どら焼き用皮製造装置並びにどら焼き製造装置及び方法
【課題】本発明は、どら焼きの製造に好適な皮を作成することができるどら焼き製造装置及び方法を提供することを目的とする。
【解決手段】どら焼き製造装置1は、焼成板12の上面で生地を加熱して皮を焼成する生地焼成部3と、皮を反転する皮反転部4と、反転された皮に内材を供給して一対の皮で挟むように重ね合わせる内材供給部5と、重ね合わされた一対の皮の周縁部を密着させる耳締め処理部6とを備え、生地焼成部3は、焼成板12の下側から加熱する下側加熱装置15と、焼成板12の上側から加熱して生地の上面の中心部分のみ焼き色を付ける上側加熱装置16及び17とを有し、皮反転部4は、支持部材及び押え部材で皮を挟んで把持した状態で回動させて一対の皮を反転させる第一反転部20と、一対の皮のうち1枚を反転させる第二反転部21とを有する。
【解決手段】どら焼き製造装置1は、焼成板12の上面で生地を加熱して皮を焼成する生地焼成部3と、皮を反転する皮反転部4と、反転された皮に内材を供給して一対の皮で挟むように重ね合わせる内材供給部5と、重ね合わされた一対の皮の周縁部を密着させる耳締め処理部6とを備え、生地焼成部3は、焼成板12の下側から加熱する下側加熱装置15と、焼成板12の上側から加熱して生地の上面の中心部分のみ焼き色を付ける上側加熱装置16及び17とを有し、皮反転部4は、支持部材及び押え部材で皮を挟んで把持した状態で回動させて一対の皮を反転させる第一反転部20と、一対の皮のうち1枚を反転させる第二反転部21とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚の皮の間に内材を挟み込んだどら焼きの皮を製造するどら焼き用皮製造装置並びにどら焼き製造装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
どら焼きは、従来より和菓子として広く知られた商品の1つであり、「どら焼き」という商品名で多種多様なものが製造販売されている。一般的などら焼きは、小麦粉、卵、砂糖、膨張剤、水等を混ぜ合わせた生地を焼き板で円板状に焼成して2枚の皮を作成し、作成した皮の間に粒餡等の内材を挟み込んで製造する。
【0003】
このように製造されるどら焼きを、手作業によらずに自動的に製造する製造装置が提案されている。例えば、特許文献1では、生地を焼成板上に供給して薄く引き延ばす生地供給装置と、焼成板を加熱して生地の下面を焼き、生地を反転させてもう一方の面を焼成板で加熱して焼く加熱処理装置と、焼いた生地上に中味を充填して別の焼いた生地を重ね合わせ、2つの生地の耳締めを行うどら焼き処理装置とを備えた製造装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−100684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献では、どら焼きの製造を自動化して量産化を図るようにしているが、どら焼きの2枚の皮の周縁部を密着させる耳締めの処理を安定して行うことが難しい。すなわち、耳締めの処理を行うためには、耳締め処理で付着させるための皮の周縁部に焼き目を付けないように生地を焼く必要がある。しかしながら、生地の周縁部に焼き目を付けない状態では生地が生焼け状態となって垂れるおそれがあるため、生地の周縁部についてもある程度加熱して生地が垂れない程度に硬化した状態としなければならない。
【0006】
こうした状態は生地の周縁部に対して加熱処理を微調整する必要があるが、特許文献のように、生地の下面を焼いた後に反転してもう一方の面を焼成板で焼く処理では、加熱処理を微調整することは難しく、生地の周縁部が耳締めの処理に最適な状態となるように安定して加熱処理することは困難である。また、生地を反転してもう一方の面を焼く際に既に加熱により発泡して膨張する生地が反転により内部の気泡が抜けてしぼむように薄くなるため、ふっくらとした皮に安定して仕上げることができない欠点がある。
【0007】
そこで、本発明は、どら焼きの製造に好適な皮を作成することができるどら焼き用皮製造装置並びにどら焼き製造装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るどら焼き用皮製造装置は、生地が供給された前記焼成板の下側から加熱する下側加熱手段及び前記焼成板の上側から加熱して生地の上面の中心部分のみ焼き色を付ける上側加熱手段を有する生地焼成部と、前記生地焼成部において焼成された皮を下面側から支持する支持部材及び当該皮を上面側から押える押え部材を回動させて前記皮を反転させる皮反転部とを備えていることを特徴とする。さらに、前記上側加熱手段は、前記生地の上面全体を加熱する加熱装置及び前記生地の中心部分を加熱する加熱装置を備えている。さらに、前記皮反転部は、前記押え部材を回動させて前記支持部材との間に前記皮を挟持させる作動手段を有する。さらに、前記皮反転部は、前記押え部材及び前記支持部材を往復動させる移動手段を有する。
【0009】
本発明に係るどら焼き製造装置は、上記のどら焼き用皮製造装置を備えている。
【0010】
本発明に係るどら焼き製造方法は、焼成板の上面に供給された生地を加熱して皮を焼成し、焼成された前記皮を反転し、反転された前記皮に内材を供給して一対の前記皮で挟むように重ね合わせてどら焼きを成形するどら焼き製造方法において、生地が供給された前記焼成板の下側から加熱するとともに前記焼成板の上側からも加熱して生地の上面の中心部分のみ焼き色を付け、焼成された前記皮を下面側から支持するとともに上面側から押えて回動させることで前記皮を反転させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記のような構成を有することで、どら焼きの製造に好適な皮を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る実施形態に関する概略正面図及びどら焼きの製造過程を示す説明図である。
【図2】生地焼成部における生地の焼成過程を示す説明図である。
【図3】皮反転部に関する概略正面図である。
【図4】皮反転部に関する概略斜視図である。
【図5】第一反転部の駆動機構に関する右側面図、背面図及び上面図である。
【図6】皮反転部の動作に関する概略上面図及び概略正面図である。
【図7】皮反転部の動作に関する概略上面図及び概略正面図である。
【図8】皮反転部の動作に関する概略上面図及び概略正面図である。
【図9】皮反転部の動作に関する概略上面図及び概略正面図である。
【図10】皮反転部の動作に関する概略上面図及び概略正面図である。
【図11】皮反転部の動作に関する概略上面図及び概略正面図である。
【図12】皮反転部の動作に関する概略上面図及び概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明に係る実施形態に関する概略正面図(図1(a))及びどら焼きの製造過程を示す説明図(図1(b))である。どら焼き製造装置1は、どら焼きの皮の材料である生地を焼成板の上面に供給する生地供給部2、焼成板の上面に供給された生地を加熱して皮を焼成する生地焼成部3、焼成した皮を反転する皮反転部4、反転された皮に内材を供給して一対の皮で挟むように重ね合わせてどら焼きを成形する内材供給部5及び耳締め処理部6を備えている。
【0015】
生地供給部2は、予め小麦粉、卵、砂糖、膨張剤、水等を混合して調製した生地を投入するホッパ10及び生地を適量ずつ焼成板12の上面に吐出するノズル11を備えており、ノズル11から吐出された生地は焼成板12上に薄く延ばして円形状に形成される。
【0016】
生地焼成部3は、無端状のチェーンベルトに短冊状の焼成板12を複数枚配列した加熱コンベヤ13を備えており、焼成板12は、無端状のチェーンベルトを張架したプーリ14を駆動することで、搬送されるようになっている。周状に配列された焼成板12の内側には、下側加熱手段であるガスバーナー等の下側加熱装置15が配置されており、上側に配列された焼成板12は、下側加熱装置15により下方から加熱されながら搬送されていく。また、上側に配置された焼成板12の上方には、上側加熱手段である赤外線バーナー等の上側加熱装置16及び17が搬送方向に沿って配置されており、下流側の上側加熱装置17と焼成板12との間には、円形の貫通孔を形成した熱遮蔽板18が配設されている。熱遮蔽板18は、耐熱材料から構成され、上側加熱装置17から放射される赤外線等が円形の貫通孔以外を通過しないように遮蔽し、円形の貫通孔から生地の上面に赤外線等を照射して生地の中心部分を円形に焼き色を付ける。
【0017】
図2は、生地焼成部3における生地の焼成過程を示す説明図である。生地Fは、生地供給部2から吐出されて焼成板12の上面に載置されると、下側加熱装置15により加熱された焼成板12の熱により生地Fの下面が焼かれていく。加熱コンベヤ13は、生地Fの焼成速度に対応させた搬送速度で焼成板12を間欠搬送していき、焼成板12の搬送中に生地Fの下面に対して適度な焼き色が付けられていく(図2(a))。
【0018】
そして、焼成板12が間欠搬送されて上側加熱装置16の下方において生地Fが対向配置された状態で一時停止するように搬送制御される。上側加熱装置16に対向配置された状態で生地Fの上面側が加熱されるようになる。上側加熱装置16では、生地Fの上面全体が加熱されて膨張し、生地Fの表面が流動しないように固まる程度に加熱処理される(図2(b))。生地Fは、上側加熱装置16を通過して間欠搬送されながら下側加熱装置15により継続して下面側が焼かれていく(図2(c))。
【0019】
次に、焼成板12が間欠搬送されて上側加熱装置17の下方において生地Fが対向配置された状態で一時停止するように搬送制御される。上側加熱装置17に対向配置された状態では、上方から見て生地Fの中心部分が熱遮蔽板18の貫通孔にほぼ一致するように設定され、貫通孔を通過した赤外線により生地Fの上側の中心部分が加熱されるようになる。上側加熱装置17では、生地Fの中心部分が加熱により膨張して盛り上がるとともに表面が焼かれて円形の焼き色Bが付く程度に加熱処理される(図2(d))。生地Fは、上側加熱装置17を通過して間欠搬送されながら下側加熱装置15により継続して下面側が焼かれていき、下面側全面に均等な焼き色が付いた状態となる(図2(e))。
【0020】
以上のように生地の焼成処理を行うことで、一方の面側に全面焼き色が付くとともに他方の面側に中心部分にのみ焼き色の付いた皮Kが焼成される。そして、皮Kの他方の面側の焼き色の付いていない周縁部は、生地が加熱により固まって流動せずわずかに焼き色が付いた状態となり、後述する耳締め処理の際に密着可能な程度の焼き加減に仕上げられている。また、生地Fの上面側を上側加熱装置16及び17により2度焼きすることで、生地Fの中央部分が膨張して盛り上がった形状の皮に仕上げることができ、後述するように製品として成形する場合に、ソフト感及びボリューム感を有する製品形状となる。
【0021】
下側加熱装置15は、生地の供給から生地の上側の加熱処理までの間の間欠搬送期間中に生地の下面側を加熱するようになっており、この期間中に生地に適度な焼き色が付く程度に焼成板12の加熱温度を調整するように加熱制御される。
【0022】
なお、上側加熱装置16及び17は、1つの加熱装置を用いてもよく、また赤外線を放射する加熱装置等を用いて熱源自体を円形にすることで熱遮蔽板18を不要とすることもできる。
【0023】
皮反転部4は、生地焼成部3に対して加熱コンベヤ13の搬送方向下流側に配置されており、第一反転部20及び第二反転部21を備えている。第一反転部20は、生地焼成部3のそれぞれの焼成板12において焼成された一対の皮を把持して反転させながら搬送コンベヤ22の搬送面に移送するように動作する。第二反転部21は、第一反転部20に対して搬送コンベヤ22の搬送方向下流側に配置されており、第一反転部20により反転した一対の皮のうち1枚を回動板で受けてもう一度反転させるように動作する。
【0024】
図3は、皮反転部4に関する概略正面図であり、図4は、皮反転部4に関する概略斜視図である。第一反転部20は、一対の支持部材200及び一対の押え部材201を備えており、第二反転部21は、搬送コンベヤ22の搬送面に配置された回動板203を備えている。また、回動板203に対して搬送コンベヤ22の搬送方向上流側には押止部材204が配置されている。
【0025】
支持部材200は、弾性及び可撓性を有する材料からなり、矩形状の枠体に形成されている。そして、加熱コンベヤ13の搬送方向と直交する方向に配置された回転軸体206に支持部材200の一方の短辺部が固定されており、回転軸体206に一対の支持部材200が所定間隔を空けて配設されている。回転軸体206の一方の端部には、従動ローラ205が固定されており、従動ローラ205の回動により回転軸体206が中心軸を中心に回転することで、支持部材200が加熱コンベヤ13の搬送方向に回動して反転動作を行うようになっている。
【0026】
押え部材201は、支持部材200と同じサイズの矩形状の枠体で一方の短辺部が切り欠かれて平面視コ字状に形成されている。一対の押え部材201は、支持部材200と同じ間隔を空けて回転軸体208に他方の短辺部が固定されており、回転軸体208は、回転軸体206の両端部において回転可能に軸支されて回転軸体206とともに回動するように設定されている。回転軸体208は、回転軸体206に沿うように近接配置されており、一方の端部に取り付けられた回転シリンダ207により中心軸を中心に回動して押え部材201を加熱コンベヤ13の搬送方向に回動するようになっている。
【0027】
押え部材201は、回転シリンダ207の回転駆動により支持部材200に対して回動動作を行うことができ、図3に示すように、支持部材200から離間した待機位置及び支持部材200に近接した作動位置に設定することが可能であり、押え部材201が作動位置に設定された状態では支持部材200に重ね合うように配置される。そして、各押え部材201の一対の長辺部には、支持部材200に対向する側にストッパ201aが突設されており、押え部材201が作動位置に設定されると、ストッパ201aが支持部材200に近接配置されるようになっている。
【0028】
図5は、第一反転部20の駆動機構に関する右側面図(図5(a))、背面図(図5(b))及び上面図(図5(c))である。駆動機構は、支持部材200及び押え部材201を加熱コンベヤ13の搬送方向に往復動させる移動機構、支持部材200及び押え部材201を回動させる反転機構及び支持部材200に対して押え部材201を回動させる作動機構を備えている。移動機構は、機枠100の外側面に固定された一対のガイドレール101に取り付けられた板状のキャリッジ103を備えている。一対のガイドレール101は、上下に所定の間隔を空けて固定されており、キャリッジ103は、内側面に設けられた2対の係合部102がそれぞれガイドレール101に対して左右方向に移動可能に係合して支持されるようになっている。キャリッジ103の側方には、機枠100に駆動モータ104が取り付けられており、駆動モータ104には、クランク機構105が設けられている。クランク機構105は、駆動モータ104の駆動軸に円板が固定されて円板の偏心した位置に作動シャフト106の一端が取り付けられており、駆動モータ104の回転動作を作動シャフト106の左右方向の往復動作に変換するようになっている。そして、作動シャフト106の他端がキャリッジ103の側端に固定されており、作動シャフト106が左右方向に往復動作することでキャリッジ103が左右方向に往復動するようになっている。この例では、駆動モータを用いてキャリッジ103を往復動させるようにしているが、エアシリンダ等の駆動手段を用いて往復動させるようにすることもできる。
【0029】
機枠100には、移動位置検知センサ110が設けられており、駆動モータ104を駆動してキャリッジ103を左右方向に移動させ、キャリッジ103が所定位置に到来したことを移動位置検知センサ110が検知すると駆動モータ104を駆動停止し、キャリッジ103を所定位置に位置決めすることができる。
【0030】
反転機構は、支持部材200及び押え部材201を回動させるために、キャリッジ103に取り付けられた駆動モータ107を備えており、駆動モータ107の駆動軸には駆動プーリ108が取り付けられている。そして、駆動プーリ108は、従動プーリ205との間に駆動ベルト109が張架されており、駆動プーリ108の回転駆動に連動して従動プーリ205が回動するようになっている。したがって、駆動モータ107を回転駆動することで、回転軸体206が回転して支持部材200及び押え部材201を加熱コンベヤ13の搬送方向に回動させるようになっている。
【0031】
また、キャリッジ103には、取付部材を介して回転位置検知センサ111が設けられており、回転位置検知センサ111は、回転軸体206に連結された回転体112の回動を検知するように設定されている。そして、駆動モータ107を駆動して回転軸体206を回転させ、回転軸体206と同期して回動する回転体112が所定の回転角度位置まで回動したことを回転位置検知センサ111が検知すると、駆動モータ107を駆動停止する。そのため、回転軸体206に固定された支持部材200を所定の回転角度位置に位置決めすることができる。
【0032】
作動機構は、上述したように、押え部材201を回動させる回転シリンダ207を備えている。押え部材201を固定した回転軸体208は、回転軸体206の両端部に取付固定された軸支部材208aに両端部を挿入して回動可能に軸支されており、一方の端部が軸支部材208aに固定された回転シリンダ207と連結している。回転シリンダ207は、ほぼ90度の角度範囲を回転駆動するように設定されており、回転シリンダ207を適宜回転させることで、押え部材201を支持部材200と近接する作動位置又は支持部材200とほぼ直交する待機位置に設定することができる。
【0033】
第二反転部21では、回動板203を支持固定する回転軸体209が搬送コンベヤ22の搬送方向に対して直交する方向に沿って配設されており、回転軸体209は回転シリンダ210に連結されて回転駆動されるようになっている。第一反転部20により反転移送された2枚の皮のうち1枚の皮が回動板203上に載置された後回転シリンダ210を回転駆動して回動板203を搬送コンベヤ22の搬送方向にほぼ180度回動させることで、回動板203上に載置された皮を反転させることができる。
【0034】
押止部材204は、細幅の板状体からなり、搬送コンベヤ22の搬送方向に対して直交する方向に沿って配設されたシャフト211に直立するように取付固定されている。シャフト211の一端部は、駆動シリンダ213の駆動体212に固定されており、駆動シリンダ213が搬送コンベヤ22の搬送方向に沿って駆動体212を往復動させることで、押止部材204が搬送コンベヤ22の搬送面の上方において搬送方向に往復動作するようになっている。押止部材204は、後述するように、第一反転部20により皮を反転し搬送コンベヤ22に移送する工程において支持部材200及び押え部材201を戻す際に皮に当接して押し止め、皮を搬送コンベヤ22の搬送面に載置するように作用する。
【0035】
図6から図12は、皮反転部4の動作に関する説明図である。図6(a)から図12(a)は、皮反転部4に関する概略上面図を示しており、図6(b)から図12(b)は、皮反転部4に関する概略正面図を示している。
【0036】
図6では、焼成板12に載置されながら加熱されて焼かれた皮Kが加熱コンベヤ13により間欠搬送されてくる。支持部材200は、焼成板12の上面とほぼ平行となるように設定され、押え部材201は、支持部材200に対して上方に向かってほぼ直角方向となる開いた状態に設定されている。図7では、回転軸体206を回転駆動して支持部材200を下方にわずかに傾けながら皮Kに向かってキャリッジ103(図示せず)を移動するように動作する。皮Kが間欠搬送されるタイミングで支持部材200を移動させることで、支持部材200の先端が焼成板12の上面を滑るように皮Kの底面に入り込み、支持部材200が全体にわずかに撓んだ状態となって皮Kの底面を焼成板12から剥がすように作用する。そのため、皮Kの底面が焼成板12からきれいに剥離して支持部材200の上面に掬い上げられた状態となる。図8では、回転軸体208が回転駆動され押え部材201が支持部材200に接近する方向に回動して皮Kの上面に接触した作動位置に設定され、支持部材200及び押え部材201により皮Kが挟持されるようになる。押え部材201は、コ字状に形成されているため、皮Kの上面に形成された焼き色が付いた中心部分の両側を押えるようになる。そのため、膨張した中心部分が押えられることがなく皮Kがふっくらした状態のまま挟持することができる。また、膨らんだ状態の中心部分を囲むように押え部材201が配置されるので、皮Kを安定した状態でしっかりと保持することが可能となる。押え部材201のストッパ201aは、皮Kの外周縁に近接した位置に設定され、反転する際に皮Kが回転軸体206側にずれないようになっている。そのため、回転軸体206とストッパ201aとの間には、支持部材200及び押え部材201の内側の隙間が空いた状態となる。
【0037】
図9では、皮Kが支持部材200及び押え部材201に挟持された状態で回転軸体206が回転駆動されて反転動作が行われるとともにキャリッジ103が搬送コンベヤ22の方へ移動する。反転動作により押え部材201が皮Kの下側に配置され、支持部材200が皮Kの上側に配置される。また、皮Kの上面側が全面焼き色が付いた面となり、皮Kの下面側が中心部分にのみ焼き色の付いた面となる。
【0038】
一方、押止部材204は、搬送コンベヤ22の端部に配置されて上方に向かって直立した状態に設定され、回動板203は、搬送コンベヤ22の搬送面上において押止部材204に隣接して配置されている。図10では、キャリッジ103の移動動作により反転動作した支持部材200及び押え部材201が搬送コンベヤ22の搬送面の上方に配置されるようになり、その際に押止部材204は、回転軸体206とストッパ201aとの間に形成された支持部材200及び押え部材201の内側の隙間に挿入されるようになる。また、回動板203は、1枚の皮Kを保持する支持部材200及び押え部材201の下方に対向配置されるようになる。
【0039】
次に、図11では、キャリッジ103を加熱コンベヤ13の方へ移動させる。キャリッジ103の移動に伴い支持部材200及び押え部材201が加熱コンベヤ13側に移動するようになるが、支持部材200及び押え部材201に挟持された皮Kは、押止部材204に当接して押し止められるようになる。そのため、支持部材200及び押え部材201の間から皮Kがすり抜けて、1枚の皮Kは搬送コンベヤ22の搬送面に載置され、もう1枚の皮Kは回動板203の上面に載置されるようになる。
【0040】
図12では、回転軸体206及び回転軸体208が回転駆動され、支持部材200及び押え部材201が図6に示す回動位置と同じ位置となるように回動する。支持部材200が焼成板12に対向する位置に設定され、押え部材201が支持部材200と直交する待機位置に設定される。押止部材204は、加熱コンベヤ13側に移動して待機位置に設定される。そして、回転シリンダ210が回転駆動され、回動板203が搬送コンベヤ22の搬送方向に回動して皮Kを再度反転動作させる。この反転動作により皮Kの上面側が中心部分のみ焼き色の付いた面となり、もう1枚の皮Kの上面側が全面焼き色の付いた面のままで2枚の皮Kが並列した状態で内材供給部5に搬送される。
【0041】
以上説明したように皮の反転動作を行うことで、生地焼成部3で中心部分が焼けたふっくらした状態に仕上げられた皮にダメージをほとんど与えることなく反転動作を行うことができる。すなわち、支持部材200及び押え部材201により皮を挟み込んで回動するため皮がずれることがなく、安定した状態で反転することが可能となる。また、搬送コンベヤに載置する際に、支持部材200及び押え部材201で皮を把持した状態で搬送コンベヤ上に停止した後支持部材200及び押え部材201を引き抜くように移動させて皮を搬送コンベヤに載置するようにしているので、反転動作の際に皮が受けるダメージを最小限とすることができる。
【0042】
図1(a)に示すように、内材供給部5は、皮反転部4に対して搬送コンベヤ22の搬送方向下流側に配置されており、餡等の内材を投入するホッパ23及び内材を適量ずつ皮の上に吐出するノズル24を備えている。内材供給部5では、第二反転部21により反転された皮の上面の焼き色が付いた中心部分に内材を配置するようにノズル24から内材を吐出する。
【0043】
内材供給部5には、ノズル24の上流側にガイド機構25が設けられており、ガイド機構25は、搬送コンベヤ22により搬送されてくる2枚の皮に当接して整列させる。また、ノズル24の下流側に移載機構26が設けられており、移載機構26は、皮Kの上面に吸引して持ち上げる吸引手段を備えている。そして、搬送コンベヤ22により搬送されてくる2枚の皮のうち内材を載置していない方の皮を吸引手段により持ち上げて、もう一方の皮の上に重ね合わせ、内材を2枚の皮で挟むように配置する。この場合、2枚の皮の内側の面が中心部分にのみ焼き色の付いた面となっており、焼き色の付いていない周縁部分が対向配置した状態に設定されている。
【0044】
耳締め処理部6は、移載機構26に対して搬送コンベヤ22の搬送方向下流側に配置されており、重ね合わされた2枚の皮を上下方向から挟むように型押しする上型30及び下型31を有する耳締め機構と、搬送コンベヤ22から移送された2枚重ねの皮を紐状ベルトで搬送する搬送コンベヤ32とを備えている。上型30及び下型31は、2枚重ねの皮の周縁部を上下方向から挟圧して閉じるように密着させて耳締め処理を行う。
【0045】
どら焼きの製造工程では、図1(b)に示すように、まず、加熱コンベヤ13で搬送される焼成板12の上面に、2枚の皮に対応して生地Fが吐出され円形状に形成される。焼成板12が搬送されていく間に下側加熱装置15により加熱されて生地Fの下面が焼かれていき、生地Fの上面についても上側加熱装置16及び17により加熱されて焼かれ、一方の面に全面焼き色が付き他方の面に中心部分のみ焼き色の付いた2枚の皮Kが焼成される。皮Kは、第一反転部20により反転されて搬送コンベヤ22に移送され、1枚の皮Kについてはさらに第二反転部21により反転されて、1枚の皮Kは全面焼き色の付いた面が上面側となり、もう1枚の皮Kは中心部分のみ焼き色の付いた面が上面側となる。
【0046】
それぞれ反転された2枚の皮Kは、搬送コンベヤ22により内材供給部5に搬送されていき、ガイド機構25により2枚の皮Kの先端が揃えられる。次に、2枚の皮Kは内材供給部5のノズル24の下方に搬送され、上面側が中心部分のみ焼き色の付いた皮Kに適量の内材Gが供給されて焼き色の付いた中心部分に配置される。次に、2枚の皮Kは移載機構26の下方に搬送され、上面側が全面焼き色の付いた皮Kが持ち上げられて内材Gが配置された皮Kに重ね合わせ、内材Gを2枚の皮Kで挟むようにセットする。2枚の皮Kを重ね合わせた状態で耳締め処理部6の搬送コンベヤ32に移送し、上型30及び下型31により2枚の皮Kの周縁部分を型押しする。こうして中心部分が膨らんでふっくらした状態に仕上げられた皮を用いて周縁部を密着させたソフト感及びボリューム感を有する成形品Hを製造することができる。
【0047】
以上説明した例では、2列の生地Fを供給して皮Kを焼成して1つの成形品Hを製造するようにしているが、焼成板12のサイズを大きくして4列以上の偶数列で生地Fを供給して一度に複数の成形品Hを製造するようにすることもできる。また、第一反転部では、加熱コンベヤの焼成板から皮を掬い上げて反転動作し、搬送コンベヤに移送するようにしているが、加熱コンベヤ上に第一反転部を配置して焼成板から焼成板へ反転動作するように設定することもできる。
【0048】
なお、上述した例では、生地供給部2、生地焼成部3及び皮反転部4からなるどら焼き用皮製造装置として構成することもできる。
【符号の説明】
【0049】
1・・・どら焼き製造装置、2・・・生地供給部、3・・・生地焼成部、4・・・皮反転部、5・・・内材供給部、6・・・耳締め処理部、12・・・焼成板、13・・・加熱コンベヤ、15・・・下側加熱装置、16・・・上側加熱装置、17・・・上側加熱装置、18・・・熱遮蔽板、20・・・第一反転部、21・・・第二反転部、22・・・搬送コンベヤ、25・・・ガイド機構、26・・・移載機構、30・・・上型、31・・・下型、32・・・搬送コンベヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚の皮の間に内材を挟み込んだどら焼きの皮を製造するどら焼き用皮製造装置並びにどら焼き製造装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
どら焼きは、従来より和菓子として広く知られた商品の1つであり、「どら焼き」という商品名で多種多様なものが製造販売されている。一般的などら焼きは、小麦粉、卵、砂糖、膨張剤、水等を混ぜ合わせた生地を焼き板で円板状に焼成して2枚の皮を作成し、作成した皮の間に粒餡等の内材を挟み込んで製造する。
【0003】
このように製造されるどら焼きを、手作業によらずに自動的に製造する製造装置が提案されている。例えば、特許文献1では、生地を焼成板上に供給して薄く引き延ばす生地供給装置と、焼成板を加熱して生地の下面を焼き、生地を反転させてもう一方の面を焼成板で加熱して焼く加熱処理装置と、焼いた生地上に中味を充填して別の焼いた生地を重ね合わせ、2つの生地の耳締めを行うどら焼き処理装置とを備えた製造装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−100684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献では、どら焼きの製造を自動化して量産化を図るようにしているが、どら焼きの2枚の皮の周縁部を密着させる耳締めの処理を安定して行うことが難しい。すなわち、耳締めの処理を行うためには、耳締め処理で付着させるための皮の周縁部に焼き目を付けないように生地を焼く必要がある。しかしながら、生地の周縁部に焼き目を付けない状態では生地が生焼け状態となって垂れるおそれがあるため、生地の周縁部についてもある程度加熱して生地が垂れない程度に硬化した状態としなければならない。
【0006】
こうした状態は生地の周縁部に対して加熱処理を微調整する必要があるが、特許文献のように、生地の下面を焼いた後に反転してもう一方の面を焼成板で焼く処理では、加熱処理を微調整することは難しく、生地の周縁部が耳締めの処理に最適な状態となるように安定して加熱処理することは困難である。また、生地を反転してもう一方の面を焼く際に既に加熱により発泡して膨張する生地が反転により内部の気泡が抜けてしぼむように薄くなるため、ふっくらとした皮に安定して仕上げることができない欠点がある。
【0007】
そこで、本発明は、どら焼きの製造に好適な皮を作成することができるどら焼き用皮製造装置並びにどら焼き製造装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るどら焼き用皮製造装置は、生地が供給された前記焼成板の下側から加熱する下側加熱手段及び前記焼成板の上側から加熱して生地の上面の中心部分のみ焼き色を付ける上側加熱手段を有する生地焼成部と、前記生地焼成部において焼成された皮を下面側から支持する支持部材及び当該皮を上面側から押える押え部材を回動させて前記皮を反転させる皮反転部とを備えていることを特徴とする。さらに、前記上側加熱手段は、前記生地の上面全体を加熱する加熱装置及び前記生地の中心部分を加熱する加熱装置を備えている。さらに、前記皮反転部は、前記押え部材を回動させて前記支持部材との間に前記皮を挟持させる作動手段を有する。さらに、前記皮反転部は、前記押え部材及び前記支持部材を往復動させる移動手段を有する。
【0009】
本発明に係るどら焼き製造装置は、上記のどら焼き用皮製造装置を備えている。
【0010】
本発明に係るどら焼き製造方法は、焼成板の上面に供給された生地を加熱して皮を焼成し、焼成された前記皮を反転し、反転された前記皮に内材を供給して一対の前記皮で挟むように重ね合わせてどら焼きを成形するどら焼き製造方法において、生地が供給された前記焼成板の下側から加熱するとともに前記焼成板の上側からも加熱して生地の上面の中心部分のみ焼き色を付け、焼成された前記皮を下面側から支持するとともに上面側から押えて回動させることで前記皮を反転させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記のような構成を有することで、どら焼きの製造に好適な皮を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る実施形態に関する概略正面図及びどら焼きの製造過程を示す説明図である。
【図2】生地焼成部における生地の焼成過程を示す説明図である。
【図3】皮反転部に関する概略正面図である。
【図4】皮反転部に関する概略斜視図である。
【図5】第一反転部の駆動機構に関する右側面図、背面図及び上面図である。
【図6】皮反転部の動作に関する概略上面図及び概略正面図である。
【図7】皮反転部の動作に関する概略上面図及び概略正面図である。
【図8】皮反転部の動作に関する概略上面図及び概略正面図である。
【図9】皮反転部の動作に関する概略上面図及び概略正面図である。
【図10】皮反転部の動作に関する概略上面図及び概略正面図である。
【図11】皮反転部の動作に関する概略上面図及び概略正面図である。
【図12】皮反転部の動作に関する概略上面図及び概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明に係る実施形態に関する概略正面図(図1(a))及びどら焼きの製造過程を示す説明図(図1(b))である。どら焼き製造装置1は、どら焼きの皮の材料である生地を焼成板の上面に供給する生地供給部2、焼成板の上面に供給された生地を加熱して皮を焼成する生地焼成部3、焼成した皮を反転する皮反転部4、反転された皮に内材を供給して一対の皮で挟むように重ね合わせてどら焼きを成形する内材供給部5及び耳締め処理部6を備えている。
【0015】
生地供給部2は、予め小麦粉、卵、砂糖、膨張剤、水等を混合して調製した生地を投入するホッパ10及び生地を適量ずつ焼成板12の上面に吐出するノズル11を備えており、ノズル11から吐出された生地は焼成板12上に薄く延ばして円形状に形成される。
【0016】
生地焼成部3は、無端状のチェーンベルトに短冊状の焼成板12を複数枚配列した加熱コンベヤ13を備えており、焼成板12は、無端状のチェーンベルトを張架したプーリ14を駆動することで、搬送されるようになっている。周状に配列された焼成板12の内側には、下側加熱手段であるガスバーナー等の下側加熱装置15が配置されており、上側に配列された焼成板12は、下側加熱装置15により下方から加熱されながら搬送されていく。また、上側に配置された焼成板12の上方には、上側加熱手段である赤外線バーナー等の上側加熱装置16及び17が搬送方向に沿って配置されており、下流側の上側加熱装置17と焼成板12との間には、円形の貫通孔を形成した熱遮蔽板18が配設されている。熱遮蔽板18は、耐熱材料から構成され、上側加熱装置17から放射される赤外線等が円形の貫通孔以外を通過しないように遮蔽し、円形の貫通孔から生地の上面に赤外線等を照射して生地の中心部分を円形に焼き色を付ける。
【0017】
図2は、生地焼成部3における生地の焼成過程を示す説明図である。生地Fは、生地供給部2から吐出されて焼成板12の上面に載置されると、下側加熱装置15により加熱された焼成板12の熱により生地Fの下面が焼かれていく。加熱コンベヤ13は、生地Fの焼成速度に対応させた搬送速度で焼成板12を間欠搬送していき、焼成板12の搬送中に生地Fの下面に対して適度な焼き色が付けられていく(図2(a))。
【0018】
そして、焼成板12が間欠搬送されて上側加熱装置16の下方において生地Fが対向配置された状態で一時停止するように搬送制御される。上側加熱装置16に対向配置された状態で生地Fの上面側が加熱されるようになる。上側加熱装置16では、生地Fの上面全体が加熱されて膨張し、生地Fの表面が流動しないように固まる程度に加熱処理される(図2(b))。生地Fは、上側加熱装置16を通過して間欠搬送されながら下側加熱装置15により継続して下面側が焼かれていく(図2(c))。
【0019】
次に、焼成板12が間欠搬送されて上側加熱装置17の下方において生地Fが対向配置された状態で一時停止するように搬送制御される。上側加熱装置17に対向配置された状態では、上方から見て生地Fの中心部分が熱遮蔽板18の貫通孔にほぼ一致するように設定され、貫通孔を通過した赤外線により生地Fの上側の中心部分が加熱されるようになる。上側加熱装置17では、生地Fの中心部分が加熱により膨張して盛り上がるとともに表面が焼かれて円形の焼き色Bが付く程度に加熱処理される(図2(d))。生地Fは、上側加熱装置17を通過して間欠搬送されながら下側加熱装置15により継続して下面側が焼かれていき、下面側全面に均等な焼き色が付いた状態となる(図2(e))。
【0020】
以上のように生地の焼成処理を行うことで、一方の面側に全面焼き色が付くとともに他方の面側に中心部分にのみ焼き色の付いた皮Kが焼成される。そして、皮Kの他方の面側の焼き色の付いていない周縁部は、生地が加熱により固まって流動せずわずかに焼き色が付いた状態となり、後述する耳締め処理の際に密着可能な程度の焼き加減に仕上げられている。また、生地Fの上面側を上側加熱装置16及び17により2度焼きすることで、生地Fの中央部分が膨張して盛り上がった形状の皮に仕上げることができ、後述するように製品として成形する場合に、ソフト感及びボリューム感を有する製品形状となる。
【0021】
下側加熱装置15は、生地の供給から生地の上側の加熱処理までの間の間欠搬送期間中に生地の下面側を加熱するようになっており、この期間中に生地に適度な焼き色が付く程度に焼成板12の加熱温度を調整するように加熱制御される。
【0022】
なお、上側加熱装置16及び17は、1つの加熱装置を用いてもよく、また赤外線を放射する加熱装置等を用いて熱源自体を円形にすることで熱遮蔽板18を不要とすることもできる。
【0023】
皮反転部4は、生地焼成部3に対して加熱コンベヤ13の搬送方向下流側に配置されており、第一反転部20及び第二反転部21を備えている。第一反転部20は、生地焼成部3のそれぞれの焼成板12において焼成された一対の皮を把持して反転させながら搬送コンベヤ22の搬送面に移送するように動作する。第二反転部21は、第一反転部20に対して搬送コンベヤ22の搬送方向下流側に配置されており、第一反転部20により反転した一対の皮のうち1枚を回動板で受けてもう一度反転させるように動作する。
【0024】
図3は、皮反転部4に関する概略正面図であり、図4は、皮反転部4に関する概略斜視図である。第一反転部20は、一対の支持部材200及び一対の押え部材201を備えており、第二反転部21は、搬送コンベヤ22の搬送面に配置された回動板203を備えている。また、回動板203に対して搬送コンベヤ22の搬送方向上流側には押止部材204が配置されている。
【0025】
支持部材200は、弾性及び可撓性を有する材料からなり、矩形状の枠体に形成されている。そして、加熱コンベヤ13の搬送方向と直交する方向に配置された回転軸体206に支持部材200の一方の短辺部が固定されており、回転軸体206に一対の支持部材200が所定間隔を空けて配設されている。回転軸体206の一方の端部には、従動ローラ205が固定されており、従動ローラ205の回動により回転軸体206が中心軸を中心に回転することで、支持部材200が加熱コンベヤ13の搬送方向に回動して反転動作を行うようになっている。
【0026】
押え部材201は、支持部材200と同じサイズの矩形状の枠体で一方の短辺部が切り欠かれて平面視コ字状に形成されている。一対の押え部材201は、支持部材200と同じ間隔を空けて回転軸体208に他方の短辺部が固定されており、回転軸体208は、回転軸体206の両端部において回転可能に軸支されて回転軸体206とともに回動するように設定されている。回転軸体208は、回転軸体206に沿うように近接配置されており、一方の端部に取り付けられた回転シリンダ207により中心軸を中心に回動して押え部材201を加熱コンベヤ13の搬送方向に回動するようになっている。
【0027】
押え部材201は、回転シリンダ207の回転駆動により支持部材200に対して回動動作を行うことができ、図3に示すように、支持部材200から離間した待機位置及び支持部材200に近接した作動位置に設定することが可能であり、押え部材201が作動位置に設定された状態では支持部材200に重ね合うように配置される。そして、各押え部材201の一対の長辺部には、支持部材200に対向する側にストッパ201aが突設されており、押え部材201が作動位置に設定されると、ストッパ201aが支持部材200に近接配置されるようになっている。
【0028】
図5は、第一反転部20の駆動機構に関する右側面図(図5(a))、背面図(図5(b))及び上面図(図5(c))である。駆動機構は、支持部材200及び押え部材201を加熱コンベヤ13の搬送方向に往復動させる移動機構、支持部材200及び押え部材201を回動させる反転機構及び支持部材200に対して押え部材201を回動させる作動機構を備えている。移動機構は、機枠100の外側面に固定された一対のガイドレール101に取り付けられた板状のキャリッジ103を備えている。一対のガイドレール101は、上下に所定の間隔を空けて固定されており、キャリッジ103は、内側面に設けられた2対の係合部102がそれぞれガイドレール101に対して左右方向に移動可能に係合して支持されるようになっている。キャリッジ103の側方には、機枠100に駆動モータ104が取り付けられており、駆動モータ104には、クランク機構105が設けられている。クランク機構105は、駆動モータ104の駆動軸に円板が固定されて円板の偏心した位置に作動シャフト106の一端が取り付けられており、駆動モータ104の回転動作を作動シャフト106の左右方向の往復動作に変換するようになっている。そして、作動シャフト106の他端がキャリッジ103の側端に固定されており、作動シャフト106が左右方向に往復動作することでキャリッジ103が左右方向に往復動するようになっている。この例では、駆動モータを用いてキャリッジ103を往復動させるようにしているが、エアシリンダ等の駆動手段を用いて往復動させるようにすることもできる。
【0029】
機枠100には、移動位置検知センサ110が設けられており、駆動モータ104を駆動してキャリッジ103を左右方向に移動させ、キャリッジ103が所定位置に到来したことを移動位置検知センサ110が検知すると駆動モータ104を駆動停止し、キャリッジ103を所定位置に位置決めすることができる。
【0030】
反転機構は、支持部材200及び押え部材201を回動させるために、キャリッジ103に取り付けられた駆動モータ107を備えており、駆動モータ107の駆動軸には駆動プーリ108が取り付けられている。そして、駆動プーリ108は、従動プーリ205との間に駆動ベルト109が張架されており、駆動プーリ108の回転駆動に連動して従動プーリ205が回動するようになっている。したがって、駆動モータ107を回転駆動することで、回転軸体206が回転して支持部材200及び押え部材201を加熱コンベヤ13の搬送方向に回動させるようになっている。
【0031】
また、キャリッジ103には、取付部材を介して回転位置検知センサ111が設けられており、回転位置検知センサ111は、回転軸体206に連結された回転体112の回動を検知するように設定されている。そして、駆動モータ107を駆動して回転軸体206を回転させ、回転軸体206と同期して回動する回転体112が所定の回転角度位置まで回動したことを回転位置検知センサ111が検知すると、駆動モータ107を駆動停止する。そのため、回転軸体206に固定された支持部材200を所定の回転角度位置に位置決めすることができる。
【0032】
作動機構は、上述したように、押え部材201を回動させる回転シリンダ207を備えている。押え部材201を固定した回転軸体208は、回転軸体206の両端部に取付固定された軸支部材208aに両端部を挿入して回動可能に軸支されており、一方の端部が軸支部材208aに固定された回転シリンダ207と連結している。回転シリンダ207は、ほぼ90度の角度範囲を回転駆動するように設定されており、回転シリンダ207を適宜回転させることで、押え部材201を支持部材200と近接する作動位置又は支持部材200とほぼ直交する待機位置に設定することができる。
【0033】
第二反転部21では、回動板203を支持固定する回転軸体209が搬送コンベヤ22の搬送方向に対して直交する方向に沿って配設されており、回転軸体209は回転シリンダ210に連結されて回転駆動されるようになっている。第一反転部20により反転移送された2枚の皮のうち1枚の皮が回動板203上に載置された後回転シリンダ210を回転駆動して回動板203を搬送コンベヤ22の搬送方向にほぼ180度回動させることで、回動板203上に載置された皮を反転させることができる。
【0034】
押止部材204は、細幅の板状体からなり、搬送コンベヤ22の搬送方向に対して直交する方向に沿って配設されたシャフト211に直立するように取付固定されている。シャフト211の一端部は、駆動シリンダ213の駆動体212に固定されており、駆動シリンダ213が搬送コンベヤ22の搬送方向に沿って駆動体212を往復動させることで、押止部材204が搬送コンベヤ22の搬送面の上方において搬送方向に往復動作するようになっている。押止部材204は、後述するように、第一反転部20により皮を反転し搬送コンベヤ22に移送する工程において支持部材200及び押え部材201を戻す際に皮に当接して押し止め、皮を搬送コンベヤ22の搬送面に載置するように作用する。
【0035】
図6から図12は、皮反転部4の動作に関する説明図である。図6(a)から図12(a)は、皮反転部4に関する概略上面図を示しており、図6(b)から図12(b)は、皮反転部4に関する概略正面図を示している。
【0036】
図6では、焼成板12に載置されながら加熱されて焼かれた皮Kが加熱コンベヤ13により間欠搬送されてくる。支持部材200は、焼成板12の上面とほぼ平行となるように設定され、押え部材201は、支持部材200に対して上方に向かってほぼ直角方向となる開いた状態に設定されている。図7では、回転軸体206を回転駆動して支持部材200を下方にわずかに傾けながら皮Kに向かってキャリッジ103(図示せず)を移動するように動作する。皮Kが間欠搬送されるタイミングで支持部材200を移動させることで、支持部材200の先端が焼成板12の上面を滑るように皮Kの底面に入り込み、支持部材200が全体にわずかに撓んだ状態となって皮Kの底面を焼成板12から剥がすように作用する。そのため、皮Kの底面が焼成板12からきれいに剥離して支持部材200の上面に掬い上げられた状態となる。図8では、回転軸体208が回転駆動され押え部材201が支持部材200に接近する方向に回動して皮Kの上面に接触した作動位置に設定され、支持部材200及び押え部材201により皮Kが挟持されるようになる。押え部材201は、コ字状に形成されているため、皮Kの上面に形成された焼き色が付いた中心部分の両側を押えるようになる。そのため、膨張した中心部分が押えられることがなく皮Kがふっくらした状態のまま挟持することができる。また、膨らんだ状態の中心部分を囲むように押え部材201が配置されるので、皮Kを安定した状態でしっかりと保持することが可能となる。押え部材201のストッパ201aは、皮Kの外周縁に近接した位置に設定され、反転する際に皮Kが回転軸体206側にずれないようになっている。そのため、回転軸体206とストッパ201aとの間には、支持部材200及び押え部材201の内側の隙間が空いた状態となる。
【0037】
図9では、皮Kが支持部材200及び押え部材201に挟持された状態で回転軸体206が回転駆動されて反転動作が行われるとともにキャリッジ103が搬送コンベヤ22の方へ移動する。反転動作により押え部材201が皮Kの下側に配置され、支持部材200が皮Kの上側に配置される。また、皮Kの上面側が全面焼き色が付いた面となり、皮Kの下面側が中心部分にのみ焼き色の付いた面となる。
【0038】
一方、押止部材204は、搬送コンベヤ22の端部に配置されて上方に向かって直立した状態に設定され、回動板203は、搬送コンベヤ22の搬送面上において押止部材204に隣接して配置されている。図10では、キャリッジ103の移動動作により反転動作した支持部材200及び押え部材201が搬送コンベヤ22の搬送面の上方に配置されるようになり、その際に押止部材204は、回転軸体206とストッパ201aとの間に形成された支持部材200及び押え部材201の内側の隙間に挿入されるようになる。また、回動板203は、1枚の皮Kを保持する支持部材200及び押え部材201の下方に対向配置されるようになる。
【0039】
次に、図11では、キャリッジ103を加熱コンベヤ13の方へ移動させる。キャリッジ103の移動に伴い支持部材200及び押え部材201が加熱コンベヤ13側に移動するようになるが、支持部材200及び押え部材201に挟持された皮Kは、押止部材204に当接して押し止められるようになる。そのため、支持部材200及び押え部材201の間から皮Kがすり抜けて、1枚の皮Kは搬送コンベヤ22の搬送面に載置され、もう1枚の皮Kは回動板203の上面に載置されるようになる。
【0040】
図12では、回転軸体206及び回転軸体208が回転駆動され、支持部材200及び押え部材201が図6に示す回動位置と同じ位置となるように回動する。支持部材200が焼成板12に対向する位置に設定され、押え部材201が支持部材200と直交する待機位置に設定される。押止部材204は、加熱コンベヤ13側に移動して待機位置に設定される。そして、回転シリンダ210が回転駆動され、回動板203が搬送コンベヤ22の搬送方向に回動して皮Kを再度反転動作させる。この反転動作により皮Kの上面側が中心部分のみ焼き色の付いた面となり、もう1枚の皮Kの上面側が全面焼き色の付いた面のままで2枚の皮Kが並列した状態で内材供給部5に搬送される。
【0041】
以上説明したように皮の反転動作を行うことで、生地焼成部3で中心部分が焼けたふっくらした状態に仕上げられた皮にダメージをほとんど与えることなく反転動作を行うことができる。すなわち、支持部材200及び押え部材201により皮を挟み込んで回動するため皮がずれることがなく、安定した状態で反転することが可能となる。また、搬送コンベヤに載置する際に、支持部材200及び押え部材201で皮を把持した状態で搬送コンベヤ上に停止した後支持部材200及び押え部材201を引き抜くように移動させて皮を搬送コンベヤに載置するようにしているので、反転動作の際に皮が受けるダメージを最小限とすることができる。
【0042】
図1(a)に示すように、内材供給部5は、皮反転部4に対して搬送コンベヤ22の搬送方向下流側に配置されており、餡等の内材を投入するホッパ23及び内材を適量ずつ皮の上に吐出するノズル24を備えている。内材供給部5では、第二反転部21により反転された皮の上面の焼き色が付いた中心部分に内材を配置するようにノズル24から内材を吐出する。
【0043】
内材供給部5には、ノズル24の上流側にガイド機構25が設けられており、ガイド機構25は、搬送コンベヤ22により搬送されてくる2枚の皮に当接して整列させる。また、ノズル24の下流側に移載機構26が設けられており、移載機構26は、皮Kの上面に吸引して持ち上げる吸引手段を備えている。そして、搬送コンベヤ22により搬送されてくる2枚の皮のうち内材を載置していない方の皮を吸引手段により持ち上げて、もう一方の皮の上に重ね合わせ、内材を2枚の皮で挟むように配置する。この場合、2枚の皮の内側の面が中心部分にのみ焼き色の付いた面となっており、焼き色の付いていない周縁部分が対向配置した状態に設定されている。
【0044】
耳締め処理部6は、移載機構26に対して搬送コンベヤ22の搬送方向下流側に配置されており、重ね合わされた2枚の皮を上下方向から挟むように型押しする上型30及び下型31を有する耳締め機構と、搬送コンベヤ22から移送された2枚重ねの皮を紐状ベルトで搬送する搬送コンベヤ32とを備えている。上型30及び下型31は、2枚重ねの皮の周縁部を上下方向から挟圧して閉じるように密着させて耳締め処理を行う。
【0045】
どら焼きの製造工程では、図1(b)に示すように、まず、加熱コンベヤ13で搬送される焼成板12の上面に、2枚の皮に対応して生地Fが吐出され円形状に形成される。焼成板12が搬送されていく間に下側加熱装置15により加熱されて生地Fの下面が焼かれていき、生地Fの上面についても上側加熱装置16及び17により加熱されて焼かれ、一方の面に全面焼き色が付き他方の面に中心部分のみ焼き色の付いた2枚の皮Kが焼成される。皮Kは、第一反転部20により反転されて搬送コンベヤ22に移送され、1枚の皮Kについてはさらに第二反転部21により反転されて、1枚の皮Kは全面焼き色の付いた面が上面側となり、もう1枚の皮Kは中心部分のみ焼き色の付いた面が上面側となる。
【0046】
それぞれ反転された2枚の皮Kは、搬送コンベヤ22により内材供給部5に搬送されていき、ガイド機構25により2枚の皮Kの先端が揃えられる。次に、2枚の皮Kは内材供給部5のノズル24の下方に搬送され、上面側が中心部分のみ焼き色の付いた皮Kに適量の内材Gが供給されて焼き色の付いた中心部分に配置される。次に、2枚の皮Kは移載機構26の下方に搬送され、上面側が全面焼き色の付いた皮Kが持ち上げられて内材Gが配置された皮Kに重ね合わせ、内材Gを2枚の皮Kで挟むようにセットする。2枚の皮Kを重ね合わせた状態で耳締め処理部6の搬送コンベヤ32に移送し、上型30及び下型31により2枚の皮Kの周縁部分を型押しする。こうして中心部分が膨らんでふっくらした状態に仕上げられた皮を用いて周縁部を密着させたソフト感及びボリューム感を有する成形品Hを製造することができる。
【0047】
以上説明した例では、2列の生地Fを供給して皮Kを焼成して1つの成形品Hを製造するようにしているが、焼成板12のサイズを大きくして4列以上の偶数列で生地Fを供給して一度に複数の成形品Hを製造するようにすることもできる。また、第一反転部では、加熱コンベヤの焼成板から皮を掬い上げて反転動作し、搬送コンベヤに移送するようにしているが、加熱コンベヤ上に第一反転部を配置して焼成板から焼成板へ反転動作するように設定することもできる。
【0048】
なお、上述した例では、生地供給部2、生地焼成部3及び皮反転部4からなるどら焼き用皮製造装置として構成することもできる。
【符号の説明】
【0049】
1・・・どら焼き製造装置、2・・・生地供給部、3・・・生地焼成部、4・・・皮反転部、5・・・内材供給部、6・・・耳締め処理部、12・・・焼成板、13・・・加熱コンベヤ、15・・・下側加熱装置、16・・・上側加熱装置、17・・・上側加熱装置、18・・・熱遮蔽板、20・・・第一反転部、21・・・第二反転部、22・・・搬送コンベヤ、25・・・ガイド機構、26・・・移載機構、30・・・上型、31・・・下型、32・・・搬送コンベヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生地が供給された前記焼成板の下側から加熱する下側加熱手段及び前記焼成板の上側から加熱して生地の上面の中心部分のみ焼き色を付ける上側加熱手段を有する生地焼成部と、前記生地焼成部において焼成された皮を下面側から支持する支持部材及び当該皮を上面側から押える押え部材を回動させて前記皮を反転させる皮反転部とを備えているどら焼き用皮製造装置。
【請求項2】
前記上側加熱手段は、前記生地の上面全体を加熱する加熱装置及び前記生地の中心部分を加熱する加熱装置を備えている請求項1に記載のどら焼き用皮製造装置。
【請求項3】
前記皮反転部は、前記押え部材を回動させて前記支持部材との間に前記皮を挟持させる作動手段を有する請求項1又は2に記載のどら焼き用皮製造装置。
【請求項4】
前記皮反転部は、前記押え部材及び前記支持部材を往復動させる移動手段を有する請求項1から3のいずれかに記載のどら焼き用皮製造装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のどら焼き用皮製造装置を備えているどら焼き製造装置。
【請求項6】
焼成板の上面に供給された生地を加熱して皮を焼成し、焼成された前記皮を反転し、反転された前記皮に内材を供給して一対の前記皮で挟むように重ね合わせてどら焼きを成形するどら焼き製造方法において、生地が供給された前記焼成板の下側から加熱するとともに前記焼成板の上側からも加熱して生地の上面の中心部分のみ焼き色を付け、焼成された前記皮を下面側から支持するとともに上面側から押えて回動させることで前記皮を反転させることを特徴とするどら焼き製造方法。
【請求項1】
生地が供給された前記焼成板の下側から加熱する下側加熱手段及び前記焼成板の上側から加熱して生地の上面の中心部分のみ焼き色を付ける上側加熱手段を有する生地焼成部と、前記生地焼成部において焼成された皮を下面側から支持する支持部材及び当該皮を上面側から押える押え部材を回動させて前記皮を反転させる皮反転部とを備えているどら焼き用皮製造装置。
【請求項2】
前記上側加熱手段は、前記生地の上面全体を加熱する加熱装置及び前記生地の中心部分を加熱する加熱装置を備えている請求項1に記載のどら焼き用皮製造装置。
【請求項3】
前記皮反転部は、前記押え部材を回動させて前記支持部材との間に前記皮を挟持させる作動手段を有する請求項1又は2に記載のどら焼き用皮製造装置。
【請求項4】
前記皮反転部は、前記押え部材及び前記支持部材を往復動させる移動手段を有する請求項1から3のいずれかに記載のどら焼き用皮製造装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のどら焼き用皮製造装置を備えているどら焼き製造装置。
【請求項6】
焼成板の上面に供給された生地を加熱して皮を焼成し、焼成された前記皮を反転し、反転された前記皮に内材を供給して一対の前記皮で挟むように重ね合わせてどら焼きを成形するどら焼き製造方法において、生地が供給された前記焼成板の下側から加熱するとともに前記焼成板の上側からも加熱して生地の上面の中心部分のみ焼き色を付け、焼成された前記皮を下面側から支持するとともに上面側から押えて回動させることで前記皮を反転させることを特徴とするどら焼き製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−244918(P2012−244918A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117481(P2011−117481)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【特許番号】特許第4831643号(P4831643)
【特許公報発行日】平成23年12月7日(2011.12.7)
【出願人】(390013941)株式会社コバード (30)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【特許番号】特許第4831643号(P4831643)
【特許公報発行日】平成23年12月7日(2011.12.7)
【出願人】(390013941)株式会社コバード (30)
【Fターム(参考)】
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