジベンジルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−フェニル)−アミド;
【0159】
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(ベンジル−メチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(2−エチル−ピペリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(2−エチル−ピペリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(3−{2−[4−(4−ベンジル−ピペリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(2−メチル−3−{2−[4−(4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{2−[4−(4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{2−[4−(モルフォリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル安息香酸(2−メチル−3−{2−[4−(チオモルフォリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{2−[4−(チオモルフォリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル−N−3−{2−[4−(4−ピペラジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−3−{2−[4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−ピロリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−ベンズアミド;
【0160】
4−tert−ブチル−N−3−{2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル−メチルアミノ−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−3−{2−[4−(4−ヒドロキシメチル−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−ベンズアミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸[3−(6−{3−[1−ヒドロキシ−2−(イソプロピル−メチル−アミノ)−エチル]−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{2−[4−(エチル−メチル−カルバモイル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;及び
4−tert−ブチル−N−(3−{2−[4−(2,6−ジメチル−ピペリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メチル−フェニル)−ベンズアミド;
及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物。
【0161】
本明細書に記載された新しい化合物を得る方法は当業者には明らかであり、適当な手順は、例えば、以下の反応スキームと実施例、及び本明細書で引用される参照文献に記載されている。
【0162】
【化15】

【0163】
反応スキーム1,ステップ1,について説明すると、不活性溶媒中の過剰量(例えば、約1.5当量)の式101の化合物及び式203の化合物(下のスキーム2を見よ)の溶液に、約0.1当量のtetrakis(トリフェニルホスフィン)パラジウムと炭酸ナトリウム水溶液、例えば2Mの炭酸ナトリウム水溶液、などの塩基が加えられる。この混合物が環流で約24時間加熱される。生成物、すなわち式103の化合物、が単離され、場合により精製される。
【0164】
反応スキーム1,ステップ2,について説明すると、不活性溶媒中の式103の化合物の溶液に、過剰量(例えば、約1.1当量)の式NH2−A−L−Gの化合物と0.08当量の1,1’−bis(ジフェニルホスフィノ)フェロセンと0.03当量のtris(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)と過剰量(例えば、約2当量)の炭酸セシウムが加えられる。反応チューブは封止され、約105℃で数日間加熱される。生成物、すなわち式105の化合物、が単離され、場合により精製される。
【0165】
反応スキーム1,ステップ3,について説明すると、メタノールなどの極性プロトン性溶媒中の式105の化合物の溶液が、例えばカーボン上10%パラジウムを用いて水素化される。生成物、すなわち式107の化合物、が単離され、場合により精製される。
【0166】
反応スキーム1,ステップ4,について説明すると、不活性溶媒中の式107の化合物とトリエチルアミンなどの塩基の溶液が、約1当量の式R2−C(O)−Clの化合物によって滴下処理される。混合物は室温で約16時間攪拌される。生成物、すなわち式109の化合物、が単離され、場合により精製される。
【0167】
【化16】

【0168】
反応スキーム2,ステップ1について説明すると、式201の化合物、bis(ピナコラート)ジボロン、及び酢酸カリウムなどの塩基の懸濁液に、約0.03当量の[1,1’−bis(ジフェニルホスフィン)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体とジクロロメタン(1:1)が加えられる。反応混合物は約85℃で約20時間加熱される。生成物、すなわち式203の化合物、が単離され、場合により精製される。
【0169】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された化学物質が医薬組成物又は調合物として投与される。したがって、本発明は、医薬調合物であって、式1の化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質を、キャリア、アジュバント、賦型剤から選ばれる少なくとも一つの医薬的に受容されるビヒクルと共に含む医薬調合物を提供する。
【0170】
医薬的に受容されるビヒクルは、それを治療する動物への投与に適したものにするのに十分な純度と十分に低い毒性を有するものでなければならない。ビヒクルは不活性であっても、医薬的に有益であってもよい。その化学物質と共に用いられるビヒクルの量は、その化学物質の単位用量あたり投与するのに実際的な量の物質を十分に与えるものである。
【0171】
医薬的に受容されるキャリア又はその成分の例としては、ラクトース、グルコース及びスクロースなどの砂糖;コーンスターチ及びポテトスターチなどのスターチ;セルロースとその誘導体、例えばナトリウム・カルボキシル・セルロース、エチル・セルロース、及びメチル・セルロース;粉末トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;固体潤滑剤、例えばステアリン酸及びステアリン酸マグネシウム;硫酸カルシウム;合成オイル;植物油、例えばピーナツオイル、綿実油、セサミオイル、オリーブ油、及びコーンオイル;ポリオール類、例えばプロピレングリコール、グルセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール;アルギニン酸;リン酸緩衝溶液;TWEENSなどの乳化剤;ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤;着色剤;香味料;錠剤形成剤;安定剤;酸化防止剤;防腐剤;パイロジェン(pyrogen)除去水;生理食塩水;及びリン酸緩衝溶液、などがある。
【0172】
場合によりの活性物質で、本発明の化学物質の活性に実質的に干渉しないものを医薬組成物に含めることができる。
【0173】
有効な濃度の式1の化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物、から選ばれる少なくとも一つの化学物質が、適当な医薬的に受容されるビヒクルと混合される。この化学物質の溶解度が不十分な場合、化合物を可溶化するための方法を用いることができる。そのような方法は当業者には公知であり、ジメチルスルフォキシド(DMSO)などの共溶媒(cosolvent)を用いる、TWEENなどの界面活性剤を用いる、又は炭酸水素ナトリウム水溶液に溶解する、などの方法があるが、それだけに限定されない。
【0174】
本明細書に記載された化学物質を混合又は添加したときに得られる混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、などである。得られる混合物の形態は、意図する投与モード及び選ばれたビヒクルへのその化学物質の溶解度など、いろいろな因子に依存する。治療される疾病の症状を改善するのに十分な有効な濃度は経験的に決定できる。
【0175】
本明細書に記載された化学物質は、経口的に、局所的に、非経口的に、静脈注射で、筋肉注射で、吸入又はスプレーにより、舌下に、経皮的に、口腔投与で、直腸から、点眼液として、又はその他の手段で、投薬単位調合物で投与できる。
【0176】
経口投与のための投薬調合物としては、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ(lozenges)、水又は油中の懸濁液、分散粉末又は顆粒、エマルジョン、ハード又はソフトカプセル、又はシロップ又はエリキシルなどがある。経口投与を意図した組成物は、医薬組成物の製造に関わる当業者に公知の方法によって調製することができ、医薬的にエレガントでのみ易い調合物とするために、そのような組成物は、甘味料、香味料、着色剤及び防腐剤など、一つ以上の物質を含むことができる。いくつかの実施形態では、経口調合物は、0.1から99%までの少なくとも一つのここに記載された化学物質を含む。いくつかの実施形態では、経口調合物は、少なくとも5%(重量%)の少なくとも一つのここに記載された化学物質を含む。いくつかの実施形態は、25%から50%までの、又は5%から75%までの、少なくとも一つのここに記載された化学物質を含む。
【0177】
経口投与される組成物はまた、液体溶液、エマルジョン、懸濁液、粉末、顆粒、エリクシール、チンキ、シロップ、などを含む。そのような組成物の調合に適当な医薬的に受容されるキャリアは当業者には周知である、経口調合物は、防腐剤、香味料、甘味料、例えばスクロースやサッカリン、矯味剤、及び着色剤を含むことができる。
【0178】
シロップ、エリクシール、エマルジョン、及び懸濁液の典型的なキャリア成分はエタノール、グリセロール、ポリエチレングリコール、液体スクロース、ソルビトール、及び水などである。シロップとエリクシールは、甘味料、例えばグリセロール、ソルビトール、又はスクロース、と共に調合できる。そのような調合物は、また、粘滑薬を含むことができる。
【0179】
本明細書で記載された化学物質は、経口液体調合物、例えば水性又は油性の懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ、又はエリクシールなど、に組み込むことができる。さらに、この化学物質を含む調合物は、水やその他の適当なビヒクルでもどしてから使用するドライ製品の形で提供することもできる。そのような液体調剤は、従来の添加剤を含むことができる、例えば懸濁剤(例えば、ソルビトール・シロップ、メチル・セルロース、グルコース/砂糖、シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチル・セルロース、カルボキシメチル・セルロース、ステアリン酸アルミニウム・ゲル、及び水素化食用油脂)、乳化剤(例えば、レシチン、ソルビタン・モンソレアート、又はアカシア)、非水性ビヒクル、これは食用油(例えば、アーモンドオイル、ヤシ油、シリル・エステル、プロピレングリコール、及びエチル・アルコール)を含む、及び防腐剤(例えば、メチル又はプロピルp−ヒドロキシベンゾアート、及びソルビン酸)を含むことができる。
【0180】
懸濁液の場合、典型的な懸濁剤としては、メチル・セルロース、ナトリウム・カルボキシメチル・セルロース、AVICEL RC−591、トラガカント、及びアルギン酸ナトリウムなどがある;典型的な湿潤剤としては、レシチンとポリソルベート80がある;そして典型的な防腐剤としてはメチル・パラベンと安息香酸ナトリウムがある。
【0181】
水性懸濁液は、化学物質(単数又は複数)と水性懸濁液の製造に適した賦型剤の混合物を含む。そのような賦型剤としては、懸濁剤、例えばナトリウム・カルボキシメチル・セルロース、メチル・セルロース、ハイドロプロピル・メチル・セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ガム・トラガカント、及びガム・アカシア;分散剤又は湿潤剤;天然ホスファチド、例えば、レシチン、又はアルキレン・オキシドと脂肪酸の縮合産物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、又はエチレン・オキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合産物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレン・オキシドと脂肪酸から誘導された部分エステルとヘキシトールの縮合産物、例えばポリオキシエチレン・ソルビトール・サブスティチュート、又はエチレン・オキシドと脂肪酸から誘導された部分エステルと無水ヘキシトールの縮合産物、ポリエチレン・ソルビトール・サブスティチュートなどがある。水性懸濁液はまた、一つ以上の防腐剤、例えばエチル又はn−プロピルp−ヒドロキシベンゾアート、を含むことができる。
【0182】
油性懸濁液は、活性成分を植物油、例えば、ピーナツ油、オリーブ油、セサミオイル、又はココナッツ油、又は鉱物油、例えば、液体パラフィン、などに懸濁して調合することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えばビーズワックス、ハード・パラフィン、又はセチル・アルコールなどを含むことができる。上であげたような甘味料、及び香味料を加えてのみ易い経口調合剤とすることができる。これらの組成物はアスコルビン酸などの酸化防止剤を加えて保存することができる。
【0183】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形であってもよい。油相は、植物油、例えばオリーブ油又はピーナツ油、又は鉱物油、例えば液体パラフィン、又はそれらの混合物であってもよい。適当な乳化剤は、天然のガム、例えばガム・アカシア又はガム・トラガカント、天然のホスファチド、例えばソイビーン、レシチン、及び脂肪酸とヘキシトール、無水物、から誘導されるエステル又は部分エステル、例えばソルビタン・モノレアート、及び上記部分エステルとエチレン・オキシドの縮合産物、例えばポリオキシエチレン・ソルビタン・モノレアート、などである。
【0184】
水を加えることによって水性懸濁液を調製するのに適する分散性粉末及び顆粒は、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤、及び一つ以上の防腐剤と混合された活性成分を含む。適当な分散剤又は湿潤剤、及び懸濁剤の例は、既に上述したようなものである。
【0185】
錠剤は、普通、不活性希釈剤として従来の医薬的に受容されるアジュバント、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトース、及びセルロースなど;スターチ、ゼラチン、及びスクロースなどの結合剤;スターチ、アルギン酸、及びクロスカルメロースなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、及びタルクなどの潤滑剤、を含む。二酸化シリコンなどの滑剤を用いて粉末混合物の流動特性を向上させることができる。FD&C色素などの着色剤を加えて外観を良くすることができる。アスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミント、及びフルーツ風味などの甘味料や香味料が、噛むことができる錠剤とするためのアジュバントとして有用である。カプセル(時間放出及び持続放出調合物を含む)は、普通、一つ以上の上述した固体希釈剤を含む。キャリア成分の選択は、しばしば、味、コスト、及び貯蔵安定性などの二次的な要因に依存する。
【0186】
これらの組成物はまた、従来の方法によって、普通pH又は時間依存的なコーティングによって、その化学物質が胃腸管で、所望の局所施用の付近で放出されるように、又は所望の作用を延ばすようにいろいろな時間に放出されるように、コーティングすることができる。そのような投薬形態は、典型的には酢酸セルロース・フタレート、ポリビニル酢酸フタレート、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース・フタレート、エチル・セルロース、ユードラギット・コーティング、ワックス、及びシェラック、の一つ以上を含むが、それだけに限定されない。
【0187】
経口投与のための調合物は、また、ハードゼラチン・カプセルとして、活性成分を不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリンなどと混合した形で、又はソフトゼラチン・カプセルとして、活性成分を水又はオイル媒質、例えばピーナツ油、液体パラフィン、又はオリーブ油と混合した形で、提供することができる。
【0188】
医薬組成物は、無菌の注射できる水性又は油性の懸濁液の形であってもよい。この懸濁液は、上述した適当な分散剤又は湿潤剤、及び懸濁剤を用いて公知の方法によって調製することができる。この無菌の注射できる調合剤はまた、非毒性の非経口的に受容されるビヒクル、例えば1,3−ブタンジオール、における無菌の注射できる溶液又は懸濁液であってもよい。用いることができる受容されるビヒクルとしては、水、Ringer’s溶液、及び生理食塩水などがある。さらに、無菌の、キャリアオイルが、通常、溶媒又は懸濁媒質として用いられる。このためには、合成モノ−又はジ−グリセリドなどの任意のブランドのキャリアオイルを用いることができる。さらに、注射溶液の調製にはオレイン酸などの脂肪酸も有用である。
【0189】
本明細書に記載された化学物質は、無菌の媒質で非経口的に投与することができる。非経口投与は、皮下注射、静脈注射、筋肉注射、くも膜下腔内注射、又は輸液法などを含む。本明細書に記載された化学物質を、使用するビヒクル及び濃度によって、ビヒクルに懸濁又は溶解することができる。有利な場合、局所鎮痛剤、保存剤、及び緩衝剤などのアジュバントをビヒクルに溶解することができる。非経口投与のための多くの組成物で、キャリアは重量で組成物全体の少なくとも90%を占める。いくつかの実施形態では、非経口投与のためのキャリアは、プロピレングリコール、エチル・オレアート、ピロリドン、エタノール、及びセサミオイルから選ばれる。
【0190】
本明細書に記載された化学物質は、また、薬を肛門から投与するための座薬の形態で投与できる。これらの組成物は、薬を、通常の温度では固体であるが直腸の温度では液体であり、したがって直腸で溶けて薬を放出する適当な刺激しない賦型剤と混合して調製することができる。そのような物質としては、ココアバター及びポリエチレングリコールがある。
【0191】
本明細書に記載された化学物質は、局所又は局部施用のために、例えば眼などで、皮膚及び粘膜への局所施用のために、ゲル、クリーム、及びローションの形で、眼に施用するように調合できる。局所施用組成物は、例えば、溶液、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、乳液、クレンザー、モイスチャライザー、スキンパッチなど、どんな形態であってもよい。
【0192】
そのような溶液は、適当な塩によってpH5−7の0.01%−10%等張溶液として調合できる。本明細書に記載された化学物質はまた、経皮投与のために皮膚張り付け吸収薬として調合することもできる。
【0193】
本明細書に記載された化学物質は、当業者に周知のいろいろなキャリア物質と、例えば、水、アルコール、アロエベラジェル、アラントイン、グリセリン、ビタミンA及びEオイル、鉱物油、プロピレングリコール、PPG−2ミリスチルプロピオネート、などと混合することができる。
【0194】
局所施用キャリアに用いるのに適した他の物質としては、例えば、柔軟剤、溶剤、湿潤剤、増粘剤、及び粉末などがある。単独で、又は一つ以上の物質の混合物として用いることができるこのタイプの各物質の例は次のようなものである。
【0195】
代表的な柔軟剤としては、ステアリル・アルコール、グリセリルモノリシノリエート、グリセリルモノステアレート、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ミンクオイル、セチル・アルコール、イソプロピルイソステアレート、ステアリン酸、イソブチルパルミテート、イソセチルステアレート、オレイル・アルコール、イソプロピルラウレート、ヘキシルラウレート、オレイン酸デシル、オクタデカン−2−ol、イソセチル・アルコール、パルミチン酸セチル、ジメチルポリシロキサン、ジ−n−ブチル・サバケート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルパルステアレート、ブチルステアレート、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、セサミオイル、ココナッツオイル、落花生油、ひまし油、アセチレーテッドラノリン・アルコール、石油、鉱物油、ブチルミリステート、イソステアリン酸、パルミチン酸、イソプロピルリノリエート、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、オレイン酸デシル、及びミリスチルミリステート;噴射剤、例えばプロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素、及び酸化窒素;溶剤、例えばエチル・アルコール、塩化メチレン、イソプロパノール、ひまし油、エチレングリコール・モノエチルエーテル、ジエチレングリコール・モノブチルエーテル、ジエチレングリコール・モノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン;湿潤剤、例えばグリセリン、ソルビトール、ナトリウム2−ピロリドン−5−カルボキシレート、可溶コラーゲン、ジブチルフタレート、及びゼラチン、など;及び粉末、例えばチョーク、タルク、フラー土、カオリン、スターチ、ガム、コロイド状二酸化シリコン、ナトリウム・ポリアクリレート、テトラアルキル・アンモニウム・スメクタイト、トリアルキル・アリール・アンモニウム・スメクタイト、化学修飾マグネシウム・アルミニウム・シリケート、有機修飾モントモリオナイト粘土、水和アルミニウム・シリケート、フュームドシリカ、カルボキシビニル・ポリマー、ナトリウム・カルボキシビニル・セルロース、及びエチレングリコール・モノステアレート、などがある。
【0196】
本明細書に記載された化学物質は、また、リポソーム送達システムの形で、例えば小単層ベシクル、大単層ベシクル、及び多層ベシクルなどの形で局所投与できる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、及びホスファチジルコリンなど、いろいろなリン脂質から形成できる。
【0197】
この化合物を全身に送達するのに有用な他の組成物としては、舌下、口腔内、及び経鼻投薬形態がある。そのような組成物は、普通、一つ以上の可溶充填剤物質、例えばスクロース、ソルビトール、及びマンニトール、及び結合剤、例えばアカシア、微結晶セルロース、カルボキシメチル・セルロース、及びヒドロキシプロピル・メチルセルロースなど、を含む。上述の流動促進剤、潤滑剤、甘味料、着色剤、酸化防止剤、及び香味料も含めることができる。
【0198】
吸入用の組成物は、普通、通常の噴射剤(例えば、ジクロロフルオロメタン又はトリクロロフルオロメタン)を用いて、ドライ粉末として又はエアロゾルの形で投与できる溶液、懸濁液又はエマルジョンの形で提供できる。
【0199】
本発明の組成物はまた、場合により活性増強剤を含むことができる。活性増強剤は、異なる仕方で機能して本明細書に記載された化学物質の治療効果を増強する又はそれと独立に機能するいろいろな分子から選ぶことができる。活性増強剤の特定クラスとしては皮膚浸透増強剤と吸収増強剤がある。
【0200】
本発明の医薬組成物はまた、異なる仕方で機能して本明細書に記載された化学物質の治療効果を増強することができ、いろいろな分子から選ぶことができる別の化学物質を含むことができる。このような場合によりの他の活性物質は、存在する場合、本発明の組成物に0.01%から15%までの範囲のレベルで用いられるのが普通である。いくつかの実施形態は、組成物の重量の0.1%から10%までの範囲で含む。別の実施形態は、組成物の重量の0.5%から5%までの範囲で含む。
【0201】
本発明はパッケージされた医薬調合物を含む。このようなパッケージされた医薬調合物は、式1の化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質を含む医薬組成物、及びその組成物を用いて哺乳動物(典型的にはヒト患者)を治療するための説明書を含む。いくつかの実施形態では、この説明書はその医薬組成物を用いて、Btk活性の阻害及び/又はB細胞及び/又は骨髄細胞の活性の阻害に応答する疾病で苦しむ患者を治療するためのものである。本発明は、処方情報を、例えば、患者又は医療提供者に提供すること、又はパッケージされた医薬調合物のラベルとして提供することを含む。処方情報は、例えば、この医薬調合物に関する効力、投薬量と投与法、禁忌、及び有害な副作用などについての情報を含む。
【0202】
上述したすべての場合に、この化学物質は単独で、混合物として、又は他の化学物質との組み合わせで投与することができる。
【0203】
したがって、本発明は、Btk活性の阻害に応答する疾病にかかっている患者、例えば、ヒトなどの哺乳動物、を治療する方法であって、そのような疾病にかかっている患者に、有効な量の式1の化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質を投与するステップを含む方法を含む。
【0204】
疾病にBtkが関わっている限りにおいて、疾病、疾病の症状、の軽減、予防的及び予後的な治療は、本発明の範囲内にある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された化学物質は、また、他のキナーゼも阻害し、それらのキナーゼに関連する疾病、疾病の症状、の軽減、病状の予防的及び予後的な治療も本発明の範囲内にある。
【0205】
治療の方法はまた、有効な濃度の、式1の化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質を投与することによって、Btk活性の阻害に応答する疾病で苦しむ患者において、in vivoで、Btkによる、又はその他のメカニズムによるATP結合又は加水分解を阻害することによって、Btk活性を阻害すること、及び/又はB細胞及び/又は骨髄細胞の活性を阻害することを含む。有効な濃度の一例は、in vitroでBtk活性を阻害するのに十分な濃度である。有効な濃度は、例えばその化学物質の血中濃度を測定することによって実験的に、又はバイオアベイラビリティを計算することによって理論的に確かめることができる。
【0206】
いくつかの実施形態では、Btk活性及び/又はB細胞及び/又は骨髄細胞の活性の阻害に応答する疾病は、癌、骨疾患、アレルギー疾患、及び/又は自己免疫及び/又は炎症性疾患及び/又は急性炎症反応である。
【0207】
本発明は、有効な量の、式1の化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質を投与することによって、癌、骨疾患、アレルギー疾患、及び/又は自己免疫及び/又は炎症性疾患及び/又は急性炎症反応にかかっている患者を治療する方法を含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された化学物質を用いて影響を及ぼすことができる病状及び疾病は、以下のようなものであるが、それだけに限定されない:
アレルギー疾患、湿疹及び皮膚炎、アレルギー性鼻炎又は鼻かぜ、枯草熱、気管支喘息、じんましん(hives)、及び食物アレルギー、及びその他のアトピー症状など、を含むがそれだけに限定されない;
自己免疫及び/又は炎症性疾患、乾癬、クローン病、過敏性腸症候群、シェーグレン病、組織移植拒絶反応及び移植器官の超急性拒絶反応、喘息、全身性エリテマトーデス(及び関連した糸球体腎炎)、皮膚筋炎、多発性硬化症、強皮症、血管炎(ANCA−関連及びその他の血管炎)、自己免疫性溶血及び血小板減少症、グッドパスチャー症候群(及び関連する糸球体腎炎と肺出血)、アテローム動脈硬化症、リウマチ性関節炎、変型性関節炎、慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、アディソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病(I型)、敗血症ショック、重症筋無力症、潰瘍性大腸炎、再生不良性貧血、セリアック病、ウエゲナー肉芽腫症及び自身の組織から生ずる細胞と抗体が自身に向けられる他の疾病、などを含むが、それだけに限定されない;
【0209】
急性炎症反応、皮膚の日焼け、骨盤内炎症性疾患、炎症性腸疾患、クラミジア尿道炎、化膿性ぶどう膜炎、副鼻腔炎、肺炎、日本脳炎、髄膜炎、心筋炎、腎炎、骨髄炎、筋肉炎、肝炎、胃炎、腸炎、皮膚炎、歯肉炎、虫垂炎、膵炎、胆嚢炎、などを含むが、それだけに限定されない;及び
、造血器悪性腫瘍、例えばB細胞リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性及び急性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、及び血液又はリンパ系の癌を特徴とするその他の疾病、などを含むが、それだけに限定されない;
骨疾患、骨粗鬆症を含むが、それだけに限定されない。
【0210】
Btkは、リンパ腫B細胞におけるアポトーシスの阻害物質として知られている。アポトーシスの欠陥はヒトの白血病とリンパ腫の発病と薬剤耐性の原因になる。したがって、本発明ではさらに、Btkを発現する細胞におけるアポトーシスを促進又は誘発する方法であって、その細胞に式1の化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質を接触させるステップを含む方法が提供される。
【0211】
本発明は、式1の化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質が患者に与えられる唯一の活性物質である治療方法を提供し、また式1の化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質が一つ以上の他の活性物質と組み合わせて患者に与えられる治療方法も含む。
【0212】
すなわち、ある実施形態では、本発明は、癌、骨疾患、アレルギー疾患、及び/又は自己免疫及び/又は炎症性疾患及び/又は急性炎症反応を治療する方法であって、それを必要とする患者に有効な量の式1の化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質を、癌、骨疾患、アレルギー疾患、及び/又は自己免疫及び/又は炎症性疾患及び/又は急性炎症反応を治療するのに有用である可能性がある第二の活性物質と共に投与するステップを含む方法を提供する。例えば、この第二の物質は、抗炎症薬であってもよい。この第二の活性物質による治療は、式1の化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質による治療の前であっても、それと同時であっても、まああるいはまた、それに続くものであってもよい。いくつかの実施形態では、式1の化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質は、単一投薬フォームで別の活性物質と組み合わされる。ここで記載された少なくとも一つの化学物質と組み合わせて用いることができる適当な抗癌治療薬としては、化学療法剤、例えば、マイトマイシンC、カルボプラチン、パクリタクセル、エトポシド、ドキソルビシン、又は少なくとも一つの前記化学療法剤を含む組み合わせがあるが、それだけに限定されない。放射線療法抗癌剤も単独で、又は化学療法剤と組み合わせて用いることができる。
【0213】
本明細書で記載された化学物質は、化学感作剤として有用であることがあり、他の化学療法剤、特にアポトーシスを誘発する薬と組み合わせて用いることができる。
【0214】
化学治療に対する癌細胞の感度を高める方法であって、化学治療を受ける患者に化学療法剤に、式1の化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質を組み合わせて、化学療法剤に対する癌細胞の感度を高めるのに十分な量で投与するステップを含む方法も提供される。
【0215】
ここに記載された化学物質と組み合わせて用いることができる他の化学療法剤の例としては、トポイソメラーゼI阻害薬(カンプトテシン又はトポテカン)、トポイソメラーゼII阻害薬(例えば、ダウノマイシン及びエトポシド)、アルキル化剤(例えば、シクロフォスファミド、メルファラン、及びBCNU)、チューブリン指向薬(例えば、タキソール及びビンブラスチン)、及び生物物質(例えば、抗CD20抗体などの抗体、IDEC8、インムノトキシン、及びサイトカイン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、Gleevac)、などがある。
【0216】
本発明には、式1の化合物、及びその医薬的に受容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも一つの化学物質が抗炎症薬と組み合わせて投与される方法が含まれる。抗炎症薬としては、NSAIDs、非特異的及びCOX−2特異的なシクロオキシゲナーゼ酵素阻害薬、金化合物、コルチコステロイド、メトトレキセート、腫瘍壊死因子レセプター(TNF)レセプターズ拮抗薬、免疫抑制剤、及びメトトレキセート、などがあるが、それだけに限定されない。
【0217】
NSAIDsの例としては、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセンとナプロキセン・ナトリウム、ジクロフェナック、ジクロフェナック・ナトリウムとミソプロsトルの組み合わせ、スリンダック、オキサプロジン、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、エトドラック、フェノプロフェン・カルシウム、ケトプロフェン、ナトリウム・ナブメトン、スルファサラジン、トルメチン・ナトリウム、及びヒドロキシクロロキン、などがあるが、それだけに限定されない。NSAIDsの例としては、また、COX−2特異的阻害薬(すなわち、COX−2をCOX−1に対するIC50よりも少なくとも50倍低いIC50で阻害する化合物)、例えばコレコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブ、及び/又はロフェコキシブなどがある。
【0218】
別の実施形態では、抗炎症薬はサリチル酸塩である。サリチル酸塩としては、アセチルサリチル酸すなわちアスピリン、サリチル酸ナトリウム、及びコリン及びマグネシウム・サリチレートなどがあるが、それだけに限定されない。
【0219】
抗炎症薬はコルチコステロイドであってもよい。例えば、コルチコステロイドは、コルチゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニソロン、プレドニソロン、プレドニソロン・リン酸ナトリウム、及びプレドニゾンから選ぶことができる。
【0220】
さらに別の実施形態では、抗炎症治療剤は、金ナトリウム・チオマレート又はオーラノフィンなどの金化合物である。
【0221】
本発明はまた、抗炎症薬が代謝阻害薬、例えばメトトレキセートなどのジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤、又はレフルノミドなどのジヒドロオロテート・ジヒドロゲナーゼ阻害剤、である実施形態を含む。
【0222】
本発明の他の実施形態は、少なくとも一つの抗炎症化合物が、抗C5モノクローナル抗体(エクリズマブ又はペクセリズマブ)、TNF−アルファ・モノクローナル抗体であるエンタネルセプト、インフリクシマブ、及びアダリムマブ(Humira(登録商標))などのTNFアンタゴニスト、である組み合わせに関する。
【0223】
本発明のさらに別の実施形態は、少なくとも一つの化学物質が、メトトレキセート、レフルノミド、シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン、又はミコフェノール酸モフェチルなどの免疫抑制化合物である組み合わせに関する。
【0224】
上記の病状の治療では、例えば、体重1キログラムあたり1日0.1mgから140mgというオーダーの投薬量(患者あたり1日0.5mgから7g)が有用であろう。ビヒクルと組み合わせて単一投薬フォームを生成できる活性成分の量は、治療されるホスト、及び特定投与モードによって異なる。単位投薬フォームは一般に1mgから500mgの活性成分を含む。
【0225】
投薬の頻度も、用いられる化合物及び治療する疾病によって異なる。いくつかの実施形態では、例えば、アレルギー疾患及び/又は自己免疫及び/又は炎症性疾患の治療では、1日4回以下という投薬方式が用いられる。いくつかの実施形態では、1日1又は2回という投薬方式が用いられる。しかし、個々の患者の特定の投薬レベルは、用いる特定化合物の活性、年齢、体重、健康状態、性別、ダイエット、投与時間、投与ルート、及び排泄速度、薬の組み合わせ、及び治療を受けている患者の特定疾患の重症度など、いくつかの実施形態では、因子に依存する。
【0226】
本発明の化合物のラベルされた形態は、ここに記載された様なキナーゼ活性を変調する機能を有する化合物を同定及び/又は取得するための診断情報(diagnostic)として用いることができる。さらに、本発明の化合物は、バイオ分析測定を検証、最適化、及び標準化するために用いることができる。
【0227】
本明細書では、“ラベルされた”とは、その化合物が、直接又は間接に、検出できる信号を与えるラベル、例えば放射性同位元素、蛍光タグ、酵素、抗体、磁性粒子などの粒子、化学発光タグ、又は特異的結合分子、などによって標識されていることを意味する。特異的結合分子としては、ビオチンとストレプトアビジン、ジゴキシンとアンチジゴキシン、等のペアがある。特異的結合メンバーに対して、通常、相補的メンバーが公知の手順に従って検出する分子にラベルされる。ラベルは直接又は間接に検出できる信号を与える。
【0228】
本発明は、以下の非限定的な辞意指令によってさらに説明される。
【実施例】
【0229】
実施例1
【0230】
【化17】

【0231】
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−{2−[4−(モルフォリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−フェニルベンズアミド
【0232】
モルフォリン−4−イル−(4−ニトロフェニル)メタノン(I)
【0233】
【化18】

【0234】
磁気攪拌器を備えた250mLのシングルネック丸底フラスコに4−ニトロベンゾイル・クロリド(11.0g,59.5mmol)、続いて塩化メチレン(50mL)を入れ、氷浴で0℃に冷却した。次に氷浴を除去し、反応混合物を2日間室温で攪拌した。この時間の後、得られた懸濁液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)と塩化メチレン(100mL)の間で分配し、層が分離された。水性層は塩化メチレン(2x100mL)で抽出され、有機抽出物全体が硫酸ナトリウム上で乾燥された。硫酸ナトリウムを濾過によって除去した後、濾液を真空で濃縮してモルフォリン−4−イル−(4−ニトロフェニル)メタノン(15.2g)を淡黄色の固体として得た:mp90−91℃.
【0235】
(4−アミノフェニル)モルフォリン−4−イル−メタノン(2)
【0236】
【化19】

【0237】
500mLのパール水素添加用ボトルを窒素でパージし、モルフォリン−4−イル−(4−ニトロフェニル)メタノン(1)(6.79g,23.9mmol)、10%炭素上パラジウム(50%ウエット、乾燥重量107g)、及びメタノール(150mL)を入れた。ボトルを排気し、水素ガスを圧力50psiまで充填し、パール水素添加装置で1.5時間振とうした。次に、水素を排気し、窒素をボトルに充填した。触媒をCelite521パッドによる濾過で除去し、フィルターケーキをメタノール(100mL)で洗浄し、濾液を真空で濃縮した。得られた透明なガムを酢酸エチル(20−30mL)とヘキサン(5−10mL)の熱い混合物から再結晶させて、(4−アミノフェニル)モルフォリン−4−イル−メタノン(4.94g)を白色固体として得た:mp130−132℃,MS(ESI+)m/z207(M+H).
【0238】
2−クロロ−4−(2−メチル−3−ニトロフェニル)ピリミジン(3)
【0239】
【化20】

【0240】
凝縮器と磁気攪拌器を備えた1Lのシングルネック丸底フラスコに2,4−シクロピリミジン(17.0g,114mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(2−メチル−3−ニトロ−フェニル)、[1,3,2]ジオキサボラン(20.0g,76.0mmol)、及びベンゼンとメタノールの4:1混合物(500mL)を入れ、溶液に窒素をバブルで15分間通してガス抜きした。Tetrakis(トリフェニルホスフィン)パラジウム(8.78g,7.60mmol)と2Mの炭酸ナトリウム水溶液(80mL)を加え、反応混合物を還流で24時間加熱した。この時間の後、反応混合物を室温に冷却し、水(250mL)を加え、反応混合物を酢酸エチル(3x250mL)で抽出した。有機抽出物全体を、水(200mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2x200mL)、続いて塩水(200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。乾燥剤を濾過して除去し、濾液を真空で濃縮し、得られた残渣をカラム・クロマトグラフィーで精製した。得られた物質は、さらにエーテル(50mL)によるトリチュレーションで精製して、2−クロロ−4−(2−メチル−3−ニトロフェニル)ピリミジン(4.99g)を淡黄色の粉末として得た:mp=138−139℃;MS(APCT)m/z249(M).
【0241】
{4−[4−(2−メチル−3−ニトロフェニル)ピリミジン−2−イルアミノ]フェニル}モルフォリン−4−イル−メタノン(4).
【0242】
【化21】

【0243】
磁気攪拌器を備えた50mLの反応チューブに2−クロロ−4−(2−メチル−3−ニトロフェニル)ピリミジン(3)(191mg,0.765mmol)と1,4−ジオキサン(15mL)を入れた。得られた溶液を窒素で15分間泡立てた後、(4−アミノフェニル)モルフォリン−4−イル−メタノン(2)(173mg,0.839mmol)、bis(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(35mg,0.063mmol)、tris(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(23mg,0.025mmol)及び炭酸セシウム(500mg,1.53mmol)を加えた。反応チューブを封止し、105℃で4日間加熱した。室温に冷却してから、反応物を10%塩化ナトリウム水溶液(275mL)と塩化メチレン(75mL)の間で分配した。水性相を分離し、塩化メチレン(2x75mL)で再抽出した。有機抽出物全体を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、乾燥剤を濾過によって除去した後、真空中で蒸発させた。得られた残渣をフラッシュ・クロマトグラフィーによって精製して、{4−[4−(2−メチル−3−ニトロフェニル)ピリミジン−2−イルアミノ]フェニル}モルフォリン−4−イル−メタノン(258mg)が灰白色固体として得られた:mp187−188℃,MS(ESI+)m/z420(M+H).
【0244】
{4−[4−(3−アミノ−2−メチルフェニル)ピリミジン−2−イルアミノ]フェニル}モルフォリン−4−イル−メタノン(5).
【0245】
【化22】

【0246】
メタノール(150mL)中の{4−[4−(2−メチル−3−ニトロフェニル)ピリミジン−2−イルアミノ]フェニル}モルフォリン−4−イル−メタノン(4)(503mg,120mmol)の溶液に、10%炭素上パラジウム(50%ウエット、乾燥重量215mg)を用いて水素添加して粗生成物を得た。この粗生成物を2N塩化水素酸(250mL)に溶解し、酸性溶液を酢酸エチル(3x100mL)で洗浄し、有機相を棄てた。水性層を氷浴で冷却し、2Nの水酸化ナトリウム水溶液によってpH 10に塩基化し、塩化メチレン(4x100mL)で抽出した。有機抽出物全体を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過によって乾燥剤を除去した後、真空中で蒸発させて{4−[4−(3−アミノ−2−メチルフェニル)ピリミジン−2−イルアミノ]フェニル}モルフォリン−4−イル−メタノン(404mg)を淡黄色の固体として得た:mp183−184℃, MS(ESI+)m/z390(M+H).
【0247】
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−{2−[4−(モルフォリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]ピリミジン−4−イル}−フェニル)−ベンズアミド(6).
【0248】
【化23】

【0249】
THF(5mL)中の{4−[4−(3−アミノ−2−メチルフェニル)ピリミジン−2−イルアミノ]フェニル}モルフォリン−4−イル−メタノン(5)(105mg,0.27mmol)とトリエチルアミン(0.06mL,0.40mmol)の溶液をTHF(5mL)中の4−t−ブチルベンゾイル・クロリド(53mg,0.27mmol)の溶液で一滴ずつ処理し、混合物を室温で16時間攪拌した。水(30mL)を加え、水性層を酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。有機抽出物を、水(2x30mL)及び塩水(1x30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた残渣をジエチル・エーテルでスラリーにし、濾過して4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−{2−[4−(モルフォリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]ピリミジン−4−イル}−フェニル)−ベンズアミド(42mg)をクリーム状固体として得た:MSm/z550.4(M+H).
【0250】
実施例2
実施例1に記載されたと同様の手順を用いて以下の化合物が調製された。
【0251】
【表1A】

【0252】
【表1B】

【0253】
【表1C】

【0254】
【表1D】

【0255】
【表1E】

【0256】
【表1F】

【0257】
【表1G】

【0258】
【表1H】

【0259】
【表1I】

【0260】
【表1J】

【0261】
【表1K】

【0262】
【表1L】

【0263】
【表1M】

【0264】
【表1N】

【0265】
【表1O】

【0266】
【表1P】

【0267】
【表1Q】

【0268】
実施例3
生化学的Btk分析
本明細書で開示された化合物をテストするために用いることができる一つの標準的な生化学的Btkキナーゼ分析の一般化された手順を以下に示す。
【0269】
1×Cell Signalingキナーゼ・バッファー(25mM Tris−HCl,pH7.5,5mMベータグリセロホスフェート,2mMジチオスレイトール,0.1mM Na3VO4,10mM MgCl2)、0.5μM Promega PTKビオチン化ペプチド基質2、及び0.01% BSAを含むマスター・ミックスマイナスBtk酵素が調製される。1XCell Signalingキナーゼ・バッファー、0.5μM PTKビオチン化ペプチド基質2、0.01% BSA、及び100ng/ウエル(0.06mU/ウエル)Btk酵素を含むマスター・ミックスプラスBtk酵素が調製される。Btk酵素は次のように調製される:C−末端V5と6x Hisタグを含む全長ヒト野生型Btk(accession number NM−000061)をpFastBacベクターでサブクローニングしてこのエピトープタグつきBtkを有するバキュロウイルスを作成した。バキュロウイルスの生成は、Invitrogenが公開している手順“Bac toBac Baculovirus Expression Systems”(Cat.Nos.10359−016 and 10608−016)に詳述されている指示に基づいて行われる。Passage 3ウイルスを用いてSf9細胞に感染させて組み換えBtkプロテインを過剰発現させる。このBtkプロテインをNi−NTAカラムを用いて均質になるまで精製する。最終のプロテインの純度は、高感度Sypro−Ruby染色で95%より高い。200μM ATP溶液が水で調製され、1N NaOHによってpH7.4に調整される。5%DMSO中の1.25μLという量の化合物が、96ウエル1/2 area Costarポリスチレン・プレートに移される。化合物は単独で、11−ポイントの量−応答カーブ(出発濃度は12μM;1:2希釈)でテストされる。18.75μLという量のマスター・ミックスマイナス酵素(ネガティブ・コントロールとして)及びマスター・ミックスプラス酵素が96ウエル1/2 area Costarポリスチレン・プレートの適当なウエルに移される。96ウエル1/2 area Costarポリスチレン・プレートの混合物に5μLの200μM ATPが加えられ、最終ATP濃度は40μMとなる。反応物は、そのまま室温で1時間インキュベートされる。反応は、30mM EDTA,20nM SA−APC,及び1nM PT66Abを含むPerkin Elmer 1X検出バッファーによって停止される。プレートは、時間分解蛍光測定法によって、Perkin Elmer Envisionで励起フィルター330nm、エミッション・フィルター665nm、2ndエミッション・フィルター615nmを用いて読みとられる。その後、IC50値が計算される。
【0270】
実施例4
Ramos細胞Btk分析
本明細書で開示された化合物をテストするために用いることができる標準的な細胞Btkキナーゼ分析の別の一般化された手順を以下に示す。
【0271】
Ramos細胞が0.5x107細胞/mlの密度で、37℃で1時間、テスト化合物の存在下でインキュベートされる。次に、細胞は10μg/ml抗ヒトIgM F(ab)2と共に37℃で5分間インキュベートすることによって刺激される。細胞は、ペレット状にされ、溶解され、プロテイン分析が細胞片を除去した溶解産物について行われる。各サンプルの等しいプロテイン量についてSDS−PAGEとウエスタンブロッティングが、Btk自己リン酸化を評価するための抗phosphoBtk(Tyr223)抗体(Cell Signaling Technology #3531)又は各ライセート(lysate)におけるBtkの総量をコントロールするための抗Btk抗体(BD Transduction Labs #611116)を用いて行われる。
【0272】
実施例5
B細胞増殖分析
本明細書で開示された化合物をテストするために用いることができる標準的なB細胞増殖分析のある一般化された手順を以下に示す。
【0273】
生後8−16週のBalb/cマウスの脾臓からB細胞単離キット(Miltenyi Biotech,Cat.#130−090−862)を用いてB細胞が精製される。テスト化合物は0.25%DMSOで希釈され、2.5x105の精製されたマウス脾臓B細胞と共に最終体積100μlで30分間インキュベートされた後、10μg/mlの抗マウスIgM抗体(Southern Biotechnology Associates Cat #1022−01)を加える。24時間のインキュベーションの後、1 μCi3Hチミジンを加え、プレートをさらに36時間インキュベートして、SPA[3H]チミジン取り込み分析システム(Amersham Bioscience #RPNQ 0130)に関するメーカーの手順に従って収穫する。SPA−ビーズに基づく蛍光がマイクロベータ・カウンター(Wallace Triplex 1450,Perkin Elmer)でカウントされる。
【0274】
実施例6
T細胞増殖分析
本明細書で開示された化合物をテストするために用いることができる標準的なT細胞増殖分析のある一般化された手順を以下に示す。
【0275】
生後8−16週のBalb/cマウスの脾臓からPan T細胞単離キット(Miltenyi Biotech,Cat.#130−090−861)を用いてT細胞が精製される。テスト化合物は0.25%DMSOで希釈され、2.5x105の精製されたマウス脾臓T細胞と共に、37℃で90分間、各μg/mlの抗CD3(BD #553057)及び抗CD28(BD #553294)がプレコートされた透明平底プレートにおける最終体積100μlでインキュベートされる。24時間のインキュベーションの後、1μCi3Hチミジンを加え、プレートをさらに36時間インキュベートして、SPA[3H]チミジン取り込み分析システム(Amersham Bioscience #RPNQ 0130)に関するメーカーの手順に従って収穫する。SPA−ビーズに基づく蛍光がマイクロベータ・カウンター(Wallace Triplex 1450,Perkin Elmer)でカウントされた。
【0276】
実施例7
CD86阻害分析
本明細書で開示された化合物をテストするために用いることができるB細胞活性の阻害に関する標準的分析のある一般化された手順を以下に示す。
【0277】
生後8−16週のBalb/cマウスの脾臓から赤血球溶解(BD Pharmingen #555899)によって総マウス脾細胞が精製される。テスト化合物は0.5% DMSOで希釈され、2.5x106の脾細胞と共に、37℃で60分間、透明平底プレート(Falcon 353072)における最終体積200μlでインキュベートされる。次に、細胞は、15μg/mlのIgM(Jackson ImmunoResearch 115−006−020)を加えることによって刺激され、37℃,5%CO2で24時間インキュベートされる。24時間のインキュベーションの後、細胞は円錐状底部の96ウエル・プレートに移され、1200xg x 5minの遠心分離によってペレット状にされる。細胞は、CD16/CD32(BD Pharmingen #553142)によってプレブロックされ(preblocked)、続いてCD19−FITC(BD Pharmingen #553785)、CD86−PE(BD Pharmingen #553692)、及び7AAD(BD Pharmingen #51−68981E)で三重染色される。細胞はBD FACSCaliburでソートされ、CD19+/7AAD- populationでゲーティングされる。ゲートされたpopulationにおけるCD86表面発現のレベルが、テスト化合物濃度に対して測定される。
【0278】
実施例8
B−ALL細胞生存分析
以下は、生存細胞の数を測定するためにXTT読み取りを用いる標準的なB−ALL細胞生存研究の手順である。この分析は、本明細書に開示された化合物が培養されているB−ALL細胞の生存を阻害する能力をテストするために用いることができる。使用できるヒトB細胞急性リンパ芽球性白血病の一つの系統は、SUP−B15、ATCCから入手できるヒトPre−B細胞ALLライン(line)、である。
【0279】
SUP−B15 pre−B−ALL細胞が、複数の96ウエル・マイクロタイタープレートに、100μlのIscove’s媒質 + 20%FBSに、5x105細胞/mlの濃度で植え付けられる。次に、テスト化合物を0.4%DMSOという最終濃度で加える。細胞は、37℃,5%CO2で3日間インキュベートされる。3日後、細胞はテスト化合物を含む新しい96ウエル・プレートに1:3で分割し、さらに3日間そのまま成長させる。各24時間後、50μlのXTT溶液(Roche)を重複96ウエル・プレートの一つに加え、メーカーの指示に従って2,4,及び20時間後に吸収率測定を行う。次に、分析のリニアー範囲(0.5−1.5)内でDMSOだけで処理された細胞についてODで測定を行い、化合物で処理されたウエルにおける生存細胞のパーセンテージがDMSOだけで処理された細胞と対比して測定される。
【0280】
実施例9
上記の実施例で開示された化合物が、本明細書で記載されたBtk生化学分析(実施例3)で試験され、それらの化合物のいくつかは1マイクロモル以下というIC50値を示した。それらの化合物のいくつかは100nM以下というIC50値を示した。それらの化合物のいくつかは10nM以下というIC50値を示した。
【0281】
上記の実施例で開示された化合物のいくつかが、B細胞増殖分析(実施例5で記載したようなもの)で試験され、10マイクロモル以下というIC50値を示した。それらの化合物のいくつかは1マイクロモル以下というIC50値を示した。それらの化合物のいくつかはこの分析で500nM以下というIC50値を示した。
【0282】
それらの化合物のいくつかはT細胞増殖を阻害せず、本明細書で記載された(実施例6に記載されたような)条件の下で分析したときにIC50値が5マイクロモル以上であった。
【0283】
本明細書で開示された化合物のいくつかは、T細胞増殖の阻害に関するIC50値が、B細胞増殖の阻害に関するそれらの化合物のIC50値の少なくとも3倍も大きく、いくつかの場合には5倍、さらには10倍も大きいことさえあった。
【0284】
本明細書で開示された化合物のいくつかがB細胞活性の阻害に関する分析で(実施例7に記載された条件の下で)試験され、10マイクロモル以下というIC50値を示した。それらの化合物のいくつかは、1マイクロモル以下というIC50値を示した。それらの化合物のいくつかは、この分析で500nM以下というIC50値を示した。
【0285】
本明細書で開示された化合物のいくつかがB細胞白血病細胞生存分析で(実施例8に記載された条件の下で)試験され、10マイクロモル以下というIC50値を示している。
【0286】
本明細書で開示された化合物のいくつかは、生化学的活性と細胞活性の両方を示した。例えば、本明細書で開示された化合物のいくつかは、ここで記載されたBtk生化学的分析(実施例3)で10マイクロモル以下というIC50値を示し、ここで記載された(T細胞分析以外の)細胞ベースの分析(実施例4,5,7又は8)の少なくとも一つで10マイクロモル以下というIC50値を示した。それらの化合物のいくつかは、ここで記載されたBtk生化学的分析(実施例3)で1マイクロモル以下というIC50値を示し、ここで記載された(T細胞分析以外の)細胞ベースの分析(実施例4,5,7又は8)の少なくとも一つで10マイクロモル以下というIC50値を示した。それらの化合物のいくつかは、ここで記載されたBtk生化学的分析(実施例3)で0.1マイクロモル以下というIC50値を示し、ここで記載された(T細胞分析以外の)細胞ベースの分析(実施例4,5,7又は8)の少なくとも一つで10マイクロモル以下というIC50値を示した。
【0287】
いくつかの実施形態を示して説明したが、それに対して本発明の精神と範囲を逸脱することなくいろいろな変更と代替が可能である。例えば、クレームを構成するためには、以下に記述されるクレームはいかなる意味でもその文字どおりの意味よりも狭く解釈すべきでなく、したがって、本明細書からの例示的な実施形態をクレームに読み込むことは意図していない。このように、本発明は例を用いて説明されたが、それはクレームの範囲を限定するものではないことは言うまでもない。
【0288】
これ以上さらに言を費やすことなく、当業者であればこれまでの記述によって、本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって、前述した好ましい特定実施形態は、単に例示的なものと解すべきであり、いかなる意味でも開示のその他の部分を制限すると解すべきではない。
【0289】
前述の説明及び実施例において、すべての温度は正しく摂氏温度で表されており、すべての部、及びパーセンテージは、そうでないと明示されない限り重量による。
【0290】
本明細書に引用されたすべての出願、特許、及び刊行物、及び2006年9月11日に出願された米国特許仮出願No.60/843,846、の開示全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0291】
前述した実施例は、一般的に又は特定して記載される反応物質及び/又は本発明の動作条件を、前述した実施例で用いられたものに代えて用いて繰り返しても同程度の成功を収めることができる。
【0292】
これまでの記述から、当業者は本発明の本質的な特徴を容易に把握することができ、その精神と範囲を逸脱することなく、本発明のいろいろな変更や修正を行っていろいろな用途と条件に適合させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1:
【化1】

{式中、
1はCRであり、Z2はNであり、又はZ1はNであり、Z2はCRであり;
Aは、場合により置換されるフェニレン、場合により置換されるピリジリデン、場合により置換される2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジニル、
【化2】

【化3】

(式中、
*は基−L−Gへの結合点を示し、切れた結合はアミノ基への結合点を示し;X1はNとCR7から選ばれ;X2はNとCR7から選ばれ;X3はNとCR7から選ばれ;ここで、X1、X2、及びX3の一つ以下がNであり、R7は水素、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、場合により置換される低級アルキル、及び場合により置換される低級アルコキシから選ばれる)
から選ばれ;
Lは、場合により置換されるC0−C4アルキレン、−O−場合により置換されるC0−C4アルキレン、−(C0−C4アルキレン)(SO)−、−(C0−C4アルキレン)(SO2)−、及び−(C0−C4アルキレン)(C=O)−から選ばれる;
Gは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、場合により置換されるアルキル、場合により置換されるアミノ、場合により置換されるカルバミミドイル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、場合により置換されるシクロアルキル、場合により置換されるアリール、及び場合により置換されるヘテロアリールから選ばれ;
RとR1は、独立に、水素と場合により置換される低級アルキルから選ばれ;
Wは、場合により置換されるフェニレン及び場合により置換されるピリジリデンから選ばれ;
Qは、下記:
【化4】

(式中、
10とR11は、独立に、水素、C1−C6アルキル、及びC1−C6ハロアルキルから選ば;及び
12、R13、R14、及びR15は、独立に、以下:
水素、
1−C6アルキル、
1−C6ハロアルキル
フェニル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたフェニルから選ばれる置換されたフェニル、ここで、その置換基は、独立に、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、(C1−C6アルキルオキシ)C1−C6アルコキシ、C1−C6パーフルオロアルキル、C1−C6パーフルオロアルコキシ、モノ−(C1−C6アルキル)アミノ、ジ(C1−C6アルキル)アミノ、及びアミノ(C1−C6アルキル)から選ばれる、
ヘテロアリール、及び
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたヘテロアリール選ばれる置換されたヘテロアリール、ここでその置換基は、独立に、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、(C1−C6アルキルオキシ)C1−C6アルコキシ、C1−C6パーフルオロアルキル、C1−C6パーフルオロアルコキシ、モノ−(C1−C6アルキル)アミノ、ジ(C1−C6アルキル)アミノ、及びアミノ(C1−C6アルキル)から選ばれる)
から選ばれ;そして
2は、場合により置換されるアリールと場合により置換されるヘテロアリールから選ばれる}
で表される化合物、及び医薬的に受容されるその塩、溶媒和物、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ、及びそれらの混合物から選ばれる化合物であり、ただし、式1で表される化合物は以下のものから選ばれない:
N−(4−(2−(4−(4−アセチルピペラジン−1−カルボニル)フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)ベンズアミド;
1−(4−(2−(4−(4−アセチルピペラジン−1−カルボニル)フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)−3−フェニルウレア;
N−(3−(2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)ピリジン−3−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)−5−メチルイソキサゾール−3−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−スルファモイルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)−N−メチルフラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−ヒドロキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)チオフェン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(5−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−2−メトキシフェニル)チオフェン−2−カルボキシアミド;
N−(4−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)チオフェン−2−カルボキシアミド;
N−(4−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(4−(2−(3−ヒドロキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)チオフェン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−スルファモイルフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−メトキシフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)−N−メチルフラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−メトキシフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−ヒドロキシフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)フラン−2−カルボキシアミド;
N−(3−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(2−(3−アミノフェニルアミノ)ピリジン−4−イル)フェニル)チオフェン−2−カルボキシアミド;
N−フェニル−4−(2−(フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)ベンズアミド;
4−(5−メチル−2−(フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−N−フェニルベンズアミド;
N−(4−(2−(3−ヒドロキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)−2−フェノキシアセトアミド;及び
2−フェノキシ−N−(4−(2−(3−スルファモイルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド。
【請求項2】
Wが、オルトフェニレン、メタフェニレン、パラフェニレン、オルトピリジリデン、メタピリジリデン、及びパラピリジリデンから選ばれ、それらの各々は、場合により置換される低級アルキル、場合により置換される低級アルコキシ、ハロ、及びヒドロキシから選ばれる基で場合により置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Wが、メタフェニレン、及び場合により置換される低級アルキル、場合により置換される低級アルコキシ、ハロ、及びヒドロキシから選ばれる基で置換されるメタフェニレンから選ばれる、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Wが、メタフェニレン、及び低級アルキルとハロから選ばれる基で置換されるメタフェニレンから選ばれる、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Wが、メタフェニレン、及びメチルとハロから選ばれる基で置換されるメタフェニレンから選ばれる、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
Aが、オルトフェニレン、メタフェニレン、パラフェニレン、オルトピリジリデン、メタピリジリデン、パラピリジリデン、
【化5】

から選ばれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Aが、パラフェニレンとメタフェニレンから選ばれる、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Aがパラフェニレンである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
Aが
【化6】

から選ばれる、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
12、R13、R14、及びR15が、独立に、水素、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、及びフェニルから選ばれる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
13が、水素及びC1−C6アルキルから選ばれる、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
2が、下記:
フェニル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたフェニルから選ばれる置換されたフェニル、ここで、該置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルファニル、スルフォニル、場合により置換されるアミノ、低級アルコキシ、一つ以上のハロによって置換された低級アルコキシ、ヒドロキシによって置換された低級アルキル、低級アルコキシによって置換された低級アルキル、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる;
ピリジル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたピリジルから選ばれる置換されたピリジル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる;
ピリミジニル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたピリジルから選ばれる置換されたピリミジニル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる;
ピラジニル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたピリジルから選ばれる置換されたピラジニル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる;
ピリダジニル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたピリジルから選ばれる置換されたピリダジニル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる;
オキサゾル−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたオキサゾル−2−イルから選ばれる置換されたオキサゾル−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる;
2H−ピラゾル−3−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された2H−ピラゾル−3−イルから選ばれる置換された2H−ピラゾル−3−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる;
[1,2,3]チアジアゾル−4−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された[1,2,3]チアジアゾル−4−イルから選ばれる置換された[1,2,3]チアジアゾル−4−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる;
イソキサゾゾル−5−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたイソキサゾゾル−5−イルから選ばれる置換されたイソキサゾゾル−5−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる;
4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選ばれる置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる;
4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラン−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラン−2−イルから選ばれる置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラン−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる;
4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−2−イルから選ばれる置換された4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれ、インドール環のアミン窒素は、場合により置換される低級アルキル基によって場合により置換される;
1H−インドール−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された1H−インドール−2−イルから選ばれる置換された1H−インドール−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれ、インドール環のアミン窒素は、場合により置換される低級アルキル基によって場合により置換される;
ベンゾフラン−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたベンゾフラン−2−イルから選ばれる置換されたベンゾフラン−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる;
ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、及び
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選ばれる置換されたベンゾ[b]チオフェン−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる
から選ばれる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
2が、下記:
フェニル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたフェニルから選ばれる置換されたフェニル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる、
ピリジル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたピリジルから選ばれる置換されたピリジル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる、
オキサゾル−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたオキサゾル−2−イルから選ばれる置換されたオキサゾル−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる、
2H−ピラゾル−3−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された2H−ピラゾル−3−イルから選ばれる置換された2H−ピラゾル−3−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる、
4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選ばれる置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる、
[1,2,3]チアジアゾル−4−イル、
モノ−、ジ−、及びトリ−置換された[1,2,3]チアジアゾル−4−イルから選ばれる置換された[1,2,3]チアジアゾル−4−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる、
イソキサゾゾル−5−イル、及び
モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたイソキサゾゾル−5−イルから選ばれる置換されたイソキサゾゾル−5−イル、ここで置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる
から選ばれる、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
2が、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イル、及びモノ−、ジ−、及びトリ−置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選ばれる置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選ばれ、ここで該置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、及びヘテロアリールから独立に選ばれる、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
2が、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イル、及びモノ−、ジ−、及びトリ−置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選ばれる置換された4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選ばれ、ここで該置換基は低級アルキルである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
2が、モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたフェニルから選ばれる置換されたフェニルであり、ここで該置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルファニル、スルフォニル、場合により置換されるアミノ、低級アルコキシ、一つ以上のハロによって置換された低級アルキル、一つ以上のハロによって置換された低級アルコキシ、ヒドロキシによって置換された低級アルキル、低級アルコキシによって置換された低級アルキル、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる、請求項12に記載の化合物。
【請求項17】
2が、モノ−、ジ−、及びトリ−置換されたフェニルから選ばれる置換されたフェニルであり、ここで該置換基は、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、ハロ、低級アルコキシ、場合により置換されるピペリジニル、及びヘテロアリールから独立に選ばれる、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
2が4−低級アルキル−フェニル−である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
2が4−tert−ブチル−フェニルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
2が4−iso−プロピル−フェニルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
前記式1で表される化合物が、式2:
【化7】

(式中、
Xは、N及びCHから選ばれ;
Yは、N及びCR41から選ばれ;
3は、水素、場合により置換される低級アルキル、場合により置換される低級アルコキシ、ハロ、及びヒドロキシから選ばれ;
4は、水素、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、場合により置換されるアミノ、低級アルコキシ、一つ以上のハロによって置換される低級アルキル、一つ以上のハロによって置換される低級アルコキシ、ヒドロキシによって置換される低級アルキル、場合により置換されるヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールから選ばれ;
41は、水素、ハロ、場合により置換される低級アルキル、場合により置換される低級アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、スルフヒドリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、カルボキシ、アミノカルボニル、及び場合により置換されるアミノから選ばれる)
で表される化合物から選ばれる、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
Lが、共有結合、−(C=O)−、−CH2−、−CH2(C=O)−、−SO2−及び−CH(CH3)(C=O)−から選ばれる、請求項1〜21のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
Lが、−(C=O)−、−CH2−、−CH2(C=O)−、−SO2−及び−CH(CH3)(C=O)−から選ばれる、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
前記式1で表される化合物が、式3:
【化8】

(式中、Bは0、1、及び2から選ばれる)
で表される化合物から選ばれる、請求項21に記載の化合物。
【請求項25】
前記式1で表される化合物が、式4:
【化9】

で表される化合物から選ばれる、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
Gが、下記:
水素、
ヒドロキシ、
−NR78、ここでR7とR8は、水素、場合により置換されるアシル、及び場合により置換される(C1−C6)アルキルから独立に選ばれ;又はR7とR8は、それらが結合している窒素と共に、窒素を含み場合によりさらにN、O、及びSから選ばれる一つ又は二つの追加ヘテロ原子を含む場合により置換される5〜7員のヘテロシクロアルキルを形成する、
場合により置換される5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[1,2−a]ピラジン−7−イル、
低級アルコキシ、及び
1H−テトラゾル−5−イル
から選ばれる、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
Gが、下記:
水素、
ヒドロキシ、
N−メチルエタノールアミノ、
場合により置換されるモルフォリン−4−イル、
場合により置換されるピペラジン−1−イル、及び
場合により置換されるホモピペラジン−1−イル
から選ばれる、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
Gが、下記:
水素、
モルフォリン−4−イル、
4−アシル−ピペラジン−1−イル、
4−低級アルキル−ピペラジン−1−イル、
3−オキソ−ピペラジン−1−イル、
ホモピペラジン−1−イル、及び
4−低級アルキル−ホモピペラジン−1−イル
から選ばれる、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
前記式1の化合物が、式5:
【化10】

(式中、
5とR6は、独立に、水素及び場合により置換される(C1−C6)アルキルから選ばれ;又はR5とR6は、それらが結合している窒素と共に、場合によりさらにN、O、及びSから選ばれる一つ又は二つの別のヘテロ原子を含む場合により置換される5〜7員の窒素含有ヘテロシクロアルキルを形成する)
で表される化合物から選ばれる、請求項24に記載の化合物。
【請求項30】
Bが0である、請求項24〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
YがCHである、請求項21〜30のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】
5とR6が、それらが結合している窒素と共に、場合により置換されるモルフォリン−4−イルと場合により置換されるピペラジン−1−イルリングから選ばれる5〜7員の窒素含有ヘテロシクロアルキルを形成する、請求項29〜31のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項33】
5とR6が、それらが結合している窒素と共に、モルフォリン−4−イル、4−アシル−ピペラジン−1−イル、及び4−低級アルキル−ピペラジン−1−イルから選ばれる5〜7員の窒素含有ヘテロシクロアルキルを形成する、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
前記式1で表される化合物が、式6:
【化11】

(式中、
4は、水素、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、場合により置換されるアミノ、低級アルコキシ、一つ以上のハロによって置換される低級アルキル、一つ以上のハロによって置換される低級アルコキシ、ヒドロキシによって置換される低級アルキル、及びヘテロアリールから選ばれる)
で表される化合物から選ばれる、請求項1に記載の化合物。
【請求項35】
前記式1で表される化合物が、式7:
【化12】

(式中、
Xは、N及びCHから選ばれ;及び
4は、水素、ヒドロキシ、低級アルキル、スルフォニル、場合により置換されるアミノ、低級アルコキシ、一つ以上のハロによって置換される低級アルキル、一つ以上のハロによって置換される低級アルコキシ、ヒドロキシによって置換される低級アルキル、及びヘテロアリールから選ばれる)
で表される化合物から選ばれる、請求項1に記載の化合物。
【請求項36】
Lが共有結合であり、Gが水素である、請求項34又は35に記載の化合物。
【請求項37】
1が、水素、低級アルキル、及び、場合により置換されるアルコキシ、場合により置換されるアミノ、及び場合により置換されるアシルから選ばれた基によって置換された低級アルキルから選ばれる、請求項1〜36のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項38】
1が、水素及び低級アルキルから選ばれる、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
1が、水素、メチル及びエチルから選ばれる、請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
1が水素である、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
Rが、水素、低級アルキル、及び、場合により置換されるアルコキシ、場合により置換されるアミノ、及び場合により置換されるアシルから選ばれた基によって置換された低級アルキルから選ばれる、請求項1〜40のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項42】
Rが、水素及び低級アルキルから選ばれる、請求項41に記載の化合物。
【請求項43】
Rが、水素、メチル及びエチルから選ばれる、請求項42に記載の化合物。
【請求項44】
Rが水素である、請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
3が、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、及びフルオロから選ばれる、請求項21〜44のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項46】
3がメチルである、請求項45に記載の化合物。
【請求項47】
XがCHである、請求項21〜46のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項48】
4が、水素、場合により置換されるピペリジニル、iso−プロピル、及びtert−ブチルから選択される、請求項47に記載の化合物。
【請求項49】
4がtert−ブチルである、請求項48に記載の化合物。
【請求項50】
4がiso−プロピルである、請求項48に記載の化合物。
【請求項51】
4が、アミノ、ヒドロキシ、場合により置換される低級アルキル、場合により置換される低級アルコキシ、及びカルバモイルから独立に選ばれた一つ又は二つの基によって置換されたピペリジニルである、請求項48に記載の化合物。
【請求項52】
4が、アミノ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシメチル、メトキシメトキシ、及びカルバモイルから独立に選ばれた一つ又は二つの基によって置換されたピペリジニルである、請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
4が、アミノ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシメチル、メトキシメトキシ、及びカルバモイルから独立に選ばれた一つ又は二つの基によって置換されたピペリジン−1−イルである、請求項52に記載の化合物。
【請求項54】
Btk活性のin vitro生化学分析において、前記化合物が1マイクロモル以下IC50を示す、請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項55】
Btk活性のin vitro生化学分析において、前記化合物が100ナノモル以下のIC50を示す、請求項54に記載の化合物。
【請求項56】
B細胞活性の阻害に関する分析において、前記化合物が10ナノモル以下のIC50を示す、請求項1〜55のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項57】
B細胞活性の阻害に関する分析において、前記化合物が1マイクロモル以下のIC50を示す、請求項56に記載の化合物。
【請求項58】
B細胞活性の阻害に関する分析において、前記化合物が500ナノモル以下のIC50である、請求項57に記載の化合物。
【請求項59】
T細胞増殖の阻害に関する分析において、前記化合物が示すIC50値がB細胞増殖の阻害に関する分析で該化合物が示すIC50値より少なくとも3倍大きいことを特徴とする請求項1〜58のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項60】
T細胞増殖の阻害に関する分析において、前記化合物が示すIC50値がB細胞増殖の阻害に関する分析で該化合物が示すIC50値より少なくとも5倍大きいことを特徴とする請求項59に記載の化合物。
【請求項61】
T細胞増殖の阻害に関する分析において、前記化合物が示すIC50値がB細胞増殖の阻害に関する分析で該化合物が示すIC50値より少なくとも10倍大きいことを特徴とする請求項60に記載の化合物。
【請求項62】
前記式1で表される化合物が、実施例1の表題化合物と実施例2の表題化合物から選ばれる、請求項1に記載の化合物。
【請求項63】
請求項1〜62のいずれか1項に記載の化合物を、キャリア、アジュバント、及び賦型剤から選ばれる少なくとも一つの医薬的に受容されるビヒクルと共に含む医薬組成物。
【請求項64】
該組成物が、注射できる流体、エアロゾル、クリーム、ゲル、錠剤、ピル、カプセル、シロップ、点眼液、及び経皮吸収型パッチから選ばれる形態で調合される、請求項63に記載の医薬組成物。
【請求項65】
請求項63又は64に記載の医薬組成物;及び
該組成物を用いてBtk活性の阻害に応答する疾病で苦しんでいる患者を治療するための説明書
を含む包装された医薬組成物。
【請求項66】
Btk活性の阻害に応答する該疾病が癌である、請求項65に記載の包装された医薬組成物。
【請求項67】
Btk活性の阻害に応答する該疾病が、アレルギー疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、及び急性炎症反応から選ばれることを特徴とする請求項65に記載の包装された医薬組成物。
【請求項68】
Btk活性の阻害に応答する疾病にかかっている患者を治療する方法であって、有効な量の請求項1〜62のいずれか1項に記載の化合物を患者に投与するステップを含む方法。
【請求項69】
該患者がヒトである、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
該患者がネコとイヌから選ばれる、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
Btk活性の阻害に応答する該疾病が癌である、請求項68〜70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
Btk活性の阻害に応答する該疾病がB細胞リンパ腫及び白血病である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
有効な量の前記化合物が静脈内、筋肉内、及び非経口投与から選ばれる方法で投与される、請求項68〜72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
有効な量の前記化合物が経口的に投与されることを特徴とする請求項68〜72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
癌、自己免疫疾患、炎症性疾患、急性炎症反応、及びアレルギー疾患にかかっている患者を治療する方法であって、該患者に有効な量の請求項1〜62のいずれか1項に記載の化合物を投与するステップを含む方法。
【請求項76】
該患者がヒトである、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
該患者がネコとイヌから選ばれる、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
有効な量の前記化合物が静脈内、筋肉内、及び非経口投与から選ばれる方法で投与される、請求項75〜77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
有効な量の前記化合物が経口的に投与される、請求項75〜77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
化学療法に対する癌細胞の感度を高める方法であって、化学治療剤による化学療法を受ける患者に該化学治療剤に対する癌細胞の感度を高めるのに十分な量の請求項1〜62のいずれか1項に記載の化合物を投与するステップを含む方法。
【請求項81】
Btk活性の阻害に応答する疾病に対する治療を受けている患者の投薬過誤を減らし治療に対するコンプライアンスを強化する方法であって、請求項65に記載の包装された医薬調合物を提供するステップを含み、該説明書はさらに該包装された医薬組成物に関する禁忌事項と有害な副作用の情報を含むことを特徴とする方法。
【請求項82】
ATP加水分解を阻害する方法であって、Btkを発現する細胞を、in vitroにおけるATP加水分解のレベルを検出できるほどに減少させるために十分な量の請求項1〜62のいずれか1項に記載の化合物と接触させるステップを含む方法。
【請求項83】
該細胞が哺乳動物に存在する、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
該哺乳動物はヒトである、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
該哺乳動物はネコとイヌから選ばれる、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
あるサンプルにおけるBtkの存在を判定する方法であって、Btk活性の検出を可能にする条件の下で該サンプルを請求項1〜62のいずれか1項に記載の化合物と接触させるステップ、該サンプルにおけるあるレベルのBtk活性を検出するステップ、及びそれから該サンプルにおけるBtkの存在又は不存在を判定するステップを含む方法。
【請求項87】
B細胞の活性を阻害する方法であって、Btkを発現する細胞をin vitroにおけるB細胞の活性を検出できるほど減少させるのに十分な量の請求項1〜62のいずれか1項に記載の化合物と接触させるステップを含む方法。
【請求項88】
Btk活性の阻害の応答する疾病の治療のための医薬の製造における上記請求項のいずれかに記載の化合物又は組成物の使用。
【請求項89】
癌の治療のための請求項88に記載の使用。
【請求項90】
自己免疫疾患、炎症性疾患、急性炎症反応、又はアレルギー疾患の治療のための請求項88に記載の使用。
【請求項91】
Btk活性の阻害の応答する疾病の治療のための上記請求項のいずれかに記載の化合物又は組成物。
【請求項92】
化学療法を受ける患者において化学療法に対する癌細胞の感度を高めるための医薬の製造における上記請求項のいずれかに記載の化合物又は組成物の使用。

【公表番号】特表2010−502749(P2010−502749A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527622(P2009−527622)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/078154
【国際公開番号】WO2008/033834
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(507303114)シージーアイ ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド (7)
【Fターム(参考)】