説明

がんを処置および診断するための組成物および方法

本発明は、がんを特徴付ける、診断するおよび処置するための組成物および方法に関する。具体的には、本発明は、充実性腫瘍幹細胞において過剰発現されるタンパク質として、LGR5を特定する。本発明は、β-カテニンシグナル伝達の活性化のための別経路として、RSPO1とLGR5との間の相互作用をさらに特定する。ある種の態様において、本発明は、LGRタンパク質による機能的なシグナル伝達を乱す生体分子を提供し、ある種の態様では、一つまたは複数のRSPOタンパク質と、LGR5などの一つまたは複数のLGRタンパク質との間の相互作用を阻害する分子が含まれる。ある種の態様において、本発明は、機能的なLGRシグナル伝達を乱す段階および充実性腫瘍幹細胞を含む充実性腫瘍の増殖を阻害する段階を含む、がんを処置する方法を提供する。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体(LGR)タンパク質の細胞外ドメインに特異的に結合し、かつ充実性腫瘍幹細胞を含む充実性腫瘍の増殖を阻害する単離抗体であって、
(a) ヒトR-スポンジン(RSPO)タンパク質のLGR (ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体)タンパク質への結合を乱し、かつ/または
(b) RSPOによるLGRシグナル伝達の活性化を乱す、
単離抗体。
【請求項2】
ヒトロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体(LGR)タンパク質の細胞外ドメインに特異的に結合し、かつヒトR-スポンジン(RSPO)タンパク質のLGRタンパク質への結合を乱す、単離抗体。
【請求項3】
ヒトLGRタンパク質の細胞外ドメインに特異的に結合し、かつR-スポンジン(RSPO)によるLGR (ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体)シグナル伝達の活性化を乱す、単離抗体。
【請求項4】
ヒトR-スポンジン(RSPO)タンパク質に特異的に結合し、かつ充実性腫瘍幹細胞を含む充実性腫瘍の増殖を阻害する単離抗体であって、
(a) RSPOタンパク質のロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体(LGR)タンパク質への結合を乱し、かつ/または
(b) RSPOによるLGRシグナル伝達の活性化を乱す、
単離抗体。
【請求項5】
ヒトR-スポンジン(RSPO)タンパク質に特異的に結合し、かつRSPOタンパク質のロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体(LGR)タンパク質への結合を乱す、単離抗体。
【請求項6】
ヒトR-スポンジン(RSPO)タンパク質に特異的に結合し、かつRSPOによるLGR (ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体)シグナル伝達の活性化を乱す、単離抗体。
【請求項7】
LGRタンパク質がLGR5である、請求項1〜3または5のいずれか一項記載の抗体。
【請求項8】
細胞外ドメインがヒトLGR5のアミノ酸番号22-564 (SEQ ID NO:1)を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の抗体。
【請求項9】
LGRタンパク質がLGR4またはLGR6である、請求項1〜3または5のいずれか一項記載の抗体。
【請求項10】
ヒトRSPOタンパク質がRSPO1である、請求項2または4〜6のいずれか一項記載の抗体。
【請求項11】
ヒトRSPOタンパク質がRSPO2、RSPO3またはRSPO4である、請求項2または4〜6のいずれか一項記載の抗体。
【請求項12】
モノクローナル抗体である、請求項1〜11のいずれか一項記載の抗体。
【請求項13】
キメラ抗体である、請求項12記載の抗体。
【請求項14】
ヒト化抗体である、請求項12記載の抗体。
【請求項15】
ヒト抗体である、請求項12記載の抗体。
【請求項16】
二重特異性抗体である、請求項1〜11のいずれか一項記載の抗体。
【請求項17】
抗体断片である、請求項1〜11のいずれか一項記載の抗体。
【請求項18】
請求項1〜12のいずれか一項記載の抗体を産生する細胞株。
【請求項19】
ATCC寄託番号PTA-9342を有するハイブリドーマ細胞株。
【請求項20】
請求項19記載のハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体88M1。
【請求項21】
請求項20記載の抗体の重鎖CDRおよび/または軽鎖CDRを含む単離抗体。
【請求項22】
競合的結合アッセイにおいて請求項20記載の抗体と競合する単離抗体。
【請求項23】
請求項1〜17または20〜22のいずれか一項記載の抗体と薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物。
【請求項24】
請求項1〜17または20〜22のいずれか一項記載の抗体と第二の抗がん剤とを含む、薬学的組成物。
【請求項25】
(a) ヒトR-スポンジン(RSPO)タンパク質およびヒトロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体(LGR)の結合を乱し、かつ/または(b) RSPOによるLGRシグナル伝達の活性化を乱す薬剤の治療的有効量をヒトに投与する段階を含む、ヒトにおける腫瘍の増殖を阻害する方法。
【請求項26】
(a) ヒトR-スポンジン(RSPO)タンパク質およびヒトロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体(LGR)の結合を乱し、かつ/または(b) RSPOによるLGRシグナル伝達の活性化を乱す薬剤の治療的有効量をヒトに投与する段階を含む、ヒトにおけるがんを処置する方法。
【請求項27】
ヒトが、がん幹細胞を含んだ腫瘍を含むか、またはがん幹細胞を含んだ腫瘍が切除されている、請求項26記載の方法。
【請求項28】
薬剤が、(a) ヒトLGRタンパク質の細胞外ドメインまたは(b) ヒトRSPOタンパク質に結合する抗体を含む、請求項25〜27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
ヒトLGRタンパク質の細胞外ドメインに特異的に結合する抗体の治療的有効量をヒトに投与する段階を含む、ヒトにおけるがん幹細胞を含むがんを処置する方法であって、該抗体が
(a) ヒトR-スポンジン(RSPO)タンパク質のLGR (ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体)タンパク質への結合を乱し、かつ/または
(b) RSPOによるLGRシグナル伝達の活性化を乱す、
方法。
【請求項30】
LGRタンパク質がLGR5である、請求項25〜29のいずれか一項記載の方法。
【請求項31】
抗体が、ヒトLGR5のアミノ酸番号22-564 (SEQ ID NO:1)を含む細胞外ドメインに結合する、請求項28記載の方法。
【請求項32】
ヒトR-スポンジン(RSPO)タンパク質に特異的に結合する抗体の治療的有効量をヒトに投与する段階を含む、ヒトにおけるがん幹細胞を含むがんを処置する方法であって、該抗体が
(a) ヒトR-スポンジン(RSPO)タンパク質のLGR (ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体)タンパク質への結合を乱し、かつ/または
(b) RSPOによるLGRシグナル伝達の活性化を乱す、
方法。
【請求項33】
ヒトRSPOタンパク質がRSPO1である、請求項25〜28または32のいずれか一項記載の方法。
【請求項34】
ヒトRSPOタンパク質がRSPO2、RSPO3またはRSPO4である、請求項25〜28または32のいずれか一項記載の方法。
【請求項35】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項28〜34のいずれか一項記載の方法。
【請求項36】
抗体がキメラ抗体である、請求項35記載の方法。
【請求項37】
抗体がヒト化抗体である、請求項35記載の方法。
【請求項38】
抗体がヒト抗体である、請求項35記載の方法。
【請求項39】
ATCC寄託番号PTA-9342を有するハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体88M1の治療的有効量をヒトに投与する段階を含む、ヒトにおいてがんを処置するおよび/または腫瘍の増殖を阻害する方法であって、がんまたは腫瘍が、がん幹細胞を含む、方法。
【請求項40】
抗体の治療的有効量をヒトに投与する段階を含む、ヒトにおいてがんを処置するおよび/または腫瘍の増殖を阻害する方法であって、がんまたは腫瘍が、がん幹細胞を含み、抗体が、(a) ATCC寄託番号PTA-9342を有するハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体88M1の重鎖CDRおよび/もしくは軽鎖CDRを含み、かつ/または(b) ATCC寄託番号PTA-9342を有するハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体88M1と競合的結合アッセイにおいて競合する、方法。
【請求項41】
ヒトに第二の抗がん剤の有効量を投与する段階をさらに含む、請求項25〜40のいずれか一項記載の方法。
【請求項42】
充実性腫瘍幹細胞を含む充実性腫瘍の増殖を阻害するヒトLGRタンパク質の細胞外ドメインを含む、可溶性受容体。
【請求項43】
RSPOによるLGRシグナル伝達の活性化を乱すヒトLGRタンパク質の細胞外ドメインを含む、可溶性受容体。
【請求項44】
LGRタンパク質がLGR5である、請求項42または請求項43記載の可溶性受容体。
【請求項45】
細胞外ドメインがヒトLGR5のアミノ酸番号22-564 (SEQ ID NO:1)を含む、請求項44記載の可溶性受容体。
【請求項46】
非LGRタンパク質配列をさらに含む、請求項44記載の可溶性受容体。
【請求項47】
非LGRタンパク質配列がヒトFcを含む、請求項46記載の可溶性受容体。
【請求項48】
請求項42〜47のいずれか一項記載の可溶性受容体をコードする核酸を含む、単離ポリヌクレオチド。
【請求項50】
ヒトLGRタンパク質の細胞外ドメインを含む可溶性受容体の治療的有効量を投与する段階を含む、がん幹細胞を含むがんを処置する方法。
【請求項51】
LGRタンパク質がLGR5である、請求項50記載の方法。
【請求項52】
細胞外ドメインがヒトLGR5のアミノ酸番号22-564 (SEQ ID NO:1)を含む、請求項51記載の方法。
【請求項53】
可溶性受容体が非LGRタンパク質配列を含む、請求項51記載の方法。
【請求項54】
非LGRタンパク質がヒトFcを含む、請求項53記載の方法。
【請求項55】
請求項48記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項56】
請求項48記載のポリヌクレオチドを含む細胞株。
【請求項57】
(a) ヒトR-スポンジン(RSPO)タンパク質およびヒトロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体(LGR)の結合を乱し、かつ/または(b) RSPOによるLGRシグナル伝達の活性化を乱す薬剤の有効量と腫瘍細胞を接触させる段階を含む、腫瘍細胞におけるβ-カテニンシグナル伝達を阻害する方法。
【請求項58】
インビトロでの方法である、請求項57記載の方法。
【請求項59】
インビボでの方法である、請求項58記載の方法。
【請求項60】
薬剤が、(a) ヒトLGR5の細胞外ドメインまたは(b) ヒトRSPOタンパク質に特異的に結合する抗体である、請求項57〜59のいずれか一項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−532169(P2010−532169A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514866(P2010−514866)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/008210
【国際公開番号】WO2009/005809
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(308031072)オンコメッド ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】