説明

ふきとり用化粧水

【課題】本発明の課題は、皮膚柔軟効果、角質除去効果をより一層高め、且つ安全性上問題のないふきとり用化粧水を提供することである。
【解決手段】本発明者は鋭意研究を行った結果、竹酢液を配合したふきとり用化粧水が、皮膚に対して優れた皮膚柔軟効果、角質除去効果を有し、また安全性上も問題のないことを見出し、本発明を完成するに至った。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はふきとり用化粧水に関する。更に詳しくは竹酢液を配合することを特徴とするふきとり用化粧水に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の老化において、正常な新陳代謝においては垢となって落屑されるはずの角質層(以後老化角質と称する)が、落屑せず滞留する現象がしばしば見られるようになる。この老化角質は固く乾燥した状態をしており、保湿能も著しく低下しているものである。また老化角質には排泄されるべきメラニン色素も含まれている。それ故、角質層全体としても固く肥厚した状態となる。その結果、皮膚は潤いや滑らかさを失い、また透明感の低下したくすみのある外観へと変化する。
【0003】
上記のような状況から、老化角質を除去することにより皮膚に本来の潤い、滑らかさを取り戻し、くすみを改善することができることは考えられる。この効果を目的とした化粧料がふきとり用化粧水である。
なお、本発明の「ふきとり化粧水」とは、主に老化角質を除去し、皮膚に本来の潤いや滑らかさを取り戻し、くすみを改善する目的で用いる化粧水をいう。
【0004】
この目的達成のために、従来、角質柔軟効果を期待して、水酸化カリウムや炭酸カリウム等のアルカリ成分を配合することが行なわれてきた。アルカリ成分を配合した化粧水は、皮膚の水分量を高め皮膚に潤いと滑らかさを与える効果があり、ベルツ水がその代表として挙げられる。また、AHAやスクラブ剤等の角質除去効果を有する成分を配合することも行なわれてきた。
一方、竹酢液は従来、消臭、抗菌、土壌改質等に利用されている。また、化粧料に利用された例はあるが、ふきとり用化粧水としての効果を発揮させるものではなく、示唆すらされていなかった。
【特許文献1】特開平11−60465号公報
【特許文献1】特開2005−200393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、皮膚柔軟効果の発現のためにアルカリ成分を多量に配合すると、皮膚刺激を生じる場合がある。また、角質除去効果の発現のためのAHAも人によっては皮膚に刺激を与える例も報告されている。また、スクラブ剤が皮膚を傷つける恐れもあると考えられる。以上のようにこれらは、安全性上好ましいものではなかった。
【0006】
そこで本発明においては、皮膚柔軟効果、角質除去効果をより一層高め、且つ安全性上問題のないふきとり用化粧水を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような状況において、本発明者は鋭意研究を行った結果、竹酢液を配合したふきとり用化粧水が、皮膚に対して優れた皮膚柔軟効果、角質除去効果を有し、また安全性上も問題のないことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、竹酢液を配合することを特徴とするふきとり用化粧水を提供するものである。また、竹酢液と塩基性アミノ酸を組合せて配合することにより、角質除去効果が相乗的に向上することに加え、優れた皮膚保護効果をも有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明に使用される竹酢液は、例えば、竹炭を製造する際の副産物等である炭焼き釜から出る煙を集め、冷却後、蒸留処置等により得られる液であり、特に限定されるものではなく、市販品を用いてもかまわない。
【0010】
本発明のふきとり用化粧水においては、竹酢液の配合量は特に限定されるものではないが、効果、使用感などの観点から0.001〜20重量%とすることが好ましく、0.1〜5重量%とすることが特に好ましい。
【0011】
本発明に使用される塩基性アミノ酸は、アルギニン、リジン等が例示でき、特にL-アルギニンが好ましい。
【0012】
本発明に使用される塩基性アミノ酸の配合量は、本発明の効果を有する範囲においては限定されるものではないが、0.001〜5重量%が好ましく、特に0.01〜1重量%が好ましい。
【0013】
本発明のふきとり用化粧水には、上記必須成分の他、必要に応じて本発明の効果を阻害しない質的、量的範囲内で、水、界面活性剤、多価アルコール、低級アルコール、pH調整剤、増粘剤、水溶性高分子、防腐剤、キレート剤、薬効成分、油剤、シリコーン、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、色素等、通常化粧品に用いられている成分も配合することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のふきとり用化粧水は、皮膚柔軟効果、角質除去効果に優れ、且つ安全性上問題のないものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の効果を最大限に発揮できる最良の形態は、ふきとり用化粧水が液
状で、化粧用コットン等に含ませることができる状態のものである。また、そのふきとり用化粧水を含ませたコットン等で皮膚の老化角質を拭き取る様に使用することが、効果を最大限に発揮できる使用方法である。
【実施例】
【0016】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0017】
実施例1〜3および比較例1〜3 について、下記表1に示す処方のふきとり用化粧水を作成し、皮膚柔軟効果、角質除去効果、刺激感について評価した。
【0018】
【表1】

【0019】
試験方法としては、各実施例および比較例のふきとり用化粧水をコットンに適量含ませ、顔面を拭き取るように使用し、使用後の皮膚の柔軟性(皮膚柔軟効果)、コットンの汚れの程度(角質除去効果)について、5段階評価後各データを平均した。また、刺激感については有無を評価後判定した。なお、5段階評価の評価方法としては、女性専門パネル20名による官能評価とした。
【0020】
【表2】

【0021】
得られた結果から明らかなように、本発明に係る実施例1〜3は、優れた皮膚柔軟効果と角質除去効果を有し、皮膚刺激もなく、安全性をも兼ね備えたふきとり用化粧水であった。それに対し、比較例1〜3においては、全ての項目を満足し得るものは得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、皮膚柔軟効果と角質除去効果に優れ、且つ刺激もないものであるため、化粧料をつくる上で広く利用できるものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
竹酢液を含有することを特徴とするふきとり用化粧水。
【請求項2】
竹酢液及び塩基性アミノ酸を含有することを特徴とするふきとり用化粧水。

【公開番号】特開2008−174525(P2008−174525A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−11979(P2007−11979)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(591230619)株式会社ナリス化粧品 (200)
【Fターム(参考)】