説明

ろう付け状態の検査方法、及びその検査装置

【課題】低コストで、検査精度の低下が抑制され、工程数が簡素化されたろう付け状態を検査するろう付け状態の検査方法及びその検査装置を提供する。
【解決手段】管状の外部部材と、外部部材の内部空間に配置され、該外部部材の内壁にろう付けされた内部部材との、ろう付け状態を検査するろう付け状態の検査方法であって、内部空間を密閉し、該内部空間の気体に圧力変動を生じさせることで、気体の温度を変動させ、外部部材の表面温度分布を検出し、検出された表面温度分布に基づいて、ろう付け状態を検査する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの部材のろう付け状態を非破壊で検査するろう付け状態の検査方法、及びその検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示すように、流体に圧力変動を加えて流体温度を変動させ、流体乃至は流体と接する検査対象(上部に薄膜が接着された基板)の温度変化を検出し、検出された温度変化に基づいて流体乃至は上部に薄膜が接着された基板の熱伝達特性を測定することで、非破壊で薄膜と基板との接着状態の検査を行う熱伝達特性測定装置及び熱伝達特性測定方法が提案されている。特許文献1に示される検査方法では、検査対象(上部に薄膜が接着された基板)に温度変化を生じさせるために、検査対象を密閉された検査槽内に配置し、該検査槽内の気体に圧力変動を加えることで検査対象に温度変化を生じさせ、検査対象の温度分布を、検査槽の外部に設けられた赤外線サーモカメラで撮像することで、基板と薄膜との接着状態の不良箇所を検出するようにしている。
【特許文献1】特開2006―208257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に示される方法では、検査対象に温度変化を生じさせるための耐圧性を有する検査槽を設けなくてはならなく、コストアップの原因となる。また、赤外線サーモカメラを検査槽の外部に設置した状態で、検査対象の温度分布を測定するには、検査槽の壁面に、圧力に強く、赤外線の透過率が良く、さらに温度変化によって透過率が変化しにくい撮像用の観測窓を設けなくてはならない。このような観測窓としては、サファイアなどを採用することができるが、サファイアは、一般的に他の窓材に比べて高く、これもコストアップの原因となる。また、観測窓を介して温度変化を検査する場合、観測窓によって赤外線が吸収されるので、これによって検査精度が落ちることも懸念される。これに対し、赤外線サーモカメラを検査槽内に配置する構成も考えられる。しかしながら、検査時に、検査槽内の圧力が変動するために、その圧力が赤外線サーモカメラに印加され、これによって赤外線サーモカメラに不具合が生じる可能性がある。
【0004】
また、上記した検査を行うために、検査槽内に検査対象を出し入れする工程を経なくてはならないので、工程数が増えることも懸念される。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、低コストで、検査精度の低下が抑制され、工程数が簡素化されたろう付け状態を検査するろう付け状態の検査方法及びその検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、管状の外部部材と、外部部材の内部空間に配置され、該外部部材の内壁にろう付けされた内部部材との、ろう付け状態を検査するろう付け状態の検査方法であって、内部空間を密閉し、該内部空間の気体に圧力変動を生じさせることで、気体の温度を変動させ、外部部材の表面温度分布を検出し、検出された表面温度分布に基づいて、ろう付け状態を検査することを特徴する。
【0007】
本発明によれば、管状の外部部材を密閉し、外部部材の内部空間の気体に圧力変動を生じさせる。これにより、気体の温度を変動させ、気体と接する外部部材及び内部部材の温度を変化させる。ろう付け状態が正常な部位と欠陥が生じている部位とでは、外部部材と内部部材との熱的な接続状態が異なるため、外部部材において、熱平衡状態への温度上昇の振る舞いが異なるものとなる。したがって、外部部材の表面温度分を検出することで、ろう付け状態を検査することができる。
【0008】
このように、検査対象に温度変化を生じさせるための検査槽を設けなくとも、2つの部材のろう付け状態の検査を非破壊で行うことができるので、低コストで検査を行うことができる。また、従来のように、観測窓を介して温度変化を検査しなくとも良いので、検査精度の低下を抑制することができる。また、従来のように、検査槽内に検査対象(外部部材と内部部材)を出し入れしなくともよいので、工程数を簡素化することができる。
【0009】
以上のようにして、上記した検査方法は、低コストで、検査精度の低下が抑制され、工程数が簡素化されたろう付け状態を検査するろう付け状態の検査方法となっている。
【0010】
請求項2に記載の発明の作用効果は、請求項1に記載の発明の作用効果と同様なので、その記載を省略する。
【0011】
請求項3に記載のように、検出手段としては、熱放射分布を測定する赤外線サーモカメラ、及び該熱放射分布を表面温度分布に変換する変換部と該表面温度分布を表示する表示部を備えるパソコンを有するサーモグラフィを採用することができる。
【0012】
請求項4に記載のように、外部部材としては、熱交換器における冷却媒体流通用の管を採用することができ、内部部材としては、波板形状のインナフィンを採用することができる。このように、管の内壁とインナフィンとのろう付け状態を検査対象とすることで、熱交換器としての放熱性を検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を、冷却媒体流通用の管と、該管の内部空間に配置され、該管の内壁にろう付けされたインナフィンとの、ろう付け状態の検査に適用した場合の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る検査装置の概略構成を示す平面図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。図3は、ろう付け部位と欠陥部位の温度上昇の振る舞いを示す図である。
【0014】
図1及び図2に示すように、ろう付け状態の検査装置100は、要部として、検査対象である管10の内部空間10aと圧力ポンプ40との連通を制御する開閉弁30と、管10の開口12aに設けられた蓋31と、管10の内部空間10aの圧力を変動させる圧力ポンプ40と、管10の熱放射分布を測定し、該熱放射分布を表面温度分布に変換し、該表面温度分布を表示するサーモグラフィ50と、を有している。
【0015】
管10は、熱交換器における冷却媒体が流通されるものであり、冷却媒体が流入される流入管11と、冷却媒体を排気する排気管12と、これらを連結する連結管13と、を有している。図1に示すように、これら流入管11、排気管12、連結管13の壁面によって平面略矩形状の配置領域15(図1で破線で囲まれた領域)が形成されており、該配置領域15に冷却対象(例えばインバータ)を配置することで、冷却対象を冷却するようになっている。
【0016】
流入管11の開口11aには、中継管14と開閉弁30を介して圧力ポンプ40が接続されており、排気管12の開口12aには蓋31が設けられて閉塞されている。開閉弁30に開信号(図1に示す白抜き矢印)が入力されると、内部空間10aと圧力ポンプ40とが連通され、蓋31と圧力ポンプ40によって内部空間10aが密閉状態となる。これに対し、開閉弁30に閉信号が入力されると、内部空間10aと圧力ポンプ40との連通が遮断され、蓋31と開閉弁30によって内部空間10aが密閉状態となる。
【0017】
図2に示すように、管10(連結管13)の内部空間10aには、熱伝導率が高い材料(例えばアルミニウム等の金属)によって形成された波板形状のインナフィン16が設けられており、該インナフィン16の頂点部と連結管13の内壁13aとがろう付けされている。このように、内部空間10aにインナフィン16を設けることで、内部空間10aを流通する冷却媒体との接触面積を増やし、管10の放熱効果を向上するようになっている。
【0018】
サーモグラフィ50は、特許請求の範囲に記載の検出手段に相当し、管10の熱放射分布を測定する赤外線サーモカメラ51、及び該熱放射分布を表面温度分布に変換する変換部と該表面温度分布を表示する表示部を備えるパソコン52を有するものである。
【0019】
次に、本発明における管10とインナフィン16とのろう付け状態を検査する原理について説明する。開閉弁30を開状態とし、内部空間10aと圧力ポンプ40とを連通させると、内部空間10aの気体圧力(内圧)が一瞬で上昇(断熱圧縮)し、これに伴って、内部空間10aの気体温度も一瞬で上昇する。これにより、管10とインナフィン16の温度も急激に上昇する。熱は、内部空間10aの気体(例えば空気)から内壁13aに伝達され、内壁13aから外壁13bに向けて拡散し、一定の時間が経つと、内部空間10aの気体と内壁13a、及び内壁13aと外壁13bの温度が略一定となる(熱平衡状態となる)。しかしながら、非熱平衡状態においては、構成材料の熱伝導率と連結管13の内部構造によって、内壁13aに伝達される熱の速度が異なるため、温度分布は一様とはならない。
【0020】
先ず、ろう付け状態が正常な場合における外壁13bの温度上昇の振る舞いを説明する。図2に示すように、内壁13aにおけるインナフィン16と正常にろう付けされている部位17(以下、ろう付け部位17と示す)は、インナフィン16がろう付けされているために、内部空間10aの気体が直接接触されず、内壁13aにおけるインナフィン16がろう付けされていない部位18(以下、非ろう付け部位18と示す)と比べて、圧力印加直後では温度上昇が遅い。しかしながら、インナフィン16を形成するアルミニウムなどの金属は空気よりも熱伝導率が高いため、インナフィン16からも熱がろう付け部位17に伝達され始めると、非ろう付け部位18と比べて温度上昇が速くなる。すなわち、ろう付け部位17における外壁13bの温度が早く熱平衡状態に移行する。図3にろう付け部位17の温度上昇の振る舞いを実線で示す。なお、図3における一点差線は、熱平衡状態における温度を示している。
【0021】
次に、ろう付け状態が異常な場合における外壁13bの温度上昇の振る舞いを説明する。図2に示すように、内壁13aにおけるインナフィン16とのろう付けに欠陥(接続不良)が生じている部位19(図2において破線で囲まれた部位であり、以下、欠陥部位19と示す)は、インナフィン16がろう付けされていないので、ろう付け部位17とは異なる温度上昇の振る舞いを示す。図3に、欠陥部位19の温度上昇の振る舞いを破線で示す。図3に示すように、欠陥部位19は、インナフィン16がろう付けされていないので、欠陥部位19には内部空間10aの気体が直接接触され、圧力印加直後における温度上昇がろう付け部位17よりも速い振る舞いを示す。しかしながら、ろう付け部位17にインナフィン16からの熱が伝達され始めると、欠陥部位19とろう付け部位17の温度上昇の速さが逆転する。すなわち、欠陥部位19における外壁13bの温度が、ろう付け部位17における外壁13bの温度よりも長い時間をかけて熱平衡状態に移行する。なお、非ろう付け部位18にはインナフィン16がろう付けされていないので、非ろう付け部位18には内部空間10aの気体が直接接触され、圧力印加直後における温度上昇が欠陥部位19と同じような振る舞いを示す。しかしながら、非ろう付け部位18の近傍におけるろう付け部位17a,17bからインナフィン16の熱が非ろう付け部位18に伝達され始めると、非ろう付け部位18は、欠陥部位19よりも温度上昇が速くなる。すなわち、欠陥部位19における外壁13bの温度が、非ろう付け部位18における外壁13bの温度よりも長い時間をかけて熱平衡状態に移行する。
【0022】
このように、欠陥部位19における外壁13bの温度は、ろう付け部位17にインナフィン16から熱が伝達され始めると、ろう付け部位17及び非ろう付け部位18における外壁13bの温度よりも長い時間をかけて熱平衡状態に移行するので、加圧した状態から熱平衡状態になるまでの外壁13bの温度上昇の振る舞いをサーモグラフィ50によって観測することで、ろう付け状態の欠陥の有無を判別することができる。
【0023】
次に、本実施形態の検査方法について説明する。開口12aを蓋31によって閉塞し、開閉弁30が途中に設けられた中継管14の一端を開口11aに接続し、他端を圧力ポンプ40に接続する。このさい、開閉弁30を閉状態としておく。そして、圧力ポンプ40を動作状態とした後、開閉弁30に開信号を入力し、赤外線サーモカメラ51の測定を開始する。これにより、温度上昇から熱平衡状態に移行するまでの外壁13bの熱放射分布を赤外線サーモカメラ51によって測定し、測定された熱放射分布をパソコン52の変換部によって表面温度分布に変換し、変換された表面温度分布をパソコン52の表示部に表示する。上記したように、ろう付け部位17にインナフィン16から熱が伝達され始めると、欠陥部位19における外壁13bの温度はろう付け部位17及び非ろう付け部位18における外壁13bの温度よりも長い時間をかけて熱平衡状態に移行するので、表示された表面温度分布の温度上昇の振る舞いを観察することで、ろう付け状態の欠陥の有無を判別することができる。なお、本実施形態において、開閉弁30は、外壁13b全体が熱平衡状態になるまで開状態が維持されるように制御される。
【0024】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態では、管10の内部空間10aの気体に圧力ポンプ40によって圧力変動を生じさせることで気体の温度を変動させ、気体と接する管10及びインナフィン16の温度を変動させている。上記したように、欠陥部位19にはインナフィン16がろう付けされていないので、欠陥部位19における外壁13bの温度は、ろう付け部位17にインナフィン16から熱が伝達され始めると、ろう付け部位17及び非ろう付け部位18における外壁13bの温度よりも長い時間をかけて熱平衡状態に移行する。したがって、加圧した状態から熱平衡状態になるまでの外壁13bの温度上昇の振る舞いをサーモグラフィ50によって観測することで、ろう付け状態の欠陥の有無を判別することができる。
【0025】
このように、本発明によれば、検査対象に温度変化を生じさせるための検査槽を設けなくとも2つの部材のろう付け状態の検査を非破壊で行うことができるので、低コストで検査を行うことができる。また、従来のように、観測窓を介して温度変化を検査しなくとも良いので、検査精度の低下を抑制することができる。また、従来のように、検査槽内に検査対象(管10)を配置しなくともよいので、工程数を簡素化することができる。
【0026】
以上のようにして、上記したろう付け状態の検査方法及びその検査装置は、低コストで、検査精度の低下が抑制され、工程数が簡素化されたろう付け状態を検査するろう付け状態の検査方法及びその検査装置となっている。
【0027】
また、内部空間10aに圧力を印加しているので、内部空間10aの内圧が高まり、内壁13aが、多少外側に膨らむ。これにより、内壁13aとインナフィン16とが点接触で接続されている等の潜在的なろう付け不良を検出することもできる。このように、潜在化しているろう付け状態の欠陥を顕在化させることもできる。
【0028】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0029】
本実施形態では、本発明を、冷却媒体流通用の管と、該管の内部空間に配置され、該管の内壁にろう付けされたインナフィンとの、ろう付け状態の検査に適用した例を示した。しかしながら、本発明が上記例に限定されないことは言うまでもない。
【0030】
本実施形態では、内部空間10aの気体圧力を上昇させることで気体の温度を上昇させ、加圧した状態から熱平衡状態に移行するまでの外壁13bの温度上昇の振る舞いを観測することで、ろう付け状態の欠陥の有無を判別する検査例を示した。しかしながら、内部空間10aの気体圧力を下降(減圧)させることで内部空間10aの気体温度を下降させ、外壁13bの温度下降の振る舞いを観測することで、ろう付け状態の欠陥の有無を判別するようにしても良い。上記したように、欠陥部位19は、インナフィン16がろう付けされていないので、内壁13aからインナフィン16を伝って内部空間10aの空気に放出される熱量が少ない。したがって、欠陥部位19における外壁13bの温度は、ろう付け部位17及び非ろう付け部位18における外壁13bの温度よりも長い時間をかけて熱平衡状態に移行する。このように、減圧した状態においても、欠陥部位19とろう付け部位17及び非ろう付け部位18では熱平衡状態に移行する振る舞いが異なるので、減圧した状態から熱平衡状態になるまでの外壁13bにおける温度下降の振る舞いを観測することで、ろう付け状態の欠陥の有無を判別することもできる。
【0031】
本実施形態では、検査時において、開閉弁30は、外壁13b全体が熱平衡状態になるまで開状態が維持される例を示した。しかしながら、表面温度分布の変化が僅かで、熱的な雑音の影響を受ける場合、開閉弁30の開閉を交互に繰り返すことで、加減圧を繰り返し、その加減圧信号とサーモグラフィ50の信号との相関をとることで、SN比を改善するようにしてもよい。
【0032】
本実施形態では、赤外線サーモカメラ51によって、開閉弁30に開信号が入力されてから管10が熱平衡状態となるまで外壁13bの熱放射分布を測定する例を示した。しかしながら、上記したように、欠陥部位19とろう付け部位17及び非ろう付け部位18では熱平衡状態に移行する振る舞いが異なるので、例えば図3に示される非熱平衡状態におけるろう付け部位17と欠陥部位19に温度差が生じる任意の時点T1,T2における外壁13bの熱放射分布を赤外線サーモカメラ51によって測定し、測定された熱放射分布をパソコン52の変換部によって表面温度分布に変換し、変換された表面温度分布をパソコン52の表示部に表示し、表示された表面温度分布を観察することで、ろう付け状態の有無を判別するようにしても良い。
【0033】
本実施形態では、検出手段として、管10の熱放射分布を測定する赤外線サーモカメラ51、及び該熱放射分布を表面温度分布に変換する変換部と該表面温度分布を表示する表示部を備えるパソコン52を有するサーモグラフィ50を採用した例を示した。しかしながら、検出手段は上記例に限定されない。検出手段としては、例えば管10の熱放射分布を測定する赤外線サーモカメラと、該熱放射分布をプリントアウトするプリンタとを有するものを採用することができる。プリントアウトされた赤外線量の強弱を表す熱放射分布を観測することで、ろう付け状態の欠陥の有無を判別することもできる。
【0034】
また、本実施形態におけるパソコン52に、赤外線サーモカメラ51で測定された熱放射分布のデータと開閉弁30の開閉状態を同期させるロックインアンプを接続させることで、時間と熱放射分布のデータとが関連付けられた熱放射データをパソコン52に入力するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1実施形態に係る検査装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】ろう付け部位と欠陥部位の温度上昇の振る舞いを示す図である。
【符号の説明】
【0036】
10・・・管
16・・・インナフィン
17・・・ろう付け部位
19・・・欠陥部位
30・・・開閉弁
40・・・圧力ポンプ
50・・・サーモグラフィ
100・・・検査装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状の外部部材と、前記外部部材の内部空間に配置され、前記外部部材の内壁にろう付けされた内部部材との、ろう付け状態を検査するろう付け状態の検査方法であって、
前記内部空間を密閉し、該内部空間の気体に圧力変動を生じさせることで、前記気体の温度を変動させ、
前記外部部材の表面温度分布を検出し、検出された前記表面温度分布に基づいて、前記ろう付け状態を検査することを特徴とするろう付け状態の検査方法。
【請求項2】
管状の外部部材と、前記外部部材の内部空間に配置され、前記外部部材の内壁にろう付けされた内部部材との、ろう付け状態を検査するろう付け状態の検査装置であって、
前記内部空間を密閉し、前記内部空間の気体に圧力変動を生じさせることで、前記気体の温度を変動させる温度変動手段と、
前記外部部材の熱放射分布を測定し、前記熱放射分布若しくは該熱放射分布に基づいて変換された表面温度分布を表示する検出手段と、を有することを特徴とするろう付け状態の検査装置。
【請求項3】
前記検出手段は、熱放射分布を測定する赤外線サーモカメラ、及び該熱放射分布を表面温度分布に変換する変換部と該表面温度分布を表示する表示部を備えるパソコンを有するサーモグラフィであることを特徴とする請求項2に記載のろう付け状態の検査装置。
【請求項4】
前記外部部材は、熱交換器における冷却媒体流通用の管であり、
前記内部部材は、波板形状のインナフィンであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のろう付け状態の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−25762(P2010−25762A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187769(P2008−187769)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】