説明

らせん階段

本発明は、中心の支持部材(1)と、第1端部(2a)で前記支持部材(1)に連結している複数の段(2)と、を有するらせん階段であって、前記段(2)は、交互に配置されている2種類の段(21、22)を有していて、第1の段(21)は実質的に「L」の形を有していて、第2の段(22)は実質的に矢の形を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、らせん階段に関する。特に同じビル内の異なる階にある部屋を内部でつなぐためのらせん階段が普及しているのは主に、それらが極めて小さい平面積を有するためである。特にここ何十年もの間、そのことは、ますます増え続けている小規模住宅の要求を充分に満たしてきた。
【背景技術】
【0002】
知られているように、らせん階段は垂直の中心軸を有していて、前記軸に沿って段(steps)が供給され、前記段はその自由端の1つが前記軸に取り付けられている。一連の段は空中にらせんを規定し、前記軸の周囲を移動することにより、人が階段を昇降することができる。段の自由端は通常手すりを支え、前記手すりは階段に沿った動きを円滑にし、使用者をサポートしている。
【0003】
上記全てを利用していて使用可能なスペースが限られているとき、標準体格の人にとって、段の幅が減らされた場合、より正確に言うと、階段の中心である中心軸と段の自由端との間の距離が減らされた場合、階段の昇降が多少困難になることは否定できない。
【0004】
これらの使用は、以下の事実によってさらに困難になっている。コンパクトな面積を有する段を連結するという前記段の配置は、多くの場合、足底、特に階段を降りるときの内足の底、を維持できる表面が減らされるので、移動時に必要な安定性を保証できないことを意味している。
【0005】
らせん階段の段の配置は、主に、階段の平面積とライザー(riser)、つまり2つの連続する段を隔てている高さとによると考えることが重要である。平面図において周角(360°)により隔てられている2つの段は、平均身長を有する人が高い方の段に頭をぶつけるリスクを冒さずに通過することのできるように、高さに関し、必要なスペース(約2メートル)により隔てられていなければならない。さらに、踊り場は大きな角度を占めるため、前記状況は階段の上端付近で重大な問題となっている。
【0006】
特に、平面積がコンパクトで、直径130/140cmの円、あるいは、1辺が同様の長さを有する正方形に匹敵する場合、現在の解決策では、ライザーと踏み面との比率に相当する値が、一直線の傾斜により得られる場合と極めて異なり、外足と比較して内足にとって著しく都合が悪くなっている。
【0007】
段が異なる方法で形成されたらせん階段の同様の例がある:特許番号DE 31 46 133は、2種類の段を有するらせん階段であって、各々の段は凹凸部を有しているものの内足をサポートすることのできる面を増やすために互いに補完はしていない、らせん階段を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はしたがって、上記欠点を排除することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、特許請求の範囲に記載された特徴に基づいて、異なる形、且つ、互いに補完する形を有している2種の段を交互に配置することにより、前記目的を達成している。
【0010】
本発明の主な利点は、基本的に、らせん階段の昇降が著しく円滑になることである。特に、ある段から他の段への移動時に、内足をサポートすることのできる面が増え、使用者に一層の安定性およびバランスを保証していることである。
【0011】
さらに段の形により、ライザーと踏み面との比率に相当する値を、外足と内足とで実質的に同じにすることができる。加えて踊り場の形により、段の数を増やし、ライザーを減らし、ライザーと踏み面との比率に相当する値を一直線の傾斜により得られる場合に近づけることができる。
【0012】
結果的に本発明の構造は、段の高さを調整し、如何なる平面図(円や正方形など)や回転方向(時計回り、あるいは反時計回り)も採用し、如何なる物質(木、鉄、アルミニウムなど)や色を用いて生産をするためのシステムにより、どんな高さにも対応するために必要な柔軟性を保証する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の更なる利点および特徴は、本発明の好ましく、且つ、非限定的実施例として描かれている添付の図面を参照しながら、下記実施形態により明らかとなる。
【図1】図1は、本発明の側面図である。
【図2】図2は、段の第1実施形態の平面図である。
【図3】図3は、一対の連続する段の平面図である。
【図4】図4は、段の第2実施形態の平面図である。
【図5】図5は、踊り場の2つの実施形態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面によると、本発明はらせん階段に関する。前記らせん階段は、中心の支持部材(1)と、第1端部(2a)で前記支持部材(1)に連結している複数の段(2)とを有している。特に、図2および4に示すように、前記らせん階段は2種類の段(21、22)を有していて、第1の段(21)は実質的に「L」の形を有していて、第2の段(22)は実質的に矢の形を有している。前記2種の段は階段(10)に沿って交互に配置されていて、その詳細は図3に示されている。
【0015】
第1の段(21)は少なくとも1つの凸部(21a)と1つの凹部(21b)とを有していて、それらは、第2の段(22)の少なくとも1つの凸部(22a)と1つの凹部(22b)とを補完する。凸部(21a、22a)および凹部(21b、22b)は、段(21、22)の上に踏み場所(21c、22c)を形成している。踏み場所(21c、22c)は、本発明が提案する利点を達成するのに厳密には必要のない部位(21d、22d)とは離れている。このようにすることで、人が階段(10)を昇降するときに、「L」型の段(21)は外足のみをサポートし、一方、矢型の段(22)は内足のみをサポートする。
【0016】
階段(10)はまた踊り場(5)を有していて、踊り場(5)の端(5a)は2種類の段(21;22)のうちの1つと同様の形を有している。勿論、端(5a)の形によって、階段(10)を使用する者は誰でも、踊り場(5)の端(5a)が矢型の段(22)のような形であれば外足から踏み出さなければならず、踊り場(5)の端(5a)が「L」型の段(21)のような形であれば内足から踏み出さなければならない。後者の場合、段(2)の数を増やし、ライザーを減らしても良い。
【0017】
全ての概説として、図1はまた、安全のために必要で、段(2)の第2端部(2b)に連結している手すり(3)と、段(2)のライザーを規定するスペーサ部材(4)とを示している。
【0018】
上述の本発明は、発明の概念の範囲から逸脱しない程度に、いくつかの修正や適合を加えても良い。さらに、本発明の全ての部材を技術的に同等の部材と置き換えても良い。
【0019】
勿論、下記特許請求の範囲内での実際の修正および/または改良は可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心の支持部材(1)と、第1端部(2a)で前記支持部材(1)に連結している複数の段(2)とを有するらせん階段であって、
前記段(2)は2種類の段(21、22)を有し、第1の段(21)は実質的に「L」の形を有し、第2の段(22)は実質的に矢の形を有していることを特徴とする、らせん階段。
【請求項2】
前記第1の段(21)は少なくとも1つの凸部(21a)と少なくとも1つの凹部(21b)とを有し、前記第2の段(22)の少なくとも1つの凸部(22a)と1つの凹部(22b)とを補完するようになっていることを特徴とする、請求項1に記載のらせん階段。
【請求項3】
前記段(2)の第2端部(2b)に連結している手すり(3)を有することを特徴とする、請求項1に記載のらせん階段。
【請求項4】
前記段(2)のライザーを規定するよう設計されたスペーサ部材(4)を有することを特徴とする、請求項1または3に記載のらせん階段。
【請求項5】
2種類の前記段(21;22)のうちの1つと同様の形である端(5a)を持つ踊り場(5)を有することを特徴とする、請求項1に記載のらせん階段。
【請求項6】
前記段(21、22)が、必要のない部位(21d、22d)とは離れて踏み場所(21c、22c)を有することを特徴とする、請求項1に記載のらせん階段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−510015(P2012−510015A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538104(P2011−538104)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【国際出願番号】PCT/IT2009/000535
【国際公開番号】WO2010/061417
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(508320653)
【氏名又は名称原語表記】ALBINI & FONTANOT S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Pier Paolo Pasolini,6,I−47852 Cerasolo(IT)
【出願人】(511129650)
【氏名又は名称原語表記】SCHERMA Fausto
【住所又は居所原語表記】Via delle Fontine,3/1,56020 SANTA MARIA A MONTE(Pl)(IT)
【Fターム(参考)】