説明

ねじれ多稜体のための分離型放射帯モジュール

【課題】プラトンやアルキメデスの凸多面体などを原型としたねじれ多稜体の自然な曲面を構成することができ、かつねじれ環状帯と相互変換可能な一般化された分離型放射帯モジュールを提供する。
【解決手段】様々なねじれ多稜体を形成し、各ねじれ多稜体を構成するすべての帯を中央で分離した後に形成されるねじれ環状帯と元のねじれ多稜体とを相互に変換できる一般化された分離型放射帯モジュール16を形成し、少なくとも2個の頂点と3本の幅のある帯状の稜線から形成される多稜体と表裏のある1個の連続した環状帯とを相互に変換するにあたり、少なくとも2個以上の分離型放射帯モジュール16を用いて多稜体の面数からつねに1少ない箇所の稜線に180度1回転ねじれを与えてねじれ多稜体101を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トポロジー的な3次元の空間構造とその変換を視覚的にかつ体験的に理解するための数学教材に関する。
【背景技術】
【0002】
帯状の長方形の片方の端を180度1回転ねじり他方の端に貼り合わせた環状の曲面であるメビウスの輪(Moebius Band)は、数学者アウグスト・フェルディナント・メビウスによって1865年に発見されている。この環は、図26bに示す180度1回転ねじれによって表と裏の区別をつけることができない特徴を持っている。またこの帯を中央線で切り離すと連続した環に変換できる。また、表と裏の区別できる540度3回転ねじれの環状の帯は、1961年、M.C.エッシャーによって図25aに示す「メビウスの帯I」の版画作品として発表されている。
【0003】
1991年、エッシャーの作品「メビウスの帯I」を中央線で切り離すと、図25bに示す三葉結び目状に変換できることが本発明者によって発見された。また、この三葉結び目は、図27bと同相である。それまではエッシャーの「メビウスの帯I」は、図27aに示す180度1回転ねじれのメビウスの帯として鑑賞されていたのである。さらに、1991年本発明者は、アート&サイエンスの作品として4面体状ねじれ多稜体であるKAJIKAWA BANDを制作し、同年本発明者が執筆した「連載エッシャーの秘密」のなかで、メビウスの輪をテーマにしたエッシャー作品の解説と共に、ネクストエッシャーのオリジナルな彫刻作品として紹介した。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】梶川泰司 著 「日経サイエンス 1991年5月号 連載エッシャーの秘密 消えたメビウスの輪」日経サイエンス 1991年
【非特許文献2】彦坂裕 著 インタビュー記事「季刊 インターコミュニケーション/No4 1993 Spring号」 梶川泰司&シナジェティックス研究所 デザイン・サイエンスの実践 NTT出版 1993年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者による最初の4面体状ねじれ多稜体であるKAJIKAWA BANDは、強化繊維プラスチック(FRP)を素材として使用したために、彫刻作品としての永続性はあるが、ねじれ多稜体の稜線の中央で分離して形成された連続した1個のねじれ環状帯から元の多稜体に変換する数学的な相互の変換過程を連続的に視覚化することは困難であった。また紙テープなどの平行な帯でねじれ多稜体を構成する場合、すべての帯を多稜体の頂点や頂点付近で結合させると、頂点部での2重以上の重なりによる結合によって、帯の厚みと接着剤とで頂点部付近での柔軟性が減少してねじれによる帯の自然な曲面を損なうだけではなく、帯の両端の頂点部での結合によって結合箇所が多くなり、完成までの作業に時間がかかった。また、結合作業をしながらねじれ多稜体のねじれの位置とねじれの個数およびねじれ回転角度を厳密に管理するのは困難であった。さらにまたこの重ねによる結合方法によって完成したねじれ多稜体を帯の中央で分離して単数または複数のねじれ環状帯に変換する作業行程では、ハサミなどの切断による切り離しの衝撃で頂点部の初期の帯どうしの結合が壊れてしまい、ねじれ環状帯を完成できない可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来の頂点部での帯の結合方法による帯の両端の結合回数は、頂点部を一体化した分離型放射帯モジュールからねじれ多稜体を構成する場合の結合回数の2倍である。頂点部を一体化したモジュールによって結合回数を減少させ、同時に結合時に頂点部ではなく稜線部でねじれを加えられるだけではなく、短時間に上記プラトンやアルキメデスの凸多面体などを原型としたねじれ多稜体の自然な曲面を構成することができ、かつねじれ環状帯と相互変換可能な一般化された分離型放射帯モジュールを提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0008】
(1)
分離型放射帯モジュールによって同型の頂点部の結合があらかじめ一体成形されるので、ねじれ多稜体を構成する作業時間は半減し、組立が容易になる。
【0009】
(2)分離型放射帯モジュールによる結合によって頂点部ではなく稜線部でねじれ多稜体の固有なねじれを加えられるようになり、ねじれ多稜体の自然な曲面を引き出すことができる。
【0010】
(3)安価な紙などのフレキシブルで切断が容易な素材によって稜線の中央の境界線に添って切り離して形成される連続した単数または複数のねじれ環状帯までの分離と元のねじれ多稜体への変換が容易になり、学習者がトポロジー的な3次元の空間構造とその変換を繰り返し実験できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の実例を示す反対称的に表裏を2色で分けた左勝手の4面体状ねじれ多稜体の斜視図
【図2】他の実施例を示す4面体状ねじれ多稜体の斜視図。
【図3】他の実施例を示す6面体状ねじれ多稜体の斜視図
【図4】他の実施例を示す組立用合わせ記号を設けた4面体状ねじれ多稜体用の分離型放射帯モジュールの表
【図5】他の実施例を示す組立用合わせ記号を設けた4面体状ねじれ多稜体用の分離型放射帯モジュールの裏
【図6】第1の実施例で用いた反対称的に表裏を2色で分けた3つの放射状の分離型放射帯モジュールの表
【図7】第1の実施例で用いた反対称的に表裏を2色で分けた3つの放射状の分離型放射帯モジュールの裏
【図8】他の実施例を示す8面体状ねじれ多稜体の斜視図
【図9】他の実施例を示す12面体状ねじれ多稜体の斜視図
【図10】他の実施例を示す20面体状ねじれ多稜体の斜視図
【図11】図2で用いた3つの放射状の帯の各端部に稜線用結合部を有する分離型放射帯モジュール
【図12】他の実施例を示す4つの放射状の帯の各端部に稜線用結合部を有する分離型放射帯モジュール
【図13】他の実施例を示す5つの放射状の帯の各端部に稜線用結合部を有する分離型放射帯モジュール
【図14】他の実施例を示す6つの放射状の帯の各端部に稜線用結合部を有する分離型放射帯モジュール
【図15】正4面体とねじれ多稜体のねじれの位置を表すグラフによる説明図
【図16】正6面体とねじれ多稜体のねじれの位置を表すグラフによる説明図
【図17】正8面体とねじれ多稜体のねじれの位置を表すグラフによる説明図
【図18】正12面体とねじれ多稜体のねじれの位置を表すグラフによる説明図
【図19】正20面体とねじれ多稜体のねじれの位置を表すグラフによる説明図
【図20】菱形12面体とねじれ多稜体のねじれの位置を表すグラフによる説明図
【図21】菱形30面体とねじれ多稜体のねじれの位置を表すグラフによる説明図
【図22】ジオデシック80面体とねじれ多稜体のねじれの位置を表すグラフによる説明図
【図23】他の実施例を示す分離帯をもつ分離型放射帯モジュール
【図24】他の実施例を示す入れ子状の分離型放射帯モジュールの表a、裏b
【図25】エッシャーの作品「メビウスの帯I」a、「メビウスの帯I」を変形させた三葉結び目b
【図26】メビウスの帯bとその作り方
【図27】メビウスの帯a、エッシャーの作品「メビウスの帯I」と同相なモデルb
【図28】図2、図3、図9で用いた反対称的に表裏を2色で分けた3つの放射状の帯の分離型放射帯モジュールの表a、裏b
【図29】他の実施例を示す反対称的に表裏を2色で分けた4つの放射状の帯の分離型放射帯モジュールの表a、裏b
【図30】他の実施例を示す反対称的に表裏を2色で分けた5つの放射状の帯の分離型放射帯モジュールの表a、裏b
【図31】他の実施例を示す放射交差路付近の帯に記号を設けた分離型放射帯モジュールの表
【図32】他の実施例を示す放射交差路付近の帯に記号を設けた分離型放射帯モジュールの裏
【図33】4面体状ねじれ多稜体のねじれの位置を変えずねじれの回数を変えたグラフと該ねじれの回数の変化が与える環状帯への形態変化の説明図
【図34】4面体状ねじれ多稜体のねじれの位置を変えずねじれの回数を変えたグラフと該ねじれの回数の変化が与える環状帯への形態変化の説明図
【図35】3種類のねじれ多稜体のねじれの回数を変えず、ねじれの位置を変えたグラフと該ねじれの位置の変化が与える環状帯への形態変化を示す説明図
【図36】図1の4面体状ねじれ多稜体に対して鏡像かつ反対称的に2色に色分けられた右勝手の4面体状ねじれ多稜体の斜視図
【図37】他の実施例を示す最小限の紡錘型ねじれ多稜体を構成する2個の3つの放射状の帯を有する 分離型放射帯モジュールの表
【図38】他の実施例を示す最小限の紡錘型ねじれ多稜体を構成する2個の3つの放射状の帯を有する分離型放射帯モジュールの裏
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【実施例1】
【0013】
図2に示す4面体状ねじれ多稜体100は、3つの放射状の帯をもった4個の分離型放射帯モジュール10(単独で図11に示す)を4面体の各頂点部に配置し、該4面体の各稜線の中点付近で各第1分離線50を相互に一致させるよう図15に示すねじれ多稜体の原型となる正4面体とねじれの位置をグラフ化した稜線部に○印のある3箇所の稜線に対して180度1回転ねじれ70を与えながら、分離型放射帯モジュール10¬の3つの放射状の帯の端部に設けた稜線用結合部20を相互に結合して形成される。次に分離作業用窓30を利用して、第2分離線40から第1分離線50を連続的に切り離し、1個のねじれ環状帯が形成できる(図示はしない)。分離作業開始用窓30はすべてのねじれ多稜体のすべての放射交差路部60に開けるのが作業上望ましいが、最小限1箇所でもよい。分離作業開始用窓30の形状は、第2分離線に沿って形成するのが望ましいが円形でもよい。またこの場合、4面体状ねじれ多稜体の各稜線を構成する各分離型放射帯モジュールの放射状の帯の長さは互いに等辺としてデザインされているが、互いに不等辺でも作用効果は変わらない。モジュールを構成する素材としては弾性のある紙などが望ましいが、薄い金属やプラスチックで構成してもよい。稜線用結合部20の相互結合にはテープ、両面テープあるいは接着剤の使用が望ましい。
【実施例2】
【0014】
4面体状ねじれ多稜体の分離型放射帯モジュールを順に相互に結合しながら構成する場合、多稜体の面数から1少ないねじれの個数とねじれの位置をあらかじめ特定するために、図4、図5に示す分離型放射帯モジュールの各端部の片側面に組立用合わせ記号を使用してもよい。組立用合わせ記号A、B、Cをそれぞれ他の端部の組立用合わせ記号A、B、Cと合致させ、さらに組立用合わせ記号1、2、3をそれぞれ他の端部の組立用合わせ記号1、2、3と合致させれば、自動的に1個のねじれ環状帯に変換される4面体状ねじれ多稜体が形成できる。この場合の組立順序は、記号または数字の順である必要はない。このとき、稜線用結合部におけるねじれの結合の方向性は、ねじれ環状帯のねじれ回転角度に影響するがねじれ環状帯の生成数とは無関係である。帯の表裏にある組立用合わせ記号の配置は、図4、図5の互いの図の天地をそのままに背面を合わせて、4個の分離型放射帯モジュールの輪郭線を完全に一致させれば、分離型放射帯モジュールの3つの放射状の帯の各結合部の表裏のいずれかに設けた組立用合わせ記号が再現される。またこの場合、4面体状ねじれ多稜体の各稜線を構成する各分離型放射帯モジュールの放射状の帯の長さは互いに等辺としてデザインされているが、互いに不等辺でも作用効果は変わらない。モジュールを構成する素材としては弾性のある紙などが望ましいが、薄い金属やプラスチックで構成してもよい。稜線用結合部20の相互結合にはテープ、両面テープあるいは接着剤の使用が望ましい。
【実施例3】
【0015】
図6、図7に示す4面体状ねじれ多稜体を構成するための4個の分離型放射帯モジュール16は第1分離線、第2分離線を境界として2色に色分けし、かつ表裏とも互いに2色を反対称的に塗り分けられている。反対称的な色の表裏の配置は、図6、図7の互いの図の天地をそのままに背面を合わせて、各分離型放射帯モジュール16の輪郭線を合致させれば、表裏の色の配置が再現される。該分離型放射帯モジュール16を使用して組立用合わせ記号にしたがって組み立てれば図1に示す左勝手の4面体状ねじれ多稜体101が形成できる。図6に示す4個の分離型放射帯モジュール16の表面を4面体状ねじれ多稜体101の内面に向けて相互に結合すれば、鏡像となる右勝手かつ反対称的な2色で色分けられた4面体状ねじれ多稜体102が形成される(図36に示す)。また、左手袋を裏返せば右手袋になるように、内部と外部を反転させて同じモジュールから右勝手かつ反対称的な4面体状ねじれ多稜体を形成してもよい。このように同一の組立用合わせ記号からねじれ多稜体は2通り形成できる。2色で帯の表裏を完全に塗り分けた4面体状ねじれ多稜体を構成する分離型放射帯モジュール16は1種類のみである(単独で図28に示す)。さらにこの方法によって該ねじれ多稜体101を1個のねじれ環状帯に変換した場合、該ねじれ環状帯の表裏は互いに異なる単色に塗り分けられる(図示はしない)。またこの場合、4面体状ねじれ多稜体の各稜線を構成する各分離型放射帯モジュールの放射状の帯の長さは互いに等辺としてデザインされているが、互いに不等辺でも作用効果は変わらない。モジュールを構成する素材としては弾性のある紙などが望ましいが、薄い金属やプラスチックで構成してもよい。稜線用結合部20の相互結合にはテープ、両面テープあるいは接着剤の使用が望ましい。
【実施例4】
【0016】
4面体状ねじれ多稜体と1個の連続したねじれ環状帯とを相互に連続的に変換するための合わせ記号を図31、図32に示すように各分離型放射帯モジュール10の放射交差路付近60に設けてもよい。4個の該各分離型放射帯モジュールの表の放射交差路部60の合わせ記号A1、A2、A3とB1、B2、B3とC1、C2、C3そしてD1、D2、D3は、裏の放射交差路部60の合わせ記号A4、A5、A6とB4、B5、B6とC4、C5、C6そしてD4、D5、D6とそれぞれ表裏の位置にある。
【実施例5】
【0017】
上記の4面体状ねじれ多稜体のねじれの位置を変えずねじれの回数を変えた場合の環状帯への形態変化を図33、図34に示す。新たな4面体状ねじれ多稜体は、図33、図34の左列に示す各4面体状ねじれ多稜体のねじれの位置をグラフ化した稜線部の○印と◎印合わせて3箇所のうち、○印のある稜線に対して180度1回転ねじれを与え、かつ少なくとも1箇所以上ある◎印のある稜線に対して360度2回転ねじれを与えながら、分離型放射帯モジュールの3つの放射状の帯の端部に設けた稜線用結合部を相互に結合して形成される。4面体状ねじれ多稜体を、分離作業用窓を利用して、第2分離線から第1分離線を連続的に切り離せば、それぞれ図33、図34の右列に示す2個以上の連鎖した環状帯に変換できる。これらの環状帯の中にはねじれのない環状帯が含まれている場合がある(図示はしない)。
【実施例6】
【0018】
図23に示す別のタイプの3つの放射状の帯を有する分離型放射帯モジュール14では、第1分離線、第2分離線から一定の幅のある第1分離帯90および第2分離帯80を形成し、該第1分離帯90および第2分離帯80の外側縁が新たな第1分離線51と第2分離線41として形成される。一定の幅のある第2分離帯に囲まれた3角形状分離帯31を設け、該3角形状分離帯31の領域内に最大に開口した3角形状窓32を設ける。該3角形状窓32は、より幅のある帯が形成する放射交差路部60の周辺の柔軟性を高め、ねじれ多稜体のねじれを自然な曲面へと変化させる機能を持っている。この分離型放射帯モジュール14から4面体状や6面体状、12面体状ねじれ多稜体を構成した後に、すべての第1分離線51と第2分離線41で切り離しても帯の幅は縮小するが、残された第1分離帯90および第2分離帯80は、ねじれ多稜体の原型を維持する。また、切り離された帯は、連続したねじれ環状帯を形成し相互変換のはじめと終わりの形態を同時に生成できる。ねじれ多稜体の分離型放射帯モジュールを順に相互に結合しながら構成する場合、多稜体の面数から1少ないねじれの個数とねじれの位置をあらかじめ特定するために、分離型放射帯モジュールの各端部の片側面に組立用合わせ記号を使用してもよい。最終的にすべての組立用合わせ記号が合致すれば、自動的に正しいねじれの位置とねじれの個数が形成できる。また、ねじれ多稜体と1個の連続したねじれ環状帯とを相互に連続的に変換するための組立用合わせ記号を各分離型放射帯モジュール14¬の放射交差路部60に設けてもよい。またこの場合、各分離型放射帯モジュールの放射状の帯の長さは互いに等辺としてデザインされているが、互いに不等辺でも作用効果は変わらない。モジュールを構成する素材としては弾性のある紙などが望ましいが、薄い金属やプラスチックで構成してもよい。また、同様に4つの放射状の帯を有する分離型放射帯モジュール11(単独で図12に示す)、5つの放射状の帯を有する分離型放射帯モジュール12(単独で図13に示す)あるいは6つの放射状の帯を有する分離型放射帯モジュール13(単独で図14に示す)の各第1分離線、第2分離線から一定の幅のある第1分離帯90および第2分離帯80を形成し、該第1分離帯90および第2分離帯80の外側縁を新たな第1分離線51と第2分離線41として形成してもよい(図示はしない)。
【実施例7】
【0019】
図24に示す分離型放射帯モジュール15は、図23に示す放射状分離帯モジュール14の一定の幅のある第1分離帯80および第2分離帯90自体を放射状分離帯モジュールに置換し入れ子状の放射状分離型帯モジュールとして形成される。入れ子状の放射状分離型帯モジュール15は表裏ともに2色で塗り分けられる。この分離型放射帯モジュール15から4面体状や6面体状、12面体状ねじれ多稜体を構成した後に、すべての第1分離線51と第2分離線41で切り離しても帯の幅は縮小するが、残された入れ子状の放射状分離型帯モジュールが2色のねじれ多稜体を維持する。また、切り離された帯は連続したねじれ環状帯を形成し相互変換のはじめと終わりの形態を同時に生成できる。図示はしないがこの切り離された帯も2色の分離型放射帯モジュールに置き換えることができる。また、ねじれ多稜体とねじれ環状帯とを相互に連続的に変換するための合わせ記号を各分離型放射帯モジュール15の放射交差路部60に設けてもよい。またこの場合、各稜線を構成する各分離型放射帯モジュールの放射状の帯の長さは互いに等辺としてデザインされているが、互いに不等辺でも作用効果は変わらない。モジュールを構成する素材としては弾性のある紙などが望ましいが、薄い金属やプラスチックで構成してもよい。稜線用結合部20の相互結合にはテープ、両面テープあるいは接着剤の使用が望ましい。また、同様に4つの放射状の帯を有する分離型放射帯モジュール11(単独で図12に示す)、5つの放射状の帯を有する分離型放射帯モジュール12(単独で図13に示す)あるいは6つの放射状の帯を有する分離型放射帯モジュール13(単独で図14に示す)から形成された一定の幅のある第1分離帯80および第2分離帯90自体を放射状分離帯モジュールから形成し入れ子状の放射状分離型帯モジュールとして形成してもよい。また、該入れ子状の放射状分離型帯モジュールは表裏ともにすべて2色で塗り分けてもよい(図示はしない)。
【実施例8】
【0020】
図3に示すプラトンの正6面体を原型とする6面体状ねじれ多稜体200は、3つの放射状の帯をもった8個の分離型放射帯モジュール10(単独で図11に示す)を6面体の各頂点部に配置し、該6面体の各稜線の中点付近で各第1分離線50を相互に一致させるよう図16に示すねじれ多稜体の原型となる正6面体とねじれの位置をグラフ化した稜線部に○印のある5箇所の稜線に対して180度1回転ねじれ70を与えながら、分離型放射帯モジュール10の3つの放射状の帯の端部に設けた稜線用結合部20を相互に結合して形成される。次に分離作業用窓30を利用して、第2分離線40から第1分離線50を連続的に切り離し、1個のねじれ環状帯が形成できる(図示はしない)。分離作業開始用窓30はすべてのねじれ多稜体のすべての放射交差路部60に開けるのが作業上望ましいが、最小限1箇所でもよい。分離作業開始用窓30の形状は、第2分離線に沿って形成するのが望ましいが円形でもよい。またねじれ多稜体の分離型放射帯モジュールを順に相互に結合しながら構成する場合、多稜体の面数から1少ないねじれの個数とねじれの位置をあらかじめ特定するために、分離型放射帯モジュールの各端部の片側面に組立用合わせ記号を使用してもよい。最終的にすべての組立用合わせ記号が合致すれば、自動的に正しいねじれの位置とねじれの個数が形成できる。また、左手袋を裏返せば右手袋になるように、内部と外部を反転させて同じモジュールから右勝手かつ反対称的な6面体状ねじれ多稜体を形成してもよい。このように同一の組立用合わせ記号からねじれ多稜体は2通り形成できる。また、4面体状ねじれ多稜体と同様に、図28に示す分離型放射帯モジュール16で2色に色分けし、かつ表裏とも互いに2色は反対称的に塗り分けてもよい。さらにこの方法によって、6面体状ねじれ多稜体を1個のねじれ環状帯に変換した場合、該ねじれ環状帯の表裏は互いに異なる単色に塗り分けられる(図示はしない)。6面体状ねじれ多稜体を構成する3つの放射状の帯をもった分離型放射帯モジュールは4面体状ねじれ多稜体を構成する分離型放射帯モジュールと同型で1種類である。また、ねじれ多稜体と1個の連続したねじれ環状帯とを相互に連続的に変換するための合わせ記号を各分離型放射帯モジュール16の放射交差路部60に設けてもよい。またこの場合、6面体状ねじれ多稜体の各稜線を構成する各分離型放射帯モジュール16の放射状の帯の長さは互いに等辺としてデザインされているが、互いに不等辺でも作用効果は変わらない。モジュールを構成する素材としては弾性のある紙などが望ましいが、薄い金属やプラスチックで構成してもよい。稜線用結合部20の相互結合にはテープ、両面テープあるいは接着剤の使用が望ましい。
【実施例9】
【0021】
図8に示すプラトンの正8面体を原型とする8面体状ねじれ多稜体300は、4つの放射状の帯をもった6個の分離型放射帯モジュール11(単独で図12に示す)を8面体の各頂点部に配置し、該8面体の各稜線の中点付近で各第1分離線50を相互に一致させるよう図17に示すねじれ多稜体の原型となる正8面体とねじれの位置をグラフ化した稜線部に○印のある7箇所の稜線に対して180度1回転ねじれ70を与えながら、分離型放射帯モジュール11の4つの放射状の帯の端部に設けた稜線用結合部20を相互に結合して形成される。次に分離作業用窓30を利用して、第2分離線40から第1分離線50を連続的に切り離し、1個のねじれ環状帯が形成できる(図示はしない)。分離作業開始用窓30はすべてのねじれ多稜体のすべての放射交差路部60に開けるのが作業上望ましいが、最小限1箇所でもよい。分離作業開始用窓30の形状は、第2分離線に沿って形成するのが望ましいが円形でもよい。またねじれ多稜体の分離型放射帯モジュールを順に相互に結合しながら構成する場合、多稜体の面数から1少ないねじれの個数とねじれの位置をあらかじめ特定するために、分離型放射帯モジュールの各端部の片側面に組立用合わせ記号を使用してもよい。最終的にすべての組立用合わせ記号が合致すれば、自動的に正しいねじれの位置とねじれの個数が形成できる。また、左手袋を裏返せば右手袋になるように、内部と外部を反転させて同じモジュールから右勝手かつ反対称的な8面体状ねじれ多稜体を形成してもよい。このように同一の組立用合わせ記号からねじれ多稜体は2通り形成できる。また、4面体状ねじれ多稜体や6面体状ねじれ多稜体と同様に、図29に示す分離型放射帯モジュール17で2色に色分けし、かつ表裏とも互いに2色は反対称的に塗り分けてもよい。さらにこの方法によって、8面体状ねじれ多稜体を1個のねじれ環状帯に変換した場合、該ねじれ環状帯の表裏は互いに異なる単色に塗り分けられる(図示はしない)。また、ねじれ多稜体と1個の連続したねじれ環状帯とを相互に連続的に変換するための合わせ記号を各分離型放射帯モジュール17の放射交差路部60に設けてもよい。またこの場合、8面体状ねじれ多稜体の各稜線を構成する各分離型放射帯モジュールの放射状の帯の長さは互いに等辺としてデザインされているが、互いに不等辺でも作用効果は変わらない。モジュールを構成する素材としては弾性のある紙などが望ましいが、薄い金属やプラスチックで構成してもよい。稜線用結合部20の相互結合にはテープ、両面テープあるいは接着剤の使用が望ましい。
【実施例10】
【0022】
図9に示すプラトンの正12面体を原型とする12面体状ねじれ多稜体400は、3つの放射状の帯をもった20個の分離型放射帯モジュール10(単独で図11に示す)を12面体の各頂点部に配置し、該12面体の各稜線の中点付近で各第1分離線50を相互に一致させるよう図18に示すねじれ多稜体の原型となる正12面体とねじれの位置をグラフ化した稜線部○印のある11箇所の稜線に対して180度1回転ねじれ70を与えながら、分離型放射帯モジュール10の3つの放射状の帯の端部に設けた稜線用結合部20を相互に結合して形成される。次に分離作業用窓30を利用して、第2分離線40から第1分離線50を連続的に切り離し、1個のねじれ環状帯が形成できる(図示はしない)。分離作業開始用窓30はすべてのねじれ多稜体のすべての放射交差路部60に開けるのが作業上望ましいが、最小限1箇所でもよい。分離作業開始用窓30の形状は、第2分離線に沿って形成するのが望ましいが円形でもよい。またねじれ多稜体の分離型放射帯モジュールを順に相互に結合しながら構成する場合、多稜体の面数から1少ないねじれの個数とねじれの位置をあらかじめ特定するために、分離型放射帯モジュールの各端部の片側面に組立用合わせ記号を使用してもよい。最終的にすべての組立用合わせ記号が合致すれば、自動的に正しいねじれの位置とねじれの個数が形成できる。また、左手袋を裏返せば右手袋になるように、内部と外部を反転させて同じモジュールから右勝手かつ反対称的な12面体状ねじれ多稜体を形成してもよい。このように同一の組立用合わせ記号からねじれ多稜体は2通り形成できる。また、12面体状ねじれ多稜体と同様に、図28に示す分離型放射帯モジュール16で2色に色分けし、かつ表裏とも互いに2色は反対称的に塗り分けてもよい。さらにこの方法によって、12面体状ねじれ多稜体を1個のねじれ環状帯に変換した場合、該ねじれ環状帯の表裏は互いに異なる単色に塗り分けられる(図示はしない)。またこの場合、12面体状ねじれ多稜体の各稜線を構成する各分離型放射帯モジュール16の放射状の帯の長さは互いに等辺としてデザインされているが、互いに不等辺でも作用効果は変わらない。12面体状ねじれ多稜体を構成する3つの放射状の帯をもった分離型放射帯モジュールは、4面体状ねじれ多稜体や6面体状ねじれ多稜体を構成する分離型放射帯モジュールと同型である。また、ねじれ多稜体と1個の連続したねじれ環状帯とを相互に連続的に変換するための合わせ記号を各分離型放射帯モジュール¬16の放射交差路部60に設けてもよい。モジュールを構成する素材としては弾性のある紙などが望ましいが、薄い金属やプラスチックで構成してもよい。稜線用結合部20の相互結合にはテープ、両面テープあるいは接着剤の使用が望ましい。
【実施例11】
【0023】
図10に示すプラトンの正20面体を原型とする20面体状ねじれ多稜体500は、5つの放射状の帯をもった12個の分離型放射帯モジュール12(単独で図13に示す)を20面体の各頂点部に配置し、該20面体の各稜線の中点付近で各第1分離線50を相互に一致させるよう図19に示すねじれ多稜体の原型となる正20面体とねじれの位置をグラフ化した稜線部に○印のある11箇所の稜線に対して180度1回転ねじれ70を与えながら、分離型放射帯モジュール12の5つの放射状の帯の端部に設けた稜線用結合部20を相互に結合して形成される。次に分離作業用窓30を利用して、第2分離線40から第1分離線50を連続的に切り離し、1個のねじれ環状帯が形成できる(図示はしない)。分離作業開始用窓30はすべてのねじれ多稜体のすべての放射交差路部60に開けるのが作業上望ましいが、最小限1箇所でもよい。分離作業開始用窓30の形状は、第2分離線に沿って形成するのが望ましいが円形でもよい。またねじれ多稜体の分離型放射帯モジュールを順に相互に結合しながら構成する場合、多稜体の面数から1少ないねじれの個数とねじれの位置をあらかじめ特定するために、分離型放射帯モジュールの各端部の片側面に組立用合わせ記号を使用してもよい。最終的にすべての組立用合わせ記号が合致すれば、自動的に正しいねじれの位置とねじれの個数が形成できる。また、左手袋を裏返せば右手袋になるように、内部と外部を反転させて同じモジュールから右勝手かつ反対称的な20面体状ねじれ多稜体を形成してもよい。このように同一の組立用合わせ記号からねじれ多稜体は2通り形成できる。また、12面体状ねじれ多稜体と同様に、図30に示す分離型放射帯モジュール18で2色に色分けし、かつ表裏とも互いに2色は反対称的に塗り分けてもよい。さらにこの方法によって、20面体状ねじれ多稜体を1個のねじれ環状帯に変換した場合、該ねじれ環状帯の表裏は互いに異なる単色に塗り分けられる(図示はしない)。また、ねじれ多稜体と1個の連続したねじれ環状帯とを相互に連続的に変換するための合わせ記号を各分離型放射帯モジュール18の放射交差路部60に設けてもよい。またこの場合、20面体状ねじれ多稜体の各稜線を構成する各分離型放射帯モジュールの放射状の帯の長さは互いに等辺としてデザインされているが、互いに不等辺でも作用効果は変わらない。モジュールを構成する素材としては弾性のある紙などが望ましいが、薄い金属やプラスチックで構成してもよい。稜線用結合部20の相互結合にはテープ、両面テープあるいは接着剤の使用が望ましい。
【実施例12】
【0024】
プラトンの正多面体以外を原型とする菱形12面体のねじれ多稜体は、異なった2種類の分離型放射帯モジュールから構成される。3つの放射状の帯をもつ8個の分離型放射帯モジュール10(単独で図11に示す)と4つの放射状の帯をもつ6個の分離型放射帯モジュール11(単独で図12に示す)とを図20に示す菱形12面体の各頂点部に配置し、該菱形12面体の各稜線の中点付近で各第1分離線50を相互に一致させるようにねじれ多稜体の原型となる菱形12面体とねじれの位置をグラフ化した稜線部に○印のある11箇所の稜線に対して180度1回転ねじれを与えながら、2種類の分離型放射帯モジュールの放射状の帯の端部に設けた稜線用結合部20を相互に結合して形成される(図示はしない)。次に2種類の分離型放射帯モジュール10、11の各分離作業用窓30を利用して、第2分離線40から第1分離線50を連続的に切り離し、1個のねじれ環状帯が形成できる(図示はしない)。分離作業開始用窓30はすべてのねじれ多稜体のすべての放射交差路部60に開けるのが作業上望ましいが、最小限1箇所でもよい。分離作業開始用窓30の形状は、第2分離線に沿って形成するのが望ましいが円形でもよい。またねじれ多稜体の分離型放射帯モジュールを順に相互に結合しながら構成する場合、多稜体の面数から1少ないねじれの個数とねじれの位置をあらかじめ特定するために、分離型放射帯モジュールの各端部の片側面に組立用合わせ記号を使用してもよい。最終的にすべての組立用合わせ記号が合致すれば、自動的に正しいねじれの位置とねじれの個数が形成できる。また、左手袋を裏返せば右手袋になるように、内部と外部を反転させて同じモジュールから右勝手かつ反対称的な菱形12面体状ねじれ多稜体を形成してもよい。このように同一の組立用合わせ記号からねじれ多稜体は2通り形成できる。また、分離型放射帯モジュールを第1分離線、第2分離線を境界として2色に色分けし、かつ表裏とも互いに2色は反対称的に塗り分けてもよい。さらにこの方法によって、菱形12面体状ねじれ多稜体を1個のねじれ環状帯に変換した場合、該ねじれ環状帯の表裏は互いに異なる単色に塗り分けられる(図示はしない)。菱形12面体のねじれ多稜体の各稜線を構成する各分離型放射帯モジュールの放射状の帯の長さは互いに等辺としてデザインされているが、互いに不等辺でも作用効果は変わらない。また、ねじれ多稜体と1個の連続したねじれ環状帯とを相互に連続的に変換するための合わせ記号を各分離型放射帯モジュールの放射交差路部60に設けてもよい。モジュールを構成する素材としては弾性のある紙などが望ましいが、薄い金属やプラスチックで構成してもよい。稜線用結合部20の相互結合にはテープ、両面テープあるいは接着剤の使用が望ましい。
【実施例13】
【0025】
プラトンの正多面体以外を原型とする菱形30面体のねじれ多稜体は、異なった2種類の分離型放射帯モジュールから構成される。3つの放射状の帯をもつ20個の分離型放射帯モジュール10(単独で図11に示す)と5つの放射状の帯をもつ12個の分離型放射帯モジュール12(単独で図13に示す)とを図21に示す菱形30面体の各頂点部に配置し、該菱形30面体の各稜線の中点付近で各第1分離線50を相互に一致させるようにねじれの位置をグラフ化した稜線部うち○印のある29箇所の稜線に対して180度1回転ねじれを与えながら、2種類の分離型放射帯モジュールの放射状の帯の端部に設けた稜線用結合部20を相互に結合して形成される。次に2種類の分離型放射帯モジュール10、12の各分離作業用窓30を利用して、第2分離線40から第1分離線50を連続的に切り離し、1個のねじれ環状帯が形成できる(図示はしない)。分離作業開始用窓30はすべてのねじれ多稜体のすべての放射交差路部60に開けるのが作業上望ましいが、最小限1箇所でもよい。分離作業開始用窓30の形状は、第2分離線に沿って形成するのが望ましいが円形でもよい。またねじれ多稜体の分離型放射帯モジュールを順に相互に結合しながら構成する場合、多稜体の面数から1少ないねじれの個数とねじれの位置をあらかじめ特定するために、分離型放射帯モジュールの各端部の片側面に組立用合わせ記号を使用してもよい。最終的にすべての組立用合わせ記号が合致すれば、自動的に正しいねじれの位置とねじれの個数が形成できる。また、左手袋を裏返せば右手袋になるように、内部と外部を反転させて同じモジュールから右勝手かつ反対称的な菱形30面体状ねじれ多稜体を形成してもよい。このように同一の組立用合わせ記号からねじれ多稜体は2通り形成できる。また、菱形12面体状ねじれ多稜体と同様に分離型放射帯モジュールを第1分離線、第2分離線を境界として2色に色分けし、かつ表裏とも互いに2色は反対称的に塗り分けてもよい。さらにこの方法によって、菱形30面体状ねじれ多稜体を1個のねじれ環状帯に変換した場合、該ねじれ環状帯の表裏は互いに異なる単色に塗り分けられる(図示はしない)。菱形30面体状ねじれ多稜体の各稜線を構成する各分離型放射帯モジュールの放射状の帯の長さは互いに等辺としてデザインされているが、互いに不等辺でも作用効果は変わらない。また、ねじれ多稜体と1個の連続したねじれ環状帯とを相互に連続的に変換するための合わせ記号を各分離型放射帯モジュールの放射交差路部60に設けてもよい。モジュールを構成する素材としては弾性のある紙などが望ましいが、薄い金属やプラスチックで構成してもよい。稜線用結合部20の相互結合にはテープ、両面テープあるいは接着剤の使用が望ましい。
【実施例14】
【0026】
ジオデシック多面体を原型とする正20面体を2分割によって形成したジオデシック80面体状(2 Frequency Icosahedron)のねじれ多稜体は、異なった2種類の分離型放射帯モジュールから構成される。5つの放射状の帯をもつ12個分離型放射帯モジュール12(単独で図13に示す)と6つの放射状の帯をもつ30個の分離型放射帯モジュール13(単独で図14に示す)とを図22に示す2分割のジオデシック球の各頂点部に配置し、該ジオデシック80面体の各稜線の中点付近で各第1分離線50を相互に一致させるように2種類の分離型放射帯モジュールから構成される稜線部のうち、ねじれの位置をグラフ化した○印のある79箇所の稜線に対して180度1回転ねじれを与えながら、2種類の分離型放射帯モジュールの放射状の帯の端部に設けた稜線用結合部20を相互に結合して形成される(図示はしない)。次に2種類の分離型放射帯モジュール12、13の各分離作業用窓30を利用して、第2分離線40から第1分離線50を連続的に切り離し、1個のねじれ環状帯が形成できる(図示はしない)。分離作業開始用窓30はすべてのねじれ多稜体のすべての放射交差路部60に開けるのが作業上望ましいが、最小限1箇所でもよい。分離作業開始用窓30の形状は、第2分離線に沿って形成するのが望ましいが円形でもよい。またねじれ多稜体の分離型放射帯モジュールを順に相互に結合しながら構成する場合、多稜体の面数から1少ないねじれの個数とねじれの位置をあらかじめ特定するために、分離型放射帯モジュールの各端部の片側面に組立用合わせ記号を使用してもよい。最終的にすべての組立用合わせ記号が合致すれば、自動的に正しいねじれの位置とねじれの個数が形成できる。また、左手袋を裏返せば右手袋になるように、内部と外部を反転させて同じモジュールから右勝手かつ反対称的なジオデシック80面体状ねじれ多稜体を形成してもよい。このように同一の組立用合わせ記号からねじれ多稜体は2通り形成できる。また、菱形30面体状ねじれ多稜体と同様に分離型放射帯モジュールを第1分離線、第2分離線を境界として2色に色分けし、かつ表裏とも互いに2色は反対称的に塗り分けてもよい。さらにこの方法によって、ジオデシック80面体状のねじれ多稜体を1個のねじれ環状帯に変換した場合、該ねじれ環状帯の表裏は互いに異なる単色に塗り分けられる(図示はしない)。2分割のジオデシック球状のねじれ多稜体の各稜線を構成する各分離型放射帯モジュールの放射状の帯の長さは互いに等辺としてデザインされているが、互いに不等辺でも作用効果は変わらない。また、ねじれ多稜体と1個の連続したねじれ環状帯とを相互に連続的に変換するための合わせ記号を各分離型放射帯モジュールの放射交差路部60に設けてもよい。モジュールを構成する素材としては弾性のある紙などが望ましいが、薄い金属やプラスチックで構成してもよい。稜線用結合部20の相互結合にはテープ、両面テープあるいは接着剤の使用が望ましい。稜線用結合部20の相互結合にはテープ、両面テープあるいは接着剤の使用が望ましい(図示はしない)。
【実施例15】
【0027】
実施例5以外を除く上記実施例のねじれ多稜体は、表裏のある1個のねじれ環状帯に変換されるが、ねじれ多稜体の面数から1少ない箇所の稜線を180度1回転ねじれの条件で表裏のある複数の環状帯に変換する場合を図35に示す。該ねじれ多稜体は、図35の左列に示す4面体状ねじれ多稜体、6面体状ねじれ多稜体および8面体状ねじれ多稜体のねじれの位置をそれぞれグラフ化した稜線部の○印の面数から1少ない箇所の稜線のうち、○印のある稜線に対して180度1回転ねじれを与えながら、分離型放射帯モジュールの3つ、または4つの放射状の帯の端部に設けた稜線用結合部を相互に結合して形成される。4面体状ねじれ多稜体、6面体状ねじれ多稜体および8面体状ねじれ多稜体を、分離作業用窓を利用して、第2分離線から第1分離線を連続的に切り離せば、それぞれ図35の右列に示す2個以上の環状帯に変換できる。これらの環状帯の中にはねじれのない環状帯が含まれている(図示はしない)。それ以外のねじれ多稜体も同様に、ねじれ多稜体の面数から1少ない箇所の稜線を180度1回転ねじれの条件で表裏のある複数の環状帯に変換してもよい。
【実施例16】
【0028】
最小限の紡錘型の3面体状ねじれ多稜体は、2個の分離型放射帯モジュールから構成できる。図37、図38に示すように2箇所の稜線に対して180度1回転ねじれを与えながら、分離型放射帯モジュール16の3つの放射状の帯の端部に設けた稜線用結合部20を相互に結合して形成される。帯の表裏にある組立用合わせ記号の配置は、図37、図38の互いの図の天地をそのままに背面を合わせて、2個の分離型放射帯モジュール16の輪郭線を完全に一致させれば、分離型放射帯モジュールの3つの放射状の帯の各結合部の表裏のいずれかに設けた組立用合わせ記号が再現される。次に分離作業用窓30を利用して、第2分離線40から第1分離線50を連続的に切り離し、表裏のある1個のねじれ環状帯が形成できる(図示はしない)。分離作業開始用窓30はすべてのねじれ多稜体のすべての放射交差路部60に開けるのが作業上望ましいが、最小限1箇所でもよい。分離作業開始用窓30の形状は、第2分離線に沿って形成するのが望ましいが円形でもよい。またこの場合、最小限のねじれ多稜体の各稜線を構成する各分離型放射帯モジュールの放射状の帯の長さは互いに等辺としてデザインされているが、互いに不等辺でも作用効果は変わらない。モジュールを構成する素材としては弾性のある紙などが望ましいが、薄い金属やプラスチックで構成してもよい。稜線用結合部20の相互結合にはテープ、両面テープあるいは接着剤の使用が望ましい。また、最小限の2個の4つの放射状の帯をもつ分離型放射帯モジュール、5つの放射状の帯をもつ分離型放射帯モジュールまたは6つの放射状の帯をもつ分離型放射帯モジュールからも同様に、それぞれ紡錘型の4面体状ねじれ多稜体、紡錘型の5面体状ねじれ多稜体、紡錘型の6面体状ねじれ多稜体を形成してもよい(図示はしない)。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、多様なねじれ多稜体を構成する分離型放射帯モジュールを製造する教育産業で利用される。
【符号の説明】
【0030】
10 3つの放射状の帯を有する分離型放射帯モジュール
11 4つの放射状の帯を有する分離型放射帯モジュール
12 5つの放射状の帯を有する分離型放射帯モジュール
13 6つの放射状の帯を有する分離型放射帯モジュール
14 分離帯をもつ分離型放射帯モジュール
15 入れ子状の分離型放射帯モジュール
16 2色で色分けられた3つの放射状の帯を有する分離型放射帯モジュール
17 2色で色分けられた4つの放射状の帯を有する分離型放射帯モジュール
18 2色で色分けられた5つの放射状の帯を有する分離型放射帯モジュール
20 分離型放射帯モジュールの稜線用結合部
30 分離作業開始用窓
31 第2分離帯に囲まれた3角形状分離帯
32 3角形状窓
40 第2分離線
41 第2分離帯からできる第2分離線
50 第1分離線
51 第1分離帯からできる第1分離線
60 放射交差路部
70 180度1回転ねじれ
80 第2分離帯
90 第1分離帯
100 4面体状ねじれ多稜体
101 2色で色分けられた左勝手の4面体状ねじれ多稜体
102 101と鏡像かつ反対称的な2色で色分けられた右勝手の4面体状ねじれ多稜体
200 6面体状ねじれ多稜体
300 8面体状ねじれ多稜体
400 12面体状ねじれ多稜体
500 20面体状ねじれ多稜体
A、B、C 組立用合わせ記号
1、2、3 組立用合わせ記号
A1、A2、A3、A4、A5、A6 合わせ記号
B1、B2、B3、B4、B5、B6 合わせ記号
C1、C2、C3、C4、C5、C6 合わせ記号
D1、D2、D3、D4、D5、D6 合わせ記号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2個の頂点と3本の稜線からなる多稜体から表裏のある少なくとも1個の連続したねじれ環状帯に相互に変換するにあたり、長さ方向に直線的な第1分離線を有する複数の平行でほぼ同長な帯の一方の片端部が、それぞれ単一の放射状パターンで1箇所に集合する放射交差路において、各該平行な帯の左右の各片側帯が該第1分離線を境界にそれぞれ左折または右折によって方向転換し、隣り合う該平行な帯の左右の各片側帯が該各片側帯の外側縁にほぼ平行な第2分離線を形成しながら互いにシームレスに相互に連続する放射交差路部を形成すると共に、該放射交差路部と該平行な帯の他方の片端部に該他方の片端部どうしが結合する稜線用結合部とを一体化した分離型放射帯モジュールを形成する。次に該分離型放射帯モジュールを少なくとも2個以上を用いて、該多稜体の各該頂点付近に該放射交差路部を配置し、かつ該多稜体の各稜線の中点付近で各該第1分離線を相互に一致連続させるように、該多稜体の面数からつねに1少ない箇所の該稜線上の各該中点付近でのみ該稜線用結合部の裏面または表面どうしを180度1回転ねじれによって相互に結合し、その他の該中点付近では該稜線用結合部どうしの表裏をねじれなしで相互に結合することによってねじれ多稜体を形成し、最終的に該ねじれ多稜体をすべて該第1分離線および第2分離線に沿って完全に切り離し、表裏のある1個の連続したねじれ環状帯に相互に変換できることを特徴とするねじれ多稜体のための分離型放射帯モジュール。
【請求項2】
上記裏面または表面どうしを180度1回転ねじれを、裏面または表面どうしを少なくとも1箇所360度2回転ねじれにし、かつその他の裏面または表面どうしを180度1回転ねじれにし、上記表裏のある1個の連続したねじれ環状帯を、表裏のある2個以上に連鎖した環状帯にしたことを特徴とする「請求項1」記載のねじれ多稜体のための分離型放射帯モジュール。
【請求項3】
上記表裏のある1個の連続したねじれ環状帯を表裏のある複数の環状帯にしたことを特徴とする「請求項1」記載のねじれ多稜体のための分離型放射帯モジュール。
【請求項4】
上記単一放射状パターンを異なった2種類以上の放射状パターンにしたことを特徴とする「請求項1」、「請求項2」または「請求項3」記載のねじれ多稜体のための分離型放射帯モジュール。
【請求項5】
上記第1分離線および第2分離線をすべて一定の幅のある第1分離帯および第2分離帯にし、かつ該第1分離帯および第2分離帯の外側縁を新たな第1分離線と第2分離線としたことを特徴とする「請求項1」、「請求項2」、「請求項3」または「請求項4」記載のねじれ多稜体のための分離型放射帯モジュール。
【請求項6】
上記一定の幅のある第1分離帯および第2分離帯を上記分離型放射帯モジュールから構成し、分離型放射帯モジュールを入れ子状の分離型放射帯モジュールにしたことを特徴とする「請求項5」記載のねじれ多稜体のための分離型放射帯モジュール。
【請求項7】
上記左右の各片側帯を2色にすると同時に上記帯の各片側帯のすべての表裏を該2色によって互いに相補的かつ反対称的に配色したことを特徴とする「請求項1」、「請求項2」、「請求項3」、「請求項4」、「請求項5」または「請求項6」記載のねじれ多稜体のための分離型放射帯モジュール。
【請求項8】
上記ねじれ多稜体と上記環状帯とを相互に連続的に変換するための複数種の合わせ記号を上記放射交差路部または該稜線結合部付近の帯上に設けたことを特徴とする「請求項1」、「請求項2」、「請求項3」、「請求項4」、「請求項5」、「請求項6」または「請求項7」記載のねじれ多稜体のための分離型放射帯モジュール。
【請求項9】
上記ねじれ多稜体を組み立てるための複数種の組立用合わせ記号を上記該稜線用結合部付近の帯上に設けたことを特徴とする「請求項1」、「請求項2」、「請求項3」、「請求項4」、「請求項5」、「請求項6」、「請求項7」または「請求項8」記載のねじれ多稜体のための分離型放射帯モジュール。
【請求項10】
上記放射交差路部の中央に上記第2分離線で囲まれた多角形状分離帯を設け、該多角形状分離帯領域内に第1分離線および第2分離線の切り離し作業のための分離作業開始用窓を設けたことを特徴とする「請求項1」、「請求項2」、「請求項3」、「請求項4」、「請求項6」、「請求項7」、「請求項8」または「請求項9」記載のねじれ多稜体のための分離型放射帯モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−127983(P2012−127983A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276461(P2010−276461)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(305015774)
【Fターム(参考)】