説明

ほうきのブラシ取付具

【課題】ブラシをほうきの取付具に簡単に且つワンタッチ方式で組付け可能なほうきのブラシ取付具を提供する。
【解決手段】ほうきのブラシ取付具は、内部にブラシ32が途中で折り返された状態で収容される空間部31aを有し、上部には柄33が固着されるベースフレーム31と、前記ベースフレーム31の空間部31aにブラシ32が折り返された状態で収容されるようにする固定部材34と、前記ベースフレーム31に固定部材34が係止されるようにする係止手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、路上はもとより、ターミナル、駅、公園などの公共場所を清掃するのに使用するほうきに係り、さらに詳しくは、床面を掃くブラシをほうきの取付具に簡単に且つワンタッチ方式で組付け可能なほうきのブラシ取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、路上はもとより、ターミナル、駅、公園などの公共場所を清掃するための種々のほうきが使用されている。
【0003】
通常、ほうきは、部屋の床面や路上などのゴミなどを掃き集めてきれいに清掃する道具である。
【0004】
かようなほうきとしては、昔から多数の葦や萩茎、高粱茎などの細長い植物性材料を編み上げて製作したものが使用されているが、最近は、合成樹脂材や馬尾などのブラシを取付具に植設して製作したものも使用されている。
【0005】
図1は、従来のほうきの一般的な形態を示す斜視図である。この形態では、所定の長さを有する棒状の柄1の下端に、合成樹脂材製または馬尾製のブラシ3が多数植設された取付具2が固定されており、前記柄1の上端には取っ手4が固定されている。
【0006】
これに対し、ブラシを植設以外の方法で取り付けるようにしたほうきが知られている。この種のほうきは、図2に示されているように、取付具20の上側に取っ手26が設けられた柄24が嵌合され、取付具20の下側にブラシ固定部10がボルトとナットにより固定され、ブラシ固定部10の底面に形成された開口部には途中部位を折り返したブラシ11がはめ込まれてボルトBとナットNにより固定される。
【0007】
これらのほうきは、柄1、24を把持した状態において、ブラシ3、11を用いて床面や路上のゴミを掃きながら清掃をすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図2に示すような構造を有するほうきには、下記の如き不都合がある。
【0009】
第一に、取付具にブラシを固定する過程において途中部位を折り返したブラシを取付具の開口部に入れた後で、ボルト及びナットを用いてブラシを固定しているため、ブラシの固定作業が煩雑である。
【0010】
第二に、取付具にボルト及びナットを用いてブラシを強固に固定したとしても、繰り返し使用によりボルトとナットとの結合が緩むことによりブラシが取付具から抜け出てしまうという致命的な欠陥がある。
【0011】
第三に、多数本のブラシの途中部位を折り返した後、折り返した個所にボルトを通してナットにより固定していたため、ブラシが取付具において揃った状態を維持することができず、均一な清掃作業を行う上で限界がある。
【0012】
第四に、定まった空間(取付具の開口部)にブラシの途中部位が折り返されて嵌め込まれた状態において、折り返された途中部位にボルトを通さなければならなかったため、ブラシを固定する作業が容易ではなかった。
【0013】
本発明は上記の従来の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、取付具の構造を大幅に改善して、途中部位が折り返された多数本のブラシをワンタッチ方式によりブラシが取付具において揃った状態で固定することのできるほうきのブラシ取付具を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため、本発明によれば、内部にブラシが途中で折り返された状態で収容される空間部を有し、上部には柄が固着されるベースフレームと、前記ベースフレームの前記空間部に前記ブラシが折り返された状態で収容されるようにする固定部材と、前記ベースフレームに前記固定部材が係止されるようにする係止手段とを備えることを特徴とするほうきのブラシ取付具が提供される。
【0015】
本発明において、前記係止手段は、前記空間部の上面に水平方向に隔壁を形成して前記隔壁に係止孔を穿設し、前記空間部に前記ブラシが折り返された状態で収容されるようにする前記固定部材には、前記係止孔に係止されるフックを形成してなることが好ましい。
【0016】
また、前記係止手段は、前記空間部の両側端に係止孔を穿設し、前記空間部に前記ブラシが折り返された状態で収容されるようにする前記固定部材の両側端には前記係止孔に係止されるフックを形成してなることが好ましい。
【0017】
前記固定部材の両側端には、折り返された状態で掛けられる前記ブラシの離脱を防止する抜け止め棒が形成されることが好ましい。
【0018】
前記固定部材の両面には、前記ブラシを均一に分布させるための分割突起が設けられることが好ましい。
【0019】
この場合、前記ベースフレームに設けられる前記空間部を上狭下広の漏斗状にし、前記固定部材の両面には前記分割突起を相互対称をなす斜め方向に形成することが好ましい。
【0020】
あるいは、前記固定部材を折り返された状態で包む前記ブラシは、細ブラシ及び太ブラシを混在してなることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明のほうきの取付具は、従来のほうきの取付具に比べて、次のような効果を奏する。
【0022】
先ず、取付具にブラシを固定する過程において途中部位を折り返したブラシで固定部材を包んだ後、これをベースフレームの空間部に押し込めばよいことから、ブラシがワンタッチ方式で取付具に固定され、その結果、ブラシの固定による作業が簡単になる。
【0023】
本発明において、係止孔と係止孔に係止されるフックとを用いてブラシを取付具に固定する場合には、従来のようにボルト及びナットを用いないことから、取付具にブラシが固定された状態においてベースフレームからブラシが動かず、ほうきを使用する過程においてブラシが取付具から抜け出るという現象を未然に防ぐことができる。
【0024】
また、固定部材の両側端に抜け止め棒を形成した場合には、ブラシをベースフレームに固定する過程においてブラシが固定部材から離脱しなくなる。
【0025】
固定部材の両面に分割突起を設けた場合には、当該分割突起によりブラシが四方に均一に分布されて揃った状態を維持することから、均一な清掃作業が可能になる。
【0026】
ブラシとして太ブラシと細ブラシが混在させた場合には、濡れた床面はもとより、石や雪の清掃が容易になり、また、ほうきを立てておくとしても、太ブラシが柄の荷重を支えることから、ブラシの変形を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来のほうきの一実施形態を示す斜視図。
【図2】従来のほうきの他の実施形態を示す斜視図。
【図3】本発明の一実施形態を示す分解斜視図。
【図4】図3の結合状態斜視図。
【図5】図4の縦断面図。
【図6】本発明の他の実施形態を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図3から図5に基づき、本発明の一実施形態によるほうきのブラシ取付具を詳述する。
【0029】
図3から図5を参照すると、本実施形態は、ベースフレーム31の内部にブラシ32が途中で折り返された状態で収容される空間部31aが設けられ、上部には柄33が固着される結合部31bが形成されている。また、前記ベースフレーム31に設けられた空間部31aには固定部材34にブラシ32が折り返された状態で係止手段により係止されることにより、ブラシ32がベースフレーム31にワンタッチ方式により固定されるようになっている。
【0030】
本実施形態においては、前記係止手段は、固定部材34がベースフレーム31に係止され固定部材34に包まれたブラシ32が支持されるワンタッチ方式の構造を有しているが、他のいかなる構造を有してもよい。
【0031】
本発明の一実施形態を示す図3から図5においては、前記係止手段は、ベースフレーム31に設けられた空間部31aの上面に水平方向に隔壁35を形成して前記隔壁35に係止孔36を穿設し、前記空間部31aにブラシ32が折り返された状態で収容されるようにする固定部材34には前記係止孔36に係止されるフック37を形成することにより構成されている。
【0032】
或いは、本発明の他の実施形態として図6に示すように、ベースフレーム31に設けられた空間部31aの両側端に係止孔36aを穿設し、前記空間部31aにブラシ32が折り返された状態で収容されるようにする固定部材34の両側端には前記係止孔36aに係止されるフック37aを形成して、係止手段を構成してもよい。
【0033】
これらのほかにも、ワンタッチ方式を利用する種々の形態により係止手段を構成することが可能である。
【0034】
また、前記固定部材34の両側端には、ブラシ32を折り返された状態で包んでベースフレーム31に設けられた空間部31aの内部に押し込んで係止手段により固定する過程において、ブラシ32が固定部材34の両端から押され出るような現象を防ぐための抜け止め棒38が形成されている。
【0035】
さらに、前記固定部材34の両面には、ブラシ32を均一に分布させるための分割突起39が設けられている。そして、前記ベースフレーム31に設けられる空間部31aが上狭下広の漏斗状に形成され、固定部材34の両面に設けられる分割突起39も相互対称をなす斜め方向に突設されている。
【0036】
このため、固定部材34を包んだ状態でベースフレーム31の空間部31aに固定されるブラシ32が均一な状態で分布されると共に、分割突起39により下方に進むにつれて拡開された状態に維持されることになる。
【0037】
前記固定部材34を折り返された状態で包むブラシ32を細ブラシ32a及び太ブラシ32bが混在するように構成すれば、細ブラシのみを備えるほうきと太ブラシのみを備えるほうきのメリットを同時に発揮することが可能になる。
【0038】
すなわち、細ブラシ32aによりホコリなどの微細なゴミが清掃可能であり、且つ、太ブラシ32bにより塗れた床面の紙または石などの重いゴミが清掃可能になり、ほうきを使用後に壁面に垂直状態で持たせかけるとしても、太ブラシ32bが柄の荷重を支えることから、細ブラシ32aが折れ曲がるような現象を未然に防ぐことが可能になる。
【0039】
以下、ベースフレーム31に設けられた空間部31aにブラシ32を固定する過程について詳述する。
【0040】
先ず、ベースフレーム31に設けられた空間部31aにブラシ32を固定するためには、細ブラシ32aまたは太ブラシ32bの途中を折り返して固定部材34を包んだり、或いは、細ブラシ32aと太ブラシ32bを適切な割合で混ぜて固定部材34を包む。
【0041】
このようにブラシ32の途中部位を折り返して固定部材34を包むと、固定部材34の両面に突設された分割突起39によりブラシ32が固定部材34に均一に分布されると共に、固定部材34の両端に形成された抜け止め棒38によりブラシ32が固定部材34から離脱しなくなる。
【0042】
この状態において、固定部材34をブラシ32で包んだ後、これをベースフレーム31に設けられた空間部31aに向かって押し込むと、固定部材34に形成されたフック37が隔壁35に穿設された係止孔36を通過して引っ掛かりながら固定部材34を支持するため、ベースフレーム31から固定部材34が離脱することなく強固に固定された状態を維持することになる。
【0043】
これにより、固定部材34の両面を包んだブラシ32が分割突起39により四方に拡開された状態に維持され、しかも、ブラシ32が固定部材34から動かなくなることから、ほうきを使用する過程においてブラシ32が取付具から離脱しなくなる。
【0044】
一方、本発明において、ブラシ32を細ブラシ32a及び太ブラシ32bが混在するように構成すれば、2種類のブラシのメリットを併せ持つことから、単一のほうきを種々の用途で使用することが可能になるというメリットもある。
【0045】
以上、本発明の技術的思想を好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で種々変形して実施できるものである。
【符号の説明】
【0046】
31:ベースフレーム、
31a:空間部、
32:ブラシ、
34:固定部材、
36、36a:係止孔、
37、37a:フック、
38:抜け止め棒、
39:分割突起、


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にブラシ(32)が途中で折り返された状態で収容される空間部(31a)を有し、上部には柄(33)が固着されるベースフレーム(31)と、前記ベースフレーム(31)の前記空間部(31a)に前記ブラシ(32)が折り返された状態で収容されるようにする固定部材(34)と、前記ベースフレーム(31)に前記固定部材(34)が係止されるようにする係止手段とを備えることを特徴とするほうきのブラシ取付具。
【請求項2】
前記係止手段は、前記空間部(31a)の上面に水平方向に隔壁(35)を形成して前記隔壁(35)に係止孔(36)を穿設し、前記固定部材(34)には前記係止孔(36)に係止されるフック(37)を形成してなることを特徴とする請求項1に記載のほうきのブラシ取付具。
【請求項3】
前記係止手段は、前記空間部(31a)の両側端に係止孔(36a)を穿設し、前記固定部材(34)の両側端には前記係止孔(36a)に係止されるフック(37a)を形成してなることを特徴とする請求項1に記載のほうきのブラシ取付具。
【請求項4】
前記固定部材(34)の両側端には、折り返された状態で掛けられる前記ブラシ(32)の離脱を防止する抜け止め棒(38)が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のほうきのブラシ取付具。
【請求項5】
前記固定部材(34)の両面に、前記ブラシ(32)を均一に分布させるための分割突起(39)が突設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のほうきのブラシ取付具。
【請求項6】
前記ベースフレーム(31)に設けられる前記空間部(31a)を上狭下広の漏斗状にし、前記固定部材(34)の両面には前記分割突起(39)を相互対称をなす斜め方向に形成してなることを特徴とする請求項5に記載のほうきのブラシ取付具。
【請求項7】
前記固定部材(34)に折り返された状態で包まれる前記ブラシ(32)には、細ブラシ(32a)及び太ブラシ(32b)が混在していることを特徴とする請求項1に記載のほうきのブラシ取付具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−162108(P2010−162108A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5502(P2009−5502)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(502345658)株式会社徳信洋行 (3)
【出願人】(509014571)
【氏名又は名称原語表記】PARK,Guk−Seo
【Fターム(参考)】