説明

めっき槽

【課題】板状ワークを傷をつけたりすることなく安全に搬送でき、かつ均一なめっき品質及びめっき膜厚を達成できる処理槽を提供する。
【解決手段】遮蔽手段は、薄板基板Wの上端部および下端部に、次の4つの遮蔽板108、109、112、113を備えている。規制ローラ手段304は、ほぼ薄板基板Wの上部付近まで達する高さで下部基板遮蔽板108の上面に立設されたローラ立設体120と、外れ防止部材122とで構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気めっき装置などの表面処理装置においてプリント基板などの板状ワークを電気めっきする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまでの表面処理装置(プリント基板の電気めっき装置)では、板状ワークWを揺れが生じないようにラックに固定的に取り付けて、当該ラックを搬送しながら表面処理を施していた。しかし、ラックへの板状ワークWの取り付けが煩雑な作業であることや装置にかかる負荷が大きく装置が大型化することから、ラックレスタイプの表面処理装置が提案されている。
【0003】
このようなラックレスタイプの表面処理装置として、特開2002−363796号公報(特許文献1)などがある。この表面処理装置の構造について、図14、図15を用いて以下に説明する。図14は、表面処理装置300を上方からみた平面図である。図15は、図14に示す表面処理装置300をα方向から見た側面図である。
【0004】
図14および図15に示すように、表面処理装置300は、いわゆるプッシャー方式の表面処理装置であり、プリント基板などの板状ワークWを保持した搬送用ハンガー15を搬送するためのガイドレール10〜13を備えており、これらのガイドレールに沿って、めっき前処理工程を行うための前処理槽1、電気めっき工程を行うためのめっき槽2、めっき後処理工程を行うための回収槽3と水洗槽4、板状ワークWの取り外しを行うためのアンロード部5、剥離工程(ハンガー戻し工程)を行うための剥離槽6、ハンガー剥離後処理工程を行う水洗槽7、板状ワークの取り付けを行うロード部8が設けられている。
【0005】
図14に示す昇降ガイドレール10、12が降下することにより、板状ワークWが各処理槽(めっき槽2、剥離槽6、水洗槽、湯洗槽、クリーナ槽等)内に浸漬される。なお。図15に示す昇降ガイドレール10、12が降下した状態において、ガイドレール10〜13が1つの環状ガイドレールを構成する。
【0006】
図14,15に示す昇降ガイドレール12の降下によって、板状ワークWはめっき槽2の浸漬位置(図14の(x)位置)において処理液内に案内され、処理液に浸された板状ワークWは、めっき槽2を移動させられる。
【0007】
上記ラックレスタイプの表面処理装置300に用いられる搬送用ハンガー15は、図9に示すように、板状ワークWを保持するクランプ48を複数備えた被処理物保持部材47と、固定ガイドレール11に対して摺動接触する擢動部材35と、これらを連結する連結部材44を有している。搬送用ハンガー15は、当該クランプ48によって板状ワークWの上端部を保持する。
【0008】
ところで、上記のようなラックレスタイプの表面処理装置では、均一なめっき品質や均一なめっき膜厚を実現することを目的として、めっき槽内において板状ワークWの両側に配された噴出手段から、めっき液噴流を板状ワークWに向けて当てて処理している。しかし、ラックを用いないため、板状ワークWが搬送中に揺れて電極との距離が一定にならずめっき膜厚が不均一になったり、板状ワークWの端部へ電流が集中して板状ワークW端部のめっき膜厚が異常に厚くなったりすることがあった。
【0009】
このため、ラックレスタイプの表面処理装置では、板状ワークWの揺れを抑制すること、板状ワークWの端部に電流が集中しないようにすることが大きな課題となっている。
【0010】
そこで、上記特許文献1は、板状ワークWの前後端部への電流集中を防止するため、めっき槽2内において、前後の板状ワークWの距離を所定距離(例えば、5mm)になる位置まで早送りして間隔を調整することを行っている。また、めっき槽などの表面処理槽内に、板状ワークWの揺れを防止するテフロン(登録商標)製の線状体ガイドを設けたり、板状ワークWの端部への電流集中を防止する遮蔽板を設けるなどが行われている(特開2000−178784号公報(特許文献2)、特開2002−13000号公報(特許文献3))。
【0011】
更には、厚さが0.1mm以下であるようなプリント基板(以下、薄板基板という)を板状ワークとした場合には、各処理槽内への板状ワークWの浸漬を円滑に行うことを目的として、図16に示すような案内ガイド等が槽内に設けることが提案されている(特開2004−346391号公報(特許文献4))。
【0012】
特許文献4に示す案内ガイドは、薄板基板の降下位置に、一対の整流部材131(斜下降流板131a、131bからなる)を配設したものである。図16に示すように、斜下降流板131a、131bは、その上部側を略V字状に形成したものであり、斜下降流板131a、131bの上端部近傍に沿って噴出管132が設けられている。さらに、斜下降流板131a、131bの下部には、吸液管133が配設されており、吸液管133は吸引しためっき液を噴出管132から噴出させるものである。これにより、斜下降流板131a、131bから噴出し下方に向かう流れと共に、薄板基板を速やかに誘導することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2002−363796号
【特許文献2】特開2000−178784号
【特許文献3】特開2002−13000号
【特許文献4】特開2002−363796号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記のような従来の技術では、板状ワークWの前後端部の電流集中を防止することはできるが、めっき液の噴流によって均一な品質を達成しつつ、板状ワークWの上下両端部への電流集中を防止し、均一なめっき膜厚を達成することができないことがあった。
【0015】
例えば、特許文献2,3は、ルーバによってめっき液噴流を整流して均一なめっき品質にすることを図っているが、当該ルーバによって必要以上の電流遮蔽効果が働くことがあり、めっき効率が悪かったり、めっき品質が悪くなることがある。また、板状ワークWの下端部に遮蔽板を備えているが、電流のまわり込みが発生するなどして十分に電流遮蔽効果を得られない場合があり、板状ワークWの上端部及び下端部に電流が集中してめっき膜厚がばらつくおそれがある。
【0016】
更には、板状ワークWの揺れ防止のためにテフロン製線条体をガイドとして利用しているが、テフロン製線条体は、板状ワークWと接触して切れやすく、結果、板状ワークWの揺れを防止できないことがあった。また、切れないように当該テフロン製線条体に金属芯材を設けることもできるが、テフロン樹脂が剥がれて金属芯材が露出すると、当該露出した金属芯材に板状ワークWがあたって擦傷がついたり、金属芯材に付着しためっきが処理液中に混入し、めっき品質が悪くなることがあった。特に、板状ワークWが厚さが0.1mm以下の薄板基板の場合、上記めっき噴流によって容易に揺れやゆがみが生じやすく、板状ワークWと摺接しながら進むために擦傷が発生しやすい。
【0017】
この発明は、上記のような問題点を解決して、ラックレスタイプの電気めっきなどの表面処理装置(特に、プリント基板などの板状ワークを垂直状態に保持して搬送する電気めっき装置)において、プリント基板、特に厚さ0.1mm以下の薄いプリント基板などの板状ワークに対して傷をつけたりすることなく安全に搬送や浸漬ができ、かつ、均一なめっき品質及びめっき膜厚を達成できるめっき槽を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この発明の複数の独立した側面を以下に示す。
【0019】
(1)この発明のめっき槽は、板状ワークを電気めっきするためのめっき槽であって、
板状ワークの移動方向に延長して設けられ、処理液を保持した処理槽本体と、
陽極手段と、
処理槽本体の側面から上記板状ワークに向けて処理液を噴出する噴出手段と、
処理槽本体の内部において、移動する上記板状ワークを両側から挟むように、処理槽本体の上部から下部にわたり、かつ、上記板状ワークの進行方向に連続して、回転可能に設けられた複数のローラを有する規制ローラ手段と、
上記板状ワークの端部へ電流が集中するのを防止する電流遮蔽手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
したがって、規制ローラ手段によって板状ワークの直立性を維持している。また、ローラを用いているため、板状ワークに擦傷がつかない。これにより、均一な処理を可能としている。
【0021】
(2)この発明のめっき槽は、前記規制ローラ手段は、上下方向に複数のローラを配置したローラ立設体を、上記板状ワークの進行方向に複数個設けたものであり、前記噴出手段の噴出位置においては、隣接するローラ立設体の間隔を、他の部位よりも広くしたことを特徴とする。
【0022】
したがって、噴出手段によって板状ワーク(特に、厚さ0.1mm以下の薄い板状ワーク)に対して処理液を均一に与えるとともに、規制ローラ手段によって板状ワークの直立性を維持している。また、ローラを用いているため、板状ワークに擦傷がつかない。これにより、均一な処理を可能としている。
【0023】
(3)この発明のめっき槽は、前記噴出手段の噴出位置において、前記板状ワークの下端部付近に、移動する当該板状ワークを両側から挟むように基板端外れ防止部材を設けたことを特徴とする。
【0024】
したがって、板状ワーク(特に、厚さ0.1mm以下の薄い板状ワーク)の下端部における曲がりを適切に防止することができる。
【0025】
(4)この発明のめっき槽は、前記規制ローラ手段が配置される領域において、前記ローラを所定単位面積あたりに少なくとも1つ配置したことを特徴とする。
【0026】
したがって、板状ワーク(特に、厚さ0.1mm以下の薄い板状ワーク)の進行方向および上下方向の揺れやゆがみを防止でき、板状ワークと陽極間距離を一定に維持することができる。これにより、均一なめっき膜厚を得ることができる。
【0027】
(5)この発明のめっき槽は、前記規制ローラ手段は、上下方向に複数のローラを配置したローラ立設体を、前記板状ワークの進行方向に複数個設けたものであり、当該ローラ立設体における前記ローラの上下間隔を50〜100mmで配置したことを特徴とする。
【0028】
したがって、板状ワーク(特に、厚さ0.1mm以下の薄い板状ワーク)の上下方向の揺れやゆがみを防止でき、直立性を維持できる。これにより、板状ワークと陽極間距離を一定に維持することができ、均一なめっき膜厚を得ることができる。
【0029】
(6)この発明のめっき槽は、前記規制ローラ手段は、上下方向に複数のローラを配置したローラ立設体を、前記板状ワークの進行方向に複数個設けたものであり、当該ローラのうち、板状ワークの下端から50mmを超える高さに配置されるものは、ローラ立設体間相互において、ローラの上下位置を異ならせるように配置したことを特徴とする。
【0030】
したがって、ローラによって一定高さで電流遮蔽効果が働くのを防止することができる。これにより、めっきむらが発生するのを防止でき、均一なめっきが可能になる。
【0031】
(7)この発明のめっき槽は、前記電流遮蔽手段が、前記板状ワークの上端部へ電流が集中することを防止する上部遮蔽板、及び/又は、下端部へ電流が集中へ電流が集中することを防止する下部遮蔽板を備えることを特徴とする。
【0032】
したがって、板状ワークの上端部、下端部両方への電流集中を防止することができる。これにより、めっき膜厚を均一にすることが可能になる。
【0033】
(8)この発明のめっき槽は、前記上部遮蔽板および/又は下部遮蔽板が、前記板状ワークと前記陽極手段との間に、複数個配置された遮蔽板で構成され、
当該複数個配置された遮蔽板を、前記板状ワークとの重なりが、前記板状ワークに近いほど、小さくなるよう配置したことを特徴とする。
【0034】
したがって、1つだけの遮蔽板で発生する電流の回り込み現象を防止できる。これにより、電流遮蔽できる領域(捨て代)が小さい板状ワークであっても、めっき膜厚を均一にすることができる。また、電流値を下げずに電流遮蔽効果が十分に得られるので、生産性を高くできる。
【0035】
(9)この発明のめっき槽は、前記複数個配置された遮蔽板が、一体に構成され、昇降可能であることを特徴とする。
【0036】
これにより、板状ワークのサイズが変わっても、めっき膜厚を均一にすることができる。
【0037】
この発明は、以下に示すような独立した側面も有している。
【0038】
(a)この発明に係る板状ワーク浸漬装置は、板状ワークを処理液に浸潰させるための処理槽と、前記処理槽に降下する板状ワークを案内するための基板ガイドであって、所定の間隔を空けて平行に配置した下部ガイド板、鉛直上方に間隔が広くなるようテーパ状に配置し、切り欠き孔を設けた上部ガイド板、を備えており、上部基板ガイドの先端を液面から突出させ、かつ、前記切り欠き孔を処理液に浸漬させて配置した基板ガイドと、前記基板ガイドの外側に配置した液流発生器と、を備えたことを時徴とする。
【0039】
これにより、基板ガイド外側からの液流を切り欠き孔を通して基板ガイド内の下方に導くことが可能となり、基板ガイドに沿って円滑に板状ワークを案内することができる。特に、処理液が界面活性剤などの易発泡性の物質を含む酸性クリーナーの場合には、液面に生じた気泡によるめっき処理の品質低下を防止しつつ、円滑に板状ワークを案内することができる。
【0040】
(b)この発明に係る板状ワーク浸漬装置は、液流発生器が、噴流を前記切り欠き孔に向けて略水平方向に噴射するスパージャー又は処理槽内の略中間高さに配設された気泡発生管であることを特徴としている。
【0041】
これにより、基板ガイド内の液面に気泡を発生させない状態で、切り欠き孔に向けて略水平方向に噴射されたスパージャーからの液流を切り欠き孔を通して基板ガイド内の下方に導くことが可能となり、基板ガイドに沿って円滑に板状ワークを案内することができる。
【0042】
(c)この発明に係る板状ワーク浸漬装置は、液流発生器が、噴流を前記切り欠き孔の上部に向けて水平方向よりも上方に噴射するスパージャーであることを特徴としている。
【0043】
これにより、基板ガイド内の液面に気泡を発生させない状態で、噴流を前記切り欠き孔の上部に向けて水平方向よりも上方に噴射されたスパージャーからの液流を切り欠き孔を通して基板ガイド内の下方に導くことが可能となり、基板ガイドに沿ってより円滑に板状ワークを案内することができる。
【0044】
(d)この発明に係る板状ワーク浸漬装置は、液流発生器が、気体を上方に吐出する気泡発生管であることを特徴としている。
【0045】
これにより、基板ガイド内の液面に気泡を発生させない状態で、気体を上方に吐出する気泡発生管からの液流を切り欠き孔を通して基板ガイド内の下方に導くことが可能となり、基板ガイドに沿って円滑に板状ワークを案内することを簡単な構造で実現することができる。
【0046】
(e)この発明に係る板状ワーク浸漬方法は、所定の間隔を空けて平行に配置した下部ガイド板と、鉛直上方に間隔が広くなるようテーパ状に配置し、切り欠き孔を設けた上部ガイド板と、を備えた基板ガイドを用いて処理槽に降下する板状ワークを案内する板状ワーク浸漬方法であって、基板ガイドを構成する上部基板ガイドの先端を液面から突出させ、かつ、前記切り欠き孔を処理液に浸漬させて前記基板ガイドを配置し、前記基板ガイドの外側かつ処理液の液面下に配置した液流発生器により液流を発生させ、前記板状ワークを処理槽に降下して処理液に浸漬させたことを特徴としている。
【0047】
これにより、基板ガイド外側からの液流を切り欠き孔を通して基板ガイド内の下方に導くことが可能となり、基板ガイドに沿って円滑に板状ワークを案内することができる。特に、処理液がめっき処理液の場合には、液面に生じた気泡によるめっき処理の品質低下を防止しつつ、円滑に板状ワークを案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】めっき槽2(図14)のα−α断面を示す図である。
【図2】図1のβ方向から見ためっき槽2内の構造を示す図である。
【図3】図1のγ方向から見ためっき槽2の平面図を示す図である。
【図4】図1のβ方向から見たローラ立設体の詳細図である
【図5】外れ防止部材122(122a,122b)の詳細を示す図である。
【図6】基板浸漬装置600の構造を示す詳細図である
【図7】基板ガイド62の構造を示す斜視図である。
【図8】噴流ノズル64の詳細を示す図である。
【図9】搬送用ハンガー15の構造を示す図である。
【図10】搬送用ハンガー15の中央断面図である。
【図11】昇降ガイドレール10の上部に設けられる平面間欠搬送手段17の構造を示す平面図である。
【図12】位置決め搬送手段18の構造を示す図である。
【図13】基板浸漬装置の構造を示す図である。
【図14】表面処理装置300を上方からみた平面図である。
【図15】図14に示す表面処理装置300をα方向から見た側面図である。
【図16】従来の案内ガイドの構造を示す図である。
【図17】噴出手段302の構造を示す図である
【図18】遮蔽手段303を示す図である。
【図19】補強連結部材216を薄板基板Wの側から見た図である。
【図20】陽極102の構造を示す図である。
【図21】薄板基板Wと遮蔽板が重なる長さを表す図である。
【図22】ローラ立設体120の下部における構造を示す図である。
【図23】揺れを生じた基板Wを搬送方向から見た図である。
【図24】揺れを生じた基板Wをめっき槽の上方から見た図である。
【図25】ローラ立設体120の上端部の構造を示す図である。
【図26】ローラ116の数と搬送される薄板基板Wの所定面積との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
1.めっき槽
表面処理装置の基本的な構造は、図14、図15と同様である。図14は、表面処理装置300を上方からみた平面図である。図15は、図14に示す表面処理装置300をα方向から見た側面図である。
【0050】
図14および図15に示すように、表面処理装置300は、プリント基板などの板状ワークWを保持した搬送用ハンガー15を搬送するためのガイドレール10〜13を備えており、これらのガイドレールに沿って、めっき前処理工程を行うための前処理槽1、電気めっき工程を行うためのめっき槽2、めっき後処理工程を行うための回収槽3と水洗槽4、板状ワークWの取り外しを行うためのアンロード部5、搬送用ハンガー15に付着しためっきを剥離して落とす剥離工程(ハンガー戻し工程)を行うための剥離槽6、ハンガー剥離後処理工程を行う水洗槽7、板状ワークの取り付けを行うロード部8が設けられている。
【0051】
図14に示す昇降ガイドレール10、12が降下することにより、板状ワークWが各処理槽(前処理槽1、めっき槽2、水洗槽3、回収槽4や剥離槽6等)内に浸漬される。なお、図15に示す昇降ガイドレール10、12が降下した状態において、ガイドレール10〜13が1つの環状ガイドレールを構成する。
【0052】
図1に、この発明の一実施形態によるめっき槽2(図14)のα−α断面を示す。処理槽本体100(後述するオーバーフロー槽202、ドレン200含む)には、めっき液が充填されている。当該めっき液が充填された処理槽本体100内で処理される板状ワークである薄板基板Wは、搬送用ハンガー15のクランプ48に、その上端部が保持されてつり下げられている。搬送用ハンガー15が移動することにより、薄板基板Wも処理槽本体100内を移動する。
【0053】
処理槽本体100には、めっきする金属イオンを供給するための陽極手段301、薄板基板Wに向けてめっき液を噴出するための噴出手段302、薄板基板Wの端部に電流が集中しないよう電流を遮蔽する遮蔽手段303、薄板基板Wを挟むように配設され、薄板基板Wが処理槽本体100内を進行する時に直立した状態を保つ規制ローラ手段304が設けられている。なお、陽極手段301、噴出手段302、遮蔽手段303、規制ローラ手段304の具体的な構成については、以下に説明する。
【0054】
陽極手段301は、図1に示す、薄板基板Wの進行方向に沿って所定間隔をおいて多数設けられる一対の陽極102、104と、処理槽本体100に薄板基板Wの進行方向に沿って配設され上記陽極102,104とを懸架し通電する給電レール224とで構成されている。
【0055】
噴出手段302は、図1に示す、めっき液の圧力を均等化するエダクタボックス204と、陽極102、104よりも薄板基板Wに近い位置で薄板基板Wの両側からめっき液を薄板基板Wに向けて噴出するための一対のスパージャー106と、ドレン200またはオーバーフロー槽202から排出されためっき液をろ過フィルターでろ過処理した後、パイプ210を通してエダクタボックス204へ返すパイプ210および循環ポンプ208とで構成されている。
【0056】
遮蔽手段303は、図1に示す、次の4つの遮蔽板を備えている。薄板基板Wの下端部には、薄板基板Wの進行方向に沿って薄板基板Wと近接して対向した下部基板遮蔽板108が設けられている。一方、薄板基板Wの上端部付近には、同じく薄板基板Wの進行方向に沿って薄板基板Wと近接して対向した上部基板遮蔽板109が設けられている。また、陽極102とスパージャー106間、陽極104とスパージャー106間には、陽極102、104の下端部付近に下部電極遮蔽板112が、陽極102、104の上端部付近に上部電極遮蔽板113が、それぞれ薄板基板Wの進行方向に沿って、陽極102、104に近接して設けられている。また、遮蔽手段303は、薄板基板Wのサイズに応じて下部基板遮蔽板108と下部電極遮蔽板112の高さを調整する高さ調整手段220を有しており、図1において薄板基板Wの左側はサイズの大きい薄板基板Wに合わせて高さを低くした状態、右側はサイズの小さい薄板基板Wに合わせて高さを高く調節した状態を示す。
【0057】
規制ローラ手段304は、図1に示す、ほぼ薄板基板Wの上部付近まで達する高さで下部基板遮蔽板108の上面に立設されたローラ立設体120と、外れ防止部材122とで構成されている。規制ローラ手段304は、上記高さ調節手段220によって、下部基板遮蔽板108及び下部電極遮蔽板112と一緒に薄板基板Wのサイズに応じて高さが調節されるようになっている。
【0058】
ローラ立設体120は、下部基板遮蔽板108に立設されたシャフト114と、シャフト114の上下方向にわたって、回転可能に取付けられたローラ116を備えている。なお、ローラ116をシャフト114に固定し、シャフト114自体を回転可能にしてもよい。
【0059】
具体的には、図1のβ方向から見たローラ立設体の詳細図である図4に示すように、ローラ立設体120は、PP等の樹脂で成型されたローラ116、及び、上下のローラ116間に介在させることによって上下のローラ116同士の距離を調節する調節部材116eを、各々有する挿入孔にシャフト114を挿入して取付けてあり、シャフト114の上端付近において、上記ローラ116及び調節部材116eが外れないよう固定部材116gが取付けられている。
【0060】
ここで、固定部材116gは、図25に示すように、最上段のローラ116の上端に隙間(L70)をあけて取り付けられている。これにより、ローラ116は電気めっき液中で浮遊し、各ローラ116と調節部材116eが擦れるなどして回転不良が生じるのを防止し、薄板基板Wにローラ116との接触で擦傷が生じるのを防止している。
【0061】
図2に、図1のβ方向から見ためっき槽2内の構造を示す。薄板基板Wの進行方向Cにわたって、ローラ立設体120が多数設けられている様子がわかる。
【0062】
図3に、図1のγ方向から見ためっき槽2の平面図を示す。対向するローラ立設体120の間を薄板基板Wが搬送される。つまり、薄板基板Wは、ローラ立設体120のローラ116に規制されながら、まっすぐな状態(直立状態を保たれたまま)で搬送される。ところで、上記規制ローラ手段304は、薄板基板Wがまっすぐな状態(直立状態)を保つため、以下に説明するようにローラ立設体120及びローラ116を配置している。
【0063】
まず、ローラ立設体120の配置について説明する。対向するローラ立設体120は、図22に示すように、ローラ116と薄板基板Wとの距離L40が1〜5mmとなるように配置される(ここでは4mm)。1mm未満であると、薄板基板Wに対してローラ116が常に接触する状態となり、薄板基板Wの表面に擦傷が発生するおそれがある。また、5mmを超えると、薄板基板Wが上下方向においてゆがみを生じ(図23)、均一なめっき膜厚にならないおそれがある。
【0064】
また、この実施形態では、スパージャー106の位置(図4においてNとして示した)においては、ローラ立設体120の間隔L3を、他の部分の間隔L2より広くしている。この実施形態では、スパージャー106の位置Nでは、ローラ116の直径より大きな間隔L3を設けている。それ以外の位置では、ローラ116の直径より小さな間隔L2としている。これにより、スパージャー106から噴出されためっき液の噴流に対して、ローラ立設体120が障害となることを少なくし、有効にめっき液の噴流を薄板基板Wの表面に行き渡らせることができる。
【0065】
ただし、上記のように大きな間隔L3とすると、その部位において、スパージャー106からの噴流により薄板基板Wが曲がってしまい、ローラ立設体120間に折れ曲がった部分が入り込んでしまって搬送不良を起こしてしまうおそれがある。そこで、この実施形態では、ローラ立設体120の下端部に外れ防止部材122aを、中間高さに外れ部防止材122bを設けるようにしている。特に、薄板基板Wの下端が折れ曲がらないようにする外れ防止部材122aを下端部に設けることが重要である。
【0066】
図5に、外れ防止部材122(122a,122b)の詳細を示す。図5Aは上部から見た図であり、図5Bは側面から見た図である。図5Bから明らかなように、シャフト114の下端部(下部基板遮蔽板108の上面から0〜50mm、特に0〜20mmの範囲:ここでは5mm)に、外れ防止部材122aが固定されている。ローラ116が回転可能であるのに対し、この外れ防止部材122aは回転しない。また、図5Aに示すように、一対の外れ防止部材122aの間には、薄板基板Wの搬送空間124が設けられている。このようにして、スパージャー106の近傍において薄板基板Wの端部が曲がり、ローラ立設体120間にはまり込んだり、下部基板遮蔽板108から外れてしまったりすることを防止している。なお、外れ防止部材122bも外れ防止部材122aと同じ構造である。
【0067】
次にローラ116の配置について説明する。図26に示すように、10〜12本のローラ立設体120が配置される領域において、所定面積(例えば、100mm×100mm)あたりに少なくとも1つのローラ116が配置されている。ここで、ローラ立設体120が配置される領域とは、図26に示すように薄板基板Wの進行方向に沿って配置されたローラ立設体120を、当該進行方向に対して直行する方向から見た場合の配置領域をいう。当該領域において、薄板基板Wの揺れを規制するローラ116が薄板基板Wに対して所定面積において少なくとも1つ接触するように配置することで、薄板基板Wに生じる揺れを効果的に抑制している。所定面積を単位としてローラ116を配置するのは、薄板基板Wの揺れに、進行方向に向かっての揺れと上下方向の揺れとがあり、この両方の揺れを規制するためである。なお、所定面積は、最大で100mm×100mmとすることが好ましい。
【0068】
これにより、薄板基板Wがめっき液噴流によって、直立性を失って、図23や図24に示すように陽極102,104からの距離が変わり、その結果めっき膜厚がばらつくのを防止する他、薄板基板Wの先端部(進行方向に向かっての先端)が揺動して曲がることにより、ローラ立設体120の隙間にはまり、搬送不良を起こすことを防止することができる。なお、図24は、揺れを生じた薄板基板Wをめっき槽の上方から見た図である。
【0069】
また、ローラ立設体120における、ローラ116同士の上下設置間隔は、50〜100mmで配置している。ここで、上段設置間隔とは、ローラ116の円板部の上下間隔(図4に示すL30)をいう。50mm未満であると、ローラ116が薄板基板Wに対して電気的な遮蔽作用が働らいてしまい、めっき膜厚がばらついてしまうことがある。一方、100mmを超えてしまうと、ローラ116間で薄板基板Wが折れ曲がって直立性が失われ、図23に示すように、薄板基板Wが縦方向において陽極102、104との距離が局部的に変化してめっき膜厚がばらつくことがある。なお、図23は、揺れを生じた薄板基板Wを搬送方向から見た図である。
【0070】
さらに、図4に、ローラ立設体120の配置状態を示す。複数設けられたローラ立設体120の配置において、薄板基板Wの進行方向に向かって10〜12本のローラ立設体120を1つのユニットとして、各ローラ116の高さ方向の位置が互いに異なるように配置されている。たとえば、中央付近のローラ116aと同じ高さHに位置するローラは無いように配置されている。他のローラについても、同じ高さのものが2つ以上存在しないようにしている。これは、同じ高さにてローラ116に接触することによって、薄板基板Wのめっきに筋状の「むら」が生じるのを防いだり、ローラ116によって生じる薄板基板W表面での電気的かげが一定高さに作られ、そのかげとなった部分のめっき膜厚が薄くなってしまうことを防ぐためである。
【0071】
但し、下部基板遮蔽板108の上面から50mm以下であるローラ立設体120の下部では、ローラ116が同じ高さに位置することを許容している。ローラ立設体120の最下段のローラ116bは下部基板遮蔽板108の上面から50mm以下、特には20mm以下で設置している。これは、図23に示すように、めっき液噴流によって薄板基板Wの直立性が失われた場合、薄板基板Wの下端が高くなってしまうためであり、最下段では、できるだけ薄板基板Wの下端部に近接してローラ116を設け、薄板基板Wの下端部が下部基板遮蔽板108が形成する隙間から外れてしまうことを防止している。
【0072】
先にも述べたように、ローラ立設体120は下部基板遮蔽板108上に立設されており、下部基板遮蔽板108と一体に昇降する。これにより、薄板基板Wのサイズに応じて下部基板遮蔽板108の高さを調節しても、下部基板遮蔽板108とローラ立設体120の最下段のローラ116bやハズレ防止部材122aの位置関係は変化しないため、簡易な構造で、各種サイズの薄板基板Wに対して同じように機能させることができる。
【0073】
このように、この実施形態における規制ローラ手段304は、電気めっきの品質向上のために5つの要素を規制し、上記ローラ116の配置が決定されている。即ち、i)薄板基板Wの直立姿勢の維持、ii)ローラ116による電流遮蔽効果の抑制、iii)噴出手段によるめっき流噴流の効果の維持、iv)薄板基板Wがローラ立設体120の隙間にはまり込む等の搬送不良の防止、v)ローラ116による擦傷の発生防止を達成するためにローラ116等の配置が決定されている。
【0074】
具体的には、上記i)を達成するために、ローラ116を所定単位面積(例えば、100mm×100mm)に少なくとも1つ配置することを基本とし、更により効果的に薄板基板Wの縦方向のたわみを抑制するためにローラ116と薄板基板Wの間隔を1〜5っm(5mmよりも広くしない)に、上下のローラ116の間隔を50〜100mm(100mmよりも広くしない)とするようにしている。上記ii)を達成するためには、上下のローラ116の間隔を50〜100mm(50mmよりも狭くしない)とし、10〜12本のローラ立設体120相互間においてローラ116を同じ上下位置に設置しないようにしている。上記iii)を達成するために、スパージャー106の配置位置においてはローラ立設体120の間隔を他の部位よりも広くL3で配置している。上記iv)を達成するために、ローラ立設体120の下部では同じ高さ位置にローラ116が配されるのを許容し、上記間隔L3でローラ立設体120が配される位置に外れ防止部材122を配置し、ローラ立設体120はスパージャー106が配されない位置に置いてはローラ116の直径よりも狭いL2の間隔で配置している。最後に上記v)を達成するため、最上段のローラ116上端から隙間を空けて固定部材116gで固定して、めっき液中で円滑に回転できるようにし、またローラ116と薄板基板W間の距離が1〜5mm(1mmより狭くしない)としている。
【0075】
これらの各組み合わせは、規制したい要素によって適宜選択することができるが、すべてを備えることが好ましい。
【0076】
図17は、噴出手段302を示す図であり、陽極手段301、規制ローラ手段304および遮蔽手段303は省略されている。図17において、噴出手段302は、薄板基板Wに対してスパージャー106からめっき液噴流を吹き付けている。スパージャー106から噴出されためっき液は、ドレン200又はオーバーフロー槽202から処理槽本体100より排出され、ろ過フィルター209によってろ過処理が施された後、循環ポンプ208によりパイプ210を通してエダクタボックス204へ戻され、エダクタボックス204でめっき液の圧力が均等化された後、再びスパージャー106へ戻されて循環している。
【0077】
エダクタボックス204は、処理槽本体100の底面に薄板基板Wの進行方向に沿って複数個延設されており、図17に示すように、処理槽本体100の底板に対して高さ調節可能にボルト止めされている。エダクタボックス204の側壁には連通孔が設けられており、この連通孔を通して液流通可能なように、パイプ210が接続されている。また、エダクタボックス204には補強部材204aが取付けられており、循環ポンプ208から送られてくるめっき液の圧力によってエダクタボックス204が変形して、めっき液圧力を均等化できなくなることを防止している。
【0078】
スパージャー106は、図17に示すように、めっき液を噴出する噴流ノズル106aがノズル管106bに所定間隔をおいて複数個取付けられて構成されている。ノズル管106bがエダクタボックス204上に立設され、エダクタボックス204とノズル管106b下端とは液流通が可能に連通孔によって繋がっている。一方、ノズル管106bの上端は、薄板基板Wの進行方向に沿って取付けられたノズル固定部材212に設けられた孔に嵌合しており、めっき液を噴出する際に噴出圧力によってスパージャー106が薄板基板Wと反対方向に傾斜したり(倒れたり)、振動したりすることを防止し、薄板基板Wに対するめっき液噴流が一定になるようにしている。
【0079】
噴流ノズル106aは、図17に示すように、薄板基板Wの右側と左側のスパージャー106とで設置する高さが交互になっている。これは、薄板基板W表面においてめっき液噴流圧に差を生じさせ、薄板基板Wに設けられたスルホール内の液流通を効果的実現するためである。
【0080】
図18は、遮蔽手段303を示す図であり、陽極手段301および噴出手段302の一部を省略している。図18に示すように、遮蔽手段303は、上部基板遮蔽板109、上部電極遮蔽板113、下部基板遮蔽板108、回転機構150を有する下部電極遮蔽手段112、下部基板遮蔽板108と下部電極遮蔽板112とを一体となるよう接続するプレート110および補強連結部材216、下部基板遮蔽板108と下部電極遮蔽板112とを一体で昇降させる高さ調節手段220、および、高さ調節時に下部基板遮蔽板108と下部電極遮蔽板112とをガイドする案内台214および支柱155とで構成されている。
【0081】
上部基板遮蔽板109、上部電極遮蔽板113は、図18に示すように、ノズル固定部材212に取り付けられている。上部基板遮蔽板109、上部電極遮蔽板113ともに、図面上下方向の長孔を有し、当該長孔を通してノズル固定部材212にボルト止めされており、各々図面上下方向に高さが調節可能になっている。
【0082】
このように上部基板遮蔽板109と上部電極遮蔽板113とを併用するのは、薄板基板Wの基板端から1〜5mmという微小領域に対して効果的に電流遮蔽を行うためである。上部基板遮蔽板109により薄板基板Wの上端部への電流集中を局所的に制御するとともに、上部基板遮蔽板109によって制御しきれない電流が薄板基板Wの上端付近にまわり込まないよう上部電極遮蔽板113によって制御している。
【0083】
また、この実施形態では、図18に示すように、薄板基板Wの下端部への電流集中を効果的に防止するため、基板下端部の遮蔽板として下部基板遮蔽板108および下部電極遮蔽板112を有している。下部基板遮蔽板108と下部電極遮蔽板112を併用するのは、上記上部基板遮蔽板109と上部電極遮蔽板113とを設けた理由と同じである。
【0084】
ここで、上記遮蔽板108と112及び109,113は、薄板基板Wとの距離が短くなるほど、薄板基板Wの端からの重なり(図21に示す薄板基板Wと遮蔽板が重なる長さ:以下、「かぶり値」という)L60が小さくなるように設定される。例えば、図21に示すように、薄板基板Wとの距離が短い下部基板遮蔽板108の方が、下部電極遮蔽板112よりもかぶり値は大きく設定される。
【0085】
また、基板遮蔽板108,109は、薄板基板Wからの距離L50(図22)が1〜50mmの範囲で設置されることが好ましい。これにより、めっきに必要な通電量を低下させる(めっき効率が低下する)ことなく、薄板基板W端部への電流集中を効果的に防止できる。
【0086】
具体的には、上部基板遮蔽板109は、薄板基板Wの上端部に対して、1〜15mm(ここでは、10mm)で重なるように設置され、上部電極遮蔽板113は薄板基板Wの上端部に対して10〜60mm(ここでは、50mm)で重なるように設置されている。また、上部基板遮蔽板109(L字状の底辺先端)は、薄板基板Wから25mmの距離に設置されている。
【0087】
一方、下部基板遮蔽板108は薄板基板Wの下端部に対して1〜10mm(ここでは、5mm)で重なるように高さが設定されている。また、下部電極遮蔽板112は、薄板基板の下端部に対して50〜75mm(ここでは、65mm)で重なるように高さが設定されている。また、下部基板遮蔽板108は、薄板基板Wから4mmの距離に設置されている。
【0088】
ところで、上記基板遮蔽板と電極遮蔽板のかぶり値の設定が変われば、電流遮蔽効果も変わってしまう。そのため、薄板基板Wのサイズが変更されても、基板遮蔽板と電極遮蔽板のかぶり値が変わらないよう、上述のように下部基板遮蔽板108及び下部電極遮蔽板112は、高さ調節手段220によって高さが一体に調整可能となっている。
【0089】
図18において、下部基板遮蔽板108はプレート110上に取付けられており、当該プレート110は補強連結材216を介して下部電極遮蔽板112と接続され、下部電極遮蔽板112と下部基板遮蔽板108が一体化されている。なお、補強連結材216は、下部基板遮蔽板108の上面にも固定されており、プレート110のゆがみ(たわみ)発生を防止している。
【0090】
処理槽本体100の底板には、図18に示すように、上記下部電極遮蔽板112を案内する案内台214が、その下方に上記エダクタボックス204を収容するように取付けられている。案内台214の上面には、支柱155が立設されており、当該支柱155の上端はノズル固定部材212にボルト止めされている。この案内台214の側面に対して、上記下部電極遮蔽板112が縦方向の長孔を介して上下移動可能にボルト止めされるとともに(図示せず)、上記支柱155に対して、下部電極遮蔽板112に設けられた回転機構150がローラ150aを介して上下移動可能に係合している。このように、下部電極遮蔽板112が案内台214および支柱155によってガイドされることによって、高さ調節手段220による高さ調節時に、下部基板遮蔽板108、下部電極遮蔽板112およびローラ立設体120が一体となってガイドされるようになっている。
【0091】
図18において、高さ調節手段220は、駆動モータ220a、プーリー220b、連結ワイヤ220c、駆動ベルト220dとで構成されており、連結ワイヤ220cの一端はプーリー220bに固着されており、他端は補強連結部材に接続されている。駆動モータ220aの駆動によって、ワイヤ220cがプーリー220bに巻き取られることで、下部基板遮蔽板108、下部電極遮蔽板112およびローラ立設体120が一体となって上昇する。
【0092】
図19は、補強連結部材216を薄板基板Wの側から見た図である。連結ワイヤ220cは、図19に示すように、ワイヤジョイント218を介して補強連結部材216上面に接続されている。
【0093】
図20は、陽極102の構造を示す図である。陽極手段301を構成する陽極102は、銅ボールなどのめっき金属材料を収容するアノードケース102aを有し、アノードケース102aの側面には、取手102dが取付けられており、取手102dの下端部に、アノードケース102aを図1に示す給電レール224に取付けるための鉤102eが設けられている。取手102dの上端はほぼ開口部102bに達する高さになっている。また、アノードケース102aの上部開口部102bには、棒ガイド102cが4本(2本は図中紙面奥手方向に重なって見えていない)等間隔に取付けられている。棒ガイド102cの上端は、処理槽本体100の蓋100aに設けられた、めっき金属材料を投入するための投入孔100b近傍まで延びている。なお、100cは投入孔100bのキャップである。
【0094】
めっき作業を続けていると、アノードケース102aにめっき金属材料を補給する必要が生じる。棒ガイド102cの存在により、めっき金属材料が投入孔100bから投入される際にアノードケース102a内へ収容されず、処理槽本体100へ落ちることが防止される。
【0095】
また、めっき作業を続けていると、アノードケース102aを取り外してメンテナンス(洗浄)を行う必要が生じる。ところで、めっき金属材料の不足を回避するため、過剰にめっき金属材料を投入しておく(開口部102bから溢れるほどめっき金属材料を投入しておく)ことがあり、従来は投入孔100bに筒状ガイドを嵌めておき、処理槽本体100内へめっき金属材料が落下することを防止していた。しかし、筒状ガイドを用いた場合、過剰に投入していためっき金属材料を取り除くことが困難であり、メンテナンスの際にアノードケース102aを取り外す作業に手間がかかっていた。棒ガイド102cとすることで、過剰に投入していためっき金属材料を投入孔100bから容易に取り除くことができるため、メンテナンスの際にアノードケース102aを容易に取り外すことができる。
【0096】
2.基板浸漬装置
上記実施形態のめっき槽2において、薄板基板Wを浸漬させる基板浸漬部2a(図15を参照)には、基板浸漬装置が設けられている。基板浸漬装置の構造について、図13を用いて説明する。なお、図13Aは、図14の(x)位置において基板が降下した状態を示す基板浸漬装置600の断面図であり、図13Bは、図13Aに示す基板浸漬装置600を上方から見た図である。
【0097】
図13Aに示すように、基板浸漬装置600は、薄板基板Wを浸漬させるめっき液を貯めた処理槽本体60と、前記処理槽本体60に降下する薄板基板Wを案内するための基板ガイド62、前記基板ガイド62の外側に配置した液流発生器である気泡発生管68を備えている。
【0098】
基板ガイド62は、図13Aに示すように、所定の間隔tを空けて平行に配置した下部ガイド板62a、鉛直上方に間隔が広くなるようテーパ状に配置し、切り欠き孔であるスリット62cを設けた上部ガイド板62b、エア攪拌によって発生する液流が拡散して弱まらないようにする整流板62dとを備えている。また、基板ガイド62は、図13Aに示すように、上部ガイド板62bの先端62eを液面から突出させ、かつ、前記切り欠き孔62cをめっき液に浸漬させて配置されている。図7は、基板ガイド62の構造を示す斜視図である。
【0099】
液流発生器である気泡発生管68は、図13Aに示すパイプ66からエアの供給を受けて、エアを上に向けて吐き出す。これにより、エアが上昇するのに伴いその周囲のめっき液が上昇していくにつれ、整流板62dで区切られた外側のめっき液が整流板62d下端部から流入することで、めっき液の上昇流が発生し、上昇しためっき液はスリット62cを通り、次いで下部ガイド62a間を下に向かう液流となって整流板62dの下端部から再び流入して循環液流が発生していると考えられる。そのため、基板ガイド62に沿って円滑に薄板基板Wを案内して浸漬させることができる。なお、実験結果としては、スリット62cと同じ高さや整流板62dの下端部付近に気泡発生管68を配設するよりも、気泡発生管68は、処理槽本体60の深さ方向において中央付近に配設した際により円滑に案内できた。また、同じく実験結果としては、下部ガイド62aにスリット62cを設けるよりも、上部ガイド62bにスリット62cを設けた方が、より円滑に薄板基板Wを案内できた。
【0100】
以上のような構成により、基板ガイド62を、上部ガイド62bの先端62eを液面から突出させ、かつ、スリット62cを下部ガイド62aにめっき液に浸漬する位置で配置した状態で、基板ガイド62の外側に配置した液流発生器により液流を発生させ、薄板基板Wをめっき液に円滑に浸漬させることができる。
【0101】
なお、上記図13では、めっき槽2の基板を浸漬するところに基板浸漬装置を配置し、液流発生器として気泡発生管68を用いたが、薄板基板Wのスルホールやビアホール内の処理効果を高める場合、或いは、発泡を避けたい前処理槽1における酸洗クリーナー処理を行う場合には、例えば、図6Aに示すように、液流発生器として噴流ノズル64を用いることができる。この場合、噴流ノズル64からは噴流をスリット62cに向けて略水平方向に噴射する。これにより、スリット62cを通り、次いで下部ガイド62b間を下に向かう液流が発生し、基板ガイド62に沿って円滑に薄板基板Wを案内して浸漬させることができる。
【0102】
なお、実験結果としては、直接スリットに向けて噴流を噴射するよりも、図8に示すようにスリットの上部Rに向けて噴射した際に、より円滑に薄板基板Wを案内することができた。図8では、噴流を水平面に対して上向き噴射している。
【0103】
噴流ノズル64aは、図6Bに示すように、搬送用ハンガー15の進行方向(D方向)に等間隔に複数配置され、また、図6Aに示すように、基板ガイド62の切り欠き孔62bと同じ高さに固定して配設される。
【0104】
また、液面上において、基板ガイド62外側近傍にエアの噴出し方向が基板ガイドと反対側に向くようエアブローを設けて、気泡発生管68に吐き出されたエアが液面上で泡となる前に吹き飛ばすようにしてもよい。これによって、薄板基板W表面に泡が付着することを防止し、処理液による処理効果を十分に得ることができる。
【0105】
上記実施形態では、めっき槽に適用した場合について説明したが、その他の洗浄処理などを行う処理槽についても適用することができる。
【0106】
3.表面処理装置および搬送用ハンガーの構造
図14および図15に示すように、表面処理装置300は、プリント基板などの薄板基板Wを保持した搬送用ハンガー15を搬送するためのガイドレール10〜13を備えており、これらのガイドレールに沿って、めっき前処理工程を行うための前処理槽1、電気めっき工程を行うためのめっき槽2、めっき後処理工程を行うための回収槽3と水洗槽4、板状ワーク(薄板基板)Wの取り外しを行うためのアンロード部5、搬送用ハンガー15に付着しためっきを剥離除去する剥離工程(ハンガー戻し工程)を行うための剥離槽6、ハンガー剥離後処理工程を行う水洗槽7、板状ワーク(薄板基板)Wの取り付けを行うロード部8が設けられている。
【0107】
図5に示す昇降ガイドレール10、12は、搬送用ハンガー15に板状ワーク(薄板基板)Wの取り付け、取り外しを行ったり、板状ワーク(薄板基板)Wを槽(前処理槽1、めっき槽2、水洗槽4や回収槽4等)内に浸漬等する際に昇降するガイドレールである。固定ガイドレール11、13は、それぞれめっき槽2、剥離槽6に降下した搬送用ハンガー15を搬送するために固定されたガイドレールである。
【0108】
図9などを用いて、この発明の搬送用ハンガー15の構造について説明する。
【0109】
図9に示すように、搬送用ハンガー15は、板状ワーク(薄板基板W)を保持するクランプ48を複数備えた被処理物保持部材47と、固定ガイドレール11に対して摺動接触する擢動部材35と、これらを連結する連結部材44を有している。摺動部材35および連結部材44の材質としては、銅、真ちゅうなどが用いられる。
【0110】
図9に示す被処理物保持部材47の幅長さL0は、板状ワークW(薄板基板W)の幅長さW0と挟みしろW1に基づいて算出する。例えば、図9に示すように、板状ワークW(幅長さW0)の両端に挟みしろW1を設ける場合、被処理物保持部材47の幅長さL0は、L0=W0−2×W1で算出する。
【0111】
また、図10に示すように、摺動部材35の上部にはチェーンベルト39(図14に示す固定ガイドレール搬送手段19を構成)に噛み合うワンウェイクラッチ方式のギア40を有する軸受け36が固着されている。このため、固定ガイドレール11、13上でチェーンベルト39に噛み合うギヤ40は、前送り時などにおいて図9に示すB方向へのみ回転することができる。
【0112】
図9に示すプッシャー当接面37は、搬送用ハンガー15の搬送手段である間欠搬送手段17、22のプッシャー16、21(図11)が当接する部分である。
【0113】
図10の爪当接部32は、搬送用ハンガー15の搬送手段である位置決め搬送手段18の搬送爪27(図14)が当接する部分である。これら搬送用ハンガー15の各搬送手段について、以下に説明する。
【0114】
4.搬送用ハンガー15の各搬送手段
図9に示す搬送用ハンガー15は、表面処理装置300において、以下の間欠搬送手段17、22、位置決め搬送手段18、23、固定ガイドレール搬送手段19、24、および送り出し搬送手段20、25によって搬送される。
【0115】
まず、図15に示す昇降ガイドレール10、12の上部に設けられた間欠搬送手段17、22は、それぞれ昇降ガイドレール19の(c)〜(f)、(h)〜(k)の位置にある搬送用ハンガー15をプッシャー16a〜16d、21a〜21dによって(図11)で1ピッチずつ間欠搬送する。図11は、昇降ガイドレール10の上部に設けられる間欠搬送手段17の構造を示す平面図である。
【0116】
図15に示す位置決め搬送手段18は、固定ガイドレール11に沿って設けられ、めっき槽2の上方の(x)位置から被処理物浸漬部(基板浸漬部)2a内へ下降した搬送用ハンガー15(図15を参照)を、固定ガイドレール11に移し換えて(b)の位置まで前送りすると共に、めっき槽2内での板状ワークW(薄板基板W)とその前(図6の左側)の(a)位置の板状ワークW(薄板基板W)との間隔を所定の幅L1(例えば、L1=5mm)に調整する。
【0117】
図12に、位置決め搬送手段18の構造を示す。図12に示す位置決め搬送手段18は、固定ガイドレール11に沿って別途設けられたレールに沿ってX、Y方向に前後移動が可能であり、図12Aに示す状態でばねによってZ方向に付勢される搬送爪31を有する。これにより、搬送用ハンガー15を搬送する際には、まずX方向に移動する際にはばねが縮んで図10に示す爪当接部32上(図12Bの状態)を通過した後、逆方向(図12CのY方向)に移動して搬送爪31が搬送用ハンガー15の爪当接部32を引掛けて、搬送用ハンガー14を図14に示すC方向に搬送する。このとき、位置決め搬送手段18の移動速度は、固定ガイドレール搬送手段19で搬送される前の搬送用ハンガー15に追いつくように、固定ガイドレール搬送手段19の移動速度(つまり、チェーンベルト39の移動速度)よりも速いことが必要である。なお、剥離槽6側の位置決め搬送手段23も、図12に示す上記めっき槽2側の位置決め搬送手段13と同様の構造および動作を行う。
【0118】
固定ガイドレール搬送手段19、24は、位置決め搬送手段18、23で前送りされた搬送用ハンガー15を、所定の間隔(図6のL1)を維持しつつ(図14の矢印Cの方向)へ搬送する。
【0119】
送り出し搬送手段20、25は、固定ガイドレール搬送手段19、24でそれぞれ(g)、(o)位置まで搬送された搬送用ハンガー15を、それぞれ昇降ガイドレール12、10の(h)、(f)位置に送り出して移し換える(図14)。なお、送り出し搬送手段20、25の構造および動作は、図12に示す位置決め搬送手段18と同じである。
【0120】
5.その他の実施形態
また、上記実施形態では、薄板基板Wに対する遮蔽板として上部(下部)基板遮蔽板と上部(下部)電極遮蔽板の2つの遮蔽板を備えていたが、基板遮蔽板と電極遮蔽板の間に、更に遮蔽板を加えてもよい。
【0121】
また、上記実施形態では、上部基板遮蔽板と上部電極遮蔽板とを別個独立に昇降させるようにしたが、これらを一体的に昇降させるような機構としてもよい。
【符号の説明】
【0122】
1・・・・前処理槽
2・・・・めっき槽
3・・・・回収槽
4、7・・・・水洗槽
5・・・・アンローダー
6・・・・剥離槽
8・・・・ローダー
10、12・・・・昇降ガイドレール
11、13・・・・固定ガイドレール
15、15・・・・搬送用ハンガー
17、22・・・・間欠搬送手段
18、23・・・・位置決め搬送手段
19、24・・・・固定ガイドレール搬送手段
20、25・・・・送り出し搬送手段
60・・・・処理槽本体
62・・・・基板ガイド
64・・・・液流発生器(噴流ノズル)
66・・・・パイプ
68・・・・液流発生器(エア吐出管)
100・・・・処理槽本体
102、104・・・陽電極
108・・・下部基板遮蔽板
109・・・上部基板遮蔽板
111・・・上部電極遮蔽板
112・・・下部電極遮蔽板
114・・・シャフト
116・・・ローラ
120・・・ローラ立設体
151・・・昇降ユニット
300・・・表面処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状ワークを電気めっきするためのめっき槽であって、
板状ワークの移動方向に延長して設けられ、処理液を保持した処理槽本体と、
陽極手段と、
処理槽本体の側面から上記板状ワークに向けて処理液を噴出する噴出手段と、
処理槽本体の内部において、移動する上記板状ワークを両側から挟むように、処理槽本体の上部から下部にわたり、かつ、上記板状ワークの進行方向に連続して、回転可能に設けられた複数のローラを有する規制ローラ手段と、
上記板状ワークの端部へ電流が集中するのを防止する電流遮蔽手段と、
を備えたことを特徴とするめっき槽。
【請求項2】
前記規制ローラ手段は、上下方向に複数のローラを配置したローラ立設体を、上記板状ワークの進行方向に複数個設けたものであり、前記噴出手段の噴出位置においては、隣接するローラ立設体の間隔を、他の部位よりも広くしたことを特徴とする請求項1記載のめっき槽。
【請求項3】
前記噴出手段の噴出位置において、前記板状ワークの下端部付近に、移動する当該板状ワークを両側から挟むように基板端外れ防止部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のめっき槽。
【請求項4】
前記規制ローラ手段が配置される領域において、前記ローラを所定単位面積あたりに少なくとも1つ配置したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のめっき槽。
【請求項5】
前記規制ローラ手段は、上下方向に複数のローラを配置したローラ立設体を、前記板状ワークの進行方向に複数個設けたものであり、当該ローラ立設体における前記ローラの上下間隔を50〜100mmで配置したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のめっき槽。
【請求項6】
前記規制ローラ手段は、上下方向に複数のローラを配置したローラ立設体を、前記板状ワークの進行方向に複数個設けたものであり、当該ローラのうち、板状ワークの下端から50mmを超える高さに配置されるものは、ローラ立設体間相互において、ローラの上下位置を異ならせるように配置したことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のめっき槽。
【請求項7】
前記電流遮蔽手段が、前記板状ワークの上端部へ電流が集中することを防止する上部遮蔽板、及び/又は、下端部へ電流が集中することを防止する下部遮蔽板を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のめっき槽。
【請求項8】
前記上部遮蔽板および/又は下部遮蔽板が、前記板状ワークと前記陽極手段との間に、複数個配置された遮蔽板で構成され、
当該複数個配置された遮蔽板を、前記板状ワークとの重なりが、前記板状ワークに近いほど、小さくなるよう配置したことを特徴とする請求項7記載のめっき槽。
【請求項9】
前記複数個配置された遮蔽板が、一体に構成され、昇降可能であることを特徴とする請求項8記載のめっき槽。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−94242(P2011−94242A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31159(P2011−31159)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【分割の表示】特願2005−323028(P2005−323028)の分割
【原出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(000189327)上村工業株式会社 (101)
【Fターム(参考)】