うるおい効果貼付剤
【課題】生理活性成分を皮膚に有効に浸透させることができ、皮膚刺激作用が小さく、長時間貼付でき、かつうるおい効果に秀でた化粧用貼付剤を提供する。
【解決手段】本発明に係る貼付剤は、これまでの貼付剤の共通の欠点である皮膚刺激性を除去するため支持シートの使用を排し、基剤がスチレン系熱可塑性エラストマーとオイル成分からなり、オイル成分の主成分が液状炭化水素であり、この基剤を油性化粧液に浸漬させて作成した美容シートである。基剤の組成は、スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部に対し、オイル成分100〜800重量部とする。この美容シートを顔面に貼付したとき、基剤は直接肌に接着せず、油性化粧液の薄い膜(うるおい層)が基剤と肌の間に介在する。それため基剤の接着性が弱くても肌への密着性が向上し、しかも皮膚へのうるおい効果が高く、感触も良好となる。
【解決手段】本発明に係る貼付剤は、これまでの貼付剤の共通の欠点である皮膚刺激性を除去するため支持シートの使用を排し、基剤がスチレン系熱可塑性エラストマーとオイル成分からなり、オイル成分の主成分が液状炭化水素であり、この基剤を油性化粧液に浸漬させて作成した美容シートである。基剤の組成は、スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部に対し、オイル成分100〜800重量部とする。この美容シートを顔面に貼付したとき、基剤は直接肌に接着せず、油性化粧液の薄い膜(うるおい層)が基剤と肌の間に介在する。それため基剤の接着性が弱くても肌への密着性が向上し、しかも皮膚へのうるおい効果が高く、感触も良好となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚粘着性、低皮膚刺激性に優れ、有価物質の高濃度溶解性に優れた基材を用いて、生理活性成分を皮膚に有効に浸透させ、皮膚トラブルや皮膚疾患の改善効果の高い皮膚用貼付剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ニキビ、しみ、そばかす、日焼け後の色素沈着、乾燥、シワ、脱毛症、くすみ、くま、肌荒れなどの皮膚トラブルやアトピー性皮膚炎、老人性乾皮症、小児乾燥性湿疹、角化症、白癬症などの皮膚疾患の改善には、軟膏、クリーム、ローション等の基剤や、ハイドロゲルシートなどが使われている。軟膏、クリーム、ローション等はべたつき、衣服に付着し汚すばかりでなく、塗付できる量が限られ1日に何度も塗りなおす必要がある。貼付型剤形のハイドロゲル基剤は経皮吸収性が低く、長時間貼付すると水分の蒸発により粘着力が低下し、はがれやすい欠点がある。また、医薬貼付剤によく用いられているスチレン−イソプレンブロック共重合体に粘着付与樹脂とオイルを加えた基剤は粘着力が強すぎ皮膚刺激が強く、医薬品パッチとしてはともかく顔に貼る化粧品用の基剤としては不適当である。
【0003】
アクリル系、シリコン系あるいはスチレン−イソブチレン−スチレン共重合体を基剤としてライナー上に展膏した貼付剤(特許文献1)、粘着剤にグリセリンを含有させ高分子フィルムに塗布した貼付剤(特許文献2)、あるいは共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるトリブロック共重合体を基剤に用い、これに可塑化成分と生理活性成分とを配合して高分子フィルム上に塗布した皮膚用オイルゲル粘着剤(特許文献3)がすでに報告されている。
【0004】
美しいうるおいのある肌をめざした化粧剤として、架橋カルボキシル基含有高分子と多価アルコールを基剤とした皮脂除去用シート状パック剤(特許文献4)、吸油性ビニールポリマーを基剤とするシート状パック剤(特許文献5)、コラーゲンに海藻抽出物を含有させた皮膚外用剤(特許文献6)、γアミノ酪酸を不織布に含浸させた表皮機能改善剤(特許文献7)がすでに報告されている。
また、架橋高分子と不織布(特許文献8)、あるいは多価アルコールと不織布(特許文献9)を用いたシート状パック化粧料も報告されている。
【0005】
しかしながら、化粧用貼付剤として、ハイドロドゲル系貼付剤(特許文献4、6など)は油性の化粧用有価物を含浸し難い欠点がある。またポリマー系粘着剤とオイルの組合せであるオイルゲル系貼付剤は、皮膚への貼付のための粘着性が皮膚に物理的刺激を起こすことがあり、顔面に使用するには不十分な点が多い。
【先行技術文献】
【0006】
【特許文献】
【特許文献1】特開2000−344671号公報
【特許文献2】特開2000−281565号公報
【特許文献3】特開2002−284676号公報
【特許文献4】特開2002−020257号公報
【特許文献5】特開2002−370927号公報
【特許文献6】特開2004−035431号公報
【特許文献7】特開2009−107931号公報
【特許文献8】特開2001−213725号公報
【特許文献9】特開2009−084240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、生理活性成分を皮膚に有効に浸透させることができ、皮膚刺激作用が小さく、長時間貼付することができ、かつうるおい効果に秀でた化粧用貼付剤の開発である。そのためには、これまでの貼付剤の共通の欠点である皮膚刺激性を除去する必要があり、支持シートの使用を排してかつ十分な吸着性を有し、皮膚曲面への貼付適応性の良い貼付剤を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明に係る貼付剤は、基剤がスチレン系熱可塑性エラストマーとオイル成分からなり、オイル成分の主成分が液状炭化水素であり、この基剤を油性化粧液に浸漬させた美容シートであることを特徴とする。
本発明の美容シートは、肌のうるおい効果を高める作用があり、また支持シートを有しないのが特徴である。このような構成の美容シートを顔面に貼付した場合、基剤は直接肌に接着せず、油性化粧液の薄い膜(うるおい層)が基剤と肌の間に介在する。それためこのような構成の美容シートは、基剤の接着性が弱くても肌への密着性が向上し、しかも皮膚へのうるおい効果が高く、感触も良好となる。
【0009】
基剤の組成は、熱可塑性エラストマー100重量部に対し、オイル成分100−800重量部であることが好ましく、オイル成分が200−600重量部であればなお好ましい。
オイル成分が100重量部以下であると基剤が硬くなり皮膚へのフィット性が落ちる。一方800重量部以上であると基剤が柔らかくなりすぎ、シートとしての形状保持が困難となり、例えば貼付後皮膚から取り外す時に破れやすくなる。
なお、熱可塑性エラストマーとは、熱を加えると軟化して流動性を示し、冷却すればゴム状弾性体に戻る性質を持つ高分子物質をいう。
【0010】
熱可塑性エラストマーとしては、末端ブロックとしてポリスチレン(S)を有するスチレン系のものが適当である。スチレン系熱可塑性エラストマーの中間ブロックとして、ポリブタジエン(B)、ポリイソプレン(I)、ポリ(エチレン/ブチレン)(EB:−CH2−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−)、ポリ(エチレン/プロピレン)(EP:−CH2−CH2−CH(CH3)−CH2−)、ポリ(エチレン/エチレンプロピレン)(EEP:n−(−CH2−CH2)−m−(CH(CH3)−CH2−CH2−CH2)−))のいずれか又はこれらの組合せを有するものが好ましい。これらはトリブロック共重合体と呼ばれ、スチレン−ブタジエン−スチレンのように略記される。中間ブロックがエチレンやプロピレンを主成分とするものは中間ブロック内に二重結合を有しない。これらは中間ブロックが二重結合を有するブタジエンやイソプレンの場合より加熱成形時の酸化分解などによる着色が少なく特に好ましい。
【0011】
スチレン系熱可塑性エラストマーのメルトフロー値が2.0以下であることが好ましい。メルトフロー値が2.0以下であるとは、エラストマーが高粘度であることを示し、その5%トルエン溶液の溶液粘度が10〜1000mPa・sであることとほぼ対応する。メルトフロー値が2.0以上のエラストマーは、分子量が小さく凝集力が弱い。本発明の美容シートは支持体が無いのが特徴であり、美容シート自身が高い凝集力を持ち形状保持性を有する必要がある。そのためメルトフロー値が2.0以下であるような高分子量スチレン系熱可塑性エラストマーが望ましい。スチレン系熱可塑性エラストマーを複数種類用いる場合、それらの平均メルトフロー値が2.0以下であることが望ましい。ここで平均メルトフロー値及び平均溶液粘度は、各構成スチレン系熱可塑性エラストマーのメルトフロー値もしくは溶液粘度とその重量分率の積を総和したものと定義する。
【0012】
オイル成分の液状炭化水素としては、スチレン系熱可塑性エラストマーと相溶性がよい流動パラフィン、スクアレン、スクアラン、部分水素添加スクワレンのいずれかが好ましい。
オイル成分には、液状炭化水素の他に高級脂肪酸エステルを加えておくことが美容上好ましい。特に炭素数18の脂肪酸エステルを主成分とする油脂、例えばオリーブオイル、ツバキ油、月見草油であることがオイル成分との相溶性がよく特に好ましい。またホホバ油も好適に使用し得る。炭素数18以下である脂肪酸エステルを主成分とする油脂、例えばミンク油などはオイル成分との相溶性が悪く好ましくない。
【0013】
油性化粧液を基剤に含有させるには、基剤を油性化粧液中に浸漬させるのが簡単で効率的である。そのため油性化粧液は基剤との一定の親和性があり、基剤を膨潤あるいは収縮させないものである必要がある。油性化粧液の量は基剤を過不足無く覆って濡らす程度の量が最適である。油性化粧液の主成分(95−60%)は、常温で液体であるアルコール及び/またはエステルであり、液状炭化水素と親和性を有する。油性化粧液の残部(5−40%)は液状炭化水素とする。この液状炭化水素は基剤に含まれるものと同一であることが好ましい。なお、液状炭化水素は、基剤の膨潤性を調節するために必要である。
【0014】
油性化粧液は、疎水的性質を有する熱可塑性エラストマー及びオイル成分と親和性を有するように疎水的でなければならない。すなわち、油性化粧液の主成分がアルコールである場合、炭素数が10以上であるアルコールであることが必要であり、エタノール、グリセリンのような親水性アルコールは好ましくない。具体的にはオクチルドデカノール、ヘキシルデカノール及びイソステアリルアルコールからなるグループから選ばれたものであることが好ましい。油性化粧液の主成分がエステルである場合、ミリスチン酸インプロピル、パルミチン酸インプロピル、乳酸オクチルドデシルであることがなお好ましい。または、炭素数が18である脂肪酸とグリセリンのエステルであることがなお好ましい。油性化粧液はオイル成分と親和性を有するがスチレン系熱可塑性エラストマーに溶解するほどには疎水性で無いことが必要で、その観点から上記の物質が選定される。
【0015】
上記基剤あるいは油性化粧液あるいはその双方に化粧用有価物を添加してもよい。
本発明において化粧用有価物としては、特に限定されないが、ニキビ、しみ、日焼け後の色素沈着乾燥、シワ、脱毛症、くすみ、肌荒れ、セルライトや脂肪の沈着などの皮膚トラブルを解消し、美肌を保つ成分で、美白成分、抗シワ成分、血行促進成分、保湿成分、などがあげられ、これらの化粧用有価物を単独で用いても組み合わせて用いても良い。化粧用有価物が親油性である場合は、上記基剤あるいは油性化粧液によく溶解する。化粧用有価物が親水性の場合は溶解度が低いので低濃度に溶解させるか、均一に分散させるか、あるいは水に溶解させた後界面活性剤を加えて乳化状態で上記基剤あるいは油性化粧液に分散させてもよい。
【0016】
美白成分としては、特に限定されないが、たとえば、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、アスコルビン酸グルコシド及びその塩類及びアシル化誘導体、パルミチン酸アスコルビルなどのビタミンC誘導体、αアルブチン、β−アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、システイン、グルタチオン、エラグ酸、ルシノール、トラネキサム酸、などがあげられる。
【0017】
抗シワ成分としては、特に限定されないが、たとえば、レチノール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなどのレチノイド、などがあげられる。
抗炎症成分としては、特に限定されないが、たとえば、グリチルレチン酸、アラントイン、イプシロン−アミノカプロン酸、アズレン、シコニン、トラネキサム酸モモ葉、ビワ葉およびそれらのエキス、チンキあるいはそれらに含まれる成分などがあげられる。
【0018】
血行促進成分としては、特に限定されないが、たとえば、酢酸トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、ニコモール、カフェイン、カプサイシン、ノナン酸バニリルアミド、ショウガオール、ユーカリ、ヨヒンベおよびそれらのエキス、チンキあるいはそれらに含まれる成分などが挙げられる。
【0019】
保湿成分としては、特に限定されないが、たとえば、BG、PG、ジプロピレングリコール、グリセリン、マルチトール、トレハロースなどの多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸、乳酸、尿素、アミノ酸などのNMF成分、ヘパリン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キチン、キトサン、アルギン酸ナトリウム、などが挙げられる。
【0020】
うるおい効果貼付剤の効果的な使用のためには、その形状や包装形式も重要である。例えば目もとや口もと用の貼付用美容シートは勾玉状が良い。顔全体に貼付するにはフェイス用マスク状がよい。うるおい効果貼付剤の包装には、プレス加工したPE、PP、またはPET材質のトレイやカップに基材と油性化粧液を充填し密封するのが適当である。
【発明の効果】
【0021】
本発明のうるおい効果貼付剤は、従来品のように支持シートを使用しないため、支持シートによる皮膚刺激性を有しない。これはうるおい効果貼付剤が主に顔面に使用するものであるため、重要な効果である。
本発明のうるおい貼付剤を顔面に貼付したとき、基剤は直接肌に密着せず、油性化粧液の薄い層を介して接着する。このため基剤の接着性が弱くても肌への密着性が向上し、しかも皮膚へのうるおい効果が高められる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0023】
スチレン−エチレン/エチレンプロピレン−スチレントリブロック共重合体(スチレン含有量30%、セプトンSEEPS4033、メルトフロー値0.1以下、(株)クラレ製)20重量部、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体(スチレン含有量15%、クレイトンD−1107,メルトフロー値2.5、(株)クレイトンジャパン製)5重量部、精製オリーブスクワラン(日光ケミカル(株)製)50重量部、精製オリーブ油(サミット製油(株)製)40重量部、からなる混合物をニーダーに投入し、120℃で溶融混練してホットメルト組成物を得た。得られたホットメルト組成物を75μmポリエチレンテレフタレート離型フィルムの間にはさみ100℃に加熱したホットプレスを用いて加圧し厚さ0.5mmの基剤シートを得た。本基剤シートを長さ5cm、幅3cmの勾玉形状に切り出して底面が6x3cm深さ1cmのプラスチックトレイに入れ、そこに0.8mlの油性化粧液を入れて基剤シートを濡らすことにより美容シートを得た。ここで油性化粧液として、オクチルドデカノール(コグニスジャパン(株)製)80重量%と精製オリーブスクワラン(日光ケミカル(株)製)20重量%との混合物を用いた。
【実施例2】
【0024】
スチレン−エチレンブチレン−スチレントリブロック共重合体(スチレン含有量31%、セプトンSEBS8004、メルトフロー値0.1以下、(株)クラレ製)15重量部、スチレン/イソプレン・スチレン、トリブロック共重合体(スチレン含有量15%、クレイトンD−1107,メルトフロー値2.5、(株)クレイトンジャパン製)5重量部、スチレン/エチレンブチレン/スチレン、トリブロック共重合体(スチレン含有量30%、クレイトンG−1726,メルトフロー値65、(株)クレイトンジャパン製)5重量部、流動パラフィン(ナカライテスク(株)製)60重量部、ホホバ油(日光ケミカル(株)製)15重量部、及び酢酸トコフェロール(不二化学薬品(株)製)3.0重量部、からなる混合物をニーダーに投入し、120℃で溶融混練してホットメルト組成物を得た。得られたホットメルト組成物を75μmポリエチレンテレフタレート離型フィルムの間にはさみ、100℃に加熱したホットプレスを用いて加圧し厚さ0.5mmの基剤シートを得た。本基剤シートを長さ16cm、幅14cmのフェイスマスク形状(目、口のところは穴あき)に切り出して、2回折畳んでから底面が12x10cm深さ2cmのプラスチックトレイに入れ、そこに3.0mlの油性化粧液を入れて基剤シートを濡らすことにより美容シートを得た。ここで油性化粧液は、オクチルドデカノール(コグニスジャパン(株)製)50重量%と乳酸オクチルドデシル(日清オイリオ(株)製)35重量%と流動パラフィン(ナカライテスク(株)製)15重量%の混合物中に化粧用有価物として酢酸トコフェロールを1重量%溶解させたものであった。
【比較例】
【0025】
比較例1の美容シートは、実施例1の基剤構成のうちセプトンSEEPS4033を除外してクレイトンD−1107の量を25重量部とし、それ以外は実施例1と同様にして得た。
比較例2の美容シートは、実施例1の基剤構成のうちオイル成分である精製オリーブスクワランを10重量部、精製オリーブ油を3重量部と減量し、それ以外は実施例1と同様にして得た。
比較例3の美容シートは、油性化粧液を除外した以外は実施例1と同様にして得た。
比較例4の美容シートは、油性化粧液を精製オリーブスクワラン80重量%とオクチルドデカノール20重量%との混合物に代えた以外は、実施例1と同様にして得た。
比較例5の美容シートは、油性化粧液を精製水70重量%とグリセリン30重量%との混合物に代えた以外は、実施例1と同様にして得た。
比較例6の美容シートは、油性化粧液の精製オリーブスクワランを除外し、オクチルドデカノールのみとした以外は、実施例1と同様にして得た。
【試験結果】
【0026】
本発明の美容シートの取り扱い性と貼付感を検査するため、実施例1,2、比較例1,2の美容シートを用い、男女計5名のボランティアの頬部に30分貼付する試験を実施した。その結果を表1にまとめて示す。
本発明の美容シートのうるおい官能評価のため、実施例1,2、比較例3〜6の美容シートを用い、女性3名のボランティアの頬部に貼付し検査した。さらに美容シート基剤の油性化粧液中での形状安定性評価するため、40℃2週間放置して形状安定性を調べた。その結果を表2にまとめて示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚粘着性、低皮膚刺激性に優れ、有価物質の高濃度溶解性に優れた基材を用いて、生理活性成分を皮膚に有効に浸透させ、皮膚トラブルや皮膚疾患の改善効果の高い皮膚用貼付剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ニキビ、しみ、そばかす、日焼け後の色素沈着、乾燥、シワ、脱毛症、くすみ、くま、肌荒れなどの皮膚トラブルやアトピー性皮膚炎、老人性乾皮症、小児乾燥性湿疹、角化症、白癬症などの皮膚疾患の改善には、軟膏、クリーム、ローション等の基剤や、ハイドロゲルシートなどが使われている。軟膏、クリーム、ローション等はべたつき、衣服に付着し汚すばかりでなく、塗付できる量が限られ1日に何度も塗りなおす必要がある。貼付型剤形のハイドロゲル基剤は経皮吸収性が低く、長時間貼付すると水分の蒸発により粘着力が低下し、はがれやすい欠点がある。また、医薬貼付剤によく用いられているスチレン−イソプレンブロック共重合体に粘着付与樹脂とオイルを加えた基剤は粘着力が強すぎ皮膚刺激が強く、医薬品パッチとしてはともかく顔に貼る化粧品用の基剤としては不適当である。
【0003】
アクリル系、シリコン系あるいはスチレン−イソブチレン−スチレン共重合体を基剤としてライナー上に展膏した貼付剤(特許文献1)、粘着剤にグリセリンを含有させ高分子フィルムに塗布した貼付剤(特許文献2)、あるいは共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるトリブロック共重合体を基剤に用い、これに可塑化成分と生理活性成分とを配合して高分子フィルム上に塗布した皮膚用オイルゲル粘着剤(特許文献3)がすでに報告されている。
【0004】
美しいうるおいのある肌をめざした化粧剤として、架橋カルボキシル基含有高分子と多価アルコールを基剤とした皮脂除去用シート状パック剤(特許文献4)、吸油性ビニールポリマーを基剤とするシート状パック剤(特許文献5)、コラーゲンに海藻抽出物を含有させた皮膚外用剤(特許文献6)、γアミノ酪酸を不織布に含浸させた表皮機能改善剤(特許文献7)がすでに報告されている。
また、架橋高分子と不織布(特許文献8)、あるいは多価アルコールと不織布(特許文献9)を用いたシート状パック化粧料も報告されている。
【0005】
しかしながら、化粧用貼付剤として、ハイドロドゲル系貼付剤(特許文献4、6など)は油性の化粧用有価物を含浸し難い欠点がある。またポリマー系粘着剤とオイルの組合せであるオイルゲル系貼付剤は、皮膚への貼付のための粘着性が皮膚に物理的刺激を起こすことがあり、顔面に使用するには不十分な点が多い。
【先行技術文献】
【0006】
【特許文献】
【特許文献1】特開2000−344671号公報
【特許文献2】特開2000−281565号公報
【特許文献3】特開2002−284676号公報
【特許文献4】特開2002−020257号公報
【特許文献5】特開2002−370927号公報
【特許文献6】特開2004−035431号公報
【特許文献7】特開2009−107931号公報
【特許文献8】特開2001−213725号公報
【特許文献9】特開2009−084240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、生理活性成分を皮膚に有効に浸透させることができ、皮膚刺激作用が小さく、長時間貼付することができ、かつうるおい効果に秀でた化粧用貼付剤の開発である。そのためには、これまでの貼付剤の共通の欠点である皮膚刺激性を除去する必要があり、支持シートの使用を排してかつ十分な吸着性を有し、皮膚曲面への貼付適応性の良い貼付剤を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明に係る貼付剤は、基剤がスチレン系熱可塑性エラストマーとオイル成分からなり、オイル成分の主成分が液状炭化水素であり、この基剤を油性化粧液に浸漬させた美容シートであることを特徴とする。
本発明の美容シートは、肌のうるおい効果を高める作用があり、また支持シートを有しないのが特徴である。このような構成の美容シートを顔面に貼付した場合、基剤は直接肌に接着せず、油性化粧液の薄い膜(うるおい層)が基剤と肌の間に介在する。それためこのような構成の美容シートは、基剤の接着性が弱くても肌への密着性が向上し、しかも皮膚へのうるおい効果が高く、感触も良好となる。
【0009】
基剤の組成は、熱可塑性エラストマー100重量部に対し、オイル成分100−800重量部であることが好ましく、オイル成分が200−600重量部であればなお好ましい。
オイル成分が100重量部以下であると基剤が硬くなり皮膚へのフィット性が落ちる。一方800重量部以上であると基剤が柔らかくなりすぎ、シートとしての形状保持が困難となり、例えば貼付後皮膚から取り外す時に破れやすくなる。
なお、熱可塑性エラストマーとは、熱を加えると軟化して流動性を示し、冷却すればゴム状弾性体に戻る性質を持つ高分子物質をいう。
【0010】
熱可塑性エラストマーとしては、末端ブロックとしてポリスチレン(S)を有するスチレン系のものが適当である。スチレン系熱可塑性エラストマーの中間ブロックとして、ポリブタジエン(B)、ポリイソプレン(I)、ポリ(エチレン/ブチレン)(EB:−CH2−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−)、ポリ(エチレン/プロピレン)(EP:−CH2−CH2−CH(CH3)−CH2−)、ポリ(エチレン/エチレンプロピレン)(EEP:n−(−CH2−CH2)−m−(CH(CH3)−CH2−CH2−CH2)−))のいずれか又はこれらの組合せを有するものが好ましい。これらはトリブロック共重合体と呼ばれ、スチレン−ブタジエン−スチレンのように略記される。中間ブロックがエチレンやプロピレンを主成分とするものは中間ブロック内に二重結合を有しない。これらは中間ブロックが二重結合を有するブタジエンやイソプレンの場合より加熱成形時の酸化分解などによる着色が少なく特に好ましい。
【0011】
スチレン系熱可塑性エラストマーのメルトフロー値が2.0以下であることが好ましい。メルトフロー値が2.0以下であるとは、エラストマーが高粘度であることを示し、その5%トルエン溶液の溶液粘度が10〜1000mPa・sであることとほぼ対応する。メルトフロー値が2.0以上のエラストマーは、分子量が小さく凝集力が弱い。本発明の美容シートは支持体が無いのが特徴であり、美容シート自身が高い凝集力を持ち形状保持性を有する必要がある。そのためメルトフロー値が2.0以下であるような高分子量スチレン系熱可塑性エラストマーが望ましい。スチレン系熱可塑性エラストマーを複数種類用いる場合、それらの平均メルトフロー値が2.0以下であることが望ましい。ここで平均メルトフロー値及び平均溶液粘度は、各構成スチレン系熱可塑性エラストマーのメルトフロー値もしくは溶液粘度とその重量分率の積を総和したものと定義する。
【0012】
オイル成分の液状炭化水素としては、スチレン系熱可塑性エラストマーと相溶性がよい流動パラフィン、スクアレン、スクアラン、部分水素添加スクワレンのいずれかが好ましい。
オイル成分には、液状炭化水素の他に高級脂肪酸エステルを加えておくことが美容上好ましい。特に炭素数18の脂肪酸エステルを主成分とする油脂、例えばオリーブオイル、ツバキ油、月見草油であることがオイル成分との相溶性がよく特に好ましい。またホホバ油も好適に使用し得る。炭素数18以下である脂肪酸エステルを主成分とする油脂、例えばミンク油などはオイル成分との相溶性が悪く好ましくない。
【0013】
油性化粧液を基剤に含有させるには、基剤を油性化粧液中に浸漬させるのが簡単で効率的である。そのため油性化粧液は基剤との一定の親和性があり、基剤を膨潤あるいは収縮させないものである必要がある。油性化粧液の量は基剤を過不足無く覆って濡らす程度の量が最適である。油性化粧液の主成分(95−60%)は、常温で液体であるアルコール及び/またはエステルであり、液状炭化水素と親和性を有する。油性化粧液の残部(5−40%)は液状炭化水素とする。この液状炭化水素は基剤に含まれるものと同一であることが好ましい。なお、液状炭化水素は、基剤の膨潤性を調節するために必要である。
【0014】
油性化粧液は、疎水的性質を有する熱可塑性エラストマー及びオイル成分と親和性を有するように疎水的でなければならない。すなわち、油性化粧液の主成分がアルコールである場合、炭素数が10以上であるアルコールであることが必要であり、エタノール、グリセリンのような親水性アルコールは好ましくない。具体的にはオクチルドデカノール、ヘキシルデカノール及びイソステアリルアルコールからなるグループから選ばれたものであることが好ましい。油性化粧液の主成分がエステルである場合、ミリスチン酸インプロピル、パルミチン酸インプロピル、乳酸オクチルドデシルであることがなお好ましい。または、炭素数が18である脂肪酸とグリセリンのエステルであることがなお好ましい。油性化粧液はオイル成分と親和性を有するがスチレン系熱可塑性エラストマーに溶解するほどには疎水性で無いことが必要で、その観点から上記の物質が選定される。
【0015】
上記基剤あるいは油性化粧液あるいはその双方に化粧用有価物を添加してもよい。
本発明において化粧用有価物としては、特に限定されないが、ニキビ、しみ、日焼け後の色素沈着乾燥、シワ、脱毛症、くすみ、肌荒れ、セルライトや脂肪の沈着などの皮膚トラブルを解消し、美肌を保つ成分で、美白成分、抗シワ成分、血行促進成分、保湿成分、などがあげられ、これらの化粧用有価物を単独で用いても組み合わせて用いても良い。化粧用有価物が親油性である場合は、上記基剤あるいは油性化粧液によく溶解する。化粧用有価物が親水性の場合は溶解度が低いので低濃度に溶解させるか、均一に分散させるか、あるいは水に溶解させた後界面活性剤を加えて乳化状態で上記基剤あるいは油性化粧液に分散させてもよい。
【0016】
美白成分としては、特に限定されないが、たとえば、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、アスコルビン酸グルコシド及びその塩類及びアシル化誘導体、パルミチン酸アスコルビルなどのビタミンC誘導体、αアルブチン、β−アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、システイン、グルタチオン、エラグ酸、ルシノール、トラネキサム酸、などがあげられる。
【0017】
抗シワ成分としては、特に限定されないが、たとえば、レチノール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなどのレチノイド、などがあげられる。
抗炎症成分としては、特に限定されないが、たとえば、グリチルレチン酸、アラントイン、イプシロン−アミノカプロン酸、アズレン、シコニン、トラネキサム酸モモ葉、ビワ葉およびそれらのエキス、チンキあるいはそれらに含まれる成分などがあげられる。
【0018】
血行促進成分としては、特に限定されないが、たとえば、酢酸トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、ニコモール、カフェイン、カプサイシン、ノナン酸バニリルアミド、ショウガオール、ユーカリ、ヨヒンベおよびそれらのエキス、チンキあるいはそれらに含まれる成分などが挙げられる。
【0019】
保湿成分としては、特に限定されないが、たとえば、BG、PG、ジプロピレングリコール、グリセリン、マルチトール、トレハロースなどの多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸、乳酸、尿素、アミノ酸などのNMF成分、ヘパリン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キチン、キトサン、アルギン酸ナトリウム、などが挙げられる。
【0020】
うるおい効果貼付剤の効果的な使用のためには、その形状や包装形式も重要である。例えば目もとや口もと用の貼付用美容シートは勾玉状が良い。顔全体に貼付するにはフェイス用マスク状がよい。うるおい効果貼付剤の包装には、プレス加工したPE、PP、またはPET材質のトレイやカップに基材と油性化粧液を充填し密封するのが適当である。
【発明の効果】
【0021】
本発明のうるおい効果貼付剤は、従来品のように支持シートを使用しないため、支持シートによる皮膚刺激性を有しない。これはうるおい効果貼付剤が主に顔面に使用するものであるため、重要な効果である。
本発明のうるおい貼付剤を顔面に貼付したとき、基剤は直接肌に密着せず、油性化粧液の薄い層を介して接着する。このため基剤の接着性が弱くても肌への密着性が向上し、しかも皮膚へのうるおい効果が高められる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0023】
スチレン−エチレン/エチレンプロピレン−スチレントリブロック共重合体(スチレン含有量30%、セプトンSEEPS4033、メルトフロー値0.1以下、(株)クラレ製)20重量部、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体(スチレン含有量15%、クレイトンD−1107,メルトフロー値2.5、(株)クレイトンジャパン製)5重量部、精製オリーブスクワラン(日光ケミカル(株)製)50重量部、精製オリーブ油(サミット製油(株)製)40重量部、からなる混合物をニーダーに投入し、120℃で溶融混練してホットメルト組成物を得た。得られたホットメルト組成物を75μmポリエチレンテレフタレート離型フィルムの間にはさみ100℃に加熱したホットプレスを用いて加圧し厚さ0.5mmの基剤シートを得た。本基剤シートを長さ5cm、幅3cmの勾玉形状に切り出して底面が6x3cm深さ1cmのプラスチックトレイに入れ、そこに0.8mlの油性化粧液を入れて基剤シートを濡らすことにより美容シートを得た。ここで油性化粧液として、オクチルドデカノール(コグニスジャパン(株)製)80重量%と精製オリーブスクワラン(日光ケミカル(株)製)20重量%との混合物を用いた。
【実施例2】
【0024】
スチレン−エチレンブチレン−スチレントリブロック共重合体(スチレン含有量31%、セプトンSEBS8004、メルトフロー値0.1以下、(株)クラレ製)15重量部、スチレン/イソプレン・スチレン、トリブロック共重合体(スチレン含有量15%、クレイトンD−1107,メルトフロー値2.5、(株)クレイトンジャパン製)5重量部、スチレン/エチレンブチレン/スチレン、トリブロック共重合体(スチレン含有量30%、クレイトンG−1726,メルトフロー値65、(株)クレイトンジャパン製)5重量部、流動パラフィン(ナカライテスク(株)製)60重量部、ホホバ油(日光ケミカル(株)製)15重量部、及び酢酸トコフェロール(不二化学薬品(株)製)3.0重量部、からなる混合物をニーダーに投入し、120℃で溶融混練してホットメルト組成物を得た。得られたホットメルト組成物を75μmポリエチレンテレフタレート離型フィルムの間にはさみ、100℃に加熱したホットプレスを用いて加圧し厚さ0.5mmの基剤シートを得た。本基剤シートを長さ16cm、幅14cmのフェイスマスク形状(目、口のところは穴あき)に切り出して、2回折畳んでから底面が12x10cm深さ2cmのプラスチックトレイに入れ、そこに3.0mlの油性化粧液を入れて基剤シートを濡らすことにより美容シートを得た。ここで油性化粧液は、オクチルドデカノール(コグニスジャパン(株)製)50重量%と乳酸オクチルドデシル(日清オイリオ(株)製)35重量%と流動パラフィン(ナカライテスク(株)製)15重量%の混合物中に化粧用有価物として酢酸トコフェロールを1重量%溶解させたものであった。
【比較例】
【0025】
比較例1の美容シートは、実施例1の基剤構成のうちセプトンSEEPS4033を除外してクレイトンD−1107の量を25重量部とし、それ以外は実施例1と同様にして得た。
比較例2の美容シートは、実施例1の基剤構成のうちオイル成分である精製オリーブスクワランを10重量部、精製オリーブ油を3重量部と減量し、それ以外は実施例1と同様にして得た。
比較例3の美容シートは、油性化粧液を除外した以外は実施例1と同様にして得た。
比較例4の美容シートは、油性化粧液を精製オリーブスクワラン80重量%とオクチルドデカノール20重量%との混合物に代えた以外は、実施例1と同様にして得た。
比較例5の美容シートは、油性化粧液を精製水70重量%とグリセリン30重量%との混合物に代えた以外は、実施例1と同様にして得た。
比較例6の美容シートは、油性化粧液の精製オリーブスクワランを除外し、オクチルドデカノールのみとした以外は、実施例1と同様にして得た。
【試験結果】
【0026】
本発明の美容シートの取り扱い性と貼付感を検査するため、実施例1,2、比較例1,2の美容シートを用い、男女計5名のボランティアの頬部に30分貼付する試験を実施した。その結果を表1にまとめて示す。
本発明の美容シートのうるおい官能評価のため、実施例1,2、比較例3〜6の美容シートを用い、女性3名のボランティアの頬部に貼付し検査した。さらに美容シート基剤の油性化粧液中での形状安定性評価するため、40℃2週間放置して形状安定性を調べた。その結果を表2にまとめて示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基剤がスチレン系熱可塑性エラストマーとオイル成分からなり、オイル成分の主成分が液状炭化水素であり、この基剤を油性化粧液に浸漬させた美容シート。
【請求項2】
前記基剤の組成は、スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部に対し、オイル成分100〜800重量部であることを特徴とする請求項1に記載の美容シート。
【請求項3】
前記基剤の組成は、スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部に対し、オイル成分200〜600重量部であることを特徴とする請求項1に記載の美容シート。
【請求項4】
前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、末端ブロックがポリスチレン(S)であり、中間ブロックがポリブタジエン(B)、ポリイソプレン(I)、ポリエチレン/ブチレン(EB)、ポリエチレン/プロピレン(EP)、ポリエチレン/エチレンプロピレンからなるグループから選ばれた1又は複数のものからなることを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項5】
前記スチレン系熱可塑性エラストマーのメルトフロー値が2.0以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項6】
前記スチレン系熱可塑性エラストマーの5%トルエン溶液の溶液粘度が10〜1000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項7】
前記オイル成分の主成分である液状炭化水素が、流動パラフィン、スクアレン、スクアラン、部分水素添加スクワレンからなるグループから選ばれた1又は複数のものからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項8】
前記オイル成分には、前記液状炭化水素の他に高級脂肪酸エステルを含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項9】
前記高級脂肪酸エステルが、炭素数18の脂肪酸エステルを主成分とする油脂、例えばオリーブオイル、ツバキ油、月見草油、ホホバ油のいずれかであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項10】
前記油性化粧液の主成分(95−60%)は、炭素数10以上であり常温で液体であるアルコール若しくはエステルであり、残部(5−40%)は液状炭化水素であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項11】
前記油性化粧液の主成分が、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル及び乳酸オクチルドデシルからなるグループから選ばれた1又は複数のものからなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項12】
化粧用有価物が基剤及び油性化粧液のいずれか、あるいは双方に含有されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項1】
基剤がスチレン系熱可塑性エラストマーとオイル成分からなり、オイル成分の主成分が液状炭化水素であり、この基剤を油性化粧液に浸漬させた美容シート。
【請求項2】
前記基剤の組成は、スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部に対し、オイル成分100〜800重量部であることを特徴とする請求項1に記載の美容シート。
【請求項3】
前記基剤の組成は、スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部に対し、オイル成分200〜600重量部であることを特徴とする請求項1に記載の美容シート。
【請求項4】
前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、末端ブロックがポリスチレン(S)であり、中間ブロックがポリブタジエン(B)、ポリイソプレン(I)、ポリエチレン/ブチレン(EB)、ポリエチレン/プロピレン(EP)、ポリエチレン/エチレンプロピレンからなるグループから選ばれた1又は複数のものからなることを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項5】
前記スチレン系熱可塑性エラストマーのメルトフロー値が2.0以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項6】
前記スチレン系熱可塑性エラストマーの5%トルエン溶液の溶液粘度が10〜1000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項7】
前記オイル成分の主成分である液状炭化水素が、流動パラフィン、スクアレン、スクアラン、部分水素添加スクワレンからなるグループから選ばれた1又は複数のものからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項8】
前記オイル成分には、前記液状炭化水素の他に高級脂肪酸エステルを含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項9】
前記高級脂肪酸エステルが、炭素数18の脂肪酸エステルを主成分とする油脂、例えばオリーブオイル、ツバキ油、月見草油、ホホバ油のいずれかであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項10】
前記油性化粧液の主成分(95−60%)は、炭素数10以上であり常温で液体であるアルコール若しくはエステルであり、残部(5−40%)は液状炭化水素であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項11】
前記油性化粧液の主成分が、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル及び乳酸オクチルドデシルからなるグループから選ばれた1又は複数のものからなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の美容シート。
【請求項12】
化粧用有価物が基剤及び油性化粧液のいずれか、あるいは双方に含有されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の美容シート。
【公開番号】特開2012−12374(P2012−12374A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160077(P2010−160077)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(501296380)コスメディ製薬株式会社 (42)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(501296380)コスメディ製薬株式会社 (42)
【Fターム(参考)】
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