まな板装置
【課題】調理場に表示部を設置するための専用のスペースを確保しなくとも調理場で料理に関する情報を見ることができるまな板装置を提供する。
【解決手段】ディスプレイ部10をまな板として使用することができるように、ディスプレイ部10を透明なハウジング部20内に収容した。使用者はディスプレイ部10に表示される料理レシピを見ながら調理を進めることができる。
【解決手段】ディスプレイ部10をまな板として使用することができるように、ディスプレイ部10を透明なハウジング部20内に収容した。使用者はディスプレイ部10に表示される料理レシピを見ながら調理を進めることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はまな板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、料理レシピ情報における各調理手順での調理状態を示す動画を表示させることにより、利用者がその料理レシピ情報に基づいて所望の料理をスムーズに作ることができる調理情報システムが知られている(下記特許文献参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−290955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記調理情報システムでは、調理状態を示す動画を調理場で見ようとすると、動画を表示させる動画表示部手段(表示部)を調理場に設置するための専用のスペースを確保しなければならない。
【0005】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は調理場に表示部を設置するための専用のスペースを確保しなくとも調理場で料理に関する情報を見ることができるまな板装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、料理に関する情報を表示する表示部と、 前記表示部の画面を目視可能に内蔵するハウジング部とを備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のまな板装置において、防水加工が施されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のまな板装置において、料理に関する情報としてのレシピ情報の画像を前記表示部に表示させる制御部を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のまな板装置において、前記制御部は、前記表示部に表示された複数の前記レシピ情報の中から使用者が1つのレシピ情報を選択したとき、そのレシピ情報に対応する調理工程を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項3記載のまな板装置において、前記制御部は、前記表示部に表示された複数の前記レシピ情報の中から使用者が複数のレシピ情報を選択したとき、選択された複数のレシピ情報に対応する複数の調理工程を1つの最適な調理工程に組み立て、その最適な調理工程を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項3〜5のいずれか1項記載のまな板装置において、外部から前記レシピ情報を取得するための外部情報入力部と、前記外部情報入力部を介して入力した前記レシピ情報を記憶する記憶部とを備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項記載のまな板装置において、前記レシピ情報の音声を出力する音声出力部を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、調理場に表示部を設置するための専用のスペースを確保しなくとも調理場で料理に関する情報を見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1はこの発明の一実施形態に係るまな板装置の平面図である。
【図2】図2は図1のI−I線に沿う断面を示す概念図である。
【図3】図3は図1のA矢視図である。
【図4】図4はまな板装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】図5はまな板装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図5はまな板装置100のブロック図である。
【0017】
まな板装置100は、CPU(制御部)30、内部メモリ31、ディスプレイ部(表示部)10、表示制御部32、スピーカ(音声出力部)13、再生制御部33、無線LAN部34、電源スイッチ12、操作キー40、メモリーカードスロット35、USBポート36、LANポート37及びバッテリー部50で構成される。
【0018】
CPU30は内部メモリ31に記憶された所定の制御プログラムを実行することにより、まな板装置100の動作を制御する。
【0019】
内部メモリ31は例えばRAM、ROM、フラッシュメモリ等で構成され、CPU30で実行する制御プログラムや各種データ(例えばレシピ情報等の料理に関する情報)を記憶する。内部メモリ31は、サーバやまな板装置100に接続可能なPC、PDA等の外部機器から料理に関する情報としてダウンロードしたレシピの画像、文字等のデータの記憶にも用いられる。
【0020】
表示制御部32は、内部メモリ31に記憶されているレシピの画像データ、外部機器から取り込まれたレシピの画像データを演算回路により各種処理を行ってディスプレイ部10へ送る。
【0021】
ディスプレイ部10は例えば液晶ディスプレイ(LCDパネル)等であり、CPU30によってバックライト(図示せず)が制御されるとともに、表示制御部32から送られたレシピ情報の画像がディスプレイ部10の画面に表示される。
【0022】
再生制御部33は、内部メモリ31に記憶されているレシピ情報の音声データや効果音等の音声信号をスピーカ(音声出力部)13から出力させる。
【0023】
無線LAN部(外部情報入力部)34はCPU30で制御され、所定の通信方式により特定の機器(サーバ)との間で無線通信を行うためのものである。使用者は無線LAN部34を介してレシピ情報をサーバからダウンロードできるとともに、レシピ情報をサーバへアップロードすることができる。また、LANポート(外部情報入力部)37を介してサーバとの間で有線通信を行うこともできる。
【0024】
操作キー40は、例えばディスプレイ部10に表示される複数のレシピ情報の中から1つ又は2つ以上のレシピ情報を選択する操作等を行なうための入力操作部である。
【0025】
メモリーカードスロット(外部情報入力部)35は図示しないメモリーカード(メディア)を装着可能なスロットである。レシピ情報をメモリーカードに書き込んだり、メモリーカードに記録されたレシピ情報を読み出したりすることができる。
【0026】
USBポート(外部情報入力部)36は不図示のUSBケーブルを介して外部機器との間で料理に関する情報の送受を行うために用いられる。
【0027】
バッテリー部50はまな板装置100を駆動するための電源である。バッテリー部50は例えば非接触方式の充電器(図示せず)を用いて充電される。バッテリー部50の充電状態はCPU30で監視されている。
【0028】
電源スイッチ12の操作状態はCPU30で監視される。CPU30は、電源スイッチ12が入れられたとき、例えばバッテリー残量、メモリーカードの装着の有無等をディスプレイ部10に表示する。
【0029】
図1はこの発明の一実施形態に係るまな板装置の平面図である。
【0030】
まな板装置100は透明な強化ガラス製のハウジング部20とハウジング部20に内蔵されたディスプレイ部10とを備えている。ディスプレイ部10の画面は外部から目視することができる。ディスプレイ部10には例えば図1に示すような調理工程6や動画用窓7が表示される。
【0031】
ハウジング部20には操作キー40、電源スイッチ12及びスピーカ13が設けられているが、防水処理が施されているので、ディスプレイ部10への水の浸入を阻止され、ディスプレイ部10をまな板として使用することができる。
【0032】
電源スイッチ12はハウジング部20の孔(図示せず)から突出している。ハウジング部20に電源スイッチ12を覆うようにシールラバーが接着等され、ディスプレイ部10への水の浸入が阻止される。
【0033】
操作キー40は、ディスプレイ部10に表示する画像を選択するための十字キー41と、十字キー41の中心部に設けられ、メニュー画面上での設定等を決定するOKボタン42とを備える。ハウジング部20の孔から突出する十字キー41及びOKボタン42の周囲をゴム製の防水パッキン(図示せず)でそれぞれシールすることで、ディスプレイ部10への水の浸入を阻止する。
【0034】
スピーカ13はハウジング部20に形成された音響ベント(小孔)26を介して音声を出力する。音響ベント26のスピーカ13側に保護フィルタとして防水透湿性を有するゴアテックス(登録商標)が配置され、ディスプレイ部10への水の浸入を阻止する。
【0035】
図2は図1のI−I線に沿う断面を示す概念図である。
【0036】
ハウジング部20は2枚の強化ガラス21,22で構成されている。2枚の強化ガラス21,22を重ね合わせたとき、2枚の強化ガラス21,22間に形成される収容部23にディスプレイ部10が収容されている。強化ガラス21,22の合わせ面には収容部23を囲むように溝24,25がそれぞれ形成され、強化ガラス21,22を重ね合わせたとき、強化ガラス21の溝24と強化ガラス22の溝25とが対向し、環状の空間部が形成される。この空間部内に防水パッキン9が押しつぶされるように収容されている。そのため、収容部23がほぼ密閉された状態に維持され、まな板装置100に水がかかったときであっても、操作キー40等に対する防水処理と相俟って水からディスプレイ部10への水の浸入を阻止することができる。
【0037】
図3は図1のA矢視図である。
【0038】
ハウジング部20の側面には、メモリーカードスロット35、USBポート36、LANポート37及びバッテリー部50(図5参照)の開口を覆う蓋35a,36a,37a,50aがそれぞれ設けられている。蓋35a,36a,37a,50aの周囲をゴム製の防水パッキン(図示せず)でシールすることで、ディスプレイ部10への水の浸入を阻止している。
【0039】
次に、まな板装置100の動作を説明する。
【0040】
図4はまな板装置100の動作を説明するフローチャートである。図4において、S1〜S19は各処理ステップを示す。
【0041】
まず、使用者がまな板装置100の電源スイッチ12を入れてディスプレイ部10を駆動する(S1)。
【0042】
次に、内部メモリ31に記憶されている料理のレシピ情報等の料理に関する情報を読み出し、ディスプレイ部10に料理の一覧を表示させる(S2)。
【0043】
料理一覧の中に使用者が作りたい料理があるか否かを判断する(S3)。
【0044】
料理一覧の中に使用者が作りたい料理があるとき(yes)、料理一覧の中から使用者が1つの料理(レシピ情報)を選択する(S4)。このとき、1つの料理だけではなく、複数の料理を選択することもできる。
【0045】
料理一覧の中に使用者が作りたい料理がないとき(no)、外部機器(サーバやメモリカード)からレシピ情報をダウンロードして、ディスプレイ部10に料理一覧を表示させ(S5)、ステップS4へ進む。
【0046】
その後、料理の追加や変更があるか否かを判断する(S6)。料理が選択されると、その料理に一般的に使用する材料を用いるレシピがディスプレイ部10に表示されるが、使用する材料の追加や変更(例えば豚バラを鳥モモに、牛ロースを鳥むねに変更)をすることができる。
【0047】
料理の追加や変更がある場合(yes)、ステップS2に戻る。
【0048】
料理の追加や変更がない場合(no)、複数の料理が使用者によって選択されたとき、その複数の料理に対応する複数の調理工程を1つの最適な調理工程に組み立てる(S7)。
【0049】
ステップS7で調理工程をディスプレイ部10に表示する(S8)。ディスプレイ部10には、料理に関する情報として例えば材料・調味料の分量、出来上がりまでの調理工程が静止画として表示される。
【0050】
その後、使用者が所望の調理工程を選択する(S9)。
【0051】
選択された調理工程をディスプレイ部10に表示させる(S10)。調理工程の情報は例えば下記に述べる動画情報である。
1.フライパンに材料を入れ、その材料に軽く火が通るまでの炒める様子の動画(S11)。
2.材料の処理の仕方がよくわかるように手元が拡大された動画(S12)。
3.動画で、加工後の材料の形状や調味料の量を実寸で表示する(S13)。この実寸で表示された材料と自分が切った材料とを容易に比較することができる。
4.調理中、時間を計る必要があるとき、いわゆるキッチンタイマを表示させる。キッチンタイマのスタート操作は操作キー40を用いて行なわれる。
【0052】
使用者は操作キー40を操作することによって上記動画を一時停止させたり、使用者の指定した、調理工程の一部だけを繰り返して表示させたりすることができる。
【0053】
次に、調理工程の変更があるか否かを判断する(S14)。
【0054】
調理工程の変更がある場合(yes)、ステップS9へ戻る。
【0055】
調理工程の変更がない場合(no)、調理が完了する(S15)。
【0056】
その後、使用者がまな板装置100の電源スイッチ12を切る(S16)。
【0057】
次に、まな板装置100(ディスプレイ部10)を洗う(S17)。
【0058】
その後、まな板装置100(ディスプレイ部10)を充電器としてのクレードル(図示せず)に置く(S18)。クレードルはAC端子から給電される外部電源回路を備えている。外部電源回路には、例えばバッテリー部50の充電器に設けられた受信用コイルと向かい合うように置かれた送電用コイルが設けられている。送電用コイルにAC端子から給電することによって受信用コイルで受電することができる。給電方式には電磁誘導方式、磁気共鳴方式等がある。
【0059】
まな板装置100をクレードルに置くことによって、バッテリー部50を充電する(S19)。その結果、ディスプレイ部10を使用可能状態にしておくことができる。
【0060】
この実施形態によれば、ディスプレイ部10をまな板として使用することができるようにしたので、調理場にディスプレイ部10を設置するための専用のスペースを確保しなくとも調理場で料理に関する情報を見ることができる。また、外部機器からダウンロードしたレシピ情報を内部メモリ31に記憶させることができるので、必要なときに料理レシピを容易に探し出すことができる。更に、野菜の切り方、大きさ、調味料の量、投入タイミングを視覚的に調理場で確認することができるので、レシピ本を見るよりも正確に調理することができる。また、材料に合ったレシピ情報をディスプレイ部10に表示させることができるので、例えば夕食のおかずに困ったときに容易に対応することができる。更に、複数の料理を選択したときであっても、各料理に対応する複数の調理工程を1つの最適な調理工程に組み立て、最適な調理工程がディスプレイ部10に表示されるので、効率よく複数の料理を作ることができる。また、レシピ情報の音声や効果音等がスピーカ13から出力され、レシピ情報を耳からも得ることができるので、より正確かつ効率的に調理を行うことができる。更に、非接触でバッテリ部14の充電を行うので、充電時の漏電やショートのおそれがない。また、狭い調理場であってもディスプレイ部10が調理の邪魔になることがない。
【0061】
なお、上記実施形態では、操作キー40、電源スイッチ12がハウジング部20の孔から突出するが、操作キー40、電源スイッチ12をハウジング部20の孔から突出させない構成を採用してもよい。例えば強化ガラス21の裏面にタッチパネル(図示せず)を配置し、強化ガラス21の表面に表示された操作キー40、電源スイッチ12の表示に指等で触れることにより操作キー40、電源スイッチ12の入力が行なわれる構成としてもよい。
【0062】
また、上記実施形態ではディスプレイ部10に操作キー40を配置してディスプレイ部10の表示を操作したが、例えばディスプレイ部10に受信部を設けるとともに、包丁(図示せず)に操作キー40を配置した送信部を設け、例えば赤外線通信又はブルートゥース通信等の通信方式によって送信部から無線でディスプレイ部10の表示を制御する信号を受信部に送るようにしてもよい。このとき、包丁にも防水加工を施すのが好ましい。
【符号の説明】
【0063】
10:ディスプレイ部(表示部)、13:スピーカ(音声出力部)、20:ハウジング部、30:CPU(制御部)、31:内部メモリ(記憶部)、34:無線LAN部(外部情報入力部)、35:メモリーカードスロット(外部情報入力部)、36:USBポート(外部情報入力部)、37:LANポート(外部情報入力部)、100:まな板装置。
【技術分野】
【0001】
この発明はまな板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、料理レシピ情報における各調理手順での調理状態を示す動画を表示させることにより、利用者がその料理レシピ情報に基づいて所望の料理をスムーズに作ることができる調理情報システムが知られている(下記特許文献参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−290955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記調理情報システムでは、調理状態を示す動画を調理場で見ようとすると、動画を表示させる動画表示部手段(表示部)を調理場に設置するための専用のスペースを確保しなければならない。
【0005】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は調理場に表示部を設置するための専用のスペースを確保しなくとも調理場で料理に関する情報を見ることができるまな板装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、料理に関する情報を表示する表示部と、 前記表示部の画面を目視可能に内蔵するハウジング部とを備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のまな板装置において、防水加工が施されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のまな板装置において、料理に関する情報としてのレシピ情報の画像を前記表示部に表示させる制御部を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のまな板装置において、前記制御部は、前記表示部に表示された複数の前記レシピ情報の中から使用者が1つのレシピ情報を選択したとき、そのレシピ情報に対応する調理工程を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項3記載のまな板装置において、前記制御部は、前記表示部に表示された複数の前記レシピ情報の中から使用者が複数のレシピ情報を選択したとき、選択された複数のレシピ情報に対応する複数の調理工程を1つの最適な調理工程に組み立て、その最適な調理工程を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項3〜5のいずれか1項記載のまな板装置において、外部から前記レシピ情報を取得するための外部情報入力部と、前記外部情報入力部を介して入力した前記レシピ情報を記憶する記憶部とを備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項記載のまな板装置において、前記レシピ情報の音声を出力する音声出力部を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、調理場に表示部を設置するための専用のスペースを確保しなくとも調理場で料理に関する情報を見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1はこの発明の一実施形態に係るまな板装置の平面図である。
【図2】図2は図1のI−I線に沿う断面を示す概念図である。
【図3】図3は図1のA矢視図である。
【図4】図4はまな板装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】図5はまな板装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図5はまな板装置100のブロック図である。
【0017】
まな板装置100は、CPU(制御部)30、内部メモリ31、ディスプレイ部(表示部)10、表示制御部32、スピーカ(音声出力部)13、再生制御部33、無線LAN部34、電源スイッチ12、操作キー40、メモリーカードスロット35、USBポート36、LANポート37及びバッテリー部50で構成される。
【0018】
CPU30は内部メモリ31に記憶された所定の制御プログラムを実行することにより、まな板装置100の動作を制御する。
【0019】
内部メモリ31は例えばRAM、ROM、フラッシュメモリ等で構成され、CPU30で実行する制御プログラムや各種データ(例えばレシピ情報等の料理に関する情報)を記憶する。内部メモリ31は、サーバやまな板装置100に接続可能なPC、PDA等の外部機器から料理に関する情報としてダウンロードしたレシピの画像、文字等のデータの記憶にも用いられる。
【0020】
表示制御部32は、内部メモリ31に記憶されているレシピの画像データ、外部機器から取り込まれたレシピの画像データを演算回路により各種処理を行ってディスプレイ部10へ送る。
【0021】
ディスプレイ部10は例えば液晶ディスプレイ(LCDパネル)等であり、CPU30によってバックライト(図示せず)が制御されるとともに、表示制御部32から送られたレシピ情報の画像がディスプレイ部10の画面に表示される。
【0022】
再生制御部33は、内部メモリ31に記憶されているレシピ情報の音声データや効果音等の音声信号をスピーカ(音声出力部)13から出力させる。
【0023】
無線LAN部(外部情報入力部)34はCPU30で制御され、所定の通信方式により特定の機器(サーバ)との間で無線通信を行うためのものである。使用者は無線LAN部34を介してレシピ情報をサーバからダウンロードできるとともに、レシピ情報をサーバへアップロードすることができる。また、LANポート(外部情報入力部)37を介してサーバとの間で有線通信を行うこともできる。
【0024】
操作キー40は、例えばディスプレイ部10に表示される複数のレシピ情報の中から1つ又は2つ以上のレシピ情報を選択する操作等を行なうための入力操作部である。
【0025】
メモリーカードスロット(外部情報入力部)35は図示しないメモリーカード(メディア)を装着可能なスロットである。レシピ情報をメモリーカードに書き込んだり、メモリーカードに記録されたレシピ情報を読み出したりすることができる。
【0026】
USBポート(外部情報入力部)36は不図示のUSBケーブルを介して外部機器との間で料理に関する情報の送受を行うために用いられる。
【0027】
バッテリー部50はまな板装置100を駆動するための電源である。バッテリー部50は例えば非接触方式の充電器(図示せず)を用いて充電される。バッテリー部50の充電状態はCPU30で監視されている。
【0028】
電源スイッチ12の操作状態はCPU30で監視される。CPU30は、電源スイッチ12が入れられたとき、例えばバッテリー残量、メモリーカードの装着の有無等をディスプレイ部10に表示する。
【0029】
図1はこの発明の一実施形態に係るまな板装置の平面図である。
【0030】
まな板装置100は透明な強化ガラス製のハウジング部20とハウジング部20に内蔵されたディスプレイ部10とを備えている。ディスプレイ部10の画面は外部から目視することができる。ディスプレイ部10には例えば図1に示すような調理工程6や動画用窓7が表示される。
【0031】
ハウジング部20には操作キー40、電源スイッチ12及びスピーカ13が設けられているが、防水処理が施されているので、ディスプレイ部10への水の浸入を阻止され、ディスプレイ部10をまな板として使用することができる。
【0032】
電源スイッチ12はハウジング部20の孔(図示せず)から突出している。ハウジング部20に電源スイッチ12を覆うようにシールラバーが接着等され、ディスプレイ部10への水の浸入が阻止される。
【0033】
操作キー40は、ディスプレイ部10に表示する画像を選択するための十字キー41と、十字キー41の中心部に設けられ、メニュー画面上での設定等を決定するOKボタン42とを備える。ハウジング部20の孔から突出する十字キー41及びOKボタン42の周囲をゴム製の防水パッキン(図示せず)でそれぞれシールすることで、ディスプレイ部10への水の浸入を阻止する。
【0034】
スピーカ13はハウジング部20に形成された音響ベント(小孔)26を介して音声を出力する。音響ベント26のスピーカ13側に保護フィルタとして防水透湿性を有するゴアテックス(登録商標)が配置され、ディスプレイ部10への水の浸入を阻止する。
【0035】
図2は図1のI−I線に沿う断面を示す概念図である。
【0036】
ハウジング部20は2枚の強化ガラス21,22で構成されている。2枚の強化ガラス21,22を重ね合わせたとき、2枚の強化ガラス21,22間に形成される収容部23にディスプレイ部10が収容されている。強化ガラス21,22の合わせ面には収容部23を囲むように溝24,25がそれぞれ形成され、強化ガラス21,22を重ね合わせたとき、強化ガラス21の溝24と強化ガラス22の溝25とが対向し、環状の空間部が形成される。この空間部内に防水パッキン9が押しつぶされるように収容されている。そのため、収容部23がほぼ密閉された状態に維持され、まな板装置100に水がかかったときであっても、操作キー40等に対する防水処理と相俟って水からディスプレイ部10への水の浸入を阻止することができる。
【0037】
図3は図1のA矢視図である。
【0038】
ハウジング部20の側面には、メモリーカードスロット35、USBポート36、LANポート37及びバッテリー部50(図5参照)の開口を覆う蓋35a,36a,37a,50aがそれぞれ設けられている。蓋35a,36a,37a,50aの周囲をゴム製の防水パッキン(図示せず)でシールすることで、ディスプレイ部10への水の浸入を阻止している。
【0039】
次に、まな板装置100の動作を説明する。
【0040】
図4はまな板装置100の動作を説明するフローチャートである。図4において、S1〜S19は各処理ステップを示す。
【0041】
まず、使用者がまな板装置100の電源スイッチ12を入れてディスプレイ部10を駆動する(S1)。
【0042】
次に、内部メモリ31に記憶されている料理のレシピ情報等の料理に関する情報を読み出し、ディスプレイ部10に料理の一覧を表示させる(S2)。
【0043】
料理一覧の中に使用者が作りたい料理があるか否かを判断する(S3)。
【0044】
料理一覧の中に使用者が作りたい料理があるとき(yes)、料理一覧の中から使用者が1つの料理(レシピ情報)を選択する(S4)。このとき、1つの料理だけではなく、複数の料理を選択することもできる。
【0045】
料理一覧の中に使用者が作りたい料理がないとき(no)、外部機器(サーバやメモリカード)からレシピ情報をダウンロードして、ディスプレイ部10に料理一覧を表示させ(S5)、ステップS4へ進む。
【0046】
その後、料理の追加や変更があるか否かを判断する(S6)。料理が選択されると、その料理に一般的に使用する材料を用いるレシピがディスプレイ部10に表示されるが、使用する材料の追加や変更(例えば豚バラを鳥モモに、牛ロースを鳥むねに変更)をすることができる。
【0047】
料理の追加や変更がある場合(yes)、ステップS2に戻る。
【0048】
料理の追加や変更がない場合(no)、複数の料理が使用者によって選択されたとき、その複数の料理に対応する複数の調理工程を1つの最適な調理工程に組み立てる(S7)。
【0049】
ステップS7で調理工程をディスプレイ部10に表示する(S8)。ディスプレイ部10には、料理に関する情報として例えば材料・調味料の分量、出来上がりまでの調理工程が静止画として表示される。
【0050】
その後、使用者が所望の調理工程を選択する(S9)。
【0051】
選択された調理工程をディスプレイ部10に表示させる(S10)。調理工程の情報は例えば下記に述べる動画情報である。
1.フライパンに材料を入れ、その材料に軽く火が通るまでの炒める様子の動画(S11)。
2.材料の処理の仕方がよくわかるように手元が拡大された動画(S12)。
3.動画で、加工後の材料の形状や調味料の量を実寸で表示する(S13)。この実寸で表示された材料と自分が切った材料とを容易に比較することができる。
4.調理中、時間を計る必要があるとき、いわゆるキッチンタイマを表示させる。キッチンタイマのスタート操作は操作キー40を用いて行なわれる。
【0052】
使用者は操作キー40を操作することによって上記動画を一時停止させたり、使用者の指定した、調理工程の一部だけを繰り返して表示させたりすることができる。
【0053】
次に、調理工程の変更があるか否かを判断する(S14)。
【0054】
調理工程の変更がある場合(yes)、ステップS9へ戻る。
【0055】
調理工程の変更がない場合(no)、調理が完了する(S15)。
【0056】
その後、使用者がまな板装置100の電源スイッチ12を切る(S16)。
【0057】
次に、まな板装置100(ディスプレイ部10)を洗う(S17)。
【0058】
その後、まな板装置100(ディスプレイ部10)を充電器としてのクレードル(図示せず)に置く(S18)。クレードルはAC端子から給電される外部電源回路を備えている。外部電源回路には、例えばバッテリー部50の充電器に設けられた受信用コイルと向かい合うように置かれた送電用コイルが設けられている。送電用コイルにAC端子から給電することによって受信用コイルで受電することができる。給電方式には電磁誘導方式、磁気共鳴方式等がある。
【0059】
まな板装置100をクレードルに置くことによって、バッテリー部50を充電する(S19)。その結果、ディスプレイ部10を使用可能状態にしておくことができる。
【0060】
この実施形態によれば、ディスプレイ部10をまな板として使用することができるようにしたので、調理場にディスプレイ部10を設置するための専用のスペースを確保しなくとも調理場で料理に関する情報を見ることができる。また、外部機器からダウンロードしたレシピ情報を内部メモリ31に記憶させることができるので、必要なときに料理レシピを容易に探し出すことができる。更に、野菜の切り方、大きさ、調味料の量、投入タイミングを視覚的に調理場で確認することができるので、レシピ本を見るよりも正確に調理することができる。また、材料に合ったレシピ情報をディスプレイ部10に表示させることができるので、例えば夕食のおかずに困ったときに容易に対応することができる。更に、複数の料理を選択したときであっても、各料理に対応する複数の調理工程を1つの最適な調理工程に組み立て、最適な調理工程がディスプレイ部10に表示されるので、効率よく複数の料理を作ることができる。また、レシピ情報の音声や効果音等がスピーカ13から出力され、レシピ情報を耳からも得ることができるので、より正確かつ効率的に調理を行うことができる。更に、非接触でバッテリ部14の充電を行うので、充電時の漏電やショートのおそれがない。また、狭い調理場であってもディスプレイ部10が調理の邪魔になることがない。
【0061】
なお、上記実施形態では、操作キー40、電源スイッチ12がハウジング部20の孔から突出するが、操作キー40、電源スイッチ12をハウジング部20の孔から突出させない構成を採用してもよい。例えば強化ガラス21の裏面にタッチパネル(図示せず)を配置し、強化ガラス21の表面に表示された操作キー40、電源スイッチ12の表示に指等で触れることにより操作キー40、電源スイッチ12の入力が行なわれる構成としてもよい。
【0062】
また、上記実施形態ではディスプレイ部10に操作キー40を配置してディスプレイ部10の表示を操作したが、例えばディスプレイ部10に受信部を設けるとともに、包丁(図示せず)に操作キー40を配置した送信部を設け、例えば赤外線通信又はブルートゥース通信等の通信方式によって送信部から無線でディスプレイ部10の表示を制御する信号を受信部に送るようにしてもよい。このとき、包丁にも防水加工を施すのが好ましい。
【符号の説明】
【0063】
10:ディスプレイ部(表示部)、13:スピーカ(音声出力部)、20:ハウジング部、30:CPU(制御部)、31:内部メモリ(記憶部)、34:無線LAN部(外部情報入力部)、35:メモリーカードスロット(外部情報入力部)、36:USBポート(外部情報入力部)、37:LANポート(外部情報入力部)、100:まな板装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
料理に関する情報を表示する表示部と、
前記表示部の画面を目視可能に内蔵するハウジング部と
を備えていることを特徴とするまな板装置。
【請求項2】
防水加工が施されていることを特徴とする請求項1記載のまな板装置。
【請求項3】
料理に関する情報としてのレシピ情報の画像を前記表示部に表示させる制御部を備えていることを特徴とする請求項1記載のまな板装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示部に表示された複数の前記レシピ情報の中から使用者が1つのレシピ情報を選択したとき、そのレシピ情報に対応する調理工程を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項3記載のまな板装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示部に表示された複数の前記レシピ情報の中から使用者が複数のレシピ情報を選択したとき、選択された複数のレシピ情報に対応する複数の調理工程を1つの最適な調理工程に組み立て、その最適な調理工程を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項3記載のまな板装置。
【請求項6】
外部から前記レシピ情報を取得するための外部情報入力部と、前記外部情報入力部を介して入力した前記レシピ情報を記憶する記憶部とを備えていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載のまな板装置。
【請求項7】
前記レシピ情報の音声を出力する音声出力部を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のまな板装置。
【請求項1】
料理に関する情報を表示する表示部と、
前記表示部の画面を目視可能に内蔵するハウジング部と
を備えていることを特徴とするまな板装置。
【請求項2】
防水加工が施されていることを特徴とする請求項1記載のまな板装置。
【請求項3】
料理に関する情報としてのレシピ情報の画像を前記表示部に表示させる制御部を備えていることを特徴とする請求項1記載のまな板装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示部に表示された複数の前記レシピ情報の中から使用者が1つのレシピ情報を選択したとき、そのレシピ情報に対応する調理工程を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項3記載のまな板装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示部に表示された複数の前記レシピ情報の中から使用者が複数のレシピ情報を選択したとき、選択された複数のレシピ情報に対応する複数の調理工程を1つの最適な調理工程に組み立て、その最適な調理工程を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項3記載のまな板装置。
【請求項6】
外部から前記レシピ情報を取得するための外部情報入力部と、前記外部情報入力部を介して入力した前記レシピ情報を記憶する記憶部とを備えていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載のまな板装置。
【請求項7】
前記レシピ情報の音声を出力する音声出力部を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のまな板装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2012−120791(P2012−120791A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276063(P2010−276063)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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