説明

めっき方法およびマイクロデバイスの製造方法

【課題】複数層のめっきパターンを、作業の煩雑さを伴うことなく、階層間で十分に均質化された組成となるように形成することのできるめっき方法を提供する。
【解決手段】レジストパターン13の合計面積と、レジストパターン17の合計面積と、レジストパターン18の合計面積とを全て等しくしたので、各めっきパターンA〜Cのめっき処理を行う際のめっき領域R13,R17,R18の面積を常に一定とすることができる。したがって、電流値を変更することなく容易にめっき電流密度を一定に保つことができ、その結果、ほぼ同等の組成を互いに有するめっきパターンA〜Cを極めて効率的に形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数層のめっきパターンを形成するのに好適なめっき方法、および、複数層のめっきパターンを含むマイクロデバイスの製造に好適なマイクロデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の電子回路基板や半導体素子基板を作製するにあたり、被めっき物である基体上の限られた領域内に、同一組成を有する複数層のめっきパターンを積層形成することがある。それら複数層のめっきパターンの形状(占有面積)が互いに異なる場合には、同一の成分からなるめっき浴を用いるにもかかわらず、めっき電流密度を各層ごとに調整しながらめっき処理を行う必要があった。例えば特許文献1,2では、電極面積を制御することでめっき電流密度を調整している。
【特許文献1】特開平11−1799号公報
【特許文献2】特開平2−228493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、各層のめっきパターンを形成するたびにめっき電流密度の調整を行うようにすると作業が非常に煩雑となるうえ、同一の成分からなるめっき浴を用いているにもかかわらず、形成されためっきパターンの組成が階層間で大きく異なってしまう傾向にある。このような組成の差異は、例えば磁気特性などのめっきパターンそのものの物性値に影響を与えるので、可能な限り小さなものとすることが望まれる。
【0004】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、複数層のめっきパターンを、作業の煩雑さを伴うことなく、階層間で十分に均質化された組成となるように形成することのできるめっき方法を提供することにある。本発明の第2の目的は、複数層のめっきパターンを含むマイクロデバイスを、それら複数層のめっきパターンの組成が階層間で十分に均質となるように、作業の煩雑さを伴うことなく製造することのできるマイクロデバイスの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のめっき方法およびマイクロデバイスの製造方法は、各層ごとに、めっきパターンを含むめっき層を形成すると共に、めっき層の電着面積が各層間で同等になるようにするものである。ここで、「めっきパターンを含むめっき層」とは、めっき層が、目的とするめっきパターン以外の他の部分をも含むことを意味する。
【0006】
本発明のめっき方法およびマイクロデバイスの製造方法では、めっき層の電着面積が各層間で同等となるようにしたので、めっき電流や電極面積を調整することなく、めっき電流密度を一定とすることができる。
【0007】
本発明のめっき方法およびマイクロデバイスの製造方法では、各層ごとに、めっき下地層を形成する工程と、めっき下地層の上にレジストフレームと補助レジストパターンとを形成する工程と、レジストフレームおよび補助レジストパターンで覆われた領域以外のめっき下地層の上にめっき層を選択的に成長させるめっき成長工程と、レジストフレームおよび補助レジストパターンを除去する工程と、レジストフレームにより囲まれた領域に形成されためっきパターン以外のめっき層を除去する工程とを含み、レジストフレームおよび補助レジストパターンの合計面積を各層間で同等にするようにするとよい。また、めっきパターンの形状および面積の少なくとも一方が各層間で互いに異なっていてもよい。また、各層ごとのめっき成長工程において、互いに同じめっき浴を用いて各めっき層を形成するとよい。さらに、レジストフレームを中心とした対称な位置に補助レジストパターンを複数形成することが望ましい。さらに、レジストフレームおよび補助レジストパターンを、互いに同等の線幅となるように形成するとよい。ここでいう線幅とは、レジストフレームおよび補助レジストパターンにおける延在方向(長手方向)と直交する断面の幅を意味する。
【発明の効果】
【0008】
本発明におけるめっき方法またはマイクロデバイスの製造方法によれば、めっきパターンを含むめっき層の電着面積が各層間で同等になるようにしたので、めっき条件を変えることなく、十分に均質な組成を有する複数層のめっきパターンを、より簡便に形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
[第1の実施の形態]
最初に、図1から図4を参照して、本発明の第1の実施の形態としての積層膜の形成方法を実施するためのめっき装置およびこれに搭載された電極組立体について以下に説明する。
【0011】
図1は、めっき装置の構成を表す概略断面図である。このめっき装置は、被めっき物としての基板11の上面(形成対象面)11Sにめっき膜を形成するものであり、めっき浴31を収容するめっき槽3と、めっき槽30の内部に設けられ、めっき浴31を介して互いに対向配置されたカソード電極組立体1およびアノード電極組立体2とを備えている。カソード電極組立体10は、めっき浴31が漏れないようにめっき槽30の底部32に密着して取り付けられている。カソード電極組立体10は開口10Kを有しており、この開口10Kを塞ぐように薄板状の基板11が配置されている。基板11は、ステージ51およびシリンダ52からなる支持体50によって支持されており、上面11Sがめっき浴31と接するようになっている。めっき浴31は、得ようとするめっき膜に応じた組成を有するものである。さらに、このめっき装置は、電源装置70を備えている。電源装置70は、カソード電極組立体10およびアノード電極組立体20とそれぞれリード線71,72によって電気的に接続され、両者の間に直流電圧を印加するものである。なお、ここでは電源装置70として直流電圧を印加するものを例示したが、これに限定されず、交流電圧またはパルス電圧を印加するものを用いるようにしてもよい。
【0012】
アノード電極組立体20は、アノード21と、一端にアノード21が取り付けられたシリンダ22と、このシリンダ22の他端をめっき槽30の上部33に固定する支持部33とを有している。アノード21は、めっき浴31を介して上面11Sと対向するように配置されており、シリンダ22および支持部23を経由したリード線72によって電源装置70と接続されている。
【0013】
このめっき装置では、図1のようにめっき浴31を満たした状態で電源装置70を用いてカソード電極組立体10とアノード電極組立体20との間に直流電圧を印加することにより、めっきシード層が予め形成された上面11を覆うようにめっき膜を成長させることができる。
【0014】
続いて、このめっき装置を用いた積層膜の形成方法について、図2〜図15を参照して説明する。
【0015】
ここでは、例えば図2に模式的に表された基板11における複数の素子領域R1に、1つずつ積層膜1(後出)を形成する場合について説明する。
【0016】
図2(A)は、基板11の全体構成を表している。図2(A)においてマトリクス状に区切られた各々の矩形領域R3は、例えばステッパなどによって1回の操作で露光される領域(ワンショットの露光領域)に対応するものである。一方、図2(B)は、矩形領域R3うちの任意の1つを拡大表示したものである。矩形領域R3には、複数のスクライブラインL1,L2によって区切られる矩形状の単位領域R4が複数設けられている。各単位領域R4は、素子領域R1と、それを取り巻く間隙領域R2とを有している。したがって、素子領域R1は、所定間隔を空けてマトリクス状に配置されている。
【0017】
積層膜1は、図3に示したように、めっきパターンM1を含む第1の階層L1と、めっきパターンM2を含む第2の階層L2と、めっきパターンM3を含む第3の階層L3とが順に積層されたものである。めっきパターンM1〜M3の周囲は、それぞれ、絶縁層Z1〜Z3によって取り囲まれており、めっきパターンM1および絶縁層Z1の上面が共平面F1を形成し、めっきパターンM2および絶縁層Z2の上面が共平面F2を形成し、めっきパターンM3および絶縁層Z3の上面が共平面F3を形成している。めっきパターンM1〜M3の平面形状は、例えば図4(A)〜図4(C)に示したようにいずれも矩形形状ではあるが、互いに異なった寸法を有している。すなわち、めっきパターンM1〜M3の各々の占有面積は、互いに異なっている。但し、組成については互いにほぼ同等である。図3は、積層膜1の積層構造を表す断面図であり、図4(A)〜図4(C)は、各めっきパターンM1〜M3の平面構成を表す平面図である。すなわち、図3は、図4(A)〜図4(C)に示したIII−III線に沿った断面に対応する。
【0018】
めっきパターンM1を形成するにあたっては、まず、図5に示したように被めっき物4としての基板11を用意したのち、図6に示したように、基板11の上面11Sの全てを覆うようにめっき下地層12を形成する。めっき下地層12については、例えばニッケル鉄合金(NiFe)を構成材料として用い、例えばスパッタリング法などの蒸着法により形成する。
【0019】
続いて、図7に示したように、めっき下地層12の全体を覆うようにレジスト層13Zを形成したのち、フォトリソグラフィ処理を施すことにより、レジストパターン13Aを形成する。具体的には、まず、所定形状の開口部14Kを有するフォトマスク14を介してレジスト層13Zを選択的に露光することにより潜像部分13Kを形成する。次いで、必要に応じて加熱処理を行ったのち、所定の現像液を用いて潜像部分13Kを溶解除去することにより現像し、さらに水洗および乾燥を行う。こうすることで、所定形状のレジストパターン13Aが完成する。
【0020】
レジストパターン13Aの形成と併せて、図9(A)に示したように、補助パターンとしてのレジストパターン13B〜13Gを同時に形成する。なお、図9(A)は、レジストパターン13A〜13G(以下、総称してレジストパターン13という。)の平面形状および配置位置を表す平面図である。すなわち、図8は、図9(A)に示したVIII−VIII線に沿った矢視方向の断面に対応している。レジストパターン13Aについては、めっきパターンM1が形成されることとなる領域(以下、形成領域という。)R13Aを取り囲むように配置する。一方、レジストパターン13B〜13Gについては、レジストパターン13Aを中心とした、互いに対称な位置に形成するとよい。さらに、レジストパターン13B〜13Gは、互いに同等の形状および寸法を有し、かつ、その一部がレジストパターン13Aの一部と同等の幅W1を有するようにすることが望ましい。ここで、単位領域R4から、レジストパターン13が占める領域と形成領域R13Aとを除いた領域を補助領域R13Bとする。したがって、形成領域R13Aと補助領域R13Bとを併せた領域がめっき領域R13となる。
【0021】
レジストパターン13を形成したのち、上記のめっき装置を用いてめっき処理を行い、図10に示したように、NiFeからなるめっき層15を形成する。めっき層15は、図9(A)に示しためっき領域R13を占めるように形成される。このとき、レジストパターン13Aは、最終的に得られるめっきパターンM1の輪郭を規定するレジストフレームとして機能する。
【0022】
めっき層15を形成したのち、図11に示したように、有機溶剤を用いてレジストパターン13を剥離することで、めっき下地層12の一部を露出させる。さらに、めっき層15をエッチングマスクとして利用し、めっき下地層12の露出部分R12をミリング法などにより除去する。こうすることで、図12に示したように、基板11の上面11Sの一部が露出する。
【0023】
続いて、図13に示したように、露出した上面11Sと共に形成領域R13を覆うように選択的にレジストパターン16を形成したのち、レジストパターン16によって覆われていないめっき層15を、ウェットエッチング法によって除去する(図14)。最後に、レジストパターン16を有機溶剤などによって剥離することにより、形成領域R13に形成された、めっき層15およびめっき下地層12AからなるめっきパターンM1が現れる(図15)。
【0024】
各めっきパターンM1〜M3の形成工程は、いずれも実質的に同一である。すなわち、めっきパターンM1の上にめっきパターンM2を形成する場合には、図15の状態から、例えばめっきパターンM1の周囲を十分に埋めるように酸化アルミニウム(Al23)などの絶縁材料を形成したのち、めっきパターンM1の上面が露出するまで平坦化処理を行い、めっきパターンM1と絶縁層Z1とによって形成される共平面F1を得る。こののち、図6〜図15の各工程を繰り返すことにより、めっきパターンM2を形成する。さらに同様にして、めっきパターンM2と絶縁層Z2とを含む共平面F2の上にめっきパターンM3を積層することにより、図3に示した積層膜10が完成する。
【0025】
各めっきパターンM1〜M3を形成するにあたっては、合計の占有面積が一定となるように一以上のレジストパターンを形成し、同一のめっき浴31を用いて選択的にめっき処理を行う。具体的には、めっきパターンM2を形成する場合には、図9(B)に示したように、レジストパターン17Aの形成と併せて、補助パターンとしてのレジストパターン17B〜17Gを形成する。レジストパターン17Aは、めっきパターンM2が形成されることとなる領域(形成領域)R17Aを取り囲むように配置され、めっきパターンM2の輪郭を規定するレジストフレームとして機能するものである。なお、図9(B)は、レジストパターン17A〜17G(以下、総称してレジストパターン17という。)の平面構成を表す平面図である。ここでは、レジストパターン17の合計の占有面積が、レジストパターン13の合計の占有面積と等しくなるようにする。換言すれば、形成領域R17Aと補助領域R17Bとを併せためっき領域R17の占有面積が、めっき領域R13の占有面積と等しくなるようにする。
【0026】
めっきパターンM3を形成する場合についても同様であり、図9(C)に示したように、レジストフレームとしてのレジストパターン18Aと併せて、補助パターンとしてのレジストパターン18B,18Cを形成する。レジストパターン18Aは、めっきパターンM3が形成されることとなる領域(形成領域)R18Aを取り囲むように配置され、めっきパターンM3の輪郭を規定するフレームとして機能する。なお、図9(C)は、レジストパターン18A〜18C(以下、総称してレジストパターン18という。)の平面構成を表す平面図である。ここでは、レジストパターン18の合計の占有面積が、レジストパターン13の合計の占有面積およびレジストパターン17の合計の占有面積とそれぞれ等しくなるようにする。すなわち、形成領域R18Aと補助領域R18Bとを併せためっき領域R18の占有面積が、めっき領域R13の占有面積およびめっき領域R17の占有面積と等しくなるようにする。
【0027】
このように、本実施の形態では、レジストパターン13の合計の占有面積と、レジストパターン17の合計の占有面積と、レジストパターン18の合計の占有面積とを全て等しくしたので、各めっきパターンM1〜M3のめっき処理を行う際のめっき領域R13,R17,R18の面積、すなわち電着面積が常に一定となる。したがって、電流値を変更することなく容易にめっき電流密度を一定に保つことができ、その結果、ほぼ同等の組成を互いに有するめっきパターンM1〜M3を極めて効率的に形成することができる。特に、レジストパターン13B〜13Gなどの補助パターンをレジストパターン13Aなどのレジストフレームの周囲に均等配置するようにすると、組成のばらつきを極めて小さくすることができる。
【0028】
<変形例>
なお、レジストパターン13,17,18の配置状態は、いずれも図9(A)〜9(C)に示したものに限定されるものではなく、種種の変形が可能である。以下、本実施の形態の変形例をいくつか示す。
【0029】
図16(A)〜16(C)に示した第1の変形例は、最も大きなめっきパターンM3の輪郭を規定するレジストパターン18Aを基準として、これと同等の占有面積となるように、レジストパターン13,17をそれぞれ形成するようにしたものである。すなわち、めっきパターンM3を形成する場合には、レジストフレームであるレジストパターン18Aのみを形成し、図9(C)に示したレジストパターン18B,18Cに相当するものを省略するようにしている。これに対応して、図16(A),16(B)では、補助パターンとして4つのレジストパターン13B〜13E(または17B〜17E)を設けるようにしている。ここでは、レジストパターン13B〜13Eを全て同一の形状寸法とし、かつ、レジストパターン13Aを中心とした対称位置に配置する(図9(A))。同様に、レジストパターン17B〜17Eを全て同一の形状寸法とし、かつ、レジストパターン17Aを中心とした対称位置に配置する(図9(B))。
【0030】
図17(A)〜17(C)に示した第2の変形例では、素子領域R1ではなく間隙領域R2に補助パターンを設けるようにしている。この場合においても、レジストパターン13A〜13Iの合計の占有面積と、レジストパターン17A〜17Eの合計の占有面積と、レジストパターン18Aの占有面積とが全て等しくなっている。
【0031】
図18(A)〜18(C)に示した第3の変形例では、やはり間隙領域R2に補助パターンを設けるようにしている。この場合においても、レジストパターン13A〜13Kの合計の占有面積と、レジストパターン17A〜17Gの合計の占有面積と、レジストパターン18A〜18Cの占有面積とが全て等しくなっている。
【0032】
図19(A)〜19(C)に示した第4の変形例、および図20(A)〜20(C)に示した第5の変形例は、素子領域R1および間隙領域R2の双方に補助パターンを設けるようにしている。この場合においても、レジストパターン13の合計の占有面積と、レジストパターン17の合計の占有面積と、レジストパターン18の合計の占有面積とが全て等しくなっている。
【0033】
[第2の実施の形態]
次に、図21から図26を参照し、本発明の第2の実施の形態として、薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。
【0034】
本実施の形態の薄膜磁気ヘッドは、互いに異なる階層に形成された複数のめっきパターンとしての下部シールド層および上部シールド層などを含んでいる。これらのシールド層については後に詳述することとし、まず、薄膜磁気ヘッドの概略構成について以下に説明する。
【0035】
図21は、磁気ヘッド装置におけるスライダの一側面に形成された薄膜磁気ヘッド110の構造を表す分解斜視図である。図22は、図21に示したXXI−XXI線に沿った矢視方向の構造を表す断面図である。図21および図22に示したように、薄膜磁気ヘッド110は、スライダの基体100に近い側から順に、再生ヘッド部110Aと記録ヘッド部110Bとが積層されて一体に構成されたものである。再生ヘッド部110Aは、磁気記録媒体に記録された磁気情報を再生するためのものであり、一方の記録ヘッド部110Bは、磁気記録媒体に磁気情報を記録するためのものである。
【0036】
再生ヘッド部110Aは、図21および図22に示したようにエアベアリング面(ABS;Air Bearing Surface )100Fに露出する側において、例えば、基体100の上に、下部シールド層111、下部ギャップ層112、磁気抵抗効果(MR;Magnetoresistive)素子110C、上部ギャップ層120および上部シールド層121が順に積層された構造を有している。
【0037】
MR素子110Cは、磁気抵抗効果膜パターン(以下、MR膜パターンという。)114と、その両隣に延在する一対の磁区制御層115L,115Rと、それら一対の磁区制御層115L,115Rの上に形成された一対の導電リード層116L,116Rとを含んでいる。MR膜パターン114は、例えば、下部ギャップ層112の上に下地層、ピンニング層、ピンド層、非磁性層、フリー層およびキャップ層などが順に積層されたスピンバルブ構造を有している。MR膜パターン114は、磁気記録媒体に記録された情報を読み出すセンサ部分として機能する。一対の磁区制御層115L,115Rおよび一対の導電リード層116L,116Rは、磁気記録媒体の記録トラック幅方向に対応する方向(X方向)に沿ってMR膜パターン114を挟んで対向するように配置されている。磁区制御層115L,115Rは、例えばコバルト白金合金(CoPt)等を含む硬磁性材料により構成され、MR膜パターン114に含まれるフリー層の磁区の向きを揃えて単磁区化することでバルクハウゼンノイズの発生を抑制するように機能する。導電リード層116L,116Rは、例えば、銅(Cu)などからなり、MR膜パターン114に対し、積層方向と直交する方向(X方向)にセンシング電流を流すための電流経路として機能するものであり、図20に示したように電極116LP,116RPにそれぞれ接続されている。
【0038】
下部シールド層111は、例えば、ニッケル鉄合金(NiFe)等の磁性材料により構成され、MR膜パターン114に不要な磁界の影響が及ばないように機能する。下部ギャップ層112は、酸化アルミニウム(Al23)や窒化アルミニウム(AlN)等の絶縁材料からなり、下部シールド層111とMR膜パターン114との電気的な絶縁を図るものである。上部ギャップ層120は、下部ギャップ層112と同様に絶縁材料からなり、上部シールド層121とMR膜パターン114との間を電気的に絶縁するものである。上部シールド層121は、下部シールド層111と同様にニッケル鉄合金(NiFe)等の磁性材料により構成され、やはりMR膜パターン114に不要な磁界の影響が及ばないように機能する。この上部シールド層121は、記録ヘッド部110Bにおける下部磁極としての機能も兼ね備えている。なお、上部シールド層121とは別の層として、新たに下部磁極を構成するようにしてもよい。
【0039】
このような構成を有する再生ヘッド部110Aでは、MR膜パターン114のフリー層の磁化方向が、磁気記録媒体からの信号磁界に応じて変化する。このため、MR膜パターン114に含まれるピンド層の磁化方向との相対的変化を生じる。この際、一対の導電リード層116L,116Rを介してMR膜パターン114にセンシング電流を流すことにより、磁化方向の変化が電気抵抗の変化として現れる。これを利用することにより信号磁界を検出し、磁気情報を再生するようになっている。
【0040】
記録ヘッド部110Bは、図21および図22に示したように、上部シールド層121、記録ギャップ層141、ポールチップ142、コイル143、フォトレジスト層144、連結部145および上部磁極146を有している。
【0041】
記録ギャップ層141は、Al23やAlN等の絶縁材料からなり、上部シールド層121の上に形成される。この記録ギャップ層141は、XY平面におけるコイル143の中心部に対応する位置に磁路形成のための開口部141Aを有している(図21参照)。コイル143は、記録ギャップ層141上に、開口部141Aを中心として渦巻状の平面形状を有するように形成されている。さらに、コイル143を覆うようにフォトレジスト層144が所定のパターンに形成されている。ここで、フォトレジスト層144は、加熱処理によりキュアリングされている。なお、コイル143の各端末は、電極143S,143Eにそれぞれ接続されている。記録ギャップ層141上の、フォトレジスト層144に覆われたコイル143とABS100Fとの間にはポールチップ142が設けられている。また、開口部141Aを覆うように連結部145が設けられている。
【0042】
上部磁極146は、ポールチップ142、フォトレジスト層144および連結部145を覆うように、例えば、NiFe合金あるいは窒化鉄(FeN)等の高飽和磁束密度を有する磁性材料によって形成されている。上部磁極146は、ポールチップ142と連結部145とを磁気的に連結し、さらに連結部145を介して上部シールド層121と接触し、磁気的に連結している。なお、図示しないが、Al23等からなるオーバーコート層が記録ヘッド部110Bの上面全体を覆うように形成されている。
【0043】
このような構成を有する記録ヘッド部110Bは、コイル143に流れる電流により、主に上部シールド層121と上部磁極146とによって構成される磁路内部に磁束を生じ、これにより記録ギャップ層141の近傍に生ずる信号磁界によって磁気記録媒体を磁化し、情報を記録するようになっている。
【0044】
次に、薄膜磁気ヘッド110の製造方法について説明する。
【0045】
まず、図21および図22を参照して、薄膜磁気ヘッド110の製造方法の全容を説明する。
【0046】
最初に、基体100の上に、めっき法により、例えばNiFeからなる下部シールド層111を形成したのち、この下部シールド層111上に、スパッタリング法などにより下部ギャップ層112を形成する。次に、この下部ギャップ層112上に、MR膜パターン14となる多層膜を形成する。具体的には、スパッタリング等を用いて、いずれも図示しない下地層、ピンニング層、ピンド層、非磁性層、フリー層およびキャップ層とを順に積層する。続いて、フォトリソグラフィによるパターニングおよびイオンミリング等の処理を施し選択的に多層膜をエッチングすることでMR膜パターン114を形成する。こののち、MR膜パターン114を挟んで対向するように、下部ギャップ層112上に一対の磁区制御層115L,115Rを形成する。さらに、磁区制御層115L,115Rの上に、導電リード層116L,116Rを形成する。こののち、全体を覆うように、例えばスパッタリング法により上部ギャップ層120を形成する。最後に上部ギャップ層120の上に、例えばNiFeからなる上部シールド層121をめっき法により選択的に形成することで、再生ヘッド部110Aの形成が一応完了する。
【0047】
続いて、再生ヘッド部110Aの上に、記録ヘッド部10Bを形成する。
【0048】
具体的には、まず、スパッタリング法などにより、上部シールド層121上に記録ギャップ層141を選択的に形成したのち、この記録ギャップ層141を部分的にエッチングし、磁路形成のための開口部141Aを形成する。次に、記録ギャップ層141上のABS100F側にポールチップ142をめっき法により形成すると共に、開口部141Aを覆うように連結部145をめっき法により形成する。さらに、開口部141Aを中心として渦巻形状を有するコイル143を形成したのち、コイル143を覆うようにフォトレジスト層144を所定のパターンに形成し、加熱処理によりキュアリングする。フォトレジスト層144を形成した後、ポールチップ142と連結部145とを繋ぐように上部磁極146を選択的に形成する。これにより、記録ヘッド部110Bの形成が一応完了する。
【0049】
最後に、上部磁極146を含むすべての構造物を覆うように、図示しないオーバーコート層を形成する。こうして、再生ヘッド部110Aと記録ヘッド部110Bとを有する薄膜磁気ヘッド110の形成が完了する。
【0050】
続いて、図23〜図26を参照して、下部シールド層111および上部シールド層121の形成方法について詳細に説明する。なお、図23〜図26は、下部シールド層111および上部シールド層121を形成する際の各工程を表す平面図である。
【0051】
下部シールド層111を形成するにあたっては、まず、基体100の上面を覆うようにNiFeからなるめっき下地層(図示せず)を形成する。続いて、そのめっき下地層の全体を覆うようにレジスト層(図示せず)を形成したのち、フォトリソグラフィ処理を施すことにより、図23に示したような所定形状を有するレジストパターン113Aを形成する。
【0052】
レジストパターン113Aの形成と併せて、図23に示したような平面形状および配置状態を有するレジストパターン113B〜113Iを同時に形成する。レジストパターン13Aについては、レジストフレームとして下部シールド層111が形成されることとなる領域(以下、形成領域という。)R113Aを取り囲むように配置する。一方、補助パターンとしてのレジストパターン113B〜113Iについては、レジストパターン113Aを中心とした、互いに対称な位置に形成するとよい。図23では、レジストパターン113Bがレジストパターン113Iと、レジストパターン113Cがレジストパターン113Hと、レジストパターン113Dがレジストパターン113Gと、レジストパターン113Eがレジストパターン113Fとそれぞれ対称な位置に配置されている。さらに、レジストパターン113B〜113Iは、互いに同等の形状および寸法を有し、かつ、その一部がレジストパターン13Aの一部と同等の幅を有するようにすることが望ましい。ここで、単位領域R4から、レジストパターン113が占める領域と形成領域R113Aとを除いた領域を補助領域R113Bとする。したがって、形成領域R113Aと補助領域R113Bとを併せた領域がめっき領域R113となる。
【0053】
レジストパターン113を形成したのち、上記のめっき装置を用いてめっき処理を行い、NiFeからなるめっき層(図示せず)を、めっき領域R113を占めるように形成する。そののち、上記第1の実施の形態と同様にして、形成領域R113に形成された、めっき層およびめっき下地層からなる所定形状の下部シールド層111を得る(図24)。
【0054】
上部シールド層121についても、下部シールド層111と同様にして形成することができる。すなわち、上部ギャップ層120の上面を覆うようにNiFeからなるめっき下地層(図示せず)を形成したのち、図25に示したように、所定形状をなすレジストパターン117A〜117K(以下、総称してレジストパターン117という。)を所定の位置に配置する。レジストパターン117Aは、上部シールド層121が形成されることとなる領域(形成領域)R117Aを取り囲むように配置され、上部シールド層121の輪郭を規定するレジストフレームとして機能する。一方、レジストパターン117B〜117Kは補助パターンとして機能する。レジストパターン117を形成したのち、下部シールド層111と同様の手順により、形成領域R117に形成された、めっき層およびめっき下地層からなる所定形状の上部シールド層121を得る(図26)。
【0055】
ここでは、レジストパターン117の合計の占有面積が、レジストパターン113の合計の占有面積と等しくなるようにする。すなわち、形成領域R117Aと補助領域R117Bとを併せためっき領域R117の占有面積が、めっき領域R113の占有面積と等しくなるようにする。
【0056】
このように、本実施の形態では、レジストパターン113の合計の占有面積と、レジストパターン117の合計の占有面積とを等しくしたので、各階層のめっき層の電着面積が一定となる。したがって、電流値を変更することなく容易にめっき電流密度を一定に保つことができ、その結果、ほぼ同等の組成を互いに有する下部シールド層111および上部シールド層121を極めて効率的に形成することができる。
【実施例】
【0057】
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0058】
以下に述べる本発明の実施例(実施例1)では、上記実施の形態における第5の変形例(図20(A)〜(C))に相当する配置のレジストパターンを利用しためっき処理によって積層膜を作製した。
【0059】
具体的には、めっき基板として直径6インチのシリコン基板を用い、900μm×400μmの所定領域R1にNiFeからなるめっきパターンM1〜M3を、各々2μmの平均厚さを目標として形成するようにした。めっきパターンM1〜M3の各平面寸法は、後出の表1に示した通りである。また、間隙領域R2の幅は全て200μmとした。めっき下地層12については、スパッタリング法によって形成し、平均厚さが0.03μmとなるようにした。レジスト層の形成にあたっては、レジスト材料としてAZエレクトロマテリアルズ社製の「AZ5105P」を用い、これを塗布したのちに加熱処理を実施した(100℃で90秒間保持)。さらに、ニコン社製の露光装置「NSR−EX14C(DUV)」を用いて潜像部分の形成を行った。露光条件は、開口数NAを0.6、絞り(照明系の開口数NAとレンズのNAとの比)σを0.6とした。露光後の現像処理については、アルカリ水溶液(濃度2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)溶液)を用いて行った。レジストフレームとしての各レジストパターン13A,17A,18Aの幅W1は、20μmとした。単位領域R4に占めるめっき領域(R13,R17,R18)の面積の割合は、表1に示したように第1〜第3の階層L1〜L3の全てにおいて85.6%とした。めっき浴31としては、ニッケル(Ni)のワット(Watt)浴に鉄イオンを添加したものを用いた。補助領域R13B,R17B,R18Bに形成された不要なめっき層15については、塩化第2鉄液をエッチング溶液として用いたウェットエッチング法により除去した。さらに、各レジストパターンの除去は、アセトンまたはN−メチルピロリドン(NMP)によって実施した。
【0060】
以上のような条件で作製した実施例1および比較例1の積層膜について、微小部蛍光X線分析装置(日本電子株式会社製「JSM−6600F」)によって組成の確認を行った。ここでは、各めっきパターンM1〜M3の任意の5箇所におけるニッケル元素の平均の含有率を測定した。その結果を、製造条件と併せて表1に示す。また、補助パターンを全く形成せずに、レジストフレームのみを用いためっき処理によって作製した複数のめっきパターンを含む積層膜を、比較例1として表1に併せて掲載した。なお電源の設定電流については、実施例1では2.8A(アンペア)とし、比較例1では3.0Aとした。
【0061】
【表1】

【0062】
表1の結果、比較例1では、めっき領域の面積(電着面積)の減少に伴い、ニッケル成分の含有率も低下しているのに対し、実施例1では、めっき領域の面積(電着面積)を第1〜第3の階層において一定としたことにより、各めっきパターンのニッケル含有率が等しく(すなわちNiとFeとの組成比が等しく)なっていることが確認された。このように、本発明のめっき方法は、各層のめっきパターンの平面形状や占有面積が互いに異なる場合に有効なものであることがわかった。
【0063】
以上、いくつかの実施の形態および実施例(以下、実施の形態等)を挙げて本発明を説明したが、本発明は、これらの実施の形態等に限定されず、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態等では、めっきパターンM1〜M3を連続して積層する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、スパッタリング法など、めっき法以外の方法によって形成される任意の介在層を間に設けるようにしてもよい。その場合、介在層は金属層であってもよいし、絶縁層であってもよい。また、上記実施の形態等では、各階層に1つのめっきパターンを形成するようにしたが、同一階層に複数のめっきパターンを一括して作製するようにしてもよい。例えば図27に示した第6の変形例のように、矩形状の形成領域R19Aを取り囲むレジストフレーム19Aと、楕円形の形成領域R19Bを取り囲むレジストフレーム19Bとを同一階層に形成し、それらを利用して矩形状のめっきパターンと楕円形のめっきパターンとを一括して作製する場合にも本発明は適用可能である。
【0064】
また、上記実施の形態等では、めっきパターンにおける形状および面積の双方が各層間で互いに異なる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、めっきパターンの形状のみが各層間で互いに異なり、面積が同等である場合にも本発明は有効である。すなわち、各層のめっきパターンが互いに同等の面積を有していても著しく異なる形状をなしている場合には、めっき成長に違いにより、組成に大きな差異が生じるおそれがある。本発明では、各層のめっき層を、めっきパターン以外の他の部分を含むようにそれぞれ形成することで、各層のめっきパターンが相互に異なった形状であっても、それらの組成のばらつきを極めて小さく抑えることができる。
【0065】
また、上記実施の形態では、薄膜磁気ヘッドにおける同一組成からなる複数の磁気シールド層を形成する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、薄膜インダクタやコモンモードフィルタ、あるいは磁気メモリデバイス(MRAM:magnetic random-access memory)などの他の電子・磁気マイクロデバイスに含まれる各種めっきパターンの形成に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明における第1の実施の形態としての積層膜の形成方法に使用されるめっき装置の全体構成を表す概略断面図である。
【図2】図1に示した基板の構成を表す平面図およびその部分拡大図である。
【図3】図1に示しためっき装置を用いて形成される積層膜の断面構成を表す断面図である。
【図4】図3に示した積層膜における各めっきパターンの構成を表す平面図である。
【図5】図1に示しためっき装置を用いて図3に示した積層膜を形成する方法における一工程を表す断面図である。
【図6】図5に続く一工程を表す断面図である。
【図7】図6に続く一工程を表す断面図である。
【図8】図7に続く一工程を表す断面図である。
【図9】図8に示したレジストパターンの平面図である。
【図10】図8に続く一工程を表す断面図である。
【図11】図10に続く一工程を表す断面図である。
【図12】図11に続く一工程を表す断面図である。
【図13】図12に続く一工程を表す断面図である。
【図14】図13に続く一工程を表す断面図である。
【図15】図14に続く一工程を表す断面図である。
【図16】図9に示したレジストパターンの平面構成に関する第1の変形例である。
【図17】図9に示したレジストパターンの平面構成に関する第2の変形例である。
【図18】図9に示したレジストパターンの平面構成に関する第3の変形例である。
【図19】図9に示したレジストパターンの平面構成に関する第4の変形例である。
【図20】図9に示したレジストパターンの平面構成に関する第5の変形例である。
【図21】本発明における第2の実施の形態としての薄膜磁気ヘッドの製造方法によって形成される薄膜磁気ヘッドの構成を表す分解斜視図である。
【図22】図21に示した薄膜磁気ヘッドのXXI−XXI線に沿った矢視方向の構造を表す断面図である。
【図23】図21に示した薄膜磁気ヘッドを製造する方法における一工程を表す平面図である。
【図24】図23に続く一工程を表す断面図である。
【図25】図24に続く一工程を表す断面図である。
【図26】図25に続く一工程を表す断面図である。
【図27】図9に示したレジストパターンの平面構成に関する第6の変形例である。
【符号の説明】
【0067】
F1〜F3…共平面、M1〜M3…めっきパターン、R1…素子領域、R2…間隙領域、R3…矩形領域、R13…形成領域、1…積層膜、10…カソード電極組立体、10K…開口、11…基板、12…めっき下地層、13Z…レジスト層、13(13A〜13J)…レジストパターン、13K…潜像部分、14…フォトマスク、15…めっき層、16…レジストパターン、17(17A〜17I)…レジストパターン、18(18A〜18E)…レジストパターン、20…アノード電極組立体、21…アノード、22…シリンダ、23…支持部、30…めっき槽、31…めっき浴、32…底部、33…上部、50…支持体、110…薄膜磁気ヘッド、111…下部シールド層、121…上部シールド層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数層のめっきパターンを形成する方法であって、
各層ごとに、めっきパターンを含むめっき層を形成すると共に、
前記めっき層の電着面積が各層間で同等になるようにする
ことを特徴とするめっき方法。
【請求項2】
各層ごとに、
めっき下地層を形成する工程と、
前記めっき下地層の上にレジストフレームと補助レジストパターンとを形成する工程と、
前記レジストフレームおよび前記補助レジストパターンで覆われた領域以外の前記めっき下地層の上にめっき層を選択的に成長させるめっき成長工程と、
前記レジストフレームおよび前記補助レジストパターンを除去する工程と、
前記レジストフレームにより囲まれた領域に形成された前記めっきパターン以外のめっき層を除去する工程と
を含み、
前記レジストフレームおよび前記補助レジストパターンの合計面積を各層間で同等にする
ことを特徴とする請求項1に記載のめっき方法。
【請求項3】
前記めっきパターンの形状および面積の少なくとも一方が各層間で互いに異なる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のめっき方法。
【請求項4】
各層ごとのめっき成長工程において、互いに同じめっき浴を用いて各めっき層を形成する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のめっき方法。
【請求項5】
各層ごとのめっき成長工程において、互いに同じめっき浴を用いて同一の組成となるように各めっき層を形成する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のめっき方法。
【請求項6】
前記レジストフレームを中心とした対称な位置に前記補助レジストパターンを複数形成する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のめっき方法。
【請求項7】
前記レジストフレームおよび前記補助レジストパターンを、互いに同等の線幅となるように形成する
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のめっき方法。
【請求項8】
各層ごとの前記めっき層を、それぞれ複数のめっきパターンを含むように形成する
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のめっき方法。
【請求項9】
複数層のめっきパターンを含むマイクロデバイスを製造する方法であって、
各層ごとに、めっきパターンを含むめっき層を形成すると共に、
前記めっき層の電着面積が各層間で同等になるようにする
ことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−13801(P2008−13801A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−184786(P2006−184786)
【出願日】平成18年7月4日(2006.7.4)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】