説明

もたれクッション家具

【課題】 従来、枕や背もたれ、肘かけ、脇支えなどは、椅子などの機能や形態に合せて、その部分として種々別途の構成手法で固定されているのが一般的である。もたれる部分の構成や取りつけ方などを簡単な構成で共通なものにすることで、結果として統一感ある各種のもたれクッション家具を提供すること。
【解決手段】 クッションを方形カバー体2の対向両側辺に設けた棒状体3を引きつけて取りつける構成にする。あるいは、クッションを直接棒状体3相互を引きつけ隣接させて結合する構成にする。さらに、この棒状体3でクッションを方形の板状体1にさまざまなかたちで取りつける。また、方形の板状体1をシートで包んだ状態で構成する。簡単な構成でしかも共通の取りつけ手法により、折り畳みを含めた方形の板状体1との組合せで、結果として安定した構成を持つさまざまな形態のものができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、枕や背もたれ、肘かけ、脇支え、などとして利用する、もたれクッション家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のものは、枕は単体で、また一般的には椅子などの部分として一体に形成されたものが各種さまざまに存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のこれらのものは、椅子などの機能や形態に合せて、その部分として種々別途の構成手法で固定されている。また、もたれる部分の構成や椅子全体のかたちが複雑なために、必要に応じて別体のクッションと組み合せて補いながら使用しているのが実態である。この発明は、上記のような各種もたれる部分の構成や取りつけ方などをシンプルにすることで、結果として統一感ある、多様なもたれクッション家具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、上記課題に対して次のような手段を取っている。即ち、クッションを方形カバー体の対向両側辺に設けた棒状体を引きつけて取りつける構成にする。あるいは、クッションを直接棒状体相互を引きつけ隣接させて結合する構成にする。また、クッションを、方形カバー体の対向両側辺に設けた棒状体を引きつけてあるいは棒状体相互を引きつけ隣接させて方形の板状体に取りつける。さらに方形の板状体をシートで密着して包んだ状態にして、折り畳みに対応する構成とする。ここで云う方形の板状体とは、例えばスチールパイプなどで外周を枠状に成形して全体として偏平なかたちをしたものも含まれる。もちろん、クッションを棒状体で取りつける相手は、方形の板状体以外にも種々の形態のものが考えられる。また、方形カバー体はクッションと着脱自在の状態にしたもの、あるいは固定した状態のものでもよい。
【発明の効果】
【0005】
この発明によると、例えば従来の規格型の方形クッションを使用する場合でも、実に簡単な取りつけの構成手法で、枕や背もたれ、肘かけ、脇支えなどの用途を持った家具を形成できる。クッションは、棒状体全域で引きつけられた状態で取りつけられるので、常時全域で張りを持っている。クッションを取りつける相手を板状体とすると、取りつけ方が実にシンプルになり安定が良い。斜めにした板状体にクッションを前後方向に傾くぐらぐらの状態で設置する手法は、身体をもたれた状態で求める姿勢に柔軟に対応できる、実にユニークで意外な効果を発揮する。方形の板状体を内側に挿入して、シートで密着した状態で全体を包み、必要に応じて挿入した板状体相互の間で折り畳めるようにすると、必ずしも丁番などの特別な折り畳み機構を使用しなくてもよい。軽くかさばらず、さらに簡単に取りはずして偏平にして収納することができる。板状体を包むシートは着脱自在にしておくと、クッションのカバー体と共に洗濯や取り替えが容易で、長期使用にも耐えられる。シンプルな構成でありながら豊富な形態を生み出す効果は多大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
方形カバー体の対向両側辺に設けた棒状体を、相互に引きつけるようにしてクッションをくるみ、左右それぞれの端部をリング状のバンドにより方形の板状体に連結する。これらの構成手法は、ありふれた材料を使い極めてシンプルな形態を持っており、応用実施の形態が広いものである。以下、各種典型的な実施の形態を図面により説明する。
【実施例1】
【0007】
図1は、方形の板状体1を二ヶ所で折り畳んで三角型に形成した、もたれクッション家具の実施例を示す斜視図である。方形の板状体1は、シートを筒状の二重にして三枚の板を内側に挿入して密着した状態で全体を包み、板相互間で折り畳めるように構成している。一方、クッションの方形カバー体2の対向両側辺に筒状シートを設けて棒状体3の丸棒を挿入して取りつけ、棒状体3、3相互を引きつけるようにして方形の板状体1の上端部を両側から挟んで包み、左右それぞれの端部でリング状のバンド4をはめて連結している。さらにリング状のバンド4は方形の板状体1の左右両端の側面に設けた支持金具5にバンドの固定片をひっかけて止めている。方形の板状体1の、斜めにした部分を背もたれ部とし、上方のクッションを取りつけた部分を枕部として、床座で使用する。背もたれ部には別体のクッションをあてがう。
【実施例2】
【0008】
図2は、図1と同様の構成のもので、クッションの取りつけ方を変えた実施例である。三角型に形成した方形の板状体1の斜めの背もたれ部は、裏側に設けた受け金具6で受け止めて固定している。なお、受け金具6の設置位置を上下数ヶ所に設けておくと、背もたれ部の傾斜角度の選択調整手段になる。クッションは方形の板状体1に対して棒状体3、3の位置を上下にずらして上端部を両側から挟んで包み、かつ背もたれ部全体をおおうようにして、それぞれを個別にリング状のバンド7で左右端の側面に支持金具8で止めている。
【実施例3】
【0009】
図3は、枕や背もたれ、肘かけ、脇支えなどの各種機能を備えた可変型の実施例である。方形の板状体1は実施例1及び2と同様の構成で、二枚の板を内側に挿入して折り畳めるようにしている。クッションの取りつけ方は実施例1と同様である。支持バンド9は、方形の板状体1の背もたれ部の左右両端の側面に設けた支持金具5の上部から裏面にまわして、座部の左右両端の側面中央に設けた釣り金具10に取りつけて支えている。座部と背もたれ部がほぼ90°になるように支持バンド9を調整している。使用に際しては、背もたれ部をほぼ90°に立ててクッションを背もたれ及び肘かけとして使用する。座部に接するように前に倒すと、身体を床によこたえた状態での枕になる。倒したクッションと座部の間に別体の座ぶとんを挟むと、やや高めの枕となる。三種類のクッションの高さの変更は、いずれも身体をよこたえた状態で頭をもたれさせ、あるいは脇支えなどとして使用する際に好都合である。
【実施例4】
【0010】
図4は、枕あるいは脇支えとして使用する実施例である。方形の板状体1の長さを短かくしている。クッションの取りつけ方などは上記実施例1と同様である。なお、クッションの取りつけ方は上記実施例2と同様にしてもよい。さらに図4で、方形の板状体1に対して上下両端部を挟んで包むようにして裏側にまわして裏側面に設けた支持金具に止めるようにすることも考えられる。
【実施例5】
【0011】
図5は、図4と同様に枕あるいは脇支えとして使用する実施例である。方形の板状体を使用しないで、クッションを直接方形カバー体2の対向両側辺に設けた筒状シート11に挿入して取りつけた棒状体3、3相互を引きつけ隣接させて、左右端部をリング状のバンド7、7で連結している。。この場合にはさまざまなもの、例えば板状体、円筒、丸棒などを内側に挟んだ状態にしてもよい。
【実施例6】
【0012】
図6は、背もたれとする方形の板状体1にクッションを前後に傾く状態で取りつけた実施例である。方形の板状体1は実施例1と同様で、三角型に構成している。クッションは、方形カバー体2の両側辺に設けた棒状体3、3相互を引きつけ隣接させて、左右それぞれの端部でリング状のバンド4をはめて連結して、方形の板状体1の左右両端の側面に設けた支持金具5にバンド4の固定片をひっかけて止めている。クッション2は、方形の板状体1に取りつける軸に対して前後に傾くぐらぐらの状態で設置され、角度を変えることで位置と高さが変わる。即ち、身体をもたれた状態でクッションの位置を首の部分に、あるいは頭の部分にと、求める姿勢に柔軟に対応できる。休息と同時に、視線を起こした状態でもたれることができる。なお、背もたれ部には別体のクッションをあてがう。
また、こうした効果は、クッションを内側に挿入して筒状にかためた方形カバー体に左右方向に設けた一本の棒状体で、方形の板状体1に取りつけることでも得られる。さらに、これらのクッションは、丸棒にリング状のローラーをはめた状態にして板状体1を両サイドから挟む構成にすると、ローラーの動きで上下方向の設置位置も自在に変えられる。
【0013】
以上、実施例について述べた。いずれにしても、クッションを方形カバー体2の対向両側辺に設けた棒状体3、3を引きつけて方形の板状体1に取りつける形態は、さまざまに考えられる。上記は、床座で使用する新たな家具に加えて、椅子などの部分としても応用できるものである。なお、板状体1の一端部を挟んで包むように取りつける場合には、丸みのあるクッション性を補うように円筒や丸棒などを板状体の先端部に前もって取りつけておくことも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】 本発明の実施例1を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施例2を示す斜視図である。
【図3】 本発明の実施例3を示す斜視図である。
【図4】 本発明の実施例4を示す斜視図である。
【図5】 本発明の実施例5を示す斜視図である。
【図6】 本発明の実施例6を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0015】
1 方形の板状体
2 方形カバー体
3 棒状体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッションを方形カバー体(2)の対向両側辺に設けた棒状体(3)を引きつけて取りつけあるいは棒状体(3)相互を引きつけ隣接させて結合することを特徴とする、もたれクッション家具。
【請求項2】
クッションを方形カバー体(2)の対向両側辺に設けた棒状体(3)を引きつけてあるいは棒状体(3)相互を引きつけ隣接させて方形の板状体(1)に取りつけたことを特徴とする、もたれクッション家具。
【請求項3】
クッションを筒状にかためた方形カバー体(2)に設けた一本の棒状体(3)で方形の板状体(1)に取りつけたことを特徴とする、もたれクッション家具。
【請求項4】
方形の板状体(1)をシートで包んだ状態で構成した、請求項2あるいは請求項3記載のもたれクッション家具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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