説明

ぬいぐるみおもちゃ

【課題】 簡単な構成でかつ幼児が容易に楽しめるぬいぐるみおもちゃを提供する。
【解決手段】 ぬいぐるみおもちゃ10は、折り曲げ線13によって連結された、第1部材11と第2部材12とを含み、第1部材11と第2部材12とは、それぞれが対面する閉状態と、それぞれが面状に延在する開状態とをとり、閉状態では、第1部材11と第2部材12の表面に施されたデザインと、第1部材11と第2部材12との形状によって立体的なネズミの形状を表し、第1部材11と第2部材12との裏面側には、このデザインと異なる、別のデザインが施されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はぬいぐるみおもちゃに関し、特に、幼児が容易に楽しめるぬいぐるみおもちゃに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のぬいぐるみおもちゃが、たとえば、特開2001−9168号公報(特許文献1)に開示されている。
【0003】
同公報によれば、表裏を反転可能とすることにより、変身可能なぬいぐるみおもちゃが開示されている。
【特許文献1】特開2001−9168号公報(段落番号0004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されたぬいぐるみおもちゃでは、ぬいぐるみが一つの形象を表現しているとき、他の形象はぬいぐるみの内部に収納されるため、1体のぬいぐるみで複数の変身が可能である。
しかしながら、この構成では、ぬいぐるみを反転する必要があるため、その手間がかかり、幼児は容易にぬいぐるみで楽しめないという問題があった。
【0005】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、簡単な構成でかつ幼児が容易に楽しめるぬいぐるみおもちゃを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明にかかる、ぬいぐるみおもちゃは、折り曲げ線によって連結された、第1部材と第2部材とを含み、第1部材と第2部材とは、それぞれが対面する閉状態と、それぞれが面状に延在する開状態とをとり、閉状態では、第1部材と第2部材の表面に施された第1デザインと、第1部材と第2部材との形状によって立体的な具体的形象物を表し、第1部材と第2部材との裏面側には、第1デザインと異なる、第2デザインが施されている。
【0007】
ぬいぐるみおもちゃの閉状態では、第1デザインとその形状とによって立体的な具体的形象物が表され、開状態では、第1デザインと異なる、第2デザインが表されるため、幼児は、おもちゃを開閉するだけで、楽しめる。
【0008】
その結果、簡単な構成でかつ幼児が容易に楽しめるぬいぐるみおもちゃを提供できる。
【0009】
好ましくは、第1部材と第2部材との間において折り曲げ線に連結された、第3部材をさらに含み、第1部材の裏面と前記第3部材の一方面には、第1デザインと異なる第3デザインが施され、第3部材の他方面と第2部材の裏面には、第1デザインおよび第3デザインと異なる第4デザインが施されている。
【0010】
さらに好ましくは、折り曲げ線に接続され、外部に設けられた部材に係合するための係合部分をさらに含む。
【0011】
さらに好ましくは、第1デザインと第2デザイン、または、第1デザインと第3および第4デザインとは、所定の関連性を有する。
【0012】
さらに好ましくは、第1デザインは、動物の親の形状であり、第2、第3または第4デザインは、動物の子供の形状を含む。
【0013】
この発明の他の曲面においては、外面に腹部を有する第1のデザインと所定の形状とを有する動物のぬいぐるみおもちゃは、腹部は展開可能であり、展開可能な腹部には、第1デザインと異なる第2デザインが施されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1はこの発明の一実施形態における、ぬいぐるみおもちゃ10の側面図であり、図2は図1において、IIで示す部分の矢視図であり、図3は、図1に示したぬいぐるみおもちゃ10を展開したときの展開図である。
【0015】
図1から図3を参照して、ぬいぐるみおもちゃ10は、ほぼ半円形状の布で構成された第1部材11および第2部材12とが折り曲げ線13で連結された形状である。布は、柔らかく、ある厚さを有する。第1部材11と第2部材12とは、それぞれが対面する閉状態(図1および図2、図2においては、第1部材11と第2部材12との間に第3部材19が挟まれた状態で対面している)と、それぞれが面状に延在する開状態(図3)とをとりうる。ぬいぐるみおもちゃ10は、第1部材11と第2部材12の表面に施された、鼻21、耳22a、22b、先端に子ネズミ14が取付けられたしっぽ23のような外観のデザインにより、側面から見ると、立体的な、ネズミの形状をしている。
【0016】
ここでは、ぬいぐるみおもちゃ10は、上記したように、第1部材11および第2部材12の形状と、その表面に施されたデザインとで、立体的な具体的形象物として、ネズミの形態を表しているが、これに限らず、任意の形態を取りうる。
【0017】
第1部材11および第2部材12には、折り曲げ線13に対して対称の位置にポケット15a、15bが設けられ、図3に示すように、子ネズミ14はその中に収納可能である。
【0018】
折り曲げ線13の両端部には、後に説明するように、たとえば乳母車のような外部部材にこのぬいぐるみおもちゃ10を取付けるための係合部分17,18が設けられている。それぞれの係合部分17,18は、それぞれ面ファスナ17a、17bおよび18a、18bを有し、面ファスナ17aと17bおよび18aと18bとを接続して、ぬいぐるみおもちゃ10を乳母車のフレームに取付ける。この使用態様については後述する。
【0019】
第1部材11および第2部材12の凸部(ネズミの腹部)には、第1部材11および第2部材12とを接続するための接続部16a、16bが設けられている。接続部16a,16bは、相互に着脱が可能な面ファスナで構成されている。
【0020】
また、図2に示すように、第1部材11と第2部材12との間には、折り曲げ線13に接続された第3部材19が設けられている。
【0021】
図4は、図2において、矢印IVで示す部分を展開した状態を示す図である。矢印IVで示す部分を展開した状態では、第1部材11の裏面と、第3部材19の一方面には、図4に示すデザインが施されている。ここでは、理解の容易のために、第1部材11の裏面と、第3部材19の一方面とを区別するために、折り曲げ線13を点線で示している。
【0022】
図4を参照して、このデザインでは、風船26a〜26c、雲27a〜27cがアップリケで第1部材11および第3部材19に取付けられている。花28は紐28aを介して風船26aに対して移動自在に取付けられ、熊の赤ちゃん29は紐29aを介して風船26cに対して移動自在に取付けられている。またポケット30が設けられ、風船26bは、ポケット30の中で取付けられた紐26dに接続されている。花28と熊の赤ちゃん29とは、ポケット30の中へ収納可能であり、図4では、熊の赤ちゃん29をポケット30の中に収納している。なお、風船26aには、「♪」マークを付しているが、これは。この部分を押すと所定のメロディが流れるようになっている。
【0023】
図5は、図4と同じく、矢印IVで示す部分を展開した状態を示す図である。上記したように、花28や熊の赤ちゃん29が紐28a,29aで接続されているため、同じ部分を展開しても、異なる外観が得られる。
【0024】
図6および図7は、図2において、VIで示す部分を展開した状態を示す図である。矢印VIで示す部分を展開した状態では、第3部材19の他方面と、第2部材12の裏面には、図6または図7に示すデザインが施されている。ここでは、理解の容易のために、第3部材19の他方面と、第2部材12の裏面とを区別するために、折り曲げ線13を点線で示している。
【0025】
図6および図7を参照して、ここに示すデザインにおいては、皿41の上にチーズ36が設けられ、その左右にナイフ37とフォーク38とが並べられている。これらもアップリケで構成されている。チーズ36には、その中央部に穴40が開いており、そこに紐39aで接続された子ネズミ39が出入り可能に設けられている。図6は、子ネズミ39が穴40の内部に収容されている状態を示す図であり、図7は、子ネズミ39が穴40から取出された状態を示す図である。ここでは、ナイフ37やフォーク38は、それぞれの面に固定されているが、子ネズミ39のように、紐を介して接続することにより、移動可能としてもよい。
【0026】
次に幼児がこのぬいぐるみおもちゃ10を使って遊ぶ状態について説明する。まず、幼児は、図1、図2に示すように、接続部16で第1部材11と第2部材12とが接続され、ネズミの立体形状を有する状態で遊ぶことができる。このとき幼児は、鼻21、耳22、しっぽ23、およびしっぽ23に接続された子ネズミ14をさわったり、引張ったり、子ネズミ14を左右のポケット15a、15bに入れたり出したりして楽しむ。
【0027】
それに飽きてくると、幼児は、接続部16の接続を離して、第1部材11と第2部材12とを展開した状態、すなわち、図3〜図5に示す状態で遊ぶ。この場合、幼児は、図3に示す状態から第1部材11を1枚折返すだけで、図4または図5に示すデザインで表される、全く異なる世界へ飛び込むことができる。そこでは、上記したように、花28や熊の赤ちゃん29をポケット30に出し入れして遊ぶことができるし、また、「♪」マークを押して遊ぶこともできる。
【0028】
また、たとえば、熊の赤ちゃん29には、内部に鈴等を入れ、花28には、押すと所定の音が出るような仕組みを設けておけば、幼児は、より興味を示す。
【0029】
これに飽きても、幼児はさらに、第3部材19を1枚折返すだけで、図6または図7に示すデザインで表される、さらに異なる世界へ飛び込むことができる。ここでは、上記したように、ネズミの子供をチーズ36の穴40の中へ入れたり出したりして遊ぶことができる。
【0030】
このように、この実施の形態に係るぬいぐるみおもちゃ10においては、全体がネズミの立体形状を有しているぬいぐるみの腹部を展開すれば、全く異なる外観を有するデザインが得られるため、幼児は好奇心を刺激されながら夢中になって遊ぶようになる。
【0031】
次に、この発明のさらに他の実施の形態について説明する。この実施の形態においては、このぬいぐるみおもちゃ10を乳母車のような育児用器具のフレームに取付けて使用する。
【0032】
図8は、この場合のぬいぐるみおもちゃ10の使用状態を示す図である。図8を参照して、ぬいぐるみおもちゃ10は、乳母車50の手摺部材51に取付けて使用される。このぬいぐるみおもちゃ10の手摺部材51への取り付けは、上記した、係合部分17,18を手摺部材51に巻き付けて、面ファスナ17aと17bおよび18aと18bとを接続して取付ける。
【0033】
こうすれば、幼児は、乳母車50等に座りながら、ぬいぐるみおもちゃ10を用いて楽しく遊ぶことができる。
【0034】
なお、上記実施の形態においては、ぬいぐるみおもちゃは、外観が全体として、ネズミの形状をしており、その内部に、複数の異なるデザインの面を内蔵した例について説明したが、これに限らず、異なるデザインの面は、1面でもよいし、3面以上であってもよい。
【0035】
また、上記実施の形態においては、外観は親ネズミであって、その内部に、子ネズミを配置し、ぬいぐるみおもちゃの外部と内部とで、親子をモチーフとしたデザインを有する場合について説明したが、これに限らず、外部と内部とで、何らかのストーリ性を持たせるようにしてもよい。
【0036】
また、上記実施の形態においては、ぬいぐるみおもちゃの外観の具体的形象物として、ネズミのような、動物を例にあげて説明したが、これに限らず、人形や、家や、乗物等を具体的形象物としてもよい。
【0037】
また、上記実施の形態においては、接続部16で第1部材と第2部材とを端部で接続する場合について説明したが、これに限らず、両者を接続しなくてもよい。
【0038】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の一実施形態におけるぬいぐるみおもちゃの側面図である。
【図2】図1においてIIで示す部分の矢視図である。
【図3】ぬいぐるみおもちゃの展開図である。
【図4】図2において、IVで示す部分で展開した状態を示す展開図である。
【図5】図2において、IVで示す部分で展開した状態を示す展開図である。
【図6】図2において、VIで示す部分で展開した状態を示す展開図である。
【図7】図2において、VIで示す部分で展開した状態を示す展開図である。
【図8】ぬいぐるみおもちゃの使用状態を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
10 ぬいぐるみおもちゃ、11 第1部材、12 第2部材、13 折り曲げ線、14 子ネズミ、15 ポケット、16 接続部、17、18 係合部分、19 第3部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り曲げ線によって連結された、第1部材と第2部材とを含み、
前記第1部材と第2部材とは、それぞれが対面する閉状態と、それぞれが面状に延在する開状態とをとり、
前記閉状態では、前記第1部材と第2部材の表面に施された第1デザインと、前記第1部材と第2部材との形状によって立体的な具体的形象物を表し、
前記開状態では、前記第1部材と第2部材との裏面には、前記第1デザインと異なる、第2デザインが施されている、ぬいぐるみおもちゃ。
【請求項2】
前記第1部材と第2部材との間において前記折り曲げ線に連結された、第3部材をさらに含み、
前記第1部材の裏面と前記第3部材の一方面には、前記第1デザインと異なる第3デザインが施され、
前記第3部材の他方面と前記第2部材の裏面には、前記第1デザインおよび前記第3デザインと異なる第4デザインが施されている、請求項1に記載のぬいぐるみおもちゃ。
【請求項3】
前記折り曲げ線に接続され、外部に設けられた部材に係合するための係合部分をさらに含む、請求項1または2に記載のぬいぐるみおもちゃ。
【請求項4】
前記第1デザインと前記第2デザイン、または、前記第1デザインと前記第3および第4デザインとは、所定の関連性を有する、請求項2に記載のぬいぐるみおもちゃ。
【請求項5】
前記第1デザインは、動物の親の形状であり、前記第2、第3または第4デザインは、前記動物の子供の形状を含む、請求項4に記載のぬいぐるみおもちゃ。
【請求項6】
外面に腹部を有する第1のデザインと所定の形状とを有する動物のぬいぐるみおもちゃであって、
前記腹部は展開可能であり、
前記展開可能な腹部には、前記第1デザインと異なる第2デザインが施されている、動物のぬいぐるみおもちゃ。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−102112(P2006−102112A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−292660(P2004−292660)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(390006231)アップリカ育児研究会アップリカ▲葛▼西株式会社 (97)
【Fターム(参考)】