へこませることができる注射器カートリッジ関連ケース
【課題】粘性医薬品の給送に十分な注入力を作る自動注射装置に使用するに十分に丈夫な注射器カートリッジを提供する。
【解決手段】注射器カートリッジは、注射器200、強制機構300、及びケーシング400を備える。注射器カートリッジのケーシング400は、へこませることができる部分430と固定部分460とを備える。ケーシング400のへこませることができる部分430は、注射器200が注射器カートリッジ内でその行程を通して駆動されたとき、ケーシング400の固定部分460内に入り込むことが有利である。へこませることができる部分430が固定部分460内に入り込むと、注射器カートリッジの長さが効果的に減らされ、一方、これが、より短いプランジャー13の使用を許し、これにより、より小型の自動注射装置の構成を容易にする。
【解決手段】注射器カートリッジは、注射器200、強制機構300、及びケーシング400を備える。注射器カートリッジのケーシング400は、へこませることができる部分430と固定部分460とを備える。ケーシング400のへこませることができる部分430は、注射器200が注射器カートリッジ内でその行程を通して駆動されたとき、ケーシング400の固定部分460内に入り込むことが有利である。へこませることができる部分430が固定部分460内に入り込むと、注射器カートリッジの長さが効果的に減らされ、一方、これが、より短いプランジャー13の使用を許し、これにより、より小型の自動注射装置の構成を容易にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射装置に使用される注射器カートリッジに関する。特に、本発明は、より小型の注射装置の構成を容易にしかつ粘性医薬品の給送に十分な注入力を作る注射装置における使用のために設計することのできるへこませることができる(collapsible)注射器カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、米国特許法第119条の下で特許文献1からの優先権を主張する出願である。
【0003】
(以下「自動注射装置」と呼ばれる)自動式の注射装置は医学及び獣医学の分野で良く知られ、これは動物又は人体に希望投与量の医薬品を自動注射することができる。自動注射装置は、単純な皮下注射に関していくつかの利点を示すと考えられる。例えば、自動注射装置は、要求時に希望投与量の医薬品を自動的かつ確実に送るように設計することができ、迅速、便利、かつ正確な医薬品の給送を容易にする。特に、自動注射装置は、治療用の薬物を自己管理しなければならない対象者による使用によく適している。
【0004】
医薬品の貯蔵と給送とを容易にするために、針のある注射機構を備えている自動注射装置は、一般に、皮下注射針のような針で終わる注射器を備える。希望する場合は、自動注射装置に永久的又は着脱式に取り付けられる注射器カートリッジ内に自動注射装置の注射器を設けることができる。例えば、ニュージャージー州フランクリンレークのビーディー・、ファーマシューティカル・システムズ(BD Pharmaceutical Systems)は、自動注射装置に着脱式に取り付けられかつ予め充填された注射器を有する注射器カートリッジを使用するBDTM自動注射装置を製造する。注射器カートリッジ内に自動注射装置の注射器を設けることにより、幾つかの有力な利点を提供する。例えば、自動注射装置が1回使用の器具として設計され又は製造された場合は、注射器カートリッジ内の注射器は自動注射装置の製造を容易にすることができる。更に自動注射装置が複合的用途の装置として設計された場合は、装置への取付け取外しが可能なカートリッジ内に注射装置の注射器を設けることにより、1個の注射装置本体を、多種の注射の実行に、種々の投与量の医薬品の給送に、又はある範囲の異なった医薬品の給送に使うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第60/337,681号 明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、BDTM自動注射装置において使用されるカートリッジを含む本技術で一般に知られた注射器カートリッジは無欠点ではない。例えば、現在技術の注射器カートリッジは、典型的に、約13.3N(3ポンド)から22.2N(5ポンド)の間の注入力を作る自動注射装置と共に使用するように設計される。従って、現在技術の注射器カートリッジは、444.8N(100ポンド)以上の注入力を必要とする粘性医薬品の給送に十分な大きさの注入力を出すように設計された自動注射装置と共に使用するには典型的に適していない。更に、現在技術の注射器カートリッジが注射器を後退位置に強制する(biasing)機構を有する場合は、注射器カートリッジは、注射器内のピストンの行程と組み合わせられた注射器カートリッジ内の注射器の行程に等しいか又はこれより長い長さを
有するプランジャーを備えねばならないように設計されることが典型的である。かかる要求のため、プランジャーに、及び自動注射装置それ自体に不必要な長さが加わる。従って、粘性医薬品を給送し得る自動注射装置との使用に適しているだけでなく、更により小型の自動注射装置の製造を容易にするようにも設計された注射器カートリッジを提供することが本技術において重要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、粘性医薬品の給送に十分な注入力を作る自動注射装置に使用するに十分に丈夫な注射器カートリッジを提供する。本発明の注射器カートリッジは、注射器、強制機構(bias mechanism)、及びケーシングを備える。本発明の注射器カートリッジのケーシングは、へこませることができる部分(collapsible portion)と固定部分とを備える。ケーシングのへこませることができる部分は、注射器が注射器カートリッジ内でその行程を通して駆動されたとき、ケーシングの固定部分内に入り込むことが有利である。へこませることができる部分が固定部分内に入り込むと、注射器カートリッジの長さが効果的に減らされ、一方、これが、より短いプランジャーの使用を許し、これによりより小型の自動注射装置の構成を容易にする。
【0008】
本発明の注射器カートリッジは、調整可能な先端部も備える。調整可能な先端部は、これが設けられた場合、ケーシングの末端に関する調整可能な先端部の進退を許す適宜の方法で注射器カートリッジの末端部と組み合う。調整可能な先端部を有する注射器カートリッジの提供により、使用者は希望の適用に対する注射の深さを容易に調整することができる。
【0009】
特に注射器カートリッジが自動注射装置の本体に取り付けられていないときの、針の不慮の穿刺による障害を最小にするため、本発明の注射器カートリッジは、1個以上の安全機構を備えるように設計することもできる。例えば、注射器又はケーシングに力又は注入力が加えられない限り、注射器を注射器カートリッジ内の後退位置部に維持するように注射器カートリッジの機構を設計することができる。更に、注射器カートリッジは、これが自動注射装置に取り付けられていないとき、注射器カートリッジの圧縮を防ぐように作用する固定用機構を備えるように設計することができる。かかる固定用機構は、固定用機構の不慮の固定又は固定解除を防ぐように作用するインターロック機構と関連して設けることができる。インターロック機構は、注射器カートリッジが適正に取り付けられると、注射器カートリッジの自動注射装置の本体からの不慮の抜け出し又は排出を防ぐようにも作用する。固定用機構及びインターロック機構は、本発明の注射器カートリッジに設けられた場合、注射器カートリッジが自動注射装置の本体に取り付けられ又は外されたときに作動することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の注射器カートリッジを示す。
【図2−3】図1に示された注射器カートリッジの断面図を与える。
【図4】本発明の注射器カートリッジを取り入れた自動注射装置の例を示す。
【図5−6】本発明による第2の注射器カートリッジを示す。
【図7−8】図5及び図6に示された注射器カートリッジの断面図である。
【図9−10】図5ないし図8に示された第2の注射器の分解図を与える。
【図11−12】固定用リング及び案内リングを有するスリーブ内に位置決めされた図9ないし図10に示された注射器カートリッジを示す。
【図13−16】図5ないし図10に示された注射器カートリッジの着脱を容易にするために自動注射装置内の設け得る案内リング及び固定用リングを有するスリーブを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の注射器カートリッジ100は、注射器200、強制手段300、及びケーシング400を備える。希望するならば、本発明の注射器カートリッジ100は、調整可能な先端部500を更に備えることができる。
【0012】
本発明の注射器カートリッジ100内に備えられる注射器200は、バレル210、針220、及びピストン230を備える。注射器200は、バレル210の末端部218に負荷転移用リング240を更に備えることができる。負荷転移用リング240は、天然ゴム又は合成ゴム又はポリマー材料或いは金属又は合金のような適宜適切な材料から構成することができる。負荷転移用リングは240は、注射器200が注射器カートリッジ100内のその行程の終わりに駆動されたときの衝撃を吸収し又は分散させるように作用する。或いは、負荷転移用リング240は、単純に、注射器200のバレル210に加わる負荷の少なくも一部分を注射器カートリッジのケーシング400に転移させるように作用する。
【0013】
注射器200のバレル210は、その手前側の端部214にフランジ212を備える。フランジ214は、注射器カートリッジ100内における注射器200の適正な位置決めを容易にする。注射器200は、バレル210の手前側端部214に座216を備えることもできる。座216により、注射器200を、注射器カートリッジ100に確実に取り付けることができる。
【0014】
注射器200のバレル210は、適切なガラス、合成物、金属、又はポリマー材料のような適宜適切な材料から作ることができる。粘性医薬品の給送に注射器カートリッジ100を使用する場合は、粘性医薬品の給送に必要な高い注入力に耐えるに十分な強度を有する金属又はプラスチック材料を使用してバレル210を作ることが好ましい。例えば、注射器カートリッジ100が粘性医薬品の給送に使用される場合は、液晶ポリマー(LCP)、PEEKポリマー、或いは304ステンレス鋼又は316ステンレス鋼のようなステンレス鋼を使用して、バレル210を構成することができる。更に、注射器200のバレル210の製作に使用される材料は、バレル210内に充填される医薬品と両立できなければならない。LCP、PEEKポリマー、ガラス、及び304ステンレス鋼又は316ステンレス鋼のようなステンレス鋼は、広範囲の医薬処方と両立可能な材料例である。
【0015】
注射器200のバレル210は、選ばれた医薬品を容易に給送するような大きさ及び形状にされることが好ましい。バレル210は、標準寸法を含んだ適宜の希望寸法で作ることができるが、粘性医薬品の給送に注射器カートリッジ100が使用される場合は、バレル210は、バレル210の内径ができるだけ針220の標準寸法に近いような寸法にされることが好ましい。これは、バレル210から針220を通って医薬品を送るに要する注入力が、ハーゲン・ポアズイユの法則に従って、バレル210の内径と針220の内径との差の増加とともに指数関数的に増加するためである。バレル210の内径の針220の内径への接近の利益は、注射器200の希望の寸法及び給送すべき医薬品の量のようなその他の設計要因との平衡を取らねばならないことは言うまでもない。更に、選ばれた医薬品の給送に要する力を減らすために、図面に示されるようなバレル210のノーズ222を短くすることができる。ノーズ222が短くなると、希望の注入深さを達成するに要する針220の長さが減らされ、これは、一方では、バレル210から針220を通って医薬品を給送させるに要する力を減らす。
【0016】
本発明の注射器カートリッジ100の注射器200内に置かれた針220は、希望の医薬品の給送に適した適宜の針とすることができる。例えば、針220は、希望の医薬品の皮下注射、筋肉内注射、又は関節内注射を達成するに十分な長さの皮下注射針とすることができる。針220は、適宜の希望長さ又は標準寸法のものとすることができる。
【0017】
本発明の注射カートリッジ100のケーシング400は、へこませることができる部分430と固定部分460とを備える。ケーシング400のへこませることができる部分430は、これがケーシング400の固定部分460の中でかつ固定部分から離れて配置し得るような寸法にされる。ケーシング400の固定部分460内におけるへこませることができる部分430の位置決めを容易にするために、へこませることができる部分に1個又はそれ以上の圧縮溝436を設けることができる。へこませることができる部分430は、このへこませることができる部分430が固定部分460内に置かれると、へこませることができる部分430が固定部分460から確実に出ないように作用する機構も備える。例えば、へこませることができる部分430の末端部432が第1のリップ434を備え、へこませることができる部分430が固定部分460から外に伸びたとき、このリップが固定部分460の手前側端部462に形成された第2のリップ464と組み合うようにすることができる。
【0018】
へこませることができる部分430の手前側端部436は、注射器カートリッジ100内における注射器200の位置決めを許すような寸法にされた開口部438を持つ。注射器200が開口部438を通り位置決めされると、へこませることができる部分430の手前側端部436が、注射器200のバレル210内に設けられた座216と組み合い、これにより注射器200とケーシング400との間のスナップ適合連結が提供される。ケーシング400のへこませることができる部分430内の注射器200の位置決めを容易にするために、開口部438は、1個以上の拡張グローブ(grove)440を備え、これが注射器200の開口部438を通る位置決めの際の開口部438の広がりを許す。開口部438は、注射器200が開口部438を通って位置決めされたとき、注射器200のバレル210の手前側端部214に形成されたフランジ212と組み合うような寸法にもされる。そこで、注射器200が注射器カートリッジ100内で前進又は後退をさせられたとき、ケーシング400のへこませることができる部分430はケーシング400の固定部分460内に入り込み又は固定部分の外に伸びる。図1、図2及び図4ないし図12は、後退位置における注射器200を示し、図3は前進位置にある注射器200を示す。
【0019】
ここに図示された実施態様においては、本発明の注射器カートリッジ100の強制機構300はコイルバネ302を備える。このコイルバネ302は、通常、へこませることができる部分430を、注射器200の収縮位置に相当する伸長位置に維持する。しかし、本発明の注射器カートリッジ100の強制機構300は、コイルバネ302の代わりに、中実又は発泡のゴム、又はポリマーの緩衝体、或いは流体を満たした弾性ブラダーのような適宜適切な強制用部材を備えることができる。強制機構300のバネ率又は圧縮に要する力は、挿入力又は注入力が注射器200に加えられるまで、かかるバネ率又は力が注射器200を収縮位置に強制するに少なくも十分であるように希望のように変えることができる。しかし、挿入力又は注入力がなくなると、強制機構300は、注射器200を自動的にケーシング400内に戻すように後退させる。
【0020】
本発明の注射器カートリッジ100を自動注射装置内に取り付け得るように、注射器カートリッジ100のケーシング400の固定部分460に取付け機構が設けられる。例えば、ケーシング400の固定部分460は、(図1ないし図4に示される)自動注射装置の本体内に設けられた第2のネジ区域と相補的な第1のネジ区域を備えることができる。或いは、自動注射装置の本体内、又は自動注射装置内に取り付け得るアダプター内に形成された固定用リングと相補的な1個以上の固定用タブ(図5ないし図7及び図9ないし図11に示される)を、注射器カートリッジ100のケーシング400の固定部分460に備えることができる。ここに提供された図面は1個以上の特別な取付け用機構を備えた注射器カートリッジ100を示すが、本発明の注射器カートリッジ100はその他の適宜適
切な取付け用機構を組み込むことができる。
【0021】
図1ないし図4は、本発明の注射器カートリッジ100の第1の実施態様を示す。本発明の注射器カートリッジ100の第1の実施態様は多数回使用の注射器具と関連して使用することができるが、第1の実施態様の注射器カートリッジ100は、1回使用又は使捨て式の注射器具との使用に特に適している。
【0022】
図1ないし図4において容易に認められるように、本発明の注射器カートリッジ100の第1の実施態様は、自動注射装置10の本体12内にねじ込まれる。第1の実施態様の注射器カートリッジのケーシング400の固定部分460は第1のネジ区域466を備え、これは、自動注射装置10の本体12内に設けられた第2のネジ区域468と相補的である。第1及び第2のネジ区域466、468は、粘性医薬品の給送に必要な大きい注入力にも耐え得る頑丈な取付け用機構を提供しつつ、注射器カートリッジを自動注射装置10の本体12に迅速かつ容易に取り付けることができる。
【0023】
第1の実施態様の注射器カートリッジ100は、調整可能な先端部500も備える。第1の実施態様の調整可能な先端部500は第1のネジ区域502を備え、これは、ケーシング400の固定部分460の末端部470に形成された第2のネジ区域504と相補的である。第1及び第2の相補的なネジ区域502、504は、ケーシング400の末端部470に関する調整可能な先端部500の前進又は後退を許し、これにより、使用者が針220の挿入深さを調節することを許す。第1及び第2のネジ区域502、504は、このネジ機構が第1の実施態様の注射器カートリッジ100を自動注射装置10の本体12に取り付けるために利用されるとき逆方向に捩られるネジ機構を提供することが好ましい。例えば、注射器カートリッジ100が「右」ネジ機構を使用して自動注射装置10の本体12に取り付けられる場合は、調整可能な先端部500及びケーシング400の末端部470に形成された第1及び第2のネジ区域502、504は、「左」ネジ機構を形成することが好ましい。図1ないし図4は、ネジ機構を介してケーシング400の固定部分460の末端部470と組み合う調整可能な先端部500を示し、この調整可能な先端部500は、ケーシング400の固定部分460の末端部470に関して調整可能な先端部500の前進又は後退を許すラチェット適合機構又はスナップ適合機構のようなその他の適宜適切な機構を使用して末端部470と組み合うことができる。
【0024】
図4は、取り付けられた第1の実施態様による注射器カートリッジ100を有する空気圧式の自動注射装置10を示す。図4を参照して認め得るように、自動注射装置10は、注入力を逐次加える2段階式駆動機構を備え、この注入力は注射器カートリッジ100内の注射器200に加えられる。自動注射装置10の駆動機構により作られた挿入力又は注入力は、自動注射装置10に駆動機構内に置かれた2段階ピストン16の末端部14に形成されたプランジャー13を介して、注射器200のピストン230に伝達される。注射器200は、挿入力が加えられると、強制機構300に逆らって、注射器カートリッジ100内で前進位置に駆動され、ケーシング400のへこませることができる部分430を、ケーシング400内の固定部分460内に入り込む。ケーシング400のへこませることができる部分430は、注射器200が注射器カートリッジ100内で前進させられときケーシング400の固定部分460内で駆動されるため、2段階ピストン16の末端部14に形成されたプランジャー13は、注射器バレル210内で注射器200のピストン230を、その行程にわたって駆動するに十分な長さを有することだけしか必要でない。しかし、対照的に、注射器カートリッジ100が構成部品の入り込みにより短くなり得るケーシングを持たないならば、プランジャー13は、自動注射装置10が対象内への針220の挿入及び注射器200内に収容された医薬品の注入の両者を行うために、注射器バレル210内のピストン230の行程と組み合わせられた注射器カートリッジ100内の注射器200の行程に等しいか又はこれより大きい長さを有することが必要であろう。
【0025】
本発明の注射器カートリッジ100の第2の実施態様が図5ないし図12に示される。第2の実施態様の注射器カートリッジ100は1回使用又は使捨て式の注射器具と関連して使用することができるが、本発明の注射器カートリッジ100の第2の実施態様は、多数回使用の注射器具との使用に特に適している。
【0026】
本発明の注射器カートリッジ100の第2の実施態様は、1個以上の固定用タブ474を介して注射装置の本体に取り付けられる。固定用タブ474は固定用リング602と組み合い、この固定用リングは、(図11ないし図15に示されるように)自動注射装置の本体内に位置決めされるように自動注射装置(図示せず)の本体に一体化され又はスリーブ600の部分として提供される。ここでは図示されないが、注射器カートリッジ100が取り付けられる自動注射装置の本体の一体部分として固定用リング602を形成することが有利である、かかる設計は、自動注射装置の設計を単純化するだけでなく、自動注射装置の直径を小さくするようにも作用する。
【0027】
図13及び図14において容易に見られるように、固定用リング602は、1個以上の通路604、及び垂直方向停止部608のある1個以上の固定用部材606を備える。第2の実施態様による注射器カートリッジ100を固定用リング602に取り付けるために、注射器カートリッジ100は、注射器カートリッジ100の固定用タブ474が固定用リングの1個以上の通路604を通過して固定用リング602の1個の以上の固定用部材606と組み合うように位置決めされるまで、固定用リング602を通り前進させられる。注射器カートリッジ100の適正な位置決めを容易にするため、注射器カートリッジ100を取り付ける自動注射装置は、固定用タブ474が固定用リング602の固定用部材と組み合うように適正に位置決めされたとき、注射器カートリッジ100が機械式停止具に当たるように設計することができる。かかる機械式停止具は、例えば自動注射装置のプランジャーにより提供することができる。注射器カートリッジが固定用リング602に関して正確に位置決めされると、注射器カートリッジ100の固定用タブ474が1個以上の固定用部材606と組み合いかつ垂直方向停止部608に達するまで、注射器カートリッジ100にトルクが加えられる。図11は、スリーブ600内に取り付けられた第2の実施態様による注射器カートリッジ100の断面を与え、これにおいては、注射器カートリッジ100の固定用タブ474は、固定用リング602の固定用部材606と組み合わせられている。
【0028】
本発明の注射器カートリッジ100の第2の実施態様は固定用機構700を備え、これは、注射器カートリッジ100が注射装置に取り付けられないときの注射器カートリッジ100の不慮の圧縮を最小にするように作用する。図5ないし図12に示されるように、固定用機構は、ケーシング400のへこませることができる部分430の外面442から離れて伸びている1個以上の耳702を備える。注射器カートリッジ100が固定位置に置かれたときは、1個以上の耳はケーシング400の固定部分460の手前側端部462を通過することはできず、これによりへこませることができる部分430が固定部分460内で圧縮されることを防止する。1個以上の耳702は、非固定位置においては、ケーシング400の固定部分460の手前側端部462に形成された1個以上の通路704と揃う。1個以上の通路704により、1個以上の耳702はケーシング400の固定部分460の手前側端部462を通過でき、これによりへこませることができる部分430が固定部分460内において圧縮されることを許す。好ましくは、注射器カートリッジ100及びこの注射器カートリッジ100が取り付けられる注射装置は、注射器カートリッジが注射装置に取り付けられたときは非固定位置に置かれるが、注射装置から外されたときは固定位置に戻るように設計される。
【0029】
本発明による注射器カートリッジ100を自動注射装置に着脱する際の固定用機構70
0の作動を提供するために、自動注射装置は、案内リング610を備えることができる。固定用リング602と同様に、案内リング610は、自動注射装置(図示せず)の本体と一体にすることができ、或いは図11ないし図15に示されるように、自動注射装置の本体内に位置決めされたスリーブ600内に置くことができる。ここでは図示されないが、現在では、注射器カートリッジ100の取り付けられる自動注射装置の一体部品として案内リング610を形成することが好ましい。かかる設計は、自動注射装置の設計を単純化するだけでなく、自動注射装置の直径を減すようにも作用する。
【0030】
図面に見られるように、案内リング610は、固定用機構の1個以上の耳702を受け入れるような寸法にされた1個以上の案内スロット612を備える。注射器カートリッジ100が固定用リング602を通って進められるとき、固定用機構の耳702は、1個以上の案内スロット612内に置かれる。固定用機構700の耳702が1個以上の案内スロット612内に置かれかつ注射器カートリッジ100が固定用リング602内で正しく位置決めされると、固定用リング602の固定用部材606とケーシング400の固定用タブ474とを組み合わせるようにトルクが加えられる。案内リング610を定位置に固定しかつ固定用機構の耳702を案内スロット612により定位置に保持するため、固定用部材606と固定用タブ474とを組み合わせるに必要なトルクの適用により、ケーシング400の固定部分460を、ケーシング400のへこませることができる部分430に関して回転させる。
【0031】
固定された注射器カートリッジ100だけが固定用リング602を通り又はこれから引かれて進むことができるように、案内リング610が固定用リング602に関して位置決めされる。第2の実施態様による固定された注射器カートリッジ100が、ここに説明された案内リング610と固定用リング602とを使用して自動注射装置に取り付けられたとき、固定部分460に関するへこませることができる部分430の回転により、固定用機構700の1個以上の耳702と固定用機構700の1個以上の通路704とが揃えられる。注射器カートリッジ100が固定用リング602と案内リング610とを有する自動注射装置に取り付けられると、固定用リング602に設けられた垂直方向停止部608のため、注射器カートリッジ100を固定用リング602から取り出すためには逆向きのトルクを加えねばならない。ケーシングのへこませることができる部分430は、この逆向きのトルクが加えられると、ケーシング400の固定部分460に関して再び回転し、この回転が固定用機構700の耳702と通路704との整列を崩す。従って、図11ないし図15に示されるように、自動注射装置に固定用リング602と案内リング610とが設けられた場合は、自動注射装置は、第2の実施態様による注射器カートリッジ100を取り付ける行為が固定用機構700を本質的に固定位置から非固定位置に動かし、更に第2の実施態様による注射器カートリッジ100を外す行為が固定用機構700を本質的に非固定位置から固定位置に動かすように容易に構成することができる。
【0032】
希望するならば、第2の実施態様は、更にインターロック機構800を設けることができる。インターロック機構800は、固定用機構700の不慮の作動を最小にするだけでなく、注射器カートリッジ100が自動注射装置100に取り付けられたとき、注射器カートリッジ100がこれから不慮に抜け出し又は脱出する可能性を最小にする。図5、図6、図9、及び図10は、本発明の注射器カートリッジ100内に備え得るインターロック機構800を最もよく示す。
【0033】
図5、図6、図9、及び図10に示されたインターロック機構800は、強制機構300により加えられる強制力を利用し、そして1個以上の第1のインターロック空間804及び1個以上の第2のインターロック空間806並びに1個以上のインターロックタブ802を備える。インターロックタブ802は、ケーシング400のへこませることができる部分430の第1のリップ434に形成され、そして第1及び第2のインターロック空
間804、806は、ケーシング400の固定部分460の第2のリップ464に形成される。図5、図6、図9、及び図10に示された実施態様においては、ケーシング400の固定部分460の手前側端部462に形成された通路704も、インターロック機構800の第1のインターロック空間804として作用する。
【0034】
図5及び図6は、第1のインターロック空間804内に置かれたインターロック機構800のインターロックタブ802を示す。図面から容易に認められるように、インターロックタブが第1のインターロック空間804内に置かれたときは、注射器カートリッジ100の固定用機構700は固定位置に置かれる。強制機構300により加えられる力に打ち勝つに十分な圧縮力とトルクとが加えられるまで、強制機構300により加えられる強制力が、インターロックタブ802を第1のインターロック空間804内に維持する。その後、インターロック機構800は、強制機構300に打ち勝つに十分なトルクと圧縮力とを同時に加えられるまで、注射器カートリッジ100の固定用機構700を固定位置に固定するように作用する。
【0035】
インターロックタブ802は、適切な組合せのトルクと圧縮力とが加えられると、第1のインターロック空間804から動かされ、ケーシング400のへこませることができる部分430が回され、固定用機構700が非固定位置に置かれる。へこませることができる部分430が回されインターロックタブ802が第2のインターロック空間806に達すると、強制機構300により加えられる強制力が、インターロックタブ802を第2のインターロック空間806に係合させる。図5及び図6に見られるように、インターロックタブ802が第2のインターロック空間806内に置かれると、固定用機構700は非固定位置に置かれる(即ち、固定用機構700の耳702及び通路704が揃えられる)。インターロックタブ802が第2のインターロック空間806内に位置決めされると、強制機構300により加えられる強制力は、トルクと圧縮力との適切な組合せが再び適用されるまで、インターロックタブ802を第2のインターロック空間806内に維持するように作用する。その後、インターロック機構800は、注射器カートリッジ100の固定用機構700を固定位置に保持するように作用するだけでなく、インターロック機構800は、注射器カートリッジ100の固定用機構700が非固定位置に達したとき、この位置に保持するようにも作用する。
【0036】
図5、図6、図9、及び図10に示されたインターロック機構800は、ここで説明されたように、固定用リング602と案内リング610とを有する自動注射装置への第2の実施態様による注射器カートリッジ100の着脱により容易に作動させられ有利である。固定用リング602と案内リング610とを有する自動注射装置に注射器カートリッジ100が取り付けられると、注射器カートリッジ100は、注射器カートリッジ100が機械式停止具に達するまで、固定用リング602を通り案内リング610内に進められる。この場合も、例えば、自動注射装置のプランジャーにより機械式停止具を提供することができる。機械式停止具に達すると、強制機構300に打ち勝つに十分な圧縮力と第1のトルクとが注射器カートリッジ100に同時に加えられると、インターロックタブ802が第1のインターロック位置804から移動させられる。かかる作用により、ケーシング400の固定部分460がケーシング400のへこませることができる部分430に関して回転させられ、ケーシング400の固定用タブ474が固定用リング602の固定用部材606と組み合うことができる。ケーシングの固定部分460が回され、そして固定用タブ474が固定用部材606の垂直の停止部608に達すると、インターロックタブ802が第2のインターロック空間806と組み合い、そして強制機構300により加えられる強制力がインターロックタブ802を第2のインターロック空間806内に維持する。従って、注射器カートリッジ100が自動注射装置内に適正に維持されると、インターロック機構800が注射器カートリッジ100の固定用機構700を非固定位置に保持する。更に、第2のインターロック空間806内に位置決めされたインターロックタブ802
により作られた機械的な停止がケーシング400のへこませることができる部分430に関するケーシング400の固定部分460の回転を防ぐため、インターロック機構800も自動注射装置に適正に取り付けられた注射器カートリッジ100の不慮の抜け出し又は排出を防ぐように作用する。
【0037】
インターロック機構800を含んだ注射器カートリッジ100を、固定用リング602と案内リング610とを有する自動注射装置から取り出すために、インターロック機構800は、ケーシング400のへこませることができる部分430に関するケーシング400の固定部分460の回転を許すように作動しなければならない。インターロック機構800の作動は、単に、インターロックタブ802を第2のインターロック空間806から移動させるように、強制機構300に打ち勝つに十分な圧縮力と(第1のトルクと逆方向の)第2のトルクとを同時に加えることにより行われる。インターロックタブ802が第2のインターロック空間806から動かされると、へこませることができる部分430に関してケーシングの固定部分460を回転させることができる。ケーシング400の固定用タブ474を固定用リング602の固定用部材606から外すように固定部分460が動かされると、インターロックタブ802が第1のインターロック空間804に接近しそして組み合い、注射器カートリッジ100が自動注射装置から外されたとき、注射器カートリッジ100の固定用機構700を固定位置に固定する。
【0038】
第2の実施態様による注射器カートリッジ100は、調整可能な先端部500も備える。第2の実施態様の注射器カートリッジ100の調整可能な先端部500は、第1の実施態様の調整可能な先端部500と同様に、ケーシング400の末端部470に沿って前進又は後退するように調整可能な適宜の機構を使用してケーシング400の末端部470と組み合うことができる。例えば、調整可能な先端部500は、ラチェット適合機構、スナップ適合機構、又はネジ機構を使用してケーシングの末端部470と組み合わせることができる。
【0039】
図5ないし図12に示された調整可能な先端部500は、ケーシング400の末端部470と組み合うためにネジ機構を利用する。このネジ機構は、調整可能な先端部500の内面508に形成された1個以上のネジピン506、及びケーシング400の末端部470に形成された1個以上のネジ510を備える。ネジピン506は、調整可能な先端部500にトルクを加えたときにネジピン506が1個以上のネジ510内を案内されそして調整可能な先端部500がケーシング400の末端部470に関して前進又は後退をさせられるように、調整可能な先端部に位置決めされる。第2の実施態様の注射器カートリッジが右回りトルクを使用して自動注射装置に取り付けられる場合は、調整可能な先端部500は、左回りトルクを使ってケーシング400の末端部470上にネジで組み合わせられることが好ましい。
【0040】
本発明の注射器カートリッジ100が1個以上のネジピン506と1個以上のネジ510とを有するネジ機構を有する調整可能な先端部500を備える場合、ネジ510の各は、図7ないし図10に示されるように、固定用ピン514を有する固定用区域512内で終わることができる。調整可能な先端部500が完全に後退させられかつネジピン506が対応したネジ510の終端に達したとき、調整可能な先端部500に力を加えネジピン506を固定用ピン514を越えて固定用区域512内の固定位置に移動させることにより、ネジピン506を固定用区域512内に固定することができる。固定用区域512からネジピン506を解放するには、調整可能な先端部500を引っ張り、ネジピン506を強制して固定用ピン514を越え対応したネジ510内の非固定位置に戻す。固定用区域512内のネジピン506の固定は、ケーシング400の末端部470に関して調整可能な先端部500を前進又は後退させることのない自動注射装置への本発明の注射器カートリッジ100の着脱を容易にする。
【0041】
本発明の注射器カートリッジ100が調整可能な先端部500を備える場合は、調整可能な先端部500又はケーシング400の末端部470に、使用者に希望の注射深さを許す適宜適切な指示器又は一連の指標を設けることができる。例えば、図5、図6、及び図9ないし図12に示されるように、調整可能な先端部は、使用者が観察できる1種以上の注射深さ指示器、例えば数字、文字、言語、色彩、アイコン又はその他適宜の指標を観察できる1個以上の窓520を設けることができる。これら指標は1種以上の注射深さを示すために使用され、ケーシング400の末端部470上に設けられる。或いは、調整可能な先端部500を透明又は半透明の材料で作り、ケーシング400の末端部470に設けられた1個以上の指標を使用者が観察することを許す。更に、ケーシング400の末端部470に、調整可能な先端部500が表示される注射深さに相当する位置に進められたときだけ観察できる1個以上の注射深さ指示器を設けることができる。
【0042】
注射器カートリッジ100の種々の構成要素は適宜適切な材料を使用して作ることができる。例えば、本発明の注射器カートリッジ100の1個以上の構成要素を、適切なガラス、合成物、金属、又はポリマー材料を使用し作ることができる。本発明の注射器カートリッジ100が粘性医薬品の注射に使用されるであろうことが予期される場合は、注射器カートリッジ100のケーシング400は、一般に、金属、合成物、或いはLPC、PEEKポリマー、又はデルリンポリマーのような所要の注入力が加えられたときの応力に耐えるポリマー材料を使って構成されるであろう。
【0043】
本発明の注射器カートリッジは、針のある注射機構を通して医薬品を駆動するプランジャーを使用する適宜の注射装置に使用でき有利である。ここでは空気圧式の自動注射装置のみが示されたが、本技術の熟練者は、本発明の注射器カートリッジが任意の希望の駆動機構を有する自動注射装置に関連した使用に適することを容易に認めるであろう。例えば、本発明の注射器カートリッジは、バネ荷重式駆動機構、電気機械式駆動機構、或いは化学エンジンを備えた駆動機構とでの使用することができる。更に、ここに示された図は、2段階式(即ち、駆動機構が挿入力と注入力とを出す)駆動機構を有する自動注射装置に取り付けられるが、本技術技術熟練者は、本発明の注射器カートリッジが1段駆動(即ち、駆動機構が注入力のみを作ることができる)機構を有する自動注射装置にも等しく有用であることを認めるであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射装置に使用される注射器カートリッジに関する。特に、本発明は、より小型の注射装置の構成を容易にしかつ粘性医薬品の給送に十分な注入力を作る注射装置における使用のために設計することのできるへこませることができる(collapsible)注射器カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、米国特許法第119条の下で特許文献1からの優先権を主張する出願である。
【0003】
(以下「自動注射装置」と呼ばれる)自動式の注射装置は医学及び獣医学の分野で良く知られ、これは動物又は人体に希望投与量の医薬品を自動注射することができる。自動注射装置は、単純な皮下注射に関していくつかの利点を示すと考えられる。例えば、自動注射装置は、要求時に希望投与量の医薬品を自動的かつ確実に送るように設計することができ、迅速、便利、かつ正確な医薬品の給送を容易にする。特に、自動注射装置は、治療用の薬物を自己管理しなければならない対象者による使用によく適している。
【0004】
医薬品の貯蔵と給送とを容易にするために、針のある注射機構を備えている自動注射装置は、一般に、皮下注射針のような針で終わる注射器を備える。希望する場合は、自動注射装置に永久的又は着脱式に取り付けられる注射器カートリッジ内に自動注射装置の注射器を設けることができる。例えば、ニュージャージー州フランクリンレークのビーディー・、ファーマシューティカル・システムズ(BD Pharmaceutical Systems)は、自動注射装置に着脱式に取り付けられかつ予め充填された注射器を有する注射器カートリッジを使用するBDTM自動注射装置を製造する。注射器カートリッジ内に自動注射装置の注射器を設けることにより、幾つかの有力な利点を提供する。例えば、自動注射装置が1回使用の器具として設計され又は製造された場合は、注射器カートリッジ内の注射器は自動注射装置の製造を容易にすることができる。更に自動注射装置が複合的用途の装置として設計された場合は、装置への取付け取外しが可能なカートリッジ内に注射装置の注射器を設けることにより、1個の注射装置本体を、多種の注射の実行に、種々の投与量の医薬品の給送に、又はある範囲の異なった医薬品の給送に使うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第60/337,681号 明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、BDTM自動注射装置において使用されるカートリッジを含む本技術で一般に知られた注射器カートリッジは無欠点ではない。例えば、現在技術の注射器カートリッジは、典型的に、約13.3N(3ポンド)から22.2N(5ポンド)の間の注入力を作る自動注射装置と共に使用するように設計される。従って、現在技術の注射器カートリッジは、444.8N(100ポンド)以上の注入力を必要とする粘性医薬品の給送に十分な大きさの注入力を出すように設計された自動注射装置と共に使用するには典型的に適していない。更に、現在技術の注射器カートリッジが注射器を後退位置に強制する(biasing)機構を有する場合は、注射器カートリッジは、注射器内のピストンの行程と組み合わせられた注射器カートリッジ内の注射器の行程に等しいか又はこれより長い長さを
有するプランジャーを備えねばならないように設計されることが典型的である。かかる要求のため、プランジャーに、及び自動注射装置それ自体に不必要な長さが加わる。従って、粘性医薬品を給送し得る自動注射装置との使用に適しているだけでなく、更により小型の自動注射装置の製造を容易にするようにも設計された注射器カートリッジを提供することが本技術において重要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、粘性医薬品の給送に十分な注入力を作る自動注射装置に使用するに十分に丈夫な注射器カートリッジを提供する。本発明の注射器カートリッジは、注射器、強制機構(bias mechanism)、及びケーシングを備える。本発明の注射器カートリッジのケーシングは、へこませることができる部分(collapsible portion)と固定部分とを備える。ケーシングのへこませることができる部分は、注射器が注射器カートリッジ内でその行程を通して駆動されたとき、ケーシングの固定部分内に入り込むことが有利である。へこませることができる部分が固定部分内に入り込むと、注射器カートリッジの長さが効果的に減らされ、一方、これが、より短いプランジャーの使用を許し、これによりより小型の自動注射装置の構成を容易にする。
【0008】
本発明の注射器カートリッジは、調整可能な先端部も備える。調整可能な先端部は、これが設けられた場合、ケーシングの末端に関する調整可能な先端部の進退を許す適宜の方法で注射器カートリッジの末端部と組み合う。調整可能な先端部を有する注射器カートリッジの提供により、使用者は希望の適用に対する注射の深さを容易に調整することができる。
【0009】
特に注射器カートリッジが自動注射装置の本体に取り付けられていないときの、針の不慮の穿刺による障害を最小にするため、本発明の注射器カートリッジは、1個以上の安全機構を備えるように設計することもできる。例えば、注射器又はケーシングに力又は注入力が加えられない限り、注射器を注射器カートリッジ内の後退位置部に維持するように注射器カートリッジの機構を設計することができる。更に、注射器カートリッジは、これが自動注射装置に取り付けられていないとき、注射器カートリッジの圧縮を防ぐように作用する固定用機構を備えるように設計することができる。かかる固定用機構は、固定用機構の不慮の固定又は固定解除を防ぐように作用するインターロック機構と関連して設けることができる。インターロック機構は、注射器カートリッジが適正に取り付けられると、注射器カートリッジの自動注射装置の本体からの不慮の抜け出し又は排出を防ぐようにも作用する。固定用機構及びインターロック機構は、本発明の注射器カートリッジに設けられた場合、注射器カートリッジが自動注射装置の本体に取り付けられ又は外されたときに作動することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の注射器カートリッジを示す。
【図2−3】図1に示された注射器カートリッジの断面図を与える。
【図4】本発明の注射器カートリッジを取り入れた自動注射装置の例を示す。
【図5−6】本発明による第2の注射器カートリッジを示す。
【図7−8】図5及び図6に示された注射器カートリッジの断面図である。
【図9−10】図5ないし図8に示された第2の注射器の分解図を与える。
【図11−12】固定用リング及び案内リングを有するスリーブ内に位置決めされた図9ないし図10に示された注射器カートリッジを示す。
【図13−16】図5ないし図10に示された注射器カートリッジの着脱を容易にするために自動注射装置内の設け得る案内リング及び固定用リングを有するスリーブを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の注射器カートリッジ100は、注射器200、強制手段300、及びケーシング400を備える。希望するならば、本発明の注射器カートリッジ100は、調整可能な先端部500を更に備えることができる。
【0012】
本発明の注射器カートリッジ100内に備えられる注射器200は、バレル210、針220、及びピストン230を備える。注射器200は、バレル210の末端部218に負荷転移用リング240を更に備えることができる。負荷転移用リング240は、天然ゴム又は合成ゴム又はポリマー材料或いは金属又は合金のような適宜適切な材料から構成することができる。負荷転移用リングは240は、注射器200が注射器カートリッジ100内のその行程の終わりに駆動されたときの衝撃を吸収し又は分散させるように作用する。或いは、負荷転移用リング240は、単純に、注射器200のバレル210に加わる負荷の少なくも一部分を注射器カートリッジのケーシング400に転移させるように作用する。
【0013】
注射器200のバレル210は、その手前側の端部214にフランジ212を備える。フランジ214は、注射器カートリッジ100内における注射器200の適正な位置決めを容易にする。注射器200は、バレル210の手前側端部214に座216を備えることもできる。座216により、注射器200を、注射器カートリッジ100に確実に取り付けることができる。
【0014】
注射器200のバレル210は、適切なガラス、合成物、金属、又はポリマー材料のような適宜適切な材料から作ることができる。粘性医薬品の給送に注射器カートリッジ100を使用する場合は、粘性医薬品の給送に必要な高い注入力に耐えるに十分な強度を有する金属又はプラスチック材料を使用してバレル210を作ることが好ましい。例えば、注射器カートリッジ100が粘性医薬品の給送に使用される場合は、液晶ポリマー(LCP)、PEEKポリマー、或いは304ステンレス鋼又は316ステンレス鋼のようなステンレス鋼を使用して、バレル210を構成することができる。更に、注射器200のバレル210の製作に使用される材料は、バレル210内に充填される医薬品と両立できなければならない。LCP、PEEKポリマー、ガラス、及び304ステンレス鋼又は316ステンレス鋼のようなステンレス鋼は、広範囲の医薬処方と両立可能な材料例である。
【0015】
注射器200のバレル210は、選ばれた医薬品を容易に給送するような大きさ及び形状にされることが好ましい。バレル210は、標準寸法を含んだ適宜の希望寸法で作ることができるが、粘性医薬品の給送に注射器カートリッジ100が使用される場合は、バレル210は、バレル210の内径ができるだけ針220の標準寸法に近いような寸法にされることが好ましい。これは、バレル210から針220を通って医薬品を送るに要する注入力が、ハーゲン・ポアズイユの法則に従って、バレル210の内径と針220の内径との差の増加とともに指数関数的に増加するためである。バレル210の内径の針220の内径への接近の利益は、注射器200の希望の寸法及び給送すべき医薬品の量のようなその他の設計要因との平衡を取らねばならないことは言うまでもない。更に、選ばれた医薬品の給送に要する力を減らすために、図面に示されるようなバレル210のノーズ222を短くすることができる。ノーズ222が短くなると、希望の注入深さを達成するに要する針220の長さが減らされ、これは、一方では、バレル210から針220を通って医薬品を給送させるに要する力を減らす。
【0016】
本発明の注射器カートリッジ100の注射器200内に置かれた針220は、希望の医薬品の給送に適した適宜の針とすることができる。例えば、針220は、希望の医薬品の皮下注射、筋肉内注射、又は関節内注射を達成するに十分な長さの皮下注射針とすることができる。針220は、適宜の希望長さ又は標準寸法のものとすることができる。
【0017】
本発明の注射カートリッジ100のケーシング400は、へこませることができる部分430と固定部分460とを備える。ケーシング400のへこませることができる部分430は、これがケーシング400の固定部分460の中でかつ固定部分から離れて配置し得るような寸法にされる。ケーシング400の固定部分460内におけるへこませることができる部分430の位置決めを容易にするために、へこませることができる部分に1個又はそれ以上の圧縮溝436を設けることができる。へこませることができる部分430は、このへこませることができる部分430が固定部分460内に置かれると、へこませることができる部分430が固定部分460から確実に出ないように作用する機構も備える。例えば、へこませることができる部分430の末端部432が第1のリップ434を備え、へこませることができる部分430が固定部分460から外に伸びたとき、このリップが固定部分460の手前側端部462に形成された第2のリップ464と組み合うようにすることができる。
【0018】
へこませることができる部分430の手前側端部436は、注射器カートリッジ100内における注射器200の位置決めを許すような寸法にされた開口部438を持つ。注射器200が開口部438を通り位置決めされると、へこませることができる部分430の手前側端部436が、注射器200のバレル210内に設けられた座216と組み合い、これにより注射器200とケーシング400との間のスナップ適合連結が提供される。ケーシング400のへこませることができる部分430内の注射器200の位置決めを容易にするために、開口部438は、1個以上の拡張グローブ(grove)440を備え、これが注射器200の開口部438を通る位置決めの際の開口部438の広がりを許す。開口部438は、注射器200が開口部438を通って位置決めされたとき、注射器200のバレル210の手前側端部214に形成されたフランジ212と組み合うような寸法にもされる。そこで、注射器200が注射器カートリッジ100内で前進又は後退をさせられたとき、ケーシング400のへこませることができる部分430はケーシング400の固定部分460内に入り込み又は固定部分の外に伸びる。図1、図2及び図4ないし図12は、後退位置における注射器200を示し、図3は前進位置にある注射器200を示す。
【0019】
ここに図示された実施態様においては、本発明の注射器カートリッジ100の強制機構300はコイルバネ302を備える。このコイルバネ302は、通常、へこませることができる部分430を、注射器200の収縮位置に相当する伸長位置に維持する。しかし、本発明の注射器カートリッジ100の強制機構300は、コイルバネ302の代わりに、中実又は発泡のゴム、又はポリマーの緩衝体、或いは流体を満たした弾性ブラダーのような適宜適切な強制用部材を備えることができる。強制機構300のバネ率又は圧縮に要する力は、挿入力又は注入力が注射器200に加えられるまで、かかるバネ率又は力が注射器200を収縮位置に強制するに少なくも十分であるように希望のように変えることができる。しかし、挿入力又は注入力がなくなると、強制機構300は、注射器200を自動的にケーシング400内に戻すように後退させる。
【0020】
本発明の注射器カートリッジ100を自動注射装置内に取り付け得るように、注射器カートリッジ100のケーシング400の固定部分460に取付け機構が設けられる。例えば、ケーシング400の固定部分460は、(図1ないし図4に示される)自動注射装置の本体内に設けられた第2のネジ区域と相補的な第1のネジ区域を備えることができる。或いは、自動注射装置の本体内、又は自動注射装置内に取り付け得るアダプター内に形成された固定用リングと相補的な1個以上の固定用タブ(図5ないし図7及び図9ないし図11に示される)を、注射器カートリッジ100のケーシング400の固定部分460に備えることができる。ここに提供された図面は1個以上の特別な取付け用機構を備えた注射器カートリッジ100を示すが、本発明の注射器カートリッジ100はその他の適宜適
切な取付け用機構を組み込むことができる。
【0021】
図1ないし図4は、本発明の注射器カートリッジ100の第1の実施態様を示す。本発明の注射器カートリッジ100の第1の実施態様は多数回使用の注射器具と関連して使用することができるが、第1の実施態様の注射器カートリッジ100は、1回使用又は使捨て式の注射器具との使用に特に適している。
【0022】
図1ないし図4において容易に認められるように、本発明の注射器カートリッジ100の第1の実施態様は、自動注射装置10の本体12内にねじ込まれる。第1の実施態様の注射器カートリッジのケーシング400の固定部分460は第1のネジ区域466を備え、これは、自動注射装置10の本体12内に設けられた第2のネジ区域468と相補的である。第1及び第2のネジ区域466、468は、粘性医薬品の給送に必要な大きい注入力にも耐え得る頑丈な取付け用機構を提供しつつ、注射器カートリッジを自動注射装置10の本体12に迅速かつ容易に取り付けることができる。
【0023】
第1の実施態様の注射器カートリッジ100は、調整可能な先端部500も備える。第1の実施態様の調整可能な先端部500は第1のネジ区域502を備え、これは、ケーシング400の固定部分460の末端部470に形成された第2のネジ区域504と相補的である。第1及び第2の相補的なネジ区域502、504は、ケーシング400の末端部470に関する調整可能な先端部500の前進又は後退を許し、これにより、使用者が針220の挿入深さを調節することを許す。第1及び第2のネジ区域502、504は、このネジ機構が第1の実施態様の注射器カートリッジ100を自動注射装置10の本体12に取り付けるために利用されるとき逆方向に捩られるネジ機構を提供することが好ましい。例えば、注射器カートリッジ100が「右」ネジ機構を使用して自動注射装置10の本体12に取り付けられる場合は、調整可能な先端部500及びケーシング400の末端部470に形成された第1及び第2のネジ区域502、504は、「左」ネジ機構を形成することが好ましい。図1ないし図4は、ネジ機構を介してケーシング400の固定部分460の末端部470と組み合う調整可能な先端部500を示し、この調整可能な先端部500は、ケーシング400の固定部分460の末端部470に関して調整可能な先端部500の前進又は後退を許すラチェット適合機構又はスナップ適合機構のようなその他の適宜適切な機構を使用して末端部470と組み合うことができる。
【0024】
図4は、取り付けられた第1の実施態様による注射器カートリッジ100を有する空気圧式の自動注射装置10を示す。図4を参照して認め得るように、自動注射装置10は、注入力を逐次加える2段階式駆動機構を備え、この注入力は注射器カートリッジ100内の注射器200に加えられる。自動注射装置10の駆動機構により作られた挿入力又は注入力は、自動注射装置10に駆動機構内に置かれた2段階ピストン16の末端部14に形成されたプランジャー13を介して、注射器200のピストン230に伝達される。注射器200は、挿入力が加えられると、強制機構300に逆らって、注射器カートリッジ100内で前進位置に駆動され、ケーシング400のへこませることができる部分430を、ケーシング400内の固定部分460内に入り込む。ケーシング400のへこませることができる部分430は、注射器200が注射器カートリッジ100内で前進させられときケーシング400の固定部分460内で駆動されるため、2段階ピストン16の末端部14に形成されたプランジャー13は、注射器バレル210内で注射器200のピストン230を、その行程にわたって駆動するに十分な長さを有することだけしか必要でない。しかし、対照的に、注射器カートリッジ100が構成部品の入り込みにより短くなり得るケーシングを持たないならば、プランジャー13は、自動注射装置10が対象内への針220の挿入及び注射器200内に収容された医薬品の注入の両者を行うために、注射器バレル210内のピストン230の行程と組み合わせられた注射器カートリッジ100内の注射器200の行程に等しいか又はこれより大きい長さを有することが必要であろう。
【0025】
本発明の注射器カートリッジ100の第2の実施態様が図5ないし図12に示される。第2の実施態様の注射器カートリッジ100は1回使用又は使捨て式の注射器具と関連して使用することができるが、本発明の注射器カートリッジ100の第2の実施態様は、多数回使用の注射器具との使用に特に適している。
【0026】
本発明の注射器カートリッジ100の第2の実施態様は、1個以上の固定用タブ474を介して注射装置の本体に取り付けられる。固定用タブ474は固定用リング602と組み合い、この固定用リングは、(図11ないし図15に示されるように)自動注射装置の本体内に位置決めされるように自動注射装置(図示せず)の本体に一体化され又はスリーブ600の部分として提供される。ここでは図示されないが、注射器カートリッジ100が取り付けられる自動注射装置の本体の一体部分として固定用リング602を形成することが有利である、かかる設計は、自動注射装置の設計を単純化するだけでなく、自動注射装置の直径を小さくするようにも作用する。
【0027】
図13及び図14において容易に見られるように、固定用リング602は、1個以上の通路604、及び垂直方向停止部608のある1個以上の固定用部材606を備える。第2の実施態様による注射器カートリッジ100を固定用リング602に取り付けるために、注射器カートリッジ100は、注射器カートリッジ100の固定用タブ474が固定用リングの1個以上の通路604を通過して固定用リング602の1個の以上の固定用部材606と組み合うように位置決めされるまで、固定用リング602を通り前進させられる。注射器カートリッジ100の適正な位置決めを容易にするため、注射器カートリッジ100を取り付ける自動注射装置は、固定用タブ474が固定用リング602の固定用部材と組み合うように適正に位置決めされたとき、注射器カートリッジ100が機械式停止具に当たるように設計することができる。かかる機械式停止具は、例えば自動注射装置のプランジャーにより提供することができる。注射器カートリッジが固定用リング602に関して正確に位置決めされると、注射器カートリッジ100の固定用タブ474が1個以上の固定用部材606と組み合いかつ垂直方向停止部608に達するまで、注射器カートリッジ100にトルクが加えられる。図11は、スリーブ600内に取り付けられた第2の実施態様による注射器カートリッジ100の断面を与え、これにおいては、注射器カートリッジ100の固定用タブ474は、固定用リング602の固定用部材606と組み合わせられている。
【0028】
本発明の注射器カートリッジ100の第2の実施態様は固定用機構700を備え、これは、注射器カートリッジ100が注射装置に取り付けられないときの注射器カートリッジ100の不慮の圧縮を最小にするように作用する。図5ないし図12に示されるように、固定用機構は、ケーシング400のへこませることができる部分430の外面442から離れて伸びている1個以上の耳702を備える。注射器カートリッジ100が固定位置に置かれたときは、1個以上の耳はケーシング400の固定部分460の手前側端部462を通過することはできず、これによりへこませることができる部分430が固定部分460内で圧縮されることを防止する。1個以上の耳702は、非固定位置においては、ケーシング400の固定部分460の手前側端部462に形成された1個以上の通路704と揃う。1個以上の通路704により、1個以上の耳702はケーシング400の固定部分460の手前側端部462を通過でき、これによりへこませることができる部分430が固定部分460内において圧縮されることを許す。好ましくは、注射器カートリッジ100及びこの注射器カートリッジ100が取り付けられる注射装置は、注射器カートリッジが注射装置に取り付けられたときは非固定位置に置かれるが、注射装置から外されたときは固定位置に戻るように設計される。
【0029】
本発明による注射器カートリッジ100を自動注射装置に着脱する際の固定用機構70
0の作動を提供するために、自動注射装置は、案内リング610を備えることができる。固定用リング602と同様に、案内リング610は、自動注射装置(図示せず)の本体と一体にすることができ、或いは図11ないし図15に示されるように、自動注射装置の本体内に位置決めされたスリーブ600内に置くことができる。ここでは図示されないが、現在では、注射器カートリッジ100の取り付けられる自動注射装置の一体部品として案内リング610を形成することが好ましい。かかる設計は、自動注射装置の設計を単純化するだけでなく、自動注射装置の直径を減すようにも作用する。
【0030】
図面に見られるように、案内リング610は、固定用機構の1個以上の耳702を受け入れるような寸法にされた1個以上の案内スロット612を備える。注射器カートリッジ100が固定用リング602を通って進められるとき、固定用機構の耳702は、1個以上の案内スロット612内に置かれる。固定用機構700の耳702が1個以上の案内スロット612内に置かれかつ注射器カートリッジ100が固定用リング602内で正しく位置決めされると、固定用リング602の固定用部材606とケーシング400の固定用タブ474とを組み合わせるようにトルクが加えられる。案内リング610を定位置に固定しかつ固定用機構の耳702を案内スロット612により定位置に保持するため、固定用部材606と固定用タブ474とを組み合わせるに必要なトルクの適用により、ケーシング400の固定部分460を、ケーシング400のへこませることができる部分430に関して回転させる。
【0031】
固定された注射器カートリッジ100だけが固定用リング602を通り又はこれから引かれて進むことができるように、案内リング610が固定用リング602に関して位置決めされる。第2の実施態様による固定された注射器カートリッジ100が、ここに説明された案内リング610と固定用リング602とを使用して自動注射装置に取り付けられたとき、固定部分460に関するへこませることができる部分430の回転により、固定用機構700の1個以上の耳702と固定用機構700の1個以上の通路704とが揃えられる。注射器カートリッジ100が固定用リング602と案内リング610とを有する自動注射装置に取り付けられると、固定用リング602に設けられた垂直方向停止部608のため、注射器カートリッジ100を固定用リング602から取り出すためには逆向きのトルクを加えねばならない。ケーシングのへこませることができる部分430は、この逆向きのトルクが加えられると、ケーシング400の固定部分460に関して再び回転し、この回転が固定用機構700の耳702と通路704との整列を崩す。従って、図11ないし図15に示されるように、自動注射装置に固定用リング602と案内リング610とが設けられた場合は、自動注射装置は、第2の実施態様による注射器カートリッジ100を取り付ける行為が固定用機構700を本質的に固定位置から非固定位置に動かし、更に第2の実施態様による注射器カートリッジ100を外す行為が固定用機構700を本質的に非固定位置から固定位置に動かすように容易に構成することができる。
【0032】
希望するならば、第2の実施態様は、更にインターロック機構800を設けることができる。インターロック機構800は、固定用機構700の不慮の作動を最小にするだけでなく、注射器カートリッジ100が自動注射装置100に取り付けられたとき、注射器カートリッジ100がこれから不慮に抜け出し又は脱出する可能性を最小にする。図5、図6、図9、及び図10は、本発明の注射器カートリッジ100内に備え得るインターロック機構800を最もよく示す。
【0033】
図5、図6、図9、及び図10に示されたインターロック機構800は、強制機構300により加えられる強制力を利用し、そして1個以上の第1のインターロック空間804及び1個以上の第2のインターロック空間806並びに1個以上のインターロックタブ802を備える。インターロックタブ802は、ケーシング400のへこませることができる部分430の第1のリップ434に形成され、そして第1及び第2のインターロック空
間804、806は、ケーシング400の固定部分460の第2のリップ464に形成される。図5、図6、図9、及び図10に示された実施態様においては、ケーシング400の固定部分460の手前側端部462に形成された通路704も、インターロック機構800の第1のインターロック空間804として作用する。
【0034】
図5及び図6は、第1のインターロック空間804内に置かれたインターロック機構800のインターロックタブ802を示す。図面から容易に認められるように、インターロックタブが第1のインターロック空間804内に置かれたときは、注射器カートリッジ100の固定用機構700は固定位置に置かれる。強制機構300により加えられる力に打ち勝つに十分な圧縮力とトルクとが加えられるまで、強制機構300により加えられる強制力が、インターロックタブ802を第1のインターロック空間804内に維持する。その後、インターロック機構800は、強制機構300に打ち勝つに十分なトルクと圧縮力とを同時に加えられるまで、注射器カートリッジ100の固定用機構700を固定位置に固定するように作用する。
【0035】
インターロックタブ802は、適切な組合せのトルクと圧縮力とが加えられると、第1のインターロック空間804から動かされ、ケーシング400のへこませることができる部分430が回され、固定用機構700が非固定位置に置かれる。へこませることができる部分430が回されインターロックタブ802が第2のインターロック空間806に達すると、強制機構300により加えられる強制力が、インターロックタブ802を第2のインターロック空間806に係合させる。図5及び図6に見られるように、インターロックタブ802が第2のインターロック空間806内に置かれると、固定用機構700は非固定位置に置かれる(即ち、固定用機構700の耳702及び通路704が揃えられる)。インターロックタブ802が第2のインターロック空間806内に位置決めされると、強制機構300により加えられる強制力は、トルクと圧縮力との適切な組合せが再び適用されるまで、インターロックタブ802を第2のインターロック空間806内に維持するように作用する。その後、インターロック機構800は、注射器カートリッジ100の固定用機構700を固定位置に保持するように作用するだけでなく、インターロック機構800は、注射器カートリッジ100の固定用機構700が非固定位置に達したとき、この位置に保持するようにも作用する。
【0036】
図5、図6、図9、及び図10に示されたインターロック機構800は、ここで説明されたように、固定用リング602と案内リング610とを有する自動注射装置への第2の実施態様による注射器カートリッジ100の着脱により容易に作動させられ有利である。固定用リング602と案内リング610とを有する自動注射装置に注射器カートリッジ100が取り付けられると、注射器カートリッジ100は、注射器カートリッジ100が機械式停止具に達するまで、固定用リング602を通り案内リング610内に進められる。この場合も、例えば、自動注射装置のプランジャーにより機械式停止具を提供することができる。機械式停止具に達すると、強制機構300に打ち勝つに十分な圧縮力と第1のトルクとが注射器カートリッジ100に同時に加えられると、インターロックタブ802が第1のインターロック位置804から移動させられる。かかる作用により、ケーシング400の固定部分460がケーシング400のへこませることができる部分430に関して回転させられ、ケーシング400の固定用タブ474が固定用リング602の固定用部材606と組み合うことができる。ケーシングの固定部分460が回され、そして固定用タブ474が固定用部材606の垂直の停止部608に達すると、インターロックタブ802が第2のインターロック空間806と組み合い、そして強制機構300により加えられる強制力がインターロックタブ802を第2のインターロック空間806内に維持する。従って、注射器カートリッジ100が自動注射装置内に適正に維持されると、インターロック機構800が注射器カートリッジ100の固定用機構700を非固定位置に保持する。更に、第2のインターロック空間806内に位置決めされたインターロックタブ802
により作られた機械的な停止がケーシング400のへこませることができる部分430に関するケーシング400の固定部分460の回転を防ぐため、インターロック機構800も自動注射装置に適正に取り付けられた注射器カートリッジ100の不慮の抜け出し又は排出を防ぐように作用する。
【0037】
インターロック機構800を含んだ注射器カートリッジ100を、固定用リング602と案内リング610とを有する自動注射装置から取り出すために、インターロック機構800は、ケーシング400のへこませることができる部分430に関するケーシング400の固定部分460の回転を許すように作動しなければならない。インターロック機構800の作動は、単に、インターロックタブ802を第2のインターロック空間806から移動させるように、強制機構300に打ち勝つに十分な圧縮力と(第1のトルクと逆方向の)第2のトルクとを同時に加えることにより行われる。インターロックタブ802が第2のインターロック空間806から動かされると、へこませることができる部分430に関してケーシングの固定部分460を回転させることができる。ケーシング400の固定用タブ474を固定用リング602の固定用部材606から外すように固定部分460が動かされると、インターロックタブ802が第1のインターロック空間804に接近しそして組み合い、注射器カートリッジ100が自動注射装置から外されたとき、注射器カートリッジ100の固定用機構700を固定位置に固定する。
【0038】
第2の実施態様による注射器カートリッジ100は、調整可能な先端部500も備える。第2の実施態様の注射器カートリッジ100の調整可能な先端部500は、第1の実施態様の調整可能な先端部500と同様に、ケーシング400の末端部470に沿って前進又は後退するように調整可能な適宜の機構を使用してケーシング400の末端部470と組み合うことができる。例えば、調整可能な先端部500は、ラチェット適合機構、スナップ適合機構、又はネジ機構を使用してケーシングの末端部470と組み合わせることができる。
【0039】
図5ないし図12に示された調整可能な先端部500は、ケーシング400の末端部470と組み合うためにネジ機構を利用する。このネジ機構は、調整可能な先端部500の内面508に形成された1個以上のネジピン506、及びケーシング400の末端部470に形成された1個以上のネジ510を備える。ネジピン506は、調整可能な先端部500にトルクを加えたときにネジピン506が1個以上のネジ510内を案内されそして調整可能な先端部500がケーシング400の末端部470に関して前進又は後退をさせられるように、調整可能な先端部に位置決めされる。第2の実施態様の注射器カートリッジが右回りトルクを使用して自動注射装置に取り付けられる場合は、調整可能な先端部500は、左回りトルクを使ってケーシング400の末端部470上にネジで組み合わせられることが好ましい。
【0040】
本発明の注射器カートリッジ100が1個以上のネジピン506と1個以上のネジ510とを有するネジ機構を有する調整可能な先端部500を備える場合、ネジ510の各は、図7ないし図10に示されるように、固定用ピン514を有する固定用区域512内で終わることができる。調整可能な先端部500が完全に後退させられかつネジピン506が対応したネジ510の終端に達したとき、調整可能な先端部500に力を加えネジピン506を固定用ピン514を越えて固定用区域512内の固定位置に移動させることにより、ネジピン506を固定用区域512内に固定することができる。固定用区域512からネジピン506を解放するには、調整可能な先端部500を引っ張り、ネジピン506を強制して固定用ピン514を越え対応したネジ510内の非固定位置に戻す。固定用区域512内のネジピン506の固定は、ケーシング400の末端部470に関して調整可能な先端部500を前進又は後退させることのない自動注射装置への本発明の注射器カートリッジ100の着脱を容易にする。
【0041】
本発明の注射器カートリッジ100が調整可能な先端部500を備える場合は、調整可能な先端部500又はケーシング400の末端部470に、使用者に希望の注射深さを許す適宜適切な指示器又は一連の指標を設けることができる。例えば、図5、図6、及び図9ないし図12に示されるように、調整可能な先端部は、使用者が観察できる1種以上の注射深さ指示器、例えば数字、文字、言語、色彩、アイコン又はその他適宜の指標を観察できる1個以上の窓520を設けることができる。これら指標は1種以上の注射深さを示すために使用され、ケーシング400の末端部470上に設けられる。或いは、調整可能な先端部500を透明又は半透明の材料で作り、ケーシング400の末端部470に設けられた1個以上の指標を使用者が観察することを許す。更に、ケーシング400の末端部470に、調整可能な先端部500が表示される注射深さに相当する位置に進められたときだけ観察できる1個以上の注射深さ指示器を設けることができる。
【0042】
注射器カートリッジ100の種々の構成要素は適宜適切な材料を使用して作ることができる。例えば、本発明の注射器カートリッジ100の1個以上の構成要素を、適切なガラス、合成物、金属、又はポリマー材料を使用し作ることができる。本発明の注射器カートリッジ100が粘性医薬品の注射に使用されるであろうことが予期される場合は、注射器カートリッジ100のケーシング400は、一般に、金属、合成物、或いはLPC、PEEKポリマー、又はデルリンポリマーのような所要の注入力が加えられたときの応力に耐えるポリマー材料を使って構成されるであろう。
【0043】
本発明の注射器カートリッジは、針のある注射機構を通して医薬品を駆動するプランジャーを使用する適宜の注射装置に使用でき有利である。ここでは空気圧式の自動注射装置のみが示されたが、本技術の熟練者は、本発明の注射器カートリッジが任意の希望の駆動機構を有する自動注射装置に関連した使用に適することを容易に認めるであろう。例えば、本発明の注射器カートリッジは、バネ荷重式駆動機構、電気機械式駆動機構、或いは化学エンジンを備えた駆動機構とでの使用することができる。更に、ここに示された図は、2段階式(即ち、駆動機構が挿入力と注入力とを出す)駆動機構を有する自動注射装置に取り付けられるが、本技術技術熟練者は、本発明の注射器カートリッジが1段駆動(即ち、駆動機構が注入力のみを作ることができる)機構を有する自動注射装置にも等しく有用であることを認めるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器カートリッジであって、固定部分とへこませることができる部分とを有するケーシング中に配置された、針と組み合わされた注射器を備え、注射器がケーシングのへこませることができる部分を通って位置決めされ、注射器に力を加えた際に注射器とケーシングのへこませることができる部分がケーシングの固定部分内に移動しその結果ケーシングの長さが減らされるようにケーシングの固定部分及びケーシングのへこませることができる部分が構成され、
更にケーシング中に設置された強制部材を備え、強制部材は通常注射器とへこませることができる部分を固定部分から延びた位置に強制し、ここで、注射器が通常の延びた位置からピストンの行程の末端まで移動した際へこませることができる部分が完全にケーシングの固定部分の中に移動し、ピストンの行程の末端で注射器がケーシングの固定部分の遠位末端に接触する
前記注射器カートリッジ。
【請求項2】
注射器に組み合わせられた針が通常はケーシングの固定部分内に後退させられるように、強制手段が、ケーシングのへこませることができる部分を、通常はケーシングの固定部分から延ばされた位置に強制する請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項3】
強制部材が、バネ、流体を満たされたブラダー、及び天然又は合成ゴム或いはポリマー材料からなるグループから選定される請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項4】
ケーシングが、注射器カートリッジを注射装置に取外し可能に取り付けることを許すように構成された取付け機構を更に備える請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項5】
ケーシングが、注射装置に含まれる第2組のネジと相補的な第1組のネジを更に備える請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項6】
第1組及び第2組の相補的なネジが、注射器カートリッジを注射装置内に取外し可能に取り付けることを許すように構成される請求項5の注射器カートリッジ。
【請求項7】
ケーシングが、注射装置に含まれる固定用リングと相補的である1個以上の固定用タブを更に備える請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項8】
1個以上の固定用タブ及び相補的な固定用リングが、注射装置内に注射器カートリッジを取外し可能に取り付けることを許すように構成される請求項7の注射器カートリッジ。
【請求項9】
ケーシングの固定部分が、調整可能な先端部を更に備える請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項10】
ケーシングの固定部分内のケーシングのへこませることができる部分の動きが防がれるようにケーシングのへこませることができる部分をケーシングの固定部分に関して固定するように構成された機構を更に備える請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項11】
ケーシングの固定部分内のケーシングのへこませることができる部分の動きが防がれる固定位置と、ケーシングの固定部分内のケーシングへこませることができる部分の動きが許される非固定位置との間で移行するように構成された固定用機構、及び
固定用機構を、固定位置が達成されたときは固定位置に維持し、非固定位置が達成されたときは非固定位置に維持するように構成されたインターロック機構を更に備える請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項12】
注射器カートリッジを注射装置に取り付けることを許すように構成された取付け機構を更に備える請求項11の注射器カートリッジ。
【請求項13】
取付け機構が、注射器カートリッジの注射装置への取付けが、インターロック機構の作動及び固定用機構の固定位置から非固定位置への移行を容易にするように構成された請求項12の注射器カートリッジ。
【請求項14】
固定用機構が、ケーシングの固定部分に関するケーシングのへこませることができる部分の回転運動により、固定用機構を固定位置と非固定位置との間で移行させられる請求項11の注射器カートリッジ。
【請求項15】
ケーシングのへこませることができる部分はへこませることができる部分の外面上に形成された1個以上のインターロックタブを有し、ケーシングの固定部分はへこませることができる部分の外面上に形成された、1個以上のインターロックタブと相補的な1個以上のインターロック空間を有し、更にケーシングの固定部分とへこませることができる部分とは、へこませることができる部分の外面上に形成された1個以上のインターロックタブがこの1個以上のインターロックタブと相補的な1個以上のインターロック空間と揃えられたとき、ケーシングのへこませることができる部分をケーシングの固定部分内に移動できるように構成される請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項16】
ケーシングのへこませることができる部分とケーシングの固定部分とは、へこませることができる部分の外面上に形成された1個以上のインターロックタブがこの1個以上のインターロックタブと相補的な1個以上のインターロック空間と揃えられないとき、ケーシングのへこませることができる部分をケーシングの固定部分内に動かし得ないように構成される請求項15の注射器カートリッジ。
【請求項1】
注射器カートリッジであって、固定部分とへこませることができる部分とを有するケーシング中に配置された、針と組み合わされた注射器を備え、注射器がケーシングのへこませることができる部分を通って位置決めされ、注射器に力を加えた際に注射器とケーシングのへこませることができる部分がケーシングの固定部分内に移動しその結果ケーシングの長さが減らされるようにケーシングの固定部分及びケーシングのへこませることができる部分が構成され、
更にケーシング中に設置された強制部材を備え、強制部材は通常注射器とへこませることができる部分を固定部分から延びた位置に強制し、ここで、注射器が通常の延びた位置からピストンの行程の末端まで移動した際へこませることができる部分が完全にケーシングの固定部分の中に移動し、ピストンの行程の末端で注射器がケーシングの固定部分の遠位末端に接触する
前記注射器カートリッジ。
【請求項2】
注射器に組み合わせられた針が通常はケーシングの固定部分内に後退させられるように、強制手段が、ケーシングのへこませることができる部分を、通常はケーシングの固定部分から延ばされた位置に強制する請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項3】
強制部材が、バネ、流体を満たされたブラダー、及び天然又は合成ゴム或いはポリマー材料からなるグループから選定される請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項4】
ケーシングが、注射器カートリッジを注射装置に取外し可能に取り付けることを許すように構成された取付け機構を更に備える請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項5】
ケーシングが、注射装置に含まれる第2組のネジと相補的な第1組のネジを更に備える請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項6】
第1組及び第2組の相補的なネジが、注射器カートリッジを注射装置内に取外し可能に取り付けることを許すように構成される請求項5の注射器カートリッジ。
【請求項7】
ケーシングが、注射装置に含まれる固定用リングと相補的である1個以上の固定用タブを更に備える請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項8】
1個以上の固定用タブ及び相補的な固定用リングが、注射装置内に注射器カートリッジを取外し可能に取り付けることを許すように構成される請求項7の注射器カートリッジ。
【請求項9】
ケーシングの固定部分が、調整可能な先端部を更に備える請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項10】
ケーシングの固定部分内のケーシングのへこませることができる部分の動きが防がれるようにケーシングのへこませることができる部分をケーシングの固定部分に関して固定するように構成された機構を更に備える請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項11】
ケーシングの固定部分内のケーシングのへこませることができる部分の動きが防がれる固定位置と、ケーシングの固定部分内のケーシングへこませることができる部分の動きが許される非固定位置との間で移行するように構成された固定用機構、及び
固定用機構を、固定位置が達成されたときは固定位置に維持し、非固定位置が達成されたときは非固定位置に維持するように構成されたインターロック機構を更に備える請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項12】
注射器カートリッジを注射装置に取り付けることを許すように構成された取付け機構を更に備える請求項11の注射器カートリッジ。
【請求項13】
取付け機構が、注射器カートリッジの注射装置への取付けが、インターロック機構の作動及び固定用機構の固定位置から非固定位置への移行を容易にするように構成された請求項12の注射器カートリッジ。
【請求項14】
固定用機構が、ケーシングの固定部分に関するケーシングのへこませることができる部分の回転運動により、固定用機構を固定位置と非固定位置との間で移行させられる請求項11の注射器カートリッジ。
【請求項15】
ケーシングのへこませることができる部分はへこませることができる部分の外面上に形成された1個以上のインターロックタブを有し、ケーシングの固定部分はへこませることができる部分の外面上に形成された、1個以上のインターロックタブと相補的な1個以上のインターロック空間を有し、更にケーシングの固定部分とへこませることができる部分とは、へこませることができる部分の外面上に形成された1個以上のインターロックタブがこの1個以上のインターロックタブと相補的な1個以上のインターロック空間と揃えられたとき、ケーシングのへこませることができる部分をケーシングの固定部分内に移動できるように構成される請求項1の注射器カートリッジ。
【請求項16】
ケーシングのへこませることができる部分とケーシングの固定部分とは、へこませることができる部分の外面上に形成された1個以上のインターロックタブがこの1個以上のインターロックタブと相補的な1個以上のインターロック空間と揃えられないとき、ケーシングのへこませることができる部分をケーシングの固定部分内に動かし得ないように構成される請求項15の注射器カートリッジ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
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【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−57939(P2010−57939A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250311(P2009−250311)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【分割の表示】特願2003−543657(P2003−543657)の分割
【原出願日】平成14年11月8日(2002.11.8)
【出願人】(503073787)アルザ・コーポレーシヨン (113)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【分割の表示】特願2003−543657(P2003−543657)の分割
【原出願日】平成14年11月8日(2002.11.8)
【出願人】(503073787)アルザ・コーポレーシヨン (113)
【Fターム(参考)】
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