むら検査装置、むら検査方法およびむら判定方法
【課題】周期性のあるパターン、特に、LCD製造用フォトマスクのような基板において、回折光量差によるコントラストからパターン変動発生箇所を精度良く識別し、かつ、その変動発生周期を簡便に導出することによって、むら検査を実施することができるむら検査装置、むら検査方法およびむら判定方法を提供することを課題とする。
【解決手段】回折光量差によるコントラストからパターン変動発生箇所を精度良く識別し、かつ、その変動発生周期を簡便に導出することによってむら検査を実施することができる検査装置およびむら検査方法。
【解決手段】回折光量差によるコントラストからパターン変動発生箇所を精度良く識別し、かつ、その変動発生周期を簡便に導出することによってむら検査を実施することができる検査装置およびむら検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン描画装置によって周期性パターンが形成された基板を検査対象とし、基板のむら検査を行うためのむら検査方法およびむら検査装置に関する。
なお、周期性パターンとは、一定の間隔を有するパターンの集合体を称し、たとえば、パターンが所定のピッチで配列したストライプ状の周期性パターン、あるいは、開口部のパターンが所定の周期で2次元的に配列したマトリクス状のパターン等が該当する。周期性パターンを有する基板としては、特に半導体装置、撮像デバイスおよび表示デバイス等を製造する際にフォトリソグラフィ処理の露光工程で用いられるフォトマスクが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置、撮像デバイスおよび表示デバイス等の製造工程で用いられるフォトマスクとしては、ガラス等の透明基板上にクロム等の遮光膜が一定のパターンに部分的に除去されて構成されたものが知られている。
【0003】
フォトマスクのような周期性パターンにおけるむら欠陥は、通常、微細なピッチずれや位置ずれが規則的に配列していることが原因であることが多いため、個々のパターン検査では発見することが困難であり、周期性パターンを広い領域において観察したときに初めて認識される欠陥である。
【0004】
周期性のあるパターン、たとえば、CCD、CMOSデバイス製造用フォトマスクのむらを安定的、高精度に撮像、検出可能な周期性パターンむら検査装置を提供することを目的として、照明光が被検査体に照射され、周期性パターンによって生じる透過回折光を画像検査する検査装置が、たとえば、特許文献1に開示されている。
【0005】
周期性パターンの正常部では開口部の形状、ピッチが一定となるため互いに干渉し、一定の方向に回折光を生じる。それに対し、むら部では開口部の形状、ピッチが不規則になるため、形状、ピッチに応じて、その次数ごとに種々の方向に種々の強さで回折光が生じる。特許文献1に開示されている検査装置では、正常部とむら部における回折光強度コントラストの違いから、むら部を検出する方式をとっている。
【0006】
特許文献1に例示されているようなCCD、CMOSデバイス製造用フォトマスクでは、パターンピッチは5μm〜30μm程度であり、各回折次数における回折光が互いに分離し易いようなパターンが多い。しかし、たとえば、LCD製造用フォトマスクでは、そのパターンピッチは20μm程度のものから1000μm程度のものまで幅広く存在し、割合としてはCCD、CMOSデバイス製造用フォトマスクよりもパターンピッチが大きいものが多い。パターンピッチが100μmを超えるようなパターンでは回折光が互いに分離し難くなるため、正常部と異常部のコントラストの違いからむら部を検出する手法は難しいのではないかと考えられていた。
【0007】
これに対して、たとえば、主パターン(パターン周期が80〜2000μm)に対し、この主パターンとは周期の異なる補助パターン(パターン周期が1〜50μm)を、主パターン以外の領域に、主パターンと同時に描画することによって形成し、この補助パターンからの回折光コントラスト差を捉えることにより描画起因のエラー発生位置を捉え、エラーが発生している補助パターンと同一直線上に配置された主パターンにおいても同様のエラーが生じているものとみなす検査方法が、たとえば、特許文献2に開示されている。
【0008】
しかしながら、実際の描画工程においては、1回のビーム走査中にビームの強度ばらつきや走査位置のずれによって、部分的にパターン寸法ずれや位置ずれが発生する可能性があ
る。たとえ同一直線状であってもむら欠陥の程度が変化している可能性があるため、特許文献2に開示されている方法は効果的であるとは言い難い。
【0009】
また、LCD製造用フォトマスクは、CCD、CMOSデバイス製造用フォトマスクに比べパターンピッチが大きいものが多いため、マクロ撮像を行った場合でも合焦点位置において被検査画像中でパターンが解像してしまい、被検査画像上でむら欠陥との弁別が困難となり、検査精度が低下してしまう問題がある。パターン解像による影響を低減させる手法としてはデフォーカスを挙げることができる。
【0010】
例えば、シャドウマスクにおけるむら検査方法において、意図的に焦点位置をずらした状態で被検査基板を撮像し、画像取得を行っている例が、例えば特許文献3に開示されているが、これは基板の被検査面に対して斜めから光を照射して回折光を捉える方法ではない。
【0011】
特許文献1に示されているが、周期性パターンにおけるむらを安定して検出するためには、パターンにおいて生じた回折光を捉え、正常部と欠陥部とで生じた回折光量差に着目することが有効であることが公知であるとされている。
【0012】
ところで、パターン描画装置における描画方式はベクタ方式とラスタ方式に分類される。CCD、CMOSデバイス製造用フォトマスクや半導体装置用基板製造用のフォトマスクにおけるパターン描画にはEB(電子線)描画装置が用いられ、その殆どが描画部のみビーム走査を行うベクタ方式によるものである。一方で、LCD製造用フォトマスクにおけるパターン描画ではレーザ描画装置が用いられており、領域全体をスキャンし、描画部のみビームをオンするラスタ方式が用いられている。
【0013】
これら描画装置では、それぞれ固有の描画パラメータが設けられている例が多く、たとえば、LCD製造用フォトマスク向けレーザ描画装置では、1回のビーム走査幅を示すスキャンレングス(Scan Length)というパラメータが存在する。パターンピッチとスキャンレングスが異なる場合において、パターンエッジとこのスキャンレングスの境界部分が重なる時にパターンの寸法変動が生じる場合がある。
【0014】
また、EB描画装置においては描画フィールド(FIELD)と呼ばれる正方形状の描画領域が設定され、この描画領域境界部分でパターンの寸法変動や位置変動が生じる例が確認されている。上記のような現象により生じるむら欠陥は、その描画パラメータに依存した周期性を有しているため、描画装置における描画パラメータとむら発生周期との関係性が重要視されてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2006−275609号公報
【特許文献2】特許第3366802号公報
【特許文献3】特開2007−271591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、周期性のあるパターン、特に、LCD製造用フォトマスクのような基板において、回折光量差によるコントラストからパターン変動発生箇所を精度良く識別し、かつ、その変動発生周期を簡便に導出することによって、むら検査を実施することができるむら検査装置、むら検査方法およびむら判定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を解決するための手段として、本発明の請求項1は、周期性パターンが形成された基板のむら検査装置であって、少なくとも、
被検査対象物である基板に透過光を照射するための透過照明部と、
前記基板を移動させるためのX−Yステージ部と、
前記基板の表面を撮像し、その測定したい部位に、前記X−Yステージ部を制御するためのアライメント用撮像部と、
前記アライメント用撮像部と固定された位置関係に保持された検査画像を撮像するための撮像部と、
前記透過照明部と前記X−Yステージ部と前記アライメント用撮像部と前記撮像部の動作を制御し、画像情報を取り込み、演算処理を行う処理・制御部と、から構成されており、
前記透過照明部は、ターンテーブルの上に円弧レールが支持体を介して設置されており、前記円弧レールには前記基板に透過光を照射する照明ヘッドと前期照明ヘッドに照明光を供給する光源が設置されており、前記照明ヘッドが前記円弧レール上を移動できる機構を備えており、
前記X−Yステージ部は、前記撮像部と垂直な平面で前記基板を平行移動させるための駆動機構と前記基板を載置する部分を備えており、
前記アライメント撮像部は、前記基板表面の位置を把握するための画像を撮像する際の倍率や焦点の調整をするためのレンズ系とそのレンズ系を介して画像を撮像するカメラと前記基板の表面を照明し撮像可能にするための照明灯と前記照明灯の点灯、消灯、照明光強度の調節をするための照明制御装置とを備えており、
前記撮像部は、前記基板表面のむら情報を検出するための画像を撮影するために、平行光学系とカメラと前記カメラを前記基板表面と垂直方向に移動可能な駆動機構を備えており、
前記処理・制御部は、演算処理と照明制御装置および前記透過照明部の前記光源を制御する 情報処理部と前記アライメント用撮像部および撮像部からの信号を情報処理部に入力するための信号入力装置と情報を表示する表示部と人が必要な情報を前記情報処理部に入力するための対人操作部を備えていることを特徴とするむら検査装置である。
【0018】
また、請求項2の発明は、周期性パターンを有する基板のむら検査方法であって、少なくとも、
周期性パターンの属性情報であるパターン情報入力工程と、
むら検査装置の撮像部を前記基板の検査対象部位に移動させ、位置合わせを行う位置決め工程と、
前記パターン情報入力工程において入力された前記周期性パターンに関する情報を基に、パターンピッチと撮像分解能との関係から撮像倍率を決定する撮像倍率設定工程と、
前記基板の表面に垂直な方向に対する照明照射角度を設定する工程と、
前記基板の周期性パターンが形成された面を被撮像面とし、合焦点位置を被撮像面に対して鉛直方法にずらすデフォーカス工程と、
前記合焦点位置からデフォーカスさせた位置において、前記基板の周期性パターンを撮像し被処理画像を取得する撮像工程と、
前記被処理画像上で確認される前記基板上で発生しているむら欠陥の発生周期を求めるむら欠陥周期算出工程と、
前記基板上で発生しているむら欠陥の合否を判定する判定工程と、
を具備したことを特徴とするむら検査方法である。
【0019】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載のむら検査方法におけるむら判定方法であって、
パターン描画情報の入力工程で入力した基板表面に平行な方向における全ての照明照射角度について実施したかどうかの判定を行い、基板表面に平行な方向における全ての照明照
射角度について実施していないと判定した場合は、パターン情報入力工程、位置決め工程、照明照射角度を設定する工程、デフォーカス工程の一連の工程を実施していると判定するまで繰り返し実施し、その次の工程として、
撮像工程と、
被処理画像に対してむらの評価値を算出する工程と、
前記被処理画像に対して2次元フーリエ変換によるむら欠陥発生周期を算出する工程と、前記被処理画像に対してむら欠陥の判定を行う工程とからなる一連の工程を実施し、
前記むらの評価値を算出する工程は、前記被処理画像に対して矩形計算領域を設定し、前期矩形計算領域の画像を構成する画素群を行(X方向とする。)と列(Y方向とする。)の並びに区分し、X方向に並ぶ各画素の輝度値の積算値をX方向の積算値ΣIとし、Y方向に並ぶ各画素の輝度値の積算値をY方向の積算値ΣIとし、
比較基準値ΣOとして、X方向とY方向のそれぞれについて移動平均による平準化した値を採用し、評価値Cを、C=|ΣI−ΣO|として算出し、
前記欠陥発生周期を算出する工程は、
前記被処理画像において、画像中心を基準とし、Y方向の長さR、X方向の長さRの矩形領域を設定し、前記矩形領域内にて2次元フーリエ変換を実施することによりパワースペクトル像を導出し、
前記パワースペクトル像から、被処理画像のX方向およびY方向それぞれにおいて、空間周波数(被処理画像の繰り返しパターンの周期の逆数に比例する値)に対するパワースペクトル分布を求め、
前記パワースペクトル分布において最も大きなスペクトルをとる空間周波数を求め、前記被処理画像における画像分解能から、空間周波数をむら欠陥発生周期に変換することにより算出し、
前記むら欠陥の判定を行う工程は、予め実験的に求めたむら欠陥が発生する境界値より小さい評価値Cをむら欠陥が発生する評価値Cの閾値C_Th、として定義し、C>C_Th、という条件を満たしたときに、周期性パターンを有する基板にむら欠陥があると判定することを特徴とするむら判定方法である。
【0020】
また、請求項4の発明は、パターン情報入力工程は、周期性パターンに対して、任意の水平方向角度での照明について撮像条件の設定ができるように、照明と前記基板との水平角度方向に関する条件入力が可能であることを特徴とする請求項2に記載のむら検査方法である。
【0021】
また、請求項5の発明は、周期性パターンのパターンピッチが20μm〜400μmであることを特徴とする請求項2または4記載に記載のむら検査方法である。
【0022】
また、請求項6の発明は、照明光の中心波長が540nmの緑色光であることを特徴とする請求項2、4、5のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【0023】
また、請求項7の発明は、撮像工程が、周期性パターンからの回折光を、光電変換素子を利用した撮像手段によって実施し、かつ、前記撮像手段は、前記周期性パターンにより生じる回折光のうち、前記周期性パターンが形成された基板の被撮像面に対して垂直な回折光のみを抽出する光学系を有することを特徴とする請求項2、4〜6のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【0024】
また、請求項8の発明は、撮像倍率設定工程が、撮像倍率の設定を行うのに光学倍率可変可能なズームレンズを利用することを特徴とする請求項2、4〜7のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【0025】
また、請求項9の発明は、デフォーカス工程は、合焦点位置からのデフォーカス量が光学
系の焦点深度よりも大きいことを特徴とする請求項2、4〜8のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【0026】
また、請求項10の発明は、デフォーカス工程は、合焦点位置を被撮像面に対して鉛直に遠ざける方向にずらすことを特徴とする請求項2、4〜9のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【0027】
また、請求項11の発明は、むら欠陥周期算出工程は、撮像工程により取得された被処理画像に対して2次元フーリエ変換を利用することで周期を算出することを特徴とする請求項2、4〜10のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【0028】
また、請求項12の発明は、周期性パターンが形成された基板が、波長が365nm〜436nmの範囲内における所定の波長域の光を露光するためのフォトマスクであることを特徴とする請求項2、4〜11のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【0029】
また、請求項13の発明は、周期性パターンが形成された基板が、液晶表示装置用部材製造用フォトマスクであることを特徴とする請求項2、4〜12のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、周期性のあるパターン、特に、LCD製造用フォトマスクのような基板において、回折光量差によるコントラストからパターン変動発生箇所を精度良く識別し、かつ、その変動発生周期を簡便に導出することによってむら検査を実施することができるむら検査方法およびむら検査装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態に係るむら検査装置の要部を示す概略図
【図2】照明ヘッドの光源に内蔵された光学フィルタの分光透過率を示す特性図
【図3】むら検査方法を説明するフローチャート
【図4】基板と投光方向θ軸との対応関係を模式的に示す図
【図5】被処理画像に対する矩形計算領域の定義方法を模式的に示す図
【図6】被処理画像からの積算値ΣIと比較基準値Σ0の算出方法を模式的に示す図
【図7】被処理画像からの2次元フーリエ変換によるパワースペクトル像導出方法を模式的に示す図
【図8】第1の実施例における周期性パターンの形状を模式的に示す図
【図9】第1の実施例における取得画像とパワースペクトル像を示す図
【図10】第2の実施例における周期性パターンの形状を模式的に示す図
【図11】第2の実施例における取得画像とパワースペクトル像を示す図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態に係るむら検査装置の主要部を概略的に示すものである。図1では、透過回折光を得るための装置構成例を示している。なお、本装置は、外乱光や迷光を極力低減させた暗環境かつ基板への異物付着を防止するクリーン環境で稼動されることが望ましい。
【0034】
図1に示すように、本装置は、透過照明部10、基板60の位置決め動作および基板搬送動作が可能なX−Yステージ部20、基板60の位置決めを実施するためのアライメント
用撮像部30、基板60からの回折像を撮像し、被処理画像取得を実施する撮像部40、および、処理・制御部100から構成されている。
【0035】
透過照明部10は、円弧レール11がターンテーブル12上に設置されている。円弧レール11には照明ヘッド13が設けられていて、この照明ヘッド13には光源14からライトガイド15を用いて導光している。円弧レール11上で照明ヘッド13を駆動することによって基板60の被撮像面に対して垂直方向の照射角度調整を可能としている(なお、この駆動軸をφ軸と定義する)。
【0036】
円弧レール11上のどの位置にあっても照明ヘッド13は、X−Yステージ部20上の所定位置に照明光を照射することができるように調整されており、これによって、X−Yステージ部20上の基板60の被撮像面に対して、様々な照射角度からの透過照明が可能となっている。
【0037】
また、ターンテーブル12により円弧レール11を被撮像面に対して水平方向に回転させることが可能であり(この駆動軸をθ軸と定義する)、水平方向における任意方向から照明光の照射が可能となっている。
【0038】
なお、照明ヘッド13には平行光学系42が設けられている。光源14には、フィルタチェンジャ機構が設けられており、複数の波長選択フィルタを用いることが可能となっているが、1つの例として、本実施の形態では図2に示す分光透過率を有する(ピーク波長:540nm)バンドパスフィルタを用いている。
【0039】
また、光源14としては十分な照度を有しているものが望ましく、本実施の形態では光源14にはメタルハライド光源を用いている。仮に照度が不足するような場合には、複数個の光源を用いた装置構成としてもよい。
【0040】
基板60は、X−Yステージ部20におけるワークストッパ21にてXおよびY方向で固定される。なお、ワークストッパ21は基板サイズに応じて固定位置の調整が可能である。
【0041】
X−Yステージ部20は、基板60を図1のX軸方向およびY軸方向に平行移動する機能を有する。これによって、あらかじめ設定した動作手順にしたがって基板60をX軸およびY軸方向に駆動する。
【0042】
アライメント用撮像部30は、カメラ31、レンズ32、照明灯33、および、照明制御装置34から構成される。基板60上のアライメントマークを含む領域に対して同軸落射形式で照明光が照射され、その観察画像がカメラ31により撮像される。照明灯33は、照明制御装置34により点灯/消灯制御および照明光強度の調節ができるようになっており、実際の制御動作は処理・制御部100により実施される。
【0043】
なお、本実施の形態では、カメラ31にはエリアCCDカメラを、レンズ32には同軸落射形式の固定倍率テレセントリックレンズを、そして照明灯33には高輝度スポット型の白色LEDを用いている。
【0044】
撮像部40は、カメラ41、平行光学系42およびZステージ43から構成される。カメラ41としては、可視光域に分光感度特性を有している光電変換素子を具備していることが望ましい。本実施の形態では、カメラ41としてエリアCCDカメラを用いているが、ラインCCDカメラを用いてもよい。
【0045】
平行光学系42には電動式テレセントリックズームレンズを用いている。このとき、レンズのテレセントリシティとして0.5°以下を満足するようなものが望ましい。また、Zステージ43によりカメラ41と平行光学系42が、基板60上の被撮像面に対して鉛直方向に移動することができ、この動作によって焦点位置の微調整が可能となる。
【0046】
処理・制御部100は、情報処理部101、信号入力装置102および103、表示部104、および、対人操作部105から構成されており、透過照明部10、X−Yステージ部20、アライメント用撮像部30、撮像部40の動作管理および制御を行い、アライメント用撮像部30および撮像部40からの出力を画像情報あるいは信号として入力し、演算処理を行う。さらに、その処理結果や処理画像を表示手段104に表示する。
【0047】
図3は、本発明の実施の形態に係るむら検査方法を説明するフローチャートである。本検査方法は、ステップS1〜S12という一連の工程によって行われるもので、以下、各ステップの内容を順に説明する。なお、基板60の着脱等のオペレーション操作については説明を省略する。
【0048】
まず、対人操作部105により、基板60におけるパターンピッチ、サイズ、パネルレイアウト、パターン描画条件、パターン描画装置の種類等のパターン描画情報を、情報処理部101へ入力する(ステップS1)。また、この段階で、前述したθ軸の種類も入力する。ここで、図4に基板60とθとの対応関係を示す(この場合は、例としてθ=0°、45°、90°の3種類について定義した)。
【0049】
次に、X−Yステージ部20とアライメント用撮像部30により、基板60に対するアライメント動作を実施する(ステップS2)。
【0050】
次に、平行光学系42におけるレンズ倍率を設定する(ステップS3)。本実施の形態では、カメラ41における撮像素子サイズとレンズ倍率とによって決まる撮像分解能rと、基板60におけるピッチdiとの関係が下記の式(1)を満たすようなレンズ倍率を設定する。なお、式中のhは相対比を表し、正の整数であることとする。
r=h×di ……(1)
ただし、基板60では、ステップS1にて設定したθに応じて光の照射方向に対応した見かけ上のピッチの値が変化するため、各θ軸における見かけ上のピッチdi値を算出する必要がある。
【0051】
基板60の天地方向に対してX方向のピッチをΔx、Y方向のピッチをΔyとすると、
0°≦θ≦45°のときは、
【数1】
45°<θ≦90°のときは、
【数2】
90°<θ≦135°のときは、
【数3】
135°<θ≦180°のときは、
【数4】
としてそれぞれ算出される。
【0052】
次に、10°≦φ≦60°の範囲で、むら欠陥の可視化に最適とされる照明照射角度φを設定する(ステップS4)。
【0053】
次に、X−Yステージ部20を駆動させ、処理対象パネルを撮像位置へ移動する(ステップS5)。なお、照明ヘッド13は、ステップS4で設定したφ位置へ移動させる。
【0054】
次に、カメラ41にて処理対象パネルの画像取込を行いながら、Zステージ43によりZ軸方向への微調整を行い、焦点位置からのデフォーカスを実施する(ステップS6)。
【0055】
次に、カメラ41にて画像取込を行いながら、画像処理を実施するのに十分な画像輝度が確保されるように、光源14からの出力を調節し、取込画像輝度レベルの調整を行う(ステップS7)。
【0056】
以上、ステップS3〜S7までの処理が、ステップS1にて入力した全てのθに対して実施されたかどうか判断し(ステップS8)、実施されていなければ、ステップS3に戻り、上記同様な処理を繰り返す。
【0057】
ステップS8において全てのθに対して実施されたと判断した場合、ステップS3〜S7にて設定された条件に基づき、処理対象パネルにおける被処理画像取込を実施する(ステップS9)。
【0058】
次に、ステップS9にて得られた被処理画像に対し、むら評価値Cの算出を実施する(ステップS10)。ここで、むら評価値Cとは、本実施の形態において得られたむら欠陥画像における正常部とパターン変動部との間で生じた輝度コントラストを数値化したものである。
【0059】
以下、ステップS10におけるむら評価値C算出方法について、ステップC1〜C3の順に簡単に説明する。
【0060】
図5に示すように、ステップS9にて得られた被処理画像に対して矩形計算領域を定義し、計算領域内の各画素における輝度値をXおよびY方向に別個に積算し、積算値ΣIを計算する(ステップC1)。なお、積算値は、積算した画素数で割った平均値を用いる。図5では、矩形計算領域を被処理画像内側へ内挿した状態を示したが、矩形計算領域は被処理画像全面に設定してもよい。
【0061】
次に、ステップC1にて計算した積算値ΣIに対する比較基準値Σ0を計算する(ステップC2)。積算値ΣIからの比較基準値Σ0の導出について図6に模式的に示す。本実施の形態では、比較基準値Σ0の導出方法として移動平均処理を利用する。
【0062】
次に、下記式(6)の演算により、評価値Cを算出する(ステップC3)。
C=|ΣI―Σ0| ……(6)
なお、本実施の形態において複数枚のパネルについて処理を行う場合には、そのうち最も評価値Cが大きくなるものを代表値として用いる。
以上が、ステップC1〜C3を、むら評価値Cの算出方法に関する説明である。
【0063】
次に、ステップS9にて得られた被処理画像に対し、2次元フーリエ変換によるむら欠陥発生周期Fの算出を実施する(ステップS11)。
以下、ステップS11における2次元フーリエ変換によるむら欠陥周期算出方法について、ステップF1〜F3の順に簡単に説明する。
【0064】
図7に示すように、ステップS9にて得られた被処理画像において、画像中心を基準とし、縦の長さR、横の長さRの矩形領域を定義し、矩形領域内にて2次元フーリエ変換を実行し、パワースペクトル像を導出する(ステップF1)。
【0065】
なお、2次元フーリエ変換実行の前処理として、矩形領域内の画像に対する2値化処理を
実施する。また、矩形領域の一辺の長さRは、取得された被処理画像の大きさによってその値を変更してもよい。ただし、計算に高速フーリエ変換(FFT)を使用するため、128、256、512というように2のべき乗で表わされる数値となるようにRの値を設定する必要がある。
【0066】
次に、パワースペクトル像から、画像のX方向およびY方向それぞれにおいて、空間周波数fに対するパワースペクトル分布を求める(ステップF2)。ここで、空間周波数fとは、ステップF1にて定義した矩形領域の一辺の長さにおける周波数として定義される値であり、繰り返しパターンの周期の逆数に比例する値として定義される。
【0067】
次に、ステップF2で求めたパワースペクトル分布において最も大きなスペクトルをとる空間周波数fを求め、被処理画像における画像分解能から、空間周波数fをむら欠陥発生周期Fへ変換する(ステップF3)。
以上、ステップF1〜F3を、2次元フーリエ変換によるむら欠陥発生周期算出方法に関する説明とする。
【0068】
次に、ステップS10より得られた結果を基に、以下の条件に基づいて合否判定を行い、その結果を表示部104へ表示する(ステップS12)。このとき、むら評価値Cに対する判定用閾値をC_Thと定義しておき、
C>C_Th
という条件を満たした場合、検査対象基板上にむら欠陥が発生していると判定する。
【0069】
このとき、S11にて算出したむら欠陥発生周期Fの値を参考にすることで、作業員はむら欠陥がパターン描画装置の描画パラメータに依存した周期性を有しているかどうかを判断する事が可能となる。
【0070】
以上説明したように、本発明に係る実施の形態のむら検査方法によれば、周期性のあるパターン、特に、LCD製造用フォトマスクのような基板において、回折光量差によるコントラストからパターン変動発生箇所を精度良く識別し、かつ、その変動発生周期を簡便に導出することによってむら検査を実施することが可能となる。
【実施例】
【0071】
以下に、本発明における実施例について説明する。
全ての実施例において使用したパターン描画装置は同一であり、描画走査周期(要説明)の値は420μmである。また、むら評価値Cに対する判定用閾値はC_Th=100とする。なお、パターン描画装置における描画走査方向は全て図4におけるX方向であり、本実施例では基板60への相対投光方向θ=0°とした場合の結果を示す。
【0072】
<実施例1>
第1の実施例として、ピッチd=20.5μmのL/S状のパターンが形成された基板を監視対象基板とした結果を示す。パターンの模式図を図8に示す。このパターンが形成された基板に対し、ステップS1〜S9の処理に基づいて、φ=30°から照明光を照射し、相対比h=2.439、デフォーカス量が15.0mmの条件にて被処理画像の取得を行った。さらに、ステップS10、S11においてむら評価値Cおよびむら欠陥発生周期Fを算出した結果、C=118.0、F=426.7μmとなった。なお、R=256pixelである。
【0073】
本実施例におけるパターンの描画に用いたパターン描画装置の描画走査周期の値は420μmであり、2次元フーリエ変換によって得られたむら欠陥発生周期Fの値に非常に近い。 また、C>C_Thが成り立つため、本実施例では、ステップS12においてパターン描画装置起因のむら欠陥が発生しているという判定結果となり、不良品と判定する事が
出来る。
第1の実施例に係る取得画像を図9(a)に示し、パワースペクトル像を図9(b)に示す。
【0074】
<実施例2>
続いて、第2の実施例として、ピッチd=119.5μmの格子状のパターンが形成された基板を検査対象基板とした結果を示す。パターンの模式図を図10に示す。このパターンが形成された基板に対し、ステップS1〜S9の処理に基づいて、φ=30°から照明光を照射し、相対比h=0.795、デフォーカス量が9.0mmの条件にて被処理画像の取得を行った。さらに、ステップS10、S11においてむら評価値Cおよびむら欠陥発生周期Fを算出した結果、C=66.8、F=838.6μmとなった。なお、R=256pixelである。
【0075】
むら欠陥発生周期Fの値が、パターンの描画に用いたパターン描画装置の描画走査周期の2倍に相当する840μmと近い値であるが、C<C_Thが成り立つため、本実施例では、ステップS12においてパターン描画装置起因のむら欠陥が発生していないという判定結果となり、良品であると判定する事が出来る。
第2の実施例に係る取得画像を図11(a)に示し、パワースペクトル像を図11(b)に示す。
【符号の説明】
【0076】
10…透過照明部
11…円弧レール
12…ターンテーブル
13…照明ヘッド
14…光源
15…ライトガイド
20…X−Yステージ部
21…ワークストッパ
30…アライメント用撮像部
31…カメラ
32…レンズ
33…照明灯
34…照明制御装置
40…撮像部
41…カメラ
42…平行光学系
43…Zステージ
51…パターン
52…パターン
60…基板
100…処理・制御部
101…情報処理部
102…信号入力装置
103…信号入力装置
104…表示部
105…対人操作部
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン描画装置によって周期性パターンが形成された基板を検査対象とし、基板のむら検査を行うためのむら検査方法およびむら検査装置に関する。
なお、周期性パターンとは、一定の間隔を有するパターンの集合体を称し、たとえば、パターンが所定のピッチで配列したストライプ状の周期性パターン、あるいは、開口部のパターンが所定の周期で2次元的に配列したマトリクス状のパターン等が該当する。周期性パターンを有する基板としては、特に半導体装置、撮像デバイスおよび表示デバイス等を製造する際にフォトリソグラフィ処理の露光工程で用いられるフォトマスクが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置、撮像デバイスおよび表示デバイス等の製造工程で用いられるフォトマスクとしては、ガラス等の透明基板上にクロム等の遮光膜が一定のパターンに部分的に除去されて構成されたものが知られている。
【0003】
フォトマスクのような周期性パターンにおけるむら欠陥は、通常、微細なピッチずれや位置ずれが規則的に配列していることが原因であることが多いため、個々のパターン検査では発見することが困難であり、周期性パターンを広い領域において観察したときに初めて認識される欠陥である。
【0004】
周期性のあるパターン、たとえば、CCD、CMOSデバイス製造用フォトマスクのむらを安定的、高精度に撮像、検出可能な周期性パターンむら検査装置を提供することを目的として、照明光が被検査体に照射され、周期性パターンによって生じる透過回折光を画像検査する検査装置が、たとえば、特許文献1に開示されている。
【0005】
周期性パターンの正常部では開口部の形状、ピッチが一定となるため互いに干渉し、一定の方向に回折光を生じる。それに対し、むら部では開口部の形状、ピッチが不規則になるため、形状、ピッチに応じて、その次数ごとに種々の方向に種々の強さで回折光が生じる。特許文献1に開示されている検査装置では、正常部とむら部における回折光強度コントラストの違いから、むら部を検出する方式をとっている。
【0006】
特許文献1に例示されているようなCCD、CMOSデバイス製造用フォトマスクでは、パターンピッチは5μm〜30μm程度であり、各回折次数における回折光が互いに分離し易いようなパターンが多い。しかし、たとえば、LCD製造用フォトマスクでは、そのパターンピッチは20μm程度のものから1000μm程度のものまで幅広く存在し、割合としてはCCD、CMOSデバイス製造用フォトマスクよりもパターンピッチが大きいものが多い。パターンピッチが100μmを超えるようなパターンでは回折光が互いに分離し難くなるため、正常部と異常部のコントラストの違いからむら部を検出する手法は難しいのではないかと考えられていた。
【0007】
これに対して、たとえば、主パターン(パターン周期が80〜2000μm)に対し、この主パターンとは周期の異なる補助パターン(パターン周期が1〜50μm)を、主パターン以外の領域に、主パターンと同時に描画することによって形成し、この補助パターンからの回折光コントラスト差を捉えることにより描画起因のエラー発生位置を捉え、エラーが発生している補助パターンと同一直線上に配置された主パターンにおいても同様のエラーが生じているものとみなす検査方法が、たとえば、特許文献2に開示されている。
【0008】
しかしながら、実際の描画工程においては、1回のビーム走査中にビームの強度ばらつきや走査位置のずれによって、部分的にパターン寸法ずれや位置ずれが発生する可能性があ
る。たとえ同一直線状であってもむら欠陥の程度が変化している可能性があるため、特許文献2に開示されている方法は効果的であるとは言い難い。
【0009】
また、LCD製造用フォトマスクは、CCD、CMOSデバイス製造用フォトマスクに比べパターンピッチが大きいものが多いため、マクロ撮像を行った場合でも合焦点位置において被検査画像中でパターンが解像してしまい、被検査画像上でむら欠陥との弁別が困難となり、検査精度が低下してしまう問題がある。パターン解像による影響を低減させる手法としてはデフォーカスを挙げることができる。
【0010】
例えば、シャドウマスクにおけるむら検査方法において、意図的に焦点位置をずらした状態で被検査基板を撮像し、画像取得を行っている例が、例えば特許文献3に開示されているが、これは基板の被検査面に対して斜めから光を照射して回折光を捉える方法ではない。
【0011】
特許文献1に示されているが、周期性パターンにおけるむらを安定して検出するためには、パターンにおいて生じた回折光を捉え、正常部と欠陥部とで生じた回折光量差に着目することが有効であることが公知であるとされている。
【0012】
ところで、パターン描画装置における描画方式はベクタ方式とラスタ方式に分類される。CCD、CMOSデバイス製造用フォトマスクや半導体装置用基板製造用のフォトマスクにおけるパターン描画にはEB(電子線)描画装置が用いられ、その殆どが描画部のみビーム走査を行うベクタ方式によるものである。一方で、LCD製造用フォトマスクにおけるパターン描画ではレーザ描画装置が用いられており、領域全体をスキャンし、描画部のみビームをオンするラスタ方式が用いられている。
【0013】
これら描画装置では、それぞれ固有の描画パラメータが設けられている例が多く、たとえば、LCD製造用フォトマスク向けレーザ描画装置では、1回のビーム走査幅を示すスキャンレングス(Scan Length)というパラメータが存在する。パターンピッチとスキャンレングスが異なる場合において、パターンエッジとこのスキャンレングスの境界部分が重なる時にパターンの寸法変動が生じる場合がある。
【0014】
また、EB描画装置においては描画フィールド(FIELD)と呼ばれる正方形状の描画領域が設定され、この描画領域境界部分でパターンの寸法変動や位置変動が生じる例が確認されている。上記のような現象により生じるむら欠陥は、その描画パラメータに依存した周期性を有しているため、描画装置における描画パラメータとむら発生周期との関係性が重要視されてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2006−275609号公報
【特許文献2】特許第3366802号公報
【特許文献3】特開2007−271591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、周期性のあるパターン、特に、LCD製造用フォトマスクのような基板において、回折光量差によるコントラストからパターン変動発生箇所を精度良く識別し、かつ、その変動発生周期を簡便に導出することによって、むら検査を実施することができるむら検査装置、むら検査方法およびむら判定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を解決するための手段として、本発明の請求項1は、周期性パターンが形成された基板のむら検査装置であって、少なくとも、
被検査対象物である基板に透過光を照射するための透過照明部と、
前記基板を移動させるためのX−Yステージ部と、
前記基板の表面を撮像し、その測定したい部位に、前記X−Yステージ部を制御するためのアライメント用撮像部と、
前記アライメント用撮像部と固定された位置関係に保持された検査画像を撮像するための撮像部と、
前記透過照明部と前記X−Yステージ部と前記アライメント用撮像部と前記撮像部の動作を制御し、画像情報を取り込み、演算処理を行う処理・制御部と、から構成されており、
前記透過照明部は、ターンテーブルの上に円弧レールが支持体を介して設置されており、前記円弧レールには前記基板に透過光を照射する照明ヘッドと前期照明ヘッドに照明光を供給する光源が設置されており、前記照明ヘッドが前記円弧レール上を移動できる機構を備えており、
前記X−Yステージ部は、前記撮像部と垂直な平面で前記基板を平行移動させるための駆動機構と前記基板を載置する部分を備えており、
前記アライメント撮像部は、前記基板表面の位置を把握するための画像を撮像する際の倍率や焦点の調整をするためのレンズ系とそのレンズ系を介して画像を撮像するカメラと前記基板の表面を照明し撮像可能にするための照明灯と前記照明灯の点灯、消灯、照明光強度の調節をするための照明制御装置とを備えており、
前記撮像部は、前記基板表面のむら情報を検出するための画像を撮影するために、平行光学系とカメラと前記カメラを前記基板表面と垂直方向に移動可能な駆動機構を備えており、
前記処理・制御部は、演算処理と照明制御装置および前記透過照明部の前記光源を制御する 情報処理部と前記アライメント用撮像部および撮像部からの信号を情報処理部に入力するための信号入力装置と情報を表示する表示部と人が必要な情報を前記情報処理部に入力するための対人操作部を備えていることを特徴とするむら検査装置である。
【0018】
また、請求項2の発明は、周期性パターンを有する基板のむら検査方法であって、少なくとも、
周期性パターンの属性情報であるパターン情報入力工程と、
むら検査装置の撮像部を前記基板の検査対象部位に移動させ、位置合わせを行う位置決め工程と、
前記パターン情報入力工程において入力された前記周期性パターンに関する情報を基に、パターンピッチと撮像分解能との関係から撮像倍率を決定する撮像倍率設定工程と、
前記基板の表面に垂直な方向に対する照明照射角度を設定する工程と、
前記基板の周期性パターンが形成された面を被撮像面とし、合焦点位置を被撮像面に対して鉛直方法にずらすデフォーカス工程と、
前記合焦点位置からデフォーカスさせた位置において、前記基板の周期性パターンを撮像し被処理画像を取得する撮像工程と、
前記被処理画像上で確認される前記基板上で発生しているむら欠陥の発生周期を求めるむら欠陥周期算出工程と、
前記基板上で発生しているむら欠陥の合否を判定する判定工程と、
を具備したことを特徴とするむら検査方法である。
【0019】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載のむら検査方法におけるむら判定方法であって、
パターン描画情報の入力工程で入力した基板表面に平行な方向における全ての照明照射角度について実施したかどうかの判定を行い、基板表面に平行な方向における全ての照明照
射角度について実施していないと判定した場合は、パターン情報入力工程、位置決め工程、照明照射角度を設定する工程、デフォーカス工程の一連の工程を実施していると判定するまで繰り返し実施し、その次の工程として、
撮像工程と、
被処理画像に対してむらの評価値を算出する工程と、
前記被処理画像に対して2次元フーリエ変換によるむら欠陥発生周期を算出する工程と、前記被処理画像に対してむら欠陥の判定を行う工程とからなる一連の工程を実施し、
前記むらの評価値を算出する工程は、前記被処理画像に対して矩形計算領域を設定し、前期矩形計算領域の画像を構成する画素群を行(X方向とする。)と列(Y方向とする。)の並びに区分し、X方向に並ぶ各画素の輝度値の積算値をX方向の積算値ΣIとし、Y方向に並ぶ各画素の輝度値の積算値をY方向の積算値ΣIとし、
比較基準値ΣOとして、X方向とY方向のそれぞれについて移動平均による平準化した値を採用し、評価値Cを、C=|ΣI−ΣO|として算出し、
前記欠陥発生周期を算出する工程は、
前記被処理画像において、画像中心を基準とし、Y方向の長さR、X方向の長さRの矩形領域を設定し、前記矩形領域内にて2次元フーリエ変換を実施することによりパワースペクトル像を導出し、
前記パワースペクトル像から、被処理画像のX方向およびY方向それぞれにおいて、空間周波数(被処理画像の繰り返しパターンの周期の逆数に比例する値)に対するパワースペクトル分布を求め、
前記パワースペクトル分布において最も大きなスペクトルをとる空間周波数を求め、前記被処理画像における画像分解能から、空間周波数をむら欠陥発生周期に変換することにより算出し、
前記むら欠陥の判定を行う工程は、予め実験的に求めたむら欠陥が発生する境界値より小さい評価値Cをむら欠陥が発生する評価値Cの閾値C_Th、として定義し、C>C_Th、という条件を満たしたときに、周期性パターンを有する基板にむら欠陥があると判定することを特徴とするむら判定方法である。
【0020】
また、請求項4の発明は、パターン情報入力工程は、周期性パターンに対して、任意の水平方向角度での照明について撮像条件の設定ができるように、照明と前記基板との水平角度方向に関する条件入力が可能であることを特徴とする請求項2に記載のむら検査方法である。
【0021】
また、請求項5の発明は、周期性パターンのパターンピッチが20μm〜400μmであることを特徴とする請求項2または4記載に記載のむら検査方法である。
【0022】
また、請求項6の発明は、照明光の中心波長が540nmの緑色光であることを特徴とする請求項2、4、5のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【0023】
また、請求項7の発明は、撮像工程が、周期性パターンからの回折光を、光電変換素子を利用した撮像手段によって実施し、かつ、前記撮像手段は、前記周期性パターンにより生じる回折光のうち、前記周期性パターンが形成された基板の被撮像面に対して垂直な回折光のみを抽出する光学系を有することを特徴とする請求項2、4〜6のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【0024】
また、請求項8の発明は、撮像倍率設定工程が、撮像倍率の設定を行うのに光学倍率可変可能なズームレンズを利用することを特徴とする請求項2、4〜7のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【0025】
また、請求項9の発明は、デフォーカス工程は、合焦点位置からのデフォーカス量が光学
系の焦点深度よりも大きいことを特徴とする請求項2、4〜8のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【0026】
また、請求項10の発明は、デフォーカス工程は、合焦点位置を被撮像面に対して鉛直に遠ざける方向にずらすことを特徴とする請求項2、4〜9のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【0027】
また、請求項11の発明は、むら欠陥周期算出工程は、撮像工程により取得された被処理画像に対して2次元フーリエ変換を利用することで周期を算出することを特徴とする請求項2、4〜10のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【0028】
また、請求項12の発明は、周期性パターンが形成された基板が、波長が365nm〜436nmの範囲内における所定の波長域の光を露光するためのフォトマスクであることを特徴とする請求項2、4〜11のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【0029】
また、請求項13の発明は、周期性パターンが形成された基板が、液晶表示装置用部材製造用フォトマスクであることを特徴とする請求項2、4〜12のいずれか1項に記載のむら検査方法である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、周期性のあるパターン、特に、LCD製造用フォトマスクのような基板において、回折光量差によるコントラストからパターン変動発生箇所を精度良く識別し、かつ、その変動発生周期を簡便に導出することによってむら検査を実施することができるむら検査方法およびむら検査装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態に係るむら検査装置の要部を示す概略図
【図2】照明ヘッドの光源に内蔵された光学フィルタの分光透過率を示す特性図
【図3】むら検査方法を説明するフローチャート
【図4】基板と投光方向θ軸との対応関係を模式的に示す図
【図5】被処理画像に対する矩形計算領域の定義方法を模式的に示す図
【図6】被処理画像からの積算値ΣIと比較基準値Σ0の算出方法を模式的に示す図
【図7】被処理画像からの2次元フーリエ変換によるパワースペクトル像導出方法を模式的に示す図
【図8】第1の実施例における周期性パターンの形状を模式的に示す図
【図9】第1の実施例における取得画像とパワースペクトル像を示す図
【図10】第2の実施例における周期性パターンの形状を模式的に示す図
【図11】第2の実施例における取得画像とパワースペクトル像を示す図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態に係るむら検査装置の主要部を概略的に示すものである。図1では、透過回折光を得るための装置構成例を示している。なお、本装置は、外乱光や迷光を極力低減させた暗環境かつ基板への異物付着を防止するクリーン環境で稼動されることが望ましい。
【0034】
図1に示すように、本装置は、透過照明部10、基板60の位置決め動作および基板搬送動作が可能なX−Yステージ部20、基板60の位置決めを実施するためのアライメント
用撮像部30、基板60からの回折像を撮像し、被処理画像取得を実施する撮像部40、および、処理・制御部100から構成されている。
【0035】
透過照明部10は、円弧レール11がターンテーブル12上に設置されている。円弧レール11には照明ヘッド13が設けられていて、この照明ヘッド13には光源14からライトガイド15を用いて導光している。円弧レール11上で照明ヘッド13を駆動することによって基板60の被撮像面に対して垂直方向の照射角度調整を可能としている(なお、この駆動軸をφ軸と定義する)。
【0036】
円弧レール11上のどの位置にあっても照明ヘッド13は、X−Yステージ部20上の所定位置に照明光を照射することができるように調整されており、これによって、X−Yステージ部20上の基板60の被撮像面に対して、様々な照射角度からの透過照明が可能となっている。
【0037】
また、ターンテーブル12により円弧レール11を被撮像面に対して水平方向に回転させることが可能であり(この駆動軸をθ軸と定義する)、水平方向における任意方向から照明光の照射が可能となっている。
【0038】
なお、照明ヘッド13には平行光学系42が設けられている。光源14には、フィルタチェンジャ機構が設けられており、複数の波長選択フィルタを用いることが可能となっているが、1つの例として、本実施の形態では図2に示す分光透過率を有する(ピーク波長:540nm)バンドパスフィルタを用いている。
【0039】
また、光源14としては十分な照度を有しているものが望ましく、本実施の形態では光源14にはメタルハライド光源を用いている。仮に照度が不足するような場合には、複数個の光源を用いた装置構成としてもよい。
【0040】
基板60は、X−Yステージ部20におけるワークストッパ21にてXおよびY方向で固定される。なお、ワークストッパ21は基板サイズに応じて固定位置の調整が可能である。
【0041】
X−Yステージ部20は、基板60を図1のX軸方向およびY軸方向に平行移動する機能を有する。これによって、あらかじめ設定した動作手順にしたがって基板60をX軸およびY軸方向に駆動する。
【0042】
アライメント用撮像部30は、カメラ31、レンズ32、照明灯33、および、照明制御装置34から構成される。基板60上のアライメントマークを含む領域に対して同軸落射形式で照明光が照射され、その観察画像がカメラ31により撮像される。照明灯33は、照明制御装置34により点灯/消灯制御および照明光強度の調節ができるようになっており、実際の制御動作は処理・制御部100により実施される。
【0043】
なお、本実施の形態では、カメラ31にはエリアCCDカメラを、レンズ32には同軸落射形式の固定倍率テレセントリックレンズを、そして照明灯33には高輝度スポット型の白色LEDを用いている。
【0044】
撮像部40は、カメラ41、平行光学系42およびZステージ43から構成される。カメラ41としては、可視光域に分光感度特性を有している光電変換素子を具備していることが望ましい。本実施の形態では、カメラ41としてエリアCCDカメラを用いているが、ラインCCDカメラを用いてもよい。
【0045】
平行光学系42には電動式テレセントリックズームレンズを用いている。このとき、レンズのテレセントリシティとして0.5°以下を満足するようなものが望ましい。また、Zステージ43によりカメラ41と平行光学系42が、基板60上の被撮像面に対して鉛直方向に移動することができ、この動作によって焦点位置の微調整が可能となる。
【0046】
処理・制御部100は、情報処理部101、信号入力装置102および103、表示部104、および、対人操作部105から構成されており、透過照明部10、X−Yステージ部20、アライメント用撮像部30、撮像部40の動作管理および制御を行い、アライメント用撮像部30および撮像部40からの出力を画像情報あるいは信号として入力し、演算処理を行う。さらに、その処理結果や処理画像を表示手段104に表示する。
【0047】
図3は、本発明の実施の形態に係るむら検査方法を説明するフローチャートである。本検査方法は、ステップS1〜S12という一連の工程によって行われるもので、以下、各ステップの内容を順に説明する。なお、基板60の着脱等のオペレーション操作については説明を省略する。
【0048】
まず、対人操作部105により、基板60におけるパターンピッチ、サイズ、パネルレイアウト、パターン描画条件、パターン描画装置の種類等のパターン描画情報を、情報処理部101へ入力する(ステップS1)。また、この段階で、前述したθ軸の種類も入力する。ここで、図4に基板60とθとの対応関係を示す(この場合は、例としてθ=0°、45°、90°の3種類について定義した)。
【0049】
次に、X−Yステージ部20とアライメント用撮像部30により、基板60に対するアライメント動作を実施する(ステップS2)。
【0050】
次に、平行光学系42におけるレンズ倍率を設定する(ステップS3)。本実施の形態では、カメラ41における撮像素子サイズとレンズ倍率とによって決まる撮像分解能rと、基板60におけるピッチdiとの関係が下記の式(1)を満たすようなレンズ倍率を設定する。なお、式中のhは相対比を表し、正の整数であることとする。
r=h×di ……(1)
ただし、基板60では、ステップS1にて設定したθに応じて光の照射方向に対応した見かけ上のピッチの値が変化するため、各θ軸における見かけ上のピッチdi値を算出する必要がある。
【0051】
基板60の天地方向に対してX方向のピッチをΔx、Y方向のピッチをΔyとすると、
0°≦θ≦45°のときは、
【数1】
45°<θ≦90°のときは、
【数2】
90°<θ≦135°のときは、
【数3】
135°<θ≦180°のときは、
【数4】
としてそれぞれ算出される。
【0052】
次に、10°≦φ≦60°の範囲で、むら欠陥の可視化に最適とされる照明照射角度φを設定する(ステップS4)。
【0053】
次に、X−Yステージ部20を駆動させ、処理対象パネルを撮像位置へ移動する(ステップS5)。なお、照明ヘッド13は、ステップS4で設定したφ位置へ移動させる。
【0054】
次に、カメラ41にて処理対象パネルの画像取込を行いながら、Zステージ43によりZ軸方向への微調整を行い、焦点位置からのデフォーカスを実施する(ステップS6)。
【0055】
次に、カメラ41にて画像取込を行いながら、画像処理を実施するのに十分な画像輝度が確保されるように、光源14からの出力を調節し、取込画像輝度レベルの調整を行う(ステップS7)。
【0056】
以上、ステップS3〜S7までの処理が、ステップS1にて入力した全てのθに対して実施されたかどうか判断し(ステップS8)、実施されていなければ、ステップS3に戻り、上記同様な処理を繰り返す。
【0057】
ステップS8において全てのθに対して実施されたと判断した場合、ステップS3〜S7にて設定された条件に基づき、処理対象パネルにおける被処理画像取込を実施する(ステップS9)。
【0058】
次に、ステップS9にて得られた被処理画像に対し、むら評価値Cの算出を実施する(ステップS10)。ここで、むら評価値Cとは、本実施の形態において得られたむら欠陥画像における正常部とパターン変動部との間で生じた輝度コントラストを数値化したものである。
【0059】
以下、ステップS10におけるむら評価値C算出方法について、ステップC1〜C3の順に簡単に説明する。
【0060】
図5に示すように、ステップS9にて得られた被処理画像に対して矩形計算領域を定義し、計算領域内の各画素における輝度値をXおよびY方向に別個に積算し、積算値ΣIを計算する(ステップC1)。なお、積算値は、積算した画素数で割った平均値を用いる。図5では、矩形計算領域を被処理画像内側へ内挿した状態を示したが、矩形計算領域は被処理画像全面に設定してもよい。
【0061】
次に、ステップC1にて計算した積算値ΣIに対する比較基準値Σ0を計算する(ステップC2)。積算値ΣIからの比較基準値Σ0の導出について図6に模式的に示す。本実施の形態では、比較基準値Σ0の導出方法として移動平均処理を利用する。
【0062】
次に、下記式(6)の演算により、評価値Cを算出する(ステップC3)。
C=|ΣI―Σ0| ……(6)
なお、本実施の形態において複数枚のパネルについて処理を行う場合には、そのうち最も評価値Cが大きくなるものを代表値として用いる。
以上が、ステップC1〜C3を、むら評価値Cの算出方法に関する説明である。
【0063】
次に、ステップS9にて得られた被処理画像に対し、2次元フーリエ変換によるむら欠陥発生周期Fの算出を実施する(ステップS11)。
以下、ステップS11における2次元フーリエ変換によるむら欠陥周期算出方法について、ステップF1〜F3の順に簡単に説明する。
【0064】
図7に示すように、ステップS9にて得られた被処理画像において、画像中心を基準とし、縦の長さR、横の長さRの矩形領域を定義し、矩形領域内にて2次元フーリエ変換を実行し、パワースペクトル像を導出する(ステップF1)。
【0065】
なお、2次元フーリエ変換実行の前処理として、矩形領域内の画像に対する2値化処理を
実施する。また、矩形領域の一辺の長さRは、取得された被処理画像の大きさによってその値を変更してもよい。ただし、計算に高速フーリエ変換(FFT)を使用するため、128、256、512というように2のべき乗で表わされる数値となるようにRの値を設定する必要がある。
【0066】
次に、パワースペクトル像から、画像のX方向およびY方向それぞれにおいて、空間周波数fに対するパワースペクトル分布を求める(ステップF2)。ここで、空間周波数fとは、ステップF1にて定義した矩形領域の一辺の長さにおける周波数として定義される値であり、繰り返しパターンの周期の逆数に比例する値として定義される。
【0067】
次に、ステップF2で求めたパワースペクトル分布において最も大きなスペクトルをとる空間周波数fを求め、被処理画像における画像分解能から、空間周波数fをむら欠陥発生周期Fへ変換する(ステップF3)。
以上、ステップF1〜F3を、2次元フーリエ変換によるむら欠陥発生周期算出方法に関する説明とする。
【0068】
次に、ステップS10より得られた結果を基に、以下の条件に基づいて合否判定を行い、その結果を表示部104へ表示する(ステップS12)。このとき、むら評価値Cに対する判定用閾値をC_Thと定義しておき、
C>C_Th
という条件を満たした場合、検査対象基板上にむら欠陥が発生していると判定する。
【0069】
このとき、S11にて算出したむら欠陥発生周期Fの値を参考にすることで、作業員はむら欠陥がパターン描画装置の描画パラメータに依存した周期性を有しているかどうかを判断する事が可能となる。
【0070】
以上説明したように、本発明に係る実施の形態のむら検査方法によれば、周期性のあるパターン、特に、LCD製造用フォトマスクのような基板において、回折光量差によるコントラストからパターン変動発生箇所を精度良く識別し、かつ、その変動発生周期を簡便に導出することによってむら検査を実施することが可能となる。
【実施例】
【0071】
以下に、本発明における実施例について説明する。
全ての実施例において使用したパターン描画装置は同一であり、描画走査周期(要説明)の値は420μmである。また、むら評価値Cに対する判定用閾値はC_Th=100とする。なお、パターン描画装置における描画走査方向は全て図4におけるX方向であり、本実施例では基板60への相対投光方向θ=0°とした場合の結果を示す。
【0072】
<実施例1>
第1の実施例として、ピッチd=20.5μmのL/S状のパターンが形成された基板を監視対象基板とした結果を示す。パターンの模式図を図8に示す。このパターンが形成された基板に対し、ステップS1〜S9の処理に基づいて、φ=30°から照明光を照射し、相対比h=2.439、デフォーカス量が15.0mmの条件にて被処理画像の取得を行った。さらに、ステップS10、S11においてむら評価値Cおよびむら欠陥発生周期Fを算出した結果、C=118.0、F=426.7μmとなった。なお、R=256pixelである。
【0073】
本実施例におけるパターンの描画に用いたパターン描画装置の描画走査周期の値は420μmであり、2次元フーリエ変換によって得られたむら欠陥発生周期Fの値に非常に近い。 また、C>C_Thが成り立つため、本実施例では、ステップS12においてパターン描画装置起因のむら欠陥が発生しているという判定結果となり、不良品と判定する事が
出来る。
第1の実施例に係る取得画像を図9(a)に示し、パワースペクトル像を図9(b)に示す。
【0074】
<実施例2>
続いて、第2の実施例として、ピッチd=119.5μmの格子状のパターンが形成された基板を検査対象基板とした結果を示す。パターンの模式図を図10に示す。このパターンが形成された基板に対し、ステップS1〜S9の処理に基づいて、φ=30°から照明光を照射し、相対比h=0.795、デフォーカス量が9.0mmの条件にて被処理画像の取得を行った。さらに、ステップS10、S11においてむら評価値Cおよびむら欠陥発生周期Fを算出した結果、C=66.8、F=838.6μmとなった。なお、R=256pixelである。
【0075】
むら欠陥発生周期Fの値が、パターンの描画に用いたパターン描画装置の描画走査周期の2倍に相当する840μmと近い値であるが、C<C_Thが成り立つため、本実施例では、ステップS12においてパターン描画装置起因のむら欠陥が発生していないという判定結果となり、良品であると判定する事が出来る。
第2の実施例に係る取得画像を図11(a)に示し、パワースペクトル像を図11(b)に示す。
【符号の説明】
【0076】
10…透過照明部
11…円弧レール
12…ターンテーブル
13…照明ヘッド
14…光源
15…ライトガイド
20…X−Yステージ部
21…ワークストッパ
30…アライメント用撮像部
31…カメラ
32…レンズ
33…照明灯
34…照明制御装置
40…撮像部
41…カメラ
42…平行光学系
43…Zステージ
51…パターン
52…パターン
60…基板
100…処理・制御部
101…情報処理部
102…信号入力装置
103…信号入力装置
104…表示部
105…対人操作部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期性パターンが形成された基板のむら検査装置であって、少なくとも、
被検査対象物である基板に透過光を照射するための透過照明部と、
前記基板を移動させるためのX−Yステージ部と、
前記基板の表面を撮像し、その測定したい部位に、前記X−Yステージ部を制御するためのアライメント用撮像部と、
前記アライメント用撮像部と固定された位置関係に保持された検査画像を撮像するための撮像部と、
前記透過照明部と前記X−Yステージ部と前記アライメント用撮像部と前記撮像部の動作を制御し、画像情報を取り込み、演算処理を行う処理・制御部と、から構成されており、
前記透過照明部は、ターンテーブルの上に円弧レールが支持体を介して設置されており、前記円弧レールには前記基板に透過光を照射する照明ヘッドと前期照明ヘッドに照明光を供給する光源が設置されており、前記照明ヘッドが前記円弧レール上を移動できる機構を備えており、
前記X−Yステージ部は、前記撮像部と垂直な平面で前記基板を平行移動させるための駆動機構と前記基板を載置する部分を備えており、
前記アライメント撮像部は、前記基板表面の位置を把握するための画像を撮像する際の倍率や焦点の調整をするためのレンズ系とそのレンズ系を介して画像を撮像するカメラと前記基板の表面を照明し撮像可能にするための照明灯と前記照明灯の点灯、消灯、照明光強度の調節をするための照明制御装置とを備えており、
前記撮像部は、前記基板表面のむら情報を検出するための画像を撮影するために、平行光学系とカメラと前記カメラを前記基板表面と垂直方向に移動可能な駆動機構を備えており、
前記処理・制御部は、演算処理と照明制御装置および前記透過照明部の前記光源を制御する 情報処理部と前記アライメント用撮像部および撮像部からの信号を情報処理部に入力するための信号入力装置と情報を表示する表示部と人が必要な情報を前記情報処理部に入力するための対人操作部を備えていることを特徴とするむら検査装置。
【請求項2】
周期性パターンを有する基板のむら検査方法であって、少なくとも、
周期性パターンの属性情報であるパターン情報入力工程と、
むら検査装置の撮像部を前記基板の検査対象部位に移動させ、位置合わせを行う位置決め工程と、
前記パターン情報入力工程において入力された前記周期性パターンに関する情報を基に、パターンピッチと撮像分解能との関係から撮像倍率を決定する撮像倍率設定工程と、
前記基板の表面に垂直な方向に対する照明照射角度を設定する工程と、
前記基板の周期性パターンが形成された面を被撮像面とし、合焦点位置を被撮像面に対して鉛直方法にずらすデフォーカス工程と、
前記合焦点位置からデフォーカスさせた位置において、前記基板の周期性パターンを撮像し被処理画像を取得する撮像工程と、
前記被処理画像上で確認される前記基板上で発生しているむら欠陥の発生周期を求めるむら欠陥周期算出工程と、
前記基板上で発生しているむら欠陥の合否を判定する判定工程と、
を具備したことを特徴とするむら検査方法。
【請求項3】
請求項2に記載のむら検査方法における判定工程のむら判定方法であって、
パターン描画情報の入力工程で入力した基板表面に平行な方向における全ての照明照射角度について実施したかどうかの判定を行い、基板表面に平行な方向における全ての照明照射角度について実施していないと判定した場合は、パターン情報入力工程、位置決め工程
、照明照射角度を設定する工程、デフォーカス工程の一連の工程を実施していると判定するまで繰り返し一連の工程を実施し、その次の工程として、
撮像工程と、
被処理画像に対してむらの評価値を算出する工程と、
前記被処理画像に対して2次元フーリエ変換によるむら欠陥発生周期を算出する工程と、前記被処理画像に対してむら欠陥の判定を行う工程とからなる一連の工程を実施し、
前記むらの評価値を算出する工程は、前記被処理画像に対して矩形計算領域を設定し、前期矩形計算領域の画像を構成する画素群を行(X方向とする。)と列(Y方向とする。)の並びに区分し、X方向に並ぶ各画素の輝度値の積算値をX方向の積算値ΣIとし、Y方向に並ぶ各画素の輝度値の積算値をY方向の積算値ΣIとし、
比較基準値ΣOとして、X方向とY方向のそれぞれについて移動平均による平準化した値を採用し、評価値Cを、C=|ΣI−ΣO|として算出し、
前記欠陥発生周期を算出する工程は、
前記被処理画像において、画像中心を基準とし、Y方向の長さR、X方向の長さRの矩形領域を設定し、前記矩形領域内にて2次元フーリエ変換を実施することによりパワースペクトル像を導出し、
前記パワースペクトル像から、被処理画像のX方向およびY方向それぞれにおいて、空間周波数(被処理画像の繰り返しパターンの周期の逆数に比例する値)に対するパワースペクトル分布を求め、
前記パワースペクトル分布において最も大きなスペクトルをとる空間周波数を求め、前記被処理画像における画像分解能から、空間周波数をむら欠陥発生周期に変換することにより算出し、
前記むら欠陥の判定を行う工程は、予め実験的に求めたむら欠陥が発生する境界値より小さい評価値Cをむら欠陥が発生する評価値Cの閾値C_Th、として定義し、C>C_Th、という条件を満たしたときに、周期性パターンを有する基板にむら欠陥があると判定することを特徴とするむら判定方法。
【請求項4】
パターン情報入力工程は、周期性パターンに対して、任意の水平方向角度での照明について撮像条件の設定ができるように、照明と前記基板との水平角度方向に関する条件入力が可能であることを特徴とする請求項2に記載のむら検査方法。
【請求項5】
周期性パターンのパターンピッチが20μm〜400μmであることを特徴とする請求項2または4記載に記載のむら検査方法。
【請求項6】
照明光の中心波長が540nmの緑色光であることを特徴とする請求項2、4、5のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【請求項7】
撮像工程が、周期性パターンからの回折光を、光電変換素子を利用した撮像手段によって実施し、かつ、前記撮像手段は、前記周期性パターンにより生じる回折光のうち、前記周期性パターンが形成された基板の被撮像面に対して垂直な回折光のみを抽出する光学系を有することを特徴とする請求項2、4〜6のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【請求項8】
撮像倍率設定工程が、撮像倍率の設定を行うのに光学倍率可変可能なズームレンズを利用することを特徴とする請求項2、4〜7のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【請求項9】
デフォーカス工程は、合焦点位置からのデフォーカス量が光学系の焦点深度よりも大きいことを特徴とする請求項2、4〜8のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【請求項10】
デフォーカス工程は、合焦点位置を被撮像面に対して鉛直に遠ざける方向にずらすことを特徴とする請求項2、4〜9のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【請求項11】
むら欠陥周期算出工程は、撮像工程により取得された被処理画像に対して2次元フーリエ変換を利用することで周期を算出することを特徴とする請求項2、4〜10のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【請求項12】
周期性パターンが形成された基板が、波長が365nm〜436nmの範囲内における所定の波長域の光を露光するためのフォトマスクであることを特徴とする請求項2、4〜11のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【請求項13】
周期性パターンが形成された基板が、液晶表示装置用部材製造用フォトマスクであることを特徴とする請求項2、4〜12のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【請求項1】
周期性パターンが形成された基板のむら検査装置であって、少なくとも、
被検査対象物である基板に透過光を照射するための透過照明部と、
前記基板を移動させるためのX−Yステージ部と、
前記基板の表面を撮像し、その測定したい部位に、前記X−Yステージ部を制御するためのアライメント用撮像部と、
前記アライメント用撮像部と固定された位置関係に保持された検査画像を撮像するための撮像部と、
前記透過照明部と前記X−Yステージ部と前記アライメント用撮像部と前記撮像部の動作を制御し、画像情報を取り込み、演算処理を行う処理・制御部と、から構成されており、
前記透過照明部は、ターンテーブルの上に円弧レールが支持体を介して設置されており、前記円弧レールには前記基板に透過光を照射する照明ヘッドと前期照明ヘッドに照明光を供給する光源が設置されており、前記照明ヘッドが前記円弧レール上を移動できる機構を備えており、
前記X−Yステージ部は、前記撮像部と垂直な平面で前記基板を平行移動させるための駆動機構と前記基板を載置する部分を備えており、
前記アライメント撮像部は、前記基板表面の位置を把握するための画像を撮像する際の倍率や焦点の調整をするためのレンズ系とそのレンズ系を介して画像を撮像するカメラと前記基板の表面を照明し撮像可能にするための照明灯と前記照明灯の点灯、消灯、照明光強度の調節をするための照明制御装置とを備えており、
前記撮像部は、前記基板表面のむら情報を検出するための画像を撮影するために、平行光学系とカメラと前記カメラを前記基板表面と垂直方向に移動可能な駆動機構を備えており、
前記処理・制御部は、演算処理と照明制御装置および前記透過照明部の前記光源を制御する 情報処理部と前記アライメント用撮像部および撮像部からの信号を情報処理部に入力するための信号入力装置と情報を表示する表示部と人が必要な情報を前記情報処理部に入力するための対人操作部を備えていることを特徴とするむら検査装置。
【請求項2】
周期性パターンを有する基板のむら検査方法であって、少なくとも、
周期性パターンの属性情報であるパターン情報入力工程と、
むら検査装置の撮像部を前記基板の検査対象部位に移動させ、位置合わせを行う位置決め工程と、
前記パターン情報入力工程において入力された前記周期性パターンに関する情報を基に、パターンピッチと撮像分解能との関係から撮像倍率を決定する撮像倍率設定工程と、
前記基板の表面に垂直な方向に対する照明照射角度を設定する工程と、
前記基板の周期性パターンが形成された面を被撮像面とし、合焦点位置を被撮像面に対して鉛直方法にずらすデフォーカス工程と、
前記合焦点位置からデフォーカスさせた位置において、前記基板の周期性パターンを撮像し被処理画像を取得する撮像工程と、
前記被処理画像上で確認される前記基板上で発生しているむら欠陥の発生周期を求めるむら欠陥周期算出工程と、
前記基板上で発生しているむら欠陥の合否を判定する判定工程と、
を具備したことを特徴とするむら検査方法。
【請求項3】
請求項2に記載のむら検査方法における判定工程のむら判定方法であって、
パターン描画情報の入力工程で入力した基板表面に平行な方向における全ての照明照射角度について実施したかどうかの判定を行い、基板表面に平行な方向における全ての照明照射角度について実施していないと判定した場合は、パターン情報入力工程、位置決め工程
、照明照射角度を設定する工程、デフォーカス工程の一連の工程を実施していると判定するまで繰り返し一連の工程を実施し、その次の工程として、
撮像工程と、
被処理画像に対してむらの評価値を算出する工程と、
前記被処理画像に対して2次元フーリエ変換によるむら欠陥発生周期を算出する工程と、前記被処理画像に対してむら欠陥の判定を行う工程とからなる一連の工程を実施し、
前記むらの評価値を算出する工程は、前記被処理画像に対して矩形計算領域を設定し、前期矩形計算領域の画像を構成する画素群を行(X方向とする。)と列(Y方向とする。)の並びに区分し、X方向に並ぶ各画素の輝度値の積算値をX方向の積算値ΣIとし、Y方向に並ぶ各画素の輝度値の積算値をY方向の積算値ΣIとし、
比較基準値ΣOとして、X方向とY方向のそれぞれについて移動平均による平準化した値を採用し、評価値Cを、C=|ΣI−ΣO|として算出し、
前記欠陥発生周期を算出する工程は、
前記被処理画像において、画像中心を基準とし、Y方向の長さR、X方向の長さRの矩形領域を設定し、前記矩形領域内にて2次元フーリエ変換を実施することによりパワースペクトル像を導出し、
前記パワースペクトル像から、被処理画像のX方向およびY方向それぞれにおいて、空間周波数(被処理画像の繰り返しパターンの周期の逆数に比例する値)に対するパワースペクトル分布を求め、
前記パワースペクトル分布において最も大きなスペクトルをとる空間周波数を求め、前記被処理画像における画像分解能から、空間周波数をむら欠陥発生周期に変換することにより算出し、
前記むら欠陥の判定を行う工程は、予め実験的に求めたむら欠陥が発生する境界値より小さい評価値Cをむら欠陥が発生する評価値Cの閾値C_Th、として定義し、C>C_Th、という条件を満たしたときに、周期性パターンを有する基板にむら欠陥があると判定することを特徴とするむら判定方法。
【請求項4】
パターン情報入力工程は、周期性パターンに対して、任意の水平方向角度での照明について撮像条件の設定ができるように、照明と前記基板との水平角度方向に関する条件入力が可能であることを特徴とする請求項2に記載のむら検査方法。
【請求項5】
周期性パターンのパターンピッチが20μm〜400μmであることを特徴とする請求項2または4記載に記載のむら検査方法。
【請求項6】
照明光の中心波長が540nmの緑色光であることを特徴とする請求項2、4、5のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【請求項7】
撮像工程が、周期性パターンからの回折光を、光電変換素子を利用した撮像手段によって実施し、かつ、前記撮像手段は、前記周期性パターンにより生じる回折光のうち、前記周期性パターンが形成された基板の被撮像面に対して垂直な回折光のみを抽出する光学系を有することを特徴とする請求項2、4〜6のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【請求項8】
撮像倍率設定工程が、撮像倍率の設定を行うのに光学倍率可変可能なズームレンズを利用することを特徴とする請求項2、4〜7のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【請求項9】
デフォーカス工程は、合焦点位置からのデフォーカス量が光学系の焦点深度よりも大きいことを特徴とする請求項2、4〜8のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【請求項10】
デフォーカス工程は、合焦点位置を被撮像面に対して鉛直に遠ざける方向にずらすことを特徴とする請求項2、4〜9のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【請求項11】
むら欠陥周期算出工程は、撮像工程により取得された被処理画像に対して2次元フーリエ変換を利用することで周期を算出することを特徴とする請求項2、4〜10のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【請求項12】
周期性パターンが形成された基板が、波長が365nm〜436nmの範囲内における所定の波長域の光を露光するためのフォトマスクであることを特徴とする請求項2、4〜11のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【請求項13】
周期性パターンが形成された基板が、液晶表示装置用部材製造用フォトマスクであることを特徴とする請求項2、4〜12のいずれか1項に記載のむら検査方法。
【図3】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−194022(P2012−194022A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57580(P2011−57580)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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