ぱちんこ遊技機
【課題】遊技者に合わせた演出をおこなって、興趣性の向上を図ること。
【解決手段】ぱちんこ遊技機100は、演出実行部504と、記憶部504eと、操作受付部505とを備える。演出実行部504は、操作受付部505により操作を受付可能で、複数の選択肢を提示する選択肢提示演出をおこなう。記憶部503aは、選択肢提示演出での操作の有無を、当該選択肢提示演出がおこなわれるごとに記憶する。そして、演出実行部504は、記憶部504eに記憶された記憶内容に基づき、選択肢提示演出中の操作の有無の傾向により、以降におこなう演出の内容を決定して、決定された内容で演出をおこなう。
【解決手段】ぱちんこ遊技機100は、演出実行部504と、記憶部504eと、操作受付部505とを備える。演出実行部504は、操作受付部505により操作を受付可能で、複数の選択肢を提示する選択肢提示演出をおこなう。記憶部503aは、選択肢提示演出での操作の有無を、当該選択肢提示演出がおこなわれるごとに記憶する。そして、演出実行部504は、記憶部504eに記憶された記憶内容に基づき、選択肢提示演出中の操作の有無の傾向により、以降におこなう演出の内容を決定して、決定された内容で演出をおこなう。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者からの操作を受付可能な演出をおこなうぱちんこ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、遊技盤上の所定の始動口へ遊技球が入賞することにより大当たり抽選をおこなって、可変表示装置にて3列の図柄(たとえば1〜12の数字の図柄)を変動表示させる遊技機があった。このような遊技機は、大当たり抽選に当選すると、変動表示させた3つの図柄を特定の組み合わせ(たとえば「7・7・7」。いわゆるゾロ目)で停止表示させ、大当たり遊技状態となる。大当たり遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機は大入賞口を開放させる。大入賞口に遊技球を入賞させることにより、遊技者は多数の賞球を獲得できる。
【0003】
近年では、遊技者からの操作を受け付けるための演出ボタンを備え、遊技者が遊技中にその演出ボタンを押すことによって演出の内容などを変化させて、遊技性の向上を図った遊技機も増えてきている。さらに、近年では、過去の操作履歴を記憶し、この操作履歴に基づいて遊技内容を決定し、演出に反映させるものが知られている(たとえば下記特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−42946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術にあっては、遊技者に合わせた演出がおこなわれず、遊技者が退屈してしまう場合もあった。たとえば、キャラクタの好き嫌い、操作の好き嫌いなど、遊技者の嗜好は多岐にわたっている。上記の従来技術にあっては、遊技者に合わせた演出をおこなうことができず、遊技者が退屈してしまう場合もあった。
【0006】
本発明は、上記の従来技術による問題点を解消するため、遊技者に合わせた演出をおこなって、遊技の興趣性を高めることができるぱちんこ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決し、目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用した。本発明にかかるぱちんこ遊技機は、遊技盤上の始動領域を遊技球が通過することにより遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かの判定を行い、当該判定結果を示す図柄変動を行うぱちんこ遊技機であって、遊技者が選択操作可能な選択操作手段と、所定の演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記演出実行手段は、所定のタイミングで複数の選択肢を提示する選択肢提示演出を実行する選択肢提示演出実行手段と、前記選択肢提示演出実行手段による前記選択肢提示演出の実行中に前記選択操作手段が操作されて前記複数の選択肢のうち遊技者により選択された選択肢を示す情報を記憶する記憶手段と、前記所定のタイミングよりも後に行われる図柄変動において当該図柄変動が特別変動態様で行われる場合に、前記判定結果および前記記憶手段の記憶内容に基づいて複数の特別演出のうち一の特別演出を選択する特別演出選択手段と、前記特別演出選択手段により選択された特別演出を実行する特別演出実行手段と、を備え、前記特別演出選択手段は、前記遊技者により選択された選択肢に応じて一の特別演出を選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技者に合わせた演出をおこなって、遊技の興趣性を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明にかかる実施の形態のぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。
【図2】本発明にかかる実施の形態のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態のぱちんこ遊技機がおこなう演出の一例を示す説明図である。
【図4】実行・操作履歴情報の内容を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】大当たり抽選処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】大入賞口処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】遊技状態設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図11】演出タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図12】コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図13】変動演出選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図14−1】通常演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その1)である。
【図14−2】通常演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その2)である。
【図14−3】ヒーロー演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その1)である。
【図14−4】ヒーロー演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その2)である。
【図14−5】ヒロイン演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その1)である。
【図14−6】ヒロイン演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その2)である。
【図14−7】通常演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その3)である。
【図14−8】ヒーロー演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その3)である。
【図14−9】ヒロイン演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その3)である。
【図15】操作受付処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図16】変動演出中処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図17】変動演出終了処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図18】演出モードフラグ設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図19】選択肢提示演出表示中処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図20】本実施の形態のぱちんこ遊技機による具体的な表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるぱちんこ遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、本発明にかかるぱちんこ遊技機を、旧第一種に属するぱちんこ遊技機(いわゆる「デジパチ」)に適用した例である。
【0011】
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、本発明にかかる実施の形態のぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、本発明にかかる実施の形態のぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。図1に示すように、本実施の形態のぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部(図2中符号292参照)が配置されている。
【0012】
発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配設されている。
【0013】
遊技盤101の略中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)などが用いられる。画像表示部104の下方には、第1始動口105と、第2始動口106とが配設されている。第1始動口105、第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口とされている。
【0014】
第2始動口106の近傍には、普通電動役物(後述する普通図柄抽選の抽選結果に基づき可動する役物)としての電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞し易くさせる開状態(開放された状態)とを有する。これらの状態の制御は、電動チューリップ107が備えるソレノイド(図2中符号231参照)によっておこなわれる。
【0015】
電動チューリップ107は、画像表示部104の左側に配設されたゲート108を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート108は、画像表示部104の左側(図示の位置)に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。
【0016】
第2始動口106の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり状態となったときに開放され、遊技球の入賞により所定個数(たとえば15個)の賞球を払い出すための入賞口とされている。
【0017】
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出すための入賞口とされている。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
【0018】
遊技盤101の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部112が配置されている。特別図柄表示部112は、第1特別図柄が表示される第1特別図柄表示部(図2中符号112a参照)と、第2特別図柄が表示される第2特別図柄表示部(図2中符号112b参照)とを有する。
【0019】
ここで、第1特別図柄は、遊技球が第1始動口105へ入賞することによりおこなう第1大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。第2特別図柄は、遊技球が第2始動口106へ入賞することによりおこなう第2大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。第1大当たり抽選および第2大当たり抽選は、ぱちんこ遊技機100の遊技状態を大当たり遊技状態とするか否かの抽選である。
【0020】
また、遊技盤101の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部113が配置されている。ここで、普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわす図柄である。普通図柄抽選は、前述のように電動チューリップ107を開状態とするか否かの抽選である。たとえば、特別図柄表示部112および普通図柄表示部113としては7セグメントディスプレイが用いられる。
【0021】
特別図柄表示部112および普通図柄表示部113の左側には、特別図柄または普通図柄に対する保留球数を表示する保留球数表示部114が配置されている。たとえば、保留球数表示部114としてはLEDが用いられる。この保留球数表示部114としてのLEDは複数配置され、点灯/消灯によって保留球数をあらわす。
【0022】
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている。枠部材115は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材115は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
【0023】
枠部材115において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)116が設けられている。演出ライト部116は、それぞれ複数のランプとモータ(不図示)とを有する。各ランプは、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射する。また、各ランプは、モータの駆動により光の照射方向を上下方向・左右方向に変更することができる。また、各ランプは、ぱちんこ遊技機100の周囲を照射し、その照射位置がぱちんこ遊技機100を基準にして円をなすように、光の照射方向を回転させることもできる。
【0024】
枠部材115の下部位置には、操作ハンドル117が配置されている。操作ハンドル117は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル117は、上記の枠部材115と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
【0025】
操作ハンドル117は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材118を備えている。発射指示部材118は、操作ハンドル117の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。公知の技術であるため説明を省略するが、操作ハンドル117には、遊技者が発射指示部材118を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。これにより、発射部は、発射指示部材118が遊技者によって直接操作されている時に遊技球を発射させる。
【0026】
枠部材115において、遊技領域103の下側となる辺には、演出ボタン(チャンスボタン)119および十字キー120が設けられている。これら演出ボタン119および十字キー120は、ぱちんこ遊技機100において遊技者からの操作を受け付ける操作受付部を構成している。また、枠部材115には、音声を出力するスピーカ(図2中符号254参照)が組み込まれている。
【0027】
また、図示は省略するが、遊技領域103内の所定位置(たとえば画像表示部104の周囲)には演出用の可動役物(以下「演出役物」という。図2中符号265参照)が設けられている。この演出役物は、不図示のソレノイドやモータを備えており、このソレノイドやモータの駆動によって駆動される。
【0028】
(ぱちんこ遊技機の内部構成)
つぎに、本実施の形態のぱちんこ遊技機100の内部構成について説明する。図2は、本発明にかかる実施の形態のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部200は、遊技の進行を制御する主制御部201と、演出内容を制御する演出制御部202と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部203とを備えている。以下にそれぞれの制御部について詳細に説明する。
【0029】
(1.主制御部)
主制御部201は、CPU(Central Processing Unit)211と、ROM(Read Only Memory)212と、RAM(Random Access Memory)213と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
【0030】
CPU211は、メイン制御処理(不図示)、タイマ割込処理(図6参照)など、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行に関する各種プログラムを実行する。ROM212には、CPU211が上記の処理を実行するために必要となるプログラムやテーブル(たとえば当たり判定テーブル)などが記憶されている。RAM213は、CPU211のワークエリアとして機能する。CPU211が上記の各種プログラムを実行することによりRAM213に設定されたデータは、所定のタイミングで主制御部201に接続された各構成に対して送信される。
【0031】
すなわち、主制御部201は、CPU211がRAM213をワークエリアとして使用しながら、ROM212に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。たとえば、主制御部201は、主制御基板(公知の技術のため詳細な説明は省略する)によって実現される。
【0032】
主制御部201には、遊技球を検出する検出手段として機能する各種スイッチ(SW)、大入賞口109などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113、保留球数表示部114などが接続される。
【0033】
具体的に、上記の各種SWとしては、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW221と、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW222と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW223と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW224と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW225とが主制御部201に接続される。
【0034】
それぞれのSW(221〜225)による検出結果は主制御部201へ入力される。これらのSWには、近接スイッチなどを用いることができる。なお、普通入賞口SW225は、普通入賞口110の配置位置別に複数個設けてもよい。
【0035】
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド231、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド232とが主制御部201に接続される。主制御部201は、それぞれのソレノイド(231,232)に対する駆動を制御する。たとえば、主制御部201は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて電動チューリップソレノイド231の駆動を制御する。主制御部201は、大当たり抽選の抽選結果に基づいて大入賞口ソレノイド232の駆動を制御する。
【0036】
また、主制御部201は、大当たり抽選(第1大当たり抽選、第2大当たり抽選)、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113の表示内容を制御する。たとえば、主制御部201は、第1大当たり抽選をおこなうと第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示させる。そして、所定期間経過後に、第1大当たり抽選の抽選結果を示す図柄にて第1特別図柄を停止表示させる。
【0037】
同様に、主制御部201は、第2大当たり抽選をおこなうと第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を、普通図柄抽選をおこなうと普通図柄表示部113の普通図柄を、変動/停止表示させる。
【0038】
さらに、主制御部201は、演出制御部202および賞球制御部203にも接続され、それぞれに対して各種コマンドを送信する。たとえば、主制御部201は、大当たり抽選をおこなうと、演出制御部202に対して変動開始コマンドを送信する。ここで、変動開始コマンドには、大当たり抽選の抽選結果(停止表示させる特別図柄の種類)、遊技状態や、大当たり抽選の抽選結果を示すまでに特別図柄を変動表示させる時間(以下「変動時間」という)などを示す情報が含まれている。
【0039】
また、主制御部201は、各入賞口(始動口105,106、大入賞口109、普通入賞口110)へ入賞した遊技球を検出すると、賞球制御部203に対して賞球コマンドを送信する。ここで、賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数などを示す情報が含まれている。
【0040】
(2.演出制御部)
演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとによって構成され、ぱちんこ遊技機100の演出内容を制御する機能を有する。ここで、演出統括部202aは、主制御部201から受信したコマンド(たとえば変動開始コマンド)に基づいて演出制御部202全体を統括する機能を有している。画像・音声制御部202bは、演出統括部202aからの指示に基づき、画像および音声の制御をおこなう機能を有している。ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯を制御する機能を有している。
【0041】
(2−1.演出統括部)
まず、演出統括部202aの構成について説明する。演出統括部202aは、CPU241と、ROM242と、RAM243と、リアルタイムクロック(以下「RTC」という)244と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
【0042】
CPU241は、演出タイマ割込処理(図11参照)など、演出制御部202全体を統括するための各種プログラムを実行する。ROM242には、CPU241が上記の処理を実行するために必要となるプログラムやテーブル(たとえば変動演出パターンテーブル)などが記憶されている。RAM243は、CPU241のワークエリアとして機能する。CPU241がプログラムを実行することによりRAM243にセットされたデータは、所定のタイミングで画像・音声制御部202bおよびランプ制御部202cに対して送信される。
【0043】
すなわち、演出統括部202aは、CPU241がRAM243をワークエリアとして使用しながら、ROM242に記憶されたプログラムを実行することによって、演出制御部202全体を統括するように機能する。たとえば、演出統括部202aは、変動開始コマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて実行する演出を決定し、画像・音声制御部202b、ランプ制御部202cに所定の処理を実行するように指示出力して、演出制御部202全体を統括する。
【0044】
RTC(Real Time Clock)244は、実時間を計時出力する計時手段として機能する。RTC244は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されてもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。なお、RTC244は、演出統括部202aなど演出制御部202内に配置する例に限らず、主制御部201内に配置してもよい。また、RTC244は、単独で配置して演出制御部202や主制御部201に対して実時間を計時出力してもよい。
【0045】
また、演出統括部202aには演出ボタン119や十字キー120が接続されている。演出ボタン119や十字キー120は、遊技者によって操作されたキーに対応する入力信号を演出統括部202aへ入力する。
【0046】
(2−2.画像・音声制御部)
つぎに、画像・音声制御部202bの構成について説明する。画像・音声制御部202bは、CPU251と、ROM252と、RAM253と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
【0047】
CPU251は、画像・音声の生成処理、および出力処理を実行する。ROM252には、画像・音声の生成処理、および出力処理を実行するためのプログラム、該処理に必要となる背景画像・演出用の図柄(以下「装飾図柄」という)・キャラクタ画像など各種画像データや各種音声データなどが記憶されている。RAM253は、CPU251のワークエリアとして機能するとともに、画像表示部104に表示させる画像データやスピーカ254から出力させる音声データが一時的に格納される。たとえば、RAM253には、画像表示部104に表示させる画像データが一時的に格納されるVRAM(Video RAM)などが含まれる。
【0048】
すなわち、画像・音声制御部202bは、CPU251がRAM253をワークエリアとして使用しながら、ROM252に記憶されたプログラムを実行することによって、演出統括部202aからの指示に基づき、画像表示部104に表示させる画像や、スピーカ254から出力させる音声の制御をおこなうように機能する。
【0049】
たとえば、CPU251は、演出統括部202aから指示された指示内容に基づいて、画像表示部104に表示する表示内容を制御する表示制御処理(不図示)、スピーカ254から出力される音声内容を制御する音声制御処理(不図示)などを実行する。このときには、CPU251は、処理に必要な画像データおよび音声データをROM252から読み出してRAM253に書き込む。
【0050】
RAM253に書き込まれた背景画像や装飾図柄などの画像データは、画像・音声制御部202bに接続された画像表示部104に対して出力され、画像表示部104の表示画面上において重畳表示される。すなわち、装飾図柄は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。なお、同一位置に背景画像と装飾図柄が重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、装飾図柄を優先してRAM253に記憶させる。
【0051】
また、RAM253に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部202bに接続されたスピーカ254に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ254から出力される。
【0052】
(2−3.ランプ制御部)
つぎに、ランプ制御部202cの構成について説明する。ランプ制御部202cは、CPU261と、ROM262と、RAM263と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU261は、ランプを点灯させる処理などを実行する。ROM262には、上記の処理を実行するために必要となる各種プログラム、該処理に必要となるランプ点灯に用いる制御データなどが記憶されている。RAM263は、CPU261のワークエリアとして機能する。
【0053】
ランプ制御部202cは、演出ライト部(枠ランプ)116と、盤ランプ264と演出役物265と接続され、点灯制御するデータや動作制御するデータを出力する。これにより、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯、演出役物265の動作を制御するように機能する。
【0054】
本実施の形態では、演出制御部202は、演出統括部202aと画像・音声制御部202bとランプ制御部202cとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
【0055】
(3.賞球制御部)
つぎに、賞球制御部203の構成について説明する。賞球制御部203は、CPU281と、ROM282と、RAM283と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU281は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM282には、該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。RAM283は、CPU281のワークエリアとして機能する。
【0056】
また、賞球制御部203は、払出部(払出駆動モータ)291と、発射部292と、定位置検出SW293と、払出球検出SW294と、球有り検出SW295と、満タン検出SW296と接続される。
【0057】
賞球制御部203は、払出部291に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部203は、払出部291に対して各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
【0058】
また、賞球制御部203は、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部203は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
【0059】
また、この賞球制御部203には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW293、払出球検出SW294、球有り検出SW295、満タン検出SW296等がある。たとえば、賞球制御部203は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
【0060】
上記構成の主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板)に設けられる。これに限らず、たとえば、賞球制御部203は、主制御部201と同一のプリント基板上に設けることもできる。
【0061】
また、主制御部201には、盤用外部情報端子基板297が接続されており、主制御部201が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部203についても、枠用外部情報端子基板298が接続されており、賞球制御部203が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
【0062】
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
つぎに、本実施の形態のぱちんこ遊技機100の基本動作の一例について説明する。ぱちんこ遊技機100は、遊技球が第1始動口105または第2始動口106へ入賞すると、遊技球が入賞した始動口に応じた大当たり抽選をおこなう。たとえば、遊技球が第1始動口105へ入賞した場合に、ぱちんこ遊技機100は第1大当たり抽選をおこなう。このとき、ぱちんこ遊技機100は、第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示する。そして、この変動表示開始から所定期間経過後に、第1大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で第1特別図柄を停止表示する。
【0063】
また、遊技球が第2始動口106へ入賞した場合に、ぱちんこ遊技機100は第2大当たり抽選をおこなう。このとき、ぱちんこ遊技機100は、第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を変動表示する。そして、この変動表示開始から所定期間経過後に、第2大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で第2特別図柄を停止表示する。
【0064】
ぱちんこ遊技機100は、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)を変動表示すると、それに合わせて画像表示部104の装飾図柄(たとえば3つの数字)を変動表示する。そして、特別図柄を停止表示すると、装飾図柄を停止表示する。たとえば、特別図柄を大当たりを示す所定の図柄で停止表示させた場合(第1大当たり抽選または第2大当たり抽選にて大当たりに当選した)には、ぱちんこ遊技機100は、大当たりを示す組み合わせ(たとえば「7・7・7」。いわゆるゾロ目)で装飾図柄を停止表示する。
【0065】
大当たりを示す組み合わせで装飾図柄を停止表示すると、ぱちんこ遊技機100は大当たり遊技状態となり、当選した大当たりに応じたラウンド分(たとえば15ラウンド)、大入賞口109を開放する。この開放中に、遊技球が大入賞口109へ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。なお、大当たり遊技状態中に、ぱちんこ遊技機100は、大当たり抽選をおこなわない。大当たり遊技状態は当選したラウンド分の大入賞口109の開放が完了すると終了する。
【0066】
ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態を終了させると、再び、大当たり抽選をおこなう遊技状態へ復帰する。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、確変当たりによる大当たり遊技状態を終了させた場合には確変遊技状態となり、通常当たりによる大当たり遊技状態を終了させた場合には時短遊技状態となる。また、潜確当たりによる大当たり遊技状態を終了させた場合には潜確遊技状態となる。以下にそれぞれの遊技状態について説明する。
【0067】
(ぱちんこ遊技機の遊技状態)
通常遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機100は、低確率遊技状態用の当たり判定テーブル(不図示)を用いた大当たり抽選をおこない、たとえば、1/300の確率で大当たりに当選する大当たり抽選をおこなう。また、通常遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機100は、電動チューリップ107の開閉による遊技サポート機能(以下「電チューサポート機能」という)を付与しない。
【0068】
電チューサポート機能の具体的な内容としては、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、たとえば、普通図柄の変動時間の短縮および普通図柄当たりの当選確率のアップ(電動チューリップ107の開放頻度の増加)や、電動チューリップ107の開放時間の長時間化などが挙げられる。すなわち、電チューサポート機能が付与されていない通常遊技状態では、第2始動口106へ遊技球が入賞し難くなっている。
【0069】
時短遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機100は、通常遊技状態と同様に低確率遊技状態用の当たり判定テーブルを用いた大当たり抽選をおこなうが、電チューサポート機能を付与する。このため、電チューサポート機能が付与された時短遊技状態では、電チューサポート機能が付与されていない通常遊技状態などに比べて、第2始動口106へ遊技球が入賞し易くなる。
【0070】
確変遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機100は、高確率遊技状態用の当たり判定テーブル(不図示)を用いた大当たり抽選をおこない、たとえば、1/30の確率で大当たりに当選する大当たり抽選をおこなう。つまり、確変遊技状態では、通常遊技状態や時短遊技状態に比べて、高い確率で大当たりに当選する大当たり抽選をおこなう。さらに、ぱちんこ遊技機100は、確変遊技状態では電チューサポート機能を付与する。
【0071】
潜確遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機100は、確変遊技状態と同様に高確率遊技状態用の当たり判定テーブルを用いた大当たり抽選をおこなうが、電チューサポート機能を付与しない。このため、電チューサポート機能が付与されない潜確遊技状態では、電チューサポート機能が付与された確変遊技状態などに比べて、第2始動口106へ遊技球が入賞し難くなる。
【0072】
たとえば、ぱちんこ遊技機100は、前述のように大当たりを契機として遊技状態の移行をおこなうほか、前回の遊技状態の移行後、規定回数の大当たり抽選をおこなったときに、つぎの遊技状態の移行をおこなってもよい。このとき、移行先の遊技状態は、ぱちんこ遊技機100の製造者によってあらかじめ決定されているものとする。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、時短遊技状態で100回の大当たり抽選をおこなうと、通常遊技状態へ移行する。
【0073】
(ぱちんこ遊技機がおこなう演出の一例)
つぎに、ぱちんこ遊技機100がおこなう演出の一例について説明する。図3は、本実施の形態のぱちんこ遊技機がおこなう演出の一例を示す説明図である。図3に示すように、ぱちんこ遊技機100は、通常演出モードM1と、潜伏演出モードM2と、確変演出モードM3と、時短演出モードM4との複数の演出モードを有する。
【0074】
たとえば、通常遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機100は、通常演出モードM1で演出をおこなう。通常演出モードM1であるとき、ぱちんこ遊技機100は、複数の選択肢を遊技者に提示する選択肢提示演出をおこなう。本実施の形態では一例として、ぱちんこ遊技機100は、選択肢提示演出中に、画像表示部104の表示画面上に「ヒーロー(男性キャラクタ)」と「ヒロイン(女性キャラクタ)」とを選択可能な選択肢として表示する(図20参照)。
【0075】
そして、ぱちんこ遊技機100は、演出ボタン119や十字キー120などにより遊技者からの操作を受け付けて、遊技者が「ヒーロー」または「ヒロイン」を選択できるようにする。選択肢提示演出中に、遊技者が「ヒーロー」または「ヒロイン」を選択しなかった場合、ぱちんこ遊技機100は「操作無し」と判定する。
【0076】
選択肢提示演出において遊技者により選択肢(「ヒーロー」または「ヒロイン」)が選択されると、ぱちんこ遊技機100は、選択肢提示演出を終了させて、この選択肢提示演出で選択された選択肢を遊技者に示唆する演出をおこなう。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、「ヒーロー」が選択された場合、画像表示部104の表示画面上で「ヒーロー」を強調表示する。
【0077】
また、選択肢提示演出において遊技者により選択肢が選択されなかった場合、ぱちんこ遊技機100は、予め定めた条件により選択された選択肢を自動的に選択して、この選択肢を遊技者に示唆する演出をおこなう。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、遊技者により選択肢が選択されなかった場合、選択肢提示演出の終了時に、予め定められた特定の選択肢である「ヒーロー」を自動的に選択して、「ヒーロー」を強調表示する。
【0078】
また、操作がなく、自動的に選択肢を選択する場合、ぱちんこ遊技機100は任意の抽選方法を用いた抽選をおこなって、ランダムにいずれかの選択肢を選択するようにしてもよい。ぱちんこ遊技機100は、選択肢提示演出をおこなうと、選択肢提示演出に関する実行・操作履歴情報を記憶する。
【0079】
(実行・操作履歴情報について)
図4は、実行・操作履歴情報の内容を示す説明図である。図4に示すように、実行・操作履歴情報400は、選択肢提示演出をおこなった際の時刻(実時間)と、選択肢に応じた演出(たとえば強調表示されたキャラクタ)と、選択肢提示演出中の操作有無とを対応づけて構成される。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、選択肢提示演出の開始時にRTC244を参照して、RTC244により計時された時刻を記憶する。
【0080】
また、ぱちんこ遊技機100は、それぞれの時刻でおこなわれた選択肢提示演出に対して、選択肢提示演出終了時におこなった演出が、「ヒーロー」である場合(たとえば「ヒーロー」を強調表示した場合)には「ヒーロー」を対応づけ、「ヒロイン」である場合(たとえば「ヒロイン」を強調表示した場合)には「ヒロイン」を対応づけて、記憶する。また、遊技者の操作により「ヒーロー」や「ヒロイン」の強調表示をおこなった場合は「操作有」を対応づけ、自動的に「ヒーロー」や「ヒロイン」の強調表示をおこなった場合は「操作無」を対応づけて、記憶する。
【0081】
ぱちんこ遊技機100は、ぱちんこ遊技機100が起動されてからおこなった選択肢提示演出に対して実行・操作履歴情報400を記憶してもよいし、所定期間内(たとえば現在時刻から1時間以内)におこなった選択肢提示演出の実行・操作履歴情報400を記憶してもよい。さらに、直近の規定回数分の選択肢提示演出の実行・操作履歴情報400を記憶することとしてもよい。
【0082】
また、ぱちんこ遊技機100は、所定のタイミングで、実行・操作履歴情報400をクリアしてもよい。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、所定期間(たとえば1時間)、選択肢提示演出がおこなわれなかった場合、実行・操作履歴情報400をクリアする。こうすることで、ぱちんこ遊技機100は、前の遊技者により蓄積された実行・操作履歴情報400で、新たに遊技を開始する遊技者に対しても演出をおこなってしまうことを防止することができる。
【0083】
通常演出モードM1中におこなった大当たり抽選で潜確当たりまたは小当たりに当選すると(図3中の符号Aの矢印を参照)、ぱちんこ遊技機100は潜伏演出モードM2へ移行させる。ここで、小当たりは、特定のハズレ(たとえば通常のハズレとは異なる図柄であらわされるハズレ)とすることができる。つまり、潜確遊技状態(潜確当たり当選後)または通常遊技状態(小当たり当選後)であるときに、ぱちんこ遊技機100は、潜伏演出モードM2で演出をおこなう。
【0084】
潜伏演出モードM2は、ヒーロー演出モードM2aと、ヒロイン演出モードM2bとからなる。ぱちんこ遊技機100は、潜確当たりまたは小当たりに当選すると、ヒーロー演出モードM2aまたはヒロイン演出モードM2bのいずれかへ移行させる。潜確当たりであれば潜確遊技状態となっているため(小当たりであれば通常遊技状態)、ヒーロー演出モードM2aまたはヒロイン演出モードM2bへ移行すると、遊技者に「大当たりが近いかもしれない」といった期待感を与えることができる。
【0085】
ここで、ヒーロー演出モードM2aとヒロイン演出モードM2bとのいずれへ移行させるかは、実行・操作履歴情報400を参照して決定する。たとえば、実行・操作履歴情報400を参照し、実行・操作履歴情報400でもっとも多い操作が「ヒーロー」(の選択)だった場合、ぱちんこ遊技機100はヒーロー演出モードM2aへ移行させる。同様に、もっとも多い操作が「ヒロイン」(の選択)だった場合、ぱちんこ遊技機100はヒロイン演出モードM2bへ移行させる。もっとも多い操作が「操作無」だった場合、ぱちんこ遊技機100は任意の抽選方法により演出モードを決定するための抽選をおこない、この抽選結果にしたがって、ヒーロー演出モードM2aまたはヒロイン演出モードM2bのいずれかにランダムで移行させる。また、たとえば、ぱちんこ遊技機100は、実行・操作履歴情報400が所定数以下(たとえば3以下)の場合も、ヒーロー演出モードM2aまたはヒロイン演出モードM2bのいずれかにランダムで移行させるようにしてよい。
【0086】
さらに、ぱちんこ遊技機100は、それぞれの演出モードで演出の信頼度を異ならせることができる。たとえば、本実施の形態でぱちんこ遊技機100は、ヒーロー演出モードM2aでの「ヒーローリーチ演出」の信頼度を、他の演出モードでの「ヒーローリーチ演出」の信頼度よりも高く設定する。ぱちんこ遊技機100は、ヒロイン演出モードM2bでの「ヒロインリーチ演出」の信頼度を、他の演出モードでの「ヒロインリーチ演出」の信頼度よりも高く設定する。
【0087】
また、通常演出モードM1中におこなった大当たり抽選で確変当たりに当選すると(図3中の符号Bの矢印を参照)、ぱちんこ遊技機100は確変演出モードM3へと移行させる。通常当たりに当選すると(図3中の符号Cの矢印を参照)、ぱちんこ遊技機100は時短演出モードM4へと移行させる。
【0088】
なお、図3での図示は省略するが、たとえば、ぱちんこ遊技機100は、ヒーロー演出モードM2aまたはヒロイン演出モードM2bで、潜確当たりや確変当たりに当選した場合は確変演出モードM3へ移行させ、通常当たりに当選した場合は時短演出モードM4へ移行させる。
【0089】
このように、ぱちんこ遊技機100は、選択肢提示演出により、遊技者の嗜好(たとえばキャラクタの好き嫌いや、操作の好き嫌い)を収集し、これに応じて、演出内容(たとえば演出モード)や演出の信頼度を異ならせることができる。これにより、ぱちんこ遊技機100は、遊技者に合わせた演出をおこなうことができ、興趣性の向上を図ることができる。
【0090】
(本実施の形態のぱちんこ遊技機の機能的構成)
つぎに、ぱちんこ遊技機100の機能的構成について説明する。図5は、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の機能的構成を示すブロック図である。図5に示すように、ぱちんこ遊技機100は、検出部501と、判定部502と、図柄制御部503と、演出実行部504と、操作受付部505とを備える。
【0091】
検出部501は、遊技盤101上の始動領域を通過した遊技球を検出する機能を有する。たとえば、検出部501は、図5に示すように第1始動口SW221または第2始動口SW222と接続され、第1始動口SW221または第2始動口SW222からの検出信号を受け付ける。これにより、検出部501は、第1始動口105、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する。検出部501は、第1始動口105や第2始動口106へ入賞した遊技球を検出すると、その検出結果を判定部502へ出力する。
【0092】
判定部502は、検出部501からの検出結果を受け付けると、遊技者にとって有利な遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かの判定をおこなう機能を有する。たとえば、判定部502は、大入賞口109を開放することにより、遊技者が多数の賞球を獲得可能な大当たり遊技状態とするかを判定する。
【0093】
この場合、判定部502は、検出部501から検出結果を受け付けると、当たり判定用の乱数(以下「当たり乱数」という)を取得する。そして、所定のタイミング(たとえば変動開始時や入賞時)で、取得された当たり乱数と当たり判定テーブルとを用いて、当たり判定をおこなう。当たり判定において、判定部502は、取得された当たり乱数が、当たり判定テーブルにおいて「大当たり」とされる所定値と一致するかを判定する。一致すれば大当たりと判定して、一致しなければハズレと判定する。判定部502は、大当たりとハズレと小当たりとの中からいずれとするかを判定してもよい。
【0094】
また、ここで、複数種類の当たり(たとえば確変当たり、通常当たり、潜確当たり)を設けて、判定部502は、当たりか否かだけでなく、当たりであった場合にいずれの当たりとするかの判定(以下「図柄判定」という)をおこなってもよい。本実施の形態において、大当たり抽選は、当たり判定と図柄判定とを合わせたものをいう。
【0095】
また、たとえば、ここで、判定部502は、遊技状態設定部502aと接続される。遊技状態設定部502aは、大当たり抽選の抽選結果(たとえば当たり判定結果や図柄判定結果)や、大当たり抽選の抽選回数(当たり判定回数)に基づき、遊技状態を設定する機能を有する。この場合、判定部502は、遊技状態設定部502aにより設定中の遊技状態に応じた大当たり抽選をおこなう。
【0096】
たとえば、判定部502は、遊技状態設定部502aにより低確率遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態)が設定されている場合には、前述したように1/300の確率で大当たりに当選する当たり判定をおこなう。また、判定部502は、高確率遊技状態(確変遊技状態、潜確遊技状態)が設定されている場合には、前述したように10/300の確率で大当たりに当選する当たり判定をおこなう。また、判定部502は、遊技球が入賞した始動口(第1始動口105、第2始動口106)に応じて、異なる抽選内容で大当たり抽選(たとえば異なる図柄判定)をおこなってもよい。判定部502は、上記の判定(たとえば当たり判定)をおこなうと、その判定結果を図柄制御部503へ出力する。
【0097】
図柄制御部503は、判定部502から判定結果を受け付けると、当該判定結果に応じた図柄変動をおこなう機能を有する。たとえば、図柄制御部503は、図5に示すように、特別図柄表示部112と接続され、特別図柄表示部112に表示させた特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)を変動表示および停止表示をおこなう。
【0098】
この場合、図柄制御部503は、判定部502から判定結果を受け付けると、所定期間、特別図柄表示部112に表示させた特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示をおこない、所定期間が経過したときには、判定部502から判定結果(たとえば大当たり抽選の抽選結果)を示す図柄を停止表示する。
【0099】
また、図柄制御部503は、画像表示部104と接続され、画像表示部104に表示させた装飾図柄の表示制御をおこなってもよい。この場合、図柄制御部503は、判定部502から判定結果を受け付けると、所定期間、画像表示部104に表示させた複数(たとえば3つ)の装飾図柄の変動表示をおこない、所定期間が経過したときには、判定部502から判定結果(たとえば大当たり抽選の抽選結果)を示す組み合わせで装飾図柄を停止表示する。図柄制御部503は、図柄変動をおこなう際に、当該図柄変動に関する情報(たとえば後述する変動開始コマンドの情報)を演出実行部504へ出力する。
【0100】
演出実行部504は、図柄制御部503から図柄変動に関する情報を受け付けると、当該図柄変動に応じた演出を実行する機能を有する。ここで、演出実行部504は、図5に示すように、第1演出部504aと、第2演出部504bと、決定部504cと、第3演出部504dと、記憶部504eとを備えている。
【0101】
第1演出部504aは、複数の選択肢を提示する演出を実行する機能を有する。たとえば、第1演出部504aは、所定のタイミングで前述した選択肢提示演出を実行する。たとえば、第1演出部504aは、図柄変動がおこなわれた際に変動演出としての選択肢提示演出をおこなう。また、第1演出部504aは、図柄を変動させていない所定期間(たとえば客待ち中)、遊技者により開始が指示されたとき、大当たり中など、任意のタイミングで選択肢提示演出をおこなってよい。たとえば、第1演出部504aは、記憶部504eと接続されており、選択肢提示演出をおこなうと、選択肢提示演出をおこなった時刻を実行・操作履歴情報400として記憶部504eに記憶させる。
【0102】
第2演出部504bは、第1演出部504aによる演出の実行中に、後述する操作受付部505を介して遊技者からの操作を受け付けて、操作された場合は複数の選択肢のうち操作により選択された選択肢に応じた演出内容の演出を実行し、操作されなかった場合は複数の選択肢のうち予め定めた条件により選択された選択肢に応じた演出内容の演出を実行する機能を有する。
【0103】
たとえば、第2演出部504bは、第1演出部504aによる選択肢提示演出の実行中に、遊技者により操作された場合、この操作で選択された選択肢(たとえば「ヒーロー」)に応じた演出内容の演出を実行する(たとえば「ヒーロー」を強調表示する)。一方、遊技者により操作されなかった場合は、予め定めた特定の選択肢(たとえば「ヒーロー」)に応じた演出を実行したり、いずれの選択肢に応じた演出をおこなうかを抽選などによりランダムに決定し、この抽選結果に応じた演出をおこなったりしてもよい。
【0104】
第2演出部504bは、記憶部504eと接続されており、選択肢提示演出中の遊技者の操作の有無と、選択肢提示演出後におこなった演出を示す情報とを実行・操作履歴情報400として記憶部504eに記憶させる。
【0105】
また、たとえば、第2演出部504bは、遊技者により操作された場合、操作された時点で選択された選択肢に応じた演出内容の演出を実行する。一方、遊技者により操作されなかった場合、所定のタイミングで所定の選択肢に応じた演出内容の演出を実行する。ここで、所定のタイミングとしては、選択肢提示演出が終了するタイミングや、選択肢提示演出中の期間であって操作受付可能な期間として予め定められた有効期間(たとえば選択肢提示演出開始時より5秒間)が終了するタイミングとすることができる。
【0106】
決定部504cは、第2演出部504bにより実行された演出に基づき、以降におこなう演出の演出内容を決定する機能を有する。ここで、決定部504cは、所定の選択肢に応じた演出内容の演出が第2演出部504bにより実行された場合、当該演出が操作により実行されたか否かに基づいて、以降におこなう演出の演出内容を決定する。
【0107】
たとえば、決定部504cは、図5に示すように記憶部504eと接続されており、記憶部504eに記憶された実行・操作履歴情報400を参照して、所定の選択肢に応じた演出内容の演出が遊技者の操作により実行されたか否かを判定する。そして、所定の選択肢に応じた演出内容の演出が遊技者の操作により実行されている場合には、この選択肢に応じた演出内容の演出に決定し、遊技者の操作により実行されていない場合には、たとえばランダムに演出内容を決定する。
【0108】
具体的に、たとえば、実行・操作履歴情報400を参照したところ、第2演出部504bにより「ヒーロー」を強調表示する演出がおこなわれていたとする。この場合、決定部504cは、この「ヒーロー」を強調表示する演出が、操作に応じて実行されたか、操作がなくて自動的に実行されたかを判定する。そして、操作に応じて実行されたと判定した場合は、ヒーロー演出モードM2aとすると決定する。自動的に実行されたと判定した場合は、ランダムでヒーロー演出モードM2aとするかヒロイン演出モードM2bとするかを決定する。
【0109】
また、決定部504cは、第2演出部504bにより実行された所定回数の演出に基づき、当該所定回数の演出の中に、予め定めた選択肢に応じた演出内容の演出が含まれていた場合、当該予め定めた選択肢に応じた演出内容の第2演出の、操作により実行された回数と操作がなくて実行された回数とに基づいて、以降におこなう演出の演出内容を決定してもよい。たとえば、この場合、決定部504cは、第2演出部504bにより実行された「ヒーロー」を強調表示する演出が、操作に応じて実行された回数と、操作がなくて自動的に実行された回数とを比較し、操作に応じて実行された回数の方が多ければ、ヒーロー演出モードM2aとすると決定する。自動的に実行された回数の方が多ければ、ランダムでヒーロー演出モードM2aとするかヒロイン演出モードM2bとするかを決定する。
【0110】
第3演出部504dは、決定部504cにより決定された演出内容で演出を実行する機能を有する。たとえば、第3演出部504dは、決定部504cによりヒーロー演出モードM2aとすると決定されていた場合、ヒーロー演出モードM2a用の背景画像などを表示する演出をおこなう。また、ヒロイン演出モードM2bとすると決定されていた場合、ヒロイン演出モードM2b用の背景画像などを表示する演出をおこなう。これにより、ぱちんこ遊技機100は、そのときの演出モードを遊技者に示唆することができる。
【0111】
また、第3演出部504dは、特別演出選択部504fにより選択された特別演出を実行してもよい。ここで、特別演出とは、遊技者に特定遊技(たとえば大当たり)となることを期待させることができる演出とすることができ、たとえば、リーチ演出とすることができる。
【0112】
特別演出選択部504fは、判定部502による判定結果と、第2演出部504bにより実行された演出とに基づいて、期待度の異なる複数の特別演出(たとえばリーチ演出)のうち一の特別演出を選択する機能を有している。たとえば、特別演出選択部504fは、第2演出部504bにより実行された所定回数の演出に基づき、当該所定回数の演出の中に、予め定めた選択肢に応じた演出内容の演出が含まれていた場合、当該予め定めた選択肢に応じた演出内容の演出の、操作により実行された回数と操作がなくて実行された回数とに基づいて、一の特別演出を選択する。
【0113】
ここで、特別演出選択部504fは、ヒーローリーチ演出、ヒロインリーチ演出、脇役リーチ演出の3つのリーチ演出を有しており、この中からリーチ演出を選択するとする。この場合に、第2演出部504bにより実行された「ヒーロー」を強調表示する演出が、操作に応じて実行された回数と、操作がなくて自動的に実行された回数とを比較し、操作に応じて実行された回数の方が多ければ(たとえばヒーロー演出モードM2aであるとき)、ヒーローリーチ演出の大当たりへの期待度が他のリーチ演出に対して相対的に高くなるように、リーチ演出を選択する。「ヒロイン」を強調表示する演出の実行された回数がもっとも多ければ(たとえばヒロイン演出モードM2bであるとき)、ヒロインリーチ演出の大当たりへの期待度が他のリーチ演出に対して相対的に高くなるように、リーチ演出を選択する。
【0114】
具体的に、たとえば、特別演出選択部504fは、ヒーロー演出モードM2aの場合、大当たり時にはヒーローリーチ演出が選択され易く、ハズレ時にはヒーローリーチ演出が選択され難く定められた変動演出パターンテーブル(図14−3および図14−4を参照)を用いて変動演出パターンを選択することで、ヒーローリーチ演出の大当たりへの信頼度を高めることで、ヒーローリーチ演出の大当たりへの期待度が高くなるようにする。
【0115】
操作受付部505は、ぱちんこ遊技機100の遊技者からの操作を受け付ける機能を有する。たとえば、図5に示すように、操作受付部505には演出ボタン119や十字キー120などが接続され、これらからの入力信号を受け付けることにより、操作受付部505は、ぱちんこ遊技機100の遊技者からの操作を受け付ける。操作受付部505は、遊技者からの操作を受け付けると、当該操作に基づく情報を演出実行部504(たとえば第2演出部504b)へ出力する。
【0116】
なお、検出部501と判定部502と図柄制御部503との各機能部は、主制御部201のCPU211がROM212に記憶された各種プログラムを実行することによりその機能を実現することができる。図柄制御部503は、演出統括部202aのCPU241がROM242に記憶された各種プログラムを実行することによりその機能を実現してもよい。また、演出実行部504と操作受付部505との各機能部は、演出統括部202aのCPU241がROM242に記憶された各種プログラムを実行することによりその機能を実現することができる。
【0117】
(ぱちんこ遊技機がおこなう処理)
つぎに、ぱちんこ遊技機100が前述した動作を実現するために、ぱちんこ遊技機100がおこなう処理について説明する。
【0118】
(主制御部がおこなう処理)
まず、ぱちんこ遊技機100の主制御部201がおこなう処理について説明する。以下で説明する主制御部201の各処理は、主制御部201のCPU211がROM212に記憶されたプログラムを実行することによりおこなうものである。
【0119】
(タイマ割込処理)
図6は、タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。主制御部201は、電源の供給が開始されると、起動時処理や電源遮断監視処理などを含んだメイン制御処理(不図示)の実行を開始し、このメイン制御処理を主制御部201への電源の供給中、継続的に実行する。そして、主制御部201は、このメイン制御処理に対して、図6に示すタイマ割込処理を所定周期(たとえば4ms)ごとに割り込み実行する。
【0120】
図6に示すように、タイマ割込処理において、主制御部201は、まず、主制御部201がおこなう各種抽選に用いる乱数の更新をおこなう乱数更新処理を実行する(ステップS601)。主制御部201は、この乱数更新処理において、当たり判定(図8のステップS801参照)に用いる当たり乱数、図柄判定(図8のステップS804,S808参照)に用いる図柄乱数、リーチ判定(詳細な説明は省略)に用いるリーチ乱数、変動パターン判定(詳細な説明は省略)に用いる変動パターン乱数などの更新をおこなう。
【0121】
つぎに、主制御部201は、遊技球の検出に関するスイッチ処理を実行する(ステップS602)。主制御部201は、このスイッチ処理において、始動口(第1始動口105、第2始動口106)に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ処理、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ処理、大入賞口109・普通入賞口110に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ処理などをおこなう。
【0122】
公知の技術であるためスイッチ処理の詳細な内容については説明および図示を省略するが、たとえば、主制御部201は、始動口スイッチ処理により、第1始動口105、第2始動口106などへの遊技球の入賞を検出する。そして、入賞を検出した始動口に応じた保留数U1(第1始動口105の保留数)、または保留数U2(第2始動口106の保留数)に「1」加算するとともに、当該入賞に対して、当たり乱数・リーチ乱数・変動パターン乱数・図柄乱数などの各種乱数を取得して、RAM213に格納しておく。また、大入賞口109、普通入賞口110への遊技球の入賞を検出して、入賞した入賞口に対応する賞球コマンドをRAM213に設定する。
【0123】
つぎに、主制御部201は、特別図柄および普通図柄に関する図柄処理を実行する(ステップS603)。ここで、図柄処理は、特別図柄に関する特別図柄処理と、普通図柄に関する普通図柄処理とからなる。特別図柄処理において主制御部201は、大当たり抽選をおこない、特別図柄を変動表示/停止表示させる(図7参照)。普通図柄処理において主制御部201は、普通図柄抽選をおこない、普通図柄を変動表示/停止表示させる(図示および詳細な説明は省略する)。
【0124】
図柄処理を実行すると、主制御部201は、各種電動役物の動作制御に関する電動役物制御処理を実行する(ステップS604)。公知の技術のため詳細な説明および図示は省略するが、電動役物制御処理には、電動チューリップ107の動作を制御する電動チューリップ制御処理、大入賞口109の動作を制御する大入賞口処理(図9参照)などが含まれる。
【0125】
つぎに、主制御部201は、賞球に関する賞球処理を実行して(ステップS605)、上記の各処理によりRAM213に設定されたコマンドを演出制御部202などに対して出力する出力処理を実行し(ステップS606)、タイマ割込処理を終了する。タイマ割込処理を終了すると、主制御部201はメイン処理へ戻る。
【0126】
(特別図柄処理)
図7は、特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。ここで、特別図柄処理は、図6のステップS603における図柄処理に含まれる一処理である。特別図柄処理において、主制御部201は、まず、当たり遊技フラグがONとなっているかを判定する(ステップS701)。ここで、当たり遊技フラグとは、たとえば、各種当たり(大当たり、小当たり)当選時にONに設定されるフラグであり、現在の遊技状態が当たり遊技状態(たとえば大当たり遊技状態)であることを示すフラグである。
【0127】
当たり遊技フラグがONであれば(ステップS701:Yes)、主制御部201は、特別図柄を変動表示させずにそのまま特別図柄処理を終了する。当たり遊技フラグがONでなければ(ステップS701:No)、主制御部201は、特別図柄を変動表示中であるかを判定する(ステップS702)。特別図柄を変動表示中でなければ(ステップS702:No)、主制御部201は、第2始動口106へ入賞した遊技球に対する保留数U2が1以上であるかを判定する(ステップS703)。
【0128】
保留数U2が1以上であれば(U2≧1)(ステップS703:Yes)、主制御部201は、保留数U2を「1」減算したものを新たな保留数U2として(ステップS704)、ステップS707へ移行する。保留数U2が0であれば(U2=0)(ステップS703:No)、主制御部201は、第1始動口105へ入賞した遊技球に対する保留数U1が1以上であるかを判定する(ステップS705)。
【0129】
保留数U1が0であれば(U1=0)(ステップS705:No)、主制御部201は、そのまま特別図柄処理を終了する。保留数U1が1以上であれば(U1≧1)(ステップS705:Yes)、主制御部201は、保留数U1を「1」減算したものを新たな保留数U1として(ステップS706)、ステップS707へ移行する。
【0130】
つづいて、主制御部201は、大当たり抽選処理をおこなう(ステップS707)。大当たり抽選処理の処理内容については図6を用いて後述する。大当たり抽選処理をおこなうと、主制御部201は、特別図柄の変動時間を定義した変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS708)。
【0131】
変動パターン選択処理により変動パターンを選択すると、主制御部201は、特別図柄表示部112にて特別図柄の変動表示を開始する(ステップS709)。このとき、第2大当たり抽選の抽選結果に基づいて変動表示させる場合は、第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を変動表示させる。第1大当たり抽選の抽選結果に基づいて変動表示させる場合は、第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示させる。
【0132】
特別図柄の変動表示開始に合わせ、主制御部201は、変動開始コマンドをRAM213に設定する(ステップS710)。ステップS710で設定される変動開始コマンドには、ステップS707の大当たり抽選処理の抽選結果やステップS708の変動パターン選択処理によって選択された変動パターンを示す情報などが含まれる。また、ステップS710で設定された変動開始コマンドは、図6のステップS606の出力処理の実行時に演出制御部202に対して出力される。
【0133】
つづいて、主制御部201は、変動表示開始時から所定の変動時間が経過したかを判定する(ステップS711)。ステップS711では、変動表示開始時からの経過時間が、変動表示開始直前に選択された変動パターンにより定義される変動時間となったかを判定する。所定の変動時間が経過していなければ(ステップS711:No)、主制御部201は、そのまま特別図柄処理を終了する。
【0134】
一方、変動時間が経過していれば(ステップS711:Yes)、主制御部201は、特別図柄表示部112にて変動表示中の特別図柄を停止表示し(ステップS712)、変動停止コマンドをRAM213に設定する(ステップS713)。ステップS713で設定された変動停止コマンドは、図6のステップS606の出力処理の実行時に演出制御部202に対して出力される。
【0135】
変動停止コマンドをRAM213にセットした後、主制御部201は、つづいて、遊技状態を示すフラグ(たとえば上記の当たりフラグ)を設定する停止中処理(不図示)を実行して(ステップS714)、特別図柄処理を終了する。たとえば、停止中処理では、当選した大当たりに基づき、高確遊技フラグや時短遊技フラグをONに設定する。また、大当たり抽選が所定回数おこなわれたときに、高確遊技フラグや時短遊技フラグをOFFに設定する。一方、ステップS702において特別図柄が変動表示中であるときには(ステップS702:Yes)、主制御部201は、ステップS711へ移行して変動時間が経過したかを判定し、上記の処理をおこなう。
【0136】
(大当たり抽選処理)
つぎに、図7のステップS707に示した大当たり抽選処理の処理内容について説明する。図8は、大当たり抽選処理の処理内容を示すフローチャートである。大当たり抽選処理において、主制御部201は、まず、今回の保留に対する当たり乱数と当たり判定テーブルとを比較し、当たり乱数が当たり判定テーブルにおいて当たり(大当たり・小当たり)とされる所定値と一致するかを判定する当たり判定をおこなう(ステップS801)。
【0137】
前述したように、ステップS801の当たり判定において、主制御部201は、現在の遊技状態が高確率遊技状態、すなわち、高確遊技フラグがONに設定されていれば、高確率遊技状態用の当たり判定テーブルを用いる。一方、現在の遊技状態が低確率遊技状態、すなわち、高確遊技フラグがOFFに設定されていれば、低確率遊技状態用の当たり判定テーブルを用いる。
【0138】
つぎに、ステップS801の判定結果に基づき、大当たり(当たり乱数が大当たりに対応する乱数値と一致)であるかを判定する(ステップS802)。大当たりであれば(ステップS802:Yes)、主制御部201は、今回の保留が第1始動口105または第2始動口106のどちらに入賞した遊技球に対するものかにより、第1始動口105に入賞した遊技球に対する大当たり図柄判定テーブル(不図示)か、第2始動口106に入賞した遊技球に対する大当たり図柄判定テーブル(不図示)かのどちらかを選択する(ステップS803)。
【0139】
そして、今回の保留に対する図柄乱数とステップS803で選択した大当たり図柄判定テーブルとを比較して、図柄乱数が大当たり図柄判定テーブルにおいて、どの内容の大当たりに対応する乱数値と一致するかを判定する大当たり図柄判定をおこなう(ステップS804)。大当たり図柄判定をおこなうと、主制御部201は、当該判定結果をあらわす図柄をRAM213に設定して(ステップS805)、大当たり抽選処理を終了する。
【0140】
一方、ステップS802において、大当たりでなければ(ステップS802:No)、主制御部201は、小当たり(当たり乱数が小当たりに対応する乱数値と一致)であるかを判定する(ステップS806)。小当たりであれば(ステップS806:Yes)、主制御部201は、今回の保留が第1始動口105または第2始動口106のどちらに入賞した遊技球に対するものかにより、第1始動口105に入賞した遊技球に対する小当たり図柄判定テーブル(不図示)か、第2始動口106に入賞した遊技球に対する小当たり図柄判定テーブル(不図示)かのどちらかを選択する(ステップS807)。
【0141】
そして、今回の保留に対する図柄乱数とステップS807で選択した小当たり図柄判定テーブルとを比較して、図柄乱数が小当たり図柄判定テーブルにおいて、どの内容の小当たりに対応する乱数値と一致するかを判定する小当たり図柄判定をおこなう(ステップS808)。小当たり図柄判定をおこなうと、主制御部201は、当該判定結果をあらわす図柄をRAM213に設定して(ステップS809)、大当たり抽選処理を終了する。
【0142】
また、ステップS806において、小当たりでなければ(ステップS806:No)、主制御部201は、通常のハズレであると判定して、ハズレをあらわす図柄をRAM213に設定して(ステップS810)、大当たり抽選処理を終了する。
【0143】
(大入賞口処理)
つぎに、図6のステップS604に示した電動役物制御処理に含まれる大入賞口処理の処理内容について説明する。図9は、大入賞口処理の処理内容を示すフローチャートである。大入賞口処理において、主制御部201は、まず、当たり遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS901)。当たり遊技フラグがONでなければ、すなわち、OFFであれば(ステップS901:No)、主制御部201は、そのまま大入賞口処理を終了する。
【0144】
当たり遊技フラグがONであれば(ステップS901:Yes)、主制御部201は、現在の主制御部201の状態が当たり遊技フラグをON直後のオープニング中であるかを判定する(ステップS902)。オープニング中であれば(ステップS902:Yes)、オープニング開始時から所定のオープニング期間が経過したかを判定する(ステップS903)。オープニング開始時から所定のオープニング期間が経過していなければ(ステップS903:No)、すなわち、オープニングの状態を継続する場合には、そのまま大入賞口処理を終了する。
【0145】
オープニング期間が経過していれば(ステップS903:Yes)、すなわち、オープニングの状態を終了する場合には、主制御部201は、つづいて、ラウンド数および大入賞口109の作動パターンを選択する(ステップS904)。ここで、ラウンド数および大入賞口109の作動パターンは、当選した大当たりの内容または小当たりの内容によって決定される。
【0146】
たとえば、主制御部201は、確変当たりや通常当たりに当選した場合に、ラウンド数を15ラウンド、大入賞口109の作動パターンを30秒開放×15回(15ラウンド分)と設定する。また、主制御部201は、潜確当たりに当選した場合に、ラウンド数を2ラウンド、大入賞口109の作動パターンを0.8秒開放×2回(2ラウンド分)と設定する。さらに、主制御部201は、小当たりに当選した場合に大入賞口109の作動パターンを0.8秒開放×2回と設定する。
【0147】
そして、大入賞口109へ入賞した遊技球の個数(入賞数)カウンタCの値を「0」にリセットして(ステップS905)、その後、ラウンド数カウンタRに「1」加算したものを新たなRとし(ステップS906)、大入賞口109の作動を開始する(ステップS907)。
【0148】
その後、主制御部201は、大入賞口109の作動開始時より、作動パターンによって定義された所定の作動時間が経過したかを判定する(ステップS908)。作動時間が経過していなければ(ステップS908:No)、入賞数カウンタCの値が所定値(たとえば「10」)であるかを判定する(ステップS909)。入賞数カウンタCの値が所定値でなければ(ステップS909:No)、主制御部201は、そのまま大入賞口処理を終了する。
【0149】
ステップS908において作動時間が経過した場合(ステップS908:Yes)、または、ステップS909において入賞数カウンタCの値が所定値であれば(ステップS909:Yes)、主制御部201は、大入賞口109の作動を終了する(ステップS910)。
【0150】
大入賞口109の作動を終了すると、主制御部201は、ラウンド数カウンタRが所定値(当選した大当たりの内容に対応した最大ラウンド数。たとえば15ラウンドの大当たりである場合にはR=15)であるかを判定する(ステップS911)。ラウンド数カウンタRが所定値に達していない場合には(ステップS911:No)、そのまま大入賞口処理を終了する。ラウンド数カウンタRが所定値に達した場合には(ステップS911:Yes)、エンディングを開始して(ステップS912)、エンディングコマンドをRAM213に設定する(ステップS913)。
【0151】
その後、ラウンド数カウンタRの値を「0」にリセットして(ステップS914)、エンディング開始時から所定のエンディング期間が経過したかを判定する(ステップS915)。エンディング期間が経過していなければ(ステップS915:No)、すなわち、エンディングの状態を継続する場合には、主制御部201は、そのまま大入賞口処理を終了する。
【0152】
エンディング期間が経過していれば(ステップS915:Yes)、すなわち、エンディングの状態を終了する場合には、主制御部201は、遊技状態設定処理をおこない(ステップS916)、当たり遊技フラグをOFFに設定して(ステップS917)、大入賞口処理を終了する。遊技状態設定処理の処理内容については、図10を用いて後述する。
【0153】
また、ステップS902においてオープニング中でなければ(ステップS902:No)、主制御部201は、エンディング中であるかを判定し(ステップS918)、エンディング中であれば(ステップS918:Yes)、ステップS915へ移行する。エンディング中でなければ(ステップS918:No)、大入賞口109の作動中であるかを判定する(ステップS919)。大入賞口109の作動中でなければ(ステップS919:No)、ステップS905へ移行し、大入賞口109の作動中であれば(ステップS919:Yes)、ステップS908へ移行する。
【0154】
(遊技状態設定処理)
つぎに、図9のステップS916に示した遊技状態設定処理の処理内容について説明する。図10は、遊技状態設定処理の処理内容を示すフローチャートである。遊技状態設定処理において、主制御部201は、まず、今回の変動に対する大当たり抽選の抽選結果が小当たりであったかを判定する(ステップS1001)。
【0155】
小当たりであれば(ステップS1001:Yes)、主制御部201は、そのまま遊技状態設定処理を終了する。小当たりでなければ(ステップS1001:No)、主制御部201は、今回の変動に対する大当たり抽選の抽選結果が通常当たりであったかを判定する(ステップS1002)。通常当たりであれば(ステップS1002:Yes)、主制御部201は、時短遊技フラグをONに設定し(ステップS1003)、時短遊技カウンタJを「10000」に設定し(ステップS1004)、遊技状態設定処理を終了する。
【0156】
通常当たりでなければ(ステップS1002:No)、主制御部201は、今回の変動に対する大当たり抽選の抽選結果が確変当たりであったかを判定する(ステップS1005)。確変当たりであれば(ステップS1005:Yes)、主制御部201は、時短遊技フラグをONに設定し(ステップS1006)、時短遊技カウンタJを「10000」に設定する(ステップS1007)。その後、高確遊技フラグをONに設定し(ステップS1008)、高確遊技カウンタXを「10000」に設定し(ステップS1009)、遊技状態設定処理を終了する。
【0157】
確変当たりでなければ(ステップS1005:No)、主制御部201は、たとえば、潜確当たりに当選したと判定して、ステップS808に移行して高確遊技フラグをONに設定し、高確遊技カウンタXに「10000」を設定し、遊技状態設定処理を終了する。
【0158】
(演出制御部がおこなう処理)
つぎに、ぱちんこ遊技機100の演出制御部202がおこなう処理について説明する。まず、演出制御部202の演出統括部202aがおこなう処理について説明する。以下に示す演出統括部202aがおこなう処理は、演出統括部202aのCPU241がROM242に記憶されているプログラムを実行することによりおこなうものである。
【0159】
(演出タイマ割込処理)
図11は、演出タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。演出統括部202aは、起動中継続的に所定のメイン演出制御処理(不図示)をおこなっており、このメイン演出制御処理に対して、図11に示す演出タイマ割込処理を、所定の周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
【0160】
演出タイマ割込処理において、演出統括部202aは、まず、コマンド受信処理をおこなう(ステップS1101)。コマンド受信処理は、主制御部201から送信された各種コマンドを受信するとともに、受信されたコマンドに基づき各種演出を選択するための処理である。コマンド受信処理の詳細な処理内容については図12を用いて後述する。
【0161】
つづいて、演出統括部202aは、遊技者からの操作を受け付けるための操作受付処理をおこなう(ステップS1102)。操作受付処理は、遊技者からの操作を受け付けるための処理である。操作受付処理の詳細な処理内容については図15を用いて後述する。
【0162】
つづいて、演出統括部202aは、変動演出中処理をおこなって(ステップS1103)、コマンド送信処理をおこなう(ステップS1104)。変動演出中処理の詳細な処理内容については図16を用いて後述する。コマンド送信処理において、演出統括部202aはステップS1101〜S1103によりRAM243に設定された各種コマンドを、画像・音声制御部202bやランプ制御部202cに対して出力する。
【0163】
(コマンド受信処理)
つぎに、図11のステップS1101に示したコマンド受信処理の処理内容について説明する。図12は、コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。コマンド受信処理において、演出統括部202aは、まず、主制御部201から変動開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS1201)。変動開始コマンドを受信していなければ(ステップS1201:No)、後述するステップS1203へ移行する。
【0164】
変動開始コマンドを受信していれば(ステップS1201:Yes)、演出統括部202aは、おこなう変動演出の内容を選択する変動演出選択処理をおこなう(ステップS1202)。変動演出選択処理の処理内容については図13を用いて後述する。つづいて、演出統括部202aは、主制御部201から変動停止コマンドを受信したかを判定する(ステップS1203)。変動停止コマンドを受信していなければ(ステップS1203:No)、後述するステップS1205へ移行する。
【0165】
変動停止コマンドを受信していれば(ステップS1203:Yes)、演出統括部202aは、変動演出を終了させる変動演出終了処理をおこなう(ステップS1204)。変動演出終了処理の処理内容については図17を用いて後述する。つぎに、演出統括部202aは、主制御部201からオープニングコマンド(主制御部201がオープニングを開始したときに出力するコマンド)を受信したかを判定する(ステップS1205)。オープニングコマンドを受信していなければ(ステップS1205:No)、後述するステップS1207へ移行する。
【0166】
オープニングコマンドを受信していれば(ステップS1205:Yes)、演出統括部202aは、当選した当たりに応じた当たり演出を開始させるための当たり演出開始コマンドをRAM243に設定する(ステップS1206)。たとえば、当たり演出選択処理において、演出統括部202aは、確変当たりに当選していれば確変当たり用の当たり演出を選択して、確変当たり用の当たり演出を開始させるための当たり演出開始コマンドを設定する。同様に、通常当たりに当選していれば通常当たり用の当たり演出を選択し、潜確当たりに当選していれば潜確当たり用の当たり演出を選択して、これらを開始させるための当たり演出開始コマンドを設定する。
【0167】
つづいて、演出統括部202aは、主制御部201からエンディングコマンドを受信したかを判定する(ステップS1207)。エンディングコマンドを受信していなければ(ステップS1207:No)、演出統括部202aは、そのままコマンド受信処理を終了する。エンディングコマンドを受信していれば(ステップS1207:Yes)、演出統括部202aは、ステップS1206で開始させた当たり演出を終了させるための当たり演出終了コマンドをRAM243に設定し(ステップS1208)、コマンド受信処理を終了する。
【0168】
(変動演出選択処理)
つぎに、図12のステップS1202で示した変動演出選択処理の処理内容について説明する。図13は、変動演出選択処理の処理内容を示すフローチャートである。変動演出選択処理において、演出統括部202aは、まず、受信された変動開始コマンドを解析して(ステップS1301)、変動開始コマンドに含まれる各種情報を取得する。変動開始コマンドには、大当たり抽選の抽選結果や変動パターンを示す情報などが含まれている。演出統括部202aは変動開始コマンドを解析することで、これらの情報を取得することができる。
【0169】
つづいて、演出統括部202aは、現在の演出モードを示す演出モードフラグを参照して(ステップS1302)、現在の演出モードを示す情報を取得する。そして、演出統括部202aは、ステップS1101およびステップS1102で取得された情報を用いて、変動演出パターンテーブル(図14−1〜図14−9参照)から、変動演出の内容を定義した変動演出パターンを選択する変動演出パターン選択処理をおこなう(ステップS1303)。
【0170】
詳細は後述するが、いずれの変動演出パターンテーブルから変動演出パターンを選択するかは、演出モードや大当たり抽選の抽選結果で決まる。変動演出パターン選択処理により変動演出パターンを選択すると、演出統括部202aは、選択された変動演出パターンを示す情報を含んだ変動演出開始コマンドをRAM243に設定する(ステップS1304)。
【0171】
つづいて、演出統括部202aは、選択された変動演出パターンが選択肢提示演出を定めたものであるか、つまり、これから開始される変動演出が選択肢提示演出であるかを判定する(ステップS1305)。選択肢提示演出であれば(ステップS1305:Yes)、実行・操作履歴情報400を更新して(ステップS1306)、変動演出選択処理を終了する。たとえば、ステップS1306において、演出統括部202aは、RTC244を参照し、RTC244により計時された時刻を実行・操作履歴情報400として記憶する。選択肢提示演出でなければ(ステップS1305:No)、そのまま変動演出選択処理を終了する。
【0172】
(変動演出パターンテーブルについて)
ここで、変動演出パターンテーブルについて説明する。まず、大当たり当選時、またはリーチ演出をおこなうハズレ(以下「リーチハズレ」)時に用いる変動演出パターンテーブルについて説明する。
【0173】
(大当たり・リーチハズレの場合)
図14−1は、通常演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その1)である。図14−1に示す変動演出パターンテーブルEt1は、通常演出モードM1であるときの大当たり当選時に用いる変動演出パターンテーブルである。
【0174】
図14−1に示すように、変動演出パターンテーブルEt1は、変動演出パターンEp1〜Ep3によって構成される。ここで、変動演出パターンとは変動演出の内容を定めたものであり、たとえば、変動演出パターンEp1は「脇役リーチ演出」を定めている。変動演出パターンEp2は「ヒーローリーチ演出」を定めており、変動演出パターンEp3は「ヒロインリーチ演出」を定めている。
【0175】
変動演出パターンテーブルEt1において、変動演出パターンEp1〜Ep3には、それぞれの変動演出パターンの選択される確率(以下「選択確率」という)が定められている。たとえば、変動演出パターンテーブルEt1を用いて変動演出パターンを選択する場合、演出統括部202aは、変動演出パターンEp1〜Ep3が変動演出パターンテーブルEt1で定められた選択確率で選択される抽選をおこない、この抽選で当選した変動演出パターンを選択する。
【0176】
ここで、変動演出パターンテーブルEt1における変動演出パターンEp1〜Ep3の選択確率に着目すると、「脇役リーチ演出」を定めた変動演出パターンEp1は「60/100」となっている。また、「ヒーローリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp2は「20/100」、「ヒロインリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp3は「20/100」となっている。このため、変動演出パターンテーブルEt1を用いて変動演出パターンを選択すると、「脇役リーチ演出」がもっともおこなわれ易い傾向となる。
【0177】
図14−2は、通常演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その2)である。図14−2に示す変動演出パターンテーブルEt2は、通常演出モードM1であるときのリーチハズレ時に用いる変動演出パターンテーブルである。
【0178】
図14−2に示すように、変動演出パターンテーブルEt2は、変動演出パターンテーブルEt1と同様に、変動演出パターンEp1〜Ep3によって構成される。ここで、変動演出パターンテーブルEt2における変動演出パターンEp1〜Ep3の選択確率に着目すると、「脇役リーチ演出」を定めた変動演出パターンEp1は「20/100」となっている。また、「ヒーローリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp2は「50/100」、「ヒロインリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp3は「30/100」となっている。このため、変動演出パターンテーブルEt6を用いて変動演出パターンを選択すると、「ヒーローリーチ演出」がもっともおこなわれ易い傾向となる。
【0179】
また、変動演出パターンテーブルEt1と変動演出パターンテーブルEt2とを比較すると、変動演出パターンEp1の選択確率は、変動演出パターンテーブルEt5で「60/100」となっており、変動演出パターンテーブルEt6で「20/100」となっている。これは、通常演出モードM1であるときに「脇役リーチ演出」は、大当たり時にはおこなわれ易く、ハズレ時にはおこなわれ難いことを意味している。つまり、通常演出モードM1であるときに「脇役リーチ演出」は大当たりとなる信頼度が高く定められた演出とすることができる。
【0180】
図14−3は、ヒーロー演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その1)である。図14−3に示す変動演出パターンテーブルEt3は、ヒーロー演出モードであるときの大当たり当選時に用いる変動演出パターンテーブルである。
【0181】
図14−3に示すように、変動演出パターンテーブルEt3は、変動演出パターンEp1〜Ep3によって構成される。ここで、変動演出パターンテーブルEt3における変動演出パターンEp1〜Ep3の選択確率に着目すると、「脇役リーチ演出」を定めた変動演出パターンEp1は「20/100」となっている。また、「ヒーローリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp2は「60/100」、「ヒロインリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp3は「20/100」となっている。このため、変動演出パターンテーブルEt3を用いて変動演出パターンを選択すると、「ヒーローリーチ演出」がもっともおこなわれ易い傾向となる。
【0182】
図14−4は、ヒーロー演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その2)である。図14−4に示す変動演出パターンテーブルEt4は、ヒーロー演出モードであるときのリーチハズレ時に用いる変動演出パターンテーブルである。
【0183】
図14−4に示すように、変動演出パターンテーブルEt4は、変動演出パターンテーブルEt3と同様に、変動演出パターンEp1〜Ep3によって構成される。ここで、変動演出パターンテーブルEt4における変動演出パターンEp1〜Ep3の選択確率に着目すると、「脇役リーチ演出」を定めた変動演出パターンEp1は「60/100」となっている。また、「ヒーローリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp2は「20/100」、「ヒロインリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp3は「20/100」となっている。このため、変動演出パターンテーブルEt4を用いて変動演出パターンを選択すると、「脇役リーチ演出」がもっともおこなわれ易い傾向となる。
【0184】
また、変動演出パターンテーブルEt3と変動演出パターンテーブルEt4とを比較すると、変動演出パターンEp2の選択確率は、変動演出パターンテーブルEt3で「60/100」となっており、変動演出パターンテーブルEt4で「20/100」となっている。これは、ヒーロー演出モードM2aであるときに「ヒーローリーチ演出」は、大当たり時にはおこなわれ易く、ハズレ時にはおこなわれ難いことを意味している。つまり、ヒーロー演出モードM2aであるときに「ヒーローリーチ演出」は大当たりとなる信頼度が高く定められた演出とすることができる。
【0185】
図14−5は、ヒロイン演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その1)である。図14−5に示す変動演出パターンテーブルEt5は、ヒロイン演出モードM2bであるときの大当たり当選時に用いる変動演出パターンテーブルである。
【0186】
図14−5に示すように、変動演出パターンテーブルEt5は、変動演出パターンEp1〜Ep3によって構成される。ここで、変動演出パターンテーブルEt5における変動演出パターンEp1〜Ep3の選択確率に着目すると、「脇役リーチ演出」を定めた変動演出パターンEp1は「20/100」となっている。また、「ヒーローリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp2は「20/100」、「ヒロインリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp3は「60/100」となっている。このため、変動演出パターンテーブルEt5を用いて変動演出パターンを選択すると、「ヒロインリーチ演出」がもっともおこなわれ易い傾向となる。
【0187】
図14−6は、ヒロイン演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その2)である。図14−6に示す変動演出パターンテーブルEt6は、ヒロイン演出モードM2bであるときのリーチハズレ時に用いる変動演出パターンテーブルである。
【0188】
図14−6に示すように、変動演出パターンテーブルEt6は、変動演出パターンテーブルEt5と同様に、変動演出パターンEp1〜Ep3によって構成される。ここで、変動演出パターンテーブルEt6における変動演出パターンEp1〜Ep3の選択確率に着目すると、「脇役リーチ演出」を定めた変動演出パターンEp1は「60/100」となっている。また、「ヒーローリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp2は「20/100」、「ヒロインリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp3は「20/100」となっている。このため、変動演出パターンテーブルEt4を用いて変動演出パターンを選択すると、「脇役リーチ演出」がもっともおこなわれ易い傾向となる。
【0189】
また、変動演出パターンテーブルEt5と変動演出パターンテーブルEt6とを比較すると、変動演出パターンEp3の選択確率は、変動演出パターンテーブルEt5で「60/100」となっており、変動演出パターンテーブルEt6で「20/100」となっている。これは、ヒロイン演出モードM2bであるときに「ヒロインリーチ演出」は、大当たり時にはおこなわれ易く、ハズレ時にはおこなわれ難いことを意味している。つまり、ヒロイン演出モードM2bであるときに「ヒロインリーチ演出」は大当たりとなる信頼度が高く定められた演出とすることができる。
【0190】
(ノーマルハズレの場合)
つぎに、リーチ演出をおこなわないハズレ(以下「ノーマルハズレ」)時に用いる変動演出パターンテーブルについて説明する。図14−7は、通常演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その3)である。
【0191】
図14−7に示すように、変動演出パターンテーブルEt7は、変動演出パターンEp4および変動演出パターンEp5によって構成される。ここで、変動演出パターンテーブルEt7における変動演出パターンEp4は「ノーマルハズレ演出(たとえば装飾図柄の変動表示のみ)」を定めている。変動演出パターンEp5は「選択肢提示演出」を定めている。
【0192】
変動演出パターンテーブルEt7において、「ノーマルハズレ演出」を定めた変動演出パターンEp4の選択確率は「90/100」となっており、「選択肢提示演出」を定めた変動演出パターンEp5の選択確率は「10/100」となっている。このため、通常演出モードM1において、10回、ノーマルハズレに当選すると、おおよそ1回程度、選択肢提示演出がおこなわれることになる。
【0193】
図14−8は、ヒーロー演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その3)である。図14−8に示すように、変動演出パターンテーブルEt8は、変動演出パターンEp4および変動演出パターンEp6によって構成される。前述したように変動演出パターンEp4は「ノーマルハズレ演出」を定めており、変動演出パターンEp6は「ヒーロー小キャラハズレ演出」を定めている。
【0194】
変動演出パターンテーブルEt8において、「ノーマルハズレ演出」を定めた変動演出パターンEp4の選択確率は「90/100」となっており、「ヒーロー小キャラハズレ演出」を定めた変動演出パターンEp6の選択確率は「10/100」となっている。このため、ヒーロー演出モードM2aにおいて、10回、ノーマルハズレに当選すると、おおよそ1回程度、ヒーロー小キャラハズレ演出がおこなわれ、ヒーローの小キャラが登場する。これにより、ぱちんこ遊技機100は、そのときの演出モードがヒーロー演出モードM2aであることを遊技者に示唆することができる。
【0195】
図14−9は、ヒロイン演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その3)である。図14−9に示すように、変動演出パターンテーブルEt9は、変動演出パターンEp4および変動演出パターンEp7によって構成される。前述したように変動演出パターンEp4は「ノーマルハズレ演出」を定めており、変動演出パターンEp7は「ヒロイン小キャラハズレ演出」を定めている。
【0196】
変動演出パターンテーブルEt9において、「ノーマルハズレ演出」を定めた変動演出パターンEp4の選択確率は「90/100」となっており、「ヒロイン小キャラハズレ演出」を定めた変動演出パターンEp7の選択確率は「10/100」となっている。このため、ヒロイン演出モードM2bにおいて、10回、ノーマルハズレに当選すると、おおよそ1回程度、ヒロイン小キャラハズレ演出がおこなわれ、ヒロインの小キャラが登場する。これにより、ぱちんこ遊技機100は、そのときの演出モードがヒロイン演出モードM2bであることを遊技者に示唆することができる。
【0197】
なお、以上で説明したそれぞれの変動演出パターンテーブルEt1〜Et9は、たとえば、演出統括部202aのROM242に予め記憶されている。なお、以上で説明した変動演出パターンテーブルEt1〜Et9は一例であって、本発明を上記の内容に限定するものではない。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、上記の例よりも多くの変動演出パターンを有してもよいし、それぞれの変動演出パターンを上記の例以外の選択確率で選択するようにしてもよい。
【0198】
(操作受付処理)
つぎに、図11のステップS1102に示した操作受付処理の処理内容について説明する。図15は、操作受付処理の処理内容を示すフローチャートである。操作受付処理において、演出統括部202aは、まず、演出ボタン119がONとなったか(演出ボタン119が押下されたか)を判定する(ステップS1501)。
【0199】
演出ボタン119がONとなっていなければ(ステップS1501:No)、ステップS1503へ移行する。演出ボタン119がONとなっていれば(ステップS1501:Yes)、演出統括部202aは、演出ボタン119が押下されたことを示す演出ボタンコマンドをRAM243に設定して(ステップS1502)、十字キー120がONとなったか(十字キーが操作されたか)を判定する(ステップS1503)。
【0200】
十字キー120がONとなっていなければ(ステップS1503:No)、演出統括部202aは操作受付処理を終了する。十字キー120がONとなっていれば(ステップS1503:Yes)、十字キー120が操作されたことを示す十字キーコマンドをRAM243に設定し(ステップS1504)、操作受付処理を終了する。ここで、十字キーコマンドには、十字キー120を構成する各キーのうち、操作されたキー(たとえば「←」キー)を示す情報などが含まれている。
【0201】
(変動演出中処理)
つぎに、図11のステップS1103に示した変動演出中処理の処理内容について説明する。図16は、変動演出中処理の処理内容を示すフローチャートである。変動演出中処理において、演出統括部202aは、まず、変動演出中であるかを判定する(ステップS1601)。たとえば、ステップS1601において、演出統括部202aは、変動演出開始コマンドを送信して、その後に変動演出終了コマンドを送信していなければ、変動演出中と判定する。変動演出中でなければ(ステップS1601:No)、変動演出中処理を終了する。
【0202】
変動演出中であれば(ステップS1601:Yes)、演出統括部202aは、おこなっている変動演出が選択肢提示演出(変動演出パターンEp5の変動演出)であるかを判定する(ステップS1602)。選択肢提示演出でなければ(ステップS1602:No)、変動演出中処理を終了する。
【0203】
選択肢提示演出であれば(ステップS1602:Yes)、演出統括部202aは、画像・音声制御部202bからキャラクタコマンドを受信したかを判定する(ステップS1603)。キャラクタコマンドには、ヒーローコマンドとヒロインコマンドとがある。画像・音声制御部202bは、選択肢提示演出中に、遊技者により「ヒーロー」が選択されると、ヒーローコマンドを演出統括部202aへ送信し、「ヒロイン」が選択されると、ヒロインコマンドを演出統括部202aへ送信する(図20参照)。また、詳細は後述するが、画像・音声制御部202bは、選択肢提示演出中に、遊技者により操作がなかった場合も自動的に所定のキャラクタを選択し、このキャラクタのキャラクタコマンドを演出統括部202aへ送信する(図20参照)。キャラクタコマンドを受信していなければ(ステップS1603:No)、変動演出中処理を終了する。
【0204】
キャラクタコマンドを受信していれば(ステップS1603:Yes)、演出統括部202aは、受信されたキャラクタコマンドに基づき、実行・操作履歴情報400を更新して(ステップS1604)、変動演出中処理を終了する。たとえば、ステップS1604において、演出統括部202aは、ヒーローコマンドを受信した場合は実行・操作履歴情報400の今回の選択肢提示演出の時刻に「ヒーロー」を対応づけて記憶し、ヒロインコマンドを受信した場合は「ヒロイン」を対応づけて記憶する。
【0205】
また、詳細は後述するが、画像・音声制御部202bは、遊技者によりキャラクタが選択されるとこのキャラクタのキャラクタコマンドと演出ボタンコマンドとを演出統括部202aへ送信する。一方、自動的にキャラクタを選択するとこのキャラクタのキャラクタコマンドのみを演出統括部202aへ送信する。ステップS1604の実行・操作履歴情報400の更新に際して、演出統括部202aは、キャラクタコマンドとともに演出ボタンコマンドを受信したか否かに応じて、実行・操作履歴情報400の操作の有無を記憶する。
【0206】
(変動演出終了処理)
つぎに、図12のステップS1204で示した変動演出終了処理の処理内容について説明する。図17は、変動演出終了処理の処理内容を示すフローチャートである。変動演出終了処理において、演出統括部202aは、まず、変動停止コマンドを解析し(ステップS1701)、変動停止コマンドに含まれる情報を取得する。たとえば、変動停止コマンドには、変動開始コマンドと同じ情報が含まれている。
【0207】
つづいて、演出統括部202aは、大当たり抽選の抽選結果が、当たり(大当たり、小当たり)であるかを判定する(ステップS1702)。当たりであれば(ステップS1702:Yes)、当選した当たりに応じた演出モードとするための演出モードフラグ設定処理をおこなう(ステップS1703)。演出モードフラグ設定処理の処理内容については図18を用いて後述する。
【0208】
つづいて、演出統括部202aは、画像・音声制御部202bやランプ制御部202cへ変動演出の終了を指示したり、演出モードを移行させる演出の実行を指示したりするための変動演出終了コマンドをRAM243に設定して(ステップS1704)、変動演出終了処理を終了する。
【0209】
一方、ステップS2302において、当たりでなければ(ステップS1702:No)、演出統括部202aは、設定中の演出モードフラグを参照し(ステップS1705)、設定中の演出モードフラグに対応した演出モードカウンタのカウント値Cnから「1」減算したものを新たなカウント値とする(ステップS1706)。ステップS1705において、たとえば、演出統括部202aは、設定中の演出モードフラグが通常演出モードM1であることを示す通常演出モードフラグであれば、通常演出モードフラグに対応したカウンタのカウント値C1から「1」減算したものを新たなカウント値C1の値とする。
【0210】
同様に、演出統括部202aは、ヒーロー演出モードフラグが設定されていればカウント値C2から「1」減算し、ヒロイン演出モードフラグが設定されていればカウント値C3から「1」減算する。確変演出モードフラグが設定されていればカウント値C4から「1」減算し、時短演出モードフラグが設定されていればカウント値C5から「1」減算する。
【0211】
つづいて、演出統括部202aは、上記で減算したカウント値が「0」となったかを判定する(ステップS1707)。カウント値が「0」となった場合には(ステップS1707:Yes)、演出モードフラグの設定を変更する演出モードフラグ変更処理をおこない(ステップS1708)、ステップS1704へ移行する。カウント値が「0」とならなかった場合には(ステップS1707:No)、そのままステップS1704へ移行する。
【0212】
(演出モード設定処理)
つぎに、図17のステップS1703に示した演出モードフラグ設定処理の処理内容について説明する。図18は、演出モードフラグ設定処理の処理内容を示すフローチャートである。演出モードフラグ設定処理において、演出統括部202aは、まず、当選した当たりが潜確当たりまたは小当たりであるかを判定する(ステップS1801)。
【0213】
潜確当たりまたは小当たりであれば(ステップS1801:Yes)、演出統括部202aは、実行・操作履歴情報400を参照して(ステップS1802)、実行・操作履歴情報400の操作で、おこなわれた回数がもっとも多いものを特定する(ステップS1803)。本実施の形態では、「ヒーロー・操作有」、「ヒロイン・操作有」、「ヒーロー・操作無」のいずれがもっとも多いかを特定する。図4の例では、「ヒーロー・操作有」が4回、「ヒロイン・操作有」が3回、「ヒーロー・操作無」が3回であるため、「ヒーロー・操作有」がもっとも多いものとして特定される。
【0214】
また、ステップS1803では、「ヒーロー・操作有」が4回、「ヒロイン・操作有」が1回、「ヒーロー・操作無」が4回の場合など、おこなわれた回数がもっとも多いものが複数あることも起こりえる。たとえば、この場合、演出統括部202aは、おこなわれた回数がもっとも多い複数のもの(ここでは「ヒーロー・操作有」と「ヒーロー・操作無」)の中から任意の抽選方法により、いずれか一つを選ぶ。そして、選ばれたものをステップS1803の特定結果として用いる。
【0215】
また、たとえば、演出統括部202aは、「ヒーロー・操作有」、「ヒロイン・操作有」、「ヒーロー・操作無」の各々に予め優先度を設定しておき、おこなわれた回数がもっとも多いものが複数ある場合は、この優先度にしたがって一つを選んでもよい。ここで、「ヒーロー・操作有」の優先度>「ヒロイン・操作有」の優先度>「ヒーロー・操作無」の優先度とし、「ヒーロー・操作有」と「ヒーロー・操作無」とが4回で、おこなわれた回数がもっとも多いものとして並んだとする。この場合は、「ヒーロー・操作有」の優先度>「ヒーロー・操作無」の優先度にしたがって、「ヒーロー・操作有」を選び、ステップS1803の特定結果として用いる。
【0216】
つづいて、演出統括部202aは、ステップS1803の特定結果、すなわち、おこなわれた回数がもっとも多いものが「ヒーロー・操作無」であるかを判定する(ステップS1804)。おこなわれた回数がもっとも多いものが「ヒーロー・操作無」であれば(ステップS1804:Yes)、潜伏演出モード決定抽選をおこなう(ステップS1805)。
【0217】
潜伏演出モード決定抽選において、演出統括部202aは、任意の抽選方法を用いて、ヒーロー演出モードM2aとヒロイン演出モードM2bとのいずれにするかをランダムで決定する。そして、決定された潜伏演出モードに対応した演出モードフラグをONに設定する(ステップS1806)。そして、設定された潜伏演出モードフラグに対応するカウンタのカウント値Cn(C2またはC3)に「50」を設定し(ステップS1807)、演出モード設定処理を終了する。
【0218】
一方、ステップS1804において、おこなわれた回数がもっとも多いものが「ヒーロー・操作無」でないと判定されれば(ステップS1804:No)、そのままステップS1806へ移行して、ステップS1803の特定結果に応じた潜伏演出モードの演出モードフラグをONに設定する。この場合、たとえば、特定結果が「ヒーロー・操作有」であればヒーロー演出モードフラグをONに設定し、特定結果が「ヒロイン・操作有」であればヒロイン演出モードフラグをONに設定する。
【0219】
また、ステップS1801において、潜確当たりまたは小当たりなければ(ステップS1801:No)、確変当たりであるかを判定する(ステップS1808)。確変当たりであれば(ステップS1808:Yes)、確変演出モードフラグをONに設定し(ステップS1809)、確変演出モードフラグに対応したカウンタのカウント値C4に「10000」を設定して(ステップS1810)、演出モードフラグ設定処理を終了する。
【0220】
確変当たりでなければ(ステップS1808:No)、時短演出モードフラグをONに設定し(ステップS1811)、時短演出モードフラグに対応したカウンタのカウント値C5に「100」を設定して(ステップS1812)、演出モードフラグ設定処理を終了する。
【0221】
(画像・音声制御部がおこなう処理)
つぎに、画像・音声制御部202bがおこなう処理について説明する。画像・音声制御部202bは、演出統括部202aから変動演出開始コマンドを受信すると、このコマンドにより開始を指示された変動演出に対応する画像データや音声データをROM252から読み出す。そして、これらを表示させたり、音声出力させたりする。たとえば、画像・音声制御部202bは、演出統括部202aから選択肢提示演出の変動演出開始コマンド(変動演出パターンEp5を示す情報を含む変動演出開始コマンド)を受信すると、選択肢提示演出用の画像データをROM252から読み出して、当該データに基づく画像表示部104に表示させる。
【0222】
(選択肢提示演出表示中処理)
ここで、画像・音声制御部202bが選択肢提示演出を画像表示部104に表示させている際におこなう選択肢提示演出表示中処理について説明する。図19は、選択肢提示演出表示中処理の処理内容を示すフローチャートである。画像・音声制御部202bは、選択肢提示演出を画像表示部104に表示させている際には、図19に示す選択肢提示演出表示中処理を所定周期で(たとえば4msごとに)おこなう。
【0223】
選択肢提示演出表示中処理において、画像・音声制御部202bは、演出統括部202aから十字キーコマンドを受信したかを判定する(ステップS1901)。十字キーコマンドを受信していなければ(ステップS1901:No)、ステップS1903へ移行する。十字キーコマンドを受信していれば(ステップS1901:Yes)、カーソル(図20符号2003参照)の表示位置を調整する(ステップS1902)。
【0224】
ステップS1902において、たとえば、画像・音声制御部202bは、カーソルを「ヒーロー」に合わせている際に十字キーコマンドを受信すると、カーソルを「ヒロイン」に合わせる。逆に、カーソルを「ヒロイン」に合わせている際に十字キーコマンドを受信すると、カーソルを「ヒーロー」に合わせる。
【0225】
つづいて、画像・音声制御部202bは、演出統括部202aから演出ボタンコマンドを受信したかを判定する(ステップS1903)。演出ボタンコマンドを受信していなければ(ステップS1903:No)、ステップS1906へ移行する。演出ボタンコマンドを受信すると(ステップS1903:Yes)、画像・音声制御部202bは、カーソルの表示位置から選択されたキャラクタを特定し、このキャラクタの画像を強調表示させる(ステップS1904)。そして、選択されたキャラクタに対応したキャラクタコマンドと演出ボタンコマンドとを演出統括部202aへ送信して(ステップS1905)、選択肢提示演出表示中処理を終了する。
【0226】
一方、ステップS1906では、選択肢提示演出の終了タイミングであるかを判定し、たとえば、画像・音声制御部202bは、選択肢提示演出の変動演出終了コマンドを受信したかを判定する(ステップS1906)。選択肢提示演出の変動演出終了コマンドを受信していなければ(ステップS1906:No)、つまり、選択肢提示演出の終了タイミングでなければ、そのまま選択肢提示演出表示中処理を終了する。
【0227】
選択肢提示演出の変動演出終了コマンドを受信していれば(ステップS1906:Yes)、つまり、選択肢提示演出の終了タイミングであれば、画像・音声制御部202bは、所定のキャラクタ(本実施の形態では一例として「ヒーロー」とする)を強調表示し(ステップS1907)、このキャラクタに対応したキャラクタコマンドと演出ボタンコマンドとを演出統括部202aへ送信して(ステップS1908)、選択肢提示演出表示中処理を終了する。ここで、強調表示するキャラクタはぱちんこ遊技機100の製造者により予め定められているものとしてもよいし、任意の抽選方法による抽選で当選したキャラクタを強調表示してもよい。
【0228】
このように、たとえば、画像・音声制御部202bは、遊技者からの操作に応じてキャラクタを強調表示させた場合にはキャラクタコマンドと演出ボタンコマンドとを演出統括部202aへ送信し、遊技者からの操作がなく所定のキャラクタを強調表示させた場合にはキャラクタコマンドのみを演出統括部202aへ送信する。このため、演出統括部202aは、前述したように、キャラクタコマンドとともに演出ボタンコマンドを受信したか否かに応じて、実行・操作履歴情報400の操作の有無を記憶することができる。
【0229】
(ぱちんこ遊技機による具体的な表示例)
つぎに、ぱちんこ遊技機100による具体的な表示例について説明する。図20は、本実施の形態のぱちんこ遊技機による具体的な表示例を示す説明図である。図20には、選択肢提示演出時の表示例を示している。
【0230】
図20(A)に示すように、ぱちんこ遊技機100は選択肢提示演出をおこなうと、画像表示部104に、ヒーロー画像2001と、ヒロイン画像2002と、カーソル2003とを表示する。遊技者により十字キー120が操作されると、この操作にしたがって、ぱちんこ遊技機100はカーソル2003の表示位置を移動させる。
【0231】
たとえば、図20(A)に示す例では、カーソル2003はヒーロー画像2001上に表示されている。この際に、遊技者により十字キー120が操作されると、ぱちんこ遊技機100はカーソル2003の表示位置をヒロイン画像2002上に移動させる。そして、遊技者により演出ボタン119が押下されると、ぱちんこ遊技機100は、その際のカーソル2003の表示位置がヒーロー画像2001上であるかヒロイン画像2002上であるかを判定し、いずれのキャラクタが選択されたかを判断する。
【0232】
また、ぱちんこ遊技機100は、メッセージボックス2004を表示する。ぱちんこ遊技機100は、メッセージボックス2004に「キャラクタを選べ!」といった遊技者の操作を促すメッセージを表示させる。さらに、ぱちんこ遊技機100は、メッセージボックス2004に操作方法を表示する。図20(A)に示す例では、十字キー120の左右キーによりキャラクタを選択、演出ボタン119の押下で決定である旨を表示している。さらに、ぱちんこ遊技機100は、メッセージボックス2004に「残り5秒」といったように、遊技者の操作を受付可能な期間を表示させる。
【0233】
ぱちんこ遊技機100は、遊技者によりキャラクタが選択されると、選択されたキャラクタを強調表示する。たとえば、図20(A)の状態で演出ボタン119が押下され、ヒーローが選択されたとする。この場合、ぱちんこ遊技機100は、図20(b)に示すように、ヒーロー画像2001を拡大表示する。これにより、ぱちんこ遊技機100は、遊技者に選択されたキャラクタを示唆することができる。
【0234】
また、ぱちんこ遊技機100は、遊技者によりキャラクタが選択されなくとも、遊技者の操作を受付可能な期間が終了した場合(図示の例では、図示したときから5秒間操作を受け付けなかった場合)には、所定のキャラクタ(本実施の形態では「ヒーロー」)を自動的に選択して、このキャラクタを強調表示する。
【0235】
以上に説明したように、ぱちんこ遊技機100は、遊技者の嗜好、たとえばキャラクタの好き嫌い、操作の好き嫌いに応じて、演出内容(たとえば演出モード)を異ならせることができる。これにより、ぱちんこ遊技機100は、遊技者の嗜好に合わせた演出をおこなうことができ、興趣性の向上を図ることができる。
【0236】
さらに、ぱちんこ遊技機100は、遊技者の嗜好、たとえばキャラクタの好き嫌い、操作の好き嫌いに応じて、それぞれの演出での大当たりへの信頼度を異ならせることができ、たとえば、遊技者の好みのキャラクタの演出の大当たりへの信頼度を上げることで、遊技者の好みのキャラクタの演出で大当たりに当選し易い傾向とすることができる。これにより、ぱちんこ遊技機100は、遊技者の嗜好に合わせた演出で、大当たりとなる確率を高めることができ、興趣性の向上を図ることができる。
【0237】
また、ぱちんこ遊技機100は、操作を好む遊技者に対しては前述のように好みのキャラクタに応じた演出をおこない、操作を好まない遊技者(選択肢提示演出中に操作をおこなわなかった遊技者)に対しては、抽選などにより以降の演出内容(たとえば演出モード)を決定してこの演出をおこなう。このため、ぱちんこ遊技機100は、操作を好まない遊技者に対しては演出を偏らせることなく、バリエーション豊かな演出を楽しませることができる。
【0238】
具体的に、たとえば、ぱちんこ遊技機100は、実行・操作履歴情報400の中で「操作無」がもっとも多い場合、抽選などにより以降の演出内容(たとえば演出モード)を決定する。このため、ぱちんこ遊技機100は、操作を好まない遊技者に対しては、操作を好む遊技者に比べて、特定の演出(たとえばヒーロー演出モードM2a)に偏ってしまうことを防止して、いろいろな演出を楽しませることができる。
【0239】
また、ぱちんこ遊技機100は、操作を好まない遊技者(選択肢提示演出中に操作をおこなわなかった遊技者)に対しては、前述のように演出内容を偏らせないだけでなく、それぞれの演出の期待度(大当たりへの信頼度)も偏らないようにすることができる。このため、ぱちんこ遊技機100は、操作を好まない遊技者に対しては、さまざまなリーチ演出で大当たりを期待させることができ、さまざまなリーチ演出により遊技者を楽しませることができる。
【0240】
以上に説明したように、本発明にかかるぱちんこ遊技機によれば、遊技者に合わせた演出をおこなって、遊技の興趣性を高めることができる。
【符号の説明】
【0241】
100 ぱちんこ遊技機
101 遊技盤
201 主制御部
202 演出制御部
202a 演出統括部
202b 画像・音声制御部
202c ランプ制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者からの操作を受付可能な演出をおこなうぱちんこ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、遊技盤上の所定の始動口へ遊技球が入賞することにより大当たり抽選をおこなって、可変表示装置にて3列の図柄(たとえば1〜12の数字の図柄)を変動表示させる遊技機があった。このような遊技機は、大当たり抽選に当選すると、変動表示させた3つの図柄を特定の組み合わせ(たとえば「7・7・7」。いわゆるゾロ目)で停止表示させ、大当たり遊技状態となる。大当たり遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機は大入賞口を開放させる。大入賞口に遊技球を入賞させることにより、遊技者は多数の賞球を獲得できる。
【0003】
近年では、遊技者からの操作を受け付けるための演出ボタンを備え、遊技者が遊技中にその演出ボタンを押すことによって演出の内容などを変化させて、遊技性の向上を図った遊技機も増えてきている。さらに、近年では、過去の操作履歴を記憶し、この操作履歴に基づいて遊技内容を決定し、演出に反映させるものが知られている(たとえば下記特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−42946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術にあっては、遊技者に合わせた演出がおこなわれず、遊技者が退屈してしまう場合もあった。たとえば、キャラクタの好き嫌い、操作の好き嫌いなど、遊技者の嗜好は多岐にわたっている。上記の従来技術にあっては、遊技者に合わせた演出をおこなうことができず、遊技者が退屈してしまう場合もあった。
【0006】
本発明は、上記の従来技術による問題点を解消するため、遊技者に合わせた演出をおこなって、遊技の興趣性を高めることができるぱちんこ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決し、目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用した。本発明にかかるぱちんこ遊技機は、遊技盤上の始動領域を遊技球が通過することにより遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かの判定を行い、当該判定結果を示す図柄変動を行うぱちんこ遊技機であって、遊技者が選択操作可能な選択操作手段と、所定の演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記演出実行手段は、所定のタイミングで複数の選択肢を提示する選択肢提示演出を実行する選択肢提示演出実行手段と、前記選択肢提示演出実行手段による前記選択肢提示演出の実行中に前記選択操作手段が操作されて前記複数の選択肢のうち遊技者により選択された選択肢を示す情報を記憶する記憶手段と、前記所定のタイミングよりも後に行われる図柄変動において当該図柄変動が特別変動態様で行われる場合に、前記判定結果および前記記憶手段の記憶内容に基づいて複数の特別演出のうち一の特別演出を選択する特別演出選択手段と、前記特別演出選択手段により選択された特別演出を実行する特別演出実行手段と、を備え、前記特別演出選択手段は、前記遊技者により選択された選択肢に応じて一の特別演出を選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技者に合わせた演出をおこなって、遊技の興趣性を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明にかかる実施の形態のぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。
【図2】本発明にかかる実施の形態のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態のぱちんこ遊技機がおこなう演出の一例を示す説明図である。
【図4】実行・操作履歴情報の内容を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】大当たり抽選処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】大入賞口処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】遊技状態設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図11】演出タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図12】コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図13】変動演出選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図14−1】通常演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その1)である。
【図14−2】通常演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その2)である。
【図14−3】ヒーロー演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その1)である。
【図14−4】ヒーロー演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その2)である。
【図14−5】ヒロイン演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その1)である。
【図14−6】ヒロイン演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その2)である。
【図14−7】通常演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その3)である。
【図14−8】ヒーロー演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その3)である。
【図14−9】ヒロイン演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その3)である。
【図15】操作受付処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図16】変動演出中処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図17】変動演出終了処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図18】演出モードフラグ設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図19】選択肢提示演出表示中処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図20】本実施の形態のぱちんこ遊技機による具体的な表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるぱちんこ遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、本発明にかかるぱちんこ遊技機を、旧第一種に属するぱちんこ遊技機(いわゆる「デジパチ」)に適用した例である。
【0011】
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、本発明にかかる実施の形態のぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、本発明にかかる実施の形態のぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。図1に示すように、本実施の形態のぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部(図2中符号292参照)が配置されている。
【0012】
発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配設されている。
【0013】
遊技盤101の略中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)などが用いられる。画像表示部104の下方には、第1始動口105と、第2始動口106とが配設されている。第1始動口105、第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口とされている。
【0014】
第2始動口106の近傍には、普通電動役物(後述する普通図柄抽選の抽選結果に基づき可動する役物)としての電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞し易くさせる開状態(開放された状態)とを有する。これらの状態の制御は、電動チューリップ107が備えるソレノイド(図2中符号231参照)によっておこなわれる。
【0015】
電動チューリップ107は、画像表示部104の左側に配設されたゲート108を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート108は、画像表示部104の左側(図示の位置)に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。
【0016】
第2始動口106の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり状態となったときに開放され、遊技球の入賞により所定個数(たとえば15個)の賞球を払い出すための入賞口とされている。
【0017】
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出すための入賞口とされている。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
【0018】
遊技盤101の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部112が配置されている。特別図柄表示部112は、第1特別図柄が表示される第1特別図柄表示部(図2中符号112a参照)と、第2特別図柄が表示される第2特別図柄表示部(図2中符号112b参照)とを有する。
【0019】
ここで、第1特別図柄は、遊技球が第1始動口105へ入賞することによりおこなう第1大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。第2特別図柄は、遊技球が第2始動口106へ入賞することによりおこなう第2大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。第1大当たり抽選および第2大当たり抽選は、ぱちんこ遊技機100の遊技状態を大当たり遊技状態とするか否かの抽選である。
【0020】
また、遊技盤101の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部113が配置されている。ここで、普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわす図柄である。普通図柄抽選は、前述のように電動チューリップ107を開状態とするか否かの抽選である。たとえば、特別図柄表示部112および普通図柄表示部113としては7セグメントディスプレイが用いられる。
【0021】
特別図柄表示部112および普通図柄表示部113の左側には、特別図柄または普通図柄に対する保留球数を表示する保留球数表示部114が配置されている。たとえば、保留球数表示部114としてはLEDが用いられる。この保留球数表示部114としてのLEDは複数配置され、点灯/消灯によって保留球数をあらわす。
【0022】
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている。枠部材115は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材115は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
【0023】
枠部材115において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)116が設けられている。演出ライト部116は、それぞれ複数のランプとモータ(不図示)とを有する。各ランプは、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射する。また、各ランプは、モータの駆動により光の照射方向を上下方向・左右方向に変更することができる。また、各ランプは、ぱちんこ遊技機100の周囲を照射し、その照射位置がぱちんこ遊技機100を基準にして円をなすように、光の照射方向を回転させることもできる。
【0024】
枠部材115の下部位置には、操作ハンドル117が配置されている。操作ハンドル117は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル117は、上記の枠部材115と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
【0025】
操作ハンドル117は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材118を備えている。発射指示部材118は、操作ハンドル117の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。公知の技術であるため説明を省略するが、操作ハンドル117には、遊技者が発射指示部材118を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。これにより、発射部は、発射指示部材118が遊技者によって直接操作されている時に遊技球を発射させる。
【0026】
枠部材115において、遊技領域103の下側となる辺には、演出ボタン(チャンスボタン)119および十字キー120が設けられている。これら演出ボタン119および十字キー120は、ぱちんこ遊技機100において遊技者からの操作を受け付ける操作受付部を構成している。また、枠部材115には、音声を出力するスピーカ(図2中符号254参照)が組み込まれている。
【0027】
また、図示は省略するが、遊技領域103内の所定位置(たとえば画像表示部104の周囲)には演出用の可動役物(以下「演出役物」という。図2中符号265参照)が設けられている。この演出役物は、不図示のソレノイドやモータを備えており、このソレノイドやモータの駆動によって駆動される。
【0028】
(ぱちんこ遊技機の内部構成)
つぎに、本実施の形態のぱちんこ遊技機100の内部構成について説明する。図2は、本発明にかかる実施の形態のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部200は、遊技の進行を制御する主制御部201と、演出内容を制御する演出制御部202と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部203とを備えている。以下にそれぞれの制御部について詳細に説明する。
【0029】
(1.主制御部)
主制御部201は、CPU(Central Processing Unit)211と、ROM(Read Only Memory)212と、RAM(Random Access Memory)213と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
【0030】
CPU211は、メイン制御処理(不図示)、タイマ割込処理(図6参照)など、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行に関する各種プログラムを実行する。ROM212には、CPU211が上記の処理を実行するために必要となるプログラムやテーブル(たとえば当たり判定テーブル)などが記憶されている。RAM213は、CPU211のワークエリアとして機能する。CPU211が上記の各種プログラムを実行することによりRAM213に設定されたデータは、所定のタイミングで主制御部201に接続された各構成に対して送信される。
【0031】
すなわち、主制御部201は、CPU211がRAM213をワークエリアとして使用しながら、ROM212に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。たとえば、主制御部201は、主制御基板(公知の技術のため詳細な説明は省略する)によって実現される。
【0032】
主制御部201には、遊技球を検出する検出手段として機能する各種スイッチ(SW)、大入賞口109などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113、保留球数表示部114などが接続される。
【0033】
具体的に、上記の各種SWとしては、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW221と、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW222と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW223と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW224と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW225とが主制御部201に接続される。
【0034】
それぞれのSW(221〜225)による検出結果は主制御部201へ入力される。これらのSWには、近接スイッチなどを用いることができる。なお、普通入賞口SW225は、普通入賞口110の配置位置別に複数個設けてもよい。
【0035】
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド231、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド232とが主制御部201に接続される。主制御部201は、それぞれのソレノイド(231,232)に対する駆動を制御する。たとえば、主制御部201は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて電動チューリップソレノイド231の駆動を制御する。主制御部201は、大当たり抽選の抽選結果に基づいて大入賞口ソレノイド232の駆動を制御する。
【0036】
また、主制御部201は、大当たり抽選(第1大当たり抽選、第2大当たり抽選)、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113の表示内容を制御する。たとえば、主制御部201は、第1大当たり抽選をおこなうと第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示させる。そして、所定期間経過後に、第1大当たり抽選の抽選結果を示す図柄にて第1特別図柄を停止表示させる。
【0037】
同様に、主制御部201は、第2大当たり抽選をおこなうと第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を、普通図柄抽選をおこなうと普通図柄表示部113の普通図柄を、変動/停止表示させる。
【0038】
さらに、主制御部201は、演出制御部202および賞球制御部203にも接続され、それぞれに対して各種コマンドを送信する。たとえば、主制御部201は、大当たり抽選をおこなうと、演出制御部202に対して変動開始コマンドを送信する。ここで、変動開始コマンドには、大当たり抽選の抽選結果(停止表示させる特別図柄の種類)、遊技状態や、大当たり抽選の抽選結果を示すまでに特別図柄を変動表示させる時間(以下「変動時間」という)などを示す情報が含まれている。
【0039】
また、主制御部201は、各入賞口(始動口105,106、大入賞口109、普通入賞口110)へ入賞した遊技球を検出すると、賞球制御部203に対して賞球コマンドを送信する。ここで、賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数などを示す情報が含まれている。
【0040】
(2.演出制御部)
演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとによって構成され、ぱちんこ遊技機100の演出内容を制御する機能を有する。ここで、演出統括部202aは、主制御部201から受信したコマンド(たとえば変動開始コマンド)に基づいて演出制御部202全体を統括する機能を有している。画像・音声制御部202bは、演出統括部202aからの指示に基づき、画像および音声の制御をおこなう機能を有している。ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯を制御する機能を有している。
【0041】
(2−1.演出統括部)
まず、演出統括部202aの構成について説明する。演出統括部202aは、CPU241と、ROM242と、RAM243と、リアルタイムクロック(以下「RTC」という)244と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
【0042】
CPU241は、演出タイマ割込処理(図11参照)など、演出制御部202全体を統括するための各種プログラムを実行する。ROM242には、CPU241が上記の処理を実行するために必要となるプログラムやテーブル(たとえば変動演出パターンテーブル)などが記憶されている。RAM243は、CPU241のワークエリアとして機能する。CPU241がプログラムを実行することによりRAM243にセットされたデータは、所定のタイミングで画像・音声制御部202bおよびランプ制御部202cに対して送信される。
【0043】
すなわち、演出統括部202aは、CPU241がRAM243をワークエリアとして使用しながら、ROM242に記憶されたプログラムを実行することによって、演出制御部202全体を統括するように機能する。たとえば、演出統括部202aは、変動開始コマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて実行する演出を決定し、画像・音声制御部202b、ランプ制御部202cに所定の処理を実行するように指示出力して、演出制御部202全体を統括する。
【0044】
RTC(Real Time Clock)244は、実時間を計時出力する計時手段として機能する。RTC244は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されてもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。なお、RTC244は、演出統括部202aなど演出制御部202内に配置する例に限らず、主制御部201内に配置してもよい。また、RTC244は、単独で配置して演出制御部202や主制御部201に対して実時間を計時出力してもよい。
【0045】
また、演出統括部202aには演出ボタン119や十字キー120が接続されている。演出ボタン119や十字キー120は、遊技者によって操作されたキーに対応する入力信号を演出統括部202aへ入力する。
【0046】
(2−2.画像・音声制御部)
つぎに、画像・音声制御部202bの構成について説明する。画像・音声制御部202bは、CPU251と、ROM252と、RAM253と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
【0047】
CPU251は、画像・音声の生成処理、および出力処理を実行する。ROM252には、画像・音声の生成処理、および出力処理を実行するためのプログラム、該処理に必要となる背景画像・演出用の図柄(以下「装飾図柄」という)・キャラクタ画像など各種画像データや各種音声データなどが記憶されている。RAM253は、CPU251のワークエリアとして機能するとともに、画像表示部104に表示させる画像データやスピーカ254から出力させる音声データが一時的に格納される。たとえば、RAM253には、画像表示部104に表示させる画像データが一時的に格納されるVRAM(Video RAM)などが含まれる。
【0048】
すなわち、画像・音声制御部202bは、CPU251がRAM253をワークエリアとして使用しながら、ROM252に記憶されたプログラムを実行することによって、演出統括部202aからの指示に基づき、画像表示部104に表示させる画像や、スピーカ254から出力させる音声の制御をおこなうように機能する。
【0049】
たとえば、CPU251は、演出統括部202aから指示された指示内容に基づいて、画像表示部104に表示する表示内容を制御する表示制御処理(不図示)、スピーカ254から出力される音声内容を制御する音声制御処理(不図示)などを実行する。このときには、CPU251は、処理に必要な画像データおよび音声データをROM252から読み出してRAM253に書き込む。
【0050】
RAM253に書き込まれた背景画像や装飾図柄などの画像データは、画像・音声制御部202bに接続された画像表示部104に対して出力され、画像表示部104の表示画面上において重畳表示される。すなわち、装飾図柄は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。なお、同一位置に背景画像と装飾図柄が重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、装飾図柄を優先してRAM253に記憶させる。
【0051】
また、RAM253に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部202bに接続されたスピーカ254に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ254から出力される。
【0052】
(2−3.ランプ制御部)
つぎに、ランプ制御部202cの構成について説明する。ランプ制御部202cは、CPU261と、ROM262と、RAM263と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU261は、ランプを点灯させる処理などを実行する。ROM262には、上記の処理を実行するために必要となる各種プログラム、該処理に必要となるランプ点灯に用いる制御データなどが記憶されている。RAM263は、CPU261のワークエリアとして機能する。
【0053】
ランプ制御部202cは、演出ライト部(枠ランプ)116と、盤ランプ264と演出役物265と接続され、点灯制御するデータや動作制御するデータを出力する。これにより、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯、演出役物265の動作を制御するように機能する。
【0054】
本実施の形態では、演出制御部202は、演出統括部202aと画像・音声制御部202bとランプ制御部202cとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
【0055】
(3.賞球制御部)
つぎに、賞球制御部203の構成について説明する。賞球制御部203は、CPU281と、ROM282と、RAM283と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU281は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM282には、該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。RAM283は、CPU281のワークエリアとして機能する。
【0056】
また、賞球制御部203は、払出部(払出駆動モータ)291と、発射部292と、定位置検出SW293と、払出球検出SW294と、球有り検出SW295と、満タン検出SW296と接続される。
【0057】
賞球制御部203は、払出部291に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部203は、払出部291に対して各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
【0058】
また、賞球制御部203は、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部203は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
【0059】
また、この賞球制御部203には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW293、払出球検出SW294、球有り検出SW295、満タン検出SW296等がある。たとえば、賞球制御部203は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
【0060】
上記構成の主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板)に設けられる。これに限らず、たとえば、賞球制御部203は、主制御部201と同一のプリント基板上に設けることもできる。
【0061】
また、主制御部201には、盤用外部情報端子基板297が接続されており、主制御部201が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部203についても、枠用外部情報端子基板298が接続されており、賞球制御部203が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
【0062】
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
つぎに、本実施の形態のぱちんこ遊技機100の基本動作の一例について説明する。ぱちんこ遊技機100は、遊技球が第1始動口105または第2始動口106へ入賞すると、遊技球が入賞した始動口に応じた大当たり抽選をおこなう。たとえば、遊技球が第1始動口105へ入賞した場合に、ぱちんこ遊技機100は第1大当たり抽選をおこなう。このとき、ぱちんこ遊技機100は、第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示する。そして、この変動表示開始から所定期間経過後に、第1大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で第1特別図柄を停止表示する。
【0063】
また、遊技球が第2始動口106へ入賞した場合に、ぱちんこ遊技機100は第2大当たり抽選をおこなう。このとき、ぱちんこ遊技機100は、第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を変動表示する。そして、この変動表示開始から所定期間経過後に、第2大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で第2特別図柄を停止表示する。
【0064】
ぱちんこ遊技機100は、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)を変動表示すると、それに合わせて画像表示部104の装飾図柄(たとえば3つの数字)を変動表示する。そして、特別図柄を停止表示すると、装飾図柄を停止表示する。たとえば、特別図柄を大当たりを示す所定の図柄で停止表示させた場合(第1大当たり抽選または第2大当たり抽選にて大当たりに当選した)には、ぱちんこ遊技機100は、大当たりを示す組み合わせ(たとえば「7・7・7」。いわゆるゾロ目)で装飾図柄を停止表示する。
【0065】
大当たりを示す組み合わせで装飾図柄を停止表示すると、ぱちんこ遊技機100は大当たり遊技状態となり、当選した大当たりに応じたラウンド分(たとえば15ラウンド)、大入賞口109を開放する。この開放中に、遊技球が大入賞口109へ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。なお、大当たり遊技状態中に、ぱちんこ遊技機100は、大当たり抽選をおこなわない。大当たり遊技状態は当選したラウンド分の大入賞口109の開放が完了すると終了する。
【0066】
ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態を終了させると、再び、大当たり抽選をおこなう遊技状態へ復帰する。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、確変当たりによる大当たり遊技状態を終了させた場合には確変遊技状態となり、通常当たりによる大当たり遊技状態を終了させた場合には時短遊技状態となる。また、潜確当たりによる大当たり遊技状態を終了させた場合には潜確遊技状態となる。以下にそれぞれの遊技状態について説明する。
【0067】
(ぱちんこ遊技機の遊技状態)
通常遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機100は、低確率遊技状態用の当たり判定テーブル(不図示)を用いた大当たり抽選をおこない、たとえば、1/300の確率で大当たりに当選する大当たり抽選をおこなう。また、通常遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機100は、電動チューリップ107の開閉による遊技サポート機能(以下「電チューサポート機能」という)を付与しない。
【0068】
電チューサポート機能の具体的な内容としては、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、たとえば、普通図柄の変動時間の短縮および普通図柄当たりの当選確率のアップ(電動チューリップ107の開放頻度の増加)や、電動チューリップ107の開放時間の長時間化などが挙げられる。すなわち、電チューサポート機能が付与されていない通常遊技状態では、第2始動口106へ遊技球が入賞し難くなっている。
【0069】
時短遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機100は、通常遊技状態と同様に低確率遊技状態用の当たり判定テーブルを用いた大当たり抽選をおこなうが、電チューサポート機能を付与する。このため、電チューサポート機能が付与された時短遊技状態では、電チューサポート機能が付与されていない通常遊技状態などに比べて、第2始動口106へ遊技球が入賞し易くなる。
【0070】
確変遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機100は、高確率遊技状態用の当たり判定テーブル(不図示)を用いた大当たり抽選をおこない、たとえば、1/30の確率で大当たりに当選する大当たり抽選をおこなう。つまり、確変遊技状態では、通常遊技状態や時短遊技状態に比べて、高い確率で大当たりに当選する大当たり抽選をおこなう。さらに、ぱちんこ遊技機100は、確変遊技状態では電チューサポート機能を付与する。
【0071】
潜確遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機100は、確変遊技状態と同様に高確率遊技状態用の当たり判定テーブルを用いた大当たり抽選をおこなうが、電チューサポート機能を付与しない。このため、電チューサポート機能が付与されない潜確遊技状態では、電チューサポート機能が付与された確変遊技状態などに比べて、第2始動口106へ遊技球が入賞し難くなる。
【0072】
たとえば、ぱちんこ遊技機100は、前述のように大当たりを契機として遊技状態の移行をおこなうほか、前回の遊技状態の移行後、規定回数の大当たり抽選をおこなったときに、つぎの遊技状態の移行をおこなってもよい。このとき、移行先の遊技状態は、ぱちんこ遊技機100の製造者によってあらかじめ決定されているものとする。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、時短遊技状態で100回の大当たり抽選をおこなうと、通常遊技状態へ移行する。
【0073】
(ぱちんこ遊技機がおこなう演出の一例)
つぎに、ぱちんこ遊技機100がおこなう演出の一例について説明する。図3は、本実施の形態のぱちんこ遊技機がおこなう演出の一例を示す説明図である。図3に示すように、ぱちんこ遊技機100は、通常演出モードM1と、潜伏演出モードM2と、確変演出モードM3と、時短演出モードM4との複数の演出モードを有する。
【0074】
たとえば、通常遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機100は、通常演出モードM1で演出をおこなう。通常演出モードM1であるとき、ぱちんこ遊技機100は、複数の選択肢を遊技者に提示する選択肢提示演出をおこなう。本実施の形態では一例として、ぱちんこ遊技機100は、選択肢提示演出中に、画像表示部104の表示画面上に「ヒーロー(男性キャラクタ)」と「ヒロイン(女性キャラクタ)」とを選択可能な選択肢として表示する(図20参照)。
【0075】
そして、ぱちんこ遊技機100は、演出ボタン119や十字キー120などにより遊技者からの操作を受け付けて、遊技者が「ヒーロー」または「ヒロイン」を選択できるようにする。選択肢提示演出中に、遊技者が「ヒーロー」または「ヒロイン」を選択しなかった場合、ぱちんこ遊技機100は「操作無し」と判定する。
【0076】
選択肢提示演出において遊技者により選択肢(「ヒーロー」または「ヒロイン」)が選択されると、ぱちんこ遊技機100は、選択肢提示演出を終了させて、この選択肢提示演出で選択された選択肢を遊技者に示唆する演出をおこなう。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、「ヒーロー」が選択された場合、画像表示部104の表示画面上で「ヒーロー」を強調表示する。
【0077】
また、選択肢提示演出において遊技者により選択肢が選択されなかった場合、ぱちんこ遊技機100は、予め定めた条件により選択された選択肢を自動的に選択して、この選択肢を遊技者に示唆する演出をおこなう。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、遊技者により選択肢が選択されなかった場合、選択肢提示演出の終了時に、予め定められた特定の選択肢である「ヒーロー」を自動的に選択して、「ヒーロー」を強調表示する。
【0078】
また、操作がなく、自動的に選択肢を選択する場合、ぱちんこ遊技機100は任意の抽選方法を用いた抽選をおこなって、ランダムにいずれかの選択肢を選択するようにしてもよい。ぱちんこ遊技機100は、選択肢提示演出をおこなうと、選択肢提示演出に関する実行・操作履歴情報を記憶する。
【0079】
(実行・操作履歴情報について)
図4は、実行・操作履歴情報の内容を示す説明図である。図4に示すように、実行・操作履歴情報400は、選択肢提示演出をおこなった際の時刻(実時間)と、選択肢に応じた演出(たとえば強調表示されたキャラクタ)と、選択肢提示演出中の操作有無とを対応づけて構成される。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、選択肢提示演出の開始時にRTC244を参照して、RTC244により計時された時刻を記憶する。
【0080】
また、ぱちんこ遊技機100は、それぞれの時刻でおこなわれた選択肢提示演出に対して、選択肢提示演出終了時におこなった演出が、「ヒーロー」である場合(たとえば「ヒーロー」を強調表示した場合)には「ヒーロー」を対応づけ、「ヒロイン」である場合(たとえば「ヒロイン」を強調表示した場合)には「ヒロイン」を対応づけて、記憶する。また、遊技者の操作により「ヒーロー」や「ヒロイン」の強調表示をおこなった場合は「操作有」を対応づけ、自動的に「ヒーロー」や「ヒロイン」の強調表示をおこなった場合は「操作無」を対応づけて、記憶する。
【0081】
ぱちんこ遊技機100は、ぱちんこ遊技機100が起動されてからおこなった選択肢提示演出に対して実行・操作履歴情報400を記憶してもよいし、所定期間内(たとえば現在時刻から1時間以内)におこなった選択肢提示演出の実行・操作履歴情報400を記憶してもよい。さらに、直近の規定回数分の選択肢提示演出の実行・操作履歴情報400を記憶することとしてもよい。
【0082】
また、ぱちんこ遊技機100は、所定のタイミングで、実行・操作履歴情報400をクリアしてもよい。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、所定期間(たとえば1時間)、選択肢提示演出がおこなわれなかった場合、実行・操作履歴情報400をクリアする。こうすることで、ぱちんこ遊技機100は、前の遊技者により蓄積された実行・操作履歴情報400で、新たに遊技を開始する遊技者に対しても演出をおこなってしまうことを防止することができる。
【0083】
通常演出モードM1中におこなった大当たり抽選で潜確当たりまたは小当たりに当選すると(図3中の符号Aの矢印を参照)、ぱちんこ遊技機100は潜伏演出モードM2へ移行させる。ここで、小当たりは、特定のハズレ(たとえば通常のハズレとは異なる図柄であらわされるハズレ)とすることができる。つまり、潜確遊技状態(潜確当たり当選後)または通常遊技状態(小当たり当選後)であるときに、ぱちんこ遊技機100は、潜伏演出モードM2で演出をおこなう。
【0084】
潜伏演出モードM2は、ヒーロー演出モードM2aと、ヒロイン演出モードM2bとからなる。ぱちんこ遊技機100は、潜確当たりまたは小当たりに当選すると、ヒーロー演出モードM2aまたはヒロイン演出モードM2bのいずれかへ移行させる。潜確当たりであれば潜確遊技状態となっているため(小当たりであれば通常遊技状態)、ヒーロー演出モードM2aまたはヒロイン演出モードM2bへ移行すると、遊技者に「大当たりが近いかもしれない」といった期待感を与えることができる。
【0085】
ここで、ヒーロー演出モードM2aとヒロイン演出モードM2bとのいずれへ移行させるかは、実行・操作履歴情報400を参照して決定する。たとえば、実行・操作履歴情報400を参照し、実行・操作履歴情報400でもっとも多い操作が「ヒーロー」(の選択)だった場合、ぱちんこ遊技機100はヒーロー演出モードM2aへ移行させる。同様に、もっとも多い操作が「ヒロイン」(の選択)だった場合、ぱちんこ遊技機100はヒロイン演出モードM2bへ移行させる。もっとも多い操作が「操作無」だった場合、ぱちんこ遊技機100は任意の抽選方法により演出モードを決定するための抽選をおこない、この抽選結果にしたがって、ヒーロー演出モードM2aまたはヒロイン演出モードM2bのいずれかにランダムで移行させる。また、たとえば、ぱちんこ遊技機100は、実行・操作履歴情報400が所定数以下(たとえば3以下)の場合も、ヒーロー演出モードM2aまたはヒロイン演出モードM2bのいずれかにランダムで移行させるようにしてよい。
【0086】
さらに、ぱちんこ遊技機100は、それぞれの演出モードで演出の信頼度を異ならせることができる。たとえば、本実施の形態でぱちんこ遊技機100は、ヒーロー演出モードM2aでの「ヒーローリーチ演出」の信頼度を、他の演出モードでの「ヒーローリーチ演出」の信頼度よりも高く設定する。ぱちんこ遊技機100は、ヒロイン演出モードM2bでの「ヒロインリーチ演出」の信頼度を、他の演出モードでの「ヒロインリーチ演出」の信頼度よりも高く設定する。
【0087】
また、通常演出モードM1中におこなった大当たり抽選で確変当たりに当選すると(図3中の符号Bの矢印を参照)、ぱちんこ遊技機100は確変演出モードM3へと移行させる。通常当たりに当選すると(図3中の符号Cの矢印を参照)、ぱちんこ遊技機100は時短演出モードM4へと移行させる。
【0088】
なお、図3での図示は省略するが、たとえば、ぱちんこ遊技機100は、ヒーロー演出モードM2aまたはヒロイン演出モードM2bで、潜確当たりや確変当たりに当選した場合は確変演出モードM3へ移行させ、通常当たりに当選した場合は時短演出モードM4へ移行させる。
【0089】
このように、ぱちんこ遊技機100は、選択肢提示演出により、遊技者の嗜好(たとえばキャラクタの好き嫌いや、操作の好き嫌い)を収集し、これに応じて、演出内容(たとえば演出モード)や演出の信頼度を異ならせることができる。これにより、ぱちんこ遊技機100は、遊技者に合わせた演出をおこなうことができ、興趣性の向上を図ることができる。
【0090】
(本実施の形態のぱちんこ遊技機の機能的構成)
つぎに、ぱちんこ遊技機100の機能的構成について説明する。図5は、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の機能的構成を示すブロック図である。図5に示すように、ぱちんこ遊技機100は、検出部501と、判定部502と、図柄制御部503と、演出実行部504と、操作受付部505とを備える。
【0091】
検出部501は、遊技盤101上の始動領域を通過した遊技球を検出する機能を有する。たとえば、検出部501は、図5に示すように第1始動口SW221または第2始動口SW222と接続され、第1始動口SW221または第2始動口SW222からの検出信号を受け付ける。これにより、検出部501は、第1始動口105、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する。検出部501は、第1始動口105や第2始動口106へ入賞した遊技球を検出すると、その検出結果を判定部502へ出力する。
【0092】
判定部502は、検出部501からの検出結果を受け付けると、遊技者にとって有利な遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かの判定をおこなう機能を有する。たとえば、判定部502は、大入賞口109を開放することにより、遊技者が多数の賞球を獲得可能な大当たり遊技状態とするかを判定する。
【0093】
この場合、判定部502は、検出部501から検出結果を受け付けると、当たり判定用の乱数(以下「当たり乱数」という)を取得する。そして、所定のタイミング(たとえば変動開始時や入賞時)で、取得された当たり乱数と当たり判定テーブルとを用いて、当たり判定をおこなう。当たり判定において、判定部502は、取得された当たり乱数が、当たり判定テーブルにおいて「大当たり」とされる所定値と一致するかを判定する。一致すれば大当たりと判定して、一致しなければハズレと判定する。判定部502は、大当たりとハズレと小当たりとの中からいずれとするかを判定してもよい。
【0094】
また、ここで、複数種類の当たり(たとえば確変当たり、通常当たり、潜確当たり)を設けて、判定部502は、当たりか否かだけでなく、当たりであった場合にいずれの当たりとするかの判定(以下「図柄判定」という)をおこなってもよい。本実施の形態において、大当たり抽選は、当たり判定と図柄判定とを合わせたものをいう。
【0095】
また、たとえば、ここで、判定部502は、遊技状態設定部502aと接続される。遊技状態設定部502aは、大当たり抽選の抽選結果(たとえば当たり判定結果や図柄判定結果)や、大当たり抽選の抽選回数(当たり判定回数)に基づき、遊技状態を設定する機能を有する。この場合、判定部502は、遊技状態設定部502aにより設定中の遊技状態に応じた大当たり抽選をおこなう。
【0096】
たとえば、判定部502は、遊技状態設定部502aにより低確率遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態)が設定されている場合には、前述したように1/300の確率で大当たりに当選する当たり判定をおこなう。また、判定部502は、高確率遊技状態(確変遊技状態、潜確遊技状態)が設定されている場合には、前述したように10/300の確率で大当たりに当選する当たり判定をおこなう。また、判定部502は、遊技球が入賞した始動口(第1始動口105、第2始動口106)に応じて、異なる抽選内容で大当たり抽選(たとえば異なる図柄判定)をおこなってもよい。判定部502は、上記の判定(たとえば当たり判定)をおこなうと、その判定結果を図柄制御部503へ出力する。
【0097】
図柄制御部503は、判定部502から判定結果を受け付けると、当該判定結果に応じた図柄変動をおこなう機能を有する。たとえば、図柄制御部503は、図5に示すように、特別図柄表示部112と接続され、特別図柄表示部112に表示させた特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)を変動表示および停止表示をおこなう。
【0098】
この場合、図柄制御部503は、判定部502から判定結果を受け付けると、所定期間、特別図柄表示部112に表示させた特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示をおこない、所定期間が経過したときには、判定部502から判定結果(たとえば大当たり抽選の抽選結果)を示す図柄を停止表示する。
【0099】
また、図柄制御部503は、画像表示部104と接続され、画像表示部104に表示させた装飾図柄の表示制御をおこなってもよい。この場合、図柄制御部503は、判定部502から判定結果を受け付けると、所定期間、画像表示部104に表示させた複数(たとえば3つ)の装飾図柄の変動表示をおこない、所定期間が経過したときには、判定部502から判定結果(たとえば大当たり抽選の抽選結果)を示す組み合わせで装飾図柄を停止表示する。図柄制御部503は、図柄変動をおこなう際に、当該図柄変動に関する情報(たとえば後述する変動開始コマンドの情報)を演出実行部504へ出力する。
【0100】
演出実行部504は、図柄制御部503から図柄変動に関する情報を受け付けると、当該図柄変動に応じた演出を実行する機能を有する。ここで、演出実行部504は、図5に示すように、第1演出部504aと、第2演出部504bと、決定部504cと、第3演出部504dと、記憶部504eとを備えている。
【0101】
第1演出部504aは、複数の選択肢を提示する演出を実行する機能を有する。たとえば、第1演出部504aは、所定のタイミングで前述した選択肢提示演出を実行する。たとえば、第1演出部504aは、図柄変動がおこなわれた際に変動演出としての選択肢提示演出をおこなう。また、第1演出部504aは、図柄を変動させていない所定期間(たとえば客待ち中)、遊技者により開始が指示されたとき、大当たり中など、任意のタイミングで選択肢提示演出をおこなってよい。たとえば、第1演出部504aは、記憶部504eと接続されており、選択肢提示演出をおこなうと、選択肢提示演出をおこなった時刻を実行・操作履歴情報400として記憶部504eに記憶させる。
【0102】
第2演出部504bは、第1演出部504aによる演出の実行中に、後述する操作受付部505を介して遊技者からの操作を受け付けて、操作された場合は複数の選択肢のうち操作により選択された選択肢に応じた演出内容の演出を実行し、操作されなかった場合は複数の選択肢のうち予め定めた条件により選択された選択肢に応じた演出内容の演出を実行する機能を有する。
【0103】
たとえば、第2演出部504bは、第1演出部504aによる選択肢提示演出の実行中に、遊技者により操作された場合、この操作で選択された選択肢(たとえば「ヒーロー」)に応じた演出内容の演出を実行する(たとえば「ヒーロー」を強調表示する)。一方、遊技者により操作されなかった場合は、予め定めた特定の選択肢(たとえば「ヒーロー」)に応じた演出を実行したり、いずれの選択肢に応じた演出をおこなうかを抽選などによりランダムに決定し、この抽選結果に応じた演出をおこなったりしてもよい。
【0104】
第2演出部504bは、記憶部504eと接続されており、選択肢提示演出中の遊技者の操作の有無と、選択肢提示演出後におこなった演出を示す情報とを実行・操作履歴情報400として記憶部504eに記憶させる。
【0105】
また、たとえば、第2演出部504bは、遊技者により操作された場合、操作された時点で選択された選択肢に応じた演出内容の演出を実行する。一方、遊技者により操作されなかった場合、所定のタイミングで所定の選択肢に応じた演出内容の演出を実行する。ここで、所定のタイミングとしては、選択肢提示演出が終了するタイミングや、選択肢提示演出中の期間であって操作受付可能な期間として予め定められた有効期間(たとえば選択肢提示演出開始時より5秒間)が終了するタイミングとすることができる。
【0106】
決定部504cは、第2演出部504bにより実行された演出に基づき、以降におこなう演出の演出内容を決定する機能を有する。ここで、決定部504cは、所定の選択肢に応じた演出内容の演出が第2演出部504bにより実行された場合、当該演出が操作により実行されたか否かに基づいて、以降におこなう演出の演出内容を決定する。
【0107】
たとえば、決定部504cは、図5に示すように記憶部504eと接続されており、記憶部504eに記憶された実行・操作履歴情報400を参照して、所定の選択肢に応じた演出内容の演出が遊技者の操作により実行されたか否かを判定する。そして、所定の選択肢に応じた演出内容の演出が遊技者の操作により実行されている場合には、この選択肢に応じた演出内容の演出に決定し、遊技者の操作により実行されていない場合には、たとえばランダムに演出内容を決定する。
【0108】
具体的に、たとえば、実行・操作履歴情報400を参照したところ、第2演出部504bにより「ヒーロー」を強調表示する演出がおこなわれていたとする。この場合、決定部504cは、この「ヒーロー」を強調表示する演出が、操作に応じて実行されたか、操作がなくて自動的に実行されたかを判定する。そして、操作に応じて実行されたと判定した場合は、ヒーロー演出モードM2aとすると決定する。自動的に実行されたと判定した場合は、ランダムでヒーロー演出モードM2aとするかヒロイン演出モードM2bとするかを決定する。
【0109】
また、決定部504cは、第2演出部504bにより実行された所定回数の演出に基づき、当該所定回数の演出の中に、予め定めた選択肢に応じた演出内容の演出が含まれていた場合、当該予め定めた選択肢に応じた演出内容の第2演出の、操作により実行された回数と操作がなくて実行された回数とに基づいて、以降におこなう演出の演出内容を決定してもよい。たとえば、この場合、決定部504cは、第2演出部504bにより実行された「ヒーロー」を強調表示する演出が、操作に応じて実行された回数と、操作がなくて自動的に実行された回数とを比較し、操作に応じて実行された回数の方が多ければ、ヒーロー演出モードM2aとすると決定する。自動的に実行された回数の方が多ければ、ランダムでヒーロー演出モードM2aとするかヒロイン演出モードM2bとするかを決定する。
【0110】
第3演出部504dは、決定部504cにより決定された演出内容で演出を実行する機能を有する。たとえば、第3演出部504dは、決定部504cによりヒーロー演出モードM2aとすると決定されていた場合、ヒーロー演出モードM2a用の背景画像などを表示する演出をおこなう。また、ヒロイン演出モードM2bとすると決定されていた場合、ヒロイン演出モードM2b用の背景画像などを表示する演出をおこなう。これにより、ぱちんこ遊技機100は、そのときの演出モードを遊技者に示唆することができる。
【0111】
また、第3演出部504dは、特別演出選択部504fにより選択された特別演出を実行してもよい。ここで、特別演出とは、遊技者に特定遊技(たとえば大当たり)となることを期待させることができる演出とすることができ、たとえば、リーチ演出とすることができる。
【0112】
特別演出選択部504fは、判定部502による判定結果と、第2演出部504bにより実行された演出とに基づいて、期待度の異なる複数の特別演出(たとえばリーチ演出)のうち一の特別演出を選択する機能を有している。たとえば、特別演出選択部504fは、第2演出部504bにより実行された所定回数の演出に基づき、当該所定回数の演出の中に、予め定めた選択肢に応じた演出内容の演出が含まれていた場合、当該予め定めた選択肢に応じた演出内容の演出の、操作により実行された回数と操作がなくて実行された回数とに基づいて、一の特別演出を選択する。
【0113】
ここで、特別演出選択部504fは、ヒーローリーチ演出、ヒロインリーチ演出、脇役リーチ演出の3つのリーチ演出を有しており、この中からリーチ演出を選択するとする。この場合に、第2演出部504bにより実行された「ヒーロー」を強調表示する演出が、操作に応じて実行された回数と、操作がなくて自動的に実行された回数とを比較し、操作に応じて実行された回数の方が多ければ(たとえばヒーロー演出モードM2aであるとき)、ヒーローリーチ演出の大当たりへの期待度が他のリーチ演出に対して相対的に高くなるように、リーチ演出を選択する。「ヒロイン」を強調表示する演出の実行された回数がもっとも多ければ(たとえばヒロイン演出モードM2bであるとき)、ヒロインリーチ演出の大当たりへの期待度が他のリーチ演出に対して相対的に高くなるように、リーチ演出を選択する。
【0114】
具体的に、たとえば、特別演出選択部504fは、ヒーロー演出モードM2aの場合、大当たり時にはヒーローリーチ演出が選択され易く、ハズレ時にはヒーローリーチ演出が選択され難く定められた変動演出パターンテーブル(図14−3および図14−4を参照)を用いて変動演出パターンを選択することで、ヒーローリーチ演出の大当たりへの信頼度を高めることで、ヒーローリーチ演出の大当たりへの期待度が高くなるようにする。
【0115】
操作受付部505は、ぱちんこ遊技機100の遊技者からの操作を受け付ける機能を有する。たとえば、図5に示すように、操作受付部505には演出ボタン119や十字キー120などが接続され、これらからの入力信号を受け付けることにより、操作受付部505は、ぱちんこ遊技機100の遊技者からの操作を受け付ける。操作受付部505は、遊技者からの操作を受け付けると、当該操作に基づく情報を演出実行部504(たとえば第2演出部504b)へ出力する。
【0116】
なお、検出部501と判定部502と図柄制御部503との各機能部は、主制御部201のCPU211がROM212に記憶された各種プログラムを実行することによりその機能を実現することができる。図柄制御部503は、演出統括部202aのCPU241がROM242に記憶された各種プログラムを実行することによりその機能を実現してもよい。また、演出実行部504と操作受付部505との各機能部は、演出統括部202aのCPU241がROM242に記憶された各種プログラムを実行することによりその機能を実現することができる。
【0117】
(ぱちんこ遊技機がおこなう処理)
つぎに、ぱちんこ遊技機100が前述した動作を実現するために、ぱちんこ遊技機100がおこなう処理について説明する。
【0118】
(主制御部がおこなう処理)
まず、ぱちんこ遊技機100の主制御部201がおこなう処理について説明する。以下で説明する主制御部201の各処理は、主制御部201のCPU211がROM212に記憶されたプログラムを実行することによりおこなうものである。
【0119】
(タイマ割込処理)
図6は、タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。主制御部201は、電源の供給が開始されると、起動時処理や電源遮断監視処理などを含んだメイン制御処理(不図示)の実行を開始し、このメイン制御処理を主制御部201への電源の供給中、継続的に実行する。そして、主制御部201は、このメイン制御処理に対して、図6に示すタイマ割込処理を所定周期(たとえば4ms)ごとに割り込み実行する。
【0120】
図6に示すように、タイマ割込処理において、主制御部201は、まず、主制御部201がおこなう各種抽選に用いる乱数の更新をおこなう乱数更新処理を実行する(ステップS601)。主制御部201は、この乱数更新処理において、当たり判定(図8のステップS801参照)に用いる当たり乱数、図柄判定(図8のステップS804,S808参照)に用いる図柄乱数、リーチ判定(詳細な説明は省略)に用いるリーチ乱数、変動パターン判定(詳細な説明は省略)に用いる変動パターン乱数などの更新をおこなう。
【0121】
つぎに、主制御部201は、遊技球の検出に関するスイッチ処理を実行する(ステップS602)。主制御部201は、このスイッチ処理において、始動口(第1始動口105、第2始動口106)に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ処理、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ処理、大入賞口109・普通入賞口110に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ処理などをおこなう。
【0122】
公知の技術であるためスイッチ処理の詳細な内容については説明および図示を省略するが、たとえば、主制御部201は、始動口スイッチ処理により、第1始動口105、第2始動口106などへの遊技球の入賞を検出する。そして、入賞を検出した始動口に応じた保留数U1(第1始動口105の保留数)、または保留数U2(第2始動口106の保留数)に「1」加算するとともに、当該入賞に対して、当たり乱数・リーチ乱数・変動パターン乱数・図柄乱数などの各種乱数を取得して、RAM213に格納しておく。また、大入賞口109、普通入賞口110への遊技球の入賞を検出して、入賞した入賞口に対応する賞球コマンドをRAM213に設定する。
【0123】
つぎに、主制御部201は、特別図柄および普通図柄に関する図柄処理を実行する(ステップS603)。ここで、図柄処理は、特別図柄に関する特別図柄処理と、普通図柄に関する普通図柄処理とからなる。特別図柄処理において主制御部201は、大当たり抽選をおこない、特別図柄を変動表示/停止表示させる(図7参照)。普通図柄処理において主制御部201は、普通図柄抽選をおこない、普通図柄を変動表示/停止表示させる(図示および詳細な説明は省略する)。
【0124】
図柄処理を実行すると、主制御部201は、各種電動役物の動作制御に関する電動役物制御処理を実行する(ステップS604)。公知の技術のため詳細な説明および図示は省略するが、電動役物制御処理には、電動チューリップ107の動作を制御する電動チューリップ制御処理、大入賞口109の動作を制御する大入賞口処理(図9参照)などが含まれる。
【0125】
つぎに、主制御部201は、賞球に関する賞球処理を実行して(ステップS605)、上記の各処理によりRAM213に設定されたコマンドを演出制御部202などに対して出力する出力処理を実行し(ステップS606)、タイマ割込処理を終了する。タイマ割込処理を終了すると、主制御部201はメイン処理へ戻る。
【0126】
(特別図柄処理)
図7は、特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。ここで、特別図柄処理は、図6のステップS603における図柄処理に含まれる一処理である。特別図柄処理において、主制御部201は、まず、当たり遊技フラグがONとなっているかを判定する(ステップS701)。ここで、当たり遊技フラグとは、たとえば、各種当たり(大当たり、小当たり)当選時にONに設定されるフラグであり、現在の遊技状態が当たり遊技状態(たとえば大当たり遊技状態)であることを示すフラグである。
【0127】
当たり遊技フラグがONであれば(ステップS701:Yes)、主制御部201は、特別図柄を変動表示させずにそのまま特別図柄処理を終了する。当たり遊技フラグがONでなければ(ステップS701:No)、主制御部201は、特別図柄を変動表示中であるかを判定する(ステップS702)。特別図柄を変動表示中でなければ(ステップS702:No)、主制御部201は、第2始動口106へ入賞した遊技球に対する保留数U2が1以上であるかを判定する(ステップS703)。
【0128】
保留数U2が1以上であれば(U2≧1)(ステップS703:Yes)、主制御部201は、保留数U2を「1」減算したものを新たな保留数U2として(ステップS704)、ステップS707へ移行する。保留数U2が0であれば(U2=0)(ステップS703:No)、主制御部201は、第1始動口105へ入賞した遊技球に対する保留数U1が1以上であるかを判定する(ステップS705)。
【0129】
保留数U1が0であれば(U1=0)(ステップS705:No)、主制御部201は、そのまま特別図柄処理を終了する。保留数U1が1以上であれば(U1≧1)(ステップS705:Yes)、主制御部201は、保留数U1を「1」減算したものを新たな保留数U1として(ステップS706)、ステップS707へ移行する。
【0130】
つづいて、主制御部201は、大当たり抽選処理をおこなう(ステップS707)。大当たり抽選処理の処理内容については図6を用いて後述する。大当たり抽選処理をおこなうと、主制御部201は、特別図柄の変動時間を定義した変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS708)。
【0131】
変動パターン選択処理により変動パターンを選択すると、主制御部201は、特別図柄表示部112にて特別図柄の変動表示を開始する(ステップS709)。このとき、第2大当たり抽選の抽選結果に基づいて変動表示させる場合は、第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を変動表示させる。第1大当たり抽選の抽選結果に基づいて変動表示させる場合は、第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示させる。
【0132】
特別図柄の変動表示開始に合わせ、主制御部201は、変動開始コマンドをRAM213に設定する(ステップS710)。ステップS710で設定される変動開始コマンドには、ステップS707の大当たり抽選処理の抽選結果やステップS708の変動パターン選択処理によって選択された変動パターンを示す情報などが含まれる。また、ステップS710で設定された変動開始コマンドは、図6のステップS606の出力処理の実行時に演出制御部202に対して出力される。
【0133】
つづいて、主制御部201は、変動表示開始時から所定の変動時間が経過したかを判定する(ステップS711)。ステップS711では、変動表示開始時からの経過時間が、変動表示開始直前に選択された変動パターンにより定義される変動時間となったかを判定する。所定の変動時間が経過していなければ(ステップS711:No)、主制御部201は、そのまま特別図柄処理を終了する。
【0134】
一方、変動時間が経過していれば(ステップS711:Yes)、主制御部201は、特別図柄表示部112にて変動表示中の特別図柄を停止表示し(ステップS712)、変動停止コマンドをRAM213に設定する(ステップS713)。ステップS713で設定された変動停止コマンドは、図6のステップS606の出力処理の実行時に演出制御部202に対して出力される。
【0135】
変動停止コマンドをRAM213にセットした後、主制御部201は、つづいて、遊技状態を示すフラグ(たとえば上記の当たりフラグ)を設定する停止中処理(不図示)を実行して(ステップS714)、特別図柄処理を終了する。たとえば、停止中処理では、当選した大当たりに基づき、高確遊技フラグや時短遊技フラグをONに設定する。また、大当たり抽選が所定回数おこなわれたときに、高確遊技フラグや時短遊技フラグをOFFに設定する。一方、ステップS702において特別図柄が変動表示中であるときには(ステップS702:Yes)、主制御部201は、ステップS711へ移行して変動時間が経過したかを判定し、上記の処理をおこなう。
【0136】
(大当たり抽選処理)
つぎに、図7のステップS707に示した大当たり抽選処理の処理内容について説明する。図8は、大当たり抽選処理の処理内容を示すフローチャートである。大当たり抽選処理において、主制御部201は、まず、今回の保留に対する当たり乱数と当たり判定テーブルとを比較し、当たり乱数が当たり判定テーブルにおいて当たり(大当たり・小当たり)とされる所定値と一致するかを判定する当たり判定をおこなう(ステップS801)。
【0137】
前述したように、ステップS801の当たり判定において、主制御部201は、現在の遊技状態が高確率遊技状態、すなわち、高確遊技フラグがONに設定されていれば、高確率遊技状態用の当たり判定テーブルを用いる。一方、現在の遊技状態が低確率遊技状態、すなわち、高確遊技フラグがOFFに設定されていれば、低確率遊技状態用の当たり判定テーブルを用いる。
【0138】
つぎに、ステップS801の判定結果に基づき、大当たり(当たり乱数が大当たりに対応する乱数値と一致)であるかを判定する(ステップS802)。大当たりであれば(ステップS802:Yes)、主制御部201は、今回の保留が第1始動口105または第2始動口106のどちらに入賞した遊技球に対するものかにより、第1始動口105に入賞した遊技球に対する大当たり図柄判定テーブル(不図示)か、第2始動口106に入賞した遊技球に対する大当たり図柄判定テーブル(不図示)かのどちらかを選択する(ステップS803)。
【0139】
そして、今回の保留に対する図柄乱数とステップS803で選択した大当たり図柄判定テーブルとを比較して、図柄乱数が大当たり図柄判定テーブルにおいて、どの内容の大当たりに対応する乱数値と一致するかを判定する大当たり図柄判定をおこなう(ステップS804)。大当たり図柄判定をおこなうと、主制御部201は、当該判定結果をあらわす図柄をRAM213に設定して(ステップS805)、大当たり抽選処理を終了する。
【0140】
一方、ステップS802において、大当たりでなければ(ステップS802:No)、主制御部201は、小当たり(当たり乱数が小当たりに対応する乱数値と一致)であるかを判定する(ステップS806)。小当たりであれば(ステップS806:Yes)、主制御部201は、今回の保留が第1始動口105または第2始動口106のどちらに入賞した遊技球に対するものかにより、第1始動口105に入賞した遊技球に対する小当たり図柄判定テーブル(不図示)か、第2始動口106に入賞した遊技球に対する小当たり図柄判定テーブル(不図示)かのどちらかを選択する(ステップS807)。
【0141】
そして、今回の保留に対する図柄乱数とステップS807で選択した小当たり図柄判定テーブルとを比較して、図柄乱数が小当たり図柄判定テーブルにおいて、どの内容の小当たりに対応する乱数値と一致するかを判定する小当たり図柄判定をおこなう(ステップS808)。小当たり図柄判定をおこなうと、主制御部201は、当該判定結果をあらわす図柄をRAM213に設定して(ステップS809)、大当たり抽選処理を終了する。
【0142】
また、ステップS806において、小当たりでなければ(ステップS806:No)、主制御部201は、通常のハズレであると判定して、ハズレをあらわす図柄をRAM213に設定して(ステップS810)、大当たり抽選処理を終了する。
【0143】
(大入賞口処理)
つぎに、図6のステップS604に示した電動役物制御処理に含まれる大入賞口処理の処理内容について説明する。図9は、大入賞口処理の処理内容を示すフローチャートである。大入賞口処理において、主制御部201は、まず、当たり遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS901)。当たり遊技フラグがONでなければ、すなわち、OFFであれば(ステップS901:No)、主制御部201は、そのまま大入賞口処理を終了する。
【0144】
当たり遊技フラグがONであれば(ステップS901:Yes)、主制御部201は、現在の主制御部201の状態が当たり遊技フラグをON直後のオープニング中であるかを判定する(ステップS902)。オープニング中であれば(ステップS902:Yes)、オープニング開始時から所定のオープニング期間が経過したかを判定する(ステップS903)。オープニング開始時から所定のオープニング期間が経過していなければ(ステップS903:No)、すなわち、オープニングの状態を継続する場合には、そのまま大入賞口処理を終了する。
【0145】
オープニング期間が経過していれば(ステップS903:Yes)、すなわち、オープニングの状態を終了する場合には、主制御部201は、つづいて、ラウンド数および大入賞口109の作動パターンを選択する(ステップS904)。ここで、ラウンド数および大入賞口109の作動パターンは、当選した大当たりの内容または小当たりの内容によって決定される。
【0146】
たとえば、主制御部201は、確変当たりや通常当たりに当選した場合に、ラウンド数を15ラウンド、大入賞口109の作動パターンを30秒開放×15回(15ラウンド分)と設定する。また、主制御部201は、潜確当たりに当選した場合に、ラウンド数を2ラウンド、大入賞口109の作動パターンを0.8秒開放×2回(2ラウンド分)と設定する。さらに、主制御部201は、小当たりに当選した場合に大入賞口109の作動パターンを0.8秒開放×2回と設定する。
【0147】
そして、大入賞口109へ入賞した遊技球の個数(入賞数)カウンタCの値を「0」にリセットして(ステップS905)、その後、ラウンド数カウンタRに「1」加算したものを新たなRとし(ステップS906)、大入賞口109の作動を開始する(ステップS907)。
【0148】
その後、主制御部201は、大入賞口109の作動開始時より、作動パターンによって定義された所定の作動時間が経過したかを判定する(ステップS908)。作動時間が経過していなければ(ステップS908:No)、入賞数カウンタCの値が所定値(たとえば「10」)であるかを判定する(ステップS909)。入賞数カウンタCの値が所定値でなければ(ステップS909:No)、主制御部201は、そのまま大入賞口処理を終了する。
【0149】
ステップS908において作動時間が経過した場合(ステップS908:Yes)、または、ステップS909において入賞数カウンタCの値が所定値であれば(ステップS909:Yes)、主制御部201は、大入賞口109の作動を終了する(ステップS910)。
【0150】
大入賞口109の作動を終了すると、主制御部201は、ラウンド数カウンタRが所定値(当選した大当たりの内容に対応した最大ラウンド数。たとえば15ラウンドの大当たりである場合にはR=15)であるかを判定する(ステップS911)。ラウンド数カウンタRが所定値に達していない場合には(ステップS911:No)、そのまま大入賞口処理を終了する。ラウンド数カウンタRが所定値に達した場合には(ステップS911:Yes)、エンディングを開始して(ステップS912)、エンディングコマンドをRAM213に設定する(ステップS913)。
【0151】
その後、ラウンド数カウンタRの値を「0」にリセットして(ステップS914)、エンディング開始時から所定のエンディング期間が経過したかを判定する(ステップS915)。エンディング期間が経過していなければ(ステップS915:No)、すなわち、エンディングの状態を継続する場合には、主制御部201は、そのまま大入賞口処理を終了する。
【0152】
エンディング期間が経過していれば(ステップS915:Yes)、すなわち、エンディングの状態を終了する場合には、主制御部201は、遊技状態設定処理をおこない(ステップS916)、当たり遊技フラグをOFFに設定して(ステップS917)、大入賞口処理を終了する。遊技状態設定処理の処理内容については、図10を用いて後述する。
【0153】
また、ステップS902においてオープニング中でなければ(ステップS902:No)、主制御部201は、エンディング中であるかを判定し(ステップS918)、エンディング中であれば(ステップS918:Yes)、ステップS915へ移行する。エンディング中でなければ(ステップS918:No)、大入賞口109の作動中であるかを判定する(ステップS919)。大入賞口109の作動中でなければ(ステップS919:No)、ステップS905へ移行し、大入賞口109の作動中であれば(ステップS919:Yes)、ステップS908へ移行する。
【0154】
(遊技状態設定処理)
つぎに、図9のステップS916に示した遊技状態設定処理の処理内容について説明する。図10は、遊技状態設定処理の処理内容を示すフローチャートである。遊技状態設定処理において、主制御部201は、まず、今回の変動に対する大当たり抽選の抽選結果が小当たりであったかを判定する(ステップS1001)。
【0155】
小当たりであれば(ステップS1001:Yes)、主制御部201は、そのまま遊技状態設定処理を終了する。小当たりでなければ(ステップS1001:No)、主制御部201は、今回の変動に対する大当たり抽選の抽選結果が通常当たりであったかを判定する(ステップS1002)。通常当たりであれば(ステップS1002:Yes)、主制御部201は、時短遊技フラグをONに設定し(ステップS1003)、時短遊技カウンタJを「10000」に設定し(ステップS1004)、遊技状態設定処理を終了する。
【0156】
通常当たりでなければ(ステップS1002:No)、主制御部201は、今回の変動に対する大当たり抽選の抽選結果が確変当たりであったかを判定する(ステップS1005)。確変当たりであれば(ステップS1005:Yes)、主制御部201は、時短遊技フラグをONに設定し(ステップS1006)、時短遊技カウンタJを「10000」に設定する(ステップS1007)。その後、高確遊技フラグをONに設定し(ステップS1008)、高確遊技カウンタXを「10000」に設定し(ステップS1009)、遊技状態設定処理を終了する。
【0157】
確変当たりでなければ(ステップS1005:No)、主制御部201は、たとえば、潜確当たりに当選したと判定して、ステップS808に移行して高確遊技フラグをONに設定し、高確遊技カウンタXに「10000」を設定し、遊技状態設定処理を終了する。
【0158】
(演出制御部がおこなう処理)
つぎに、ぱちんこ遊技機100の演出制御部202がおこなう処理について説明する。まず、演出制御部202の演出統括部202aがおこなう処理について説明する。以下に示す演出統括部202aがおこなう処理は、演出統括部202aのCPU241がROM242に記憶されているプログラムを実行することによりおこなうものである。
【0159】
(演出タイマ割込処理)
図11は、演出タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。演出統括部202aは、起動中継続的に所定のメイン演出制御処理(不図示)をおこなっており、このメイン演出制御処理に対して、図11に示す演出タイマ割込処理を、所定の周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
【0160】
演出タイマ割込処理において、演出統括部202aは、まず、コマンド受信処理をおこなう(ステップS1101)。コマンド受信処理は、主制御部201から送信された各種コマンドを受信するとともに、受信されたコマンドに基づき各種演出を選択するための処理である。コマンド受信処理の詳細な処理内容については図12を用いて後述する。
【0161】
つづいて、演出統括部202aは、遊技者からの操作を受け付けるための操作受付処理をおこなう(ステップS1102)。操作受付処理は、遊技者からの操作を受け付けるための処理である。操作受付処理の詳細な処理内容については図15を用いて後述する。
【0162】
つづいて、演出統括部202aは、変動演出中処理をおこなって(ステップS1103)、コマンド送信処理をおこなう(ステップS1104)。変動演出中処理の詳細な処理内容については図16を用いて後述する。コマンド送信処理において、演出統括部202aはステップS1101〜S1103によりRAM243に設定された各種コマンドを、画像・音声制御部202bやランプ制御部202cに対して出力する。
【0163】
(コマンド受信処理)
つぎに、図11のステップS1101に示したコマンド受信処理の処理内容について説明する。図12は、コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。コマンド受信処理において、演出統括部202aは、まず、主制御部201から変動開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS1201)。変動開始コマンドを受信していなければ(ステップS1201:No)、後述するステップS1203へ移行する。
【0164】
変動開始コマンドを受信していれば(ステップS1201:Yes)、演出統括部202aは、おこなう変動演出の内容を選択する変動演出選択処理をおこなう(ステップS1202)。変動演出選択処理の処理内容については図13を用いて後述する。つづいて、演出統括部202aは、主制御部201から変動停止コマンドを受信したかを判定する(ステップS1203)。変動停止コマンドを受信していなければ(ステップS1203:No)、後述するステップS1205へ移行する。
【0165】
変動停止コマンドを受信していれば(ステップS1203:Yes)、演出統括部202aは、変動演出を終了させる変動演出終了処理をおこなう(ステップS1204)。変動演出終了処理の処理内容については図17を用いて後述する。つぎに、演出統括部202aは、主制御部201からオープニングコマンド(主制御部201がオープニングを開始したときに出力するコマンド)を受信したかを判定する(ステップS1205)。オープニングコマンドを受信していなければ(ステップS1205:No)、後述するステップS1207へ移行する。
【0166】
オープニングコマンドを受信していれば(ステップS1205:Yes)、演出統括部202aは、当選した当たりに応じた当たり演出を開始させるための当たり演出開始コマンドをRAM243に設定する(ステップS1206)。たとえば、当たり演出選択処理において、演出統括部202aは、確変当たりに当選していれば確変当たり用の当たり演出を選択して、確変当たり用の当たり演出を開始させるための当たり演出開始コマンドを設定する。同様に、通常当たりに当選していれば通常当たり用の当たり演出を選択し、潜確当たりに当選していれば潜確当たり用の当たり演出を選択して、これらを開始させるための当たり演出開始コマンドを設定する。
【0167】
つづいて、演出統括部202aは、主制御部201からエンディングコマンドを受信したかを判定する(ステップS1207)。エンディングコマンドを受信していなければ(ステップS1207:No)、演出統括部202aは、そのままコマンド受信処理を終了する。エンディングコマンドを受信していれば(ステップS1207:Yes)、演出統括部202aは、ステップS1206で開始させた当たり演出を終了させるための当たり演出終了コマンドをRAM243に設定し(ステップS1208)、コマンド受信処理を終了する。
【0168】
(変動演出選択処理)
つぎに、図12のステップS1202で示した変動演出選択処理の処理内容について説明する。図13は、変動演出選択処理の処理内容を示すフローチャートである。変動演出選択処理において、演出統括部202aは、まず、受信された変動開始コマンドを解析して(ステップS1301)、変動開始コマンドに含まれる各種情報を取得する。変動開始コマンドには、大当たり抽選の抽選結果や変動パターンを示す情報などが含まれている。演出統括部202aは変動開始コマンドを解析することで、これらの情報を取得することができる。
【0169】
つづいて、演出統括部202aは、現在の演出モードを示す演出モードフラグを参照して(ステップS1302)、現在の演出モードを示す情報を取得する。そして、演出統括部202aは、ステップS1101およびステップS1102で取得された情報を用いて、変動演出パターンテーブル(図14−1〜図14−9参照)から、変動演出の内容を定義した変動演出パターンを選択する変動演出パターン選択処理をおこなう(ステップS1303)。
【0170】
詳細は後述するが、いずれの変動演出パターンテーブルから変動演出パターンを選択するかは、演出モードや大当たり抽選の抽選結果で決まる。変動演出パターン選択処理により変動演出パターンを選択すると、演出統括部202aは、選択された変動演出パターンを示す情報を含んだ変動演出開始コマンドをRAM243に設定する(ステップS1304)。
【0171】
つづいて、演出統括部202aは、選択された変動演出パターンが選択肢提示演出を定めたものであるか、つまり、これから開始される変動演出が選択肢提示演出であるかを判定する(ステップS1305)。選択肢提示演出であれば(ステップS1305:Yes)、実行・操作履歴情報400を更新して(ステップS1306)、変動演出選択処理を終了する。たとえば、ステップS1306において、演出統括部202aは、RTC244を参照し、RTC244により計時された時刻を実行・操作履歴情報400として記憶する。選択肢提示演出でなければ(ステップS1305:No)、そのまま変動演出選択処理を終了する。
【0172】
(変動演出パターンテーブルについて)
ここで、変動演出パターンテーブルについて説明する。まず、大当たり当選時、またはリーチ演出をおこなうハズレ(以下「リーチハズレ」)時に用いる変動演出パターンテーブルについて説明する。
【0173】
(大当たり・リーチハズレの場合)
図14−1は、通常演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その1)である。図14−1に示す変動演出パターンテーブルEt1は、通常演出モードM1であるときの大当たり当選時に用いる変動演出パターンテーブルである。
【0174】
図14−1に示すように、変動演出パターンテーブルEt1は、変動演出パターンEp1〜Ep3によって構成される。ここで、変動演出パターンとは変動演出の内容を定めたものであり、たとえば、変動演出パターンEp1は「脇役リーチ演出」を定めている。変動演出パターンEp2は「ヒーローリーチ演出」を定めており、変動演出パターンEp3は「ヒロインリーチ演出」を定めている。
【0175】
変動演出パターンテーブルEt1において、変動演出パターンEp1〜Ep3には、それぞれの変動演出パターンの選択される確率(以下「選択確率」という)が定められている。たとえば、変動演出パターンテーブルEt1を用いて変動演出パターンを選択する場合、演出統括部202aは、変動演出パターンEp1〜Ep3が変動演出パターンテーブルEt1で定められた選択確率で選択される抽選をおこない、この抽選で当選した変動演出パターンを選択する。
【0176】
ここで、変動演出パターンテーブルEt1における変動演出パターンEp1〜Ep3の選択確率に着目すると、「脇役リーチ演出」を定めた変動演出パターンEp1は「60/100」となっている。また、「ヒーローリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp2は「20/100」、「ヒロインリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp3は「20/100」となっている。このため、変動演出パターンテーブルEt1を用いて変動演出パターンを選択すると、「脇役リーチ演出」がもっともおこなわれ易い傾向となる。
【0177】
図14−2は、通常演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その2)である。図14−2に示す変動演出パターンテーブルEt2は、通常演出モードM1であるときのリーチハズレ時に用いる変動演出パターンテーブルである。
【0178】
図14−2に示すように、変動演出パターンテーブルEt2は、変動演出パターンテーブルEt1と同様に、変動演出パターンEp1〜Ep3によって構成される。ここで、変動演出パターンテーブルEt2における変動演出パターンEp1〜Ep3の選択確率に着目すると、「脇役リーチ演出」を定めた変動演出パターンEp1は「20/100」となっている。また、「ヒーローリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp2は「50/100」、「ヒロインリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp3は「30/100」となっている。このため、変動演出パターンテーブルEt6を用いて変動演出パターンを選択すると、「ヒーローリーチ演出」がもっともおこなわれ易い傾向となる。
【0179】
また、変動演出パターンテーブルEt1と変動演出パターンテーブルEt2とを比較すると、変動演出パターンEp1の選択確率は、変動演出パターンテーブルEt5で「60/100」となっており、変動演出パターンテーブルEt6で「20/100」となっている。これは、通常演出モードM1であるときに「脇役リーチ演出」は、大当たり時にはおこなわれ易く、ハズレ時にはおこなわれ難いことを意味している。つまり、通常演出モードM1であるときに「脇役リーチ演出」は大当たりとなる信頼度が高く定められた演出とすることができる。
【0180】
図14−3は、ヒーロー演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その1)である。図14−3に示す変動演出パターンテーブルEt3は、ヒーロー演出モードであるときの大当たり当選時に用いる変動演出パターンテーブルである。
【0181】
図14−3に示すように、変動演出パターンテーブルEt3は、変動演出パターンEp1〜Ep3によって構成される。ここで、変動演出パターンテーブルEt3における変動演出パターンEp1〜Ep3の選択確率に着目すると、「脇役リーチ演出」を定めた変動演出パターンEp1は「20/100」となっている。また、「ヒーローリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp2は「60/100」、「ヒロインリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp3は「20/100」となっている。このため、変動演出パターンテーブルEt3を用いて変動演出パターンを選択すると、「ヒーローリーチ演出」がもっともおこなわれ易い傾向となる。
【0182】
図14−4は、ヒーロー演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その2)である。図14−4に示す変動演出パターンテーブルEt4は、ヒーロー演出モードであるときのリーチハズレ時に用いる変動演出パターンテーブルである。
【0183】
図14−4に示すように、変動演出パターンテーブルEt4は、変動演出パターンテーブルEt3と同様に、変動演出パターンEp1〜Ep3によって構成される。ここで、変動演出パターンテーブルEt4における変動演出パターンEp1〜Ep3の選択確率に着目すると、「脇役リーチ演出」を定めた変動演出パターンEp1は「60/100」となっている。また、「ヒーローリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp2は「20/100」、「ヒロインリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp3は「20/100」となっている。このため、変動演出パターンテーブルEt4を用いて変動演出パターンを選択すると、「脇役リーチ演出」がもっともおこなわれ易い傾向となる。
【0184】
また、変動演出パターンテーブルEt3と変動演出パターンテーブルEt4とを比較すると、変動演出パターンEp2の選択確率は、変動演出パターンテーブルEt3で「60/100」となっており、変動演出パターンテーブルEt4で「20/100」となっている。これは、ヒーロー演出モードM2aであるときに「ヒーローリーチ演出」は、大当たり時にはおこなわれ易く、ハズレ時にはおこなわれ難いことを意味している。つまり、ヒーロー演出モードM2aであるときに「ヒーローリーチ演出」は大当たりとなる信頼度が高く定められた演出とすることができる。
【0185】
図14−5は、ヒロイン演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その1)である。図14−5に示す変動演出パターンテーブルEt5は、ヒロイン演出モードM2bであるときの大当たり当選時に用いる変動演出パターンテーブルである。
【0186】
図14−5に示すように、変動演出パターンテーブルEt5は、変動演出パターンEp1〜Ep3によって構成される。ここで、変動演出パターンテーブルEt5における変動演出パターンEp1〜Ep3の選択確率に着目すると、「脇役リーチ演出」を定めた変動演出パターンEp1は「20/100」となっている。また、「ヒーローリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp2は「20/100」、「ヒロインリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp3は「60/100」となっている。このため、変動演出パターンテーブルEt5を用いて変動演出パターンを選択すると、「ヒロインリーチ演出」がもっともおこなわれ易い傾向となる。
【0187】
図14−6は、ヒロイン演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その2)である。図14−6に示す変動演出パターンテーブルEt6は、ヒロイン演出モードM2bであるときのリーチハズレ時に用いる変動演出パターンテーブルである。
【0188】
図14−6に示すように、変動演出パターンテーブルEt6は、変動演出パターンテーブルEt5と同様に、変動演出パターンEp1〜Ep3によって構成される。ここで、変動演出パターンテーブルEt6における変動演出パターンEp1〜Ep3の選択確率に着目すると、「脇役リーチ演出」を定めた変動演出パターンEp1は「60/100」となっている。また、「ヒーローリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp2は「20/100」、「ヒロインリーチ演出」を定めた変動演出パターンEp3は「20/100」となっている。このため、変動演出パターンテーブルEt4を用いて変動演出パターンを選択すると、「脇役リーチ演出」がもっともおこなわれ易い傾向となる。
【0189】
また、変動演出パターンテーブルEt5と変動演出パターンテーブルEt6とを比較すると、変動演出パターンEp3の選択確率は、変動演出パターンテーブルEt5で「60/100」となっており、変動演出パターンテーブルEt6で「20/100」となっている。これは、ヒロイン演出モードM2bであるときに「ヒロインリーチ演出」は、大当たり時にはおこなわれ易く、ハズレ時にはおこなわれ難いことを意味している。つまり、ヒロイン演出モードM2bであるときに「ヒロインリーチ演出」は大当たりとなる信頼度が高く定められた演出とすることができる。
【0190】
(ノーマルハズレの場合)
つぎに、リーチ演出をおこなわないハズレ(以下「ノーマルハズレ」)時に用いる変動演出パターンテーブルについて説明する。図14−7は、通常演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その3)である。
【0191】
図14−7に示すように、変動演出パターンテーブルEt7は、変動演出パターンEp4および変動演出パターンEp5によって構成される。ここで、変動演出パターンテーブルEt7における変動演出パターンEp4は「ノーマルハズレ演出(たとえば装飾図柄の変動表示のみ)」を定めている。変動演出パターンEp5は「選択肢提示演出」を定めている。
【0192】
変動演出パターンテーブルEt7において、「ノーマルハズレ演出」を定めた変動演出パターンEp4の選択確率は「90/100」となっており、「選択肢提示演出」を定めた変動演出パターンEp5の選択確率は「10/100」となっている。このため、通常演出モードM1において、10回、ノーマルハズレに当選すると、おおよそ1回程度、選択肢提示演出がおこなわれることになる。
【0193】
図14−8は、ヒーロー演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その3)である。図14−8に示すように、変動演出パターンテーブルEt8は、変動演出パターンEp4および変動演出パターンEp6によって構成される。前述したように変動演出パターンEp4は「ノーマルハズレ演出」を定めており、変動演出パターンEp6は「ヒーロー小キャラハズレ演出」を定めている。
【0194】
変動演出パターンテーブルEt8において、「ノーマルハズレ演出」を定めた変動演出パターンEp4の選択確率は「90/100」となっており、「ヒーロー小キャラハズレ演出」を定めた変動演出パターンEp6の選択確率は「10/100」となっている。このため、ヒーロー演出モードM2aにおいて、10回、ノーマルハズレに当選すると、おおよそ1回程度、ヒーロー小キャラハズレ演出がおこなわれ、ヒーローの小キャラが登場する。これにより、ぱちんこ遊技機100は、そのときの演出モードがヒーロー演出モードM2aであることを遊技者に示唆することができる。
【0195】
図14−9は、ヒロイン演出モードであるときに用いる変動演出パターンテーブルを示す説明図(その3)である。図14−9に示すように、変動演出パターンテーブルEt9は、変動演出パターンEp4および変動演出パターンEp7によって構成される。前述したように変動演出パターンEp4は「ノーマルハズレ演出」を定めており、変動演出パターンEp7は「ヒロイン小キャラハズレ演出」を定めている。
【0196】
変動演出パターンテーブルEt9において、「ノーマルハズレ演出」を定めた変動演出パターンEp4の選択確率は「90/100」となっており、「ヒロイン小キャラハズレ演出」を定めた変動演出パターンEp7の選択確率は「10/100」となっている。このため、ヒロイン演出モードM2bにおいて、10回、ノーマルハズレに当選すると、おおよそ1回程度、ヒロイン小キャラハズレ演出がおこなわれ、ヒロインの小キャラが登場する。これにより、ぱちんこ遊技機100は、そのときの演出モードがヒロイン演出モードM2bであることを遊技者に示唆することができる。
【0197】
なお、以上で説明したそれぞれの変動演出パターンテーブルEt1〜Et9は、たとえば、演出統括部202aのROM242に予め記憶されている。なお、以上で説明した変動演出パターンテーブルEt1〜Et9は一例であって、本発明を上記の内容に限定するものではない。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、上記の例よりも多くの変動演出パターンを有してもよいし、それぞれの変動演出パターンを上記の例以外の選択確率で選択するようにしてもよい。
【0198】
(操作受付処理)
つぎに、図11のステップS1102に示した操作受付処理の処理内容について説明する。図15は、操作受付処理の処理内容を示すフローチャートである。操作受付処理において、演出統括部202aは、まず、演出ボタン119がONとなったか(演出ボタン119が押下されたか)を判定する(ステップS1501)。
【0199】
演出ボタン119がONとなっていなければ(ステップS1501:No)、ステップS1503へ移行する。演出ボタン119がONとなっていれば(ステップS1501:Yes)、演出統括部202aは、演出ボタン119が押下されたことを示す演出ボタンコマンドをRAM243に設定して(ステップS1502)、十字キー120がONとなったか(十字キーが操作されたか)を判定する(ステップS1503)。
【0200】
十字キー120がONとなっていなければ(ステップS1503:No)、演出統括部202aは操作受付処理を終了する。十字キー120がONとなっていれば(ステップS1503:Yes)、十字キー120が操作されたことを示す十字キーコマンドをRAM243に設定し(ステップS1504)、操作受付処理を終了する。ここで、十字キーコマンドには、十字キー120を構成する各キーのうち、操作されたキー(たとえば「←」キー)を示す情報などが含まれている。
【0201】
(変動演出中処理)
つぎに、図11のステップS1103に示した変動演出中処理の処理内容について説明する。図16は、変動演出中処理の処理内容を示すフローチャートである。変動演出中処理において、演出統括部202aは、まず、変動演出中であるかを判定する(ステップS1601)。たとえば、ステップS1601において、演出統括部202aは、変動演出開始コマンドを送信して、その後に変動演出終了コマンドを送信していなければ、変動演出中と判定する。変動演出中でなければ(ステップS1601:No)、変動演出中処理を終了する。
【0202】
変動演出中であれば(ステップS1601:Yes)、演出統括部202aは、おこなっている変動演出が選択肢提示演出(変動演出パターンEp5の変動演出)であるかを判定する(ステップS1602)。選択肢提示演出でなければ(ステップS1602:No)、変動演出中処理を終了する。
【0203】
選択肢提示演出であれば(ステップS1602:Yes)、演出統括部202aは、画像・音声制御部202bからキャラクタコマンドを受信したかを判定する(ステップS1603)。キャラクタコマンドには、ヒーローコマンドとヒロインコマンドとがある。画像・音声制御部202bは、選択肢提示演出中に、遊技者により「ヒーロー」が選択されると、ヒーローコマンドを演出統括部202aへ送信し、「ヒロイン」が選択されると、ヒロインコマンドを演出統括部202aへ送信する(図20参照)。また、詳細は後述するが、画像・音声制御部202bは、選択肢提示演出中に、遊技者により操作がなかった場合も自動的に所定のキャラクタを選択し、このキャラクタのキャラクタコマンドを演出統括部202aへ送信する(図20参照)。キャラクタコマンドを受信していなければ(ステップS1603:No)、変動演出中処理を終了する。
【0204】
キャラクタコマンドを受信していれば(ステップS1603:Yes)、演出統括部202aは、受信されたキャラクタコマンドに基づき、実行・操作履歴情報400を更新して(ステップS1604)、変動演出中処理を終了する。たとえば、ステップS1604において、演出統括部202aは、ヒーローコマンドを受信した場合は実行・操作履歴情報400の今回の選択肢提示演出の時刻に「ヒーロー」を対応づけて記憶し、ヒロインコマンドを受信した場合は「ヒロイン」を対応づけて記憶する。
【0205】
また、詳細は後述するが、画像・音声制御部202bは、遊技者によりキャラクタが選択されるとこのキャラクタのキャラクタコマンドと演出ボタンコマンドとを演出統括部202aへ送信する。一方、自動的にキャラクタを選択するとこのキャラクタのキャラクタコマンドのみを演出統括部202aへ送信する。ステップS1604の実行・操作履歴情報400の更新に際して、演出統括部202aは、キャラクタコマンドとともに演出ボタンコマンドを受信したか否かに応じて、実行・操作履歴情報400の操作の有無を記憶する。
【0206】
(変動演出終了処理)
つぎに、図12のステップS1204で示した変動演出終了処理の処理内容について説明する。図17は、変動演出終了処理の処理内容を示すフローチャートである。変動演出終了処理において、演出統括部202aは、まず、変動停止コマンドを解析し(ステップS1701)、変動停止コマンドに含まれる情報を取得する。たとえば、変動停止コマンドには、変動開始コマンドと同じ情報が含まれている。
【0207】
つづいて、演出統括部202aは、大当たり抽選の抽選結果が、当たり(大当たり、小当たり)であるかを判定する(ステップS1702)。当たりであれば(ステップS1702:Yes)、当選した当たりに応じた演出モードとするための演出モードフラグ設定処理をおこなう(ステップS1703)。演出モードフラグ設定処理の処理内容については図18を用いて後述する。
【0208】
つづいて、演出統括部202aは、画像・音声制御部202bやランプ制御部202cへ変動演出の終了を指示したり、演出モードを移行させる演出の実行を指示したりするための変動演出終了コマンドをRAM243に設定して(ステップS1704)、変動演出終了処理を終了する。
【0209】
一方、ステップS2302において、当たりでなければ(ステップS1702:No)、演出統括部202aは、設定中の演出モードフラグを参照し(ステップS1705)、設定中の演出モードフラグに対応した演出モードカウンタのカウント値Cnから「1」減算したものを新たなカウント値とする(ステップS1706)。ステップS1705において、たとえば、演出統括部202aは、設定中の演出モードフラグが通常演出モードM1であることを示す通常演出モードフラグであれば、通常演出モードフラグに対応したカウンタのカウント値C1から「1」減算したものを新たなカウント値C1の値とする。
【0210】
同様に、演出統括部202aは、ヒーロー演出モードフラグが設定されていればカウント値C2から「1」減算し、ヒロイン演出モードフラグが設定されていればカウント値C3から「1」減算する。確変演出モードフラグが設定されていればカウント値C4から「1」減算し、時短演出モードフラグが設定されていればカウント値C5から「1」減算する。
【0211】
つづいて、演出統括部202aは、上記で減算したカウント値が「0」となったかを判定する(ステップS1707)。カウント値が「0」となった場合には(ステップS1707:Yes)、演出モードフラグの設定を変更する演出モードフラグ変更処理をおこない(ステップS1708)、ステップS1704へ移行する。カウント値が「0」とならなかった場合には(ステップS1707:No)、そのままステップS1704へ移行する。
【0212】
(演出モード設定処理)
つぎに、図17のステップS1703に示した演出モードフラグ設定処理の処理内容について説明する。図18は、演出モードフラグ設定処理の処理内容を示すフローチャートである。演出モードフラグ設定処理において、演出統括部202aは、まず、当選した当たりが潜確当たりまたは小当たりであるかを判定する(ステップS1801)。
【0213】
潜確当たりまたは小当たりであれば(ステップS1801:Yes)、演出統括部202aは、実行・操作履歴情報400を参照して(ステップS1802)、実行・操作履歴情報400の操作で、おこなわれた回数がもっとも多いものを特定する(ステップS1803)。本実施の形態では、「ヒーロー・操作有」、「ヒロイン・操作有」、「ヒーロー・操作無」のいずれがもっとも多いかを特定する。図4の例では、「ヒーロー・操作有」が4回、「ヒロイン・操作有」が3回、「ヒーロー・操作無」が3回であるため、「ヒーロー・操作有」がもっとも多いものとして特定される。
【0214】
また、ステップS1803では、「ヒーロー・操作有」が4回、「ヒロイン・操作有」が1回、「ヒーロー・操作無」が4回の場合など、おこなわれた回数がもっとも多いものが複数あることも起こりえる。たとえば、この場合、演出統括部202aは、おこなわれた回数がもっとも多い複数のもの(ここでは「ヒーロー・操作有」と「ヒーロー・操作無」)の中から任意の抽選方法により、いずれか一つを選ぶ。そして、選ばれたものをステップS1803の特定結果として用いる。
【0215】
また、たとえば、演出統括部202aは、「ヒーロー・操作有」、「ヒロイン・操作有」、「ヒーロー・操作無」の各々に予め優先度を設定しておき、おこなわれた回数がもっとも多いものが複数ある場合は、この優先度にしたがって一つを選んでもよい。ここで、「ヒーロー・操作有」の優先度>「ヒロイン・操作有」の優先度>「ヒーロー・操作無」の優先度とし、「ヒーロー・操作有」と「ヒーロー・操作無」とが4回で、おこなわれた回数がもっとも多いものとして並んだとする。この場合は、「ヒーロー・操作有」の優先度>「ヒーロー・操作無」の優先度にしたがって、「ヒーロー・操作有」を選び、ステップS1803の特定結果として用いる。
【0216】
つづいて、演出統括部202aは、ステップS1803の特定結果、すなわち、おこなわれた回数がもっとも多いものが「ヒーロー・操作無」であるかを判定する(ステップS1804)。おこなわれた回数がもっとも多いものが「ヒーロー・操作無」であれば(ステップS1804:Yes)、潜伏演出モード決定抽選をおこなう(ステップS1805)。
【0217】
潜伏演出モード決定抽選において、演出統括部202aは、任意の抽選方法を用いて、ヒーロー演出モードM2aとヒロイン演出モードM2bとのいずれにするかをランダムで決定する。そして、決定された潜伏演出モードに対応した演出モードフラグをONに設定する(ステップS1806)。そして、設定された潜伏演出モードフラグに対応するカウンタのカウント値Cn(C2またはC3)に「50」を設定し(ステップS1807)、演出モード設定処理を終了する。
【0218】
一方、ステップS1804において、おこなわれた回数がもっとも多いものが「ヒーロー・操作無」でないと判定されれば(ステップS1804:No)、そのままステップS1806へ移行して、ステップS1803の特定結果に応じた潜伏演出モードの演出モードフラグをONに設定する。この場合、たとえば、特定結果が「ヒーロー・操作有」であればヒーロー演出モードフラグをONに設定し、特定結果が「ヒロイン・操作有」であればヒロイン演出モードフラグをONに設定する。
【0219】
また、ステップS1801において、潜確当たりまたは小当たりなければ(ステップS1801:No)、確変当たりであるかを判定する(ステップS1808)。確変当たりであれば(ステップS1808:Yes)、確変演出モードフラグをONに設定し(ステップS1809)、確変演出モードフラグに対応したカウンタのカウント値C4に「10000」を設定して(ステップS1810)、演出モードフラグ設定処理を終了する。
【0220】
確変当たりでなければ(ステップS1808:No)、時短演出モードフラグをONに設定し(ステップS1811)、時短演出モードフラグに対応したカウンタのカウント値C5に「100」を設定して(ステップS1812)、演出モードフラグ設定処理を終了する。
【0221】
(画像・音声制御部がおこなう処理)
つぎに、画像・音声制御部202bがおこなう処理について説明する。画像・音声制御部202bは、演出統括部202aから変動演出開始コマンドを受信すると、このコマンドにより開始を指示された変動演出に対応する画像データや音声データをROM252から読み出す。そして、これらを表示させたり、音声出力させたりする。たとえば、画像・音声制御部202bは、演出統括部202aから選択肢提示演出の変動演出開始コマンド(変動演出パターンEp5を示す情報を含む変動演出開始コマンド)を受信すると、選択肢提示演出用の画像データをROM252から読み出して、当該データに基づく画像表示部104に表示させる。
【0222】
(選択肢提示演出表示中処理)
ここで、画像・音声制御部202bが選択肢提示演出を画像表示部104に表示させている際におこなう選択肢提示演出表示中処理について説明する。図19は、選択肢提示演出表示中処理の処理内容を示すフローチャートである。画像・音声制御部202bは、選択肢提示演出を画像表示部104に表示させている際には、図19に示す選択肢提示演出表示中処理を所定周期で(たとえば4msごとに)おこなう。
【0223】
選択肢提示演出表示中処理において、画像・音声制御部202bは、演出統括部202aから十字キーコマンドを受信したかを判定する(ステップS1901)。十字キーコマンドを受信していなければ(ステップS1901:No)、ステップS1903へ移行する。十字キーコマンドを受信していれば(ステップS1901:Yes)、カーソル(図20符号2003参照)の表示位置を調整する(ステップS1902)。
【0224】
ステップS1902において、たとえば、画像・音声制御部202bは、カーソルを「ヒーロー」に合わせている際に十字キーコマンドを受信すると、カーソルを「ヒロイン」に合わせる。逆に、カーソルを「ヒロイン」に合わせている際に十字キーコマンドを受信すると、カーソルを「ヒーロー」に合わせる。
【0225】
つづいて、画像・音声制御部202bは、演出統括部202aから演出ボタンコマンドを受信したかを判定する(ステップS1903)。演出ボタンコマンドを受信していなければ(ステップS1903:No)、ステップS1906へ移行する。演出ボタンコマンドを受信すると(ステップS1903:Yes)、画像・音声制御部202bは、カーソルの表示位置から選択されたキャラクタを特定し、このキャラクタの画像を強調表示させる(ステップS1904)。そして、選択されたキャラクタに対応したキャラクタコマンドと演出ボタンコマンドとを演出統括部202aへ送信して(ステップS1905)、選択肢提示演出表示中処理を終了する。
【0226】
一方、ステップS1906では、選択肢提示演出の終了タイミングであるかを判定し、たとえば、画像・音声制御部202bは、選択肢提示演出の変動演出終了コマンドを受信したかを判定する(ステップS1906)。選択肢提示演出の変動演出終了コマンドを受信していなければ(ステップS1906:No)、つまり、選択肢提示演出の終了タイミングでなければ、そのまま選択肢提示演出表示中処理を終了する。
【0227】
選択肢提示演出の変動演出終了コマンドを受信していれば(ステップS1906:Yes)、つまり、選択肢提示演出の終了タイミングであれば、画像・音声制御部202bは、所定のキャラクタ(本実施の形態では一例として「ヒーロー」とする)を強調表示し(ステップS1907)、このキャラクタに対応したキャラクタコマンドと演出ボタンコマンドとを演出統括部202aへ送信して(ステップS1908)、選択肢提示演出表示中処理を終了する。ここで、強調表示するキャラクタはぱちんこ遊技機100の製造者により予め定められているものとしてもよいし、任意の抽選方法による抽選で当選したキャラクタを強調表示してもよい。
【0228】
このように、たとえば、画像・音声制御部202bは、遊技者からの操作に応じてキャラクタを強調表示させた場合にはキャラクタコマンドと演出ボタンコマンドとを演出統括部202aへ送信し、遊技者からの操作がなく所定のキャラクタを強調表示させた場合にはキャラクタコマンドのみを演出統括部202aへ送信する。このため、演出統括部202aは、前述したように、キャラクタコマンドとともに演出ボタンコマンドを受信したか否かに応じて、実行・操作履歴情報400の操作の有無を記憶することができる。
【0229】
(ぱちんこ遊技機による具体的な表示例)
つぎに、ぱちんこ遊技機100による具体的な表示例について説明する。図20は、本実施の形態のぱちんこ遊技機による具体的な表示例を示す説明図である。図20には、選択肢提示演出時の表示例を示している。
【0230】
図20(A)に示すように、ぱちんこ遊技機100は選択肢提示演出をおこなうと、画像表示部104に、ヒーロー画像2001と、ヒロイン画像2002と、カーソル2003とを表示する。遊技者により十字キー120が操作されると、この操作にしたがって、ぱちんこ遊技機100はカーソル2003の表示位置を移動させる。
【0231】
たとえば、図20(A)に示す例では、カーソル2003はヒーロー画像2001上に表示されている。この際に、遊技者により十字キー120が操作されると、ぱちんこ遊技機100はカーソル2003の表示位置をヒロイン画像2002上に移動させる。そして、遊技者により演出ボタン119が押下されると、ぱちんこ遊技機100は、その際のカーソル2003の表示位置がヒーロー画像2001上であるかヒロイン画像2002上であるかを判定し、いずれのキャラクタが選択されたかを判断する。
【0232】
また、ぱちんこ遊技機100は、メッセージボックス2004を表示する。ぱちんこ遊技機100は、メッセージボックス2004に「キャラクタを選べ!」といった遊技者の操作を促すメッセージを表示させる。さらに、ぱちんこ遊技機100は、メッセージボックス2004に操作方法を表示する。図20(A)に示す例では、十字キー120の左右キーによりキャラクタを選択、演出ボタン119の押下で決定である旨を表示している。さらに、ぱちんこ遊技機100は、メッセージボックス2004に「残り5秒」といったように、遊技者の操作を受付可能な期間を表示させる。
【0233】
ぱちんこ遊技機100は、遊技者によりキャラクタが選択されると、選択されたキャラクタを強調表示する。たとえば、図20(A)の状態で演出ボタン119が押下され、ヒーローが選択されたとする。この場合、ぱちんこ遊技機100は、図20(b)に示すように、ヒーロー画像2001を拡大表示する。これにより、ぱちんこ遊技機100は、遊技者に選択されたキャラクタを示唆することができる。
【0234】
また、ぱちんこ遊技機100は、遊技者によりキャラクタが選択されなくとも、遊技者の操作を受付可能な期間が終了した場合(図示の例では、図示したときから5秒間操作を受け付けなかった場合)には、所定のキャラクタ(本実施の形態では「ヒーロー」)を自動的に選択して、このキャラクタを強調表示する。
【0235】
以上に説明したように、ぱちんこ遊技機100は、遊技者の嗜好、たとえばキャラクタの好き嫌い、操作の好き嫌いに応じて、演出内容(たとえば演出モード)を異ならせることができる。これにより、ぱちんこ遊技機100は、遊技者の嗜好に合わせた演出をおこなうことができ、興趣性の向上を図ることができる。
【0236】
さらに、ぱちんこ遊技機100は、遊技者の嗜好、たとえばキャラクタの好き嫌い、操作の好き嫌いに応じて、それぞれの演出での大当たりへの信頼度を異ならせることができ、たとえば、遊技者の好みのキャラクタの演出の大当たりへの信頼度を上げることで、遊技者の好みのキャラクタの演出で大当たりに当選し易い傾向とすることができる。これにより、ぱちんこ遊技機100は、遊技者の嗜好に合わせた演出で、大当たりとなる確率を高めることができ、興趣性の向上を図ることができる。
【0237】
また、ぱちんこ遊技機100は、操作を好む遊技者に対しては前述のように好みのキャラクタに応じた演出をおこない、操作を好まない遊技者(選択肢提示演出中に操作をおこなわなかった遊技者)に対しては、抽選などにより以降の演出内容(たとえば演出モード)を決定してこの演出をおこなう。このため、ぱちんこ遊技機100は、操作を好まない遊技者に対しては演出を偏らせることなく、バリエーション豊かな演出を楽しませることができる。
【0238】
具体的に、たとえば、ぱちんこ遊技機100は、実行・操作履歴情報400の中で「操作無」がもっとも多い場合、抽選などにより以降の演出内容(たとえば演出モード)を決定する。このため、ぱちんこ遊技機100は、操作を好まない遊技者に対しては、操作を好む遊技者に比べて、特定の演出(たとえばヒーロー演出モードM2a)に偏ってしまうことを防止して、いろいろな演出を楽しませることができる。
【0239】
また、ぱちんこ遊技機100は、操作を好まない遊技者(選択肢提示演出中に操作をおこなわなかった遊技者)に対しては、前述のように演出内容を偏らせないだけでなく、それぞれの演出の期待度(大当たりへの信頼度)も偏らないようにすることができる。このため、ぱちんこ遊技機100は、操作を好まない遊技者に対しては、さまざまなリーチ演出で大当たりを期待させることができ、さまざまなリーチ演出により遊技者を楽しませることができる。
【0240】
以上に説明したように、本発明にかかるぱちんこ遊技機によれば、遊技者に合わせた演出をおこなって、遊技の興趣性を高めることができる。
【符号の説明】
【0241】
100 ぱちんこ遊技機
101 遊技盤
201 主制御部
202 演出制御部
202a 演出統括部
202b 画像・音声制御部
202c ランプ制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤上の始動領域を遊技球が通過することにより遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かの判定を行い、当該判定結果を示す図柄変動を行うぱちんこ遊技機であって、
遊技者が選択操作可能な選択操作手段と、
所定の演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、
所定のタイミングで複数の選択肢を提示する選択肢提示演出を実行する選択肢提示演出実行手段と、
前記選択肢提示演出実行手段による前記選択肢提示演出の実行中に前記選択操作手段が操作されて前記複数の選択肢のうち遊技者により選択された選択肢を示す情報を記憶する記憶手段と、
前記所定のタイミングよりも後に行われる図柄変動において当該図柄変動が特別変動態様で行われる場合に、前記判定結果および前記記憶手段の記憶内容に基づいて複数の特別演出のうち一の特別演出を選択する特別演出選択手段と、
前記特別演出選択手段により選択された特別演出を実行する特別演出実行手段と、
を備え、
前記特別演出選択手段は、
前記遊技者により選択された選択肢に応じて一の特別演出を選択することを特徴とするぱちんこ遊技機。
【請求項1】
遊技盤上の始動領域を遊技球が通過することにより遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かの判定を行い、当該判定結果を示す図柄変動を行うぱちんこ遊技機であって、
遊技者が選択操作可能な選択操作手段と、
所定の演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、
所定のタイミングで複数の選択肢を提示する選択肢提示演出を実行する選択肢提示演出実行手段と、
前記選択肢提示演出実行手段による前記選択肢提示演出の実行中に前記選択操作手段が操作されて前記複数の選択肢のうち遊技者により選択された選択肢を示す情報を記憶する記憶手段と、
前記所定のタイミングよりも後に行われる図柄変動において当該図柄変動が特別変動態様で行われる場合に、前記判定結果および前記記憶手段の記憶内容に基づいて複数の特別演出のうち一の特別演出を選択する特別演出選択手段と、
前記特別演出選択手段により選択された特別演出を実行する特別演出実行手段と、
を備え、
前記特別演出選択手段は、
前記遊技者により選択された選択肢に応じて一の特別演出を選択することを特徴とするぱちんこ遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14−1】
【図14−2】
【図14−3】
【図14−4】
【図14−5】
【図14−6】
【図14−7】
【図14−8】
【図14−9】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14−1】
【図14−2】
【図14−3】
【図14−4】
【図14−5】
【図14−6】
【図14−7】
【図14−8】
【図14−9】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−90984(P2013−90984A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−30888(P2013−30888)
【出願日】平成25年2月20日(2013.2.20)
【分割の表示】特願2010−254745(P2010−254745)の分割
【原出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年2月20日(2013.2.20)
【分割の表示】特願2010−254745(P2010−254745)の分割
【原出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】
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