説明

へテロ環ヤヌスキナーゼ3阻害剤

本発明は、優れたJAK3阻害活性を有し、自己免疫疾患、炎症性疾患、アレルギー性疾患を含む、種々の免疫性疾患の治療及び/又は予防剤の有効成分として有用な化合物を提供する。
本発明化合物は、JAK3に対する阻害活性を有していることから、望ましくないサイトカインシグナル伝達によって引き起こされる疾患(例、生体移植における拒絶、自己免疫疾患、多発性硬化症、リウマチ、乾癬、喘息、アトピー性皮膚炎、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症)、あるいはサイトカインシグナル伝達異常によって引き起こされる疾患(例、癌、白血病)の治療剤若しくは予防剤の有効成分として有用であることが確認された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な縮合ヘテロ環化合物、及びそれを有効成分とする医薬、特に免疫性疾患治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ヤヌスキナーゼ3(以下、JAK3と言う。)は、プロテインキナーゼファミリーの一種である。このファミリーに属するJAK3以外のキナーゼは広範な組織で発現しているが、JAK3は造血細胞に限局して発現している。このことは、JAK3がインターロイキン(以下、ILと言う。)−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15及びIL−21等の多様な受容体を介したシグナル伝達に、共通γ鎖と非共有結合的に会合することにより重要な役割を果たすことと矛盾しない(非特許文献1、非特許文献2)。
【0003】
XSCID(X−linked severe combined immunodeciency:X連鎖重症複合免疫不全症)の患者集団においては、JAK3タンパクレベルの低下、若しくは共通γ鎖の遺伝子欠損が見られる。このことは、免疫抑制がJAK3を介したシグナル経路を遮断することにより生じていることを示唆する(非特許文献3、非特許文献4)。動物実験では、JAK3がB−リンパ球及びT−リンパ球の成熟に重要な役割を果たすだけでなく、T細胞の機能維持にも重要であることが示されている。従って、このメカニズムを通じた免疫応答の制御により、臓器/組織移植時の拒絶や自己免疫疾患のようなT細胞の増殖異常が関与する疾患の治療が見込まれる。
【0004】
一方、JAK3阻害作用を有する化合物として、式(A)若しくは(B)で示されるピロロピリジン誘導体(特許文献1)若しくはイミダゾピリジン誘導体(特許文献2)が知られている。
【0005】
【化5】

(式中の記号は、当該公報を参照のこと。)
【0006】
また、JAK3阻害作用を有する化合物として、式(C)、式で示されるピロロピリミジン誘導体が知られている(特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6)。
【0007】
【化6】

(式中の記号は、当該公報を参照のこと。)
【0008】
また、JAK3阻害作用を有する化合物として、式(D)で示されるピロロピリジン誘導体が知られている(特許文献7)。
【0009】
【化7】

(式中の記号は、当該公報を参照のこと。)
しかし、いずれの文献においても、本発明化合物は具体的には開示されていない。
【0010】
【非特許文献1】J.J.O’sheaら、Cell、第109巻(suppl.)、S121、2002年
【非特許文献2】K.Ozakiら、Science、第298巻、1630ページ、2002年
【非特許文献3】P.Macchiら、Nature、第377巻、65ページ、1995年
【非特許文献4】S.M.Russellら、Science、第270巻、797ページ、1995年
【特許文献1】国際公開第WO2004/099205号パンフレット
【特許文献2】国際公開第WO2004/099204号パンフレット
【特許文献3】国際公開第WO99/65908号パンフレット
【特許文献4】国際公開第WO99/65909号パンフレット
【特許文献5】国際公開第WO01/42246号パンフレット
【特許文献6】国際公開第WO02/000661号パンフレット
【特許文献7】国際公開第WO2006/069080号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明者らは、JAK3阻害作用を有する有用な医薬組成物を提供することを目的とした研究を鋭意行い、新規な縮合へテロ環誘導体が優れたJAK3阻害作用を有することを見出して本発明を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
即ち、本発明によれば、下記式(I)で示される新規な縮合へテロ環化合物又はその製薬学的に許容される塩、及び当該化合物を含有する医薬組成物、特に自己免疫疾患、炎症性疾患、アレルギー性疾患の治療および/または予防剤である医薬組成物が提供される。
【0013】
縮合ヘテロ環化合物とは式(I)で示される縮合ピリジン化合物である。:
【0014】
【化8】

[式中、
Xは、N、又はCR3
Mは、(CH2mであり;mは0又は1、
1は、−H、又は置換されていてもよい低級アルキル、
2は、−H、又は置換されていてもよい低級アルキル、
3は、−H、ハロゲン、又は置換されていてもよい低級アルキル、
41は、−H、又は置換されていてもよいヘテロアリール、
42は、置換されていてもよい架橋環基、
5は、ハロゲン、シアノ、アシル、アシルアミノ、低級アルキル、低級アルケニル、−O−低級アルキル、5又は6員環ヘテロシクロアルキル、5又は6員環ヘテロシクロアルケニル、および5員環ヘテロアリールからなる群より選択される基であって、これらはそれぞれ置換されていてもよい、
但し、R5が5員環ヘテロアリールの場合、Xは必ず−CR3
41とR5は、一定の官能基を介して結合し、以下に示す二価基を形成していてもよく、
【0015】
【化9】

Aは、−H、又は置換されていてもよいアシルをそれぞれ意味する。]
で示される縮合ピリジン化合物又はその製薬学的に許容される塩。
【発明の効果】
【0016】
本発明化合物は、JAK3阻害作用を有することから、望ましくないサイトカインシグナル伝達によって引き起こされる疾患(例、生体移植における拒絶、自己免疫疾患、喘息、アトピー性皮膚炎、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症)、あるいはサイトカインシグナル伝達異常によって引き起こされる疾患(例、癌、白血病)の治療剤および/または予防剤の有効成分として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
式(I)で示される本発明化合物は、架橋環基の結合したアミンを有し、さらに、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、若しくはピラゾロ[1,5−a]ピリミジンのごとく、5員ヘテロ環と6員環ヘテロ環が縮合した骨格を有している点に化学構造上の特徴を有し、JAK3阻害作用を有する点に薬理学上の特徴を有する。
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書中「アルキル」とは直鎖状又は分岐状の一価基を意味する。
本明細書中「低級アルキル」とは、C1−C6の直鎖状又は分枝状のアルキルを意味し、具体的には例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル等が挙げられ、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチルであり、特に好ましくはメチル、エチルである。
【0019】
本明細書中「低級アルケニル」とは、任意の部位に二重結合を有するC2−C6の直鎖状又は分枝状のアルケニルを意味し、具体的には例えば、エテニル(ビニル)、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、1−メチルエテン−1−イル、1−ブテン−1−イル、2−ブテン−1−イル、3−ブテン−1−イル、1−メチル−1−プロペン−1−イル、2−メチル−1−プロペン−1−イル、1−メチル−2−プロペン−1−イル、2−メチル−2−プロペン−1−イルが挙げられ、好ましくは1−メチル−2−プロペン−1−イルである。
【0020】
「ハロゲン」とはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードを挙げることができ、好ましくはフルオロである。
【0021】
「シクロアルキル」とは、C3−C8の非芳香族炭素環の1価基を意味し、これらは部分的に不飽和結合を有していてもよく、ベンゼン環と縮合していてもよい。但し、架橋シクロク炭化水素は除かれる。シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロブテニル、シクロヘキセニル、シクロオクタジエニル、インダニル、テトラヒドロナフチル等が挙げられ、好ましくは、シクロヘキシルである。
【0022】
「ヘテロシクロアルキル」とは、窒素原子、酸素原子及び酸化されていてもよい硫黄原子からなる群より選択される同一又は異なるヘテロ原子を1つ以上有していてもよい環員数5から6の非芳香族飽和ヘテロ環を意味する。これらは部分的に不飽和を有していてもよく、ベンゼン環と縮合していてもよい。但し、アザ架橋環式炭化水素は除かれる。ヘテロシクロアルキルとしては、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロオキサゾリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、インドリニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ベンゾオキサジニル等が挙げられる。好ましくは、ジヒドロオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサジアゾラニル、フラニルが挙げられる。
【0023】
「ヘテロシクロアルケニル」とは、部分的に置換された「ヘテロシクロアルキル」である。
【0024】
「環状アミノ」とは、「ヘテロシクロアルキル」で定義された基のうち、少なくとも1つの窒素原子を有し、さらに、窒素、酸素及び酸化されていてもよい硫黄からなる群より選択される同一又は異なるヘテロ原子を1つ以上有していてもよく、少なくとも1つ有する窒素原子が結合手を有する、環員数3から8の非芳香族環状アミンの一価基を意味する。ただし、アザ架橋環式炭化水素は除かれる。「環状アミノ」としては、アジリジノ、アゼチジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、ホモピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジノ等を挙げることができる。
【0025】
「アリール」とは芳香族炭化水素基を意味する。例えば、フェニル、ナフチル、インデニル等であり、C6−C10アリールが好ましく、フェニルがより好ましい。
【0026】
「ヘテロアリール」とは、窒素、酸素、及び硫黄からなる群より選択された同一又は異なるヘテロ原子を1個以上有する5員環から6員環芳香族へテロ環の一価基を意味し、これらはベンゼン環を縮合していてもよい。「ヘテロアリール」としては、ピリジル、ピラジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニル、フリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、インドリル、インダゾリル、キノキサリル、キナゾリル等を挙げることができる。好ましくは、ピリダジニル、ピリジル、ピラジニル、チアゾリル、ピラゾリル、チオオキサゾリルが挙げられる。
【0027】
「架橋環基」は、「架橋環式炭化水素」と「アザ架橋環式炭化水素」を意味する。
【0028】
「架橋環式炭化水素」とは、2個又は3個のC3−C10のシクロアルキル環からなる飽和又は不飽和の二環式又は多環式の架橋炭化水素環基であり、非架橋シクロアルキルは除かれる。二環式又は三環式のC4−C16の架橋炭化水素環基が特に好ましく、架橋環式炭化水素としては、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ボルニル、ボルネニル、ノルボルニル、ノルボルネニル、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、トリシクロブチル、アダマンチル等が挙げられる。好ましくは、アダマンチル又はビシクロ[2.2.1]ヘプチルである。
【0029】
「アザ架橋環式炭化水素」とは、環を構成する原子のうち少なくとも一つが窒素原子である飽和又は不飽和の二環式又は多環式の架橋炭化水素環基であり、非架橋ヘテロシクロアルキルは除かれる。二環式又は多環式のC4−C16のアザ架橋炭化水素環基が特に好ましい。「アザ架橋環式炭化水素」としては、アザノルボルニル、キヌクリジニル、イソキヌクリジニル、トロパニル、アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、アザビシクロ[3.2.2]ノナニル、アザビシクロ[3.3.0]ノナニル、アザビシクロ[3.3.1]ノナニル等が挙げられる。好ましくは、トロパニル、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−イルである。
【0030】
「アシル」とは、−C(=O)−低級アルキル、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−ヘテロアリール、カルバモイル、低級アルキルカルバモイル、−C(=O)−C(=O)−NH−低級アルキル、シクロアルキルカルバモイル、ヘテロシクロカルバモイル、アリールカルバモイル、ヘテロアリールカルバモイルを意味する。「低級アルキル」、「シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」は前述の意味を表す。
【0031】
式(I)におけるXとして好ましくはCHである。
式(I)における−R1として好ましくは−Hである。また、式(I)における−R2として好ましくは−H又は−CH3であり、−R3として好ましくは−Hである。
式(I)における−R41として好ましくは−Hである。
式(I)における−R42として好ましくは、それぞれ置換されていてもよいアダマンチル又はトロパニルである。
さらに、式(I)における−R5として好ましくは、置換されていてもよいカルバモイルまたは―OHで置換されていてもよい−C(=O)−低級アルキルであり、より好ましくは−CONH2またはヒドロキシアセチルである。また別の態様として、R41とR5は、一定の官能基を介して結合し、前述の(I−C)と環構造を形成していることが好ましい。
【0032】
本明細書において「置換されていてもよい」「置換されている」の語の許容される置換基としては、−H、又はそれぞれの基の置換基として通常用いられる置換基であればいずれでもよい。また、これらの置換基は各々の基に1つ以上存在していてもよい。
【0033】
1,R2,R3,R41,R42及び/又はR5において「置換されていてもよい」として許容される置換基としては、例えば、以下の(a)から(g)に示される基が挙げられる。
(a)ハロゲン;
(b)−OH、−O−RZ、−O−フェニル、−OCO−RZ、−OCONH−RZ、オキソ(=O);
(c)−SH、−S−RZ、−S−フェニル、−S−ヘテロアリール、−SO−RZ、−SO−フェニル、−SO−ヘテロアリール、−SO3H、−SO2−RZ、−SO2−フェニル、−SO2−ヘテロアリール、1つ又は2つのRZで置換されていてもよいスルファモイル;
(d)1つ又は2つのRZで置換されていてもよいアミノ、−NHCO−RZ、−NHCO−フェニル、−NHCO2−RZ、−NHCONH2、−NHCONH−RZ、−NHSO2−R0、−NHSO2−フェニル、−NHSO2NH2、−NO2、=N−O−RZ
(e)−CHO、−CO−RZ、−CO2H、−CO2−RZ、1つ又は2つのRZで置換されていてもよいカルバモイル、−CO−環状アミノ、−COCO−RZ、シアノ;
(f)RZ
(g)下記の置換基より選択される1つ以上の基でそれぞれ置換されていてもよいフェニルであり、ここでその置換基とは、(a)から(f)、5又は6員環ヘテロシクロアルキル、5又は6員環ヘテロアリ−ル、5又は6員環ヘテロシクロアリ−ルである。
なお、上記(a)から(g)における−RZは、「シアノ;−OH;及びそれぞれ−O−低級アルキル、−NH−低級アルキル、−CONH−低級アルキル、5、6員環ヘテロシクロアルキル、及び5、6員環ヘテロアリールからなる群より選択される1つから3つの基で置換されていてもよい低級アルキル」が挙げられる。
【0034】
本発明化合物は、置換基の種類によっては幾何異性体や互変異性体が存在する場合がある。また、本発明化合物は不斉炭素を有する場合がある。本発明には、これら異性体の分離したもの、あるいはそれらの混合物が包含される。また、ラベル体、即ち、本発明化合物の1つ以上の原子を放射性同位元素若しくは非放射性同位元素で置換した化合物も本発明に包含される。
【0035】
さらに、本発明には、本発明化合物の薬理学的に許容されるいわゆるプロドラッグも包含される。薬理学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解により、若しくは生理学的条件下で、本発明化合物のアミノ基、水酸基、カルボキシル基等に変換しうる基を有する化合物であり、このようなプロドラッグを形成する基としては、Prog.Med.、第5巻、2157−2161ページ、1985年や、「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻、分子設計163−198ページに記載の基を挙げることができる。
【0036】
式(I)で示される化合物は、酸又は塩基との付加塩を形成する場合がある。かかる塩は、製薬学的に許容される塩であればよく、具体的には、有機酸(例、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸)との酸付加塩、無機塩基(例、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム)、有機塩基(例、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リジン、オルニチン)との塩やアンモニウム塩等を挙げることができる。
【0037】
さらに、本発明は、式(I)で示される化合物及びその塩の各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質をも包含する。
【0038】
(製造法)
本発明の化合物は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料乃至中間体の段階で適当な保護基で保護、又は当該官能基に容易に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。このような官能基としては、例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基等があり、それらの保護基としては、例えばグリーン(T.W.Greene)及びウッツ(P.G.M.Wuts)著、
「Protective Groups in Organic
Synthesis(第3版、1999年)」に記載の保護基を挙げることができ、反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。このような方法によれば、当該保護基を導入して反応を行った後、必要に応じて保護基を除去、あるいは所望の基に転化することにより、所望の化合物を得ることができる。
【0039】
また、本発明化合物のプロドラッグは、上記保護基と同様、原料乃至中間体の段階で特定の基を導入、あるいは得られた式(I)で示される化合物を用いて製造できる。反応は、通常のエステル化、アミド化、脱水等、当業者により公知の方法を適用することにより行うことができる。
【0040】
なお、明細書中の略語は以下のとおりである。
Pr:製造例番号、Ex:実施例番号、Structure:化学構造、Rf−Syn:反応を参照できる実施例番号(番号は、その番号の実施例化合物を製造するのと同様の方法で製造できることを示す)、HPLC:高速液体クロマトグラフィー、TLC:薄層クロマトグラフィー;Rf値:レート オブ フロウ バリュー、Data: NMRデータ 及び/又は MSデータ; 1H−NMR: 1H−核磁気共鳴; MS:質量分析;(M+H)+:(M+H)+; (M+Na)+:(M+Na)+; (M−H)−:(M−H)-
【0041】
<第一製法>
【化10】

[式中、R1、R2、R41、R42、R5、M及びXは前述と同義を示し、Lvは脱離基を示す。]
【0042】
本製法は、式(I−a)で示される脱離基を有する化合物に対し、式(I−b)で示されるアミンを作用させ、式(I)で示される本発明化合物を製造する方法である。ここで脱離基Lvとしては、ハロゲン(例、クロロ、ブロモ);スルホニルオキシ(例、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、p−ニトロベンゼンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)等を挙げることができる。
【0043】
Step1の工程は、式(I−a)で示される化合物の脱離基Lvをアミンで置換する反応であり、常圧又は加圧下に、溶媒の不存在下若しくは適当な溶媒中で行われる。
【0044】
溶媒の具体例としては、芳香族炭化水素類(例、トルエン、キシレン);ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトン);エーテル類{例、エーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエトキシエタン};アルコール類{例、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、2−プロパノ−ル(iPrOH)、1−ブタノール(n-BuOH)};ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等);アセトニトリル;非プロトン性極性溶媒{ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)};水;あるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。本反応は塩基の存在下に行うのが好ましく、塩基の具体例としては、炭酸アルカリ(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム);炭酸水素アルカリ(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム);アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド);3級アミン(例、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン);有機塩基(例、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、ルチジン)等を挙げることができるが、化合物(I−b)の過剰量で兼ねることもできる。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常室温から溶媒の還流温度程度で行うことができる。通常、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム等の塩基の存在下、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の反応に不活性な有機溶媒中、室温から加熱下に行うことができる。また、式(I−b)で示されるアミンはその塩として反応に供することもできる。
【0045】
また、加熱下に、マイクロ波を照射させることもできる。また、炭酸セシウム等の塩基存在下、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル等のリン試薬と酢酸パラジウム等のパラジウム触媒を用いたカップリング反応により行うこともできる。
【0046】
反応は、本明細書の参考例若しくは実施例に記載の方法、又はそれに準じた方法を採用することもでき、式(1−a)で示される化合物は、公知の方法、当業者にとって自明である方法、あるいは本明細書の参考例若しくは実施例に記載の方法、又はそれに準じた方法により製造することができる。
【0047】
<第二製法>
【化11】

[式中、R1、R2、R41、R42、R5、M及びLvは前述と同義を示す。]
【0048】
本製法は、式(2−a)で示されるニトロピリジン化合物に対し、式(2−b)で示されるアミンを作用させて2位を置換して誘導された式(2−c)で示されるアミノニトロピリジン化合物から、式(I−2)で示される本発明化合物を製造する方法である。
【0049】
Step2−1の工程は、第一製法におけるStep1の方法を援用することができる。なお、式(2−b)で示されるアミンはその塩として反応に供することもできる。
【0050】
−R2が−Hである場合のStep2−2の工程では、例えばオルトギ酸エチル等のオルトギ酸エステルを、酸触媒下に作用させることにより、イミダゾール環を構築することができ、オルトギ酸エステルを作用させる前に、ニトロ基を還元しておくことが望ましい。また、−R2が−Hでない(I−2)で示される化合物を合成する場合には、例えば、あらかじめ式(2−c)で示される化合物のアミノ基をアシル化しておく方法、オルトギ酸エステルに代えて、テトラアルキルオルトカーボナートやアルキルイソチオシアナートを用いる方法、カルボン酸若しくはカルボン酸無水物とスルホン酸等の強酸を作用させる方法を挙げることができる。これらの反応は、いずれも反応に不活性な溶媒中、若しくは溶媒非存在下、室温から加熱下、加熱から還流下において行うことができる。
【0051】
<第三製法>
【化12】

[式中、R1、R2、R42、X及びMは前述と同義を示す。]
本製法は、本発明化合物である式(3−a)で示されるカルボン酸を有する化合物を原料とし、式(I−3)で示される本発明化合物を製造する方法である。
Step3の工程は、式(I−3)で示されるカルボン酸に対し、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、アジ化ナトリウム等のアジ化剤を作用させ、いわゆるCurtius転移反応によりイミダゾロン環を構築する反応であり、塩基の存在下に行うことが有利である。従って、本反応によってイミダゾロン環を構築するためには、−R41が−Hである必要がある。
通常、塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン等が用いることができ、室温から加熱下、若しくは加熱還流下に行うことができる。
【0052】
<第四製法>
【化13】

[式中、R1、R2、R42、M、X及びLvは前述と同義を示す。]
本製法は、式(4−a)で示されるカルボン酸に対し、式(4−b)で示されるヒドラジン誘導体を作用させることによって得られる式(4−c)で示されるヒドラジドを経由して、式(I−4)で示される本発明化合物を製造する方法である。
【0053】
Step4−1の工程は、式(4−a)で示される化合物と式(4−b)示される化合物をアミド化により縮合する反応と同様に行うことができる。化合物(4−a)は遊離酸として反応に供することもできるが、その反応性誘導体を反応に用いることもできる。化合物(4−a)の反応性誘導体としては、酸ハライド(例、クロリド、酸ブロミド);通常のエステル(例、メチルエステル、エチルエステル、ベンジルエステル);酸アジド;活性エステル{例、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、p−ニトロフェノ−ル、N−ヒドロキシスクシンイミド};対称型酸無水物;ハロカルボン酸アルキルエステル(例、アルキル炭酸ハライド)、ピバロイルハライド、p−トルエンスルホン酸クロリド等との混合酸無水物;塩化ジフェニルホスホリル、N−メチルモルホリンとを反応させて得られるようなリン酸系混合酸無水物等の混合酸無水物;等を挙げることができる。
【0054】
化合物(4−a)を遊離酸で反応させる場合、あるいは活性エステルを単離せずに反応させる場合等は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾ−ル(CDI)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、ジエチルホスホリルシアニド(DEPC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI・HCl)等の縮合剤を使用するのが好適である。
【0055】
使用する反応性誘導体や縮合剤等によっても異なるが、反応はハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、エステル類(例、酢酸エチル)、アセトニトリル、DMFやDMSO等の反応に不活性な有機溶媒中、冷却下、冷却から室温下、あるいは室温から加熱下に行われる。
【0056】
なお、反応に際して化合物(4−b)を過剰に用いたり、N−メチルモルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ピコリン、ルチジン等の塩基の存在下に反応させるのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。ピリジンは溶媒と兼ねることもできる。
【0057】
Step4−2の工程は、第一製法のStep1の方法を援用することができる。
【0058】
<第五製法>
【化14】

[式において、R1、R2、R41、R42及びMは前述と同義を示し、R’は、適当な置換基を示す。式(5−f)のカルボン酸は、市販品、又は市販品から調製できる。]
【0059】
Step5−2、Step5−4及びStep5−6において、R5にオキサジアゾール環を構築する反応が行われる。
【0060】
Step5−1は式(5−a)のカルボン酸をから酸ヒドラジドを製造する反応である。また、式(5−c)で示される中間体も式(5−a)から製造することができる。これらに反応はいずれも、Step4−1の反応を援用することができる。
【0061】
Step5−2、Step5−4、及びStep5−6で示される反応はオキサジアゾール環を構築する反応であり、室温から加温下で行うことができる。溶媒としては、反応を進行させるために有機塩基を加えてもよい。
【0062】
Step5−5の工程は式(5−d)の芳香族ニトリル化合物に対し、ヒドロキシルアミンを作用させることにより得られた式(5−e)で示されるヒドロキシアミジンに、式(5−f)のカルボン酸を反応させ、式(I−53)の本発明化合物を製造する方法である。
【0063】
Step5−5の工程において、遊離のヒドロキシルアミン、またはヒドロキシルアミン塩酸塩を塩基の存在下作用させることによって、式(5−e)のヒドロキシアミジンを製造することができる。
【0064】
本反応は、反応に不活性な溶媒中で行うことができる。溶媒の具体例としては、アルコール類{例、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、2−プロパノール(iPrOH)等};芳香族炭化水素類(例、トルエン、キシレン等);エーテル類{例、エーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエトキシエタン等};ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等);非プロトン性極性溶媒(例、DMF、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、DMSO);水;あるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。通常、アルコール類が反応に用いられる。上述のように、本反応において、ヒドロキシルアミン塩酸塩を用いる場合には、塩基の存在下に行うのが好ましく、塩基の具体例としては、炭酸アルカリ(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム);炭酸水素アルカリ(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム);アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム t−ブトキシド);三級アミン(例、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン);有機塩基(例、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、ルチジン)等を挙げることができる。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常室温から溶媒の還流温度程度で行うことができる。通常、炭酸ナトリウム等の塩基の存在下、メタノール等の反応に不活性な有機溶媒中、室温から加熱下に行うことができる。
【0065】
Step5−6の工程は2段階で構成される:ヒドロキシアミジン体のアシル化それに続く環化反応である。Step4−1の中間体製法は第一段階のアシル化工程を援用することができる。しかし、通常、室温から加温下、又は加温下から還流下で行われる。第二段階の環化反応は、アシル体を単離精製し、エタノール、ジオキサン等の反応に不活性な有機溶媒中、塩基の存在下または非存在下加熱することにより行うことが出来る。塩基としては、酢酸ナトリウムなどの無機塩基またはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基をあげることができる。通常アシル化後、反応混合物を加熱、もしくはマイクロウェーブ照射下反応させることによって、この2段階反応は1つの操作で行うことができる。
【0066】
溶媒の具体例としては、芳香族類(例、トルエン、キシレン、ピリジン);エーテル類(例、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエトキシエタン);ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素);アセトニトリル;非プロトン性極性溶媒{例、DMF、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン(NMP)、DMSO};水;あるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、室温から加熱下に行うことができる。
【0067】
<第六製法>
【化15】

[式中、R1、R2、R42、M、及びLvは前述と同義を示す。R"は適当な置換基を示す。]
【0068】
Step6において、式(6−a)で示される化合物に対して、式(6−b)で示される一級アミンを作用させた場合には、イプソ置換された後に、続いてオキサジアゾール環が開環し、アミノピラゾロン環が構築される。反応条件は、Step1に示した反応条件が援用できる。反応温度に関しては、室温から還流条件下で行うことができる。
【0069】
さらに、式(I)で示されるいくつかの化合物は、以上のように製造された本発明化合物から、公知のアルキル化、アシル化、置換反応、酸化、還元、加水分解、脱保護、ハロゲン化、Mannich反応等、当業者が通常採用しうる工程を任意に組み合わせることにより製造することもできる。例えば−R5が低級アルキルオキシカルボニルである本発明化合物から−R5が−CO2Hである本発明化合物を製造するには、加水分解を適用することができ、「実験化学講座(第5版、2003年)」に記載の方法を参照することができる。また、−R3および−R5がともに−Hである本発明化合物から−R5がハロゲンである本発明化合物を製造するには、ハロゲン化を適用することができ、「実験化学講座、(第5版、2003年)」に記載の方法を参照することができる。また、−R3が−Hである本発明化合物から−R3がモノ(低級アルキル)アミノ、ジ(低級アルキル)アミノ及び環状アミノからなる群より選択される基で置換された低級アルキルである本発明化合物を製造するには、Mannich反応を適用することができ、「実験化学講座(第5版、2003年)」やC. Mannichら、
Arch. Pharm.、1912年、250巻、647ページ;J. H. Brewsterら、Org. React.、1953年、7巻、99ページ;F. F. Blicke、Org. React.、1942年、1巻、303ページ;K. W. Merzら、Pharmazie、1956年、11巻、505ページ等に記載の方法を参照することができる。
【0070】
また、これらの当業者が通常採用しうる工程は、本発明化合物に対する適用に限定されず、製造中間体に対して適用することもでき、その後次の工程に進めることも可能である。
【0071】
このようにして製造された化合物は、遊離のまま、又は常法により造塩処理を施し、その塩として単離・精製される。単離・精製は、抽出、濃縮、留去、結晶化、ろ過、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を適用して行われる。
【0072】
各種の異性体は異性体間の物理化学的性質の差を利用して常法により単離できる。例えばラセミ混合物は、例えば酒石酸等の一般的な光学活性酸とのジアステレオマー塩に導き光学分割する方法等の一般的なラセミ体分割法により光学的に純粋な異性体に導くことができる。また、ジアステレオ混合物は、例えば分別結晶化または各種クロマトグラフィー等により分離できる。また、光学活性な化合物は適当な光学活性な原料を用いることにより製造することもできる。
【0073】
本発明化合物の薬理活性は以下の試験により確認した。
試験例1:JAK3阻害試験
JAK3阻害試験は、Okimotoらの方法に従って、以下のように行なった。
(1)ヒトJAK3の調製
精製ヒトJAK3キナーゼドメインはカルナバイオサイエンス社(神戸)から購入した。これは、ヒトJAK3タンパク(accession number #NM_000215)の796〜1124(C末端)番の断片のN末端にHis−タグ(41 kDa)を結合させたものをバキュロウイルスの発現系を用いて発現させ、Ni−NTAアフィニティカラムクロマトグラフィーを用いて精製したものである。
【0074】
(2)JAK3活性の測定
基質はBiotin−Lyn−Substrate−2(Biotin−XEQED EPEGF YFEWL EPE, X = ε−Acp(ペプチド研、大阪)とATPを用いた。アッセイバッファーは0.01%Tween 20と2 mM DTTを含む15 mM Tris−HCl pH 7.5を用いた。標準的には、20 μLの基質溶液(627 nM Biotin−Lyn−Substrate−2, 20 μM ATP及び25 mM MgCl2を含むアッセイバッファー)、10 μLの被検物質を含むアッセイバッファー及び20 μLの酵素溶液をマイクロプレートに添加し、よく攪拌した。
室温で1時間インキュベートした後、プレートを洗浄用バッファー(50 mM Tris−HCl pH7.5、150 mM NaCl、0.02% Tween 20)で洗浄し、ブロッキングバッファー(0.1 % Bovine serum albuminを含む洗浄用バッファー)をプレートに添加した。室温で30分インキュベートした後、ブロッキングバッファーを除去して、HRP−PY−20溶液(HRP−PY−20溶液をブロッキングバッファーで500倍希釈したもの)を添加した。室温で30分インキュベートした後、プレートを4回洗浄して、TMB substrate solution(Sigma)をプレートに添加した。室温で4分間インキュベートした後、1Mの硫酸を添加して反応を停止した。酵素活性は450 nmの吸光度として測定した。JAK3阻害剤としての試験化合物の有効性は、IC50値で示した。
【0075】
以下のIC50値は試験で得られた結果である。Table1に試験結果を示す。Table1:本発明化合物のJAK3阻害活性
【0076】
【表1】

【0077】
本発明化合物は、JAK3に対する阻害活性を有しており、望ましくないサイトカインシグナル伝達によって引き起こされる疾患(例、生体移植における拒絶、自己免疫疾患、喘息、アトピー性皮膚炎、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症)、あるいはサイトカインシグナル伝達異常によって引き起こされる疾患(例、癌、白血病)の治療剤若しくは予防剤の有効成分として有用であることが確認された。
【0078】
また、本発明化合物は、JAK3阻害作用に基づき、以下の疾病の治療および/または予防に有用である。
【0079】
化合物(I)などのJAK3阻害剤からなる本発明の医薬組成物は、望ましくないサイトカインシグナル伝達によって引き起こされる疾患または症状、たとえば臓器/組織移植における拒絶反応、自己免疫疾患、喘息、アトピー性皮膚炎、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症、腫瘍、骨髄腫および白血病などの治療剤または予防剤の有効成分として有用であり、疾患の例としては以下のものが挙げられる。
【0080】
心臓、腎臓、肝臓、骨髄、皮膚、角質、肺、すい臓、小島、小腸、手足、筋肉、神経、椎間、気管、筋芽細胞、軟骨などの器官または組織の移植に対する拒絶反応;骨髄移植後の対宿主性移植片反応;リウマチ、全身性エリテマトーデス、橋本病、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糖尿病および糖尿病合併症などの自己免疫疾患。
【0081】
さらに、化合物(I)などのJAK3阻害剤からなる医薬品は以下の疾病の治療または予防に有用である。
【0082】
炎症性または高増殖性皮膚病もしくは免疫系を介した皮膚病の発現(たとえば乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、湿疹様皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管性水腫、脈管炎、紅斑、皮膚の好酸球増多症、紅斑性狼瘡、ニキビ、円形脱毛など);
目の自己免疫疾患(例、角結膜炎、春季カタル、ベーチェット病に関連するブドウ膜炎、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜炎、角膜の上皮性栄養障害、角膜白斑、眼性天疱瘡、モーレン潰瘍、鞏膜炎、グラーブの眼障害、フォークト−コヤナギ−ハラダ症候群、乾性角結膜炎(ドライアイ)、小水疱、虹彩毛様体炎、類肉腫症、内分泌腺の眼障害など);
【0083】
可逆閉塞性気道病{喘息(例、気管支喘息、アレルギー性喘息、固有の喘息、外部喘息、塵喘息など)、特に慢性または難治性喘息(例、遅発型喘息、気道過敏症など)、気管支炎など};
【0084】
粘膜または脈管炎症(例、胃潰瘍、虚血性または血栓症の脈管損傷、虚血性腸疾患、腸炎、壊死性全腸炎、熱の火傷を伴う腸管障害、ロイコトリエンB4を伝達物質とした疾患など);
【0085】
腸の炎症/アレルギー疾患(例、小児脂肪便症、乾癬、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎など);
胃腸管からかけ離れた部位で症状が発現する食物関連のアレルギー性疾患(たとえば偏頭痛、鼻炎、湿疹など);
【0086】
自己免疫疾患および炎症性症状(例、原発性粘膜性浮腫、自己免疫性萎縮性胃炎、早発更年期、男性不妊症、若年型糖尿病、尋常性天疱瘡、類天疱瘡、交感性眼炎、水晶体原性ブドウ膜炎、突発性白血球減少症、活動性慢性肝炎、突発性肝硬変、円盤状の紅斑性狼瘡、自己免疫睾丸炎、関節炎(例、変形関節炎など)、多発性軟骨炎など);
アレルギー性結膜炎。
【0087】
したがって、本発明の医薬組成物は、肝疾患[例、免疫原性病(例、自己免疫肝疾患、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎などの慢性自己免疫肝疾患)、部分的肝臓切除、急性肝壊死(例、毒素、ウイルス性肝炎、ショック、酸素欠乏症などに起因する壊死)、B型肝炎、非A・非B型肝炎、肝硬変、肝不全{例、劇症肝炎、遅発性肝炎、肝炎・肝不全(慢性肝疾患からの急性肝疾患等)}]の治療および予防に有用である。
【0088】
本発明化合物は、JAK3阻害剤として単剤、又は1つ以上の薬剤と組み合わせて、同一又は異なった用量で、同一又は異なった投与経路で、投与することができる。組み合わせることの出来る薬剤としては、以下に制限されるものではないが、シクロスポリンA、タクロリムス、シロリムス、エヴェロリムス、マイコフェノレート{例、セルセプト(R)、マイフォルティック(R)}、アザチオプリン、ブレクイナー、レフルノマイド、スフィンゴシン−1−ホスフェ−ト受容体アゴニスト(例、フィンゴリモド、KRP−203)、LEA−29Y,抗IL−2レセプタ−抗体(例、ダシリズマブ)、抗CD3抗体(例、OKT3)、抗T細胞免疫グロブリン(例、AtGam)、アスピリン、CD28−B7遮断分子(例、ベラタセプト、アバタセプト)、CD40−CD154遮断分子(例、抗−CD40抗体)、プロテインキナーゼC阻害剤(例、AEB−071)、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム、及び抗炎症性ステロイド(例、プレドニゾロンまたはデキサメタゾン)標準投与計画によって同一の又は異なる用量で、同じまたは異なる投与経路で、同じ又は異なる投与スケジュールで、投与することができる。
【0089】
式(I)で示される化合物又はその塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する製剤は通常製剤化に用いられる担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて調製される。
【0090】
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、あるいは静注、筋注等の注射剤、坐剤、経皮剤、経鼻剤あるいは吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。投与量は症状、投与対象の年齢、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定されるが、通常、経口投与の場合、成人1日当たり0.001 mg/kgから100 mg/kg程度であり、これを1回で、あるいは2〜4回に分けて投与する。また、症状によって静脈投与される場合は、通常、成人1回当たり0.0001 mg/kgから10 mg/kgの範囲で1日に1回から複数回投与される。また、吸入の場合は、通常、成人1回当たり0.0001 mg/kgから1 mg/kgの範囲で1日に1回から複数回投与される。
【0091】
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な賦形剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、滑沢剤(例、ステアリン酸マグネシウム)や崩壊剤(例、カルボキシメチルスターチナトリウム)、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性コーティング剤で被膜してもよい。
【0092】
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な溶剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な溶剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁化剤のような補助剤、甘味剤、矯味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
【0093】
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤を含む。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例、オリーブ油)、アルコール類(例、エタノール)、ポリソルベート80(局方名)等がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通すろ過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解、懸濁して使用することもできる。
【0094】
吸入剤や経鼻剤等の経粘膜剤は固体、液体、半固体状のものが用いられ、従来公知の方法に従って製造することができる。賦形剤(例、ラクトースや澱粉)や、更に、pH調製剤、防腐剤、界面活性剤、滑沢剤、安定剤や増粘剤等が適宜添加されていてもよい。投与は、適当な吸入又は吹送のためのデバイスを使用することができる。例えば、計量投与吸入デバイス等の公知のデバイスや噴霧器を使用して、化合物を単独で又は処方された混合物の粉末として、もしくは医薬的に許容し得る担体と組み合わせて溶液又は懸濁液として投与することができる。乾燥粉末吸入器等は、単回又は多数回の投与用のものであってもよく、乾燥粉末又は粉末含有カプセルを利用することができる。あるいは、適当な駆出剤、例えば、クロロフルオロアルカン、ヒドロフルオロアルカン又は二酸化炭素等の好適な気体を使用した加圧エアゾールスプレー等の形態であってもよい。
【0095】
外用剤としては、軟膏剤、硬膏剤、クリーム剤、ゼリー剤、パップ剤、噴霧剤、ローション剤、点眼剤、眼軟膏等を包含する。一般に用いられる軟膏基剤、ローション基剤、水性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤等を含有する。例えば、軟膏又はローション基剤としては、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、白色ワセリン、サラシミツロウ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸グリセリン、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウロマクロゴール、セスキオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
【実施例】
【0096】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。なお、実施例において使用される原料化合物には新規な物質も含まれており、そのような原料化合物の公知物からの製造法を製造例として説明する。
【0097】
製造例1
以下の表に示す製造例1−1〜製造例1−25の化合物を、実施例1と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0098】
【表2】

【0099】
【表3】

【0100】
【表4】

【0101】
【表5】

【0102】
【表6】

【0103】
製造例2
グリシンアミド塩酸塩(34 mg)にエチル3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1,2,4−オキザジアゾール−5−カルボキシレート(60 mg)の1−メチル−2−ピロリドン(0.6 ml)溶液と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.092 ml)を加え、70℃で1時間撹拌した。放冷後、反応液を分取HPLC{10 mM NH4HCO3+NH3(pH=9.2):CH3CN=90:10から20:80}で精製した。活性フラクションを濃縮乾固して、3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−N−メチル−1,2,4−オキザジアゾール−5−カルボキシレート(23 mg)を固体として得た。
【0104】
以下の表に示す製造例2−1〜製造例2−26の化合物を、製造例2と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0105】
【表7】

【0106】
【表8】

【0107】
【表9】

【0108】
【表10】

【0109】
製造例3
ベンジル 4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(55 mg)、エチル{[(4−アミノ−1−アダマンチル)カルボニル]アミノ}アセテート(54 mg)およびトリエチルアミン(80 μl)を N−メチル−2−ピロリドン(0.55 ml)に溶解させ、マイクロウェーブ反応装置を用いて180 ℃で1時間攪拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、得られた化合物をジオキサン(1.1 ml)とメタノール(1.1 ml)に溶かし、10%パラジウム(50%水含有)を加えて4時間、室温1気圧で接触還元を行った。メタノール、ジオキサンおよび1M 塩酸を加えて、析出した固体を溶解させ、ろ過して触媒を除去した。ろ液を減圧濃縮し、4−({5−[(2−エトキシ−2−オキソエチル)カルバモイル]アダマンタン−2−イル}アミノ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(18 mg)を得た。
【0110】
【表11】

【0111】
製造例4
エタノール(3 ml)を4 ℃まで冷却し、アセチルクロライドを注意深く加えた。反応液を4℃で30分間攪拌した。反応液に4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル(50 mg)のクロロホルム(0.5 ml)溶液と2M塩酸/エタノール溶液(0.5 ml)を滴下した。反応液を室温で18時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、エチル 4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシイミデート三塩酸塩(75 mg)を得た。
【0112】
【表12】

製造例5
【0113】
以下の表に示す製造例5−1〜製造例5−32の化合物は、実施例3と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0114】
【表13】

【0115】
【表14】

【0116】
【表15】

【0117】
【表16】

【0118】
【表17】

【0119】
【表18】

【0120】
製造例6
エチル 7−[(トランス−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)アミノ]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキシレート(50mg)に47%臭化水素酸水(0.75 ml)を加え、マイクロウェーブ反応装置を用いて120℃で1時間攪拌した。反応液を冷却後、炭酸カリウム水溶液でpH=5に調製し、生じた固体をろ取して水で洗浄し、7−[(トランス−5−ブロモアダマンタン−2−イル)アミノ]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボン酸(44 mg)を得た。
【0121】
以下の表に示す製造例6−1の化合物は、製造例6を参考に、対応する原料を用いて製造した。
【0122】
【表19】

製造例7
エチル 7−[(3−エキソ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト− 3−イルアミノ]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキシレート(400 mg)、ジ−t−ブチルジカーボネート(203 mg), トレチルアミン(130 μl)、ジオキサン(4 ml)及び水(4 ml)の混合物を室温で1時間攪拌した。混合物は酢酸エチル(5 ml)と水 (20 ml)で希釈した。生じた沈殿はろ取し(エチル 7−{[(3−エキソ)−8−(tert−ブトキシカルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]アミノ}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキシレート(200 mg)を得た。ろ取物は酢酸エチル(50 ml)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層はbrineで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮した。酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、エチル 7−{[(3−エキソ)−8−(tert−ブトキシカルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]アミノ}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキシレート(100 mg)を白色固体として得た。
【0123】
以下の表に示す製造例7−1の化合物は、実施例64と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0124】
【表20】

製造例8
以下の表に示す製造例8−1から8−3の化合物は、実施例44と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0125】
【表21】

【0126】
【表22】

【0127】
製造例9
以下の表に示す製造例9−1から9−2の化合物は、実施例10と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0128】
【表23】

製造例10
以下の表に示す製造例10−1から10−18の化合物は、実施例4と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0129】
【表24】

【0130】
【表25】

【0131】
【表26】

【0132】
製造例11
4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシリック アシッド(350 mg)のN,N’−ジメチルホルムアミド(4 ml)に溶液に室温でN,N’−カルボニルジイミダゾール(289 mg)、グリシンメチルエステル塩酸塩(447 mg)を順次加えた。更に2時間室温で撹拌した。反応液に水を加え、析出固体をろ過、析出固体を水で洗浄した後、乾燥させ、4−クロロ−5−(1H−イミダゾール−1−イルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(325 mg)を白色固体として得た。
【0133】
【表27】

【0134】
製造例12
4−クロロ−5−(1H−イミダゾール−1−イルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(300 mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(3 ml)溶液に室温でN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.64 ml)、グリシンメチルエステル塩酸塩(305 mg)を加えた。直ちに60℃に昇進し2時間、加熱攪拌を行った。反応液に水を加えた後、1時間攪拌した。析出固体をろ過、水で洗浄し、乾燥することにより、メチル N−[(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)カルボニル]グリシネート(267 mg)を白色固体として得た。
【0135】
【表28】

【0136】
製造例13
ベンジル レル−[(1R,2S,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]カーバメイト(1.3 g)のジクロロエタン(13 ml)溶液にテトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウム(1.28 g)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルピリジン(2.21 g)を加えた。反応液を加熱還流下、3時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルを加えて、不溶物をろ過した。ろ液に水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=19:1から7:3)で精製し、ベンジル レル−[(1R,2S,3S,5s)−5−メトキシアダマンタン−2−イル]カーバメイト(540 mg)を無色油状物として得た。
【0137】
以下の表に示す製造例13−1〜製造例13−2の化合物を、製造例13と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0138】
【表29】

製造例14
以下の表に示す製造例14−1〜製造例14−6の化合物を、実施例14と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0139】
【表30】

【0140】
【表31】

【0141】
製造例15
(3−エキソ,7−エンド)−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸(700 mg)のメタノール(14 ml)溶液に濃硫酸(2 ml)を滴下し、反応液を1時間還流した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、メチル−(3−エキソ,7−エンド)−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシレート(730 mg)を得た。
【0142】
【表32】

【0143】
製造例16
以下の表に示す製造例16−1〜製造例16−3の化合物を、実施例28と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0144】
【表33】

【0145】
【表34】

【0146】
製造例17
以下の表に示す製造例17の化合物を、実施例29と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0147】
【表35】

【0148】
製造例18
以下の表に示す製造例18−1から18−5の化合物を、実施例30と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0149】
【表36】

【0150】
【表37】

【0151】
製造例19
4−クロロ−N’−ヒドロキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシイミドアミド(100 mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(1 ml)溶液にピリジン(58 μl)と2−エチルヘキシル クロロカーボネート(92 μl)を4℃で加えた。反応液を室温で2時間攪拌した。反応液に水を加え、析出物をろ取し、キシレン(2 ml)に溶解した。反応液を160℃、3時間攪拌した。反応液に水を加えた後、析出物をろ取し、3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(63 mg)を白色固体として得た。
【0152】
【表38】

【0153】
製造例20
メチル N−[(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)カルボニル]グリシネート(167 mg)のクロロホルム(5 ml)溶液に室温で、五酸化二リン(886 mg)を加え18時間還流した。反応液を冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加えた。その反応液を酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=15:1)で精製し、4−クロロ−5−(5−メトキシ−1,3−オキサゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(45 mg)を黄白色固体として得た。
【0154】
【表39】

【0155】
製造例21
4−[(5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)アミノ]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル(150 mg)のテトラヒドロフラン(3 ml)溶液に1.01 M 水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(1.93 ml)を−78 ℃で加えた後、反応液を室温で18時間攪拌した。反応液に1M 塩酸水溶液を氷冷下加え、混合物を30分攪拌した。混合物をクロロホルムで抽出し、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、4−[(5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)アミノ]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボアルデヒド(100 mg)を淡黄色アモルファスとして得た。
【0156】
以下の表に示す製造例21−1の化合物を、製造例21と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0157】
【表40】

【0158】
製造例22
6−(ベンジルアミノ)−1−(5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−7−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン(68 mg)とメタノール(1 ml)の混合物にギ酸アンモニウム(197 mg)、50%含水10%パラジウムカーボン(33 mg)を室温で加えたのち、加熱還流下5時間攪拌した。冷却後、触媒を濾去した。母液を濃縮すると、6,7−ジアミノ−1−(5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン(54 mg)を得た。
【0159】
以下の表に示す製造例22−1〜製造例22−3の化合物を、製造例22と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0160】
【表41】

【0161】
【表42】

【0162】
製造例23
エチル 6−[(3,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−4−[(シス−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)アミノ]−5−ニトロニコチネート (2.73 g)をエタノール(40 ml)に懸濁させ、10%パラジウム炭素(50%含水) (550 mg)を加え、水素雰囲気下80℃で5時間接触還元を行った。反応液を室温に冷却後触媒をろ過し更にジオキサンで触媒を洗浄し、溶媒を減圧留去した。残渣にオルトギ酸エチル(17 ml)、濃塩酸(864 μl)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルとテトラヒドロフランで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧留去した。残留をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製し、エチル 3−(3,4−ジメトキシベンジル)−7−[(シス−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)アミノ]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキシレート(2.17 g)を得た。
【0163】
以下の表に示す製造例23−1の化合物を、製造例23と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0164】
【表43】

【0165】
製造例24
【0166】
以下の表に示す製造例24−1〜製造例24−3の化合物を、実施例35と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0167】
【表44】

【0168】
製造例25
N−ボック−ノルトロピノン(1.38 g)、ベンジルアミン(0.803 ml)、および酢酸(0.35 ml)をジクロロメタン(10 ml)と1,2−ジクロロエタン(32 ml)に溶解し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.95 g)を加え、室温で2時間撹拌した。ベンジルアミン(0.201 ml)とトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(649 mg)を加え、50 ℃で3時間半撹拌した。さらにトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(649 mg)を加え、50 ℃で3時間撹拌した。反応溶媒を減圧留去し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と1M水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール)で精製し、3−(ベンジルアミノ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルバミン酸t−ブチルエステル(1.78 g)を白色固体として得た。
【0169】
以下の表に示す製造例25−1製造例25−8の化合物を、製造例25と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0170】
【表45】

【0171】
【表46】

【0172】
【表47】

【0173】
製造例26
以下の表に示す製造例26−1〜製造例26−2の化合物を、実施例50と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0174】
【表48】

【0175】
製造例27
レル−(1’R,3’S,5’S,7’s)−5’H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,2’−トリシクロ[3.3.1.1〜3,7〜]デカン]−5’−カルボン酸(100 mg)をトルエン(1 ml)に溶かし、ジフェニルリン酸アジド(99 μl)とトリエチルアミン(64?μl)を加えて110℃で2時間攪拌した。反応液を室温に冷却後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧留去した。残渣をN,N−ジメチルアセトアミド(1 ml)に溶かし、t−ブトキシカリウム(49 mg)を加えた。反応混合物は室温で終夜攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、t−ブチル レル−(1’R,3’S,5’S,7’s)−5’H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,2’−トリシクロ[3.3.1.1〜3,7〜]デカン]−5’−イルカーバメート(40 mg)を得た。
【0176】
以下の表に示す製造例27−1〜製造例27−3の化合物を、製造例27と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0177】
【表49】

【0178】
製造例28
氷冷下、濃硫酸(175 ml)に70%硝酸(20ml)を滴下後、2−アダマンタミン塩酸塩(25 g)を10℃以下でゆっくり添加した。室温に昇温後、2時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、6M水酸化ナトリウム水溶液で中和後、ジクロロメタンで4回抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し4−アミノアダマンタン−1−オール(17.7 g)を得た。
【0179】
【表50】

【0180】
製造例29
エチル 4−{[3−エキソ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2−エキソ]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(54 mg)、トリイソプロピルシリルクロリド(52 μl)、イミダゾール(17 mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(0.3 ml)の混合物を室温で2時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(20 ml)で希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15 ml)に注いだ。酢酸エチル(15 ml)で2回抽出し、抽出液を食塩水(20 ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、エチル 4−{[3−エキソ(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル}ビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2−エキソ]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(76 mg)を淡褐色固体として得た。
【0181】
【表51】

【0182】
製造例30
4−クロロ−2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.85 g)のN,N−ジメチルホルムアミド(8.5 ml)溶液に窒素雰囲気下、氷水浴で冷却しながら60%油性懸濁NaH(245 mg)を加えた。反応液を室温で1時間攪拌後、再び氷水浴で冷却した後、トリイソプロピルシリルクロリド(1.3 ml)を10分以上かけて徐々に滴下した。反応液を室温で3時間攪拌した後、酢酸エチル(30 ml)で希釈した。溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30 ml)、食塩水(20 ml)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで脱水、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン)で精製すると4−クロロ−2−メチル−1−(トリイソプロピルシリル)−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.45 g)を無色透明液体として得た。
【0183】
【表52】

【0184】
製造例31
以下の表に示す製造例31−1〜製造例31−2の化合物を、実施例19と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0185】
【表53】

【0186】
製造例32
4−クロロ−2−メチル−1−(フェニルスルフォニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(4.73 g)、炭酸カリウム(6.4 g)、メタノール(45 ml)、水(15 ml)の混合物を90℃に加熱し、2時間攪拌した。冷却後、生じた針状結晶をろ過し、水で洗浄すると4−クロロ−2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.85 g)を得た。
【0187】
【表54】

【0188】
製造例33
ベンジル レル−[(1R,2S,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]カーバメイト(5.5 g)のメタノール(55 ml)溶液に、10%パラジウムカーボン(50%含水)(1.1 g)を加え、水素気流下、3時間室温で攪拌した。10%パラジウム炭素をセライト除去した後、濾液を減圧濃縮し、レル−(1s,3R,4S,5S)−4−アダマンタミン−1−オール(3.8 g)を得た。
【0189】
以下の表に示す製造例33−1〜製造例33−11の化合物を、製造例33と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0190】
【表55】

【0191】
【表56】

【0192】
【表57】

【0193】
製造例34
以下の表に示す製造例34−1〜製造例34−3の化合物を、実施例21と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0194】
【表58】

【0195】
製造例35
エチル 5−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−カルボキシレート(350 mg)のエタノール(3.5 ml)溶液に1M 水酸化ナトリウム水溶液(1.79 ml)を加え、反応液を50℃、3時間攪拌した。反応液を4℃まで冷却し、1M 塩酸水溶液を加え酸性にした。混合物をクロロホルムとメタノールの4:1混合液で抽出し、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、4−クロロ−5−(1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(215 mg)を白色固体として得た。
【0196】
【表59】

【0197】
製造例36
t−ブチル− レル−(1’R,3’S,5’S,7’s)−5’H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,2’−トリシクロ[3.3.1.1〜3,7〜]デカン]−5’−イルカーバメート(420 mg)をテトラヒドロフラン(4.2 ml)および水(4.2 ml)に溶かし、パラトシル酸一水和物(516 mg)を加えて60℃で4時間攪拌した。溶媒を減圧留去し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、t−ブチル (シス−4−オキソアダマンタン−1−イル)カーバメート(120 mg)を得た。
【0198】
以下の表に示す製造例36−1の化合物を、製造例36と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0199】
【表60】

【0200】
製造例37
2−[(1R,2R,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(1.4 g)のテトラヒドロフラン(28 ml)、エタノール(28 ml)混合溶液に80%ヒドラジン一水和物水溶液(1.1 ml)を加え、3時間還流攪拌した。放冷後、不溶物をろ過除去し、減圧濃縮により溶媒量を減らした。残渣にジクロロメタンを加え、1M水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加え、4M塩酸/ジオキサン溶液で塩酸塩とした後、溶媒を減圧濃縮し乾固させ、(1R,2R,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−アミン塩酸塩(0.6 g)を得た。
【0201】
以下の表に示す製造例37−1の化合物を、製造例37と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0202】
【表61】

【0203】
製造例38
メチル(2−{[4−クロロ−6−(メチルアミノ)−5−ビニルピリジン−3−イル]カルボニル}ヒドラジノ)(オキソ)アセテート(450 mg)にテトラヒドロフラン(7 ml)、ジオキサン(7 ml)を懸濁させ、氷浴中、五硫化ニリン(383 mg)を加えた。室温で5時間撹拌後、テトラヒドロフラン(10 ml)を加え、五硫化ニリン(190 mg)加えた。室温で2時間撹拌後、反応液に水を加え、水酸化ナトリウム水溶液でpHを約10にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製し、 メチル−5−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3,b]ピリジン−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシレート(90 mg)を得た。
【0204】
【表62】

製造例39
【0205】
以下の表に示す製造例39−1〜製造例39−4の化合物を、製造例45と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0206】
【表63】

【0207】
【表64】

【0208】
製造例40
4−クロロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(2.26 g)をテトラヒドロフラン(16 ml)に溶かし、窒素気流下−78℃でsec−ブチルリチウム(14.6 ml)を滴下した。同温で30分攪拌した後、反応液にクロロギ酸ベンジル(2.1 ml)のテトラヒドロフラン(16 ml)溶液を−78℃で滴下した。更に反応液を−78℃で15分攪拌した後、飽和塩化アンモニア水溶液(12 ml)で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をテトラヒドロフラン(17 ml)に溶かし、1M−テトラブチルアンモニウムフルオライドのテトラヒドロフラン溶液(16.9 ml)を加えて室温で3時間攪拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、ベンジル 4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(690 mg)を得た。
【0209】
以下の表に示す製造例40−1〜製造例40−3の化合物を、製造例40と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0210】
【表65】

【0211】
【表66】

【0212】
製造例41
100 mlの金属製封管に、攪拌子、エチル 4−{[(3−エキソ)8−ベンジル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]アミノ}−6−クロロ−5−ニコチン酸エステル(1.5 g)、28%アンモニア水(4.6 ml)、エタノール(7.5 ml)を入れ、封をした後、90℃に2時間加熱した。冷却後、反応液をメタノール(20 ml)で希釈した後、溶媒を減圧留去した。残渣を酢酸エチル−メタノールから再結晶してエチル 6−アミノ−4−{[(3−エキソ)8−ベンジル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]アミノ}−5−ニコチン酸エステル(1.3 g)を黄色固体として得た。
【0213】
以下の表に示す製造例41−1の化合物を、製造例41と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0214】
【表67】

製造例42
【0215】
以下の表に示す製造例42−1〜製造例42−26の化合物を、実施例7と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0216】
【表68】

【0217】
【表69】

【0218】
【表70】

【0219】
【表71】

【0220】
製造例43
以下の表に示す製造例43の化合物を、実施例41と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0221】
【表72】

【0222】
製造例44
4−アミノアダマンタン−1−オール(8.9 g)のテトラヒドロフラン(89 ml)溶液に、氷冷下に塩化ベンジルオキシカルボニル(7.6 ml)、1 M 水酸化ナトリウム水溶液(53.4 ml)を順次滴下し、氷冷下3時間攪拌した。反応液を硫酸水素カリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1から1:3)で精製し、ベンジル レル−[(1R,2S,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]カーバメイト(6.2 g)、ベンジル レル−[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]カーバメイト(5.3 g)を得た。
【0223】
【表73】

【0224】
製造例45
(1R,2S,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール(1.0 g)のテトラヒドロフラン(10 ml)溶液にフタルイミド(1.4 g)、トリフェニルフォスフィン(2.6 g)を加え、氷冷下ジエチルアゾジカルボキシレート(1.5 ml)を滴下した。混合物を室温まで昇温し、24時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキサン:酢酸エチル=100:0から95:5)で精製し2−[(1R,2R,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(1.4 g)を無色固体として得た。
【0225】
以下の表に示す製造例45−1の化合物を、製造例45と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0226】
【表74】

【0227】
製造例46
エチル 6−クロロ−4−{[5−メトキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−5−ニコチン酸エステル(635 mg)、ベンジルアミン(253 μl)、ジイソプロピルエチルアミン(270 μl)、2−プロパノール(3 ml)の混合物を窒素雰囲気下、マイクロ波を照射し、90℃で30分加熱した。冷却後、反応液を酢酸エチル(20 ml)で希釈し、1/2飽和塩化アンモニア水(20 ml)へ注いだ。酢酸エチル(20 ml)で2回抽出後、食塩水(30 ml)で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、エチル 6−ベンジルアミノ−4−{[5−メトキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−5−ニコチン酸エステル(550 mg)を橙色固体として得た。
【0228】
以下の表に示す製造例46−1〜製造例46−2の化合物を、製造例46と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0229】
【表75】

【0230】
製造例47
4−クロロ−2−メチル−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(525 mg)のテトラヒドロフラン(10 ml)溶液を窒素雰囲気下、−78℃に冷却し、0.99M sec−ブチルリチウム/シクロヘキサン溶液(4.1 ml)を滴下した。−78℃で1時間攪拌後、クロロ炭酸エチル(389 μl)を滴下した。反応液を−78℃で30分攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20 ml)を加え、室温に戻した。反応液を分液ロートに移し、酢酸エチル抽出し、有機層を食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン)で精製し、エチル 4−クロロ−2−メチルl−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキリレート(645 mg)を無色粘性液体として得た。
【0231】
以下の表に示す製造例47−1の化合物を、製造例47と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0232】
【表76】

【0233】
製造例48
エチル 4,6−ジクロロ−5−ニトロニコチン酸エステル(1 g)、2−アダマンタミン塩酸塩(708 mg)、ジイソプロピルエチルアミン(1.3 ml)、2−プロパノール(4 ml)の混合物を窒素雰囲気下、マイクロ波を照射し、90℃で10分加熱した。冷却後、反応液を酢酸エチル(20 ml)で希釈し、1/2飽和塩化アンモニア水(20 ml)へ注いだ。酢酸エチル(20 ml)で2回抽出後、食塩水(30 ml)で洗浄、無水硫酸マグネシウムで脱水、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、エチル 4−(2−アダマンチルアミノ)−6−クロロ−5−ニコチン酸エステル(1.23 g)を橙色固体として得た。
【0234】
以下の表に示す製造例48−1〜製造例48−5の化合物を、製造例48と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0235】
【表77】

【0236】
【表78】

【0237】
【表79】

【0238】
製造例49
エチル 4,6−ジクロロ−5−ニトロニコチン酸エステル333mg、4−アミノ−1−アダマンタノール(200 mg)、ジイソプロピルエチルアミン(219 μl)、2−プロパノール(1 ml)の混合物を窒素雰囲気下、マイクロ波を照射し、90℃で10分加熱した。冷却後、反応液にベンジルアミン(157 μl)を加え、再びマイクロ波を照射し、90℃で10分間加熱した。冷却後、反応液を酢酸エチル(20 ml)で希釈し、1/2飽和塩化アンモニア水(20 ml)へ注いだ。酢酸エチル(20 ml)で2回抽出後、食塩水(30 ml)で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥ろ過し、ろ液を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製するとエチル 6−(ベンジルアミノ)−4−[(5−ヒドロキシ−2−アダマンチル)アミノ]−ニコチン酸エステル(515 mg)を橙色固体として得た。
【0239】
以下の表に示す製造例49−1〜製造例49−5の化合物を、製造例49と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0240】
【表80】

【0241】
【表81】

【0242】
【表82】

【0243】
製造例50
以下の表に示す製造例50の化合物を、実施例10と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0244】
【表83】

【0245】
製造例51
以下の表に示す製造例51の化合物を、実施例28と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0246】
【表84】

【0247】
製造例52
10% パラジウムカーボン(50%含水)(40 mg)をベンジル 4−[(5−カルバモイルアダマンタン−2−イル)アミノ]−1H−ピロロ−[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(183 mg)のメタノール(5 ml)と1,4−ジオキサン(5 ml)溶液に加え、水素雰囲気下で5時間攪拌した。生じた沈殿をテトラヒドロフランに溶解させ、触媒をろ去した。ろ液を減圧濃縮し、4−[(5−カルバモイルアダマンタン−2−イル)アミノ]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(117 mg)を得た。
【0248】
以下の表に示す製造例52−1から52−17の化合物は、製造例52と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0249】
【表85】

【0250】
【表86】

【0251】
【表87】

【0252】
【表88】

【0253】
製造例53
以下の表に示す製造例53−1から53−4の化合物は、実施例16と同様に、対応する原料を用いて製造した。
【0254】
【表89】

【0255】
【表90】

【0256】
実施例1
5−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−N−メチル−1,3,4−オギザジアゾール−2−カルボキサミド(18 mg)の1−メチル−2−ピロリドン(0.18ml)溶液に、室温でN,N−ジブチル−1−ブタンアミン(0.046 ml)、シス−(1S,3R,4R,5S)−4−アミノアダマンタン−1−オール(32.5 mg)を加えた。直ちに混合物を150℃に昇温し、更に2時間撹拌した。原料の消失を確認した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=97:3〜85:15)で精製し、シス−5−(4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−N−メチル−1,3,4−オギザジアゾール−2−カルボキサミド(19.8 mg)を白色固体として得た。
【0257】
実施例2
1−[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メタンアミン(61 mg)に4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(39 mg)の1−メチル−2−ピロリドン(0.6 ml)溶液、トリエチルアミン(0.056 ml)、ヨウ化ナトリウム(3 mg)を加え、この混合物を130℃で17時間撹拌した。放冷後、反応混合物にN,N−ジメチルホルムアミド(0.3 ml)と水(0.1 ml)を加え溶解させ、分取HPLC(10 mM−NH4HCO3+NH3(pH=9.2):CH3CN=98:2−30:70)で精製した。活性フラクションを濃縮乾固して、4−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド (33.5 mg)を固体として得た。
【0258】
実施例3
メチル 4−(2−オキソ−3,6−ジヒドロピラゾロ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(2H)−イル)アダマンタン−1−カルボキシレート(40 mg)をメタノール(0.4 ml)−ジオキサン(0.4 ml)に懸濁させ、2時間還流した。反応液を室温に冷却し、1M塩酸およびpH=4緩衝液でpH=5に調製し、溶媒を減圧留去した。生じた固体をろ取し、水で洗浄して4−(2−オキソ−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(2H)−イル)アダマンタン−1−カルボン酸(32 mg)を得た。
【0259】
実施例4
4−(2−オキソ−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(2H)−イル)アダマンタン−1−カルボン酸(50 mg)をN,N−ジメチルホルミアミド(1 ml) に懸濁させた。その懸濁液に、アミノアセトニトリル塩酸塩(17 mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(28 mg)、ジイソプロピルエチルアミン(62 μl)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(41 mg)を順次加え、室温で終夜攪拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、有機層を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製し、N−(シアノメチル)−4−(2−オキソ−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(2H)−イル)アダマンタン−1−カルボキサミド(23 mg)を得た。
【0260】
実施例5
3−メチル安息香酸(22.4 mg)の1−メチル−2−ピロリドン(0.6 ml)溶液へ、4−[(3−エキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)アミノ]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(42.8 mg)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(22.3 mg)を加えた。更に1M 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド/1−メチル−2−ピロリドン溶液(0.225 ml)を加え、50℃で4時間攪拌した。冷却後、反応液を分取HPLC装置(10 mM−NH4HCO3+NH3(pH=9.2):CH3CN=98:2−30:70)で精製した。活性フラクションを濃縮、乾燥して、4−{[(3−エキソ)−8−(3−メチルベンゾイル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)アミノ]}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(34.8 mg)を固体として得た。
【0261】
実施例6
2−アミノエタノール(18.6 mg)の1−メチル−2−ピロリドン(0.6 ml)溶液にシス−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(41 mg)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(18.6 mg)を加え、更に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド/1−メチル−2−ピロリドン溶液(0.188 ml)を加え、60℃で6時間攪拌した。冷却後、反応液を分取HPLC(10mM−NH4HCO3+NH3(pH=9.2):CH3CN=98:2−30:70)で精製した。活性フラクションを濃縮、乾燥して、4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−N−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(22.9 mg)を固体として得た。
【0262】
実施例7
エチル 3−(4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b] ピリジン−5−イル)−1,2,4−オギザジアゾール−5−カルボキシレート(25 mg)の1−メチル−2−ピロリドン(0.25 ml)溶液に、室温で2−ピぺラジン−1−イルエタノール(8.5 mg)を加えた。直ちに、50℃に昇温し更に0.5時間撹拌した。原料の消失を確認した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=96:4−87:13)で精製し、シス−(1s,3R,4R,5S)−4−{[5−(5−{[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,2,4−オギザジアゾール−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール(22.6 mg)を黄白色固体として得た。
【0263】
実施例8
メチルアミン塩酸塩(4.7 mg)の1−メチル−2−ピロリドン(0.3 ml)溶液にエチル シス−5−(4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1,2,4−オギザジアゾール−5−カルボキシレート(14.8 mg)とジイソプロピルアミン(0.0183 ml)を加え、90℃で6時間攪拌した。冷却後、反応液を分取HPLC装置(10mM−NH4HCO3+NH3(pH=9.2):CH3CN=90:10−20:80)で精製した。活性フラクションを濃縮、乾燥して5−(4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−N−メチル−1,2,4−オギザジアゾール−3−カルボキサミド(6.74 mg)を固体として得た。
【0264】
実施例9
シス−5−(4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−N−ピペリジン−4−イル−1,2,4−オギザジアゾール−3−カルボキサミド二塩酸塩(20 mg)の1−メチル−2−ピロリドン(0.25 ml)溶液に、室温でN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン (0.025 ml)、無水酢酸(0.043 ml)を加え、1時間撹拌した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール=99:1−89:11)で精製し、シス−N−(1−アセチルピペリジン−4−イル)−5−(4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1,2,4−オギザジアゾール−3−カルボキサミド(7.8 mg)を黄白色固体として得た。
【0265】
実施例10
1−(5−アミノアダマンタン−2−イル)−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(1H)−オン二塩酸塩(15 mg)にジクロロメタン-メタノールおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて有機層を抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をジクロロメタン(7.5 ml)に懸濁させ、トリエチルアミン(13 μl)、プロパノイルクロライド(4 μl)を加えて室温で終夜攪拌した。反応液をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製し、N−[4−(2−オキソ−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(2H)−イル)アダマンタン−1−イル]プロパンアミド(2 mg)を得た。
【0266】
実施例11
シス−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシリック アシッド(30 mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.21 ml)に溶液に、室温でN,N’−カルボニルジイミダゾール(22.3 mg), ジメチルアミン の2Mメタノール溶液(0.183 ml)を順次加え,た。更に18時間室温で撹拌した。反応液に水を加え、ろ過、固体残渣を水で洗浄した後、乾燥させた。残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、メチル シス−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(18 mg)を黄白色固体として得た。
【0267】
実施例12
レル−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(25 mg)のN,N−ジメチルホルムアミド (0.4 ml)懸濁液に炭酸カリウム (15.8 mg)と1−クロロアセトン (0.0073 ml)を加え、室温で5時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール)で精製し、レル−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸 2−オキソプロピルエステル (20.8 mg)を白色固体として得た。
【0268】
実施例13
レル−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(45 mg)、アセトアミドオキシム(25.5 mg)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(27.9 mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.08 ml)懸濁液にトリエチルアミン(0.077 ml)とN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(39.5 mg)を加え、60℃で2時間撹拌した。反応液をクロロホルムとエタノールで希釈し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール)で精製し、レル−(1Z)−N’−{[(4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)カルボニル]オキシ}エタンイミダミド(38.9 mg)を白色粉末として得た。
【0269】
実施例14
シス−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(30 mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.9 ml)に溶液に、室温でN,N’−カルボニルジイミダゾール(83 mg)、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.018 ml)、カルボニックアシッド−グアニジン(1:2)(82.5 mg)を順次加えた。更に1−メチル−2−ピロリドン(0.3 ml)を加えた後、直ちに、60℃に昇温し更に5時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、乾燥させ、残渣を塩基性薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=6:1)で精製し、シス−N−(ジアミノメチレン)−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(18.1 mg)を黄白色固体として得た。
【0270】
実施例15
シス−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(80 mg)の1−メチル−2−ピロリドン(0.8 ml)溶液に、室温で(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロフォスフェート)(HATU)(139 mg),N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.17 ml),ヒドラジンカルボキサミド塩酸塩(32.7 mg)を順次加えた。混合物を更に3時間室温で撹拌した。反応液に酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルを加え、ろ過、固体残渣を酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルで洗浄した後、乾燥させ、シス−2−[(4−{[(1R,2R,3S,5s)− 5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)カルボニル]ヒドラジンカルボキサミド(90 mg)を黄白色固体として得た。
【0271】
実施例16
4−(2−オキソ−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(2H)−イル)アダマンタン−1−カルボキサミド(70 mg) をN,N−ジメチルホルムアミド (1 ml) に懸濁させ、氷冷下2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(37 mg)を加え、室温で4時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて生じた固体をろ取し、水および, 酢酸エチルで洗浄し、4−(2−オキソ−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(2H)−イル)アダマンタン−1−カルボニトリル(30 mg)を得た。
【0272】
実施例17
5−(4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−カルボキサミド(30 mg)のテトラヒドロフラン(1 ml)溶液にピリジン(37 μl)と無水トリフルオロ酢酸(64 μl)を氷冷下加えた後、反応液を室温で30分間攪拌した。反応液に水を加え、析出物をろ取し、テトラヒドロフラン(1 ml)に溶解させた。反応液に1M 水酸化ナトリウム水溶液(0.114 ml)を氷冷で加えた後、反応液を室温で1時間攪拌した。反応液をクロロホルムで抽出し、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0から90:10)で精製し、5−(4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−カルボニトリル(5 mg)を白色固体として得た。
【0273】
実施例18
t−ブチル[4−(2−オキソ−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(2H)−イル)アダマンタン−1−イル]カーバメート(118 mg)をジオキサン(1.2 ml) に懸濁させ、4 M 塩酸/ジオキサン溶液(0.7 ml)を加え、混合物を室温で終夜攪拌した。反応液に酢酸エチルを加えて生じた固体をろ取し、酢酸エチルで洗浄して1−(5−アダマンタン−2−イル)−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(1H)−オン二塩酸塩(108 mg)を得た。
【0274】
実施例19
3−(3,4−ジメトキシベンジル)−N−(4−フルオロベンジル)−7−{(5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)アミノ}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキサミド(170 mg)にトリフルオロ酢酸(1.7 ml)を加えて室温で終夜攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルとテトラヒドロフランで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製し、N−(4−フルオロベンジル)−7−{(5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)アミノ}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキサミド(31 mg)を得た。
【0275】
実施例20
4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(35 mg)のエタノール(0.525 ml)溶液に、室温で2M塩酸/エタノール溶液(0.205 ml)を加えた。反応液を室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、析出物をろ取し、N−ヒドロキシ−4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド塩酸塩(18 mg)を白色固体として得た。
【0276】
実施例21
3−{[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル]−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(1H)−オン(45 mg)のテトラヒドロフラン(0.15 ml)溶液にテトラブチルアンモニウムフルオリドの1.0Mテトラヒドロフラン溶液(297 μl)を加え、室温で終夜攪拌した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール)で精製し、1−[3−(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル]−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(1H)−オン (14.8 mg)を白色固体として得た。レル−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボヒドラジドの1−メチル−2−ピロリドン (1 ml)溶液に、オルトギ酸トリエチル(340 μl)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(5.6 mg)を加えた。120 ℃で30分間撹拌後、オルトギ酸トリエチル(340 μl)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(5.6 mg)を加えた。120℃で40分間撹拌後、反応液をクロロホルム/メタノール20%溶液で抽出し、飽和重水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製し、レル−(1s,3R,4R,5S)−4−{[1−(ジエトキシメチル)−5−(1,3,4−オキサゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オールを28mg、レル−(1s,3R,4R,5S)−4−{[5−(1,3,4−オキサゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール(70 mg)を得た。
【0277】
実施例22
N−(シアノメチル)−4−(2−オキソ−3,6−ジヒドロピラゾロ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(2H)−イル)アダマンタン−1−カルボキシレートのシス、トランス混合物をHPLC{(NH4)HCO3水−アンモニア水(pH=9.2):アセトニトリル}で分割し、保持時間の短い側のピークのフラクション(8 mg)、保持時間の長いピークのフラクション(15 mg)を得た。
【0278】
実施例23
4−(アダマンタン−1−イルアミノ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(17 mg)とトリエチルアミン(15 μl)をジオキサン(0.5 ml)に溶かし、120℃で攪拌しながらジフェニルリン酸アジド(DPPA)(18 μl)を加えた。同温で2時間攪拌後室温に冷却し、生じた固体をろ取してアセトニトリルで洗浄し、(アダマンタン−1−イル)−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(1H)−オン(11 mg)を得た。
【0279】
実施例24
5,6−ジアミノ−4−{シス−5−ヒドロキシル−2−アダマンチル]アミノ}−N−メチルニコチンアミド(9 mg)、オルトギ酸トリエチル(0.15 ml)の混合物に濃塩酸(5 μl)を加え、90℃で3時間加熱した。冷却後、酢酸エチル(10 ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10 ml)を加えた。有機層を抽出後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製し、7−{[シス−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−N−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキシアミド(0.5 mg)を薄黄色固体として得た。
【0280】
実施例25
無水酢酸(897 μl)、ギ酸(342 μl)の混合物を60℃に加温し、2時間攪拌した。混合物を冷却後、4−(2−アダマンチルアミノ)−6−アミノ−5−ニコチンアミド(200 mg)のジクロロメタン(1 ml)溶液を滴下した。反応混合物を、室温で1時間、50℃で2時間攪拌した。冷却後、溶媒を減圧留去した。残渣にエタノール(2 ml)、テトラヒドロフラン(1 ml)、水(1 ml)を加えた後、鉄粉(169 mg)、塩化アンモニウム(16 mg)を加えた。混合物を120 ℃で6時間攪拌した。冷却後、溶媒を減圧留去した。残渣に飽和水酸化ナトリウム水溶液(10 ml)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製して、7−(2−アダマンチルアミノ)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキシアミド(110 mg)を白色固体として得た。
【0281】
実施例26
イソプロピル 6−(ベンジルアミノ)−4−{[シス−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−5−ニコチナート(90 mg)、ギ酸アンモニウム(236 mg)、メタノールの混合物に10%パラジウムカーボン(50%含水)(40 mg)を加え、還流条件下で5時間攪拌した。冷却後、触媒を除く為にろ過した。ろ液を減圧濃縮した。残渣にオルトギ酸トリエチル(0.6 ml)、濃塩酸(31 μl)を加え、室温で3時間攪拌した。酢酸エチル(20 ml)で希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20 ml)を加えた。有機層を抽出後、硫酸マグネシウムで乾燥ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製し、イソプロピル−レル−7−{[(1R,2R,3S,5S)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキシレート(45 mg)を白色固体として得た。
【0282】
実施例27
4−[(5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)アミノ]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル(100 mg)のメタノール(3 ml)溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(34 mg)と炭酸水素ナトリウム(82 mg)を加え、反応液を90℃で18時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0から90:10)で精製し、N’−ヒドロキシ−4−{[(2r,5s)−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシイミドアミド(32 mg)を白色固体として、N’−ヒドロキシ−4−{[(2s,5r)−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシイミドアミド(35 mg)を白色固体として得た。
【0283】
実施例28
レル−(1Z)−N’−{[(4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)カルボニル]オキシ}エタンイミダミド(16.2 mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.4 ml) 溶液を160℃で3時間攪拌し、それから165oCで1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、10%食塩水、水(3回)、そしてbrineで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=15:1)で精製し、レル−(1s,3R,4R,5S)−4−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール(6.0 mg)を橙色結晶として得た。
【0284】
実施例29
レル−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボヒドラジドの1−メチル−2−ピロリドン(1 ml)溶液に、オルトギ酸トリエチル(340 μl)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(5.6 mg)を加えた。120℃で30分間撹拌後、オルトギ酸トリエチル(340 μl)及びp−トルエンスルホン酸1水和物(5.6 mg)を加えた。120 ℃で40分間撹拌後、反応液を20 %クロロホルム/メタノール溶液で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製し、レル−(1s,3R,4R,5S)−4−{[1−(ジエトキシメチル)−5−(1,3,4−オキサゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール(28 mg)とレル−(1s,3R,4R,5S)−4−{[5−(1,3,4−オキサゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール(70 mg)とを得た。
【0285】
実施例30
N’−ヒドロキシ−4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシイミドアミド(45 mg)のジクロロメタン(0.45 ml)溶液にピリジン(32 μl)と無水酢酸(19 μl)を加えた。反応液を室温で2時間攪拌した。反応液に更にピリジン(32 μl)と無水酢酸(19 μl)を加え、反応液を60℃で、2時間攪拌した。反応液に更にピリジン(0.5 ml)を加えた。混合物は90℃で、16時間攪拌した。反応液をクロロホルムで抽出し、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0から90:10)で精製し、(1s,4r)−4−{[5−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール(10 mg)を白色固体として得た。
【0286】
実施例31
N’−ヒドロキシ−4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシイミドアミド(25 mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.5 ml)溶液にピリジン(9 μl)と2−エチルヘキシル クロロカルボネート(14 μl)を氷冷下加えた。反応液を室温で、2時間攪拌した。反応液に水を加えた。反応液をクロロホルムで抽出し、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣はN,N−ジメチルホルムアミド(0.5 ml)とキシレン(0.5 ml)に溶解し、反応液を150℃、2時間攪拌した。室温まで冷却後、析出物をろ取し、少量の酢酸エチルで洗浄して、(1s,4r)−4−(3−アミノピラゾロ[3,4−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(6H)−イル)アダマンタン−1−オール(8 mg)を白色固体として得た。
【0287】
実施例32
3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−N−(2−メトキシエチル)−1,2,4−オギザジアゾール−5−カルボキサミド(35 mg)の1−メチル−2−ピロリドン(0.35 ml)溶液に室温でN,N−ジブチル−1−ブタンアミン(0.078 ml)、シス−(1S,3R,4R,5S)−4−アミノアダマンタン−1−オール(36 mg)を加えた。混合物は直ちに190℃に昇温し、更に1時間撹拌した。原料の消失を確認した後、反応液に水を加え、ろ過、固体残渣を水で洗浄した後、乾燥させた。固体残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=12:1)で精製し、シス−N−{1−[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]−1,6−ジヒドロピラゾロ[3,4−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル}−N’−(2−メトキシエチル)エタンジアミド(18.1 mg)を黄白色固体として得た。
【0288】
実施例33
3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−N−メチル−1,2,4−オギサジアゾール−5−カルボキサミド(14.2 mg)の1−メチル−2−ピロリドン(0.142 ml)溶液にN,N−ジブチル−1−ブタンアミン(0.0487 ml)とシス−(1S,3R,4R,5S)−4−アミノアダマンタン−1−オール(25.7 mg)を加えた。この混合物をマイクロウェーブ反応装置で、200 ℃で100分間攪拌した。冷却後、反応液を分取HPLC装置(10 mM NH4HCO3+NH3(pH=9.2):CH3CN=95:5−20:80)で精製した。活性フラクションを濃縮して、シス−N−{1−[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]−1,6−ジヒドロピラゾロ[3,4−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル}−N’−メチルエタンジアミド(11.1 mg)を固体として得た。
【0289】
実施例34
4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル(60 mg)のトルエン(0.6 ml)懸濁液にチオセミカルバジド(35.5 mg)とトリフルオロ酢酸(0.15 ml)を加えて70 ℃で6時間撹拌した。次いで、チオセミカルバジド(35.5 mg)とトリフルオロ酢酸(0.15 ml)を追加し、90 ℃で51時間撹拌した。さらに、チオセミカルバジド(17.8 mg)を追加して90 ℃で48時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でアルカリ性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製し、(1s,4r)−4−{[5−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール(8.3 mg)を白色固体として得た。
【0290】
実施例35
エチル 5−[4−(2−オキソ−3,6−ジヒドロイミダゾ[2,3−b]ピリジン−1(2H)−イル)アダマンタン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−カルボキシレート(30 mg)のテトラヒドロフラン(1 ml)溶液に、氷冷下リチウムアルミニウムハイドライド(10 mg)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温で30分間攪拌した後、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製し、1−{5−[3−(ヒドロキシメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]アダマンタン−2−イル}−3,6−ジヒドロイミアゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(1H)−オン(3 mg)を得た。
【0291】
実施例36
4−{[(2r,5s)−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル(27 mg)のエタノール(0.5 ml)溶液に10 %パラジウムカーボン(30 mg)と2M塩酸/エタノール溶液(0.5 ml)を加えた。反応液を水素ガス雰囲気下、60℃、3時間攪拌した。触媒をセライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮して、(1s,4r)−4−{[5−(アミノメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール三塩酸塩 (37 mg)を白色固体として得た。
【0292】
実施例37
1−(4−{[(2r,5s)− 5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)エタノン(20 mg)のテトラヒドロフラン(2.5 ml)溶液に室温でリチウムアルミニウムハイドライド(19.4 mg)を加えた。更に室温で2時間撹拌した。原料の消失を確認した後、反応液に水(19 μl)、2M 水酸化ナトリウム水溶液(19 μL)、水(57 μl)を順次加えた。析出した固体をセライトろ過により取り除き、テトラヒドロフラン で洗浄した。濾液を減圧濃縮し、薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=4:1)で精製し、(1s,4r)−4−{[5−(1−ヒドロキシエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール(9.1 mg)を得た。
【0293】
実施例38
4−{[(3−エキソ)−8−(5−ニトロピリジン−2−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(25 mg)のメタノール(0.5 ml)溶液に、ギ酸アンモニウム(38.6 mg)、パラジウムカーボン(50%含水、1.3 mg)を加え5時間加熱還流した。室温まで冷却後、不溶物をセライトろ過により除去し、メタノールで洗浄した。ろ液を減圧留去し、薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=4:1)で精製し、4−{[(3−エキソ)−8−(5−アミノピリジン−2−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(12 mg)を得た。
【0294】
実施例39
N’−(5−ブロモアダマンタン−2−イル)−4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボヒドラジド(200 mg)の1−メチル−2−ピロリドン(1.5 ml)溶液に、トリエチルアミン(0.2 ml)を加えてマイクロウェーブ反応装置で200℃で2時間攪拌した。反応液を冷却後、水を加えてクロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製し、1−(5−ブロモアダマンタン−2−イル)−1,6−ジヒドロピラゾロ[3,4−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン(91 mg)を得た。
【0295】
実施例40
4−{[(2R,5S)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−B]ピリジン−5−カルボニトリル(50 mg)のトルエン(1.5 ml)、N,N’−ジメチルホルムアミド(1.5 ml)の混合懸濁液にアジ化ナトリウム(105 mg)、トリエチルアミン塩酸塩(223 mg)を加え、その混合物は100℃で3時間攪拌した。反応混合物にアジ化ナトリウム(210 mg)、トリエチルアミン塩酸塩(446 mg)を加え、100℃で3.5時間攪拌した。反応液をジクロロメタン:メタノール(=10:1)の混合溶媒で希釈し、有機層を分取した。さらに水層をジクロロメタン:メタノール(=10:1)の混合溶媒で3回抽出した。得られた有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣を分取TLC(ジクロロメタン:MeOH=10:1)で精製し、レル−(1s,3R,4R,5S)−4−{[5−(2H−テトラゾール−5−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール(35 mg)を固体として得た。
【0296】
実施例41
4−[(5−ブロモアダマンタン−2−イル)アミノ]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(52 mg)にエチレンシアンヒドリン(250 μl)とトリエチルアミン(56 μl)を加えてマイクロウェーブ反応装置を用いて、150℃で20分間攪拌した。反応液を冷却後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製し、得られた分画を減圧濃縮した後、水を加えて生じた固体をろ取し、4−{[5−(2−シアノエトキシ)アダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(16 mg)を得た。
【0297】
実施例42
4−({5−[5−(トリクロロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}アミノ)アダマンタン−1−オール(80 mg)の1−メチル−2−ピロリジノン(1.6 ml)溶液にエチルアミン/メタノール溶液(2.0M)(1.7 ml)を氷冷下加えた後、反応液を室温で5時間攪拌した。反応液に酢酸エチル、テトラヒドロフラン、水を加え、テトラヒドロフランと酢酸エチル混合溶媒で抽出し、飽和食塩水でで洗浄した。混合物は有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。残渣をNHシリカゲルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0から91:9)で精製し、4−({5−[5−(エチルアミノ)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}アミノ)アダマンタン−1−オール(50 mg)を黄色固体として得た。
【0298】
実施例43
4−[(5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)アミノ]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(100 mg)を 45% HBr水(0.5 ml)に溶かし、1.5時間還流した。反応液を冷却して生じた固体をろ取し、水で洗浄した。得られた固体をジクロロメタンとメタノールに溶かし、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製し、4−[5−ブロモアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(85 mg)を得た。
【0299】
実施例44
(5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(1H)−オン(92 mg)をジクロロメタンに懸濁させ、ジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST)を加えて室温で1時間攪拌した。飽飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、生じた固体をろ取し、ジイソプロピルエチルエーテルで洗浄して(5−フルオロアダマンタン−2−イル)−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(1H)−オン(34 mg)を得た。
【0300】
実施例45
シス−(1s,3R,4R,5S)−4−{[5−(2H−テトラゾール−5−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール(55 mg)の 1−メチル−2−ピロリドン(0.65 ml)溶液に室温でN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン (0.11 ml)、ヨードメタン(0.015 ml)を加え、室温で4時間攪拌した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=99:1から90:10)で精製し、主生成物{TLC(クロロホルム−メタノール=10:1)でRf値が大きい}としてシス−(1s,3R,4R,5S)−4−{[5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール(19.5 mg)及び、マイナー生成物{TLC(クロロホルム:メタノール=10:1)でRf値が小さい}としてシス−(1s,3R,4R,5S)−4−{[5−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール(4.5 mg)を黄白色固体として得た。
【0301】
実施例46
2−クロロニコチノニトリル(56.7 mg)、4−[(3−エキソ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルアミノ]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(58.4 mg)の1−メチル−2−ピロリドン(0.6 ml)溶液とトリエチルアミン(0.057 ml)とヨウ化ナトリウム(3 mg)を加え、その混合物は130℃で10時間撹拌した。放冷後、反応混合物に1−メチル−2−ピロリドン(0.3 ml)を加え溶解させ、分取HPLC装置(10 mM NH4HCO3+NH3(pH=9.2):CH3CN=98:2から60:40)で精製した。活性フラクションを濃縮、乾燥して、4−{[(3−エキソ)−8−(3−シアノピリジン−2−イル)−8−アザビシクロ [3.2.1]オクト−3−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(10.1 mg)を固体として得た。
【0302】
実施例47
4−{[(3−エキソ)−8−(5−アミノピリジン−2−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(11 mg)のメタノール−ジクロロメタン溶液にホルマリン水溶液(0.022 ml)を加え室温で0.5時間攪拌した。更にナトリウム トリアセトキシボロハイドライド(30.9 mg)を加え室温で16時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を室温で30分間攪拌後、クロロホルム−メタノールで抽出した。抽出液を濃縮後得られた黄色油状物を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=7:1)で精製し、4−{[(3−エキソ)−8−(5−(ジメチルアミノ)ピリジン−2−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(5.2 mg)を黄白色固体として得た。
【0303】
実施例48
4−[(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルアミノ]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド二塩酸塩(25 mg)の1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(0.5 ml)懸濁液にトリエチルアミン(0.029 ml)を加えた。さらに氷冷下、メシルクロリド(0.0059 ml)を加えた。室温で1時間撹拌した後、希釈した炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて撹拌した。析出した白色固体をろ取、水洗後、乾燥して4−{[(3−エンド)−8−(メチルスルホニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(14.1 mg)を白色固体として得た。
【0304】
実施例49
1−[(3−エキソ)−8−アザビシクロ[3.2.1] オクト−3−イル]−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(1H)−オン(12 mg)のN,N−ジメチルアセトアミド(0.48 ml)−N,N−ジメチルホルムアミド(0.24 ml)溶液にN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.015 ml)、6−クロロニコチノニトリル(11.7 mg)を加えた。直ちに、90 ℃に昇温し更に12 時間撹拌した。原料の消失を確認した後、溶媒を減圧留去し乾燥させた。固体残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=8:1)で精製し、6−[(3−エキソ)−3−(2−オキソ−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(2H)−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]ニコチノニトリル(5.2 mg)を黄白色固体として得た。
【0305】
実施例50
エチル 3−(4−{[(2r,5s)−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−カルボキシレート(80 mg)のテトラヒドロフラン(3.2 ml)溶液に、3M ヨード(メチル)マグネシウム ジエチルエーテル溶液(0.315 ml)を氷冷下加えた後、反応液を室温で16時間攪拌した。反応液に更に3Mヨード(メチル)マグネシウムジエチルエーテル溶液(0.189 ml)を氷冷下加えた後、反応液を室温で16時間攪拌した。反応液に水を氷冷下加えた後、同温で15分間攪拌した。反応液にクロロホルムと飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。混合物をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール=100:0から90:10)で精製し、レル−(1s,3R,4R,5S)−4−({5−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}アミノ)アダマンタン−1−オール(15 mg)を白色固体として得た。
【0306】
実施例51
4−{[(3−エキソ)−8−(5−ブロモピリミジン−2−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(22.2 mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.67 ml)及び1,3−ジメチル2−イミダゾリジノン(0.67 ml)溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5.8 mg)、ジシアノジンク(17.7 mg)を加えた。マイクロウェーブ反応装置により、160 ℃、1時間反応を行った。反応液にジクロロメタンを加え、ろ過、固体残渣をジクロロメタンで洗浄した後、乾燥させた。固体残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=8:1)で精製し、4−{[(3−エキソ)−8−(5−シアノピリミジン−2−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(15 mg)を黄白色固体として得た。
【0307】
実施例52
4−{[(2r,5s)−5−−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル(30 mg)のテトラヒドロフラン(0.6 ml)溶液にジイソブチルアルミニウムハイドライド(0.99Mのトルエン溶液)(0.49 ml)を5 ℃で加えた。反応混合物を5 ℃で更に2時間攪拌後、更に室温で3時間攪拌した。反応液に6M 塩酸(0.09 ml)を5 ℃で加えた。室温で0.5時間攪拌後、固体の水酸化ナトリウム(23.3 mg)、硫酸マグネシウムを加え室温で0.5時間攪拌した。不溶物をセライトろ過により取り除き、テトラヒドロフランで洗浄し、ろ液を減圧留去し、薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボアルデヒド(18 mg)を黄白色固体として得た。
【0308】
実施例53
4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボアルデヒド(20 mg)のエタノール(0.6 ml)溶液にピリジン(0.052 ml)、O−メチルヒドロキシアミン塩酸塩(32.1 mg)を加え6時間加熱還流した。室温まで冷却後、反応液を減圧濃縮し乾燥後、薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、4−{[(2r,5s)−5−−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボアルデヒド O−メチルオキシム(11 mg)を黄白色固体として得た。
【0309】
実施例54
酢酸(0.8 ml)に、ピロリジン(0.013 ml)、パラホルムアルデヒド(5.72 mg)を加え、60℃で5分間攪拌した。その反応液にシス−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(40.0 mg)を60℃で加えた。更に60℃で2時間攪拌した。反応液を減圧留去しトルエン、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミンを加えて共沸させた。固体の残渣をNH薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、シス−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−3−(ピロリジン−1−イルメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(10.8 mg)を黄白色固体として得た。
【0310】
実施例55
4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボアルデヒド(40 mg)のテトラヒドロフラン(1 ml)溶液にメチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(56 mg)を加え、反応液を80℃、16時間攪拌した。反応液に更にメチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(43 mg)を加え、反応液を90℃で3時間攪拌した。反応液に更にメチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(129 mg)を加え、反応液を90℃で、16時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0から90:10)で精製し、メチル (2E)−3−(4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)アクリレート(7 mg)を黄色固体として得た。
【0311】
実施例56
シス−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(50 mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.6 ml)溶液に1−クロロ−2,5−ピロリジンジオン(18.4 mg)を室温で加えた。室温で2時間攪拌を行った後、反応液に水を加え、ろ過した。固体残渣を水で洗浄し、乾燥させた。固体残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=4:1)で精製し、シス−3−クロロ−4−{[(1R,2R,3S,5s)−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(5 mg)を黄白色固体として得た。
【0312】
実施例57
N’−ヒドロキシ−4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシイミドアミド(30 mg)の酢酸(0.5 ml)溶液に無水酢酸(11 μl)を加え、反応液を室温で30分間攪拌した。反応液に10 %パラジウムカーボン(10 mg)を加え、水素ガス雰囲気下、50℃、3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、触媒をセライトでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、残渣をアセトニトリルで攪拌洗浄した。沈殿物をろ取して、4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシイミドアミド酢酸塩(20 mg)を淡黄色固体として得た。
【0313】
実施例58
シス−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(30 mg)の1−メチル−2−ピロリドン(0.18 ml)溶液に室温で、ピリジン塩酸塩(10.6 mg)を加えた。マイクロウェーブ反応装置で、200℃、1時間反応を行った。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液をを減圧濃縮した。残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、シス−(1s,3R,4R,5S)−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルアミノ)アダマンタン−1−オール(14.1 mg)を黄白色固体として得た。
【0314】
実施例59
シス−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(30 mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.1 ml)溶液にN,N’−カルボニルジイミダゾール(29.7 mg)を加えて、60℃で0.5時間撹拌した後、メタンスルホンアミド(17.4 mg)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)(0.027 ml)を加えた。更に60℃で3時間撹拌した後、溶媒を減圧濃縮した。残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=4:1)で精製し、シス−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−N−(メチルスルフォニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(7.8 mg)を黄白色固体として得た。
【0315】
実施例60
シス−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(75 mg)のテトラヒドロフラン(5 ml)−メタノール(0.375 ml)溶液に1,1−ジメトキシ−N,N−ジメチルメタンアミン(1.54 ml)を室温で加える。1時間加熱還流した後、室温まで冷却し1時間攪拌した。析出した固体をろ取し、洗浄乾燥し、シス−N−[(ジメチルアミノ)メチレン]−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(70 mg)を白色固体として得た。
【0316】
実施例61
シス−2−[(4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)カルボニル]ヒドラジンカルボキサミド(30 mg)をキシレン(0.45 ml)と酢酸(0.45 ml)の混合溶液中で120 ℃で3時間撹拌した。更に1−メチル−2−ピロリドン(0.45 ml)を加え、150 ℃で4時間、攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、乾燥した。残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、{TLC(クロロホルム−メタノール=10:1)でRf値の高い方の}生成物として、シス−5−(4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(5.6 mg)及び{TLC(クロロホルム−メタノール=10:1)でRf値の低い方の}生成物として、シス−5−(4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1,3,4−オギザジアゾール−2(3H)−オン(8.9 mg)を黄白色固体として得た。
【0317】
実施例62
エチル 4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシイミデート三塩酸塩(75 mg)のエタノール(1 ml)溶液に1,2−エタンジアミン(0.11 ml)を加え、反応液を120 ℃、2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0から95:5)で精製し、(1s,4r)−4−{[5−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール(17 mg)を白色固体として得た。
【0318】
実施例63
エチル 4−{[(2r,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシイミデート三塩酸塩(150 mg)のエタノール(1.5 ml)溶液に2−アミノエタノール(78 μl)とトリエチルアミン(0.225 ml)を加え、反応液を110℃、2時間攪拌した。室温に冷却後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0から90:10)で精製し、得られた固体を酢酸エチルで攪拌洗浄後、ろ取し、(1s,4r)−4−{[5−(4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール(5 mg)を白色固体として得た。
【0319】
実施例64
4−[(5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)アミノ]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル(200 mg)とラネーニッケルをエタノール(5 ml)に加え、反応液を水素ガス雰囲気下、60℃、8時間攪拌した。触媒をセライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をジオキサン(3 ml)に溶解し、1 M 水酸化ナトリウム水溶液(0.65 ml)を加えた。反応液にジ−t−ブチルジカルボネート(0.22 ml)を加え、室温で16時間攪拌した。反応液をクロロホルムで抽出し、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0から90:10)で精製し、t−ブチル({4−[(5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)アミノ]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル}メチル)カルバメート(40 mg)を淡黄色固体として得た。
【0320】
以下のTable71に示す化合物は、当業者に自明な方法やその変法によって製造できる。Table71と72は実施例の構造と物理化学データおよび化合物の製造方法を示す。
【0321】
【表91】

【0322】
【表92】

【0323】
【表93】

【0324】
【表94】

【0325】
【表95】

【0326】
【表96】

【0327】
【表97】

【0328】
【表98】

【0329】
【表99】

【0330】
【表100】

【0331】
【表101】

【0332】
【表102】

【0333】
【表103】

【0334】
【表104】

【0335】
【表105】

【0336】
【表106】

【0337】
【表107】

【0338】
【表108】

【0339】
【表109】

【0340】
【表110】

【0341】
【表111】

【0342】
【表112】

【0343】
【表113】

【0344】
【表114】

【0345】
【表115】

【0346】
【表116】

【0347】
【表117】

【0348】
【表118】

【0349】
【表119】

【0350】
【表120】

【0351】
【表121】

【0352】
【表122】

【0353】
【表123】

【0354】
【表124】

【0355】
【表125】

【0356】
【表126】

【0357】
【表127】

【0358】
【表128】

【0359】
【表129】

【0360】
【表130】

【0361】
【表131】

【0362】
【表132】

【0363】
【表133】

【0364】
【表134】

【0365】
【表135】

【0366】
【表136】

【0367】
【表137】

【0368】
【表138】

【0369】
【表139】

【0370】
【表140】

【0371】
【表141】

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【表143】

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【表149】

【0380】
【表150】

【0381】
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【0382】
【表152】

【0383】
【表153】

【0384】
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【0385】
【表155】

【0386】
【表156】

【0387】
【表157】

【0388】
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【0389】
【表159】

【0390】
【表160】

【0391】
【表161】

【0392】
【表162】

【0393】
【表163】

【0394】
【表164】

【0395】
【表165】

【0396】
【表166】

【0397】
【表167】

【0398】
【表168】

【0399】
【表169】

【0400】
【表170】

【0401】
【表171】

【0402】
【表172】

【0403】
【表173】

【0404】
【表174】

【0405】
【表175】

【0406】
【表176】

【0407】
【表177】

【0408】
【表178】

【0409】
【表179】

【0410】
【表180】

【0411】
【表181】

【0412】
【表182】

【0413】
【表183】

【0414】
【表184】

【0415】
【表185】

【0416】
【表186】

【0417】
【表187】

【0418】
【表188】

【0419】
【表189】

【0420】
【表190】

【0421】
【表191】

【0422】
【表192】

【0423】
【表193】

【0424】
【表194】

【0425】
【表195】

【0426】
【表196】

【0427】
【表197】

【0428】
【表198】

【0429】
【表199】

【0430】
【表200】

【0431】
【表201】

【0432】
【表202】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
Xは、N、又はCR3
Mは、(CH2mであり、mは0又は1、
1は、−H、又は置換されていてもよい低級アルキル、
2は、−H、又は置換されていてもよい低級アルキル、
3は、−H、ハロゲン、又は置換されていてもよい低級アルキル、
41は、−H、又は置換されていてもよいヘテロアリール、
42は、置換されていてもよい架橋環基、
5は、ハロゲン、シアノ、アシル、アシルアミノ、低級アルキル、低級アルケニル、−O−低級アルキル、5又は6員環ヘテロシクロアルキル、5又は6員環ヘテロシクロアルケニル、および5員環ヘテロアリールからなる群より選択される基であって、これらはそれぞれ置換されていてもよい、
但し、R5が5員環ヘテロアリールの場合、Xは−CR3
41とR5は、一定の官能基を介して結合し、以下に示す二価基を形成していてもよく、
【化2】

Aは、−H、又は置換されていてもよいアシルをそれぞれ意味する。]
で示される縮合ピリジン化合物又はその製薬学的に許容される塩。
【請求項2】
1は、−H、あるいは、モノ−又はジ−低級アルキルアミノ及び−O−低級アルキルからなる群より選択される基で置換されていてもよい低級アルキル、
2は、−H、又は低級アルキル、
3は、−H、あるいは、ハロゲン、モノ−またはジ−低級アルキルアミノ及び環状アミノからなる群より選択される基で置換された低級アルキル、
41は、−H、又はシアノで置換されていてもよいヘテロアリール、
42は、架橋環式炭化水素又はアザ架橋環式炭化水素であり、これらはそれぞれ置換されていてもよい、
5は、ハロゲン、シアノ、低級アルキルカルボニル、低級アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、ホルミル、アミジノオキシカルボニル、グアニジノオキシカルボニル、グアニジノ、カルバモイル、−C(=O)−5又は6員環ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−5又は6員環ヘテロアリール、低級アルキル、低級アルケニル、−O−低級アルキル、5又は6員環ヘテロシクロアルキル、及び5員環ヘテロアリールからなる群より選択される基であって、これらはそれぞれ置換されていてもよい、
但し、R5がヘテロアリールの場合、Xは−CR3
で示される請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
42が、アダマンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル又はトロパニルであり、これらはそれぞれ置換されていてもよい、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
5がカルバモイル、5員環ヘテロアリール、低級アルキルカルバモイルであり、ここでこれらはそれぞれNH2、ヒドロキシメチル又はOHで置換されていてもよく、
または、R41とR5が式(I−A)の基を介して結合していてもよく、
または、R41とR5が式(I−B)の基を介して結合していてもよく、
または、R41とR5が式(I−C)の基を介して結合していてもよく、ここでRAは低級アルコキシで置換されていてもよい−C(=O)−C(=O)NH−低級アルキルである、
請求項1、2又は3に記載の化合物。
【請求項5】
5が、オキサジアゾールまたはチアジアゾールであり、これらはそれぞれ置換されていてもよい、請求項1、2又は3に記載の化合物。
【請求項6】
下記から選択される化合物:
1) 4−[(1R,2R,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルアミノ]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド
2) 4−{[(3−エキソ)−8−(5−シアノピリジン−2−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド
3) レル−4−{[(1R,2S,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド
4) レル−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド
5)4−{[(3−エキソ)−8−(5−ニトロピリジン−2−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド
6) レル−(1s,3R,4R,5S)−4−{[5−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール
7) 4−{[(3−エキソ)−8−(6−シアノピリダジン−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド
8) レル−(1s,3R,4R,5S)−4−({5−[3−(ヒドロキシメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}アミノ)アダマンタン−1−オール
9) N−(シアノメチル)−N−メチル−4−(2−オキソ−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(2H)−イル)アダマンタン−1−カルボキサミド
10) 7−[(5−シアノアダマンタン−2−イル)アミノ]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキサミド
11) レル−(1s,3R,4R,5S)−4−{[5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}アダマンタン−1−オール
12) 2−ヒドロキシ−1−(レル−4−{[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]アミノ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)エタノン
13) 3−{[4−(3−オキソ−3,6−ジヒドロピラゾロ[3,4−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(2H)−イル)アダマンタン−1−イル]オキシ}プロパンニトリル
14) レル−N−{1−[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタ−2−イル]−1,6−ジヒドロピラゾロ[3,4−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル}−N’−(2−メトキシエチル)エタンジアミド
15) レル−N−{1−[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]−1,6−ジヒドロピラゾロ[3,4−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル}−N’−メチルエタンジアミド
16) レル−N−{1−[(1R,2R,3S,5s)−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル]−1,6−ジヒドロピラゾロ[3,4−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル}−N’−(トランス−4−メトキシシクロヘキシル)エタンジアミド
17) 3−{[4−(2−オキソ−3,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(2H)−イル)アダマンタン−1−イル]オキシ}プロパンニトリル
【請求項7】
光学活性体および/またはエンド−エキソ異性体である請求項1から6に記載の化合物。
【請求項8】
次に示す式(II)の化合物又はその塩の製造法:
【化3】

[式(II)において、R1、R2、R42、X、又はMは請求項1で定義されている。R"は適当な置換基を意味する。];
次式(III)の化合物にR42−M−NH2で表される一級アミンを作用させることにより製造される。
【化4】

[式中、R1、R2、R”、Lvは前述のとおりである。]
【請求項9】
医薬として使用するための請求項1から7の何れかの化合物。
【請求項10】
ヒト又は動物の臓器/組織移植、自己免疫疾患、多発性硬化症、リウマチ、乾癬、喘息、アトピー、アルツハイマー病、腫瘍、骨髄腫または白血病を治療および/または治療するために用いるものである請求項1から7の化合物。
【請求項11】
請求項1から7の何れかの化合物を有効成分として含有する医薬。
【請求項12】
製薬学的に許容される担体または賦形剤とともに請求項1から7のいずれかの化合物を有効成分として含有する医薬。
【請求項13】
請求項1から7の何れかの化合物からなるヤヌスキナーゼ3(JAK3)阻害剤。
【請求項14】
有効量の請求項1から7の何れかの化合物をヒト又は動物に投与する、臓器/組織移植、自己免疫疾患、多発性硬化症、リウマチ、乾癬、喘息、アトピー、アルツハイマー病、腫瘍、骨髄腫または白血病を治療および/または予防するための方法。
【請求項15】
ヒトまたは動物の臓器/組織移植、自己免疫疾患、多発性硬化症、リウマチ、乾癬、喘息、アトピー、アルツハイマー病、腫瘍、骨髄腫または白血病を治療および/または予防するための、請求項1から7の何れかの化合物の使用。
【請求項16】
請求項1から7の何れかの化合物を含む医薬組成物、並びに当該医薬組成物に関する記載物であって、化合物(I)がヒト又は動物に臓器/組織移植、自己免疫疾患、多発性硬化症、リウマチ、乾癬、喘息、アトピー、アルツハイマー病、腫瘍、骨髄腫または白血病を治療および/または予防するために使用されうるまたは使用されるべき旨が記載された記載物を含む製品。

【公表番号】特表2009−522206(P2009−522206A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531051(P2008−531051)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【国際出願番号】PCT/JP2006/326327
【国際公開番号】WO2007/077949
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【Fターム(参考)】