説明

はんだボール検査装置

【課題】様々な環境条件、即ち、温度、環境ガス、荷重、接触材料により、はんだボールの形状がどのように変化するかを容易に検査できるはんだボール検査装置を提供する。
【解決手段】本発明のはんだボール検査装置100は、対象に光を照射する光源部110と、前記対象のイメージを検出するイメージ検出部120,130と、検出された前記イメージの情報を処理するイメージプロセッサと、光源部110とイメージ検出部120,130との間に装着され、試料を取り付けながら検査を行う試料室140と、試料室140を駆動させる試料室駆動部150とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、はんだボール検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ソルダリングは、現在電子機器製造に必須の接合法であって、半導体パッケージング技術に欠かせない技術であり、接合部の汚染及び内部酸化を防止し、材料間の電気的、機械的接続及び濡れ性を良好にすることを目的とするものである。
【0003】
また、ソルダリングは、450℃以下の温度で、金属面間における毛管現象により、はんだが全体的に広がるようにして接合する接合方式であって、良好なソルダリングのためには、濡れ性に優れ、容易に拡散されて接合性に優れていなければならない。前記二つの性質に優れている場合、「ソルダリングが良い」とし、また、新たな合金に対する信頼性をソルダリング性に含む場合もあるため、はんだの濡れ(wetting)、濡れ性(wettability)が非常に重要であるといえる。
【0004】
金属面に接触した溶融はんだが流れながら広がる現象を濡れとし、溶融はんだが広がりながら金属面に容易に溶解される必要があるが、これを拡散とする。この場合、界面では、金属結合が生じるが、この時に生成される合金層が金属どうしの接合品質を左右し、一般的なはんだの濡れ性の評価方法には、メニスコグラフ(表面張力法、ウェッティングバランス法)、グロビュール、回転浸漬法などがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、様々な環境条件、即ち、温度、環境ガス、荷重、接触材料により、はんだボールの形状がどのように変化するかを検査するために、はんだボールの接触角と高さと長軸長さなどを実測するはんだボール検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい一実施例によるはんだボール検査装置は、対象に光を照射する光源部と、前記対象のイメージを検出するイメージ検出部と、検出された前記イメージの情報を処理するイメージプロセッサと、前記光源部と前記イメージ検出部との間に装着され、試料を取り付けながら検査を行う試料室と、前記試料室を駆動させる試料室駆動部とを含むことを特徴とする。
【0007】
ここで、前記イメージ検出部は、イメージセンサと、レンズアセンブリとが含まれることを特徴とする。
【0008】
また、前記イメージプロセッサは、コンピュータで前記対象の接触角、高さ、長軸長さを実測する制御部を含むことを特徴とする。
【0009】
また、前記試料室は、試料を環境から完全にまたは部分的に隔離させる隔室からなることを特徴とする。
【0010】
また、前記試料室は、内部を加熱する加熱装置と、内部の温度を測定する温度測定装置とが内装されることを特徴とする。
【0011】
また、前記試料室は、内部に特定の気体を流入させる気体流入口と、外部に気体を流出させる気体流出口とを含み、前記気体の流量を調節する流量弁を含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記試料室は、内部壁を通過して光とイメージの情報が伝達されるようにする光窓を含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記試料室は、下部に試料室駆動部が連結され、試料を所望通りに並進または回転させて所望の位置と角度に位置させることを特徴とする。
【0014】
また、前記試料室は、内部の上部壁に装着され、試料に所望の力または圧力を印加するロードセルと、前記ロードセルの下部に連結されたダイとを含むことを特徴とする。
【0015】
また、前記試料室は、内部の下部壁に装着された基板と、前記ダイと前記基板との間にはんだボールを位置させて、前記試料室の温度、環境ガス、荷重または接触材料による前記はんだボールの形状を検査することを特徴とする。
【0016】
本発明の特徴及び利点は、添付図面に基づいた以下の詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
【0017】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0018】
本発明のはんだボール検査装置は、光源部、イメージセンサ、レンズアセンブリ、試料室及び試料室駆動部を備えることにより、温度、環境ガス、荷重、接触材料により、はんだボールの形状がどのように変化するかを容易に検査できるようにすることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の好ましい実施例によるはんだボール検査装置の全体図である。
【図2】本発明の好ましい実施例によるはんだボール検査装置の部分拡大図である。
【図3】本発明の好ましい実施例によるはんだボール検査装置の制御部とイメージプロセッサを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにあたり、係わる公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0021】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の好ましい実施例によるはんだボール検査装置の全体図であり、図2は、本発明の好ましい実施例によるはんだボール検査装置の部分拡大図であり、図3は、本発明の好ましい実施例によるはんだボール検査装置の制御部とイメージプロセッサを示す説明図である。
【0023】
本発明は、温度、環境ガス、荷重、接触材料によりはんだボールの形状がどのように変化するか、即ち、はんだボールの接触角θ、高さH、長軸長さLなどを実測できる装置に関するものである。
【0024】
図1に図示されたように、本発明の好ましい実施例によるはんだボール検査装置100は、光源部110と、イメージセンサ120と、レンズアセンブリ130と、試料室140と、試料室駆動部150とからなる。
【0025】
光源部110は、対象に光を照射する部分である。即ち、光源部110は、光を放出する光源と、放出された光を試料室140に集束する集束レンズとで構成されており、装置を安定して底面に設けるための基底部111に連結固定され、光の光量を所望通りに調節することができる制御部に連結されている。
【0026】
イメージセンサ120は、対象のイメージを検出し、獲得することができる部分であり、観測対象の拡大及び縮小が可能になるようにレンズアセンブリ130に連結されている。
【0027】
イメージセンサ120は、CCD、CMOSカメラなどであり、ズーム望遠鏡レンズと組み合わせることにより、観察する対象の拡大及び縮小が可能となり、基底部111に連結固定されている。
【0028】
レンズアセンブリ130は、イメージセンサ120に連結されており、検出されたイメージの情報を処理するためのものである。
【0029】
イメージセンサ120とレンズアセンブリ130は、対象のイメージを検出できる部分であるため、イメージ検出部120,130と通称する。
【0030】
前記イメージ検出部120,130から検出されたイメージの情報を処理するために、イメージ検出部120,130は、イメージプロセッサに連結されている。
【0031】
イメージプロセッサは、イメージ検出部120,130のイメージセンサ(CCD、CMOS)を介してはんだボールの形状を検出した後、アナログイメージデータをデジタルイメージデータに転換する。
【0032】
その後、コンピュータモニタに出力されたイメージデータのイメージを分析するために、制御部を介して接触角、高さ、長軸長さなどを求める。
【0033】
試料室140は、光源部110とイメージ検出部120,130との間の光路(optical path)に位置し、試料を取り付けながら試料環境の温度と気体雰囲気を調節して制御された力を試料に印加することができる。
【0034】
試料室140は、試料を環境から完全にあるいは部分的に隔離する隔室を備え、隔室内部を加熱する加熱装置と、隔室内部の温度を測定する温度測定装置とを備えている。
【0035】
加熱装置としては、主に電熱線、セラミックヒータ、コピーランプなどが用いられており、温度測定装置としては、白金抵抗温度計、熱電対、赤外線温度計など様々な種類が制限なく用いられている。
【0036】
試料室140は、隔室に特定の気体を流入させる気体流入口141と、隔室外部に気体を流出させる気体流出口142とを備え、流量弁143により、気体流入口141と気体流出口142に流入または流出させる気体流量を調節することができる。
【0037】
光とイメージの情報が隔室壁を通過して伝達されるようにする光窓145には、ガラス、ポリカーボネート、サファイアなど透明な材料が用いられ、試料室140の内部に位置した試料に、所望の力または圧力を印加するロードセル146で構成されている。
【0038】
また、試料室140は、試料室駆動部150に連結され底面に安定して設けられるために、基底部111に固定されており、温度、荷重、流量などを所望通りに調節させる制御部に連結される。
【0039】
試料室駆動部150は、試料室140を所望通りに駆動するために、試料室140の下部に装着される。
【0040】
また、試料室駆動部150は、試料室140に連結されて試料室140を所望通りに並進または回転運動させるとともに、所望の位置と角度に調節することができ、制御部とイメージプロセッサは、遠隔制御とデータ処理及び図示のために、コンピュータとディスプレイ装置で構成されている。
【0041】
図2は、試料室140を拡大して示したものであり、試料室140の内部に装着された基板147に、はんだボール160を装着して、はんだボール160を検査することを示している。
【0042】
図2に図示されたように、試料室140の内部の下部には、基板147が装着され、基板147の上部には、はんだボール160が装着される。
【0043】
はんだボール160の上部は、ロードセル146に連結されたダイ148が押されながら、はんだボール160を検査する。ダイ148は、シリコーンダイであることが好ましい。
【0044】
即ち、ロードセル146にダイ148を付着して、温度、環境ガスの種類及び流量を所望通りに調節した状態でロードセル146を駆動して、ダイ148の表面に、はんだボール160を接触させるが、荷重は0になるようにする。
【0045】
温度、環境ガスの種類及び流量を、所望通りに変化させたり維持した状態で、ロードセル146を介して、はんだボールに所望の大きさの一定荷重を印加する。
【0046】
または、所望通りに荷重を変化させて温度、環境ガスの種類及び流量、荷重、時間などによるはんだボール160の形状と形状変化をイメージ検出部(不図示)に検出し、イメージプロセッサで処理した後、コンピュータでイメージ分析アルゴリズムにより接触角θ、高さH、長軸長さLなどを求める。
【0047】
図3は、本発明の好ましい実施例によるはんだボール検査装置100の制御部とイメージプロセッサを示す説明図であり、制御部とイメージプロセッサは、遠隔制御とデータ処理及び図示のために、コンピュータとディスプレイ装置とで構成されており(S110)、遠隔制御部のコンピュータには、温度、荷重、流量などを所望通りに調節できるソフトウェアが設けられている(S120)。
【0048】
また、ソフトウェアを駆動して、ユーザが所望のパラメータを直接設定して、調整することができる(S130)。
【0049】
イメージプロセッサは、温度、環境ガス、荷重接触材料によって変形されたはんだボールの形状を、イメージ検出部のイメージセンサ(CCD、CMOSカメラ)を介して検出した後、レンズアセンブリを介してアナログイメージデータをデジタルイメージデータに転換し、コンピュータモニタを介して出力する。
【0050】
また、コンピュータモニタに出力されたイメージデータに基づいて、イメージ分析アルゴリズムにより、接触角θ、高さH、長軸長さLなどを求めることができる。
【0051】
イメージ分析アルゴリズムにより得られたデータ(接触角θ、高さH、長軸長さL)は、時間の経過に伴う温度、力による関係をグラフで示すことができ、コンピュータモニタに出力することができるとともに、保存、及びプリントなどによる印刷が可能である。
【0052】
図3に図示されたように、制御部及びイメージプロセッサを介して、時間の経過に伴うはんだボール160の温度関係または力の関係グラフを導き出すことができる(図2参照)。
【0053】
前記のような特徴を有する本発明によるはんだボール検査装置100は、光源部110、イメージセンサ120、レンズアセンブリ130、試料室140及び試料室駆動部150を備えることにより、温度、環境ガス、荷重、接触材料により、はんだボール160の形状がどのように変化するかを容易に検査することができる。
【0054】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは、本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明によるはんだボール検査装置は、これに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0055】
本発明の単純な変形乃至変更は、いずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、はんだボールの接触角と高さと長軸長さなどを実測するはんだボール検査装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0057】
100 はんだボール検査装置
110 光源部
111 基底部
120 イメージセンサ
130 レンズアセンブリ
140 試料室
141 気体流入口
142 気体流出口
143 流量弁
145 光窓
146 ロードセル
147 基板
148 ダイ
150 試料室駆動部
160 はんだボール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象に光を照射する光源部と、
前記対象のイメージを検出するイメージ検出部と、
検出された前記イメージの情報を処理するイメージプロセッサと、
前記光源部と前記イメージ検出部との間に装着され、試料を取り付けながら検査を行う試料室と、
前記試料室を駆動させる試料室駆動部とを含むことを特徴とするはんだボール検査装置。
【請求項2】
前記イメージ検出部は、イメージセンサと、レンズアセンブリとが含まれることを特徴とする請求項1に記載のはんだボール検査装置。
【請求項3】
前記イメージプロセッサは、コンピュータで前記対象の接触角、高さ、長軸長さを実測する制御部を含むことを特徴とする請求項1に記載のはんだボール検査装置。
【請求項4】
前記試料室は、試料を環境から完全にまたは部分的に隔離させる隔室からなることを特徴とする請求項1に記載のはんだボール検査装置。
【請求項5】
前記試料室は、内部を加熱する加熱装置と、内部の温度を測定する温度測定装置とが内装されることを特徴とする請求項1に記載のはんだボール検査装置。
【請求項6】
前記試料室は、内部に特定の気体を流入させる気体流入口と、外部に気体を流出させる気体流出口とを含み、前記気体流量を調節する流量弁を含むことを特徴とする請求項1に記載のはんだボール検査装置。
【請求項7】
前記試料室は、内部壁を通過して光とイメージの情報が伝達されるようにする光窓を含むことを特徴とする請求項1に記載のはんだボール検査装置。
【請求項8】
前記試料室は、下部に試料室駆動部が連結され、試料を所望通りに並進または回転させて所望の位置と角度に位置させることを特徴とする請求項1に記載のはんだボール検査装置。
【請求項9】
前記試料室は、内部の上部壁に装着され、試料に所望の力または圧力を印加するロードセルと、前記ロードセルの下部に連結されたダイとを含むことを特徴とする請求項1に記載のはんだボール検査装置。
【請求項10】
前記試料室は、内部の下部壁に装着された基板と、前記ダイと前記基板との間にはんだボールを位置させて、前記試料室の温度、環境ガス、荷重または接触材料による前記はんだボールの形状を検査することを特徴とする請求項9に記載のはんだボール検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−76688(P2013−76688A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−268283(P2011−268283)
【出願日】平成23年12月7日(2011.12.7)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】