説明

ろう付けによる二部材の固定構造

【課題】簡単な構造で回り止めを兼ねた二部材のろう付け固定を行えるようにする。
【解決手段】オイルクーラにおいて、オイルフィルタが螺合接続されるコネクタとフィルタ着座プレートとのろう付けによる固定構造である。おねじ部21が形成されたコネクタ8の一端面またはおねじ部21のうち相手側のねじ穴と螺合する部分の外周面に予め切欠溝30を形成しておく。切欠溝30のほかおねじ部21とねじ穴との螺合部分の隙間にろう材を介在させて、フィルタ着座プレートとコネクタとの回り止めを施しながら両者をろう付け固定してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ろう付けによる二部材の固定構造に関し、例えば車両のエンジンオイルやトランスミッションオイルを冷却するためのオイルクーラの構成部品である筒状部材と相手側部材とをろう付けにより固定する構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のエンジンオイルやトランスミッションオイルを冷却するためのオイルクーラの取付構造として、例えば特許文献1に記載されているように、エンジンブロックに固定されたオイルクーラを貫通するように中空状のセンタボルトを配置し、このセンタボルトのおねじ部にオイルフィルタを螺合させることで、同時にそのオイルフィルタをオイルクーラのエンドプレートに着座させるようにしたものがある。
【0003】
そして、同特許文献1に記載のものでは、上記センタボルトの一端のおねじ部を直接エンジンブロックに螺合固定させる一方、そのセンタボルトの他端のおねじ部に対してオイルフィルタを着脱可能に螺合させるようになっている。したがって、オイルフィルタの脱着に際してセンタボルトまでいわゆる共回りすることがないように、そのセンタボルトの一端部側に設定した大径のフランジ部をエンジンブロックに着座させるとともに、そのフランジ部をエンジンブロックと取付プレートとの間に挟み込むことでセンタボルトの固定保持力の向上を図っている。
【特許文献1】特開2000−204920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、センタボルトとして実質的にオイルクーラを貫通するだけの長さが必要となるのに加えてフランジ部を設定する必要があるため、センタボルトの大型化とコストアップが余儀なくされほか、エンジンブロック側には上記フランジ部のための着座面を形成する必要があり、これによって一段と取付構造全体としてのコストアップを招く結果となって好ましくない。
【0005】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、簡単な構造で所期の目的を達成することができるようにしたろう付けによる二部材の固定構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、別部品との螺合接続のためのねじ部が形成された筒状部材を相手側部材の取付穴に挿入して両者をろう付け固定した二部材の固定構造であって、上記相手側部材に対し着座する筒状部材の一端面または筒状部材のうち上記取付穴に挿入される部分の外周面に予め切欠溝を形成しておき、この切欠溝のほか上記相手側部材と筒状部材の接合面同士の間にろう材を介在させて、上記相手側部材と筒状部材側との回り止めを施しながら両者をろう付け固定してあることを特徴とする。
【0007】
より具体的には、請求項2に記載のように、上記取付穴にめねじ部を形成してあるとともに、筒状部材のうち上記めねじ部に挿入される部分におねじ部を形成してあり、これらのめねじ部とおねじ部とを螺合させるとともに、上記切欠溝とともにこの螺合部にろう材を介在させて、両者をろう付け固定してあるものとする。
【0008】
さらに、請求項3に記載の発明は、オイルクーラにおける二部材の固定構造であることを一段と明確化したもので、上記相手側部材はオイルクーラの一部をなすフィルタ着座プレートであり、上記筒状部材は同じくオイルクーラの一部をなすとともにオイル通路として機能するコネクタであって、このコネクタには、上記フィルタ着座プレートに着座することになる別部品としてのオイルフィルタとの螺合接続のためのねじ部としておねじ部を形成してある。
【0009】
ここで、請求項4に記載のように、上記筒状部材が鉄系材料製のものであり、上記相手側部材がアルミニウム系材料製のものであるものとする。
【0010】
したがって、少なくとも請求項1に記載の発明では、上記筒状部材に形成されるねじ部はおねじ部であるかめねじ部であるかは特に問わないが、ろう材によって上記相手側部材と筒状部材側との間で摩擦抵抗が著しく増大し回り止め効果が発揮されることで、筒状部材のねじ部に対して他の部材を螺合させる際に筒状部材までも共回りしてしまう事態を未然に防止できるようになる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、筒状部材にフランジ部を設定する必要もなければ、そのフランジ部のための着座面を形成する必要もないため、筒状部材の小型化と簡素化を図れるとともに、固定構造としても簡素化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1〜5は本発明のより具体的な第1の実施の形態を示す図であり、車両のエンジンオイルを熱交換によって冷却するためのオイルクーラ1であって、且つそのオイルクーラ1に対しエンジンオイル中の異物を除去するための別部品としてのオイルフィルタ23が直接装着されるタイプのものを示している。そして、当該オイルクーラ1の構成部品の固定に本発明に係るろう付けによる二部材の固定構造を適用してある。
【0013】
図1はオイルクーラ1にオイルフィルタ23が装着された状態を、図2はオイルクーラ1にオイルフィルタ23が装着される前の状態をそれぞれ示しており、オイルクーラ1は、オイル流入ポート2とオイル流出ポート3とが形成された比較的板厚の大きな最下段のベースプレート4の上に、後述するように多数の薄板状のコアプレート9A,9B,9Cやエンボス付きコアプレート10を積層してなるコア部5を載置してろう付けにて接合・一体化するとともに、さらにそのコア部5の上にトッププレート6とともにフィルタ着座プレート7を重ねてろう付けにて接合・一体化したものである。そして、着座プレート7の中央部にオイルフィルタ23を接続するための筒状部材としてのパイプ状のコネクタ8を螺合接続してある。なお、コネクタ8が鉄系材料で形成されているのに対して、それ以外の各構成部品は全てアルミニウム系材料にて形成されている。
【0014】
コア部5は、例えば図3に示すように、形状が共に同一の矩形状をなす浅皿状のコアプレート9A,9B,9Cとエンボス付きコアプレート10をフィンプレート11とともに多段にわたって積層した上でろう付けにより接合したものであって、いわゆるハウジングレス構造のコア部として形成してある。より具体的には、最下段のコアプレート9Aとその上のフィンプレート11および最上段のコアプレート9Bのほかに、エンボス付きコアプレート10とコアプレート9Cおよびフィンプレート11の三者がセットとったいわゆるセット組みプレート群をn段(例えば、n=4または5)だけ重ね合わせてろう付けにて接合・一体化してある。なお、エンボス付きコアプレート10にはそのほぼ全面にエンボス部10aを膨出形成してある。また、フィンプレート11については、図示省略してあるがその全面が断面波形状のいわゆるコルゲートフィン状に曲折形成された形状となっている。
【0015】
そして、コアプレート9Aまたは9Cとその上のエンボス付きコアプレート10の間の空間にフィンプレート11が介在していて、当該空間がトッププレート6の内部空間とともにオイル室14として機能する一方、コアプレート9Cとその下側のエンボス付きコアプレート10との間の空間が冷却水室15として機能することになる。つまり、各コアプレート9A,9B,9Cおよびエンボス付きコアプレート10の積層方向において一段おきにオイル室14と冷却水室15とが交互に形成され、それらの一段おきのオイル室14,14同士はオイル連通路12を介して、同じく一段おきの冷却水室15,15同士は冷却水連通路13を介してそれぞれに連通している。
【0016】
上記各オイル室14はベースプレート4側のオイル流入ポート2に連通していて、このオイル流入ポート2から流入したオイルがコア部5の各オイル室14を通流した上で最終的にトッププレート6の内部空間である最上段のオイル室14に流入することになる。他方、上記各冷却水室15は図示外の冷却水流入ポートおよび冷却水流出ポートとそれぞれに連通していて、各冷却水室15を冷却水が通流する過程で上記オイル室14を通流するオイルとの熱交換作用によってそのオイルが冷却されることになる。
【0017】
また、コア部5を形成しているコアプレート9A,9B,9Cおよびエンボス付きコアプレート10の中央部にはフランジ付き連通穴16が形成されているとともに、フィンプレート11の中央部にはその下側のフランジ付き連通穴16を受容する中央連通穴17が形成されていて、コアプレート9A,9B,9Cおよびエンボス付きコアプレート10をフィンプレート11とともに積層する際にそれらのフランジ付き連通穴16,16同士が密着することから、当該密着部についてもろう付けを施すことでコア部5を図1,2の上下方向に貫通する貫通連通路18を形成してある。
【0018】
なお、以上のようなコア部5の基本構成は、本出願人が先に出願している特開2002−332818号公報あるいは特開2006−183903号公報に記載のものとほぼ同一である。
【0019】
トッププレート6の上側の比較的板厚の大きなフィルタ着座プレート7には連通穴19を形成してあるとともに、このフィルタ着座プレート7はろう付けにてトッププレート6に接合してある。なお、これらのトッププレート6とフィルタ着座プレート7とは予め単一部品として形成されていても良く、これらのトッププレート6とフィルタ着座プレート7はコネクタ8が装着される相手側部品として機能することになる。
【0020】
フィルタ着座プレート7の中央部には取付穴として機能するねじ穴(めねじ部)20を予め形成してある一方、先に述べたように例えば鋼材製のコネクタ8の外周にはおねじ部21を予め形成してあることから、ねじ穴20側のめねじ部とおねじ部21との螺合接続をもってフィルタ着座プレート7にコネクタ8を装着してある。そして、このコネクタ8の下端がトッププレート6あるいは貫通連通路18の上端に突き当たるまでコネクタ8を締め込み、ねじ穴20とおねじ部21との螺合部のほか各密着部をろう付けにて接合および固定してある。これにより、貫通連通路18とコネクタ8とが長手方向で一体のものとなり、コネクタ8の内部空間はオイル通路である貫通連通路18の一部として機能することになる。
【0021】
コネクタ8には別部品としてのオイルフィルタ23が着脱可能に装着される。すなわち、オイルフィルタ23のケーシングの一部を形成することになる底部プレート24にはコネクタ8側のおねじ部21に対応するねじ穴(めねじ部)25を形成してある。このねじ穴25をコネクタ8側のおねじ部21に螺合させてオイルフィルタ23全体を締め込むことで、そのオイルフィルタ23のケーシング側のシール部26を着座部としてオイルフィルタ23が着座プレート7に圧接するように装着される。なお、オイルフィルタ23のケーシング内には例えば平面視にて花弁状にプリーツ折りされた円筒状のフィルタエレメント27を収容してある。
【0022】
したがって、図1に示すように、ベースプレート4のオイル流入ポート2からコア部5内に流入したオイルは、各オイル室14を通流する過程で各冷却水室15を通流する冷却水との熱交換作用によって冷却された上で、トッププレート6の内部空間(オイル室14)に至る。そして、トッププレート6の内部空間に流入したオイルは、当該トッププレート6の連通穴6a、フィルタ着座プレート7の連通穴19、およびオイルフィルタ23側の底部プレート24の連通穴28を経由してオイルフィルタ23内に流入することになる。
【0023】
オイルフィルタ23内に流入したオイルは、フィルタエレメント27の外周側から内周側に通流する過程でフィルタリングされた上で、コネクタ8および貫通連通路18を経て最終的にはベースプレート4のオイル流出ポート3から流出することになる。なお、底部プレート24の連通穴28に対応する部分には逆止弁29を付設してある。
【0024】
ここで、上記フィルタ着座プレート7とコネクタ8との螺合部において両者をろう付け固定してあることは先に述べたが、コネクタ8単体の拡大図を図4に、図2のR部におけるコネクタ8との螺合部の拡大図を図5にそれぞれ示してある。
【0025】
これらの図4,5から明らかなように、コネクタ8側のおねじ部21が形成された外周面の一部であって、且つフィルタ着座プレート7側のねじ穴20と螺合する部分には切欠溝30を形成してあるとともに、この切欠溝30のほか図5に示すおねじ部21とねじ穴20側のめねじ部とが直接的に螺合する部分の隙間にはろう材Pを充填し、おねじ部21とねじ穴20との摩擦抵抗を著しく増大させており、もって両者をろう付け固定するのと同時に、切欠溝30に充填されたろう材Pをもってフィルタ着座プレート7とコネクタ8との相対回転を防止するべく回り止めを施してある。つまり、上記切欠溝30に介在したろう材Pがあたかもキー溝結合におけるキーと同等の効果を発揮することで、フィルタ着座プレート7とコネクタ8との相対回転を防止するべくその回り止めを施してある。
【0026】
なお、おねじ部21とねじ穴20側のめねじ部とが直接的に螺合する部分の隙間とは、相互に螺合しているおねじ部21側のねじ山とねじ穴(めねじ部)20側のねじ山との隙間であって、図5に示すようにおねじの谷底隙間Q1およびおねじの山頂隙間Q2を含むものである。また、図4から明らかなように、コネクタ8の上端部内周には、当該コネクタ8を締め込む際のレンチの嵌合部として六角穴31を形成してある。
【0027】
上記切欠溝30のほかおねじ部21とねじ穴(めねじ部)20とが直接的に螺合する部分の隙間にろう材Pを介在させるには、例えばトッププレート6とフィルタ着座プレート7との密着面のうち少なくともいずれか一方に予めろう材をコーティングしてその一方のプレートをクラッド材化しておき、おねじ部21とねじ穴20とを螺合させた上で加熱炉にて加熱して上記ろう材Pを溶融させ、溶けたろう材Pが毛細管現象にておねじ部21とねじ穴20との隙間に満遍なく行き渡るようにする。または、図4のコネクタ8と螺合したフィルタ着座プレート7とトッププレート6との間にシート状のろう材P(ブレージングシートという。)を介在させておき、加熱炉にて加熱してろう材Pを溶融させ、溶けたろう材Pが毛細管現象により切欠溝30のほかおねじ部21とねじ穴20との隙間に満遍なく行き渡るようにする。
【0028】
ここで、相互に螺合しているおねじ部21側のねじ山とねじ穴(めねじ部)20側のねじ山との隙間が0.4mm以下であれば、溶けたろう材Pが毛細管現象によって切欠溝30のほかおねじ部21とねじ穴20との隙間に満遍なく行き渡ることが確認できた。
【0029】
また、おねじ部21とねじ穴20のねじ山同士のなす隙間に比べて切欠溝30はその空間が大きいために、必ずしも切欠溝30全体がろう材Pで埋められることはなくても、一部のろう材Pが切欠溝30に浸入して固化さえすれば、両者の相対回転を防止するための回り止め効果は発揮される。
【0030】
したがって、本実施の形態によれば、コネクタ8としては単純円筒状のもので済むことになり、従来の構造のようにフランジ部を設定する必要もなければ、そのフランジ部のための着座面を形成する必要もなく、コネクタ8の小型化と簡素化を図れるとともに、固定構造としても簡素化できることになる。
【0031】
ここで、上記実施の形態では、筒状部材であるコネクタ8の外周におねじ部21を形成してある場合について例示しているが、例えばコネクタ8の長手方向の両端部外周、すなわちコネクタ8のうちフィルタ着座プレート7およびオイルフィルタ23側の底部プレート24との螺合にあずかる部分のみにおねじ部21を形成しても良い。また、コネクタ8の長手方向の両端のおねじ部の径は必ずしも同径である必要はなく、互いに異径のおねじ部であっても良い。
【0032】
また、図4に示したものでは、おねじ部21の長手方向に沿って切欠溝30を形成しているが、これに代えて、図6に示すようにコネクタ8の下側の端面のみに径方向に沿って切欠溝30Aを形成しても同様の効果が得られることは言うまでもない。さらに、円周方向に数箇所に切欠溝30または30Aを形成するようにしても良い。
【0033】
図7,8は本発明の第2の実施の形態を示す図で、先の第1の実施の形態である図2と共通する部分には同一符号を付してある。
【0034】
この第2の実施の形態では、筒状部材であるコネクタ38をいわゆる段付き軸状のものとして、オイルフィルタ23との螺合接続部となる小径部38aのみにおねじ部21を形成してある一方、大径部38bについてはおねじ部21を形成することなく単純円筒状のものとして形成してある。そして、この大径部38bをフィルタ着座プレート7側の同じく単純円筒状の取付穴32に挿入した上で、図8に示すように両者の固定面となる隙間にろう材Pを介在させていわゆるろう付け固定してある。なお、本実施の形態においても、図4また図6と同様に大径部38bの外周面または端面には単一または複数の切欠溝30または30Aが形成される。
【0035】
ここで、図8から明らかなように、単純円筒状の大径部38bと同じくフィルタ着座プレート7側の取付穴32との隙間Gの大きさは先のねじの場合と同様に0.4mm以下に設定してあり、この隙間Gと図示外の切欠溝30または30Aに溶けたろう材Pが介在することで両者の固定と同時に回り止めが施されている。
【0036】
この第2の実施の形態によれば、先の第1の実施の形態と同様の効果が得られることはもちろんのこと、溶けたろう材Pが隙間G全体に充満する際のいわゆるぬれ性の面で有利であり、隙間G全体にろう材Pを満遍なく充満させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、オイルフィルタが装着されたオイルクーラの断面説明図。
【図2】図1の分解図。
【図3】図1,2に示したコア部の分解図。
【図4】図1,2のコア部に用いられているコネクタ単体の図で、(A)はその一部破断半断面説明図、(B)は同図(A)のa−a線に沿う断面図。
【図5】図2のR部の拡大図。
【図6】図4のコネクタの変形を示す図で、(A)はその一部破断半断面説明図、(B)は同図(A)のb方向矢視図。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示す図で、オイルフィルタが未装着状態のオイルクーラの断面説明図。
【図8】図7のR1部の拡大図。
【符号の説明】
【0038】
1…オイルクーラ
4…ベースプレート
5…コア部
6…トッププレート(相手側部材)
7…フィルタ着座プレート(相手側部材)
8…コネクタ(筒状部材)
20…ねじ穴(取付穴,めねじ部)
21…おねじ部
23…オイルフィルタ(別部品)
30…切欠溝
30A…切欠溝
32…取付穴
38…コネクタ(筒状部材)
P…ろう材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
別部品との螺合接続のためのねじ部が形成された筒状部材を相手側部材の取付穴に挿入して両者をろう付け固定した構造であって、
上記相手側部材に対し着座する筒状部材の一端面または筒状部材のうち上記取付穴に挿入される部分の外周面に予め切欠溝を形成しておき、
この切欠溝のほか上記相手側部材と筒状部材の接合面同士の間にろう材を介在させて、上記相手側部材と筒状部材側との回り止めを施しながら両者をろう付け固定してあることを特徴とするろう付けによる二部材の固定構造。
【請求項2】
上記取付穴にめねじ部を形成してあるとともに、
筒状部材のうち上記めねじ部に挿入される部分におねじ部を形成してあり、
これらのめねじ部とおねじ部とを螺合させるとともに、上記切欠溝とともにこの螺合部にろう材を介在させて、両者をろう付け固定してあることを特徴とする請求項1に記載のろう付けによる二部材の固定構造。
【請求項3】
上記相手側部材はオイルクーラの一部をなすフィルタ着座プレートであり、
上記筒状部材は同じくオイルクーラの一部をなすとともにオイル通路として機能するコネクタであって、
このコネクタには、上記フィルタ着座プレートに着座することになる別部品としてのオイルフィルタとの螺合接続のためのねじ部としておねじ部を形成してあることを特徴とする請求項2に記載のろう付けによる二部材の固定構造。
【請求項4】
上記筒状部材が鉄系材料製のものであり、上記相手側部材がアルミニウム系材料製のものであることを特徴とする請求項3に記載のろう付けによる二部材の固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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