説明

めっき遮蔽器具及びそれを具備しためっき装置

【課題】本発明はめっき遮蔽器具及びそれを具備しためっき装置に関する。
【解決手段】本発明のめっき遮蔽器具は、穴が形成された遮蔽部材と、上記遮蔽部材に回転可能に設置されて上記穴のサイズを調節する開閉手段と、を含むことができる。さらに、本発明のめっき装置は、めっき対象物が収容されるめっき浴槽と、穴が形成された遮蔽部材と、上記遮蔽部材に回転可能に設置されて上記穴のサイズを調節する開閉手段と、を含み、上記めっき浴槽に設置されるめっき遮蔽器具と、めっき対象物のサイズに応じて上記穴のサイズが調節できるように、上記開閉手段を制御する制御手段と、を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき遮蔽器具及びそれを具備しためっき装置に関するもので、より詳細には、めっき対象物のサイズに応じて遮蔽サイズが調節できるめっき遮蔽器具及びそれを具備しためっき装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プローブカード(probe card)とは、半導体の良否を検査するために、半導体チップとテスト装備とを連結させる装置である。プローブカードは、多数のプローブ針を含み、プローブ針を通じてウェハと接触し、不良半導体チップを検査する。
【0003】
プローブカードは、一般的に低温同時焼成セラミック(LTCC、Low Temperature Co−fired Ceramics)で製作され、めっき装置によってめっきされる。
【0004】
一般的にプローブカードのめっきは、めっき浴槽にプローブカードを入れた状態で陽極部材からプローブカードへ電流を流し、プローブカードの表面にめっき層を形成する方式で行われる。
【0005】
ここで、プローブカードに形成されるめっき層は、電流密度によって異なって形成されるため、通常のめっき工程ではプローブカードと陽極部材との間に遮蔽部材が設置される。
【0006】
プローブカードは、ウェハの種類、回路構成、適用範囲等により、それぞれ異なるサイズで製作されるため、めっき工程で用いられる遮蔽板もプローブカードの種類(めっきパターン)及びサイズに応じて異ならなければならず、それぞれのプローブカードに合う遮蔽板を別途に製作しなければならない。
【0007】
しかしながら、遮蔽板をプローブカードによって個別に製作すると、プローブカードの製作原価が上昇するのみならず、遮蔽部材の交替作業に別途の時間が所要されるため、プローブカードの生産効率が低下する問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解決するためのもので、めっき対象物に一定の厚さのめっき層が形成できるめっき遮蔽器具及びそれを具備しためっき装置を提供するのにその目的がある。
【0009】
さらに、本発明は、プローブカードのサイズに応じてめっき遮蔽器具の開放比率が調節できるめっき遮蔽器具及びそれを具備しためっき装置を提供するのに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明の一実施例によるめっき遮蔽器具は、穴が形成された遮蔽部材と、上記遮蔽部材に回転可能に設置されて上記穴のサイズを調節する開閉手段と、を含むことができる。
【0011】
本発明の一実施例によるめっき遮蔽器具の上記開閉手段は、上記穴を中心に円形配置される多数の開閉部材であることができる。
【0012】
本発明の一実施例によるめっき遮蔽器具において多数の上記開閉部材は、同時に回転運動することができる。
【0013】
本発明の一実施例によるめっき遮蔽器具の上記開閉手段は、多数の開閉部材と上記開閉部材とを回転させる駆動手段を含むことができる。
【0014】
本発明の一実施例によるめっき遮蔽器具の上記駆動手段は、上記開閉部材とそれぞれ結合する第1ギアと、上記第1ギアを回転させる第2ギアと、を含むことができる。
【0015】
本発明の一実施例によるめっき遮蔽器具の上記第1ギアは遊星ギアであり、上記第2ギアは内接ギアであることができる。
【0016】
本発明の一実施例によるめっき遮蔽器具の上記開閉手段は、第1方向に移動する一対の第1開閉部材と、上記第1方向と垂直な第2方向に移動する一対の第2開閉部材と、を含むことができる。
【0017】
本発明の一実施例によるめっき遮蔽器具の上記開閉手段は、上記第1開閉部材にはカム溝が形成され、上記第2開閉部材には上記カム溝に嵌合される突起が形成されて上記第1開閉部材と上記第2開閉部材との開閉運動が一体で行われることができる。
【0018】
上記目的を達成させるための本発明の一実施例によるめっき装置は、めっき対象物が収容されるめっき浴槽と、穴が形成された遮蔽部材と、上記遮蔽部材に回転可能に設置されて上記穴のサイズが調節できる開閉手段と、を含み、上記めっき浴槽に設置されるめっき遮蔽器具と、めっき対象物のサイズに応じて上記穴のサイズが調節できるように上記開閉手段を制御する制御手段と、を含むことができる。
【0019】
本発明の一実施例によるめっき装置は、めっき対象物のサイズを感知し、感知された信号を上記制御手段に送出する感知手段をさらに含むことができる。
【0020】
本発明の一実施例によるめっき装置の上記制御手段は、上記穴の開放比率がめっき対象物の表面積に対して60〜65%になるように上記開閉手段を制御することができる。
【0021】
本発明の一実施例によるめっき装置の上記制御手段は、上記穴の開放比率がめっき対象物のめっき面積に対して60〜65%になるように上記開閉手段を制御することができる。
【0022】
本発明の一実施例によるめっき装置の上記開閉手段は、上記穴を中心に円形配置される多数の開閉部材であることができる。
【0023】
本発明の一実施例によるめっき装置において多数の上記開閉部材は、同時に回転運動することができる。
【0024】
本発明の一実施例によるめっき装置の上記開閉手段は、多数の開閉部材と上記開閉部材とを回転させる駆動手段を含むことができる。
【0025】
本発明の一実施例によるめっき装置の上記駆動手段は、上記開閉部材とそれぞれ結合する第1ギアと、上記第1ギアを回転させる第2ギアと、を含むことができる。
【0026】
本発明の一実施例によるめっき装置の上記第1ギアは遊星ギアであり、上記第2ギアは内接ギアであることができる。
【0027】
本発明の一実施例によるめっき装置の上記開閉手段は、第1方向に移動する一対の第1開閉部材と、上記第1方向と垂直な第2方向に移動する一対の第2開閉部材と、を含むことができる。
【0028】
本発明の一実施例によるめっき装置の上記開閉手段は、上記第1開閉部材にはカム溝が形成され、上記第2開閉部材には上記カム溝に嵌合される突起が形成されて上記第1開閉部材と上記第2開閉部材との開閉運動が一体で行われることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、遮蔽部材の開放比率がプローブカードによって調節されることができる。
【0030】
従って、本発明によると、プローブカードの種類によって別途の遮蔽部材を製作する必要がなく、これにより、遮蔽部材の製作費用を節減することができる。
【0031】
さらに、本発明によると、プローブカードの種類によって遮蔽部材を交替する必要がないため、プローブカードのめっき工程を簡素化することができ、これにより、プローブカードの生産効率を高めることができる。
【0032】
また、本発明は、プローブカードのめっき偏差を最小化することができる開放比率を提供するため、プローブカードのめっき品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施例によるめっき遮蔽器具の正面図である。
【図2】本発明の第2実施例によるめっき遮蔽器具の正面図である。
【図3】図2に図示されためっき遮蔽器具の開閉手段を示した斜視図である。
【図4】図3に図示された開閉手段の正面図である。
【図5】図4に図示された開閉手段の作動原理を示した正面図である。
【図6】図4に図示された開閉手段の作動原理を示した正面図である。
【図7】本発明の第3実施例によるめっき遮蔽器具の正面図である。
【図8】図7に図示されためっき遮蔽器具の開閉手段を示した正面図である。
【図9】図7に図示された開閉手段の作動原理を示した正面図である。
【図10】本発明の一実施例によるめっき装置を示した側面図である。
【図11】一般的なプローブ基板の形状を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。 以下で本発明を説明することにおいて、本発明の構成要素を称する用語はそれぞれの構成要素の機能を考慮し命名されたものであるため、本発明の技術的構成要素を限定する意味で理解されてはならない。
【0035】
図1は本発明の第1実施例によるめっき遮蔽器具の正面図である。
【0036】
第1実施例によるめっき遮蔽器具100は、遮蔽部材110と開閉手段120とを含むことができる。また、めっき遮蔽器具100は、開閉手段120を作動させる駆動手段と駆動手段を制御する制御手段とをさらに含むことができる。
【0037】
遮蔽部材110は、めっき工程の際、めっき液または電流の流れが遮断できる材質で製作されることができる。また、遮蔽部材110は、めっき液または電流の流れがめっき対象物に移動することを効果的に遮断することができるように、めっき対象物(例えば、プローブカード)の断面サイズより広い断面サイズを有することができる。
【0038】
さらに、遮蔽部材110は、内部に他の部材を収容することができるように、箱状であることができる。具体的に説明すると、遮蔽部材110は、相対的に幅(図1を基準としてY軸方向の長さ)の小さい直方体であることができる。また、遮蔽部材110は、複数の部材が組み立てられて形成されることができる。例えば、遮蔽部材110は、前面部材と後面部材または上部部材と下部部材が結合して形成されることができる。このように、遮蔽部材110が二つ以上の部材からなる場合には、ボルト等のような締結手段により結合及び分離が選択的に行われるように形成されることができる。
【0039】
遮蔽部材110には穴112が形成されることができる。穴112は、遮蔽部材110の中心に形成されることができ、所定のサイズを有することができる。本実施例において、穴112は半径Rを有する円形であることができる。
【0040】
開閉手段120は、遮蔽部材110に回転または直線運動が可能に設置されることができる。このように設置された開閉手段120は、回転または直線運動を通じて穴112を完全に閉鎖または開放することができ、穴112の開放面積(または開放比率)を調節することができる。そのために、開閉手段120は、一つ以上の開閉部材130を含むことができる。本実施例において開閉手段120は、一対の開閉部材130を含むことができる。
【0041】
一対の開閉部材130は、穴112を中心に対称配置されることができる。また、開閉部材130は、薄い板状であることができる。しかしながら、開閉部材130の形状は、これに限定されず、三角形、五角形、半円形等から任意に選択されることができる。一対の開閉部材130は、穴112を完全に閉鎖することができる第1長さL1と第2長さL2とを有することができる。即ち、開閉部材130の第1長さL1は、穴112の直径(2×R)より長いことができ、第2長さL2は、穴112の半径Rより長いことができる。しかしながら、穴112の完全閉鎖を必要としない場合には、開閉部材130の長さL1、L2が上記条件を満たさなくてもよい。
【0042】
このように構成された開閉部材130は、作業者の手作業または別途の駆動手段により、一方向(図1を基準としてX軸方向)に移動し、穴112の開放比率を調節することができる。例えば、開閉部材130は、シリンダーまたはリニアモーターにより、遮蔽部材110において一方向に往復移動されることができる。または、遮蔽部材110にガイドレールを形成して開閉部材130にローラー等を付着し、作業者が開閉部材130を容易に動かすようにすることができる。
【0043】
上記のように形成された本実施例は、穴112の開放比率が開閉部材130によって調節されるため、遮蔽部材(または遮蔽板)を交替しなくてもサイズの異なるめっき対象物をめっきすることができる。
【0044】
以下では、本発明の他の実施例によるめっき遮蔽器具を説明する。図2は本発明の第2実施例によるめっき遮蔽器具の正面図であり、図3は図2に図示されためっき遮蔽器具の開閉手段を示した斜視図であり、図4は図3に図示された開閉手段の正面図であり、図5及び図6は図4に図示された開閉手段の作動原理を示した正面図であり、図7は本発明の第3実施例によるめっき遮蔽器具の正面図であり、図8は図7に図示されためっき遮蔽器具の開閉手段を示した正面図であり、図9は図7に図示された開閉手段の作動原理を示した正面図である。
【0045】
図2から図6を参照して第2実施例によるめっき遮蔽器具を説明する。また、本実施例において第1実施例と同一の構成要素は同一の図面符号を使用し、これらの構成要素に対する詳細な説明は省略する。
【0046】
本実施例によるめっき遮蔽器具100は、開閉手段120の構造において第1実施例と区別される。第2実施例による開閉手段120は、図2に図示されたように一対の第1開閉部材132と一対の第2開閉部材134とを含むことができる。
【0047】
第1開閉部材132は、遮蔽部材110の横方向(図2を基準としてX軸方向)に移動可能に設置されることができ、第2開閉部材134は、遮蔽部材110の縦方向(図2を基準としてZ軸方向)に移動可能に設置されることができる。ここで、第1開閉部材132または第2開閉部材134が穴112を完全に閉鎖することができる第1長さL1、L3と第2長さL2、L4とを有したり、もしくは第1開閉部材132及び第2開閉部材134が穴112を完全に閉鎖することができる第1長さL1、L3と第2長さL2、L4とを有することができる。即ち、開閉部材132、134の第1長さL1、L3は穴112の直径2×Rより長いことができ、第2長さL2、L4は穴112の半径Rより長いことができる。しかしながら、穴112の完全閉鎖を必要としない場合には、開閉部材132、134の長さL1、L2、L3、L4が上記条件を満たさなくてもよい。
【0048】
第1開閉部材132及び第2開閉部材134は、図3に図示されたように、部分的に重畳されるように設置されることができ、相互連動して動くことができる。例えば、第1開閉部材132は、第2開閉部材134の上下方向(図3を基準としてZ軸方向)の動きにより、水平方向(図3を基準としてX軸方向)に動くことができる。または、第2開閉部材134は、第1開閉部材132の左右方向の動きにより、上下方向に動くことができる。
【0049】
このような相互連動作動のために、図4に図示されたように、第1開閉部材132は溝1322を有することができ、第2開閉部材134は突起1342を有することができる。さらに、第1開閉部材132の端部分と第2開閉部材134の端部分は、相互接触または相互対向するように配置されることができる。
【0050】
溝1322は、第1開閉部材132の両端部分に長く形成されることができ、図4を基準としてX軸とZ軸に対し、斜めに形成されることができる。ここで、第1開閉部材132の両端に形成された溝1322は、第1開閉部材132を二等分する仮想の線K−Kを基準として相互対称の形状であることができる。また、異なる第1開閉部材132に形成された溝1322は、第2開閉部材134を二等分する仮想の線M−Mを基準として相互対称の形状であることができる。
【0051】
突起1342は第2開閉部材134の両端部分に形成されることができ、溝1322に嵌合されることができる。突起1342は溝1322の内壁と線接触されるように円形の断面を有することができる。ここで、突起1342の直径dは、溝1322の幅wと同一であるか、または溝1322の幅wより小さいことができる。
【0052】
このような構造で配置された第1開閉部材132及び第2開閉部材134は、溝1322と突起1342によって連結されるため、相互連動して動くことができる。
【0053】
例えば、図5に図示されたように、一対の第1開閉部材132が相互に遠ざかる方向に移動すると、一対の第2開閉部材134も相互に遠ざかる方向に移動することができる。
【0054】
それとは異なり、図6に図示されたように、一対の第1開閉部材132が相互に近接する方向に移動すると、一対の第2開閉部材134も相互に近接する方向に移動することができる。
【0055】
ここで、第1開閉部材132の移動距離と第2開閉部材134の移動距離は比例するため、第1開閉部材132及び第2開閉部材134が形成する開放面積Sは、常に一定比率で縮小または拡大することができる。
【0056】
このように形成された本実施例は、複数の開閉部材132、134を通じて穴112の開放比率を容易に調節することができる。また、本実施例によると、複数の開閉部材132、134が相互連動して作動するため、駆動手段または手作業による開閉部材132、134の制御が容易である。
【0057】
図7から図9を参照して第3実施例によるめっき遮蔽器具を説明する。また、本実施例において前述した実施例と同一の構成要素は同一の図面符号を使用し、これらの構成要素に対する詳細な説明は省略する。
【0058】
第3実施例によるめっき遮蔽器具100は、開閉手段が多数の開閉部材130で構成されたことで、前述した実施例と区別されることができる。
【0059】
本実施例において開閉手段は、穴112を中心(O、半径中心)に円形配置される多数の開閉部材130を含むことができる。ここで、開閉部材130は、長方形、正方形、三角形または多角形であることができる。
【0060】
本実施例は、駆動手段140をさらに含むことができる。駆動手段140は、第1ギア142、第2ギア144、第3ギア146を含むことができる。
【0061】
第1ギア142は、遮蔽部材110に回転可能に設置されることができ、それぞれの開閉部材130に結合されることができる。より詳細には、第1ギア142は、開閉部材130の偏心された位置に結合されることができる。ここで、第1ギア142及び開閉部材130は一体で形成されることができる。従って、第1ギア142が回転すると、開閉部材130が第1ギア142を中心に回転運動することができる。
【0062】
第2ギア144は、多数の第1ギア142と噛み合うように配置されることができる。具体的には、第2ギア144はリング状であることができ、内周面及び外周面に歯が形成されることができる。ここで、内周面に形成される歯は、第1ギア142の歯と噛み合うことができ、外周面に形成される歯は、第3ギア146の歯と噛み合うことができる。また、第1ギア142と第2ギア144との結合関係において、第1ギア142は遊星ギアであることができ、第2ギア144は内接ギアであることができる。
【0063】
第3ギア146は、遮蔽部材110に設置されることができ、第2ギア144と噛み合うことができる。さらに、第3ギア146は、別途の駆動モーター(図示せず)と連結されることができる。即ち、第3ギア146は駆動モーターの駆動力を第2ギア144に伝達することができる。従って、第3ギア146が回転すると、第2ギア144が回転し、第2ギア144の回転により、多数の第1ギア142及び多数の開閉部材130が一括回転することができる。ここで、開閉部材130は、第1ギア142によって回転すると共に、穴112を遮断または開放して穴112の開放比率を調節することができる。
【0064】
このように形成された本実施例は、相対的に多くの数の開閉部材130が回転して穴112を開放または閉鎖するため、穴112の開放比率及びサイズをより精密に調節することができる。
【0065】
従って、本実施例は、めっき層をより均一かつ精密に形成するのに有用に利用されることができる。
【0066】
一方、前述した実施例3では、多数の開閉部材130を駆動させる駆動手段が複数のギアによって構成されると説明されているが、ベルトまたはシリンダー等で構成されることができる。
【0067】
以下では、本発明の一実施例によるめっき装置を説明する。図10は本発明の一実施例によるめっき装置を示した側面図であり、図11は一般的なプローブ基板の形状を示した正面図である。
【0068】
本発明の一実施例によるめっき装置200は、めっき遮蔽器具100と、めっき浴槽210と、陽極部材220と、陰極部材230と、制御手段240と、感知手段250と、を含むことができる。
【0069】
めっき遮蔽器具100は、めっき浴槽210に設置されることができ、めっき浴槽210を空間的に両分することができる。ここで、めっき遮蔽器具100は、図1から図9に示されためっき遮蔽器具100のうちいずれかの一つであることができる。
【0070】
めっき浴槽210は、めっき対象物(本実施例では、プローブカード300)及びめっき遮蔽器具100が収容できるサイズを有することができる。さらに、めっき浴槽210は、めっき対象物を電解めっきするのに必要な電解液を収容することができる。
【0071】
陽極部材220は、めっき遮蔽器具100を基準としてめっき対象物の反対側に形成されることができる。陽極部材220は棒状であることができる。しかしながら、必要に応じて、めっき効率及びめっき品質を高めるために、板状であることができる。陽極部材220は、めっき工程の際、陽極と連結されることができる。
【0072】
陰極部材230は、めっき対象物を固定させることができる固定手段(例えば、クリップまたはクランプ)を含むことができる。陰極部材230は、めっき浴槽210においてめっき対象物が一定の高さで維持できるようにめっき対象物を固定させることができ、めっき対象物が陰極性を有するようにすることができる。このために、陰極部材230は、めっき工程の際、陰極と連結されることができる。
【0073】
制御手段240は、めっき遮蔽器具100と電気的に連結されることができ、めっき遮蔽器具100の開閉部材130を制御することができる。さらに、制御手段240は、感知手段250と電気的に連結され、感知手段250により感知された感知信号を元に開閉部材130を作動させることができる。より詳細には、制御手段240は、めっき対象物300のサイズに応じて穴112のサイズが縮小または拡大するように開閉部材130を制御することができる。また、制御手段240は、めっきパターン310のサイズに応じて穴112のサイズが縮小または拡大するように開閉部材130を制御することができる。
【0074】
即ち、めっき対象物300の断面サイズまたはめっき対象物300に形成されためっきパターン面積を100%とすると、60〜70%に該当する面積だけ穴112を開放することが好ましい。下記の表1において、a、b、c、d、e、f、g、h、iは、図11に示されたプローブ基板300の部位を示したものである。
【0075】
【表1】

【0076】
本発明者は、開閉部材130を完全に開放した状態(遮蔽板の開放比率100%;実験例1及び3)及び開閉部材130をめっきパターンの面積比率の65%に開放した状態(実験例2及び4)で、めっき対象物のめっき工程を行った。
【0077】
その結果、実験例1及び3においては、めっき対象物300の部位によるめっき偏差が相対的に大きく示された。即ち、実験例1において、めっき厚さが最も厚い部位(e、10.9mm)とめっき厚さが最も薄い部位(d、4.4mm)との偏差は6.5mmであった。これと類似して実験例3においても、めっき厚さが最も厚い部位(f、11.0mm)とめっき厚さが最も薄い部位(d、3.2mm)との偏差は7.8mmであった。
【0078】
一方、実験例2及び4においては、めっき対象物300の部位によるめっき偏差が相対的に小さく示された。即ち、実験例2において、めっき厚さが最も厚い部位(h、8.8mm)とめっき厚さが最も薄い部位(f、7.2mm)との偏差は1.6mmであった。これと類似して実験例4においても、めっき厚さが最も厚い部位(b、8.4mm)とめっき厚さが最も薄い部位(g、7.1mm)との偏差は1.3mmであった。
【0079】
従って、穴112の開放比率は、めっき対象物300の断面サイズまたはめっき対象物300に形成されためっきパターン面積の60〜70%に維持することが好ましい。
【0080】
また、穴112を50%以下で開放することができるが、この場合、めっき対象物300をめっきするのに多くの時間が所要されるのみならず、めっき対象物300に所望の厚さのめっき層を形成することができない。
【0081】
本発明は、上述した実施例のみに限定されず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、以下の特許請求の範囲に記載の技術的思想から外れない範囲内において、多様に変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0082】
100 めっき遮蔽器具
110 遮蔽部材
112 穴
120 開閉手段
130 開閉部材
132 第1開閉部材
134 第2開閉部材
140 駆動手段
142 第1ギア(または遊星ギア)
144 第2ギア(または内接ギア)
146 第3ギア(または駆動ギア)
200 めっき装置
210 めっき浴槽
220 陽極部材(または陽極板)
230 陰極部材(または陰極板)
240 制御手段
250 感知手段
300 プローブ基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穴が形成された遮蔽部材と、
前記遮蔽部材に回転可能に設置されて前記穴のサイズを調節する開閉手段と
を含む、めっき遮蔽器具。
【請求項2】
前記開閉手段は、前記穴を中心に円形配置される複数の開閉部材を含む、請求項1に記載のめっき遮蔽器具。
【請求項3】
前記複数の開閉部材は、同時に回転運動する、請求項2に記載のめっき遮蔽器具。
【請求項4】
前記開閉手段は、前記複数の開閉部材と当該複数の開閉部材を回転させる駆動手段とを含む、請求項2または3に記載のめっき遮蔽器具。
【請求項5】
前記駆動手段は、前記複数の開閉部材をそれぞれ結合する第1ギアと、
前記第1ギアを回転させる第2ギアと、
を含む、請求項4に記載のめっき遮蔽器具。
【請求項6】
前記第1ギアは遊星ギアであり、前記第2ギアは内接ギアである、請求項5に記載のめっき遮蔽器具。
【請求項7】
前記開閉手段は、第1方向に移動する一対の第1開閉部材と、
前記第1方向と垂直な第2方向に移動する一対の第2開閉部材と、
を含む、請求項1に記載のめっき遮蔽器具。
【請求項8】
前記一対の第1開閉部材にはカム溝が形成され、
前記一対の第2開閉部材には前記カム溝に嵌合される突起が形成されて、
前記一対の第1開閉部材と前記一対の第2開閉部材との開閉運動が一体で行われる、請求項7に記載のめっき遮蔽器具。
【請求項9】
めっき対象物が収容されるめっき浴槽と、
請求項1から8の何れか1項に記載のめっき遮蔽器具であり、前記めっき浴槽に設置されるめっき遮蔽器具と、
前記めっき対象物のサイズに応じて前記穴のサイズが調節できるように前記開閉手段を制御する制御手段と
を含む、めっき装置。
【請求項10】
めっき対象物のサイズを感知し、感知された信号を前記制御手段に送出する感知手段をさらに含む、請求項9に記載のめっき装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記穴の開放面積がめっき対象物の表面積に対して60〜70%の広さになるように前記開閉手段を制御する、請求項9または10に記載のめっき装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記穴の開放面積がめっき対象物のめっき面積に対して60〜70%の広さになるように前記開閉手段を制御する、請求項9または10に記載のめっき装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−72139(P2013−72139A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252449(P2011−252449)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)