説明

きのこ類からエルゴチオネインの製法

【課題】きのこ類からエルゴチオネインを高率に採取する方法の提供。
【解決手段】きのこ類の培地に適量のシスチン、システインを加え、更にジスルフイド化合体を添加し、エルゴチオネインの生産を安定化する、きのこ類の採取方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
たもぎたけなどのひらたけ類、しいたけ、えりんぎ、まいたけ、えのきたけなどに含まれるエルゴチオネイン培養、抽出に関する。
【背景技術】
【0002】
エルゴチオネインの製法には引用文献に示す様に各種の製法があるが、その何れもが母体とするきのこ、菌類、植物、動物などに含まれるエルゴチオネインの含有量が微小で、その抽出、精製が複雑であった。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】 公開特許公報 特開2007−300916
【特許文献2】 公開特許公報特開2008−110988
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
きのこ類からエルゴチオネインを高能率に生産、抽出する技術開発。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ひらたけなどのきのこ類培養の培養終了前70時間以内に、培地にシスチン、システイン及びジスルフイド結合化合物を添加して、エルゴチオネインの生産を確保する。
【発明の効果】
【0006】
前記の引用特許文献には、きのこ類培養の培地について記載がないが、字際にきのこを栽培すると培地の成分により、非常に生成物の含有量に査があることがあ分かる。
エルゴチオネイン生産を目的としてひらたけ、たもぎたけを培養してもエルゴチオネインが培地中に含まれる量は、乾燥きのこ100g中100mgからほとんど含有量が無いなど偏差が大きい。本発明では、常時大量のエルゴチオネインが生産出来る。
【0007】
ひらたけなどのきのこ類は、天然物と培地による人工生産物がある。本は発明は人工培地に関するが、天然物でも肥料として使用も出来る。
特表平8−501575のエルゴチオネインの新規合成方法の6頁、7頁にはエルゴチオネイン合成の化学推移が記載されているが、本発明も化学変化の触媒的効果を期待するものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
きのこ類の培地は、その品種により多様な培地が用いられているが、ツアペック培地など基本的培地でも差し支えはない。
【0009】
きのこ類の培養は、現在は菌種、培地など、それぞれ技術的指導は多様に展開されており、その方式も各社により差異がある。
【0010】
そのすべてを引例することは、実際上、意味がないので酵母エキス培地を例に説明する。
【0011】
酵母エキス培地にペプトンを少量加え培地を作成して、ひらたけを植菌する。培地量、植菌方法は公知の方式による。
【0012】
ひらたけは、通常、植菌後6日から15日前後に回収するが、菌種が多く不定なので、培養日時はそれぞれの菌種により決定する。
【0013】
この酵母培地1000mlに対しシスチン又はシステインを0、005%添加してひらたけの培養を行う。
【0014】
培養が完了する70時間以内にジスルフイド化合体を培地総量の0,005%以内添加して培養を行う。
【0015】
培養完了後、通常の抽出作業を行う
【0016】
抽出した液体をイオン交換樹脂に注入してエルゴチオネインの抽出を行う。この抽出作業はイオン交換樹脂に限定せず活性炭、ゼオライトなどでも良い。
【0017】
この操作により得られるエルゴチオネインの含有量は、通常の酵母培地の含有量が収穫量100g中に1mgにに対し、このシスチン、システイン、ジスルフイド添加方法ではエルゴチオネインの含有量は100mgに及ぶ検体もあり、更に抽出作業時間も短縮しうる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明で得られるエルゴチオネインは医薬品、化粧品、健康食品などに広い用途があり、開発された技術により製造が容易、安価となり、産業上広い利用価値がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
たもぎたけ、ひらたけ、しいたけなどのきのこ類培地に、培地総量の0,005%以内のシスチンまたはシステインを加え、更に培養終了前70時間以内にジスルフイド化合物を0,005%以内を添加、培養するきのこ類からエルゴチオネインの製法。

【公開番号】特開2012−19774(P2012−19774A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174847(P2010−174847)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(502287750)
【出願人】(510212546)株式会社かこい (3)
【Fターム(参考)】