説明

らせん状ステント

【課題】低侵襲で手術後の回復時間を短縮し、手術に関連するリスクを最小限にするステント構造物の提供。
【解決手段】ステントの軸に対する横断面に関するピッチ角に沿って、ジグザグパターンで巻かれている、らせん状ステントグラフト10が提供される。曲げ部分を通って2つの隣接する角度が付けられたストラットの間を伸びる二等分線が、ステントの長手方向軸に関してもまた、傾斜している。ステントグラフト10には、ステント12とステント12に着けられたグラフト・レイヤー14が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2011年6月24日に出願された、米国仮出願第61/500,986号の優先権を主張し、その内容を本明細書に引用して援用する。
【0002】
本発明は、概して、医療装置に関し、特に、ステント構造物に関する。
【背景技術】
【0003】
ステントは、脈管系、大腸、胆管、尿路、食道、気管等の数多くの器官を処置するための比較的一般的な装置となっている。ステントは、妨害物、閉塞、狭窄、通路を通った流れを制限するその他の関連する諸問題(概ね以下、「狭窄」と称す)を含めた、様々の病気の治療に有用である。ステントは、また、様々なタイプの動脈瘤の治療などのその他の多様な医療処置において有用である。
【0004】
例えば、ステントは、冠動脈、末梢動脈(例えば、頸動脈、上腕動脈、腎動脈、腸骨動脈、及び大腿動脈)及びその他の血管などの血管系における数多くの血管を治療するのに使用する。ステントは、脈管の病気を治療する一般的な一つの選択肢となっている。というのは、ステントグラフトの留置術は、他の選択肢よりもかなり侵襲性が少ないからである。一例として、冠状動脈における狭窄は、従来は、バイパス手術とともに処理されている。一般に、バイパス手術には、胸骨を割り胸腔を開き、代わりの血管を心臓に移植し狭窄動脈に側管を通すことが含まれる。しかし、冠状動脈バイパス手術は、非常に侵襲的な治療であり、危険を伴い、患者には長時間の回復時間が必要となる。それに対して、ステントグラフトの留置術は、経口的に行われ切開手術は不要である。事実、切開手術は、治療に関連する死亡率、疾病率及び外傷のリスクが高いため、重症な併存疾患(comorbidity)を有する患者の体内では、不適切であることが示されている。このように、ステントの留置術は、回復時間を短縮し、手術に関連するリスクを最小限にする。
【0005】
多くの異なるタイプのステントとステントグラフト留置術が可能である。しかし、一般的に、ステントは、管状支持構造を目的として作られ、体腔を通じて経皮的および経口的に挿入される。典型的に、ステントは、少なくともある領域の一部を覆うような構造体からなり、小径と大径の間で圧縮・拡張するようにされている。ステントは、予め決められた大径にまで弾性的に拡張する自己拡張型であるか、あるいは、バルーンによってステントの内表面に高い圧力を加えることで当該ステントを留置する拡張バルーン型とすることができる。しかし、固定の直径を有する他のタイプのステントが考案されているが、一般的にそれらには圧縮性がない。ステントは、非金属材料や自然組織等の多くのタイプの材料から作られるが、ステントを作る際に使われる通常の金属材料の具体例としては、ステンレス鋼とニチノールがある。コバルト・クロム合金、非晶質金属、タンタル、プラチナ、金、チタン、ポリマーおよび/または適合性組織などのその他の材料も、また利用できる。典型的に、ステントは、ステントを治療の対象となるルーメン内に配置し、ステントを圧縮した直径(小径)から拡張した直径(大径)へと拡張することで、動脈あるいはその他の通路内に移植される。ステントが圧縮した直径から拡張することができることで、ステントが比較的小さく圧縮された直径を有する間は、ステントを狭く曲がりくねった通路を通って治療する領域に導いていくことが可能となる。一旦、ステントが治療領域に位置決めされて拡張すると、ステントのチューブ状の支持構造体は、収縮し、径方向で通路の内側壁を支持する。移植されたステントは、通路を通る流体の流れを容易にするために、通路を開いた状態に維持して通路が閉鎖してしまうのを機械的に防止するために使用される。反対に、ステントは、また、グラフト・レイヤーを支持してステントの側壁を通る流体の流れを妨げる為に利用される。しかし、これらは、ステントの使われ方のほんの幾つかの例に過ぎず、ステントは他の目的でも利用される。
【0006】
自己拡張型ステントは、医療処置に使用される1つの一般的なタイプのステントである。自己拡張型ステントは、多様な異なる状況と治療への適応性のために、医師によってますます利用されている。自己拡張型ステントは、通常、形状記憶材料或いはバネのように作用する他の弾性的材料から作られている。このタイプのステントに使用される典型的な金属には、ニチノールと304ステンレス鋼が含まれる。しかし、他の材料もまた使用することができる。ステント移植を容易にするため、自己拡張型ステントは、普通は、細く圧縮した状態で、カテーテルの端に備え付けられている。ステントは、典型的に、カテーテルの端で、ステントをシースに挿入することで、圧縮した状態に維持される。それから、ステントは、治療対象の体内の血管部分に導かれる。一旦、カテーテルとステントが治療する場所に隣接して配置すると、ステントは、シースを後方に引いたり、引き抜いたりすることで解放される。通常、ステントがシースと共に後方へ動かないようにするために、ステップまたは他の機能がカテーテルに設けられる。ステントが保持シースから解放された後は、ステントは、ステントが血管壁に接触して押圧するまで、拡張された直径へと半径方向外側に開く。これまで、自己拡張型ステントは、脈管構造が多様な動き、外傷、ねじれを生じる領域で使用されてきている。自己拡張型ステントの一般的な使用領域は、血管系の末梢動脈である。末梢動脈に対する自己拡張型ステントの1つの利点は、外因からの外傷によって、ステントが永続的に変形されたままになることがないということである。その結果、ステントは、異常な外傷の際には一時的に変形するが、一旦、外傷が取り除かれると拡張した状態に戻る。しかし、自己拡張型ステントは、他にも多く応用され利用される。
【0007】
バルーン拡張ステントは、冠状動脈の狭窄の治療にもしばしば利用されるが、他の治療にも利用される。通常は、バルーン拡張ステントは、相対的に容易に塑性的に変形する延性のある材料から作られる。金属製のステントの場合は、焼きなましされた316Lステンレス鋼が、このタイプのステント用に通常は選択される。バルーン拡張ステントを移植するある治療には、バルーンが先端に付いたカテーテルのバルーンの周囲にステントを取り付け、血管通路を通って治療領域へとガイドワイヤ上のカテーテルを曲がりくねって進ませることが含まれる。バルーンが治療する血管の狭い部分に配置されると、カテーテルを通ってバルーンへと生理食塩水を注入することによってバルーンは拡張する。その結果、バルーンは、同時に、血管を拡張するとともに拡張された部分の中でステントを径方向に拡張する。それから、バルーンは収縮されて、バルーンが先端に付いたカテーテルは通路から後退される。これによって、拡張したステントは、望む位置に永久的に移植される。延性のある金属は、このタイプのステントにうってつけである。というのは、ステントは、バルーンに取り付けられる際に、塑性変形によって小径に圧縮されるからである。バルーンが後に、血管内で拡張すると、ステントは、再び、大径に塑性変形し、望まれる半径方向支持構造を提供する。従来、バルーン拡張ステントは、これらのステントの変形可能な性質のために、通常は、末梢血管よりはむしろ冠状血管で利用される。この理由の一つは、バルーン拡張ステントは、特定の大きさの血管直径と形に正確に形成することができることである。というのは、使用される延性金属は、望まれる大きさや形に塑性変形できるからである。さらに、冠状血管が、永続的にバルーン拡張ステントを変形する、外因からの外傷が生じるリスクはごくわずかである。
【0008】
ステントは、また、多くの病状を治療する為に、他の部品と組合わせて用いることができる。例えば、ステントグラフトアセンブリは、通常、動脈瘤の治療に使用される。当業者の知っての通り、動脈瘤は、動脈の一部の異常な広がり、或いは、膨張である。一般に、この症状は、血管壁の脆弱さが原因となっている。高血圧やアテローム性動脈硬化症は、また、動脈瘤の形成の原因となる。通常のタイプの動脈瘤には、大動脈瘤、脳動脈瘤、膝窩動脈瘤、腸間膜動脈瘤、及び、脾動脈瘤が含まれる。しかし、動脈瘤は、血管系全体に血管内に形成する可能性もある。治療しないと、動脈瘤は、いずれは破裂し、内出血を起こす。多くの場合、その内出血はひどいので、患者は、動脈瘤破裂の数分以内に死亡する可能性がある。例えば、大動脈瘤の場合、破裂後の生存率は、20パーセントに過ぎない。
【0009】
通常、動脈瘤は外科手術で治療される。例えば、腹部動脈瘤の場合、腹部が手術で切開され、動脈の広がった場所を通常は長手方向に切断する。ダクロン(Dacron)等のグラフト材料が血管内に挿入され、各端で、血管の広がっていない部分の壁に縫合される。それから、血管の切断された縁は、グラフト材料を血管内に納めるために重ね合わせられて縫合される。動脈瘤が、その動脈瘤を血管へと繋ぐ狭いネックを有するバルーンのようなふくらみを形成している比較的に小さな血管では、外科医は、動脈瘤と血管の主要な通路の間にある動脈瘤のネックで血管壁にクリップを置く。すると、該クリップによって、血管からの血流が動脈瘤に侵入できなくなる。
【0010】
伝統的な外科手術の代替手段に、ステントグラフトを用いた血管の血管内治療がある。この代替手段には、従来のカテーテルによる配置技術を用いて、動脈瘤を渡って血管内にステントグラフトを移植することが含まれる。ステントグラフトは、概ね不透過性のグラフト材料で血管壁を密封することで、動脈瘤を治療する。このように、動脈瘤は封鎖され、血流は血管の主要な通路内に保たれる。ますます、ステントグラフトを用いた治療が好まれるようになっている。というのは、該治療は、外傷が少なく、回復が早いからである。
【発明の概要】
【0011】
2つの異なる態様において、らせん状のステントが記載されている。該ステントは、一連の曲げ部分と角度が付けられたストラットと共に構成されるワイヤから作られている。曲げ部分とストラットのパターンは、ステントの軸に対する横断面に関するピッチ角によって形成される。曲げ部分とストラットは、また、曲げ部分を通って2つの周囲方向で隣接する角度が付けられたストラットの間を伸びる二等分線を画定する。該二等分線は、ステントの長手方向軸に関し斜めになっている。本明細書の発明には、また、記載と添付した図面及びそれらの組み合わせで以下に記載される他の如何なる態様をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、以下の図面と関連させて以下の説明を読むことでより良く理解される。
【図1】ステントグラフトの側面図である。
【図2】ステントグラフトの端斜視図である。
【図3】ステントグラフトの側面図であり、曲がったステントグラフトを示している。
【図4】マンドレルの側面図である。
【図5】マンドレルの斜視図である。
【図6】周りに巻きついたワイヤを有するマンドレルの側面図である。
【図7】ステントのワイヤの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、図、特に、図1から図3を参照すると、腔内医療治療のためのステントグラフト10が示されている。ステントグラフト10には、ステント12とステント12に着けられたグラフト・レイヤー(graft layer)14が含まれる。グラフト・レイヤー14は、多様な材料から作ることができ、多様な方法で、ステント12に着けられる。例えば、グラフト・レイヤー14は、ソラロン(Thoralon)、超高分子量ポリエチレン、延伸多孔質PTFE(ePTFE)、PET、コラーゲン材料、ポリウレタン、織物材料、その他適切なグラフト材料から作ることができる。グラフト・レイヤー14は、縫合、浸漬被覆、噴霧、電子スピニング加工、その他の適した技術を用いて、ステント12に着けられる。
【0014】
ステント12は、らせん状に巻かれて円筒形とされた、ステント本体の周りに巻かれる単一ワイヤ16で形成されるのが好ましい。ワイヤ16は、断面が円形であるワイヤであり、以下に述べるように、円筒形のマンドレル24の周りに巻かれる。又は、該ワイヤ16は長方形の断面を有していてもよく、これは、ワイヤ16構造体をカニューレからレーザーで切断することによって形成される。ワイヤ16は、長方形の断面を有するワイヤリボンであってもよい。好ましくは、ワイヤ16は、弾性のある材料から作られ、ステント12は、自己拡張型である。しかし、より延性のある材料を用いて、ステント12をバルーン拡張型とすることもできる。例えば、使用する弾性のある材料には、ニチノールとステンレス鋼が含まれる。ワイヤ16は、ある材料のチューブが別の材料のコアを囲んでいる延伸充填チューブ(drawn filled tubing)であってもよい。例えば、コアが、外付けの視覚化装置を用いてステント12が見えるように放射線不透過性材料から作られていて、別の放射線不透過性マーカーを付ける必要性をなくすようにすることができる。延伸充填チューブの外側チューブは、また、ステント12を自己拡張型にする為に、ニチノールから作ることもできる。さらに、例えば、タングステン、バリウム、或いはエルビウムを従来のニチノールに加えて放射線不透過性を増し、クロム、或いは、コバルトを従来のニチノールに加えて径方向剛性を改善した4要素からなるニチノールなどの多様な形態のニチノールを利用することができる。
【0015】
図1と図6に示されているように、ワイヤ16は、らせん状のパターンに沿って前後に曲げられていて、ワイヤ16は、周囲方向で隣接する角度が付けられたストラット20を接続している一連の曲げ部分18を形成する。好ましくは、ワイヤ16は、らせん状に巻かれて円筒形とされるパターンで、応力が解放された状態にあり、これは、以下で述べるように、ステント12を熱処理することによって達成される。角度が付けられたストラット20の各々の長さは、互いに等しく、図7で示すように、周囲方向で隣接する角度が付けられたストラット20は同じ長さである。このように、ステント構造体は、ストラットの長さが等しくなくステントにジグザグのパターンを与えるいくつかの先行技術のステント構造体とは異なっている。しかし、ステント12のパターンには、ステント12の端部に長さが等しくない角度が付けられたストラットが含まれ、ステント12の端部が円形で、らせん状でないリングを形成することができる。
【0016】
図7に示すように、曲げ部分18とストラット20のらせん状に巻かれたワイヤは、ステント12の軸に対する横断面に関したピッチ角Aによって規定される。好ましくは、ピッチ角Aは、約5度から約20度である。更に好ましくは、ピッチ角Aは、約5度から約15度である。最も好ましくは、ピッチ角Aは、約10度である。
【0017】
図7でも示すように、想像上の二等分線22は、2つの周囲方向で隣接する角度のあるストラット20を接続する各曲げ部分18を通って、周囲方向で隣接するストラット20の間を伸びる。好ましくは、該二等分線22は、ステント12のらせん状に巻かれて円筒形とされたワイヤの長手方向軸から、約5度から約20度傾いている。より好ましくは、二等分線22は、約5度から約15度の角度Bを有する。最も好ましくは、該二等分線22は、約10度の角度Bを有する。しかし、好ましくは、角度Aと角度Bは、お互いに等しい。
【0018】
ストラット20と曲げ部分18の大きさは、様々であるが、周囲方向で隣接する2つの角度が付けられたストラット20の幅Cは、約5.041mmであり、角度が付けられたストラットの高さDは、2つの向かい合う曲げ部分18の外側から約3mmであるのが好ましい。ワイヤ16は約0.18mm(0.007インチ)の直径を有するのが好ましく、曲げ部分18の内縁半径は、約0.2mm(0.008インチ)であるのが好ましい。これらの大きさは、特に、8mmの拡張した直径を有するステントに適している。しかし、ストラットと曲げ部分の大きさは、使用される材料の工学的歪み限度内にある、望ましい径方向の力を提供するように設計され、ステントは、必要な疲労抵抗を有している。例えば、Cの値は、ステントの直径と、らせんの1回転に含まれる山と谷の数による。最も好ましくは、山の数は、約5から約12である。径方向の力を減少させ、ステント構造体の疲労抵抗を増加したりするためにより多くの山が組み込まれてもよい。
【0019】
図4から図6に示すように、ステント12は、円形の断面を有するマンドレル24の周りにワイヤ16を巻くことで作られる。マンドレル24は、マンドレル24から半径方向外側に伸びる一連のピンを有する。図6に示すように、らせん状に巻かれて円筒形とされたステント12は、ピン26の周りとマンドレル24の周りにワイヤ16を曲げることによって形成する。ワイヤ16がピン26の周りに十分に曲げられ、マンドレルの周りに巻かれた後は、ワイヤ16はヒートセットされるが、その間、ワイヤ16は、らせん状に巻かれた円筒形状を弛緩状態で維持できるようにマンドレル24上にとどまっている。それから、上記に述べたように、ワイヤ16はマンドレル24から外され、グラフト・レイヤー14がステント12に着けられる。
【0020】
らせん状ステント12は、いくつかの利点を有する。図1と図2及び図5と図6に示すように、ステント12は、らせん状に巻かれ異なる態様になる。第1に、曲げ部分18とストラット20のジグザグパターンは、ステント12の周囲にらせん状に巻き付いており、ワイヤ16は、ステント12の長さに沿って、連続的に接続されたリングを形成する。第2に、長手方向に隣接する曲げ部分18は、互いに入れ子になっているが、周囲方向で互いに斜めになっており、曲げ部分18は互いに対してらせん状に配列されている。ステント12は、隣接するリングに接続する長手方向のコネクタを有していないので、ステント12は、非常に柔軟である。更に、図3に示すように、ステント12は、高いねじれ抵抗を有しており、それによって、ステント12は、ねじれることなく180度曲がることができる。ステント12は、また、ステント12壁を貫く開口領域の割合が高く、柔軟性、疲労、及び血管壁の接触の低減には望ましい。ステント12は、軸方向の柔軟性を増しており、それによって、ステント12は、長さを50パーセント以上も変化させ、人が体を動かす時の血管の変形に適応する。らせん状のワイヤ16は、また、ステント12を通る血流に渦運動をもたらし、ステント12を通る血流を改善する。また、ステント12の送達時の形状も改善される。というのは、互いに正反対に配置された角度が付けられたストラット20は、直接、互いに直線上に並んでいないからであり、これによって、ストラット20は、正反対に互いに入れ子になり、細い圧縮状態を提供する。
【0021】
発明の好ましい実施形態が記載されているが、発明はそれに限定されないことを理解されたく、発明から逸脱することなく、改良することができる。発明の範囲は、添付した特許請求の範囲によって形成されるが、文言上、あるいは、均等性によって、特許請求の範囲の意味の範囲内の装置の全ては、本発明に含まれることが意図されている。更に、上記に記述された利点は必ずしも発明の唯一の利点ではなく、記載された利点の全てが、本発明の全ての実施形態で達成されることは必ずしも予期されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステントの大部分に沿って、らせん状に巻かれて円筒形とされた単一のワイヤを備え、
前記ワイヤは、一連の角度が付けられたストラットと、周囲で隣接する角度が付けられたストラットを接続する曲げ部分によって形成され、
前記らせん状に巻かれて円筒形とされた前記ワイヤの前記角度が付けられたストラットのそれぞれが、等しい長さを有し、
周囲方向で隣接する曲げ部分が、前記らせん状に巻かれて円筒形とされた前記ワイヤのピッチ角を画定し、
前記曲げ部分と前記角度が付けられたストラットとが、前記曲げ部分を通って周囲で隣接する角度が付けられたストラットの間を伸びている二等分線を画定し、前記二等分線が前記らせん状に巻かれて円筒形とされたワイヤの長手方向軸に対して約5度から約20度の角度を有している、ステント。
【請求項2】
前記ワイヤは弾性があり、それによって、前記ステントが自己拡張型である、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記二等分線が前記長手方向軸に対して、約5度から約15度の角度を有している、請求項1に記載のステント。
【請求項4】
前記二等分線が前記長手方向軸に対して、約10度の角度を有している、請求項1に記載のステント。
【請求項5】
前記ピッチ角が約5度から約20度である、請求項1に記載のステント。
【請求項6】
前記ピッチ角が約10度である、請求項1に記載のステント。
【請求項7】
前記ワイヤが円形の断面を有する、請求項1に記載のステント。
【請求項8】
前記らせん状に巻かれて円筒形とされたワイヤは、弛緩状態にある、請求項1に記載のステント。
【請求項9】
前記ワイヤが、放射線不透過性のコアを有する延伸充填チューブワイヤからなる、請求項1に記載のステント。
【請求項10】
前記延伸充填チューブワイヤが、更に、前記放射線不透過性のコアを囲んでいるニチノールのチューブを有する、請求項9に記載のステント。
【請求項11】
前記らせん状に巻かれて円筒形とされたワイヤに着けられたグラフトを更に備える、請求項1に記載のステント。
【請求項12】
前記二等分線が概ね前記ピッチ角に等しい角度とされ、前記ワイヤが弾性があり、それ故、前記ステントが自己拡張型であり、前記ワイヤが円形の断面を有し、そして、前記らせん状に巻かれて円筒形とされた前記ワイヤが弛緩状態とされた前記ワイヤからなる、請求項1に記載のステント。
【請求項13】
前記二等分線が前記長手方向軸に対して、約5度から約15度の角度を有し、前記ピッチ角が前記二等分線とほぼ同じ角度を有する、請求項12に記載のステント。
【請求項14】
前記ワイヤが、放射線不透過性コアと前記放射線不透過性コアを囲むニチノールのチューブを有する延伸充填チューブワイヤからなる、請求項13に記載のステント。
【請求項15】
前記らせん状に巻かれて円筒形とされたワイヤに着けられたグラフトを更に備える、請求項14に記載のステント。
【請求項16】
前記二等分線が、前記長手方向軸に対して約10度の角度を有し、前記ピッチ角が約10度である、請求項13に記載のステント。
【請求項17】
前記らせん状に巻かれて円筒形とされたワイヤに着けられたグラフトを更に備える、請求項16に記載のステント。
【請求項18】
前記ワイヤが、放射線不透過性コアと前記放射線不透過性コアを囲んでいるニチノールのチューブを有する延伸充填チューブワイヤを備える、請求項17に記載のステント。
【請求項19】
ステントを製造する方法であって、
円形の断面を有するマンドレルの周囲にらせん状に単一のワイヤを巻き、該ワイヤを前記ステントの大部分に沿って円筒形とするすることを含み、
前記マンドレルは、半径方向に伸びる一連のピンを備え、そのピンの周囲に前記ワイヤをかけて曲げ、前記ワイヤを、一連の角度を付けられたストラットと、周囲方向で隣接する角度が付けられたストラットを接続する曲げ部分とを一続きに有するようにし、
前記らせん状に巻かれて円柱形とされたワイヤの前記角度が付けられたストラットの各々が等しい長さであり、
周囲方向で隣接する曲げ部分が前記らせん状に巻かれて円筒形とされたワイヤのピッチ角を画定し、
前記曲げ部分と前記角度が付けられたストラットは、前記曲げ部分を通って、周囲方向で隣接した角度が付けられたストラットの間を伸びる二等分線を画定し、前記二等分線が、前記らせん状に巻かれて円筒形とされたワイヤを通って伸びる長手方向軸に関して、約5度から約20度の角度をなす、
ステントを製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−6029(P2013−6029A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−140374(P2012−140374)
【出願日】平成24年6月22日(2012.6.22)
【出願人】(511152957)クック メディカル テクノロジーズ エルエルシー (76)
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
【Fターム(参考)】