説明

おもちゃその他水に接触させて用いる物品及び擬餌鉤

【課題】 水中においては自動的に点灯操作が行われ、水中外では自動的に消滅する点灯式擬餌鉤を提供する。
【解決手段】透光材で構成した擬餌鉤主体1に発光ダイオードdおよびその電源Eを備えた回路装置Aを収設する。そして、回路装置Aの一対の端子a,bを、互いに導通する離開距離を置いて前記擬餌主体1の表面に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中等水に接触させて用いる擬餌鉤、おもちゃその他の物品及び擬餌鉤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
所謂光の反射は、魚を例えば、擬餌鉤に誘引するに効果的であることが知られており、このため、前記擬餌鉤の主体内に蓄光材を収設し、該蓄光材を光源として前記主体を通して当該擬餌鉤を照明する手段が採られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−276618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来例の光源として用いている蓄光材は太陽光や蛍光灯などの紫外線エネルギーを蓄積して発光するものであるため、そのエネルギー蓄積操作を必要とし、また、水中外でも発光するため無駄なエネルギー消費が行われ易く、材料的にも経時変化によって破損し易い欠点がある。
【0005】
本発明は、例えば斯様な従来例の欠点に着目し、水中や水に接触させて用い、本体内に電池と共に収設した回路装置の駆動によって作動して物理的に変化する擬餌鍵その他の物品の電池の無駄な消費を回避し、しかも、使用勝手の良好な製品を提供することを目的として創案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
おもちゃその他の物品の物品主体に、当該物品を物理的に変化させる作動装置と該作動装置を駆動する回路装置をその電源と共に収設し、該回路装置の一対の端子を、水に接触して互いに導通する離開距離を置いて前記物品主体の表面に配置した構成とし、なお具体的には、透光材で構成した擬餌鉤主体に、発光ダイオード及びその電源を備えた回路装置を収設し、該回路装置の一対の端子を、水中において互いに導通する離開距離を置いて前記擬餌主体の表面に配置した構成にすることにより擬餌鉤として好適な製品を提供できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、川や海の水中に投入すると電気抵抗が無限大であった端子間に水の電気抵抗が作用して回路が導通状態となって作動装置を駆動させ、従って、水に接触することにより物理的に、しかも、自動的に変化する物品を提供することができ、また、水中から揚げると端子間の抵抗が無限大となって回路を開いて電池の無駄な消費を避けることができ、好適な製品を提供できる。
【実施例】
【0008】
図1乃至図3は本発明に係る擬餌鉤の実施例を示し、図1は第一実施例の一部欠截正面図、図2は第二実施例の一部欠截正面図、図3は第三実施例の一部欠截正面図、図4は第一乃至第三の各実施例に適用した回路装置の回路図である。
【0009】
本発明に係る擬餌鉤A は、擬餌鉤主体1と該主体1の適所に取付けた鉤2とで構成したもので、擬餌鉤主体1は、透光材料(概し、合成樹脂)で構成して電池Eと該電池Eを電源とする発光ダイオードdを備えた回路装置Mが収納され、該回路装置Mの一対の端子(電極)a,bを前記主体1表面に導出してセンサー端子として機能させるようにしてある。因みにここでいうセンサー端子としての機能とは、端子a,bを含んだ前記擬餌鉤主体1が河川や海の水中に沈んで端子a,bが当該水に接触したとき該水の電気抵抗分により導通状態になることをいう。
【0010】
前記回路装置Mは、プリント基板3に電池Eおよび発光ダイオードdを備え、図4で示す回路図の構成を採るものである。すなわち、端子a,bが大気中にあるとき(魚釣りをしていないとき)は、a−b間の抵抗値は無限大で、c点の電位は抵抗Rによって接地「0V」で、コントロール回路(トランジスター)TrはOFF状態を維持し、電流は回路を流れずダイオードdは点灯しない。そして、端子a−bが水中に投入されると(魚釣り時において)、端子a−b間は、水の電気抵抗分により電池Eの+側に接続され、c点の電位はR(a−b):Rの比率で+側の電圧となり、コントロール回路Trは電圧上昇を検知して回路内に電流を流し、発光ダイオードdを点灯させ、その光は主体1を透過して魚を誘引するのである。
【0011】
なお、再び大気中に置くと(魚鉤の状態を停止すると)a−b間の抵抗値が無限大となって回路が開くことになり、電池Eの電気消費を規制する。
【0012】
図1で示す第一実施例は、魚状の擬餌鉤主体1に前記回路装置Mを密閉状にして収設して構成したもので、この実施例は回路装置Mの水との接触を確実に防ぎ、水との接触による該装置Mの故障を防ぐことができるが、電池Bの電気消耗により使用に耐えられなくなるので、いわば使い捨て用として適用するものである。
【0013】
図2および図3で示す第二、第三実施例は、電池Eの交換ができるようにして永年の使用に耐え得るようにしたもので、図2の第二実施例は、魚状の擬餌鉤主体1を頭部側の中空状の一半部1Aと、尾部側の、中実状の他の一半部1Bに分割し、一半部1Aに雌ねじ部11を設ける一方、他の一半部1B側に該雌ねじ部11に螺合する雄ねじ部12を突設し、雌ねじ部11を通じて取り出し自在にして内腔部4に回路装置Aを収容した前記一半部1Aの雌ねじ部11にパッキン13を介して雄ねじ部12を螺合して各半部をA,1Bを互いに接続して主体1としたものである。
【0014】
図3の第三実施例は、中空の擬餌鉤主体1に窓口4aを設けて内腔部4を開口し、該開口部である窓口4aに蓋板14を前記主体1にねじ15で止着するようにして前記内腔部4を閉塞し、取り出し自在に内腔部4に納めた回路装置Mの水との接触を防ぐようにしたものである。なお、16は止水用の弾性片を示す。
【0015】
各実施例における発光ダイオードdは点滅点灯式のものと連続点灯式のものいずれも不都合はないし、赤、青、緑等いずれの点灯色のものでも差し支えはない。
【0016】
図5は、所謂船おもちゃA に本発明を適用した略示説明図で、船おもちゃA は、おもちゃ主体1´、回路装置M´を収設し、該回路装置M´を第一実施例と同様に発光ダイオードdおよび電池E(交換自在にして)を備えさせると共に、発光ダイオードdが点灯すると同時に電池Eを電源として作動するスクリュー装置Sを備えさせ、前記主体1´の船底表面に回路装置M´の一対の端子(電極)a,bに導出して第一乃至第三実施例と同様にセンサー端子として機能させるようにしてある。すなわち、船おもちゃA は水に浮かべると接点a,bが導通して回路が閉じ、発光ダイオードdが点灯し、スクリュー装置S(なお、mはモーターを示す)が作動して水上を走行するのである。
【0017】
本発明は、実施例として示したものに限らず、要は、水に接触させて用い、かつ、水との接触によって物理的に変化させる作動装置とその駆動回路を備えたものであれば、種々様々な物品(概し、趣味、娯楽用品やおもちゃの類)に適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第一実施例の一部欠截正面図。
【図2】第二実施例の一部欠截正面図。
【図3】第三実施例の一部欠截正面図。
【図4】実施例に適用した回路装置の回路図。
【図5】他実施例の略示説明図。
【符号の説明】
【0019】
1 擬餌鉤主体
1´ おもちゃ主体
M,M´ 回路装置
E 電源
a,b 接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
おもちゃその他の物品の物品主体に、当該物品を物理的に変化させる作動装置と該作動装置を駆動する回路装置をその電源と共に収設し、該回路装置の一対の端子を、水に接触して互いに導通する離開距離を置いて前記物品主体の表面に配置した、おもちゃその他水に接触させて用いる物品。
【請求項2】
透光材で構成した擬餌鉤主体に、発光ダイオード及びその電源を備えた回路装置を収設し、該回路装置の一対の端子を、水中において互いに導通する離開距離を置いて前記擬餌主体の表面に配置した、擬餌鉤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−282843(P2007−282843A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−113346(P2006−113346)
【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
【出願人】(506075562)
【出願人】(506075573)有限会社アルテクス (2)
【出願人】(392028619)有限会社アクテム・イー・アンド・エム (2)
【Fターム(参考)】