説明

ひずみゲージ用ブリッジボックス

【課題】 取り換えを要するひずみゲージおよび当該ひずみゲージに接続されたリード線の取り換え作業を確実かつ容易にすること。
【解決手段】 被測定物の、どの測定個所のひずみゲージを交換すべきかについては、CPU24で解析され、I/O25を介して出力された各チャネル対応のひずみ量に関する数値データと、ひずみゲージと測定個所との対応表等とを参照することで特定する。被測定物の現場作業者は、特定された被測定個所のひずみゲージを、新しいひずみゲージに交換し、そのリード線13をLED12が点灯したブリッジボックス1において、当該リード線13の古い方を取り外し、交換したひずみゲージが接続された新しいリード線13をコネクタに接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、ひずみゲージ用ブリッジボックスに関し、より詳しくは、被測定個所に添着されるひずみゲージを含んでホイートストンブリッジを構成する抵抗および先端側に前記ひずみゲージが接続されたリード線の基端を接続するためのコネクタ並びに基端側にひずみ測定器が接続されるケーブルの先端側を接続するための接続部を有するひずみゲージ用ブリッジボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ひずみ測定システムは、ひずみセンサがひずみゲージで構成されている場合に、被測定物(被測定対象)の複数の被測定個所の各々に、それぞれ個別のひずみゲージを貼り付け、この複数のひずみゲージの各々に対応して接続されたリード線の各々を、ひずみ測定器とはケーブルで接続されたひずみゲージ用ブリッジボックス(以下、「ブリッジボックス」と略称する場合がある)に接続している。即ち、複数のひずみゲージの各々を、複数のリード線と複数のブリッジボックスと複数のケーブルとを順に介してひずみ測定器に接続している。
図2は、一般的なひずみ測定システムの全体構成を示す結線図である。
図2において、被測定物95に接着剤等を用いて貼り付けた複数のひずみゲージ94とブリッジボックス91との間の距離は、数mから数10mにも及ぶ場合があり、また、リード線93の本数(チャネル数)も数チャンネルから数百チャンネルと非常に多いので、ひずみゲージ94とブリッジボックス91との間を結ぶ複数のリード線93は、通常は互いに束ねられた束線となっている。また、ブリッジボックス91とひずみ測定器92との間を接続する電気ケーブル(以下、単に「ケーブル」と略称する場合がある)96も、通常は束線となっている。
【0003】
従来は、図2に示すようなひずみゲージ94を用いて、被測定物95の多点測定(通常は数チャネル〜数百チャネル)を実施する場合、ひずみゲージ94と被測定物95の被測定個所との対応関係を示す対応表や対応図を作成すると共に、被測定個所の識別文字、説明等をひずみ測定器92に記憶させておき、これによって、ひずみ測定器91の各チャネルと測定個所との対応付けを把握している。
しかしながら、この対応付け方法では、ひずみゲージ94と、ひずみゲージ94とブリッジボックス91との間のリード線93の接続状況までは把握できない。
よって、ひずみゲージ94を交換する際などには、作業者は、リード線93を束ねている結束線を取り外し、ひずみゲージ94側から手繰ることにより、個々のひずみゲージ94に接続されているブリッジボックス92を探し当てて確認してから、ひずみゲージ94やリード線93の交換を行っていた。
そこで、本発明においては、ひずみゲージとブリッジボックスとの接続状況を簡単に把握できる手段を提供することが1つの課題であった。
【0004】
この分野の公知技術としては、例えば、特許文献1(特開2000−231863号公報)には、簡便に検出スイッチの検査を可能とするコネクタ付き検出スイッチ用端子箱が開示されている。具体的には、この端子箱は、制御装置等と検出スイッチ等を接続するケーブルの中途に設置するものであって、ランプを点灯可能なランプ回路が装着してあり、そのランプ回路の端子は検出スイッチの端子に接続した構成としている。
また、例えば、特許文献2(特開2008−134203号公報)には、折れ曲がった狭い個所や高温雰囲気下でも自由に屈曲させてリード線を配設でき、かつ曲げ変形や衝撃荷重が作用したとしても折損することもなく、試験対象に貼付されたひずみゲージ位置を識別する機能を有する簡便な貼付位置識別機能付ひずみゲージおよびひずみ測定装置が開示されている。具体的には、ひずみゲージのゲージ面端部に印加電圧によって発光する発光体を設けると共に、前記ひずみゲージのリード線に沿ってこの発光体に電圧を印加するための導線を沿わせてなる貼付位置識別機能付ひずみゲージが開示されている。また、前記貼付位置識別機能付ひずみゲージの発光体に電圧を印加するための導線に、電源と導通開閉手段とを接続して発光体点灯回路を形成し、前記発光体に前記電源電圧を印加または遮断する機能を付与した貼付位置識別機能付ひずみ測定装置が開示されている。
【0005】
また、例えば、特許文献3(特開平9−237524号公報)には、主電気機器のチャンネルと副電気機器の設定位置との対応付けを容易に行い得ると共に複数の副電気機器の中の特定のものが主電気機器のどのチャンネルに接続されているかを容易・迅速且つ確実に識別し得るリードケーブルが開示されている。具体的には、主電気機器の端子盤と複数のひずみセンサとをリードケーブルで接続する。リードケーブルは、3本の導線と光ファイバーとを一体化して形成する。光ファイバーの端子盤側に光導入部を設け、ひずみセンサ側に光放出部を設ける。ひずみセンサの設定位置を確認する場合には、確認しようとするチャンネルに対応する光ファイバーの光導入部に光源の光を導入すると、光ファイバーの内部を光が進行し、端部の光放出部から拡散光が放出される。この光放出部は、前述のようにひずみセンサの近傍に露呈されているため、目的とするひずみセンサが一目瞭然に認識できるものである。
さらに、例えば、特許文献4(特開2010−169429号公報)には、ひずみゲージの貼付作業ミスの排除、ひずみゲージ貼付け後の配線、設定作業ミスのチェック、動作チェックの容易・確実化、ひずみ測定器における各種情報の読込みによる自動設定等の実現を図る技術が開示されている。具体的には、IDリーダ/ライタ機能付きのデータロガーに、コネクタとプラグとを介してひずみゲージを接続し、データロガーのリーダ部を介してIDタグラベルに記載されているデータを読み取る。ここで読み取ったデータと、IDタグラベル作成時の情報とを照合して作業ミスの有無を確認し、両者のデータが合致すれば、読み取ったデータをIDチップに読み込み、合致しなければ、何らかの警告を発するものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−231863号公報
【特許文献2】特開2008−134203号公報
【特許文献3】特開平9−237524号公報
【特許文献4】特開2010−169429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記背景技術で述べた従来のひずみ測定システムにあっては、前述のとおり、ひずみゲージとひずみ測定器との間を中継するブリッジボックスとの接続状況およびブリッジボックスの当該個所までは容易には把握できないという問題点が有った。
なお、ブリッジボックスと被測定個所との対応付け方法として、前述の、ひずみゲージと被測定個所との対応関係をひずみ測定器に記憶させて把握する方法を参考にし、この方法に準じた把握方法を開発することは、ブリッジボックスとひずみ測定器との距離が近くない場合が一般であるので、良好な解決方法とはならない。
即ち、例えば、ひずみゲージを交換する場合を考えると、ひずみゲージを貼り付けた位置については、作業者は、ひずみ測定器と被測定個所との対応表や対応図を記載して参照することで知ることができるとしても、複数のひずみゲージと複数のブリッジボックスとの対応関係(接続状況)までは知ることができない。その理由は、ブリッジボックスは、通常、ひずみゲージとひずみ測定器とを結ぶ長く且つ束ねられた状態の配線の途中に設置されるものであるから、ブリッジボックスは容易には覗き見ることができないためである。
【0008】
また、ひずみゲージとゲージボックスとの間に接続されているリード線およびブリッジボックスとひずみ測定器間を結んでいるケーブルは、通常は束線となっているために、この束線を外したり手繰ったりすることで、ひずみゲージとブリッジボックスとの接続関係を把握する方法は、ひずみゲージに接続されているリード線の長さを考慮すると、多大の労力を要することになり、また、束線を元の状態に戻すことにも多大の工数を必要とするため、実施が困難であった。
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、複数のひずみゲージの各々とこれに対応するひずみゲージ用ブリッジボックスとが複数のリード線で接続されている全体構成で、被測定物の被測定個所に貼り付けられたひずみゲージが取り換えられた際に、該取り換えられた元のひずみゲージが、どのひずみゲージ用ブリッジボックスと接続されていたかを、ひずみセンサ用ブリッジボックスにおいて明確に視認可能とすることで、ひずみゲージの取り換え作業を確実かつ容易にすることができるひずみゲージ用ブリッジボックスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載した発明は、上述した目的を達成するために、被測定個所に添着されるひずみゲージを含んでホイートストンブリッジを構成する抵抗および先端側に前記ひずみゲージが接続されたリード線の基端を接続するためのコネクタ並びに基端側にひずみ測定器が接続されるケーブルの先端側を前記コネクタに接続するための接続部を有するひずみゲージ用ブリッジボックスにおいて、
前記ケーブルを介してON/OFF信号を受けて点灯/消灯を行う発光体を設け、
前記の如く接続されたブリッジボックスが複数チャンネルに亘って使用される場合において、取り換えを要するひずみゲージを特定する手段と、該特定されたひずみゲージに対応するチャンネルに対してON/OFF信号を送出する手段を備えた前記ひずみ測定器から前記特定されたチャンネルに対し前記ケーブルを介して前記ON信号が伝達されたとき、当該チャンネルのブリッジボックスに設けられた発光体が点灯するように構成したことを特徴としている。
【0010】
また、請求項2に記載した発明は、前記特定手段が、前記ひずみ出力が予想した値と異なる結果を示した場合に当該ひずみゲージが取り換えを要するものと判定し、当該ひずみゲージと被測定個所との対応表を参照することで、前記取り換えを要するひずみゲージおよび/または当該ひずみゲージと接続された当該リード線を特定することを特徴としている。
また、請求項3に記載した発明は、前記発光体は、前記ホイートストンブリッジ回路に供給するブリッジ電源入力ラインおよびひずみ出力ラインとは、別途のラインを介して通電を受けるように構成したことを特徴としている。
さらに、請求項4に記載した発明は、前記発光体は、LEDランプであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、被測定個所に添着されるひずみゲージを含んでホイートストンブリッジを構成する抵抗および先端側に前記ひずみゲージが接続されたリード線の基端を接続するためのコネクタ並びに基端側にひずみ測定器が接続されるケーブルの先端側を前記コネクタに接続するための接続部を有するひずみゲージ用ブリッジボックスにおいて、
前記ケーブルを介してON/OFF信号を受けて点灯/消灯を行う発光体を設け、
前記の如く接続されたブリッジボックスが複数チャンネルに亘って使用される場合において、取り換えを要するひずみゲージを特定する手段と、該特定されたひずみゲージに対応するチャンネルに対してON/OFF信号を送出する手段を備えた前記ひずみ測定器から前記特定されたチャンネルに対し前記ケーブルを介して前記ON信号が伝達されたとき、当該チャンネルのブリッジボックスに設けられた発光体が点灯するように構成したので、広範囲あるいは密集した領域に添着されたひずみゲージのうち、正常に応答せず、取り換えを要するひずみゲージを特定し、当該ひずみゲージが接続されているチャンネルのゲージボックスの発光体を点灯させて、視認可能とすることができ、当該チャンネルのひずみゲージの交換作業および当該チャンネルのリード線のゲージボックスに対する接続作業が容易に、迅速に且つ確実に行い得るひずみゲージ用ゲージボックスを提供することができる。
【0012】
さらに、複数のひずみゲージの各々とひずみゲージ用ブリッジボックスとが複数のリード線で接続されている全体構成で、取り換えを要するひずみゲージに対応したひずみゲージ用ブリッジボックスを、ひずみ測定器側で特定できるので、被測定物の被測定個所に添着されたひずみゲージが取り換えられた際に、該取り換えられた元のひずみゲージが、どのひずみゲージ用ブリッジボックスと接続されていたかを、当該ひずみセンサ用ブリッジボックスにおいて、例えばLEDランプの如き発光体を点灯させて明示させることができるので、従来のように、多数本束ねられたリード線をバラバラにほどき、ひずみゲージ側から手繰り、ゲージボックスを探し当てるという難儀な作業を行うことなく、ひずみゲージの取り換え作業を確実かつ容易にすることが可能となるひずみゲージ用ゲージボックスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係るひずみ測定システムの要部の構成を示す結線図である。
【図2】一般的なひずみ測定システムの全体構成を示す結線図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るひずみゲージ用ブリッジボックスの最良の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一つの実施の形態に係るひずみ測定システムの要部の構成を示す結線図である。
図1において、本実施の形態のひずみ測定システムは、要部の構成として、ひずみゲージ用ブリッジボックス1(以下、単に「ブリッジボックス」ということもある)と、ひずみ測定器2を備えて構成される。
なお、本実施の形態のひずみ測定システムは、上記構成要素以外に、ひずみゲージSGを備える。
ブリッジボックス1は、発光体としてのLEDランプ12と、被測定個所に添着されるひずみゲージSGを含んでホイートストンブリッジ回路11を構成する抵抗と、先端側にひずみゲージが接続されたリード線13の基端を接続するためのコネクタ(図示せず)と、を有し、基端がひずみ測定器2に接続されたケーブル28の先端が挿入され、ケーブル28の心線とコネクタとの電気的接続が施される接続部を有している。
【0015】
ひずみ測定器2は、コネクタ部21と、ひずみ量を増幅する演算増幅回路22(オペアンプ)と、アナログ信号表現のひずみ量をディジタル信号表現のひずみ量に変換するA/D変換回路23と、各チャネルのひずみ量を入力して解析するCPU24と、CPU24が出力する各チャネルのひずみ量の記録や表示を入出力装置(図示は省略)に指令するための周辺制御回路であるI/O25と、各チャンネルに対応して設けられた押しボタン式のON/OFFスイッチ26(ここではチャネルNに対応する部分を図示している)と、前記ON/OFFスイッチ26の押下によりLEDランプ点灯用の駆動電流を出力するトランジスタ27と、を具備する。
コネクタ部21は、ブリッジ回路11の入・出力に対応したコネクタ(A〜D)と、接地のコネクタEに加えて、トランジスタ27からの駆動電流(ON/OFF信号)をブリッジボックス1の発光体としてのLEDランプ12に伝達するためのコネクタ(F,G)を具備する。
上記の構成において、本発明に特徴的な構成要素は、LEDランプ12と、押しボタン式のON/OFFスイッチ26と、駆動電流を出力するスイッチ作用を司るトランジスタ27と、コネクタ(F,G)である。
よって、以下の説明では、上記の、本発明に特徴的な構成要素を中心にして説明する。
【0016】
また、以下では、ひずみ測定器2が設置されている現場において、被測定物に接着、融着、蒸着等の手段により添着されたひずみゲージSGの内、どの被測定個所のひずみゲージを交換すべきかを把握した上で、必要なひずみゲージの交換を実施するものとする。
まず、被測定物に添着されたひずみゲージSGの内、どの測定個所のひずみゲージSGを交換すべきかについては、ひずみ測定器2が設置されている現場の作業者が、CPU24で解析され、A/D変換器を介して出力された各チャネル対応のひずみ(ひずみ量やひずみ方向)に関する数値データと、または、ひずみ測定器2側から見た抵抗値データによりひずみゲージSGと測定個所との対応表等とを参照することで容易に特定することができる。また、この段階では、勿論、交換されるひずみゲージに対応するチャネル番号も把握される。
これにより、ひずみ測定器2が設置されている現場の作業者からは、被測定物が存在する現場に対して、交換すべきひずみゲージSGが設置されている被測定個所を、別途の通信手段(例えば、公衆電話回線網、Eメール、LAN回線網等)を介して通知するか、測定者自身が被測定物が存在する現場に赴く。
【0017】
この通知の応答を受けた被測定物が存在する現場の作業者または、ひずみ測定器2側にいた作業者は、指示どおりの被測定個所のひずみゲージSGを、新しいひずみゲージSGに交換し、そのリード線の基端側をブリッジボックス1が設置されている現場まで引き込む。この一連の作業が完了すると、被測定物が存在する現場の作業者からは、前記通知に対応する応答として、ひずみゲージSGの交換作業が完了したことをひずみ測定器2が設置されている現場に通知する。
ひずみ測定器2が設置されている現場では、この応答を受けて、指示した測定個所が新しいひずみゲージSGに交換されたことが確認されると、作業者は、前述の、交換されるひずみゲージSGに対応するチャンネル番号(ここではN)に対応するON/OFFスイッチ26を押下する。なお、ここでは、このON/OFFスイッチ26はハードウェアとして設置されるものとする。
これにより、該押下されたON/OFFスイッチ26に対応するトランジスタ27が駆動電流を出力し、当該ブリッジボックス1ではLEDランプ12が点灯する。
このように、ブリッジボックス1が設置されている現場の作業者は、ブリッジボックス1においてLEDランプ12が点灯したことを目視すると、ブリッジボックス1に接続されているリード線を取り外し、代わりに、前述の新しいひずみゲージに接続されているリード線の基端側を接続することになる。
【0018】
以上で、ひずみゲージSGの交換作業は完了し、ひずみ測定器2は、この新しいひずみゲージSGについての測定データを収集してひずみ測定処理を開始することができるようになる。
この実施の形態に係るひずみセンサ用ブリッジボックスによれば、被測定物に添着されているひずみゲージSGを新しいひずみゲージSGに交換する交換作業を迅速に完了させることができると共に、この新しいひずみゲージSGによって測定された測定データを確実に記録することができる新たな態勢に迅速に移行することができる効果が得られる。
図1の結線図からも分かるように、識別用のLEDランプ12に対しては、ホイートストンブリッジ回路に供給するブリッジ電源入力ラインおよびひずみ出力ラインとは別途のライン(即ち、端子F,G)を介して通電を受けるようにしたので、センサ出力に影響を与えることがない。
【0019】
(他の実施形態)
前述の実施の形態では、取り換えを要するひずみゲージをひずみ測定器2が特定する構成としたが、他の実施の形態として、この取り換えを要するひずみゲージを、作業実施前に作成されたタイムスケジュールを各現場に持参して参照する実施の形態も可能である。この場合にも、該タイムスケジュールに従って、それぞれのひずみゲージに対応するひずみゲージ用ブリッジボックスに対してひずみ測定器2側からLEDランプ12を点灯させる信号を送出するように構成してもよい。
また、前述の実施の形態では、ON/OFFスイッチ26をハードウェアとして設置されるものとしたが、他の実施形態として、このON/OFFスイッチ26は、周辺制御回路であるI/O25が制御するタッチパネル等の接触型の表示装置上にスイッチ画像として示されたものとし、作業者が、このスイッチ画像(アイコン等)をクリックして選択するものとしても良い。この場合は、このスイッチ画像による選択結果は、選択情報としてCPU24にも入力され、CPU24からI/O25を介してトランジスタ27を駆動することになる。
尚、ブリッジボックス1は、ひずみゲージをホイートストンブリッジ回路に組むためのもので、1ゲージ法、2ゲージ法、4ゲージ法、1ゲージ法3線式、2ゲージ法アクティブ−アクティブ3線式の接続ができるようになっている。
ひずみ測定器2によって取得した測定データは、通信用IC30を介して接続されたパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と称する)に伝送して、パソコン29の画面上にて表示させることができ、パソコン29側からも測定を制御することも可能である。CPU24には、制御プログラムや制御パラメータ等が格納されるROM(リードオンメモリ)31が付設される他、測定データや必要な制御データ等を一時的に保存するRAM(ランダムアクセスメモリ)32が付設されている。
【符号の説明】
【0020】
1 ひずみゲージ用ブリッジボックス
2 ひずみ測定器
11 ブリッジ回路
12 LEDランプ
13 リード線
21 コネクタ部
22 演算増幅回路(オペアンプ)
23 A/D変換回路
24 CPU
25 I/O(周辺制御回路)
26 ON/OFFスイッチ
27 トランジスタ
28 ケーブル
29 パーソナルコンピュータ
30 ROM
31 RAM
A〜G コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定個所に添着されるひずみゲージを含んでホイートストンブリッジを構成する抵抗および先端側に前記ひずみゲージが接続されたリード線の基端を接続するためのコネクタ並びに基端側にひずみ測定器が接続されるケーブルの先端側を前記コネクタに接続するための接続部を有するひずみゲージ用ブリッジボックスにおいて、
前記ケーブルを介してON/OFF信号を受けて点灯/消灯を行う発光体を設け、
前記の如く接続されたブリッジボックスが複数チャンネルに亘って使用される場合において、取り換えを要するひずみゲージを特定する手段と、該特定されたひずみゲージに対応するチャンネルに対してON/OFF信号を送出する手段を備えた前記ひずみ測定器から前記特定されたチャンネルに対し前記ケーブルを介して前記ON信号が伝達されたとき、当該チャンネルのブリッジボックスに設けられた発光体が点灯するように構成したことを特徴とするひずみゲージ用ブリッジボックス。
【請求項2】
前記特定手段は、前記ひずみ出力が予想した値と異なる結果を示した場合に当該ひずみゲージが取り換えを要するものと判定し、当該ひずみゲージと測定個所との対応表を参照することで、前記取り換えを要するひずみゲージおよび/または当該ひずみゲージと接続された当該リード線を特定することを特徴とする請求項1に記載のひずみ測定システム。
【請求項3】
前記発光体は、前記ホイートストンブリッジ回路に供給するブリッジ電源入力ラインおよびひずみ出力ラインとは、別途のラインを介して通電を受けるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のひずみゲージ用ブリッジボックス。
【請求項4】
前記発光体は、LEDランプであることを特徴とする請求項3に記載のひずみゲージ用ブリッジボックス。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−32918(P2013−32918A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167903(P2011−167903)
【出願日】平成23年7月31日(2011.7.31)
【出願人】(000142067)株式会社共和電業 (52)
【Fターム(参考)】