説明

がんの治療のために有用なMK−0457の新規乳酸製剤

MK−0457の乳酸製剤、及びその製剤の調製方法が開示される。このような製剤はがんの治療に有用である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
セリン/スレオニンキナーゼのオーロラ(Aurora)A、B及びCのファミリーは、有系分裂への進入及び有糸分裂を通じた進行に必須である。オーロラAは、有糸分裂の開始を調節して、中心体成熟、細胞分裂の間の二極性紡錘体の確立、及び紡錘体への染色体の付着に重要な役割を果たす。オーロラBは、有糸分裂の後期段階においてさらに重要な役割を有する染色体パッセンジャータンパク質であり、これは染色体配列、有糸分裂チエックポイント及び細胞質分裂について必要である。オーロラCの機能はまだ明確ではない。
【0002】
MK−0457は、がんの治療のために開発されている、強力であってかつ極めて高い選択性を持つオーロラキナーゼインヒビターである。MK−0457は、有系分裂への進入及び有系分裂の進行を遅らせて;細胞質分裂なしの有糸分裂からの脱出、並びにアポトーシスの誘導を引き起こす。MK−0457は、種々の固形腫瘍、白血病及びリンパ腫に対してインビトロ及びインビボにおいて強力な活性を有する。
【0003】
MK−0457は、第I相試験のために凍結乾燥された硫酸塩生成物として最初に処方された。硫酸塩として最初に調製されたMK−0457の溶解度は30mg/mLであった。しかし、製造の間、わずか1mg/mLの溶解度しか有さない熱力学的に安定な多形体が発見かつ生成された。塩のスクリーニングを行って、MK−0457のさらなる可溶性を持つ製剤を決定したが、これはいくつかの結晶性の薬学的に関連の塩に復帰し、この塩としては、限定はしないが、リン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、トシレート及びベシレート(besylate)が挙げられ、この全てが約2mg/mLという最大溶解度である。驚くべきことに、乳酸を利用するMK−0457の新規な製剤は、20mg/mLという溶解度を有するものとして特定された。
【0004】
MK−0457は現在、第II相の臨床の腫瘍学的治験中である。
【0005】
がん治療の必要な患者に対しMK−0457を送達することによって利点をもたらす特性によって特徴付けられる、MK−0457の新規な乳酸製剤及びその調製方法を提供することが本発明の目的である。
【発明の概要】
【0006】
発明の要旨
MK−0457の乳酸製剤、及びその製剤の調製方法が開示される:
【0007】
【化1】

【0008】
このような製剤は、がんの治療に有用である。
【0009】
発明の詳細な記載
本発明は、MK−0457:
【0010】
【化2】

【0011】
の乳酸製剤に関する。
【0012】
MK−0457の乳酸製剤は、溶解度の改善をもたらす(20mg/mL)ということが驚くべきことに発見されてきた。
【0013】
本発明はまた、MK−0457の乳酸製剤の調製方法であって、乳酸溶液とある量のMK−0457とを混合する工程及び糖を添加する工程を含むことを特徴とする、前記方法に関する。
【0014】
本発明のプロセスのある実施態様では、この方法は、全ての成分が溶解するまで混合する工程をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
本発明のプロセスの別の実施態様では、この方法は、pHを調節する工程をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
本発明のプロセスの別の実施態様では、この乳酸溶液は、1mg/mL〜100mg/mLの濃度範囲を有する。
【0017】
本発明のプロセスの別の実施態様では、この乳酸溶液は、5mg/mL〜50mg/mLの濃度範囲を有する。
【0018】
本発明のプロセスの別の実施態様では、この乳酸溶液は、20mg/mLの濃度を有する。
【0019】
本発明のプロセスの別の実施態様では、この乳酸溶液は、10mg/mLの濃度を有する。
【0020】
本発明のプロセスの別の実施態様では、MK−0457の量は、1mg〜2000mgにおよぶ。
【0021】
本発明のプロセスの別の実施態様では、MK−0457の量は、2mg〜1000mgにおよぶ。
【0022】
本発明のプロセスの別の実施態様では、MK−0457の量は、5mg〜500mgにおよぶ。
【0023】
本発明のプロセスの別の実施態様では、MK−0457の量は、100mg〜500mgにおよぶ。
【0024】
本発明のプロセスの別の実施態様では、MK−0457の量は、200mgである。
【0025】
本発明のプロセスの別の実施態様では、糖は、マンニトール又はデキストロースから選択される。
【0026】
本発明のプロセスの別の実施態様では、この糖は、張度(tonicity)に達するために添加される。
【0027】
本発明のプロセスの別の実施態様では、pHは、約2.5〜4.5の範囲に調節される。
【0028】
本発明のプロセスの別の実施態様では、pHは、約3〜3.5の範囲に調節される。
【0029】
MK−4507の乳酸製剤はさらに、薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含んでもよい。これに関しては、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第16版,1980,Mack Publishing Company,Osolら編集、を参照のこと。このような組成物は、血清タンパク質のようなタンパク質、例えばヒト血清アルブミンなどを含んでもよい。投与前に凍結乾燥製剤を再構成するための適切な希釈剤としては、例えば、滅菌水、等張性生理食塩水、デキストロース希水溶液、多価アルコール又はこのようなアルコールの混合物、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどを挙げることができる。ここで用いられる場合「薬学的に許容される(pharmaceutically acceptable)」とは、例えば、ヒト、ウマ、ブタ、ウシ、マウス、イヌ、ネコ又は他の哺乳動物を含む温血動物、並びに、鳥類又は他の温血動物の治療又は診断において有用である薬剤をいう。再構成された製剤の好ましい投与態様は、非経口的であり、詳細には、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内又はリンパ管内の経路による。
【0030】
本明細書において用いる場合、「組成物(composition)」及び「製剤(formulation)」という用語は、特定の成分を含む生成物、及び特定の成分の組み合わせから直接又は間接的に生じる任意の生成物を包含するものとする。
【0031】
本発明の製剤はまた、別の抗がん剤と組み合わせて投与されてもよい。
【0032】
静脈投与については、この組成物は好ましくは、患者に投与される量が、約0.01g〜約1gのMK−0457となるように調製される。好ましくは、投与される量は、MK−0457の約0.2g〜約1gの範囲となる。本発明の塩は、治療されるべき疾患症状又は改変されるべき生物学的影響、この塩が投与される態様、患者の年齢、体重及び状態のような要因、並びに治療医によって決定されるべき他の要因に依存して、広範な投薬範囲にわたって有効である。したがって、任意の所定の患者に投与される量は、個々に基づいて決定されなければならない。
【0033】
特定の試薬及び反応条件が、以下の実施例に概説されるが、改変が行なわれてもよく、そして本発明の趣旨及び範囲によって包含されることを意味しているということを当業者は理解する。したがって、以下の製剤及び実施例は、本発明をさらに例示するために提供されるものであり、限定ではない。
【0034】
有用性
本明細書に提供される製剤及び方法は特に、がんの治療に有用であるとみなされる。本発明の製剤及び方法によって治療され得るがんとしては、限定はしないが以下が挙げられる:心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、胎児型性横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫;:気管支がん(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大型細胞、腺がん)、肺胞性(細気管支がん)、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫、非小細胞;胃腸:食道(扁平上皮がん、悪性腺腫、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(がん、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(導管腺がん、膵島細胞腺腫、グルカゴン産生腫瘍、ガストリノーマ産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、ビポーマ(vipoma))、小腸(腺がん、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、線維腫)、大腸(悪性腺腫、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)結腸、結腸直腸、直腸;尿生殖路:腎臓(悪性腺腫、ウィルムス腫瘍[腎芽腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮がん、移行上皮がん、腺がん)、前立腺(腺がん、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胎生期がん、奇形がん、絨毛膜がん、肉腫、間質細胞がん、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝細胞がん(肝細胞がん腫)、胆管がん、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性の線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性の巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫(chondromyxofibroma)、類骨骨腫、及び巨細胞腫瘍;神経系:頭蓋骨(骨腫瘍、血管腫、肉芽腫、黄色種、変形性骨炎)、髄膜(髄腹腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性膠芽腫、乏突起細胞腫、シュワン細胞腫、網膜細胞芽腫、先天性腫瘍)、脊椎神経繊維腫、髄腹腫、神経膠腫、肉腫);婦人科医学的:子宮(子宮内膜がん)、子宮頸部(頸がん、前腫瘍子宮頸管異形成)、卵巣(卵巣がん[漿液性嚢胞腺がん、ムチン性嚢胞腺がん、未分類がん腫]、顆粒膜−莢膜細胞腫瘍(granulosa thecal cell tumors)、セルトリ−ライディヒ(Sertoli−Leydig)細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮がん、上皮内がん、腺がん、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞がん、扁平上皮がん、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファロピウス管(がん腫);乳房;血液学的:血液(骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性の黒色腫、基底細胞がん、扁平上皮がん、カポジ肉腫、異形成母斑(moles dysplastic nevi)、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;並びに副腎:神経芽細胞腫。したがって「がん細胞(cancerous cell)」という用語は、本明細書において用いられる場合、上記で特定された症状のいずれか1つに罹患している細胞を包含する。
【0035】
本発明の製剤及び方法によって治療され得るがんとしては、限定はしないが以下が挙げられる:乳房、前立腺、結腸、結腸直腸、肺、脳、精巣、胃、卵巣、膵臓、皮膚、小腸、大腸、咽頭、頭頸部、口腔、骨、肝臓、膀胱、腎臓、甲状腺及び血液のがん。
【0036】
本発明の製剤及び方法によって治療され得るがんとしては以下が挙げられる:乳がん、前立腺がん、結腸がん、卵巣がん、結腸直腸がん、及び肺がん。
【0037】
本発明の製剤及び方法によって治療され得るがんとしては以下が挙げられる:乳がん、結腸(結腸直腸)がん、及び肺がん(非小細胞肺がん)。
【0038】
本発明の製剤及び方法によって治療され得るがんとしては以下が挙げられる:リンパ腫及び白血病。
【0039】
本発明の製剤及び方法によって治療され得るがんとしては以下が挙げられる:骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫]。
【0040】
本発明の製剤及び方法によって治療され得るがんとしては以下が挙げられる:骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球性白血病、骨髄増殖性疾患。
【0041】
本発明の製剤及び方法によって治療され得るがんとしては以下が挙げられる:慢性骨髄性白血病(CML)及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)。
【0042】
本発明の製剤及び方法によって治療され得るがんとしては以下が挙げられる:慢性骨髄性白血病(CML)。
【0043】
本発明の製剤はまた、がんを治療するのに有用である医薬を調製するのに有用である。
【0044】
MK−0457は本明細書の一般的なスキーム及び実施例に従って合成してもよい(参照によって本明細書に援用される、WO04/000833も参照のこと)。さらに、MK−0457は、当業者に公知の方法によって合成されてもよい。
【0045】
一般的なスキーム:
【0046】
【化3】

【0047】
製造例1〜4は、上記の一般的スキームについて言及する。
【0048】
製造例1(Example 1)
4,6−ジクロロピリミジン−2−メチルスルホン(A):以下の方式で、Koppellら,JOC,26,1961,792に記載されるのと実質的に同様の方法によって調製した。0℃でジクロロメタン(1L)中の4,6−ジクロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン(50g,0.26mol)の攪拌溶液に、20分間にわたってメタ−クロロペルオキシ安息香酸(143.6g、0.64mol)を添加した。その溶液を室温まで温めさせて、4時間攪拌させた。この混合物をジクロロメタン(1.5L)で希釈し、次いで連続的に、50%のNa/NaHCO溶液(2×200ml)、飽和NaHCO溶液(4×300ml)、及び飽和食塩水(200ml)を用いて処理し、次いで乾燥した(MgSO)。その溶媒を真空下で除去して灰色がかった白色固体を得、これをEtOAc(1L)中に再溶解して、連続的に、飽和NaHCO溶液(3×300ml)、及び飽和食塩水(100ml)で処理し、次いで乾燥した(MgSO)。その溶媒を真空中で除去し、表題の化合物(A)を白色固体として得た(55.6g、96%の収率)。H NMR CDClδ3.40(3H,s,CH3),7.75(1H.s.ArH)。
【0049】
製造例2(Example 2)
シクロプロパンカルボン酸[4−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−2−イルスルファニル)−フェニル]−アミド(C):t−ブタノール(300ml)中の化合物A(10g、44.04mmol)及びシクロプロパンカルボン酸(4−メルカプト−フェニル)−アミド(B,8.51g、44.04mmol)の懸濁液を、エバキュエィション、次いで窒素でのフラッシュによって脱気した。この混合物を窒素雰囲気下で90℃で1時間撹拌し、次いでその溶媒を真空中で除去した。その残渣を酢酸エチル(600ml)に溶解し、炭酸カリウム及び塩化ナトリウムの水溶液で洗浄した。その有機抽出物を、硫酸マグネシウムで乾燥して、低容積まで濃縮し、そして結晶化させた。生成物Cを無色の結晶として収集した(11.15g、74%)。H−NMR DMSO−d,δ0.82−0.89(4H,m)、1.80−1.88(1H,m)、7.55(2H,d)、7.70−7.76(3H,m)、10.49(1H,s);M+H,340。
【0050】
製造例3(Example 3)
シクロプロパンカルボン酸{4−[4−クロロ−6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルスルファニル]−フェニル}アミド(D):ジメチルホルムアミド(6ml)中の化合物C(1.0g、2.94mmol)及び3−アミノ−5−メチルピラゾール(314mg、3.23mmol)の混合物を、ジイソプロピルエチルアミン(0.614ml,3.53mmol)及びヨウ化ナトリウム(530mg、3.53mmol)で処理した。この混合物を、窒素下85°で4時間攪拌し、室温に冷却して、酢酸エチルで希釈した。その溶液を水で洗浄し(×4)、硫酸マグネシウムで乾燥して、5mlまで濃縮して、結晶化及び無色結晶の回収の際に、表題の化合物Dを得た(920mg、78%)。H−NMR DMSO−d,δ0.80−0.87(4H,m)、1.77−1.85(1H,m)、1.92(1H,s)、5.24(1H,br s),6.47(1H,br s),7.55(2H,d),7.70−7.80(2H,m),10.24(1H,s),10.47(1H,s),11.92(1H,s)。
【0051】
製造例4(Example 4)
シクロプロパンカルボン酸{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルスルファニル]−フェニル}−アミド(I):化合物D(2.373g、5.92mmol)を、N−メチルピペラジン(10ml)で処理して、その混合物を110°で2時間撹拌した。過剰のN−メチルピペラジンを真空中で除去し、次いでその残渣を酢酸エチル中に溶解し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、濃縮した。その残渣をメタノールから結晶化して、所望の生成物Iの無色の結晶を得た(MK−0457)(1.82g、66%)、H−NMR DMSO−d、δ0.81(4H,d)、1.79(1H,m)、2.01(3H,s)、2.18(3H,s)、2.30(4H,m)、3.35(マスクされた信号)、5.42(1H,s)、6.02(1H,br s)、7.47(2H,d)、7.69(2H,d)、9.22(1H,s)、10.39(1H,s)、11.69(1H,s)。
【0052】
本発明の製剤は、ヒトを含む哺乳動物に対して、単独で、又は薬学的に許容される担体、賦形剤若しくは希釈剤と組み合わせて、医薬組成物中で、標準的な薬学的プラクティスに従って投与してもよい。この化合物は、経口的に、又は静脈内、筋肉内、腹腔内、及び皮下の投与の経路を含む、非経口的に投与されてもよい。
【0053】
活性成分を含む医薬組成物は、経口使用に適切な形態で、例えば、錠剤、トローチ、トローチ剤(lozenges)、水性若しくは油性の懸濁剤、分散性の粉末若しくは顆粒、エマルジョン、硬カプセル若しくは軟カプセル、又はシロップ若しくはエリキシルとしてであってもよい。経口使用が意図される組成物は、医薬組成物の製造のための当該分野で公知の任意の方法に従って調製されてもよく、そしてこのような組成物は、薬学的に洗練されかつ口当たりのよい製剤を得るために、甘味剤、香味剤、着色剤及び保存剤からなる群より選択される1つ以上の薬剤を含んでもよい。錠剤は、錠剤の製造に適切な非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合されて活性成分を含む。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤/充填剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、マンニトール、スクロース、デンプン、カオリン、第二リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム;造粒剤及び崩壊剤、例えば、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム(sodium crosscarmellose)、コーンスターチ、クロスポビドン(crospovidone)、デンプングリコール酸ナトリウム、又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、セルロース高分子(ヒドロキシプロピルセルロース、HPMC、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース)、ゼラチン、ポリビニル−ピロリドン又は合成ガム(アカシア、グアーガム、キサンタンガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、カラギナン)、及び滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素又はタルクであってもよい。錠剤は、コーティングされなくてもよいし、或いはそれらは、薬物の好ましくない味を覆い隠すため、物理的外観を改善するため、又は胃腸管での崩壊及び吸収を遅らせ、それによって長期間にわたって徐放性作用を得るために公知の技術によってコーティングされてもよい。例えば、任意の水溶性の食味マスキング物質、例えば、限定はしないが、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、セラック、Eudragit、酢酸フタル酸セルロース、若しくはヒドロキシプロピルセルロース、又は時間遅延性物質、例えば、エチルセルロース、酢酸酪酸セルロース、酪酸セルロース、又はEudragitsが使用されてもよい。
【0054】
経口使用のための製剤はまた、硬カプセル(ここでは、活性成分は、不活性な固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンと混合される)として、又は軟カプセル(ここでは活性成分は、水溶性担体、例えば、ポリエチレングリコール又は油状媒体、例えば、ピーナツオイル、流動パラフィン、又はオリーブ油と混合される)として与えられてもよい。
【0055】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適切な賦形剤と混合して活性物質を含む。このような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチル・セルロース・ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカント・ガム(gum tragacanth)及びアカシア・ガム(gum acacia)である;分散剤又は湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、例えば、レシチン、又は酸化アルキレンと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、又は酸化エチレンと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレン−オキシセタノール、又は酸化エチレンと脂肪酸及びヘキシトール由来の部分的エステルとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレン・ソルビトール・モノオレエート、又は酸化エチレンと脂肪酸及び無水ヘキシトール由来の部分的エステルとの縮合生成物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート又は非イオン性サーファクタント(tween又はTPGS)、又はその他、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドキュセート・ナトリウム、ポリエチレン−ポリプロピレンブロックコポリマー(ポリオキサマー)であってもよい。水性懸濁液はまた、1つ以上の保存剤、例えば、エチル又はn−プロピル p−ヒドロキシベンゾエート、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤、及び1つ以上の甘味剤、例えば、スクロース、サッカリン又はアスパルテームを含んでもよい。
【0056】
油状の懸濁物は、植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油若しくはココナツオイル(やし油)中に、又は鉱油、例えば、液体パラフィンのような鉱油中に活性成分を懸濁することによって処方されてもよい。この油状懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜ろう、硬カプセル又はセチルアルコールを含んでもよい。甘味剤、例えば、上記の甘味剤及び香味剤が、口当たりのよい経口製剤を得るために添加されてもよい。これらの組成物は、ブチル化ヒドロキシアニソール又はαトコフェノールのような抗酸化剤の添加によって保存されてもよい。
【0057】
水への添加による水性懸濁液の調製に適切な分散性の粉末及び顆粒によって、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1つ以上の保存剤と混合した活性成分が得られる。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、既に上記されたものによって例示される。さらなる賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤及び着色剤も存在してもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸のような抗酸化剤の添加によって保存されてもよい。
【0058】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態であってもよい。油相は、植物油、例えば、オリーブオイル、又はラッカセイ油、又は鉱油、例えば、液体パラフィン、又はこれらの混合物であってもよい。適切な乳化剤は、天然に存在するホスファチド(リン脂質)、例えば、大豆レシチン、並びに脂肪酸及びヘキシトール無水物由来のエステル又は部分エステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、及びこの部分エステルと酸化エチレンとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってもよい。このエマルジョンはまた、甘味剤、香味剤、保存剤及び抗酸化剤を含んでもよい。
【0059】
シロップ及びエリキシルは、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースとともに処方されてもよい。このような製剤はまた、粘滑剤、保存剤、香味剤及び着色剤及び抗酸化剤を含んでもよい。
【0060】
この医薬組成物は、滅菌注射用水溶液の形態であってもよい。とりわけ使用され得る許容されるビヒクル及び溶媒は、水、リンゲル溶液、及び等張性塩化ナトリウム溶液である。
【0061】
滅菌の注射用製剤はまた、活性成分が油相に溶解されている滅菌の注射用水中油型マイクロエマルジョンであってもよい。例えば、活性成分は、大豆油及びレシチンの混合物に最初に溶解されてもよい。次いで、この油溶液を、水及びグリセロール混合物に導入し、処理してマイクロエマルジョンを形成する。
【0062】
注射用液又はマイクロエマルジョンは、局所ボーラス注射によって患者の血流に導入されてもよい。或いは、本発明の化合物の一定の循環濃度を維持するような方法で、この溶液又はマイクロエマルジョンを投与することが有利であり得る。このような一定濃度を維持するために、持続静脈内送達デバイスを利用してもよい。このようなデバイスの例は、Deltec CADD−PLUS(商標)モデル5400静脈内ポンプである。
【0063】
医薬組成物は、筋肉内投与及び皮下投与のための滅菌の注射用の水性又は油性の懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、上述されている適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用いて、公知の技術に従って処方されてもよい。この滅菌注射用製剤はまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口の許容される希釈液又は溶媒中の滅菌の注射用液又は懸濁液であってもよい。さらに、滅菌の固定油が、溶媒又は懸濁媒体として従来から使用される。この目的のために、合成のモノグリセリド又はジグリセリドを含む異なる鎖の長さのトリグリセリド(例えば、ダイズ油、ココナツ油、及びサフラワー油)から構成される任意の非刺激性固定油が使用されてもよい。さらに、脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸は、注射用製剤において用途を見出す。
【0064】
本発明による組成物がヒト患者に投与される場合、その1日投薬量は通常、処方医師によって決定され、それは、個々の患者の年齢、体重及び応答、並びに患者の症状の重篤度に従って一般に変化する。
【0065】
本発明の製剤を利用する投薬レジメンは、タイプ、種、年齢、体重、性別及び治療されているがんのタイプ;治療されるべきがんの重篤度(すなわち段階);投与経路;患者の腎機能及び肝機能;並びに使用される特定の化合物又はその塩を含む種々の要因に従って選択されてもよい。通常の技術の医師又は獣医師は、疾患の進行を治療、例えば、予防、阻害(完全に又は部分的に)又は停止させるのに必要な薬物の有効量を容易に決定及び処方し得る。例えば、本発明の製剤は、最大1000mgまでの合計一日用量が投与されてもよい。本発明の製剤は、1日1回(QD)投与されてもよいし、又は1日2回(BID)及び1日3回(TID)のような一日に複数回の投与に分けられてもよい。本発明の製剤は、最大1000mgまで、例えば、200mg、300mg、400mg、600mg、800mg又は1000mgの合計一日用量が投与されてもよく、この用量は、1日1用量で投与されてもよいし、又は上記のように一日に複数回の用量に分けられてもよい。
【0066】
さらに、この投与は、連続、すなわち、毎日であっても、又は間欠的であってもよい。「間欠的な(intermittent)」又は「間欠的に(intermittently)」という用語は、本明細書において用いる場合、一定又は不定期の間隔のいずれかで停止すること及び開始することを意味する。例えば、本発明の製剤の間欠投与は、1週あたり1〜6日投与されてもよく、又はサイクルでの投与を意味してもよく(例えば、2〜8連続週の間の毎日投与、次いで、最大1週まで投与なしの休止期間)、又は1日おきの投与を意味してもよい。
【0067】
さらに、本発明の製剤は、任意の上記のスケジュールに従って、連続して2〜3週間、その後に休止期間を続けて投与されてもよい。例えば、本発明の製剤は、上記のスケジュールのいずれか1つに従って、2〜8週間、その後に1週間の休止期間を続けて、又は1週に3〜5日間、100〜500mgの用量で毎日2回投与されてもよい。別の特定の実施態様では、本発明の製剤は、2週間連続して、毎日3回、続いて1週の休止を設けて投与されてもよい。
【0068】
別の実施態様では、本発明の製剤は、14〜28日ごとのサイクル間隔によって24〜64mg/m/時間で5日間の連続注入で静脈内投与されてもよい。別の実施態様では、この製剤は、14〜28日ごとのサイクル間隔によって6〜12mg/m/時間で5日間の連続注入で静脈内投与されてもよい。別の実施態様では、この製剤は、14〜28日ごとのサイクル間隔によって8〜10mg/m/時間で5日間の連続注入で静脈内投与されてもよい。別の実施態様では、この製剤は、14〜21日ごとに32〜200mg/m/時間で24時間の注入で静脈内投与されてもよい。別の実施態様では、この製剤は、14〜21日ごとに32〜64mg/m/時間で24時間の注入で静脈内投与されてもよい。別の実施態様では、この製剤は、21〜28日ごとに8〜12mg/m/時間で48時間の注入で静脈内投与されてもよい。別の実施態様では、この製剤は、14〜21日ごとに32〜200mg/m/時間で6時間の注入で静脈内投与されてもよい。別の実施態様では、この製剤は、14〜21日ごとに32〜64mg/m/時間で6時間の注入で静脈内投与されてもよい。別の実施態様では、この製剤は、14〜21日ごとに32〜200mg/m/時間で3時間の注入で静脈内投与されてもよい。別の実施態様では、この製剤は、14〜21日ごとに32〜64mg/m/時間で3時間の注入で静脈内投与されてもよい。
【0069】
別の実施態様では、この製剤は、14〜28日ごとのサイクル間隔によって24〜64mg/m/時間で5日間の連続注入で静脈内投与されてもよい。別の実施態様では、この製剤は、21日ごとのサイクル間隔によって8〜10mg/m/時間で5日間の連続注入で静脈内投与されてもよい。別の実施態様では、この製剤は、21日ごとに64〜96mg/m/時間で24時間の注入で静脈内投与されてもよい。別の実施態様では、この製剤は、21日ごとに32〜64mg/m/時間で24時間の注入で静脈内投与されてもよい。別の実施態様では、この製剤は、14〜21日ごとに32〜200mg/m/時間で6時間の注入で静脈内投与されてもよい。別の実施態様では、この製剤は、14〜21日ごとに32〜200mg/m/時間で3時間の注入で静脈内投与されてもよい。
【0070】
本発明の製剤の任意の1つ以上の特定の用量及び投薬スケジュールはまた、併用治療で用いられるべき任意の1つ以上の治療剤(本明細書において以降では、「第二の治療剤(second therapeutic agent)」と呼ばれる)にも適用可能であり得る。
【0071】
さらに、この第二の治療剤の特定の用量及び投薬スケジュールはさらに変化してもよく、そしてこの最適用量、投薬スケジュール及び投与経路は、用いられている特定の第二の治療剤に基づいて決定される。
【0072】
当然ながら、本発明の製剤の投与経路は、第二の治療剤の投与経路に依存しない。ある実施態様では、本発明の製剤の投与は、経口投与である。別の実施態様では、本発明の製剤の投与は静脈内投与である。したがって、これらの実施態様に従って、本発明の製剤は、経口的に又は静脈内に投与され、そしてこの第二の治療剤は、経口的に、非経口的に、腹腔内に、静脈内に、動脈内に、経皮的に、舌下に、筋肉内に、直腸内に、経口腔内に(transbuccally)、経鼻的に、リポソームに、吸入を介して、膣に、眼内に、カテーテル若しくはステントによる局所送達を介して、皮下に、脂肪内に、関節内に、クモ膜下腔内に、又は徐放性の剤型で投与されてもよい。
【0073】
さらに、本発明の製剤、及び第二の治療剤は、同じ投与形態で投与されても、すなわち、両方の剤とも、例えば、経口的に、IVによって投与されてもよい。しかし、一形態の投与、例えば、IVによって本発明の製剤を投与すること、及び第二の治療剤を別の形態の投与、例えば、経口又は本明細書において上記される投与形態のうち任意の他の形態によって投与することも本発明の範囲内である。
【0074】
第一の治療手順である、本発明の製剤の投与は、第二の治療手順、すなわち、第二の治療剤の前に、第二の治療剤での治療の後に、第二の治療剤での治療と同時に、又はそれらの組み合わせで行ってもよい。例えば、総治療期間が、本発明の製剤について決定されてもよい。第二の治療剤は、本発明の製剤での治療の発生の前に投与されても、又は本発明の製剤での治療後に投与されてもよい。さらに、抗がん治療は、本発明の製剤の投与期間に投与されてもよいが、本発明の製剤の全体的な治療期間にまたがって生じる必要はない。
【0075】
本発明の製剤はまた、治療剤、化学療法剤及び抗がん剤と組み合わせて有用である。本発明において開示された製剤と、治療剤、化学療法剤及び抗がん剤との組み合わせは、本発明の範囲内である。このような薬剤の例は、Cancer Principles and Practice of Oncology by V.T.Devita and S.Hellman(編者)、第6版(February 15,2001)、Lippincott Williams & Wilkins Publishersに見出すことができる。当業者は、関与する薬物及びがんの特定の特徴に基づいて薬剤のどの組み合わせが有用であるかを決定できる。このような薬剤としては、以下が挙げられる:エストロゲンレセプターモジュレーター、アンドロゲンレセプターモジュレーター、レチノイドレセプターモジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoA還元酵素インヒビター及び他の血管新生インヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、細胞増殖と生存シグナル伝達経路のインヒビター、ビスフォスフォネート、アロマターゼインヒビター、siRNA治療剤、γ−セレクターゼインヒビター、受容体チロシンキナーゼ(RTK)に干渉する薬剤及び細胞周期チエックポイントを干渉する薬剤。本発明の化合物は、放射線療法と同時投与される場合、特に有用である。
【0076】
「エストロゲンレセプターモジュレーター」とは、機序にかかわらず、レセプターに対するエストロゲンの結合を干渉するか又は阻害する化合物をいう。エストロゲンレセプターモジュレーターの例としては、限定はしないが、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−フェニル−2,2−ジメチルプロパノエート、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾン及びSH646が挙げられる。
【0077】
「アンドロゲンレセプターモジュレーター」とは、機序にかかわらず、レセプターに対するアンドロゲンの結合を干渉するか又は阻害する化合物をいう。アンドロゲンレセプターモジュレーターの例としては、フィナステライド、及び他の5α−リダクターゼインヒビター、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾール及び酢酸アビラテロン(abiraterone acetate)が挙げられる。
【0078】
「レチノイドレセプターモジュレーター」とは、機序にかかわらず、レセプターに対するレチノイドの結合を干渉するか又は阻害する化合物をいう。このようなレチノイドレセプターモジュレーターの例としては、ベキサロテン、トレチノイン、13−シス−レチノイン酸、9−シス−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、トランス−N−(4’−ヒドロキシフェニル)レチナミド、及びN−4−カルボキシフェニルレチナミドが挙げられる。
【0079】
「細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤」とは、主に細胞の機能化を直接干渉することによって細胞死を生じさせるか若しくは細胞増殖を阻害するか、又は細胞の有糸分裂を阻害するか若しくは干渉する化合物をいい、これには、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、インターカレータ、低酸素症活性化可能化合物(hypoxia activatable compounds)、微小管インヒビター/微小管安定化剤、有糸分裂キネシンのインヒビター、ヒストン脱アセチル化酵素のインヒビター、有糸分裂進行に関与するキナーゼのインヒビター、成長因子及びサイトカインシグナル伝達経路に関与するキナーゼのインヒビター、代謝拮抗剤;生物応答修飾因子;ホルモン/抗ホルモン療法剤、造血成長因子、モノクローナル抗体標的治療剤、トポイソメラーゼインヒビター、プロテアソームインヒビター、ユビキチンリガーゼインヒビター、及びオーロラキナーゼインヒビターが挙げられる。
【0080】
細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤の例としては、限定はしないが、セルテネフ(sertenef)、カケクチン、イホスファミド、タソネルミン(tasonermin)、ロニダミン、カルボプラチン(carboplatin)、アルトレタミン(altretamine)、プレドニムスチン、ジブロモダルシトール、ラニムスチン、フォテムスチン(fotemustine)、ネダプラチン(nedaplatin)、オキサリプラチン、テモゾロミド、ヘプタプラチン、エストラムスチン、イムプロスルファントシレート(improsulfan tosilate)、トロフォスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム(dibrospidium chloride)、プミテパ(pumitepa)、ロバプラチン(lobaplatin)、サトラプラチン(satraplatin)、プロフィロマイシン(profiromycin)、シスプラチン、イロフルベン、デキシフォスファミド、シス−アミンジクロロ(2−メチル−ピリジン)プラチナム、ベンジルグアニン、グルフォスファミド、GPX100、(トランス、トランス、トランス)−ビス−mu−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−mu−[ジアミン−白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロライド、ジアリジジニルスペルミン、三酸化ヒ素(亜ヒ酸)、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン(bisantrene)、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3’−デアミノ−3’−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アンナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド、MEN10755、4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニル−ダウノルビシン(WO00/50032を参照のこと)、Rafキナーゼインヒビター(例えば、Bay43−9006)及びmTORインヒビター(例えば、WyethのCCI−779)が挙げられる。
【0081】
低酸素症活性化可能化合物の例はチラパザミンである。
【0082】
プロテアソームインヒビターの例としては、限定はしないが、ラクタシスチン(lactacystin)及びMLN−341(Velcade)が挙げられる。
【0083】
微小管インヒビター/微小管安定化剤の例としては、パクリタキセル、硫酸ビンデシン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−8’−ノルビンカロイコブラスチン、ドセタキセル、リゾキシン(rhizoxin)、ドラスタチン、ミボブリンイセチオネート(mivobulin isethionate)、アウリスタチン(auristatin)、セマドチン(cemadotin)、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン(vinflunine)、クリプトフィシン(cryptophycin)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、アンヒドロビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258、エポチロン(epothilones)(例えば、米国特許第6,284,781号及び同第6,288,237号を参照のこと)及びBMS188797が挙げられる。ある実施態様では、エポチロンは、微小管インヒビター/微小管安定化剤には含まれない。
【0084】
トポイソメラーゼインヒビターのいくつかの例は、トポテカン、ハイカプタミン(hycaptamine)、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3’,4’−O−エキソ−ベンジリデン−チュートリウシン、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパンアミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:b,7]−インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)ジオン、ルルトテカン(lurtotecan)、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、リン酸エトポシド、テニポシド、ソブゾキサン(sobuzoxane)、2’−ジメチルアミノ−2’−デオキシ−エトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−1−カルボキサミド、アスラクリン(asulacrine)、(5a,5aB,8aa,9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロオキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキソヒドロフロ(3’,4’:6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]−フェナントリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソギノリン−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−de]アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキサミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オン及びディメスナ(dimesna)である。
【0085】
有糸分裂キネシン、及び詳細にはヒト有糸分裂キネシンKSPのインヒビターの例は、PCT国際公開番号WO03/039460、WO03/050064、WO03/050122、WO03/049527、WO03/049679、WO03/049678、WO04/039774、WO03/079973、WO03/099211、WO03/105855、WO03/106417、WO04/037171、WO04/058148、WO04/058700、WO04/126699、WO05/018638、WO05/019206、WO05/019205、WO05/018547、WO05/017190、US2005/0176776に記載される。ある実施態様では、有糸分裂キネシンのインヒビターとしては、限定はしないが、KSPのインヒビター、MKLP1のインヒビター、CENP−Eのインヒビター、MCAKのインヒビター及びRab6−KIFLのインヒビターが挙げられる。
【0086】
「ヒストン脱アセチル化酵素インヒビター」の例としては限定はしないが、SAHA、TSA、オキサムフラチン、PXD101、MG98及びスクリプタイド(scriptaid)が挙げられる。他のヒストン脱アセチル化酵素インヒビターに対するさらなる言及は、以下の原稿に見出され得る;Miller,T.A.ら、J.Med.Chem.46(24):5097〜5116(2003)。
【0087】
「有糸分裂進行に関与するキナーゼのインヒビター」としては、限定はしないが、オーロラキナーゼのインヒビター、ポロ様キナーゼ(Polo−like kinases)のインヒビター(PLK;詳細にはPLK−1のインヒビター)、bub−1のインヒビター及びbub−R1のインヒビターが挙げられる。「オーロラキナーゼインヒビター」の例はVX−680である。
【0088】
「抗増殖剤」としては、アンチセンスRNA及びDNAオリゴヌクレオチド、例えば、G3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231、及びINX3001、並びに代謝拮抗剤、例えば、エノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキサート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクフォスファート、フォステアビンナトリウム水和物、ラルチトレキセド(raltitrexed)、パルチトレキシド(paltitrexid)、エミテフール、チアゾフリン、デシタビン、ノルアトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン、2’−フルオロメチレン−2’−デオキシシチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフリル)スルホニル]−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノ−ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクテイナサイジン(ecteinascidin)、トロキサシタビン(troxacitabine)、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b][1,4]チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アラノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−ホルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,11−ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)−テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワイノソニン(swainsonine)、ロメトレキソール(lometrexol)、デキスラゾキサン(dexrazoxane)、メチオニナーゼ、2’−シアノ−2’−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシン、3−アミノピリジン−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン及びトラスツズマブが挙げられる。
【0089】
モノクローナル抗体標的治療剤の例としては、がん細胞特異的又は標的細胞特異的なモノクローナル抗体に対して結合した細胞傷害剤又は放射性同位体を有する治療剤が挙げられる。例としてはベクサール(Bexxar)が挙げられる。
【0090】
「HMG−CoA還元酵素インヒビター」とは、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoA還元酵素のインヒビターをいう。用いてもよいHMG−CoA還元酵素インヒビターの例としては、限定はしないが、ロバスタチン(MEVACOR(登録商標);米国特許第4,231,938号、同第4,294,926及び同第4,319,039号を参照のこと)、シンバスタチン(ZOCOR(登録商標);米国特許第4,444,784号、同第4,820,850号、及び同第4,916,239号を参照のこと)、プラバスタチン(PRAVACHOL(登録商標);米国特許第4,346,227号、同第4,537,859号、同第4,410,629号、同第5,030,447号、及び同第5,180,589号を参照のこと)、フルバスタチン(LESCOL(登録商標);米国特許第5,354,772号、同第4,911,165号、同第4,929,437号、同第5,189,164号、同第5,118,853号、同第5,290,946号、及び同第5,356,896号を参照のこと)、アトルバスタチン(atorvastatin)(LIPITOR(登録商標);米国特許第5,273,995号、同第4,681,893号、同第5,489,691号、及び同第5,342,952号を参照のこと)、並びにセリバスタチン(リバスタチン及びBAYCHOL(登録商標)としても公知;米国特許第5,177,080号を参照のこと)が挙げられる。本発明の方法で用いられてもよい、これらの及びさらなるHMG−CoA還元酵素インヒビターの構造式は、M.Yalpani、「Cholesterol Lowering Drugs」、Chemistry & Industry,第85〜89頁(1996年2月5日)の第87頁、並びに米国特許第4,782,084号、及び同第4,885,314号に記載されている。HMG−CoA還元酵素インヒビターという用語は、本明細書において用いる場合、全ての薬学的に許容されるラクトン及び開環酸型(open−acid forms)(すなわち、ラクトン環が開環されて遊離の酸を形成する)、並びにHMG−CoA還元酵素阻害活性を有する化合物の塩及びエステル型を包含し、したがって、このような塩、エステル、開環酸及びラクトン型の使用は、本発明の範囲内に包含される。
【0091】
「プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター」とは、ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ(FPTase)、ゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼI型(GGPTase−I)、及びゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼII型(GGPTase−II、Rab GGPTaseとも呼ばれる)を含む、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ酵素のうち任意の1つ又は任意の組み合わせを阻害する化合物をいう。
【0092】
プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビターの例は、以下の刊行物及び特許に見出され得る:WO96/30343、WO97/18813、WO97/21701、WO97/23478、WO97/38665、WO98/28980、WO98/29119、WO95/32987、米国特許第5,420,245号、米国特許第5,523,430号、米国特許第5,532,359号、米国特許第5,510,510号、米国特許第5,589,485号、米国特許第5,602,098号、欧州特許公開第0618221号、欧州特許公開第0675112号、欧州特許公開第0604181号、欧州特許公開第0696593号、WO94/19357、WO95/08542、WO95/11917、WO95/12612、WO95/12572、WO95/10514,米国特許第5,661,152号、WO95/10515、WO95/10516、WO95/24612、WO95/34535、WO95/25086、WO96/05529、WO96/06138、WO96/06193、WO96/16443,WO96/21701、WO96/21456、WO96/22278、WO96/24611、WO96/24612、WO96/05168、WO96/05169、WO96/00736、米国特許第5,571,792号、WO96/17861、WO96/33159、WO96/34850、WO96/34851、WO96/30017、WO96/30018、WO96/30362、WO96/30363、WO96/31111、WO96/31477、WO96/31478、WO96/31501、WO97/00252、WO97/03047、WO97/03050、WO97/04785、WO97/02920、WO97/17070、WO97/23478、WO97/26246、WO97/30053、WO97/44350、WO98/02436及び米国特許第5,532,359号。血管新生に対するプレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビターの役割の例については、European J.of Cancer,Vol.35,No.9,pp.1394〜1401(1999)を参照のこと。
【0093】
「血管新生インヒビター」とは、機序にかかわらず、新規な血管の形成を阻害する化合物をいう。血管新生インヒビターの例としては、限定はしないが、チロシンキナーゼインヒビター、例えば、チロシンキナーゼレセプターFlt−1(VEGFR1)及びFlk−1/KDR(VEGFR2)のインヒビター、表皮由来、線維芽細胞由来、又は血小板由来の増殖因子のインヒビター、MMP(マトリクス・メタロプロテアーゼ)インヒビター、インテグリンブロッカー、インターフェロン−α、インターロイキン−12、ペントサン・ポリサルフェート、アスピリン及びイブプロフェンのような非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を含むシクロオキシゲナーゼインヒビター、並びにセレコキシブ及びロフェコキシブのような選択的なシクロオキシ−ゲナーゼ−2インヒビター(PNAS,第89巻,7384頁(1992);JNCI,第69巻,475頁(1982);Arch.Opthalmol.,第108巻,573頁(1990);Anat.Rec.,第238巻,68頁(1994);FEBS Letters,第372巻,83頁(1995);Clin,Orthop.第313巻,76頁(1995);J.Mol.Endocrinol.,第16巻,107頁(1996);Jpn.J.Pharmacol.,第75巻,105頁(1997);Cancer Res.,第57巻,1625頁(1997);Cell,第93巻,705頁(1998);Intl.J.Mol.Med.,第2巻,715頁(1998);J.Biol.Chem.,第274巻,9116頁(1999))、ステロイド性抗炎症薬(例えば、コルチコステロイド、鉱質コルチコイド、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレド、ベタメタゾン)、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチル−カルボニル−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、アンギオテンシンIIアンタゴニスト(Fernandezら、J.Lab.Clin.Med.105:141〜145(1985)を参照のこと)、及びVEGFに対する抗体(Nature Biotechnology,第17巻、963〜968頁(1999、10月);Kimら,Nature,362,841〜844(1993);WO00/44777;及びWO00/61186を参照のこと)が挙げられる。
【0094】
血管新生を調節又は阻害し、そしてまた本発明の化合物と組み合わせて用いられてもよい他の治療剤としては、凝血及び線維素溶解の系を調節するか又は阻害する薬剤が挙げられる(Clin.Chem.La.Med.38:679〜692(2000)における概説を参照のこと)。凝血及び線維素溶解の経路を調節又は阻害するこのような薬剤の例としては、限定はしないが、ヘパリン(Thromb.Haemost.80:10〜23(1998)を参照のこと)、低分子量ヘパリン及びカルボキシペプチダーゼUインヒビター(活性なトロンビン活性化可能線維素溶解インヒビター[TAFIa]のインヒビターとしても公知)(Thrombosis Res.101:329〜354(2001)を参照のこと)が挙げられる。TAFIaインヒビターは、米国特許出願第60/310,927号(2001年8月8日出願)及び米国特許出願第60/349,925号(2002年1月18日出願)に記載されている。
【0095】
「細胞周期チエックポイントに干渉する薬剤」とは、細胞周期チエックポイントシグナルを誘導するタンパク質キナーゼを阻害し、それによって、DNA傷害剤に対してがん細胞を増感させる化合物をいう。このような薬剤としては、ATR、ATM、CHK1及びCHK2キナーゼのインヒビター、並びにcdk及びcdcキナーゼインヒビターが挙げられ、そして詳細には、7−ヒドロキシスタウロスポリン、フラボピリドール、CYC202(Cyclacel)及びBMS−387032によって例証される。
【0096】
「受容体チロシンキナーゼ(RTK)に干渉する薬剤」とは、RTKを阻害し、したがって、発がん及び腫瘍進行に関与する機構を阻害する化合物をいう。このような薬剤としては、c−Kit、Eph、PDGF、Flt3及びc−Metのインヒビターが挙げられる。さらなる薬剤としては、Bume−Jensen及びHunter,Nature,411:355〜365,2001に記載されているように示されるRTKのインヒビターが挙げられる。
【0097】
「細胞増殖と生存シグナル伝達経路のインヒビター」とは、細胞表面レセプターの下流のシグナル伝達カスケードを阻害する化合物をいう。このような薬剤としては、セリン/トレオニンキナーゼのインヒビター(限定はしないが、WO02/083064、WO02/083139、WO02/083140、US2004−0116432、WO02/083138、US2004−0102360、WO03/086404、WO03/086279、WO03/086394、WO03/084473、WO03/086403、WO2004/041162、WO2004/096131、WO2004/096129、WO2004/096135、WO2004/096130、WO2005/100356、WO2005/100344、US2005/029941、US2005/44294、US2005/43361、60/734188、60/652737、60/670469に記載されるようなAktのインヒビターが挙げられる)、Rafキナーゼのインヒビター(例えば、BAY−43−9006)、MEKのインヒビター(例えば、CI−1040及びPD−098059)、mTORのインヒビター(例えば、Wyeth CCI−779)、及びPI3Kのインヒビター(例えば、LY294002)が挙げられる。
【0098】
上記のように、NSAIDとの組み合わせは、強力なCOX−2阻害剤であるNSAIDの使用に関する。本明細書の目的に関しては、NSAIDは、細胞又はミクロソームのアッセイで測定した場合、1μM以下というCOX−2の阻害についてのIC50を有する場合に強力である。
【0099】
本発明はまた、選択的COX−2インヒビターであるNSAIDとの組み合わせを包含する。本明細書の目的について、COX−2の選択的インヒビターであるNSAIDとは、細胞又はミクロソームのアッセイによって評価されるCOX−1についてのIC50を上回るCOX−2についてのIC50の比を測定して、少なくとも100倍という、COX−1を上回るCOX−2阻害の特異性を保有するものとして規定される。このような化合物としては、限定はしないが、その全てが参照によって本明細書に援用される、米国特許第5,474,995号、米国特許第5,861,419号、米国特許第6,001,843号、米国特許第6,020,343号、米国特許第5,409,944号、米国特許第5,436,265号、米国特許第5,536,752号、米国特許第5,550,142号、米国特許第5,604,260、米国特許第5,698,584号、米国特許第5,710,140、WO94/15932号、米国特許第5,344,991号、米国特許第5,134,142号、米国特許第5,380,738号、米国特許第5,393,790号、米国特許第5,466,823号、米国特許第5,633,272及び米国特許第5,932,598号に開示される化合物が挙げられる。
【0100】
本発明の治療方法で特に有用であるCOX−2のインヒビターは以下である:3−フェニル−4−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−2−(5H)−フラノン;及び5−クロロ−3−(4−メチルスルホニル)フェニル−2−(2−メチル−5−ピリジニル)ピリジン;又はその薬学的に許容される塩。
【0101】
COX−2の特異的なインヒビターとして記載されており、したがって、本発明において有用である化合物としては、限定はしないが以下が挙げられる:パレコキシブ(parecoxib)、BEXTRA(登録商標)及びCELEBREX(登録商標)又はその薬学的に許容される塩。
【0102】
血管新生インヒビターの他の例としては、限定はしないが、エンドスタチン、ウクライン、ランピルナーゼ(ranpirnase)、IM862、5−メトキシ−4−[2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2,5]オクト−6−イル(クロロアセチル)カルバメート、アセチルジナナリン、5−アミノ−1−[[3,5−ジクロロ−4−(4−クロロベンゾイル)フェニル]メチル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド、CM101、スクアラミン、コンブレタスタチン、RPI4610、NX31838、硫酸化マンノペンタオースリン酸塩(sulfated mannopentaose phosphate)、7,7−(カルボニル−ビス[イミノ−N−メチル−4,2−ピロロカルボニルイミノ[N−メチル−4,2−ピロール]−カルボニルイミノ]−ビス−(1,3−ナフタレンジスルホナート)、及び3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチレン]−2−インドリノン(SU5416)が挙げられる。
【0103】
上記で用いられるように、「インテグリンブロッカー」とは、αβインテグリンに対する生理的リガンドの結合を選択的に拮抗、阻害又は相殺する化合物、αβインテグリンに対する生理学的リガンドの結合を選択的に拮抗、阻害又は相殺する化合物、αβインテグリン及びαβインテグリンの両方に対する生理学的リガンドの結合を拮抗、阻害又は相殺する化合物、並びに毛細管内皮細胞で発現される特定のインテグリンの活性を拮抗、阻害又は相殺する化合物をいう。この用語はまた、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、及びαβインテグリンのアンタゴニストをいう。この用語はまた、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、及びαβインテグリンの任意の組み合わせのアンタゴニストをいう。
【0104】
チロシンキナーゼインヒビターのいくつかの具体例としては、N−(トリフルオロメチルフェニル)−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド,3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチリデニル)インドリン−2−オン、17−(アリルアミノ)−17−デメトキシゲルダナマイシン、4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシ−6−[3−(4−モルホリニル)プロポキシル]キナゾリン、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン、BIBX1382、2,3,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−10−(ヒドロキシメチル)−10−ヒドロキシ−9−メチル−9,12−エポキシ−1H−ジインドロ[1,2,3−fg:3’,2’,1’−kl]ピロロ[3,4−i][1,6]ベンゾジアゾシン−1−オン、SH268、ゲニステイン、STI571、CEP2563、4−(3−クロロフェニルアミノ)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンメタンスルホネート、4−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、4−(4’−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、SU6668、STI571A、N−4−クロロフェニル−4−(4−ピリジルメチル)−1−フタラジンアミン、及びEMD121974が挙げられる。
【0105】
抗がん化合物以外の化合物との組み合わせもまた本発明の方法に包含される。例えば、本発明で特許請求される製剤とPPAR−γ(すなわち、PPAR−ガンマ)アゴニスト及びPPAR−δ(すなわち、PPAR−デルタ)アゴニストとの組み合わせは、特定の悪性腫瘍の治療において有用である。PPAR−γ及びPPAR−δは、核ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターγ及びδである。内皮細胞上でのPPAR−γの発現及びその血管新生における関与は、文献中で報告されている(J.Cardiovasc.Pharmacol.1998;31:909〜913;J.Biol.Chem.1999;274:9116〜9121;Invest.Ophthalmol Vis.Sci.2000;41:2309〜2317を参照のこと)。さらに近年では、PPAR−γアゴニストは、インビトロでVEGFに対する血管新生応答を阻害することが示されている;トログリタゾン及びロシグリタゾンマレアートの両方が、マウスでの網膜の新血管新生の発達を阻害する(Arch.Ophthamol.2001;119:709〜717)。PPAR−γアゴニスト及びPPAR−γ/αアゴニストの例としては、限定はしないが、チアゾリジンジオン(例えば、DRF2725、CS−011、トログリタゾン、ロシグリタゾン及びピオグリタゾン)、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、クロフィブレート、GW2570、SB219994、AR−H039242、JTT−501、MCC−555、GW2331、GW409544、NN2344、KRP297、NP0110、DRF4158、NN622、GI262570、PNU182716、DRF552926、2−[(5,7−ジプロピル−3−トリフルオロメチル−1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−イル)オキシ]−2−メチルプロピオン酸(米国特許出願第09/782,856号に開示)、及び2(R)−7−(3−(2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ)プロポキシ)−2−エチルクロマン−2−カルボン酸(米国特許出願第60/235,708号及び同第60/244,697号に開示)が挙げられる。
【0106】
本発明の別の実施態様は、がんの治療のための遺伝子治療と組み合わせた、本明細書で開示された製剤の使用である。がんを治療する遺伝子ストラテジーの概説については、Hallら(Am J Hum Genet 61:785〜789,1997)及びKufeら(Cancer Medicine,第5版、876〜889頁,BC Decker,Hamilton2000)を参照のこと。遺伝子治療は、任意の腫瘍抑制遺伝子を送達するために用いられ得る。このような遺伝子の例としては限定はしないが、組み換えウイルス媒介性の遺伝子移入を介して送達され得る、p53(例えば、米国特許第6,069,134号を参照のこと)、uPA/uPARアンタゴニスト(「Adenovirus−Mediated Delivery of a uPA/uPAR Antagonist Suppresses Angiogenesis−Dependent Tumor Growth and Dissemination in Mice、」Gene Therapy,August 1998;5(8):1105〜13)、及びインターフェロンγ(J.Immunol.2000;164:217〜222)が挙げられる。
【0107】
本発明の製剤はまた、生来多剤耐性(MDR)、詳細には輸送体タンパク質の高レベルの発現に関連するMDRのインヒビターと組み合わせて投与されてもよい。このようなMDRインヒビターとしては、p−糖タンパク質(P−gp)のインヒビター、例えば、LY335979、XR9576、OC144−093、R101922、VX853及びPSC833(バルスポダール(valspodar))が挙げられる。
【0108】
本発明の製剤は、本発明の製剤の、単独使用又は放射線療法との併用から生じ得る、急性、遅延、後期及び予測的な嘔吐を含む、悪心又は嘔吐を治療するために制吐剤と組み合わせて使用されてもよい。嘔吐の予防又は治療のためには、本発明の製剤は、他の制吐剤、特にニューロキニン−1レセプターアンタゴニスト、5HT3レセプターアンタゴニスト、例えば、オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン及びザチセトロン、GABABレセプターアゴニスト、例えば、バクロフェン、コルチコステロイド、例えば、デカドロン(Decadron)(デキサメタゾン)、ケナログ(Kenalog)、アリストコート(Aristocort)、ナサリド(Nasalide)、プレフェリド(Preferid)、ベネコルテン(Benecorten)、その他、例えば、米国特許第2,789,118号、同第2,990,401号、同第3,048,581号、同第3,126,375号、同第3,929,768号、同第3,996,359号、同第3,928,326号、及び同第3,749,712号に開示されるもの、抗ドーパミン剤、例えば、フェノチアジン(例えば、プロクロルペラジン、フルフェナジン、チオリダジン及びメソリダジン)、メトクロプラミド又はドロナビノールと組み合わせて用いられてもよい。別の実施態様では、ニューロキニン−1レセプターアンタゴニスト、5HT3レセプターアンタゴニスト及びコルチコステロイドから選択される制吐剤との併用療法が、本発明の化合物の投与の際に生じ得る嘔吐の治療又は予防について開示される。
【0109】
本発明の製剤と組み合わせた使用のニューロキニン−1レセプターアンタゴニストは、例えば、米国特許第5,162,339号、同第5,232,929号、同第5,242,930号、同第5,373,003号、同第5,387,595号、同第5,459,270号、同第5,494,926号、同第5,496,833号、同第5,637,699号、同第5,719,147号;欧州特許公開番号.EP0360390号、同第0394989号、同第0428434号、同第0429366号、同第0430771号、同第0436334号、同第0443132号、同第0482539号、同第0498069号、同第0499313号、同第0512901号、同第0512902号、同第0514273号、同第0514274号、同第0514275号、同第0514276号、同第0515681号、同第0517589号、同第0520555号、同第0522808号、同第0528495号、同第0532456号、同第0533280号、同第0536817号、同第0545478号、同第0558156号、同第0577394号、同第0585913号、同第0590152号、同第0599538号、同第0610793号、同第0634402号、同第0686629号、同第0693489号、同第0694535号、同第0699655号、同第0699674号、同第0707006号、同第0708101号、同第0709375号、同第0709376号、同第0714891号、同第0723959号、同第0733632号及び同第0776893号;PCT国際特許公開番号WO90/05525、90/05729、91/09844、91/18899、92/01688、92/06079、92/12151、92/15585、92/17449、92/20661、92/20676、92/21677、92/22569、93/00330、93/00331、93/01159、93/01165、93/01169、93/01170、93/06099、93/09116、93/10073、93/14084、93/14113、93/18023、93/19064、93/21155、93/21181、93/23380、93/24465、94/00440、94/01402、94/02461、94/02595、94/03429、94/03445、94/04494、94/04496、94/05625、94/07843、94/08997、94/10165、94/10167、94/10168、94/10170、94/11368、94/13639、94/13663、94/14767、94/15903、94/19320、94/19323、94/20500、94/26735、94/26740、94/29309、95/02595、95/04040、95/04042、95/06645、95/07886、95/07908、95/08549、95/11880、95/14017、95/15311、95/16679、95/17382、95/18124、95/18129、95/19344、95/20575、95/21819、95/22525、95/23798、95/26338、95/28418、95/30674、95/30687、95/33744、96/05181、96/05193、96/05203、96/06094、96/07649、96/10562、96/16939、96/18643、96/20197、96/21661、96/29304、96/29317、96/29326、96/29328、96/31214、96/32385、96/37489、97/01553、97/01554、97/03066、97/08144、97/14671、97/17362、97/18206、97/19084、97/19942及び97/21702;並びに英国特許公開第2266529号、同第2268931号、同第2269170号、同第2269590号、同第2271774号、同第2292144号、同第2293168号、同第2293169号、及び同第2302689号に詳細に記載されている。このような化合物の調製は、参照によって本明細書に援用される、上述の特許及び刊行物に詳細に記載されている。
【0110】
ある実施態様では、本発明の製剤と組み合わせた使用のためのニューロキニン−1レセプターアンタゴニストは、以下から選択される:米国特許第5,719,147号に記載されている、2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(5−オキソ−1H,4H−1,2,4−トリアゾロ)メチル)モルホリン、又はその薬学的に許容される塩。
【0111】
本発明の製剤はまた、貧血の治療において有用な薬剤とともに投与されてもよい。このような貧血の治療剤は、例えば、連続的な赤血球形成受容体活性化剤(例えば、エポエチンα)である。
【0112】
本発明の製剤はまた、好中球減少の治療において有用な薬剤とともに投与されてもよい。このような好中球減少の治療剤は、例えば、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)のような好中球の生成及び機能を調節する造血性増殖因子である。G−CSFの例としては、フィルグラスチムが挙げられる。
【0113】
本発明の製剤はまた、免疫学的増強薬物、例えば、レバミゾール(levamisole)、イソプリノシン及びザダキシン(Zadaxin)とともに投与されてもよい。
【0114】
本発明の製剤はまた、以下を含むP450インヒビターと組み合わせてがんを治療又は予防するために有用であり得る:キセノバイオティクス、キニジン、チラミン、ケトコナゾール、テストステロン、キニン、メチラポン、カフェイン、フェネリジン、ドキソルビシン、トロレアンドマイシン、シクロベンザプリン、エリスロマイシン、コカイン、フラフィリン、シメチジン、デキストロメトルファン、リトナビル、インジナビル、アンプレナビル、ジルチアゼム、テルフェナジン、ベラパミル、コルチゾール、イトラコナゾール、ミベフラジル、ネファゾドン及びネルフィナビル。
【0115】
本発明の製剤はまた、以下を含むPgp及び/又はBCRPインヒビターと組み合わせてがんを治療又は予防するために有用であり得る:サイクロスポリンA、PSC833、GF120918、クレモフォールEL、フミトレモルジンC、Ko132、Ko134、Iressa(イレッサ)、イマチニブ・メシレート、EKI−785、C11033、ノボビオシン、ジエチルスチルベストロール、タモキシフェン、レセルピン、VX−710、トリプロスタチンA,フラボノイド、リトナビル、サキナビル、ネルフィナビル、オメプラゾール、キニジン、ベラパミル、テルフェナジン、ケトコナゾール、ニフェジピン、FK506、アミノダロン、XR9576、インジナビル、アンプレナビル、コルチゾール、テストステロン、LY335979,OC144−093、エリスロマイシン、ビンクリスチン、ジゴキシン及びタリノロール。
【0116】
本発明の製剤はまた、骨肉腫を含むがんの治療又は予防のために、ビスフォスフォネート(ビスフォスフォネート、ジホスホネート、ビスホスホン酸及びジホスホン酸を含むと理解される)と組み合わせて、有用であり得る。ビスフォスフォネートの例としては、限定はしないが以下が挙げられる:エチドロネート(Didronel)、パミドロネート(Aredia)、アレンドロネート(Fosamax)、リセドロネート(Actonel)、ゾレドロネート(Zometa)、イバンドロネート(Boniva)、インカドロネート又はシマドロネート、クロドロネート、EB−1053、ミノドロネート、ネリドロネート、ピリドロネート及びチルドロネートであって、これらには、その任意のかつ全ての薬学的に許容される塩、誘導体、水和物及び混合物を含む。
【0117】
本発明の製剤はまた、アロマターゼインヒビターと組み合わせて乳がんを治療又は予防するために有用であり得る。アロマターゼインヒビターの例としては、限定はしないが以下が挙げられる:アナストラゾール、レトロゾール及びエキセメスタン。
【0118】
本発明の製剤はまた、siRNA治療剤と組み合わせてがんを治療又は予防するために有用であり得る。
【0119】
本発明の製剤はまた、γ−セクレターゼインヒビター及び/又はNOTCHシグナル伝達のインヒビターと組み合わせて投与されてもよい。このようなインヒビターとしては、WO01/90084、WO02/30912、WO01/70677、WO03/013506、WO02/36555、WO03/093252、WO03/093264、WO03/093251、WO03/093253、WO2004/039800、WO2004/039370、WO2005/030731、WO2005/014553、米国特許出願第10/957、251号、WO2004/089911、WO02/081435、WO02/081433、WO03/018543、WO2004/031137、WO2004/031139、WO2004/031138、WO2004/101538、WO2004/101539及びWO02/47671に記載される化合物が挙げられる(LY−450139を含む)。
【0120】
本発明の製剤はまた、PARPインヒビターと組み合わせてがんを治療又は予防するために有用であり得る。
【0121】
本発明の製剤はまた、以下の治療剤と組み合わせてがんを治療するために有用であり得る:アバレリックス(abarelix)(Plenaxis depot(登録商標));アルデスロイキン(Prokine(登録商標))、アルデスロイキン(Aldesleukin)(Proleukin(登録商標));Alemtuzumabb(Campath(登録商標));アリトレチノイン(alitretinoin)(Panretin(登録商標));アロプリノール(allopurinol(Zyloprim(登録商標));アルトレタミン(altretamine)(Hexalen(登録商標));アミホスチン(amifostine)(Ethyol(登録商標));アナストラゾール(anastrozole)(Arimidex(登録商標));三酸化ヒ素(Trisenox(登録商標));アスパラギナーゼ(asparaginase)(Elspar(登録商標));アザシチジン(azacitidine)(Vidaza(登録商標));ベバクジマブ(bevacuzimab)(Avastin(登録商標));ベキサロテン(bexarotene)カプセル(Targretin(登録商標));ベキサロテン・ゲル(ジェル)(gel)(Targretin(登録商標));ブレオマイシン(Blenoxane(登録商標));ボルテゾミブ(Velcade(登録商標));静脈内ブスルファン(busulfan intravenous)(Busulfex(登録商標));経口ブスルファン(busulfan oral)(Myleran(登録商標));カルステロン(calusterone)(Methosarb(登録商標));カペシタビン(Xeloda(登録商標));カルボプラチン(Paraplatin(登録商標));カルムスチン(BCNU(登録商標)、BiCNU(登録商標));カルムスチン(carmustine)(Gliadel(登録商標));カルムスチンとPolifeprosan 20 Implant(Gliadel Wafer(登録商標));セレコキシブ(celecoxib)(Celebrex(登録商標));セツキシマブ(cetuximab)(Erbitux(登録商標));クロラムブシル(chlorambucil)(Leukeran(登録商標));シスプラチン(Platinol(登録商標));クラドリビン(cladribine)(Leustatin(登録商標)、2−CdA(登録商標));クロファラビン(clofarabine)(Clolar(登録商標));シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)、Neosar(登録商標));シクロホスファミド(Cytoxan Injection(登録商標));シクロホスファミド(Cytoxan Tablet(登録商標));シタラビン(Cytosar−U(登録商標));シタラビン・リポソマール(cytarabine liposomal)(DepoCyt(登録商標));ダカルバジン(dacarbazine)(DTIC−Dome(登録商標));ダクチノマイシン、アクチノマイシンD(Cosmegen(登録商標));ダルベポエチンα(Darbepoetin alfa)(Aranesp(登録商標));リポソーム・ダウノルビシン(daunorubicin liposomal)(DanuoXome(登録商標));ダウノルビシン、ダウノマイシン(daunomycin)(Daunorubicin(登録商標));ダウノルビシン、ダウノマイシン(Cerubidine(登録商標));デニロイキン・ディフィチトクス(Denileukin diftitox)(Ontak(登録商標));デクスラゾキサン(dexrazoxane)(Zinecard(登録商標));ドセタキセル(Taxotere(登録商標));ドキソルビシン(Adriamycin PFS(登録商標));ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標)、Rubex(登録商標));ドキソルビシン(Adriamycin PFS Injection(登録商標));リポソーム・ドキソルビシン(doxorubicin liposomal)(Doxil(登録商標));プロピオン酸ドロモスタノロン(dromostanolone propionate)(dromostanolone(登録商標));プロピオン酸ドロモスタノロン(dromostanolone propionate)(masterone injection(登録商標));エリオットB溶液(Elliott’s B溶液)(Elliott’s B溶液(登録商標));エピルビシン(Ellence(登録商標));エポエチンα(Epoetin alfa)(epogen(登録商標));エルロチニブ(erlotinib)(Tarceva(登録商標));エストラムスチン(estramustine)(Emcyt(登録商標));リン酸エトポシド(Etopophos(登録商標));エトポシド、VP−16(Vepesid(登録商標));エキセメスタン(exemestane)(Aromasin(登録商標));フィルグラスチム(Filgrastim)(Neupogen(登録商標));フロクスウリジン(floxuridine)(動脈内)(FUDR(登録商標));フルダラビン(Fludara(登録商標));フルオロウラシル、5−FU(Adrucil(登録商標));フルベストラント(fulvestrant)(Faslodex(登録商標));ゲフィチニブ(gefitinib)(Iressa(登録商標));ゲムシタビン(gemcitabine)(Gemzar(登録商標));ゲムツズマブ・オゾガマイシン(gemtuzumab ozogamicin)(Mylotarg(登録商標));酢酸ゴセレリン(Zoladex Implant(登録商標));酢酸ゴセレリン(Zoladex(登録商標));酢酸ヒストレリン(Histrelin implant(登録商標));ヒドロキシウレア(hydroxyurea)(Hydrea(登録商標));イブリツモマブ・チウキセタン(Ibritumomab Tiuxetan)(Zevalin(登録商標));イダルビシン(idarubicin)(Idamycin(登録商標));イホスファミド(ifosfamide)(IFEX(登録商標));メシル酸イマチニブ(imatinib mesylate)(Gleevec(登録商標));インターフェロンα2a(interferon alfa 2a)(Roferon A(登録商標));インターフェロンα2b(Interferon alfa−2b)(Intron A(登録商標));イリノテカン(Camptosar(登録商標));レナリドマイド(lenalidomide)(Revlimid(登録商標));レトロゾール(letrozole)(Femara(登録商標));ロイコボリン(leucovorin)(Wellcovorin(登録商標)、Leucovorin(登録商標));酢酸ロイプロリド(Leuprolide Acetate)(Eligard(登録商標));レバミゾール(levamisole)(Ergamisol(登録商標));ロムスチン(lomustine)、CCNU(CeeBU(登録商標));メクロレタミン(meclorethamine)、ナイトロジェン・マスタード(nitrogen mustard)(Mustargen(登録商標));酢酸メゲストロール(megestrol acetate)(Megace(登録商標));メルファラン(melphalan)、L−PAM(Alkeran(登録商標));メルカプトプリン(mercaptopurine)、6−MP(Purinethol(登録商標));メスナ(mesna)(Mesnex(登録商標));メスナ(Mesnex tabs(登録商標));メトトレキセート(methotrexate)(Methotrexate(登録商標));メトキシサレン(methoxsalen)(Uvadex(登録商標));マイトマイシンC(Mutamycin(登録商標));ミトタン(mitotane)(Lysodren(登録商標));ミトキサントロン(mitoxantrone)(Novantrone(登録商標));ナンドロロンフェンプロピオン酸(nandrolone phenpropionate)(Durabolin−50(登録商標));ネララビン(nelarabine)(Arranon(登録商標));ノフェツモマブ(Nofetumomab)(Verluma(登録商標));オプレルベキン(Oprelvekin)(Neumega(登録商標));オキサリプラチン(oxaliplatin)(Eloxatin(登録商標));パクリタキセル(paclitaxel)(Paxene(登録商標));パクリタキセル(Taxol(登録商標));パクリタキセルタンパク質結合粒子(paclitaxel protein−bound particles)(Abraxane(登録商標));パリフェルミン(palifermin)(Kepivance(登録商標));パミドロネート(pamidronate)(Aredia(登録商標));ペグアデマーゼ(pegademase)(Adagen(Pegademase Bovine)(登録商標));ペグアスパルガーゼ(pegaspargase)(Oncaspar(登録商標));ペグフィルグラスチム(Pegfilgrastim)(Neulasta(登録商標));ペメトレキセド・二ナトリウム(pemetrexed disodium)(Alimta(登録商標));ペントスタチン(pentostatin)(Nipent(登録商標));ピポブロマン(pipobroman)(Vercyte(登録商標));プリカマイシン(plicamycin)、ミトラマイシン(mithramycin)(Mithracin(登録商標));ポルフィマー・ナトリウム(porfimer sodium)(Photofrin(登録商標));プロカルバジン(procarbazine)(Matulane(登録商標));キナクリン(quinacrine)(Atabrine(登録商標));ラスブリカーゼ(Rasburicase)(Elitek(登録商標));リツキシマブ(Rituximab)(Rituxan(登録商標));サルグラモスチム(sargramostim)(Leukine(登録商標));サルグラモスチム(Sargramostim)(Prokine(登録商標));ソラフェニブ(sorafenib)(Nexavar(登録商標));ストレプトゾシン(streptozocin)(Zanosar(登録商標));マレイン酸スニチニブ(sunitinib maleate)(Sutent(登録商標));タルク(滑石)(Sclerosol(登録商標));タモキシフェン(Nolvadex(登録商標));テモゾロミド(Temodar(登録商標));テニポシド、VM−26(Vumon(登録商標));テストラクトン(testolactone)(Teslac(登録商標));チオグアニン(thioguanine)、6−TG(Thioguanine(登録商標));チオテパ(Thioplex(登録商標));トポテカン(Hycamtin(登録商標));トレミフェン(Fareston(登録商標));トシツモマブ(Tositumomab)(Bexxar(登録商標));トシツモマブ(Tositumomab)/I−131トシツモマブ(Bexxar(登録商標));トラスツズマブ(Trastuzumab)(Herceptin(登録商標));トレチノイン(tretinoin)、ATRA(Vesanoid(登録商標));ウラシル・マスタード(Uracil Mustard)(Uracil Mustard Capsules(登録商標));バルルビシン(valrubici
n)(Valstar(登録商標));ビンブラスチン(vinblastine)(Velban(登録商標));ビンクリスチン(vincristine)(Oncovin(登録商標));ビノレルビン(vinorelbine)(Navelbine(登録商標));ボリノスタット(vorinostat)(Zolinza(登録商標));及びゾレドロネート(zoledronate)(Zometa(登録商標))。
【0122】
別の実施態様では、この製剤は、ダサチニブ(dasatinib)又はニロチニブ(nilotinib)と組み合わせてがんを治療するために有用であり得る。
【0123】
別の実施態様では、この製剤は、放射性ヨウ素(通常I131)及び甲状腺ホルモン(レボチロキシン及び/又はトリヨードチロニン)と組み合わせてがんを治療するために有用であり得る。
【0124】
別の実施態様では、この製剤は、ソマトスタチンアナログ(例えば、サンドスタチン及びオクトレオチド)と組み合わせてがんを治療するために有用であり得る。
【0125】
別の実施態様では、この製剤は、放射性標識のCEA抗体と組み合わせてがんを治療するために有用であり得る。
【0126】
したがって、本発明の範囲は、以下から選択される第二の化合物と組み合わせた、本発明で特許請求される製剤の使用を包含する:エストロゲンレセプターモジュレーター、アンドロゲンレセプターモジュレーター、レチノイドレセプターモジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoA還元酵素インヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、血管形成インヒビター、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、固有の多剤耐性のインヒビター、制吐剤、貧血の治療に有用な薬剤、好中球減少の治療に有用な薬剤、免疫増強薬、細胞増殖及び生存シグナル伝達のインヒビター、ビスフォスフォネート(bisphosphonates)、アロマターゼインヒビター、siRNA治療剤、γ−セクレターゼ及び/又はNOTCHインヒビター、受容体型チロシンキナーゼ(receptor tyrosine kinases)(RTK)を干渉する剤、細胞周期チエックポイントを妨げる薬剤、並びに上記の任意の治療剤。
【0127】
ある実施態様では、第二の化合物として用いられるべき血管形成阻害薬は、チロシンキナーゼインヒビター、上皮由来成長因子のインヒビター、線維芽細胞由来成長因子のインヒビター、血小板由来成長因子のインヒビター、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)インヒビター、インテグリンブロッカー、インターフェロンα、インターロイキン−12、ペントサンポリサルフェート、シクロオキシゲナーゼインヒビター、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチル−カルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、又はVEGFの抗体から選択される。ある実施態様では、エストロゲンレセプターモジュレーターは、タモキシフェン又はラロキシフェンである。
【0128】
「投与(administration)」という用語及びその改変体(例えば、ある化合物を「投与すること(administering)」)とは、本発明の製剤に関して、その製剤又はその製剤のプロドラッグを治療の必要な動物の系に導入することを意味する。本発明の製剤又はそのプロドラッグが、1つ以上の他の活性剤(例えば、細胞傷害剤など)と組み合わせて提供される場合、「投与」及びその改変体は、各々、その製剤又はそのプロドラッグ及び他の剤の同時及び連続的な導入を包含することが理解される。
【0129】
本明細書において用いる場合、「組成物(composition)」又は「製剤(formulation)」という用語は、特定の成分を指定された量で含む生成物、並びにこの特定の成分の指定された量での組み合わせから、直接又は間接的に生じる任意の生成物を包含するものとする。
【0130】
「治療上有効な量(therapeutically effective amount)」という用語は、本明細書において用いる場合、研究者、獣医、医師又は他の臨床家によって探求されている組織、系、動物又はヒトにおいて生物学的又は医学的な応答を惹起する本発明の製剤における活性な化合物又は薬剤の量を意味する。
【0131】
「がんを治療する(treating cancer)」又は「がんの治療(treatment of cancer)」という用語は、がん状態に罹患している哺乳動物に対する投与をいい、そしてがん細胞を殺傷することによってがん状態を軽減する効果だけでなく、がんの増殖及び/又は転移の阻害を生じる効果もいう。
【0132】
また、がんを治療する方法であって、治療上有効な量の本発明の製剤を、放射線療法と組み合わせて、及び/又は以下から選択される第二の化合物と組み合わせて投与することを包含する方法も本特許請求の範囲に含まれる:エストロゲンレセプターモジュレーター、アンドロゲンレセプターモジュレーター、レチノイドレセプターモジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤(cytotoxiccytostatic agents)、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoA還元酵素インヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、血管形成インヒビター、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、固有の多剤耐性のインヒビター、制吐剤、貧血の治療に有用な薬剤、好中球減少の治療に有用な薬剤、免疫増強薬、細胞増殖及び生存シグナル伝達のインヒビター、ビスフォスフォネート(bisphosphonates)、アロマターゼインヒビター、siRNA治療剤、γ−セクレターゼ及び/又はNOTCHのインヒビター、受容体型チロシンキナーゼ(RTK)を干渉する薬剤、細胞周期チエックポイントを妨げる薬剤、並びに上記の任意の治療剤。
【0133】
そして本発明のさらに別の実施態様は、パクリタキセル又はトラスツマブと組み合わせて本発明の製剤の治療上有効な量を投与することを包含するがんを治療する方法である。
【0134】
本発明はさらに、COX−2インヒビターと組み合わせて本発明の製剤の治療上有効な量を投与することを包含するがんを治療又は予防する方法を包含する。
【0135】
本発明はまた、治療上有効な量の本発明の製剤と、以下から選択される第二の化合物とを含む、がんを治療又は予防するために有用な医薬組成物も包含する:エストロゲンレセプターモジュレーター、アンドロゲンレセプターモジュレーター、レチノイドレセプターモジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤(cytotoxic/cytostatic agents)、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoA還元酵素インヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、血管形成インヒビター、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、細胞増殖及び生存シグナル伝達のインヒビター、ビスフォスフォネート(bisphosphonates)、アロマターゼインヒビター、siRNA治療剤、γ−セクレターゼインヒビター及び/又はNOTCHインヒビター、受容体型チロシンキナーゼ(RTK)を干渉する薬剤、細胞周期チエックポイントを妨げる薬剤、並びに上記の任意の治療剤。
【実施例】
【0136】
実施例1(EXAMPLE 1)
MK−0457の乳酸製剤(20mg/mL)
100mLのメスフラスコ中に、2.0gの乳酸(L乳酸、D乳酸又はラセミ混合物のいずれか)を秤量することによって、水中で20mg/mLの濃度の乳酸を調製する。次に、10mLのメスフラスコに200mgのMK−0457を検量する。次に、約8mLの20mg/mLの乳酸溶液を10mLのメスフラスコに添加する。次に、適切な量の糖(例えば、所望の張度次第で15mg/mL、50mg/mL及び100mg/mL)を添加する。全ての薬物含量が溶解するまで溶液を攪拌する。20mg/mLの乳酸溶液を用いてこの溶液を10mLに調節し、そして溶解を助けるために必要な場合、pHを調節する。
【0137】
実施例2(EXAMPLE 2)
MK−0457の乳酸製剤(20mg/mL)(大規模製造)
適切な混合容器に80パーセントのバッチ重量に等しい、注射用水を添加する。20mg/mLに等しい、乳酸(compendial lactic acid)(L乳酸、D乳酸又はラセミ混合物のいずれか)の必要量を添加して、混合し均質性を確保する。この容器に、20mg/mLの遊離の塩基に等しいMK−0457を添加して、混合して溶解する。適切な量の糖(例えば、所望の張度次第で15mg/mL、50mg/mL及び100mg/mL)をこの容器に添加し、混合して溶解する。必要に応じてpHを調節する。このバッチを、注射用水を用いて最終重量に調節する。滅菌ろ過して、適切な滅菌受け取り容器中にろ過した製剤を集める。適切に分類した領域で無菌技術を用いて適切なバイアル中に、この製剤を充てんして栓をする。必要に応じてキャップをして生成物を最終滅菌する。この製剤を適切な温度条件で保管する。
【0138】
実施例3(EXAMPLE 3)
MK−0457の乳酸製剤(20mg/mL)(大規模製造)
別の実施態様では、化合物Iの20mg/mLの乳酸製剤(大規模製造)を、以下の工程に従って調製してもよい:適切な混合容器中へ80パーセントのバッチ重量に等しい、注射用水を添加する。20mg/mLに等しい、乳酸(compendial lactic acid)(L乳酸、D乳酸又はラセミ混合物のいずれか)の必要な量を添加して、混合し均質性を確保する。この容器に、20mg/mLの遊離の塩基に等しい、MK−0457を添加して、混合して溶解する。適切な量の糖(例えば、所望の張度次第で15mg/mL、50mg/mL及び100mg/mL)を添加し、そして0.05mg/mlのEDTA(エデト酸二ナトリウム二水和物)をこの容器に添加し、混合して溶解する。必要に応じてpHを調節する。このバッチを、注射用水を用いて最終重量に調節する。滅菌ろ過して、適切な滅菌受け取り容器中に、ろ過した製剤を集める。適切に分類した領域で無菌技術を用いて適切なバイアル中に、この製剤を充てんして栓をする。必要に応じてキャップをして生成物を最終滅菌する。この製剤を適切な温度条件で保管する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MK−0457の乳酸製剤の調製方法であって、乳酸溶液とある量のMK−0457とを混合する工程及び糖を添加する工程を含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
全ての成分が溶解するまで混合することを特徴とする、さらなる工程が加えられた、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
pHを調節することを特徴とする、さらなる工程が加えられた、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記乳酸溶液が、1mg/mL〜100mg/mLの濃度範囲を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記乳酸溶液が、5mg/mL〜50mg/mLの濃度範囲を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記乳酸溶液が、20mg/mLの濃度を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記MK−0457の量が、1mg〜2000mgの範囲にある、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記MK−0457の量が、2mg〜1000mgの範囲にある、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記MK−0457の量が、5mg〜500mgの範囲にある、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記MK−0457の量が、100mg〜500mgの範囲にある、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記MK−0457の量が、200mgである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記糖が、マンニトール又はデキストロースから選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記糖が、張度に達するために添加される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
MK−0457の乳酸製剤。
【請求項15】
請求項14に記載のMK−0457の乳酸製剤を用いて哺乳動物においてがんを治療する方法。
【請求項16】
請求項14に記載のMK−0457の乳酸製剤を、別の抗がん剤と組み合わせて用いて哺乳動物においてがんを治療する方法。

【公表番号】特表2009−544705(P2009−544705A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521803(P2009−521803)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/016637
【国際公開番号】WO2008/013807
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】